(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120107
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】チェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法
(51)【国際特許分類】
G01M 13/023 20190101AFI20230822BHJP
B01D 21/18 20060101ALI20230822BHJP
B01D 21/22 20060101ALI20230822BHJP
F16G 13/02 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G01M13/023
B01D21/18 G
B01D21/22
F16G13/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023325
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】507036050
【氏名又は名称】住友重機械エンバイロメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002826
【氏名又は名称】弁理士法人雄渾
(72)【発明者】
【氏名】畑中 聰
【テーマコード(参考)】
2G024
【Fターム(参考)】
2G024AB08
2G024BA27
2G024CA17
2G024CA22
2G024CA27
2G024DA09
2G024FA06
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、稼働中のチェーンを点検することで、早期に異常を発見することができるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、稼働中のチェーンの撮像情報を取得する情報取得部と、撮像情報に基づいて、チェーンの異常の有無を判断する判断部を有することを特徴とする、チェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法を提供する。これにより、稼働中のチェーンの撮像情報に基づいてチェーンの異常の有無を判断することで、チェーンの稼働を停止させることなくチェーンの点検を行うことができるため、随時チェーンの点検を行うことが可能となり、チェーンの異常を早期に検出することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働中のチェーンの撮像情報を取得する情報取得部と、
前記撮像情報に基づいて、前記チェーンの異常の有無を判断する判断部と、を有することを特徴とする、チェーンの異常検出装置。
【請求項2】
前記撮像情報は、任意の2点の位置の距離又は任意の2点を結ぶ直線の方向に係る情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチェーンの異常検出装置。
【請求項3】
前記撮像情報は、前記チェーンの任意の箇所の温度情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載のチェーンの異常検出装置。
【請求項4】
前記チェーンは、樹脂により形成された樹脂チェーンであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のチェーンの異常検出装置。
【請求項5】
前記チェーンの稼働は、駆動スプロケットを介した周回駆動であり、
前記撮像情報は、前記チェーンが前記駆動スプロケットに係合して噛合い始める箇所におけるチェーンコマに係る情報を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のチェーンの異常検出装置。
【請求項6】
前記判断部は、異常のあるチェーンの撮像情報及び/又は異常の無いチェーンの撮像情報を教師データとして機械学習を行うことで、前記チェーンの異常の有無を判断することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のチェーンの異常検出装置。
【請求項7】
稼働中のチェーンの撮像情報を取得する情報取得工程と、
前記撮像情報に基づいて、前記チェーンの異常の有無を判断する判断工程と、を有することを特徴とする、チェーンの異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法に関するものである。特に、本発明は、稼働中のチェーンに係る異常検出が可能なチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下水処理場、排水処理場、浄水場等では、被処理水中に含まれる粒子を沈降分離するための沈殿池が設置されている。沈殿池で沈降分離した汚泥は、沈殿池の内部に設置された汚泥掻寄機によりに掻き寄せられ、汚泥ピットに集められる。そして、汚泥ピットに集められた汚泥を排出管から沈殿池の外部へ排出する。
