(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119667
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】間仕切装置
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
E04B2/74 541Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022647
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】横山 匡芳
(57)【要約】
【課題】簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能な間仕切装置を提供する。
【解決手段】間仕切装置100は、起立状態で空間を間仕切るベースパネル110と、ベースパネル110に対して回動可能となるように連結された少なくとも1つ以上の補助パネル120と、を備え、ベースパネル110は、補助パネル120を収納する収納部111を前面及び後面の少なくとも何れか一方の面に備え、補助パネル120は、ベースパネル110のパネル面と対面状態となることで収納部111に収納される状態と、ベースパネル110のパネル面と角度をなす展開状態となることでベースパネル110とともに空間を間仕切る状態とに回動することを特徴とする。かかる構成により、簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能な間仕切装置を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立状態で空間を間仕切るベースパネルと、
前記ベースパネルに対して回動可能となるように連結された少なくとも1つ以上の補助パネルと、
を備え、
前記ベースパネルは、パネル面の前面又は後面の少なくともいずれかに、前記補助パネルを収納する収納部を備え、
前記補助パネルは、前記ベースパネルに対して回動することにより、前記ベースパネルのパネル面と対面状態となることで前記収納部に収納され、前記ベースパネルのパネル面と角度をなす展開状態となることで前記ベースパネルとともに空間を間仕切ることを特徴とする、間仕切装置。
【請求項2】
前記収納部は、前記ベースパネルのパネル面内において凹状に形成され、前記補助パネルを埋没させて収納することを特徴とする、請求項1に記載の間仕切装置。
【請求項3】
前記収納部は、複数の前記補助パネルを手前奥に重ねて収納可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の間仕切装置。
【請求項4】
前記収納部は、前記ベースパネルの上下方向に複数形成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項5】
前記収納部は、前記ベースパネルのパネル面の前面及び後面の両面に形成されたことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項6】
前記補助パネルは、前記収納部に収納された状態では前記補助パネル内に収納可能であり、前記展開状態では前記補助パネルを起立状態で支持可能に突出する支持脚部材を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項7】
前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記補助パネルから突出する方向に弾性部材により付勢されていることを特徴とする、請求項6に記載の間仕切装置。
【請求項8】
前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持脚部材を弾性部材の付勢力で前記補助パネルに押圧することによって前記補助パネルに保持されることを特徴とする、請求項6に記載の間仕切装置。
【請求項9】
前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持部材に螺合するねじを前記補助パネルに押圧することによって前記補助パネルに保持されることを特徴とする、請求項6に記載の間仕切装置。
【請求項10】
前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持脚部材と前記補助パネルとに出没方向に連続して形成される凹凸の噛み合いによって前記補助パネルに保持されることを特徴とする、請求項6に記載の間仕切装置。
【請求項11】
前記補助パネルを前記収納部内で保持可能とする保持機構を備えることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項12】
前記補助パネルは傾動可能なスラットを備えることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項13】
前記収納部は、回動する前記補助パネルが通過可能な開口を有し、
前記補助パネルは、前記ベースパネルのパネル面に対して少なくとも略180度まで回転可能であることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の間仕切装置。
【請求項14】
前記ベースパネルは、前記補助パネルを収納する前記収納部と、テーブルを収納可能なテーブル収納部とを備えており、
前記テーブルには、前記補助パネルが立設されることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の間仕切装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を間仕切るパネルを備えた間仕切装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空間を間仕切るパネルを備えた間仕切装置としては、特許6174970号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に示される間仕切装置は、側縁部が開放された収納空間を有するメインパネルと、メインパネル内部の収納空間へ収納可能に配置されるサイドパネルとを備えており、サイドパネルは、収納空間に収納された収納位置と、左右方向へ引き出された引出位置との間で移動可能に構成されている。また、サイドパネルを収納位置と引出位置との間で移動可能とするために、サイドパネルにローラ部材を設けるとともに、メインパネルの収納空間にサイドパネルの移動をガイドするためのレール部材を設けている。さらに、サイドパネルは、引出位置に引き出された状態で、基端側を回動中心として鉛直軸回りに回動可能に構成されている。
【0003】
