(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119611
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022536
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜田 清司
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注ができ無駄な発注を防止することが可能な発注処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施の形態に係る発注処理装置は、規定在庫データと店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出手段と、仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた発注処理装置であって、
前記制御部は、
店舗、商品、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、
店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、
仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出手段と、
前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理手段と、
を備えたことを特徴とする発注処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
店舗、商品、発注済みで未仕入の数量である未仕入数量を含む仕入未計上データにアクセス可能に構成されており、
前記必要量算出手段は、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数-未仕入数量により商品の必要量を算出することを特徴とする請求項1に記載の発注処理装置。
【請求項3】
前記自動発注処理手段は、定期的に前記発注確定データを自動生成することを特徴とする請求項2に記載の発注処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記仕入先在庫データを仕入先のシステムから取り込む在庫管理手段を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の発注処理装置。
【請求項5】
前記店舗は、小売業の店舗を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の発注処理装置。
【請求項6】
制御部を備えた情報処理装置で実行される発注処理方法であって、
前記制御部は、
店舗、商品、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、
店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、
仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出工程と、
前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理工程と、
を含むことを特徴とする発注処理方法。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置で実行するための発注処理プログラムであって、
前記制御部は、
店舗、商品、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、
店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、
仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出工程と、
前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理工程と、
を実行するための発注処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、全国展開している小売業のセントラル発注(全店舗の発注を本社にて管理)において、週末の売上、在庫を確認して、都度発注するため、時間がかかっていた。また、自動発注されるデータは、仕入先の在庫状況を加味せず発注することが多く、仕入先側での欠品処理が必要となったり、在庫補充までの期間が延びてしまうという問題がある。従来の発注システムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注を可能とすることに関して何ら記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注を可能とする発注処理装置、発注処理方法、及び発注処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた発注処理装置であって、前記制御部は、店舗(店舗コード及び/又は店舗名)、商品(商品コード及び/又は商品名)、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、にアクセス可能に構成されており、前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出手段と、前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、店舗、商品、発注済みで未仕入の数量である未仕入数量を含む仕入未計上データにアクセス可能に構成されており、前記必要量算出手段は、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数-未仕入数量により商品の必要量を算出することにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記自動発注手段は、定期的に前記発注確定データを自動生成することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、前記仕入先在庫データを仕入先のシステムから取り込む在庫管理手段を備えることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記店舗は、小売業の店舗を含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行される発注処理方法であって、前記制御部は、店舗、商品、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出工程と、前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置で実行するための発注処理プログラムであって、前記制御部は、店舗、商品、発注点、当該店舗にストックされるべき在庫数である規定在庫数、優先順を含む規定在庫データと、店舗、商品、現在庫数を含む店舗在庫データと、仕入先、商品、仕入先在庫数を含む仕入先在庫データと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、前記規定在庫データと前記店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出工程と、前記仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、前記規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理工程と、を実行するための発注処理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る発注処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、規定在庫データ、発注予定データ、店舗在庫データ、仕入未計上データ、仕入先在庫データ、及び発注確定データのデータ構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態における情報処理装置の制御部の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、全国展開している小売業のセントラル発注(全店舗の発注を本社にて管理)において、週末の売上、在庫を確認して、都度発注するため、時間がかかっていた。また、自動発注されるデータは、仕入先の在庫状況を加味せず発注することが多く、仕入先側での欠品処理が必要となったり、在庫補充までの期間が延びてしまうという課題がある。
