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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119463
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】運搬用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/24 20060101AFI20230821BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20230821BHJP
【FI】
B65D6/24 F
B65D6/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022384
(22)【出願日】2022-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 義久
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB09
3E061CA04
3E061CA12
3E061CA22
3E061DB11
(57)【要約】
【課題】回転可能に連結される上枠と側壁との連結、分解が簡単に行え、破損した軸や側壁の交換も簡単に行える運搬用容器を提案する。
【解決手段】運搬用容器1は、上枠2と、底壁3と、上枠2と底壁3の間に組み立てられる複数の側壁4と、を備える。複数の側壁4は、上枠2に対して回転可能に連結される第一側壁4aを含む。第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材には、操作可能な操作部材5が取り付けられる。操作部材5は、第一側壁4aと上枠2とを回転可能に連結する連結軸50を有する。第一側壁4aと上枠2のうちの他方の部材は、連結軸50を受ける軸受け6を有する。操作部材5は、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、移動可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠と、底壁と、前記上枠と前記底壁の間に組み立てられる複数の側壁と、を備え、
前記複数の側壁は、前記上枠に対して回転可能に連結される第一側壁を含む運搬用容器であって、
前記第一側壁と前記上枠のうちの一方の部材には、操作可能な操作部材が取り付けられ、
前記操作部材は、前記第一側壁と前記上枠とを回転可能に連結する連結軸を有し、
前記第一側壁と前記上枠のうちの他方の部材は、前記連結軸を受ける軸受けを有し、
前記操作部材は、前記連結軸が前記軸受けに受けられる連結位置と、前記連結軸が前記軸受けから離れた非連結位置との間で、移動可能である、
ことを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
前記操作部材は、弾性変形可能であり、前記一方の部材に引っ掛かる係止部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
前記操作部材は、手で操作可能な操作部と、前記操作部から突出した前記連結軸と、前記操作部から突出した前記係止部と、を有し、
前記一方の部材は、前記操作部材が取り付けられる凹状の取付部を有し、
前記取付部は、前記操作部が露出する第一開口部と、前記係止部が露出する第二開口部とを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項4】
前記一方の部材は、前記軸受けが収まる凹みを有し、
前記凹みには、前記軸受けに引っ掛かる引っ掛け部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の運搬用容器。
【請求項5】
前記引っ掛け部は、前記連結軸に向けて突出した突部であり、
前記軸受けには、前記突部と前記連結軸とが挿入される貫通孔が設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の運搬用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平面視矩形状かつ枠状の上枠と、平面視矩形状をなす底板と、上枠と底板の間に位置する複数の側板と、を備える折り畳みコンテナが記載されている。この折り畳みコンテナでは、上枠に対して側板が回動可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4201327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の折り畳みコンテナでは、側板が備える取付軸に負荷がかかって破損したり、側板の本体部分が破損した場合に、側板を丸ごと交換する必要があった。また、この交換の際、特許文献1に記載の折り畳みコンテナでは、パーツ交換を前提とした構造ではないため、上枠と側板との分解が容易ではなかった。
【0005】
上記事情に鑑みて、本開示は、回転可能に連結される上枠と側壁との連結、分解が簡単に行え、破損した軸や側壁の交換も簡単に行える運搬用容器を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る一態様の運搬用容器は、上枠と、底壁と、前記上枠と前記底壁の間に組み立てられる複数の側壁と、を備え、前記複数の側壁は、前記上枠に対して回転可能に連結される第一側壁を含む運搬用容器である。前記第一側壁と前記上枠のうちの一方の部材には、操作可能な操作部材が取り付けられる。前記操作部材は、前記第一側壁と前記上枠とを回転可能に連結する連結軸を有する。前記第一側壁と前記上枠のうちの他方の部材は、前記連結軸を受ける軸受けを有する。前記操作部材は、前記連結軸が前記軸受けに受けられる連結位置と、前記連結軸が前記軸受けから離れた非連結位置との間で、移動可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る一態様の運搬用容器では、回転可能に連結される上枠と側壁との連結、分解が簡単に行え、破損した軸や側壁の交換も簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、一実施形態の運搬用容器を示す斜視図であり、蓋の図示を省略した図であり、図1Bは、図1AのA部を拡大して示す図である。
図2図2は、同上の運搬用容器の蓋付きの状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1Aの運搬用容器を示す正面図である。
図4図4は、図3のB-B線における側断面図であり、同上の運搬用容器が備える上枠と側壁と操作部材とを、運搬用容器の内側から見た図である。
図5図5は、同上の運搬用容器が備える他の側壁を示す正面図である。
図6図6は、同上の運搬用容器が備える底壁を示す斜視図である。
図7図7は、同上の蓋を示す斜視図である。
図8図8は、同上の操作部材を示す斜視図である。
図9図9Aは、同上の操作部材が連結位置にある状態を示す一部破断側面図であり、図9Bは、同上の操作部材が非連結位置にある状態を示す一部破断側面図である。
図10図10Aは、同上の操作部材が連結位置にある状態を示す他の一部破断側面図であり、図10Bは、同上の操作部材が非連結位置にある状態を示す他の一部破断側面図である。
図11図11は、同上の運搬用容器が備える第二操作部材を示す斜視図である。
図12図12A~Cは、同上の上枠と他の側壁とを連結する様子を示す一部破断背面図であり、運搬用容器の内側から上枠と他の側壁とを見た図である。
図13図13A~Cは、同上の底壁と他の側壁とを連結する様子を示す一部破断背面図であり、運搬用容器の内側から底壁と他の側壁とを見た図である。
図14図14は、同上の運搬用容器が備える第四操作部材を示す斜視図である。
図15図15A~Cは、同上の蓋と上枠とを連結する様子を示す正面図である。
図16図16は、同上の運搬用容器の変形例を示す側面図であり、一対の側壁(第一側壁)と蓋の図示を省略した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
1.概要
