IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特開-官能試験受託分析方法 図1
  • 特開-官能試験受託分析方法 図2
  • 特開-官能試験受託分析方法 図3
  • 特開-官能試験受託分析方法 図4
  • 特開-官能試験受託分析方法 図5
  • 特開-官能試験受託分析方法 図6
  • 特開-官能試験受託分析方法 図7
  • 特開-官能試験受託分析方法 図8
  • 特開-官能試験受託分析方法 図9
  • 特開-官能試験受託分析方法 図10
  • 特開-官能試験受託分析方法 図11
  • 特開-官能試験受託分析方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119759
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】官能試験受託分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022784
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 恵子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】顧客と、システム管理会社と、受託分析会社との間において効率的な情報のやりとりを実行可能な官能試験受託分析方法を提供する。
【解決手段】第2装置は、第1装置から送信される試料を特定する情報を受信するステップと、試料を特定する情報と、試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、官能評価項目に対応する分析項目と、識別情報と、を第3装置へ送信するステップと、試料の分析項目に対応する分析結果と識別情報と、を第3装置から受信するステップと、試料について作成された官能結果を登録するステップと、分析結果および官能結果を第1装置へ送信するステップと、を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が利用可能な第1装置と、システム管理会社が利用可能な第2装置と、試料を分析するための分析機器を有する受託分析会社が利用可能な第3装置と、の間で行なわれる官能試験受託分析方法であって、
前記第2装置は、
前記第1装置から送信される前記試料を特定する情報を受信するステップと、
前記試料を特定する情報と、前記試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、
前記試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、
前記官能評価項目に対応する分析項目と、前記識別情報と、を前記第3装置へ送信するステップと、
前記試料の前記分析項目に対応する分析結果と前記識別情報と、を前記第3装置から受信するステップと、
前記試料について作成された官能結果を登録するステップと、
前記分析結果および前記官能結果を前記第1装置へ送信するステップと、を実行する、官能試験受託分析方法。
【請求項2】
前記官能評価項目は、標準官能評価項目の中から選択される項目であり、
前記標準官能評価項目には、1または複数の前記分析項目が対応付けられており、
前記第2装置は、
前記標準官能評価項目と、前記標準官能評価項目に対応する1または複数の前記分析項目と、を対応付けて記憶するデータベースを有し、
前記データベースを用いて前記官能評価項目に対応する前記分析項目を設定するステップを実行する、請求項1に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項3】
官能試験を行なう官能試験会社が利用可能な第4装置をさらに備え、
前記第2装置は、
前記第4装置に対して前記識別情報と、前記官能評価項目に対応する官能試験項目を送信するステップと、
前記第4装置から送信される前記官能結果を受信するステップと、を実行する、請求項1または請求項2に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項4】
前記第2装置は、前記官能評価項目に対応する前記官能結果を作成する、請求項1に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項5】
前記第2装置は、機械学習装置と、過去の前記分析結果を学習用データとして記憶する記憶装置と、を含み、
前記機械学習装置は、前記学習用データを用いて、前記官能結果を作成するステップを実行し、
前記第2装置は、作成された前記官能結果を前記第1装置へ送信するステップを実行する、請求項1に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項6】
前記第2装置は、
前記分析結果に対し前記受託分析会社へ支払う金額である支払金額を計算するステップと、
前記支払金額に基づいて前記顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する、請求項1または請求項2に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項7】
前記第2装置は、
前記分析結果に対し前記受託分析会社へ支払う金額である支払金額を前記第3装置から受信ステップと、
前記支払金額に基づいて前記顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する、請求項1または請求項2に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項8】
前記第2装置は、
