(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119708
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】自動販売機システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20230822BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20230822BHJP
G07F 9/00 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
H04L67/02
G07F9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022704
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】513267648
【氏名又は名称】フカダテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深田 寧緯
(72)【発明者】
【氏名】深田 逸航
【テーマコード(参考)】
3E044
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA10
3E044CA04
3E044DE01
5L049BB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サンプルを配布して、商品開発等の必要な情報を容易に収集することができる自動販売機システムを提供する。
【解決手段】自販機本体とサーバーとが、無線又は有線で、インターネット回線を介して接続されている自動販売機システムにおいて、自販機本体10は、制御部100と、通信部150と、複数種類のサンプルを収納しておくサンプル収納手段130と、サンプル収納手段130からサンプルを排出可能に形成されるサンプル排出手段140と、複数種類のサンプルから任意のサンプルを選択可能に形成されるサンプル選択手段110と、スマートフォンとされる携帯情報端末に表示されるユーザー情報を含むQRコードを読み取るQRコード読取手段と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自販機本体と、サーバーと、を有し、
前記自販機本体は、
制御部と、
通信部と、
複数種類のサンプルを収納しておくサンプル収納手段と、
前記サンプル収納手段から前記サンプルを排出可能に形成されるサンプル排出手段と、
複数種類の前記サンプルから任意の前記サンプルを選択可能に形成されるサンプル選択手段と、
携帯情報端末に表示されるユーザー情報を含むQRコードを読み取るQRコード読取手段と、
を有し、
前記制御部は、前記QRコード読取手段により前記ユーザー情報を読み取って前記ユーザー情報を取得した後に前記サンプル選択手段による任意の前記サンプルの選択を可能とすると共に、前記サンプル排出手段から排出された前記サンプルの情報を前記通信部を介して前記サーバーに送信する、
自動販売機システム。
【請求項2】
前記サンプル排出手段から排出された前記サンプルの情報をSNS又はwebサイトにより発信する、請求項1に記載の自動販売機システム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記SNS又はwebサイトに対してアンケートに係る所定情報を送信した前記携帯情報端末に対してポイントを付与する、請求項2に記載の自動販売機システム。
【請求項4】
前記サーバーは、前記QRコード読取手段で読み取った前記QRコードに係る前記ユーザー情報に基づいて決済処理を行う、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の自動販売機システム。
【請求項5】
前記QRコード読取手段で読み取る前記QRコードは、前記サーバーに前記ユーザー情報を登録後に前記サーバーにより生成されて、前記携帯情報端末に送信される、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の自動販売機システム。
【請求項6】
POSシステムと接続する、請求項1乃至請求項5の何れか記載の自動販売機システム。
【請求項7】
前記サンプル選択手段は、サンプル表示部と、前記サンプル表示部に対応するサンプル選択部と、を有し、