これによれば、メインパネルとサイドパネルを利用して、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の間仕切装置では、サイドパネルを収納したり引き出したりするために、ローラ部材やレール部材といったガイド手段を設ける必要があるため、構造が複雑になるとともに大型化してしまうという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能な間仕切装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明によれば、起立状態で空間を間仕切るベースパネルと、前記ベースパネルに対して回動可能となるように連結された少なくとも1つ以上の補助パネルと、を備え、前記ベースパネルは、パネル面の前面又は後面の少なくともいずれかに、前記補助パネルを収納する収納部を備え、前記補助パネルは、前記ベースパネルに対して回動することにより、前記ベースパネルのパネル面と対面状態となることで前記収納部に収納され、前記ベースパネルのパネル面と角度をなす展開状態となることで前記ベースパネルとともに空間を間仕切ることを特徴とする、間仕切装置が提供される。
【0008】
かかる構成によれば、補助パネルをベースパネルの前面及び後面の一方又は両方に配置して、補助パネルを回動させるだけでベースパネルに収納したり展開したりすることができる。このため、簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能な間仕切装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の応用例として様々なものが考えられる。前記収納部は、前記ベースパネルのパネル面内において凹状に形成され、前記補助パネルを埋没させて収納するようにしてもよい。かかる構成によれば、補助パネルがベースパネルから突出しないため、意匠性がよい。更に、間仕切装置に厚みが出てしまうのを抑えることができる。
【0010】
また、前記収納部は、複数の前記補助パネルを手前奥に重ねて収納可能であってもよい。かかる構成によれば、複数の補助パネルを手前奥に配置することによって、例えば、ベースパネルに対して補助パネルを両開きにするように展開することができるため、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0011】
また、前記収納部は、前記ベースパネルの上下方向に複数形成されてもよい。かかる構成によれば、複数の補助パネルを上下に配置することによって、ベースパネルの上下方向において、複数の補助パネルのうちの一部又は全部を任意に展開することによって、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0012】
また、前記収納部は、前記ベースパネルのパネル面の前面及び後面の両面に形成されていてもよい。かかる構成によれば、ベースパネルのパネル面の前面及び後面の両面に補助パネルを配置することが可能であるため、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0013】
また、前記補助パネルは、前記収納部に収納された状態では前記補助パネル内に収納可能であり、前記展開状態では前記補助パネルを起立状態で支持可能に突出する支持脚部材を有するようにしてもよい。かかる構成によれば、補助パネルを展開した際に支持脚部材が下方に突出し、補助パネルを起立状態で支持するため、間仕切装置を安定した状態で支持することができる。
【0014】
また、前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記補助パネルから突出する方向に弾性部材により付勢されていてもよい。かかる構成によれば、補助パネルの展開時には、弾性部材の付勢力により支持脚部材が設置面に突っ張るため、補助パネルを安定して起立状態に支持することができる。また、収納時には、例えば、収納部に支持脚部材が突っ張ることで収納状態を保持することができる。
【0015】
また、前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持脚部材を弾性部材の付勢力で前記補助パネルに押圧することによって前記補助パネルに保持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、支持脚部材の補助パネルからの突出量を任意に設定することができるので、高さ調整が可能となる。よって、間仕切装置を安定した状態で支持することができる。
【0016】
また、前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持部材に螺合するねじを前記補助パネルに押圧することによって前記補助パネルに保持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、支持脚部材の補助パネルからの突出量を任意に設定することができるので、高さ調整が可能となる。よって、間仕切装置を安定した状態で支持することができる。
【0017】
また、前記支持脚部材は、前記補助パネルから出没可能に前記補助パネル内を移動可能であり、前記支持脚部材と前記補助パネルとに出没方向に連続して形成される凹凸の噛み合いによって前記補助パネルに保持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、支持脚部材の補助パネルからの突出量を任意に設定することができるので、高さ調整が可能となる。よって、間仕切装置を安定した状態で支持することができる。
【0018】
また、前記補助パネルを前記収納部内で保持可能とする保持機構を備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、保持機構によって補助パネルが勝手に回動することなく、収納部内において安定した状態で保持することができる。
【0019】
また、前記補助パネルは傾動可能なスラットを備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、補助パネルを展開した状態のまま、遮蔽と開放を切り替えることができる。
【0020】
また、前記収納部は、回動する前記補助パネルが通過可能な開口を有し、前記補助パネルは、前記ベースパネルのパネル面に対して少なくとも略180度まで回転可能であるようにしてもよい。かかる構成によれば、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0021】
また、前記ベースパネルは、前記補助パネルを収納する前記収納部と、テーブルを収納可能なテーブル収納部とを備えており、前記テーブルには、前記補助パネルが立設されるようにしてもよい。かかる構成によれば、間仕切り付きのテーブルを容易に設置することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、間仕切装置において、簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1の実施形態の間仕切装置100の補助パネル120を展開した状態を示す斜視図である。
