(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119598
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/32 20060101AFI20230822BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20230822BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20230822BHJP
H01Q 15/14 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
H01Q1/32 Z
H01Q1/22 E
H01Q9/16
H01Q15/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020121936
(22)【出願日】2020-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竇 元珠
【テーマコード(参考)】
5J020
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA02
5J020BA04
5J020BA06
5J020BC09
5J020DA03
5J046AA04
5J046AB07
5J046MA09
5J047AA04
5J047AB07
(57)【要約】
【課題】車体による電波への影響を抑制すること。
【解決手段】アンテナ装置は、車両における車体の外側の外装部品に搭載されるアンテナ装置であって、放射素子と、放射素子よりも車体側に配置された反射素子とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における車体の外側の外装部品に搭載されるアンテナ装置であって、
放射素子と、
前記放射素子よりも前記車体側に配置された反射素子と
を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記反射素子は、
無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長より長い全長を有する金属導体である
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記放射素子と前記反射素子との離間距離が、無線通信に用いられる特定の周波数の0.2~0.3波長である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記放射素子は、回路基板の表面にパターンで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記反射素子は、回路基板の表面にパターンで形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記反射素子は、
前記回路基板の表面に対して垂直に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記反射素子は、
前記垂直な方向における幅が、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長以上である
ことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記反射素子は、
前記垂直な方向における幅が、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長未満である
ことを特徴とする請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記車両のドアミラーに搭載される
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記車両のドアハンドルに搭載される
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1には、車両のドアハンドルの内部に設けられたダイポールアンテナを備え、該アンテナを通じて車両ドアの周辺に設定された通信エリアに向けてUHF帯の無線電波を放射する車両用アンテナ装置が開示されている。また、下記特許文献1には、車両ドアのアウタパネルとダイポールアンテナとの間に間隙を形成したうえで、車両ドアのアウタパネルを反射面として利用することで、通信エリアに放射される無線電波の強度を強める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明の発明者らは、車両における車体の外側の外装部品(例えば、ドアミラー、ドアハンドル等)に搭載されるアンテナ装置に関し、当該アンテナ装置から車体に電波が放射されることによって生じる車体からの反射波が、当該アンテナ装置の車体の外側方向への放射特性に影響を及ぼす虞があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るアンテナ装置は、車両における車体の外側の外装部品に搭載されるアンテナ装置であって、放射素子と、放射素子よりも車体側に配置された反射素子とを備える。
【発明の効果】
【0006】
一実施形態によれば、車体による放射特性への影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るアンテナ装置の配置を示す図
【
図6】比較用のアンテナ装置のXY平面における放射特性を示す図
【
図7】一実施形態に係るアンテナ装置のXY平面における放射特性を示す図
【
図8】一実施形態に係る反射素子の第1変形例を示す図
【
図9】一実施形態に係る反射素子の第2変形例を示す図
【
図10】第2変形例に係るアンテナ装置の水平面(XY平面)における放射特性を示す図
