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  • 特開-ベルト異常検知装置およびコンベヤ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120023
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】ベルト異常検知装置およびコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20230822BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20230822BHJP
【FI】
B65G43/02 Z
G01M99/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023185
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】398003957
【氏名又は名称】オークラサービス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000103426
【氏名又は名称】オークラ輸送機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】武田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】小野山 達夫
【テーマコード(参考)】
2G024
3F027
【Fターム(参考)】
2G024AD01
2G024BA27
2G024CA02
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA22
3F027FA02
(57)【要約】
【課題】汎用のベルトに対応し、ベルトの異常を確実に検知できるベルト異常検知装置を提供する。
【解決手段】ベルト異常検知装置40は、回動するベルト15の異常を検知する。ベルト異常検知装置40は、ベルト15に対向され、ベルト15との間の距離を測定する距離測定器41と、距離測定器41によって測定される距離の変化に応じてベルト15の亀裂Cまたは剥離を含む異常を検知するベルト異常検知部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動するベルトの異常を検知するベルト異常検知装置であって、
前記ベルトに対向され、前記ベルトとの間の距離を測定する距離測定器と、
前記距離測定器によって測定される距離の変化に応じて前記ベルトの亀裂または剥離を含む異常を検知するベルト異常検知部と、
を備えることを特徴とするベルト異常検知装置。
【請求項2】
前記ベルト異常検知部は、前記距離測定器によって測定される距離の値が所定の最大値の閾値以上または所定の最小値の閾値以下になることで前記ベルトの異常を検知する
ことを特徴とする請求項1記載のベルト異常検知装置。
【請求項3】
前記ベルト異常検知部は、前記距離測定器によって測定される距離の変化量が所定の変化量の閾値を超えることで前記ベルトの異常を検知する
ことを特徴とする請求項1記載のベルト異常検知装置。
【請求項4】
前記ベルト異常検知部が前記ベルトの異常を検知したことを表示する表示部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のベルト異常検知装置。
【請求項5】
回動するベルトと、
請求項1ないし4いずれか一記載のベルト異常検知装置と、
を備えることを特徴とするコンベヤ。
【請求項6】
物品を搬送する複数の搬送ローラを備え、
前記ベルトは、複数の前記搬送ローラに接触して回転させる駆動ベルトである
ことを特徴とする請求項5記載のコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動するベルトの異常を検知するベルト異常検知装置、およびこのベルト異常検知装置を備えたコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、搬送用のベルトを用いるコンベヤにおいて、ベルトの異常を検知する装置が知られている。
【0003】
この装置では、一部の領域に発光剤を含むエラストマーで形成された特定のベルトを用い、このベルトに対して近赤外光を照射することで発光剤が発光し、その光量の変化を検出することにより、ベルトの異常を検知している。
