(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120105
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/10 20060101AFI20230822BHJP
G01N 33/579 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G01N35/10 A
G01N33/579
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023323
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000252300
【氏名又は名称】富士フイルム和光純薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森次 恵子
(72)【発明者】
【氏名】和田 正悟
(72)【発明者】
【氏名】馬場 貞晴
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058BA01
2G058CB09
2G058CB15
2G058CC02
2G058CD11
2G058EA02
2G058ED02
2G058ED35
2G058GA02
(57)【要約】
【課題】装置全体の小型化が可能な測定装置を提供する。
【解決手段】測定装置は、試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定部と、測定部の内部に収納される収納位置と収納位置から外部に引き出される引き出し位置との間で移動可能なトレイであって、試料溶液が収容される測定プレートが交換可能に配置されるトレイと、試料溶液を分注する分注部であって、トレイに配置された測定プレートの位置に移動可能な分注部と、測定部、トレイ及び分注部を内部に収容する筐体と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定部と、
前記測定部の内部に収納される収納位置と前記収納位置から外部に引き出される引き出し位置との間で移動可能なトレイであって、前記試料溶液が収容される測定プレートが交換可能に配置されるトレイと、
前記試料溶液を分注する分注部であって、前記トレイに配置された前記測定プレートの位置に移動可能な分注部と、
前記測定部、前記トレイ及び前記分注部を内部に収容する筐体と、
を備えている測定装置。
【請求項2】
前記トレイは、水平方向の移動により、前記引き出し位置と前記収納位置との間を移動する請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記引き出し位置にある前記トレイと平面視にて重ならない位置に、液体の希釈に用いられる希釈プレートが置かれる希釈プレート置き場が設けられており、
前記分注部は、前記希釈プレート置き場に移動し、かつ、前記希釈プレート置き場上の前記希釈プレートに試料原液と希釈液とを注入することにより、前記試料溶液を調製し、
さらに、前記分注部は、前記引き出し位置にある前記トレイに移動し、かつ、前記トレイ上の前記測定プレートに調製した前記試料溶液を注入可能である請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記分注部の先端に交換可能に装着されるチップが置かれるチップ置き場を備え、
平面視にて前記チップ置き場と前記希釈プレート置き場とに外接する仮想の矩形形状内又は仮想の円形形状内に、前記引き出し位置にある前記トレイの少なくとも一部が包含される請求項3に記載の測定装置。
【請求項5】
前記チップ置き場の側方に、前記試料原液を収容する検体容器を収納する検体ラックが設けられている請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記対象物質は、エンドトキシンである請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定装置が知られている。測定装置の一例として、試薬等を含む試料溶液内に対象物質であるエンドトキシンが含まれているか否かを調べるエンドトキシン試験に用いられる測定装置がある。エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁に存在するリポ多糖であり、体内に進入すると発熱等の生体反応を引き起こす発熱物質である。試料としては、医療器具等の外表面に付着した付着物を採取した採取液などがある。ここで、試料は、測定対象である試料原液のことである。また、試料溶液は、試料原液を希釈した溶液の他、試料原液を希釈した溶液に試薬等を加えたもの、又は試料原液に試薬等を加えたものを含む。医療器具等としては、カテーテル及び注射針などの体内に挿入される医療器具がある。エンドトキシン試験は、試料を含む試料溶液を調製し、調製した試料溶液中に含まれるエンドトキシン量を測定する試験であり、エンドトキシンとの凝集及び凝固反応を生じるライセート試薬を用いて行われる。カブトガニ血球抽出物から調製されるライセート試薬は、通称LAL(Limulus Amebocyte Lysate)などと呼ばれる。