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特開2023-119607ソーシャルネットワークサービスシステム、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119607
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】ソーシャルネットワークサービスシステム、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022528
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】518192415
【氏名又は名称】Social Healthcare Design株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀ヶ谷 正信
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】「炎上」等の好ましくない事態の発生をできるだけ抑え、また精神的、人格的な発達の促進に寄与するソーシャルネットワークサービス(SNS)システム、情報処理装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】SNSシステムは、サーバ装置2と、ユーザ端末3-7と、SNSを補助するための情報処理装置1とが、電気通信回線網8を介して接続される。サーバ装置は、ユーザ端末からグループへの参加申請をグループIDとともに受信したとき、グループに参加するためのパーソナリティに関する参加条件を参加申請者のパーソナリティIDとを含む判定依頼を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、判定依頼に含まれるパーソナリティIDに関連付けられているパーソナリティが、パーソナリティに関する参加条件を満たすか否かを判定し、判定結果をサーバ装置1に返信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバ装置と、前記ソーシャルネットワークサービスのアカウントを有する複数のユーザが保有する複数のユーザ端末と、前記ソーシャルネットワークサービスを補助するための情報処理装置とが電気通信回線網を介して接続されるソーシャルネットワークサービスシステムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記ソーシャルネットワークサービスに含まれるグループ機能を用いて作成されたグループを識別するグループIDに、前記グループの管理者のアカウントと、前記管理者により設定された前記グループに参加するためのパーソナリティに関する参加条件とを関連付けたグループ管理テーブルと、前記複数のユーザのアカウントと前記情報処理装置との間の閉鎖的なパーソナリティIDとを対応付けたアカウント/パーソナリティID対応テーブルとを記憶する手段と、
参加申請者としてのユーザが保有する前記ユーザ端末から、前記グループへの参加申請を前記グループIDとともに受信する手段と、
前記グループ管理テーブルを参照して前記受信されたグループIDに関連付けられた前記パーソナリティに関する参加条件を読み出し、前記アカウント/パーソナリティID対応テーブルを参照して前記参加申請者のアカウントに対応付けられた前記パーソナリティIDを読み出す手段と、
前記読み出された前記パーソナリティに関する参加条件と前記パーソナリティIDとを含む判定依頼を前記情報処理装置に送信する手段とを具備し、
前記情報処理装置は、
前記複数のユーザ各々のパーソナリティに関するデータを前記パーソナリティIDを関連付けて記憶する手段と、
前記サーバ装置から前記判定依頼を受信する手段と、
前記受信された判定依頼に含まれる前記パーソナリティIDに関連付けられている前記パーソナリティに関するデータを読み出し、前記読み出されたパーソナリティが、前記受信された判定依頼に含まれる前記パーソナリティに関する参加条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する手段と、
前記判定処理の結果を前記サーバ装置に返信する手段とを具備する、ソーシャルネットワークサービスシステム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記ユーザ端末から、前記ソーシャルネットワークサービスへのユーザ登録申請を受信する手段と、
前記ユーザ登録申請の受信を契機として前記アカウントを発行する手段と、
