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特開2023-119818リジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119818
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】リジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉
(51)【国際特許分類】
   F23L 15/02 20060101AFI20230822BHJP
   F27B 14/14 20060101ALI20230822BHJP
   F23D 14/22 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
F23L15/02
F27B14/14
F23D14/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022902
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西岡 正
(72)【発明者】
【氏名】北村 暁之
【テーマコード(参考)】
3K019
3K023
4K046
【Fターム(参考)】
3K019AA10
3K019BA01
3K019BB02
3K019BD01
3K023QA06
3K023QB02
3K023QC06
4K046AA04
4K046CD07
(57)【要約】
【課題】高い燃焼効率を維持することができつつも、バーナ全体の構成の簡素化を図ることができると共に、火炎検知に係る構成の簡素化も図り得るリジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉を提供する。
【解決手段】第1通流状態において燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射している状態で一方の高圧エアノズルNa1からの高圧エアAhを噴射すると共に他方の高圧エアノズルNa2からの高圧エアAhの噴射を停止し、第2通流状態において燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射している状態で一方の高圧エアノズルNa1からの高圧エアAhの噴射を停止すると共に他方の高圧エアノズルNa2から高圧エアAhを噴射する形で、交番燃焼制御を実行する制御装置Sを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対となる蓄熱体を備え、一方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流する第1通流状態と、一方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流する第2通流状態とを切り換えて、前記第1通流状態又は前記第2通流状態にて加熱された燃焼用空気と燃料ガスとを交番燃焼制御して火炎を形成可能なリジェネバーナであって、
燃焼空間に対し燃料ガスを噴射するノズルとして、燃料ガス配管の先端に設けられる単一の燃料ガスノズルのみを備え、
前記燃焼空間に対し大気圧よりも高圧の高圧エアを互いに異なる方向へ噴射する対となる高圧エアノズルを備え、
対となる前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射方向は、前記燃料ガスノズルから噴射される燃料ガスを高圧エアの流れに引き込み可能な方向に設定され、
前記第1通流状態において前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の前記高圧エアノズルからの高圧エアを噴射すると共に他方の前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止し、前記第2通流状態において前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止すると共に他方の前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する形で、前記交番燃焼制御を実行する制御装置を備えるリジェネバーナ。
【請求項2】
対となる前記高圧エアノズルの管軸が、前記燃料ガスノズルの管軸に沿い、且つ対となる前記高圧エアノズルが、前記燃料ガスノズルを挟む形で備えられる請求項1に記載のリジェネバーナ。
【請求項3】
前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔は、前記燃料ガスノズルの先端を除く側周面のみに形成され、
前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔は、前記高圧エアノズルの先端を除く側周面のみに形成されている請求項2に記載のリジェネバーナ。
