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特開2023-120230高電力イオンビーム発生器システムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120230
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】高電力イオンビーム発生器システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 27/18 20060101AFI20230822BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20230822BHJP
   H05H 9/00 20060101ALI20230822BHJP
   G21H 5/00 20060101ALI20230822BHJP
   G21K 5/04 20060101ALI20230822BHJP
   H01J 37/08 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
H01J27/18
H05H1/46 C
H05H9/00 Z
G21H5/00 Z
G21K5/04 A
H05H1/46 R
H01J37/08
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023092320
(22)【出願日】2023-06-05
(62)【分割の表示】P 2022040297の分割
【原出願日】2018-01-17
(31)【優先権主張番号】62/447,685
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518434245
【氏名又は名称】フェニックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アーン コバーニク
(72)【発明者】
【氏名】カール シャーベン
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー ラマース
(72)【発明者】
【氏名】クリス セイファート
(72)【発明者】
【氏名】エバン センブッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル ベセラ
(72)【発明者】
【氏名】ジン リー
(72)【発明者】
【氏名】ローガン キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】マーク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル テイラー
(72)【発明者】
【氏名】プレストン バロウズ
(72)【発明者】
【氏名】ロス ラデル
(72)【発明者】
【氏名】タイ グリッブ
(57)【要約】
【課題】高電力イオンビーム発生器システムおよび方法の提供。
【解決手段】中性子および陽子の低費用、高性能で、堅調な、一貫した、一様な、低ガス消費量、かつ高電流/高・中電圧の発生を提供する高エネルギーイオンビーム発生器システムおよび方法が、本明細書で提供される。そのようなシステムおよび方法は、多種多様な研究、医療、セキュリティ、および工業プロセスのための中性子および陽子の商業規模発生のための用途を見出す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
a)ビームを生成する高エネルギーイオンビーム生成器デバイスと、
b)損傷軽減構成要素であって、前記損傷軽減構成要素は、
i)前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイス上に位置付けられている複数のセンサであって、前記複数のセンサは、前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスの複数の領域を監視するように構成されており、前記複数の領域は、前記ビームと相互作用することが可能である、複数のセンサと、
ii)前記複数のセンサと通信する制御ソフトウェアであって、前記制御ソフトウェアは、アラートまたはアラームを生成し、前記アラートまたは前記アラームに応答して、前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスを調節するように構成されている、制御ソフトウェアと
を含む、損傷軽減構成要素と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記複数のセンサのうちの1つ以上は、前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスのある領域の温度を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のセンサのうちの1つ以上は、冷却剤の流量を測定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のセンサは、連続感知モードにある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
各センサは、各センサに関連付けられている閾値を有し、前記閾値が越えられると、各センサは、前記アラートまたは前記アラームを生成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アラートは、ユーザ警告を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アラームは、デバイスシャットダウンをトリガする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記アラームは、さらなる動作よりも前に、 前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスをリセットすることをユーザに要求するラッチ様式のアラームである、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御ソフトウェアは、電磁干渉を除外する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記除外された電磁干渉は、所定の閾値持続時間または周波数の下にある、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムを用いて、高エネルギーイオンビーム生成器デバイスに対する潜在的な損傷事象を検出することを含む方法。
【請求項12】
システムであって、
a)高エネルギーイオンビーム生成器デバイスと、
b)アークダウン軽減構成要素であって、前記アークダウン軽減構成要素は、
i)前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイス上に位置付けられている複数のセンサであって、前記複数のセンサは、アークダウン事象に整合する条件を監視するように構成されている、複数のセンサと、
ii)前記複数のセンサと通信する制御ソフトウェアであって、前記制御ソフトウェアは、アラートまたはアラームを生成し、前記アラートまたは前記アラームに応答して、前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスを調節するように構成されている、制御ソフトウェアと
を含む、アークダウン軽減構成要素と
を備えるシステム。
【請求項13】
前記アラームは、自動復旧シーケンスをトリガし、前記自動復旧シーケンスは、ユーザ介入を伴うことなく、前記高エネルギーイオンビーム生成器デバイスを正常動作に戻す、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
請求項12に記載のシステムを用いて、アークダウン事象に応答することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮出願第62/447,685号(2017年1月18日出願)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(分野)
中性子および陽子の低費用、高性能で、堅調な、一貫した、一様な、高効率、かつ高電流/高・中電圧の発生を提供する高エネルギーイオンビーム発生器システムおよび方法が、本明細書で提供される。そのようなシステムおよび方法は、多種多様な研究、医療、セキュリティ、および工業プロセスのための中性子および陽子の商業規模発生のための用途を見出す。
【背景技術】
【0003】
(背景)
粒子加速器は、イオンを通電させ、それらを標的の中へ駆動するデバイスである。中性子発生器は、水素の同位体を融合することによって中性子を生成する粒子加速器の具体的用途である。核融合反応は、重水素、トリチウム、または2つの同位体の混合物のいずれかを、同様に重水素、トリチウム、または同位体の混合物を含む標的の中へ加速することによって、行われる。重水素原子の核融合は、Heイオンおよび中性子の形成における半分の時間をもたらし、他方の半分は、H(トリチウム)イオンおよび陽子の形成をもたらす。重水素およびトリチウム原子の核融合は、Heイオンおよび中性子の形成をもたらす。
【0004】
粒子加速器および中性子発生器は、医療、撮像、工業プロセス(例えば、オンライン分析器、金属清浄度、未加工材料、Al系触媒、エネルギー産生)、材料分析、安全対策(例えば、核物質検出)、研究、教育、探査、セキュリティ(例えば、爆発物検出、化学兵器検出、禁制品検出)、およびイオン注入において、多数の用途を有する。
【0005】
歴史的に、中性子発生は、非常に複雑かつ高価なシステムを伴い、過度のレベルの危険物を発生させるか、または使用するか、または、商業的必要性を満たすためには不十分な中性子出力を提供するかのいずれかであるアプローチを採用してきた。高い中性子レベルを生成することが可能な放射能源は、多くの安全上の考慮事項を要求する、有害量の放射線を含む。中性子はまた、大きい収率を伴うが、実質的な費用および動作の複雑性において、加速器(例えば、サイクロトロン、ファンデグラフ加速器、LINAC)を用いた核反応によって生成されることもできる。重水素・トリチウム(DT)反応を使用する中性子発生器の使用は、安全上の問題のうちのいくつかに対処したが、トリチウム含有量により、密閉を要求し、典型的には、短い寿命を有した。重水素・重水素(DD)中性子発生器の使用の試行は、DT反応と比較したDD反応の約100倍低い融合断面積により、限定された成功をもたらしている。
【0006】
既存のシステムの費用、効率の欠如、安全上の懸念、および耐久性の欠如は、それらが中性子発生器から利益を享受し得る多くの商業的用途における用途を見出すことを妨げてきた。この分野におけるこれらの問題に対処することは、非常に複雑となっており、既存のシステムの日常的な最適化または改変は、有意義もしくは実用的な解決策を提供することができていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
低費用、高性能で、堅調な、一貫した、一様な、低ガス消費量、低燃料消費量、かつ高電流/高・中電圧の中性子および陽子発生を提供する高エネルギーイオンビーム発生器システムおよび方法が、本明細書で提供される。システムおよび方法は、以前に達成されていないスループット、費用、および信頼性のバランスを提供する。そのようなシステムは、とりわけ、半導体およびLED製造等の商業的プロセスのための実行可能な商業規模の中性子および陽子発生を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
高性能の高エネルギーイオンビーム発生器システムおよび方法に個別かつ集合的に寄与する、多重性能増進技術が、本明細書に説明される。別様に明白に記述されない限り、または論理に反しない限り、本明細書に説明される技術の各々は、望ましい性能特徴および特性を伴う発生器を提供するために、相互と組み合わせて使用され得ることを理解されたい。本技術は、便宜上、以下のカテゴリ、すなわち、I)イオン源技術、II)インフラストラクチャ技術、III)高電圧システム技術、IV)中性子生成標的技術、V)自動制御システム技術、ならびにVI)例示的アプリケーションおよびインジケーション内にグループ化される。各グループ内およびグループ間の特定の技術は、組み合わせて使用され得る。
【0009】
個別に、または集合的に、これらの技術は、関連構成要素を有する任意の高エネルギーイオンビーム発生器システムに適用され得る。技術の実施形態を例証するために、特徴の多くは、Phoenix Nuclear Labs,LLC(Monona,Wisconsin)によって採用される高エネルギーイオンビーム発生器との関連で説明される。例えば、米国特許公開第2011/0096887号、第2012/0300890号、および第2016/0163495号、ならびに米国特許第8,837,662号、および第9,024,261号(参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。しかしながら、これらの技術は、Pantechnik(Bayeux,France)、D-Pace(British Columbia,Canada)、Adelphi Tech Inc.(Rosewood City,California)(例えば、米国特許公開第2014/0179978号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)、Starfire Industries,LLC(Champaign,Illinois)(例えば、米国特許第9,008,256号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)、Thermo Fisher Scientific(例えば、米国特許第8,384,018号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)、およびSodern(Limeil-Brevannes,France)によるものを含む、広範囲の高エネルギーイオンビーム発生器およびその構成要素部品に適用され得ることを理解されたい。