試料溶液内のエンドトキシン量を測定する測定装置として、例えば、特許文献1に記載の装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、流体試料中のエンドトキシンの存在をオンライン試験する装置が開示されている。この装置では、流体システムラインから流体試料を取得する流体抽出システムと、流体試料及び薬剤が導入される流体受け取り部材を含んだアセンブリと、流体受け取り部材内のエンドトキシンの存在を判断する検出システムと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、流体抽出システムと、流体受け取り部材を含んだアセンブリと、検出システムの各構成が複雑であり、装置全体が大型化するという問題がある。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置全体の小型化が可能な測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る測定装置は、試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定部と、測定部の内部に収納される収納位置と収納位置から外部に引き出される引き出し位置との間で移動可能なトレイであって、試料溶液が収容される測定プレートが交換可能に配置されるトレイと、試料溶液を分注する分注部であって、トレイに配置された測定プレートの位置に移動可能な分注部と、測定部、トレイ及び分注部を内部に収容する筐体と、を備えている。
【0008】
上記態様の測定装置においては、トレイは、水平方向の移動により、引き出し位置と収納位置との間を移動してもよい。
【0009】
また、上記態様の測定装置においては、引き出し位置にあるトレイと平面視にて重ならない位置に、液体の希釈に用いられる希釈プレートが置かれる希釈プレート置き場が設けられており、分注部は、希釈プレート置き場に移動し、かつ、希釈プレート置き場上の希釈プレートに試料原液と希釈液とを注入することにより、試料溶液を調製し、さらに、分注部は、引き出し位置にあるトレイに移動し、かつ、トレイ上の測定プレートに調製した試料溶液を注入可能であってもよい。
【0010】
また、上記態様の測定装置においては、分注部の先端に交換可能に装着されるチップが置かれるチップ置き場を備え、平面視にてチップ置き場とプレート置き場とに外接する仮想の矩形形状内又は仮想の円形形状内に、引き出し位置にあるトレイの少なくとも一部が包含されていてもよい。
【0011】
また、上記態様の測定装置においては、チップ置き場の側方に、試料原液を収容する検体容器を収納する検体ラックが設けられていてもよい。
【0012】
また、上記態様の測定装置においては、対象物質は、エンドトキシンであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示の技術によれば、装置全体の小型化が可能な測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る測定装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る測定装置の外観であって、上部カバー及び下部カバーが開放された状態を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る測定装置における筐体内の構成を示す概略斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る測定装置における筐体内の下部側の構成を示す拡大斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る測定装置における筐体内の下部側の構成を示す平面図である。
【
図6】第1実施形態に係る測定装置の筐体内の下部側の構成を示す正面図である。
【
図7A】第1実施形態に係る測定装置の分注ノズルとチップが離れた状態を示す正面図である。
【
図7B】第1実施形態に係る測定装置の分注ノズルにチップが装着された状態を示す正面図である。
【
図8】第1実施形態に係る測定装置の各工程を示すフロー図である。
【
図9】第1実施形態に係る測定装置において、測定プレートが配置されるトレイ、希釈プレートが置かれる希釈プレート置き場、チップが置かれるチップ置き場、検体容器が置かれる検体ラックの位置関係を示す平面図である。
【
図10】第1実施形態に係る測定装置の一部であって、引き出し位置に引き出されたトレイに測定プレートが置かれた状態を示す斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る測定装置の一部であって、測定プレートが置かれたトレイが測定部の内部の収納位置に移動した状態を示す斜視図である。
【
図12】第1実施形態に係る測定装置において、検体ラックが筐体の外側に引き出された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の技術を実施するための形態について説明する。以下の説明では、図面において適宜示される矢印UPで示す方向を装置の上下方向上方側とする。装置の上下方向は本例において鉛直方向と一致する。なお、各図面において、本開示の技術と関連性の低いものは図示を省略している。
【0016】
