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特開2023-120035情報端末、制御装置、インターホンシステム、共同玄関装置、通信方法、制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120035
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】情報端末、制御装置、インターホンシステム、共同玄関装置、通信方法、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
H04M9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023204
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】多留 康介
(72)【発明者】
【氏名】水田 友昭
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038CC12
5K038EE13
5K038EE16
(57)【要約】
【課題】インターホンシステムにおける通信の効率を向上する技術を提供する。
【解決手段】
インターホンシステムは、集合施設に設けられ、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末400と、共同玄関装置と複数の情報端末400との通信を制御する制御装置とを含む。情報端末400の通信部450は、アプリケーション用途の第1パケット信号を制御装置から受信する。制御部440は、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を通信部450に送信させる。通信部450は、制御部440の指示に応じて、第2パケット信号を制御装置に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末と、前記共同玄関装置と複数の前記情報端末との通信を制御する制御装置とを含むインターホンシステムの情報端末であって、
前記制御装置を介して前記共同玄関装置と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、アプリケーション用途の第1パケット信号を前記制御装置から受信し、
前記制御部は、前記第1パケット信号を受信したことを契機として、前記アプリケーション用途の第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記通信部は、前記制御部の指示に応じて、前記第2パケット信号を前記制御装置に送信する情報端末。
【請求項2】
前記通信部は、前記第1パケット信号を周期的に受信し、
前記通信部は、前記第2パケット信号を周期的に送信する請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記第1パケット信号は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含み、
前記第2パケット信号は、前記第1種フレームまたは前記第2種フレームを含み、
前記制御部は、前記第2種フレームが含まれた前記第1パケット信号を受信したことを契機として、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記制御部は、前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号を受信した場合に、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させない請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する制御装置であって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を前記第1情報端末に周期的に送信し、
前記通信部は、前記第1種フレームまた前記第2種フレームを含む第2パケット信号を前記第2情報端末に周期的に送信し、
前記制御部は、前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第2種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記制御部は、前記第2種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記制御部は、前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させない制御装置。
【請求項5】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する制御装置であって、
複数の前記情報端末と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、第1音声信号を前記情報端末に周期的に送信するとともに、前記情報端末が前記第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、
前記通信部は、映像信号を前記情報端末に周期的に送信し、
前記制御部は、前記第1音声信号の送信タイミングと、前記映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、
前記第1音声信号の送信の周期と、前記映像信号の送信の周期は異なる制御装置。
【請求項6】
前記共同玄関装置と、
前記制御装置と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報端末とを備えるインターホンシステム。
【請求項7】
前記共同玄関装置と、
前記第1施設に設けられる前記第1情報端末と、
前記第2施設に設けられる前記第2情報端末と、
請求項4に記載の制御装置とを備えるインターホンシステム。
【請求項8】
前記共同玄関装置と、
前記複数の施設のそれぞれに設けられる前記情報端末と、
請求項5に記載の制御装置とを備えるインターホンシステム。
【請求項9】
集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末とを含むインターホンシステムの情報端末であって、
前記共同玄関装置と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、アプリケーション用途の第1パケット信号を前記共同玄関装置から受信し、
前記制御部は、前記第1パケット信号を受信したことを契機として、前記アプリケーション用途の第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記通信部は、前記制御部の指示に応じて、前記第2パケット信号を前記共同玄関装置に送信する情報端末。
【請求項10】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する共同玄関装置であって、
前記第1情報端末と前記第2情報端末と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を前記第1情報端末に周期的に送信し、
