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特開2023-119926インターフェースおよび流路デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023119926
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】インターフェースおよび流路デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/08 20060101AFI20230822BHJP
   G01N 37/00 20060101ALI20230822BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
B01J19/00 321
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023062
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 航一
【テーマコード(参考)】
2G058
4G075
【Fターム(参考)】
2G058DA07
2G058EA14
4G075AA13
4G075AA39
4G075BB10
4G075CA02
4G075DA02
4G075DA18
4G075EA02
4G075EA06
4G075EB50
4G075EC06
4G075EC26
4G075FA01
4G075FA12
4G075FB12
4G075FB13
4G075FC17
(57)【要約】
【課題】流路チップの表面からの外部機器の突出を抑制できる、流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースを提供すること。
【解決手段】本発明のインターフェースは、流路チップに接触し、前記流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースであって、弾性を有する第1部材と、前記第1部材を支持する第2部材と、を有し、前記第1部材は、前記流路と連通するための第1流路と、前記外部機器と連通するための第2流路と、を有し、前記第1流路と前記第2流路とが連通しており、前記第2流路は、前記インターフェースを前記流路チップに接触させた状態で平面視したときに、前記第1流路側の端部から、前記外部機器側の端部に向かうにつれて前記流路チップの重心から離れるように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路チップに接触し、前記流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースであって、
弾性を有する第1部材と、
前記第1部材を支持する第2部材と、
を有し、
前記第1部材は、
前記流路と連通するための第1流路と、前記外部機器と連通するための第2流路と、
を有し、
前記第1流路と前記第2流路とが連通しており、
前記第2流路は、前記インターフェースを前記流路チップに接触させた状態で平面視したときに、前記第1流路側の端部から前記外部機器側の端部に向かうにつれて前記流路チップの重心から離れるように配置されている、
インターフェース。
【請求項2】
前記第1流路の中心軸と、前記第2流路の中心軸とのなす角度が180°未満である、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項3】
前記第1流路の中心軸と、前記第2流路の中心軸とのなす角度が90°以下である、請求項1に記載のインターフェース。
【請求項4】
前記流路チップと接する面とは反対側の面に、外部からの圧力および/または熱を加えるための平面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項5】
前記第2部材は第1部材より低い弾性を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項6】
前記第1部材および前記第2部材は、2色成形またはインサート成形によって形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項7】
前記第2部材は、前記第1部材が前記流路チップの前記流路側から押圧されたときに前記第1部材の移動を防ぐための支持部を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項8】
前記支持部は、前記第1部材の段差面と係合する前記第2部材の段差面であり、
前記第1部材の段差面は、前記第2部材の段差面よりも前記流路チップの前記流路側に配置されている、
請求項7に記載のインターフェース。
【請求項9】
前記支持部は、前記流路チップの前記流路から離れるにつれて内径が小さくなるテーパー面である、請求項7に記載のインターフェース。
【請求項10】
前記第1部材は、外部から前記第1流路または第2流路まで中空針を挿入されるための針挿入部を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のインターフェース。
【請求項11】
前記針挿入部は、前記中空針の位置に応じて開閉可能なスリットを有する、請求項10に記載のインターフェース。
【請求項12】
流路と、
前記流路と、外部機器とを接続するためのインターフェースと、
を有する、流路デバイスであって、
前記インターフェースは、
弾性を有する第1部材と、
前記第1部材を支持する第2部材と、
を有し、
前記第1部材は、
前記流路と連通するための第1流路と、前記外部機器と連通するための第2流路と、
を有し、
前記第1流路と前記第2流路とが連通しており、
前記第1流路の中心軸と、前記第2流路の中心軸とのなす角度が180°未満であり、
前記第2流路は、前記インターフェースを前記流路に接続させた状態で平面視したときに、前記第1流路側の端部から前記外部機器側の端部に向かうについれて前記流路デバイスの重心から離れるように配置されている、
