(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120109
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】キャンペーン実行プログラム、キャンペーン実行サーバ、及びキャンペーン実行システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20230822BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20230822BHJP
G06Q 30/0217 20230101ALI20230822BHJP
【FI】
G06Q30/02 328
G06Q30/02 380
G06Q30/02 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023327
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】511168442
【氏名又は名称】アーガイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡安 淳司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数参加体が共同で参加するキャンペーンを実行する際、参加する参加体側において十分な利便性を得ることができるプログラム、サーバ及びシステムを提供する。
【解決手段】キャンペーン実行プログラムは、複数の店舗または企業が共同して参加可能な1つの共通のキャンペーンを実行するためのキャンペーン実行サーバのCPUに対し、複数の店舗端末それぞれからの参加申し込みを通信部を介し受け付け(S1)、1種類の特定景品を共通に選択した複数の特定店舗に係わる特定応募発信の数を識別し(S4)、特定応募発信の中から、予め用意された特定景品の数に応じ、複数の当選発信を決定し(S5)、複数の当選発信に係わる特定店舗を識別し(S6)、識別された特定店舗に係わる当選発信の発信ユーザ情報を取得する(S7、S8)。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加体が共同して参加可能な1つの共通のキャンペーンを実行するためのサーバであって、前記複数の参加体にそれぞれ備えられる複数の参加体端末に対してネットワーク接続可能な通信部と演算部とを有するサーバ、の前記演算部に対し、
前記複数の参加体端末それぞれからの、対応する前記参加体が前記共通のキャンペーンで顧客に提供する景品の選択を含む当該共通のキャンペーンへの参加申し込みを前記通信部を介し受け付ける参加受付手順と、
前記共通のキャンペーンの実施期間内において各参加体の顧客のユーザ端末から送信された、当該共通のキャンペーンに応募する応募発信にそれぞれ対応する参加体情報に基づき、同一の特定景品を共通に選択した複数の特定参加体に係わる特定応募発信の数を識別する発信識別手順と、
所定応募要件を満たすすべての前記特定応募発信の中から、予め決定された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する当選発信決定手順と、
前記複数の当選発信に係わる特定参加体を識別する参加体識別手順と、
を実行させるための、キャンペーン実行プログラム。
【請求項2】
請求項1記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記演算部に対し、前記参加体識別手順で識別された前記特定参加体に係わる発信ユーザ情報を取得する情報取得手順を実行させるための、キャンペーン実行プログラム。
【請求項3】
請求項2記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記情報取得手順では、
前記特定参加体に係わる前記当選発信の前記発信ユーザ情報を、参加体数単位で課金される有償ソフトウェアツール又は前記応募発信を受け付ける所定サーバにアクセス可能な無償ソフトウェアツールを用いて取得する
ことを特徴とするキャンペーン実行プログラム。
【請求項4】
請求項3記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記所定応募要件は、
前記応募発信が、各参加体に固有の文字列情報を含めた応募投稿、若しくは、所定のリアクション機能を用いた各参加体に係わる応募行動、であることであり、
前記情報取得手順では、
前記特定参加体に係わる前記当選発信の前記発信ユーザ情報を、前記応募発信単位で課金される前記有償ソフトウェアツール又は前記無償ソフトウェアツールを用いて取得する
ことを特徴とするキャンペーン実行プログラム。
【請求項5】
請求項4記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記演算部に対し、さらに、
前記情報取得手順で取得された前記発信ユーザ情報に対応する前記ユーザ端末に対して当選通知を送信する当選通知手順を実行させる
ことを特徴とするキャンペーン実行プログラム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記演算部に対し、さらに、
キャンペーン開始時点での参加した参加体数、各景品を選択した参加体数、参加体に関する計測数値に基づく見込み応募数、景品の価格、景品表示法の規定、の少なくとも1つに基づく計算により、景品ごとの当選者の人数を決定する当選数決定手順をさらに実行させ、
前記当選発信決定手順では、
前記所定応募要件を満たすすべての前記特定応募発信の中から、前記当選数決定手順で決定された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する