前記通信部は、前記第1種フレームまた前記第2種フレームを含む第2パケット信号を前記第2情報端末に周期的に送信し、
前記制御部は、前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第2種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記制御部は、前記第2種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させ、
前記制御部は、前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を前記通信部に送信させない共同玄関装置。
【請求項11】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する共同玄関装置であって、
複数の前記情報端末と通信する通信部と、
前記通信部を制御する制御部とを備え、
前記通信部は、第1音声信号を前記情報端末に周期的に送信するとともに、前記情報端末が前記第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、
前記通信部は、映像信号を前記情報端末に周期的に送信し、
前記制御部は、前記第1音声信号の送信タイミングと、前記映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、
前記第1音声信号の送信の周期と、前記映像信号の送信の周期は異なる共同玄関装置。
【請求項12】
前記共同玄関装置と、
請求項9に記載の情報端末とを備えるインターホンシステム。
【請求項13】
請求項10に記載の共同玄関装置と、
前記第1施設に設けられる前記第1情報端末と、
前記第2施設に設けられる前記第2情報端末と、
を備えるインターホンシステム。
【請求項14】
請求項11に記載の共同玄関装置と、
前記複数の施設のそれぞれに設けられる前記情報端末と、
を備えるインターホンシステム。
【請求項15】
集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末と、前記共同玄関装置と複数の前記情報端末との通信を制御する制御装置とを含むインターホンシステムの情報端末における通信方法であって、
アプリケーション用途の第1パケット信号を前記制御装置から受信するステップと、
前記第1パケット信号を受信したことを契機として、前記アプリケーション用途の第2パケット信号を前記制御装置に送信するステップと、
を備える通信方法。
【請求項16】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する制御装置における制御方法であって、
フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を前記第1情報端末に周期的に送信するステップと、
前記第1種フレームまた前記第2種フレームを含む第2パケット信号を前記第2情報端末に周期的に送信するステップとを備え、
前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第2種フレームが含まれた前記第2パケット信号を送信し、
前記第2種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を送信し、
前記第1種フレームが含まれた前記第1パケット信号に続いて、前記第1種フレームが含まれた前記第2パケット信号を送信しない制御方法。
【請求項17】
集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する制御装置における制御方法であって、
第1音声信号を前記情報端末に周期的に送信するステップと、
前記情報端末が前記第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信するステップと、
映像信号を前記情報端末に周期的に送信するステップとを備え、
前記第1音声信号の送信タイミングと、前記映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、
前記第1音声信号の送信の周期と、前記映像信号の送信の周期は異なる制御方法。
【請求項18】
請求項15に記載の通信方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項19】
請求項16または17に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術に関し、特にパケット信号を送受信する情報端末、制御装置、インターホンシステム、共同玄関装置、通信方法、制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マンション等の集合施設に設置されるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置は、来訪者により操作されると呼出要求を送信する。呼出要求は、制御装置を介して、呼出対象となる施設の情報端末に受信される。当該施設の居住者が情報端末を操作して呼出に応答すると、制御装置を経由した共同玄関装置と情報端末との通話が開始される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-083220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集合住宅に含まれる複数の施設のそれぞれにおける情報端末は制御装置に接続される。制御装置と複数の情報端末との間における通信の効率化が求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、インターホンシステムにおける通信の効率を向上する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の情報端末は、集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末と、共同玄関装置と複数の情報端末との通信を制御する制御装置とを含むインターホンシステムの情報端末であって、制御装置を介して共同玄関装置と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、アプリケーション用途の第1パケット信号を制御装置から受信し、制御部は、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を通信部に送信させ、通信部は、制御部の指示に応じて、第2パケット信号を制御装置に送信する。
【0007】