【0003】
また、沈殿池の水面にはスカムが生じることから、汚泥と同様に水面に浮上したスカムを掻き寄せてスカム排出装置に集め、沈殿池の外部に排出することが必要となる場合もある。
【0004】
矩形沈殿池で使用される汚泥掻寄機としては、例えば、特許文献1に記載されるように、沈殿池の底部及び水面を周回して移動するチェーンと、チェーンに一定の間隔で取り付けられた複数のフライトを備えた汚泥掻寄機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された、いわゆるチェーンフライト式汚泥掻寄機では、チェーンが周回移動中に延びる、又は破断することでフライトの停滞や脱落等のトラブルが生じることあり、その際に脱落したフライトや破断したチェーンが沈殿池に係る設備を損傷させるという問題がある。そのため、チェーンを点検し早期に異常を検出することは重要である。
【0007】
しかし、従来のチェーン点検においては、汚泥掻寄機を一旦停止させた上で沈殿池から排水を行う必要がある。そのため、汚泥掻寄機の停止に伴う処理停止による影響及び再稼働にかかるコスト等の問題から、チェーンの点検を高頻度で行うことができず、チェーンの異常を早期に発見することが困難であった。
【0008】
そこで、本発明では、チェーンの状態を速やかに把握し、早期に異常を発見することができるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、稼働中のチェーンに係る撮像情報を取得し、この撮像情報に基づきチェーンの異常の有無に係る判断を行うことにより、チェーンの状態を速やかに把握し、早期にチェーンの異常を発見できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法である。
【0010】
上記課題を解決するための本発明のチェーンの異常検出装置は、稼働中のチェーンの撮像情報を取得する情報取得部と、撮像情報に基づいて、チェーンの異常の有無を判断する判断部と、を有することを特徴とする。
【0011】
このチェーンの異常検出装置によれば、稼働中のチェーンの撮像情報に基づいてチェーンの異常の有無を判断することで、チェーンの稼働を停止させることなくチェーンの点検を行うことができるため、随時チェーンの点検を行うことが可能となる。これにより、チェーンの状態を速やかに把握し、チェーンの異常を早期に検出することができる。さらに、チェーンの稼働を停止させる必要が無いため、設備の運転を継続し続けることが可能となり、チェーンの点検にかかるコストを下げることができる。
【0012】
また、本発明のチェーンの異常検出装置に係る一実施態様としては、撮像情報は、任意の2点の位置の距離又は任意の2点を結ぶ直線の方向に係る情報を含むことを特徴とする。
この実施態様によれば、チェーンの異常検出に、稼働中のチェーンの任意の2点の位置の距離に係る情報を含む撮像情報を用いることで、特定方向への延びによるチェーンの異常をより早期かつ高精度に検出することができる。また、チェーンの異常検出に、稼働中のチェーンの任意の2点を結ぶ直線の方向に係る情報を含む撮像情報を用いることで、ねじれや振動による位置ずれなどのチェーンの異常をより早期かつ高精度に検出することができる。
【0013】
また、本発明のチェーンの異常検出装置に係る一実施態様としては、撮像情報は、チェーンの任意の箇所の温度情報を含むことを特徴とする。
この実施態様によれば、チェーンの異常検出に、稼働中のチェーンの任意の箇所の温度情報を含む撮像情報を用いることで、摩擦等により発熱しているチェーンの箇所を特定することができる。これにより、チェーンの摩耗等による異常をより早期かつ高精度に検出することができる。
【0014】
また、本発明のチェーンの異常検出装置に係る一実施態様としては、チェーンは、樹脂により形成された樹脂チェーンであることを特徴とする。
この実施態様によれば、樹脂チェーンを備える設備に対して好適に用いることができるチェーンの異常検出装置の提供が可能となる。
【0015】
また、本発明のチェーンの異常検出装置に係る一実施態様としては、チェーンの稼働は、駆動スプロケットを介した周回駆動であり、撮像情報は、チェーンが駆動スプロケットに係合して噛合い始める箇所におけるチェーンコマに係る情報を含むことを特徴とする。
この実施態様によれば、周回駆動するチェーンコマ単体の撮像情報に基づいて点検を行うことで、チェーン全体としての弛みやねじれ等の異常が検出されない場合であっても、異常があるチェーンコマをピンポイントで検出することが可能となる。これにより、チェーンの状態を的確かつ速やかに把握することが可能となるとともに、チェーンの異常箇所の特定も容易となる。
また、周回駆動するチェーンのうち、最も応力が加わる箇所におけるチェーンコマとして、チェーンが駆動スプロケットに係合して噛合い始める箇所におけるチェーンコマの撮像情報に基づく点検を行うことで、チェーンの破断等の異常をいち早く検出することができる。
【0016】