ことを特徴とするキャンペーン実行プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6記載のキャンペーン実行プログラムにおいて、
前記当選発信決定手順では、
各参加体の所定期間における前記特定応募発信の増加数から、前記所定期間のキャンペーン応募総数における参加体ごとの応募数比率を算出し、その応募数比率に応じて参加体ごとに割り振られた当選人数に基づき、前記複数の当選発信を決定し、
前記参加体識別手順では、
前記割り振られた当選人数に基づき前記当選発信決定手順で決定された、前記複数の当選発信に係わる特定参加体を識別する
ことを特徴とするキャンペーン実行プログラム。
【請求項8】
複数の参加体が共同して参加可能な1つの共通のキャンペーンを実行可能に構成され、前記複数の参加体にそれぞれ備えられる複数の参加体端末に対してネットワーク接続可能な通信部と、制御部と、を有するキャンペーン実行サーバであって、
前記制御部は、
前記複数の参加体端末それぞれからの、対応する前記参加体が前記共通のキャンペーンで顧客に提供する景品の選択を含む当該共通のキャンペーンへの参加申し込みを前記通信部を介し受け付ける参加受付処理と、
前記共通のキャンペーンの実施期間内において各参加体の顧客のユーザ端末から送信された、当該共通のキャンペーンに応募する応募発信にそれぞれ対応する参加体情報に基づき、同一の特定景品を共通に選択した複数の特定参加体に係わる特定応募発信の数を識別する発信識別処理と、
所定応募要件を満たすすべての前記特定応募発信の中から、予め決定された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する当選発信決定処理と、
前記複数の当選発信に係わる特定参加体を識別する参加体識別処理と、
前記参加体識別処理により識別された前記特定参加体に係わる前記当選発信の発信ユーザ情報を取得する情報取得処理と、
を実行することを特徴とするキャンペーン実行サーバ。
【請求項9】
複数の参加体が共同して参加可能な1つの共通のキャンペーンを実行可能に構成されたキャンペーン実行システムであって、
前記複数の参加体にそれぞれ備えられる複数の参加体端末それぞれからの、対応する前記参加体が前記共通のキャンペーンで顧客に提供する景品の選択を含む当該共通のキャンペーンへの参加申し込みを受け付ける参加受付部と、
前記共通のキャンペーンの実施期間内において各参加体の顧客のユーザ端末から送信された、当該共通のキャンペーンに応募する応募発信にそれぞれ対応する参加体情報に基づき、同一の特定景品を共通に選択した複数の特定参加体に係わる特定応募発信の数を識別する発信識別部と、
所定応募要件を満たすすべての前記特定応募発信の中から、予め決定された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する当選発信決定部と、
前記複数の当選発信に係わる特定参加体を識別する参加体識別部と、
前記参加体識別部により識別された前記特定参加体に係わる前記当選発信の発信ユーザ情報を取得する情報取得部と、
を有することを特徴とするキャンペーン実行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS等を利用した複数の店舗または企業(以下適宜、本願明細書中においては、キャンペーンに参加する店舗または企業を総称して「参加体」という)の共同参加型キャンペーンを安価に提供可能な、キャンペーン実行プログラム、キャンペーン実行サーバ、及びキャンペーン実行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、口コミサイトやブログ、Twitter(登録商標)やInstagram(登録商標)等のUGC(User Generated Content)すなわちユーザー投稿を利用したキャンペーンを行う事について知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の
図1、
図2、及び段落[0071]~[0075]等には、キャンペーンに応募したユーザがTwitter(登録商標)等で所定のハッシュタグを付けた投稿をすると、ユーザが当該キャンペーンを周知させた貢献度に応じてインセンティブを与える景品抽選装置1について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、Twitter(登録商標)等を利用するキャンペーンにおいてハッシュタグを利用することについて記載されているが、複数の参加体で共同してキャンペーンを行う事、及びキャンペーンに使用する景品の共通化を行う事で、参加する参加体側において何らかの利便性向上を得ることについては記載も示唆もされていない。
【0005】
本発明の目的は、複数の参加体が共同で参加するキャンペーンを実行する際、参加する参加体側において十分な利便性を得ることができるキャンペーン実行プログラム、キャンペーン実行サーバ、及びキャンペーン実行システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、複数の参加体が共同して参加可能な1つの共通のキャンペーンを実行するためのサーバであって、前記複数の参加体にそれぞれ備えられる複数の参加体端末に対してネットワーク接続可能な通信部と演算部とを有するサーバ、の前記演算部に対し、前記複数の参加体端末それぞれからの、対応する前記参加体が前記共通のキャンペーンで顧客に提供する景品の選択を含む当該共通のキャンペーンへの参加申し込みを前記通信部を介し受け付ける参加受付手順と、前記共通のキャンペーンの実施期間内において各参加体の顧客のユーザ端末から送信された、当該共通のキャンペーンに応募する応募発信にそれぞれ対応する参加体情報に基づき、同一の特定景品を共通に選択した複数の特定参加体に係わる特定応募発信の数を識別する発信識別手順と、所定応募要件を満たすすべての前記特定応募発信の中から、予め決定された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する当選発信決定手順と、前記複数の当選発信に係わる特定参加体を識別する参加体識別手順と、を実行させるための、キャンペーン実行プログラムであることを特徴としている。