【
図2】補助パネル120を収納した状態を示す斜視図である。
【
図3】補助パネル120の回動機構及び支持脚部材124の構成を説明するための正面図である。
【
図5】第2の実施形態の間仕切装置200を示す斜視図であり、(a)は第1、第2補助パネル220-1、220-2を収納した状態を示し、(b)は第1補助パネル220-1を展開した状態を示し、(c)は第1、第2補助パネル220-1、220-2を展開した状態を示す。
【
図7】第3の実施形態の間仕切装置300を示す斜視図であり、(a)は第1、第2補助パネル320-1、320-2を収納した状態を示し、(b)は第1補助パネル320-1を展開した状態を示し、(c)は第1、第2補助パネル320-1、320-2を展開した状態を示す。
【
図8】第4の実施形態の間仕切装置400を示す図であり、(a)は
図4に相当する位置の断面図を示し、(b)は第1、第2補助パネル420-1、420-2を展開した状態を示す斜視図である。
【
図9】第4の実施形態の変形例を示す図であり、(a)は
図4に相当する位置の断面図を示し、(b)は第1、第2補助パネル420-1、420-2を展開した状態を示す斜視図である。
【
図10】第5の実施形態の間仕切装置500を示す正面図である。
【
図11】第6の実施形態の間仕切装置600を示す正面図である。
【
図12】第7の実施形態の間仕切装置700を示す正面図である。
【
図13】間仕切装置700の支持脚部材724を説明するための図であり、(a)はフック724a側の斜視図であり、(b)は係合凸部724b側の斜視図である。
【
図14】第8の実施形態の間仕切装置800を示す斜視図である。
【
図15】第9の実施形態の間仕切装置900を示す斜視図であり、(a)は補助パネル120を収納した状態を示し、(b)は補助パネル120を展開した状態を示し、(c)は(a)のC-C断面図である。
【
図16】第10の実施形態の間仕切装置1000を示す斜視図であり、(a)は第1、第2補助パネル1020-1、1020-2とテーブル1030を収納した状態を示し、(b)は第1、第2補助パネル1020-1、1020-2とテーブル1030を展開した状態を示し、(c)はテーブル収納部1011-2を表した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る間仕切装置100の全体構成について、
図1~
図4を参照しながら説明する。
図1は、第1の実施形態の間仕切装置100の補助パネル120を展開した状態を示す斜視図である。
図2は、補助パネル120を収納した状態を示す斜視図である。
図3は、補助パネル120の回動機構及び支持脚部材124の構成を説明するための正面図である。
図4は、
図3のA-A断面図である。
【0026】
間仕切装置100は、
図1及び
図2に示したように、起立状態で空間を間仕切るベースパネル110と、ベースパネル110に対して回動可能となるように連結された補助パネル120と、を備え、ベースパネル110は、パネル部(パネル面)113の前面に、補助パネル120を収納する収納部111を備え、補助パネル120は、ベースパネル110に対して回動することにより、ベースパネル110のパネル面と対面状態となることで収納部111に収納され、ベースパネル110のパネル面と角度をなす展開状態となることでベースパネル110とともに空間を間仕切るように構成されている。以下、各構成要素について説明する。
【0027】
(ベースパネル110)
ベースパネル110は、起立状態で空間を間仕切るものである。ベースパネル110は、
図1に示したように、補助パネル120を収納する収納部111と、収納部111を起立状態で保持する脚部材112と、を備えて構成される。
【0028】
収納部111は、
図1に示したように、パネル部113と、パネル部113の全周囲から立ち上がる縁部114と、により凹状に構成されている。パネル部113は、
図2に示したように、補助パネル120と対面する部分であり、補助パネル120と略同じ大きさで同じ形状の長方形状に構成される。縁部114の一側部の上下には、
図3に示したように、後述する補助パネル120の凸部125a、125bが回転可能に嵌め込まれる凹部115a、115bが形成されている。凹部115a、115bと凸部125a、125bによって回転機構が構成される。
【0029】
縁部114は、
図4に示したように、補助パネル120と同じ厚みにパネル部113から立ち上がっており、補助パネル120が収納部111に収納された際に、面一となるように構成される。脚部材112は、長尺状の部材であり、縁部114の下端に間隔を空けて2つ設けられている。脚部材112は、長手方向がパネル部113に直交するように設けられており、収納部111を起立状態で保持することが可能である。
【0030】
(補助パネル120)
補助パネル120は、ベースパネル110とともに空間を間仕切るものである。補助パネル120は、前述のように、パネル部113と略同じ大きさ、略同じ長方形状である。補助パネル120は、
図1に示したように、パネル材121と、パネル材121の周囲に設けられる枠体122と、枠体122の側部に設けられる把持部123と、枠体122の下方に出没可能に設けられる支持脚部材124と、を備えて構成される。
【0031】
パネル材121は、
図1に示したように、長方形状の薄板である。枠体122は、パネル材121の全周囲に設けられている。パネル材121と枠体122は、
図4に示したように、同じ厚みである。
【0032】
枠体122の一側部の上端部には、
図3に示したように、上方に突出する凸部125aが形成されている。また、枠体122の一側部の下端部には、下方に突出する凸部125bが形成されている。凸部125a、125bは、前述のように、ベースパネル110の凹部115a、115bに回転可能に嵌め合わされている。よって、補助パネル120は、
図1の矢印aに示したように、ベースパネル110の鉛直軸周りに回動可能である。枠体122の一側部は、
図4に示したように、収納部111内で回動可能とするために、円弧状に形成されている。
【0033】
補助パネル120は、枠体122が縁部114に当接するまで約90度の角度範囲で回動可能である。なお、補助パネル120とベースパネル110がなす角度は、例えば、0、30、60、90度毎など、所定の角度毎にロックを掛けて固定できるようにしてもよい。
【0034】
把持部123は、
図1に示したように、枠体122の他側部に略L字状に形成された窪みである。ユーザーは、把持部123に手を掛けて補助パネル120を回動することができる。枠体122の他側部の下部には、
図3に示したように、支持脚部材124を収容する収容部126が下端から上方に向かって形成されている。