測定装置10は、一例として、試薬等を含む試料溶液内に対象物質であるエンドトキシンが含まれているか否かを調べるエンドトキシン試験に用いられる装置である。
【0017】
上述したとおり、エンドトキシンは、グラム陰性菌の細胞壁に存在するリポ多糖であり、体内に進入すると発熱等の生体反応を引き起こす発熱物質である。試料としては、医療器具等の外表面に付着した付着物を採取した採取液などがある。上記のように、試料は、測定対象である試料原液のことである。また、試料溶液は、試料原液を希釈した溶液の他、試料原液を希釈した溶液に試薬等を加えたもの、又は試料原液に試薬等を加えたものを含む。医療器具等としては、カテーテル及び注射針などの体内に挿入される医療器具がある。エンドトキシン試験は、試料を含む試料溶液を調製し、調製した試料溶液中に含まれるエンドトキシン量を測定する試験であり、エンドトキシンとの凝集及び凝固反応を生じるライセート試薬を用いて行われる。カブトガニ血球抽出物から調製されるライセート試薬は、通称LAL(Limulus Amebocyte Lysate)などと呼ばれる。
【0018】
また、測定装置10は、一例として、ライセート試薬としてLAL試薬を使用し、エンドトキシンとの反応によりライセート試薬がゲル化する過程での試料溶液の濁度変化を指標とする比濁法によりエンドトキシン測定を行う。
【0019】
[測定装置の外部構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係る測定装置10の外観(すなわち外部構成)を示す斜視図である。また、
図2は、測定装置10において、上部カバー及び下部カバーを開き位置に移動した状態を示す斜視図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、測定装置10は、筐体11と、筐体11の一面としての正面11Aに形成された上部開口12及び下部開口13と、上部開口12を開閉可能な上部カバー14と、下部開口13を開閉可能な下部カバー15と、を備えている。
【0021】
上部開口12と下部開口13は、筐体11の鉛直方向において異なる位置に設けられている。例えば、上部開口12は筐体11の正面11Aの鉛直方向の上部側であって、筐体11の正面11Aの幅方向のほぼ全域に設けられている。また、例えば、下部開口13は、上部開口12は筐体11の正面11Aの鉛直方向の下部側であって、筐体11の正面11Aの幅方向の一方側に設けられている。一例として、上部開口12と下部開口13は、筐体11の鉛直方向に繋がっているが、上部開口12と下部開口13が分かれて形成されていてもよい。
【0022】
上部カバー14は、上部開口12を開放する開き位置P2と、上部開口12を閉じる閉じ位置P1との間で移動する。本例では、上部カバー14は、筐体11に対して鉛直方向の上方側の開き位置P2に移動させることで、筐体11の上部開口12を開放する(
図2参照)。上部カバー14は、閉じ位置P1において、例えば、後述するチップ置き場23及び検体ラック32などを覆う。ここで、上部カバー14がチップ置き場23及び検体ラック32を覆うとは、一の鉛直面に水平に投影した場合に、上部カバー14の投影図がチップ置き場23及び検体ラック32の投影図を包含することをいう。
【0023】
上部カバー14は、透明な部材で形成されていてもよい。また、筐体11の一部が透明な材料で形成されていてもよい。
【0024】
下部カバー15は、下部開口13を開放する開き位置P4と、下部開口13を閉じる閉じ位置P3との間で移動する。本例では、下部カバー15は、閉じ位置P3において、チップ置き場23に対して鉛直方向の下方に配置された測定部21を覆う。ここで、下部カバー15が測定部21を覆うとは、一の鉛直面に水平に投影した場合に、下部カバー15の投影図が測定部21の投影図を包含することをいう。下部カバー15は、筐体11に対して下部15A側に設けられたヒンジ(図示省略)により、上部15B側が前方に開放される。
【0025】
[測定装置の内部の全体構成]
図3は、測定装置10の内部構成を示す斜視図であり、
図4は、測定装置10の下部側の内部構成を示す拡大斜視図である。また、
図5は、測定装置10の筐体11の下部側を示す平面図であり、
図6は、測定装置10の下部側を示す正面図である。
図3等では、分注ノズル24が筐体11の幅方向(正面11Aに沿った方向)に移動する方向をX方向とし、分注ノズル24がX方向と交差する方向であって、筐体11の奥行き方向(側面11Bに沿った方向)に移動する方向をY方向とする。また、分注ノズル24がX方向及びY方向と直交する鉛直方向に移動する方向をZ方向とする。
【0026】
図3~
図6に示すように、測定装置10は、試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定部21と、測定のために使用する用具の一例としてのチップ22が置かれるチップ置き場23と、液体を分注する分注ノズル24と、を備えている。チップ置き場23は、用具置き場の一例である。分注ノズル24は、分注部の一例である。測定部21、チップ置き場23、及び分注ノズル24は、筐体11の内部に収容されている。
【0027】
