(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119821
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】仕入先選択業務支援装置、仕入先選択業務支援方法および仕入先選択業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q30/06 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022905
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野々垣 亮介
(72)【発明者】
【氏名】池辺 知宙
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】相見積もり時に仕入先選択の業務を支援することができる仕入先選択業務支援装置、仕入先選択業務支援方法および仕入先選択業務支援プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)見積依頼データ中の仕入先を一方の軸とし、見積依頼データ中の商品を他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、見積回答金額、見積回答納期および評価を入力可能な表を含む見積回答入力画面を生成し、(2)評価マスタから、見積依頼データ中の仕入先および商品の組合せに対応する評価を取得し、(3)見積回答金額および見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記取得した評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示し、(4)当該表示の際には、商品毎に、見積回答金額、見積回答納期および評価の三要素を仕入先間で比較した場合における最安値、最短納期および最高評価を強調して表示する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える仕入先選択業務支援装置であって、
前記記憶部には、
仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、
仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、
が格納されており、
前記制御部は、
前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成手段と、
前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得手段と、
前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得手段で取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示手段と、
を備え、
前記見積回答入力画面表示手段は、
同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、
を特徴とする仕入先選択業務支援装置。
【請求項2】
前記見積依頼データは、前記仕入先識別データと前記仕入対象識別データの他に、最終的な仕入先として選択されたか否かを識別するためのフラグと、前記入力された前記見積回答金額と、を更に含み、
前記制御部は、
前記見積依頼データから、最終的な仕入先として選択された旨を示すフラグが付された前記仕入先識別データを発注先の候補として発注入力画面に表示する発注先候補表示手段と、
前記発注先候補表示手段で表示した前記仕入先識別データから特定の仕入先識別データが選択されると、当該選択された仕入先識別データならびに当該選択された仕入先識別データに対応する前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データおよび前記見積回答金額に基づいて、発注データを生成する発注データ生成手段と、
を更に備えること、
を特徴とする請求項1に記載の仕入先選択業務支援装置。
【請求項3】
前記見積依頼データは、前記仕入先識別データと前記仕入対象識別データの他に、各仕入先への見積依頼金額と、前記入力された前記見積回答金額と、を更に含み、
前記制御部は、
前記見積依頼データに基づいて、前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せ毎に、前記見積依頼金額と前記見積回答金額と両金額の差額とを含む、前記見積依頼金額からの値引き交渉結果を確認するための画面である交渉結果確認画面を表示する交渉結果確認画面表示手段
を更に備えること、
を特徴とする請求項1または2に記載の仕入先選択業務支援装置。
【請求項4】
複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入先選択業務支援方法であって、
前記記憶部には、
仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、
仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、
が格納されており、
前記制御部で実行される、
前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成ステップと、
前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得ステップと、