【0007】
本願発明のキャンペーン実行プログラムによれば、参加体識別手順において共通の景品とした複数の参加体のうち当選者がいる参加体、すなわち特定発信に係る参加体(特定参加体)が識別されることにより、当選者がいない参加体がもしあればそのような参加体(特定参加体以外のその他参加体)についても識別することができる。
【0008】
この結果、前記参加体識別手順で識別された前記特定参加体に係わる前記当選発信の発信ユーザ情報を取得する情報取得手順で当選発信の発信ユーザ情報(例えばダイレクトメッセージを送るためのSNSアカウント等)を取得するとき、上記その他参加体への応募発信の発信ユーザ情報を取得する必要はなく、特定参加体への特定応募発信の発信ユーザ情報のみを取得すれば足りる。したがって、上記情報取得手順において、例えば参加体数単位で課金される有償ソフトウェアツールを用いて発信ユーザ情報を取得する場合に、課金対象となる参加体数を少なくすることができる。その場合は、キャンペーン運営側において、運営に必要な課金総額を縮小しコスト低減を図ることができる。また、無償のソフトウェアツールを用いて発信ユーザ情報を取得する場合にも、情報取得対象となる参加体が少ないほど、API利用回数制限下でもユーザ情報を迅速に取得でき、運営側のサーバの負担等を低減し、処理に必要なリソースを無駄にしなくてすむといった利点が得られる。
【0009】
また、上記のように複数の参加体が共通の1つのキャンペーンに参加する体制とすることにより、参加する参加体側には以下のようなメリットがある。
【0010】
すなわち、自分の参加体単独でキャンペーンを行うと多額の費用がかかり、特に小規模参加体ではそのような負担は困難であるが、複数参加体が共同で1つの共通の仕組みのキャンペーンに参加することで費用負担が何分の1かで済み、割安となる。
【0011】
複数の参加体で景品が共通となった場合(但し共通になったこと自体を各参加体が認識できてもできなくてもよい)、当該景品に係わる応募発信総数を多く見込めるので、そのぶん景品を予め豪華な物品に設定することができる。
【0012】
また、複数の参加体で同一の管理システム、キャンペーンサイト形式、抽選方法、及び事務局運営体制が共有され、いわば大きな1つのキャンペーンのように一括でキャンペーンの代行実施ができるため、個々の参加体側の担当者が企画・制作・当選連絡・景品発送等の業務を担うことなく、キャンペーンに関する全てまたは大半の業務を一括で運営側に委託できるようになる。このため、ノウハウ不足や多忙により自前でのキャンペーン準備や運用ができなかった小規模事業者にも、手軽かつ安価にキャンペーンへの参加ができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のキャンペーン実行プログラム、キャンペーン実行サーバ、及びキャンペーン実行システムによれば、複数参加体が共同で参加するキャンペーンを実行する際、参加する参加体側において十分な利便性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るキャンペーンの仕組みを説明する概念図である。
【
図2】実施形態に係るキャンペーン実行システムの概略的なシステム構成図である。
【
図3】キャンペーン実行システムによって生成され、ユーザ端末に表示される各店舗専用キャンペーンサイトを説明する概念図である。
【
図4】店舗端末に表示されるキャンペーン管理画面内の景品選択画面を説明する概念図である。
【
図5】同管理画面内の店舗内に掲示する告知用POPのダウンロード画面を説明する概念図である。
【
図6】同管理画面内のショップカード及び卓上POPのダウンロード画面を説明する概念図である。
【
図7】ユーザ端末によるキャンペーンへの応募投稿の一例を示す概念図である。
【
図8】店舗端末に表示される解析画面の一例を示す概念図である。
【
図10】運営者側のメリットを説明するための比較例である。
【
図11】運営者側のメリットを説明するための図である。
【
図12】CPUにより実行される各処理のフローチャートである。
【
図13】応募数比率に基づき当選発信を決定する場合にCPUにより実行される各処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
<キャンペーンの仕組み>
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用して商品の販売促進を行う為、SNSの公式アカウントのフォロワーを増やしたいと考える企業は増えている。フォロワーを増やす方法の一つとして、キャンペーンの実施が挙げられる。
図1に示すように、本実施形態のキャンペーンは、ユーザが店舗に来店し、例えば商品やサービスを購入した後に、ユーザ端末50から店舗およびキャンペーン運営者のSNSの公式アカウントをフォローするとともに、商品やサービスの写真と共に指定のハッシュタグをつけてSNSサイトに投稿を行うことにより、キャンペーンに応募し、当選すれば景品を入手することができる。なお、フォローや投稿以外にも、店舗の投稿に対する「リツイート」や「いいね!」等のリアクションの実施等を応募要件としてもかまわない。このキャンペーンは複数の店舗が共同で参加可能な1つの共通のキャンペーンであって、景品も複数の店舗で共通となっている。前記共通のキャンペーンの運営者は、SNS上のユーザの投稿から、対象となる応募者のリストを作成し、抽選で当選者を決定する。その後、前記共通のキャンペーンの運営者は、当選者にSNSのDM(ダイレクトメッセージ)機能等を使って当選の連絡を行い、ユーザの住所、氏名などの個人情報を入手した上で、景品を発送する。