【0010】
そのようなシステムの用途は、限定されないが、半導体製造(例えば、光起電半導体用途のためのシリコン割断)、同位体生成および分離、サイクロトロン注入システム、加速器質量分析、セキュリティ(例えば、爆発物検出)、工業的診断および品質管理、ならびに撮像を含む。サイクロトロンは、医療および工業分野を横断して広く使用されている。イオンビームは、半導体業界では、広範囲の設定で使用される。より良好なイオン源は、全ての現代のICベースの技術の構成単位である、回路構成要素のためのより安価、より効率的、かつより効果的な生産技法に変わる。別の実施例では、負イオン源は、磁場閉じ込め核融合エネルギーの分野で用途を見出す。
【0011】
何十年間も、科学者らは、核融合反応に基づくエネルギー源が事実上無害な副生成物とともに本質的に無限量のクリーンエネルギーを潜在的に提供し得るため、それを開発しようとしてきた。核融合エネルギー技術は、過去数十年にわたって大いに前進してきたが、クリーン核融合エネルギー原子炉の開発を妨げてきた、いくつかの技術的課題が、依然として存在する。核融合エネルギーによって直面される1つの課題は、信頼できない高電流負イオン源である。既存の負イオン核融合注入器は、本明細書で議論される欠陥の多くに悩まされる、フィラメントおよび/または磁気結合プラズマを使用する。信頼性のある長い寿命の負イオン源は、イオン源変換効率、寿命、信頼性、および電流出力を著しく増加させる。
【0012】
いくつかの実施形態では、a)i)電磁波入射点を備えている近位端と、ii)電磁波出射点を備えている遠位端と、iii)近位端と遠位端との間に延び、電磁波を伝搬するように構成された外壁とを備えている、導波路と、b)導波路構成要素の内側に位置している逆インピーダンス整合構成要素とを備え、逆インピーダンス整合構成要素は、導波路の遠位端から導波路の近位端に向かって少なくとも途中まで延び、逆インピーダンス整合構成要素は、遠位端と近位端とを備え、インピーダンス整合構成要素の遠位端は、導波路の遠位端またはその近傍に位置し、逆インピーダンス整合構成要素の近位端よりも大きい断面積を有する、デバイスが、本明細書で提供される。
【0013】
ある実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、金属から成る。さらなる実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、水によって冷却されるように構成される。他の実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、導波路の中心線に沿って位置する。追加の実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、導波路の外壁に取り付けられた1つ以上の支持脚部によって支持される。ある実施形態では、電磁波は、マイクロ波である。さらなる実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素の遠位端における断面積は、逆インピーダンス整合構成要素の近位端における断面積の少なくとも2倍、3倍、または4倍大きい。いくつかの実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、断面積が逆インピーダンス整合構成要素の近位端から遠位端まで変化することを可能にする1つ以上の段階(例えば、2、3、4、5、6、7・・・10・・・または20個)を備えている。
【0014】
さらなる実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素は、それによって、断面積が変化することを可能にする、逆インピーダンス整合構成要素の近位端から遠位端までのテーパを備えている。ある実施形態では、逆インピーダンス整合構成要素の遠位端における断面積は、デバイスが加速器システムの一部であるとき、全てまたはほぼ全ての逆流する電子を遮断するために十分に大きい。
【0015】
特定の実施形態では、a)電磁波源と、b)プラズマチャンバと、c)導波路および逆インピーダンス整合構成要素から成る、上記に(および本明細書に)説明されるデバイスとを備えている、システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、導波路の近位端は、電磁波源に動作可能に取り付けられ、導波路の遠位端は、プラズマチャンバに動作可能に取り付けられる。さらなる実施形態では、電磁波源は、マイクロ波源を備えている。
【0016】
いくつかの実施形態では、a)コンピュータプロセッサと、b)1つ以上のコンピュータプログラムとデータベースとを備えている非一過性のコンピュータメモリであって、1つ以上のコンピュータプログラムは、加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアを備えている、非一過性のコンピュータメモリと、c)高エネルギーイオンビームを発生させる(例えば、中性子または陽子を発生させる)加速器システムであって、非一過性のコンピュータメモリと動作可能に通信し、加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアによって自動的に調節されることが可能な以下のうちの1つ以上のサブシステム、すなわち、i)イオン源およびイオン源監視構成要素と、ii)集束ソレノイド磁石および集束ソレノイド磁石監視構成要素と、iii)管開口および管開口監視構成要素と、iv)固体またはガス標的および固体またはガス標的監視構成要素と、v)イオンビーム抽出および二次電子抑制構成要素ならびに抽出および抑制監視構成要素と、vi)ビーム発生サブシステムおよびビーム発生サブシステム監視構成要素と、vii)ビーム集束および操向サブシステムならびにビーム集束および操向サブシステム監視構成要素と、viii)加速器/抵抗器サブシステムおよび加速器/抵抗器サブシステム監視構成要素と、ix)ビーム操向サブシステムおよびビーム操向サブシステム監視構成要素と、x)加圧ガスサブシステム構成要素および加圧ガスサブシステム構成要素監視構成要素とを備えている、加速器システムとを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0017】
ある実施形態では、1)イオン源監視構成要素は、質量流量計、熱電対、冷却剤流量計、および/または圧力計を備え、2)集束ソレノイド監視構成要素は、熱電対、冷却剤流量計、電圧モニタ、および/または電流モニタを備え、3)管開口監視構成要素は、カメラ、熱電対、および/または、冷却剤流量計を備え、4)固体またはガス標的監視構成要素は、カメラ、熱電対、冷却剤流量計、および/または放射線検出器を備え、5)抽出および抑制監視構成要素は、圧力計、熱電対、電流モニタ、および/または電圧モニタを備え、6)ビーム発生サブシステム監視構成要素は、電流モニタおよび/またはエミッタンススキャナを備え、7)加圧ガスサブシステム構成要素監視構成要素は、圧力計および/またはガス分析器を備えている。
【0018】
特定の実施形態では、加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアは、サブシステムの複数の異なる設定値を収集および分析し、そのようなサブシステムのための最適化された設定を計算するように構成される。他の実施形態では、加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアは、サブシステムのうちの1つ以上のものにおける設定値を変更し、加速器システムの性能を少なくとも部分的に最適化するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、a)イオン源プラズマチャンバであって、プラズマチャンバから出射するビームの方向に沿った源軸を有する、プラズマチャンバと、b)少なくとも1つのイオン源磁石(例えば、ソレノイドまたは永久磁石)であって、少なくとも1つのイオン源磁石は、開口部と、少なくとも1つの外壁とを備え、イオン源プラズマチャンバは、少なくとも1つのイオン源磁石の開口部を通して延びている、少なくとも1つのイオン源磁石と、c)少なくとも1つのイオン源磁石の少なくとも1つの外壁に取り付けられているか、またはそれと一体的である少なくとも1つの受け取り構成要素と、d)強磁性エンクロージャであって、少なくとも1つのイオン源磁石およびイオン源プラズマチャンバは、強磁性エンクロージャの内側にあり、少なくとも1つのイオン源磁石は、プラズマチャンバの源軸に沿って強磁性エンクロージャの内側の複数の異なる位置に移動することができ、源軸の方向に沿って延び、受け取り構成要素と整列している少なくとも1つの縦開口部を備えている、強磁性エンクロージャと、e)縦開口部を通して延び、受け取り構成要素に取り付くように構成された少なくとも1つの調節構成要素であって、強磁性エンクロージャの内側の複数の異なる位置において少なくとも1つのイオン源磁石を固定することができる、少なくとも1つの調節構成要素とを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0020】
ある実施形態では、受け取り構成要素は、ねじ山付き金属コネクタ、またはスナップ受け取り器、もしくはピンホールを備えている。特定の実施形態では、調節構成要素は、ねじ山付きボルトを備えている。他の実施形態では、受け取り構成要素は、少なくとも1つのイオン源磁石(例えば、ソレノイド磁石または永久磁石)に接着される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのイオン源磁石は、少なくとも部分的にエポキシに包み込まれる。他の実施形態では、少なくとも1つのイオン源磁石は、2つ、または3つ、もしくは4つのイオン源磁石を備えている。追加の実施形態では、少なくとも1つの縦開口部は、少なくとも2つ、3つ、または4つの縦開口部を備えている。
【0021】
いくつかの実施形態では、a)直上または本明細書の他の場所に説明されるようなシステムを提供することと、b)複数の位置の中の第1の位置から複数の位置の中の第2の位置に少なくとも1つのイオン源磁石(例えば、ソレノイド磁石または永久磁石)を移動させることと、c)少なくとも1つの縦開口部を通して少なくとも1つの受け取り構成要素の中に少なくとも1つの調節構成要素を挿入することと、d)少なくとも1つの調節構成要素を少なくとも1つの受け取り構成要素に固定し、それによって、第2の位置で少なくとも1つのイオン源磁石を固定することとを含む、方法が、本明細書で提供される。ある実施形態では、少なくとも1つのイオン源磁石は、第1および第2のイオン源磁石を備え、第1および第2のイオン源磁石の両方は、第1の位置から第2の位置に移動させられ、第2の位置で固定される。
【0022】
いくつかの実施形態では、高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの金属アセンブリを備えている、製造品であって、金属アセンブリは、加速器システムの中に位置付けられているとき、高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、金属アセンブリは、第1の金属構成要素と、第2の金属構成要素と、充填金属とを備え、充填金属は、継手(例えば、ろう付け継手)において第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付ける、製造品が、本明細書で提供される。
【0023】
ある実施形態では、高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの金属アセンブリを備えている、製造品であって、金属アセンブリは、加速器システムの中に位置付けられているとき、i)高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、ii)真空環境内にあり、金属アセンブリは、i)少なくとも1つの水冷チャネルと、ii)第1の金属構成要素、第2の金属構成要素、および充填金属とを備え、充填金属は、継手(例えば、ろう付け継手)において第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付ける、製造品が、本明細書で提供される。
【0024】
特定の実施形態では、第1および第2の金属構成要素は、高度に熱伝導性の金属(例えば、銅、アルミニウム等)から成る。ある実施形態では、充填金属は、第1および第2の金属構成要素よりも低い融点を有する。特定の実施形態では、第1の金属構成要素は、管板を備え、第2の金属構成要素は、板栓を備えている。特定の実施形態では、充填金属は、BNi-7合金、BNi-6合金、Pd100、Pt100、Ni100、または第1および第2の金属構成要素をともにろう付けするために好適な他の金属もしくは合金から成る。ある実施形態では、第1の金属構成要素は、第1の管、管キャップ、異なる管板、および弁から成る群から選択される第1のアイテムを備え、第2の金属構成要素は、第2の管、管キャップ、異なる管板、および弁から成る群から選択される第2のアイテムを備えている。ある実施形態では、少なくとも1つの水冷チャネルは、少なくとも2つの水冷チャネル(例えば、2、3、4、5、6・・・10・・・または25個の水冷チャネル)を備えている。
【0025】
追加の実施形態では、a)イオンビーム(例えば、高エネルギーイオンビーム)を発生させる加速器システムと、b)金属アセンブリとを備え、金属アセンブリは、i)高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、ii)真空環境内にあるように、加速器システムの中に位置付けられ、金属アセンブリは、第1の金属構成要素と、第2の金属構成要素と、充填金属とを備え、充填金属は、継手(例えば、ろう付け継手)において第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付ける、システムが、本明細書で提供される。