前記ユーザ登録申請の受信を契機として前記アカウントを含むパーソナリティ解析依頼を、前記情報処理装置に送信する手段とをさらに備える請求項1記載のソーシャルネットワークサービスシステム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記パーソナリティ解析依頼の受信を契機として前記パーソナリティを解析するための設問を前記ユーザ端末に送信する手段と、
前記設問の回答を前記ユーザ端末から受信する手段と、
前記設問の回答に基づいて前記パーソナリティを解析する手段とをさらに備える請求項2記載のソーシャルネットワークサービスシステム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記パーソナリティ解析依頼の受信を契機として前記アカウントに対応する前記パーソナリティIDを発行する手段と、
前記発行されたパーソナリティIDを前記アカウントに対応付けて前記サーバ装置に送信する手段とをさらに備える請求項2記載のソーシャルネットワークサービスシステム。
【請求項5】
前記パーソナリティは認知特性に関する複数の類型の構成比である請求項1記載のソーシャルネットワークサービスシステム。
【請求項6】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバ装置と、前記ソーシャルネットワークサービスのアカウントを有する複数のユーザが保有する複数のユーザ端末とに対して電気通信回線網を介して接続される、前記ソーシャルネットワークサービスを補助するための情報処理装置において、
前記複数のユーザ各々のパーソナリティに関するデータを前記複数のユーザを各別に識別するパーソナリティIDを関連付けて記憶する手段と、
前記サーバ装置から、前記ソーシャルネットワークサービスに含まれるグループ機能を用いて作成されたグループへの参加を申請した参加申請者としてのユーザに関するパーソナリティIDと、前記グループの管理者により設定された前記グループに参加するための前記パーソナリティに関する参加条件とを含む判定依頼を受信する手段と、
前記特定のユーザに関するパーソナリティIDに関連付けられている前記パーソナリティに関するデータを読み出し、前記参加申請者に関する前記パーソナリティが前記参加条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する手段と、
前記判定処理の結果を前記サーバ装置に送信する手段とを具備する情報処理装置。
【請求項7】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバ装置と、前記ソーシャルネットワークサービスのアカウントを有する複数のユーザが保有する複数のユーザ端末とに対して電気通信回線網を介して接続される、前記ソーシャルネットワークサービスを補助するための情報処理装置において、
前記複数のユーザ各々のパーソナリティに関するデータを前記複数のユーザを識別するパーソナリティIDを関連付けて記憶する手段と、
前記サーバ装置から、前記ソーシャルネットワークサービスで公開された投稿を検索するために前記ユーザが指定した前記パーソナリティに関する投稿検索条件と、複数の投稿候補の投稿者としての複数のユーザに関する複数のパーソナリティIDとを含む判定依頼を受信する手段と、
前記受信した複数のパーソナリティIDに関連付けられている前記パーソナリティに関するデータを読み出し、前記投稿者に関するパーソナリティが前記パーソナリティに関する投稿検索条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する手段と、
前記判定処理の結果を前記サーバ装置に返信する手段とを具備する情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項6又は7に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーシャルネットワークサービスシステム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS、Social Networking Service)は、インターネット上でユーザがプロフィール、メッセージ、写真、動画等の各種情報を投稿し、またユーザ同士で意見を交換する場として急速に普及している。また販売促進やマーケティングなどにSNSを活用する企業も年々増加の一途を示している。
【0003】
SNSは様々な便利な機能があり、その一つに「グループ機能」がある。「グループ機能」は、趣味やビジネスなどの共通のテーマのもとにメンバが集まり、メンバ間での情報共有、コメントやメッセージによる意見交換によりメンバ間の交流を促進するツールである。このようにグループ機能は有益で便利なツールである一方で様々な問題を抱えている。
【0004】