【0017】
なお、本実施形態に係る店舗とは、同一の企業内の複数の異なる店舗であってもかまわないし、異なる企業の、それぞれの店舗であってもかまわない。また、企業だけでなく、任意の団体、組織、個人等が運営する店舗であってもかまわない。店舗は、例えば飲食店や、雑貨や電気製品の小売店だけではなく、オフィスや、例えば公園等の施設等も含む。これら店舗が、参加体の一例である。また、店舗としての参加ではなく企業としての参加であってもよい。この場合は、当該企業が参加体の一例である。
【0018】
<システム構成>
キャンペーン実行システム1は、前記共通のキャンペーンを実行可能に構成される。
図2に示すように、キャンペーン実行システム1は、店舗端末(参加体端末の一例)10A、10B、10C、・・・等の複数の店舗端末と、SNSサーバ30と、ツール提供サーバ40と、キャンペーン実行サーバ20と、ユーザ端末50A、50B、50C・・・等の複数のユーザ端末とを含む。これらは例えばインターネット等の通信ネットワーク3を介して、互いに情報を送受可能となっている。
【0019】
店舗端末10A~10Cは前記共通のキャンペーンに参加する複数の店舗にそれぞれ備えられ、例えばデスクトップ型又はノート型の汎用パーソナルコンピュータ等の端末、もしくはタブレット端末やスマートフォン等である。店舗端末10A~10Cは表示部11、制御部12、操作部13、記憶部14を備える。表示部11は例えばディスプレイ等である。制御部12は、例えばCPUであり、各種の情報処理を実行する。操作部13は例えばキーボードやタッチパネル、ボタン等である。記憶部14には各種のデータやプログラムが記憶されている。なお、以下、これら店舗端末10A、10B、10Cを特に区別する必要がない場合は、適宜、単に「店舗端末10」と総称する。
【0020】
キャンペーン実行サーバ20は、前記共通のキャンペーンを運営する運営者が管理するサーバであり、通信部22、CPU21、記憶部23を備える。通信部22は通信ネットワーク3を介して他サーバや店舗端末10、ユーザ端末50等と通信を行う。CPU21は演算部の一例である。記憶部23にはキャンペーン実行プログラム24が記憶されている。
【0021】
SNSサーバ30は、ユーザ端末50A、50B、50CからのSNSサイトへの応募発信を受け付け、管理する。SNSサーバ30は、SNSサイトの運営会社により運営されている。
【0022】
ユーザ端末50A~50Cは例えばスマートフォン等である。以下、これらユーザ端末50A,50B,50Cを特に区別する必要がない場合は、適宜、単に「ユーザ端末50」と総称する。
【0023】
ツール提供サーバ40は、SNSサーバ30上の、所定のユーザの発信データ(例えば、発信者のSNSアカウント名、投稿内容、及びフォローやいいね!等の応募行動内容)を、抽出してダウンロードすることができる有償又は無償のソフトウェアツールを提供するサーバである。ツール提供サーバ40は例えばクラウド上に設置した前記ソフトウェアツールを通信ネットワーク3を介して提供する。キャンペーン実行サーバ20は、ツール提供サーバ40上で提供される前記ソフトウェアツールを介してSNSサーバ30にアクセスし、ユーザの発信データを取得する。なお、前記ソフトウェアツールはツール提供サーバ40からダウンロードされ、キャンペーン実行サーバ20の記憶部23に記憶される方式であってもかまわない。前記ソフトウェアツールが有償の場合、キャンペーン実行サーバ20は、ツール提供サーバ40を介して、例えば特定のハッシュタグ1種類につき、月額15万円を支払う(課金する)ことでSNSサーバ30から当該ハッシュタグに係る発信を行った発信者の発信データ(応募者のSNSアカウント等、当選者に当選通知を行うための情報を含む)を取得する。前記ソフトウェアツールが無償の場合、キャンペーン実行サーバ20は、ツール提供サーバ40を介して、特定のハッシュタグに係る発信を行った発信者の発信データを無償で取得する。ソフトウェアツールが無償の場合には、例えば、SNSサーバ30への単位時間内のアクセス回数や、取得できるデータの内容等が制限される場合があるが、取得するべきデータが少なくてもすむ場合等には、有償ソフトウェアツールを使用せず無償ソフトウェアツールを使用できる場合がある。また、この図ではツール提供サーバ40が提供するソフトウェアツールを使用する例を説明しているが、キャンペーン実行サーバ20が自社で作成したソフトウェアツールを使用し、SNSサーバ30から直接ユーザの発信データを取得してもかまわない。
【0024】
図3に、各店舗が前記共通のキャンペーンに参加した後にそれぞれの店舗端末10で確認でき、各店舗の顧客のユーザ端末からも閲覧できる各店舗専用キャンペーンサイトを説明する概念図を示す。キャンペーンサイトはキャンペーンの運営者により作成される。各店舗は例えば店舗端末10からキャンペーン実行サーバ20にアクセスして前記共通のキャンペーンへの参加申し込みをし、料金を支払うことで、キャンペーン管理画面にログインしてキャンペーンサイトを作成し、キャンペーンを開催することができる。各店舗はキャンペーンサイトに例えば店舗名、サービス内容、イメージ画像、イメージカラー、SNSの公式アカウント、各店舗固有のハッシュタグ等を登録し、景品を選択することで、自動で各店舗毎のキャンペーンページが作成されるようになっている。なお、ハッシュタグは複数の店舗で共通のものを使用することも可能であり、景品はキャンペーンの運営者におまかせで選択してもらうことも可能である。各店舗専用のキャンペーンサイトは、例えばQRコード(登録商標)や検索エンジン等を利用してユーザ端末50からも閲覧できるようになっている。
【0025】
