(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120122
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】居住構造体
(51)【国際特許分類】
E04H 15/34 20060101AFI20230822BHJP
E04H 15/54 20060101ALI20230822BHJP
E04H 15/32 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
E04H15/34
E04H15/54
E04H15/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022035687
(22)【出願日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】514156208
【氏名又は名称】竹田 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】竹田 秀夫
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141AA01
2E141BB01
2E141CC01
2E141DD01
2E141DD03
2E141DD21
2E141EE03
2E141EE04
2E141FF01
(57)【要約】
【課題】 従来の屋外で使用するテントのような居住構造体は、ドーム型テントのようにドーム型をしたものが一般的であったが、ドーム状・アーチ状になっているため、上部が狭く使い勝手が悪いという問題点があった。
【解決手段】 本発明の居住構造体は、貫通孔が形成された複数本の筒体と、前記筒体の貫通孔に挿入される軸体と、前記軸体が挿入される開口部が前記筒体及び軸体の本数に対応して形成された複数枚のパネルとからなる支柱体と、前記支柱体の少なくとも上部を覆う屋根部材とで構成し、上記課題を解決している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が形成された複数本の筒体と、前記筒体の貫通孔に挿入される軸体と、前記軸体が挿入される開口部が前記筒体及び軸体の本数に対応して形成された複数枚のパネルとからなる支柱体と、前記支柱体の少なくとも上部を覆う屋根部材とから成ることを特徴とする居住構造体。
【請求項2】
前記支柱体には側方に突出する面積拡張手段が設けられている請求項1に記載の居住構造体。
【請求項3】
前記筒体には筒体間に取り付けられる壁部材を取り付ける壁部材取付部が形成されている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の居住構造体。
【請求項4】
前記壁部材取付部は、前記筒体の外側の二面に対面する筒体対面部が形成されるとともに、前記筒体対面部の端縁からそれぞれ延設されて前記壁部材に接合される接合部とでW字形状に形成されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の居住構造体。
【請求項5】
前記屋根部材は建築物の天井であって、前記支柱体には前記支柱体を天井に押圧して前記支柱体が前記天井面に固定されるばね体が設けられている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の居住構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で使用するテントや車のルーフで使用するルーフテントや体育館等の避難場所や臨時の診察室として使用可能な居住構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の屋外で使用するテントのような居住構造体は、ドーム型テントのようにドーム型をしたものが一般的であったが、ドーム状・アーチ状になっているため、上部が狭く使い勝手が悪いという問題点があった。
また、車のルーフで使用するルーフテントは、簡単に使用可能とすることができるとともに撤収も簡単にできるように工夫されているが、強度面に問題があるとともに複雑な構造になっており高価であるという問題点があった。
また、体育館等の避難場所や臨時の診察室として使用可能な居住構造体は、壁材で四周を囲っただけのものであり、壁材を固定するための部材が必要となるとともに、物を載置したり収納する家具を準備しなければ使用できないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-102895号公報
【特許文献2】特表2019-518645号公報
【特許文献3】実用新案登録3178786号公報
【特許文献4】特開2011-132665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、上部も広く使い勝手が良く、強度面に問題が無く安価なテント及びルーフテントや使い勝手の良い居住構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の居住構造体は、貫通孔が形成された複数本の筒体と、前記筒体の貫通孔に挿入される軸体と、前記軸体が挿入される開口部が前記筒体及び軸体の本数に対応して形成された複数枚のパネルとからなる支柱体と、前記支柱体の少なくとも上部を覆う屋根部材とから成ることを特徴とする。
又、本発明の居住構造体にあっては、前記支柱体には側方に突出する面積拡張手段が設けられていることが望ましい。
又、本発明の居住構造体にあっては、前記筒体には筒体間に取り付けられる壁部材を取り付ける壁部材取付部が形成されていることが望ましい。
又、本発明の居住構造体にあっては、前記壁部材取付部は、前記筒体の外側の二面に対面する筒体対面部が形成されるとともに、前記筒体対面部の端縁からそれぞれ延設されて前記壁部材に接合される接合部とでW字形状に形成されていることが望ましい。
又、本発明の居住構造体にあっては、前記屋根部材は建築物の天井であって、前記支柱体には前記支柱体を天井に押圧して前記支柱体が前記天井面に固定されるばね体が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の居住構造体は、貫通孔が形成された複数本の筒体と、前記筒体の貫通孔に挿入される軸体と、前記軸体が挿入される開口部が前記筒体及び軸体の本数に対応して形成された複数枚のパネルとからなる支柱体と、前記支柱体の少なくとも上部を覆う屋根部材とから成ることを特徴とするものであるから、上部が広く使い勝手の良い居住構造体とすることができるという効果があり、組立及び分解を簡単に行うことができるという効果があり、更に、パネルの上面を物を載置する載置台やベッドとしても使用可能であるという効果がある。