前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得ステップで取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示ステップと、
を含み、
前記見積回答入力画面表示ステップにおいては、
同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、
を特徴とする仕入先選択業務支援方法。
【請求項5】
複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための仕入先選択業務支援プログラムであって、
前記記憶部には、
仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、
仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、
が格納されており、
前記制御部に実行させるための、
前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成ステップと、
前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得ステップと、
前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得ステップで取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示ステップと、
を含み、
前記見積回答入力画面表示ステップにおいては、
同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、
を特徴とする仕入先選択業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕入先選択業務支援装置、仕入先選択業務支援方法および仕入先選択業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来システム化が困難とされていた工事関係の発注形式に対応し、要求元依頼者の負担を軽減し、回覧途中部署で入力された情報を受け継ぎ、業務効率を上げるシステムが開示されている(特許文献1の0007段落等参照)。また、特許文献1には、資材部署ノードでは、依頼の内容に応じ、1社または複数社を選定し、見積書を出力、見積依頼を行うことが開示されている(特許文献1の0028段落等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のような建設工事業界等においては、現場で必要となる資材(商品)や請負業務(役務)を調達部が調達する。この際、調達部は、複数の仕入先に対して見積を依頼するいわゆる相見積もりを行う。
【0005】
そして、調達部は、前記複数の仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに前記複数の仕入先について自社が付した評価を踏まえて、最終的に一つの仕入先を選択する。しかしながら、複数の仕入先から回答がくるため、情報が分散されてしまうという問題があった。また、各仕入先についての情報を一箇所に集めた後も、最も良い条件の仕入先を選択するのに手間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、商品または役務の相見積もり時に、複数の仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに複数の仕入先について自社が付した評価を一箇所にまとめて表示し、この際、複数の仕入先間で、最も安い見積回答金額、最も短い見積回答納期および最も高い評価を強調して表示することで、仕入先選択の業務を支援することができる仕入先選択業務支援装置、仕入先選択業務支援方法および仕入先選択業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕入先選択業務支援装置においては、複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える仕入先選択業務支援装置であって、前記記憶部には、仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、が格納されており、前記制御部は、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成手段と、前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得手段と、前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得手段で取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示手段と、を備え、前記見積回答入力画面表示手段は、同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る仕入先選択業務支援装置においては、前記見積依頼データは、前記仕入先識別データと前記仕入対象識別データの他に、最終的な仕入先として選択されたか否かを識別するためのフラグと、前記入力された前記見積回答金額と、を更に含み、前記制御部は、前記見積依頼データから、最終的な仕入先として選択された旨を示すフラグが付された前記仕入先識別データを発注先の候補として発注入力画面に表示する発注先候補表示手段と、前記発注先候補表示手段で表示した前記仕入先識別データから特定の仕入先識別データが選択されると、当該選択された仕入先識別データならびに当該選択された仕入先識別データに対応する前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データおよび前記見積回答金額に基づいて、発注データを生成する発注データ生成手段と、を更に備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る仕入先選択業務支援装置においては、前記見積依頼データは、前記仕入先識別データと前記仕入対象識別データの他に、各仕入先への見積依頼金額と、前記入力された前記見積回答金額と、を更に含み、前記制御部は、前記見積依頼データに基づいて、前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せ毎に、前記見積依頼金額と前記見積回答金額と両金額の差額とを含む、前記見積依頼金額からの値引き交渉結果を確認するための画面である交渉結果確認画面を表示する交渉結果確認画面表示手段を更に備えること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る仕入先選択業務支援方法においては、複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入先選択業務支援方法であって、前記記憶部には、仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、が格納されており、前記制御部で実行される、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成ステップと、前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得ステップと、前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得ステップで取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示ステップと、を含み、前記見積回答入力画面表示ステップにおいては、同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る仕入先選択業務支援プログラムにおいては、複数の仕入先に対して見積もりを依頼する相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置に実行させるための仕入先選択業務支援プログラムであって、前記記憶部には、仕入先を識別するための仕入先識別データと、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データと、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価と、を含む評価マスタと、仕入先識別データと、仕入対象識別データと、を含む見積依頼データと、が格納されており、前記制御部に実行させるための、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成ステップと、前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得ステップと、前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得ステップで取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示ステップと、を含み、前記見積回答入力画面表示ステップにおいては、同一の前記仕入対象識別データ毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先識別データ間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示することにより、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品または役務の相見積もり時に、複数の仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに複数の仕入先について自社が付した評価を一箇所にまとめて表示し、この際、複数の仕入先間で、最も安い見積回答金額、最も短い見積回答納期および最も高い評価を強調して表示することで、仕入先選択の業務を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、仕入先選択業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る処理フローの一例を示すイラストである。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る処理フローの一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、仕入先別商品評価マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、見積依頼入力により生成された見積依頼データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、初期状態の見積回答入力画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、評価が自動入力された見積回答入力画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、A社からの回答を入力した見積回答入力画面および当該画面に基づいて更新された見積依頼データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、B社およびC社からの回答を入力した見積回答入力画面および当該画面に基づいて更新された見積依頼データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、最終的な仕入先を選択した見積回答入力画面および当該画面に基づいて更新された見積依頼データの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、データ抽出画面および交渉結果確認画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、発注入力画面および発注データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る仕入先選択業務支援装置、仕入先選択業務支援方法および仕入先選択業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