測定装置10は、試料溶液が収容される測定プレート27が交換可能に配置されるトレイ28と、液体の希釈に用いられる希釈プレート29が置かれる希釈プレート置き場30と、を備えている。希釈プレート29には、複数の小型のウェル76がマトリックス状に設けられているウェルプレートである。希釈プレート29は、液体の希釈など各種の液体の調製に用いられる。また、測定装置10は、試料溶液に含まれる試料原液を収容する検体容器31が配置される検体ラック32を備えている。トレイ28、希釈プレート置き場30、及び検体ラック32は、筐体11の内部に収容されている。
【0028】
また、測定装置10は、標準原液が収容される標準液容器35が配置される第1容器置き場36と、標準液を希釈する希釈容器37が配置される第2容器置き場38と、を備えている。標準原液は、試料溶液中のエンドトキシンの濃度を測定する際にリファレンスとして使用される液体であり、濃度が既知の標準エンドトキシンを含む液体である。標準液は、標準原液を試験用水で希釈した液体である。試料溶液の測定に際しては、標準液は、測定の際に検量線を取得するために濃度が異なる複数種類の標準液が調製される。
【0029】
また、一例として、第1容器置き場36には、ライセート試薬を収容する試薬容器39が配置される。また、一例として、第2容器置き場38には、試験用水が収容される水容器40が配置される。第1容器置き場36、及び第2容器置き場38は、筐体11の内部に収容されている。
【0030】
さらに、測定装置10は、使用済みのチップ22が廃棄される廃棄部42を備えている。廃棄部42の挿入口42Aは、筐体11の内部に配置されており、廃棄部42の排出口42B側は、筐体11の外部に引き出されている。
【0031】
(測定部及びトレイ)
図3~
図6に示すように、測定部21には、上記のように測定プレート27が交換可能に配置されるトレイ28が設けられている。測定部21は、トレイ28に配置された測定プレート27が測定部21の内部の収納位置P5(
図11参照)に配置された状態で、測定プレート27に収容される試料溶液内に含まれる対象物質を測定する。
【0032】
測定部21は、トレイ28の他、試料溶液内の対象物質を光学的に測定する。測定部21は、測定に用いられる光源(図示せず)及びフォトダイオードなどの光量センサ(図示せず)などが設けられている。本例では、例えば比濁法と呼ばれる方法により、エンドトキシンの濃度が測定される。比濁法は、エンドトキシンの作用によりライセート試薬がゲル化する過程での濁度変化を指標とする手法である。試料溶液に含まれるエンドトキシンの量と、ライセート試薬を添加してからの経過時間とに応じて、試料溶液の濁度に変化が生じる。試料溶液の濁度が変化すると、試料溶液を透過する測定光の光量が変化するため、測定部21に設けられた光量センサにより透過光量の経時変化を測定することにより、試料溶液の濁度の状態および推移を測定することができる。測定装置10には、演算部(図示省略)が設けられている。演算部は、測定部21が測定した試料溶液の濁度の状態および推移に基づいて、試料溶液中のエンドトキシン量の演算を行う。
【0033】
測定プレート27には、複数の小型のウェル51がマトリックス状に設けられているウェルプレートであり、ウェル51の内部には、測定対象の試料溶液が収容される。
【0034】
測定部21は、上記のように、チップ置き場23に対して鉛直方向の下方に配置されている。一例として、測定部21及びチップ置き場23は、筐体11の一方の側面11B(
図1参照)の側に沿って配置されている。測定部21及びチップ置き場23は、筐体11の奥行き方向の奥側(すなわち、Y方向の奥側)に配置されている。
【0035】
測定部21における筐体11の正面11A側には、鉛直方向に下方側に窪んだ凹状部52が設けられている。測定部21における正面11A側の壁部53は、凹状部52に面する位置に配置されている。測定部21の壁部53には、トレイ28が挿入される開口54が設けられている(
図6参照)。
【0036】
トレイ28は、測定部21の内部に収納される収納位置P5(
図11参照)と、収納位置P5から測定部21の外部に引き出される引き出し位置P6(
図4及び
図10参照)との間で移動可能である。側面視(すなわち、
図6に示す筐体11の正面11Aから見た状態)で、トレイ28は、測定部21と重なる位置に設けられている。トレイ28は、水平方向の移動により、引き出し位置P6と収納位置P5との間を移動する。図示を省略するが、測定部21の内部には、トレイ28を水平方向に摺動可能に支持する支持部と、トレイ28を移動させるアクチュエータが設けられている。これにより、トレイ28は、水平方向の移動により、引き出し位置P6と収納位置P5との間を移動する。
【0037】
(チップ置き場)
図3~
図6に示すように、測定のために使用する用具には、分注ノズル24の先端に交換可能に装着されるチップ22が含まれている。チップ置き場23には、複数のチップ22が置かれている。チップ22は、コンタミネーションを防止する目的からシングルユースであるため数も多い。そのため、用具の数及び種類も多くなる傾向にあり、チップ置き場23の水平方向の専有面積を小さくするメリットが多い。
【0038】
本例では、チップ置き場23は、4つ配置されており、それぞれのチップ置き場23に複数のチップ22が置かれている。チップ置き場23は、平面視にて
図5に示す横方向に2列、
図5に示す縦方向に2列配置されている(
図5参照)。チップ置き場23には、複数のチップ22が
