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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119749
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】光コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/40 20060101AFI20230822BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G02B6/40
G02B6/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022767
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】グエン タオ チ タン
(72)【発明者】
【氏名】高橋 茂雄
【テーマコード(参考)】
2H036
2H137
【Fターム(参考)】
2H036JA02
2H036QA14
2H036QA23
2H036QA50
2H036QA56
2H137AB01
2H137BA15
2H137BA20
2H137CA15A
2H137CA49
2H137CC01
2H137CD33
2H137FA06
(57)【要約】
【課題】接続損失を抑制できる光コネクタを提供する。
【解決手段】光コネクタは、光ファイバと、接続端面が設けられた接続端および前記接続端とは反対側に位置する基端を有し、前記接続端面に、前記光ファイバが挿通されるファイバ孔と、一対のガイド孔と、が形成されたフェルールと、前記一対のガイド孔に挿通される一対のガイドピンと、を備え、前記接続端面は、前記ファイバ孔の長手方向に対して垂直な第1方向に向けて傾いており、前記長手方向に垂直かつ前記第1方向とは異なる第2方向において、前記一対のガイドピンの各々の寸法は前記一対のガイド孔の各々の寸法よりも小さく、前記第2方向において、前記一対のガイドピンの各々は前記一対のガイド孔の各々に対して付勢されている。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバと、
接続端面が設けられた接続端および前記接続端とは反対側に位置する基端を有し、前記接続端面に、前記光ファイバが挿通されるファイバ孔と、一対のガイド孔と、が形成されたフェルールと、
前記一対のガイド孔に挿通される一対のガイドピンと、を備え、
前記接続端面は、前記ファイバ孔の長手方向に対して垂直な第1方向に向けて傾いており、
前記長手方向に垂直かつ前記第1方向とは異なる第2方向において、前記一対のガイドピンの各々の寸法は前記一対のガイド孔の各々の寸法よりも小さく、
前記第2方向において、前記一対のガイドピンの各々は前記一対のガイド孔の各々に対して付勢されている、光コネクタ。
【請求項2】
前記一対のガイドピンは、第1ガイドピンおよび第2ガイドピンを含み、
前記一対のガイド孔は、前記第1ガイドピンが挿通される第1ガイド孔および前記第2ガイドピンが挿通される第2ガイド孔を含み、
前記第1ガイドピンが前記長手方向に対して前記第2方向に傾いていることで、前記第1ガイドピンが前記第1ガイド孔に対し前記第2方向における位置の異なる少なくとも2点で接し、前記第2方向において前記第1ガイドピンは前記第1ガイド孔に対して付勢されており、
前記第2ガイドピンが前記長手方向に対して前記第2方向に傾いていることで、前記第2ガイドピンが前記第2ガイド孔に対し前記第2方向における位置の異なる少なくとも2点で接し、前記第2方向において前記第2ガイドピンは前記第2ガイド孔に対して付勢されている、請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第2方向における前記第1ガイド孔の寸法および前記第2ガイド孔の寸法をdGHとし、
前記第2方向における前記第1ガイドピンの寸法および前記第2ガイドピンの寸法をdGPとし、
前記長手方向における前記第1ガイド孔の寸法および前記第2ガイド孔の寸法をzGHとし、
前記長手方向における前記フェルールの寸法をzFRとし、
前記第1ガイドピンの中心軸線を第1中心軸線と称し、
前記第2ガイドピンの中心軸線を第2中心軸線と称し、
前記接続端面における前記第1中心軸線の位置と、前記基端における前記第1中心軸線の位置との、前記第2方向におけるずれの大きさをΔ1とし、
前記接続端面における前記第2中心軸線の位置と、前記基端における前記第2中心軸線の位置との、前記第2方向におけるずれの大きさをΔ2とするとき、
以下の条件aおよびbが成立する、請求項2に記載の光コネクタ。
【数1】
【請求項4】
前記フェルールの前記基端に取り付けられるピンクランプをさらに備え、
前記ピンクランプは、前記一対のガイドピンの各々が前記一対のガイド孔の各々に対し前記第2方向における位置の異なる少なくとも2点で接している状態で、前記一対のガイドピンの各々の端部を保持する、請求項2または3に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記フェルールには、前記基端から前記接続端に向けて凹む一対の小ピン孔が形成されており、
前記ピンクランプは、前記フェルールの前記基端に向けて突出して前記一対の小ピン孔に挿入される一対の小ピンを有し、
前記一対の小ピンが前記一対の小ピン孔に挿入されることにより、前記ピンクランプは、前記一対のガイドピンの各々が前記一対のガイド孔の各々に対し前記第2方向における位置の異なる少なくとも2点で接している状態を保つ、請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記一対の小ピン孔は、前記第2方向における位置の異なる第1小ピン孔および第2小ピン孔を含み、
前記一対のガイド孔は、前記第2方向において前記第1小ピン孔と前記第2小ピン孔との間に位置し、
前記第2方向における前記第1ガイド孔の寸法および前記第2ガイド孔の寸法をdGHとし、
前記第2方向における前記一対のガイド孔のピッチをpGHとし、
前記第2方向における前記第1ガイドピンの寸法および前記第2ガイドピンの寸法をdGPとし、
前記第2方向における前記一対のガイドピンのピッチをpGPとするとき、
以下の条件cまたはdが成立する、請求項5に記載の光コネクタ。
c:(pSH-pGH-dSH-dGH)/2≧(pSP-pGP-dSP-dGP)/2
d:(pSH-pGH+dSH+dGH)/2≦(pSP-pGP+dSP+dGP)/2
【請求項7】
前記第1ガイド孔と前記第2ガイド孔とは、前記第2方向における位置が異なり、
前記一対の小ピン孔は、前記第2方向において前記第1ガイド孔と前記第2ガイド孔との間に位置し、
前記第2方向における前記第1ガイド孔の寸法および前記第2ガイド孔の寸法をdGHとし、
前記第2方向における前記一対のガイド孔のピッチをpGHとし、
前記第2方向における前記第1ガイドピンの寸法および前記第2ガイドピンの寸法をdGPとし、
前記第2方向における前記一対のガイドピンのピッチをpGPとするとき、
以下の条件eまたはfが成立する、請求項5に記載の光コネクタ。
e:(pGH-pSH-dSH-dGH)/2≧(pGP-pSP-dSP-dGP)/2
f:(pGH-pSH+dSH+dGH)/2≦(pGP-pSP+dSP+dGP)/2
【請求項8】
前記第2方向における前記第1ガイド孔の寸法および前記第2ガイド孔の寸法をdGHとし、
前記第2方向における前記一対のガイド孔のピッチをpGHとし、