【0026】
いくつかの実施形態では、a)イオンビーム(例えば、高エネルギーイオンビーム)を発生させる加速器システムと、b)金属アセンブリとを備え、金属アセンブリは、i)高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、ii)真空環境内にあるように、加速器システムの中に位置付けられ、金属アセンブリは、i)少なくとも1つの水冷チャネルと、ii)第1の金属構成要素、第2の金属構成要素、および充填金属とを備え、充填金属は、継手(例えば、ろう付け継手)において第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付ける、システムが、本明細書で提供される。
【0027】
ある実施形態では、a)ろう付け技法を使用して、充填金属を用いて第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付け、金属アセンブリを生成することと、b)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの中に金属アセンブリを挿入することであって、金属アセンブリは、高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎるように位置付けられる、こととを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0028】
いくつかの実施形態では、金属アセンブリはさらに、少なくとも1つの水冷チャネルを備えている。他の実施形態では、金属アセンブリはさらに、真空環境内にあるように位置付けられる。
【0029】
いくつかの実施形態では、a)高電圧ドームと、b)高電圧ドームの内側に位置しているイオン源プラズマチャンバと、c)イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結された抽出構成要素と、d)i)高電圧ドームの内側に位置する排気構成要素と、ii)絶縁ホースであって、絶縁ホースの第1の部分は、高電圧ドームの内側に位置し、絶縁ホースの第2の部分は、より低い電圧のエリアにおいて高電圧ドームの外側に位置する、絶縁ホースと、iii)高電圧ドームの内側に位置し、排気構成要素および抽出構成要素に動作可能に連結された第1の真空ポンプであって、抽出構成要素からガスを除去し、ガスを排気構成要素に送達するように構成されている、第1の真空ポンプと、iv)高電圧ドームの内側に位置し、排気構成要素に動作可能に連結された第2の真空ポンプであって、第2の真空ポンプは、第1の圧力において排気構成要素からガスを受け取り、第2の圧力においてガスを絶縁ホースに送達するように構成され、第2の圧力が第1の圧力よりも高い、第2の真空ポンプとを備えている、ガス除去サブシステムとを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0030】
ある実施形態では、システムはさらに、e)外側圧力容器を備え、高電圧ドーム、イオン源プラズマチャンバ、抽出構成要素、排気構成要素、第1の真空ポンプ、第2のポンプ、および絶縁ホースの少なくとも一部は、圧力容器の中に位置する。他の実施形態では、絶縁ホースは、ガスを大気に放出するように構成される。いくつかの実施形態では、ガスは、非イオン化ガスである。他の実施形態では、非イオン化ガスは、重水素ガスである。ある実施形態では、システムはさらに、ガスを備えている。特定の実施形態では、ガスは、非イオン化ガスである。追加の実施形態では、絶縁ホースは、螺旋形状を有する。さらなる実施形態では、絶縁ホースは、約20~30の螺旋形状の巻きを有し、長さが約5~15フィートである。他の実施形態では、第1の真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、イオンポンプ、および高真空ポンプから選択されるポンプを備えている。いくつかの実施形態では、第2の真空ポンプは、粗引ポンプを備えている。他の実施形態では、システムはさらに、e)高電圧ドームの内側に位置する内側圧力容器を備え、第2の真空ポンプは、内側圧力容器の中に位置し、以下の構成要素、すなわち、高電圧ドーム、イオン源プラズマチャンバ、抽出構成要素、および第1の真空ポンプは、ポンプ圧力容器の中に位置しない。
【0031】
いくつかの実施形態では、高電圧ドームおよび抽出構成要素を有する高エネルギーイオンビーム発生システムの中に導入されるように構成されたガス除去サブシステムであって、a)高電圧ドームの内側に位置するように構成された排気構成要素と、b)絶縁ホースであって、絶縁ホースの第1の部分は、高電圧ドーム内の開口部を通して延びているように構成されている、絶縁ホースと、c)高電圧ドームの内側に位置するように構成され、排気構成要素および抽出構成要素に動作可能に連結されるように構成された第1の真空ポンプであって、抽出構成要素からガスを除去し、ガスを排気構成要素に送達するように構成されている、第1の真空ポンプと、d)高電圧ドームの内側に位置するように構成され、排気構成要素に動作可能に連結されるように構成されるように位置する、第2の真空ポンプであって、第2の真空ポンプは、第1の圧力において排気構成要素からガスを受け取り、第2の圧力においてガスを絶縁ホースに送達するように構成され、第2の圧力が第1の圧力よりも高い、第2の真空ポンプとを備えている、ガス除去サブシステムが、本明細書で提供される。
【0032】
特定の実施形態では、a)上記または別様に本明細書に説明されるシステムを提供することと、b)抽出構成要素の中に存在するガスが、i)第1の真空ポンプによって排気構成要素へ除去され、ii)第1の圧力において排気構成要素から第2の真空ポンプによって受け取られ、第1の圧力よりも高い第2の圧力において絶縁ホースに送達され、iii)絶縁ホースによって大気に送達されるように、ガス除去サブシステムをアクティブにすることとを含む、方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、抽出構成要素内のガスは、イオン源プラズマチャンバから抽出構成要素に進行した非イオン化ガスである。
【0033】
いくつかの実施形態では、a)外側圧力容器と、b)外側圧力容器の内側に位置している内側圧力容器と、c)外側圧力容器の内側に位置している排気構成要素であって、排気構成要素の一部はまた、内側圧力容器の中に位置する、排気構成要素と、d)外側圧力容器の内側に位置している絶縁ホースであって、絶縁ホースの一部はまた、内側圧力容器の中に位置する、絶縁ホースと、e)外側圧力容器の内側に位置し、排気構成要素に動作可能に連結された第1の真空ポンプと、f)内側圧力容器の内側に位置し、排気構成要素に動作可能に連結された第2の真空ポンプとを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0034】
ある実施形態では、外側圧力容器は、内側圧力容器内のガスよりも高い圧力においてガスを備えている。いくつかの実施形態では、内側圧力容器内のガスは、ほぼ大気圧にある。さらなる実施形態では、第1の真空ポンプは、高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの抽出構成要素に動作可能に連結されるように構成され、第1の真空ポンプは、抽出構成要素からガスを除去し、ガスを排気構成要素に送達するように構成される。追加の実施形態では、第2の真空ポンプは、第1の圧力において排気構成要素からガスを受け取り、第2の圧力においてガスを絶縁ホースに送達するように構成され、第2の圧力は、第1の圧力よりも高い。ある実施形態では、システムはさらに、抽出構成要素を備えている。さらなる実施形態では、システムはさらに、外側圧力容器の内側に位置しているイオン源プラズマチャンバを備えている。いくつかの実施形態では、抽出構成要素は、イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結される。
【0035】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの中で高電圧において保持された少なくとも1つの高電圧構成要素と、b)少なくとも1つの高電圧構成要素に電気的に連結される(および/または機械的に連結される)、電力構成要素であって、(例えば、接地から電気的に分離される様式で)電力を少なくとも1つの高電圧構成要素に提供する、電力構成要素とを備え、電力構成要素は、Vベルトを備え、Vベルトは、複数の区分(例えば、3・・25・・・100・・・400個の区分)を備え、i)不良な電気導体またはii)非電気導体である、システムが、本明細書で提供される。
【0036】
さらなる実施形態では、Vベルトは、ポリエステル・ポリウレタン複合材料から成る。ある実施形態では、電力構成要素は、モータと、発電機とをさらに備えている。追加の実施形態では、電力構成要素はさらに、モータに動作可能に取り付けられた第1のVベルトプーリと、発電機に動作可能に取り付けられた第2のVベルトプーリとを備えている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの高電圧構成要素は、イオン源プラズマチャンバを備えている。
【0037】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムであって、i)イオン源プラズマチャンバと、ii)マイクロ波を発生させるマイクロ波発生構成要素と、iii)マイクロ波発生構成要素に動作可能に連結された電源と、iv)マイクロ波を受け取り、それらをイオン源プラズマチャンバに送達するために位置付けられた導波路であって、マイクロ波がイオンプラズマチャンバ内のガスに接触すると、イオン源を発生させる、導波路と、v)イオンプラズマチャンバから低エネルギーイオンビームを抽出するようにイオン源プラズマチャンバに動作可能に連結される、イオンビーム抽出構成要素と、iv)加速器カラムと、低エネルギーイオンビームを受け取るための加速器入口開口部と、高エネルギーイオンビームを送達するための加速器出口開口部とを備えている加速器構成要素とを備えている、加速器サブシステムと、b)電源に動作可能に連結された電力変調構成要素であって、電力変調構成要素は、導波路に入射するマイクロ波が、高速でパルス化され、および/または、消滅/発生させられ、それによって、高エネルギーイオンビームを高速でパルス化する、および/または消滅/発生させるように、電源からマイクロ波発生構成要素まで流動する電力を変調するように構成される、電力変調構成要素とを備えている、システムが、本明細書で提供される。ある実施形態では、加速器システムは、直接注入加速器システムである。他の実施形態では、マイクロ波発生構成要素は、マグネトロンから成る。
【0038】
特定の実施形態では、a)上記に(および本明細書に)説明されるシステムを提供することと、b)高エネルギーイオンビームが発生させられ、高エネルギーイオンビームが高速でパルス化され、および/または、消滅/発生させられるように、加速器サブシステムおよび電力変調構成要素をアクティブにすることとを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0039】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる直接注入加速器システムにおいて、加速器カラムの加速器入口から第1の距離にイオンビーム発生構成要素を位置付けることと、b)加速器カラムの入口から第2の距離にイオンビーム発生構成要素を位置付けることであって、第2の距離は、第1の距離と異なり、第2の距離は、直接注入加速器システムの性能を改良する、こととを含む、方法が、本明細書で提供される。ある実施形態では、第1および第2の距離は、10~500mmの範囲内である。
【0040】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる直接注入加速器サブシステムであって、加速器システムは、i)イオン源プラズマチャンバと、ii)マイクロ波を発生させるマイクロ波発生構成要素と、iii)マイクロ波発生構成要素に動作可能に連結された電源と、iv)マイクロ波を受け取り、それらをイオン源プラズマチャンバに送達するために位置付けられた導波路であって、マイクロ波がイオンプラズマチャンバ内のガスに接触すると、イオンビームが発生させられる、導波路と、v)イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結された抽出構成要素と、iv)加速器カラムと、イオンビームを受け取るための加速器入口開口部とを備えている加速器構成要素とを備えている、直接注入加速器サブシステムと、b)真空構成要素であって、抽出構成要素および/または加速器構成要素に動作可能に連結される、真空構成要素であって、抽出構成要素および/または加速器構成要素内の圧力を低減させるように構成される、真空構成要素とを備えている、システムが、本明細書で提供される。特定の実施形態では、圧力の低減は、高エネルギーイオンビームの直径を低減させるレベルにある。
【0041】
いくつかの実施形態では、a)上記に(および本明細書に)説明されるシステムを提供することと、b)高エネルギーイオンビームが、圧力の低減がない場合に有するであろうよりも小さい直径を有するように、高エネルギーイオンビームが発生させられるように、直接注入加速器サブシステムおよび真空構成要素をアクティブにすることとを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムであって、加速器システムは、i)高電圧ドームと、ii)高電圧ドームの内側に位置しているイオンビーム発生構成要素と、iii)加速器カラムを備えている加速器構成要素とを備えている、加速器サブシステムと、b)i)水配管と、水リザーバとを備えている水循環構成要素と、ii)加速器カラムに沿って延びている水抵抗器要素であって、水循環構成要素内の制御伝導度水循環が水抵抗器要素を通過するように、水配管に流体的に連結された、またはそれと一体である非導電性および/または絶縁管類を備えている水抵抗器要素とを備えている、水抵抗器サブシステムとを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0043】