発注業務および仕入業務を行う前段階として、現場から依頼された商品に関して、調達部が、複数の仕入先に対して見積を依頼する業務が存在する。例えば、建設業界においては、現場で必要となる資材や請負業務を発注する際に、調達部は、いくつかの基準(値段、納期および品質等)を元に仕入先と交渉を行う。このように、商品や業務等を発注する際に、1社ではなく複数の仕入先に対して見積もりを依頼することを相見積もりという。
【0016】
しかしながら、相見積もりを行うと複数の仕入先から見積書が届くため、情報が分散され、結果として、調達部の担当者が仕入先を選択するのに多大な労力および時間がかかってしまうという問題があった。
【0017】
そこで、本実施形態においては、調達部の担当者が、例えば、複数仕入先に対して見積依頼を行う際のデータ登録を1画面内で行うことができるようにした。また、本実施形態においては、調達部の担当者が、例えば、複数の仕入先からの回答結果を1画面に入力して比較することができるようにした。
【0018】
これにより、例えば、最も条件が良い仕入先の選択を客観的かつ容易にできるようになり、原価抑制および利益創出に繋がる。また、例えば、調達部の交渉結果および仕入先別の商品情報を蓄積できるようにした。蓄積された調達部の交渉結果は、例えば、調達部における人事評価の参考資料として用いることが可能である。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0019】
[2.構成]
本実施形態に係る仕入先選択業務支援装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、仕入先選択業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
仕入先選択業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕入先選択業務支援装置00は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
仕入先選択業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕入先選択業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕入先選択業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕入先選択業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106は、例えば、評価マスタとしての仕入先別商品評価マスタ106aと、見積依頼データ106bと、発注データ106cと、を備えている。
【0026】
ここで、建設業界および工事業界等においては、現場から商品または役務の調達を依頼された調達部は、複数の仕入先に対して見積もりを依頼するいわゆる相見積を行うことが多い。本実施形態に係る仕入先選択業務支援装置100によれば、相見積もり時の仕入先選択の業務を支援することができる。
【0027】
仕入先別商品評価マスタ106aは、
図4に示すように、例えば、仕入先を識別するための仕入先識別データ(仕入先)と、仕入対象となる商品または役務を識別するための仕入対象識別データ(商品)と、仕入先および仕入対象の組合せ毎に設定された評価(仕入先別商品評価)と、等を含む。
【0028】
仕入対象となる前記商品は、例えば、建設工事において必要となる材料および資材等である。仕入対象となる前記役務は、例えば、建設工事において必要となる外注工事および請負業務等である。
【0029】
前記評価(仕入先別商品評価)は、例えば、各仕入先との過去の取引内容に基づいて前記現場が評価した結果である。例えば、仕入先Aおよび商品1についての評価の場合、仕入先Aが過去に納品した商品1についての評価であることを意味する。前記評価(仕入先別商品評価)は、
図4に示すように点数であってもよいし、また、「A~C」や「良・可・不良」のようにランクであってもよい。
【0030】
見積依頼データ106bは、
図5、
図8、
図9および
図10に示すように、例えば、見積依頼番号と、見積依頼処理番号と、前記仕入先識別データ(仕入先)と、見積依頼行番号と、前記仕入対象識別データ(商品)と、各仕入先への見積依頼金額と、見積依頼に対する回答状況または最終的な仕入先として選択されたか否かを識別するためのフラグ(見積依頼状況)と、各仕入先からの見積回答金額(回答金額)と、各仕入先からの見積回答納期(回答納期)と、等を含む。
【0031】
前記見積依頼番号は、仕入先単位で採番されるものである。このため、前記見積依頼番号も、広い意味では、前記仕入先識別データといえる。
【0032】
前記見積依頼処理番号は、一度の見積入力を束ねるための番号である。
【0033】
見積依頼に対する回答状況を識別するための前記フラグ(見積依頼状況)は、