前記第2方向における前記第1ガイドピンの寸法および前記第2ガイドピンの寸法をdGPとし、
前記第2方向における前記一対のガイドピンのピッチをpGPとするとき、
以下の条件gまたはhが成立する、請求項4から7のいずれか一項に記載の光コネクタ。
g:pGH-dGH≧pGP-dGP
h:pGH+dGH≦pGP+dGP
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガイドピンを有する光コネクタが知られている。ガイドピンは、2つの光コネクタを接続する際に、当該2つの光コネクタが有する光ファイバ同士の位置を合わせるために用いられる。一般に、ガイドピンは、フェルールに形成されたガイド孔に挿入された状態で、フェルール内に保持される。
【0003】
特許文献1には、上下方向に傾斜した接続端面を有するフェルールを備えた光コネクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4110969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガイドピンの外径がガイド孔の内径よりも小さい場合、ガイドピンとガイド孔の間にはクリアランスが生じる。このようなクリアランスがある場合、例えばコネクタ同士の接続とその解除を繰り返すうちに、ガイドピンがガイド孔の内部で動き、フェルールに対するガイドピンの相対位置や傾きが変化する可能性がある。このようなガイドピンの相対位置および傾きの変化は、光ファイバ同士の接続を不安定にし、接続損失の増大をもたらす可能性がある。
【0006】
ここで、接続端面が上下方向に傾斜している場合(例えば、特許文献1を参照)、2つの光コネクタ同士を接続する際に、当該2つの光コネクタの接続端面同士が摺動する。これにより、ガイドピンがガイド孔の内周面に当接し、上下方向において、ガイドピンがガイド孔に位置決めされる。しかしながら、左右方向においてガイドピンはガイド孔に位置決めされないため、左右方向においては依然としてガイドピンの位置および傾きが変化し得る。したがって、接続損失の増大が生じる可能性がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、接続損失を抑制できる光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光コネクタは、光ファイバと、接続端面が設けられた接続端および前記接続端とは反対側に位置する基端を有し、前記接続端面に、前記光ファイバが挿通されるファイバ孔と、一対のガイド孔と、が形成されたフェルールと、前記一対のガイド孔に挿通される一対のガイドピンと、を備え、前記接続端面は、前記ファイバ孔の長手方向に対して垂直な第1方向に向けて傾いており、前記長手方向に垂直かつ前記第1方向とは異なる第2方向において、前記一対のガイドピンの各々の寸法は前記一対のガイド孔の各々の寸法よりも小さく、前記第2方向において、前記一対のガイドピンの各々は前記一対のガイド孔の各々に対して付勢されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記態様によれば、接続損失を抑制可能な光コネクタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る光コネクタを示す斜視図である。
図2図1に示す光コネクタを矢視IIから見る図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る光コネクタを分解して示す図であって、図1に示すIII-III線に沿う断面図である。
図4A】本発明の第1実施形態に係る光コネクタの一部を示す断面図である。
図4B図4Aの一部を拡大して示す図である。
図5A】本発明の第1実施形態に係るフェルールに関する各寸法を説明する図である。
図5B】本発明の第1実施形態に係るガイドピンおよびピンクランプに関する各寸法を説明する図である。
図6A】第1実施形態の変形例に係る光コネクタの一部を示す断面図である。
図6B図6Aの一部を拡大して示す図である。
図7A】本発明の第1実施形態に係る光コネクタと他の光コネクタとが接続された状態を示す図である。
図7B図7Aに示すVIIB-VIIB線に沿う断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る光コネクタの一部を示す断面図である。
図9A】本発明の第2実施形態に係るフェルールに関する各寸法を説明する図である。
図9B】本発明の第2実施形態に係るガイドピンおよびピンクランプに関する各寸法を説明する図である。
図10】第2実施形態の変形例に係る光コネクタの一部を示す断面図である。
図11A】本発明の他の変形例に係る光コネクタの一部を示す断面図である。
図11B図11Aの一部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る光コネクタ1について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光コネクタ1は、複数の光ファイバ10と、一対のガイドピン20と、フェルール30と、ピンクランプ40と、を備える。フェルール30は、接続端面31が設けられた接続端30aと、接続端30aとは反対側に位置する基端30bと、を有する。接続端面31には、複数のファイバ孔32が開口している。本実施形態に係る複数のファイバ孔32には、第1列R1および第2列R2が含まれる。各列R1、R2は、接続端面31において、一方向に並んでいる。ただし、複数のファイバ孔32は、1つまたは3つ以上の列を含んでいてもよい。
【0012】
(方向定義)
ここで、本実施形態では、各ファイバ孔32が延在する方向(各ファイバ孔32の長手方向)を長手方向Zと称する。長手方向Zは、フェルール30の接続端30aと基端30bとが並ぶ方向でもある。長手方向Zに直交する一方向であって、複数のファイバ孔32の各列R1、R2が並ぶ方向を、左右方向Xと称する。長手方向Zおよび左右方向Xの双方に直交する方向を、上下方向Yと称する。長手方向Zに沿って、フェルール30の基端30bから接続端30aに向かう向きを、+Zの向き、前方、先端側、または接続端側と称する。+Zの向きとは反対の向きを、-Zの向き、後方、または基端側と称する。左右方向Xに沿う一つの向きを、+Xの向きまたは右方と称する。+Xの向きとは反対の向きを、-Xの向きまたは左方と称する。上下方向Yに沿う一つの向きを、+Yの向きまたは上方と称する。+Yの向きとは反対の向きを、-Yの向きまたは下方と称する。なお、上下方向Yは、重力方向(鉛直方向)と平行でなくてもよい。同様に、左右方向Xは、水平方向と平行でなくてもよい。
【0013】
図1および図2に示すように、本実施形態に係るフェルール30の接続端30aには、接続端面31および非接続面37が設けられている。本実施形態に係る接続端面31は、非接続面37の下方に位置する。接続端面31は、光コネクタ1を他のコネクタと接続する際に当該他のコネクタが有する接続端面と接触する。
【0014】
本実施形態に係る非接続面37は、長手方向Zに垂直である。一方、接続端面31は、長手方向Zに垂直でなく、第1方向に向けて傾いている。より具体的には、接続端面31の法線31nは、長手方向Zに対して第1方向に角度αだけ傾いている。なお、本実施形態において、「第1方向」は上下方向Yに一致する。つまり、図2に示すように、接続端面31の法線31nは、長手方向Z(+Zの向き)に対して上下方向Y(-Yの向き)に角度αだけ傾いている。言い換えれば、接続端面31は、下方に向かう向きにおいて漸次後方に向かうように傾斜している。本実施形態における角度αの値は8°である。これにより、接続端面31は、上下垂直の方向(上下方向Y)に対して8°だけ傾斜している。ただし、αの値は8°に限られず、0°<α<90°の範囲内で適宜変更可能である。