【
図11】一実施形態に係る反射素子の第3変形例を示す図
【
図12】第3変形例に係るアンテナ装置の水平面(XY平面)における放射特性を示す図
【
図13】一実施形態に係る反射素子の第4変形例を示す図
【
図14】第4変形例に係るアンテナ装置の水平面(XY平面)における放射特性を示す図
【
図15】一実施形態に係る反射素子の第5変形例を示す図
【
図16】第5変形例に係るアンテナ装置の水平面(XY平面)における放射特性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。なお、本実施形態では、アンテナ装置100が搭載される車両の高さ方向に対応する方向を、上下方向(Z軸方向)とし、車両の長さ方向に対応する方向を、前後方向(X軸方向)とし、車両の幅方向に対応する方向を、左右方向(Y軸方向)とする。
【0009】
(アンテナ装置100の概要)
図1は、一実施形態に係るアンテナ装置100の配置を示す図である。
図1に示すように、アンテナ装置100は、自動車等の車両の右ドアミラー10(「外装部品」の一例)に搭載される。アンテナ装置100は、給電ケーブル110を介して、車両に搭載された車載装置(例えば、ECU(Electronic Control Unit))とアンテナ装置100に設けられた車両の外部との無線通信を行う通信回路(不図示)とが接続され、車両の外部との無線通信を行うことが可能な装置である。アンテナ装置100が外部との無線通信に使用する無線通信規格としては、例えば、V2X(Vehicle to Everything)等が挙げられる。
図1に示すように、アンテナ装置100は、概ね薄型の直方体形状を有する筐体102を備える。
図1に示すように、アンテナ装置100は、筐体102の表面102Aが地面(XY平面)に対して垂直となり、且つ表面102Aが後方(X軸正方向)を向くように、右ドアミラー10に搭載される。
【0010】
なお、右ドアミラー10の鏡面10Aは、金属微粒子が印刷または蒸着によって形成されている。これにより、鏡面10Aは、当該鏡面10Aに入射された光を反射することができ、且つ、アンテナ装置100から放射された電波を透過することができる。
【0011】
また、本実施形態では、車両の右ドアミラー10に搭載されているアンテナ装置100について説明するが、車両の左ドアミラーにも、右ドアミラー10に設けられているアンテナ装置100とは左右対称に構成されたアンテナ装置を設けてもよい。
【0012】
(アンテナ装置100の構成)
図2は、一実施形態に係るアンテナ装置100の外観斜視図である。
図3は、一実施形態に係るアンテナ装置100の一部透視図である。
図4は、一実施形態に係る回路基板104の外観斜視図である。
図5は、一実施形態に係る回路基板104の平面図である。
図2~
図4に示すように、アンテナ装置100は、筐体102、回路基板104、放射素子106、反射素子108、および給電ケーブル110を備える。
【0013】
筐体102は、アンテナ装置100の外形をなし、アンテナ装置100の各構成部品を収容する容器状の部材である。筐体102は、樹脂素材が用いられて形成される。本実施形態では、筐体102は、前後方向(X軸方向)について薄型の、概ね直方体形状を有する。
【0014】
回路基板104は、筐体102の内部に設けられる、硬質且つ平板状の部材である。回路基板104の表面104Aは、平面視において矩形状を有する。回路基板104には、PWB(Printed Wired Board)等が用いられる。回路基板104の表面104Aには、車両の外部との無線通信を行う通信回路が形成される。
図3および
図4に示すように、回路基板104は、筐体102が地面(XY平面)に対して垂直に配置されることにより、地面に対して垂直となり、且つ、表面104Aが後方(X軸正方向)を向く。
【0015】
放射素子106は、回路基板104の表面104Aに銅箔パターンとして形成されている。放射素子106は、表面104Aに対して水平な平板状を有する。放射素子106は、銅箔パターンで形成する以外に、導電性を有する薄膜状、薄板状、線状または棒状の素材が用いられて形成されても良い。
【0016】
本実施形態では、放射素子106は、いわゆるダイポールアンテナであり、
図4および
図5に示すように、第1のエレメント106Aと、第2のエレメント106Bとを有する。エレメント106A,106Bは、平面視において、両者の中間位置から互いに異なる方向に直線状に延在する、帯状を有する。
【0017】
第1のエレメント106Aは、表面104Aの上下方向(Z軸方向)における中間位置において、車両の外側方向(Y軸正方向)に向かって直線状に延在した後、直角に折れ曲がり、上方(Z軸正方向)に直線状に延在する帯状を有する。
【0018】
第2のエレメント106Bは、第1のエレメント106Aの下側に設けられており、第1のエレメント106Aに対する対称形状を有する。第2のエレメント106Bは、表面104Aの上下方向(Z軸方向)における中間位置において、車両の外側方向(Y軸正方向)に向かって直線状に延在した後、直角に折れ曲がり、下方(Z軸負方向)に直線状に延在する帯状を有する。
【0019】
放射素子106は、車両の外部との無線通信を行う通信回路に接続されることにより、無線通信に用いられる特定の周波数の電波の送受信を行う。そのため、放射素子106は、
図5に示すように、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長の全長D1(Z軸方向の長さ)を有する。
【0020】
反射素子108は、回路基板104の表面104Aにおいて、放射素子106よりも車体側(Y軸負側)に銅箔パターンとして形成されている。反射素子108は、表面104Aに対して水平な平板状を有する。反射素子108は、銅箔パターンで形成する以外に、導電性を有する薄膜状、薄板状、線状または棒状の素材が用いられて形成されても良い。本実施形態では、反射素子108は、平面視において矩形状を有する。反射素子108は、