ある実施形態では、システムはさらに、制御伝導度水を備え、制御伝導度水は、i)脱イオン水と、2)脱イオン化(DI)樹脂と、金属塩とから成る。さらなる実施形態では、加速器構成要素はさらに、加速器カラムに沿って延びている複数のグレーディングリングを備えている。追加の実施形態では、絶縁管類は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチレンから成る群から選択される材料から成る。さらなる実施形態では、水循環構成要素はさらに、水ポンプ、熱交換器、および/またはDI樹脂源構成要素を備えている。いくつかの実施形態では、制御伝導度水は、脱イオン水が15メガオーム-cm以上の抵抗率を有するように、十分な量のDI樹脂を含む。さらなる実施形態では、金属塩は、硫酸銅、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、およびチオ硫酸ナトリウムから成る群から選択される。さらなる実施形態では、水抵抗器要素は、最大約300kV DCの電圧に耐え、最大約3kW、または最大約5kWの熱を除却することができる。
【0044】
特定の実施形態では、a)上記の(および本明細書に説明されるような)システムを提供することと、b)高エネルギーイオンビームが発生させられている間、制御伝導度水が水循環構成要素を通して循環し、水抵抗器要素が加速器カラムに沿った電気抵抗器として機能するように、加速器サブシステムおよび水抵抗器サブシステムをアクティブにすることとを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0045】
他の実施形態では、a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムの構成要素に電力を送達するように構成された少なくとも1つの高電圧電力供給源(HVPS)と、b)i)水配管と、水リザーバとを備えている水循環構成要素と、ii)水循環構成要素内の制御伝導度水循環が水抵抗器要素を通過するように、水配管に流体的に連結された、またはそれと一体である非導電性および/または絶縁管類を備えている水抵抗器要素とを備えている、水抵抗器サブシステムとを備えている、システムが、本明細書で提供される。
【0046】
特定の実施形態では、a)上記に説明される(および本明細書に説明されるような)システムを提供することと、b)試験負荷として水抵抗器サブシステムを使用して、少なくとも1つのHVPSを試験することとを含む、方法が、本明細書で提供される。
【0047】
いくつかの実施形態では、a)加速器システムのプラズマレンズ開口における以下のパラメータ、すなわち、ビーム電流、抽出電圧、イオン種比率、最大電場、およびイオン電流密度をソフトウェアアプリケーションに入力することと、b)静電レンズスタックの中の少なくとも1つのレンズの設計のためにソフトウェアから出力を受信することであって、静電レンズスタックは、プラズマレンズと、抽出レンズと、抑制レンズと、出射レンズとを備えている、ことと、c)出力に基づいて少なくとも1つのレンズを加工することとを含む、レンズを設計する方法が、本明細書で提供される。ある実施形態では、ソフトウェアアプリケーションは、PBGUNSソフトウェアアプリケーションを備えている。さらなる実施形態では、少なくとも1つのレンズは、静電レンズスタックの中のレンズのうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てを備えている。さらなる実施形態では、本方法はさらに、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、グリッド精度、経験的に決定されたビーム中和因子、および源プラズマ内の電子およびイオン温度をソフトウェアアプリケーションに入力することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、a)抽出レンズスタックのレンズ間隙の間に位置付けられた複数の絶縁ボール(例えば、アルミナセラミック、窒化アルミニウム、サファイア、ダイヤモンド、または他の酸化物もしくは非酸化物セラミックボール)を有する、抽出レンズスタックを備えている、(例えば、高エネルギーイオンビーム発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、最低3つの絶縁ボールが、各レンズ間隙の間に位置付けられる。いくつかの実施形態では、3つの絶縁ボールは、方位座標において均等に間隔を置かれる。いくつかの実施形態では、レンズスタックは、金属ボルトを用いて一緒に保持される。さらに、着目標的に確実に輸送され得る全電流を増加させながら、例えば、増進した機械的安定性、ビーム品質、および源ならびにビームライン構成要素の保護を提供するように、そのようなシステムを使用して中性子および陽子を発生させる方法が、本明細書で提供される。
【0049】
いくつかの実施形態では、a)固体マトリクスに埋め込まれた反応性種(例えば、重水素またはトリチウム等の反応性水素種)から成る、高電力密度固体標的と、b)冷却構成要素とを備えている、(例えば、中性子発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。固体マトリクスは、限定されないが、チタンを含む、任意の所望の材料から作製され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、冷却構成要素は、閉ループ構成要素である。いくつかの実施形態では、冷却剤流路は、固体標的に統合される。いくつかの実施形態では、システムはさらに、冷却構成要素を通して流動させられる冷却剤を提供する、冷却剤源を備えている。いくつかの実施形態では、冷却剤は、水、グリコール(例えば、(ポリ)エチエレングリコール)、油、ヘリウム、または同等物から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、閉ループ構成要素は、それを通して流動する冷却剤を脱イオン化するための脱イオン化サブ構成要素を備えている。いくつかの実施形態では、閉ループ構成要素は、それを通して流動する冷却剤を濾過するための濾過サブ構成要素を備えている。いくつかの実施形態では、冷却剤構成要素は、標的との接触に先立って冷却剤を予冷するために位置付けられる冷却装置を備えている。
【0051】
いくつかの実施形態では、標的は、冷却剤の影響を最大限にするように、薄い壁を伴って製造される。いくつかの実施形態では、壁は、0.02インチ以下(例えば、0.01インチ)の厚さを有する。いくつかの実施形態では、壁は、銅、銀、金、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される材料から成る。
【0052】
いくつかの実施形態では、標的は、渦巻きを欠いている標的に対して表面積を増加させるための渦巻きを伴う経路を備えている。いくつかの実施形態では、渦巻きは、フィン、またはリブ、もしくはそれらの組み合わせである。
【0053】
いくつかの実施形態では、冷却構成要素は、冷却剤の層流のために構成される。いくつかの実施形態では、冷却構成要素は、不規則な表面特徴(例えば、へこみ、螺旋状くぼみ、またはそれらの組み合わせ)を有するチャネルを備えている。いくつかの実施形態では、冷却剤構成要素は、不規則な表面特徴(例えば、へこみ、螺旋状くぼみ、またはそれらの組み合わせ)を有するチャネルを伴って、冷却剤の層流のために構成される。
【0054】
そのようなシステムを採用する方法もまた、提供される。例えば、いくつかの実施形態では、高電力密度固体標的を用いて中性子を発生させる方法が、上記のシステムのうちのいずれかを使用することによって提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、イオンビームのエネルギーを小さい容積の中へ堆積させることを伴う。
【0055】
いくつかの実施形態では、a)固体標的と、b)真空システムと、c)真空システムと流体連通し、固体標的の近傍に希ガスを放出するように構成された希ガス源とを備えている、(例えば、中性子発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、希ガスは、アルゴンである。さらに、(例えば、固体標的がイオンビームにさらされている間に)固体標的を希ガスにさらすことを含む、中性子発生器固体標的を浄化する方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、希ガスは、1~10立方センチメートル/分で流動させられる。
【0056】
いくつかの実施形態では、a)イオンビームを生成する加速器と、b)イオンビームによって接触されるように位置付けられる、標的(例えば、ガス標的)と、c)加速器および標的を分離する、標的開口と、d)イオンビームを開口に集束させる操向構成要素と、e)標的開口の上流に向いた表面の近傍に位置付けられた複数の熱センサとを備えている、(例えば、中性子発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、複数の熱センサは、開口の軸の周りに90度の間隔で等しく間隔を置かれた4つの熱センサを備えている。いくつかの実施形態では、熱センサは、熱電対(例えば、銅コンスタンタン熱電対)を備えている。いくつかの実施形態では、熱センサは、白金抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、または半導体温度センサである。
【0057】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、センサから温度信号を受信するプロセッサを備えている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、センサからの温度信号を合計し、平均標的開口温度を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、平均標的開口温度に基づいてイオンビーム位置を調節し、標的開口の温度を最小化する。
【0058】
さらに、a)標的開口の周囲の複数の場所において温度を測定することと、b)(例えば、上記のシステムを使用して)イオンビームの位置を操向し、標的開口における温度を最小化することとを含む、イオンビームを中性子発生器システム内の標的開口に操向する方法が、本明細書で提供される。
【0059】
いくつかの実施形態では、a)イオンビームを生成する加速器と、b)イオンビームによって接触されるように位置付けられる、標的(例えば、ガス標的)と、c)加速器およびガス標的を分離している標的開口と、d)開口を横断する圧力差を増加させる逆ガス噴射とを備えている、(例えば、中性子発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、逆ガス噴射は、狭径部間隙と、ノズル角度およびノズル長を有するノズルと、プレナムとを備えている。いくつかの実施形態では、逆ガス噴射は、それが収束した後に広がるノズルを備えている。いくつかの実施形態では、逆ガス噴射は、約3/8インチのノズル開口を備えている。いくつかの実施形態では、逆ガス噴射は、0.01インチ未満の狭径部間隙を備えている。いくつかの実施形態では、逆ガス噴射は、12.5度のノズル角度を備えている。さらに、標的開口において逆ガス噴射を採用することを含む、中性子発生器の標的開口を横断する圧力差を増加させる方法が、本明細書で提供される。
【0060】
いくつかの実施形態では、ビームスクレーパを備え、ビームスクレーパは、モータを使用してイオンビームの経路の中へ移動可能であり、モータは、標的を含む真空容器の外側の発生器システムに搭載される、(例えば、中性子発生器システムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、モータは、磁気的に結合された真空フィードスルー(例えば、直線運動フィードスルー)を介してビームスクレーパに接続される。いくつかの実施形態では、モータ、ビームスクレーパ、およびその間の接続は、ろう付け製造を伴う全金属である。さらに、標的を含む真空容器の外側の発生器システムに搭載されるモータを使用して、イオンビームによって接触される位置の中へビームスクレーパを移動させることを含む、中性子発生器内の標的に衝打するイオンビームの一部を遮断する方法が、本明細書で提供される。
【0061】