また、本発明のチェーンの異常検出装置に係る一実施態様としては、判断部は、異常のあるチェーンの撮像情報及び/又は異常の無いチェーンの撮像情報を教師データとし、機械学習をすることによって、チェーンの異常の有無を判断することを特徴とする。
この実施態様によれば、教師データを用いた機械学習を行う形で人工知能を利用することにより、判断にかかる時間を短縮しつつ、さらに精度を向上させた異常検出装置を提供することができる。
【0017】
また、上記課題を解決するための本発明のチェーンの異常検出方法は、稼働中のチェーンの撮像情報を取得する情報取得工程と、撮像情報に基づいて、チェーンの異常の有無を判断する判断工程と、を有することを特徴とする。
このチェーンの異常検出方法によれば、稼働中のチェーンの撮像情報に基づいてチェーンの異常の有無を判断することで、チェーンの稼働を停止させることなくチェーンの点検を行うことができるため、随時チェーンの点検を行うことが可能となる。これにより、チェーンの状態を速やかに把握し、チェーンの異常を早期に検出することができる。さらに、チェーンの稼働を停止させる必要が無いため、設備の運転を継続し続けることが可能となり、チェーンの点検にかかるコストを下げることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、チェーンの状態を速やかに把握し、早期に異常を発見することができるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置を備える汚泥掻寄機及び沈殿池を示す概略説明図である。
【
図2】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置の構造を示す概略説明図である。
【
図3】本発明における異常検出対象となるチェーン及び対応スプロケットの構造に係る一例を示す概略説明図である。
【
図4】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置で取得する撮像情報の一例を示す概略説明図である。
【
図5】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置における判断部によるチェーンの異常検出に係る判断の一例を示す概略説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置における判断部によるチェーンの異常検出に係る判断の別態様を示す概略説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置における判断部によるチェーンの異常検出に係る判断の別態様を示す概略説明図である。
【
図8】本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置における判断部によるチェーンの異常検出に係る判断の別態様を示す概略説明図である。
【
図9】本発明の第2の実施態様に係るチェーンの異常検出装置を備える汚泥掻寄機及び沈殿池の構造を示す概略説明図である。
【
図10】本発明の第2の実施態様に係るチェーンの異常検出装置の構造を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、チェーンに係る撮像情報を取得する手段と、取得した撮像情報に基づいて、チェーンの異常の有無を判断する手段を備えることを特徴とするものであり、主に稼働中のチェーンの異常を早期に検出することを目的としている。
【0021】
本発明のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、どのような種類のチェーンに適用するものとしてもよい。本発明を適用するチェーンの種類としては、例えば、ブッシュドチェーン(ブシュドチェーン)、ローラチェーン、ノッチチェーン等、動力伝達用のチェーンが挙げられる。
また、本発明のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法を適用するチェーンの稼働形態についても特に限定されない。チェーンの稼働形態の一例としては、沈殿池に設けられるチェーンフライト式汚泥掻寄機や、被搬送物の搬送に用いられる搬送装置等が挙げられる。以下、本発明におけるチェーンの稼働形態としては、チェーンフライト式汚泥掻寄機(以下、単に「汚泥掻寄機」と呼ぶ)について主に説明するが、これに限定されるものではない。
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法の実施態様を詳細に説明する。
また、実施態様に記載する沈殿池及び汚泥掻寄機の構造についても、本発明に係るチェーンの稼働形態の一例としての沈殿池及び汚泥掻寄機を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
そして、本発明のチェーンの異常検出装置の実施態様についての説明は、チェーンの異常検出方法の実施態様についての説明を兼ねるものである。
【0023】
[第1の実施態様]