【0015】
なお、接続端面31は、非接続面37の上方に位置していてもよい。この場合、接続端面31は、上方に向かう向きにおいて漸次後方に向かうように傾斜していてもよい。また、フェルール30の接続端30aは非接続面37を含まず、接続端面31のみを含んでいてもよい。
【0016】
図3に示すように、本実施形態に係るフェルール30には、複数のファイバ孔32と、一対のガイド孔33と、一対の小ピン孔34と、ファイバ孔凹部35と、一対のガイド孔凹部36と、が形成されている。
【0017】
本実施形態において、各ガイド孔33の位置は、左右方向Xにおいて互いに異なる。以降、本明細書では、一対のガイド孔33のうち右方(+X側)に位置するガイド孔33を第1ガイド孔33Aと称し、左方(-X側)に位置するガイド孔33を第2ガイド孔33Bと称する場合がある。第1ガイド孔33Aと第2ガイド孔33Bとを特に区別しない場合には、単にガイド孔33と称する場合がある。同様に、本実施形態において、各小ピン孔34の位置は、左右方向Xにおいて互いに異なる。一対の小ピン孔34のうち右方に位置する小ピン孔34を第1小ピン孔34Aと称し、左方に位置する小ピン孔34を第1小ピン孔34Aと称する場合がある。第1小ピン孔34Aと第2小ピン孔34Bとを特に区別しない場合には、単に小ピン孔34と称する場合がある。一対のガイド孔凹部36のうち右方に位置するガイド孔凹部36を第1ガイド孔凹部36Aと称し、左方に位置するガイド孔凹部36を第2ガイド孔凹部36Bと称する場合がある。第1ガイド孔凹部36Aと第2ガイド孔凹部36Bとを特に区別しない場合には、単にガイド孔凹部36と称する場合がある。
【0018】
各ファイバ孔32は、フェルール30の接続端面31に開口し、後方に向けて延びている。本実施形態に係る複数のファイバ孔32は、左右方向Xに並んでいる。なお、複数のファイバ孔32は、左右方向Xにおいて2つ以上の列をなしていてもよい。あるいは、複数のファイバ孔32は、ランダムに配置されていてもよい。ファイバ孔凹部35は、フェルール30の基端30bに開口し、前方に向けて延びている。ファイバ孔凹部35の内径は、各ファイバ孔32の内径よりも大きい。各ファイバ孔32の後端は、ファイバ孔凹部35の前端に連通している。ファイバ孔32およびファイバ孔凹部35には、光ファイバ10が挿通される。なお、フェルール30にはファイバ孔凹部35が形成されていなくてもよい。この場合、各ファイバ孔32は、フェルール30を長手方向Zに貫通し、接続端面31および基端30bの双方に開口していてもよい。
【0019】
各ガイド孔33A、33Bは、フェルール30の接続端面31に開口し、後方に向けて延びている。各ガイド孔33A、33Bの形状は、長手方向Zに垂直な断面において略円形状であり、その内径は長手方向Zにおいて略一定である。なお、「略円形状」「略一定」には、製造誤差を取り除けば「円形状」「一定」とみなせる場合も含まれる。本実施形態に係るガイド孔33A、33Bは、複数のファイバ孔32を間に位置させるように、左右方向Xに並んでいる。ただし、複数のファイバ孔32は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aと第2ガイド孔33Bとの間に位置していなくてもよい。各ガイド孔凹部36A、36Bは、フェルール30の基端30bに開口し、前方に向けて延びている。第1ガイド孔凹部36Aの内径は、第1ガイド孔33Aの内径よりも大きい。同様に、第2ガイド孔凹部36Bの内径は、第2ガイド孔33Bの内径よりも大きい。第1ガイド孔33Aの後端は、第1ガイド孔凹部36Aの前端に連通している。同様に、第2ガイド孔33Bの後端は、第2ガイド孔凹部36Bの前端に連通している。本実施形態に係る各ガイド孔凹部36A、36Bの前面には、テーパ面36aが設けられている。テーパ面36aは、前方に向かう向きにおいて漸次内径が小さくなるように傾斜している。なお、ガイド孔凹部36A、36Bの前面にテーパ面36aが設けられていなくてもよい。また、フェルール30にはガイド孔凹部36A、36Bが形成されていなくてもよい。この場合、各ガイド孔33A、33Bは、フェルール30を長手方向Zに貫通し、接続端面31および基端30bの双方に開口していてもよい。
【0020】
各小ピン孔34A、34Bは、フェルール30の基端30bに開口し、前方に向けて延びている。各小ピン孔34A、34Bの形状は、長手方向Zに垂直な断面において略円形状であり、その内径は長手方向Zにおいて略一定である。なお、「略円形状」「略一定」には、製造誤差を取り除けば「円形状」「一定」とみなせる場合も含まれる。本実施形態に係る小ピン孔34A、34Bは、ガイド孔凹部36A、36Bを間に位置させるように、左右方向Xに並んでいる。また、上下方向Yから見て、ガイド孔33A、33Bは、左右方向Xにおいて第1小ピン孔34Aと第2小ピン孔34Bとの間に位置している。ただし、ガイド孔凹部36A、36Bは、左右方向Xにおける第1小ピン孔34Aと第2小ピン孔34Bとの間に位置していなくてもよい。
【0021】
各光ファイバ10は、コアおよびクラッドを有する。図3の例に示すように、光ファイバ10の少なくとも一部はシース11によって被覆されていてもよい。シース11の材質としては、例えば樹脂を採用できる。なお、図3の例のように複数の光ファイバ10がシース11によって一括に被覆されていてもよいし、各光ファイバ10が複数のシース11によって独立に被覆されていてもよい。また、光ファイバ10には不図示のブーツが取り付けられていてもよい。各光ファイバ10は、接着剤等によって各ファイバ孔32の内部に固定されていてもよい。
【0022】
先述したように、本実施形態に係る光コネクタ1は一対のガイドピン20を備える。以降、本明細書では、一対のガイドピン20のうち右方に位置するガイドピン20を第1ガイドピン20Aと称し、左方に位置するガイドピン20を第2ガイドピン20Bと称する場合がある。第1ガイドピン20Aと第2ガイドピン20Bとを特に区別しない場合には、単にガイドピン20と称する場合がある。
【0023】
第1ガイドピン20Aは、第1ガイド孔33Aおよび第1ガイド孔凹部36Aに挿通される。同様に、第2ガイドピン20Bは、第2ガイド孔33Bおよび第2ガイド孔凹部36Bに挿通される。先述したテーパ面36aは、ガイドピン20A、20Bがガイド孔凹部36A、36Bに挿入された際に、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに誘導する。また、各ガイドピン20A、20Bの形状は、長手方向Zに垂直な断面において略円形状であり、その外径は長手方向Zにおいて略一定である。なお、「略円形状」「略一定」には、製造誤差を取り除けば「円形状」「一定」とみなせる場合も含まれる。一対のガイドピン20A、20Bの外径は、各々一対のガイド孔33A、33Bの内径よりも小さい。言い換えれば、一対のガイドピン20A、20Bと、一対のガイド孔33A、33Bとの間には、クリアランスが存在する。
【0024】
本実施形態に係るガイドピン20の後端部には、ガイドピン20からガイドピン20の径方向外側に向けて突出する突起20aが設けられている。
【0025】