本開示の別の態様は、制御装置である。この装置は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する制御装置であって、第1情報端末と第2情報端末と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末に周期的に送信し、通信部は、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末に周期的に送信し、制御部は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させ、制御部は、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させ、制御部は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させない。
【0008】
本開示のさらに別の態様もまた、制御装置である。この装置は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する制御装置であって、複数の情報端末と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、第1音声信号を情報端末に周期的に送信するとともに、情報端末が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、通信部は、映像信号を情報端末に周期的に送信し、制御部は、第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0009】
本開示のさらに別の態様は、情報端末である。この情報端末は、集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末とを含むインターホンシステムの情報端末であって、共同玄関装置と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、アプリケーション用途の第1パケット信号を共同玄関装置から受信し、制御部は、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を通信部に送信させ、通信部は、制御部の指示に応じて、第2パケット信号を共同玄関装置に送信する。
【0010】
本開示のさらに別の態様は、共同玄関装置である。この装置は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する共同玄関装置であって、第1情報端末と第2情報端末と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末に周期的に送信し、通信部は、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末に周期的に送信し、制御部は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させ、制御部は、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させ、制御部は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部に送信させない。
【0011】
本開示のさらに別の態様もまた、共同玄関装置である。この装置は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する共同玄関装置であって、複数の情報端末と通信する通信部と、通信部を制御する制御部とを備える。通信部は、第1音声信号を情報端末に周期的に送信するとともに、情報端末が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、通信部は、映像信号を情報端末に周期的に送信し、制御部は、第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0012】
本開示のさらに別の態様は、通信方法である。この方法は、集合施設に設けられたインターホンシステムであって、かつ共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末と、共同玄関装置と複数の情報端末との通信を制御する制御装置とを含むインターホンシステムの情報端末における通信方法であって、アプリケーション用途の第1パケット信号を制御装置から受信するステップと、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を制御装置に送信するステップと、を備える。
【0013】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、第1施設に設けられる第1情報端末と、第2施設に設けられる第2情報端末との間の通信を制御する制御装置における制御方法であって、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末に周期的に送信するステップと、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末に周期的に送信するステップとを備える。第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を送信し、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を送信し、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を送信しない。
【0014】
本開示のさらに別の態様もまた、制御方法である。この方法は、集合施設に設けられるインターホンシステムにおいて、共同玄関装置と、複数の施設のそれぞれに設けられる情報端末との間の通信を制御する制御装置における制御方法であって、第1音声信号を情報端末に周期的に送信するステップと、情報端末が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信するステップと、映像信号を情報端末に周期的に送信するステップとを備える。第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0015】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、インターホンシステムにおける通信の効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1に係るインターホンシステムの構成を示す図である。
図2図2(a)-(b)は、図1の共同玄関装置、情報端末の構成を示す図である。
図3図1の制御装置の構成を示す図である。
図4図4(a)-(b)は、図1のインターホンシステムの通信の概要を示す図である。
図5図4(a)の情報端末による送信手順を示すフローチャートである。
図6図6(a)-(b)は、実施例1の変形例のインターホンシステムの通信の概要を示す図である。
図7図6(a)の制御装置による送信手順を示すフローチャートである。
図8図8(a)-(c)は、実施例2のインターホンシステムの通信の概要を示す図である。
図9図9(a)-(c)は、実施例2の変形例1のインターホンシステムの通信の概要を示す図である。