図5、
図8および
図9に示すように、見積依頼に対する回答がまだ来ていないことを示すフラグ(未回答)、または、見積依頼に対する回答が既に来たことを示すフラグ(回答中)である。
【0034】
最終的な仕入先として選択されたか否かを識別するためのフラグ(見積依頼状況)は、
図10に示すように、最終的な仕入先として選択されなかった旨を示すフラグ(不採用)、または、最終的な仕入先として選択された旨を示すフラグ(採用)である。
【0035】
ここで、
図5に示す見積依頼データ106bは、登録直後の見積依頼データ106bである。複数の仕入先に対しては、同じ見積依頼金額で依頼することとなるため、
図5に示すように、各仕入先間で前記見積依頼金額は同じである。また、登録直後の段階では、
図5に示すように、各仕入先において、前記見積依頼状況はすべて「未回答」、前記見積回答金額はすべて0円、前記見積回答納期はすべて空白である。
【0036】
発注データ106cは、
図12に示すように、例えば、発注番号と、前記仕入先識別データ(仕入先)と、発注行番号と、前記仕入対象識別データ(商品)と、発注金額と、前記見積依頼番号と、前記見積依頼行番号と、等を含む。
【0037】
制御部102は、仕入先選択業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0038】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データを一方の軸とし、前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データを他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する各仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する見積回答入力画面生成手段としての見積回答入力画面生成部102aと、(2)前記評価マスタから、前記見積依頼データ中の前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せに対応する評価を取得する評価取得手段としての評価取得部102bと、(3)前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、前記評価取得手段で取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する見積回答入力画面表示手段としての見積回答入力画面表示部102cと、(4)前記見積依頼データから、最終的な仕入先として選択された旨を示すフラグが付された前記仕入先識別データを発注先の候補として発注入力画面に表示する発注先候補表示手段としての発注先候補表示部102dと、(5)前記発注先候補表示手段で表示した前記仕入先識別データから特定の仕入先識別データが選択されると、当該選択された仕入先識別データならびに当該選択された仕入先識別データに対応する前記見積依頼データ中の前記仕入対象識別データおよび前記見積回答金額に基づいて、発注データを生成する発注データ生成手段としての発注データ生成部102eと、(6)前記見積依頼データに基づいて、前記仕入先識別データおよび前記仕入対象識別データの組合せ毎に、前記見積依頼金額と前記見積回答金額と両金額の差額とを含む、前記見積依頼金額からの値引き交渉結果を確認するための画面である交渉結果確認画面を表示する交渉結果確認画面表示手段としての交渉結果確認画面表示部102fと、を備えている。
【0039】
見積回答入力画面生成部102aは、見積依頼データ106b(
図5参照)中の前記仕入先を一方の軸とし、見積依頼データ106b(
図5参照)中の前記商品を他方の軸とし、両軸により形成される各マトリックスに、各仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに各仕入先についての評価を入力可能な表を含む、見積依頼に対する仕入先からの見積回答を入力するための画面である見積回答入力画面を生成する(
図6参照)。
【0040】
評価取得部102bは、前記仕入先と前記商品と前記評価とを含む仕入先別商品評価マスタ106a(
図4参照)から、見積依頼データ106b(
図5参照)中の前記仕入先および前記商品の組合せに対応する前記評価を取得する。
【0041】
見積回答入力画面表示部102cは、前記見積回答金額および前記見積回答納期がオペレータによって入力され、かつ、評価取得部102bで取得した前記評価が自動入力された前記表を含む前記見積回答入力画面を表示する(
図9参照)。
【0042】
この際、見積回答入力画面表示部102cは、同一の前記商品毎に、前記見積回答金額、前記見積回答納期および前記評価の三要素を前記仕入先間で比較した場合に、前記見積回答金額については最も安い金額を、前記見積回答納期については現在から最も近い日付を、前記評価については最も高い評価を、強調して表示する(
図9参照)。強調して表示する方法は、特に制限されないが、例えば、色付けによる表示、ハッチングを付すことによる表示、値を大きくすることによる表示、および、太字にすることによる表示等が挙げられる。
【0043】
このように、商品毎に、各仕入先間での最安値、最短納期および最高評価を強調して表示することで、調達部の担当者が相見積もり時に行う仕入先選択を支援することができる。
【0044】
発注先候補表示部102dは、見積依頼データ106b(
図10参照)から、最終的な仕入先として選択された旨を示す前記フラグ(見積依頼状況:採用)が付された前記仕入先を発注先の候補として発注入力画面に表示する(
図12参照)。
【0045】