例えば、特定のコメントや投稿に非難、批判、誹謗、中傷等が殺到し、収拾がつかなくなるいわゆる「炎上」してしまう、また本来のテーマから外れて目的がはっきりしなくなり単なる集まりになってしまう、個々人の人格的傾向の相違から極端に意見が対立してメンバが離散してしまうなど様々な好ましくない事態が生じることがある。
【0005】
またグループ機能は本来的には趣味嗜好が共通するメンバが集まり、娯しみ、憂晴し、楽しみ等の遊興的な要素の強いものであるが、それにとどまらず、さらに発展して、より気の合う仲間との出会いを提供し、結果として、共に支え、共に学ぶグループを組成し、互いに気づきや学びを提供して、個々人の精神的、人格的な発達を促進し、育成できるような集まりを提供するような活用も今後期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SNSにおいては、「炎上」等の好ましくない事態の発生をできるだけ抑え、また精神的、人格的な発達の促進に寄与する活用も望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係るソーシャルネットワークサービスシステムは、ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバ装置と、ソーシャルネットワークサービスのアカウントを有する複数のユーザが保有する複数のユーザ端末と、ソーシャルネットワークサービスを補助するための情報処理装置とが電気通信回線網を介して接続される。
【0008】
前記サーバ装置は、前記ソーシャルネットワークサービスに含まれるグループ機能を用いて作成されたグループを識別するグループIDに、前記グループの管理者のアカウントと、前記管理者により設定された前記グループに参加するためのパーソナリティに関する参加条件とを関連付けたグループ管理テーブルと、前記複数のユーザのアカウントと前記情報処理装置との間の閉鎖的なパーソナリティIDとを対応付けたアカウント/パーソナリティID対応テーブルとを記憶する手段と、参加申請者としてのユーザが保有する前記ユーザ端末から、前記グループへの参加申請を前記グループIDとともに受信する手段と、前記グループ管理テーブルを参照して前記受信されたグループIDに関連付けられた前記パーソナリティに関する参加条件を読み出し、前記アカウント/パーソナリティID対応テーブルを参照して前記参加申請者のアカウントに対応付けられた前記パーソナリティIDを読み出す手段と、前記読み出された前記パーソナリティに関する参加条件と前記パーソナリティIDとを含む判定依頼を前記情報処理装置に送信する手段とを具備する。
【0009】
前記情報処理装置は、前記複数のユーザ各々のパーソナリティに関するデータを前記パーソナリティIDを関連付けて記憶する手段と、前記サーバ装置から前記判定依頼を受信する手段と、前記受信された判定依頼に含まれる前記パーソナリティIDに関連付けられている前記パーソナリティに関するデータを読み出し、前記読み出されたパーソナリティが、前記受信された判定依頼に含まれる前記パーソナリティに関する参加条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する手段と、前記判定処理の結果を前記サーバ装置に返信する手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本実施形態に係るソーシャルネットワークサービスシステムの全体構成図である。
図2図2図1のパーソナリティ解析装置の構成図である。
図3図3図1のサーバ装置に記憶されるユーザ管理テーブル、アカウント/パーソナリティID対応テーブルを示す図である。
図4図4図1のサーバ装置に記憶されるグループ管理テーブルを示す図である。
図5図5図1のパーソナリティ解析装置に記憶されるユーザパーソナリティテーブルを示す図である。
図6図6図1のソーシャルネットワークサービスシステムにおけるユーザ登録処理手順を示す流れ図である。
図7図7図1のソーシャルネットワークサービスシステムにおけるグループ開設処理手順を示す流れ図である。
図8図8図1のユーザ端末に表示されるグループ参加条件、投稿条件の設定画面を示す図である。
図9図9図1のソーシャルネットワークサービスシステムにおけるグループ参加処理手順を示す流れ図である。
図10図10図1のソーシャルネットワークサービスシステムにおける投稿検索処理手順を示す流れ図である。
図11図11図1のユーザ端末に表示される投稿検索条件の設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るソーシャルネットワークサービスシステムについて説明する。