図1に示す一実施形態の運搬用容器1(以下単に「容器1」という)は、上枠2と、底壁3と、上枠2と底壁3の間に組み立てられる複数の側壁4と、を備える。複数の側壁4は、上枠2に対して回転可能に連結される第一側壁4aを含む。第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材には、操作可能な操作部材5が取り付けられる。操作部材5は、第一側壁4aと上枠2とを回転可能に連結する連結軸50を有する。第一側壁4aと上枠2のうちの他方の部材は、連結軸50を受ける軸受け6を有する。操作部材5は、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、移動可能である。
【0010】
上記構成を備える一実施形態の容器1では、操作部材5を操作することで、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、操作部材5を移動させることができる。そのため、一実施形態の容器1では、第一側壁4aと上枠2とが連結される状態と、第一側壁4aと上枠2とが分解可能な状態との切り替えが容易であり、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行える。そのうえ、一実施形態の容器1では、第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材に取り付けられる操作部材5に連結軸50が設けられているため、連結軸50が破損しても、操作部材5を取り換えるだけでよく、連結軸50の交換も簡単に行える。また、一実施形態の容器1では、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行えるため、第一側壁4aの交換も簡単に行える。
【0011】
2.詳細
続いて、図1Aから図15Cに示す本実施形態の容器1について図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0012】
図1Aに示すように、容器1は、上面に開口を有する箱状である。容器1は、折り畳み可能であり、組み立て状態において略直方体の箱状である。以下では、平面視における容器1の長手方向を左右方向とし、平面視における容器1の短手方向を前後方向とし、この左右方向及び前後方向に対して直交する方向を上下方向として、各構成について説明する。
【0013】
容器1は、平面視矩形枠状の上枠2と、矩形板状の底壁3と、上枠2と底壁3の間に組み立てられる複数の側壁4と、操作可能な操作部材5と、を備える。容器1は更に、側壁4(詳しくは後述する第二側壁4b)と上枠2との連結に用いられる第二操作部材7と、第二側壁4bと底壁3との連結に用いられる第三操作部材8と、を備える。複数の側壁4は、上枠2に対して回転可能に連結される一対の第一側壁4aと、上枠2に対して回転可能に連結される一対の第二側壁4bとを含む。
【0014】
図2に示すように、容器1は更に、上枠2の上端開口を開閉する蓋9と、上枠2と蓋9との連結に用いられる第四操作部材10と、を備える。蓋9は、上枠2の上端開口の一部(前半部)を開閉するように、上枠2に回転可能に連結される第一蓋9aと、上枠2の上端開口の残りの部分(後半部)を開閉するように、上枠2に回転可能に連結される第二蓋9bと、を含む。上枠2、底壁3、複数の側壁4、操作部材5、第二操作部材7、第三操作部材8、蓋9、及び第四操作部材10のそれぞれは、本実施形態では、合成樹脂製である。
【0015】
2-1.上枠
上枠2は、図1Aに示すように、一対の第一側壁4aの上端部に連結される一対の短側フレーム20と、一対の第二側壁4bの上端部に連結される一対の長側フレーム21とを、一体に有する。
【0016】
一対の短側フレーム20のそれぞれの上面には、前後一対の突起200が設けられている。図4に示すように、一対の短側フレーム20のそれぞれの前後の端部には、軸受け6が設けられている。軸受け6には、前後方向に貫通した貫通孔60が設けられている(図10A図10B参照)。
【0017】
図1A及び図3に示すように、一対の長側フレーム21のそれぞれの上面には、蓋9a,9bが回転可能に連結される連結部22が設けられている。一方の長側フレーム21の連結部22と、他方の長側フレーム21の連結部22とは、点対称に設けられている。
【0018】
連結部22は、左右方向に間隔をおいて一列に配置された複数の突出部23と、隣接する2つの突出部23に架け渡された連結軸24と、を有する。複数の突出部23は、同方向に向けて開口した軸受け凹部230が設けられた複数の軸受け突出部23aと、軸受け突出部23aとの間に連結軸24が架け渡される複数の支持突出部23bと、他の突出部23cと、を含む。他の突出部23cには、軸受け凹部230が設けられておらず、また連結軸24も架け渡されていない。
【0019】
本実施形態では、前側の長側フレーム21に設けられた複数の軸受け突出部23aでは、軸受け凹部230が左方に向けて開口している。後側の長側フレーム21に設けられた複数の軸受け突出部23aでは、軸受け凹部230が右方に向けて開口している。
【0020】
一対の長側フレーム21のそれぞれの長手方向の一端側には、第四操作部材10が取り付けられる凹状の取付部25が設けられている。前側の長側フレーム21では、取付部25が左側に設けられ、後側の長側フレーム21では、取付部25が右側に設けられている。
【0021】
取付部25は、容器1の外部空間に向けて開口し、かつ長側フレーム21の上方に向けて開口している。取付部25は、長側フレーム21の上面に開口した上端開口250を有する。上端開口250は、複数の突出部23のうちの左右方向の一端部に位置する2つの突出部23(23a,23c)の間に位置している。
【0022】
図3に示すように、取付部25は、第四操作部材10の一部(詳しくは操作部11)が露出する第一開口部251と、第四操作部材10の他の一部(詳しくは係止部12)が露出する第二開口部252及び第三開口部253と、を含む。第一開口部251の左右方向内側に、第二開口部252と第三開口部253が上下に並んで位置している。開口部251,252,253のそれぞれは、容器1の外部空間に向けて(つまり前後方向外側に向けて)開口している。開口部251,252,253のそれぞれは、矩形状の開口である。
【0023】
図1Aに示すように、一対の長側フレーム21のそれぞれの下端部には、第二側壁4bとの連結に用いられる複数の軸受け26が設けられている。複数の軸受け26は、左右方向に間隔をおいて位置する。複数の軸受け26のそれぞれには、左右方向に貫通する貫通孔260が設けられている。
【0024】
2-2.側壁
複数の側壁4は、容器1の長手方向(左右方向)に対向する一対の第一側壁4aと、容器1の短手方向(前後方向)に対向する一対の第二側壁4bとを含む。一対の第一側壁4aは、底壁3の2つの短辺に沿った端部(つまり左右の端部)に立設され、一対の第二側壁4bは、底壁3の2つの長辺に沿った端部(つまり前後の端部)に立設される。
【0025】
2-2-1.第一側壁
図1Aに示す一対の第一側壁4aは、互いに同じ構造である。一対の第一側壁4aのそれぞれは、1枚の板材で構成されている。一対の第一側壁4aのそれぞれの下端部は、底壁3の左右の端部に対して着脱可能に連結される。一対の第一側壁4aのそれぞれの上端部は、上枠2の左右の短側フレーム20に対して、回転可能かつ着脱可能に連結される。
【0026】
図4に示すように、一対の第一側壁4aのそれぞれの下端部には、底壁3の左右の端部に対して着脱可能に連結される係合部40が設けられている。係合部40は、本実施形態では、第一側壁4aの下端部から左右方向内側に突出した前後一対の突起400である。
【0027】
一対の第一側壁4aのそれぞれの上端部には、操作部材10が取り付けられる凹状の取付部41が設けられている。第一側壁4aの上端部の前後の端部に、取付部41が1つずつ設けられている。
【0028】
図1B及び図4に示すように、取付部41は、操作部材5の一部(詳しくは操作部51)が露出する第一開口部410と、操作部材5の他の一部(詳しくは係止部52)が露出する第二開口部411とを含む。第一開口部410と第二開口部411のそれぞれは、容器1の内部空間に向けて開口している。第一開口部410と第二開口部411は、矩形状の開口である。なお、取付部41は、容器1の外部空間に対しては露出していない。取付部41は更に、操作部材5の連結軸50が通される挿通孔412(図10A図10B参照)を含む。
【0029】
図1Bに示すように、第一開口部410の上下の縁には、操作部材5を支持する爪部413が設けられている。操作部材5は、上下一対の爪部413に支持されることで取付部41からの抜け落ちが防がれる。
【0030】