図4に前記共通のキャンペーン参加後に店舗端末10に表示されるキャンペーン管理画面内の景品選択画面を説明する概念図を示す。この図では、コーヒーメーカー、ギフト券、インスタントカメラ、高級ドライヤーの4種類の中から、店舗側がチェックボックスにレ印を入力することで次回実施のキャンペーンの景品が選択できるようになっている。景品を選択することで、店舗側は同一の景品を選択した他の店舗と共同でのキャンペーン開催に参加することとなる。各景品には、ターゲットとなるユーザの性別や年齢層等の分類が表示されている。例えば、店舗側は、毎回景品を選ぶのが面倒である場合には、ターゲット層の性別や年齢をあらかじめ選択した上で、景品の選択をキャンペーンの運営者に代行してもらうこともできる。その場合、店舗側が何も操作しなくても、専用キャンペーンサイトのキャンペーンページ(景品等)は運営者により毎月自動で更新される。
【0026】
図5に店舗内に掲示する告知用POPのダウンロード画面を説明する概念図を示す。この図では、告知用POP用の画像には、イメージ画像、店舗固有のハッシュタグ(ここでは、#abcカフェ)、店舗のSNS公式アカウント名、応募条件(ここでは、SNS投稿及び公式アカウントフォロー)、景品の情報、店舗のキャンペーンサイトへリンクしたQRコード(登録商標)等が、店舗側が最初に登録した内容に基づいて、例えばA4サイズ等の、任意の印刷サイズにおさまるように、キャンペーン実行サーバ20により調整されて表示される。各店舗側は、各店舗専用の管理画面からこの告知用POP用のPDFファイルまたは画像をダウンロードし、印刷して、店内に掲示するだけで、キャンペーンの告知を行うことができる。
【0027】
図6(a)はキャンペーン告知用のショップカード、
図6(b)はキャンペーン告知用の卓上POPのダウンロード画面の一例である。ショップカードは名刺サイズで例えば店舗のレジ脇等に置かれ、卓上POPはテーブル上等に置かれる。これらの画像の内容は
図5と実質的に同じであり、印刷サイズ等が異なるようになっている。各店舗はこのダウンロード画面からショップカードや卓上POPを印刷してもよいし、キャンペーンの運営者に依頼して、あらかじめ印刷したものを郵送してもらうこともできる。
【0028】
図7にユーザ端末50による前記共通のキャンペーンへの応募発信の一例を示す。ユーザは店舗に来店した際に、SNSサイトにログインしたユーザ端末50から、店舗のSNS公式アカウントおよびキャンペーン運営者の公式アカウントをフォローした上で、商品やサービスの写真を撮影し、所定のハッシュタグを投稿文の末尾に入力して投稿する。この図では、Usagi_77777というSNSアカウントのユーザが、店舗で注文した飲み物の写真と、感想文と、感想文の末尾に所定のハッシュタグ(ここでは、店舗の店舗名であるabcカフェの先頭に所定の記号である#を付けたもの)を投稿している。これによりユーザのキャンペーン応募がSNSサーバ30上で受け付けられる。前記応募発信としては、SNSサイトへの投稿、及び所定のリアクション機能(例えばリツイート、いいね、公式アカウントの新規フォロー等)を用いた各店舗に係わる応募行動等が挙げられる。
【0029】
図8に前記共通のキャンペーン参加後に店舗端末10に表示される解析画面の一例を示す。各店舗は、キャンペーン管理画面の専用ページから、キャンペーン参加期間中の店舗のSNS公式アカウントのフォロワー数を解析することができる。この図では、例えば棒グラフで月毎のフォロワー増加数、折れ線グラフで月毎のフォロワー総数を確認でき、フォロワー総数の推移や、どの月のキャンペーンがユーザに人気があったか等が解析可能となっている。解析画面はこの図の例に限定されず他の様々の項目(例えば店舗固有のハッシュタグを含むSNS投稿数)について解析できる機能を備える。
【0030】
図9に前記共通のキャンペーンに参加する、参加店舗側のメリットを説明する図を示す。前記共通のキャンペーンの場合、複数店舗が共同で参加するので、参加する店舗が多いほど、参加店舗側は1店舗当たりのキャンペーン費用負担額が少なくなるというメリットがある。ここでは、キャンペーンの企画制作費(景品の提案やキャンペーンサイトの作成費用等)、有償ソフト費(有償ソフトウェアツールの課金費用)、景品購入費、事務局代行費等の費用を、参加する全企業で共同で負担した場合、例えば月額3万円で、毎月継続的に実施される共通のキャンペーンに参加できるようになっている。これにより小規模店舗でも気軽に参加でき、また、キャンペーンの運営者はキャンペーンサイトの更新や景品の選択を自動で行うので、店舗側はほとんどキャンペーンに手間をかける必要がなく、店内にキャンペーン告知の掲示をしておくだけで、SNS公式アカウントのフォロワー増加、及びキャンペーンによる店舗への集客効果を毎月継続的に見込める。
【0031】
一方、各店舗ごとにそれぞれキャンペーンを実施する場合、1回のキャンペーンの実施につき、例えば企画制作費50万円、有償ソフト費15万円(月)、景品購入費5万円、事務局代行費30万円となる費用計100万円を1店舗で負担することになる。費用が高額となると、小規模な店舗はキャンペーンの実施が難しく、また、大規模な店舗であってもキャンペーンを行う回数は年に1~2回程度となり、毎月キャンペーンを実施することは難しい。
【0032】
図10に運営者側のメリットを説明するための比較例を示す。
【0033】
図10(a)において店舗Aがハッシュタグ#aaaを用いたSNSキャンペーンを単独で実施した。景品は店舗Aの全応募者に対しコーヒーメーカー10個である。ハッシュタグ#aaaを付与して投稿された応募発信の受付は1000件であった。キャンペーンの運営者側は、有償ソフトウェアツールに15万円を課金し、SNSサーバ30からハッシュタグ#aaaが付与された投稿データ(発信者のSNSのアカウント名及び発信内容を含む)1000件分を取得する。次いで、キャンペーンの運営者側は、取得した投稿データ1000件分から、10人の当選者を抽選し、当選者のSNSのアカウントに当選の連絡を取ったのち、景品を発送する。