図1は、本発明の第1の実施態様に係るチェーンの異常検出装置を適用する汚泥掻寄機及び沈殿池を示す概略説明図である。
また、
図2は、本発明の第1の実施態様のチェーンの異常検出装置を示す概略説明図である。なお、
図2は、
図1における撮像点P1の近傍を表している。
図1及び
図2に示すように、本実施態様のチェーンの異常検出装置1Mは、沈殿池100に設けられた汚泥掻寄機10に対して、撮像点P1においてチェーン11aの点検を行うものである。
【0024】
図1に示すように、沈殿池100は、横長に構成され、
図1の左側から汚水等の被処理水が供給される。沈殿池100の池底100aの被処理水供給側の端部には、汚泥ピット100bが設けられ、この汚泥ピット100bには、汚泥を外部に排出するための排出管100cが設けられている。
【0025】
図1に示すように、汚泥掻寄機10は、下水処理場や浄水場等の沈殿池100の内部に設置されている。
また、沈殿池100の略中央部の水面100d付近には、軸回りに回転可能なスカムパイプからなるスカム排出装置17が、沈殿池100の幅方向(紙面垂直方向)の全幅に亘って設けられている。このスカムパイプの上方の周面には軸線方向に延びる開口部が形成され、断面形状がC字状を成している。そして、スカムパイプは水面100dに浮遊する浮遊物(スカム)を回収すべく、開口部が水面100dの下に位置するように
図1の反時計回りに回動し、その後戻る動作を繰り返す。
【0026】
汚泥掻寄機10は、沈殿池100内を長手方向に周回移動するチェーン11aを備えている。チェーン11aは、沈殿池100の幅方向(紙面垂直方向)に対向して一対が設置されており、この一対のチェーン11aには、沈殿池10の幅方向に延びるフライト(掻き寄せ羽根)14が周回方向に沿って複数懸架されている。
【0027】
また、チェーン11aは、
図1に示すように、駆動軸としての駆動スプロケット13a及び従動軸としての3つの従動スプロケット13b、13cに掛け回され、沈殿池100内を周回移動するように取り付けられている。更に、チェーン12が、駆動スプロケット13aと、モータ15に設けられたモータ用スプロケット13eに掛け回されており、モータ15の動力をチェーン12に伝達する。
【0028】
従動スプロケット13c、13dは池底100a付近に設置され、その間にはチェーン11aを略水平方向に支持するためのチェーンガイド16aが設置されている。これにより、チェーン11aを池底100aに沿って略水平に移動させることができる。そして、チェーン11aに取り付けられたフライト14により、池底100aに堆積した汚泥が汚泥ピット100bに掻き寄せられる。汚泥ピット100bに集められた汚泥は、排出管100cから沈殿池100の外部に排出される。
【0029】
ここで、チェーン11a及び12は、本発明における異常検出対象となるものである。
チェーン11a及び12の形状は、公知の形状を用いることが可能である。
図3は、本発明における異常検出対象となるチェーン及び対応スプロケットの構造に係る一例を示す概略説明図である。
チェーン11a及び12の形状としては、例えば、
図3(a)に示すローラチェーンT1、
図3(b)に示すノッチチェーンT2などが挙げられる。
ローラチェーンT1としては、
図3(a)に示すように、外リンクコマK1と、内リンクコマK2と、2つのコマK1及びK2を結合させるためのピンH1からなるものが挙げられる。また、ノッチチェーンT2としては、
図3(b)に示すように、係合部Zを備えるコマK3と、コマK3同士を結合させるためのピンH2からなるものが挙げられる。
なお、フライト4を取り付けるためのアタッチメントを設置しやすいという観点からは、ノッチチェーンT2が好ましい。
【0030】
また、チェーン11a及び12の材質は、公知の材質を用いることが可能である。チェーン11a及び12の材質としては、例えば、金属製チェーンや樹脂製チェーンが挙げられる。特に、樹脂製チェーンは軽量であることから、組み立て作業や交換作業が容易になるという利点だけでなく、チェーンガイド16aとの摺動による摩耗が抑制されるという利点もある。さらには、耐腐食性に優れるため、交換頻度が低下するという利点もある。
【0031】
また、
図3(a)に示すように、ローラチェーンT1に対しての駆動スプロケットは、複数の刃Bを備えたローラ式駆動スプロケットS1が対応しており、この駆動スプロットS1が回転することで、刃BがローラチェーンT1内部のローラ(非図示)と係合しローラチェーンT1を稼働させるものである。
また、
図3(b)に示すように、ノッチチェーンT2に対しての駆動スプロケットは、複数のノッチNを備えたノッチ式駆動スプロケットS2が対応しており、駆動スプロットS2が回転することで、ノッチNがノッチチェーンT2の係合部Zと係合しノッチチェーンT2を稼働させるものである。
【0032】
本発明における異常検出対象となるチェーンは、
図1におけるチェーン11a及び12のいずれであってもよいが、チェーンの全長が長く、チェーンに掛かる負荷が大きいチェーン11aを異常検出対象とすることが好ましい。以下、本実施態様においては、異常検出対象となるチェーンをチェーン11aとして説明を行う。