図5に示す横方向及び縦方向に沿って配列されている。複数のチップ22は、上方からチップ置き場23の凹部に差し込まれている。
【0039】
チップ置き場23は、鉛直方向において測定部21よりも上方に配置されている(
図3、
図4及び
図6参照)。すなわち、チップ置き場23は、筐体11の側面11Bに沿った奥行き方向(すなわち、Y方向)の奥側に配置されている。一例として、チップ置き場23は、測定部21の上面に配置された板材61に接合された複数のロッド62の上部に支持された支持板63の上部に設けられている。
【0040】
(分注ノズル)
分注ノズル24は、鉛直方向に沿って配置された筒状の部材である。分注ノズル24は、チップ置き場23の上方で移動可能である。本例では、分注ノズル24は、上記のように筐体11の正面11Aに沿ったX方向と、筐体11の側面11Bに沿った方向であってX方向と直交するY方向と、X方向及びY方向に互いに直交するZ方向に移動可能である(
図3参照)。本例において、Z方向は、鉛直方向と一致する。
【0041】
図3に示すように、測定装置10は、分注ノズル24を筐体11の正面11Aに沿ったX方向に移動させるX方向駆動部71と、分注ノズル24を筐体11の側面11Bに沿ったY方向に移動させるY方向駆動部72と、を備えている。さらに、測定装置10は、分注ノズル24を筐体11の鉛直方向に沿ったZ方向に移動させるZ方向駆動部73を備えている。分注ノズル24は、X方向駆動部71、Y方向駆動部72及びZ方向駆動部73により、チップ置き場23、トレイ28、希釈プレート置き場30、第1容器置き場36及び第2容器置き場38の上方の任意の位置に移動可能である。
【0042】
分注ノズル24の先端には、チップ22が交換可能に装着される。
図7Aに示すように、チップ置き場23に置かれた複数のチップ22のうち任意の一のチップ22の上方に分注ノズル24を移動させる。そして、分注ノズル24を降下させることで、
図7Bに示すように、分注ノズル24の先端に一のチップ22を装着する。例えば、チップ22に設けられた係合部に分注ノズル24の被係合部を係合させることで、分注ノズル24の先端にチップ22を装着してもよい。分注ノズル24は、チップ22が装着された状態で、チップ22を用いて一の容器から液体を吸引し、又はチップ22から液体を他の容器に吐出することができる。これにより、分注ノズル24は、チップ22を用いて液体を分注することができる。
【0043】
図4に示されるように、分注ノズル24は、トレイ28が引き出し位置P6に引き出された状態で、トレイ28に配置された測定プレート27の上方に移動可能である。分注ノズル24は、チップ22が装着された状態で、測定プレート27のウェル51に試料溶液を分注することが可能である。
【0044】
(希釈プレート置き場)
図3~
図6に示すように、希釈プレート置き場30は、チップ置き場23よりも鉛直方向の下方で、トレイ28よりも鉛直方向の上方に設けられている。希釈プレート置き場30は、引き出し位置P6にあるトレイ28と平面視にて重ならない位置に設けられている。本例では、希釈プレート置き場30は、平面視にて測定部21の装置奥行き方向(Y方向)の前側の凹状部52と隣り合う位置に設けられている。
【0045】
例えば、分注ノズル24は、希釈プレート置き場30の上方に移動する。そして、希釈プレート置き場30上の希釈プレート29のウェル76に、分注ノズル24を用いて試料原液と希釈液とを注入することにより、試料溶液を調製可能である。さらに、分注ノズル24は、引き出し位置P6にあるトレイ28に移動する。そして、トレイ28上の測定プレート27に調製した試料溶液を注入可能である。
【0046】
図9に示すように、平面視にてチップ置き場23、希釈プレート置き場30、及びトレイ28は、それぞれ矩形状の部材で構成されている。本例では、平面視にてチップ置き場23と希釈プレート置き場30とに外接する仮想の矩形形状78内に、引き出し位置P6にあるトレイ28の少なくとも一部が包含されている。
【0047】
(検体ラック)
図3~
図6に示すように、検体ラック32には、試料原液を収容する複数の検体容器31が収納される。検体容器31は、例えば、試験管である。一例として、検体ラック32は、筐体11の幅方向(すなわち、X方向)に4つ設けられている。平面視にて検体ラック32は、筐体11の奥行き方向(すなわち、Y方向)に細長い形状であり、4つの検体ラック32が筐体11の幅方向(すなわち、X方向)に並べて配置されている。検体ラック32には、複数の検体容器31が一列に並んで収納されている。複数の検体容器31は、検体ラック32の上部に設けられた支持枠81の複数の開口81Aにそれぞれ挿入された状態で支持されている。
【0048】
4つの検体ラック32は、筐体11の奥行き方向(すなわち、Y方向)の奥側に配置されている。また、4つの検体ラック32は、筐体11の幅方向(すなわち、X方向)におけるチップ置き場23と反対側に配置されている。
【0049】
検体ラック32の下端部は、希釈プレート置き場30と水平方向に位置を合わせて配置されている。検体ラック32の上端部は、チップ置き場23の側方に配置されている。検体ラック32に検体容器31が収納された状態で、検体容器31の上端部は、チップ置き場23の上端部と水平方向に位置を合わせて配置されている。
【0050】
図12に示すように、検体ラック32は、筐体11の上部開口12(
