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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119549
(43)【公開日】2023-08-28
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20230821BHJP
【FI】
B06B1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131265
(22)【出願日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】P 2022021781
(32)【優先日】2022-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】新井 努
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
(72)【発明者】
【氏名】大坪 京史
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA09
5D107BB20
5D107CC09
5D107DD11
(57)【要約】
【課題】光学要素を振動させるためのアクチュエータにおいて、光学要素が比較的高い周波数で連続的に振動する場合であっても、光学要素を保持する可動体の回動の支点となる支点部の耐久性を高めることが可能なアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ1では、固定体4に対する可動体3の回動の支点となる支点部6は、セラミックス製の球体11と、可動体3に取り付けられるとともに球体11を保持するための球体保持部材12と、固定体4に取り付けられる球体支持部材13を備えている。球体11は、有底の筒状に形成される球体保持部材12の筒部の内周側に配置され、球体保持部材12の底部には、筒部の内周側に配置される球体11の一部を球体保持部材12の外部に配置させるための貫通穴が形成されている。球体支持部材13に形成される凹曲面状の接触面は、球体保持部材12の外部に配置される球体11の一部に所定の接触圧で接触している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学要素を保持する可動体と、前記可動体が内周側に配置される枠状に形成されるとともに前記可動体を回動可能に保持する固定体と、前記固定体に対して前記可動体が傾く方向に前記可動体を回動させる磁気駆動機構と、前記固定体に対する前記可動体の回動の支点となる支点部とを備え、
前記支点部は、セラミックス製の球体と、前記可動体および前記固定体のいずれか一方に取り付けられるとともに前記球体を保持するための球体保持部材と、前記球体の一部に所定の接触圧で接触する凹曲面状の接触面が形成されるとともに前記可動体および前記固定体のいずれか他方に取り付けられる球体支持部材とを備え、
前記球体保持部材は、筒状に形成される筒部と前記筒部の一端に繋がる底部とを有する有底の筒状に形成され、
前記球体は、前記筒部の内周側に配置され、
前記底部には、前記筒部の内周側に配置される前記球体の一部を前記球体保持部材の外部に配置させるための貫通穴が形成され、
前記接触面は、前記球体保持部材の外部に配置される前記球体の一部に接触していることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記光学要素は、平板状に形成され、
前記支点部は、前記光学要素の厚さ方向に直交する第1直交方向における前記可動体の両端側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記球体保持部材は、前記可動体に取り付けられ、
前記球体支持部材は、前記固定体に取り付けられ、
前記可動体には、前記第1直交方向の両側に向かって突出するとともに前記筒部に挿入される突起部が形成され、
前記突起部の先端面には、前記球体の一部が配置される凹部が形成され、
前記接触面は、前記第1直交方向の外側から前記球体の一部に接触していることを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記球体支持部材は、U形状に形成される板バネであり、
前記光学要素の厚さ方向から見たときの前記板バネの形状がU形状となっていることを特徴とする請求項2または3記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記第1直交方向における前記可動体の両端側のそれぞれに配置される前記球体支持部材と2個の前記球体支持部材を繋ぐ平板状の連結部とを有する板バネを備え、
