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特開2023-119860ブラシレス励磁機の保護装置、方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119860
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】ブラシレス励磁機の保護装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02P 9/14 20060101AFI20230822BHJP
   H02P 103/20 20150101ALN20230822BHJP
   H02P 101/25 20150101ALN20230822BHJP
【FI】
H02P9/14 E
H02P103:20
H02P101:25
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022962
(22)【出願日】2022-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三橋 智浩
【テーマコード(参考)】
5H590
【Fターム(参考)】
5H590AA13
5H590AB09
5H590BB11
5H590CC29
5H590CE01
5H590DD13
5H590DD62
5H590DD64
5H590EB15
5H590EB21
5H590GA05
5H590GA07
5H590HA02
5H590HA04
5H590HA07
5H590JA02
5H590JA08
5H590KK07
(57)【要約】
【課題】出力異常が発生したブラシレス励磁機の保護技術を提供する。
【解決手段】保護装置40は、主発電機の固定電機子から出力される電圧波形V*を取得する第1取得部41と、この固定電機子22から出力される電流波形I*を取得する第2取得部42と、これら電圧波形V*の振幅V0及び電流波形I*の振幅I0並びに両者の位相差δを測定する測定部45と、これら振幅V0及び振幅I0並びに位相差δに基づいて無効電力Qを計算する計算部46と、交流励磁機に供給される励磁電流Dの値を取得する第3取得部43と、無効電力Qに対応して設定された閾値を励磁電流Dが上回るか下回るか判定する判定部47と、上回る判定が出た場合に励磁電流Dの供給を抑制又は停止させるトリップ信号49を発信する発信部48と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主発電機の固定電機子から出力される電圧波形を取得する第1取得部と、
前記固定電機子から出力される電流波形を取得する第2取得部と、
前記電圧波形の振幅及び前記電流波形の振幅並びに両者の位相差を測定し無効電力を計算する計算部と、
前記主発電機の回転界磁に通電する交流励磁機に供給される励磁電流の値を取得する第3取得部と、
前記無効電力に対応して設定された閾値を前記励磁電流が上回るか下回るか判定する判定部と、
前記上回る判定が出た場合、前記励磁電流の供給を抑制又は停止させるトリップ信号を発信する発信部と、を備えるブラシレス励磁機の保護装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシレス励磁機の保護装置において、
前記閾値は、
規定値までは前記無効電力と共に増加するように設定され、
前記規定値を超えると前記無効電力に無関係に一定値で設定される、ブラシレス励磁機の保護装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のブラシレス励磁機の保護装置において、
前記励磁電流の値は、分散制御システム又は自動電圧調整器に設けられたロジック回路で演算されたものであるブラシレス励磁機の保護装置。
【請求項4】
主発電機の固定電機子から出力される電圧波形を取得するステップと、
前記固定電機子から出力される電流波形を取得するステップと、
前記電圧波形の振幅及び前記電流波形の振幅並びに両者の位相差を測定し無効電力を計算するステップと、
前記主発電機の回転界磁に通電する交流励磁機に供給される励磁電流の値を取得するステップと、
前記無効電力に対応して設定された閾値を前記励磁電流が上回るか下回るか判定するステップと、
前記上回る判定が出た場合、前記励磁電流の供給を抑制又は停止させるトリップ信号を発信するステップと、を含むブラシレス励磁機の保護方法。
【請求項5】
コンピュータに、
主発電機の固定電機子から出力される電圧波形を取得するステップ、
前記固定電機子から出力される電流波形を取得するステップ、
前記電圧波形の振幅及び前記電流波形の振幅並びに両者の位相差を測定し無効電力を計算するステップ、
前記主発電機の回転界磁に通電する交流励磁機に供給される励磁電流の値を取得するステップ、
前記無効電力に対応して設定された閾値を前記励磁電流が上回るか下回るか判定するステップ、