前記分析結果に対し前記受託分析会社へ支払う金額である第1支払金額を計算するステップと、
前記官能結果に対し前記官能試験会社へ支払う金額である第2支払金額を計算するステップと、
前記第1支払金額および前記第2支払金額に基づいて前記顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する、請求項3に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項9】
前記第2装置は、
前記分析結果に対し前記受託分析会社へ支払う金額である第1支払金額を前記第3装置から受信するステップと、
前記官能結果に対し前記官能試験会社へ支払う金額である第2支払金額を前記第4装置から受信するステップと、
前記第1支払金額および前記第2支払金額に基づいて前記顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する、請求項3に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項10】
前記第2装置は、
前記分析結果と前記官能結果とに基づいて、前記分析結果と前記官能結果との関係を示す検討結果を作成するステップと、
前記検討結果を前記第1装置へ送信するステップと、を実行する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の官能試験受託分析方法。
【請求項11】
顧客が利用可能な第1装置と、システム管理会社が利用可能な第2装置と、試料を分析するための分析機器を有する受託分析会社が利用可能な第3装置と、の間で行なわれる官能試験受託分析方法であって、
前記第2装置は、
前記試料を特定する情報と、前記試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、
前記試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、
前記試料について作成された官能結果を登録するステップと、を実行する、官能試験受託分析方法。
【請求項12】
前記顧客は、前記識別情報が付与された前記試料を前記システム管理会社へ送付する、請求項11に記載の官能試験受託分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、官能試験受託分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているように、被験者から採取された検体を窓口会社に送付し、送付された検体を管理会社に転送し、検体の検査種類により管理会社から各検査会社へ検体を送付する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-117365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている方法は、被験者、窓口会社、管理会社、および検査会社の間で検体と検体に関する各種の情報をやりとりする方法であるが、処理が複雑であった。また、特許文献1に開示されている方法は、食品試料を扱う分野における方法ではなかった。食品試料を扱う分野では、顧客が食品試料の分析依頼をする場合、分析項目と食品試料とを受託分析会社へ送付し、受託分析会社は分析結果を返し、顧客が代金を支払うという処理の流れである。顧客が食品試料の官能試験依頼をする場合、官能試験項目と食品試料を官能試験会社へ送付し、官能試験会社は官能結果を顧客へ返し、顧客が代金を支払うという処理の流れである。
【0005】
官能試験の裏付けが必要な場合は、別途専門家の存在する機関に依頼して分析結果と官能結果とから検討結果を得て、顧客が代金を支払うという処理の流れである。このように、食品試料を扱う分野では、手続きが煩雑であり、食品試料の分析結果および食品試料の官能結果の情報のやりとりに関し、効率的なやりとりの方法が求められていた。
【0006】
本開示は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、顧客と、システム管理会社と、受託分析会社との間において効率的な情報のやりとりを実行可能な官能試験受託分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、顧客が利用可能な第1装置と、システム管理会社が利用可能な第2装置と、試料を分析するための分析機器を有する受託分析会社が利用可能な第3装置と、の間で行なわれる官能試験受託分析方法に関する。第2装置は、第1装置から送信される試料を特定する情報を受信するステップと、試料を特定する情報と、試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、官能評価項目に対応する分析項目と、識別情報と、を第3装置へ送信するステップと、試料の分析項目に対応する分析結果と識別情報と、を第3装置から受信するステップと、試料について作成された官能結果を登録するステップと、分析結果および官能結果を第1装置へ送信するステップと、を実行する。
【0008】
本開示によれば、顧客と、システム管理会社と、受託分析会社との間において効率的に情報をやりとり可能な官能試験受託分析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る分析システムの全体構成を示す図である。
図2】実施の形態1に係る分析システムの流れを説明するための図である。
図3】実施の形態1に係る分析システムの各装置の構成を示す図である。
図4】実施の形態1に係る分析システムのシーケンス図である。
図5】標準官能評価項目と分析項目との関係を示す図である。
図6】IDに対応付けられている情報を示す図である。