前記連結部は、枠状に形成されるとともに、前記可動体または前記固定体の、前記光学要素の厚さ方向における一方側の面に固定されていることを特徴とする請求項2または3記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記球体支持部材には、補強用のリブが形成されていることを特徴とする請求項5記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学要素を振動させるためのアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、投射光が透過するガラス板(光学ガラス)を振動させるための画素ずらし装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の画素ずらし装置は、プロジェクタに搭載されている。この画素ずらし装置は、ガラス板が固定されるガラスフレームと、ガラスフレームを回動可能に保持するベースとを備えている。ガラスフレームおよびベースは、四角形の枠状に形成されている。ガラス板は、ガラスフレームの内周側に配置されている。ガラスフレームは、ベースの内周側に配置されている。
【0003】
特許文献1に記載の画素ずらし装置では、ガラスフレームとベースとの間に、ベースに対するガラスフレームの回動の支点となる軸受および芯軸が配置されている。芯軸は、四角形の枠状をなすガラスフレームの一方の対角線上においてガラスフレームの外周側に突出するようにガラスフレームに固定されている。軸受は、四角形の枠状をなすベースの一方の対角線上の角部においてベースに固定されている。軸受は、円筒状に形成される滑り軸受である。芯軸は、軸受の内周側に挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-215466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の画素ずらし装置では、ガラス板と一緒にガラスフレームが比較的高い周波数で連続的に振動する。たとえば、この画素ずらし装置では、ガラスフレームが60Hzで連続的に振動する。そのため、この画素ずらし装置では、ベースに対するガラスフレームの回動の支点となる支点部の耐久性が高くなっていることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、光学要素を振動させるためのアクチュエータにおいて、光学要素が比較的高い周波数で連続的に振動する場合であっても、光学要素を保持する可動体の回動の支点となる支点部の耐久性を高めることが可能なアクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のアクチュエータは、光学要素を保持する可動体と、可動体が内周側に配置される枠状に形成されるとともに可動体を回動可能に保持する固定体と、固定体に対して可動体が傾く方向に可動体を回動させる磁気駆動機構と、固定体に対する可動体の回動の支点となる支点部とを備え、支点部は、セラミックス製の球体と、可動体および固定体のいずれか一方に取り付けられるとともに球体を保持するための球体保持部材と、球体の一部に所定の接触圧で接触する凹曲面状の接触面が形成されるとともに可動体および固定体のいずれか他方に取り付けられる球体支持部材とを備え、球体保持部材は、筒状に形成される筒部と筒部の一端に繋がる底部とを有する有底の筒状に形成され、球体は、筒部の内周側に配置され、底部には、筒部の内周側に配置される球体の一部を球体保持部材の外部に配置させるための貫通穴が形成され、接触面は、球体保持部材の外部に配置される球体の一部に接触していることを特徴とする。
【0008】
本発明のアクチュエータでは、支点部は、セラミックス製の球体を備えている。そのため、本発明では、光学要素が比較的高い周波数で連続的に振動する場合であっても、支点部の耐久性を高めることが可能になる。また、本発明では、球体を保持するための球体保持部材は、球体が内周側に配置される筒部と筒部の一端に繋がる底部とを有する有底の筒状に形成されており、底部に、筒部の内周側に配置される球体の一部を球体保持部材の外部に配置させるための貫通穴が形成されている。そのため、本発明では、球体がセラミックスで形成されていても、また、球体の外径が小さくなっていても、球体保持部材の外部で球体支持部材の接触面に一部が接触する球体を、球体保持部材を用いて可動体または固定体に容易に取り付けることが可能になる。
【0009】
本発明において、たとえば、光学要素は、平板状に形成され、支点部は、光学要素の厚さ方向に直交する第1直交方向における可動体の両端側に配置されている。
【0010】
本発明において、たとえば、球体保持部材は、可動体に取り付けられ、球体支持部材は、固定体に取り付けられ、可動体には、第1直交方向の両側に向かって突出するとともに筒部に挿入される突起部が形成され、突起部の先端面には、球体の一部が配置される凹部が形成され、接触面は、第1直交方向の外側から球体の一部に接触している。この場合には、突起部の先端面に、球体の一部が配置される凹部が形成されているため、可動体に取り付けられる球体の状態を安定させることが可能になる。
【0011】
本発明において、球体支持部材は、U形状に形成される板バネであり、光学要素の厚さ方向から見たときの板バネの形状がU形状となっていることが好ましい。このように構成すると、光学要素の厚さ方向と第1直交方向とに直交する方向から見たときの板バネの形状がU形状となっている場合と比較して、光学要素の厚さ方向において板バネを小型化することが可能になる。したがって、光学要素の厚さ方向においてアクチュエータを小型化することが可能になる。