図5に示すように、全長D2(Z軸方向の長さ)を有する。反射素子108の全長D2は、放射素子106の全長D1(すなわち、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長)よりも大きい。反射素子108は、車体による放射素子106によって送受信される電波への影響を抑制する。なお、放射素子106と反射素子108との離間距離D3(
図5参照)は、無線通信に用いられる特定の周波数の0.2~0.3波長であることが好ましい。
【0021】
なお、
図5に示すように、本実施形態のアンテナ装置100は、回路基板104の表面104Aにおける矩形状の回路実装領域104B(
図5参照)に、当該回路実装領域104Bと同形状の反射素子108が設けられている。すなわち、本実施形態のアンテナ装置100は、実際には反射素子108の一部が切除されており、その切除部分に、車両の外部との無線通信を行う通信回路を構成する各種電子部品が設けられている。
【0022】
(実施例)
次に、
図6および
図7を参照して、一実施形態に係るアンテナ装置100の一実施例について説明する。
図6は、比較用のアンテナ装置の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
図7は、一実施形態に係るアンテナ装置100の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
【0023】
本実施例では、一実施形態に係るアンテナ装置100と、比較用のアンテナ装置との各々について、放射素子106から放射される電波(垂直偏波)の放射特性をシミュレーションした。なお、本実施例では、比較用のアンテナ装置として、アンテナ装置100から反射素子108を取り除いたものを用いた。
【0024】
図6および
図7に示すように、比較用のアンテナ装置および一実施形態に係るアンテナ装置100は、いずれも、水平面(XY平面)において、当該アンテナ装置を中心として、Y軸正方向(車両の外側方向)に、概ね半円状の放射パターンを有する。
【0025】
ここで、
図6に示すように、比較用のアンテナ装置のアンテナ特性は、車体へ電波が放射されたことによる、車体からの反射波の影響により、水平面(XY平面)におけるY軸正方向(車両の外側方向)の放射パターンにおいて、いわゆるNull(落ち込み)が多く発生している。
【0026】
一方、
図7に示すように、一実施形態に係るアンテナ装置100のアンテナ特性は、反射素子108によって車体への電波の放射が抑制され、車体による電波への影響が抑制されたことにより、水平面(XY平面)におけるY軸正方向(車両の外側方向)の放射パターンにおいて、Nullの発生が抑制されたものとなっている。
【0027】
上記のとおり、本実施例により、一実施形態に係るアンテナ装置100は、放射素子106よりも車体側に反射素子108を設けたことにより、車体による放射特性への影響を抑制することができるものであることが確認された。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形または変更が可能である。
【0029】
例えば、アンテナ装置100は、ドアミラーに限らず、その他の外装部品(例えば、ドアハンドル)に搭載されてもよい。
【0030】
(第1変形例)
図8は、一実施形態に係る反射素子108の第1変形例を示す図である。
図8に示すように、第1変形例に係るアンテナ装置100では、回路基板104の表面104Aにおいて、放射素子106よりも車体側(Y軸負側)に、矩形状の反射素子108が設けられており、さらに、反射素子108よりも車体側(Y軸負側)に、矩形状の回路実装領域104Bが設けられている。
【0031】
図8に示すように、第1変形例に係るアンテナ装置100においても、反射素子108の全長D2は、放射素子106の全長D1(すなわち、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長)よりも大きい。第1変形例に係るアンテナ装置100によっても、放射素子106よりも車体側に反射素子108を設けたことにより、車体による電波への影響を抑制することができる。
【0032】
(第2変形例)
図9は、一実施形態に係る反射素子108の第2変形例を示す図である。
図10は、第2変形例に係るアンテナ装置100の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
図9に示すように、第2変形例に係るアンテナ装置100では、回路基板104の表面104Aにおいて、放射素子106よりも車体側(Y軸負側)に、矩形状の回路実装領域104Bが設けられている。そして、第2変形例に係るアンテナ装置100では、回路実装領域104Bと放射素子106との間(回路実装領域104BのY軸正側の端部)に、表面104Aに対して垂直に立設された第1の反射素子108Aが設けられている。さらに、第2変形例に係るアンテナ装置100では、回路基板104における表面104Aの裏側の表面104Cに対して、垂直に立設された第2の反射素子108Bが設けられている。第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bは、いずれも、平面視において、上下方向(Z軸方向)を長手方向とし、前後方向(X軸方向)を短手方向とする、長方形状を有する。第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bは、互いに電気的に結合されている。第2変形例に係るアンテナ装置100では、第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bは、いずれも、前後方向(X軸方向)について一定の幅W1を有する。さらに、第2変形例に係るアンテナ装置100では、第1の反射素子108Aの幅W1と、第2の反射素子108Bの幅W1とを足し合わせた全幅W2は、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長と等しいかまたは長くなるように設定されている。第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bは、いずれも、金属板が用いられて形成されており、はんだ付け等によって、回路基板104の表面104Aおよび表面104Cに固定されている。