図2参照)から筐体11の外側に引き出し可能である。図示を省略するが、一例として、筐体11の内部には、検体ラック32の下側に検体ラック32を摺動可能に支持するレールが設けられている。これにより、検体ラック32は、レールに沿って筐体11の上部開口12(
図2参照)から外側に引き出される。
【0051】
(第1容器置き場)
図3~
図6に示すように、第1容器置き場36は、筐体11の正面11A側であって、筐体11の幅方向(すなわち、X方向)における凹状部52と反対側に配置されている。平面視にて第1容器置き場36は、希釈プレート置き場30と重ならい位置に設けられている。第1容器置き場36の下端部は、トレイ28と水平方向に位置を合わせて配置されている。第1容器置き場36には、標準液容器35又は試薬容器39を支持する開口を備えた支持部83が設けられている。
【0052】
(第2容器置き場)
図3~
図6に示すように、第2容器置き場38は、筐体11の奥行き方向(すなわち、Y方向)の奥側のチップ置き場23と検体ラック32との間に配置されている。第2容器置き場38の下端部は、検体ラック32の下端部と水平方向に位置を合わせて配置されている。第2容器置き場38には、希釈容器37又は水容器40を支持する開口を備えた支持部85が設けられている。図示を省略するが、第2容器置き場38はラック形状であり、検体ラック32と同様に、筐体11の外側に引き出すことができる。一例として、筐体11の内部には、第2容器置き場38の下側に第2容器置き場38を摺動可能に支持するレール(図示省略)が設けられている。
【0053】
(廃棄部)
廃棄部42は、筐体11の正面11A側であって、筐体11の幅方向(すなわち、X方向)の中央部に設けられている。廃棄部42は、希釈プレート置き場30と第1容器置き場36との間に配置されている。廃棄部42の挿入口42Aは、希釈プレート置き場30の側方に、希釈プレート置き場30と水平方向の位置を合わせて配置されている。使用済みのチップ22は、挿入口42Aから廃棄部42内に挿入され、排出口42Bから筐体11の外部に廃棄される。
【0054】
(測定処理)
次に、測定装置10により実行される測定処理について説明する。
図8は、測定処理の各工程の一例を示すフロー図である。
【0055】
図8において、ステップS106の測定は、測定プレート27内に収容された試料溶液を測定部21によって測定する工程であり、ステップS101~ステップS105は、測定プレート27内に収容される試料溶液等の液体を準備する工程である。
【0056】
図8に示すように、ステップS101では、試料及び試薬を測定装置10にセットする。試薬は、ライセート試薬である。試料及び試薬のセットは、筐体11の上部開口12を開放する開き位置P2に上部カバー14を移動した状態で実行される(
図2参照)。
【0057】
まず、検体ラック32に、試料原液を収容する複数の検体容器31が収納される(
図5参照)。これにより、試料が測定装置10にセットされる。例えば、
図12に示すように、検体ラック32を筐体11の上部開口12(
図2参照)から筐体11の外側に引き出した状態で、検体ラック32に検体容器31を収納する。その後、検体ラック32を筐体11内の予め設定された位置に移動させる。
【0058】
また、第1容器置き場36には、ライセート試薬を収容する試薬容器39が配置される。これにより、試薬が測定装置10にセットされる。また、
図8には記載されていないが、例えば、第1容器置き場36には、標準原液が収容される標準液容器35が配置される。また、第2容器置き場38には、試験用水が収容される水容器40が配置される。
【0059】
試料及び試薬のセットが完了した後、上部開口12を閉じる閉じ位置P1に上部カバー14を移動させる(
図1参照)。
【0060】
ステップS102からステップS105までの各工程は、測定に用いられる試料溶液を含む各種の液体を調製する工程である。これらの各工程では、分注ノズル24が、チップ置き場23、第1容器置き場36、第2容器置き場38、予め設定された手順で動作することにより行われる。
【0061】
ステップS102は、標準液を調製する工程である。標準液の調製は、ステップS103は、試料溶液を調製する工程である。標準液の調製は、第2容器置き場38の希釈容器37において行われる。分注ノズル24は、標準液容器35及び水容器40を移動しながら、希釈容器37において標準原液を試験用水で希釈することにより複数の濃度の標準液を調製する。濃度の異なる標準液を調製する理由は、試料溶液の濃度を測定する際のリファレンスとなる検量線を取得するためである。分注ノズル24は、異なる液体の吸引及び吐出を行う毎にチップ置き場23に移動してチップ22を交換する。使用済みのチップ22は、廃棄部42に廃棄される。
【0062】
ステップS103は、試料溶液を調製する工程である。試料溶液の調製は、希釈プレート置き場30に配置された希釈プレート29において行われる。分注ノズル24は、検体容器31及び水容器40を移動しながら、希釈プレート29において試料原液を試験用水で希釈することにより、試料溶液を調製する。試料溶液を調製する工程においても、チップ22の交換と廃棄が繰り返される。
【0063】
次に、ステップS104では、調製された標準液と試料溶液を測定プレート27へ分注する。測定プレート27は、引き出し位置P6のトレイ28に配置されている(