図7】食品試料における官能結果および分析結果を示す図である。
図8】実施の形態2に係る分析システムの各装置の構成を示す図である。
図9】学習フェーズにおける推定モデルの学習を説明するための図である。
図10】運用フェーズにおける分析システムの構成を示す図である。
図11】実施の形態3に係る分析システムの流れを説明するための図である。
図12】実施の形態3に係る分析システムのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さない。
<実施の形態1>
図1から図4を参照しながら実施の形態1に係る分析システム1000における官能試験受託分析方法について説明する。図1は、実施の形態1に係る分析システム1000の全体構成を示す図である。図2は、実施の形態1に係る分析システム1000の流れを説明するための図である。図3は、実施の形態1に係る分析システム1000の各装置の構成を示す図である。図4は、実施の形態1に係る分析システム1000のシーケンス図である。
【0011】
図1に示すように、分析システム1000においては、顧客100と、システム管理会社200と、受託分析会社300とが備える各装置がネットワーク5を介して接続されている。顧客100は、食品試料の分析を依頼する立場であり、例えば、1からNである。システム管理会社200は、分析システム1000の全体を管理する立場であり、例えば、1つである。受託分析会社300は、食品試料を分析する立場であり、例えば、1からMである。受託分析会社300は、1つであってもよい。
【0012】
図2を用いて、顧客100、システム管理会社200、および受託分析会社300の間における分析システム1000の流れを説明する。顧客100は、システム管理会社200に対して食品試料の分析依頼をする。システム管理会社200は、分析依頼に基づき分析機器を有する受託分析会社300を決定し、顧客100へ決定した受託分析会社300を通知する。顧客100は、決定した受託分析会社300に対して食品試料を送付する。
【0013】
システム管理会社200は、受託分析会社300へ分析依頼をする。受託分析会社300は、分析機器を用いて食品試料の分析を行なう。受託分析会社300は、分析結果をシステム管理会社200へ通知する。システム管理会社200は、所属する官能評価者に食品試料の官能試験を行なわせる。官能試験とは、人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて製品の品質を判定する試験をいい、食品、香料、工業製品などについて用いられる試験である。
【0014】
システム管理会社200は、分析結果、官能結果、および、分析結果と官能結果とに基づいて作成される検討結果を顧客100へ通知する。システム管理会社200は、受託分析会社300に対して分析依頼に対する金額を支払う。顧客100は、システム管理会社200に対して分析依頼に対する金額を支払う。
【0015】
図3を参照して、分析システム1000に用いられる各種装置の構成を説明する。分析システム1000は、顧客100が備える第1装置1と、システム管理会社200が備える第2装置2と、受託分析会社300が備える第3装置3と、がネットワーク5を介して接続されている。
【0016】
第1装置1、第2装置2、および第3装置3は、汎用的なコンピュータアーキテクチャに従って構成される。本実施の形態において、第1装置1、第2装置2、および第3装置3は、デスクトップ型コンピュータにより構成される。第1装置1、第2装置2、および第3装置3は、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォンなどの携帯端末等のデスクトップ型コンピュータ以外の装置であってもよい。
【0017】
第1装置1は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力インターフェイス13と、通信インターフェイス14と、ストレージ15と、を備える。これらのコンポーネントは、バスを介して接続されている。
【0018】
プロセッサ11は、各種のプログラムに従って各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。プロセッサ11は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、およびMPU(Multi Processing Unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成されている。なお、プロセッサ11は、演算回路(Processing Circuitry)で構成されてもよい。プロセッサ11は、ストレージ15に記憶されたプログラムを読み出して、メインメモリ12に展開して実行する処理等を行なう。
【0019】
メインメモリ12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性装置で構成されている。
【0020】
入出力インターフェイス13は、ボタン、タッチパネルなどのユーザによる入力信号、液晶ディスプレイなどの表示装置への出力信号を各機器に伝達する。
【0021】
通信インターフェイス14は、有線接続または無線接続によって、他の装置との間でデータ(情報)を送受信する。本実施の形態においては、通信インターフェイス14は、ネットワーク5を介した無線通信によって、第2装置2の通信インターフェイス24との間でデータ(情報)を送受信する。
【0022】
ストレージ15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置などで構成される。ストレージ15には、食品試料の官能試験の官能評価項目等を含む試料を特定する情報としての分析情報151などが記憶される。