【0012】
本発明において、アクチュエータは、第1直交方向における可動体の両端側のそれぞれに配置される球体支持部材と2個の球体支持部材を繋ぐ平板状の連結部とを有する板バネを備え、連結部は、枠状に形成されるとともに、可動体または固定体の、光学要素の厚さ方向における一方側の面に固定されていても良い。
【0013】
この場合には、2個の球体支持部材が連結部を介して一体化されているため、別体で形成された2個の球体支持部材が設けられている場合と比較して、アクチュエータの部品点数を削減することが可能になる。また、この場合には、連結部を可動体または固定体に固定することで2個の球体支持部材が可動体または固定体に取り付けられるため、別体で形成された2個の球体支持部材のそれぞれが可動体または固定体に固定されている場合と比較して、アクチュエータの組立工数を削減することが可能になる。
【0014】
さらに、この場合には、枠状の連結部を可動体または固定体に固定することで2個の球体支持部材が可動体または固定体に取り付けられるため、可動体または固定体に対する連結部の固定面積を確保して、可動体または固定体に対する球体支持部材の取付強度を高めることが可能になる。また、この場合には、2個の球体支持部材が連結部を介して一体化されており、2個の球体支持部材の相対位置のばらつきが板バネの部品精度によって決まるため、別体で形成された2個の球体支持部材のそれぞれが可動体または固定体に固定されている場合と比較して、2個の球体支持部材の相対位置のばらつきを抑制することが可能になる。
【0015】
本発明において、球体支持部材には、補強用のリブが形成されていることが好ましい。このように構成すると、球体支持部材の厚さが薄くなっても球体支持部材の強度を確保することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、光学要素を振動させるためのアクチュエータにおいて、光学要素が比較的高い周波数で連続的に振動する場合であっても、光学要素を保持する可動体の回動の支点となる支点部の耐久性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかるアクチュエータの斜視図である。
図2図1に示すアクチュエータの平面図である。
図3図1に示すアクチュエータの分解斜視図である。
図4】(A)は、図2のE-E断面の断面図であり、(B)は、図2のF-F断面の断面図である。
図5図3に示す球体、球体保持部材および球体支持部材の拡大図である。
図6図2のG部の構成を説明するための拡大図である。
図7】本発明の他の実施の形態にかかる板バネの図であり、(A)は平面図、(B)は斜視図である。
図8】本発明の他の実施の形態にかかる支点部の構成を説明するための平面図である。
図9図7(B)のJ部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(アクチュエータの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるアクチュエータ1の斜視図である。図2は、図1に示すアクチュエータ1の平面図である。図3は、図1に示すアクチュエータ1の分解斜視図である。
【0020】
以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、左右方向の一方側である図1等のX1方向側を「右」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「左」側とし、前後方向の一方側である図1等のY1方向側を「前」側とし、その反対側である図1等のY2方向側を「後ろ」側とし、上下方向の一方側である図1等のZ1方向側を「上」側とし、その反対側である図1等のZ2方向側を「下」側とする。
【0021】
本形態のアクチュエータ1は、光学要素としての光学ガラス2を振動させるための装置であり、プロジェクタに搭載されて使用される。光学ガラス2は、光の透過性を有するガラス板であり、正方形の平板状に形成されている。光学ガラス2は、プロジェクタの投射光学系の一部を構成している。アクチュエータ1は、プロジェクタが投影する映像を高画質化するために、光学ガラス2を所定の周波数で一定角度振動させて光学ガラス2の姿勢を周期的に変える。たとえば、アクチュエータ1は、光学ガラス2を60Hzで振動させる。
【0022】
アクチュエータ1は、全体として上下方向の厚さが薄い扁平な直方体状に形成されている。アクチュエータ1は、光学ガラス2を保持する可動体3と、可動体3を回動可能に保持する固定体4とを備えている。可動体3および固定体4は、枠状に形成されている。光学ガラス2は、可動体3の内周側に配置されている。可動体3は、固定体4の内周側に配置されている。また、アクチュエータ1は、固定体4に対して可動体3が傾く方向に可動体3を回動させて光学ガラス2を振動させる磁気駆動機構5と、固定体4に対する可動体3の回動の支点となる支点部6と、固定体4に対する可動体3の回動方向である可動体回動方向において固定体4に対して可動体3を一定位置で保持するための保持用磁石7および磁性板8、9とを備えている。
【0023】