図10図10(a)-(b)は、実施例2の変形例2のインターホンシステムの通信の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施例は、マンション、アパート等の集合施設に設置されるインターホンシステムに関する。集合施設には、住居等の施設が複数集合しているとともに、少なくとも1つの共同玄関において人の出入りが可能である。共同玄関に設置されたロビーインターホン等の共同玄関装置を来訪者が操作することによって、来訪先の施設に設置された情報端末が呼び出される。情報端末は、例えば施設親機である。呼出に応じて、当該施設の居住者は情報端末を操作して応答すると、共同玄関装置と情報端末との間で通話が実行される。このような通話を実現するために、共同玄関装置と複数の情報端末は、制御装置に接続される。制御装置と複数の情報端末は、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)通信を実行する。このような制御装置と情報端末との間の通信において通信の効率を向上するために、本実施例に係る制御装置または情報端末は、CSMA通信でパケット信号を送信するタイミングを調節する。
【0019】
図1は、インターホンシステム1000の構成を示す。集合施設100は、施設110と総称される第1施設110a、第2施設110b、第3施設110cを含む。インターホンシステム1000は、共同玄関装置200、制御装置300、共用部幹線350、占有幹線360、情報端末400と総称される第1情報端末400a、第2情報端末400bを含む。第1情報端末400aは第1施設110aに設置され、第2情報端末400bは第2施設110bに設置される。第3施設110cにも同様に第3情報端末400c(図示せず)が設置される。集合施設100における施設110の数は「3」に限定されない。
【0020】
集合施設100では、複数の施設110が集合している。集合施設100の一例はマンションであり、施設110の一例は住居である。集合施設100の共同玄関には、共同玄関装置200が設置される。共同玄関装置200は、例えば、マンションのロビーに設置されたロビーインターホンである。図2(a)-(b)は、共同玄関装置200、情報端末400の構成を示す。図2(a)は、共同玄関装置200の構成を示す。共同玄関装置200は、処理部210、操作部230、制御部240、通信部250を含み、処理部210は、撮像部212、マイク214、スピーカ218、モニタ220、IF部222を含む。
【0021】
共同玄関装置200の操作部230は、来訪者の操作を受けつけるためのユーザインターフェースであり、例えば呼出ボタンである。操作部230は、訪問予定の施設110の番号を来訪者から受けつけると、呼出要求を制御部240に出力する。また、操作部230が来訪者によって操作されると、処理部210が動作する。
【0022】
撮像部212は、来訪者を撮影するためのものであり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の固体撮像素子を備える。当該固体撮像素子は光電変換した映像信号をIF部222に出力する。IF部222は、撮像部212からの映像信号に対して種々の信号処理を実行する。種々の信号処理には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。IF部222は、信号処理を実行した映像信号(以下、これもまた「映像信号」という)を制御部240に出力する。
【0023】
マイク214とスピーカ218は、来訪者が居住者と通話するためのユーザインターフェースである。マイク214は来訪者の声を集音し、電気信号に変換してIF部222に出力する。スピーカ218は、IF部222からの電気信号を再生して音声出力する。IF部222は、マイク214からの電気信号を受けつけ、これを伝送するための形式の信号(以下、「音声信号」という)に変換する。IF部222は、音声信号を制御部240に出力する。一方、IF部222は、制御部240から音声信号を入力し、音声信号を電気信号に変換する。IF部222は、電気信号をスピーカ218に出力する。
【0024】
モニタ220は、メッセージ等を表示する。IF部222は、制御部240からメッセージ信号を入力し、メッセージ信号をモニタ220に出力する。メッセージ信号は、共同玄関装置200において生成されてもよい。制御部240は、共同玄関装置200の動作を制御する。制御部240は、通信部250に接続される。通信部250は、共用部幹線350を介して制御装置300に接続され、制御装置300を介して情報端末400との間の通信を実行する。具体的に説明すると、通信部250は、前述の呼出要求、映像信号、音声信号、メッセージ信号を情報端末400との間で送受信するが、送受信される信号はこれらに限定されない。図1に戻る。
【0025】
共用部幹線350、占有幹線360は、共同玄関装置200からの呼出要求、情報端末400からの応答信号等を伝送するための伝送路である。共用部幹線350、占有幹線360には、前述の呼出要求、映像信号、音声信号、メッセージ信号が伝送される。
【0026】
制御装置300は、機械室や管理人室などの共用スペースに設置され、共同玄関装置200と複数の情報端末400との間の通信を制御する。例えば、制御装置300は、共同玄関装置200と情報端末400との間の信号を中継する。図3は、制御装置300の構成を示す。制御装置300は、制御部540、共用部幹線通信部550、占有幹線通信部560、記憶部570を含む。共用部幹線通信部550は、共用部幹線350を介して共同玄関装置200と通信する。占有幹線通信部560は、占有幹線360を介して複数の情報端末400と通信する。
【0027】
制御部540は、共用部幹線通信部550、占有幹線通信部560を制御する。例えば、制御部540は、共用部幹線通信部550が呼出要求を受信した場合、呼出要求に含まれた施設110の番号を抽出する。記憶部570は、施設110の番号と情報端末400の識別番号との対応が示されたデータベースを記憶しており、制御部540は、抽出した施設110の番号に対応した情報端末400の識別番号を記憶部570から取得する。制御部540は、取得した識別番号の情報端末400を宛先として呼出要求を占有幹線通信部560に送信させる。図1に戻る。
【0028】
情報端末400は、施設110内に設置されており、住宅情報盤、住戸機、住戸端末、施設親機、居室親機、住宅親機とも呼ばれる。図2(b)は、情報端末400の構成を示す。情報端末400は、処理部410、操作部430、制御部440、通信部450を含み、処理部410は、マイク414、スピーカ418、モニタ420、IF部422を含む。
【0029】
通信部450は、占有幹線360を介して制御装置300に接続され、制御装置300を介して共同玄関装置200との間の通信を実行する。通信部450には制御部440が接続され、制御部440は情報端末400の動作を制御する。制御部440にはIF部422、操作部430が接続され、IF部422にはマイク414、スピーカ418、モニタ420が接続される。ここで、マイク414、スピーカ418、IF部422、操作部430は、マイク214、スピーカ218、IF部222、操作部230と同様に構成される。モニタ420は、共同玄関装置200の撮像部212において撮像された映像を表示する。
【0030】