【0033】
[チェーン異常検出装置]
図2に示すように、本発明の第1の実施態様のチェーン異常検出装置1Mは、稼働中のチェーン11aの撮像情報1Gを取得する情報取得部1Cと、情報取得部1Cにより取得された撮像情報1Gに基づいて、チェーン11aの異常の有無を判断する判断部1Jと、によって構成されている。
【0034】
(情報取得部)
情報取得部1Cは、稼働中のチェーン11aの撮像情報1Gを取得するためのものである。情報取得部1Cは、稼働中のチェーン11aの撮像情報1Gを取得することができればどのようなものであってもよい。本実施態様における情報取得部1Cとしては、例えば、撮像装置として公知である各種カメラが挙げられる。
ここで、情報取得部1Cとして用いるカメラの種類は特に限定されないが、動画を撮影することができるビデオカメラであることが好ましい。また、防水機能を備えるカメラであれば、本実施態様に示すような沈殿池100内の被処理水との接触による故障を防ぐことができるため、さらに好ましい。また、温度を測定することができる赤外線カメラであれば、チェーン11aの温度を撮像情報1Gとして取得することが可能となるため、温度変化に基づいたチェーン11aの異常検出を行うことが可能となる。
【0035】
また、情報取得部1Cは、チェーン11aの撮像情報1Gを取得することができればよく、設置箇所については特に限定されない。好ましくは、
図1及び
図2に示すように、水面100dよりも上に設置されているものが挙げられる。これによると、情報取得部1Cが沈殿池100内の被処理水の濁度や屈折率等の影響を受けることなく、チェーン11aの撮像情報1Gを取得することが可能となり、精度の高い情報取得ができる。
【0036】
(撮像情報)
撮像情報1Gは、情報取得部1Cにより取得され、チェーン11aの状態を把握するための情報である。
撮像情報1Gは、稼働中のチェーン11aの状態に係る情報であればよく、どのような種類であっても構わない。例えば、撮像情報1Gは、カラー画像であってもよく、モノクロ画像であってもよい。また、撮像情報1Gは、チェーン11aの温度が判別できるような情報であってもよく、例えば、温度分布図(熱分布図)が挙げられる。この場合、温度変化に基づいたチェーン11aの異常検出を行うことが可能なる。
【0037】
図4は、本実施態様における情報取得部1Cにより取得される撮像情報1Gの一例を示す概略説明図である。
本実施態様における撮像情報1Gの一例としては、チェーン11aの任意の2点の位置の距離に係る情報を含むものが挙げられる。
具体的には、撮像情報1Gは、
図4(a)に示すように、チェーン11aの一例であるローラチェーンT1の任意の外リンクコマK1の最端部をQ1とする一方、隣り合う外リンクコマK1′においてQ1と向かい合う最端部をQ2とし、Q1とQ2との距離R1の情報を含む撮像情報であることが挙げられる。
ローラチェーンT1を稼働させ続けると、外リンクコマK1と内リンクコマK2とを結合しているピンH1が摩耗すること等により、距離R1の長さが変化する。これに基づいて後述する判断部1Jにおいてチェーン11aの異常の有無を判断するものである。
【0038】
また、撮像情報1Gは、
図4(b)に示すように、チェーン11aの一例であるノッチチェーンT2のコマK3の両最端部をそれぞれQ3及びQ4として、Q3とQ4との距離R2の情報を含む撮像情報であることが挙げられる。
ノッチチェーンT2を稼働させることで、コマK3自体が伸びることがある。これにより、距離R2が変化するため、後述する判断部1Jにおいて距離R2の長さを基準にチェーン11aの異常の有無を判断するものである。
また、
図4(b)では一例としてノッチチェーンを挙げているが、連続するコマにより構成されるチェーンであれば、ローラチェーンやその他の種類のチェーンであっても構わない。
【0039】
また、撮像情報1Gは、
図4(c)に示すように、チェーン11aの一例であるノッチチェーンT2のコマK3の係合部Zにおいて向かい合う2つの点であるQ5及びQ6との距離R3の情報を含む撮像情報であることが挙げられる。
ノッチチェーンT2を稼働させることで、係合部Zが摩耗し変形することがある。それにより距離R3が変化するため、後述する判断部1Jにおいて距離R3の長さを基準にチェーン11aの異常の有無を判断するものである。
【0040】
また、撮像情報1Gは、チェーン11aの任意の2点を結ぶ直線の方向に係る情報を含むものが挙げられる。
具体的には、撮像情報1Gは、
図4(d)に示すように、チェーンコマ(
図4(d)ではノッチチェーンT2)の任意の2点をQ7及びQ8とし、Q7とQ8を通過する直線L1の方向に係る情報を含む撮像情報であることが挙げられる。
チェーン11aを稼働させることでねじれ等の変形が生じると、チェーン11aの直線性あるいは指向性が失われ、一定の方向を示していた直線L1の方向(ベクトル)が変化する。この変化に基づいて後述する判断部1Jにおいてチェーン11aの異常の有無を判断するものである。