発注データ生成部102eは、発注先候補表示部102dで表示した前記仕入先から特定の仕入先が選択されると、当該選択された仕入先ならびに当該選択された仕入先に対応する見積依頼データ106b(
図10参照)中の前記商品および前記見積回答金額(回答金額)に基づいて、発注データ106cを生成する(
図12参照)。
【0046】
交渉結果確認画面表示部102fは、見積依頼データ106b(
図10参照)に基づいて、前記仕入先および前記商品の組合せ毎に、前記見積依頼金額と前記見積回答金額(回答金額)と両金額の差額とを含む、前記見積依頼金額からの値引き交渉結果を確認するための画面である交渉結果確認画面を表示する(
図11参照)。
【0047】
[3.処理フロー]
本項目では、本実施形態に係る処理フローについて、
図2を用いて説明する。
【0048】
まず、
図2に示す「見積依頼入力」においては、調達部の担当者は、現場から調達の依頼があった商品を対象として、複数の仕入先に対して見積依頼をかける。この際、調達部の担当者は、同じ内容の見積もりを複数の仕入先に対して1回の入力で行うことができる入力画面(見積依頼入力画面)を用いる。
【0049】
次に、
図2に示す「見積回答入力」においては、調達部の担当者は、複数の仕入先からの回答金額および回答納期を入力することで各仕入先の比較を行った上で、最終的に一つの仕入先を選択する。この際、調達部の担当者は、複数の仕入先からの回答金額、回答納期および過去に累積した評価を比較できる画面(見積回答入力画面)を用いる。
【0050】
最後に、
図2に示す「発注入力」においては、調達部の担当者は、見積依頼データ106bを呼び出すことで、「見積回答入力」で選択した仕入先に対して発注を行う。この際、調達部の担当者は、見積依頼データ106bに基づいて発注データ106cを生成するための画面(発注入力画面)を用いる。
【0051】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例について説明する。本項目では、建設会社における調達部の仕入担当者(以下、単に「仕入担当者」という。)が、複数の仕入先に対して相見積もりを行った上で、最終的に一つの仕入先を選択するという場面について説明する。
【0052】
ここで、具体的な処理内容の説明に入る前に、処理フローを
図3に沿って簡単に説明する。まず、以下の[4-1]において説明する見積依頼入力の処理が実行される(
図3のステップS1)。次に、以下の[4-2]において説明する見積回答入力の処理が実行される(
図3のステップS2)。次に、以下の[4-3]において説明する値引き交渉結果の確認の処理が実行される(
図3のステップS3)。最後に、以下の[4-4]において説明する発注入力の処理が実行される(
図3のステップS4)。
【0053】
本項目[4.処理の具体例]においては、仕入先別商品評価マスタ106aは、
図4に示す内容で予め登録されているものとする。
図4に示すように、当該マスタにおいては、仕入先であるA社~C社に対する商品1~2についての評価が登録されている。
【0054】
[4-1.見積依頼入力(ステップS1)]
まず、見積依頼入力の処理が実行される。言い換えると、見積依頼情報の登録が実行される。以下、詳細に説明する。
【0055】
商品1および2についてA社~C社に対して見積依頼をする場合、仕入担当者によって、
図5に示す見積依頼データ106bが登録される。
図5に示すように、各仕入先に対して、商品1については10,000円の見積依頼金額にて、商品2については20,000円の見積依頼金額にて、見積依頼をしている。
【0056】
そして、登録された見積依頼データ106bに基づいて見積依頼書が印刷され、A社~C社に対して送付される。
【0057】
[4-2.見積回答入力(ステップS2)]
次に、見積回答入力の処理が実行される。言い換えると、見積回答情報の登録が実行される。以下、詳細に説明する。
【0058】
(1)見積回答入力画面の生成
まず、見積回答入力画面生成部102aが、見積回答入力画面を生成する。具体的には、見積回答入力画面生成部102aは、
図5の見積依頼データ106b中の仕入先である仕入先A社~C社を横軸とし、
図5の見積依頼データ106b中の商品である商品1~2を縦軸とし、当該横軸および当該縦軸により形成される6つのマトリックスそれぞれに、見積回答金額、見積回答納期および評価を入力可能な表を含む、
図6に示す見積回答入力画面を生成する。
【0059】
(2)評価の取得および表示
次に、評価取得部102bは、仕入先別商品評価マスタ106aから、見積依頼データ106b中の仕入先および商品に対応する評価を取得する。具体的には、評価取得部102bは、仕入先A社および商品1に対応する評価として80を取得し、仕入先A社および商品2に対応する評価として80を取得し、仕入先B社および商品1に対応する評価として90を取得し、仕入先B社および商品2に対応する評価として80を取得し、仕入先C社および商品1に対応する評価として70を取得し、仕入先C社および商品2に対応する評価として60を取得する。
【0060】
そして、見積回答入力画面表示部102cは、評価取得部102bで取得した評価を、
図6の見積回答入力画面に自動入力することで、
図7に示す見積回答入力画面を表示する。
【0061】
この際、見積回答入力画面表示部102cは、同一の商品毎に、各仕入先間で比較した場合に、最も高い評価を強調して表示する。具体的には、見積回答入力画面表示部102cは、
図7にドット状のハッチングで示すように、商品1については、B社の評価90を強調して表示し、商品2については、A社の評価80およびB社の評価80を強調して表示する。
【0062】
(3)仕入先A社から見積回答が来た場合の表示
次に、A社から見積回答が来ると、仕入担当者は、
図7の見積回答入力画面に、A社について、商品1および2についての見積回答金額および見積回答納期を入力する。