【0004】
また、汎用のベルトを用いるコンベヤでは、一般的に、作業員が目視や触手によりベルトの異常を確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-132433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した装置では、ベルトの異常を検知するのに特定のベルトを用いる必要があり、汎用のベルトでは異常を検知できず、汎用性に問題がある。
【0007】
また、作業員が目視や触手によりベルトの異常の確認を行う場合、作業員の熟練度によってベルトの異常の検知にばらつきが生じやすく、見落としが生じることがある。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、汎用のベルトに対応し、ベルトの異常を確実に検知できるベルト異常検知装置およびコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のベルト異常検知装置は、回動するベルトの異常を検知するベルト異常検知装置であって、前記ベルトに対向され、前記ベルトとの間の距離を測定する距離測定器と、前記距離測定器によって測定される距離の変化に応じて前記ベルトの亀裂または剥離を含む異常を検知するベルト異常検知部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明のベルト異常検知装置によれば、汎用のベルトに対応し、ベルトの異常を確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施の形態を示すコンベヤの平面図である。
図2】同上コンベヤの自動張力調整機構およびベルト異常検知装置の斜視図である。
図3】同上コンベヤの自動張力調整機構およびベルト異常検知装置の斜視図である。
図4】同上コンベヤのベルト異常検知装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
図1に示すように、コンベヤ10は、搬送物を搭載して搬送方向が90°方向転換するように搬送するカーブ用のベルト駆動ローラコンベヤである。
【0014】
コンベヤ10は、同心の円弧状に湾曲された内径側のフレーム11aと外径側のフレーム11bを備えている。これらフレーム11a,11bは、複数の横継ぎ部材12によって連結され、複数の脚体によって床面などに対して設置される。
【0015】
フレーム11a,11b間には、複数の搬送ローラ14が搬送方向に対して所定の間隔で並列に配置されている。複数の搬送ローラ14は、搬送方向に向けて回転可能で、上面側が搬送物を搬送する搬送面として構成されている。搬送ローラ14は、コンベヤ10の内径側に配置される一端側が小径で外径側に配置される他端側が大径となる円錐台形状に形成されている。なお、図1には、複数の搬送ローラ14のうちの一部は、図示を省略し、中心線のみを1点鎖線で示している。
【0016】
内径側のフレーム11a側であって、複数の搬送ローラ14の軸方向一端側の下方に、複数の搬送ローラ14と接触して複数の搬送ローラ14を回転させる駆動ベルトであるベルト15が配置されている。ベルト15には、断面略V字形で無端状のVベルトが用いられている。
【0017】
ベルト15は、複数のベルト支持プーリに回転可能に巻き掛けられている。ベルト支持プーリには、内径側のフレーム11aの長手方向の両端に回転可能に配置され、ベルト15を上面側と下面側とに折り返す一対のエンドプーリ16と、2本ずつの搬送ローラ14間に対応して回転可能に配置され、ベルト15の上面側を搬送ローラ14の下面側に接触させる複数の押上プーリ17と、ベルト15の下面側が巻き掛けられる駆動プーリ18と、が含まれている。駆動プーリ18は、ベルト15の張力の調整に用いられる張力調整プーリと兼用されている。そして、複数の押上プーリ17により押し上げられるベルト15の上面側が複数の搬送ローラ14の下面側に接触され、回動するベルト15から複数の搬送ローラ14に回転力が伝達されることにより、複数の搬送ローラ14が搬送方向に回転される。
【0018】
駆動プーリ18は、駆動部であるモータ20によって回転駆動される。
【0019】