本実施形態では、SNSにおける「炎上」等の好ましくない事態の発生をできるだけ抑え、また精神的、人格的な発達の促進に寄与することを実現するために、グループへの参加条件や投稿を検索する条件にパーソナリティを活用することに着目している。グループへの参加承認を申請したユーザに関するパーソナリティが、グループの管理者により設定された当該グループに参加するためのパーソナリティに関する参加条件を満たしていることを、当該グループへの参加を当該管理者が承認する前提とするものとしている。また、投稿検索に際しては、投稿検索者がパーソナリティに関する投稿検索条件を指定できることとした上で、そのパーソナリティに関する投稿検索条件を、投稿者のパーソナリティが満たしている投稿だけを抽出するものとしている。
【0012】
パーソナリティはユーザの人格的傾向を示すものであり、パーソナリティを表すカテゴリーとしては意思決定特性、認知特性、行動特性など様々なものがあるが、発明者は上記目的を実現するために、それらの中から特に認知特性を選択した。認知特性とは、視覚や聴覚などの感覚器から入力された情報を記憶し、脳の中で理解し、そして表現する能力や傾向を表しており、コミュニケーション能力に関わるとされている、発明者は認知特性を、思考型、オプション型、詳細型、社交型の4つに類型した。思考型とは、対象を抽象的且つ論理的に捉える傾向が顕著であり、オプション型とは、対象を抽象的且つ直感的に捉える傾向が顕著であり、詳細型とは、対象を具象的且つ論理的に捉える傾向が顕著であり、社交型とは、対象を具象的且つ直感的に捉える傾向が顕著である。パーソナリティの解析には例えばニューラルネットワークが用いられる。ユーザに複数の設問が提示され、それら設問に対するユーザからの回答が入力層に入力され、出力層から当該ユーザの類型傾向が類型ごとの割合(可能性)として出力される。典型的には、最大の割合を示す類型が当該ユーザの顕著傾向を示す認知特性である。
【0013】
本実施形態では、グループの参加申請者のパーソナリティが、グループ管理者が指定した認知特性の4つの類型の中の一つまたは2乃至3つの類型に合致することをグループへの参加条件として設定することにより、グループ参加者を同類のユーザだけに絞ったり、「炎上」等の好ましくない事態を引き起こす認知特性類型を示すユーザを予め排除することにより、「炎上」等の好ましくない事態の発生をできるだけ抑えることができるようになる。
【0014】
また、グループ構成を予定している主たる類型に加えて、対照的な類型をあえて加えることにより、自分とは思考判断傾向の異なる他者の考えや意見を理解する機会を想定して参加条件を設定することができ、それにより精神的、人格的な発達の促進する可能性を備えたグループ構成を作成することができるようになる。
【0015】
図1に示すように、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を提供するサーバ装置2に対して、ユーザが保有するデスクトップ型、ノート型、タブレット型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の情報処理端末3-7(以下、単にユーザ端末という)と、当該ソーシャルネットワークサービスにアカウントを有するユーザのパーソナリティを解析して、サーバ装置2からの判定依頼に呼応して対象ユーザのパーソナリティが、グループ管理者が設定した1又は2乃至3の認知特性類型に合致するか否かを判定して、サーバ装置2に回答する、つまりソーシャルネットワークサービスを補助する情報処理装置(パーソナリティ解析装置)1がインターネット回線網等の電気通信回線網8を介して、相互にデータ送受信可能に接続される。
【0016】
図2に示すように情報処理装置(パーソナリティ解析装置)1は、プロセッサ11に対してデータ/制御バス10を介して、RAM12、ROM13、記憶部14、入力コントローラ15、ビデオコントローラ16、通信部17が接続される。入力コントローラ15にはキーボードやマウス等の入力デバイス18が接続される。ビデオコントローラ16にはLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ19が接続される。
【0017】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)により構成される。プロセッサ11は、記憶部14又はROM13からRAM12にロードされた各種プログラムを実行して、後述するパーソナリティ解析処理、パーソナリティ判定処理等を実行する。RAM12は、プロセッサ11の主メモリ、ワークエリア等として機能する。ROM13あるいは記憶部14は、プロセッサ11により実行されるBIOS(Basic Input Output System)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、本実施形態に係るパーソナリティ解析処理プログラム、パーソナリティ判定処理プログラム、その他前処理等の各種機能を実現するためのプログラム、パーソナリティに関するデータがそれを識別するパーソナリティIDに関連付けて記憶される。