制御部440は、通信部450を介して共同玄関装置200からの呼出要求、映像信号、音声信号を受けつける。制御部440は、呼出要求を受けつけると、IF部422を介してスピーカ418から呼出音を出力させる。これに続いて、制御部440は、IF部422を介してモニタ420に、映像信号を再生した映像を表示させるとともに、IF部422を介してスピーカ418から、音声信号を再生した音声を出力させる。呼出音を聞いた居住者が操作部430を操作することによって呼出に応答した場合、制御部440は、通信部450に対して、共同玄関装置200との間の通信を実行させる。その結果、通信部250と通信部450との間で、映像信号、音声信号が通信されることによって、共同玄関装置200を操作する来訪者と、情報端末400を操作する居住者との間の通話が実行される。図1に戻る。
【0031】
制御装置300と情報端末400との間ではCSMA通信が実行される。そのため、制御装置300の占有幹線360と、情報端末400の通信部450は、信号の送信前にキャリアセンスを実行し、キャリアセンスにより占有幹線360が使用中でないと判定されれば信号を送信する。隠れ端末問題が発生すると、占有幹線360が使用中であっても使用中でないと判定しうる。その結果、パケット信号が送信されることによって、パケット信号の衝突が発生する。
【0032】
図4(a)-(b)は、インターホンシステム1000の通信の概要を示す。図4(a)に示されるように、制御装置300と情報端末400との距離が長くなる場合、制御装置300と情報端末400との間に中継器700が設置される。制御装置300から中継器700に送信されるパケット信号がDL1と示され、中継器700から情報端末400に送信されるパケット信号がDL2と示される。情報端末400から中継器700に送信されるパケット信号がUL1と示され、中継器700から制御装置300に送信されるパケット信号がUL2と示される。ここでは、DL1、DL2、UL1、UL2は、前述の音声信号、映像信号、つまりアプリケーション用途のパケット信号である。
【0033】
情報端末400がUL1を送信している場合であっても制御装置300はキャリアセンスによってUL1を検出しないので、制御装置300は、DL1を送信する。その結果、中継器700においてDL1とUL1との衝突が発生する。このような隠れ端末問題によるパケット信号の衝突の発生を抑制するために、情報端末400は、次の処理を実行する。
【0034】
情報端末400の通信部450は、中継器700からのDL2を受信する。制御部440は、通信部450がDL2を受信したことを契機として、UL1を通信部450に送信させる。具体的に説明すると、制御部440は、通信部450がDL2を受信してから一定期間内であれば、通信部450にUL1の送信を指示する。一方、制御部440は、通信部450がDL2を受信してから一定期間を超えている場合であれば、通信部450にUL1を送信させない。通信部450は、制御部440の指示に応じて、キャリアセンスを実行した後にUL1を中継器700に送信する。
【0035】
このような処理によって、図4(b)のように、占有幹線360では、DL1、DL2、UL1、UL2が順に送信される。その結果、制御装置300と情報端末400とにおいて隠れ端末問題が発生しうる構成であっても、中継器700におけるDL1とUL1との衝突の発生が抑制される。
【0036】
ここで、制御装置300からDL1が一定間隔で周期的に送信される場合、情報端末400はDL2を一定間隔で周期的に受信すべきである。また、情報端末400からUL1が一定間隔で周期的に送信される場合、制御装置300はUL2を一定間隔で周期的に受信すべきである。このような状況において、情報端末400の制御部440は、連続して受信するDL2のうち、先頭のDL2を受信してから一定期間内にUL1の送信を指示した場合、以降のDL2の受信に関係なく、以降のUL1を一定間隔で送信してもよい。
【0037】
本開示における装置、システム、または方法の主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示における装置、システム、または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、またはLSI(Large Scale Integration)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に備えられていてもよい。プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録される。プログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0038】
以上の構成によるインターホンシステム1000の動作を説明する。図5は、情報端末400による送信手順を示すフローチャートである。制御部440は、制御装置300に送信すべきパケット信号を生成する(S10)。通信部450において制御装置300からのパケット信号を受信して一定期間でなければ(S12のN)、制御部440は待機する。通信部450において制御装置300からのパケット信号を受信して一定期間であれば(S12のY)、制御部440は、通信部450にパケット信号を送信させる(S14)。
【0039】
(実施例1の変形例)
集合施設100に共同玄関が2つある場合、各共同玄関に共同玄関装置200が設置されるので、共同玄関装置200は2つ存在する。2つの共同玄関装置200が、異なった情報端末400を呼び出す場合、中継器700において隠れ端末問題が発生しうる。図6(a)-(b)は、インターホンシステム1000の通信の概要を示す。図6(a)は、1つの共同玄関装置200によって第1情報端末400aが呼び出され、別の共同玄関装置200によって第2情報端末400bが呼び出される状況を示す。
【0040】
制御装置300から中継器700に送信されるパケット信号がDL1と示され、中継器700から第1情報端末400aに送信されるパケット信号がDL2と示される。第1情報端末400aから中継器700に送信されるパケット信号がUL1と示され、中継器700から制御装置300に送信されるパケット信号がUL2と示される。また、制御装置300から中継器700に送信されるパケット信号がDL3と示され、中継器700から第2情報端末400bに送信されるパケット信号がDL4と示される。第2情報端末400bから中継器700に送信されるパケット信号がUL3と示され、中継器700から制御装置300に送信されるパケット信号がUL4と示される。
【0041】
第1情報端末400aと第2情報端末400bでは、これまで説明した処理が実行される。そのため、そのため、中継器700におけるDL1とUL1との衝突の発生、中継器700におけるDL3とUL3との衝突の発生は抑制される。しかしながら、中継器700におけるDL1とUL3との衝突、中継器700におけるDL3とUL1との衝突は発生しうる。
【0042】
制御装置300の占有幹線通信部560は、中継器700からのUL2を受信する。制御部540は、占有幹線通信部560がUL2を受信したことを契機として、DL3を占有幹線通信部560に送信させる。具体的に説明すると、制御部540は、占有幹線通信部560がUL2を受信してから一定期間内であれば、占有幹線通信部560にDL3の送信を指示する。一方、制御部540は、占有幹線通信部560がUL2を受信してから一定期間を超えている場合であれば、占有幹線通信部560にDL3を送信させない。占有幹線通信部560は、制御部540の指示に応じて、キャリアセンスを実行した後にDL3を中継器700に送信する。UL3とDL1との間においても同様の処理が実行される。