【0034】
図10(b)において店舗Bがハッシュタグ#bbbを用いたSNSキャンペーンを単独で実施した。景品は店舗Bの全応募者に対しギフト券1セットとなっている。ハッシュタグ#bbbを付与して投稿された応募発信の受付は5件であった。キャンペーンの運営者側は、有償ソフトウェアツールに15万円を課金し、SNSサーバ30からハッシュタグ#bbbが付与された発信データ(発信者のSNSのアカウント名及び発信内容を含む)5件分を取得する。次いで、キャンペーンの運営者側は、取得した投稿データ5件分から、1人の当選者を抽選し、当選者のSNSのアカウントに当選の連絡を取ったのち、景品を発送する。
【0035】
この比較例では、各店舗が個別にキャンペーンを実施し、景品も店舗毎に別であるため、運営者側は、各店舗に設定されたハッシュタグ毎に有償ソフトウェアツールに15万円を課金する必要がある。
【0036】
図11に本実施形態における運営者側のメリットを説明するための図を示す。
【0037】
図11において、店舗Aと店舗Bとは、前記共通のキャンペーンに参加しており、景品も共通となっている。この例では、店舗Aと店舗Bとで共通で、コーヒーメーカー10個が景品となっている。このキャンペーンに対して、ハッシュタグ#aaaを付与して投稿された、店舗Aに対する応募発信の受付が1000件あり、ハッシュタグ#bbbを付与して投稿された、店舗Bに対する応募発信の受付が5件あることが判明した。キャンペーンの運営者側は、景品が共通である店舗Aと店舗Bに係る応募発信1005件の中から10件を抽選で選ぶ(当選発信の決定)。この時、選ばれた10件の当選発信は全てハッシュタグ#aaaが付与された、店舗Aに対する応募発信であることが判明した。この時、運営者側は、有償ソフトウェアツールに15万円を課金し、SNSサーバ30からハッシュタグ#aaaが付与された発信データ(発信者のSNSのアカウント名及び発信内容を含む)1000件分を取得すればよく、ハッシュタグ#bbbが付与された発信データについては、店舗Bの応募者に当選者が含まれる可能性がない(ハッシュタグ#bbbが付与された当選発信が存在しない)ため、取得する必要がない。そのため、運営者側は、
図10の比較例と比べて、有償ソフトウェアツールの課金費用を15万円低減することができる。
【0038】
運営者側は、SNSサーバ30から店舗Aに応募した1000件分の発信データを入手した後に、1000件の中から10件を抽選で選び、選ばれた当選者のアカウントに連絡をとり景品を発送する。すなわち、当選発信を決定した段階では、10件の当選配信のそれぞれに、具体的な当選者のアカウント情報は割り振られていないので、当選者がいる店舗の全発信データを得たのちに、再度、抽選で具体的な当選者のアカウントを決定する。しかし、このような方法に限らず、具体的な当選者のアカウントの決定は、キャンペーン運営者側が適宜のタイミングで、適宜の方法により、行う事ができる。
【0039】
なお、この図では、有償ソフトウェアツールを例にとって説明しているが、無償ソフトウェアツールを用いた場合であっても、共通の景品を選択した店舗に係る当選発信の決定により、取得する発信データの種類や量を減らせるため、キャンペーン実行サーバ20にかかる負荷が減り、サーバ管理費用を削減できたり、SNSサーバへのアクセス回数が少なくてすむため、処理が迅速に行える、人件費を節約できる、等のコストダウン効果がある。
【0040】
なお、上述の説明では、当選発信、すなわち各店舗ごとの当選人数を抽選で決定する方法について説明しているが、このような方法に限られず、例えば、各店舗の月間における店舗固有のハッシュタグ付き投稿の増加数ないし公式アカウントの新規フォロー増加数から、月間のキャンペーン応募総数における店舗ごとの応募数比率を概算し、店舗ごとに適正な当選人数を割り振った上で、当選発信が発生した店舗Aのハッシュタグ#aaaの全投稿データのみを有償ソフトウェアツールにて取得し、SNSアカウントに基づき10名の当選者を抽選してもかまわない。また写真コンテストのように、投稿された写真やコンテンツの優劣などの何らかの審査基準に基づいて、各店舗またはキャンペーン運営者が各店舗の応募者から当選者を選出してもかまわない。
【0041】
すなわち、
図11の例では、店舗Aの応募数比率は1000/1005=99.5%であり、店舗Bの応募比率は5/1005=0.5%と算出される。これに共通の景品が当選する当選者の人数である10人を掛け合わせると、店舗Aは10×99.5=9.95人、店舗Bは10×0.05=0.05人の当選人数が割り振られることとなる。ここで、割り振られた当選人数を整数の当選発信に変換する。例えば当選人数が所定のしきい値(例えば1人)未満の店舗は当選発信が0の店舗であると決定する。店舗Bの当選発信を0件とすれば、店舗Aの当選発信は残りの10件であると決定される。このような処理により、店舗C、店舗D、店舗E等がさらに存在する場合であっても、各店舗毎に、何人の当選人数が割り振られ、何件の当選発信が発生しているかを決定することができる。これらの算出は、例えば、キャンペーン実行サーバ20のキャンペーン実行プログラム24内にあらかじめ格納された算出式に基づき、CPU21が実行する。
【0042】
また、各景品の数や景品ごとの当選者の人数についても、キャンペーン開始時点での参加店舗数、各景品を選択した店舗数、景品の価格、の少なくとも1つに基づく計算式が、キャンペーン実行サーバ20のキャンペーン実行プログラム24内にあらかじめ格納され、該計算式に基づき、CPU21は、毎月のキャンペーンの景品の数や、景品ごとの当選者人数を、毎月、自動で算出し、
図3で示したキャンペーンサイトに自動で表示することができる。なお、該計算は、景品表示法に抵触しない範疇で行われるものとする。このような処理を行うことにより、キャンペーンの運営に係る作業を極力、自動化し、キャンペーンの運営者側の人件費等を削減できる。