流路デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路チップに接触し、流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェース、および当該インターフェースを有する流路デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タンパク質や核酸等の微量な物質の分析を高精度かつ高速に行うために、流路チップが使用されている。流路チップは、分析に必要な試薬および試料の量が少なくてもよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。特許文献1に示されるように、流路チップには、通常、流路チップ内の流体を移動させるための外部機器(例えばチューブやポンプなど)が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-166989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示されるように、特許文献1に示される微細流路1を有するマイクロ流路チップ2は、外部機器(チューブ)13がマイクロ流路チップ2の表面側から接続されており、チューブ13が表面から突出する。このようにチューブ13が突出すると、マイクロ流路チップ2の取扱いが困難になる。たとえば、マイクロ流路チップ2の表面側から光学顕微鏡などでマイクロ流路チップ2の微細流路1を観察したいときに、チューブ13と光学顕微鏡が干渉してしまい、観察が困難になることがある。
【0005】
本発明の目的は、流路チップの表面からの外部機器の突出を抑制できる、流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインターフェースは、流路チップに接触し、前記流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースであって、弾性を有する第1部材と、前記第1部材を支持する第2部材と、を有し、前記第1部材は、前記流路と連通するための第1流路と、前記外部機器と連通するための第2流路と、を有し、前記第1流路と前記第2流路とが連通しており、前記第2流路は、前記インターフェースを前記流路チップに接触させた状態で平面視したときに、前記第1流路側の端部から前記外部機器側の端部に向かうにつれて前記流路チップの重心から離れるように配置されている。
【0007】
本発明の流路デバイスは、流路と、前記流路と、外部機器とを接続するためのインターフェースと、を有する、流路デバイスであって、前記インターフェースは、弾性を有する第1部材と、前記第1部材を支持する第2部材と、を有し、前記第1部材は、前記流路と連通するための第1流路と、前記外部機器と連通するための第2流路と、を有し、前記第1流路と前記第2流路とが連通しており、前記第1流路の中心軸と、前記第2流路の中心軸とのなす角度が180°未満であり、前記第2流路は、前記インターフェースを前記流路に接続させた状態で平面視したときに、前記第1流路側の端部から前記外部機器側の端部に向かうについれて前記流路デバイスの重心から離れるように配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、流路チップの表面からの外部機器の突出を抑制できる、流路チップの流路と外部機器とを接続するためのインターフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、特許文献1のマイクロ流路チップを示す図である。
図2図2Aは、インターフェースの斜視図を示し、図2Bは、インターフェースの断面斜視図である。
図3図3A、B、Cは、実施の形態1に係るインターフェースの断面図である。
図4図4Aは、実施の形態2に係るインターフェースの断面図であり、図4Bは、実施の形態3に係るインターフェースの断面図である。
図5図5Aは、実施の形態4に係るインターフェースの断面図であり、図5Bは、実施の形態5に係るインターフェースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明のインターフェースおよび流路デバイス]
本発明のインターフェースは、流路チップ20内の流路21と外部機器とを接続し、流路内の流体を移動させるために用いることができる。ここで外部機器とは、ポンプなどの装置や、容器やチューブなどの器具を意味する。本発明のインターフェースは、流路チップ20の一部であってもよいし、流路チップ20と別体であって流路チップ20と接触して用いられるものであってもよい。
【0011】
図2A、Bは、流路チップ20と、流路チップ20と組み合わせて用いられるインターフェース10とを有する流路デバイス30の一例を示す斜視図である。図2Bでは、インターフェース10および流路チップ20の断面も示している。インターフェース10は、第1部材11および第2部材12を有し、第1部材11は、外部機器(例えばチューブ)130と接続されている。この例では、チューブ130は、例えばポンプ、シリンジなどの動力源に接続されている。外部機器130およびインターフェース10を介して、流路チップ20の流路21内の流体(例えば、気体、液体)に陰陽の圧力を加え、流体を移動させることができる。
【0012】
以下、実施の形態1~5に係るインターフェースについて説明する。なお、実施の形態1~4に係るインターフェースは、流路チップ20と別体であって流路チップ20と接触して用いられるインターフェースであり、実施の形態5に係るインターフェースは、流路チップ20の一部であるインターフェースである。
【0013】
[実施の形態1]
図3Aは、実施の形態1に係るインターフェース100の断面図を示す。
【0014】
インターフェース100は、第1部材110と第2部材120とを有し、第2部材120は第1部材110を支持している。本実施の形態において、第1部材110と第2部材120とは、2色成形またはインサート成形によって形成されることが好ましい。
【0015】
第1部材110と第2部材120とが、インサート成形によって形成される場合、第1部材110がインサート品であり、型に挿入された第1部材110の周りに第2部材120を成形する材料が充填される。これにより、第2部材120によって第1部材110が支持される。また、本実施の形態において、図3Aに示されるように、流路チップ20と接する面とは反対側の面に、外部からの圧力および/または熱を加えるための平面を有する。具体的には、第1部材110および第2部材120は、流路チップ20の底面に対して略平行に広がる同一面を、インターフェース100の表面側に形成する。