いくつかの実施形態では、a)第1のインターロックを有する高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、b)第2のインターロックを有するユーザ制御ステーションとを備え、高エネルギーイオンビーム発生器およびユーザ制御ステーションは、発生器が動作するために安全であることを示すために閉鎖されたままである直列ループ内の複数の通常閉スイッチ、発生器が動作するために安全であることを示すために開放したままである並列ループ内のいくつかの通常開スイッチ、または直列ループおよび並列ループの両方を備えている、光ファイバインターロックを介して接続される、システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、高エネルギーイオンビーム発生器およびユーザ制御ステーションは、互いから電気的に分離される。いくつかの実施形態では、光ファイバインターロックは、周波数発生器を備えている。いくつかの実施形態では、周波数発生器は、設定された周波数において光をパルスにさせる、光ファイバ伝送機をトリガする。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、誤った交差接続を防止するように、チャネル間の相互運用性がない複数のチャネルを有する目的のために、複数の明確に異なる周波数の間で構成可能である。いくつかの実施形態では、システムは、光ファイバインターロックを管理する制御ソフトウェアを備えている。いくつかの実施形態では、制御ソフトウェアは、光ファイバインターロックの多重信号検証プロシージャを動作させる。そのようなシステムを使用する方法も、提供される。いくつかの実施形態では、本方法は、高エネルギーイオンビーム発生器およびユーザ制御ステーションを往復する光ファイバインターロックを介して、情報を他方に伝送することを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、a)ビームを生成する高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、b)損傷軽減構成要素であって、i)デバイス上に位置付けられ、ビームと相互作用し得るデバイスの複数の領域を監視するように構成された複数のセンサと、ii)複数のセンサと通信し、アラートまたはアラームを発生させ、アラートまたはアラームに応答してデバイスを調節するように構成された制御ソフトウェアとを備えている、損傷軽減構成要素とを備えている、(例えば、高エネルギーイオンビームシステムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ以上のものは、デバイスの領域の温度を測定する。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ以上のものは、冷却剤(例えば、水)流率を測定する。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ以上のものは、連続感知モードである。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ以上のものもしくは全ては、超えた場合にアラートまたはアラームを発生させる、それに関連付けられる閾値を有する。いくつかの実施形態では、アラートは、ユーザ警告を備えている。いくつかの実施形態では、アラームは、デバイスシャットダウンまたはリセットをトリガする。いくつかの実施形態では、アラームは、さらなる動作に先立ってデバイスをリセットすることをユーザに要求するラッチアームである。いくつかの実施形態では、制御ソフトウェアは、背景EMIを除外する。いくつかの実施形態では、除外された背景EMIは、それを潜在的に有害な事象と区別するように、所定の閾値持続時間または周波数の下にある。システムを使用する方法も、提供される。いくつかの実施形態では、方法は、システムを使用して、潜在的な損傷事象を検出することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、アラートまたはアラームおよび所望の関連付けられる応答(例えば、警告、自動システムシャットダウン等)を発生させることを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、a)高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、b)アークダウン軽減構成要素であって、i)デバイス上に位置付けられ、アークダウン事象と一致する条件を監視するように構成された複数のセンサと、ii)複数のセンサと通信し、アラートまたはアラームを発生させ、アラートまたはアラームに応答してデバイスを調節するように構成された制御ソフトウェアとを備えている、アークダウン軽減構成要素とを備えている、(例えば、高エネルギーイオンビームシステムで使用するため、またはその一部である)システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、アラームは、ユーザ介入を伴わずにデバイスを正常動作に戻す、自動復旧シーケンスをトリガする。システムを使用する方法も、提供される。いくつかの実施形態では、方法は、システムを使用して、アークシャットダウン事象に応答することを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、高電圧電力供給源(HVPS)設定値を管理する閉ループ制御構成要素を備えている、高エネルギーイオンビーム発生器システムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、構成要素はまた、限定されないが、マイクロ波電力、集束、および操向を含む、1つ以上の他のシステム機能も制御する。いくつかの実施形態では、閉ループ制御構成要素を用いて高電圧電力供給源(HVPS)設定値を管理することを含む、高エネルギーイオンビーム発生器における高エネルギーイオン束出力変動性を制御する方法が、本明細書で提供される。
【0065】
いくつかの実施形態では、高密度ポリエチレン(HDPE)層と、ホウ酸化ポリエチレン層と、金属層(例えば、アルミニウムおよび/または鉛層を備えている)と、カドミウム層とを備えている、コリメータを備えている、中性子ラジオグラフィで使用するための中性子誘導システムが、本明細書で提供される。
【0066】
いくつかの実施形態では、a)中性子源(例えば、2.45MeV中性子源)、b)高密度ポリエチレン(HDPE)層、ホウ酸化ポリエチレン層、金属層(例えば、アルミニウムおよび/または鉛層を備えている)、およびカドミウム層、c)検出器、d)減速材(例えば、黒鉛減速材および/またはaDO減速材)、ならびにe)地下遮蔽(例えば、土、コンクリート、または他の保護層を備えている)のうちの1つ以上のものもしくは全てを備えている、中性子ラジオグラフィのためのシステムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、システムは、高速中性子源と直接整合しない、オフセットコリメータを備えている。
【0067】
さらに、サンプルを上記の方法によって発生させられる中性子にさらすことを含む、サンプルを撮像する方法が、本明細書で提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、半導体製造のためのシステムおよび方法が、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、システムは、半導体材料を保持する構成要素にビームを向かわせる、本明細書に説明されるような高エネルギーイオンビーム(例えば、水素イオンビーム)を発生させる加速器システムを備えている。いくつかの実施形態では、本方法は、半導体材料を、本明細書に説明される高エネルギーイオンビーム発生器システムから発生させられる陽子と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(例えば、注入水素イオンによって形成される割断部位において)半導体材料を割断することによって、薄膜ウエハを生成することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、薄膜ウエハから光起電(PV)ウエハを加工することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、光起電ウエハを備えている、太陽電池パネルを加工することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、光起電ウエハを備えている、発光ダイオード(LED)を加工することを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、薄膜ウエハから発光ダイオード(LED)を加工することを含む。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
デバイスであって、前記デバイスは、
a)導波路であって、前記導波路は、
i)電磁波入射点を備えている近位端と、
ii)電磁波出射点を備えている遠位端と、
iii)前記近位端と前記遠位端との間に延び、電磁波を伝搬するように構成された外壁と
を備えている、導波路と、
b)前記導波路構成要素の内側に位置している逆インピーダンス整合構成要素と
を備え、
前記逆インピーダンス整合構成要素は、前記導波路の前記遠位端から前記導波路の前記近位端に向かって少なくとも途中まで延び、
前記逆インピーダンス整合構成要素は、遠位端と近位端とを備え、前記インピーダンス整合構成要素の前記遠位端は、前記導波路の前記遠位端またはその近傍に位置し、前記逆インピーダンス整合構成要素の前記近位端よりも大きい断面積を有する、デバイス。
(項目2)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、金属を備えている、項目1に記載のデバイス。(項目3)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、水によって冷却されるように構成されている、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、前記導波路の中心線に沿って位置している、項目1に記載のデバイス。
(項目5)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、前記導波路の外壁に取り付けられた1つ以上の支持脚部によって支持されている、項目4に記載のデバイス。
(項目6)
前記電磁波は、マイクロ波である、項目1に記載のデバイス。
(項目7)
前記逆インピーダンス整合構成要素の前記遠位端における断面積は、前記逆インピーダンス整合構成要素の前記近位端における断面積の少なくとも2倍、3倍、または4倍大きい、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、前記断面積が前記逆インピーダンス整合構成要素の前記近位端から前記遠位端まで変化することを可能にする1つ以上の段階を備えている、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記逆インピーダンス整合構成要素は、前記逆インピーダンス整合構成要素の前記近位端から前記遠位端までのテーパを備え、それによって、前記断面積が変化することを可能にする、項目1に記載のデバイス。
(項目10)
前記逆インピーダンス整合構成要素の前記遠位端における断面積は、前記デバイスが加速器システムの一部であるとき、全てまたはほぼ全ての逆流する電子を遮断するために十分に大きい、項目1に記載のデバイス。
(項目11)
a)電磁波源と、
b)プラズマチャンバと、
c)項目1に記載のデバイスと
を備えているシステム。
(項目12)
前記導波路の前記近位端は、前記電磁波源に動作可能に取り付けられ、前記導波路の前記遠位端は、前記プラズマチャンバに動作可能に取り付けられている、項目11に記載のシステム。
(項目13)
前記電磁波源は、マイクロ波源を備えている、項目11に記載のシステム。
(項目14)
システムであって、前記システムは、
a)コンピュータプロセッサと、
b)1つ以上のコンピュータプログラムとデータベースとを備えている非一過性のコンピュータメモリであって、前記1つ以上のコンピュータプログラムは、加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアを備えている、非一過性のコンピュータメモリと、
c)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムと
を備え、
前記加速器システムは、前記非一過性のコンピュータメモリと動作可能に通信し、前記加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアによって自動的に調節されることが可能な以下のサブシステム:
i)イオン源およびイオン源監視構成要素と、
ii)集束ソレノイド磁石および集束ソレノイド磁石監視構成要素と、
iii)管開口および管開口監視構成要素と、
iv)固体またはガス標的、および、固体またはガス標的監視構成要素と、
v)抽出および抑制構成要素、および、抽出および抑制監視構成要素と、
vi)ビーム発生サブシステムおよびビーム発生サブシステム監視構成要素と、
vii)ビーム集束および操向サブシステム、および、ビーム集束および操向サブシステム監視構成要素と、
viii)加速器/抵抗器サブシステムおよび加速器/抵抗器サブシステム監視構成要素と、
ix)ビーム操向サブシステムおよびビーム操向サブシステム監視構成要素と、
x)加圧ガスサブシステム構成要素および加圧ガスサブシステム構成要素監視構成要素と
のうちの1つ以上を備えている、システム。
(項目15)
1)前記イオン源監視構成要素は、質量流量計、熱電対、冷却剤流量計、および/または圧力計を備え、2)前記集束ソレノイド監視構成要素は、熱電対、冷却剤流量計、電圧モニタ、および/または電流モニタを備え、3)前記管開口監視構成要素は、カメラ、熱電対、および/または、冷却剤流量計を備え、4)前記固体またはガス標的監視構成要素は、カメラ、熱電対、冷却剤流量計、および/または放射線検出器を備え、5)前記抽出および抑制監視構成要素は、圧力計、熱電対、電流モニタ、および/または電圧モニタを備え、6)前記ビーム発生サブシステム監視構成要素は、電流モニタおよび/またはエミッタンススキャナを備え、7)前記加圧ガスサブシステム構成要素監視構成要素は、圧力計および/またはガス分析器を備えている、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアは、前記サブシステムの複数の異なる設定値を収集および分析し、そのようなサブシステムのための最適化された設定を計算するように構成されている、項目14に記載のシステム。
(項目17)
前記加速器システム監視および/または最適化ソフトウェアは、前記サブシステムのうちの1つ以上のものにおける前記設定値を変更し、前記加速器システムの性能を少なくとも部分的に最適化するように構成されている、項目16に記載のシステム。
(項目18)
システムであって、前記システムは、
a)イオン源プラズマチャンバであって、前記イオン源プラズマチャンバは、前記プラズマチャンバから出射するビームの方向に沿った源軸を有する、プラズマチャンバと、
b)少なくとも1つのイオン源磁石であって、前記少なくとも1つのイオン源磁石は、開口部と、少なくとも1つの外壁とを備え、前記イオン源プラズマチャンバは、前記少なくとも1つのイオン源磁石の前記開口部を通して延びている、少なくとも1つのイオン源磁石と、