前記サンプル選択部は、デフォルトで選択状態とされる、請求項1乃至請求項6の何れかに記載の自動販売機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動販売機に顧客データや販売商品に関するデータを収集、発信等する機能を持たせた自動販売機システムが提案されている。例えば、特許文献1には、自販機本体とハンディターミナルとで通信することで、サーバーに各種情報を蓄積し、POS情報を作成したり、ポイントサービスを行うことができる自動販売機システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動販売機により商品を販売した場合には、後にハンディターミナルで各種データを収集して、POS情報を後に生成することで、メーカー等の商品供給者はPOS情報を利用することができる。一方、メーカー等では、従来からサンプルを配布してユーザーに使用させ、その使用後の感想等を聞いて、その後の商品開発や生産数量の参考情報とすることがある。そして、従来の自動販売機によりサンプルを配布することも考えられるが、サンプルの配布の目的に則した情報が十分に得られないことが懸念される。
【0005】
本発明は、サンプルを配布して、商品開発等の必要な情報を容易に収集することができる自動販売機システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動販売機システムは、自販機本体と、サーバーと、を有し、前記自販機本体は、制御部と、通信部と、複数種類のサンプルを収納しておくサンプル収納手段と、前記サンプル収納手段から前記サンプルを排出可能に形成されるサンプル排出手段と、複数種類の前記サンプルから任意の前記サンプルを選択可能に形成されるサンプル選択手段と、携帯情報端末に表示されるユーザー情報を含むQRコードを読み取るQRコード読取手段と、を有し、前記制御部は、前記QRコード読取手段により前記ユーザー情報を読み取って前記ユーザー情報を取得した後に前記サンプル選択手段による任意の前記サンプルの選択を可能とすると共に、前記サンプル排出手段から排出された前記サンプルの情報を前記通信部を介して前記サーバーに送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、サンプルを配布して、商品開発等の必要な情報を容易に収集することができる自動販売機システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動販売機システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る自動販売機システムの自販機本体の制御ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る自動販売機システムと、ユーザー、メーカーとの間で行われるサンプルの配布に関するシーケンス図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る自動販売機システムの動作及び効果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1には、自動販売機システム1として、自販機本体10と、サーバー20とが示されている。自販機本体10とサーバー20とは、無線又は有線で、インターネット回線を介して接続されている。
【0010】
自販機本体10の正面パネル11には、複数のサンプル表示部111と、サンプル表示部111に対応するサンプル選択部112が設けられている。サンプル表示部111は、自販機本体10に収納されるサンプルが、液晶表示機により画像として表示されている。なお、サンプル表示部111は、実際のサンプルやサンプルの写真、画像等を透明板越しに視認できる形態としてもよい。
【0011】
また、サンプル選択部112は、LED等の光源を備えた押しボタンで構成される。サンプル選択部112は、対応するサンプル表示部111のサンプルを選択した状態(選択状態)で発光し、サンプルを選択していない状態(非選択状態)で消灯する。なお、サンプル選択部112は、手動で選択状態と非選択状態とを切り換えられる構成であればタッチパネル等で構成することもできる。
【0012】
また、自販機本体10の正面パネル11には、QRコード読取手段120が設けられている。QRコード読取手段120は、カメラ等を備えたQRコード(登録商標)を読み取り可能に形成される公知の構造からなる。
【0013】
また、自販機本体10の正面パネル11には、サイト表示部12が設けられている。本実施形態においては、サイト表示部12は、URLの情報であるQRコードが表示されている。
【0014】
また、自販機本体10の正面パネル11には、所望のサンプルが排出されるサンプル排出口141が設けられている。
【0015】
図2は、自販機本体10の制御ブロック図である。自販機本体10は、制御部100を備えている。制御部100は、少なくとも1つのプロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)やマイコン等により構成される。サンプル選択手段110は、正面パネル11に設けられるサンプル表示部111やサンプル選択部112を備え、制御部100と接続されている。
【0016】