【請求項4】
前記燃料ガスノズルの管軸に沿う管軸方向において、前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔と、前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔とが、異なる位置に設けられている請求項2又は3に記載のリジェネバーナ。
【請求項5】
対となる前記高圧エアノズルの夫々には、前記高圧エアノズルを管軸周りで回転させ固定する形で、前記高圧エア噴射孔からの高圧エアの噴射方向を調整可能な高圧エア噴射方向調整機構が設けられている請求項3又は4に記載のリジェネバーナ。
【請求項6】
前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔からの燃料ガスの噴射方向は、鉛直方向で上方に設定され、
前記燃料ガスノズルの下方に巻き込まれる火炎を検知する火炎検知手段を備えている請求項3~5の何れか一項に記載のリジェネバーナ。
【請求項7】
前記高圧エアノズルは、アルミナを主成分とするセラミックから成り、
前記高圧エアノズルの内部の圧力を検知する圧力検知手段を備え、
前記制御装置は、前記圧力検知手段にて検知される圧力が、予め決定される高圧エア下限圧力未満となった場合に、前記高圧エアノズルの破損が発生したと判定して、前記交番燃焼制御を停止する交番燃焼停止処理を実行する請求項1~6の何れか一項に記載のリジェネバーナ。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載のリジェネバーナを筒型炉の炉壁に貫設し、当該筒型炉の内部に鍋又は坩堝を配設した状態で、前記炉壁の内周面に沿って前記交番燃焼制御により火炎を形成する金属溶解炉。
【請求項9】
前記リジェネバーナを挟む形で対となる前記蓄熱体が設けられている請求項8に記載の金属溶解炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対となる蓄熱体を備え、一方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流する第1通流状態と、一方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流する第2通流状態とを切り換えて、前記第1通流状態又は前記2通流状態にて加熱された燃焼用空気と燃料ガスとを交番燃焼して火炎を形成可能なリジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リジェネバーナとしては、特許文献1に示すように、対となる蓄熱室に設けられ燃焼排ガスの排熱を回収する蓄熱体と、当該対となる蓄熱体を介して加熱された燃焼用空気が供給される対となる燃料ガスノズルを含むバーナ、対となる燃料ガスノズルの夫々に各別に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路を一対備えたものが知られている。
当該リジェネバーナでは、対となる燃料ガスノズルのうち一方に対して、対となる蓄熱体のうち一方を介して加熱された燃焼用空気を供給すると共に対となる燃料ガス供給路のうち一方を介して燃料ガスを供給して燃焼させる第1燃焼状態と、対となる燃料ガスノズルのうち他方に対して、対となる蓄熱体のうち他方を介して加熱された燃焼用空気を供給すると共に対となる燃料ガス供給路のうち他方を介して燃料ガスを供給して燃焼させる第2燃焼状態とを切り換える形で、交番燃焼を実行する。
上述のリジェネバーナでは、燃焼排ガスの排熱を回収した蓄熱体が燃焼用空気を加熱する形で、交番燃焼を実行するので、高い燃焼効率にて被加熱対象空間の加熱を実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-274432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるリジェネバーナでは、対となる燃料ガスノズルの夫々に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路を各別に設けており、当該燃料ガス供給路の夫々を開閉する開閉弁等の補機についても各別に設けていた。また、詳述されていないが、通常は、対となる燃料ガスノズルとは別に、パイロット用のパイロットノズルも設ける必要があり、装置が大型になるという問題があった。また、火炎を検知する火炎検知センサを燃料ガスノズル毎に各別に設ける必要があると共に、当該検知に基づく制御についても、バーナ毎に各別に行う必要があり、制御が複雑になり、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い燃焼効率を維持することができつつも、バーナ全体の構成の簡素化を図ることができると共に、火炎検知に係る構成の簡素化も図り得るリジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためのリジェネバーナは、