【0033】
図9に示すように、第2変形例に係るアンテナ装置100においても、第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bの各々の全長D2は、放射素子106の全長D1(すなわち、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長)よりも大きい。第2変形例に係るアンテナ装置100によっても、放射素子106よりも車体側に第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bを設けたことにより、車体による放射特性への影響を抑制することができる。
【0034】
特に、第2変形例に係るアンテナ装置100は、第1の反射素子108Aの幅W1と、第2の反射素子108Bの幅W1とを足し合わせた全幅W2が、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長と等しいかまたは長くなるように設定されているため、
図10に示すように、放射特性のX軸方向への広がりを狭くすることができ、所望の通信領域に合わせてアンテナの放射特性を調整することができる。
【0035】
また、第2変形例に係るアンテナ装置100によれば、回路実装領域104Bを避けて、第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bを立設したことにより、回路実装領域104Bの狭小化を抑制することができる。
【0036】
(第3変形例)
図11は、一実施形態に係る反射素子108の第3変形例を示す図である。
図12は、第3変形例に係るアンテナ装置100の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
図11に示すように、第3変形例に係るアンテナ装置100では、互いに電気的に結合されている第1の反射素子108Aおよび第2の反射素子108Bが、いずれも、前後方向(X軸方向)について一定の幅W3(但し、W3<W1)を有する点で、第2変形例に係るアンテナ装置100と異なる。さらに、第3変形例に係るアンテナ装置100では、第1の反射素子108Aの幅W3と、第2の反射素子108Bの幅W3とを足し合わせた全幅W4は、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長よりも小さくなっている。
【0037】
第3変形例に係るアンテナ装置100は、第1の反射素子108Aの幅W3と、第2の反射素子108Bの幅W3とを足し合わせた全幅W4が、無線通信に用いられる特定の周波数の1/2波長よりも短くなるように設定されているため、
図12に示すように、放射特性のX軸方向への広がりを広くすることができ、所望の通信領域に合わせてアンテナの放射特性を調整することができる。
【0038】
(第4変形例)
図13は、一実施形態に係る反射素子108の第4変形例を示す図である。
図14は、第4変形例に係るアンテナ装置100の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
図13に示すように、第4変形例に係るアンテナ装置100は、回路基板104の表面104Aにおいて、放射素子106よりも外側(Y軸正側)に、反射素子109を備える。すなわち、第4変形例に係るアンテナ装置100は、放射素子106の左右両側に、反射素子108,109を備える。これにより、第4変形例に係るアンテナ装置100は、車両の外側方向(Y軸正方向)への放射を抑制する一方で、前後方向(X軸方向)への放射を増やすことができる。その結果、第4変形例に係るアンテナ装置100は、
図14に示すように、水平面(XY平面)におけるY軸正方向への放射パターンを均一化することができる。
【0039】
(第5変形例)
図15は、一実施形態に係る反射素子108の第5変形例を示す図である。
図16は、第5変形例に係るアンテナ装置100の水平面(XY平面)における放射特性を示す図である。
図15に示すように、第5変形例に係るアンテナ装置100は、第4変形例に係るアンテナ装置100の構成に、導波素子111A,111Bをさらに備える点で、第4変形例に係るアンテナ装置100と異なる。導波素子111Aは、放射素子106よりも後方(X軸正方向)に、回路基板104の表面104Aから離間して配置されている。導波素子111Bは、放射素子106よりも前方(X軸負方向)に、回路基板104の表面104Cから離間して配置されている。これにより、第5変形例に係るアンテナ装置100は、導波効果により、車両の外側方向(Y軸正方向)の放射を、X軸正方向およびX軸負方向の各々に誘導することができる。その結果、第5変形例に係るアンテナ装置100は、
図16に示すように、水平面(XY平面)におけるY軸正方向への放射パターンをさらに均一化することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 右ドアミラー
100 アンテナ装置
102 筐体
102A 表面
104 回路基板
104A 表面
104B 回路実装領域
104C 表面
106 放射素子
106A 第1のエレメント
106B 第2のエレメント
108 反射素子
108A 第1の反射素子
108B 第2の反射素子
109 反射素子
110 給電ケーブル
111A,111B 導波素子