c)前記少なくとも1つのイオン源磁石の前記少なくとも1つの外壁に取り付けられているか、またはそれと一体的である少なくとも1つの受け取り構成要素と、
d)強磁性エンクロージャであって、前記少なくとも1つのイオン源磁石および前記イオン源プラズマチャンバは、前記強磁性エンクロージャの内側にあり、前記少なくとも1つのイオン源磁石は、前記プラズマチャンバの前記源軸に沿って前記強磁性エンクロージャの内側の複数の異なる位置に移動することができ、前記源軸の方向に沿って延び、前記受け取り構成要素と整列している少なくとも1つの縦開口部が存在する、強磁性エンクロージャと、
e)前記縦開口部を通して延び、前記受け取り構成要素に取り付くように構成された少なくとも1つの調節構成要素と
を備え、
前記少なくとも1つの調節構成要素は、前記強磁性エンクロージャの内側の前記複数の異なる位置において前記少なくとも1つのイオン源磁石を固定することができる、
システム。
(項目19)
前記受け取り構成要素は、ねじ山付き金属コネクタを備えている、項目18に記載のシステム。
(項目20)
前記調節構成要素は、ねじ山付きボルトを備えている、項目18に記載のシステム。
(項目21)
前記受け取り構成要素は、前記少なくとも1つのイオン源磁石と一体である、項目18に記載のシステム。
(項目22)
前記少なくとも1つのイオン源磁石は、少なくとも部分的にエポキシに包み込まれている、項目18に記載のシステム。
(項目23)
少なくとも1つのイオン源磁石は、2つのイオン源磁石を備えている、項目18に記載のシステム。
(項目24)
前記少なくとも1つの縦開口部は、少なくとも2つ、3つ、または4つの縦開口部を備えている、項目18に記載のシステム。
(項目25)
方法であって、前記方法は、
a)項目18-24のいずれかに記載のシステムを提供することと、
b)前記複数の位置の中の第1の位置から前記複数の位置の中の第2の位置に前記少なくとも1つのイオン源磁石を移動させることと、
c)前記少なくとも1つの縦開口部を通して前記少なくとも1つの受け取り構成要素の中に前記少なくとも1つの調節構成要素を挿入することと、
d)前記少なくとも1つの調節構成要素を前記少なくとも1つの受け取り構成要素に固定し、それによって、前記第2の位置において前記少なくとも1つのイオン源磁石を固定することと
を含む、方法。
(項目26)
前記少なくとも1つのイオン源磁石は、第1および第2のイオン源磁石を備え、前記第1および第2のイオン源磁石の両方は、第1の位置から第2の位置に移動させられ、前記第2の位置で固定される、項目25に記載の方法。
(項目27)
高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの金属アセンブリを備えている製造品であって、
前記金属アセンブリは、前記加速器システムの中に位置付けられているとき、i)前記高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、ii)真空環境内にあり、
前記金属アセンブリは、i)少なくとも1つの水冷チャネルと、ii)第1の金属構成要素、第2の金属構成要素、および充填金属とを備え、前記充填金属は、継手において前記第1の金属構成要素を前記第2の金属構成要素に取り付ける、製造品。
(項目28)
前記第1および第2の金属構成要素は、高度に熱伝導性の金属を備えている、項目27に記載の製造品。
(項目29)
前記充填金属は、前記第1および第2の金属構成要素よりも低い融点を有する、項目27に記載の製造品。
(項目30)
前記第1の金属構成要素は、管板を備え、前記第2の金属構成要素は、板栓を備えている、項目27に記載の製造品。
(項目31)
前記充填金属は、BNi-7合金を備えている、項目27に記載の製造品。
(項目32)
前記第1の金属構成要素は、第1の管、管キャップ、異なる管板、および弁から成る群から選択される第1のアイテムを備え、前記第2の金属構成要素は、第2の管、管キャップ、異なる管板、および弁から成る群から選択される第2のアイテムを備えている、項目27に記載の製造品。
(項目33)
前記少なくとも1つの水冷チャネルは、少なくとも2つの水冷チャネルを備えている、項目27に記載の製造品。
(項目34)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムと、
b)金属アセンブリと
を備え、
前記金属アセンブリは、前記加速器システムの中に位置付けられ、それによって、前記金属アセンブリは、i)前記高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎり、ii)真空環境内にあり、
前記金属アセンブリは、i)少なくとも1つの水冷チャネルと、ii)第1の金属構成要素、第2の金属構成要素、および充填金属とを備え、前記充填金属は、継手において前記第1の金属構成要素を前記第2の金属構成要素に取り付ける、システム。
(項目35)
方法であって、前記方法は、
a)ろう付け技法を使用して、充填金属を用いて第1の金属構成要素を第2の金属構成要素に取り付け、金属アセンブリを生成することと、
b)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの中に前記金属アセンブリを挿入することと
を含み、
前記金属アセンブリは、前記高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎるように位置付けられる、方法。
(項目36)
前記金属アセンブリは、少なくとも1つの水冷チャネルをさらに備えている、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記金属アセンブリは、真空環境内にあるようにさらに位置付けられる、項目35に記載の方法。
(項目38)
システムであって、前記システムは、
a)高電圧ドームと、
b)前記高電圧ドームの内側に位置しているイオン源プラズマチャンバと、
c)前記イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結された抽出構成要素と、
d)ガス除去サブシステムであって、前記ガス除去サブシステムは、
i)前記高電圧ドームの内側に位置している排気構成要素と、
ii)絶縁ホースであって、前記絶縁ホースの第1の部分は、前記高電圧ドームの内側に位置し、前記絶縁ホースの第2の部分は、より低い電圧のエリアにおいて前記高電圧ドームの外側に位置している、絶縁ホースと、
iii)前記高電圧ドームの内側に位置し、前記排気構成要素および前記抽出構成要素に動作可能に連結された第1の真空ポンプであって、前記第1の真空ポンプは、前記抽出構成要素からガスを除去し、前記ガスを前記排気構成要素に送達するように構成されている、第1の真空ポンプと、
iv)前記高電圧ドームの内側に位置し、前記排気構成要素に動作可能に連結された第2の真空ポンプと
を備えている、ガス除去サブシステムと
を備え、
前記第2の真空ポンプは、第1の圧力において前記排気構成要素から前記ガスを受け取り、第2の圧力において前記ガスを前記絶縁ホースに送達するように構成され、前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも高い、システム。
(項目39)
e)外側圧力容器をさらに備え、前記高電圧ドーム、前記イオン源プラズマチャンバ、前記抽出構成要素、前記排気構成要素、前記第1の真空ポンプ、前記第2のポンプ、および前記絶縁ホースの少なくとも一部は、前記圧力容器の中に位置している、項目38に記載のシステム。
(項目40)
前記絶縁ホースは、前記ガスを大気に放出するように構成されている、項目38に記載のシステム。
(項目41)
前記ガスは、非イオン化ガスである、項目38に記載のシステム。
(項目42)
前記非イオン化ガスは、重水素ガスである、項目41に記載のシステム。
(項目43)
前記ガスをさらに備えている、項目38に記載のシステム。
(項目44)
前記ガスは、非イオン化ガスである、項目43に記載のシステム。
(項目45)
前記絶縁ホースは、螺旋形状を有する、項目38に記載のシステム。
(項目46)
前記絶縁ホースは、約20~30の螺旋形状の巻きを有し、長さが約5~15フィートである、項目45に記載のシステム。
(項目47)
前記第1の真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、イオンポンプ、および高真空ポンプから選択されるポンプを備えている、項目38に記載のシステム。
(項目48)
前記第2の真空ポンプは、粗引ポンプを備えている、項目38に記載のシステム。
(項目49)
e)前記高電圧ドームの内側に位置している内側圧力容器をさらに備え、前記第2の真空ポンプは、前記ポンプ圧力容器の中に位置し、以下の構成要素:前記高電圧ドーム、前記イオン源プラズマチャンバ、前記抽出構成要素、および前記第1の真空ポンプは、前記内側圧力容器の中に位置していない、項目38に記載のシステム。
(項目50)
高電圧ドームおよび抽出構成要素を有する高エネルギーイオンビーム発生システムの中に導入されるように構成されたガス除去サブシステムであって、前記ガス除去サブシステムは、
a)前記高電圧ドームの内側に位置するように構成された排気構成要素と、
b)絶縁ホースであって、前記絶縁ホースの第1の部分は、前記高電圧ドーム内の開口部を通して延びているように構成されている、絶縁ホースと、
c)前記高電圧ドームの内側に位置するように構成され、前記排気構成要素および前記抽出構成要素に動作可能に連結されるように構成された第1の真空ポンプであって、前記第1の真空ポンプは、前記抽出構成要素からガスを除去し、前記ガスを前記排気構成要素に送達するように構成されている、第1の真空ポンプと、
d)前記高電圧ドームの内側に位置するように構成され、前記排気構成要素に動作可能に連結されるように構成された第2の真空ポンプと
を備え、
前記第2の真空ポンプは、第1の圧力において前記排気構成要素から前記ガスを受け取り、第2の圧力において前記ガスを前記絶縁ホースに送達するように構成され、前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも高い、ガス除去サブシステム。
(項目51)
方法であって、前記方法は、
a)項目50に記載のシステムを提供することと、
b)前記ガス除去サブシステムをアクティブにすることと
を含み、
前記抽出構成要素の中に存在するガスは、
i)前記第1の真空ポンプによって前記排気構成要素へ除去され、
ii)前記第2の真空ポンプによって、第1の圧力において前記排気構成要素から受け取られ、前記第1の圧力よりも高い第2の圧力において前記絶縁ホースに送達され、
iii)前記絶縁ホースによって大気に送達される、
方法。
(項目52)
前記抽出構成要素内の前記ガスは、前記イオン源プラズマチャンバから前記抽出構成要素に進行した非イオン化ガスである、項目51に記載の方法。
(項目53)
システムであって、前記システムは、
a)外側圧力容器と、
b)前記外側圧力容器の内側に位置している内側圧力容器と、
c)前記外側圧力容器の内側に位置している排気構成要素であって、前記排気構成要素の一部は、前記内側圧力容器の中にも位置している、排気構成要素と、
d)前記外側圧力容器の内側に位置している絶縁ホースであって、前記絶縁ホースの一部は、前記内側圧力容器の中にも位置している、絶縁ホースと、
e)前記外側圧力容器の内側に位置し、前記排気構成要素に動作可能に連結された第1の真空ポンプと、
f)前記内側圧力容器の内側に位置し、前記排気構成要素に動作可能に連結された第2の真空ポンプと
を備えている、システム。
(項目54)
前記外側圧力容器は、前記内側圧力容器内のガスよりも高い圧力におけるガスを備えている、項目53に記載のシステム。
(項目55)
前記内側圧力容器内の前記ガスは、ほぼ大気圧にある、項目53に記載のシステム。
(項目56)
前記第1の真空ポンプは、高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの抽出構成要素に動作可能に連結されるように構成され、前記第1の真空ポンプは、前記抽出構成要素からガスを除去し、前記ガスを前記排気構成要素に送達するように構成されている、項目53に記載のシステム。
(項目57)
前記第2の真空ポンプは、第1の圧力において前記排気構成要素から前記ガスを受け取り、第2の圧力において前記ガスを前記絶縁ホースに送達するように構成され、前記第2の圧力は、前記第1の圧力よりも高い、項目56に記載のシステム。
(項目58)
前記システムは、抽出構成要素をさらに備えている、項目53に記載のシステム。
(項目59)
前記システムは、前記外側圧力容器の内側に位置しているイオン源プラズマチャンバをさらに備えている、項目58に記載のシステム。
(項目60)
前記抽出構成要素は、前記イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結されている、項目59に記載のシステム。
(項目61)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの中で高電圧において保持された少なくとも1つの高電圧構成要素と、
b)前記少なくとも1つの高電圧構成要素に電気的に連結された電力構成要素と
を備え、
前記電力構成要素は、電力を前記少なくとも1つの高電圧構成要素に提供し、
前記電力構成要素は、Vベルトを備え、
前記Vベルトは、複数の区分を備え、i)不良な電気導体、または、ii)非電気導体である、システム。
(項目62)
前記Vベルトは、ポリエステル・ポリウレタン複合材料を備えている、項目61に記載のシステム。
(項目63)
前記電力構成要素は、モータと、発電機とをさらに備えている、項目61に記載のシステム。
(項目64)
前記電力構成要素は、前記モータに動作可能に取り付けられた第1のVベルトプーリと、前記発電機に動作可能に取り付けられた第2のVベルトプーリとをさらに備えている、項目61に記載のシステム。
(項目65)
前記少なくとも1つの高電圧構成要素は、イオン源プラズマチャンバを備えている、項目61に記載のシステム。