【0043】
<CPU21による処理>
図12は、キャンペーン実行サーバ20のCPU21により実行される各処理を表すフローチャートである。以下の処理はキャンペーン実行サーバ20においてキャンペーン実行プログラム24が実行されることにより開始される。
【0044】
まずS1において、CPU21は、複数の店舗端末10から、前記共通のキャンペーンへの参加申込、及び前記共通のキャンペーンにおいて当選時に顧客に提供する景品の選択を通信部22を介して受け付ける。このS1が参加受付手順の一例である。このS1で、CPU21が実行する処理が、参加受付処理の一例である。S1を実行するCPU21が参加受付部の一例として機能する。
【0045】
S2において、CPU21は、前記共通のキャンペーンの応募期間が開始されたか否かを判定する。応募期間が開始されていなかった場合はNo判定され、フローチャート開始時に戻り、応募期間が開始された場合はYes判定され、S3に移行する。
【0046】
前記共通のキャンペーンの応募期間が開始されてから、終了するまでの間、SNSサーバ30はユーザ端末50から送信された、前記共通のキャンペーンへの応募投稿を受け付ける。
【0047】
S3において、CPU21は、前記共通のキャンペーンの応募期間が終了したか否かを判定する。応募期間が終了していなかった場合はNo判定され、S3に戻り、応募期間が終了した場合はYes判定され、S4に移行する。
【0048】
S4において、CPU21は、前記共通のキャンペーンの実施期間内において各店舗の顧客のユーザ端末50から送信された、当該共通のキャンペーンに応募する応募発信にそれぞれ対応する店舗情報(参加体情報の一例)に基づき、同一の特定景品を共通に選択した複数の特定店舗(特定参加体の一例)に係わる特定応募発信の数を識別する。前記店舗情報は例えば、店舗固有の文字列であるハッシュタグであり、CPU21は前記ハッシュタグに基づき、SNSサーバ30から前記特定応募発信の数を取得し、各店舗ごとに何件の特定応募発信があったかを識別する。この時、各店舗毎に(各ハッシュタグ毎に)何件の応募があったかが識別できればよく、どのユーザが応募したのかについてまでは、必ずしも識別する必要はない。このS4が、発信識別手順の一例である。このS4で、CPU21が実行する処理が、発信識別処理の一例である。S4を実行するCPU21が発信識別部の一例として機能する。
【0049】
S5において、CPU21は、前記特定応募発信のうち、所定応募要件(例えば、各店舗に固有の文字列情報である、ハッシュタグを含めた応募投稿である)を満たす全ての投稿の中から、予め用意された前記特定景品の当選数に応じ、複数の当選発信を決定する。このS5が、当選発信決定手順の一例である。このS5で、CPU21が実行する処理が、当選発信決定処理の一例である。S5を実行するCPU21が当選発信決定部の一例として機能する。
【0050】
当選発信の決定方法の一例としては、
図11で説明したように、任意の整理番号0001~1005が付与された、1005件の特定応募発信の中から無作為に10件を抽選で選ぶ方法が挙げられる。当選発信は、少なくとも前記店舗情報を含んでいればよく、ユーザのアカウント情報や、投稿データ、応募行動データ等が付与されている必要はない。当選発信に付与された前記店舗情報によって、各店舗ごとの特定景品の当選人数が決定される。
【0051】
S6において、CPU21は、特定応募発信の中に当選発信があった店舗(当選人数が1人以上いる店舗)を、当選発信に付与されたハッシュタグにもとづき識別するとともに、当選発信のない店舗(当選人数がゼロの店舗)があるか否かを判定する。当選発信のない店舗がなかった場合はNo判定され、S8に移行し、当選発信のない店舗があった場合はYes判定され、S7に移行する。このS6が、参加体識別手順の一例である。このS6で、CPU21が実行する処理が、参加体識別処理の一例である。S6を実行するCPU21が参加体識別部の一例として機能する。
【0052】
S7において、CPU21は、当選発信がなかった店舗以外の店舗(当選発信があった店舗)のハッシュタグをキーに、前記特定店舗に係わる全特定応募発信データをツール提供サーバ40上に設置された有償ツール(有償ソフトウェアツール)を介してSNSサーバ30から取得する。
【0053】
S8において、CPU21は、特定応募発信があった全店舗のハッシュタグをキーに、全店舗に係わる全特定応募発信データをツール提供サーバ40上に設置した有償ツール(有償ソフトウェアツール)を介してSNSサーバ30から取得する。
【0054】
上記S7及びS8が、情報取得手順の一例である。上記S7及びS8において、CPU21が実行する処理が、情報取得処理の一例である。S7及びS8を実行するCPU21が情報取得部の一例として機能する。
【0055】
なお、本実施形態の前記共通のキャンペーンにおいて、S6において、No判定がされる可能性はゼロではないものの、多数の店舗が前記共通のキャンペーンに参加し、共通の特定景品を選択している場合には、Yes判定(当選発信のない店舗が少なくとも1つ以上ある)可能性が高くなる。
【0056】
S9において、CPU21は、S7またはS8で取得した特定応募発信データから、当選発信に割り振られるユーザアカウント情報(SNSアカウント名)を取得する。すなわち、この段階において、S7またはS8で取得した特定応募発信データの中から抽選を行い、各店舗ごとに決定された当選発信の数に応じた、ユーザアカウントを決定する。ここで決定されたユーザアカウントが、当選発信に割り振られるユーザアカウント情報となる。
【0057】
S10において、CPU21は、当選配信に割り振られたユーザアカウント情報に基づき、該当するユーザのユーザ端末に対してダイレクトメッセージ機能等により当選通知を送信する。この時、例えば住所氏名等の個人情報を入力可能な入力フォーム等のページへのリンクを通知する等の方法により、ユーザの個人情報を入手する。このS10が、当選通知手順の一例である。