対となる蓄熱体を備え、一方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流する第1通流状態と、一方の前記蓄熱体に燃焼用空気が通流すると共に他方の前記蓄熱体に燃焼排ガスが通流する第2通流状態とを切り換えて、前記第1通流状態又は前記第2通流状態にて加熱された燃焼用空気と燃料ガスとを交番燃焼制御して火炎を形成可能なリジェネバーナであって、その特徴構成は、
燃焼空間に対し燃料ガスを噴射するノズルとして、燃料ガス配管の先端に設けられる単一の燃料ガスノズルのみを備え、
前記燃焼空間に対し大気圧よりも高圧の高圧エアを互いに異なる方向へ噴射する対となる高圧エアノズルを備え、
対となる前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射方向は、前記燃料ガスノズルから噴射される燃料ガスを高圧エアの流れに引き込み可能な方向に設定され、
前記第1通流状態において前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の前記高圧エアノズルからの高圧エアを噴射すると共に他方の前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止し、前記第2通流状態において前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の前記高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止すると共に他方の前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する形で、前記交番燃焼制御を実行する制御装置を備える点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、まず最初に、燃焼空間への燃料ガスは、単一の燃料ガスノズルにより供給する、所謂セルフパイロット式を採用するから、従来の如く、燃焼空間への燃料ガスを、対となる燃料ガス流路及びパイロット流路を介して対となる燃料ガスノズルにより供給する構成に比して、燃料ガスの供給に係る構成の簡素化・小型化を図ることができる。
また、このような構成では、単一の燃料ガスノズルから噴射される燃料ガスにて形成される火炎のみを検知すればよいため、対となる燃料ガスノズルから噴射される燃料ガスにて形成される火炎を検知する従来の構成に比べ、火炎検知に係る構成を簡略化できる。
ここで、通常、交番燃焼を行うリジェネバーナでは、対となる蓄熱体の一方に燃焼排ガスを導く第1通流状態と他方に燃焼排ガスを導く第2通流状態とを各別に実現するべく、第1通流状態での燃焼排ガスの通流方向(火炎の形成方向)と、第2通流状態での燃焼排ガスの通流方向(火炎の形成方向)とを異なる方向となるように構成している。
しかしながら、上記特徴構成の如く、単一の燃料ガスノズルのみを備える構成では、第1通流状態での燃焼排ガスの通流方向と、第2通流状態での燃焼排ガスの通流方向とを異なる方向とすることが難しい。
そこで、上記特徴構成によれば、燃焼空間に対し大気圧よりも高圧の高圧エアを噴射する燃焼用空気ノズルとして、対となる高圧エアノズルを備えると共に、対となる高圧エアノズルからの高圧エアの噴射方向は、燃料ガスノズルから噴射される燃料ガスを高圧エアの流れに引き込み可能な方向に設定し、制御装置が、第1通流状態において燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の高圧エアノズルから高圧エアを噴射すると共に他方の高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止し、第2通流状態において燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射している状態で一方の高圧エアノズルからの高圧エアの噴射を停止すると共に他方の高圧エアノズルから高圧エアを噴射するから、単一の燃料ガスノズルのみを備える構成であっても交番燃焼制御を良好に実行できる。
これにより、第1通流状態では対となる蓄熱体の一方に燃焼排ガスを通流させ、第2通流状態では対となる蓄熱体の他方に燃焼排ガスを通流させて、良好に交番燃焼を実行できる。
【0008】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
対となる前記高圧エアノズルの管軸が、前記燃料ガスノズルの管軸に沿い、且つ対となる前記高圧エアノズルが、前記燃料ガスノズルを挟む形で備えられる点にある。
【0009】