【0063】
この際、見積回答入力画面表示部102cは、同一の商品毎に、各仕入先間で比較した場合に、最も安い見積回答金額および最短の見積回答納期を強調して表示する。具体的には、この時点ではA社からしか回答が来ていないため、見積回答入力画面表示部102cは、
図8にドット状のハッチングで示すように、商品1および2の両方について、A社からの見積回答金額および見積回答納期を強調して表示する。なお、見積回答入力画面表示部102cは、評価については、(2)で説明したとおりに強調表示する。
【0064】
図8の見積回答入力画面に示すように見積回答の入力がなされると、見積依頼データ106bは、
図8に示すように更新される。
図8に示す更新後の見積依頼データ106bにおいては、ハッチングで示すように、A社からの見積回答金額および見積回答納期の値が更新され、また、A社についての見積依頼状況が「未回答」から「回答中」へと更新されている。
【0065】
(4)仕入先B社およびC社から見積回答が来た場合の表示
A社に続いて、B社およびC社から見積回答が来ると、仕入担当者は、
図8の見積回答入力画面に、B社およびC社について、商品1および2についての見積回答金額および見積回答納期を入力する。
【0066】
この際、見積回答入力画面表示部102cは、同一の商品毎に、各仕入先間で比較した場合に、最も安い見積回答金額および最短の見積回答納期を強調して表示する。具体的には、見積回答入力画面表示部102cは、
図9にドット状のハッチングで示すように、商品1の見積回答金額については、最も安いB社の9,000円を強調表示し、商品1の見積回答納期については、3社で同じであるため3社とも強調表示し、商品2の見積回答金額については、最も安いB社の15,000円を強調表示し、商品2の見積回答納期については、最短であるA社の2021/12/9を強調表示する。
【0067】
図9の見積回答入力画面に示すように見積回答の入力がなされると、見積依頼データ106bは、
図9に示すように更新される。
図9に示す更新後の見積依頼データ106bにおいては、ハッチングで示すように、B社およびC社からの見積回答金額および見積回答納期の値が更新され、また、B社およびC社についての見積依頼状況が「未回答」から「回答中」に更新されている。
【0068】
(5)仕入先の確定
ここまでの処理により、A社~C社のすべてから見積回答が来て、見積回答入力画面は、
図10に示すように表示されている。
図10の見積回答入力画面を参照すると、B社は、ドット状のハッチングで示される部分が、A社およびC社と比べて多い。このことは、B社が、金額、納期および評価の観点において条件の良い仕入先であることを意味する。
【0069】
この場合、仕入担当者は、
図10の見積回答入力画面の下部に示すように、最終的な仕入先としてB社を選択し、確定仕入先とする。なお、原則的には、1社のみ(B社)が確定仕入先として選択されるものとする。言い換えると、商品毎または役務毎に異なる仕入先を確定仕入先として選択することはできないものとする。
【0070】
B社が確定仕入先として選定されると、見積依頼データ106bは、
図10に示すように更新される。
図10に示す更新後の見積依頼データ106bにおいては、ハッチングで示すように、最終的な仕入先として選択されなかったA社およびC社については、見積依頼状況が「回答中」から「不採用」に更新され、これに対して、最終的な仕入先として選択されたB社については、見積依頼状況が「回答中」から「採用」に更新されている。
【0071】
[4-3.値引き交渉結果の確認(ステップS3)]
次に、値引き交渉結果の確認の処理が実行される。以下、詳細に説明する。
【0072】
仕入担当者が、
図11のデータ抽出画面から、担当者、仕入先、商品および見積依頼日を指定すると、交渉結果確認画面表示部102fは、見積依頼データ106bから、所定の明細を抽出する。本例では、交渉結果確認画面表示部102fは、
図10の見積依頼データ106b中の6明細すべてを抽出するものとする。
【0073】
そして、交渉結果確認画面表示部102fは、当該抽出した6明細に基づいて、交渉結果確認画面を表示する。具体的には、交渉結果確認画面表示部102fは、
図11に示すように、A社~C社のそれぞれについて、商品毎に、
図10の見積依頼データ106b中の見積依頼金額と、
図10の見積依頼データ106b中の見積回答金額と、両金額の差額と、を含む交渉結果確認画面を表示する。
【0074】
なお、仕入担当者は、交渉結果確認画面により値引結果の確認を行い、交渉の余地がある場合は、再度見積書を仕入先から提示して貰い、[4-2]の見積回答入力をもう一度実施してもよい。そして、仕入担当者は、再度、交渉結果確認画面により値引結果の確認を行い、更なる交渉の余地があるか検討するという作業を繰り返してもよい。
【0075】
[4-4.発注入力(ステップS4)]
最後に、発注入力の処理が実行される。言い換えると、発注情報の登録が実行される。以下、詳細に説明する。
【0076】
仕入担当者が、
図12の発注入力画面の「見積依頼番号」の箇所を選択すると、発注先候補表示部102dは、
図10の見積依頼データ106bにおいて見積依頼状況が「採用」となっている明細の見積依頼番号のみを、発注先の候補としてプルダウン等により表示する。
図12の例では、見積依頼状況が「採用」となっている2つの明細の見積依頼番号MI002のみが表示されている。
【0077】
仕入担当者が、表示された見積依頼番号MI002を選択すると、
図10の見積依頼データ106bの情報が
図12の発注入力画面に転送されて、
図12の発注明細に示すように、発注入力画面上に値がセットされる。
【0078】
そして、発注データ生成部102eは、選択された見積依頼番号MI002を含む