【0017】
そこで、本実施の形態では、規定在庫データ及び仕入先在庫データに基づいて、自動的に発注データを作成することで、商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注を可能とする。
【0018】
本実施の形態の発注処理装置の自動発注手順の例を説明する。
【0019】
1.仕入先に対して、例えば、1万着を契約する。
2.仕入先が1万着の製造に着手する。
3.本社にて各店舗の規定在庫数を設定する。なお、仕入先に在庫が無い場合は発注データを作成できないものとする。
4.仕入先が完成した着数について仕入先在庫を登録する。
5.自動発注処理にて、仕入先在庫を確認して発注データを作成する。
6.店舗にて対象商品が売れ、店舗在庫が減る。
7.自動発注処理にて、仕入先在庫を確認し発注データを作成する。
そして、仕入先在庫がなくなるまで、6~7を繰り返す。
【0020】
本発明の発注処理装置は、小売業等に適用でき、例えば、多店舗展開企業の店舗の商品を本部(本社)でセントラル発注している場合に好適に使用できる。
【0021】
[2.構成]
図1は、本実施の形態に係る発注処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図1において、発注処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。発注処理装置100は、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。発注処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、発注処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、発注処理装置100と、店舗端末400・・・、仕入先システム500やサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0023】
店舗端末400・・・は、各店舗に設けられた端末装置であり、発注処理装置100とデータ通信可能に構成されている。店舗端末400・・・は、発注処理装置100に売上データや商品の在庫状況や入荷状況を送信する。仕入先システム500は、仕入先のシステムであり、発注処理装置100とデータ通信可能に構成されている。発注処理装置100は、仕入先システム500から仕入先在庫データを取得する。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、規定在庫マスタ106aと、ワークテーブル106bと、データファイル106cと、を備えている。
図2は、規定在庫マスタ106aに登録される規定在庫データ、ワークテーブル106bに展開される発注予定データ、データファイル106cに格納される店舗在庫データ、仕入未計上データ、仕入先在庫データ、及び発注確定データのデータ構成例を示す図である。
【0027】
規定在庫マスタ106aは、
図2に示すように、店舗コード、商品コード、発注点、規定在庫数、優先順を含む規定在庫データを登録するためのマスタである。規定在庫数は、当該店舗にストックされるべき在庫数である。店舗の在庫数が発注点以下となった場合に規定在庫数になるように発注を行う。店舗の在庫数が発注点を上回る間は発注しない。
【0028】
ワークテーブル106bは、発注予定データ等の中間データを作成するためのワーク用のテーブルである。発注予定データは、
図2に示すように、店舗コード、商品コード、発注数(必要量)を含んでいてもよい。
【0029】
データファイル106cは、店舗在庫データ、仕入未計上データ、仕入先在庫データ、及び発注確定データ等の各種データを格納するためのファイルである。
【0030】
店舗在庫データは、
図2に示すように、店舗コード、商品コード、店舗に現在ある在庫数である現在庫数を含むことにしてもよい。
【0031】
仕入先在庫データは、
図2に示すように、仕入先コード、商品コード、仕入先が出荷可能としている商品の在庫数ある仕入先在庫数を含むことにしてもよい。
【0032】
仕入未計上データは、
図2に示すように、店舗コード、商品コード、過去に発注済みで未仕入の数量である未仕入数量(将来的に仕入計上されるため、在庫として扱う)を含むことにしてもよい。
【0033】
発注確定データは、
図2に示すように、店舗コード、商品コード、発注数を含むことにしてもよい。
【0034】
図2に戻り、制御部102は、発注処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0035】
制御部102は、記憶部106に格納されている、規定在庫マスタ106a、ワークテーブル106b、データファイル106c等にアクセス可能に構成されている。なお、規定在庫マスタ106a、ワークテーブル106b、データファイル106cは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0036】
制御部102は、機能概念的に、マスタメンテ部102aと、在庫管理部102bと、必要量算出部102c、自動発注処理部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0037】
マスタメンテ部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、規定在庫マスタ106aに対して、規定在庫データの入力・追加・変更・更新等の設定を行う。
【0038】
在庫管理部102bは、データファイル106cの店舗在庫データ及び仕入未計上データを更新する。具体的には、在庫管理部102bは、例えば、店舗端末400・・・から送信される在庫状況に基づいて店舗在庫データを更新する。また、在庫管理部102bは、例えば、発注確定データ及び店舗端末400・・・から送信される入荷状況に基づいて
仕入未計上データを更新する。また、在庫管理部102bは、仕入先システム500から仕入先在庫データを取り込んで、データファイル106cに格納する。
【0039】
必要量算出部102cは、規定在庫マスタ106aの規定在庫データとデータファイル106cの店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する。この場合、必要量算出部102cは、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数-未仕入数量により商品の必要量を算出することにしてもよい。
【0040】
自動発注処理部102dは、データファイル106cの仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成して、データファイル106cに格納するとともに、仕入先システム500に送信する。自動発注処理部102dは、例えば、定期的(例えば、毎週日曜日等)に発注確定データを自動生成してもよい。
【0041】
画面表示制御部102eは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、マスタメンテ画面等)の表示や入力の受付を制御する。
【0042】
[3.具体例]
図1~
図4を参照して、本実施の形態における発注処理装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
【0043】
(3-1.全体の処理)
図3は、本実施の形態における発注処理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するためのフローを示す図である。