図10参照)。分注ノズル24は、希釈プレート29において調製した試料溶液を測定プレート27のウェル51に分注する。さらに、分注ノズル24は、希釈容器37において調製した複数の濃度の標準液を測定プレート27のウェル51に分注する。また、測定プレート27のウェル51には、標準液と試料溶液とを混合した混合液の他、試験用水も分注される。これにより、測定プレート27の異なるウェル51には、標準液、試料溶液、試料溶液と標準液とを混同した混合液、及び試験用水が分注される。
【0064】
そして、ステップS105において、標準液、試料溶液、及び混合液が分注された各ウェルに、ライセート試薬としてのLAL試薬が分注される。LAL試薬の分注は、分注ノズル24が、試薬容器39からLAL試薬を吸引して、測定プレート27の各ウェル51に吐出することにより行われる。
【0065】
このように、ステップS102~ステップS105において、分注ノズル24は、測定装置10内の各部を移動しながら、測定に用いられる各種の液体を調製し、調製した液体を測定プレート27に分注する。
【0066】
この後、ステップS106では、測定を実行する。測定プレート27はトレイ28に配置されているため、
図11に示すように、トレイ28を、測定部21の開口54から測定部21の内部の収納位置P5に移動させることにより、測定プレート27が測定部21に収納される。この状態で測定部21の開口54の蓋55を閉じ、測定を行う。例えば、測定部21では、上述の比濁法の手順に従って、測定プレート27内の各ウェル51内の試料溶液及び標準液等にLAL試薬を加えた反応溶液の濁度を光学的に測定し、測定結果に基づいて演算を行うことによりエンドトキシンの濃度を測定する。
【0067】
次に、ステップS107では、測定結果を表示する。図示を省略するが、例えば、測定装置10には、パーソナルコンピュータが電気的に接続されており、パーソナルコンピュータの表示部に測定結果が表示される。これにより、測定装置10の各工程が終了する。
【0068】
[作用及び効果]
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0069】
測定装置10は、試料溶液内に含まれる対象物質を測定する測定部21と、測定部21の内部に収納される収納位置P5と収納位置P5から外部に引き出される引き出し位置P6との間で移動可能なトレイ28と、試料溶液を分注する分注ノズル24と、を備えている。また、測定装置10は、測定部21、トレイ28及び分注ノズル24を内部に収容する筐体11を備えている。トレイ28には、試料溶液が収容される測定プレート27が交換可能に配置される。また、分注ノズル24は、トレイ28に配置された測定プレート27の位置に移動可能である。
【0070】
上記の測定装置10では、トレイ28は、測定部21の内部の収納位置P5と収納位置P5から外部に引き出される引き出し位置P6との間で移動可能である。これにより、引き出し位置P6に引き出されたトレイ28に測定プレート27を配置した状態で試料溶液を分注することができる。このため、トレイ28とは別の場所で測定プレート27に試料溶液を分注し、測定プレート27をトレイ28に移動させる場合と比較して、測定プレート27をトレイ28に移動するための移動機構が不要となるため、装置全体の小型化が可能となる。
【0071】
また、測定装置10では、トレイ28は、水平方向の移動により、引き出し位置P6と収納位置P5との間を移動する。
【0072】
このため、トレイ28を水平方向に移動することで、引き出し位置P6から測定部21の内部の収納位置P1に収納することができ、装置全体をより確実に小型化することができる。また、トレイ28を引き出し位置P6から測定部21の収納位置P5に移動させる移動距離及び移動時間が短くなり、測定時間全体を短くすることができる。
【0073】
また、測定装置10では、引き出し位置P6にあるトレイ28と平面視にて重ならない位置に、液体の希釈に用いられる希釈プレート29が置かれる希釈プレート置き場30が設けられている。そして、分注ノズル24は、希釈プレート置き場30に移動し、かつ、希釈プレート置き場30上の希釈プレート29に試料原液と希釈液とを注入することにより、試料溶液を調製する。さらに、分注ノズル24は、引き出し位置P6にあるトレイ28に移動し、かつ、トレイ28上の測定プレート27に調製した試料溶液を注入する。
【0074】
測定装置10では、引き出し位置P6にあるトレイ28と平面視にて重ならない位置に希釈プレート置き場30が設けられている。このため、希釈プレート置き場30上の希釈プレート29に試料原液と希釈液とを注入することにより、試料溶液を調製するときに、引き出し位置P6にあるトレイ28が邪魔にならず、操作性が向上する。また、引き出し位置P6にあるトレイ28上の測定プレート27に調製した試料溶液を注入できる。このため、他の場所にあるプレートなどで調製した試料溶液をトレイ28に搬送する場合と比較して、操作性が向上する。
【0075】
また、測定装置10では、チップ22が置かれるチップ置き場23を備え、平面視にてチップ置き場23と希釈プレート置き場30とに外接する仮想の矩形形状78内に、引き出し位置P6にあるトレイ28の少なくとも一部が包含されている。
【0076】