図4に示すように、一対の第一側壁4aのそれぞれの上端部には、上枠2に設けられた軸受け6が収まる一対の凹み42が更に設けられている。第一側壁4aの上端部の前後の端部に1つずつ凹み42が設けられている。一対の凹み42のそれぞれは、一対の取付部41に隣接して位置する。本実施形態では、一対の凹み42のそれぞれは、上方に向けて開口するとともに、左右方向のそれぞれに向けて開口しており、切欠き形状に設けられている。一対の凹み42は、対称に設けられている。
【0031】
凹み42は、第一開口部410の隣に配置されており、第一開口部410に対して第二開口部411とは反対側に位置する。凹み42は、挿通孔412(図10A図10B参照)に連通している。
【0032】
図1B及び図10Aに示すように、凹み42には、軸受け6に引っ掛かる引っ掛け部420が設けられている。本実施形態では、引っ掛け部420は、凹み42のうち、挿通孔412に対向する壁から、挿通孔412に向けて突出した円柱状の突部である。
【0033】
引っ掛け部420は、操作部材5の連結軸50と同じ直径を有する。取付部41に取り付けた状態の操作部材5の連結軸50の中心軸と、引っ掛け部420の中心軸とは、前後方向に延びる同一直線上に位置する。
【0034】
2-2-2.第二側壁
図1Aに示す一対の第二側壁4bは、互いに同じ構造である。一対の第二側壁4bのそれぞれは、回転可能に互いに連結された2枚の板材43,44で構成されている。一対の第二側壁4bのそれぞれは、2枚の板材43,44が1枚の板状に上下に並ぶ組み立て状態と、2枚の板材43,44が厚み方向に積み重なる折り畳み状態とに切替可能である。一対の第二側壁4bのそれぞれは、組み立て状態で、底壁3の前後の端部に立設される。
【0035】
一対の第二側壁4bのそれぞれの下端部は、底壁3の前後の端部に対して、回転可能かつ着脱可能に連結される。一対の第二側壁4bのそれぞれの上端部は、上枠2の長側フレーム21に対して、回転可能かつ着脱可能に連結される。
【0036】
図5に示すように、上側の板材43の上端部には、上枠2との連結に用いられる上側連結部430が設けられている。下側の板材44の下端部には、底壁3との連結に用いられる下側連結部440が設けられている。上側の板材43の下端部と、下側の板材44の上端部には、回転可能に連結されるヒンジ構造の中間連結部431,441が設けられている。
【0037】
上側連結部430は、左右方向に間隔をおいて一列に配置された複数の突出部432と、一部の突出部432から左右方向の片側に向けて突出した連結軸433と、を有する。本実施形態では、複数の突出部432のうち、左右方向の一端部に位置する1つの突出部432bを除いた残りの複数の突出部432aのそれぞれから、連結軸433が同方向に突出している。図5に示す後側の第二側壁4bでは、連結軸433は左方に突出している。前側の第二側壁4bでは、連結軸433は右方に突出している。
【0038】
上側の板材43の上部には、第二操作部材7が取り付けられる凹状の取付部45が設けられている。取付部45は、上側の板材43の左右方向の一端部に配置されている。取付部45は、前後方向と上方のそれぞれに開口している。取付部45の上端開口450は、上側の板材43の上面のうち、左右方向の一端部に位置する2つの突出部432aの間に位置している。
【0039】
取付部45は、第二操作部材7の一部(詳しくは操作部70)が露出する第一開口部451と、第二操作部材7の他の一部(詳しくは係止部71)が露出する第二開口部452と、を有する。第一開口部451と第二開口部452のそれぞれは、容器1の外部空間(詳しくは前後方向外側)に向けて開口している。第一開口部451と第二開口部452のそれぞれは、矩形状の開口である。
【0040】
取付部45は更に、図12Aに示すように、容器1の内部空間(詳しくは前後方向内側)に向けて開口した左右一対の第三開口部453を有する。左右一対の第三開口部453のそれぞれは、上下方向に延びた長方形状の開口である。
【0041】
図5に示すように、下側連結部440は、左右方向に間隔をおいて一列に配置された複数の突出部442と、複数の突出部442のそれぞれから同方向に向けて突出した複数の連結軸443と、を有する。図5に示す後側の第二側壁4bでは、連結軸443は左方に突出している。前側の第二側壁4bでは、連結軸443は右方に突出している。
【0042】
下側の板材44の下部には、第三操作部材8が取り付けられる凹状の取付部46が設けられている。取付部46は、取付部45と同じ構造であり、取付部45に対して対称に設けられている。
【0043】
取付部46は、下側の板材44の左右方向の一端部に配置されている。取付部46は、左右方向における位置が、取付部45と同じであり、取付部45の真下に位置している。取付部46は、前後方向と下方のそれぞれに開口している。取付部46の下端開口460は、下側の板材44の下面のうち、左右方向の一端部に位置する2つの突出部442の間に位置している。
【0044】
取付部46は、第三操作部材8の一部(詳しくは操作部80)が露出する第一開口部461と、第三操作部材8の他の一部(詳しくは係止部81)が露出する第二開口部462と、を有する。第一開口部461と第二開口部462のそれぞれは、容器1の外部空間(詳しくは前後方向外側)に向けて開口している。第一開口部461と第二開口部462のそれぞれは、矩形状の開口である。
【0045】
取付部46は更に、図13Aに示すように、容器1の内部空間(詳しくは前後方向内側)に向けて開口した左右一対の第三開口部463を有する。左右一対の第三開口部463のそれぞれは、上下方向に延びた長方形状の開口である。
【0046】
2-3.底壁
図6に示す底壁3は、主体を構成する矩形板状の底壁本体30と、底壁本体30の前後の端部に設けられた連結部31と、底壁本体30の左右の端部に設けられた係合部32と、有する。底壁3は更に、連結部31を前後方向外側から覆う帯板状のカバー部33と、係合部32を左右方向外側から覆う帯板状のカバー部34と、を有する。
【0047】
連結部31は、左右方向に間隔をおいて一列に配置された複数の突出部35を有する。複数の突出部35のそれぞれには、同方向に向けて開口した軸受け凹部36が設けられている。前側の連結部31では、軸受け凹部36が左方に開口し、後側の連結部31では、軸受け凹部36が右方に開口している。
【0048】
複数の突出部35の配置は、第二側壁4bの複数の突出部442及び連結軸443(図5参照)の配置に対応している。隣接する2つの突出部35の間には、1つの突出部442及び連結軸443が左右方向に移動可能に挿入できる。
【0049】
係合部32は、本実施形態では、前後方向に間隔をおいて配置された2つの係合凸部37を有する。2つの係合凸部37のそれぞれは、カバー部34から左右方向内側に突出したU字状の部分である。この2つの係合凸部37に、図4に示す第一側壁4aの2つの突起400が係合する。
【0050】
図6に示すように、2つのカバー部34のそれぞれの前後方向の一端部には、第二側壁4bの左右方向の一端部の突出部442から突出する連結軸443(図5参照)が通される係止孔340が設けられている。左側のカバー部34では、後端部に係止孔340が設けられ、右側のカバー部34では、前端部に係止孔340が設けられている。
【0051】
2-4.蓋
図2図7に示す蓋9は、前後に並んで位置する第一蓋9aと第二蓋9bとを有する。第一蓋9aと第二蓋9bは、互いに同じ構造である。以下では、上枠2の開口部の前半部を開閉する第一蓋9aについて詳しく説明する。
【0052】
第一蓋9aは、板状の蓋本体90と、蓋本体90の前後方向の一端部(前端部)に設けられた連結部91と、を有する。蓋本体90の左右の両端部のそれぞれには、上枠2の突起200が嵌まり込む嵌合孔92が設けられている。嵌合孔92は、蓋本体90を上下方向(厚み方向)に貫通している。
【0053】
連結部91は、上枠2の連結部22に対して回転可能かつ着脱可能に連結される。連結部91は、左右方向に間隔をおいて一列に配置された複数の突出部93と、一部の突出部93から左右方向の片側に向けて突出した連結軸94と、を有する。
【0054】
複数の突出部93は、連結軸94が突出した複数の突出部93aと、下方に向けて開口する軸受け用の溝930が形成された複数の突出部93bと、を含む。第一蓋9aでは、各突出部93aから連結軸94が右方に突出し、第二蓋9bでは、各突出部93aから連結軸94が左方に突出している。
【0055】
