(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120121
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】テイスティング用担体キット、テイスティング用担体およびテイスティング用担体的製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20230822BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230822BHJP
G01N 33/14 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
G05B19/418 Z
G01N33/14
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022033722
(22)【出願日】2022-03-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】111104745
(32)【優先日】2022-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】514176398
【氏名又は名称】金寶電子工業股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】許 介立
【テーマコード(参考)】
3C100
4B023
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100BB12
3C100BB13
3C100BB15
4B023LE30
4B023LG01
4B023LG04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テイスティング用担体を口に含むことで、テイスターが対象酒に関する特定のフレーバーを的確に体験し、それにより対象酒をより深く理解することができる、テイスティング用担体キット、テイスティング用担体およびテイスティング用担体の製造方法を提供する。
【解決手段】担体キットは少なくとも2つのテイスティング用担体1を含み、各テイスティング用担体には、対象酒に対応する異なるフレーバー11がそれぞれ付着している。テイスティング用担体の製造方法は、原型担体10を取得する工程と、対象酒を選択し、対象酒に対応する複数のフレーバーの中から1つを選択する工程と、選択されたフレーバーに対応する作製材料を得る工程と、原型担体に作製材料を添加して、原型担体を選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体に変換する工程とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原型担体および当該原型担体上に付着した第1の作製材料からなり、当該第1の作製材料が第1のフレーバーを提供する、第1のテイスティング用担体と、
原型担体および当該原型担体上に付着した第2の作製材料からなり、当該第2の作製材料が当該第1のフレーバーと異なる第2のフレーバーを提供し、かつ当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは同一の対象酒に対応する、第2のテイスティング用担体と、を含むテイスティング用担体キット。
【請求項2】
当該原型担体はライスペーパーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項3】
当該第1の作製材料と当該第2の作製材料とは液体材料である、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項4】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒自身に備わる異なるフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項5】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒が口中に含まれた後に異なる時点、または口中の異なる部位でそれぞれ放出される異なるフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項6】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒と相性のよい異なる食品に対応するフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項7】
物理的に2つまたは2つ以上のテイスティング・エリアに分割された原型担体と、
各当該テイスティング・エリアにそれぞれ付着し、それぞれ1つの対象酒に対応する異なるフレーバーを提供する複数の作製材料と、を含むテイスティング用担体。
【請求項8】
当該原型担体はライスペーパーである、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項9】
当該複数の作製材料は液体材料である、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項10】
各当該作製材料は、当該対象酒自体に備わる異なるフレーバーをそれぞれ提供する、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項11】
各当該作製材料は、当該対象酒が口中に含まれた後に異なる時点、または口中の異なる部位でそれぞれ放出される異なるフレーバーである、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項12】
当該原型担体は、物理的カットラインによって各当該テイスティング・エリアが分割されている、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項13】
当該原型担体上の第1の当該テイスティング・エリアまたは最後の当該テイスティング・エリアは、嗅覚エリアであり、当該嗅覚エリアは、シールフィルムによって当該対象酒の1つの香りを包み込み、当該香りは当該シールフィルムが当該嗅覚エリアから引き裂かれた後に放出される、請求項7に記載のテイスティング用担体。
【請求項14】
a)原型担体を取得するステップと、
b)対象酒を選択するステップと、
c)当該対象酒に対応する複数のフレーバーから1つを選択するステップと、
d)当該選択されたフレーバーに対応する作製材料を取得するステップと、
e)当該作製材料を当該原型担体に添加して、当該原型担体を当該選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体に変換するステップと、を含むテイスティング用担体の製造方法。
【請求項15】
当該ステップa)においては、ライスペーパーを選択して当該原型担体とする、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
当該作製材料は液体材料であり、当該ステップe)においては、当該作製材料を当該原型担体上に滴下して当該原型担体の表面に吸着させる、請求項14に記載の製造方法。
【請求項17】
当該ステップc)においては、当該対象酒自体に備わる単一のフレーバーを選択する、請求項14に記載の製造方法。
【請求項18】
当該ステップc)においては、当該対象酒が口に含まれた後の特定の時点または口中の特定の部位で放出される単一のフレーバーを選択する、請求項14に記載の製造方法。
【請求項19】
当該ステップc)においては、当該対象酒と相性の良い1つの食品に対応するフレーバーを選択する、請求項14に記載の製造方法。
【請求項20】