本形態では、磁気駆動機構5の一部を構成する後述の駆動用コイル16に電流が供給されていないときに(すなわち、駆動用コイル16が非通電状態であるときに)、可動体回動方向において固定体4に対して可動体3が所定の基準位置に配置されている。可動体回動方向において固定体4に対して可動体3が基準位置に配置されているときには、光学ガラス2の厚さ方向と上下方向とが一致している。
【0024】
また、可動体回動方向において固定体4に対して可動体3が基準位置に配置されているときには、プロジェクタに搭載されたアクチュエータ1では、光学ガラス2の厚さ方向とプロジェクタの投射光学系の光軸方向とが一致しているとともに、プロジェクタの投射光学系の光軸が光学ガラス2の中心を通過する。なお、光学ガラス2が振動するときの固定体4に対する可動体3の回動角度は、たとえば、0.5°未満であって非常に小さい。そのため、光学ガラス2が振動しているのか否かにかかわらず、光学ガラス2の厚さ方向は、上下方向とほぼ一致している。
【0025】
可動体3は、固定体4の外周側から見たときに固定体4に対して可動体3が傾く方向に回動可能となっている。また、可動体3は、光学ガラス2の厚さ方向に直交する第1直交方向(図2のV方向)を回動の軸方向として固定体4に対して回動可能となっている。すなわち、可動体3は、第1直交方向を軸線方向とする軸線L1(図2参照)を回動中心にして固定体4に対して回動可能となっている。第1直交方向は、上下方向に直交している。また、第1直交方向は、上側から見たときに、前後方向に対して図2の時計回りの方向へ45°ずれた方向となっている。光学ガラス2の厚さ方向から見たときに、軸線L1は、光学ガラス2の中心を通過している。支点部6は、第1直交方向における可動体3の両端側に配置されている。
【0026】
可動体3は、光学ガラス2を保持するガラスホルダである。可動体3は、非磁性材料で形成されている。また、可動体3は、樹脂材料で形成されている。可動体3は、上述のように枠状に形成されている。具体的には、可動体3は、正方形または長方形の枠状に形成されている。可動体回動方向において固定体4に対して可動体3が基準位置に配置されているときには、外形が正方形状または長方形状をなす可動体3の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、左右方向と平行になっており、残りの2辺は、前後方向と平行になっている。
【0027】
可動体3には、磁気駆動機構5の一部を構成する後述の駆動用磁石15が配置される磁石配置凹部3aと、保持用磁石7が配置される磁石配置凹部3bとが形成されている。磁石配置凹部3aは、可動体3の右端から左側に向かって窪んでいる。磁石配置凹部3bは、可動体3の左端から右側に向かって窪んでいる。磁石配置凹部3a、3bは、光学ガラス2の厚さ方向における可動体3の全域に形成されている。
【0028】
また、可動体3には、第1直交方向の両側に向かって突出する突起部3cが形成されている。すなわち、可動体3には、右後ろ側に向かって突出する突起部3cと左前側に向かって突出する突起部3cとが形成されている。突起部3cは、円柱状に形成されている。円柱状に形成される突起部3cの軸方向は、第1直交方向と一致している。突起部3cの先端面には、支点部6の一部を構成する後述の球体11の一部が配置される凹部3d(図4参照)が形成されている。凹部3dは、突起部3cの先端面から第1直交方向の内側に向かって窪んでいる。また、凹部3dは、円形状に形成されている。円形状に形成される凹部3dの中心は、円柱状に形成される突起部3cの軸心上に配置されている。
【0029】
上述のように、光学ガラス2は、可動体3の内周側に配置されている。光学ガラス2は、可動体3に固定されている。可動体回動方向において固定体4に対して可動体3が基準位置に配置されているときには、外形が正方形状をなす光学ガラス2の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、左右方向と平行になっており、残りの2辺は、前後方向と平行になっている。
【0030】
固定体4は、非磁性材料で形成されている。また、固定体4は、樹脂材料で形成されている。固定体4は、上述のように枠状に形成されている。具体的には、固定体4は、正方形または長方形の枠状に形成されている。外形が正方形状または長方形状をなす固定体4の外周面を構成する4辺のうちの2辺は、左右方向と平行になっており、残りの2辺は、前後方向と平行になっている。固定体4には、磁気駆動機構5の一部を構成する後述の駆動用コイル16が配置されるコイル配置凹部4aと、磁性板9が配置される磁性板配置凹部4bとが形成されている。
【0031】
コイル配置凹部4aおよび磁性板配置凹部4bは、固定体4の右辺部に形成されている。コイル配置凹部4aは、固定体4の右辺部の左端から右側に向かって窪んでいる。コイル配置凹部4aは、固定体4の上下方向の全域に形成されている。磁性板配置凹部4bは、コイル配置凹部4aの右側に形成されている。磁性板配置凹部4bは、コイル配置凹部4aよりも右側に窪んでいる。磁性板配置凹部4bは、固定体4の上下方向の全域には形成されておらず、固定体4の右辺部の下端側には、磁性板9が載置される磁性板載置部4cが形成されている(図2参照)。磁性板載置部4cの上面は、上下方向に直交する平面となっている。