前記上回る判定が出た場合、前記励磁電流の供給を抑制又は停止させるトリップ信号を発信するステップ、を実行させるブラシレス励磁機の保護プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、同期発電機におけるブラシレス励磁機の保護技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブラシレス励磁機の保護方法は、同期発電機の過励磁制限(OQL)及び低励磁制限(UEL)並びに界磁地絡検出器を用いて実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5159154号公報
【特許文献2】特開2008-199848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の保護方法では、ブラシレス励磁機に出力低下等の異常が発生した場合、低下する無効電力を、系統側の需要に合わせ維持しようと作用する。その結果、異常が発生したブラシレス励磁機は、励磁電流をさらに供給させようとして、致命的な損傷がさらに与えられる。
【0005】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、出力異常が発生したブラシレス励磁機の保護技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るブラシレス励磁機の保護装置において、主発電機の固定電機子から出力される電圧波形を取得する第1取得部と、前記固定電機子から出力される電流波形を取得する第2取得部と、前記電圧波形の振幅及び前記電流波形の振幅並びに両者の位相差を測定し無効電力を計算する計算部と、前記主発電機の回転界磁に通電する交流励磁機に供給される励磁電流の値を取得する第3取得部と、前記無効電力に対応して設定された閾値を前記励磁電流が上回るか下回るか判定する判定部と、前記上回る判定が出た場合、前記励磁電流の供給を抑制又は停止させるトリップ信号を発信する発信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により出力異常が発生したブラシレス励磁機の保護技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るブラシレス励磁機の保護装置のブロック図。
図2】(A)同期発電機が出力する電圧波形、電流波形及び位相差を示すグラフ、(B)電圧波形、電流波形及び位相差並びに皮相電力の関係式、(C)同期発電機が出力する皮相電力、有効電力及び無効電力の関係式。
図3】交流励磁機に供給される励磁電流の安全運転領域を示すグラフ。
図4】トリップ信号の発信を判定するロジック回路。
図5】本発明の実施形態が適用される同期発電機のシステム構成図。
図6】本発明の実施形態が適用される同期発電機の回路図。
図7】実施形態に係るブラシレス励磁機の保護方法の工程及びブラシレス励磁機の保護プログラムのアルゴリズムを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は実施形態に係るブラシレス励磁機30の保護装置40のブロック図である。図2(A)は同期発電機10(図5)が出力する電圧波形V*、電流波形I*及び位相差δを示すグラフである。図2(B)は電圧波形V*、電流波形I*及び位相差δの関係式である。図2(C)は同期発電機10が出力する皮相電力S、有効電力P及び無効電力Qの関係式である。
【0010】
このように保護装置40は、主発電機20(図5)の固定電機子22から出力される電圧波形V*を取得する第1取得部41と、この固定電機子22から出力される電流波形I*を取得する第2取得部42と、これら電圧波形V*の振幅V0及び電流波形I*の振幅I0並びに両者の位相差δを測定する測定部45と、これら振幅V0及び振幅I0並びに位相差δに基づいて無効電力Qを計算する計算部46と、主発電機20の回転界磁21に通電する交流励磁機38(図5)に供給される励磁電流Dの値を取得する第3取得部43と、無効電力Qに対応して設定された閾値26(図3)を励磁電流Dが上回るか下回るか判定する判定部47と、上回る判定が出た場合に励磁電流Dの供給を抑制又は停止させるトリップ信号49を発信する発信部48と、を備えている。
【0011】
図2(A)に示すように、第1取得部41及び第2取得部42で取得される電圧波形V*及び電流波形I*は、変位する位相角θにおいて位相差δを持って振動している。そして、図2(B)に示すように、電圧波形V*は振幅V0として数式(1)で表され、電流波形I*は振幅I0として数式(2)で表される。そして、電圧波形V*及び電流波形I*の関係は数式(3)で表される。測定部45は、これら数式(1)~(3)に基づいて電圧波形V*の振幅V0及び電流波形I*の振幅I0並びに両者の位相差δを測定する
【0012】