【0058】
S11において、CPU21は、S10で入手したユーザの住所に景品を発送する。
【0059】
なお、上記S7からS11までの処理は、キャンペーン実行サーバ20で行わず、外部業者に委託してもよい。
【0060】
<応募数比率に応じて当選発信を決定する場合>
図13は、当選発信決定手順において、応募数の比率から当選発信を決定する場合にCPU21が実行する処理を表すフローチャートである。
【0061】
S5において当選発信決定手順が開始し、S12に移行すると、CPU21は、各店舗の所定期間における前記特定応募発信の増加数を識別する。例えば、所定期間内の応募投稿数の識別、店舗の公式アカウントのフォロワー増加数の識別、店舗の公式アカウントの投稿に係る「いいね!」のリアクション数の識別等がこれに該当する。
【0062】
次いで、S13に移行すると、CPU21は、前記所定期間のキャンペーン応募総数における店舗ごとの応募数比率を算出する。
【0063】
次いで、S14に移行すると、CPU21は、応募数比率に応じて各店舗ごとに当選人数の割り振りを実行する。
【0064】
次いで、S15に移行すると、CPU21は、当選人数が1人未満の店舗があるか否かを判定し、ある場合はS16に移行し、ない場合はS17に移行する。この場合の「1人」は、前述の所定のしきい値の一例である。
【0065】
S16において、CPU21は、当選人数が1人未満の店舗は当選発信が0の店舗であると決定する。
【0066】
S17において、CPU21は、割り振られた当選人数に基づき、あらかじめ定められた計算方法で、各店舗ごとに発生する当選発信の数を決定し、S6に移行する。
【0067】
なお、この場合、S6の参加体識別手順において、CPU21は、前記割り振られた当選人数に基づき決定された、当選発信に係わる特定店舗(特定参加体の一例)を識別する。
【0068】
<実施形態の効果>
参加体識別手順において、共通の特定景品を選択した複数の店舗のうち当選者がいる店舗(=特定店舗。特定参加体の一例)が識別されることにより、当選者がいない店舗がもしあればそのような店舗(特定店舗以外のその他店舗)についても識別することができる。
【0069】
この結果、情報取得手順において当選発信に係る発信ユーザ情報(例えばダイレクトメールを送るためのSNSアカウント等)を取得するとき、上記その他店舗への応募発信の発信ユーザ情報を取得する必要がなく、特定店舗への特定応募発信の発信ユーザ情報のみを取得すれば足りる。したがって、上記情報取得手順において、例えば店舗数単位で課金される有償ソフトウェアツールを用いて発信ユーザ情報を取得する場合に、課金対象となる店舗数を少なくすることができる。これにより、キャンペーン運営側において、運営に必要な課金総額を縮小しコスト低減を図ることができる。また、このような方法でSNSサーバへのアクセス回数を大幅に減らせるならば、有償ソフトウェアツールを必ずしも使用しなくとも、無償ソフトウェアツールで情報取得を行うことが可能となる場合もあり、かつ、無償ソフトウェアツールを用いた場合であっても、ハッシュタグごとに取得するデータ情報量を減らせるのでサーバの負担が低減し、管理費等のコストダウンが図れるとともに、その他無駄な人的あるいは物的資源の浪費を抑制できる。
【0070】
また、上記のように複数の店舗が共通の1つのキャンペーンに参加する体制とすることにより、参加する店舗側には以下のようなメリットがある。
【0071】
すなわち、自店舗単独でキャンペーンを行うと多額の費用がかかり、特に小規模店舗ではそのような負担は困難であるが、複数店舗が共同で1つの共通の仕組みのキャンペーンに参加することで費用負担が何分の1かで済み、割安となる。
【0072】
複数の店舗で景品が共通となった場合(但し共通になったこと自体を各店舗が認識できてもできなくてもよい)、当該景品に係わる応募発信総数を多く見込めるので、そのぶん景品や当選数を予め豪華な物品や多くの当選数に設定することができる。
【0073】
運営者側がキャンペーンサイトの作成からPOP印刷用のダウンロード画面の製作、景品の選択等を毎月自動で行ってくれるため、店舗側は最低限の情報をキャンペーン管理画面から入力する以外は、手間をかけずに、店舗に関するUGC投稿数、公式アカウントからの投稿へのリツイートや「いいね!」などのアクション件数、およびSNS公式アカウントのフォロワーの数を増やせる。
【0074】
また、本実施形態では特に、店舗数単位で課金される有償ソフトウェアツールを用いて発信ユーザ情報を取得する際、課金対象となる店舗数を少なくできるので、運営者側の運営コストを低減することができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、例えばハッシュタグ等の各店舗に固有の文字列情報単位で課金される有償ソフトウェアツールを用いて発信識別情報を取得する際、課金対象となる文字列情報の件数を少なくして運営者側の運営コストを低減することができる。
【0076】
また、本実施形態では特に、当選通知手順により、当選者に対し当選した旨を確実に報知し、景品の購入および発送等の業務を代行できる。
【0077】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0078】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 キャンペーン実行システム
10 店舗端末(参加体端末の一例)
11 表示部
12 制御部
13 操作部
20 キャンペーン実行サーバ
21 CPU(演算部の一例)
22 通信部
23 記憶部
24 キャンペーン実行プログラム
30 SNSサーバ
40 ツール提供サーバ
50 ユーザ端末