ピンクランプ40は、フェルール30の基端30bに取り付けられる。本実施形態に係るピンクランプ40は、本体部41と、一対の保持孔42と、一対の小ピン43と、を有する。以降、本明細書では、一対の保持孔42のうち右方に位置する保持孔42を第1保持孔42Aと称し、左方に位置する保持孔42を第2保持孔42Bと称する場合がある。第1保持孔42Aと第2保持孔42Bとを特に区別しない場合には、単に保持孔42と称する場合がある。同様に、一対の小ピン43のうち右方に位置する小ピン43を第1小ピン43Aと称し、左方に位置する小ピン43を第2小ピン43Bと称する場合がある。第1小ピン43Aと第2小ピン43Bとを特に区別しない場合には、単に小ピン43と称する場合がある。なお、光コネクタ1は、ピンクランプ40をフェルール30の基端30bに取り付けるための不図示の取付機構を備えていてもよい。
【0026】
各保持孔42A、42Bは、本体部41の前面に開口し、後方に向けて延びている。第1保持孔42Aには、第1ガイドピン20Aの端部が挿入されている。第2保持孔42Bには、第2ガイドピン20Bの端部が挿入されている。ガイドピン20A、20Bが各々保持孔42A、42Bに挿入されていることにより、ガイドピン20A、20Bの端部(後端部)がピンクランプ40に保持される。
【0027】
また、各保持孔42A、42Bの内周面には、保持孔42A、42Bの径方向外側に向けて凹む凹部42aが形成されている。凹部42aには、ガイドピン20の突起20aが嵌合される。突起20aが凹部42aに嵌合されることにより、ガイドピン20がピンクランプ40から前方に向けて脱落することが抑制される。ただし、ガイドピン20には突起20aが設けられていなくてもよく、保持孔42には凹部42aが形成されていなくてもよい。
【0028】
なお、ガイドピン20の外周面とピンクランプ40の内周面との間には僅かなクリアランスが存在する。この構成により、ピンクランプ40がガイドピン20を保持している際においても、ガイドピン20のピンクランプ40に対する僅かな傾きが許容される。
【0029】
各小ピン43A、43Bは、本体部41の前面から前方に向けて突出している。また、各小ピン43A、43Bの形状は、長手方向Zに垂直な断面において略円形状であり、その外径は長手方向Zにおいて略一定である。なお、「略円形状」「略一定」には、製造誤差を取り除けば「円形状」「一定」とみなせる場合も含まれる。フェルール30の基端30bにピンクランプ40が取り付けられた際、第1小ピン43Aは、第1小ピン孔34Aに挿入される。同様に、第2小ピン43Bは、第2小ピン孔34Bに挿入される。
【0030】
また、本実施形態において、一対のガイド孔33、一対の小ピン孔34、一対のガイドピン20、および一対の小ピン43の各々は、左右方向Xにおけるフェルール30の中立面Mに関して略対称に配置されている(図3参照)。なお、「略対称」には、製造誤差を取り除けば当該各部材が中立面Mに関して対称に配置されているとみなせる場合も含まれる。
【0031】
本実施形態に係る一対のガイドピン20A、20Bは、第2方向において、一対のガイド孔33A、33Bに対して各々位置決めされている(付勢されている)。なお、本実施形態において、「第2方向」は左右方向Xに一致する。つまり、本実施形態に係る一対のガイドピン20A、20Bは、左右方向Xにおいて、一対のガイド孔33A、33Bに対して各々位置決め(付勢)されている。以下、左右方向Xにおいてガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに対し位置決め(付勢)する機構について説明する。
【0032】
図4Aおよび図4Bに示すように、本実施形態に係る第1ガイドピン20Aは、長手方向Z(+Zの向き)に対して左右方向X(-Xの向き)に傾いており、第1ガイド孔33Aに対して左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している。これにより、第1ガイドピン20Aは、当該2つの接点から、左右方向X成分が逆向きの抗力を受ける。言い換えれば、第1ガイドピン20Aが、当該2つの接点において、第1ガイド孔33Aに対して左右方向Xに付勢されている。当該付勢力により、第1ガイドピン20Aが第1ガイド孔33Aに対して左右方向Xに相対移動することが抑制される。つまり、第1ガイドピン20Aは、左右方向Xにおいて、第1ガイド孔33Aに対して位置決めされている。同様に、本実施形態に係る第2ガイドピン20Bは、長手方向Z(+Zの向き)に対して左右方向X(+Xの向き)に傾いており、第2ガイド孔33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している。これにより、第2ガイドピン20Bは、左右方向Xにおいて、第2ガイド孔33Bに対して位置決め(付勢)されている。なお、図4A以降の図においては、ガイド孔33、ガイド孔凹部36、および光ファイバ10は省略されている。
【0033】
また、図4Aおよび図4Bに示すように、本実施形態に係るピンクランプ40は、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している状態で、各ガイドピン20A、20Bの端部(後端部)を保持する。言い換えれば、ピンクランプ40がガイドピン20A、20Bを保持したままフェルール30に取り付けられることにより、各ガイドピン20A、20Bが長手方向Zに対して左右方向Xに傾いている姿勢が保たれる。すなわち、各ガイドピン20A、20Bは、各ガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している状態に保持される。ピンクランプ40が上記のように各ガイドピン20A、20Bの姿勢(状態)を保つことにより、各ガイドピン20A、20Bを各ガイド孔33A、33Bに対してより強固に位置決め(付勢)することができる。
【0034】
ピンクランプ40がフェルール30に取り付けられた際に、各ガイドピン20A、20Bが上記のように各ガイド孔33A、33Bに位置決め(付勢)された状態が保たれるよう、例えば以下に詳述する条件が満たされるように光コネクタ1に関する各寸法を定めてもよい。本明細書では、以降の説明を容易とするために、光コネクタ1に関する各寸法を次のように定義する(図5Aおよび図5B参照)。
dGH:ガイド孔33A、33Bの内径
zGH:ガイド孔33A、33Bの長手方向Zにおける寸法
pGH:ガイド孔33A、33Bの左右方向Xにおけるピッチ
dGP:ガイドピン20A、20Bの外径
pGP:ガイドピン20A、20Bの左右方向Xにおけるピッチ
zFR:フェルール30の長手方向Zにおける寸法(長手方向Zにおける接続端30aと基端30bとの間の距離)
【0035】
なお、「ガイド孔33A、33Bの左右方向Xにおけるピッチ」とは、第1ガイド孔33Aの中心軸線と第2ガイド孔33Bの中心軸線との間の左右方向Xにおける距離を意味する。「ガイドピン20A、20Bの左右方向Xにおけるピッチ」とは、ピンクランプ40がフェルール30に取り付けられる前における、第1ガイドピン20Aの中心軸線と第2ガイドピン20Bの中心軸線との間の左右方向Xにおける距離を意味する。言い換えれば、「ガイドピン20A、20Bの左右方向Xにおけるピッチ」は、第1保持孔42Aの中心軸線と第2保持孔42Bの中心軸線との間の左右方向Xにおける距離とも捉えられる。また、寸法zGHは、より詳しくは、ガイド孔33A、33Bの上下方向Yにおける中央位置におけるガイド孔33A、33Bの長手方向Zにおける寸法(長さ)と定義される。同様に、寸法zFRは、より詳しくは、ガイド孔33A、33Bの上下方向Yにおける中央位置におけるフェルール30の長手方向Zにおける寸法(長さ)と定義される。
【0036】