【0023】
第2装置2は、プロセッサ21と、メインメモリ22と、入出力インターフェイス23と、通信インターフェイス24と、ストレージ25と、を備える。これらのコンポーネントは、バスを介して接続されている。
【0024】
第2装置2におけるプロセッサ21、メインメモリ22、入出力インターフェイス23、通信インターフェイス24、ストレージ25の構成は、第1装置1におけるプロセッサ11、メインメモリ12、入出力インターフェイス13、通信インターフェイス14、ストレージ15の構成と同様である。
【0025】
ストレージ25には、顧客情報251、標準官能評価項目情報252、官能評価項目情報253、分析項目情報254、受託分析会社情報255、ID情報256、官能結果情報257、分析結果情報258、検討結果情報259、および金額情報260などが記憶される。
【0026】
顧客情報251は、顧客100に関する情報である。標準官能評価項目情報252は、特定の食品試料毎に予め定められる標準的な官能評価項目に関する情報である。官能評価項目情報253は、例えば甘さや酸っぱさなどの味覚情報および嗅覚情報などが含まれる。分析項目情報254は、第1装置1から送信される食品試料の分析項目に関する情報である。受託分析会社情報255は、分析項目に基づいて決定される受託分析会社300に関する情報である。
【0027】
ID情報256は、顧客情報251に対応付けて付される顧客を識別するための情報である。官能結果情報257は、官能試験の結果に関する情報である。分析結果情報258は、食品試料の分析結果に関する情報である。検討結果情報259は、官能結果情報257と分析結果情報258との関係を示す情報である。金額情報260は、受託分析会社300へ支払う支払金額と、顧客100に請求する請求金額とに関する情報である。
【0028】
第3装置3は、プロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力インターフェイス33と、通信インターフェイス34と、ストレージ35と、分析機器インターフェイス36と、を備える。これらのコンポーネントは、バスを介して接続されている。
【0029】
第3装置3におけるプロセッサ31、メインメモリ32、入出力インターフェイス33、通信インターフェイス34、およびストレージ35の構成は、第1装置1におけるプロセッサ11、メインメモリ12、入出力インターフェイス13、通信インターフェイス14、およびストレージ15の構成と同様である。
【0030】
分析機器インターフェイス36は、受託分析会社300が備えている食品試料を分析するための分析機器との間で情報の入出力を行なう。ストレージ35には、食品試料の分析結果に関する分析結果情報351などが記憶される。
【0031】
図4を用いて、顧客100の第1装置1と、システム管理会社200の第2装置2と、受託分析会社300の第3装置3との間における官能試験受託分析方法について説明する。図4の「SQ」は、シーケンスを意味する。
【0032】
SQ11において、第1装置1は、分析情報を第2装置2へ送信する。SQ12において、分析情報を受信した第2装置2は、分析情報に含まれる官能評価項目情報および官能評価項目情報から得られる分析項目情報とともに、顧客情報および受託分析会社情報を1つのID情報に対応付ける処理を実行する。なお、試料に関する官能評価項目情報は、システム管理会社200が取得し、第2装置2へ情報が入力されることにより、第2装置2へ登録されるようにしてもよい。また、分析項目情報は、第1装置1から第2装置2へ送信されるようにしてもよい。
【0033】
SQ13において、第2装置2は、ID情報と受託分析会社情報とを第1装置1へ送信する。なお、顧客100から試料を受け取らずに市販品等を分析する場合は、ID情報を第2装置2から第1装置1へ送信しなくともよい。SQ14において、第2装置2は、ID情報と分析項目情報とを第3装置3へ送信する。SQ15において、第3装置3は、受信した分析項目情報に基づいて、分析機器を用いて食品試料を分析する。その後、SQ15において、第3装置3は、分析結果情報を作成する。SQ16において、第3装置3は、ID情報と分析結果情報とを第2装置2へ送信する。顧客は、送信された受託分析会社情報に基づいて、顧客から受託分析会社へ試料を送るなどすればよい。
【0034】
SQ17において、第2装置2は、分析結果情報に基づいて受託分析会社300へ支払う金額である支払金額を計算する。SQ18において、第2装置2は、SQ17で計算した支払金額情報を第3装置3へ送信する。支払金額自体は、システム管理会社200から受託分析会社300の口座等へ別途送金されるようにすればよい。支払金額は、受託分析会社300の第3装置3で計算し、支払金額情報を第3装置3から第2装置2へ送信してもよい。
【0035】
SQ19において、第2装置2は、別途官能評価者から得た官能試験の結果を基に官能結果情報を作成する。SQ20において、第2装置2は、分析結果情報と官能結果情報とに基づいて検討結果情報を作成する。検討結果情報は、例えば、分析結果のグラフのピーク値とそのピーク値に対応する味との関係性を示すデータである。
【0036】
SQ21において、第2装置2は、顧客100へ請求する金額である請求金額を計算する。SQ22において、第2装置2は、ID情報、分析結果情報、官能結果情報、および検討結果情報を第1装置へ送信する。なお、顧客100から試料を受け取らずに市販品等を分析する場合は、ID情報を第2装置2から第1装置1へ送信しなくともよい。SQ23において、第2装置2は、SQ21で計算した請求金額情報を第1装置1へ送信する。請求金額自体は、顧客100からシステム管理会社200の口座等へ別途送金されるようにすればよい。