図2(C)に示す有効電力Pは、負荷で消費される電力であり数式(5)で表される。そして無効電力Qは、負荷で消費されない電力であり数式(6)で表される。無効電力Qは、仕事をせずに負荷と主発電機20の間を往復しているだけの電力である。そして皮相電力Sは、主発電機20から送り出される電力で、有効電力Pと無効電力Qをベクトル合成したものであり数式(4)で表される。計算部46は、振幅V0及び振幅I0並びに位相差δに基づいて少なくとも無効電力Qを計算する。
【0013】
図1に戻って説明を続ける。第3取得部43で取得される励磁電流Dは、最終的に交流励磁機38に(図6参照)に供給されるものである。このために励磁電流Dは、交流励磁機38の前段に設けられる固定整流器17に入力される三相交流である場合の他に固定整流器17から出力される直流である場合も含まれる。よって、この励磁電流Dの値は、分散制御システム(図示略)又は自動電圧調整器15等といった静止側に設けられたロジック回路で演算されたものを利用することができる。
【0014】
図3は交流励磁機38に供給される励磁電流Dの安全運転領域Rを示すグラフである。このように安全運転領域Rの上限境界は励磁電流Dの閾値26で表される。この閾値26は、無効電力Qが0から規定値Q0までは傾きが正となるよう増加するように設定されている。そして、この規定値Q0を超えると、無効電力Qに無関係に一定値D0で設定されている。
【0015】
判定部47(図1)は、無効電力Q及び励磁電流Dで定まる座標位置が安全運転領域Rに含まれれば、すなわち、励磁電流Dが閾値26を下回れば正常と判定する。そして、判定部47は、無効電力Q及び励磁電流Dで定まる座標位置が安全運転領域Rから外れれば、すなわち、励磁電流Dが閾値26を上回れば異常と判定する。さらに、閾値26よりも低いレベルに警戒27が設定されており、異常判定がなされる前に警報が発せられる。
【0016】
励磁電流Dが閾値26を上回り、判定部47において異常判定がなされた場合、発信部48は、トリップ信号49を発信する。このトリップ信号49が発信されると、交流励磁機38に対する励磁電流Dの供給を、抑制又は停止させる。
【0017】
図4はトリップ信号49の発信を判定するロジック回路である。ここで、第1比較器と第2比較器のそれぞれには、入力した無効電力Qに対応する閾値26及び警戒27が設定されている。そして、入力した励磁電流Dが警戒27のレベルに達したところで第2警報が発信される。さらに入力した励磁電流Dが閾値26のレベルに達したところで第1警報が発信されるとともにトリップ信号49も発信される。
【0018】
ここで、ブラシレス励磁機30に出力低下等の異常が発生した場合を想定する。このとき、異常が発生したブラシレス励磁機30は、系統側の需要に合わせて、低下する無効電力Qを維持するために励磁電流Dさらに供給させようとする。ところで、規定値Q0よりも小さい無効電力Qの領域では、閾値26がより小さく設定されている。このために、無効電力Qが小さい程、低い励磁電流Dでトリップ信号49が発信されるため、ブラシレス励磁機30の致命的な損傷を回避できる。
【0019】
次に図5及び図6に基づいて、本発明の実施形態が適用される同期発電機10を説明する。ここで図5はこの同期発電機10のシステム構成図であり、図6は同・回路図である。このように同期発電機10は、主発電機20とブラシレス励磁機30とが、それぞれの回転軸25(25A,25B)の先端のフランジ面が突合せて締結され、同軸に構成されている。そしてブラシレス励磁機30は、回転整流器39と交流励磁機38と永久磁石発電機35と固定整流器17とが、共通の回転軸25Bにユニット構成されている。
【0020】
永久磁石発電機35は、回転子に永久磁石回転子31を用い、固定子に電機子巻線32を用いた、高周波数の小型の発電機である。この永久磁石発電機35は、回転軸25の軸回転に同期して、高周波電圧を出力するものであるために、起動時及び定常運転時にかかわらず、同期発電機10の回転界磁21の励磁源としての役割を果たす。
【0021】
固定整流器17は、永久磁石発電機35の電機子巻線32からの入力である三相交流を整流し、交流励磁機38の固定界磁36に直流を出力するものである。そして、この固定界磁36に入力される直流は、後述する自動電圧調整器15から入力した制御信号16により、その大きさが制御されている。
【0022】
交流励磁機38は、固定整流器17から直流電流の供給を受け磁界を発生させる固定界磁36と、回転軸25が軸回転することでこの磁界を横切り交流電流を誘導させる回転電機子37と、から構成されている。交流励磁機の回転電機子37は、三相巻線で構成され、位相が互いに120°ずつずれた三相の交流電流を出力し、回転整流器39に供給する。
【0023】
回転整流器39は、その円盤形状の中心を直交するように回転軸25が貫通し、この円盤形状の表面に沿って複数の整流素子(図示略)が、放射状に質量分布が均等になるように配列されている。そして回転整流器39は、交流励磁機38の回転電機子37が出力する三相交流をこれら整流素子で整流し、主発電機20の回転界磁21に直流を出力する。
【0024】