上記特徴構成によれば、対となる高圧エアノズルの管軸が、燃料ガスノズルの管軸に沿い、且つ対となる高圧エアノズルが、燃料ガスノズルを挟む形で備えられるから、単一の燃料ガスノズルの燃料を噴出している状態で、例えば、一方の高圧ノズルからの高圧ガスの噴出方向を他方の蓄熱体へ向かう方向とすることで、第1通流状態での燃焼を実現でき、他方の高圧ノズルからの高圧ガスの噴出方向を他方の蓄熱体へ向かう方向とすることで、第2通流状態による燃焼を実現できる。
従って、第1通流状態と第2通流状態で、共通の単一の燃料ガスノズルを共有する簡易な構成により、適切に交番燃焼を実行できるリジェネバーナを実現できる。
【0010】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔は、前記燃料ガスノズルの先端を除く側周面のみに形成され、
前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔は、前記高圧エアノズルの先端を除く側周面のみに形成されている点にある。
【0011】
通常、リジェネバーナは、燃料ガスノズルの管軸を炉の中心に向けて配設されることになるが、例えば、金属溶解炉に用いる場合において、燃料ガスノズルの先端に燃料ガス噴出孔を設ける場合、燃焼火炎が金属溶解炉内の坩堝等の外壁面に衝突する形で、燃焼火炎が形成されるため、当該火炎が衝突する溶湯炉の部位が損傷し易くなる。
上記特徴構成によれば、燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔は、燃料ガスノズルの先端を除く側周面のみに形成され、高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔は、高圧エアノズルの先端を除く側周面のみに形成されているため、燃料ガスノズルの管軸及び高圧エアノズルの管軸を炉の中心に向けて配設している状態であっても、火炎は、管軸に交差する方向に形成されるため、火炎が金属溶解炉内の坩堝等の外壁面の一部に局所的に衝突することによる損傷を防止できる。
更には、対となる高圧エアノズルの先端を除く側周面のみに形成されている高圧エア噴射孔から、交互に高圧エアを噴射することで、高圧エアノズルの先端に噴射孔を設ける場合に比べて、第1通流状態及び第2通流状態における対となる火炎を、比較的大きく異なる方向へ形成させることができ、良好に交番燃焼を実現できる。
【0012】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
前記燃料ガスノズルの管軸に沿う管軸方向において、前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔と、前記高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔とが、異なる位置に設けられている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔と、高圧エアノズルから高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔とを、燃料ガスノズルの管軸に沿う管軸方向において異なる位置に設けているから、燃料ガス流に対して、高圧エア流が衝突し難くして火炎の立ち消えを良好に抑制できる。
【0014】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
対となる前記高圧エアノズルの夫々には、前記高圧エアノズルを管軸周りで回転させ固定する形で、前記高圧エア噴射孔からの高圧エアの噴射方向を調整可能な高圧エア噴射方向調整機構が設けられている点にある。
【0015】
上記特徴構成によれば、高圧エア噴射方向調整機構により、高圧エアノズルを管軸周りで回転させ固定する形で、高圧エア噴射孔からの高圧エアの噴射方向を調整できるから、例えば、出力や空気比に応じて、対となる高圧エア流の流れに対する燃料ガス流の巻き込み状態を微調整して、火炎の形成状態をより良好に調整できる。
【0016】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
前記燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔からの燃料ガスの噴射方向は、鉛直方向で上方に設定され、
前記燃料ガスノズルの下方に巻き込まれる火炎を検知する火炎検知手段を備えている点にある。
【0017】
発明者らは、鋭意検討した結果、これまで説明してきたリジェネバーナにおいて、上記特徴構成の如く、燃料ガスノズルから燃料ガスを噴射する燃料ガス噴射孔からの燃料ガスの噴射方向を、鉛直方向で上方に設定している構成においては、燃料ガスノズルに対して燃料ガスの噴射方向と逆側(燃料ガス噴射孔の下方)において安定した火炎が形成されることを、新たに見出した。
そこで、当該構成の如く、火炎検知手段を、燃料ガスノズルの下方に巻き込まれる火炎を検知するよう設置することで、火炎の検知精度の向上を図ることができる。
【0018】
リジェネバーナの更なる特徴構成によれば、
前記高圧エアノズルは、アルミナを主成分とするセラミックから成り、
前記高圧エアノズルの内部の圧力を検知する圧力検知手段を備え、
前記制御装置は、前記圧力検知手段にて検知される圧力が、予め決定される高圧エア下限圧力未満となった場合に、前記高圧エアノズルの破損が発生したと判定して、前記交番燃焼制御を停止する交番燃焼停止処理を実行する点にある。
【0019】
上記特徴構成によれば、まずもって、高圧エアノズルをアルミナを主成分とする比較的耐熱性の高いセラミックから構成することで、高温の火炎に対する耐火性能の向上を図ることができる。
ただし、このように耐火性能の高い高圧エアノズルであっても破損する場合があり、破損した場合には、リジェネバーナを金属溶解炉へ適用している場合に、燃焼用空気が炉内に噴出してしまう虞がある。
そこで、上記特徴構成の如く、制御装置が、圧力検知手段にて検知される圧力が、予め決定される高圧エア下限圧力未満となった場合に、高圧エアノズルの破損が発生したと判定して、交番燃焼制御を停止する交番燃焼停止処理を実行するから、より安全性の高いリジェネバーナを実現できる。
【0020】
上記目的を達成するための金属溶解炉の特徴構成は、
上述のリジェネバーナを筒型炉の炉壁に貫設し、当該筒型炉の内部に鍋又は坩堝を配設した状態で、前記炉壁の内周面に沿って前記交番燃焼制御により火炎を形成する点にある。
【0021】
上記特徴構成によれば、これまで説明してきたリジェネバーナの作用効果を良好に発揮することができ、簡易な構成を採用しつつも良好な交番燃焼を実現でき、且つ耐久性の高い金属溶解炉を実現できる。
【0022】
上述の金属溶解炉としては、前記リジェネバーナを挟む形で対となる前記蓄熱体を設けることで、交番燃焼制御を良好に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係るリジェネバーナを備えた金属溶解炉の平面視での一部断面図である。
図2】実施形態に係るリジェネバーナの縦断面図(a)と、図2(a)でのb-b断面図(b)である。
図3】実施形態に係るリジェネバーナの先端側からの軸方向視での図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態に係るリジェネバーナ100、及びそれを備えた金属溶解炉200は、高い燃焼効率を維持することができつつも、バーナ全体の構成の簡素化を図ることができると共に、火炎検知に係る構成の簡素化も図り得るものに関する。
以下、図1~3に基づいて実施形態に係るリジェネバーナ100、及びそれを備えた金属溶解炉200を説明する。
【0025】
当該実施形態に係るリジェネバーナ100は、図1~3に示すように、対となる蓄熱体T1、T2(T)を備え、一方の蓄熱体T2に燃焼排ガスEが通流すると共に他方の蓄熱体T1に燃焼用空気としてのメインエアAmが通流する第1通流状態(図1に示す通流状態)と、一方の蓄熱体T2にメインエアAmが通流すると共に他方の蓄熱体T1に燃焼排ガスEが通流する第2通流状態(図示せず)とを切り換えて、第1通流状態又は第2通流状態にて加熱されたメインエアAmと燃料ガスFとを交番燃焼制御して火炎を形成可能なものであり、当該実施形態に係る金属溶解炉200は、図1に示すように、上述のリジェネバーナ100を有底筒状の炉壁200aに貫設し、当該炉壁200aの内部に坩堝210を配設した状態で、炉壁200aの内周面200bに沿って交番燃焼制御により、周方向で一方側へ回る火炎と他方側へ回る火炎とから成る対となる火炎を形成する。
ここで、対となる蓄熱体T1、T2の夫々は、炉壁200aの筒周方向において、炉壁200aに貫設されており、両者の間に、リジェネバーナ100が設けられている。つまり、リジェネバーナ100を挟む形で、対となる蓄熱体Tが設けられている。
即ち、図1に示す平面視において、他方の蓄熱体T1からのメインエアAmを燃焼用空気とする火炎FLの燃焼排ガスEは、金属溶解炉200の炉壁200aの内周面に沿って周回し、一方の蓄熱体T2を通過する。尚、図示は省略するが、一方の蓄熱体T2からのメインエアAmを燃焼用空気とする火炎FLの燃焼排ガスEは、金属溶解炉200の炉壁200aの内周面に沿って周回し、他方の蓄熱体T1を通過する。
【0026】
さて、当該実施形態に係るリジェネバーナ100は、高い燃焼効率を維持することができつつも、バーナ全体の構成の簡素化を図るべく、以下の構成を有する。