【0041】
撮像情報1Gとして、
図4に示すように、チェーン11aの任意の2点の位置の距離に係る情報やチェーン11aの任意の2点を結ぶ直線の方向に係る情報が含まれる場合、チェーン11a(又はチェーンコマK1~K3)に目印(マーカー)を付与し、任意の点に係る情報取得を容易にするものとしてもよい。このとき、付与する目印としては特に限定されないが、記号・配色によるものや立体構造物の付設によるものなどが挙げられる。特に本実施態様におけるチェーンの稼働形態である汚泥掻寄機10のように、チェーン11aに対して被処理水中の夾雑物(汚れ)が付着する可能性がある場合においては、夾雑物と容易に区別できるものを目印として付与することが好ましい。
【0042】
本実施態様における撮像情報1Gの他の例としては、チェーン11a自体(又はチェーンコマK1~K3自体)の劣化や夾雑物等の付着によるチェーン11a(又はチェーンコマK1~K3)の形状(輪郭)変化に係る情報が含まれるもの等が挙げられる。
【0043】
(撮像点)
撮像点P1は、撮像情報1Gを撮像する対象箇所であり、チェーン11a上の任意の箇所である。
撮像点P1は、チェーン11a全体であってもよいし、チェーン11aの一部であってもよい。好ましくは、チェーン11aが水面100d上に露出している箇所であることが挙げられる。この場合、沈殿池100内の被処理水の濁度や屈折率によって取得できる撮像情報1Gの精度が低下することを防ぐことが可能となり、高精度な点検を行うことができる。さらに好ましくは、撮像点P1は、チェーン11aが駆動スプロケット13aに係合して噛合い始める箇所におけるチェーンコマ(コマK1~K3のいずれかを指す。以下同様。)であることが挙げられる。この場合、周回駆動するチェーン11aのチェーンコマ単体の撮像情報に基づいて点検を行うことで、チェーン11a全体としての弛みやねじれ等の異常が検出されない場合であっても、異常があるチェーンコマをピンポイントで検出することが可能となる。これにより、チェーン11aの状態を的確かつ速やかに把握することが可能となるとともに、チェーン11aの異常箇所の特定も容易となる。
また、周回駆動するチェーン11aのうち、最も応力が加わる箇所におけるチェーンコマとして、チェーン11aが駆動スプロケット13aに係合して噛合い始める箇所におけるチェーンコマの撮像情報1Gに基づいて点検を行うことで、チェーン11aの破断等の異常をいち早く検出することができる。
【0044】
(判断部)
判断部1Jは、撮像情報1Gに基づいてチェーン11aの状態が正常か異常かを判断するものである。判断部1Jは撮像情報1Gに基づいてチェーン11aの正常/異常を判断することができれば、どのようなものであってもよい。例えば、撮像情報1Gに基づいて、人間が目視で確認してもよい。これによると、判断部1Jとして新たな設備や装置を導入する必要がないため、コストパフォーマンスに優れるチェーンの異常検出装置を提供することができる。
また、判断部1Jは撮像情報1Gに基づいて自動でチェーン11aの正常/異常を判断することができる演算装置(コンピュータ)であることが挙げられる。これによると、演算装置により、随時チェーン11aの正常/異常を判断することができるため、チェーン11aの状態を的確かつ迅速に把握できるとともに、チェーン11aの異常を早期に検出することが可能となる。
【0045】
また、判断部1Jは、異常のあるチェーン11aの撮像情報1Gや異常の無いチェーン11aの撮像情報1Gを教師データとして機械学習を行う人工知能を利用した演算装置とすることが挙げられる。
これによれば、異常のあるチェーン11aの撮像情報1Gと異常の無いチェーン11aの撮像情報1Gを教師データとした機械学習を行うことで、情報取得部1Cで取得した撮像情報1Gとの比較によるチェーンの異常の有無に関する判断にかかる時間を短縮しつつ、さらに精度を向上させた異常検出装置を提供することができる。
【0046】
以下、判断部1Jによるチェーン11aの異常検出に係る判断について、
図5~
図8に基づき詳しく解説する。
【0047】
まず、
図5(a)に示すように、チェーン11aの一例であるローラチェーンT1のうち、正常なローラチェーンT1Aの任意の外リンクコマK1Aの最端部をQ9とする一方、隣り合う外リンクコマK1A′においてQ9と向かい合う最端部をQ10とし、Q9とQ10との距離R4を撮像情報1Gとして取得し、この距離R4の値を基準値とする。そして、この基準値に基づいてチェーン11aの状態を正常と判断する範囲(以下、「正常範囲」と呼ぶ)を予め定めておく。なお、正常範囲の設定については、基準値との差分を絶対値で設定することや、基準値との差分を割合で設定することなどが挙げられる。
次に、
図5(b)に示した点検対象のローラチェーンT1Bについて、任意の外リンクコマK1Bの最端部をQ11とする一方、隣り合う外リンクコマK1B′においてQ11と向かい合う最端部をQ12とし、Q11とQ12との距離R5を撮像情報1Gとして取得する。