【0043】
このような処理によって、図6(b)のように、占有幹線360では、DL1、DL2、UL1、UL2、DL3、DL4、UL3、UL4が順に送信される。その結果、制御装置300と第1情報端末400aと第2情報端末400bとにって隠れ端末問題が発生しうる構成であっても、中継器700におけるDL3とUL1との衝突の発生、DL1とUL4との衝突の発生が抑制される。
【0044】
図7は、制御装置300による送信手順を示すフローチャートである。制御部540は、第1情報端末400a宛のパケット信号を生成する(S50)。占有幹線通信部560において第2情報端末400bからのパケット信号を受信して一定期間でなければ(S52のN)、制御部540は待機する。占有幹線通信部560において第2情報端末400bからのパケット信号を受信して一定期間であれば(S52のY)、制御部540は、占有幹線通信部560にパケット信号を送信させる(S54)。
【0045】
本実施例によれば、制御装置300からのパケット信号を受信したことを契機として、制御装置300へのパケット信号を送信するので、制御装置300と情報端末400との間に中継器700が存在しても、中継器700における隠れ端末問題の発生を抑制できる。また、中継器700における隠れ端末問題の発生が抑制されるので、インターホンシステム1000における通信の効率を向上できる。また、1つの情報端末400からのパケット信号を受信したことを契機として、別の情報端末400からのパケット信号を送信するので、制御装置300と複数の情報端末400との間に中継器700が存在しても、中継器700における隠れ端末問題の発生を抑制できる。
【0046】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の情報端末(400)は、集合施設(100)に設けられたインターホンシステム(1000)であって、かつ共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)と、共同玄関装置(200)と複数の情報端末(400)との通信を制御する制御装置(300)とを含むインターホンシステム(1000)の情報端末(400)であって、制御装置(300)を介して共同玄関装置(200)と通信する通信部(450)と、通信部(450)を制御する制御部(440)とを備える。通信部(450)は、アプリケーション用途の第1パケット信号を制御装置(300)から受信し、制御部(440)は、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を通信部(450)に送信させ、通信部(450)は、制御部(440)の指示に応じて、第2パケット信号を制御装置(300)に送信する。
【0047】
通信部(450)は、第1パケット信号を周期的に受信し、通信部(450)は、第2パケット信号を周期的に送信してもよい。
【0048】
共同玄関装置(200)と、制御装置(300)と、情報端末(400)とを備えてもよい。
【0049】
本発明のさらに別の態様は、情報端末である。この情報端末(400)は、集合施設(100)に設けられたインターホンシステム(1000)であって、かつ共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)とを含むインターホンシステム(1000)の情報端末(400)であって、共同玄関装置(200)と通信する通信部(450)と、通信部(450)を制御する制御部(440)とを備える。通信部(450)は、アプリケーション用途の第1パケット信号を共同玄関装置(200)から受信し、制御部(440)は、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を通信部(450)に送信させ、通信部(450)は、制御部(440)の指示に応じて、第2パケット信号を共同玄関装置(200)に送信する。
【0050】
共同玄関装置(200)と、情報端末(400)とを備えてもよい。
【0051】
本開示のさらに別の態様は、通信方法である。この方法は、集合施設(100)に設けられたインターホンシステム(1000)であって、かつ共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)と、共同玄関装置(200)と複数の情報端末(400)との通信を制御する制御装置(300)とを含むインターホンシステム(1000)の情報端末(400)における通信方法であって、アプリケーション用途の第1パケット信号を制御装置(300)から受信するステップと、第1パケット信号を受信したことを契機として、アプリケーション用途の第2パケット信号を制御装置(300)に送信するステップと、を備える。
【0052】
(実施例2)
次に実施例2を説明する。実施例2は、実施例1と同様に、集合施設に設置されるインターホンシステムに関し、特に制御装置300と情報端末400との間におけるCSMA通信に関する。実施例2では、映像信号を送信する場合を説明する。実施例2に係るインターホンシステム1000、共同玄関装置200、情報端末400、制御装置300の構成は、図1から図3と同様のタイプである。ここでは、実施例1との差異を中心に説明する。
【0053】
図8(a)-(c)は、インターホンシステム1000の通信の概要を示す。図8(a)は、1つの共同玄関装置200によって第1情報端末400aが呼び出され、別の共同玄関装置200によって第2情報端末400bが呼び出される状況を示す。制御装置300から第1情報端末400aに送信されるパケット信号がDL1と示され、制御装置300から第2情報端末400bに送信されるパケット信号がDL2と示される。特に、DL1とDL2は映像信号である。
【0054】
映像信号は、フレーム間予測を使用せずに符号化されるフレーム(以下、「第1種フレーム」という)と、フレーム間予測を使用して符号化されるフレーム(以下、「第2種フレーム」という)に分類される。第1種フレームは、I(Intra-coded)フレームを含む。また、第2種フレームは、前方向予測のみを用いて符号化されるP(Predicted)フレーム、前方向予測、後方向予測、両方向予測のうちいずれかを選択して符号化されるB(Bi-directional Predicted)フレームを含む。
【0055】
以下では、説明を明瞭にするために、第1種フレームをIフレームとして説明し、第2フレームをPフレームとして説明する。一般的に、IフレームはPフレームよりもサイズが大きいので、Iフレームの伝送に要する時間は、Pフレームの伝送に要する時間よりも長くなる。また、フレームの送信間隔は再生可能期間よりも短くされなければならない。再生可能期間とは、受信したフレームを正確に再生するために要求されるフレームの間隔の最大値である。そのため、制御装置300の占有幹線通信部560は、IフレームまたはPフレームを含むDL1を第1情報端末400aに周期的に送信し、IフレームまたはPフレームを含むDL2を第2情報端末400bに周期的に送信する。