【0018】
なお、サーバ装置2、ユーザ端末3-7の基本的構成は、情報処理装置1のそれと同じであるので、説明は省略する。
【0019】
図3には、ソーシャルネットワークサービスにおいてユーザを管理するためのユーザ管理テーブル、アカウント/パーソナリティID対応テーブルを示している。図4には、ソーシャルネットワークサービスにおいてグループを管理するためのグループ管理テーブルを示している。これらユーザ管理テーブル、アカウント/パーソナリティID対応テーブル及びグループ管理テーブルは、サーバ装置2の記憶部に記憶される。
【0020】
ユーザ管理テーブルは、ユーザ登録時にサーバ装置2側で一義的に決定される、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザ登録時にユーザが任意に設定するアカウントおよびパスワード、その他にユーザに関する性別、生年月日、居住地などのプロフィール、参加メンバのアカウントリストなどから構成される。アカウント/パーソナリティID対応テーブルは、個人情報の漏洩を予防するためにサーバ装置2と情報処理装置1との間でのみ閉鎖的に用いられるパーソナリティIDと、アカウントとが対応付けられる。パーソナリティIDは、サーバ装置2からのユーザに関するパーソナリティ解析依頼に際して、情報処理装置1で発行されるとともに、サーバ装置2に通知される。
【0021】
グループ管理テーブルは、グループ作成時にサーバ装置2側で一義的に決定される、グループを識別するためのグループID、グループ作成時にグループ作成者が任意に設定するグループ名、グループの管理者のアカウント、グループへの参加条件、及びグループ内の投稿条件などから構成される。なお、グループの管理者は初期的にはグループの作成者であるが、管理者が指名した他のメンバ又は他のユーザに変更可能である。
【0022】
グループへの参加条件は、グループへの参加が許可されるために課される条件であり、管理者権限のもとグループの管理者によりグループ作成時又は任意のタイミングで設定される。グループ参加条件には、管理者の承認に関する条件と、パーソナリティに関する条件とが含まれる。もちろん他の条件が加わってもよい。グループへの参加申請者は、管理者の承認を受けたことを条件としてグループへの参加が許可される。パーソナリティに関する条件として、管理者は、認知特性の類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)から1又は2乃至3の類型を任意に指定することができ、当該指定した1又は2乃至3の類型のいずれかの類型に対して最大の割合を示すパーソナリティを有するユーザのみに当該グループへの参加が許可される。例えば、図4のグループ名“アイウエオ”のグループの例では、〇印が付設された思考型又はオプション型を示すユーザのみ当該グループへの参加が許可される。
【0023】
また、グループ内での投稿条件も、グループの管理者により設定される。投稿がグループの管理者のみに制限されるか又はメンバに開放されるか否か、メンバによる投稿には事前に管理者の承認が必要とされるか否かに加えて、予め設定された認知特性の類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)のいずれかの類型に対して最大の割合を示すパーソナリティを有するユーザのみにグループ内での投稿が許可される。図4のグループ名“アイウエオ”のグループの例では、〇印が設定されたオプション型を示すユーザのみ当該グループにおける投稿が許可される。
【0024】
図5にはユーザパーソナリティテーブルを示している。ユーザパーソナリティテーブルは情報処理装置(パーソナリティ解析装置)1の記憶部14に記憶される。パーソナリティIDに、ユーザの認知特性の4類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)それぞれの割合が対応付けられる。
【0025】
図6にはユーザ登録処理手順を示している。ユーザ端末3-7からソーシャルネットワークサービスを提供するサーバ装置2に対して、アカウント(ユーザ名)及びパスワードを含むユーザ登録申請が送信されると、サーバ装置2では、ユーザIDを発行し、ユーザIDとともにアカウント及びパスワードをユーザ管理テーブルに登録する(S01)。続いてサーバ装置2から情報処理装置1に対して当該ユーザのアカウントを含むパーソナリティ解析依頼が送信される。パーソナリティ解析依頼に呼応して情報処理装置1においては当該アカウントに対応するパーソナリティIDが発行される(S02)。パーソナリティIDはアカウントとともにサーバ装置2に送信される。サーバ装置2においてパーソナリティIDがアカウントに対応付けられてアカウント/パーソナリティID対応テーブルに登録される(S03)。