リジェネバーナ100は、金属溶解炉200の燃焼空間Nに対し燃料ガスFを噴射するノズルとして、燃料ガス通流管Lxの先端に設けられる単一の燃料ガスノズルNbを備えると共に、燃焼空間Nに対しコンプレッサ(図示せず)により圧縮され大気圧よりも高圧の高圧エアAh(燃焼用空気としても働く)を互いに異なる方向へ噴射する対となる高圧エアノズルNa1、Na2(Na)を備え、対となる高圧エアノズルNaからの高圧エアAhの噴射方向は、燃料ガスノズルNbから噴射される燃料ガスFを高圧エアAhの流れに引き込み可能な方向に設定され、第1通流状態(図1に示す通流状態)において燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射している状態で一方の高圧エアノズルNa1からの高圧エアAhを噴射すると共に他方の高圧エアノズルNa2からの高圧エアAhの噴射を停止し、第2通流状態(図示せず)において燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射している状態で一方の高圧エアノズルNa1からの高圧エアAhの噴射を停止すると共に他方の高圧エアノズルNa2から高圧エアAhを噴射する形で、交番燃焼制御を実行する制御装置Sを備える。
尚、当該実施形態において、燃焼空間Nは、金属溶解炉200の炉壁200aと坩堝210の間に形成されている空間である。
【0027】
更に、リジェネバーナ100の詳細構成について説明を追加すると、図1、2に示すように、上述の対となる高圧エアノズルNa1、Na2と、一方の高圧エアノズルNa1に高圧エアAhを導く第1高圧エア通流管L1と、他方の高圧エアノズルNa2に高圧エアAhを導く第2高圧エア通流管L2と、単一の燃料ガスノズルNbと、当該燃料ガスノズルNbに燃料ガスFを導く燃料ガス通流管Lxと、リジェネバーナ100の先端側(図1、2で矢印Xの先端側)で且つ燃料ガスノズルNbの先端に設けられる接地電極D1及び中心電極D2の間で火炎の点火を行うスパークロッドSrとを、外囲する外囲筒L5を備えている。
ちなみに、外囲筒L5の内部で、燃料ガスノズルNbの先端側には、燃料ガスノズルNbの管軸P3に直交し、且つ対となる高圧エア通流管L1、L2を貫通支持する支持板Wが設けられ、その外径は外囲筒L5の内径と一致している。
更に、支持板Wには、外囲筒L5の内部を通流する燃焼用空気としてのパイロットエアApが通流する複数の貫通孔Waが設けられている。当該貫通孔Waは、燃料ガスノズルNbの管軸P3に沿う方向視において、管軸P3の軸心周りで、間隔を隔てて複数設けられている。
ここで、リジェネバーナ100の基端側には、鉛直方向で燃料ガスノズルNbの下方に巻き込まれる火炎FLを検知する火炎検知手段としての紫外線センサSuvが設けられており、当該紫外線センサSuvは、燃料ガスノズルNbの管軸P3の方向視において、支持板Wの管軸P3の下方に形成される貫通孔Waを介して火炎FLの検知するよう配設される。
尚、当該パイロットエアApは、交番燃焼制御の第1通流状態と第2通流状態の双方において、一定の流量で供給され続けている。
【0028】
一方の高圧エア通流管L1には、当該高圧エア通流管L1を開閉する第6電磁弁V6が設けられていると共に、他方の高圧エア通流管L2には、当該高圧エア通流管L2を開閉する第1電磁弁V1が設けられている。
制御装置Sは、上述した交番燃焼制御において、第1通流状態で第6電磁弁V6を開放状態とし第1電磁弁V1を閉止状態とすると共に、第2通流状態で第6電磁弁V6を閉止状態とし第1電磁弁V1を開放状態とするよう制御する。
【0029】
因みに、対となる高圧エアノズルNa1、Na2は、上記交番燃焼中において、火炎FLに晒されることになるため、耐熱性の高いアルミナ(高純度アルミナ(PTO)を主成分とするセラミックから構成されている。しかしながら、このような材料から構成された高圧エアノズルNaであっても、破損する場合がある。
そこで、当該実施形態では、一方の高圧エア通流管L1に、当該高圧エア通流管L1の内部圧力を検知する第1圧力センサSp1(圧力検知センサの一例)が設けられていると共に、他方の高圧エア通流管L2には、当該高圧エア通流管L2の内部圧力を検知する第2圧力センサSp2(圧力検知センサの一例)が設けられており、制御装置Sは、第1圧力センサSP1及び第2圧力センサSp2にて検知される圧力が、例えば出力や炉毎に予め決定される高圧エア下限圧力未満となった場合に、高圧エアノズルNaの破損が発生したと判定して、交番燃焼制御を停止する交番燃焼停止処理を実行する。
【0030】
燃料ガス通流管Lxには、燃料ガスFとしてメイン燃料Fmを通流するメイン燃料通流管L4と、燃料ガスFとしてパイロット燃料Fpを通流するパイロット燃料通流管L3とが、連通接続されており、メイン燃料通流管L4には当該メイン燃料通流管L4を開閉する第4電磁弁V4及び第5電磁弁V5が設けられ、パイロット燃料通流管L3には当該パイロット燃料通流管L3を開閉する第2電磁弁V2及び第3電磁弁V3が設けられている。