【0032】
また、固定体4には、支点部6の一部を構成する後述の板バネ13が配置されるバネ配置部4dと、磁性板8が配置されて固定される磁性板配置穴4eとが形成されている。バネ配置部4dは、正方形または長方形の枠状に形成される固定体4の、一方の対角線上の2個の角部に形成されている。具体的には、バネ配置部4dは、固定体4の右後端の角部と左前端の角部とに形成されている。磁性板配置穴4eは、固定体4の左辺部に形成されている。磁性板配置穴4eは、上下方向において固定体4を貫通する貫通穴である。また、磁性板配置穴4eは、前後方向に細長い長方形の角穴である。
【0033】
支点部6は、上述のように、第1直交方向における可動体3の両端側に配置されている。すなわち、支点部6は、アクチュエータ1の右後端の角部と左前端の角部とに配置されている。支点部6は、球状に形成される球体(ボール)11と、球体11を保持するための球体保持部材12と、球体11の一部に所定の接触圧で接触する凹曲面状の接触面13a(図4等参照)が形成される球体支持部材としての板バネ13とを備えている。支点部6の具体的な構成については後述する。
【0034】
磁気駆動機構5は、駆動用磁石15と、駆動用磁石15に対向配置される駆動用コイル16とを備えている。駆動用磁石15は、可動体3に固定されている。具体的には、駆動用磁石15は、磁石配置凹部3aの中に配置されており、可動体3の右面側に固定されている。駆動用磁石15は、前後方向に細長い直方体状に形成されている。駆動用磁石15は、光学ガラス2の厚さ方向において分極された2個の着磁部15aによって構成されている。
【0035】
駆動用コイル16は、たとえば、導線が空芯状に巻回されることで形成された空芯コイルである。駆動用コイル16は、フレキシブルプリント基板17に実装されている。また、駆動用コイル16は、コイル配置凹部4aの中に配置されている。フレキシブルプリント基板17は、固定体4に固定されている。駆動用コイル16は、フレキシブルプリント基板17を介して固定体4に固定されている。駆動用磁石15と駆動用コイル16とは左右方向で対向している。
【0036】
磁気駆動機構5は、第1直交方向を回動の軸方向として固定体4に対して可動体3を回動させる。なお、フレキシブルプリント基板17には、固定体4に対する可動体3の回動位置を検知するためのホールセンサ(図示省略)が実装されている。ホールセンサは、駆動用磁石15に対向配置されている。駆動用コイル16には、ホールセンサの検知結果に基づいて電流が供給される。
【0037】
保持用磁石7は、可動体3に固定されている。具体的には、保持用磁石7は、磁石配置凹部3bの中に配置されており、可動体3の左面側に固定されている。保持用磁石7は、前後方向に細長い直方体状に形成されている。また、保持用磁石7は、駆動用磁石15と同様に構成されており、光学ガラス2の厚さ方向において分極された2個の着磁部7aによって構成されている。
【0038】
図2に示すように、保持用磁石7の前後方向の中心と駆動用磁石15の前後方向の中心とは、前後方向においてずれている。具体的には、保持用磁石7の前後方向の中心は、駆動用磁石15の前後方向の中心よりも後ろ側に配置されている。本形態では、光学ガラス2の厚さ方向から見たときに、保持用磁石7と駆動用磁石15とは、可動体3の中心に対して点対称に配置されている。また、光学ガラス2の厚さ方向から見たときに、保持用磁石7と駆動用磁石15とは、光学ガラス2の中心に対して点対称に配置されている。
【0039】
磁性板8は、磁性を有する金属材料によって形成されている。磁性板8は、平板状に形成されている。具体的には、磁性板8は、細長い長方形状の平板状に形成されている。磁性板8の厚さは薄くなっている。たとえば、磁性板8の厚さは、0.1~0.2(mm)程度となっている。磁性板8は、磁性板8の厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、磁性板8は、長方形状の平板状に形成される磁性板8の長辺方向と前後方向とが一致するように配置されている。磁性板8は、磁性板配置穴4eの中に配置されており、磁性板配置穴4eの中で固定されている。すなわち、磁性板8は、固定体4に固定されている。磁性板8は、接着剤によって固定体4に固定されている。本形態では、固定体4に磁性板8を固定する前に上下方向における磁性板8の位置が調整される。
【0040】
磁性板9は、磁性板8と同様に構成されている。磁性板9は、磁性板9の厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、磁性板9は、長方形状の平板状に形成される磁性板9の長辺方向と前後方向とが一致するように配置されている。磁性板9は、磁性板配置凹部4bの中に配置されている。磁性板9は、磁性板載置部4cに載置されており、磁性板9の下端面は、磁性板載置部4cの上面に接触している。すなわち、磁性板9は、上下方向において位置決めされている。また、磁性板9は、フレキシブルプリント基板17に固定されており、フレキシブルプリント基板17を介して固定体4に固定されている。
【0041】