【0016】
第1部材110は、流路チップ20の流路21と外部機器130とを接続する。第1部材110は、ガスケットとしても機能するため、弾性を有する。第1部材110の材料の例には、エラストマー、樹脂などが含まれる。第1部材110の数および位置は、特に制限されず、流路チップ20の流路21の開口部の数および位置などに応じて適宜設定される。
【0017】
第1部材110は、図3Aに示されるように、第1流路111と第2流路112とを有し、第1流路111と第2流路112とは連通している。第2流路112は、インターフェース100を流路チップ20に接触させた状態で平面視したときに、第1流路111側の端部から、外部機器130側の端部に向かうにつれて流路チップ20の重心から離れるように配置されている。これにより、第2流路112に接続された外部機器(例えばチューブ)130が流路チップ20の表面から突出するように配置されることを防ぐことができる。
【0018】
具体的には、第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度は180°未満であることが好ましい。本実施の形態においては、図3Aに示されるように、第1流路111は流路チップ20の底面に略垂直な方向に沿って配置され、第2流路112は流路チップ20の底面に略平行な方向に沿って配置される。これにより、第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度は略90°である。
【0019】
また、図3Bは、第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度が180°未満であり、かつ90°を超えている例を示す。また、図3Cは、第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度が90°未満である例を示す。
【0020】
第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度が、図3B、Cに示されるように略90°でない(第1流路111の中心軸がインターフェースの底面に対して傾いている)と、インターフェース100の厚みを小さくすることができ、外部からの熱を流路チップに伝えやすい。
【0021】
第1流路111の中心軸と第2流路112の中心軸とのなす角度が90°未満である場合、当該角度の下限は特に制限されないが、当該角度は、例えば30°以上であることが好ましく、45°以上であることがさらに好ましい。
【0022】
インターフェースにおいて、上記の要件を満たす第1流路111と第2流路112とを有する流路は、少なくとも1つあればよい。たとえば、流路チップ20の流路21に連通する、インターフェース100の流路がインレット側とアウトレット側の2つある場合、インレット側および/またはアウトレット側の流路が上記の要件を満たす第1流路と第2流路とを有すればよい。
【0023】
第1流路111は、流路チップ20の流路と連通するための第1開口部113に開口する。第1開口部113は、弾性を有する第1部材110によって囲まれ、第1部材110は流路チップ20に直接接触する。これにより、第1部材110と流路チップ20の開口部との間に隙間ができることが抑制され、流路21を通った流体(例えば、気体、液体など)が、外部に漏れることが抑制される。これにより、本実施の形態のインターフェース100によれば、流路チップ20とインターフェース100との間にパッキンやガスケットなどの封止部材を不要とすることができる。
【0024】
上記のように、第1部材110と流路チップ20とを密着させ、流体が漏れることを抑制するという観点から、図3Aに示されるように、第1開口部113の周囲の第1部材110はインターフェース100の裏面から突出していることが好ましい。
【0025】
第2流路112は、第2開口部114に開口し、第2開口部114は外部機器(例えばチューブ)130に連通する。第2流路112は、外部機器130に接続可能となるように構成されていることがことが好ましい。本実施の形態において、図3Aに示されるように、第2流路112内には、外部機器(チューブ130)が挿入される。
【0026】
第1部材110は、図3Aに示されるように、針挿入部115を有していてもよい。針挿入部115は、外部から第1流路111または第2流路112まで中空針を挿入される部分である。たとえば、中空針にはシリンジが接続され、シリンジを操作することにより、流路チップ20の流路21への流体の出し入れを行うことができる。
【0027】
針挿入部115は、中空針の位置に応じて開閉可能なスリット116を有することが好ましい。具体的には、スリット116に中空針を刺したときにスリット116は開き、中空針を刺していないときは閉じてるように構成されていることが好ましい。本実施の形態において、針挿入部115は、V字溝状の凹部であり、スリット116は凹部の底部(谷線部)に形成されている。
【0028】
なお、第1部材110は、針挿入部115を有さなくてもよい。第1部材110が針挿入部115を有さなくても、第1部材110は弾性を有するため、中空針を刺して、流体の出し入れを行うことができる。
【0029】
第2部材120は、第1部材110を支持し、インターフェース100の取り扱い性を向上させる。第2部材120の構成は、第1部材110を支持できれば特に制限されない。本実施の形態において、第2部材120は、第1流路111および第2流路112を構成する第1部材110を取り囲む様に構成されている板状の部材である。
【0030】
第2部材120は、第1部材110を適切に支持する観点から第1部材110よりも弾性が低いことが好ましい。第2部材120の材料の例には、エラストマー、樹脂などが含まれる。また、光学顕微鏡などで第2部材120を介して流路チップ20の流路21を観察する場合は、第2部材120の形状は、流路21の観察を妨げない形状(例えば平板状)であることが好ましく、第2部材120の材料は、可視光について透明であることが好ましい。
【0031】
(効果)