又、請求項2のように、前記支柱体には側方に突出する面積拡張手段が設けられているものは、更に上部の面積を広くすることができ、使い勝手の良い居住構造体とすることができるという効果がある。
又、請求項3のように、前記筒体には筒体間に取り付けられる壁部材を取り付ける壁部材取付部が形成されているものは、壁部材を簡単に取り付けることができ、収納部を形成することができ、収納部を扉付きの寝室にすることも可能であるという効果もある。
又、請求項4のように、前記壁部材取付部は、前記筒体の外側の二面に対面する筒体対面部が形成されるとともに、前記筒体対面部の端縁からそれぞれ延設されて前記壁部材に接合される接合部とでW字形状に形成されているものは、接合部を引き出すだけで壁部材を簡単に取り付けることができ、収納部を形成することができるという効果がある。
又、請求項5のように、前記屋根部材は建築物の天井であって、前記支柱体には前記支柱体を天井に押圧して前記支柱体が前記天井面に固定されるばね体が設けられているものは、支柱体うを天井に強固に固定することもでき、居住構造体を強固に設置することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】
図2は、同上の居住構造体の使用状態を示す断面図。
【
図3】
図3は、同上の居住構造体に使用される壁部材取付部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下本発明を実施するための形態について
図1及び
図2を参照して詳述する。居住構造体1は、貫通孔3が形成された複数本の筒体2と、筒体2の貫通孔3に挿入される軸体4と、軸体4が挿入される開口部6が筒体2及び軸体4の本数に対応して形成された複数枚のパネル5とからなる支柱体7と、支柱体7の少なくとも上部を覆う屋根部材8とから構成されている。屋根部材8には壁部材9が着脱自在に装着されるものであり、季節によって取り付けられずに解放することも可能である。
【0009】
筒体2は、紙、段ボールで形成されているが、木質材や合成樹脂であっても構わないものであり、紙、段ボール、木質材、合成樹脂を複合したものでも構わないものであり、内部を硬質の木質材、合成樹脂材で構成し、外部に紙、段ボールを巻回したものでも構わないものである。筒体2には筒体2間に取り付けられる壁部材9を取り付ける壁部材取付部10が形成されている。
【0010】
軸体4は、木質材で形成されているが、合成樹脂材、紙、段ボールで形成されていても構わないものであり、軸体4の先端を尖らせることで砂地などの地面に打ち込むことが可能となり、支柱体7が移動するのを阻止した状態で施工することができるものである。
【0011】
パネル5は、木質材で形成されているが、合成樹脂材、紙、段ボールで形成されていても構わないものであり、パネル5上に載置するものにより、強度を考慮すればよいものである。パネル5は、四辺形である場合は四隅に開口部6が形成され、三角形である場合は三隅に開口部6が形成され、丸形である場合は、四個の開口部6が形成されている。パネル6上には物を載置することができるとともに一定の幅と長さがあれば、人が腰を掛けたり寝ることもできるものである。又、対面させることでテーブルとしても使用が可能となるものである。パネル5は、隅部が円弧状に面取りされた四角形に形成されているが、長方形でも構わないものである。又、三角形、五角形、六角形のような多角形でも構わないものである。
【0012】
支柱体7は、貫通孔3が形成された複数本の筒体2と、筒体2の貫通孔3に挿入される軸体4と、軸体4が挿入される開口部6が筒体2及び軸体4の本数に対応して形成された複数枚のパネル5とで構成され、組立・分解が容易にできるようになっており、必要に応じて土台11を設けることができる。支柱体7の周囲に座ったり、寝ることも可能である。土台11は、下端が貫通し、先端が尖った軸体4の先端を突出させて地面に打ち込むことを可能とするとともに、下端を閉塞させて軸体4の先端を突出させないようにして床面に傷を付けないようにする使用も可能にしている。
【0013】
屋根部材8は、テント地のような軟質材や合成樹脂のような剛体で構成されており、使用目的に応じて選択することができるものである。
【0014】
壁部材9は、テント地のような軟質材や合成樹脂のような剛体で構成されており、使用目的に応じて選択することができるものであり、地面などの固定物に端縁を固定できるように構成されている。壁部材9は、屋根部材8に連結できるようにしたり、一体的に形成しても構わないものであり、必要に応じて選択できるものである。
【0015】
壁部材取付部10は、筒体2の外側の二面に対面する筒体対面部10aが形成されるとともに、筒体対面部10aの端縁からそれぞれ延設されて壁部材9に接合される接合部10bとでW字形状に形成されている。壁部材取付部10に壁部材9を事前に取り付けておくと短時間で強固な施工ができるものである接合部10bは可撓性を有しているので、角度を自由に変えることが可能であり、壁部材9の角度も変えることができるものである。
【0016】
パネル5には側方に突出する面積拡張手段12が設けられている。面積拡張手段12は、最上部に配設したパネル5内に収納されており、手で引き出すことにより、パネル5の面積を拡張することにより、居住構造体1の面積を拡張することができるものである。最上部以外に配設したパネル5内に収納すると、パネル5の面積を拡張することにより、載置面積を拡張することができるものである。
【0017】
屋根部材8が建築物の天井である場合、支柱体7には支柱体7を天井に押圧して支柱耐が天井面に固定されるばね体13が設けられている。
【0018】
次に、施工方法について説明すると、土台11となる筒体2を接地面に並べ、筒体2の貫通孔3に軸体4を挿入し、軸体4にパネル5の開口部6を挿入した後に、筒体2を挿入する。このようにして、支柱体7を構成すればよいものであり、必要に応じて支柱体7の少なくとも上部を屋根部材8で覆うとともに、壁部材9を設ければよいものである。
【符号の説明】
【0019】
1 居住構造体
2 筒体
3 貫通孔
4 軸体
5 パネル
6 開口部
7 支柱体
8 屋根部材
9 壁部材