(項目66)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムであって、前記加速器サブシステムは、
i)イオン源プラズマチャンバと、
ii)マイクロ波を発生させるマイクロ波発生構成要素と、
iii)前記マイクロ波発生構成要素に動作可能に連結された電源と、
iv)前記マイクロ波を受け取り、それらを前記イオン源プラズマチャンバに送達するために位置付けられた導波路であって、前記マイクロ波が前記イオンプラズマチャンバ内のガスに接触すると、イオン源を発生させる、導波路と、
v)前記イオンプラズマチャンバから低エネルギーイオンビームを抽出するために前記イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結されたイオンビーム抽出構成要素と、
iv)加速器カラムと、低エネルギーイオンビームを受け取るための加速器入口開口部と、高エネルギーイオンビームを送達するための加速器出口開口部とを備えている加速器構成要素と
を備えている、加速器サブシステムと、
b)前記電源に動作可能に連結された電力変調構成要素と
を備え、
前記電力変調構成要素は、前記電源から前記マイクロ波発生構成要素に流動する電力を変調するように構成され、それによって、前記導波路に入射する前記マイクロ波は、高速でパルス化され、および/または、消滅/発生させられ、それによって、前記高エネルギーイオンビームを高速でパルス化し、および/または、消滅/発生させる、システム。
(項目67)
前記加速器システムは、直接注入加速器システムである、項目66に記載のシステム。(項目68)
前記マイクロ波発生構成要素は、マグネトロンを備えている、項目66に記載のシステム。
(項目69)
方法であって、前記方法は、
a)項目66に記載のシステムを提供することと、
b)前記高エネルギーイオンビームが発生させられ、前記高エネルギーイオンビームが高速でパルス化され、および/または、消滅/発生させられるように、前記加速器サブシステムおよび前記電力変調構成要素をアクティブにすることと
を含む、方法。
(項目70)
方法であって、前記方法は、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる直接注入加速器システムにおいて、加速器カラムの加速器入口から第1の距離にイオンビーム発生構成要素を位置付けることと、
b)加速器カラムの加速器入口から第2の距離に前記イオンビーム発生構成要素を位置付けることと
を含み、
前記第2の距離は、前記第1の距離と異なり、前記第2の距離は、前記直接注入加速器システムの性能を改良する、方法。
(項目71)
前記第1および第2の距離は、20~500mmの範囲内である、項目70に記載の方法。
(項目72)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる直接注入加速器サブシステムであって、前記加速器システムは、
i)イオン源プラズマチャンバと、
ii)マイクロ波を発生させるマイクロ波発生構成要素と、
iii)前記マイクロ波発生構成要素に動作可能に連結された電源と、
iv)前記マイクロ波を受け取り、それらを前記イオン源プラズマチャンバに送達するために位置付けられた導波路であって、前記マイクロ波が前記イオンプラズマチャンバ内のガスに接触すると、イオンビームが発生させられる、導波路と、
v)前記イオン源プラズマチャンバに動作可能に連結された抽出構成要素と、
iv)加速器カラムと、前記イオンビームを受け取るための加速器入口開口部とを備えている加速器構成要素と
を備えている、直接注入加速器サブシステムと、
b)真空構成要素と
を備え、
前記真空構成要素は、前記抽出構成要素および/または前記加速器構成要素に動作可能に連結され、前記真空構成要素は、前記抽出構成要素および/または前記加速器構成要素内の圧力を低減させるように構成されている、システム。
(項目73)
前記圧力の低減は、前記高エネルギーイオンビームの直径を低減させるレベルにある、項目72に記載のシステム。
(項目74)
方法であって、前記方法は、
a)項目72に記載のシステムを提供することと、
b)前記高エネルギーイオンビームが発生させられるように、前記直接注入加速器サブシステムおよび前記真空構成要素をアクティブにすることと
を含み、
前記高エネルギーイオンビームは、前記圧力の低減がない場合にそれが有するであろうよりも小さい直径を有する、方法。
(項目75)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムであって、前記加速器システムは、
i)高電圧ドームと、
ii)前記高電圧ドームの内側に位置しているイオンビーム発生構成要素と、
iii)加速器カラムを備えている加速器構成要素と
を備えている、加速器サブシステムと、
b)水抵抗器サブシステムと
を備え、
前記水抵抗器サブシステムは、
i)水配管と、水リザーバとを備えている水循環構成要素と、
ii)前記加速器カラムに沿って延びている水抵抗器要素と
を備え、
前記水抵抗器要素は、前記水配管に流体的に連結された、またはそれと一体である非導電性管類を備え、それによって、前記水循環構成要素内の制御伝導度水循環は、前記水抵抗器要素を通過する、システム。
(項目76)
前記制御伝導度水をさらに備え、前記制御伝導度水は、i)脱イオン水と、2)脱イオン化(DI)樹脂と、金属塩とを備えている、項目75に記載のシステム。
(項目77)
前記加速器構成要素は、前記加速器カラムに沿って延びている複数のグレーディングリングをさらに備えている、項目75に記載のシステム。
(項目78)
前記絶縁管類は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチレンから成る群から選択される材料を備えている、項目75に記載のシステム。(項目79)
前記水循環構成要素は、水ポンプと、熱交換器とをさらに備えている、項目75に記載のシステム。
(項目80)
前記制御伝導度水は、前記脱イオン水が15メガオーム-cm以上の抵抗率を有するように、十分な量の前記DI樹脂を含む、項目75に記載のシステム。
(項目81)
前記金属塩は、硫酸銅、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、およびチオ硫酸ナトリウムから成る群から選択される、項目75に記載のシステム。
(項目82)
前記水抵抗器要素は、最大約300kV DCの電圧に耐え、最大約3kWの熱を除却することができる、項目75に記載のシステム。
(項目83)
方法であって、前記方法は、
a)項目75に記載のシステムを提供することと、
b)前記加速器サブシステムおよび前記水抵抗器サブシステムをアクティブにすることと
を含み、
前記高エネルギーイオンビームが発生させられている間、前記制御伝導度水は、前記水循環構成要素を通して循環し、前記水抵抗器要素は、前記加速器カラムに沿った電気抵抗器として機能する、方法。
(項目84)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器サブシステムの構成要素に電力を送達するように構成された少なくとも1つの高電圧電力供給源(HVPS)と、
b)水抵抗器サブシステムと
を備え、
前記水抵抗器サブシステムは、
i)水配管と、水リザーバとを備えている水循環構成要素と、
ii)絶縁管類を備えている水抵抗器要素と
を備え、
前記絶縁管類は、前記水配管に流体的に連結され、またはそれと一体であり、それによって、前記水循環構成要素内の制御伝導度水循環は、前記水抵抗器要素を通過する、
システム。
(項目85)
方法であって、前記方法は、
a)項目84に記載のシステムを提供することと、
b)試験負荷として前記水抵抗器サブシステムを使用して、前記少なくとも1つのHVPSを試験することと
を含む、方法。
(項目86)
レンズを設計する方法であって、前記方法は、
a)加速器システムのプラズマレンズ開口における以下のパラメータ:ビーム電流、抽出電圧、イオン種比率、最大電場、およびイオン電流密度をソフトウェアアプリケーションに入力することと、
b)静電レンズスタックの中の少なくとも1つのレンズの設計のための前記ソフトウェアから出力を受信することであって、前記静電レンズスタックは、プラズマレンズと、抽出レンズと、抑制レンズと、出射レンズとを備えている、ことと、
c)前記出力に基づいて前記少なくとも1つのレンズを加工することと
を含む、方法。
(項目87)
前記ソフトウェアアプリケーションは、PBGUNSソフトウェアアプリケーションを備えている、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記少なくとも1つのレンズは、前記静電レンズスタックの中の前記レンズのうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または4つ全てを備えている、項目86に記載の方法。(項目89)
グリッド精度、経験的に決定されたビーム中和因子、および、源プラズマ内の電子およびイオン温度のうちの少なくとも1つを前記ソフトウェアアプリケーションに入力することをさらに含む、項目86に記載の方法。
(項目90)
抽出レンズスタックを備えている高エネルギーイオンビーム発生器システムであって、前記抽出レンズスタックは、前記抽出レンズスタックのレンズ間隙の間に位置付けられた複数の絶縁ボールを有している、高エネルギーイオンビーム発生器システム。
(項目91)
3つの絶縁ボールが、各レンズ間隙の間に位置付けられている、項目90に記載のシステム。
(項目92)
前記3つの絶縁ボールは、方位座標において均等に間隔を置かれている、項目91に記載のシステム。
(項目93)
前記レンズスタックは、金属ボルトを用いて一緒に保持されている、項目90に記載のシステム。
(項目94)
前記絶縁ボールは、アルミナセラミックボールである、項目90に記載のシステム。
(項目95)
項目90-94のいずれかに記載のシステムを使用することを含む中性子または陽子を発生させる方法。
(項目96)
中性子発生器システムであって、前記中性子発生器システムは、
a)固体マトリクスに埋め込まれた反応性水素種を備えている高電力密度固体標的と、
b)冷却構成要素と
を備えている、中性子発生器システム。
(項目97)
前記固体マトリクスは、チタンを備えている、項目96に記載のシステム。
(項目98)
前記反応性水素種は、重水素である、項目96に記載のシステム。
(項目99)
前記反応性水素種は、トリチウムである、項目96に記載のシステム。
(項目100)
前記冷却構成要素は、閉ループ構成要素である、項目96に記載のシステム。
(項目101)
前記冷却構成要素は、冷却剤源を備えている、項目96に記載のシステム。
(項目102)
前記冷却剤は、水である、項目101に記載のシステム。
(項目103)
前記標的は、0.02インチ以下の壁厚を有する、項目96に記載のシステム。
(項目104)
前記壁厚は、0.01インチ以下である、項目103に記載のシステム。
(項目105)
前記壁は、銅、銀、金、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される材料で構成されている、項目103または104に記載のシステム。
(項目106)
前記標的は、渦巻きを備え、前記渦巻きは、前記渦巻きを欠いている標的に対して表面積を増加させる、項目96に記載のシステム。
(項目107)
前記渦巻きは、フィンおよびリブ、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目106に記載のシステム。
(項目108)
前記閉ループ構成要素は、脱イオン化サブ構成要素を備えている、項目100に記載のシステム。
(項目109)
前記閉ループ構成要素は、濾過サブ構成要素を備えている、項目100に記載のシステム。
(項目110)
前記冷却構成要素は、冷却剤の層流のために構成されている、項目96に記載のシステム。
(項目111)
前記冷却構成要素は、不規則な表面特徴を有するチャネルを備えている、項目96に記載のシステム。
(項目112)
前記不規則な表面特徴は、へこみおよび螺旋状くぼみ、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目111に記載のシステム。
(項目113)
前記冷却剤構成要素は、前記標的との接触に先立って冷却剤を予冷するために位置付けられた冷却装置を備えている、項目96に記載のシステム。
(項目114)
項目96-113のいずれかに記載のシステムの使用を含む高電力密度固体標的を用いて中性子を発生させる方法。
(項目115)
システムであって、前記システムは、中性子発生器システムの一部であるか、または中性子発生器システムでの使用のためであり、前記システムは、
a)固体標的と、b)真空システムと、c)前記真空システムと流体連通し、前記固体標的の近傍に希ガスを放出するように構成された希ガス源とを備えている、システム。
(項目116)
希ガスは、アルゴンである、項目115に記載のシステム。
(項目117)
中性子発生器固体標的を浄化する方法であって、前記方法は、前記固体標的がイオンビームにさらされている間、前記固体標的を希ガスにさらすことを含む、方法。
(項目118)
前記希ガスは、アルゴンである、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記希ガスは、1~10立方センチメートル/分で流動させられる、項目117に記載の方法。
(項目120)
中性子発生器システムであって、前記中性子発生器システムは、
a)イオンビームを生成する加速器と、b)前記イオンビームによって接触されるように位置付けられたガス標的と、c)前記加速器および前記ガス標的を分離している標的開口と、d)前記イオンビームを前記開口に集束させる操向構成要素と、e)前記標的開口の上流に向いた表面の近傍に位置付けられた複数の熱センサとを備えている、中性子発生器システム。
(項目121)
前記複数の熱センサは、前記開口の軸の周りに90度の間隔で等しく間隔を置かれた4つの熱センサを備えている、項目120に記載のシステム。
(項目122)
前記センサは、熱電対を備えている、項目120に記載のシステム。
(項目123)