磁性板8は、保持用磁石7の左側に配置され、磁性板9は、駆動用磁石15の右側に配置されている。本形態では、駆動用コイル16が非通電状態であるときに可動体回動方向において可動体3を一定位置で保持するための磁気的吸引力が、磁性板8と保持用磁石7との間、および、磁性板9と駆動用磁石15との間に生じている。具体的には、駆動用コイル16が非通電状態であるときに可動体回動方向において可動体3を基準位置で保持するための磁気的吸引力が、磁性板8と保持用磁石7との間、および、磁性板9と駆動用磁石15との間に生じている。
【0042】
また、本形態では、上下方向における磁性板8の位置を調整することで、駆動用コイル16が非通電状態であるときの可動体回動方向における可動体3の位置を調整することが可能になっている。すなわち、本形態では、磁性板8の上下方向の位置によって駆動用コイル16が非通電状態であるときの可動体回動方向における可動体3の位置が規定されている。
【0043】
(支点部、および、支点部の周辺部分の構成)
図4(A)は、図2のE-E断面の断面図であり、図4(B)は、図2のF-F断面の断面図である。図5は、図3に示す球体11、球体保持部材12および板バネ13の拡大図である。図6は、図2のG部の構成を説明するための拡大図である。
【0044】
上述のように、支点部6は、球体11と球体保持部材12と板バネ13とを備えている。球体11は、セラミックスで形成されている。たとえば、球体11は、ジルコニアで形成されている。球体保持部材12は、金属材料で形成されている。球体保持部材12は、筒状に形成される筒部12aと筒部12aの一端に繋がる底部12bとを有する有底の筒状に形成されている。具体的には、筒部12aは、円筒状に形成されており、球体保持部材12は、有底の円筒状に形成されている。筒部12aの内径は、球体11の外径よりも大きくなっている。
【0045】
球体保持部材12は、可動体3に取り付けられている。具体的には、球体保持部材12は、可動体3の突起部3cに固定されている。突起部3cは、筒部12aに挿入されている。また、突起部3cは、第1直交方向の内側から筒部12aの内周側に軽圧入されている。球体保持部材12は、接着剤によって突起部3cに固定されている。球体11は、筒部12aの内周側に配置されている。底部12bは、突起部3cの先端面よりも第1直交方向の外側に配置されている。突起部3cの先端面と底部12bとの間には、球体11を配置するための隙間が形成されている。
【0046】
底部12bには、筒部12aの内周側に配置される球体11の一部を球体保持部材12の外部に配置させるための貫通穴12cが形成されている。貫通穴12cは、底部12bの中心に形成されている。また、貫通穴12cは、円形状に形成されている。そのため、底部12bは、円環状に形成されている。貫通穴12cの内径は、球体11の外径よりも小さくなっている。上述のように、球体11は、筒部12aの内周側に配置されている。球体11は、凹部3dの底面に接触するとともに、貫通穴12cの縁に接触している。球体11の一部は、底部12bよりも第1直交方向の外側に配置されている。すなわち、球体11の一部は、球体保持部材12の外部に配置されている。球体11は、突起部3cと球体保持部材12とによって可動体3に保持されている。
【0047】
板バネ13は、バネ性を有するステンレス鋼板等の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。本形態の板バネ13は、U形状に形成されており、平板状に形成される第1平板部13bおよび第2平板部13cと、第1平板部13bの一端と第2平板部13cの一端とを繋ぐ曲板状の曲板部13dとによって構成されている。板バネ13は、上下方向から見たときの板バネ13の形状がU形状となるようにバネ配置部4dに配置されている。すなわち、上下方向から見たときの板バネ13の形状がU形状となっている。また、上述のように、光学ガラス2の厚さ方向が上下方向とほぼ一致しているため、光学ガラス2の厚さ方向から見たときの板バネ13の形状もU形状となっている。
【0048】
第1平板部13bは、第1平板部13bの厚さ方向と第1直交方向とが一致するように配置され、第2平板部13cは、第2平板部13cの厚さ方向と第1直交方向とが一致するように配置されている。第1平板部13bは、第1直交方向において第2平板部13cよりも外側に配置されている。固定体4の右後端の角部のバネ配置部4dに配置される板バネ13では、第1平板部13bの右前端と第2平板部13cの右前端とが曲板部13dによって繋がれている。固定体4の左前端の角部のバネ配置部4dに配置される板バネ13では、第1平板部13bの左後端と第2平板部13cの左後端とが曲板部13dによって繋がれている。
【0049】
光学ガラス2の厚さ方向から見たときに、右後端に配置される板バネ13と左前端に配置される板バネ13とは、光学ガラス2の中心に対して点対称に配置されている。板バネ13は、位置決めされた状態でバネ配置部4dに固定されている。すなわち、板バネ13は、固定体4に取り付けられている。また、板バネ13は、接着剤によってバネ配置部4dに固定されている。
【0050】