【0026】
情報処理装置1において、アカウントに従って当該ユーザのユーザ端末3-7にパーソナリティの認知特性の類型を解析するための複数の設問を送信する(S04)。設問としては例えば次に示すとおりである。
【0027】
認知特性: 詳細型特性 数の小さい方が詳細型特性大>
Q:整理整頓が得意
A: 1 ぴったり当てはまる、2 当てはまる、3 やや当てはまる、4 どちらでもない、5 やや当て
はまらない、6 当てはまらない、7 まったく当てはまらない
<認知特性: 詳細型特性 数の小さい方が詳細型特性大>
Q: 細部にこだわる
A: 1 ぴったり当てはまる、2 当てはまる、3 やや当てはまる、4 どちらでもない、5 やや当て
はまらない、6 当てはまらない、7 まったく当てはまらない
<認知特性: 思考型特性 数の小さい方が思考型特性大>
Q: 理科と数学に強い興味がある
A: 1 ぴったり当てはまる、2 当てはまる、3 やや当てはまる、4 どちらでもない、5 やや当て
はまらない、6 当てはまらない、7 まったく当てはまらない
<認知特性: 思考型特性 数の小さい方が思考型特性大>
Q: 頭を使って難問を解くのが好きだ
A: 1 ぴったり当てはまる、2 当てはまる、3 やや当てはまる、4 どちらでもない、5 やや当て
はまらない、6 当てはまらない、7 まったく当てはまらない
これら設問に対する回答は、ユーザ端末3-7から情報処理装置1に送信される(S05)。情報処理装置1は回答を受信し(S06)、回答に基づいてパーソナリティを解析する(S07)。パーソナリティの解析のためのニューラルネットワークの入力層に回答が入力され、1又は複数の隠れ層での処理を経て、出力層から当該ユーザの類型傾向が類型ごとの割合として出力される。類型ごとの割合はパーソナリティIDに関連付けられてユーザパーソナリティテーブルに登録される(S08)。
【0028】
図7にはグループ開設処理手順が示されている。ログイン後、ユーザ端末3からサーバ装置2にグループ名、テーマ名等を含むグループ開設申請が送信される。サーバ装置2において、グループIDが発行され(S11)、グループIDはグループ名、テーマ名等とともにグループ管理テーブルに登録される(S12)。サーバ装置2からユーザ端末3に対してグループ管理者権限としてグループへの参加条件及びグループ内の投稿条件の設定依頼処理がなされる(S13)。
【0029】
図8にはグループ参加条件、投稿条件の設定画面を例示している。参加条件の設定画面には、「管理者の承認を必要とする」か否かをチェックにより選択する要素、「パーソナリティを制限する」か否かをチェックにより選択する要素、パーソナリティを制限する場合に参加を許可する認知特性の類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)をチェックにより指定する要素が含まれる。
【0030】
投稿条件の設定画面には、「管理者のみ投稿できる」か否かをチェックにより選択する要素、「メンバの投稿には管理者の承認を必要とする」か否かをチェックにより選択する要素、「パーソナリティを制限する」か否かをチェックにより選択する要素、パーソナリティを制限する場合に投稿を許可する認知特性の類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)をチェックにより指定する要素が含まれる。
【0031】
「設定」ボタンのクリックによりグループ管理者により設定された参加条件及び投稿条件はユーザ端末3からサーバ装置2に送信され、グループ管理テーブルに登録される(S15)。
【0032】
図9にはグループ参加処理手順が示されている。ユーザ端末4からサーバ装置2に、アカウント及びパスワードを含むログイン依頼が送信されると、それに呼応してサーバ装置2ではアカウント及びパスワードをユーザ管理テーブルに照会して、整合性を確認する認証処理が実行される(S21)。サーバ装置2からユーザ端末4への認証完了通知後に、ユーザ端末4からサーバ装置2に、ユーザが参加希望するグループを識別するグループIDを含むグループ参加承認申請が送信される。サーバ装置2において、グループIDによりグループ管理テーブルが照会され、当該グループの参加条件が読み出される(S22)。ここでは、当該グループの参加条件として、管理者の承認が必要とされることに加えて、パーソナリティに関する参加条件が設定されていて、パーソナリティに関する参加条件としては参加申請者のパーソナリティが、認知特性の4つの類型のうちオプション型、詳細型、社交型であることが設定されていると仮定する。