【0035】
支持脚部材124は、
図1の矢印bに示したように、枠体122の他側部の下端から下方に出没可能に設けられる。支持脚部材124は、支持軸の下端に円盤状の台座が設けられることよって構成されている。支持脚部材124は、枠体122の収容部126に収容可能である。支持脚部材124の上端と収容部126の間には、支持脚部材124を下方に付勢するスプリング(弾性部材)127が設けられている。よって、支持脚部材124は枠体122から突出して設置面に突っ張ることができる。
【0036】
なお、支持脚部材124の突出をスプリング127で付勢する構成に代えて、支持脚部材をねじ式にして、ねじの回転により枠体122からの突出量を調整できるようにしてもよい。
【0037】
以上、間仕切装置100の構成について説明した。以下、間仕切装置100の作用について、
図1~
図4を再び参照しながら説明する。まず、間仕切装置100を展開させて使用する場合について説明する。間仕切装置100を使用するときには、把持部123に指を掛けて、補助パネル120を
図1に示したように、鉛直軸周りに回動させる。補助パネル120は、パネル部113に対面する位置から縁部114に当接する位置まで約90度の角度範囲で展開させることができる。
【0038】
枠体122の他側部が縁部114から離れると、
図1に示したように、支持脚部材124がスプリング127の付勢力によって下方に突出して、間仕切装置100の設置面に当接する。よって、支持脚部材124は、展開状態で補助パネル120を起立状態で支持することができる。
【0039】
次に、補助パネル120を収納部111に収納する場合について説明する。支持脚部材124を枠体122に収容した状態で、把持部123に指を掛けて、
図1に示したように、補助パネル120を鉛直軸周りに展開時とは逆方向に回動させる。そして、
図2に示したように、パネル材121がパネル部113に対面する位置まで回動させると、補助パネル120が収納部111に収納される。
【0040】
なお、枠体122の他側部が縁部114に重なる位置まで回動すると、支持脚部材124が縁部114によって上方に押圧され、支持脚部材124がスプリング127の付勢力に抗して上昇し、
図3に示したように、収容部126に収容されるような構成にしてもよい。補助パネル120が収納部111に完全に収納された状態では、
図4に示したように、ベースパネル110と補助パネル120は面一の状態になる。
【0041】
支持脚部材124は、収容部126に収容されると、縁部114に対して突っ張ることで補助パネル120の収納部111内での収納状態が保持できるようにしてもよい。このように、支持脚部材124とスプリング127によって補助パネル120を収納部111内で保持可能とする保持機構が構成される。
【0042】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、補助パネル120を回動させるだけでベースパネル110に収納したり展開したりすることができるため、簡易な構造でありながらも、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることが可能な間仕切装置100を提供することができる。
【0043】
また、収納部111は、凹状に形成され、補助パネル120を埋没させて収納するため、補助パネル120がベースパネル110の縁部114と面一になり、意匠性がよい。更に、間仕切装置100に厚みが出てしまうのを抑えることができる。
【0044】
また、補助パネル120の展開時には、スプリング127の付勢力により支持脚部材124が設置面に突っ張るため、補助パネル120を安定して起立状態に支持することができる。よって、間仕切装置100は安定した状態で起立することができる。
【0045】
また、収納時には、スプリング127の付勢力により支持脚部材124が収納部111の縁部114に突っ張ることで、補助パネル120が勝手に回動することがない。よって、補助パネル120を収納部111内において安定した状態で保持することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る間仕切装置200の構成について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、第2の実施形態の間仕切装置200を示す斜視図である。
図6は、
図5(a)のB-B断面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは収納部211に2つの第1、第2補助パネル220-1、220-2が手前奥に重ねて収納される点が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
第1補助パネル220-1及び第2補助パネル220-2は、
図5及び
図6に示したように、収納部211の手前奥に重ねて収納される。収納部211は、第1の実施形態の収納部111の約2倍の深さに構成されている。第1補助パネル220-1と第2補助パネル220-2は、第1の実施形態の補助パネル120と同様の構成であるが、後述する通り、第2補助パネル220-2は第1補助パネル220-1よりも短手方向にやや狭く構成される。そして、第1補助パネル220-1と第2補助パネル220-2は、左右対称に配置されている。すなわち、第1補助パネル220-1は、
図5(b)に示したように、第1の実施形態の補助パネル120と同様に、縁部214の一側部で鉛直軸周りに回動する。一方、第2補助パネル220-2は、
図5(c)に示したように、縁部214の他側部で鉛直軸周りに回動する。
【0048】
第1補助パネル220-1は、
図6に示したように、第2補助パネル220-2よりも収納部211の手前側に配置され、収納された状態で縁部214と面一に構成される。一方、第2補助パネル220-2は、第1補助パネル220-1よりも枠体222-1の厚み分だけ短手方向に狭く構成されており、収納部211の奥側において縁部214の他側部寄りに配置される。よって、第2補助パネル220-2と縁部214の一側部との間に枠体222の厚みの隙間ができる。これにより、収納部211の奥側に収納された第2補助パネル220-2が回動可能となる。
【0049】
以上、間仕切装置200の構成について説明した。以下、間仕切装置200の作用について、
図5及び
図6を再び参照しながら説明する。第1補助パネル220-1及び第2補助パネル220-2を収納しているときは、
図5(a)及び
図6に示したように、第2補助パネル220-2が収納部211の奥側に配置され、第1補助パネル220-1が手前側に配置される。
【0050】
第1補助パネル220-1及び第2補助パネル220-2を展開するときは、