【0037】
図4に示すような官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社200の第2装置2は、顧客100の第1装置1と、受託分析会社300の第3装置との間で送受信される各情報を管理することができる。これにより、顧客100が受託分析会社300と直接情報のやりとりをする場合に比べ、システム管理会社200において一元的に情報を管理することで効率的に情報をやりとりすることができる。
【0038】
図5から図7を参照しながらストレージ15、25、35に記憶される情報について具体的に説明する。図5は、標準官能評価項目と分析項目との関係を示す図である。図6は、IDに対応付けられている情報を示す図である。図7は、食品試料における官能結果および分析結果を示す図である。
【0039】
図5に示すように、標準官能評価項目には、1または複数の分析項目が対応付けられている。例えば、標準官能評価項目「A1」に対しては、分析項目「A1-1」が、標準官能評価項目「A2」に対しては、分析項目「A2-1、A2-2」が、標準官能評価項目「A3」に対しては、分析項目「A3-1、A3-2」が、標準官能評価項目「A4」に対しては、分析項目「A4-1、A4-2、A4-3」が、標準官能評価項目「A5」に対しては、分析項目「A5-1、A5-2、A5-3」が、それぞれ対応付けられている。このように、第2装置2は、図5に示す標準官能評価項目と、標準官能評価項目に対応する1または複数の分析項目と、を対応付けて記憶するデータベースを有している。
【0040】
図6に示すように、第2装置2には、顧客を識別するためのIDに対して各種項目が対応付けられて記憶されている。官能評価項目欄の丸印は、各顧客が調べたい官能評価項目である。このように、顧客が調べたい官能評価項目は、標準官能評価項目の中から選択される項目である。官能評価項目欄の丸印の項目に対して、図5に示すように分析項目が対応付けられている。つまり、標準官能評価項目から官能評価項目を選択することにより、分析項目が設定されることとなる。
【0041】
図6に示すように、ID「1001」に対して、顧客情報「顧客A」、受託分析会社情報「分析会社A」、および官能評価項目「A1、B1」が対応付けられている。ID「1002」に対して、顧客情報「顧客B」、受託分析会社情報「分析会社A」、および官能評価項目「A2、B1」が対応付けられている。ID「1003」に対して、顧客情報「顧客C」、受託分析会社情報「分析会社B」、および官能評価項目「A3、B2」が対応付けられている。ID「1004」に対して、顧客情報「顧客D」、受託分析会社情報「分析会社B」、および官能評価項目「A4、B2」が対応付けられている。ID「1005」に対して、顧客情報「顧客E」、受託分析会社情報「分析会社C」、および官能評価項目「A5、B3」が対応付けられている。
【0042】
第2装置2は、顧客が調べたい官能評価項目に対応する分析項目を分析可能な分析機器を有する受託分析会社を複数の受託分析会社の中から選択する。第2装置2は、受託分析会社の選択時に各受託分析会社の混み具合等も考慮すればよい。第2装置2は、分析項目が多い場合、複数の分析機器を利用する必要がある場合などには、複数の受託分析会社を選択してもよい。
【0043】
図7では、食品資料として複数の日本酒が用いられた場合の官能結果と分析結果との具体例が示されている。日本酒の場合、例えば、官能評価者が官能試験を行なうことにより、官能評価項目の「香りの強さ」、「味の濃さ」、「味の甘辛」、および「熟度」を数値化する。官能評価項目に対応した分析項目として、「アルコール分」、「日本酒度」、「酸度」、「アミノ酸度」、「酢酸イソアミル」、「イソアミルアルコール」、「カプロン酸エチル」、「クエン酸」、「ピルビン酸」、「リンゴ酸」、「コハク酸」、「乳酸」、「酢酸」、および「グルコース」が分析機器により分析され数値化される。
【0044】
より具体的には、例えば、官能評価項目の「香りの強さ」に対して分析項目の「カプロン酸エチル」および「グルコース」の量が影響する。これらの量が多いと「香りの強さ」が強いと判断できる。
【0045】
第2装置2においては、図7に示す分析結果と官能結果とに基づいて、分析結果と官能結果との関係を示す検討結果を作成する。検討結果は、例えば、分析結果のクロマトグラムのあるピーク値が官能評価のある味の項目に対応することを示すデータである。
<実施の形態2>
図8から図10を参照しながら実施の形態2に係る分析システム2000における官能試験受託分析方法について説明する。図8は、実施の形態2に係る分析システム2000の各装置の構成を示す図である。図9は、学習フェーズにおける推定モデルの学習を説明するための図である。図10は、運用フェーズにおける分析システム2000の構成を示す図である。
【0046】
実施の形態2の分析システム2000は、実施の形態1の分析システム1000と比較し、官能結果情報257が推定モデル240と置き換わっている点が異なり、その他の基本構成は分析システム1000と同様である。以下では、推定モデル240の学習フェーズ、運用フェーズについて説明する。
【0047】
図9に示すように、学習フェーズは、分析結果を第2装置2へ提供する前に推定モデル240を学習させる事前学習フェーズである。推定モデル240は、学習装置51によって分析結果から官能結果を推定するように学習されている。
【0048】
推定モデル240を学習させるための学習アルゴリズムには、教師あり学習、教師なし学習、および強化学習などの公知のアルゴリズムを用いることができる。本実施の形態においては、学習装置51は、学習用データ40を用いた教師あり学習によって、推定モデル240を学習させる。
【0049】
学習用データ40は、推定モデル240の学習のために予め準備されており、分析結果と、分析結果に対応する官能結果とを含む。例えば、プログラムの設計者は、食品試料における過去の複数の分析結果と、分析結果に対応する官能結果(正解データ)とを関連付けて、学習用データ40とする。設計者は、このような学習用データ40を予め複数用意する。
【0050】
推定モデル240は、ニューラルネットワーク2401と、ニューラルネットワーク2401によって用いられるパラメータ2402とを含む。ニューラルネットワーク2401は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolution Neural Network)、リカレントニューラルネットワーク(再帰型ニューラルネットワーク)(RNN:Recurrent Neural Network)、またはLSTMネットワーク(Long Short Term Memory Network)など、ディープラーニングによる処理で用いられる公知のニューラルネットワークが適用される。
【0051】
推定モデル240は、上述したようなニューラルネットワーク2401を用いることで、ディープラーニングを行う。パラメータ2402は、ニューラルネットワーク2401による計算に用いられる重み付け係数などを含む。なお、推定モデル240は、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングによって学習するものに限らず、他の機械学習によって学習するものであってもよい。
【0052】
学習装置51は、学習用データ40のうち、分析結果の入力を受け付ける。学習装置51は、入力された分析結果と、ニューラルネットワーク2401を含む推定モデル240とに基づき、官能結果を推定するための処理を実行する。
【0053】
図10に示す運用フェーズは、分析結果を提供した後に推定モデル240を用いて官能結果を推定するフェーズである。図10に示されるように、第2装置2は、図9に示す学習装置51によって学習された推定モデル240をストレージ25に格納する。例えば、第2装置2は、学習装置51から推定モデル240を取得し、取得した推定モデル240をストレージ25に格納する。なお、学習装置51は、第2装置2であってもよく、上述した学習装置51の機能は、第2装置2のプロセッサ21が有する機能であってもよい。
【0054】
第2装置2のプロセッサ21は、入力部211と、処理部212と、出力部213とを備える。入力部211は、分析結果の入力を受け付ける。処理部212は、入力部211から入力される分析結果と、ニューラルネットワーク2401を含む推定モデル240とに基づき、官能結果を推定するための処理を実行する。なお、上述したように、推定モデル240は、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングによって学習するものに限らず、他の機械学習によって学習するものであってもよい。出力部213は、処理部212によって得られた官能結果を官能予測結果として出力する。
<実施の形態3>
図11から図12を参照しながら実施の形態3に係る分析システム3000における官能試験受託分析方法について説明する。図11は、実施の形態3に係る分析システム3000の流れを説明するための図である。図12は、実施の形態3に係る分析システム3000のシーケンス図である。
【0055】
図11に示すように、分析システム3000では、官能試験を行なう官能試験会社400が別途設けられている。図11を用いて、顧客100、システム管理会社200、受託分析会社300、および官能試験会社400の間における分析システム3000の流れを説明する。顧客100は、システム管理会社200に対して食品試料の分析依頼をする。システム管理会社200は、分析依頼に基づき分析機器を有する受託分析会社300を決定するとともに、官能試験を依頼可能な官能試験会社400を決定する。
【0056】
システム管理会社200は、決定した受託分析会社300および官能試験会社400を顧客100へ通知する。顧客100は、決定した受託分析会社300に対して食品試料を送付する。システム管理会社200は、受託分析会社300へ分析依頼をする。受託分析会社300は、分析機器を用いて食品試料の分析を行なう。受託分析会社300は、分析結果をシステム管理会社200へ通知する。システム管理会社200は、受託分析会社300に対して分析依頼に対する金額を支払う。
【0057】
システム管理会社200は、受託分析会社300へ分析依頼をする。受託分析会社300は、食品試料を官能試験会社400へ送付する。なお、顧客100は、官能試験会社400に対して予め食品試料を送付するようにしてもよい。官能試験会社400は、所属する官能評価者に食品試料の官能試験を行なわせる。官能試験会社400は、官能結果をシステム管理会社200へ通知する。システム管理会社200は、官能試験会社400に対して官能試験依頼に対する金額を支払う。
【0058】
システム管理会社200は、分析結果、官能結果、および、分析結果と官能結果とに基づいて作成される検討結果を顧客100へ通知する。顧客100は、システム管理会社200に対して分析依頼に対する金額を支払う。
【0059】
図12を用いて、顧客100の第1装置1と、システム管理会社200の第2装置2と、受託分析会社300の第3装置3と、官能試験会社の第4装置4との間における官能試験受託分析方法について説明する。
【0060】
SQ31において、第1装置1は、分析情報を第2装置2へ送信する。SQ32において、分析情報を受信した第2装置2は、分析情報に含まれる官能評価項目情報および官能評価項目情報から得られる分析項目情報とともに、顧客情報、受託分析会社情報、および官能試験会社情報を1つのID情報に対応付ける処理を実行する。
【0061】
SQ33において、第2装置2は、ID情報と受託分析会社情報と官能試験会社情報とを第1装置1へ送信する。SQ34において、第2装置2は、ID情報と分析項目情報とを第3装置3へ送信する。SQ35において、第3装置3は、受信した分析項目情報に基づいて、分析機器を用いて食品試料を分析する。その後、SQ35において、第3装置3は、分析結果情報を作成する。SQ36において、第3装置3は、ID情報と分析結果情報とを第2装置2へ送信する。
【0062】
SQ37において、第2装置2は、分析結果情報に基づいて受託分析会社300へ支払う金額である第1の支払金額を計算する。SQ38において、第2装置2は、SQ37で計算した第1の支払金額情報を第3装置3へ送信する。支払金額自体は、システム管理会社200から受託分析会社300の口座等へ別途送金されるようにすればよい。支払金額は、受託分析会社300の第3装置3で計算し、支払金額情報を第3装置3から第2装置2へ送信してもよい。
【0063】
SQ39において、第2装置2は、ID情報と官能試験項目情報とを第4装置4へ送信する。SQ40において、第4装置4は、入力された官能評価者から得た官能試験の結果を基に官能結果情報を作成する。SQ41において、第4装置4は、ID情報と官能結果情報とを第2装置2へ送信する。
【0064】
SQ42において、第2装置2は、官能結果情報に基づいて官能試験会社400へ支払う金額である第2の支払金額を計算する。SQ43において、第2装置2は、SQ42で計算した第2の支払金額情報を第4装置4へ送信する。支払金額自体は、システム管理会社200から官能試験会社400の口座等へ別途送金されるようにすればよい。支払金額は、官能試験会社400の第4装置4で計算し、支払金額情報を第4装置4から第2装置2へ送信してもよい。
【0065】
SQ44において、第2装置2は、分析結果情報と官能結果情報とに基づいて検討結果情報を作成する。検討結果情報は、例えば、分析結果のグラフのピーク値とそのピーク値に対応する味との関係性を示すデータである。
【0066】
SQ45において、第2装置2は、顧客100へ請求する請求金額を計算する。SQ46において、第2装置2は、ID情報、分析結果情報、官能結果情報、および検討結果情報を第1装置へ送信する。SQ47において、第2装置2は、SQ45で計算した請求金額情報を第1装置1へ送信する。請求金額自体は、顧客100からシステム管理会社200の口座等へ別途送金されるようにすればよい。
<変形例>
上述した実施の形態において、官能試験は、システム管理会社200あるいは官能試験会社400で実行される場合を説明した。官能試験は、顧客100、分析機器を有する受託分析会社300において実行されるようにしてもよい。例えば、官能試験を顧客100で実行する場合、その分の請求金額を減額してもよい。
【0067】
上述した実施の形態において、受託分析会社300の第3装置3は、分析結果をシステム管理会社200の第2装置2へ送信せず、顧客100の第1装置1へ直接送信するようにしてもよい。つまり、システム管理会社200の第2装置2が分析結果を受信する処理および送信する処理を省略することができる。
【0068】
上述した実施の形態において、顧客100の第1装置1が、標準官能評価項目と、標準官能評価項目に対応する1または複数の分析項目と、を対応付けて記憶するデータベースを有してもよい。第1装置1は、データベースを用いて官能評価項目から分析項目を設定し、第2装置2へ設定した情報を送信してもよい。
【0069】
上述した実施の形態において、第1装置1から第2装置2へ送信される分析情報には、食品試料の製造年月日、食品試料の種類等の情報が含まれるようにしてもよい。
【0070】
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0071】
(第1項) 一態様に係る官能試験受託分析方法は、顧客が利用可能な第1装置と、システム管理会社が利用可能な第2装置と、試料を分析するための分析機器を有する受託分析会社が利用可能な第3装置と、の間で行なわれる官能試験受託分析方法に関する。第2装置は、第1装置から送信される試料を特定する情報を受信するステップと、試料を特定する情報と、試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、官能評価項目に対応する分析項目と、識別情報と、を第3装置へ送信するステップと、試料の分析項目に対応する分析結果と識別情報と、を第3装置から受信するステップと、試料について作成された官能結果を登録するステップと、分析結果および官能結果を第1装置へ送信するステップと、を実行する。
【0072】
第1項に記載の官能試験受託分析方法によれば、顧客と、システム管理会社と、受託分析会社との間において効率的に情報をやりとりできる。
【0073】
(第2項) 官能評価項目は、標準官能評価項目の中から選択される項目である。標準官能評価項目には、1または複数の分析項目が対応付けられている。第2装置は、標準官能評価項目と、標準官能評価項目に対応する1または複数の分析項目と、を対応付けて記憶するデータベースを有し、データベースを用いて官能評価項目に対応する分析項目を設定するステップを実行する。
【0074】
第2項に記載の官能試験受託分析方法によれば、標準官能評価項目から求めた官能評価項目を選択することで容易に求めたい官能評価項目に対応する分析項目を設定することができる。
【0075】
(第3項) 官能試験を行なう官能試験会社が利用可能な第4装置をさらに備える。第2装置は、第4装置に対して識別情報と、官能評価項目に対応する官能試験項目を送信するステップと、第4装置から送信される官能結果を受信するステップと、を実行する。
【0076】
第3項に記載の官能試験受託分析方法によれば、官能試験会社が官能試験を行なう場合であっても効率的に情報をやりとりできる。
【0077】
(第4項) 第2装置は、官能評価項目に対応する官能結果を作成する。
第4項に記載の官能試験受託分析方法によれば、官能結果をシステム管理会社が作成するため、官能結果を効率的に顧客へ送信することができる。
【0078】
(第5項) 第2装置は、機械学習装置と、過去の分析結果を学習用データとして記憶する記憶装置と、を含む。機械学習装置は、学習用データを用いて、官能結果を作成するステップを実行し、第2装置は、作成された官能結果を前記第1装置へ送信するステップを実行する。
【0079】
第5項に記載の官能試験受託分析方法によれば、機械学習装置を用いることにより、機械学習装置を用いない場合に比べより正確な官能結果を得ることができる。
【0080】
(第6項) 第2装置は、分析結果に対し受託分析会社へ支払う金額である支払金額を計算するステップと、支払金額に基づいて顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する。
【0081】
第6項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社の第2装置が金額の計算を行なうため、金額の管理を容易にすることができる。
【0082】
(第7項) 第2装置は、分析結果に対し受託分析会社へ支払う金額である支払金額を第3装置から受信ステップと、支払金額に基づいて顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する。
【0083】
第7項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社の第2装置が請求金額の計算を行なうため、金額の管理を容易にすることができる。
【0084】
(第8項) 第2装置は、分析結果に対し受託分析会社へ支払う金額である第1支払金額を計算するステップと、官能結果に対し官能試験会社へ支払う金額である第2支払金額を計算するステップと、第1支払金額および第2支払金額に基づいて顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する。
【0085】
第8項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社の第2装置が金額の計算を行なうため、金額の管理を容易にすることができる。
【0086】
(第9項) 第2装置は、分析結果に対し受託分析会社へ支払う金額である第1支払金額を第3装置から受信するステップと、官能結果に対し官能試験会社へ支払う金額である第2支払金額を第4装置から受信するステップと、第1支払金額および第2支払金額に基づいて顧客へ請求する金額である請求金額を計算するステップと、を実行する。
【0087】
第9項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社の第2装置が請求金額の計算を行なうため、金額の管理を容易にすることができる。
【0088】
(第10項) 第2装置は、分析結果と官能結果とに基づいて、分析結果と官能結果との関係を示す検討結果を作成するステップと、検討結果を第1装置へ送信するステップと、を実行する。
【0089】
第10項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社の第2装置が検討結果の作成と、作成した検討結果の第1装置への送信とを実行するため、効率的に情報をやりとりできる。
【0090】
(第11項) 一態様に係る官能試験受託分析方法は、顧客が利用可能な第1装置と、システム管理会社が利用可能な第2装置と、試料を分析するための分析機器を有する受託分析会社が利用可能な第3装置と、の間で行なわれる官能試験受託分析方法に関する。第2装置は、試料を特定する情報と、試料に関する官能評価項目とを登録するステップと、試料を特定する情報に対して識別情報を付与するステップと、試料について作成された官能結果を登録するステップと、を実行する。
【0091】
第11項に記載の官能試験受託分析方法によれば、顧客と、システム管理会社と、受託分析会社との間において効率的に情報をやりとりできる。
【0092】
(第12項) 顧客は、識別情報が付与された試料をシステム管理会社へ送付する。
第12項に記載の官能試験受託分析方法によれば、システム管理会社は、顧客から直接識別情報が付与された試料を受け取ることができ、その後の処理を円滑に進めることができる。
【0093】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0094】
1 第1装置、2 第2装置、3 第3装置、4 第4装置、5 ネットワーク、11,21,31 プロセッサ、12,22,32 メインメモリ、13,23,33 入出力インターフェイス、14,24,34 通信インターフェイス、15,25,35 ストレージ、36 分析機器インターフェイス、40 学習用データ、51 学習装置、100 顧客、151 分析情報、200 システム管理会社、211 入力部、212 処理部、213 出力部、240 推定モデル、251 顧客情報、252 標準官能評価項目情報、253 官能評価項目情報、254 分析項目情報、255 受託分析会社情報、256 ID情報、257 官能結果情報、258,351 分析結果情報、259 検討結果情報、260 金額情報、300 受託分析会社、400 官能試験会社、1000,2000,3000 分析システム、2401 ニューラルネットワーク、2402 パラメータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12