また、QRコード読取手段120は、制御部100に接続されている。また、自販機本体10は、サンプル収納手段130及びサンプル排出手段140を備えている。サンプル収納手段130及びサンプル排出手段140は、公知の自動販売機における商品収納部と、当該商品の排出構造を含む。サンプル収納手段130は、制御部100と接続されて、収納しているサンプルの個数情報等がやり取りされている。サンプル排出手段140は、正面パネル11のサンプル排出口141を含み、制御部100からの指示に基づいて、選択されたサンプルをサンプル収納手段130から排出する。
【0017】
また、自販機本体10には、通信部150が設けられている。通信部150は、制御部100と接続されている。通信部150は、無線又は有線でインターネット回線と接続されている。
【0018】
自販機本体10は、この他、図示しないが、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等で構成される記憶部が設けられて、プログラムや、一時的なデータの保存がなされている。
【0019】
図3のシーケンス図により、自動販売機システム1の動作を説明する。先ず、サンプルを配布したいメーカー30は、自販機本体10に配布したい複数種類のサンプルをサンプル収納手段130に収納する(ST010)。なお、初期には、複数種類のサンプルを収納した自販機本体10を所望の場所に設置することとなる。
【0020】
初めて自動販売機システム1を利用してサンプルを入手するユーザー40は、初回登録手続きを行う。具体的には、ユーザー40は、自販機本体10のサイト表示部12のQRコードをスマートフォン(携帯情報端末)で読み取って(ST020)、サーバー20に設けられる所定のインターネット上のサイトにアクセスする(ST030)。ユーザー40は、当該サイトでユーザー登録を行う。ユーザー登録は、氏名や年齢、性別、住所、メール(e-mail)アドレス、携帯番号や、決済情報等を登録する。決済情報は、クレジットカード情報や銀行口座、電子マネー等の各種決済手段を選択して登録することができる。
【0021】
ユーザー登録の完了後、サーバー20は、QRコードを生成して、ユーザーのスマートフォンにメール等で送信する(ST040)。又は、ユーザー40は、スマートフォンで所定のサイトにアクセスして、当該QRコードをいつでも表示させることができる。この場合には、サーバー20は、QRコードを表示させるサイトのアドレスをメール等で送信するようにしてもよい。
【0022】
QRコードを入手したユーザー40は、自販機本体10の正面パネル11に設けられるQRコード読取手段120に入手したQRコードをかざして読み取らせる(ST050)。自販機本体10は、読み取ったQRコードに係るユーザー情報をサーバー20に送信する(ST060)。
【0023】
ユーザー情報を受信したサーバー20は、登録されたユーザー40であるか否かを自販機本体10に送信する(ST070)。登録されたユーザー40である場合には、サンプル排出許可フラグを共に送信する。登録されたユーザー40でない場合には、サンプル排出不許可フラグを共に送信する。
【0024】
自販機本体10は、サンプル排出許可フラグを受信した場合には、複数のサンプル選択部112を全て点灯させて、選択状態とする。そして、ユーザー40は、サンプル選択部112のボタンを押して、不要なサンプルを選択する。このように、サンプル選択部112は、デフォルトで選択状態とされる。
【0025】
一方、自販機本体10は、サンプル排出不許可フラグを受信した場合には、サンプル選択部112を全て点滅させたり、音声で知らせたりする等してエラー表示を行い、処理を終了する。
【0026】
自販機本体10がサンプル排出許可フラグを受信してユーザー40が選択したサンプルについての情報は、自販機本体10からサーバー20に送信される(ST080)。サーバー20では、ユーザー40が選択したサンプルに応じて決済処理がなされる。なお、サンプルの価格は、配布を目的とするものであるので、低廉な価格であることが望ましい。又は無料とすることもできる。
【0027】
そして、自販機本体10は、選択したサンプルをサンプル収納手段130からサンプル排出手段140によりサンプル排出口141に排出する。ユーザー40は、所望のサンプルを入手することができる(ST090)。
【0028】
メーカー30は、サーバー20から、サンプルを購入したユーザー40のユーザー情報や、購入したサンプルの情報を入手して(ST100)、以後の商品の販売戦略や、商品企画等に情報を利用することができる。
【0029】
図4に示すように、自動販売機システム1は、販売されたサンプルの情報(個数、販売価格、販売地等)のデータをPOSシステム200に送信することができる。この場合、サーバー20を介してもよいし、自販機本体10の通信部150を介してもよい。また、自動販売機システム1は、ユーザー40が入手した(換言すれば、サンプル排出手段140から排出された)サンプルの情報をwebサイト又はsns(符号210)により発信することもできる。webサイト又はSNS(符号210)への発信も同様に、サーバー20を介してもよいし、自販機本体10の通信部150を介して行ってもよい。
【0030】