各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して傾斜し、左右方向Xにおける異なる2点で接した状態で保持されるよう、以下に示す数式(1)、(2)で示される条件aおよびbが満たされるようにΔ1およびΔ2を設計してもよい。
【0037】
【数1】
【0038】
ここで、Δ1は、接続端面31における第1ガイドピン20Aの中心軸線(以下、第1中心軸線CL1)の位置と、基端30bにおける第1中心軸線CL1の位置との、左右方向Xにおけるずれの大きさである(図4A参照)。Δ2は、接続端面31における第2ガイドピン20Bの中心軸線(以下、第2中心軸線CL2)の位置と、基端30bにおける第2中心軸線CL2の位置との、左右方向Xにおけるずれの大きさである(図4A参照)。ここで、上記数式(1)で表される条件aは、以下の数式(3)~(6)に置き換えることもできる。
【0039】
【数2】
【0040】
上記の数式において、角度θは、第1ガイドピン20A(第1中心軸線CL1)と長手方向Zとがなす角である。上記数式(3)が満たされれば、図4Aに示すように、第1ガイドピン20Aの-X側が第1ガイド孔33Aの先端に接触し、第1ガイドピン20Aの+X側が第1ガイド孔33Aの後端に接触する。つまり、第1ガイドピン20Aは第1ガイド孔33Aに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいて第1ガイド孔33Aに対して位置決め(付勢)される。ここで、角度θは、上記数式(4)で示すように、図4Bに示す角度θ2と角度θ1との差で表される。また、図4Bからわかるように、角度θ1、θ2は各々上記数式(5)、(6)で表される。以上説明した数式(4)~(6)を数式(3)に代入することにより、上記数式(1)で表される条件aが導かれる。また、上記数式(2)で表される条件bも、上記と同様の考察を第2ガイドピン20Bおよび第2ガイド孔33Bに適用することによって導かれる。
【0041】
一例として、寸法dGPの値は、寸法誤差等を含め、0.6984~0.6986mm程度である。同様に、寸法dGHの値は、例えば0.6990~0.7000mm程度である。寸法zGHの値は、例えば1.9~2.1mm程度である。寸法zFRの値は、例えば8.2mm程度である。これらの例においては、寸法誤差等を含め、角度θの値は0.01°~0.05°程度となり、zFR×tanθの値は、0.001~0.007mm程度となる。したがって、これらの例においては、Δ1およびΔ2が0.007mm以上となるよう、ガイドピン20、フェルール30、およびピンクランプ40を設計することが望ましい。
【0042】
また、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して傾斜し、左右方向Xにおける異なる2点で接した状態で保持されるよう、以下に示す条件hが満たされるように各寸法を設計してもよい。
h:pGH+dGH≦pGP+dGP
【0043】
ここで、上記条件hにおける左辺は、左右方向Xにおけるガイド孔33A、33Bの外側同士の間の距離L1である(図5A参照)。言い換えれば、距離L1は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの+X側と第2ガイド孔33Bの-X側との間の距離である。一方、条件hにおける右辺は、左右方向Xにおけるガイドピン20A、20Bの外側同士の間の距離L2である(図5B参照)。言い換えれば、距離L2は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの+X側と第2ガイドピン20Bの-X側との間の距離である。つまり、条件hは、「左右方向Xにおけるガイド孔33A、33Bの外側同士の間の距離L1」が、「左右方向Xにおけるガイドピン20A、20Bの外側同士の間の距離L2」以下であることを表している。条件hが満たされれば、図4Aおよび図4Bに示すように、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0044】
あるいは、上記した条件hに代えて、以下に示す条件gが満たされるように各寸法を設計してもよい。
g:pGH-dGH≧pGP-dGP
【0045】
ここで、上記条件gにおける左辺は、左右方向Xにおけるガイド孔33A、33Bの内側同士の間の距離L3である(図5A参照)。言い換えれば、距離L3は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの-X側と第2ガイド孔33Bの+X側との間の距離である。一方、条件gにおける右辺は、左右方向Xにおけるガイドピン20A、20Bの内側同士の間の距離L4である(図5B参照)。言い換えれば、距離L4は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの-X側と第2ガイドピン20Bの+X側との間の距離である。つまり、条件gは、「左右方向Xにおけるガイド孔33A、33Bの内側同士の間の距離L3」が、「左右方向Xにおけるガイドピン20A、20Bの内側同士の間の距離L2」以上であることを表している。条件gが満たされれば、図6Aおよび図6Bに示すように、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0046】
また、小ピン43A、43Bを小ピン孔34A、34Bに挿入することで、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに位置決め(付勢)された状態が保たれるよう、例えば以下に詳述する条件が満たされるように光コネクタ1に関する各寸法を定めてもよい。本明細書では、以降の説明を容易とするために、小ピン43および小ピン孔34に関する各寸法を次のように定義する(図4Aおよび図4B参照)。
dSH:小ピン孔34A、34Bの内径
pSH:小ピン孔34A、34Bの左右方向Xにおけるピッチ
dSP:小ピン43A、43Bの外径
pSP:小ピン43A、43Bの左右方向Xにおけるピッチ
【0047】
なお、「小ピン孔34A、34Bの左右方向Xにおけるピッチ」とは、第1小ピン孔34Aの中心軸線と第2小ピン孔34Bの中心軸線との間の左右方向Xにおける距離を意味する。「小ピン43A、43Bの左右方向Xにおけるピッチ」とは、第1小ピン43Aの中心軸線と第2小ピン43Bの中心軸線との間の左右方向Xにおける距離を意味する。
【0048】
各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して傾斜し、左右方向Xにおける異なる2点で接した状態で保持されるよう、以下に示す条件cが満たされるように各寸法を設計してもよい。
c:(pSH-pGH-dSH-dGH)/2≧(pSP-pGP-dSP-dGP)/2
【0049】
ここで、上記条件cにおける左辺は、左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの外側と各小ピン孔34A、34Bの内側との間の距離L5(図5A参照)である。言い換えれば、距離L5は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの+X側と第1小ピン孔34Aの-X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイド孔33Bの-X側と第2小ピン孔34Bの+X側との間の距離である。一方、条件cにおける右辺は、左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの外側と各小ピン43A、43Bの内側との間の距離L6(図5B参照)である。言い換えれば、距離L6は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの+X側と第1小ピン43Aの-X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイドピン20Bの-X側と第2小ピン43Bの+X側との間の距離である。つまり、条件cは、「左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの外側と各小ピン孔34A、34Bの内側との間の距離L5」が、「左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの外側と各小ピン43A、43Bの内側との間の距離L6」以上であることを表している。条件cが満たされれば、図4Aおよび図4Bに示すように、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0050】
あるいは、上記した条件cに代えて、以下に示す条件dが満たされるように各寸法を設計してもよい。
d:(pSH-pGH+dSH+dGH)/2≦(pSP-pGP+dSP+dGP)/2
【0051】
ここで、上記条件dにおける左辺は、左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの内側と各小ピン孔34A、34Bの外側との間の距離L7(図5A参照)である。言い換えれば、距離L7は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの-X側と第1小ピン孔34Aの+X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイド孔33Bの+X側と第2小ピン孔34Bの-X側との間の距離である。一方、条件dにおける右辺は、左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの内側と各小ピン43A、43Bの外側との間の距離L8(図5B参照)である。言い換えれば、距離L8は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの-X側と第1小ピン43Aの+X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイドピン20Bの+X側と第2小ピン43Bの-X側との間の距離である。つまり、条件dは、「左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの内側と各小ピン孔34A、34Bの外側との間の距離L7」が、「左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの内側と各小ピン43A、43Bの外側との間の距離L8」以下であることを表している。条件dが満たされれば、図6Aおよび図6Bに示すように、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0052】
以上をまとめると、条件aかつb、条件c、条件d、条件g、および条件hのうち少なくとも1つを満たすように光コネクタ1に関する各寸法を設計することで、ガイドピン20A、20Bを左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)することができる。なお、ガイドピン20A、20Bを左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)可能であれば、上記各条件は満たされなくてもよい。
【0053】
次に、以上のように構成された光コネクタ1の作用について説明する。
【0054】
従来、ガイドピンを有する光コネクタが知られている。ガイドピンの外径がガイド孔の内径よりも小さい場合、ガイドピンとガイド孔の間にはクリアランスが生じる。このようなクリアランスがある場合、例えばコネクタ同士の接続とその解除を繰り返すうちに、ガイドピンがガイド孔の内部で動き、フェルールに対するガイドピンの相対位置や傾きが変化する可能性がある。このようなガイドピンの相対位置および傾きの変化は、光ファイバ同士の接続を不安定にし、接続損失の増大をもたらす可能性がある。
【0055】
これに対し、本実施形態に係る光コネクタ1においては、フェルール30の接続端面31が長手方向Zと非垂直となるよう上下方向Yに傾斜している。この構成によれば、図7Aに示すように、光コネクタ1を他の光コネクタ1Aと接続した際、光コネクタ1の接続端面31と他の光コネクタ1Aの接続端面Sとが、上下方向Yおいて互いに逆向きに摺動する。その結果、光コネクタ1が有するガイドピン20が、光コネクタ1のガイド孔33の内周面および他の光コネクタ1Aのガイド孔Gの内周面に当接する。これにより、ガイドピン20が、ガイド孔33(およびガイド孔G)に対して、上下方向Yにおいて位置決めされる。
【0056】
また、本実施形態に係る光コネクタ1においては、上記に加えて、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xに位置決め(付勢)されている。これにより、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して上下方向Yおよび左右方向Xの双方において位置決めされる。したがって、ガイドピン20A、20Bがガイド孔33A、33Bの内部において動くことが抑制され、光ファイバ同士の接続の安定性を高めることができる。つまり、接続損失を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態に係る光コネクタ1においては、各ガイドピン20A、20Bが長手方向Zに対して左右方向Xに傾斜している。このため、図7Bに示すように、光コネクタ1を他の光コネクタ1Aに接続した際、各ガイドピン20A、20Bが他の光コネクタ1Aのガイド孔Gに当接する。より具体的には、各ガイドピン20A、20Bが、他の光コネクタ1Aのガイド孔Gに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で当接する。これにより、各ガイドピン20A、20Bが他の光コネクタ1Aのガイド孔Gに対して位置決め(付勢)され、より確実に光ファイバ同士の接続の安定性を高め、接続損失を抑制することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る光コネクタ1は、光ファイバ10と、接続端面31が設けられた接続端30aおよび接続端30aとは反対側に位置する基端30bを有し、接続端面31に、光ファイバ10が挿通されるファイバ孔32と、一対のガイド孔33と、が形成されたフェルール30と、一対のガイド孔33に挿通される一対のガイドピン20と、を備え、接続端面31は、上下方向Y(第1方向)に向けて傾いており、各ガイドピン20A、20Bの外径は各ガイド孔33A、33Bの内径よりも小さく、左右方向X(第2方向)において、各ガイドピン20A、20Bは各ガイド孔33A、33Bに対して付勢されている。
【0059】
この構成により、各ガイドピン20A、20Bが、各ガイド孔33A、33Bに対して上下方向Y(第1方向)および左右方向X(第2方向)の双方において位置決めされる。したがって、ガイドピン20A、20Bがガイド孔33A、33Bの内部において動くことが抑制され、接続損失を抑制することができる。
【0060】
また、第1ガイドピン20Aが長手方向Zに対して左右方向Xに傾いていることで、第1ガイドピン20Aが第1ガイド孔33Aに対し左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接し、左右方向Xにおいて第1ガイドピン20Aは第1ガイド孔33Aに対して付勢されており、第2ガイドピン20Bが長手方向Zに対して左右方向Xに傾いていることで、第2ガイドピン20Bが第2ガイド孔33Bに対し左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接し、左右方向Xにおいて第2ガイドピン20Bは第2ガイド孔33Bに対して付勢されている。この構成により、ガイドピン20A、20Bがガイド孔33A、33Bの内部において動くことをより確実に抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る光コネクタ1において、上記条件aおよびbが成立してもよい。この構成によれば、左右方向Xにおいて、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに対してより確実に位置決め(付勢)することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る光コネクタ1は、フェルール30の基端30bに取り付けられるピンクランプ40をさらに備え、ピンクランプ40は、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対し左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している状態で、各ガイド孔33A、33Bの端部を保持する。この構成により、ピンクランプ40をフェルール30に取り付けることで、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに対してより確実に位置決め(付勢)することができる。
【0063】
また、フェルール30には、基端30bから接続端30aに向けて凹む一対の小ピン孔34が形成されており、ピンクランプ40は、フェルール30の基端30bに向けて突出して一対の小ピン孔34に挿入される一対の小ピン43を有し、一対の小ピン43が一対の小ピン孔34に挿入されることにより、ピンクランプ40は、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対し左右方向Xにおける位置の異なる少なくとも2点で接している状態を保つ。この構成により、小ピン43A、43Bを小ピン孔34A、34Bに挿入することで、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに対してより確実に位置決め(付勢)することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る光コネクタ1において、上記条件cまたはdが成立してもよい。この構成により、小ピン43A、43Bを用いたガイドピン20A、20Bの位置決め(付勢)をより確実に行うことができる。
【0065】
また、本実施形態に係る光コネクタ1において、上記条件gまたはhが成立してもよい。この構成により、ピンクランプ40を用いたガイドピン20A、20Bの位置決め(付勢)をより確実に行うことができる。
【0066】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る小ピン孔34A、34Bは、上下方向Yから見て、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aと第2ガイド孔33Bとの間に位置している。
【0067】
ここで、本実施形態に係る光コネクタ2においても、前記実施形態と同様に、一対のガイドピン20A、20Bは、左右方向Xにおいて、一対のガイド孔33A、33Bに対して各々位置決め(付勢)されている。各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して傾斜し、左右方向Xにおける異なる2点で接した状態で保持されるように、例えば前記実施形態と同様の条件が満たされてもよい。すなわち、上記条件aおよびbが満たされるように、Δ1およびΔ2を設計してもよい。また、上記条件gまたはhが満たされるように、光コネクタ2に関する各寸法を設計してもよい。
【0068】
一方、本実施形態に係る光コネクタ2においては、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して傾斜し、左右方向Xにおける異なる2点で接した状態で保持されるよう、以下に示す条件fが満たされるように各寸法を設計してもよい。
f:(pGH-pSH+dSH+dGH)/2≦(pGP-pSP+dSP+dGP)/2
【0069】
ここで、上記条件fにおける左辺は、左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの外側と各小ピン孔34A、34Bの内側との間の距離L9(図9A参照)である。言い換えれば、距離L9は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの+X側と第1小ピン孔34Aの-X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイド孔33Bの-X側と第2小ピン孔34Bの+X側との間の距離である。一方、条件fにおける右辺は、左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの外側と各小ピン43A、43Bの内側との間の距離L10(図9B参照)である。言い換えれば、距離L10は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの+X側と第1小ピン43Aの-X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイドピン20Bの-X側と第2小ピン43Bの+X側との間の距離である。つまり、条件fは、「左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの外側と各小ピン孔34A、34Bの内側との間の距離L9」が、「左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの外側と各小ピン43A、43Bの内側との間の距離L10」以下であることを表している。条件fが満たされれば、図8に示すように、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0070】
あるいは、上記した条件fに代えて、以下に示す条件eが満たされるように各寸法を設計してもよい。
e:(pGH-pSH-dSH-dGH)/2≧(pGP-pSP-dSP-dGP)/2
【0071】
ここで、上記条件eにおける左辺は、左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの内側と各小ピン孔34A、34Bの外側との間の距離L11(図9A参照)である。言い換えれば、距離L11は、左右方向Xにおける第1ガイド孔33Aの-X側と第1小ピン孔34Aの+X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイド孔33Bの+X側と第2小ピン孔34Bの-X側との間の距離である。一方、条件eにおける右辺は、左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの内側と各小ピン43A、43Bの外側との間の距離L12(図9B参照)である。言い換えれば、距離L12は、左右方向Xにおける第1ガイドピン20Aの-X側と第1小ピン43Aの+X側との間の距離、および、左右方向Xにおける第2ガイドピン20Bの+X側と第2小ピン43Bの-X側との間の距離である。つまり、条件eは、「左右方向Xにおける各ガイド孔33A、33Bの内側と各小ピン孔34A、34Bの外側との間の距離L11」が、「左右方向Xにおける各ガイドピン20A、20Bの内側と各小ピン43A、43Bの外側との間の距離L12」以上であることを表している。条件dが満たされれば、図10に示すように、ガイドピン20A、20Bの外側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの内側がガイド孔33A、33Bの後端に接触する。つまり、ガイドピン20A、20Bはガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおける位置の異なる2点で接触し、左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)される。
【0072】
以上をまとめると、条件aかつb、条件e、条件f、条件g、および条件hのうち少なくとも1つを満たすように光コネクタ2に関する各寸法を設計することで、ガイドピン20A、20Bを左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)することができる。なお、ガイドピン20A、20Bを左右方向Xにおいてガイド孔33A、33Bに対して位置決め(付勢)可能であれば、上記各条件は満たされなくてもよい。
【0073】
以上説明したように、本実施形態に係る光コネクタ2は、第1実施形態に係る光コネクタ1と同様に、各ガイドピン20A、20Bが、各ガイド孔33A、33Bに対して上下方向Y(第1方向)および左右方向X(第2方向)の双方において位置決めされる。したがって、ガイドピン20A、20Bがガイド孔33A、33Bの内部において動くことが抑制され、接続損失を抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る光コネクタ1において、上記条件eまたはfが成立してもよい。この構成により、小ピン43A、43Bを用いたガイドピン20A、20Bの位置決め(付勢)をより確実に行うことができる。
【0075】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0076】
例えば、一対のガイド孔33、一対の小ピン孔34、一対のガイドピン20、および一対の小ピン43の各々は、左右方向Xにおけるフェルール30の中立面Mに関して略対称に配置されていなくてもよい。一例として、図11Aおよび図11Bに示す光コネクタ3のように、左右方向Xにおける中立面Mから第1小ピン43Aまでの距離L13を、左右方向Xにおける中立面Mから第2小ピン43Bまでの距離L14よりも大きくしてもよい。この場合、ガイドピン20A、20Bの-X側がガイド孔33A、33Bの先端に接触し、ガイドピン20A、20Bの+X側がガイド孔33A、33Bの後端に接触するように、光コネクタ3に関する各寸法を設計してもよい。また、当該設計にあたっては、例えば上記した条件aおよびbが満たされるようにしてもよい。なお、距離L13を距離L14よりも小さくしてもよい。
【0077】
また、ガイド孔33A、33Bの位置とファイバ孔32の位置とは、上下方向Yにおいて同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1ガイド孔33Aの位置と第2ガイド孔33Bの位置とは、上下方向Yにおいて同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0078】
同様に、小ピン孔34A、34Bの位置とファイバ孔32の位置とは、上下方向Yにおいて同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1小ピン孔34Aの位置と第2小ピン孔34Bの位置とは、上下方向Yにおいて同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0079】
また、光ファイバ10およびファイバ孔32の数は1つ以上であればいくつであってもよい。
【0080】
また、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに位置決め(付勢)可能であれば、ピンクランプ40は小ピン43を有していなくてもよい。例えば、条件gまたはhが満たされる設計を採用する場合には、ピンクランプ40は小ピン43を有していなくてもよい。
【0081】
また、ガイドピン20A、20Bをガイド孔33A、33Bに位置決め(付勢)可能であれば、光コネクタ1~3はピンクランプ40を有していなくてもよい。この場合、例えば、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対し接着剤等によって接着されることで、各ガイドピン20A、20Bが各ガイド孔33A、33Bに対して左右方向Xにおいて位置決め(付勢)された状態が保たれていてもよい。
【0082】
また、第1実施形態に係る光コネクタ1において、第1ガイド孔33Aの位置と第2ガイド孔33Bの位置とは、上下方向Yにおいて異なっていれば、左右方向Xにおいて異なっていなくてもよい。第2実施形態に係る光コネクタ1において、第1小ピン孔34Aの位置と第2小ピン孔34Bの位置とは、上下方向Yにおいて異なっていれば、左右方向Xにおいて異なっていなくてもよい。
【0083】
また、接続端面31が傾斜する「第1方向」は上下方向Yと一致しなくてもよい。同様に、ガイドピン20A、20Bが位置決め(付勢)される「第2方向」は左右方向Xと一致しなくてもよい。より具体的には、「第1方向」は、長手方向Zに直交していれば適宜変更可能である。同様に、「第2方向」は、「第1方向」と平行でなく、かつ、長手方向Zに直交していれば適宜変更可能である。例えば、「第1方向」と「第2方向」とは互いに直交していなくてもよい。
【0084】
また、ガイドピン20、ガイド孔33、小ピン孔34、および小ピン43の各形状は、長手方向Zに垂直な断面において円形でなくてもよい。この場合、上記した各寸法dGH、dGP、dSH、dSP等は、左右方向X(第2方向)における寸法として定義される。また、ガイドピン20とガイド孔33との間には、少なくとも左右方向X(第2方向)においてクリアランスが存在すればよい。言い換えれば、少なくとも左右方向X(第2方向)において、ガイドピン20の寸法がガイド孔33の寸法よりも小さければよい。例えば、上下方向Y(第1方向)において、ガイドピン20の寸法はガイド孔33の寸法よりも小さくなくてもよい。
【0085】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1~3…光コネクタ 10…光ファイバ 20…ガイドピン 30…フェルール 30a…接続端 30b…基端 31…接続端面 32…ファイバ孔 33…ガイド孔 33A…第1ガイド孔 33B…第2ガイド孔 34…小ピン孔 34A…第1小ピン孔 34B…第2小ピン孔 40…ピンクランプ 41…本体部 43…小ピン 43A…第1小ピン 43B…第2小ピン X…左右方向(第2方向) Y…上下方向(第1方向) Z…長手方向
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B