図5(b)に示したように、まず、収納部211の手前側に配置されている第1補助パネル220-1を縁部214の一側部で鉛直軸周りに回動させて、縁部214に当接するまで約90度回動させる。支持脚部材224-1は、展開状態で第1補助パネル220-1の枠体222-1から突出し第1補助パネル220-1を起立状態で支持する。
【0051】
次に、収納部211の奥側に配置されている第2補助パネル220-2は、
図5(c)に示したように、縁部214の他側部で鉛直軸周りに回動させて、縁部214に当接するまで約90度回動させる。支持脚部材224-2は、展開状態で第2補助パネル220-2の枠体222-2から突出し、第2補助パネル220-2を起立状態で支持する。このように、第1補助パネル220-1と第2補助パネル220-2は、べースパネル210の左右両側部に展開することになるため、略コ字状に間仕切ることができる。
【0052】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、2つの第1補助パネル220-1と第2補助パネル220-2を手前奥に配置することによって、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0053】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る間仕切装置300の構成について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態の間仕切装置300を示す斜視図であり、(a)は第1、第2補助パネル320-1、320-2を収納した状態を示し、(b)は第1補助パネル320-1を展開した状態を示し、(c)は第1、第2補助パネル320-1、320-2を展開した状態を示す。本実施形態は、上記第1の実施形態とは主に第1、第2補助パネル320-1、320-2が上下方向に配置されている点が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0054】
ベースパネル310は、
図7に示したように、第1収納部311-1及び第2収納部311-2が上下2段に構成されている。第1収納部311-1及び第2収納部311-2の構成は、第1の実施形態の収納部111と同様な構成である。
【0055】
第1収納部311-1には第1補助パネル320-1が収納され、第2収納部311-2には第2補助パネル320-2が収納される。第1、第2補助パネル320-1、320-2は、枠体122及び支持脚部材124が設けられていないことを除けば、第1の実施形態の補助パネル120と同様の構成である。なお、第1の実施形態において枠体122に設けられていた凸部125a、125bは、第1、第2補助パネル320-1、320-2に各々設けられているものとする。
【0056】
以上、間仕切装置300の構成について説明した。以下、間仕切装置300の作用について、
図7を再び参照しながら説明する。間仕切装置300を収納するときには、
図7(a)に示したように、第1補助パネル320-1をベースパネル310の第1収納部311-1に収納し、第2補助パネル320-2を第2収納部311-2に収納する。
【0057】
間仕切装置300は、例えば、第1、第2補助パネル320-1、320-2のうちの一方を展開してもよい。例えば、
図7(b)に示したように、第1補助パネル320-1のみを展開して使用してもよい。第1補助パネル320-1のみを展開すると、上方だけL字状に間仕切ることができる。
【0058】
また、
図7(c)に示したように、第1、第2補助パネル320-1、320-2の両方を展開すると、間仕切装置300の高さ方向の全長にわたってL字状に間仕切ることができる。
【0059】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1補助パネル320-1と第2補助パネル320-2を上下に配置することによって、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0060】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る間仕切装置400の構成について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、第4の実施形態の間仕切装置400を示す図であり、(a)は
図4に相当する位置の断面図を示し、(b)は第1、第2補助パネル420-1、420-2を展開した状態を示す斜視図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは主に第1、第2補助パネル420-1、420-2がベースパネル410の表面と裏面に配置されている点が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0061】
ベースパネル410には、
図8(a)に示したように、第1、第2収納部411-1、411-2が表面と裏面に形成されている。第1収納部411-1には、第1補助パネル420-1が収納され、第2収納部411-2には、第2補助パネル420-2が収納される。
【0062】
第1補助パネル420-1と第2補助パネル420-2は、
図8(b)に示したように、開閉方向が左右逆である。すなわち、第1補助パネル420-1は、ベースパネル410の一側部の鉛直軸周りに回動可能である。また、第2補助パネル420-2は、ベースパネル410の他側部の鉛直軸周りに回動可能である。
【0063】
(第4の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、第1補助パネル420-1と第2補助パネル420-2をベースパネル410の前面及び後面の両方に配置することにより、シーンに応じてより柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0064】
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態に係る間仕切装置400の変形例について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、第4の実施形態の変形例を示す図であり、(a)は
図4に相当する位置の断面図を示し、(b)は第1、第2補助パネル420-1、420-2を展開した状態を示す斜視図である。本変形例は、上記第4の実施形態の第2補助パネル420-2の展開方向が異なるものであり、本実施形態では、上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0065】
第1補助パネル420-1と第2補助パネル420-2は、
図9に示したように、開閉方向が同じである。すなわち、第1補助パネル420-1と第2補助パネル420-2は、ともにベースパネル410の一側部の鉛直軸周りに回動可能である。よって、ベースパネル410と第1、第2補助パネル420-1、420-2とによってT字状に展開する。