第1平板部13bの先端部には、上述の接触面13aが形成されている。接触面13aは、第1直交方向の外側に向かって窪む凹曲面である。第2平板部13cには、球体保持部材12が挿通される貫通穴13eが形成されている。貫通穴13eの内径は、球体保持部材12の外径よりも大きくなっている。第2平板部13cの、貫通穴13eが形成された部分の上下方向の両端には、この部分の強度を確保するための補強部13fが形成されている。補強部13fは、第2平板部13cの上下方向の両端から第1直交方向の外側に向かってわずかに伸びている。
【0051】
接触面13aは、球体保持部材12の外部に配置される球体11の一部に第1直交方向の外側から所定の接触圧で接触している。板バネ13は、第1直交方向の内側に向かって球体11を付勢している。なお、バネ配置部4dに板バネ13を配置するときには、可動体3に固定された状態の球体保持部材12が貫通穴13eに挿通された状態になっている。
【0052】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、支点部6は、セラミックス製の球体11を備えている。そのため、本形態では、光学ガラス2が比較的高い周波数で連続的に振動する場合であっても、支点部6の耐久性を高めることが可能になる。また、本形態では、球体保持部材12は、球体11が内周側に配置される筒部12aと筒部12aの一端に繋がる底部12bとを有する有底の筒状に形成されており、底部12bには、球体11の一部を球体保持部材12の外部に配置させるための貫通穴12cが形成されている。そのため、本形態では、球体11がセラミックスで形成されていても、また、球体11の外径が小さくなっていても、球体保持部材12の外部で板バネ13の接触面13aに一部が接触する球体11を、球体保持部材12を用いて可動体3に容易に取り付けることが可能になる。
【0053】
本形態では、可動体3の突起部3cの先端面に、球体11の一部が配置される凹部3dが形成されている。そのため、本形態では、突起部3cと球体保持部材12とによって可動体3に保持される球体11の状態を安定させることが可能になる。また、本形態では、可動体3に固定される球体保持部材12が、固定体4に固定される板バネ13の貫通穴13eに挿通されているため、可動体3が固定体4から上側または下側に外れるのを防止することが可能になる。
【0054】
(板バネの変更例)
図7は、本発明の他の実施の形態にかかる板バネ23の図であり、(A)は平面図、(B)は斜視図である。図8は、本発明の他の実施の形態にかかる支点部6の構成を説明するための平面図である。図9は、図7(B)のJ部の拡大図である。
【0055】
上述した形態では、別体で形成された2個の板バネ13が第1直交方向における可動体3の両端側に配置されているが、アクチュエータ1は、2個の板バネ13に代えて、1個の板バネ23を備えていても良い。板バネ23は、バネ性を有するステンレス鋼板等の金属板を所定形状に折り曲げることで形成されている。板バネ23の厚さは、たとえば、0.2(mm)となっている。板バネ23は、第1直交方向における可動体3の両端側のそれぞれに配置される球体支持部材としてのバネ部23bと、2個のバネ部23bを繋ぐ平板状の連結部23cとを備えている。この変更例では、板バネ23は、2個のバネ部23bと連結部23cとによって構成されている。
【0056】
連結部23cは、枠状に形成されている。具体的には、連結部23cは、略正方形または略長方形の枠状に形成されている。連結部23cは、枠状に形成される固定体4の上端面に固定されている。すなわち、連結部23cは、固定体4の、光学ガラス2の厚さ方向における一方側の面に固定されている。図3等に示すように、固定体4の上端面は、上下方向に直交する平面となっている。連結部23cは、平板状に形成される連結部23cの厚さ方向と上下方向とが一致するように、固定体4の上端面に固定されている。また、連結部23cは、接着剤によって固定体4の上端面に固定されている。
【0057】
外形が略正方形状または略長方形状をなす連結部23cの外周面を構成する4辺のうちの2辺は、左右方向と平行になっており、残りの2辺は、前後方向と平行になっている。枠状に形成される連結部23cの内周側の一部分は、枠状に形成される可動体3の外周側の一部分と上下方向において重なっている。連結部23cは、固定体4に対する可動体3の上側への移動範囲を規制する機能も果たしている。なお、固定体4には、固定体4に対する可動体3の下側への移動範囲を規制する規制部が形成されている。
【0058】
バネ部23bは、第1直交方向における連結部23cの両端のそれぞれに繋がっている。バネ部23bは、平板状に形成されている。バネ部23bは、バネ部23bの厚さ方向と第1直交方向とが一致するように配置されている。バネ部23bは、連結部23cの下側に配置されている。すなわち、第1直交方向における板バネ23の両端部は、下側に向かって直角に折れ曲がっている。連結部23cの右後端の角部では、一方のバネ部23bの基端部となるバネ部23bの右前端部が連結部23cに繋がり、連結部23cの左前端の角部では、他方のバネ部23bの基端部となるバネ部23bの左後端部が連結部23cに繋がっている。
【0059】
光学ガラス2の厚さ方向から見たときに、2個のバネ部23bは、光学ガラス2の中心に対して点対称に配置されている。上述のように、連結部23cは、固定体4の上端面に固定されている。すなわち、連結部23cと一体で形成される2個のバネ部23bは、連結部23cを介して固定体4に取り付けられている。