そして、判断部1Jにおいて、基準値(距離R4)と距離R5の値とを比較演算し、距離R5と基準値である距離R4との差が正常範囲内であれば、チェーン11aの状態は正常であると判断し、距離R5と基準値である距離R4との差が正常範囲を超えていた場合は、チェーン11aに異常があると判断する。
【0048】
また、
図6(a)に示すように、チェーン11aの一例であるノッチチェーンT2のうち、正常なノッチチェーンT2AのコマK3Aの両最端部をそれぞれQ13及びQ14として、Q13とQ14との距離R6を撮像情報1Gとして取得し、この距離R6の値を基準値とする。そして、この基準値に基づいて正常範囲を予め定めておく。
次に、
図6(b)に示した点検対象のノッチチェーンT2Bについて、コマK3Bの両最端部をそれぞれQ15及びQ16とし、Q15及びQ16との距離R7を撮像情報1Gとして取得する。
そして、判断部1Jにて比較演算を行い、距離R7と基準値である距離R6との差が正常範囲内であれば、チェーン11aの状態は正常であると判断し、距離R7と基準値である距離R6との差が正常範囲を超えていた場合は、チェーン11aに異常があると判断する。
【0049】
また、
図7(a)に示すように、チェーン11aの一例であるノッチチェーンT2のコマのうち、正常なコマK3Cの係合部Z1において向かい合う2つの点であるQ17及びQ18間の距離R8を撮像情報1Gとして取得し、この距離R8の値を基準値とする。そして、この基準値に基づいて正常範囲を予め定めておく。
次に、
図7(b)に示した点検対象のノッチチェーンのコマK3Dについて、係合部Z2において向かい合う2つの点であるQ19及びQ20間の距離R9を撮像情報1Gとして取得する。
そして、判断部1Jにて比較演算を行い、距離R9と基準値である距離R8との差が正常範囲内であれば、チェーン11aの状態は正常であると判断し、距離R9と基準値である距離R8との差が正常範囲を超えていた場合は、チェーン11aに異常があると判断する。
【0050】
また、
図8(a)に示すように、チェーン(ノッチチェーンT2C)の任意の2点をQ21、Q22とし、Q21とQ22を通過する直線L2(仮想線)を撮像情報1Gとして取得し、この直線L2の方向(ベクトル)を基準線とする。そして、この基準線に基づいて正常範囲を予め定めておく。この場合、正常範囲の設定としては、基準線の方向(ベクトル)との角度の差分に係るものを設定することが挙げられる。
次に、
図8(b)に示した点検対象のチェーン(ノッチチェーンT2D)について、任意の2点をQ23、Q24とし、Q23とQ24を通過する直線L3の方向(ベクトル)を撮像情報1Gとして取得する。
そして、直線L3と基準線である直線L2の方向の角度の差が正常範囲内であれば、チェーン11aの状態は正常であると判断し、直線L3と基準線である直線L2の方向の角度の差が正常範囲を超えていた場合は、チェーン11aに異常があると判断する。
【0051】
[第1の実施態様のチェーンの異常検出装置の動き]
まず、
図1に示す汚泥掻寄機10が運転を行うことで、モータ15の駆動力により、チェーン11aが矢印方向へ周回運動する。
次に、水面100dより上方に設置された情報取得部1Cが、
図1及び
図2に示された撮像点P1においてチェーン11aの撮像情報1Gを取得する。
そして、撮像情報1Gに基づいて判断部1Jがチェーン11aの正常/異常を判断する。
【0052】
上述したように、本実施態様におけるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法により、稼働中のチェーンの撮像情報に基づいてチェーンの異常の有無を判断することで、チェーンの稼働を停止させることなくチェーンの点検を行うことができる。これにより、随時チェーンの点検を行うことが可能となり、チェーンの状態を速やかに把握して、チェーンの異常を早期に検出することができる。さらに、本実施態様におけるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、チェーンの稼働を停止させる必要が無いため、設備の運転を継続し続けることが可能となり、チェーンの点検にかかるコストを下げることができるとともに、作業者が点検のためにチェーンの駆動部に接触する必要がなく、チェーンの点検を安全に行うことができる。
【0053】
本実施態様におけるチェーンの異常検出装置は、チェーンの稼働形態(本実施態様では汚泥掻寄機)に対して常設するものであってもよく、点検が必要なときに仮設するものであってもよい。例えば、チェーンの稼働形態に対し、常時あるいは高頻度でチェーンの状態を把握する必要がある際には、チェーンの異常検出装置を常設することが好ましい。これにより、チェーンの点検頻度を増やすことが容易となり、適切な対応が可能となる。一方、チェーンの稼働形態に対し、随時チェーンの状態を把握できるものであればよい場合については、チェーンの異常検出装置を仮設とすることが好ましい。これにより、必要に応じてチェーンの状態を把握することができるとともに、チェーンの稼働形態においてチェーンの異常検出装置のためのスペースを確保し続ける必要がないという利点がある。