当該原型担体は、物理的に少なくとも2つのテイスティング・エリアに分割されており、当該ステップc)においては、当該テイスティング・エリアと同じ数の複数のフレーバーを選択し、当該ステップd)においては、当該複数の選択されたフレーバーのそれぞれに対応する当該作製材料を選択し、当該ステップe)においては、当該複数の作製材料をそれぞれ当該原型担体上の各当該テイスティング・エリアに添加する、請求項14に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酒類のテイスティングに関し、特にテイスティング用の担体キット、テイスティング用担体、およびテイスティング用担体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酒類のテイスティングでは、通常、紹介者が特定のお酒のフレーバーを紹介することから始める。紹介者が紹介した後、テイスターは紹介されたお酒を飲用することにより、テイスティングを楽しむことができる。
【0003】
一般的に、紹介者は、お酒に含まれるそれぞれ特定のフレーバーを、比較的曖昧で一般的な名詞や形容詞で表現することしかできない。例えば、ウイスキーの場合、フルーティ(Fruity)、フローラル(Floral)、ハーブ(Herbaceous)、ナッティ(Nutty)、アーシー(Earthy)、キャラメル(Caramel)、スモーキー(Smoky)、ピーティー(Peaty)といった言葉が、紹介者によって、お酒のフレーバーを表現するために使われることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つのお酒には同時に複数の異なるフレーバーが含まれることが多く、そのフレーバーはメーカーや製法または酒造年度によっても異なることがある。フレーバーに馴染みのないテイスターにとっては、実際にお酒を味わっても、どのフレーバーが紹介されているのか、どのフレーバーを口中で感じているのか、紹介者の紹介するテイストを理解することが難しい場合がある。これではテイスティングの楽しみが減るだけでなく、知らないうちにテイスティングの難易度が上がってしまう。
【0005】
本発明は、特定のフレーバーを選択して対応するテイスティング用担体を製造することにより、テイスターがテイスティング用担体を味わうことによって、対象酒の特定のフレーバーを直接かつ的確に体験できるテイスティング用担体キット、テイスティング用担体およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例において、テイスティング用担体キットは、
原型担体および当該原型担体上に付着した第1の作製材料からなり、当該第1の作製材料が第1のフレーバーを提供する、第1のテイスティング用担体と、
原型担体および当該原型担体上に付着した第2の作製材料からなり、当該第2の作製材料が当該第1のフレーバーと異なる第2のフレーバーを提供し、かつ当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは同一の対象酒に対応する、第2のテイスティング用担体と、を含む。
【0007】
本発明の実施例において、テイスティング用担体は、
物理的に2つまたは2つ以上のテイスティング・エリアに分割された原型担体と、
各当該テイスティング・エリアにそれぞれ付着し、かつそれぞれ1つの対象酒に対応する異なるフレーバーを提供する複数の作製材料と、を含む。
【0008】
本発明の実施例において、テイスティング用担体の製造方法は、
a)原型担体を取得するステップと、
b)対象酒を選択するステップと、
c)当該対象酒に対応する複数のフレーバーから1つを選択するステップと、
d)当該選択されたフレーバーに対応する作製材料を取得するステップと、
e)当該作製材料を当該原型担体に添加して、当該原型担体を当該選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体に変換するステップと、を含む。
【0009】
関連技術に対して、本発明ではテイスティング用担体を使用することにより、テイスターは一度で興味のある1つのフレーバーを味わうことができる。これにより、テイスターは各種のお酒に対応する様々なフレーバーを理解することができ、ひいてはテイスティング活動を容易にし、テイスティングの難易度を下げるとともに、テイスティングの楽しみを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の模式図である。
【
図2】本発明の第1の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の生産ラインの模式図である。
【
図3】本発明の第1の具体的実施例にかかる製造方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の第1の具体的実施例にかかる製造装置のブロック図である。
【
図5】本発明の第1の具体的実施例にかかる製造装置の模式図である。
【
図6】本発明の第2の具体的実施例にかかる製造装置の模式図である。
【
図7】本発明の第2の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の模式図である。
【
図8】本発明の第3の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を併せて詳細に説明する。
【0012】
まず、
図1を参照すると、本発明の第1の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の模式図である。
図1に示すように、本発明は、対象酒2に対応するフレーバー11が付着したテイスティング用担体1を開示している。具体的には、本発明のテイスティング用担体1は、特定のフレーバーのない原型担体10を基体に、対象酒2に対応するフレーバーの1つを放出することができる液体材料を付着させたものである。原型担体10は、前記液体材料を吸着してテイスティング用担体1となるため、テイスティング用担体1には、液体材料が提供できる対応フレーバー11が付着される。
【0013】
より具体的には、本発明に開示されているのは、テイスティング用担体キットである。
図1に示すように、テイスティング用担体キットは、少なくとも2つのテイスティング用担体1を含み、各テイスティング用担体1には、同じ対象酒2に対応する異なるフレーバー11がそれぞれ付着されている。
【0014】
図1の実施例では、3つのテイスティング用担体1を例に用いて、テイスティング用担体キットを構成し、対象酒2に対応する3つのフレーバーを提供できるようにしているが、
図1に示すものに限定されない。
【0015】
図1の実施例では、第1のテイスティング用担体は、原型担体10と、原型担体10に付着した第1のフレーバーとからなり、第2のテイスティング用担体は、原型担体10と、原型担体10に付着した第2のフレーバーとからなり、第3のテイスティング用担体は、原型担体10と、原型担体10に付着した第3のフレーバーとからなる。ここで、第1のフレーバー、第2のフレーバーおよび第3のフレーバーは互いに異なっており、かつ第1のフレーバー、第2のフレーバーおよび第3のフレーバーはすべて同じお酒(すなわち、対象酒2)に対応している。
【0016】
一実施例では、各お酒は、それぞれ対応するテイスティング用担体キットを有し、テイスティング用担体キットに含まれるテイスティング用担体1の量は、そのお酒に対応するフレーバーの量に対応している。テイスターが特定のお酒(例えば、特定の酒造年度、特定の酒造メーカーのワイン、ウイスキー、シャンパンなど)に興味を持つ場合、そのお酒に対応するテイスティング用担体キットを入手、製造または購入すればよい。テイスティング用担体キットの複数のテイスティング用担体1を順次味わうことにより、テイスターはこのお酒に対応する様々なフレーバーを順次体験することができる。
【0017】
テイスターがテイスティング用担体1を味わう方法としては、テイスティング用担体1を直接口に含み、唾液でテイスティング用担体1に付着した液体材料を分解することにより、液体材料が提供するフレーバー11を口中で得られる。