制御装置Sは、上述した交番燃焼制御において、パイロット燃料Fpの通流を制御する第2電磁弁V2及び第3電磁弁V3を、第1通流状態及び第2通流状態の双方で、双方の切り換え時も含めて開放状態とするよう制御する。一方、制御装置Sは、メイン燃料Fmの通流を制御する第4電磁弁V4及び第5電磁弁V5を、第1通流状態及び第2通流状態の切り換え時に閉止状態とすると共に、切り換え時以外の第1通流状態及び第2通流状態の双方で開放状態とするよう制御する。
【0031】
さて、当該実施形態に係るリジェネバーナ100は、対となる高圧エアノズルNa1、Na2から噴射された高圧エアAhにより、燃料ガスノズルNbから噴射された燃料ガスFを引き込む形態で、交番燃焼における対となる火炎FLを形成するべく、以下の構成を有する。
まず、図1に示すように、対となる高圧エアノズルNa1、Na2の管軸P1、P2が、燃料ガスノズルNbの管軸P3に沿い、且つ対となる高圧エアノズルNa1、Na2が、燃料ガスノズルNbを挟む形で備えられる。
ここで、対となる高圧エアノズルNa1、Na2が燃料ガスノズルNbを挟む形は、一例を示すと、図3に示すように、燃料ガスノズルNbの先端側からの方向視で、一方の高圧エアノズルNa1の管軸P1、他方の高圧エアノズルNa2の管軸P2、燃料ガスノズルNbの管軸P3が一直線に沿う状態である。
【0032】
更に、燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射する燃料ガス噴射孔Nbxは、図1に示すように、燃料ガスノズルNbの先端を除く側周面のみに形成され、高圧エアノズルNa1、Na2から高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔Na1x、Na2xは、図3に示すように、高圧エアノズルNa1、Na2の先端を除く側周面のみに形成されている。
説明を追加すると、複数の燃料ガス噴射孔Nbx(図1では3個)は、図1に示すように、鉛直方向で上方(矢印Zの矢示側)へ向けて開孔されており、高圧エア噴射孔Na1x、Na2xの夫々は、図3に示すように、燃料ガスノズルNbへ向く方向と鉛直上方向(矢印Zに沿う方向)との間へ向けて設けられている。
【0033】
因みに、高圧エア噴射孔Na1x、Na2xは、高圧エアノズルNa1、Na2の側周面の周方向に沿ってスリット状に形成されている。更に、図3に示すように、燃料ガスノズルNbの管軸P2に沿う方向視において、一方の高圧エアノズルNa1の管軸P1と当該一方の高圧エアノズルNa1に形成される高圧エア噴射孔Na1xのスリット中心位置とを結ぶ線と、一方の高圧エアノズルNa1の管軸P1と燃料ガスノズルNbの管軸P2とを結ぶ線とが成す角度α1は、0°以上45°以下に設定され、より好ましくは、30°に設定されている。同様に、他方の高圧エアノズルNa2の管軸P2と当該他方の高圧エアノズルNa2に形成される高圧エア噴射孔Na2xのスリット中心位置とを結ぶ線と、他方の高圧エアノズルNa2の管軸P2と燃料ガスノズルNbの管軸P3とを結ぶ線とが成す角度α2は、0°以上45°以下に設定され、より好ましくは、30°に設定されている。このように、角度α1と角度α2は、等しくすることが好ましい。
【0034】
ちなみに、本発明の発明者らは、高圧エア噴射孔Na1x、Na2xとしてのスリット幅を1mmとし、更に、燃料ガスノズルNbの燃料ガス噴射孔Nbxの孔径を5.2mm孔数を5とし、燃料ガスとして都市ガス13Aを用いた場合において、良好な燃焼結果を得られることを実験的に確認している。
尚、高圧エア噴射孔Na1x、Na2xとしてのスリット幅、及び燃料ガスノズルNbの燃料ガス噴射孔Nbxの孔径及び孔数は、当該値に限定されるものではない。
【0035】
以上の構成において、燃料ガスノズルNbの管軸P3に沿う方向において燃料ガス噴出孔Nbxと高圧エア噴出孔Naとが比較的近い位置にあるときには、燃料ガスFの流れと高圧エアAhの流れとが、互いに衝突することなく、互いの流れに沿いながら形成されるため、対となる高圧エアノズルNa1、Na2から噴射された高圧エアAhにより、燃料ガスノズルNbから噴射された燃料ガスFを引き込む形態で、交番燃焼における対となる火炎FLを形成することができる。
【0036】
因みに、上述の如く、燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射する燃料ガス噴射孔Nbxを、図1に示すように、燃料ガスノズルNbの先端を除く側周面のみに形成し、高圧エアノズルNa1、Na2から高圧エアを噴射する高圧エア噴射孔Na1x、Na2xを、図3に示すように、高圧エアノズルNa1、Na2の先端を除く側周面のみに形成することで、例えば、図1に示すように、リジェネバーナ100が金属溶解炉200に対し、燃料ガスノズルNbの管軸P3が坩堝210の外周壁210bに交差する状態で設置されている場合であっても、形成される火炎FLが、金属溶解炉200の坩堝210の外周の局所部位210aに衝突し難くなるため、坩堝210の損傷を良好に抑制できる。
【0037】