ユーザー40は、情報が発信されたwebサイト又はSNS(符号210)に掲示されるアンケートにアクセスすることができる(符号220)。ユーザー40は、アンケートに回答すると、スマートフォンにポイントが付与される(221)。当該ポイントは、電子マネー等で利用できるポイントでもよいし、メーカー30が独自に開設するポイント制度であってもよい。ポイントに係る費用は、メーカー30から支払われる(符号230)。メーカー30は、このアンケートに係る所定情報を入手することができる(符号231)。
【0031】
このように、ユーザー40は、自動販売機システム1によりサンプルを入手(符号240)し、自動販売機システム1にユーザー情報を提供する(符号241)。メーカー30は、自動販売機システム1にサンプルを提供(符号250)して、ユーザー情報やユーザー40に取得されたサンプルの情報等の情報を入手することができる(符号251)。その結果、メーカー30は、ユーザーニーズを把握することができ(符号260)、ユーザー40は所望の商品が販売され、入手することができる(符号261)。
【0032】
このように、メーカー30が直接人員を動員してユーザー40のニーズを把握することなく、自動販売機システム1を介して消費者ニーズの把握をすることができる。また、商品のモニタリングも自動販売機システム1を用いて行うことができる。そして、既存商品の販売場所の見直しや、新規売り場の選定も行うことができる。
【0033】
以上の実施形態によれば、自動販売機システム1は、自販機本体10と、サーバー20とを有し、自販機本体10は、制御部100と、通信部150と、複数種類のサンプルを収納しておくサンプル収納手段130と、サンプル収納手段130からサンプルを排出可能に形成されるサンプル排出手段140と、複数種類のサンプルから任意のサンプルを選択可能に形成されるサンプル選択手段110と、スマートフォンとされる携帯情報端末に表示されるユーザー情報を含むQRコードを読み取るQRコード読取手段と、を有し、制御部100は、QRコード読取手段によりユーザー情報を読み取ってユーザー情報を取得した後にサンプル選択手段110による任意のサンプルの選択を可能とすると共に、サンプル排出手段140から排出されたサンプルの情報を通信部150を介してサーバー20に送信する。
【0034】
これにより、メーカー30等は、ユーザー40と直接コンタクトを取ることなくサンプルを配布して、商品開発等の必要な情報を容易に収集することができる。
【0035】
また、自動販売機システム1は、サンプル排出手段140から排出されたサンプルの情報をSNS又はwebサイトにより発信する。これにより、インターネットを介した宣伝広告を自動で効率よく行うことができる。
【0036】
また、サーバー20は、SNS又はwebサイトに対してアンケートに係る所定情報を送信したスマートフォンに対して(つまり、アンケートに答えたユーザー40に対して)ポイントを付与する。これにより、サンプルを入手したユーザー40のサンプル使用後の感想等の情報を入手することができる。
【0037】
なお、アンケートに答えていないユーザー40に対しては、次回の自動販売機システム1によるサンプルの入手を制限等することができる。
【0038】
また、サーバー20は、QRコード読取手段120で読み取ったQRコードに係るユーザー40のユーザー情報に基づいて決済処理を行う。これにより、ユーザー40は、現金を用意しなくても自販機本体10を利用することができ、メーカー30は容易に料金の回収を行うことができる。
【0039】
また、QRコード読取手段120で読み取るQRコードは、サーバー20にユーザー情報を登録後にサーバー20により生成されて、ユーザー40のスマートフォンに送信される。これにより、ユーザー40はスマートフォンに表示されるQRコードをQRコード読取手段120にかざすだけで、サンプルを入手することができる。
【0040】
また、自動販売機システム1は、POSシステム200と接続される。これにより、既存のPOSシステム200とも連動して自動販売機システム1を利用することができる。
【0041】
また、サンプル選択手段110は、サンプル表示部111と、サンプル表示部111に対応するサンプル選択部112とを有し、サンプル選択部112は、デフォルトで選択状態とされる。これにより、一度に多くのサンプルの入手を容易に行うことができる。
【0042】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は本実施形態によって限定されることはなく、種々の変更を加えて実施することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 自動販売機システム 10 自販機本体
11 正面パネル 12 サイト表示部
20 サーバー 30 メーカー
40 ユーザー 100 制御部
110 サンプル選択手段 111 サンプル表示部
112 サンプル選択部 120 QRコード読取手段
130 サンプル収納手段 140 サンプル排出手段
141 サンプル排出口 150 通信部
200 POSシステム