主発電機20は、回転整流器39からこの直流の供給を受け回転軸25の軸回転により回転磁束を発生する回転界磁21と、この発生した回転磁束を横切らせることで交流電流を誘導させる固定電機子22と、から構成されている。この固定電機子22は、三相巻線で構成され、位相が互いに120°ずつずれた三相の交流電流を出力し、主変圧器11で電圧調整したうえで、送電網に供給する。
【0025】
主発電機20の回転軸25Aの図中左端には、原子炉やボイラーで発生させた蒸気により回転運動するタービン(図示略)が、同軸接続されている。このタービンの回転運動エネルギーが、主発電機20において電気エネルギーに変換され、三相交流の発電電力が、主変圧器11を介して送電網(図示略)に供給される。
【0026】
同期発電機10の電力出力系統には、送電網への供給電圧を計測することができる変圧器12を介して自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)15が接続されている。この自動電圧調整器15は、同期発電機10の出力電圧と設定電圧との偏差が規格内に収まるように、この出力電圧を制御する制御信号16を固定整流器17に送信する。さらに自動電圧調整器15は、永久磁石発電機35から供給される電流を増幅させる働きも持つ。
【0027】
この制御信号16を受信した固定整流器17は、点弧信号を変調させることで、永久磁石発電機35から入力した三相交流を、電圧調整された直流に変換して交流励磁機38に供給する。このようにして永久磁石発電機35からの出力電圧が調整されることにより、同期発電機10から出力される電圧波形V*及び電流波形I*は、設定値に対して安定的に制御される。
【0028】
図7のフローチャートに基づいて実施形態に係るブラシレス励磁機30の保護方法の工程及びブラシレス励磁機30の保護プログラムのアルゴリズムを説明する(適宜、図5及び図6参照)。
【0029】
まず、主発電機20(図5)の固定電機子22から出力される電圧波形V*及び電流波形I*を取得する(S11,S12)。そして、これら電圧波形V*の振幅V0及び電流波形I*の振幅I0並びに両者の位相差δを測定する(S13)。さらに、これら電圧振幅V0及び電流振幅I0並びに位相差δに基づいて無効電力Qを計算する(S14)。
【0030】
次に、交流励磁機38に供給される励磁電流Dの値を取得する(S15)。そして、無効電力Qに対応して設定された閾値26で(S16)、励磁電流Dが上回るか下回るかを判定する(S17)。そして、励磁電流Dが閾値26を下回る場合は(S17 Yes)、正常判定となり、同期発電機10の発電運転はそのまま継続される(S18 No)。
【0031】
一方において、励磁電流Dが閾値26を上回る場合は(S17 No)、異常判定となり、トリップ信号49が発信され(S19)、励磁電流Dの供給を抑制又は停止させる(S20,END)。また、同期発電機10における継続中の発電を終了するときも(S18 Yes)、同様に、励磁電流Dの供給を停止する(S20,END)。
【0032】
以上述べた少なくともひとつの実施形態のブラシレス励磁機の保護装置によれば、無効電力に対応して設定された閾値を励磁電流が上回るか下回るか判定することにより、出力異常が発生したブラシレス励磁機の保護が可能となる。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0034】
以上説明したブラシレス励磁機の保護装置は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このためブラシレス励磁機の保護装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、ブラシレス励磁機の保護プログラムにより動作させることが可能である。
【0035】
またブラシレス励磁機の保護プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0036】
また、本実施形態に係るブラシレス励磁機の保護プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、ブラシレス励磁機の保護装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0037】
10…同期発電機、11…主変圧器、12…変圧器、15…自動電圧調整器、16…制御信号、17…固定整流器、20…主発電機、21…回転界磁、22…固定電機子、25(25A,25B)…回転軸、26…閾値、27…警戒、30…ブラシレス励磁機、31…永久磁石回転子、32…電機子巻線、35…永久磁石発電機、36…固定界磁、37…回転電機子、38…交流励磁機、39…回転整流器、40…保護装置、41…第1取得部、42…第2取得部、43…第3取得部、45…測定部、46…計算部、47…判定部、48…発信部、49…トリップ信号、V*…電圧波形、I*…電流波形、D…励磁電流、S…皮相電力、P…有効電力、Q…無効電力、R…安全運転領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7