【0066】
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る間仕切装置500の構成について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、第5の実施形態の間仕切装置500を示す正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは支持脚部材524を補助パネル520に保持する構成が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0067】
支持脚部材524には、
図10に示したように、これをスライドさせるためのツマミ524aが一体に形成されている。ツマミ524aは、枠体522に形成された後述する操作窓522aに向かって突出しており、操作窓522a内を上下方向に移動することにより、支持脚部材524を上下方向にスライドさせる。ツマミ524aは、操作窓522aの下端に当接することにより、支持脚部材524が収容部526から抜け落ちることを規制する。
【0068】
枠体522には、
図10に示したように、収容部526と連通する前述の操作窓522aが上下方向に形成されている。また、枠体522には、収容部526を挟んで操作窓522aと対向する位置に窪み部522bが形成されている。窪み部522bには、支持脚部材524と当接することにより支持脚部材524を収容部526に保持する可動部品528と、可動部品528を支持脚部材524の方向に付勢するスプリング529が収容されている。
【0069】
可動部品528は、板状部材であり、支持脚部材524に面接触している。可動部品528の窪み部522bの底面と対向する面には、スプリング529が挿入する挿入穴528aが間隔をあけて2つ設けられている。スプリング529は、一端が挿入穴528aに挿入され、他端が窪み部522bの底面に当接することにより、可動部品528を支持脚部材524に押圧している。
【0070】
支持脚部材524は、可動部品528に押圧されて収容部526に保持されているが、使用者がツマミ524aを持って上下動させると、可動部品528の押圧に抗して上下にスライドする。
【0071】
(第5の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者がツマミ524aを持って上下動させることによって支持脚部材524の補助パネル520からの突出量を任意に設定し、スプリング529による可動部品528の押圧力により支持脚部材524を補助パネル520(収容部526)に押圧することによって、支持脚部材524がその位置で保持されるので、高さ調整が可能となる。
【0072】
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係る間仕切装置600の構成について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、第6の実施形態の間仕切装置600を示す正面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは支持脚部材624がねじにより収容部626に押圧されて補助パネル620に保持されている構成が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0073】
支持脚部材624には、
図11に示したように、これをスライドさせるためのツマミ624aが設けられている。ツマミ624aは、支持脚部材624を貫通して螺合するネジである。ツマミ624aの頭は後述する操作窓622aに向かって突出しており、操作窓622a内を上下方向に移動することにより、支持脚部材624を上下方向にスライドさせる。ツマミ624aは、操作窓622aの下端に当接することにより、支持脚部材624が収容部626から抜け落ちることを規制する。
【0074】
ツマミ624aを回転させて先端を収容部626の壁面に押圧することにより、支持脚部材624を収容部626に保持することができる。また、ツマミ624aを逆方向に回転させて押圧を緩めることにより、支持脚部材624を移動可能な状態にすることができる。移動可能な状態となった支持脚部材624は、ツマミ624aを持って上下にスライドさせることができる。
【0075】
枠体622には、
図11に示したように、収容部626と連通する前述の操作窓622aが上下方向に形成されている。操作窓622aは、第5の実施形態の操作窓522aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0076】
(第6の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者がツマミ624aを持って上下動させることによって支持脚部材624の補助パネル620からの突出量を任意に設定し、ツマミ624aを回転させて支持脚部材624を補助パネル620(収容部626)に押圧することによって、支持脚部材624をその位置で保持することができる。よって、支持脚部材624の高さ調整が可能となる。
【0077】
(第7の実施形態)
第7の実施形態に係る間仕切装置700の構成について、
図12及び
図13を参照しながら説明する。
図12は、第7の実施形態の間仕切装置700を示す正面図である。
図13は、間仕切装置700の支持脚部材724を説明するための図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、支持脚部材724と補助パネル720とに形成される凹凸の噛み合いによって支持脚部材724が保持される構成が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0078】
支持脚部材724には、
図12、
図13(a)に示したように、これをスライドさせるためのフック724aが設けられている。フック724aは、枠体722に形成された後述する操作窓722aに向かって突出しており、操作窓722a内を上下方向に移動することにより、支持脚部材724も一体に上下方向にスライドする。
【0079】
支持脚部材724には、
図13(b)に示したように、フック724aとは反対側の面に逆三角形状の係合凸部724bが形成されている。係合凸部724bは、後述する収容部726に形成された係合凹部726aとの係合によって補助パネル720に移動可能に保持される。
【0080】
枠体722には、
図12に示したように、収容部726と連通する前述の操作窓722aが上下方向に形成されている。操作窓722aは、第5の実施形態の操作窓522aと同様の構成であるため、説明を省略する。
【0081】
また、枠体722には、