【0060】
バネ部23bの先端部には、板バネ13の接触面13aに相当する接触面23aが形成されている(図7(B)参照)。すなわち、バネ部23bには、球体11の一部に所定の接触圧で接触する凹曲面状の接触面23aが形成されている。接触面23aは、第1直交方向の外側に向かって窪む凹曲面である。接触面23aは、球体保持部材12の外部に配置される球体11の一部に第1直交方向の外側から所定の接触圧で接触している。バネ部23bは、第1直交方向の内側に向かって球体11を付勢している。この変更例では、球体11と球体保持部材12とバネ部23bとによって支点部6が構成されている。
【0061】
バネ部23bには、補強用のリブ23dが形成されている。リブ23dは、バネ部23bの一部を絞り加工することで形成されている。リブ23dは、第1直交方向の外側に向かって突出している。第1直交方向からみたときのリブ23dの形状は、L形状となっている。
【0062】
この変更例では、2個のバネ部23bが連結部23cを介して一体化されているため、上述した形態のように、別体で形成される2個の板バネ13が設けられている場合と比較して、アクチュエータ1の部品点数を削減することが可能になる。また、この変更例では、連結部23cを固定体4に固定することで2個のバネ部23bが固定体4に取り付けられているため、上述した形態のように、別体で形成される2個の板バネ13のそれぞれが固定体4に固定されている場合と比較して、アクチュエータ1の組立工数を削減することが可能になる。
【0063】
さらに、この変更例では、枠状の連結部23cを枠状の固定体4に接着固定することで2個のバネ部23bが固定体4に取り付けられているため、固定体4に対する連結部23cの接着面積を確保して、固定体4に対するバネ部23bの取付強度を高めることが可能になる。また、この変更例では、2個のバネ部23bが連結部23cを介して一体化されており、2個のバネ部23bの相対位置のばらつきが板バネ23の部品精度によって決まるため、上述した形態のように、別体で形成される2個の板バネ13のそれぞれが固定体4に固定されている場合と比較して、2個の接触面23aの相対位置のばらつきを抑制することが可能になる。
【0064】
また、この変更例では、バネ部23bに補強用のリブ23dが形成されているため、板バネ23の厚さが薄くなってもバネ部23bの強度を確保することが可能になる。なお、バネ部23bの強度を確保することができるのであれば、バネ部23bにリブ23dが形成されていなくても良い。
【0065】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0066】
上述した形態において、曲板部13dが板バネ13の下端部となるように、板バネ13がバネ配置部4dに配置されていても良い。すなわち、第1平板部13bの下端と第2平板部13cの下端とが曲板部13dによって繋がっていて、右斜め前側から見たとき(または左斜め後ろ側から見たとき)の板バネ13の形状がU形状となっていても良い。ただし、上述した形態のように、上下方向から見たときの板バネ13の形状がU形状となるように、バネ配置部4dに板バネ13が配置されている場合には、上下方向において板バネ13を小型化することが可能になるため、上下方向においてアクチュエータ1を小型化することが可能になる。
【0067】
上述した形態において、板バネ13が可動体3に取り付けられ、球体保持部材12が固定体4に取り付けられていても良い。この場合には、球体11は、固定体4に保持されている。また、この場合には、板バネ13の接触面13aは、球体保持部材12の外部に露出する球体11の一部に第1直交方向の内側から所定の接触圧で接触している。また、上述した変更例において、板バネ23の連結部23cが可動体3に固定され、球体保持部材12が固定体4に取り付けられていても良い。この場合には、板バネ23の接触面23aは、球体保持部材12の外部に露出する球体11の一部に第1直交方向の内側から所定の接触圧で接触している。
【0068】
上述した形態において、アクチュエータ1は、プロジェクタ以外の装置に搭載されて使用されても良い。この場合には、光学ガラス2以外の光学要素が可動体3に保持されていても良い。たとえば、レンズ、プリズム、反射板または光学フィルタ等の光学素子が可動体3に保持されていても良い。また、撮像素子が可動体3に保持されていても良い。可動体3に撮像素子が保持されている場合には、アクチュエータ1は、たとえば、カメラに搭載されている。本明細書における「光学要素」には、撮像素子も含まれている。
【符号の説明】
【0069】
1 アクチュエータ
2 光学ガラス(光学要素)
3 可動体
3c 突起部
3d 凹部
4 固定体
5 磁気駆動機構
6 支点部
11 球体
12 球体保持部材
12a 筒部
12b 底部
12c 貫通穴
13 板バネ(球体支持部材)
13a 接触面
23 板バネ
23a 接触面
23b バネ部(球体支持部材)
23c 連結部
23d リブ
V 第1直交方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9