【0018】
第1の実施例では、前記原型担体10は、可食担体であり、例えば、ライスペーパーである。テイスターがテイスティング用担体1を口に含むと、テイスティング用担体1は口中で溶けていき、溶けた後、付着したフレーバー11を直接口中に放出する。第2の実施例では、前記原型担体10は、口中で溶けない材料で作られている。前述したように、テイスティング用担体1上のフレーバー11は液体材料によって提供されており、テイスターがテイスティング用担体1を口に含んだ後、口中の唾液によってテイスティング用担体1に付着した液体材料が分解されるので、テイスターは分解された液体材料を通してテイスティング用担体1に付着したフレーバー11を吸い取りテイスティング用担体1の基体(すなわち、原型担体10)を残す。
【0019】
本発明のテイスティング用担体キットは、主に様々な酒類のテイスティング場面で活用することができ、テイスティング用担体1上のフレーバー11は、対象酒2自体に備わるフレーバーに対応することができる。例えば、ワインの場合では、対象酒2が飲まれると、シトラス(Citrus)、ナッティ(Nutty)、キャラメル(Caramel)および硫黄(Sulfur)など特定のフレーバーを放出する場合、この対象酒2に対応するテイスティング用担体キットは、4つのテイスティング用担体1を含んでもよく、これら4つのテイスティング用担体1にはそれぞれシトラス、ナッティ、キャラメルおよび硫黄のフレーバー11が付着される。例えば、ウイスキーの場合では、対象酒2が飲まれると、シリアル(Cereal)、ナッティ(Nutty)、アーシー(Earthy)、スモーキー(Smoky)およびウッディ(Woody)などの特定のフレーバーを放出する場合、この対象酒2に対応するテイスティング用担体キットは、5つのテイスティング用担体1を含むとよい。
【0020】
酒類のテイスティングにおいては、紹介者は、対象酒2を口に含むと感じられる様々なフレーバー(例えばシトラスおよびナッティ)を説明して紹介してもよいが、飲んだ後に感じられるお酒の香りは相当複雑であり、テイスターは紹介者の言うフレーバーを直接理解できないかもしれない。
【0021】
本発明は、予め対象酒2を分析し、異なる手段、例えば抽出によって対象酒2の様々なフレーバーを抽出すること、もしくは化合物または組成物の形態で対応する液体材料を作ることで前記フレーバーを提供する。このように、本発明では、原型担体10に前記液体材料を添加することにより、対象酒2自体に備わるフレーバーを有する複数のテイスティング用担体1を製造する。
【0022】
酒類のテイスティングの場面においては、紹介者が対象酒2のフレーバーの1つを紹介した後、テイスターは、まずこのフレーバーを有するテイスティング用担体1を味わって、口や舌を通して当該フレーバーを体験した上で、対象酒2を飲用することができる。こうすることで、テイスターが対象酒2を理解しやすくなり、テイスティングの楽しみを高め、テイスティングの難易度を下げることができる。
【0023】
お酒は、それ自体に備わる明確に区別できるフレーバーに加え、飲んだ後の異なる時点や口中の異なる位置によって異なるフレーバーを放出することもある。具体的には、1つのお酒のフレーバーはさらに、アタック、ミッドパレット、フィニッシュ、余韻などのように定義することができる。一実施例では、テイスティング用担体キットに含まれる複数のテイスティング用担体1は、対象酒2が口に含まれた後の異なる時点または口中の異なる位置でそれぞれ放出する、異なるフレーバー11を有する。
【0024】
本実施例では、飲用後の時間や位置の変化に伴う対象酒2のフレーバーの変化を紹介者が紹介する場合、テイスターは紹介者の紹介順通りに対応するテイスティング用担体1を味わうことができる。このように、テイスターは、経時的あるいは口中の位置によって生じたフレーバーの変化を明確に理解した上で、対象酒2を飲用することができる。
【0025】
なお、プロの利き酒の文化では、観察する(Observe)、嗅ぐ(Smell)、味わう(Taste)という3つのステップが正式に存在する。観察するとは視覚でお酒の色を観察すること、嗅ぐとは嗅覚でお酒の香りを嗅ぐこと、味わうとは味覚でお酒を味わうことを指す。このうち、嗅覚で得られる香りは、味覚で味わえるとは限らない。つまり、対象酒2は、香りを嗅いだ時と喉を通った後の異なる段階で、異なる感覚を持っているかもしれない。
【0026】
以上のことから、本発明のテイスティング用担体1は、テイスターが味覚によって味わうための対象酒2の様々なフレーバー11を備えるだけでなく、テイスターが嗅覚によって嗅ぐための対象酒2の各種香りも備えることができる。このようにして、テイスターは、テイスティング活動中に対象酒2の色を直接観察するとともに、本発明のテイスティング用担体キットを用いて嗅ぐ動作および味わう動作を行うことができる。
【0027】
具体的には、本発明では、対象酒2から放出される様々な香りを抽出して芳香材を製造し、さらに芳香剤を原型担体10に添加して、テイスターが嗅ぐことができるテイスティング用担体1を構成することが可能である。この実施例では、対象酒2に対応するテイスティング用担体キットは、テイスターが香りを嗅ぐための1つまたは複数のテイスティング用担体1、およびテイスターがフレーバーを味わうための1つまたは複数のテイスティング用担体1を含んでもよい。このうち、前記芳香材は、対象酒2自体から匂う香り、または対象酒2自体に含まれるフレーバーの1つから匂う香りを提供してもよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
一実施例では、前記芳香材は、液体材料、気体材料、または固体材料などであってもよい。テイスティング用担体1に芳香材を添加し、テイスティング用担体1はシールフィルム(図示せず)で芳香材を包むことで、芳香材に備わる香りをテイスティング用担体1に封止する。前記シールフィルムは、可食または非可食材料で作ってもよく、可溶性または非可溶性であってもよく、ここでは限定しない。
【0029】
このテイスティング用担体1を使用する時、テイスターはシールフィルムを引き裂くだけで芳香材に備わっている香りを放出することができ、これにより香りを嗅ぐことができる。テイスティング用担体キットに、嗅ぐためのテイスティング用担体1を添加することで、より完成度の高い、プロフェッショナルなテイスティング活動が可能になる。
【0030】
別の実施例では、前記嗅ぐためのテイスティング用担体1は、所望の香りを備える乾燥担体であってもよい。本実施例では、テイスティング用担体1にシールフィルムを設ける必要がなく、また香りが直接空気中に飛散することがない。テイスターは、このテイスティング用担体1を使用したい場合、テイスティング用担体1を濡らすだけで、含まれている香りを放出させることができる。このようにして、テイスターはテイスティング用担体1を使って嗅ぐ動作を行うことができる。
【0031】
ただし、上記は、本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、これに限定されるべきものではない。
【0032】
酒類のテイスティングの場面によっては、テイスターがテイスティングの際に対象酒2と最も相性の良い食品(例えば、牛ステーキ、鴨のむね肉、キャビアなど)を食することを望む場合がある。しかしながら、テイスターは様々な理由(例えば、ダイエットや健康上の要因)で、これらの食品を実際に摂取したくない場合がある。
【0033】
上記課題を解決するために、本発明のテイスティング用担体キットが含む複数のテイスティング用担体1には、対象酒2を飲用する際に最も適する異なる食品に対応するフレーバー11をそれぞれ付着させることも可能である。テイスターが対象酒2の飲用中に、対象酒2と最も相性の良い食品のフレーバー11を口中で得られるよう、対応するテイスティング用担体1を入手し、口に含んでもよい。このようにして、テイスターは実際に食事をしなくても食品の味覚を獲得することができ、お酒のフレーバーをより高めることができる。