図3を参照して、本実施の形態における発注処理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
【0044】
図3において、必要量算出部102cは、必要量算出処理を実行する(ステップS1)。具体的には、必要量算出処理では、必要量算出部102cは、規定在庫マスタ106aの規定在庫データとデータファイル106cの店舗在庫データ及び仕入未計上データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数-未仕入数量により商品の必要量を算出して、店舗、商品、必要量(発注数)を含む発注予定データをワークテーブル106bに作成する。
【0045】
自動発注処理部102dは、自動発注処理を実行する(ステップS2)。具体的には、自動発注処理では、自動発注処理部102dは、データファイル106cの仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成して、データファイル106cに格納するとともに、仕入先システム500に送信する。
【0046】
(3-2.サンプルデータ)
図4は、本実施の形態における発注処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明するためのサンプルデータを示す図である。
図4を参照して、本実施の形態における発注処理装置100の制御部102の処理の具体例を説明する。
【0047】
(S1:必要量算出処理)
必要量算出部102cは、規定在庫マスタ106aの規定在庫データとデータファイル106cの店舗在庫データ及び仕入未計上データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数-未仕入数量により商品の必要量を算出して、店舗、商品、必要量を含む発注予定データを作成して、データファイル106cに格納する。
【0048】
図4において、(A)は、規定在庫マスタ106aの規定在庫データの例を示している。規定在庫データは、商品コード、店舗コード、店舗名、発注点、規定在庫数、優先順の項目を備えている。(A)に示す例では、1行目は、商品コード「300」、店舗コード「T01」、店舗名「横浜店」、発注点「5」、規定在庫数「10」、優先順「1」、2行目は、商品コード「300」、店舗コード「T02」、店舗名「川崎店」、発注点「5」、規定在庫数「10」、優先順「2」、3行目は、商品コード「300」、店舗コード「T03」、店舗名「品川店」、発注点「5」、規定在庫数「10」、優先順「3」、4行目は、商品コード「300」、店舗コード「T04」、店舗名「新橋店」、発注点「5」、規定在庫数「10」、優先順「4」となっている。
【0049】
(B)は、店舗在庫データの例を示している。店舗在庫データは、商品コード、店舗コード、現在庫数の項目を備えている。(B)に示す例では、1行目は、商品コード「300」、店舗コード「T01」、店舗名「横浜店」、現在庫数「8」、2行目は、商品コード「300」、店舗コード「T02」、店舗名「川崎店」、現在庫数「2」、3行目は、商品コード「300」、店舗コード「T03」、店舗名「品川店」、現在庫数「0」、4行目は、商品コード「300」、店舗コード「T04」、店舗名「新橋店」、現在庫数「0」となっている。
【0050】
(C)は、仕入未計上データの例を示している。仕入未計上データは、店舗コード、商品コード、未仕入数量の項目を備えている。(C)に示す例では、店舗コード「T02」、商品コード「300」、未仕入数量「2」となっている。
【0051】
(D)は、仕入先在庫データの例を示している。仕入先在庫データは、仕入先コード、商品コード、仕入先在庫数の項目を備えている。(D)に示す例では、仕入先コード「SS01」、商品コード「300」、仕入先在庫数「10」となっている。
【0052】
(E)は、必要量の算出を説明するための図である。規定在庫データ及び店舗在庫データより、現在庫数≦発注点の店舗は、川崎店、品川店、新橋店である。横浜店は、現在庫数「8」>発注点「5」であるので、発注対象外である。規定在庫データ、店舗在庫データ、及び仕入未計上データより、川崎店は、規定在庫数「10」-現在庫数「2」-未仕入数量「2」=必要量「6」である。品川店は、規定在庫数「10」-現在庫数「0」-未仕入数量「0」=必要量「10」である。新橋店は、規定在庫数「10」-現在庫数「0」-未仕入数量「0」=必要量「10」である。
【0053】
(F)は、発注予定データの例を示している。発注予定データは、店舗コード、商品コード、商品コード、発注数(必要量)の項目を備えている。発注数は、算出した必要量とする。(F)に示す例では、1行目は、店舗コード「T02」、店舗名「川崎店」、商品コード「300」、発注数「6」、2行目は、店舗コード「T03」、店舗名「品川店」、商品コード「300」、発注数「10」、3行目は、店舗コード「T04」、店舗名「新橋店」、商品コード「300」、発注数「10」となっている。
【0054】
自動発注処理部102dは、データファイル106cの仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成して、データファイル106cに格納するとともに、仕入先システム500に送信する。
【0055】
(G)は、各店舗の必要量の割当を説明するための図である。仕入先在庫データの仕入先在庫数が「10」であり、規定在庫データの優先順は、川崎店「2」、品川店「3」、新橋店「4」となっているので、優先順に従って、川崎店に「6」、品川店「4」、新橋店「0」を発注数として割り当てる。
【0056】
割り当てられた発注数で、発注予定データを更新して、(H)に示すような発注確定データを生成する。(H)に示す例では、1行目は、店舗コード「T02」、店舗名「川崎店」、商品コード「300」、発注数「6」、2行目は、店舗コード「T03」、店舗名「品川店」、商品コード「300」、発注数「4」となっている。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、規定在庫データと店舗在庫データに基づいて、対象の商品について、店舗毎に現在庫数が発注点以下の場合に、規定在庫数-現在庫数により商品の必要量を算出する必要量算出部102cと、仕入先在庫データの対象の商品の仕入先在庫を、規定在庫データの各店舗の優先順に従って、各店舗の必要量に応じて発注数を割り当て、店舗、商品、発注数を含む発注確定データを自動生成する自動発注処理部102dと、を備えているので、商品発注業務を省コスト化し、かつ、仕入先での欠品のない発注ができ無駄な発注を防止することが可能となる。
【0058】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0060】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0061】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、発注処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、発注処理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて発注処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、発注処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、発注処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、発注処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0072】
100 発注処理装置
102 制御部
102a マスタメンテ部
102b 在庫管理部
102c 必要量算出部
102d 自動発注処理部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 規定在庫マスタ
106b ワークテーブル
106c データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
300 ネットワーク
400 店舗端末
500 仕入先システム