更に、当該実施形態に係るリジェネバーナ100にあっては、図2(a)に示すように、高圧エアノズルNa1を管軸P1周りで回転させ固定する形で、高圧エア噴射孔Na1xからの高圧エアAhの噴射方向を調整可能な高圧エア噴射方向調整機構Rとして、高圧エアノズルNa1を高圧エア通流管L1の基端部K1と回転可能に固定する固定ネジR1が設けられると共に、高圧エアノズルNa2を管軸P2周りで回転させ固定する形で、高圧エア噴射孔Na2xからの高圧エアAhの噴射方向を調整可能な高圧エア噴射方向調整機構Rとして、高圧エアノズルNa2を高圧エア通流管L2の基端部K2と回転可能に固定する固定ネジR2が設けられる。これにより、角度α1及び角度α2を自在に調整できる。
【0038】
また、図1に示すように、燃料ガスノズルNbの管軸P3に沿う管軸方向において、燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射する燃料ガス噴射孔Nbxと、高圧エアノズルNa1、Na2から高圧エアAhを噴射する高圧エア噴射孔Na1x、Na2xとが、異なる位置に設けられている。これにより、例えば、交番燃焼時に、燃料ガス噴射孔Nbxの近傍に、高圧エアAhが噴射されて、当該高圧エアAhの影響により、火炎の立ち消えが生じることを、良好に防止できる。ちなみに、当該実施形態では、燃料ガスノズルNbの管軸P3に沿う管軸方向で、燃料ガス噴射孔Nbxが、高圧エア噴射孔Na1x、Na2xよりも、基端側に設けられている。
【0039】
更に、当該実施形態に係るリジェネバーナ100では、図1、3に示すように、燃料ガスノズルNbから燃料ガスFを噴射する燃料ガス噴射孔Nbxからの燃料ガスFの噴射方向は鉛直方向で上方向に設定され、当該構成において、燃料ガスノズルNbの下方に巻き込まれる火炎FLを検知する火炎検知手段として紫外線センサSuvを備えている。
発明者らは、当該構成にて安定した火炎FLの検知を実現できることを確認している。
【0040】
ちなみに、交番燃焼を実行している熱間状態において、パイロット燃料Fpとメイン燃料Fmとの合計のヘッド圧は、3.6kPaGであり、パイロットエアApのヘッド圧は、0.15kPaGであり、高圧エアAhの高圧エアノズルNaへの入圧は、60kPaG以上68kPaG以下程度に設定している。
【0041】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、リジェネバーナ100は、金属溶解炉200に備えられる構成例を示したが、対となる蓄熱体Tを備えることが可能な炉であれば、どのような炉に対しても備えることが可能である。
【0042】
(2)上記実施形態に係る金属溶解炉200では、一のリジェネバーナ100及び対となる蓄熱体Tを備える構成を示したが、複数のリジェネバーナ100と夫々のリジェネバーナ100に対して対となる蓄熱体Tを備える構成を示しても構わない。
【0043】
(3)上記実施形態では、対となる高圧エアノズルNa1、Na2の組は、一組設ける構成例を示したが、複数設ける構成であっても構わない。
【0044】
(4)上記実施形態では、対となる高圧エアノズルNa1、Na2が燃料ガスノズルNbを挟む形の一例として、図3に示すように、燃料ガスノズルNbの先端側からの方向視で、一方の高圧エアノズルNa1の管軸P1、他方の高圧エアノズルNa1の管軸P2、燃料ガスノズルNbの管軸P3が一直線に沿う状態を示した。
対となる高圧エアノズルNa1、Na2が燃料ガスノズルNbを挟む形は、当該構成に限定されず、例えば、燃料ガスノズルNbの先端側からの方向視で、一方の高圧エアノズルNa1の管軸P1と、他方の高圧エアノズルNa1の管軸P2との双方から等しい距離となる種々の位置に適宜変更して、燃料ガスノズルNbを配設する構成を採用することができる。
【0045】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のリジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉は、高い燃焼効率を維持することができつつも、バーナ全体の構成の簡素化を図ることができると共に、火炎検知に係る構成の簡素化も図り得るリジェネバーナ、及びそれを備えた金属溶解炉として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
100 :リジェネバーナ
200 :金属溶解炉
200a :炉壁
Ah :高圧エア
E :燃焼排ガス
F :燃料ガス
FL :火炎
Na :高圧エアノズル
Na1x、Na2x:高圧エア噴射孔
Nb :燃料ガスノズル
Nbx :燃料ガス噴射孔
P1 :高圧エアノズルの管軸
P2 :高圧エアノズルの管軸
P3 :燃料ガスノズルの管軸
R :高圧エア噴射方向調整機構
S :制御装置
Sp1 :第1圧力センサ
Sp2 :第2圧力センサ
Suv :紫外線センサ
T :蓄熱体
図1
図2
図3