また、コンベヤ10は、ベルト15の張力を自動調整する自動張力調整機構30を備えている。この自動張力調整機構30は、コンベヤ10の両端間の中間部でフレーム11a,11b間に架設された一対のガイド軸31と、一対のガイド軸31に軸方向つまりコンベヤ10の径方向にスライド移動可能に支持された移動部32と、この移動部32上に配置されて一体に移動する張力調整プーリである駆動プーリ18と、この駆動プーリ18を介してベルト15に張力を付与する方向(図1の外径方向)に向けて移動部32を付勢する付勢部33と、を備えている。
【0020】
移動部32は、一対のガイド軸31に沿って軸方向に移動可能とするスライド台34によって構成されている。スライド台34の下面側にモータ20が取り付けられ、このモータ20の駆動軸がスライド台34の上方に突出され、この駆動軸の先端側に駆動プーリ18が取り付けられている。したがって、移動部32と一体にモータ20および駆動プーリ18が移動する。
【0021】
付勢部33は、移動部32と内径側のフレーム11aとの間で、一対のガイド軸31に挿通された一対の圧縮コイルばね35を備えている。一対の圧縮コイルばね35は、移動部32と一対のガイド軸31に取り付けられたカラー36との間に圧縮状態に配置され、その反発力によってカラー36に対して移動部32をベルト15に張力が付与される方向(図1の外径方向)に向けて付勢する。ガイド軸31に取り付けられたカラー36の位置を調整することにより、ベルト15に付与する張力を設定可能とする。
【0022】
また、図1ないし図4に示すように、コンベヤ10は、ベルト15の亀裂C(ひび割れなども含む)や剥離Pを含む異常を検知するベルト異常検知装置40を備えている。ベルト15の亀裂Cや剥離Pは、劣化などの影響でベルト表面に生じることがある。図2には、ベルト15の一面のベルト表面に、ベルト15の長手方向に対して交差する方向に沿ってベルト表面からベルト内部に向けて亀裂Cが生じている例を示す。また、図3には、ベルト15の一面のベルト表面に、ベルト表面から一部が剥離して浮き上がった剥離Pが生じている例を示す。
【0023】
ベルト異常検知装置40は、ベルト15に対向され、ベルト15との間の距離を測定する距離測定器41と、この距離測定器41で測定される距離情報を取得して処理する処理ユニット42と、を備えている。
【0024】
距離測定器41は、一面の測定面に投光部と受光部を有し、投光部の例えばレーザーダイオードからのレーザー光などの測定光Lをベルト15に照射し、このベルト15で反射する測定光Lを受光部の例えばCMOSセンサなどの受光センサで受光し、例えば三角測距方式やタイムオブフライト方式などによりベルト15との間の距離を測定する。距離測定器41は、ケーブル43によって処理ユニット42に電気的に接続され、処理ユニット42から動作電力が供給され、測定された距離情報などの信号を処理ユニット42に送信可能とする。
【0025】
距離測定器41は、測定面が駆動プーリ18に掛け回されるベルト15のベルト表面に対向され、測定光Lがベルト15のベルト表面に照射されて距離を測定するように、移動部32上に取付部材44によって取り付けられている。距離測定器41の測定面は、回転駆動される駆動プーリ18に対してベルト15の回動方向の上流側のベルト部位、すなわち回転駆動される駆動プーリ18に引っ張られて駆動プーリ18に向って回動するベルト部位に対向されることが好ましい。このベルト部位は、駆動プーリ18に引っ張られていることで、搬送物の搬送負荷などの影響によるベルト部位の撓みなどが少ないため、このベルト部位と距離測定器41の測定面との位置関係が一定に保たれ、距離測定器41でベルト15との間の距離を正確に測定することができる。
【0026】
処理ユニット42は、処理部45と、表示部46と、操作部47と、を備えている。
【0027】
処理部45は、距離測定器41で測定された距離情報を取得して処理する。処理部45は、距離測定器41によって測定される距離の変化に応じてベルト15の亀裂Cや剥離Pを含む異常を検知するベルト異常検知部48の機能を有している。
【0028】
距離測定器41で測定される距離は、亀裂Cの生じていないベルト表面の箇所での距離よりも、ベルト表面に生じている亀裂Cの箇所での距離が亀裂Cの深さ分だけ大きくなり、ベルト表面に生じている剥離Pの箇所での距離が剥離Pの浮き上がり高さ分だけ短くなる。
【0029】
ベルト異常検知部48は、距離測定器41で測定される距離の値が予め設定された所定の最大値の閾値(最大値閾値)以上となるか、予め設定された所定の最小値の閾値(最小値閾値)以下となるかを監視し、亀裂Cの箇所で測定される距離の値が最大値の閾値以上となることで亀裂Cを検知し、剥離Pの箇所で測定される距離の値が最小値の閾値以下となることで剥離Pを検知するようにできる。距離の最大値および最小値の各閾値は、ベルト15の種類や使用状況などに応じて操作部47でそれぞれ任意に設定できる。