【0034】
ただし、上記は、本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0035】
続いて、
図2を参照すると、本発明の第1の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の生産ラインの模式図が示されている。
図2は、本発明のテイスティング用担体1の生産ライン4の具体的な形態を開示している。
図2に示すように、生産ライン4は、主に、コンベヤベルト41、格納槽42、フレーバー選択ステーション43、データバンク44、材料選択ステーション45、材料庫46、作製材料添加ステーション47を含む。
【0036】
格納槽42には、複数の原型担体10が格納されている。テイスティング用担体1を製造する時、格納槽42に格納されている原型担体10は、作業員によって手動で、またはシステムによって自動的にコンベヤベルト41上に載置され、コンベヤベルト41は原型担体10を処理のために各ワークステーションまで搬送する。一実施例では、前記原型担体10は、可食担体であり、例えば、ライスペーパーであるが、これに限定されない。
【0037】
フレーバー選択ステーション43は、データバンク44に接続されており、データバンク44は異なるお酒に対応する様々なフレーバーを記録している。例えば、データバンク44では、お酒の種類ごとに別々のフォルダを作成し、それぞれのフォルダ内にお酒の種類に対応した各種フレーバーの情報を記録しておくことができる。
【0038】
本発明では、データバンク44に記録された複数のお酒の種類の中から対象酒2を選択するように、フレーバー選択ステーション43が作業員によって手動で、またはシステムによって自動で制御される。対象酒2が特定されると、フレーバー選択ステーション43は、特定された対象酒2に基づいて再度データバンク44に照会し、データバンク44から対象酒2に対応する複数のフレーバーの中から1つを選択して読み込む。
【0039】
第1の実施例では、フレーバー選択ステーション43で選択され読み込まれたフレーバーは、対象酒2自身に備わる単一のフレーバーである。第2の実施例では、フレーバー選択ステーション43で選択され読み込まれたフレーバーは、口に含んだ後の特定の時点、または口中の特定の位置で放出される対象酒2の単一のフレーバーである。第3の実施例では、フレーバー選択ステーション43で選択され読み込まれたフレーバーは、対象酒2と最も相性の良い食品の対応するフレーバーである。
【0040】
具体的には、本発明のデータバンク44は、お酒の種類ごとに少なくとも3つの別々のフォルダを作成し、上記3つの実施例に基づき、1つのお酒に対応する異なる種類のフレーバーに関する情報を3つのフォルダのそれぞれに記録しておくことができる。ただし、上記は、本発明の具体的な実施形態の1つを例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0041】
上述したように、原型担体10がコンベヤベルト41によってフレーバー選択ステーション43まで搬送されると、フレーバー選択ステーション43は、上述した手順により、この原型担体10に添加する1つのフレーバーを決定することができる。
【0042】
材料選択ステーション45は材料庫46に接続されており、材料庫46はデータバンク44に記録される様々なフレーバーに対応する作製材料461をそれぞれ格納している。例えば、データバンク44に30種類のフレーバーが記録されている場合、材料庫46は、この30種類のフレーバーを提供できる作製材料461を格納する。一実施例では、単一の作製材料461は単一のフレーバーを提供することができる。別の実施例では、生産ライン4は、複数の作製材料461を混合することにより、単一のフレーバーを生成する。ただし、上記は、本発明の具体的な実施形態を例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0043】
具体的には、材料選択ステーション45は、フレーバー選択ステーション43と有線または無線で通信接続され、選択されたフレーバー(例えば、ウッディ(Woody)、アーシー(Earthy)、ケミカル(Chemical)など)に関する情報をフレーバー選択ステーション43から取得することができる。さらに、材料選択ステーション45は、受け取った情報に基づいて材料庫46に照会し、選択されたフレーバーを提供できる1つまたは複数の作製材料461を材料庫46から取り出すように制御する。
【0044】
一実施例では、材料庫46に格納されている作製材料461は、液体材料であるが、これに限定されない。材料選択ステーション45は、単一の作製材料461によって直接所望のフレーバーを提供してもよく、または複数の作製材料461を混合して所望のフレーバーを生成してもよい。
【0045】
原型担体10がコンベヤベルト41によって材料選択ステーション45まで搬送されると、材料選択ステーション45は、上述した手順により、選択された単一のフレーバーを提供できる単一の作製材料461または複数の作製材料461を取得することができる。
【0046】
作製材料添加ステーション47は、生産ライン4の製造エリアに設けられ、選択されたフレーバーに対応する1つまたは複数の作製材料461を、材料選択ステーション45または材料庫46から取得することができる。原型担体10がコンベヤベルト41によって作製材料添加ステーション47まで搬送されると、作製材料添加ステーション47は、作製材料461によって提供されるフレーバーが原型担体10に付着するように、1つまたは複数の作製材料461を原型担体10に添加して、特定のフレーバーのない原型担体10を、選択されたフレーバーを有するテイスティング用担体1へと変換することができる。
【0047】
第1の実施例では、前記作製材料461は、液体材料であり、カプセル(図示せず)に格納されている。本実施例では、作製材料添加ステーション47は、材料選択ステーション45または材料庫46から、所望のフレーバーの作製材料461を含むカプセルを取得する。原型担体10がコンベヤベルト41によって作製材料添加ステーション47まで搬送されると、作製材料添加ステーション47は、カプセル内の作製材料461が原型担体10に滴下して原型担体10の表面に吸着されるよう、特定の機構(図示せず)を制御してカプセルを突き刺すまたは開ける。このようにして、原型担体10を、作製材料461のフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換することができる。
【0048】
第2の実施例では、前記作製材料461は液体材料であり、材料庫46は作製材料461を液槽で格納している。本実施例では、材料庫46は作製材料添加ステーション47により制御可能である。原型担体10がコンベヤベルト41によって作製材料添加ステーション47まで搬送されると、作製材料添加ステーション47は、指定液槽に格納されている作製材料461が配管(図示せず)を介して原型担体10に直接滴下し原型担体10の表面で吸着されるように、材料選択ステーション45の選択結果に応じて材料庫46を制御する。このようにして、原型担体10を、作製材料461のフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換することができる。
【0049】
第3の実施例では、前記作製材料461は液体材料であり、材料庫46は作製材料461を液槽で格納している。本実施例では、作製材料添加ステーション47はさらに加熱装置(図示せず)を備えている。
【0050】
具体的には、原型担体10がコンベヤベルト41によって作製材料添加ステーション47まで搬送されると、作製材料添加ステーション47は、指定液槽に格納されている作製材料461が配管(図示せず)を介して作製材料添加ステーション47に流れ込むよう、材料選択ステーション45の選択結果に応じて材料庫46を制御する。そして、作製材料添加ステーション47は、作製材料461を気体へと変化させて、気態の形式で原型担体10に付着させ、原型担体10に吸着させるように、加熱装置を制御して作製材料461を加熱する。このようにして、原型担体10を、作製材料461のフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換することができる。
【0051】
ただし、上記は本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、上記製造方法に限定されるものではない。
【0052】
なお、製造工程で作製材料461が原型担体10に吸着されても、作製材料461が空気に触れると空気中で揮発する可能性がある。これでは、作製材料461のフレーバーが流出してしまい、ユーザの体験に影響を与えることになる。例えば、テイスターが複数のテイスティング用担体1を保管または携帯する場合、1つのテイスティング用担体1が放出するフレーバーが他のテイスティング用担体1のフレーバーに影響を与える可能性がある。
【0053】
一実施例では、作製材料461を原型担体10に添加した後、作製材料添加ステーション47は、原型担体10上にシールフィルムをさらに配置することができる。前記シールフィルムは、可食性の可溶性材料からなり、原型担体10の表面に粘着することができる。このようにして、テイスティング用担体1の製造後に、作製材料461をシールフィルムで包むことができ、作製材料461のフレーバーをそのままテイスティング用担体1に保持させることができる。さらに、上述したように、シールフィルムは可食性の可溶性材料からなるため、テイスターがテイスティング用担体1を使用する際に邪魔になることはない。
【0054】
ただし、上記は、本発明の具体的な実施形態の1つを例示したに過ぎず、テイスティング用担体1の製造に上記シールフィルムが必要であるわけではない。
【0055】
図2に示すように、格納槽42内の原料担体10は、コンベヤベルト41上に載置された後、フレーバー選択ステーション43および材料選択ステーション45を経由して作製材料添加ステーション47に入ることができる。作製材料添加ステーション47は、フレーバー選択ステーション43および材料選択ステーション45の選択結果に基づいて、所望のフレーバーのテイスティング用担体1を生成するように、原料担体10を処理する。最後に、生産ライン4から、テイスティング用担体1が送出され、テイスターの使用に備える。
【0056】
前述したように、お酒にはそれぞれ様々なフレーバーがある。本発明の生産ライン4は、選択された対象酒2に応じて、コンベヤベルト41上の複数の原型担体10に対して順次対応する処理を行い、対象酒2の複数のフレーバーに対応する複数のテイスティング用担体1を製造することができる。これにより、複数のテイスティング用担体1によって、対象酒2に対応するテイスティング用担体キットを構成することができる。
【0057】
さらに、
図3を参照すると、本発明の第1の具体的実施例にかかる製造方法のフローチャートが示されている。
図3は、本発明のテイスティング用担体の製造方法を開示しており、前記製造方法は、
図2に示すような生産ライン4に適用でき、生産ライン4に基づいて改良した製造装置(例えば
図4に示す製造装置5)、またはユーザが人工で生産する環境にも適用できるが、ここでは限定しない。
【0058】
図3に示すように、本発明の製造方法を使用するには、まず、生産ライン4、製造装置5またはユーザによって、特定のフレーバーを有しない生担体10を取得する(ステップS10)。一実施例では、原型担体10は、可食性の担体(すなわち、口中で溶解できる担体)であり、例えばライスペーパーであるが、これに限定されない。
【0059】
別の実施例では、原型担体10は、口中で溶解しない材料で作られている。この実施例では、テイスターが製造されたテイスティング用担体1を口に含んだ時、唾液によってテイスティング用担体1上に付着した作製材料461が分解され、作製材料461が提供するフレーバーを引き出すことができる。
【0060】
次に、製造しようとするテイスティング用担体1(またはテイスティング用担体キット)に対応する対象酒2を選択する(ステップS12)。例えば、特定の酒造メーカーまたは特定の酒造年度のウイスキーまたはワイン等を選択するが、これに限定されるものではない。
【0061】
本発明では、ユーザが予め対象酒2を分析し、対象酒2に対応する1つまたは複数のフレーバーに関する情報をデータバンクに記録しておく。ステップS12の後、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、データバンクから対象酒2に対応する複数のフレーバーの情報を読み込み(ステップS14)、読み込んだ情報に基づいて、対象酒2に対応する複数のフレーバーのうちの1つを選択する(ステップS16)。そして、ステップS16の選択結果に基づいて、選択されたフレーバーに対応する作製材料461を取得する(ステップS18)。
【0062】
第1の実施例では、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、ステップS16において、対象酒2自体に備わる、例えばフルーティなフレーバーまたはフローラルなフレーバー等の単一のフレーバーを選択する。第2の実施例では、生産ライン4、製造装置5、またはユーザは、ステップS16において、口に含んだ後の特定の時点または口中の特定の位置で対象酒2が放出する、例えば、ミッドパレットのフレーバーまたは余韻ゾーンのフレーバーなどの単一のフレーバーを選択する。第3の実施例では、ステップS16において、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、対象酒2と最も相性の良い食品(例えば、牛ステーキ等)に対応するフレーバーを選択する。ただし、上記は、本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0063】
次に、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、ステップS18で取得した作製材料461の1つまたは複数を原型担体10上に添加して、原型担体10を、作製材料461により提供されるフレーバーが付着したテイスティング用担体1に変換する(ステップS20)。
【0064】
一実施例では、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、ステップS18において、原型担体10上にシールフィルムをさらに配置することができる。前記シールフィルムは、可食性の可溶性材料からなり、原型担体10の表面に粘着して原型担体10上の作製材料461を包むことに用いられる。これにより、テイスティング用担体1上の作製材料461のフレーバーが空気中に飛散するのを防止することができる。
【0065】
ステップS20の後、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、次にテイスティング用担体1の製造工程が完了したか否かを判断する(ステップS22)。例えば、対象酒2が合計10種類のフレーバーを含む場合、
図3の工程を10回行って、これら10種類のフレーバーを含む10個のテイスティング用担体1を順次製造し、これら10個のテイスティング用担体1により、対象酒2に対応するテイスティング用担体キットを構成しなければならない。
【0066】
別の実施例では、生産ライン4、製造装置5またはユーザは、原型担体10を物理的に複数のゾーンに分割し、各ゾーンに同一の対象酒2の異なるフレーバーに対応する作製材料461を添加することができる(これについては後述する)。この実施例では、1つのテイスティング用担体1上の複数のゾーンによって、対象酒2に対応するテイスティング用担体キットを直接構成することができる。換言すれば、本発明のテイスティング用担体キットは、複数のテイスティング用担体1を必要としない。
【0067】
図3に示すように、ステップS22で製造工程が終了していないと判断された場合、ステップS16に戻り、対象酒2の次のフレーバーを選択し、次のテイスティング用担体1を製造する。
【0068】
ステップS22で製造工程が終了したと判断された場合、完成したテイスティング用担体1またはテイスティング用担体キットを送出して(ステップS24)、本発明の製造方法を終了することができる。
【0069】
前述したように、本発明では、生産ライン4に加えて、さらにテイスティング用担体1の製造装置5を開示している。具体的には、本発明の製造装置5は、テイスティング用担体1の製造工程を統合して1台の機械で実現するために、上記生産ライン4の各ワークステーションおよび上記製造方法の各ステップを改良したものである。ユーザは製造装置5を様々なテイスティングの場所(ワイナリーやレストランなど)に置くことができ、テイスターの味わう場面がある時、選択された対象酒2および対象フレーバーに応じて、対応するテイスティング用担体1をリアルタイムで作ることができる。
【0070】
図4、
図5および
図6を参照すると、
図4は本発明の第1の具体的実施例にかかる製造装置のブロック図であり、
図5は本発明の第1の具体的実施例にかかる製造装置の模式図であり、
図6は本発明の第2の具体的実施例にかかる製造装置の模式図である。
【0071】
図4、
図5および
図6に示すように、本発明の製造装置5は、少なくともプロセッサ51、入力インターフェース52、収容槽53、記憶ユニット54、材料貯蔵タンク55、作製機構56、出力インターフェース57からなり、入力インターフェース52、収容槽53、記憶ユニット54、材料貯蔵タンク55および作製機構56はそれぞれプロセッサ51に電気的に接続されている。
【0072】
収容槽53は、製造装置5による処理のために、複数の原型担体10を内部にスタックした状態で格納する。記憶ユニット54には、各々の酒情報541が記録されており、各酒情報541には、1つのお酒に対応する情報、例えばお酒自体に含まれる様々なフレーバー、口中に含んだ後の異なる時点または口中の異なる位置で放出される様々なフレーバー、およびこのお酒に最も相性のよい複数の食品の様々なフレーバーなどが、それぞれ記録されているが、これらに限定されるものではない。
【0073】
具体的には、本発明の製造装置5を使用するには、まず、ユーザは、対象酒2の上記のフレーバーを抽出するために、提供しようとする1つまたは複数の対象酒2を分析し、これらのフレーバーに関する情報を記憶ユニット54に記録する必要がある。
【0074】
材料貯蔵タンク55は、上記フレーバーに対応する複数の作製材料551を貯蔵する。具体的には、ユーザは、1つのお酒を分析した後、そのお酒に対応する様々なフレーバーに関する情報を記憶ユニット54に記録するとともに、これらのフレーバーを提供する作製材料551を実験で入手または生成し、これらの作製材料551を材料貯蔵タンク55に貯蔵することができる。一実施例では、前記作製材料551は主に液体材料であり、材料貯蔵タンク55は、様々な液体材料を別々に格納するための複数の液体タンクを含む。
【0075】
入力インターフェース52は、特に限定されないが、主にタッチパネル、画面と操作キーの組み合わせ、または画面上の音声入力インターフェースなどのHMI(Human Machine Interface)とすることができる。使用時には、製造装置5は、入力インターフェース52を介して、対応可能な1つまたは複数のお酒の名称と説明を表示し、ユーザは、入力インターフェース52を操作して対象酒2を選択することができる。
【0076】
ユーザが対象酒2を選択した後、プロセッサ51は、対象酒2に基づいて記憶ユニット54に照会し、対象酒2に対応する酒情報541を読み出し、さらに入力インターフェース52を介して酒情報541を表示する。次に、ユーザは、再度入力インターフェース52を操作して、表示された酒情報541に含まれるフレーバーの中から1つを選択することができる。
【0077】
ユーザが選択した後、原型担体10を搬送機構(図示せず)によって、製造装置5内の作製スペース58まで搬送するように、プロセッサ51は収容槽53を制御する。さらに、プロセッサ51は、ユーザによって選択されたフレーバーに基づいて、材料貯蔵タンク55が、選択されたフレーバーに対応する作製材料551を作製スペース58に搬送するように、材料貯蔵タンク55に対応する制御指示を送信する。
【0078】
次に、プロセッサ51は、作製材料551を原型担体10に添加し、原型担体10に作製材料551を吸着させるように、作製スペース58での作製機構56の動作を制御し、これにより、原型担体10を、選択したフレーバーを付着させたテイスティング用担体1に変換する。
【0079】
また、作製材料551を添加した後に、作製機構56は、可食性の可溶性材料からなるシールフィルムを原型担体10に粘着させることができる。原型担体10上に粘着したシールフィルムは、原型担体10上の作製材料461を包み込むことができるので、作製材料461のフレーバーが空気中に飛散するのを防止することができる。
【0080】
最後に、プロセッサ51は、出力インターフェース57(例えば、開口)を制御し、テイスターが味わうために、完成したテイスティング用担体1を送出することができる。
【0081】
第1の実施例では、作製材料551は、カプセル(図示せず)内に貯蔵されている。材料貯蔵タンク55には、複数のカプセルが貯蔵されており、各カプセルには異なる作製材料551が収容されている。本実施例では、プロセッサ51は、選択されたフレーバーに対応するカプセルを作製スペース58に搬送するように材料貯蔵タンク55を制御し、カプセル内の作製材料551が原型担体10の表面に滴下して原型担体10に吸着されるように、作製機構56を制御して作製スペース58でカプセルを突き刺す。これにより、原型担体10を、選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換する。
【0082】
第2の実施例では、材料貯蔵タンク55は、液槽の形式で液体の作製材料551を直接貯蔵する。本実施例では、プロセッサ51は、選択されたフレーバーに対応する作製材料551が配管を経由して作製スペース58に流入し、原型担体10上に直接滴下して原型担体10の表面に吸着されるように、作製機構56を制御する。これにより、原型担体10を、選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換する。
【0083】
第3の実施例では、前記材料貯蔵タンク55は、液槽の形式で液体の作製材料551を貯蔵している。本実施例では、作製機構56は、作製スペース58の内部またはその周辺に配置された加熱装置である。本実施例では、プロセッサ51は、材料貯蔵タンク55を制御して、選択されたフレーバーに対応する作製材料551を作製機構56まで搬送し、作製機構56の加熱を制御して、作製スペース58において液体の作製材料551を気体の作製材料551へと変換させる。気体の作製材料551は、作製スペース58内で原型担体10を包み込んで原型担体10に吸着させ、これにより、原型担体10を、選択したフレーバーが付着したテイスティング用担体1へと変換する。
【0084】
ただし、上記は、本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0085】
なお、本発明の製造装置5は、無線伝送インターフェース(図示せず)を介してユーザの携帯端末と接続し、ユーザが製造装置5を無線で操作できるようにすることも可能である。
【0086】
例えば、大人数のテイスティング場面では、テイスターは携帯端末を使って製造装置5に接続し、製造装置5は対応可能な複数のお酒に関する情報を取得することができる。テイスターは、興味のあるお酒またはフレーバーを携帯端末上で直接選択することができる。テイスターが選択した後、製造装置5はテイスターの選択に応じて上述した各要素を制御し、テイスターの興味のあるフレーバーが付着したテイスティング用担体1またはテイスティング用担体キットをリアルタイムで製造し、出力インターフェース57を介してテイスターに提供し、テイスターに味わってもらう。
【0087】
上述した実施例では、ユーザが携行する携帯端末によって製造装置5を制御することができるので、製造装置5に入力インターフェース52を設ける必要はない。さらに、本発明の製造装置は、使用の自由度と拡張の利便性から、お酒およびフレーバーに関する情報をクラウドサーバ(図示せず)に記録しておき、テイスティング用担体1を製造する際にクラウドサーバから関連情報を読み込むこともできる。この実施例では、製造装置5に前記記憶ユニット54を設けなくてもよい。
【0088】
また、本発明では、製造装置5の大きさや使用場面を考慮して、さらに製造装置5を大型の製造装置と携帯型の製造装置に区分し、以下に詳細に説明する。
【0089】
大型の製造装置がより多くのお酒に対応できるため、貯蔵する作製材料551の種類や量が多くなり、必然的に体積が大きくなる。そのため、大型の製造装置は移動が容易でなく、ワイナリーや酒の販売店への直接設置に適する。
【0090】
具体的には、このような大型の製造装置では、設置された施設で提供または販売されるすべてのお酒のすべてのフレーバーを記録し、製造することができる。テイスターはテイスティングや勉強、購入のために前述施設を訪れた際、テイスティング用担体1(またはテイスティング用担体キット)をリアルタイムで製造して使用することで、これから飲用したり購入したりするお酒をより深く理解することができる。
【0091】
携帯型の製造装置は、より少ないお酒に対応できるため、貯蔵する作製材料551の種類や数量が少なく、体積も小さくできる。上記の大型の製造装置と比較して、携帯型の製造装置は移動が容易であるため、様々なテイスティングの場面に携行して使用することに適する。
【0092】
具体的には、このような携帯型の製造装置では、(1)1つのお酒自身に含まれる複数のフレーバー、(2)1つのお酒に相性の良い複数の食品のフレーバー、または(3)異なるお酒のそれぞれから発する同じフレーバー(例えば、複数のお酒にそれぞれ備わる異なるスモーキー・フレーバー)を記録して製造することは可能である。ただし、上記は、本発明の具体的な実施例の一部を例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。本発明では、テイスターは、特定のテーマや目的を持ったテイスティングの場面に携帯型の製造装置を持ち込んで使用することができ、これによりテイスティング活動を円滑に進めると同時に、嗜好性や専門性を高めることができる。
【0093】
前述したように、1つのお酒自身は様々なフレーバー(例えば、フルーティなフレーバー、フローラルなフレーバーなど)を含むことがあり、また、飲んだ後の異なる時点や口中の異なる部位で異なるフレーバー(例えば、アタック、ミッドパレット、余韻など)を放出することもある。本発明の製造方法および製造装置は、主に1つのお酒に対応する複数のフレーバーに基づいて複数のテイスティング用担体1を製造し、これによりこのお酒のすべてのフレーバーに対応できるテイスティング用担体キットを構成するものである。しかしながら、原型担体10の面積が十分に大きくまたは十分に長く、複数のゾーンを含む場合、本発明の製造方法および製造装置は、単一の原型担体10を使用して1つのテイスティング用担体キットを直接実現してもよい。
【0094】
図7を参照すると、本発明の第2の実施例にかかるテイスティング用担体の模式図が示されている。
図7は、本発明の別のテイスティング用担体6を開示している。
図7の実施例では、テイスティング用担体6は、原型担体60からなり、原型担体60は、物理的に2つまたは2つ以上のテイスティング・エリア61に分割されている。
【0095】
テイスティング用担体6の製造において、本発明の方法または製造装置は、原型担体60の各テイスティング・エリア61に、同一の対象酒2に対応する異なるフレーバー7を添加することにより、原型担体60を、対象酒2に対応する複数のフレーバー7を有するテイスティング用担体6に変換させるものである。例えば、本発明の製造方法または製造装置は、原型担体60の各テイスティング・エリア61にそれぞれ複数の作製材料を滴下することにより、所望のテイスティング用担体6を製造することができる。
【0096】
原型担体60は、可食担体、例えばライスペーパーであるが、これに限定されない。一実施例では、テイスティング用担体6上の各種フレーバー7の順番は、紹介者による対象酒2の紹介の順番に対応する。例えば、テイスティング会で、紹介者が対象酒2に備わるフルーティなフレーバー、フローラルなフレーバー、およびキャラメル・フレーバーを順に紹介したい場合、テイスティング用担体6は、前から後ろにかけて第1のテイスティング・エリア、第2のテイスティング・エリアおよび第3のテイスティング・エリアの順に、フルーティなフレーバーを提供できる作製材料、フローラルなフレーバーを提供できる作製材料およびキャラメル・フレーバーを提供できる作製材料を添加すればよい。
【0097】
また、例えば、テイスティング会で紹介者が、対象酒2を口に含んだ後のアタック、ミッドパレート、フィニッシュおよび余韻の部位で発するフレーバーを順に紹介したい場合には、テイスティング用担体6は、前から後ろにかけて第1のテイスティング・エリア、第2のテイスティング・エリア、第3のテイスティング・エリア、第4テイスティング・エリアの順に、アタックのフレーバーを提供できる作製材料、ミッドパレートのフレーバーを提供できる作製材料、フィニッシュのフレーバーを提供できる作製材料および余韻のフレーバーを提供できる作製材料を添加すればよい。
【0098】
前述したように、本発明で使用する原型担体60は、可食担体であり、テイスターの口中で溶解することがでる。テイスティング用担体6にシールフィルムを粘着する場合、前記シールフィルムも可食性材料からなり、テイスターの口内で溶解できるものである。
【0099】
上記実施例では、テイスターは、紹介者が対象酒2のアタックのフレーバーを紹介した後に、テイスティング用担体6の第1のテイスティング・エリアを口に含み、第1のテイスティング・エリアを唾液で溶かして口中でアタックのフレーバー7を得ることができる。紹介者が続いて対象酒2のミッドパレートのフレーバーを紹介した後に、テイスターはさらにテイスティング用担体6の第2のテイスティング・エリアを口に含み、第2のテイスティング・エリアを唾液で溶かして口中でミッドパレートのフレーバー7を口中で得る、といった具合に行う。
【0100】
図7に示すように、一実施例では、原型担体60は、物理的カットライン62によって複数のテイスティング・エリア61に分割されている。例えば、本発明の製造方法または製造装置5は、パンチングホールにより、原型担体60に物理的カットライン62を生成して、原型担体60を複数のテイスティング・エリア61に分割することができる。前記物理的カットライン62の存在により、隣接するテイスティング・エリア61の接触面積が減少するので、テイスティング用担体6を製造する際に、あるテイスティング・エリア61に添加された作製材料が隣接するテイスティング・エリア61内に流れ込み、テイスティング用担体6を味わう際にテイスターに影響を与えるという問題を回避することができる。
【0101】
次に、
図8を参照すると、本発明の第3の具体的実施例にかかるテイスティング用担体の模式図が示されている。
図8は、本発明の別のテイスティング用担体6’を開示している。
図7の実施例と異なる点は、
図8の原型担体60の最初のテイスティング・エリア61または最後のテイスティング・エリア61を嗅ぐエリア63として区切ってもよい点である。
【0102】