【0033】
まず、参加申請者のアカウントにより、アカウント/パーソナリティID対応テーブルが照会され、当該アカウントに対応するパーソナリティIDが特定される(S23)。特定されたパーソナリティIDと、読み出されたパーソナリティに関する参加条件とを含む判定依頼が情報処理装置1に送信される(S24)。情報処理装置1においては、受信されたパーソナリティIDにより、ユーザパーソナリティテーブルが照会され、パーソナリティIDに対応付けられているパーソナリティデータとして、4類型それぞれの割合が読み出される(S25)。4類型の割合から最も高い割合を示す類型が当該参加申請者の認知特性類型として特定され、当該特定された類型がパーソナリティに関する参加条件として指定された類型である「オプション型、詳細型、社交型」のいずれかに合致(整合)するか否か判定される(S26)。この判定結果がパーソナリティIDとともに情報処理装置1からサーバ装置2に返信される。
【0034】
サーバ装置2において、パーソナリティIDにより、アカウント/パーソナリティID対応テーブルが照会され、当該パーソナリティIDに対応する参加申請者のアカウントが特定される(S27)。判定結果が「否」である場合、サーバ装置2において、アカウントに従って当該参加申請者のユーザ端末4に、グループ参加条件を満たさないとして参加拒否が通知される。
【0035】
一方、判定結果として、当該参加申請者の認知特性類型がパーソナリティに関する参加条件を満たす場合、当該グループIDによりグループ管理テーブルが照会され、当該グループの管理者のアカウントが特定される。特定されたアカウントに従って当該グループの管理者のユーザ端末3に、参加申請者のアカウントを含むグループへの参加承認依頼が送信される。当該グループの管理者は、参加申請者のアカウントに基づいて参加申請者の投稿やコメント等を確認し、グループへの参加を承認するか否かを判断する(S28)。参加承認に先立って、パーソナリティに関する参加条件を満たすか否かを判定することにより、管理者が参加承認判断する対象者を減らして管理者の負担を軽減することができる。
【0036】
参加承認の判断結果は参加申請者のアカウントとともに情報処理装置1からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2からアカウントに従って参加申請者のユーザ端末4に承認結果が通知される。参加申請者のグループへの参加が管理者により承認されたとき、参加申請者のアカウントはユーザ管理テーブルの参加メンバのアカウントリストに追加登録される(S29)。
【0037】
以上のようにグループの参加をパーソナリティの特に認知特性の類型により制限をかけることを可能としたことにより、例えば、・敏感性が高く、自己肯定感の低い社交型の人のグループ、・予防焦点が高く、楽観性が低い思考型の人のグループ、・促進焦点が高く、楽観性が高い社交型の人のグループ、・思考型特性の人のグループ、・社交型特性の人のグループ、・オプション型特性の人のグループ、・詳細型特性の人のグループなどを構築することができるようになる。その結果、グループ参加者を同類のユーザだけに絞ったり、「炎上」等の好ましくない事態を引き起こす可能性の高い対照的な認知特性類型を示すユーザを予め排除することにより、「炎上」等の好ましくない事態の発生をできるだけ抑えることができるようになる。
【0038】
また、グループ構成を予定している主たる類型に加えて、対照的な類型をあえて加えることにより、自分とは思考判断傾向の異なる他者の考えや意見を理解する機会を想定して参加条件を設定することができ、それにより未病者における気づきの誘発(精神発達)を生じさせる機会を意図的に生じさせることや、無関心層の行動変容を促すことが期待され、精神的、人格的な発達の促進する可能性を備えたグループを構築することができるようになる。
【0039】
さらに、パーソナリティデータそれ自体は情報処理装置1だけに保持し、外部に開放せず、パーソナリティ条件を満たしているか否かを情報処理装置1で判定し、その結果だけをサーバ装置2に返信するとともに、サーバ装置2と情報処理装置1との間ではユーザアカウントではなく、それらの間でのみ閉鎖的に用いられるパーソナリティIDを使ってユーザとの紐づけを行う仕組みにより、個人情報としてのパーソナリティデータの漏洩をできるだけ予防することができる。
【0040】