図10の見積依頼データ106b中の2つの明細に基づいて、
図12に示す発注データ106cを生成する。
【0079】
発注データ106cにおいて、「発注番号」は自動採番されたものであり、「仕入先」は見積依頼データ106b中の「仕入先」に対応し、「発注行番号」は自動採番されたものであり、「商品」は見積依頼データ106b中の「商品」に対応し、「発注金額」は見積依頼データ106b中の「回答金額」に対応し、「見積依頼番号」は見積依頼データ106b中の「見積依頼番号」に対応し、「見積依頼行番号」は見積依頼データ106b中の「見積依頼行番号」に対応する。
【0080】
なお、発注データ106cの内容を修正する場合には、
図12の発注入力画面の「発注番号」の箇所に、前記自動採番された発注番号がセットされる。
【0081】
[5.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る仕入先選択業務支援装置100によれば、主に[4-1]および[4-2]で説明したように、例えば、商品または役務の相見積もり時に、複数の仕入先からの見積回答金額および見積回答納期ならびに複数の仕入先について自社が付した評価を一箇所にまとめて表示し、この際、複数の仕入先間で、最も安い見積回答金額、最も短い見積回答納期および最も高い評価を強調して表示することで、仕入先選択の業務を支援することができる。
【0082】
また、本実施形態に係る仕入先選択業務支援装置100によれば、主に[4-3]で説明したように、仕入先および商品の組合せ毎に、前記見積依頼金額と前記見積回答金額と両金額の差額とを一画面に表示することができる。これにより、現場から調達部に対して要求された前記見積依頼金額と、仕入先から回答された前記見積回答金額と、の比較を行うことができるため、調達部の担当者がどのくらいの値引に成功したのかを確認することができる。
【0083】
図11の交渉結果確認画面を参照して、値引について具体的に説明する。「仕入先B社」および「商品1」の組合せについては、前記見積依頼金額10,000円、前記見積回答金額9,000円および差額1,000円となっているため、1,000円の値引に成功したことを意味する。これに対して、「仕入先C社」および「商品1」の組合せについては、前記見積依頼金額10,000円、前記見積回答金額11,000円および差額-1,000円となっているため、値引が失敗したどころか、逆に見積依頼より1,000円高い金額を仕入先から提示されてしまったことを意味する。
【0084】
そして、本実施形態に係る仕入先選択業務支援装置100によれば、主に[4-4]で説明したように、複数の仕入先の中から調達部の担当者等によって選択された仕入先を、発注先の候補として発注入力画面に表示することができるため、発注業務も支援することができる。
【0085】
[6.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0087】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0088】
[7.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0089】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0090】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0091】
また、仕入先選択業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0092】
例えば、仕入先選択業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕入先選択業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0093】
また、このコンピュータプログラムは、仕入先選択業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0094】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0095】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0096】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0097】
また、仕入先選択業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕入先選択業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0098】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、例えば、建設、工事、機械、鉄鋼、食品、化学、商社、流通小売、派遣、コンサル、ITメディア、物流および運輸等の分野において有用であるが、中でも特に、建設および工事の分野においては極めて有用である。
【符号の説明】
【0100】
100 仕入先選択業務支援装置
102 制御部
102a 見積回答入力画面生成部
102b 評価取得部
102c 見積回答入力画面表示部
102d 発注先候補表示部
102e 発注データ生成部
102f 交渉結果確認画面表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 仕入先別商品評価マスタ
106b 見積依頼データ
106c 発注データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク