IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-スイッチ装置 図1
  • 特開-スイッチ装置 図2
  • 特開-スイッチ装置 図3
  • 特開-スイッチ装置 図4
  • 特開-スイッチ装置 図5
  • 特開-スイッチ装置 図6
  • 特開-スイッチ装置 図7
  • 特開-スイッチ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120069
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/14 20060101AFI20230822BHJP
   H01H 23/30 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
H01H23/14
H01H23/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023262
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】高野 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】林 夏耕
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035CA02
5G035CB04
(57)【要約】
【課題】各構成部品のレイアウトの自由度を大きくすることができるとともに、組立性の低下を抑制することができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置10は、基部となるケース11と、該ケース11から突出する筒部17aの上端近傍に設けられた嵌合部30aに取り付けられるノブ12とを備え、ノブ12は筒部17aの嵌合部30aに設けられた回動軸部材18aを中心にシーソー状に回動し、ノブ12は、前後方向に関して回動軸部材18aを境に分けられた前端側に設けられた、引き上げ操作可能な操作部23aと、前後方向に関して回動軸部材18aを境に分けられた後端側に設けられた当接部21aとを有し、ケース11は、操作部23aの引き上げ操作時に当接部21aと当接するストッパ部22aを有し、ノブ12は後端側に延伸する延伸部25aを有し、当接部21aは延伸部25aに設けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部となるケースと、
該ケースから突出する筒部と、
前記筒部に備えた嵌合部に取り付けられる操作部材であるノブと、を備え、
前記ノブは前記筒部に設けられた回動軸部材を中心にシーソー状に回動し、
前記ノブは、前記回動軸部材を境に分けられた一方側に少なくとも引き上げ操作可能な操作部を有し、
前記回動軸部材を境に分けられた他方側に当接部を有し、
前記ケースは、前記操作部の引き上げ操作時に前記当接部と当接するストッパ部を有し、
前記ノブは前記他方側に延伸する延伸部を有し、
前記当接部は前記延伸部に設けられる、スイッチ装置。
【請求項2】
前記ノブは前記一方側と前記他方側を接続する側壁を有し、
前記延伸部は、前記一方側における前記側壁の前記ケース側の端部よりも前記ケースに向けて突出する、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記ノブがシーソー状に回動していない状態において、前記回動軸部材から前記ストッパ部までの第1の距離は、前記ノブの引き上げ操作時の操作点から前記ストッパ部までの第2の距離の6割以上である、請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記ノブは、前記一方側に他の当接部を有し、
前記ケースは、前記操作部の押し込み操作時に前記他の当接部が当接する他のストッパ部を有し、
前記ノブが回動していない状態において、前記第1の距離は、前記回動軸部材から前記他のストッパ部までの第3の距離以上である、請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記延伸部は側方視においてR形状を呈する、請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記他の当接部は、前記側壁の前記端部よりも前記ケース側に突出している、請求項4に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に、自動車等のパワーウィンドウ駆動用モータを操作するためのスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等のパワーウィンドウ駆動用モータを操作するためのスイッチ装置は、図8(A)に示すように、筐体状のケース80と、該ケース80の上面80aから突出する筒部80bの先端の開口部に取り付けられたノブ81とを備え、ノブ81は筒部80bに設けられた回動軸部材80cと係合し、回動軸部材80cを中心としてケース80に対してシーソー状に回動する(図中の白抜き矢印参照)。
【0003】
図8のスイッチ装置では、ユーザの操作によってノブ81の前端81aが引き上げられると、ノブ81はまず、回動軸部材80cを中心として回動するが(図8(B)参照)、回動量が大きくなると、ノブ81の後端81bがケース80に設けられたストッパ部80dに当接し(図8(C)参照)、以後、ストッパ部80dが支点となってノブ81がケース80に対して回動する。このとき、ノブ81の前端81aを引き上げる力が梃子の原理により、ノブ81と回動軸部材80cの係合を解除しようとする係合解除力82としてノブ81の回動軸部材80cとの係合部81cに作用するため、ノブ81がケース80の筒部80bから脱離するおそれがある。
【0004】
ところで、ノブ81がケース80の筒部80bから外れる際にはノブ81が変形することから、規制壁(不図示)をノブ81の側方に立設させることにより、ノブ81の変形を抑え、結果として、ノブ81のケース80からの脱離を抑える技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4461033号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ノブ81の側方に規制壁を立設させると、スイッチ装置の各構成部品のレイアウトの自由度が小さくなり、スイッチ装置の小型化に支障を来すという問題がある。また、規制壁は、ケース80へノブ81を取り付ける際の障害となる可能性があり、スイッチ装置の組立性の低下を招くという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、各構成部品のレイアウトの自由度を大きくするとともに、組立性の低下を抑制するスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のスイッチ装置は、基部となるケースと、該ケースから突出する筒部と、前記筒部に備えた嵌合部に取り付けられる操作部材であるノブと、を備え、前記ノブは前記筒部に設けられた回動軸部材を中心にシーソー状に回動し、前記ノブは、前記回動軸部材を境に分けられた一方側に少なくとも引き上げ操作可能な操作部を有し、前記回動軸部材を境に分けられた他方側に当接部を有し、前記ケースは、前記操作部の引き上げ操作時に前記当接部と当接するストッパ部を有し、前記ノブは前記他方側に延伸する延伸部を有し、前記当接部は前記延伸部に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノブの当接部がノブの延伸部に設けられるため、ノブの当接部がケースのストッパ部に当接し、ストッパ部が支点となってノブがケースに対して回動する際、ノブの操作部からストッパ部までの距離に対して回動軸部材からストッパ部までの距離を相対的に大きくすることができる。これにより、ノブの操作部を引き上げる力に起因し、梃子の原理によってノブの回動軸部材との係合部に作用する係合解除力を低減することができ、ノブのケースからの脱離を抑制することができる。その結果、ノブの側方に規制壁を設ける必要を無くすことができ、もって、スイッチ装置の各構成部品のレイアウトの自由度を大きくすることができるとともに、スイッチ装置の組立性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
図2図1のスイッチ装置のノブの外観を示す斜視図である。
図3図1のスイッチ装置のケースの外観を示す斜視図である。
図4図1における線A-Aに沿う断面図である。
図5図1のスイッチ装置のノブの前端が引き上げられたときのノブの回動動作について説明するための工程図である。
図6】従来のスイッチ装置のノブと本発明の実施の形態に係るスイッチ装置のノブの形状の違いを説明するための断面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るスイッチ装置の変形例の構成を概略的に示す断面図である。
図8】従来のスイッチ装置のノブの前端が引き上げられたときのノブの回動動作について説明するための工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係るスイッチ装置10の構成を概略的に示す斜視図である。図1において、スイッチ装置10は、基部となる筐体状のケース11と、該ケース11の上面11aにおいて縦に2列且つ横に2列で配置される、操作部材としての4つのノブ12~15と、ケース11の上方に配置されて4つのノブ12~15を囲むように配置されるフレーム状のパネル16と、を備える。スイッチ装置10は、例えば、車両のドアトリムに取り付けられるが、図中のX方向は車両における左右方向を示し、図中のY方向は車両における前後方向を示し、図中のZ方向は車両における上下方向を示す。
【0013】
スイッチ装置10において、ノブ12は左前方に配置され、ノブ13は右前方に配置され、ノブ14は左後方に配置され、ノブ15は右後方に配置される。また、ノブ12は車両の左前ドアのパワーウィンドウ駆動用モータに対応し、ノブ13は車両の右前ドアのパワーウィンドウ駆動用モータに対応し、ノブ14は車両の左後ドアのパワーウィンドウ駆動用モータに対応し、ノブ15は車両の右後ドアのパワーウィンドウ駆動用モータに対応する。ユーザは、ノブ12~15のいずれかをシーソー状に操作することにより、対応するパワーウィンドウ駆動用モータを駆動させ、所望のウィンドウを上下動させることができる。
【0014】
また、パネル16は上部において水平に広がるフランジ部16aと、4つのノブ12~15を収容する開口部16bと、開口部16bにおいて4つのノブ12~15が存在しない箇所に配置される壁状の遮蔽部16cと、を有する。フランジ部16aや遮蔽部16cは、スイッチ装置10が、例えば、車両のドアトリムに取り付けられた際、ケース11がユーザによって目視されるのを防止する。
【0015】
図2は、スイッチ装置10のノブ12の外観を示す斜視図であり、図3は、スイッチ装置10のケース11の外観を示す斜視図である。なお、図2(A)はノブ12を左斜め下から眺めた場合を示し、図2(B)はノブ12を下方から眺めた場合を示し、図3はケース11を左斜め上方から眺めた場合を示す。
【0016】
ケース11は上面11aから上方へ向けて突出する4つの筒部17a~17dを有する。ノブ12は下方に向けて突出する突出部12aを有する。ノブ12の突出部12aが筒部17aへ挿入されることにより、ノブ12は筒部17aの先端近傍に設けられた嵌合部30aに取り付けられる。また、筒部17aは嵌合部30aにおいて左右内側方向に突出する円柱状の凸部である回動軸部材18aを有する。ノブ12は、嵌合部30aに取り付けられた際に筒部17aの前方を覆う前方壁12dと、筒部17aの後方を覆う後方壁12eと、筒部17aの右方を覆う右側壁12bと、筒部17aの左方を覆う左側壁12fとを有する。なお、右側壁12b及び左側壁12fは、それぞれ前方壁12d(一方側)と後方壁12e(他方側)を接続する。また、ノブ12は、前方壁12d、後方壁12e、右側壁12b及び左側壁12fの上端部に接続され、筒部17aの上部に開口する開口部17gに対向する天面12hを有する。ノブ12は突出部12aにおいて左右方向に向けて開口する丸穴状の係合部19aを有する。ノブ12の突出部12aが筒部17aの嵌合部30aに取り付けられる際、回動軸部材18aは係合部19aへ係合する。ノブ12が筒部17aに取り付けられると、右側壁12b及び左側壁12fと、突出部12aとの間に筒部17aの壁部が挿入された状態となる。これにより、ノブ12及び筒部17aの左右方向に関する剛性が向上し、ノブ12に作用する操作力が右側壁12b、左側壁12f、突出部12a及び筒部17aの壁部に対して作用した時に、これらが左右方向に関して外側に変形しにくくなり、結果として、ノブ12の外れ防止に寄与する。なお、筒部17aの回動軸部材18aは左右方向に関して外側に突出していてもよい。
【0017】
さらに、ノブ13~15もそれぞれ、突出部12aと同様の突出部を有し、当該突出部が対応する筒部へ挿入されることにより、ノブ13~15は筒部17b~17dの嵌合部のそれぞれに取り付けられる。また、筒部17b~17dのそれぞれは回動軸部材18aと同様の回動軸部材を有し、ノブ13~15のそれぞれも突出部において係合部19aと同様の係合部を有し、各ノブ13~15の突出部が対応する筒部の嵌合部に取り付けられる際、筒部の回動軸部材は係合部へ係合する。
【0018】
図4は、図1における線A-Aに沿う断面図であり、ノブ12とケース11の筒部17aの断面を示す。上述したように、ケース11の筒部17aの嵌合部30aの回動軸部材18aが、ノブ12の突出部12aの係合部19aへ係合するため、ノブ12は回動軸部材18a(係合部19a)の中心を左右方向(図中X方向)に関して貫く回動軸20a回りに回動する。すなわち、ノブ12は回動軸20aを中心としてケース11に対してシーソー状に回動する(図中の白抜き矢印参照)。
【0019】
ノブ12は、前後方向に関して回動軸部材18aを境に分けられた前端側(一方側)に設けられた操作部23aと、前後方向に関して回動軸部材18aを境に分けられた後端側(他方側)に設けられた当接部21aとを有する。ユーザがノブ12を操作する際、ユーザはノブ12の前後方向に関する操作部23aをノブ12の天面12h側に向かって引き上げ、若しくは、ケース11側に向かって押し込む。また、スイッチ装置10では、ユーザがノブ12の操作部23aを引き上げる際、ノブ12を回動させ過ぎないように、ノブ12の回動を抑止するストッパ機構が設けられる。具体的には、ノブ12において、回動軸20aに対して操作部23aとは反対側に当接部21aが設けられ、該当接部21aと対向するように、ケース11においてストッパ部22aが設けられる。
【0020】
図5は、ノブ12の操作部23aが引き上げられたときのノブ12の回動動作について説明するための工程図である。
【0021】
まず、ノブ12がケース11に対して回動していない状態において、当接部21aとストッパ部22aの間には隙間が設けられ、当接部21aとストッパ部22aは互いに当接していない(図5(A))。
【0022】
その後、ユーザがノブ12の操作部23aを引き上げ始める(図中においてノブ12を時計回りに回動させる)と、当接部21aがストッパ部22aへ接近し(図5(B))、やがて、当接部21aがストッパ部22aへ当接する(図5(C))。これにより、ノブ12の時計回りの回動が抑止される。すなわち、当接部21aとストッパ部22aは、ユーザがノブ12の操作部23aを引き上げる際のストッパ機構として機能する。
【0023】
ここで、当接部21aがストッパ部22aへ当接した後も、ユーザがノブ12の操作部23aを引き上げ続けようとすると、ストッパ部22aが支点となってノブ12が回動軸20aではなくストッパ部22a回りにケース11に対して時計回りに回動しようとする。このとき、操作部23aを引き上げる力が梃子の原理により、ノブ12の係合部19aとケース11の回動軸部材18aの係合を解除しようとする係合解除力24としてノブ12の係合部19aに作用する。したがって、係合解除力24によってノブ12がケース11から脱離するおそれがある。
【0024】
これに対して、本実施の形態では、係合解除力24を低減するようにストッパ機構を構成する。具体的には、ノブ12の後方壁12eを後端側(他方側)に延伸することにより、ノブ12の右側壁12b及び左側壁12fの前端側におけるケース11側の端部、すなわち、底部12cよりも下方に延伸する延伸部25aを設け、当接部21aを延伸部25aに設ける。なお、延伸部25aは、底部12cよりもケース11側に向けて突出するとも言える。
【0025】
これにより、ノブ12がケース11に対して回動していない状態において、回動軸部材18a(回動軸20a)からストッパ部22aまでの距離L(第1の距離)を、ノブ12の操作部23aの近傍において引き上げ操作時にユーザの指が係合してユーザの操作力が作用する操作点26aからストッパ部22aまでの距離L(第2の距離)に対して相対的に大きくすることができる。具体的には、距離Lが距離Lの6割以上である。
【0026】
ここで、操作点26aに作用する操作力に起因し、梃子の原理によって係合部19aに作用する係合解除力24は、下記式(1)で示されるため、距離Lを距離Lに対して相対的に大きくすることにより、係合解除力24を低減することができる。
係合解除力24 = 操作力 ×(距離L/距離L) … (1)
【0027】
その結果、ノブ12のケース11からの脱離を抑制することができるため、ノブ12の側方に規制壁を設ける必要を無くすことができ、もって、スイッチ装置10の各構成部品のレイアウトの自由度を大きくすることができるとともに、スイッチ装置10の組立性の低下を抑制することができる。
【0028】
なお、ノブ12には塗装が施されるが、本実施の形態では、ノブ12の延伸部25aの当接部21aにおいてストッパ部22aと当接する箇所には、塗装が施されない。すなわち、ノブ12の回動の際の当接部21aとストッパ部22aの当接の繰り返しによって摩耗する塗装が存在しない。よって、ノブ12の回動量が変化するのを抑制することができる。その結果、ノブ12の回動量の変化によって引き起こされる距離Lと距離Lの関係の変化が抑制されるため、ノブ12のケース11からの脱離しにくさを当初に意図した状態で維持することができる。また、当接部21aにおいてストッパ部22aと当接する箇所に塗装を施さないことから、ストッパ部22aと当接する箇所の塗装の厚みのばらつきによって距離Lが当初に意図した値から変化することもないため、ノブ12に塗装を施した後にノブ12をケース11に組み付けた後も、意図したノブ12の回動量を実現することができる。さらに、当接部21aにおいて塗装が施されない箇所は、突出した当接部21aを、ノブ12へ塗装を施す際にノブ12を固定するための治具のスリット等へ嵌め込むことによって実現できるため、ノブ12に塗装を施す際に当接部21aへのマスキング等の塗装付着の保護対策を行う必要を無くすことができる。
【0029】
また、本実施の形態では、延伸部25aがノブ12の後端側に延伸し、且つノブ12の底部12cよりも下方に延伸するが、距離Lを距離Lに対して相対的に大きくすることができるならば、延伸部25aはノブ12の後端側にのみ延伸してもよく、若しくは、ノブ12の底部12cよりも下方にのみ延伸してもよい。また、ノブ12の操作部23aが操作点26aと一致していてもよい。
【0030】
ところで、図6(A)に示すように、従来のスイッチ装置では、ノブ61が後端側且つ下方に延伸する延伸部を備えない。したがって、ユーザによってケース62の上面62aや筒部63aが目視されるのを防止するために、ノブ61の後端側において、ケース62の上面62aや筒部63aを覆うための遮蔽部64aをパネルに設ける必要がある。そして、回動するノブ61と遮蔽部64aが干渉するのを避けるために、ノブ61と遮蔽部64aの間の隙間を確保する必要があり、結果として、スイッチ装置の前後方向(図中Y方向)に関する長さを小さくすることができず、スイッチ装置の小型化に課題がある。
【0031】
一方、図6(B)に示すように、本実施の形態におけるノブ12の延伸部25aは、ケース11の上面11aや筒部17aを覆うため、ユーザによってケース11の上面11aや筒部17aが目視されるのを防止することができる。したがって、パネル16へノブ12の後端側を覆うような遮蔽部を設ける必要が無いため、ノブ12とパネル16の遮蔽部の間に隙間を確保する必要がなく、結果として、スイッチ装置10の前後方向(図中Y方向)に関する長さを小さくすることができ、スイッチ装置10を小型化することができる。また、延伸部25aは、側方視において、断面形状が弧を描くようにR形状を呈するため、ノブ12の意匠性を高めることができる。
【0032】
なお、スイッチ装置10において、ノブ13はノブ12と同様の構成を有する。また、ノブ14,15は、図6(A)に示すような、従来のスイッチ装置におけるノブと同様の構成を有するが、ノブ14,15もノブ12と同様の構成を有してもよい。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0034】
例えば、ノブ12には当接部21aが回動軸20aに対して操作部23aとは反対側にのみ設けられていたが、図7(A)に示すように、当接部21aに加えて回動軸20aに対して操作部23aと同じ側(前後方向に関して回動軸部材18aを境に分けられた前端側)に他の当接部27aを設けてもよい。他の当接部27aは、延伸部25aと同様に、底部12cよりもケース11側に突出している。また、ケース11には、他の当接部27aと対向するように他のストッパ部28aが設けられる。
【0035】
ノブ12がケース11に対して回動していない状態では、他の当接部27aと他のストッパ部28aの間には隙間が設けられ、他の当接部27aと他のストッパ部28aは互いに当接していない(図7(A))。
【0036】
その後、ユーザがノブ12の操作部23aを下方へ押し込み始める(図中においてノブ12を反時計回りに回動させる)と、他の当接部27aが他のストッパ部28aへ接近し、やがて、他の当接部27aが他のストッパ部28aへ当接する(図7(B))。これにより、ノブ12の反時計回りの回動が抑止される。すなわち、他の当接部27aと他のストッパ部28aは、ユーザがノブ12の操作部23aを下方へ押し込む際のストッパ機構として機能する。
【0037】
ここで、他の当接部27aが他のストッパ部28aへ当接した後も、ユーザがノブ12の操作部23aを下方へ押し込み続けようとすると、他のストッパ部28aが支点となってノブ12が回動軸20aではなく他のストッパ部28a回りにケース11に対して反時計回りに回動しようとする。このとき、操作部23aを下方へ押し込む力が梃子の原理により、ノブ12の係合部19aとケース11の回動軸部材18aの係合を解除しようとする他の係合解除力29としてノブ12の係合部19aに作用する。
【0038】
ここで、操作部23aを下方へ押し込む他の操作力に起因し、梃子の原理によって係合部19aに作用する他の係合解除力29は、下記式(2)で示される。なお、距離L(第3の距離)は、ノブ12がケース11に対して回動していない状態における回動軸部材18a(回動軸20a)から他のストッパ部28aまでの距離であり、距離Lは、ノブ12がケース11に対して回動していない状態における操作部23aから他のストッパ部28aまでの距離である。
他の係合解除力29 = 他の操作力 ×(距離L/距離L) … (2)
【0039】
図7(A)に示すように、距離Lと距離Lは余り違わないため、他の係合解除力29は係合解除力24に比べて小さくなり、他の係合解除力29によってノブ12がケース11から脱離するおそれがない。したがって、距離Lを大きくして他の係合解除力29を低減するために、延伸部25aと同様の他の延伸部をノブ12の前端側に設ける必要がない。すなわち、距離Lは短いままでも問題がない。その結果、距離Lは距離L以下となる。逆に言えば、距離Lは距離L以上となる。
【符号の説明】
【0040】
10 スイッチ装置
11 ケース
12~15 ノブ
17a 筒部
17e 嵌合部
18a 回動軸部材
19a 係合部
20a 回動軸
21a 当接部
22a ストッパ部
23a 操作部
25a 延伸部
26a 操作点
27a 他の当接部
28a 他のストッパ部
30a 嵌合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8