図12に示したように、収容部726を挟んで操作窓722aと対向する位置に係合凹部726aが上下方向に連続して5段形成されている。係合凹部726aは、ラチェット形状であり、支持脚部材724の係合凸部724bが係合するように構成されている。
【0082】
支持脚部材724を下降させる際には、フック724aを把持して下降させる。すると、係合凸部724bが係合凹部726aの斜面に沿って下降し、下方に隣接する係合凹部726aに係合する。この操作の繰り返しにより支持脚部材724が下降していく。フック724aの下降操作を止めると、係合凸部724bが係合凹部726aに係合した状態が保持されるので、支持脚部材724をその位置で保持することができる。
【0083】
支持脚部材724を上昇させる際には、フック724aを把持して手前に引っ張り係合凸部724bと係合凹部726aの係合を解除する。フック724aを手前に引っ張った状態のまま上昇させて所望の位置で手を離すと、係合凸部724bが係合凹部726aに係合し、支持脚部材724をその位置で保持することができる。
【0084】
(第7の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、使用者がフック724aを持って上下動させることによって支持脚部材724の補助パネル720からの突出量を任意に設定し、係合凸部724bと係合凹部726aとを係合させて支持脚部材724をその位置で保持することができる。よって支持脚部材724の高さ調整が可能となる。
【0085】
(第8の実施形態)
第8の実施形態に係る間仕切装置800の構成について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、第8の実施形態の間仕切装置800を示す斜視図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは、補助パネル820のパネル材121をスラット821に代えた点が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0086】
補助パネル820は、第1の実施形態のパネル材121に代えてスラット821が用いられる。スラット821の両端は枠体822に傾動可能に支持されている。スラット821を閉じると、第1の実施形態のパネル材121と同様に遮蔽された空間とすることができる。また、スラット821を開くことにより、開放することができる。
【0087】
(第8の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、補助パネル820を展開した状態のまま、スラット821を傾動させて遮蔽と開放を切り替えることができる。
【0088】
(第9の実施形態)
第9の実施形態に係る間仕切装置900の構成について、
図15は、第9の実施形態の間仕切装置900を示す斜視図であり、(a)は補助パネル120を収納した状態を示し、(b)は補助パネル120を展開した状態を示し、(c)は(a)のC-C断面図である。本実施形態は、上記第1の実施形態とは補助パネル120の展開する角度が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0089】
ベースパネル910は、
図15に示したように、収納部911の縁部914が略コ字状であり、補助パネル120が回動可能に連結される一側部の縁部914が設けられていない。補助パネル120は、
図15(c)に示したように、一側端部がベースパネル910のパネル部913の端部に位置を揃えて配置される。よって、補助パネル120は、
図15(b)に示したように、枠体122がパネル部913に当接するまで約180度回動可能である。
【0090】
(第9の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、補助パネル120は、ベースパネル910のパネル部913に対して180度回動可能であるため、シーンに応じて柔軟に空間を間仕切ることができる。
【0091】
(第10の実施形態)
第10の実施形態に係る間仕切装置1000の構成について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、第10の実施形態の間仕切装置1000を示す斜視図であり、(a)は第1、第2補助パネル1020-1、1020-2とテーブル1030を収納した状態を示し、(b)は第1、第2補助パネル1020-1、1020-2とテーブル1030を展開した状態を示し、(c)はテーブル収納部1011-2を表した状態を示す。本実施形態は、上記第1の実施形態とは主に手前奥に重なり合って収納される第1、第2補助パネル1020-1、1020-2と、テーブル1030とが上下方向に配置されている点が異なるものであり、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0092】
ベースパネル1010は、
図16に示したように、第1収納部1011-1及びテーブル収納部1011-2が上下2段に構成されている。第1収納部1011-1及びテーブル収納部1011-2の構成は、第1の実施形態の収納部111と同様な構成であるが、収納部111に比べて奥行が2倍程度に構成されている。
【0093】
第1収納部1011-1には、
図16に示したように、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2が収納され、テーブル収納部1011-2にはテーブル1030が収納される。第1収納部1011-1は、第2の実施形態の収納部211と同様であるため、説明を省略する。また、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2の構成は、枠体222-1、222-2が設けられていない点を除けば第2の実施形態の第1、第2補助パネル220-1、220-2と同様であるため、説明を省略する。なお、後述する支持脚部材1024は、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2に出没可能に収容されているものとする。
【0094】
テーブル1030は、
図16(b)に示したように、これの上端がテーブル収納部1011-2の上端の水平軸周りに回動可能に取り付けられている。テーブル1030の下端部(展開した状態では手前側端部)の両側部の裏面には、
図16(c)に示したように、テーブル脚部1031が設けられている。テーブル脚部1031は、テーブル1030の側部に沿って折り畳み可能である。
【0095】
テーブル1030の裏面の両側部には、テーブル脚部1031を収納する脚部収納部1032が上下方向に延びて形成されている。脚部収納部1032は、折り畳まれたテーブル脚部1031を収納した際に、テーブル1030の裏面と面一になる深さの長尺状の溝である。よって、テーブル1030がテーブル収納部1011-2に収納された際には、テーブル1030とテーブル収納部1011-2が面一になる。