具体的には、本発明の製造方法または製造装置は、テイスティング用担体6’を製造する際に、別の香りの作製材料を取得し、嗅ぐエリア63に香りの作製材料を添加して、嗅ぐエリア63では空間内でテイスターが所望する香りが飛散されるようにすることができる。一実施例では、前記香りの作製材料は、対象酒2自体から匂う香りを提供することができる。別の実施例では、前記香り作製材料は、対象酒2自体に含まれるフレーバーの1つから匂う香りを提供することができるが、これらに限定されるものではない。
【0103】
本実施例では、前記香りの作製材料は、特に限定されないが、液体材料、気体材料、または固体材料であってもよい。本発明の製造方法または製造装置は、香りの作製材料を嗅ぐエリア63に添加した後、シールフィルム64によって嗅ぐエリア63を封止する。本実施例では、前記シールフィルム64は、可食または非可食の材料からなり、可溶または不溶であってもよく、ここでは限定しない。
【0104】
テイスティング用担体6’を使用する場合、テイスターはテイスティング用担体6’からシールフィルム64を引き裂くだけで、嗅ぐエリア63から所望の香り8(すなわち、香りの作製材料によって提供される香り)を放出させることができる。テイスターは、シールフィルム64を引き裂くと、嗅ぐエリア63から放出される香り8を嗅ぐことができ、対象酒2の香りについての基礎知識を得ることができるようになる。そして、テイスターは、テイスティング用担体6’から嗅ぐエリア63を引き離す、または切り取ることができる。紹介者の対象酒2の紹介に続いて、テイスターはテイスティング用担体6’上の各テイスティング・エリア61を順次口中に入れて、対象酒2の様々なフレーバーを口中で順次得ることができる。
【0105】
テイスティング用担体6’の使用により、テイスターは、味覚を通じて対象酒2の様々なフレーバーを味わうだけでなく、嗅覚を通じて対象酒2自体から発せられる香りを嗅ぐこともできる。こうすることで、テイスターが対象酒2を理解しやすくなり、テイスティングの楽しみを高められる。
【0106】
前述した内容は、本発明の好ましい具体的実施例に過ぎず、それによって本発明の特許の範囲を限定するものではない。本発明の内容を応用した等価な変形例は、すべて本発明の範囲に含まれるものであるということを付記する。
【符号の説明】
【0107】
1 テイスティング用担体
10 原型担体
11 フレーバー
2 対象酒
4 生産ライン
41 コンベヤベルト
42 格納槽
43 フレーバー選択ステーション
44 データバンク
45 材料選択ステーション
46 材料庫
461 作製材料
47 作製材料添加ステーション
5 製造装置
51 プロセッサ
52 入力インターフェース
53 収容槽
54 記憶ユニット
541 酒情報
55 材料貯蔵タンク
551 作製材料
56 作製機構
57 出力インターフェース
58 作製スペース
6、6’ テイスティング用担体
60 原型担体
61 テイスティング・エリア
62 物理的カットライン
63 嗅ぐエリア
64 シールフィルム
7 フレーバー
8 香り
S10~S24 製造ステップ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原型担体および当該原型担体上に付着した第1の作製材料からなり、当該第1の作製材料が第1のフレーバーを提供する、第1のテイスティング用担体と、
原型担体および当該原型担体上に付着した第2の作製材料からなり、当該第2の作製材料が当該第1のフレーバーと異なる第2のフレーバーを提供し、かつ当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは同一の対象酒に対応する、第2のテイスティング用担体と、を含み、当該原型担体はライスペーパーである、テイスティング用担体キット。
【請求項2】
当該第1の作製材料と当該第2の作製材料とは液体材料である、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項3】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒自身に備わる異なるフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項4】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒が口中に含まれた後に異なる時点、または口中の異なる部位でそれぞれ放出される異なるフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項5】
当該第1のフレーバーと当該第2のフレーバーとは、当該対象酒と相性のよい異なる食品に対応するフレーバーである、請求項1に記載のテイスティング用担体キット。
【請求項6】
物理的に2つまたは2つ以上のテイスティング・エリアに分割された原型担体と、
各当該テイスティング・エリアにそれぞれ付着し、それぞれ1つの対象酒に対応する異なるフレーバーを提供する複数の作製材料と、を含み、当該原型担体はライスペーパーである、テイスティング用担体。
【請求項7】
当該複数の作製材料は液体材料である、請求項6に記載のテイスティング用担体。
【請求項8】
各当該作製材料は、当該対象酒自体に備わる異なるフレーバーをそれぞれ提供する、請求項6に記載のテイスティング用担体。
【請求項9】
各当該作製材料は、当該対象酒が口中に含まれた後に異なる時点、または口中の異なる部位でそれぞれ放出される異なるフレーバーである、請求項6に記載のテイスティング用担体。
【請求項10】
当該原型担体は、物理的カットラインによって各当該テイスティング・エリアが分割されている、請求項6に記載のテイスティング用担体。
【請求項11】
当該原型担体上の第1の当該テイスティング・エリアまたは最後の当該テイスティング・エリアは、嗅覚エリアであり、当該嗅覚エリアは、シールフィルムによって当該対象酒の1つの香りを包み込み、当該香りは当該シールフィルムが当該嗅覚エリアから引き裂かれた後に放出される、請求項6に記載のテイスティング用担体。
【請求項12】
a)原型担体を取得するステップと、
b)対象酒を選択するステップと、
c)当該対象酒に対応する複数のフレーバーから1つを選択するステップと、
d)当該選択されたフレーバーに対応する作製材料を取得するステップと、
e)当該作製材料を当該原型担体に添加して、当該原型担体を当該選択されたフレーバーが付着したテイスティング用担体に変換するステップと、を含み、
当該ステップa)においては、ライスペーパーを選択して当該原型担体とする、テイスティング用担体の製造方法。
【請求項13】
当該作製材料は液体材料であり、当該ステップe)においては、当該作製材料を当該原型担体上に滴下して当該原型担体の表面に吸着させる、請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
当該ステップc)においては、当該対象酒自体に備わる単一のフレーバーを選択する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】
当該ステップc)においては、当該対象酒が口に含まれた後の特定の時点または口中の特定の部位で放出される単一のフレーバーを選択する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項16】
当該ステップc)においては、当該対象酒と相性の良い1つの食品に対応するフレーバーを選択する、請求項12に記載の製造方法。
【請求項17】
当該原型担体は、物理的に少なくとも2つのテイスティング・エリアに分割されており、当該ステップc)においては、当該テイスティング・エリアと同じ数の複数のフレーバーを選択し、当該ステップd)においては、当該複数の選択されたフレーバーのそれぞれに対応する当該作製材料を選択し、当該ステップe)においては、当該複数の作製材料をそれぞれ当該原型担体上の各当該テイスティング・エリアに添加する、請求項12に記載の製造方法。