複数の突出部93aと複数の突出部93bの配置は、上枠2の複数の突出部23と複数の連結軸24の配置(図1A参照)に対応している。隣接する2つの突出部23の間には、1つの突出部93が左右方向に移動可能に挿入できる。
【0056】
2-5.操作部材
図1Bに示す操作部材5は、利用者によって操作可能であり、上枠2と第一側壁4aとの連結に用いられる。操作部材5は、上枠2と第一側壁4aとの連結に用いられる連結軸50を少なくとも有する。
【0057】
本実施形態の容器1は、一対の第一側壁4aのそれぞれの前後の取付部41に取り付けられる合計4つの操作部材5を備える。図4に示すように、一方の第一側壁4aに取り付けられる2つの操作部材5は、互いに線対称に設けられている。同様に、他方の第一側壁4aに取り付けられる2つの操作部材5は、互いに線対称に設けられている。以下では、図1Bに示す右側の第一側壁4aの前端部の取付部41に取り付けられる操作部材5について、詳しく説明する。
【0058】
操作部材5は、図8に示すように、手で操作可能な操作部51と、操作部51から突出した連結軸50と、操作部51から突出した係止部52と、を有する。係止部52は、弾性変形可能である。
【0059】
操作部51は、本実施形態では、左右方向内側(図8では左側)に開口した矩形の箱状である。操作部51は、矩形状の底板部510と、底板部510の4つの辺から左右方向内側に突出した4つの側板部511と、を有する。4つの側板部511は、前後方向に対向する2つの側板部511aと、上下方向に対向する2つの側板部511bと、を有する。
【0060】
2つの側板部511aのうちの一方から、連結軸50が突出し、他方から、係止部52が突出している。連結軸50と係止部52が突出する方向は、互いに逆方向である。連結軸50と係止部52との間に操作部51が位置している。
【0061】
操作部材5は更に、操作部51に対して係止部52と同じ側に設けられた箱状の延長部53を有する。延長部53は、左右方向外側(図8では右側)に向けて開口した矩形の箱状である。延長部53は、矩形状の底板部530を有する。底板部530の一部には、左右方向に貫通した孔531が設けられている。この孔531内に、係止部52が配置されている。
【0062】
係止部52は、操作部51の後側の側板部511aから後方に向けて突出した矩形板状の本体部520と、本体部520の先端部(後端部)から左右方向内側に突出した爪部521と、を有する。係止部52は、底板部530の孔531内にあることで、先端側の爪部521が左右方向に移動するように、係止部52の全体が弾性変形可能である。
【0063】
操作部材5は更に、取付部41の一対の爪部413(図1B参照)が引っ掛かる上下一対のリブ54を有する。上下一対のリブ54のそれぞれは、前後方向に延びた突条のリブである。上下一対のリブ54のそれぞれは、操作部51の前端から延長部53の後端にわたっている。
【0064】
操作部材5は、図9A図9Bに示すように、第一側壁4aの取付部41に取り付けられる。操作部材5は、第一開口部410を通じて、取付部41の内側に出し入れ可能であり、取付部41に対して着脱可能である。
【0065】
操作部材5は、取付部41の内側に挿入された状態で、取付部41の上下一対の爪部413が上下一対のリブ54に左右方向内側から引っ掛かることで、第一開口部410からの抜け落ちが防がれる。操作部材5は、上下一対のリブ54が取付部41の上下一対の爪部413を乗り越えるように、一定以上の力を加えて左右方向に動かすことで、取付部41に対して出し入れできる。
【0066】
操作部材5は、取付部41の内側において前後方向に移動可能である。操作部材5は、第一開口部410から露出する操作部51を指で前後に操作することで、前後方向に移動させることができる。操作部材5は、図9A図10Aに示す連結位置と、図9B図10Bに示す非連結位置との間で、前後方向に移動可能である。図10A図10Bは、操作部材5の連結軸50の中心軸を通る仮想鉛直面における断面図である。
【0067】
図9A図10Aに示す連結位置にあるとき、操作部材5の操作部51は、取付部41の第一開口部410の前寄りの部分に位置する。このとき、操作部材5の連結軸50は、取付部41の挿通孔412を通って、連結軸50の先端部が、第一側壁4aの凹み42内に位置して、凹み42内の軸受け6の貫通孔60内に配置される。またこのとき、操作部材5の係止部52は、その全体が第一開口部410に位置する。
【0068】
図9B図10Bに示す非連結位置にあるとき、操作部51は、取付部41の第一開口部410の後寄りの部分に位置する。このとき、連結軸50は、第一開口部410に位置する。これにより、連結軸50が軸受け6によって軸受けされた状態が解除され、上枠2と第一側壁4aとは分解可能な状態となる。またこのとき、係止部52は、爪部521が第二開口部411に位置する。
【0069】
図9Aに示す連結位置から図9Bに示す非連結位置への操作部材5の移動は、操作部材5の係止部52の爪部521が第一開口部410の前後方向内側の縁(図では後縁)に引っ掛かることで、規制される。また、非連結位置から連結位置への操作部材5の移動は、操作部材5の係止部52の爪部521が第二開口部411の前後方向外側の縁(図では前縁)に引っ掛かることで、規制される。これにより、連結位置と非連結位置との間での操作部材5の移動が意図せず行われることが、抑えられる。
【0070】
連結位置にある操作部材5は、第一開口部410に指を入れて係止部52の爪部521を押して弾性変形させながら、操作部51を前後方向内側(図では後側)に移動させることで、非連結位置へと移動させることができる。
【0071】
非連結位置にある操作部材5は、第一開口部410に指を入れて操作部51を前後方向外側(図では前側)に移動させることで、連結位置へと移動させることができる。
【0072】
容器1が備える他の3つの操作部材5も、上述した方法と同様の方法で操作可能である。
【0073】
2-6.第二操作部材
図1Aに示す第二操作部材7は、利用者によって操作可能であり、上枠2と第二側壁4bとの連結に用いられる。なお、第二操作部材7は、上枠2と第二側壁4bとの連結に用いられる連結軸を有していない。
【0074】
本実施形態の容器1は、一対の第二側壁4bのそれぞれの左右方向の一端部の取付部45に取り付けられる合計2つの第二操作部材7を備える。以下では、図1Aに示す後側の第二側壁4bの右端部の取付部45に取り付けられる第二操作部材7について、詳しく説明する。
【0075】
図11に示すように、第二操作部材7は、手で操作可能な操作部70と、弾性変形可能な係止部71と、上枠2と第二側壁4bとの相対的な左右方向の移動を止めるストッパー部72と、第二操作部材7の上下方向の移動を規制する第二係止部73と、を有する。第二操作部材7は更に、操作部70とストッパー部72の間に位置する中間部74を有する。
【0076】
操作部70は、前後方向内側(図11では後側)に開口した矩形の箱状である。同じく、ストッパー部72は、前後方向内側(図11では後側)に開口した矩形の箱状である。
【0077】
操作部70は、矩形状の底板部700と、底板部700の4つの辺から前後方向外側に突出した4つの側板部701と、を有する。
【0078】
ストッパー部72は、矩形状の底板部720と、底板部720の4つの辺から前後方向外側に突出した4つの側板部721と、を有する。4つの側板部721のうちの下側の側板部721から、係止部71が下側(つまりストッパー部72とは反対側)に突出している。
【0079】
中間部74は、操作部70の底板部700とストッパー部72の底板部720とをつなぐ矩形状の底板部740と、底板部740から前後方向外側に突出し、操作部70の上側の側板部701とストッパー部72の下側の側板部721とをつなぐ複数(詳しくは4つ)の縦リブ741と、を有する。底板部740の中央部(中央に位置する2つの縦リブ741の間)には、前後方向に貫通する貫通孔742が設けられている。底板部740から、左右一対の第二係止部73が前後方向内側(図では前側)に突出している。
【0080】
係止部71は、ストッパー部72の下側の側板部721から下方に突出した矩形板状の本体部710と、本体部710の先端部(下端部)から前後方向外側に突出した爪部711と、を有する。係止部71は、中央の2つの縦リブ741の間の空間に配置されており、これにより、先端側の爪部711が前後方向に移動するように、係止部71の全体が弾性変形可能である。
【0081】