【0096】
テーブル1030の下端部には把持部1033が設けられており、把持部1033を把持してテーブル1030を上方に回動させることができる。
【0097】
以上、間仕切装置1000の構成について説明した。以下、間仕切装置1000の作用について、
図16を再び参照しながら説明する。間仕切装置1000は、
図16(a)に示したように、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2を第1収納部1011-1に収納し、テーブル1030をテーブル収納部1011-2に収納すると、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2とテーブル1030がベースパネル1010に面一に収納される。
【0098】
間仕切装置1000を使用する際は、例えば、テーブル収納部1011-2からテーブル1030を展開させて、テーブル脚部1031を立設させる。そして、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2を展開させて、テーブル1030に支持脚部材1024を突出させて突っ張らせることにより、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2の位置を保持させる。このようにして、3方が囲まれたテーブル1030を容易に設置することができる。なお、第1、第2補助パネル1020-1、1020-2を展開させた後に、テーブル1030を展開してもよい。
【0099】
(第10の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、テーブル付きの間仕切りを容易に設置することができる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0101】
例えば、上記第1の実施形態では、収納部111は、パネル部113とパネル部113の周囲に設けられる縁部114により凹状に構成したが、本発明はこの例に限定されない。上枠、一対の縦枠及び下枠からなる四方枠体の内側にパネルを支持し、枠体の内側面とパネル表面またはパネル裏面によって収納部を形成してもよい。他の実施形態も同様である。
【0102】
また、上記第1の実施形態では、収納部111は、パネル部113とパネル部113の周囲に設けられる縁部114により凹状に構成し、補助パネル120とベースパネル110が面一となるようにしたが、本発明はこの例に限定されない。補助パネルがベースパネルのパネル面と対面状態となることで収納部に収納される状態であれば任意に設計することができる。例えば、縁部の高さをさらに高くして、縁部が補助パネルよりも突出するように構成したり、縁部の高さを低くして補助パネルが縁部よりも突出すように構成したり、縁部を設けず、パネル部のみの構成として、補助パネルを突出させて収納してもよい。他の実施形態も同様である。
【0103】
また、上記第1の実施形態では、補助パネル120は、鉛直軸周りに回動するように構成したが、本発明はこの例に限定されない。収納部に収納される状態と、ベースパネルのパネル面と角度をなす展開状態となることでベースパネルとともに空間を間仕切る状態とに回動する構成であれば任意に設計することができる。例えば、水平軸周りに回動するようにしたり、鉛直軸周りと水平軸周りの両方で選択的に回動するようにしたり、複数の補助パネルを鉛直軸周りと水平軸周りで回動させて四方を間仕切るようにしてもよい。他の実施形態も同様である。
【0104】
また、上記第1の実施形態では、ベースパネル110に対して1つの補助パネル120が連結されているように構成したが、本発明はこの例に限定されない。収納部に収納される状態と、ベースパネルのパネル面と角度をなす展開状態となることでベースパネルとともに空間を間仕切る状態とに回動する構成であれば任意に設計することができる。例えば、複数の補助パネル同士を折り畳んだり展開したりできるように回動可能に連結してもよい。このようにして、ユーザーの周囲を取り囲む間仕切りとすることもできる。他の実施形態も同様である。
【0105】
また、上記第1の実施形態では、支持脚部材124が縁部114に対して突っ張ることで補助パネル120が収納部111で収納状態が保持できるように構成したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、補助パネルが収納部での収納状態を保持できるように、収納部と枠体の一部にマグネットなどを設けて吸着するようにしてもよい。他の実施形態も同様である。
【0106】
また、上記第8の実施形態では、補助パネル820の枠体822内を傾動可能なスラットで構成したが、本発明はこの例に限定されない。収納部に収納される状態と、ベースパネルのパネル面と角度をなす展開状態となることでベースパネルとともに空間を間仕切る状態とに回動する構成であれば任意に設計することができる。例えば、ルーバーや開閉可能なスクリーンなどで構成してもよい。他の実施形態も同様である。
【0107】
また、上記第9の実施形態では、補助パネル120は、ベースパネル910のパネル部913に対して180度回動可能としたが、本発明はこの例に限定されない。ベースパネル910のパネル部913を略コ字状の縁部914の端部よりも幅を小さくすることで、補助パネル120は180度を超えて回動させることができる。
【0108】
以上説明した実施形態・応用例・変形例等は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0109】
100、200、・・・、1000 間仕切装置
110、210、310、410、910、1010 ベースパネル
111、211、911 収納部
112、212、312 脚部材
113、913 パネル部
114、214、814、914 縁部
115a、115b 凹部
120、520、620、720、820 補助パネル
121 パネル材
122、222、522、622、722、822 枠体
123、1033 把持部
124、224-1、224-2、524、624、724、1024 支持脚部材
125a、125b 凸部
126、526、626、726 収容部
127 スプリング(弾性部材)
220-1、320-1、420-1、1020-1 第1補助パネル
220-2、320-2、420-2、1020-2 第2補助パネル
311-1、411-1、1011-1 第1収納部
311-2、411-2 第2収納部
522a、622a、722a 操作窓
522b 窪み部
524a、624a ツマミ
528 可動部品
528a 挿入穴
529 スプリング
724a フック
724b 係合凸部
726a 係合凹部
821 スラット
1011-2 テーブル収納部
1030 テーブル
1031 テーブル脚部
1032 脚部収納部