【0054】
また、本実施態様におけるチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、チェーンの状態を把握し、異常の検出を行うとともに、チェーンコマに着目した異常検出を行うことで、チェーン全体の不具合(故障)が生じることを予測するとともに、不具合(故障)が発生する前に、チェーンコマの交換等による不具合(故障)の回避に係る対応を行うことができる予防保全に関する装置及び方法としても適用することが可能である。
【0055】
[第2の実施態様]
図9は、本発明の第2の実施態様に係るチェーンの異常検出装置を備える汚泥掻寄機及び沈殿池を示す概略説明図である。
また、
図10は、本発明の第2の実施態様に係るチェーンの異常検出装置の構造を示す概略説明図である。
図9に示すように、本発明の第2の実施態様に係るチェーンの異常検出装置2Mは、沈殿池100に設けられた汚泥掻寄機20に対して、撮像点P2において汚泥掻寄機20を構成するチェーン21aの点検を行うものである。
第2の実施態様のチェーンの異常検出装置2Mは、主に情報取得部2Cが被処理水の水面100dよりも下(水中)に設置されている点において、第1の実施態様のチェーンの異常検出装置1Mと異なっている。また、点検対象のチェーン21aを備える汚泥掻寄機20が、チェーンガイド26bを備えることにより、水面100d上のスカムを効率良く回収できる点において、第1の実施態様の汚泥掻寄機10と異なっている。
なお、沈殿池100については、第1の実施態様の沈殿池100と同一であるため、説明は省略する。
【0056】
図9に示すように、第2の実施態様の汚泥掻寄機20は、第1の実施態様の汚泥掻寄機10の構成に対し、更にチェーンガイド26b及び従動スプロケット23bを備えることにより、水面100d上のスカムを効率良く回収できる点において、第1の実施態様の汚泥掻寄機10と異なっている。
汚泥掻寄機20におけるその他の各構成(チェーン22、駆動スプロケット23a、従動スプロケット23c及び23d、モータ用スプロケット23e、フライト24、モータ25、チェーンガイド26a、スカム排出装置27)は、それぞれ第1の実施態様の汚泥掻寄機10における各構成(チェーン12、駆動スプロケット13a、従動スプロケット13c及び13d、モータ用スプロケット13e、フライト14,モータ15、チェーンガイド16a、スカム排出装置17)に対応しており、構造及び機能については同一であるため、説明を省略する。
【0057】
図10に示すように、本発明の第2の実施態様のチェーン異常検出装置2Mは、稼働中のチェーン22aの撮像情報2Gを取得する情報取得部2Cと、情報取得部2Cにより取得された撮像情報2Gに基づいて、チェーン21aの異常の有無を判断する判断部2Jと、によって構成されている。
第2の実施態様のチェーンの異常検出装置2Mは、情報取得部2Cが被処理水の水面100dより下(水中)に配置されていることを特徴としている。
また、
図10に示すように、第2の実施態様のチェーンの異常検出装置2Mは、水中に配置された駆動スプロケット23aに係合したチェーン21a上の撮像点P2における撮像情報2Gを取得することを特徴としている。
【0058】
第2の実施態様のチェーンの異常検出装置2Mは、水中に情報取得部2Cを設置するため、水中を周回し水面上に露出することのないチェーン21aの点検を、沈殿池100に貯留した被処理水を排出することなく行うことができる。そのため、点検に係るコストを低減させることができるとともに、常時水中で駆動するチェーンを点検することができるため、早期にチェーンの異常を検知することができる。
また、その他の点においては、第1の実施態様のチェーンの異常検出装置1Mと同一であるため、説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、例えば、ローラチェーン、ノッチチェーン、ブッシュドチェーン(ブシュドチェーン)等、動力伝達用のチェーンの点検のために利用される。また、本発明のチェーンの異常検出装置及びチェーンの異常検出方法は、無端で周回駆動するチェーンの点検のために特に好適に利用される。
【符号の説明】
【0060】
10,20 汚泥掻寄機、11a,12,21a,22 チェーン、13a,23a 駆動スプロケット、13c,13d,23b,23c,23d 従動スプロケット、13e,23e モータ用スプロケット 14,24 フライト、15,25 モータ、16a,26a,26b チェーンガイド、17,27 スカム排出装置、100 沈殿池、100b 汚泥ピット、100c 排出管、100d 水面、1M,2M チェーン異常検出装置、1C,2C 情報取得部、1G,2G 撮像情報、1J,2J 判断部、S1 ローラ式駆動スプロケット、S2 ノッチ式駆動スプロケット、B 刃、N ノッチ、T1 ローラチェーン、T2 ノッチチェーン、K1,K1′ 外リンクコマ、K2 内リンクコマ、K3 コマ、H1,H2 ピン、Z,Z1,Z2 係合部、R1~R9 距離、Q1~Q24 点、L1~L3 直線