【0030】
または、ベルト異常検知部48は、距離測定器41で測定される距離の変化量が予め設定された所定の変化量の閾値(変化量閾値)を超えるか監視し、距離測定器41で測定される距離の値が亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面の箇所から亀裂Cの箇所で増加するように変化する変化量が予め設定された増加の変化量の閾値を超えることで亀裂Cを検知し、また、距離測定器41で測定される距離の値が亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面の箇所から剥離Pの箇所で減少するように変化する変化量が予め設定された減少の変化量の閾値を超えることで剥離Pを検知するようにしてもよい。変化量は、距離測定器41から亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面までの距離と距離測定器41から亀裂Cの箇所までの距離との差であり、また、距離測定器41から亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面までの距離と距離測定器41から剥離Pの箇所までの距離との差である。変化量の閾値は、ベルト15の種類や使用状況などに応じて操作部47で任意に設定でき、亀裂Cを検知するための増加の変化量の閾値と剥離Pを検知するための減少の変化量の閾値とはそれぞれに適した異なる値に設定してもよい。
【0031】
あるいは、ベルト異常検知部48は、上述した距離の最大値および最小値の各閾値と変化量の閾値との両方を設定し、いずれか1つでも閾値を超えることで亀裂Cや剥離Pに伴う異常を検知するようにしてもよい。
【0032】
表示部46は、距離測定器41で測定された距離の値や設定事項などの各種表示事項を表示する例えば液晶表示器や有機EL表示器などの表示器を備えていてもよい。さらに、表示部46は、ベルト異常検知部48がベルト15の異常を検知したことを表示してもよい。このベルト15の異常を検知した際の表示は、距離を表示する表示器で表示してもよいし、表示器とは別に設けられる異常表示部で点灯表示してもよい。
【0033】
操作部47は、複数のボタンなどを有し、ベルト異常検知部48で異常を検知するための閾値を含む各種の設定事項などを設定することができる。
【0034】
処理ユニット42は、距離測定器41とケーブル43で接続されているとともに、電源ユニットと電源ケーブルで接続され、電源ユニットから動作電力が供給されて動作する。処理ユニット42は、コンベヤ10に配置することができる。例えば内径側のフレーム11aまたは外径側のフレーム11bや移動部32などに配置することができ、外部から表示部46を視認可能および操作部47を操作可能な位置に配置してもよい。
【0035】
次に、コンベヤ10の動作を説明する。
【0036】
モータ20の駆動によってベルト15が回動されると、このベルト15の回動によって複数の搬送ローラ14が回転され、複数の搬送ローラ14上に搭載される搬送物がコンベヤ10のカーブに沿って90°方向転換するように搬送される。
【0037】
ベルト15は、自動張力調整機構30によって常に所定の張力が付与されている。自動張力調整機構30では、移動部32とカラー36の間で圧縮される圧縮コイルばね35の反発力によって移動部32がベルト15に張力を付与する方向に付勢されることにより、ベルト15に常に所定の張力が付与される。また、ベルト15の劣化などによりベルト15に伸びが生じた場合でも、圧縮コイルばね35の付勢で移動部32がベルト15に張力を付与する方向に移動されることにより、ベルト15に常に所定の張力が付与される。
【0038】
また、ベルト15の回動時に、ベルト異常検知装置40によってベルト15に亀裂Cや剥離Pを含む異常が生じているか否かを監視する。ベルト異常検知装置40では、距離測定器41で測定される距離の値が予め設定された最大値の閾値以上となるか最小値の閾値以下となるか監視してもよい。または、距離測定器41で測定される距離の変化量が予め設定された変化量の閾値を超えるか監視してもよい。あるいは、上述した距離の最大値および最小値の各閾値と変化量の閾値のいずれか1つでも閾値を超えたか監視してもよい。距離測定器41で測定された距離や変化量は、表示部46に表示され、確認可能とする。