インターフェース100によれば、インターフェース100の上面ではなく側面から外部機器130と接続するように構成されているため、流路チップ20の上方に外部機器130が突出しないようにすることができる。したがって、流路チップ20の上方に光学顕微鏡や加熱装置などを接近して配置したり、流路チップ20の上方および下方から加圧したりすることが可能となり、流路チップ20の利用態様を拡大することができる。
【0032】
[実施の形態2]
図4Aは実施の形態2に係るインターフェース200の断面図を示す。インターフェース200において、インターフェース100と同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
インターフェース200は、第2部材220が支持部221を有する点で、インターフェース100と異なる。支持部221は、第1部材210が流路チップ20の流路側(下側)から押圧されたときに第1部材210の移動を防ぐための部材である。また、支持部221は、第1部材210に中空針が差し込まれ、抜かれたときに、孔を閉じさせることに役立つ。
【0034】
本実施の形態において、支持部221は、第1開口部113から離れるにつれて内径が小さくなるテーパー面である。
【0035】
(効果)
インターフェース200は、第2部材220が支持部221を有するので、第1部材210が第2部材220によってより支持されやすくなる。また、第1部材210に中空針が抜き差しされたときに、孔が閉じやすくなる。
【0036】
[実施の形態3]
図4Bは実施の形態3に係るインターフェース300の断面図を示す。インターフェース300において、インターフェース100と同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
インターフェース300は、その表側(上側)において、第1部材310が第2部材320によって覆われており、第1部材310が外部に露出しない点において、インターフェース100、200と異なる。
【0038】
上記の様にインターフェース300において、第1部材310は第2部材320によって覆われている。これにより、流路チップ20の流路側から第1部材310が押圧されたときに第1部材210が移動するのをより確実に防ぐことができる。このように、第1部材310を覆う第2部材320は、第1部材310の移動を防ぐための支持部として機能する。
【0039】
(効果)
インターフェース300は、その表側において、第2部材320が第1部材310を覆っている。そのため、第1部材310が第2部材320によってより支持されやすくなる。
【0040】
[実施の形態4]
図5Aは、実施の形態4に係るインターフェース400の断面図を示す。インターフェース400において、インターフェース100と同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0041】
インターフェース400は、第1部材410が第1開口部113の周囲にフランジ411を有する点で、インターフェース100、200、300と異なる。フランジ411の上面は、第1部材410の段差面となり、第2部材420は、支持部として第1部材210の段差面と係合する段差面を有する。図4Aに示されるように、第1部材210の段差面(フランジ411の上面)は、第2部材420の段差面より流路チップ20の流路側(下側)に配置されている。このため、第1部材410が流路チップ20の流路側(下側)から押圧されたときに第1部材410の移動が防がれる。
【0042】
インターフェース400は、フランジ411を有することで、流路チップ20の開口部の周囲における接触面が大きくなる。このため、第1部材410と、流路チップ20の開口部の周囲との間に隙間ができることが抑制され、流体(例えば、気体、液体など)が、外部に漏れることをより確実に防止できる。
【0043】
フランジ411の構成は、第1開口部113の周囲に配置され、流路チップ20との接触面を多くすることができれば特に制限されない。本実施の形態において、フランジ411は第1開口部113の周囲において、流路チップ20の表面に平行な方向に延びる形状を有する。また、本実施の形態において、フランジ411は、インターフェース400の裏面から突出するように構成されている。
【0044】
(効果)
インターフェース400によれば、第1部材410が第2部材420によってより支持されやすくなるとともに、流体が外部に漏れることをより確実に防止することができる。
【0045】
[実施の形態5]
図5Bは、実施の形態5に係るインターフェース500の断面図を示す。インターフェース500において、インターフェース100と同様の構成には同様の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
インターフェース500は、流路チップ20の一部である点で、他の実施の形態に係るインターフェースと異なる。すなわち、図5Bは、流路と、インターフェースとを有する流路デバイスを示す。具体的には、インターフェース500は図5Bに示されるように、第1部材510および第2部材520が流路21の流路壁の上部の一部を構成している。また、インターフェース500において、第1開口部113は、流路21に直接的に連通している。
【0047】
このように、インターフェース500は、流路チップ20の一部なので、インターフェース500の第1部材510と流路チップ20との間に隙間がなく、流体が外部に漏れることがより確実に防止される。
【0048】
(効果)
インターフェース500によれば、流体が外部に漏れることをより確実に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係るインターフェースは、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途において用いられる流路チップに有用である。
【符号の説明】
【0050】
1 微細流路
2 マイクロ流路チップ
10、100、200、300、400、500 インターフェース
11、110、210、310、410、510 第1部材
12、120、220、320、420、520 第2部材
13、130 外部機器(チューブ)
20 流路チップ
21 流路
30 流路デバイス
111 第1流路
112 第2流路
113 第1開口部
114 第2開口部
115 針挿入部
116 スリット
221 支持部
411 フランジ
図1
図2
図3
図4
図5