これにより、引き出し位置P6にあるトレイ28をチップ置き場23及び希釈プレート置き場30に近い位置に配置することが可能となる。このため、装置全体の小型化が可能なる。また、分注ノズル24に装着されたチップ22の移動距離及び移動時間が短くなる。さらに、用具として、分注ノズル24の先端に交換可能に装着されるチップ22、及び試料溶液を調製するための測定プレート27などが必要になる。チップ22は、コンタミネーションを防止する目的からシングルユースであるため数も多い。そのため、用具の数及び種類も多くなる傾向にあり、チップ置き場23の水平方向の専有面積を小さくするメリットが多い。
【0077】
また、測定装置10では、チップ置き場23の側方に、試料原液を収容する検体容器31を収納する検体ラック32が設けられている。
【0078】
このため、測定装置10では、分注ノズル24に装着されたチップ22を検体容器31に移動させる移動距離及び移動時間を短くすることが可能である。
【0079】
また、測定装置10においては、測定の対象物質は、エンドトキシンである。
【0080】
エンドトキシン試験に用いられる測定装置10の場合は、異なる濃度の複数の試料溶液を調製することに加えて、検量線を取得するために濃度が異なる複数の標準液の調製も必要になる。そのため、チップ22の数及びチップ置き場23の数も、エンドトキシン試験以外の用途の測定装置と比較して、多くなる傾向がある。そのため、筐体11の水平方向のサイズを小型化する必要性が高い。
【0081】
[変形例]
上記実施形態は、一例であり、以下に示すように種々の変形が可能である。上記実施形態では、試料原液を希釈して測定部21で測定したが、本開示の技術はこの構成に限定されず、例えば、試料原液を希釈しないで試薬等を加えた試料溶液を測定部21で測定してもよい。
【0082】
また、エンドトキシン測定に用いるライセート試薬としては、LAL試薬に限らず、アメリカカブトガニとは別種のカブトガニ(Tachypleus tridentatus)の血球抽出物から調製されるTAL(Tachypleus Amebocyte Lysate)試薬を用いてもよい。
【0083】
また、エンドトキシン試験の手法としては、上記実施形態で説明した比濁法に限らず、エンドトキシンの作用によるライセート試薬のゲル形成を指標とするゲル化法、または、合成基質の加水分解による発色を指標にする比色法を用いてもよい。
【0084】
また、カブトガニ血球抽出物を用いた測定は、エンドトキシン測定に限らず、β-グルカン測定としてもよい。
【0085】
また、測定装置において行う測定は、カブトガニ血球抽出物を用いた測定に限らず、他の測定としてもよい。
【0086】
また、上記実施形態の測定装置10は、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、構成部材を変更してもよい。例えば、検体ラック32の数又は検体ラック32の位置などは変更可能である。また、上部カバー14は、上方側にスライドして上部開口12を開放したが、この構成に限定されない。例えば、上部カバー14は、下部カバー15と同様に、ヒンジで上部開口を開放するタイプでも良い。
【0087】
上記実施形態の測定装置10では、平面視にてチップ置き場23と希釈プレート置き場30とに外接する仮想の矩形形状78内に、引き出し位置P6にあるトレイ28の少なくとも一部が包含されているが、本開示の技術は、この構成に限定されない。例えば、チップ置き場23と希釈プレート置き場30が矩形状以外の湾曲した形状である場合は、平面視にてチップ置き場23と希釈プレート置き場30とに外接する仮想の円形形状内に、引き出し位置P6にあるトレイ28の少なくとも一部が包含される構成でもよい。
【0088】
なお、以上に示した記載内容および図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、および効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、および効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容および図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容および図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識などに関する説明は省略されている。
【符号の説明】
【0089】
10 測定装置
11 筐体
11A 正面
11B 側面
12 上部開口
13 下部開口
14 上部カバー
15 下部カバー
15A 下部
15B 上部
21 測定部
22 チップ
23 チップ置き場
24 分注ノズル(分注部)
27 測定プレート
28 トレイ
29 希釈プレート
30 希釈プレート置き場
31 検体容器
32 検体ラック
35 標準液容器
36 第1容器置き場
37 希釈容器
38 第2容器置き場
39 試薬容器
40 水容器
42 廃棄部
42A 挿入口
42B 排出口
51 ウェル
52 凹状部
53 壁部
54 開口
61 板材
62 ロッド
63 支持板
71 X方向駆動部
72 Y方向駆動部
73 Z方向駆動部
76 ウェル
78 矩形形状
81 支持枠
81A 開口
83 支持部
85 支持部
P1 閉じ位置
P2 開き位置
P3 閉じ位置
P4 開き位置
P5 収納位置
P6 引き出し位置