【0039】
ベルト異常検知装置40は、距離測定器41で測定された距離の値が最大値の閾値以上または距離の最小値が最小値の閾値以下とならなければ、または距離測定器41で測定された距離の変化量が変化量の閾値を超えなければ、ベルト15に異常が生じていないと判断し、表示部46(異常表示部)では異常が生じていることを表示しない。
【0040】
ベルト異常検知装置40は、ベルト15に深さが例えば2mm程度の亀裂Cが生じていた場合、距離測定器41により亀裂Cの箇所で測定される距離の値が最大値の閾値以上となることで亀裂Cを検知し、または、距離測定器41で測定される距離の値が亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面の箇所から亀裂Cの箇所で増加するように変化する変化量が増加の変化量の閾値を超えることで亀裂Cを検知する。
【0041】
ベルト異常検知装置40は、ベルト15に剥離Pが生じていた場合、距離測定器41により亀裂Cの箇所で測定される距離の値が最小値の閾値以下となることで剥離Pを検知し、または、距離測定器41で測定される距離の値が亀裂Cや剥離Pの生じていないベルト表面の箇所から剥離Pの箇所で減少するように変化する変化量が減少の変化量の閾値を超えることで剥離Pを検知する。
【0042】
ベルト異常検知装置40は、ベルト15の異常を検知したら、表示部46(異常表示部)で異常を検知したことを表示し、ベルト15の交換を促してもよい。このとき、距離測定器41で測定される距離の値が最大値の閾値以上となる場合、変化量が増加するように変化する場合には、亀裂Cであると判断し、また、距離測定器41で測定される距離の値が最小値の閾値以下となる場合、変化量が減少するように変化する場合には、剥離Pであると判断し、亀裂Cと剥離Pを区別して表示してもよい。
【0043】
このように、ベルト異常検知装置40では、距離測定器41によって測定されるベルト15との距離の変化に応じて、ベルト15の亀裂Cまたは剥離Pを含む異常を検知できるため、ベルト15が寿命に達して破断する前にベルト15の交換が可能になる。
【0044】
しかも、ベルト異常検知装置40は、ベルト15に対向して距離測定器41を配置すればよいため、簡単な構成でベルト15の異常を検知でき、例えば、設置済みの既存のコンベヤ10に対して、後からベルト異常検知装置40を追加してベルト15の異常を検知することもできる。
【0045】
また、ベルト異常検知装置40は、距離測定器41によって測定される距離の値が所定の最大値の閾値以上となることで亀裂Cを検知し、また、距離測定器41によって測定される距離の値が所定の最小値の閾値以下となることで剥離Pを検知し、あるいは、距離測定器41によって測定される距離の変化量が所定の変化量の閾値を超えることで亀裂Cまたは剥離Pを検知するため、作業員が目視や触手によりベルト15の亀裂Cや剥離Pの確認を行う場合のように、作業員の熟練度によってベルト15の亀裂Cや剥離Pの検知にばらつきが生じたり見落としが生じることなく、ベルト15の亀裂Cや剥離Pを含む異常を確実に検知できる。
【0046】
ベルト異常検知部48がベルト15の異常を検知したことを表示部46で表示するため、ベルト15に異常が生じていることを報知し、ベルト15の交換を促すことができる。
【0047】
なお、上述した実施の形態では、距離測定器41を、移動部32に配置してベルト15に対向させたが、固定位置である例えば内径側のフレーム11aに配置してベルト15に対向させてもよい。
【0048】
また、上述した実施の形態では、距離測定器41をベルト15の一面に対向させて異常を検知したが、複数の距離測定器41をベルト15の複数の面に対向させて異常を検知してもよい。
【0049】
また、本実施の形態のベルト異常検知装置40の構成は、搬送方向が直線状のベルト駆動コンベヤに用いられる駆動ベルトの異常の検知にも適用できる。
【0050】
また、本実施の形態のベルト異常検知装置40の構成は、搬送ベルト上に搬送物を搭載して搬送するベルトコンベヤにおいて、搬送ベルトの異常を検知するのにも適用できる。
【0051】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 コンベヤ
14 搬送ローラ
15 ベルト
40 ベルト異常検知装置
41 距離測定器
46 表示部
48 ベルト異常検知部
C 亀裂
P 剥離
図1
図2
図3
図4