なお、パーソナリティの活用はグループの参加条件だけに留まるものではなく、グループ内での投稿に制限をかけることにも活用できる。図8に例示したように、一般的には投稿に対する制限としては、投稿がメンバに開放されることなく、グループの管理者のみに制限可能とする設定や、投稿には事前にグループ管理者の承認を必要とする設定ができるようになっていることが多いが、それら制限に加えて、事前にグループ管理者が事前に設定した認知特性の類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)のいずれか1又は2乃至3の類型を示すパーソナリティを有するユーザのみにグループ内での投稿を許可するようにしてもよい。
【0041】
さらに、ユーザがSNS内の多くの投稿から自身が興味のあるテーマの投稿をハッシュタグ等から検索することが一般的に行われているが、それに加えて投稿者のパーソナリティを検索者自身で絞り込む機能を付加する用途としても有用であると考えられる。
【0042】
図10には投稿検索処理手順を示している。図11には投稿検索条件の設定画面の例を示している。投稿検索者はログイン後にユーザ端末3-7の画面に表示される投稿検索条件設定化画面上で、任意に投稿検索条件を設定する(S31)。投稿者(ユーザ)の名称、投稿名(テーマ)、ハッシュタグ、場所等の検索対象カテゴリーが選択されるとともに、任意のキーワードが入力される。また投稿者のパーソナリティを制限するために、パーソナリティの認知特性の4つの類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型)から検索対象とすべき1又は2乃至3の類型が指定される。
【0043】
ユーザ端末4からサーバ装置2に、キーワード、検索対象のカテゴリー及び指定された認知特性類型を含む検索要求が送信されると、サーバ装置2においてキーワードにより投稿管理テーブル上の検索対象のカテゴリーを照会し、検索対象のカテゴリー内に当該キーワードに該当するワードを有する複数の投稿候補が抽出される(S32)。なお、図示しないが、投稿管理テーブルは、投稿受信時にサーバ装置2側で一義的に決定される投稿ID、投稿者のアカウント、投稿者が投稿作成時に任意に設定する投稿名及びハッシュタグ、写真、文章等の投稿内容の保管場所、コメントの保管場所等から構成される。
【0044】
抽出された投稿候補を投稿した投稿者のアカウントに対応するパーソナリティIDが特定される(S33)。特定されたパーソナリティID、検索候補の投稿ID及び検索者により投稿検索条件として指定された認知特性類型(思考型、オプション型、詳細型、社交型の1又は2乃至3の類型)を含む判定依頼が、サーバ装置2から情報処理装置1に送信される(S34)。情報処理装置1においては、受信されたパーソナリティIDにより、ユーザパーソナリティテーブルが照会され、パーソナリティIDに対応付けられているパーソナリティデータとして、4類型それぞれの割合が読み出される(S35)。4類型の割合から最も高い割合を示す類型がパーソナリティIDに対応する当該投稿候補を投稿した投稿者の認知特性類型として特定され、当該特定された類型が検索条件として検索者により指定された認知特性類型のいずれかに合致(整合)するか否か判定される(S36)。判定により、全ての検索候補から、投稿者の認知特性類型が投稿検索条件として指定された認知特性類型に合致する投稿候補が絞り込まれる。絞り込まれた投稿候補の投稿IDのリストが判定結果として情報処理装置1からサーバ装置2に返信される(S37)。
【0045】
サーバ装置2において、投稿管理テーブルを用いて、投稿IDリストが、投稿名リストに変換され(S38)、投稿名リストがサーバ装置2から検索要求元のユーザ端末3-7に返信される(S39)。
【0046】
以上のようにパーソナリティを投稿検索に活用することにより、自身の認知特性の類型と同じ又は近い認知特性の類型の投稿者の投稿を閲覧し、またその投稿に絞ってコメントを寄せることができ、この投稿においては自身の発言が「炎上」等の好ましくない事態を引き起こす可能性が低いと考えられ、従って自由で闊達な意見交換を実現することができるようになる。また自身のパーソナリティとは対照的な認知特性の類型の投稿者の投稿を閲覧し、またその投稿に絞ってコメントを寄せることにより、自分とは思考判断傾向の異なる他者の考えや意見を理解する機会を得ることができるようになり、それにより未病者における気づきの誘発(精神発達)を生じさせる機会を意図的に生じさせることや、無関心層の行動変容を促すことが期待され得る。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0048】
1…情報処理装置(パーソナリティ解析装置)、2…サーバ装置、3-7…ユーザ端末、8…電気通信回線網。
図1
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図9
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図11