第二操作部材7は、図3図5図12A~Cに示すように、第二側壁4bの取付部45に取り付けられる。第二操作部材7は、取付部45の上端開口450を通じて、取付部45の内側に出し入れ可能であり、取付部45に対して着脱可能である。取付部45への第二操作部材7の取り付けは、上枠2の長側フレーム21と第二側壁4bとを連結する前に行われる。
【0082】
第二操作部材7は、取付部45に対して上下方向に移動可能である。第二操作部材7は、第一開口部451から露出する操作部70を指で上下に操作することで、上下方向に移動させることができる。第二操作部材7の操作は、図12Bに示すように、上枠2の長側フレーム21の複数の軸受け26の貫通孔260に、第二側壁4bの複数の連結軸433が挿入された軸受け状態で行われる。
【0083】
第二操作部材7は、図3図12Cに示す連結位置と、図5図12Bに示す非連結位置との間で、上下方向に移動可能である。図12A~Cは、後側の第二側壁4b及び第二操作部材7を、容器1の内部空間側から見た図である。
【0084】
図3図12Cに示す連結位置にあるとき、第二操作部材7の操作部70は、取付部45の第一開口部451の上寄りの部分に位置する。このとき、図12Cに示すように、第二操作部材7のストッパー部72が取付部45の上端開口450よりも上方に突出して、第二側壁4bの突出部432と上枠2の軸受け26との間の空間に入り込んで、この空間を埋める。これにより、第二側壁4bと上枠2の左右方向の相対的な移動がストッパー部72によって制限され、上枠2と第二側壁4bとが連結された状態が維持される。またこのとき、図3に示すように、第二操作部材7の係止部71の爪部711は、第二開口部452に位置して、爪部711が第二開口部452の下縁に引っ掛かる。これにより、連結位置にある第二操作部材7が、意図せず非連結位置へと移動することを防ぐことができる。またこのとき、図12Cに示すように、第二操作部材7の左右一対の第二係止部73は、左右一対の第三開口部453の上端部に位置する。これにより、第二操作部材7の上方への移動も規制される。
【0085】
図5図12Bに示す非連結位置にあるとき、操作部70は、取付部45の第一開口部451の下寄りの部分に位置する。このとき、図12Bに示すように、ストッパー部72は、取付部45の上端開口450よりも下側に位置して、第二側壁4bと上枠2の左右方向の相対的な移動が許容され、上枠2と第二側壁4bとは分解可能な状態となる。またこのとき、図5に示すように、係止部71の爪部711は、第一開口部451に位置して、第二側壁4bへの係止が外れる。またこのとき、図12Bに示すように、左右一対の第二係止部73は、左右一対の第三開口部453の下端部に位置する。これにより、第二操作部材7の下方への移動が規制される。
【0086】
なお、非連結位置から連結位置への第二操作部材7の移動は、第二操作部材7の係止部71の爪部711が第一開口部451の上縁に引っ掛かることで、規制される。これにより、非連結位置から連結位置への第二操作部材7の移動が意図せず行われることが、抑えられる。
【0087】
非連結位置にある第二操作部材7は、操作部70を上側に移動させることで、連結位置へと移動させることができる。
【0088】
連結位置にある第二操作部材7は、第二開口部452に指を入れて係止部71の爪部711を押して弾性変形させながら、第一開口部451に指を入れて操作部70を下側に移動させることで、非連結位置へと移動させることができる。
【0089】
2-7.第三操作部材
図3に示す第三操作部材8は、利用者によって操作可能であり、底壁3と第二側壁4bとの連結に用いられる。なお、第三操作部材8は、底壁3と第二側壁4bとの連結に用いられる連結軸を有していない。
【0090】
本実施形態の容器1は、一対の第二側壁4bのそれぞれの左右方向の一端部の取付部46に取り付けられる合計2つの第三操作部材8を備える。以下では、図1Aに示す後側の第二側壁4bの右端部の取付部46に取り付けられる第三操作部材8について、詳しく説明する。
【0091】
第三操作部材8は、第二操作部材7と同形状の部材であり、この同形状の部材を上下逆にして用いている。そのため、第三操作部材8は、第二操作部材7の操作部70、係止部71、ストッパー部72、第二係止部73、及び中間部74に相当する操作部80、係止部81、ストッパー部82、第二係止部83、及び中間部84を有する。
【0092】
第三操作部材8は、図3図5図13A~Cに示すように、第二側壁4bの取付部46に取り付けられる。第三操作部材8は、取付部46の下端開口460を通じて、取付部46の内側に出し入れ可能であり、取付部46に対して着脱可能である。取付部46への第三操作部材8の取り付けは、底壁3と第二側壁4bとを連結する前に行われる。
【0093】
第三操作部材8は、取付部46に対して上下方向に移動可能である。第三操作部材8は、第一開口部461から露出する操作部80を指で上下に操作することで、上下方向に移動させることができる。第三操作部材8の操作は、図13Bに示すように、底壁3の複数の突出部35の軸受け凹部36に、第二側壁4bの複数の連結軸443が挿入された軸受け状態で、行われる。
【0094】
第三操作部材8は、図3図13Cに示す連結位置と、図5図13Aに示す非連結位置との間で、上下方向に移動可能である。図13A~Cは、後側の第二側壁4b及び第三操作部材8を、容器1の内部空間側から見た図である。
【0095】
図3図13Cに示す連結位置にあるとき、第三操作部材8の操作部80は、取付部46の第一開口部461の下寄りの部分に位置する。このとき、図13Cに示すように、第三操作部材8のストッパー部82が取付部46の下端開口460よりも下方に突出して、第二側壁4bの突出部442と底壁3の突出部35との間の空間に入り込んで、この空間を埋める。これにより、第二側壁4bと底壁3の左右方向の相対的な移動がストッパー部82によって制限され、第二側壁4bと底壁3が連結された状態が維持される。またこのとき、図3に示すように、第三操作部材8の係止部81の爪部811は、第二開口部462に位置して、爪部811が第二開口部462の上縁に引っ掛かる。これにより、連結位置にある第三操作部材8が、意図せず非連結位置へと移動することを防ぐことができる。またこのとき、図13Cに示すように、第三操作部材8の左右一対の第二係止部83は、左右一対の第三開口部463の下端部に位置する。これにより、第三操作部材8の下方への移動も規制される。
【0096】
図5図13Bに示す非連結位置にあるとき、操作部80は、取付部46の第一開口部461の上寄りの部分に位置する。このとき、図13Bに示すように、ストッパー部82は、取付部46の下端開口460よりも上側に位置して、第二側壁4bと底壁3の左右方向の相対的な移動が許容され、第二側壁4bと底壁3は分解可能な状態となる。またこのとき、図5に示すように、係止部81の爪部811は、第一開口部461に位置して、第二側壁4bへの係止が外れる。またこのとき、図13Bに示すように、左右一対の第二係止部83は、左右一対の第三開口部463の上端部に位置する。これにより、第三操作部材8の上方への移動が規制される。
【0097】
なお、非連結位置から連結位置への第三操作部材8の移動は、第三操作部材8の係止部81の爪部811が第一開口部461の下縁に引っ掛かることで、規制される。これにより、非連結位置から連結位置への第三操作部材8の移動が意図せず行われることが、抑えられる。
【0098】
非連結位置にある第三操作部材8は、操作部80を下側に移動させることで、連結位置へと移動させることができる。
【0099】
連結位置にある第三操作部材8は、第二開口部462に指を入れて係止部81の爪部811を押して弾性変形させながら、第一開口部461に指を入れて操作部80を上側に移動させることで、非連結位置へと移動させることができる。
【0100】
2-8.第四操作部材
図1A図3に示す第四操作部材10は、利用者によって操作可能であり、蓋9(蓋9a,9b)と上枠2との連結に用いられる。なお、第四操作部材10は、蓋9と上枠2との連結に用いられる連結軸を有していない。
【0101】
本実施形態の容器1は、上枠2の一対の長側フレーム21のそれぞれの左右方向の一端部の取付部25に取り付けられる合計2つの第四操作部材10を備える。以下では、図1Aに示す後側の長側フレーム21の右端部の取付部25に取り付けられる第四操作部材10について、詳しく説明する。
【0102】
図14に示すように、第四操作部材10は、手で操作可能な操作部11と、弾性変形可能な係止部12と、蓋9bと上枠2との相対的な左右方向の移動を止めるストッパー部13と、を有する。第四操作部材10は更に、操作部11とストッパー部13とをつなぐ中間部14を有する。
【0103】
操作部11は、前後方向外側(図14では後側)に開口した矩形の箱状である。ストッパー部13は、前後方向内側(図14では前側)に開口した矩形の箱状である。
【0104】
ストッパー部13は、矩形状の底板部130と、底板部130の4つの辺から前後方向外側に突出した4つの側板部131と、を有する。4つの側板部131のうちの下側の側板部131から、係止部12が下側(つまりストッパー部13とは反対側)に突出している。
【0105】
中間部14は、前後方向内側(図14では前側)に開口した略矩形の箱状である。中間部14は、矩形板状の底板140を有する。底板140の左右方向の一端部に(図では左端部)には、前後方向に貫通する貫通孔141が設けられている。
【0106】
係止部12は、ストッパー部13の下側の側板部131から下方に突出した矩形板状の本体部120と、本体部120の先端部(下端部)から前後方向外側に突出した爪部121と、を有する。係止部12は、中間部14の貫通孔141に配置されており、これにより、先端側の爪部121が前後方向に移動するように、係止部12の全体が弾性変形可能である。
【0107】
第四操作部材10は、図15A~Cに示すように、上枠2の長側フレーム21の取付部25に取り付けられる。第四操作部材10は、取付部25の上端開口250を通じて、取付部25の内側に出し入れ可能であり、取付部25に対して着脱可能である。取付部25への第四操作部材10の取り付けは、上枠2の長側フレーム21と蓋9bとを連結する前に行われる。
【0108】
第四操作部材10は、取付部25に対して上下方向に移動可能である。第四操作部材10は、第一開口部251から露出する操作部11を指で上下に操作することで、上下方向に移動させることができる。第四操作部材10の操作は、図15Bに示すように、上枠2の長側フレーム21の複数の突出部23の軸受け凹部230に、蓋9bの複数の連結軸94が挿入された軸受け状態で、行われる。
【0109】
第四操作部材10は、図15Cに示す連結位置と、図15Bに示す非連結位置との間で、上下方向に移動可能である。図15A~Cは、後側の長側フレーム21及び第四操作部材10を、容器1の外部空間側から見た図である。
【0110】
図15Cに示す連結位置にあるとき、第四操作部材10の操作部11は、取付部25の第一開口部251の上寄りの部分に位置する。このとき、第四操作部材10のストッパー部13が取付部25の上端開口250よりも上方に突出して、蓋9bの突出部93と上枠2の長側フレーム21の突出部23(23c)との間の空間に入り込んで、この空間を埋める。これにより、蓋9bと上枠2の左右方向の相対的な移動がストッパー部13によって制限され、蓋9bと上枠2とが連結された状態が維持される。またこのとき、第四操作部材10の係止部12の爪部121は、第二開口部252に位置して、爪部121が第二開口部252の下縁に引っ掛かる。これにより、連結位置にある第四操作部材10が、意図せず非連結位置へと移動することを防ぐことができる。
【0111】
図15Bに示す非連結位置にあるとき、操作部11は、取付部25の第一開口部251の下寄りの部分に位置する。このとき、ストッパー部13は、取付部25の上端開口250よりも下側に位置して、蓋9bと上枠2の左右方向の相対的な移動が許容され、蓋9bと上枠2とは分解可能な状態となる。またこのとき、係止部12の爪部121は、第三開口部253に位置して、爪部121が第三開口部253の下縁に引っ掛かる。これにより、第四操作部材10の下方への移動が規制される。
【0112】
非連結位置にある第四操作部材10は、第一開口部251に指を入れて操作部11を上側に移動させることで、連結位置へと移動させることができる。
【0113】
連結位置にある第四操作部材10は、第二開口部252に指を入れて係止部12の爪部121を押して弾性変形させながら、第一開口部251に指を入れて操作部11を下側に移動させることで、非連結位置へと移動させることができる。
【0114】
3.容器の組立及び分解の方法
続いて、上述した容器1を組み立てる方法の一例について説明する。
【0115】
まず、一対の第一側壁4a、一対の第二側壁4b、及び上枠2のそれぞれの取付部41,45,46,25に、操作部材5,7,8,10を取り付ける。各操作部材5,7,8,10は、非連結位置に配置しておく。
【0116】
次いで、底壁3と一対の第二側壁4bとを連結する。図13A、13Bに示すように、第二側壁4bの下端部の複数の突出部442が、底壁3の複数の突出部35の間に位置するように配置した後、第二側壁4bと底壁3とを左右方向に相対的に移動させる。これにより、第二側壁4bの下端部の複数の連結軸443が、底壁3の複数の軸受け凹部36及び係止孔340(図6参照)内に挿入されて、軸受けされる。この後、図13Cに示すように、第二側壁4bの取付部46内の第三操作部材8を操作して、非連結位置から連結位置へと移動させ、第三操作部材8のストッパー部82を、底壁3の突出部35と第二側壁4bの突出部442との間の空間に挿入して、この空間を埋める。これにより、第二側壁4bと底壁3とは左右方向の相対的な移動が制限されて、互いに連結された分割不可状態となる。
【0117】
次いで、一対の第二側壁4bと上枠2とを連結する。図12A、12Bに示すように、第二側壁4bの上端部の複数の突出部432が、上枠2の複数の軸受け26の間に位置するように配置した後、第二側壁4bと上枠2とを左右方向に相対的に移動させる。これにより、第二側壁4bの上端部の複数の連結軸433が、上枠2の軸受け26の貫通孔260内に挿入されて、軸受けされる。この後、図12Cに示すように、第二側壁4bの取付部45内の第二操作部材7を操作して、非連結位置から連結位置へと移動させ、第二操作部材7のストッパー部72を、上枠2の軸受け26と第二側壁4bの突出部432との間の空間に挿入して、この空間を埋める。これにより、第二側壁4bと上枠2とは左右方向の相対的な移動が制限されて、互いに連結された分割不可状態となる。
【0118】
次いで、上枠2と一対の第一側壁4aとを連結する。図9Bに示すように、第一側壁4aの上端部の前後一対の凹み42に、上枠2の短側フレーム20の前後一対の軸受け6を挿入する。このとき、上枠2の短側フレーム20の前後一対の軸受け6の貫通孔60に、第一側壁4aの前後一対の引っ掛け部420が挿入されて、上枠2の短側フレーム20に対して第一側壁4aが仮支持される。この後、図9Aに示すように、第一側壁4aの取付部41内の操作部材5を操作して、非連結位置から連結位置へと移動させ、操作部材5の連結軸50を、上枠2の軸受け6の貫通孔260に挿入する。これにより、第一側壁4aと上枠2とは、操作部材5を介して回転可能に連結されて、分解不可状態となる。上枠2と一対の第一側壁4aとを連結した後、一対の第一側壁4aのそれぞれの下端部の係合部40(図4参照)を、底壁3の左右の端部の係合部32に係合させて、一対の第一側壁4aを底壁3の左右の端部の上に起立させる。
【0119】
次いで、上枠2と一対の蓋9a,9bとを連結する。図15A、15Bに示すように、一対の蓋9a,9bの複数の突出部93が、上枠2の前後の長側フレーム21の複数の突出部23の間に位置するように配置した後、一対の蓋9a,9bと上枠2とを左右方向に相対的に移動させる。これより、一対の蓋9a,9bの複数の連結軸94が、上枠2の複数の軸受け凹部230内に挿入されて、軸受けされる。この後、図15Cに示すように、上枠2の取付部25内の第四操作部材10を操作して、非連結位置から連結位置へと移動させ、第四操作部材10のストッパー部13を、上枠2の突出部23と蓋9a,9bの突出部93との間の空間に挿入して、この空間を埋める。これにより、一対の蓋9a,9bと上枠2とは左右方向の相対的な移動が制限されて、互いに連結された分割不可状態となる。
【0120】
以上のようにして、容器1が備える各パーツを互いに連結させることで、図2に示す蓋付き容器1へと組み立てることができる。なお、隣接するパーツ同士の連結の順序は、上述の順に限定されない。
【0121】
続いて、上述した容器1を分解する方法の一例について説明する。
【0122】
容器1は、連結位置にある操作部材5、7、8、10のそれぞれを操作して、非連結位置へと移動させることで、互いに分解可能な状態となる。
【0123】
詳しくは、一対の蓋9a,9bと上枠2とは、下記のように分解することができる。図15C図15Bに示すように、上枠2の前後の取付部25内の第四操作部材10を操作して、連結位置から非連結位置へと移動させる。これにより、上枠2の突出部23と蓋9a,9bの突出部93との間に空間が形成されて、一対の蓋9a,9bと上枠2とは左右方向の相対的な移動が許容される分解可能状態となる。次いで、図15B図15Aに示すように、一対の蓋9a,9bと上枠2とを左右方向に相対的に移動させて、一対の蓋9a,9bの複数の連結軸94が、上枠2の複数の突出部23によって軸受けされた状態を解除し、一対の蓋9a,9bを上枠2から取り外す。
【0124】
また、上枠2と一対の第一側壁4aとは、下記のように分解することができる。詳しくは、図9A図9Bに示すように、一対の第一側壁4aのそれぞれの左右の取付部41内の操作部材5を操作して、連結位置から非連結位置へと移動させる。これにより、操作部材5の連結軸50が、上枠2の軸受け6から離れて、上枠2と一対の第一側壁4aとは、上枠2の前後の軸受け6に、第一側壁4aの前後の引っ掛け部420が引っ掛かった仮支持状態となる。次いで、上枠2の前後の軸受け6を前後方向内側に僅かに変形させることで、仮支持状態を解除し、一対の第一側壁4aを上枠2から取り外す。
【0125】
また、上枠2と一対の第二側壁4bとは、下記のように分解することができる。詳しくは、図12C図12Bに示すように、第二側壁4bの上端部の左右の取付部45内の第二操作部材7を操作して、連結位置から非連結位置へと移動させる。これにより、上枠2の長側フレーム21の軸受け26と第二側壁4bの上端部の突出部432との間に空間が形成されて、一対の第二側壁4bと上枠2とは左右方向の相対的な移動が許容される分解可能状態となる。次いで、図12B図12Aに示すように、一対の第二側壁4bと上枠2とを左右方向に相対的に移動させて、一対の第二側壁4bの複数の連結軸433が、上枠2の複数の軸受け26によって軸受けされた状態を解除し、一対の第二側壁4bの上端部を上枠2から取り外す。
【0126】
また、底壁3と一対の第二側壁4bとは、下記のように分解することができる。詳しくは、図13C図13Bに示すように、第二側壁4bの下端部の左右の取付部46内の第三操作部材8を操作して、連結位置から非連結位置へと移動させる。これにより、底壁3の突出部35と第二側壁4bの下端部の突出部442との間に空間が形成されて、一対の第二側壁4bと底壁3とは左右方向の相対的な移動が許容される分解可能状態となる。次いで、図13B図13Aに示すように、一対の第二側壁4bと底壁3とを左右方向に相対的に移動させて、一対の第二側壁4bの複数の連結軸443が、底壁3の複数の突出部35によって軸受けされた状態を解除し、一対の第二側壁4bの下端部を底壁3から取り外す。
【0127】
また、各操作部材5,7,8,10は、下記のように取り外すことができる。詳しくは、操作部材5は、第一側壁4aの取付部41の第一開口部410から取り外すことができる。第二操作部材7は、第二側壁4bの取付部45の上端開口450から取り外すことができる。第三操作部材8は、第二側壁4bの取付部46の下端開口460から取り外すことができる。第四操作部材10は、上枠2の取付部25の上端開口250から取り外すことができる。
【0128】
以上のようにして、容器1が備える各パーツは、互いに分解可能である。なお、分解の順序は、適宜選択可能である。
【0129】
4.作用効果
以上説明した本実施形態の容器1では、図9A図9Bに示すように、操作部材5を操作することで、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、操作部材5を移動させることができる。そのため、本実施形態の容器1では、第一側壁4aと上枠2とが連結される状態と、第一側壁4aと上枠2とが分解可能な状態との切り替えが容易であり、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行える。
【0130】
そのうえ、本実施形態の容器1では、第一側壁4aに取り付けられる操作部材5に連結軸50が設けられているため、連結軸50が破損しても、操作部材5を取り換えるだけでよく、連結軸50の交換も簡単に行える。また、本実施形態の容器1では、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行えるため、第一側壁4aの交換も簡単に行える。
【0131】
また、本実施形態の容器1では、操作部材5が、第一側壁4aの取付部41の開口部410,411の縁に引っ掛かる弾性変形可能な係止部52を有し、連結位置及び非連結位置において、係止部52が開口部410,411を通じて露出する。そのため、本実施形態の容器1では、係止部52が第一側壁4aに引っ掛かることで、操作部材5が意図せず連結位置と非連結位置との間で移動することを防ぐことができ、また、開口部410,411に指を入れて係止部52を弾性変形するように操作することができて、係止状態の解除も容易に行える。
【0132】
また、本実施形態の容器1では、第一側壁4aが、操作部材5を取り付けるための凹状の取付部41を有する。そのため、本実施形態の容器1では、操作部材5が第一側壁4aから容器1の内部空間に突出することを防ぐことができて、容器1内の収容物や収容物を出し入れする手が、操作部材5に接触して、操作部材5が意図せず移動することを抑えられる。
【0133】
また、本実施形態の容器1では、凹状の取付部41は、操作部材5の操作部51及び係止部52が露出する開口部410,411を含むため、操作部51及び係止部52の操作が指で行いやすい。なお、その他の取付部45,46,25及び操作部材7,8,10についても、同様である。
【0134】
また、本実施形態の容器1では、軸受け6が収まる凹み42に、軸受け6に引っ掛かる引っ掛け部420が設けられているため、上枠2によって第一側壁4aを仮支持できる。そのため、本実施形態の容器1では、操作部材5の連結軸50を軸受け6の貫通孔60に対して挿入しやすい。
【0135】
また、本実施形態の容器1では、軸受け6の貫通孔60に、突部からなる引っ掛け部420と操作部材5の連結軸50とを挿入できるため、連結軸50に負荷が集中することが抑えられ、連結軸50が破損しにくい。また、連結軸50と引っ掛け部420の中心軸が、上枠2に対する第一側壁4aの回転軸となるため、上枠2に対して第一側壁4aを回転させやすい。
【0136】
また、本実施形態の容器1では、第二操作部材7を操作することで、上枠2と第二側壁4bを、分解不可状態と分解可能状態とに切り替えることができる。また、本実施形態の容器1では、第三操作部材8を操作することで、第二側壁4bと底壁3を、分解不可状態と分解可能状態とに切り替えることができる。また、本実施形態の容器1では、第四操作部材10を操作することで、上枠2と蓋9a,9bを、分解不可状態と分解可能状態とに切り替えることができる。ここで、分解不可状態とは、互いに連結される2つのパーツの軸と軸受けとが互いに離れる方向に移動不可な状態である。分解可能状態とは、互いに連結される2つのパーツの軸と軸受けとが互いに離れる方向に移動可能な状態である。
【0137】
このように本実施形態の容器1では、上枠2と第一側壁4aだけでなく、容器1を構成する各パーツの分解が容易に行えるため、部分的な交換が行いやすくて、使い勝手がよい。
【0138】
5.変形例
続いて、上述した一実施形態の容器1の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0139】
操作部材5は、第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材に取り付けられればよく、上枠2に取り付けられてもよい。この場合、軸受け6は、第一側壁4aに設けられる。
【0140】
同様に、第二操作部材7は、上枠2に取り付けられてもよい。また、第三操作部材8は、底壁3に取り付けられてもよい。また、第四操作部材10は、蓋9に取り付けられてもよい。
【0141】
上枠2、底壁3、第二側壁4b、及び蓋9a,9bに設けられる連結軸と軸受けの配置は、上述した実施形態とは反対であってもよい。
【0142】
操作部材5は、弾性変形可能な係止部52を有さなくてよい。
【0143】
軸受け6が収まる凹み42には、軸受け6に引っ掛かる引っ掛け部420が設けられなくてもよい。
【0144】
引っ掛け部420は、軸受け6に引っ掛かるように構成されたものであればよく、連結軸50に向けて突出した突部に限定されない。
【0145】
操作部材5は、図8に示す構造に限定されない。例えば、係止部52は、操作部51に対して連結軸50と同じ側に位置してもよい。つまり、連結軸50と係止部52は、操作部51から同じ方向に突出してもよい。
【0146】
また、操作部材7,8,10は、図11,14に示す構造に限定されない。操作部材7,8,10は、例えば、操作部材5と同様に、ストッパー部に代えて、連結軸50を有してもよく、上枠2、底壁3、第二側壁4b、及び蓋9a,9bは、操作部材7,8,10を介して連結されてもよい。
【0147】
容器1は、操作部材5,7,8,10のうち、操作部材5のみを備えてもよい。この場合、上枠2、底壁3、第二側壁4b、及び蓋9a,9bは、連結軸と軸受けとを力嵌め(圧入)することで、互いに連結させてもよい。
【0148】
容器1は、蓋9を備えなくてもよい。この場合、上枠2は、連結部22、突起200、及び取付部25を有さなくてもよい。
【0149】
取付部41は、凹状に限定されず、第一開口部410及び第二開口部411を含まなくてもよい。操作部材5は、その全体が、容器1の内部空間側に露出するように、上枠2又は第一側壁4aに取り付けられてもよい。また、操作部材5は、容器1の内部空間側ではなく、外部空間側に露出するように、上枠2又は第一側壁4aに取り付けられてもよい。取付部45、46、25についても同様である。
【0150】
一対の第一側壁4aのそれぞれは、前後の取付部41のうち一方のみを備えてもよい。
【0151】
一対の第二側壁4bは、図5等に示す構造に限定されない。例えば、一対の第二側壁4bのそれぞれは、図16に示すように、上側の板材43の左右方向の片側の側端面に、左右方向内側に向けて凹んだ支持用凹部47を有してもよい。後側の第二側壁4bでは、板材43の右側の側端面に支持用凹部47が設けられ、前側の第二側壁4bでは、板材43の左側の側端面に支持用凹部47が設けられる。支持用凹部47の下面470は、前後方向内側(板材43の厚み方向のうち容器1の内部空間側)の部分ほど下方に位置するように傾斜した傾斜面である。この場合、上枠2と第二側壁4bとを連結する際、上枠2の短側フレーム20の下面を支持用凹部47の傾斜した下面470で支持することができて、上枠2に対して第二側壁4bが傾いた状態で、上枠2と第二側壁4bとを連結させやすい。
【0152】
また、一対の第二側壁4bのそれぞれは、下側の板材44の左右方向の片側の側端面に、左右方向内側に向けて凹んだ支持用凹部48を有してもよい。後側の第二側壁4bでは、板材43の右側の側端面に支持用凹部48が設けられ、前側の第二側壁4bでは、板材43の左側の側端面に支持用凹部48が設けられる。支持用凹部48の上面480は、前後方向内側(板材44の厚み方向のうち容器1の内部空間側)の部分ほど上方に位置するように傾斜した傾斜面である。この場合、底壁3と第二側壁4bとを連結する際、底壁3のカバー部34の上面の上に支持用凹部48の傾斜した上面480を載せることができて、底壁3に対して第二側壁4bが傾いた状態で、底壁3と第二側壁4bとを連結させやすい。なお、一対の第二側壁4bのそれぞれは、上述した上下の支持用凹部47,48のうち一方のみを有してもよい。
【0153】
操作部材5,7,8,10のうちの少なくとも一部は、合成樹脂製に限らず、金属等の他の剛性を有する材料で形成されてもよい。
【0154】
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の容器1は、下記の構成を具備する。
【0155】
すなわち、第一態様の容器1は、上枠2と、底壁3と、上枠2と底壁3の間に組み立てられる複数の側壁4と、を備える。複数の側壁4は、上枠2に対して回転可能に連結される第一側壁4aを含む。第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材には、操作可能な操作部材5が取り付けられる。操作部材5は、第一側壁4aと上枠2とを回転可能に連結する連結軸50を有する。第一側壁4aと上枠2のうちの他方の部材は、連結軸50を受ける軸受け6を有する。操作部材5は、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、移動可能である。
【0156】
上記構成を備える第一態様の容器1では、操作部材5を操作することで、連結軸50が軸受け6に受けられる連結位置と、連結軸50が軸受け6から離れた非連結位置との間で、操作部材5を移動させることができる。そのため、第一態様の容器1では、第一側壁4aと上枠2とが連結される状態と、第一側壁4aと上枠2とが分解可能な状態との切り替えが容易であり、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行える。そのうえ、第一態様の容器1では、第一側壁4aと上枠2のうちの一方の部材に取り付けられる操作部材5に連結軸50が設けられているため、連結軸50が破損しても、操作部材5を取り換えるだけでよく、連結軸50の交換も簡単に行える。また、第一態様の容器1では、上枠2と第一側壁4aとの連結、分解が簡単に行えるため、第一側壁4aの交換も簡単に行える。
【0157】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第二態様の容器1は、第一態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0158】
すなわち、第二態様の容器1では、操作部材5は、弾性変形可能であり、前記一方の部材に引っ掛かる係止部52を有する。
【0159】
上記構成を備える第二態様の容器1では、係止部52に力を加えて弾性変形させることで、前記一方の部材に係止部52が引っ掛かった状態を解除できて、前記一方の部材への係止及び係止解除が、簡単に行える。
【0160】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第三態様の容器1は、第二態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0161】
すなわち、第三態様の容器1では、操作部材5は、手で操作可能な操作部51と、操作部51から突出した連結軸50と、操作部51から突出した係止部52と、を有する。前記一方の部材は、操作部材5が取り付けられる凹状の取付部45を有する。取付部45は、操作部51が露出する第一開口部410と、係止部52が露出する第二開口部411と、を含む。
【0162】
上記構成を備える第三態様の容器1では、第一開口部410及び第二開口部411を介して操作部51及び係止部52が露出するため、操作部51と係止部52の操作がしやすくて、操作部材5の操作がしやすい。
【0163】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第四態様の容器1は、第一から第三のいずれか1つの態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0164】
すなわち、第四態様の容器1では、前記一方の部材は、軸受け6が収まる凹み42を有する。凹み42には、軸受け6に引っ掛かる引っ掛け部420が設けられている。
【0165】
上記構成を備えることで、第四態様の容器1では、軸受け6を前記一方の部材の凹み42に収めた状態で、軸受け6に引っ掛け部420が引っ掛かるため、操作部材5が非連結位置にある状態でも、上枠2によって第一側壁4aを仮支持しやすい。
【0166】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第五態様の容器1は、第四態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0167】
すなわち、第五態様の容器1では、引っ掛け部420は、連結軸50に向けて突出した突部である。軸受け6には、前記突部と連結軸50が挿入される貫通孔60が設けられている。
【0168】
上記構成を備えることで、第五態様の容器1では、引っ掛け部420を簡単な構造で形成できるうえ、軸受け6によって引っ掛け部420と連結軸50とを軸受けできるため、上枠2と第一側壁4aとを回転可能に連結させやすい。
【0169】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 運搬用容器
2 上枠
3 底壁
4 側壁
4a 第一側壁
41 取付部
410 第一開口部
411 第二開口部
42 凹み
420 引っ掛け部
5 操作部材
50 連結軸
51 操作部
52 係止部
6 軸受け
60 貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16