【0056】
図8(b)のようにDL1(Iフレーム)、DL2(Iフレーム)、DL1(Pフレーム)、DL2(Pフレーム)の順に送信がなされた場合、DL1(Iフレーム)とDL1(Pフレーム)との送信間隔が再生可能期間以上となりうる。これは、伝送に要する時間の長いDL1(Iフレーム)、DL2(Iフレーム)が連続して送信されるからである。その際、第1情報端末400aにおいて映像が正確に再生されないおそれがある。
【0057】
本実施例における制御装置300の制御部540は、Iフレームが含まれたDL1に続いて、Pフレームが含まれたDL2を占有幹線通信部560に送信させる。また、制御部540は、Pフレームが含まれたDL1に続いて、Iフレームが含まれたDL2を占有幹線通信部560に送信させる。一方、制御部540は、Iフレームが含まれたDL1に続いて、Iフレームが含まれたDL2を占有幹線通信部560に送信させない。DL1とDL2の関係が逆でもよい。その結果、図8(c)のように、DL1(Iフレーム)、DL2(Pフレーム)、DL1(Pフレーム)、DL2(Iフレーム)の順に送信がなされる。
【0058】
(実施例2の変形例1)
図9(a)-(c)は、インターホンシステム1000の通信の概要を示す。図9(a)では、情報端末400から制御装置300へも映像信号が送信される場合を想定する。制御装置300から情報端末400に送信されるパケット信号がDL1と示され、情報端末400から制御装置300に送信されるパケット信号がUL1と示される。特に、DL1とUL1は映像信号である。DL1とUL1には、IフレームまたはPフレームが含まれる。
【0059】
図9(b)のようにDL1(Iフレーム)、UL1(Iフレーム)、DL1(Pフレーム)、UL1(Pフレーム)の順に送信がなされた場合、DL1(Iフレーム)とDL1(Pフレーム)との送信間隔が再生可能期間以上となりうる。これは、伝送に要する時間の長いDL1(Iフレーム)、UL1(Iフレーム)が連続して送信されるからである。その際、第1情報端末400aにおいて映像が正確に再生されないおそれがある。
【0060】
本実施例における情報端末400の制御部440は、Pフレームが含まれたDL1を受信した場合に、Iフレームが含まれたUL1を制御部540に送信させる。一方、制御部440は、Iフレームが含まれたDL1を受信した場合に、Iフレームが含まれたUL1を制御部540に送信させない。その結果、図9(c)のように、DL1(Iフレーム)、DL1(Pフレーム)、DL2(Pフレーム)の順に送信がなされる。
【0061】
(実施例2の変形例2)
図10(a)-(b)は、インターホンシステム1000の通信の概要を示す。図10(a)では、制御装置300から情報端末400へ音声信号と映像信号が送信され、情報端末400から制御装置300へ音声信号が送信される。制御装置300から情報端末400に送信されるパケット信号(音声信号)がDL1と示され、情報端末400から制御装置300に送信されるパケット信号(音声信号)がUL1と示される。制御装置300から情報端末400に送信されるパケット信号(映像信号)がDL2と示される。
【0062】
図10(b)に示すように、制御装置300と情報端末400との間では、DL1とUL1とが連続して送信されるとともに、DL1とUL1とが周期的に送信される。また、DL2も周期的に送信される。DL1とUL1の周期と、DL2の周期とは一般的に異なる。そのため、DL1とDL2との送信タイミングが重なるおそれがある。制御装置300の制御部540は、DL1の送信タイミングと、DL2の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方、例えばDL1を送信する。
【0063】
本実施例によれば、第1パケット信号を第1情報端末400aに送信し、第2パケット信号を第2情報端末400bに送信しており、Iフレームが含まれた第1パケット信号に続いて、Pフレームが含まれた第2パケット信号を送信するので、遅延時間が長くなることを抑制できる。また、Pフレームが含まれた第1パケット信号に続いて、Iフレームが含まれた第2パケット信号を送信するので、遅延時間が長くなることを抑制できる。また、Iフレームが含まれた第1パケット信号に続いて、Iフレームが含まれた第2パケット信号を送信しないので、遅延時間が長くなることを抑制できる。
【0064】
また、Pフレームが含まれたパケット信号を受信したことを契機として、Iフレームが含まれたパケット信号を送信するので、遅延時間が長くなることを抑制できる。また、Iフレームが含まれたパケット信号を受信した場合に、Iフレームが含まれたパケット信号を送信しないので、遅延時間が長くなることを抑制できる。また、音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信するので、優先度の高い方の信号の再生に与える影響を低減できる。
【0065】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。第1パケット信号は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含んでもよい。第2パケット信号は、第1種フレームまたは第2種フレームを含んでもよい。制御部(440)は、第2種フレームが含まれた第1パケット信号を受信したことを契機として、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(450)に送信させ、制御部(440)は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号を受信した場合に、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(450)に送信させない。
【0066】
本開示の別の態様は、制御装置(300)である。この装置は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、共同玄関装置(200)と、第1施設(110)に設けられる第1情報端末(400)と、第2施設(110)に設けられる第2情報端末(400)との間の通信を制御する制御装置(300)であって、第1情報端末(400)と第2情報端末(400)と通信する通信部(560)と、通信部(560)を制御する制御部(540)とを備える。通信部(560)は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末(400)に周期的に送信し、通信部(560)は、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末(400)に周期的に送信し、制御部(540)は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させ、制御部(540)は、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させ、制御部(540)は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させない。
【0067】
本開示のさらに別の態様もまた、制御装置(300)である。この装置は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)との間の通信を制御する制御装置(300)であって、複数の情報端末(400)と通信する通信部(560)と、通信部(560)を制御する制御部(540)とを備える。通信部(560)は、第1音声信号を情報端末(400)に周期的に送信するとともに、情報端末(400)が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、通信部(560)は、映像信号を情報端末(400)に周期的に送信し、制御部(540)は、第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0068】
共同玄関装置(200)と、第1施設(110)に設けられる第1情報端末(400)と、第2施設(110)に設けられる第2情報端末(400)と、制御装置(300)とを備えてもよい。
【0069】
共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)と、制御装置(300)とを備えてもよい。
【0070】
本発明のさらに別の態様は、共同玄関装置(200)である。この装置は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、第1施設(110)に設けられる第1情報端末(400)と、第2施設(110)に設けられる第2情報端末(400)との間の通信を制御する共同玄関装置(200)であって、第1情報端末(400)と第2情報端末(400)と通信する通信部(560)と、通信部(560)を制御する制御部(540)とを備える。通信部(560)は、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末(400)に周期的に送信し、通信部(560)は、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末(400)に周期的に送信し、制御部(540)は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させ、制御部(540)は、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させ、制御部(540)は、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を通信部(560)に送信させない。
【0071】
本発明のさらに別の態様もまた、共同玄関装置(200)である。この装置は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)との間の通信を制御する共同玄関装置(200)であって、複数の情報端末(400)と通信する通信部(560)と、通信部(560)を制御する制御部(540)とを備える。通信部(560)は、第1音声信号を情報端末(400)に周期的に送信するとともに、情報端末(400)が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信し、通信部(560)は、映像信号を情報端末(400)に周期的に送信し、制御部(540)は、第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0072】
共同玄関装置(200)と、第1施設(110)に設けられる第1情報端末(400)と、第2施設(110)に設けられる第2情報端末(400)と、を備えてもよい。
【0073】
共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)と、を備えてもよい。
【0074】
本開示のさらに別の態様は、制御方法である。この方法は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、共同玄関装置(200)と、第1施設(110)に設けられる第1情報端末(400)と、第2施設(110)に設けられる第2情報端末(400)との間の通信を制御する制御装置(300)における制御方法であって、フレーム間予測を使用せずに符号化される第1種フレーム、またはフレーム間予測を使用して符号化される第2種フレームを含む第1パケット信号を第1情報端末(400)に周期的に送信するステップと、第1種フレームまた第2種フレームを含む第2パケット信号を第2情報端末(400)に周期的に送信するステップとを備える。第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第2種フレームが含まれた第2パケット信号を送信し、第2種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を送信し、第1種フレームが含まれた第1パケット信号に続いて、第1種フレームが含まれた第2パケット信号を送信しない。
【0075】
本開示のさらに別の態様もまた、制御方法である。この方法は、集合施設(100)に設けられるインターホンシステム(1000)において、共同玄関装置(200)と、複数の施設(110)のそれぞれに設けられる情報端末(400)との間の通信を制御する制御装置(300)における制御方法であって、第1音声信号を情報端末(400)に周期的に送信するステップと、情報端末(400)が第1音声信号の受信を契機として周期的に送信した第2音声信号を受信するステップと、映像信号を情報端末(400)に周期的に送信するステップとを備える。第1音声信号の送信タイミングと、映像信号の送信タイミングが重複する場合に、優先度の高い方を送信し、第1音声信号の送信の周期と、映像信号の送信の周期は異なる。
【0076】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0077】
実施例1、2における制御装置300の機能が共同玄関装置200に搭載されてもよい。その際、共同玄関装置200は、占有幹線360に接続され、占有幹線360を介して複数の情報端末400に接続される。実施例における制御装置300の制御部540、占有幹線通信部560の処理は、共同玄関装置200の制御部240、通信部250において実行される。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0078】
100 集合施設、 110 施設、 200 共同玄関装置、 210 処理部、 212 撮像部、 214 マイク、 218 スピーカ、 220 モニタ、 222 IF部、 230 操作部、 240 制御部、 250 通信部、 300 制御装置、 350 共用部幹線、 360 占有幹線、 400 情報端末、 410 処理部、 414 マイク、 418 スピーカ、 420 モニタ、 422 IF部、 430 操作部、 440 制御部、 450 通信部、 540 制御部、 550 共用部幹線通信部、 560 占有幹線通信部、 570 記憶部、 700 中継器、 1000 インターホンシステム。
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