前記熱電対は、銅コンスタンタン熱電対である、項目122に記載のシステム。
(項目124)
前記センサは、白金抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、および半導体温度センサから成る群から選択される、項目120に記載のシステム。
(項目125)
前記センサから温度信号を受信するプロセッサをさらに備えている、項目120に記載のシステム。
(項目126)
前記プロセッサは、前記センサからの温度信号を合計し、平均標的開口温度を生成する、項目125に記載のシステム。
(項目127)
前記プロセッサは、前記平均標的開口温度に基づいて前記イオンビーム位置を調節し、前記標的開口の温度を最小化する、項目126に記載のシステム。
(項目128)
中性子発生器システムにおいてイオンビームを標的開口に操向する方法であって、前記方法は、a)前記標的開口の周囲の複数の場所において温度を測定することと、b)前記標的開口における温度を最小化するようにイオンビームを操向することとを含む、方法。(項目129)
中性子発生器システムであって、前記中性子発生器システムは、a)イオンビームを生成する加速器と、b)前記イオンビームによって接触されるように位置付けられたガス標的と、c)前記加速器および前記ガス標的を分離している標的開口と、d)前記開口を横断する圧力差を増加させる逆ガス噴射とを備えている、中性子発生器システム。
(項目130)
前記逆ガス噴射は、ノズルを備え、前記ノズルは、それが収束した後、広がる、項目129に記載のシステム。
(項目131)
前記逆ガス噴射は、約3/8インチのノズル開口を備えている、項目129に記載のシステム。
(項目132)
前記逆ガス噴射は、0.01インチ未満の狭径部間隙を備えている、項目131に記載のシステム。
(項目133)
前記逆ガス噴射は、12.5度のノズル角度を備えている、項目132に記載のシステム。
(項目134)
中性子発生器の標的開口を横断する圧力差を増加させる方法であって、前記方法は、前記標的開口において逆ガス噴射を採用することを含む、方法。
(項目135)
ビームスクレーパを備えている中性子発生器システムであって、前記ビームスクレーパは、モータを使用してイオンビームの経路の中へ移動可能であり、前記モータは、標的を含む真空容器の外側の前記発生器システムに搭載されている、システム。
(項目136)
前記モータは、磁気的に結合された真空フィードスルーを介して前記ビームスクレーパに接続されている、項目135に記載のシステム。
(項目137)
前記モータ、ビームスクレーパ、およびそれらの間の接続は、ろう付け製造を伴う全金属である、項目135に記載のシステム。
(項目138)
中性子発生器内の標的に衝打するイオンビームの一部を遮断する方法であって、前記方法は、モータを使用してイオンビームによって接触される位置にビームスクレーパを移動させることを含み、前記モータは、前記標的を含む真空容器の外側の前記発生器システムに搭載されている、方法。
(項目139)
システムであって、前記システムは、
a)第1のインターロックを有する高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、
b)第2のインターロックを有するユーザ制御ステーションと
を備え、
前記高エネルギーイオンビーム発生器と前記ユーザ制御ステーションとは、光ファイバインターロックを介して接続され、前記光ファイバインターロックは、前記発生器が動作するために安全であることを示すために閉鎖されたままである直列ループ内の複数の通常閉スイッチ、前記発生器が動作するために安全であることを示すために開放したままである並列ループ内のいくつかの通常開スイッチ、または、前記直列ループおよび前記並列ループの両方を備えている、システム。
(項目140)
前記高エネルギーイオンビーム発生器および前記ユーザ制御ステーションは、互いから電気的に分離されている、項目139に記載のシステム。
(項目141)
前記光ファイバインターロックは、周波数発生器を備えている、項目139に記載のシステム。
(項目142)
前記周波数発生器は、光ファイバ伝送機をトリガし、設定された周波数において光が脈打つようにする、項目141に記載のシステム。
(項目143)
前記システムは、前記光ファイバインターロックを管理する制御ソフトウェアを備えている、項目139に記載のシステム。
(項目144)
前記制御ソフトウェアは、前記光ファイバインターロックの多重信号検証プロシージャを動作させる、項目143に記載のシステム。
(項目145)
方法であって、前記方法は、項目139-144のいずれかに記載のシステムを使用して、前記高エネルギーイオンビーム発生器から前記ユーザ制御ステーションに情報を伝送すること、または前記ユーザ制御ステーションから前記高エネルギーイオンビーム発生器に情報を伝送することを含む、方法。
(項目146)
システムであって、前記システムは、
a)ビームを生成する高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、
b)損傷軽減構成要素と
を備え、
前記損傷軽減構成要素は、
i)前記デバイス上に位置付けられ、前記ビームと相互作用し得る前記デバイスの複数の領域を監視するように構成された複数のセンサと、
ii)前記複数のセンサと通信し、アラートまたはアラームを発生させ、前記アラートまたはアラームに応答して前記デバイスを調節するように構成された制御ソフトウェアと
を備えている、システム。
(項目147)
前記複数のセンサのうちの1つ以上のものは、前記デバイスの領域の温度を測定する、項目146に記載のシステム。
(項目148)
前記複数のセンサのうちの1つ以上のものは、冷却剤流率を測定する、項目146に記載のシステム。
(項目149)
前記センサは、連続感知モードである、項目146に記載のシステム。
(項目150)
各センサは、それに関連付けられた閾値を有し、前記閾値を超えた場合、前記アラートまたはアラームを発生させる、項目146に記載のシステム。
(項目151)
前記アラートは、ユーザ警告を備えている、項目146に記載のシステム。
(項目152)
前記アラームは、デバイスシャットダウンをトリガする、項目146に記載のシステム。
(項目153)
前記アラームは、さらなる動作に先立って前記デバイスをリセットすることをユーザに要求するラッチアームである、項目146に記載のシステム。
(項目154)
前記制御ソフトウェアは、EMIを除外する、項目146に記載のシステム。
(項目155)
前記除外されたEMIは、所定の閾値持続時間または周波数の下にある、項目154に記載のシステム。
(項目156)
項目146-155のいずれかに記載のシステムを使用して、高エネルギーイオンビーム発生器デバイスへの潜在的損傷事象を検出することを含む方法。
(項目157)
システムであって、前記システムは、
a)高エネルギーイオンビーム発生器デバイスと、
b)アークダウン軽減構成要素と
を備え、
前記アークダウン軽減構成要素は、
i)前記デバイス上に位置付けられ、アークダウン事象と一致する条件を監視するように構成された複数のセンサと、
ii)前記複数のセンサと通信し、アラートまたはアラームを発生させ、前記アラートまたはアラームに応答して前記デバイスを調節するように構成された制御ソフトウェアと
を備えている、システム。
(項目158)
前記アラームは、ユーザ介入を伴わずに前記デバイスを正常動作に戻す自動復旧シーケンスをトリガする、項目157に記載のシステム。
(項目159)
項目157-158のいずれかに記載のシステムを使用して、アークダウン事象に応答することを含む方法。
(項目160)
i)高電圧電力供給源(HVPS)設定値、および/または、ii)イオン源電流設定値を管理する閉ループ制御構成要素を備えている高エネルギーイオンビーム発生器システム。
(項目161)
i)閉ループ制御構成要素を用いて高電圧電力供給源(HVPS)設定値を管理すること、および/または、ii)イオン源電流設定値を管理することを含む高エネルギーイオンビーム発生器における中性子束出力変動性を制御する方法。
(項目162)
中性子ラジオグラフィでの使用のための中性子コリメータであって、前記中性子コリメータは、高密度ポリエチレン(HDPE)層と、ホウ酸化ポリエチレン層と、金属層と、カドミウム層とを備えている、中性子コリメータ。
(項目163)
a)中性子源と、b)項目162に記載の中性子コリメータと、c)検出器とを備えている熱中性子ラジオグラフィのためのシステム。
(項目164)
前記コリメータは、それが高速中性子源とまっすぐに整列しないようにオフセットされている、項目163に記載のシステム。
(項目165)
サンプルを撮像する方法であって、前記方法は、項目163または164に記載のシステムによって発生させられる中性子にサンプルをさらすことを含む、方法。
(項目166)
項目1-165のいずれかに記載の高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムを備えている半導体製造システムまたは方法であって、前記加速器システムは、ビームを半導体材料を保持する構成要素に向かわせる、半導体製造システムまたは方法。
(項目167)
項目1-165のいずれかに記載の高エネルギーイオンビーム発生器システムまたは方法から発生させられる陽子と半導体材料を接触させることを含む半導体ウエハを製造する方法。
(項目168)
前記半導体材料を割断することによって、薄膜ウエハを生成するステップをさらに含む、項目167に記載の方法。
(項目169)
前記薄膜ウエハから光起電(PV)ウエハを加工するステップをさらに含む、項目168に記載の方法。
(項目170)
前記光起電ウエハを備えている太陽電池パネルを加工するステップをさらに含む、項目169に記載の方法。
(項目171)
前記薄膜ウエハから発光ダイオード(LED)を加工するステップをさらに含む、項目168に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、標的がガス標的である加速器システムの例示的概略図を示す。
図2図2は、標的が固体標的である加速器システムの例示的概略図を示す。
図3図3A-Bは、金属インピーダンス整合構成要素(2つの段階隆起が示されている)を伴う公知の導波路設計を示し、金属インピーダンス整合構成要素の各々は、そのより狭い寸法の方向に導波路のより広い面から内向きにそれぞれ延びている。図3Aが、断面図である一方で、図3Bは、各段階における電場を示す。
図4図4A-Bは、逆インピーダンス整合構成要素を伴う本開示の例示的導波路設計を示し、逆インピーダンス整合構成要素は、導波路の中央平面から導波路のより広い壁に向かって次第に外向きに延びている。図4Aが、断面図である一方で、図4Bは、各段階における電場を示す。
図5図5は、加速器システムにおけるテレメトリおよび診断の例示的レイアウトを示す。
図6図6は、自動マッピング(左)および閉ループフィードバック(右)のための例示的フローチャートを示す。
図7図7は、自動アルゴリズムによってマップされるイオン源動作相空間の2Dスライスの実施例を示す。
図8図8は、イオン源プラズマチャンバを包囲するソレノイド磁石を調節および固定するための調節システムの例示的実施形態を提供する。
図9図9Aは、一緒にろう付けされる部品を伴う例示的差動管アセンブリを示す。図9Bは、その中に位置する水チャネルを示す例示的差動管板の透視図を示す。図9Cは、例示的差動管板の斜視図を示す。
図10図10は、入れ子圧力容器構成時のガス圧送流の例示的概略図を提供し、粗引ポンプは、外側(より大型の)圧力容器の内側の内側(より小型の)圧力容器の内側に位置し、それによって、粗引ポンプは、異なる圧力(例えば、大気圧)において動作し得る。
図11図11は、プラズマチャンバに入射するマイクロ波を変調する(ファラデーカップを用いて測定される)変調マグネトロンからのパルスビームの実施例を示す。
図12図12Aは、直接注入高勾配加速器内のビーム軌道のシミュレーションの実施例を示す。70mA重水素、300keV加速器、39kV抽出。結果として生じるビームは、概して、より低いエミッタンスを有するが、より大きい発散を有する。図12Bは、低勾配加速器の前のドリフト長および静電抑制ならびにドリフト領域を伴う同一のビームのシミュレーションの実施例を示す。70mA重水素、300keV加速器、39kV抽出。結果として生じるビームは、より大きいエミッタンスを有するが、より低い発散を有する。
図13図13は、例示的な能動的に冷却された水の抵抗器システムを示す。
図14図14は、レンズ設計ソフトウェアアプリケーションのための例示的ユーザインターフェースを示す。
図15図15は、PBGUNSからのサンプルビーム軌道プロットを示す。
図16図16は、電子抑制要素の電気的分離および整合のための精密セラミックボールの例示的使用を示す。
図17図17は、乱流誘発構造を特徴とする液体冷却固体標的の一実施形態を示し、それは、平滑表面を中断するためのくぼんだ穴を伴う複数の並列フィンを備えている。左パネルは、上面図を示す。右パネルは、識別された断面の平面を伴う断面図を示す。
図18図18は、固体標的の流体冷却チャネル内の乱流を誘発する不規則な特徴の実施例を示す。
図19図19は、時間の関数としてチタンめっき標的からの中性子収率のグラフを示す。
図20図20は、標的開口を通したイオンビームの集束および/または操向のためのシステムの例示的構成を示す。
図21図21は、逆ガス流噴射の概略図を示す。
図22図22は、例示的ビームスクレーパ構成を示す。
図23図23は、電気的に分離された高エネルギーイオンビーム発生器とユーザ制御ステーションとの間の通信のための例示的光ファイバインターロック配列を示す。
図24図24は、熱中性子ラジオグラフィ用途のための減速材、コリメータ、および撮像エンクロージャの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
加速器システムの例示的構成要素が、以下の節、すなわち、I.イオン源、II.インフラストラクチャ、III.高電圧システム、IV.標的を生成する中性子、V.自動制御システム、VI.診断、およびVII.加速器システムのための使用で、より詳細に説明される。
【0071】
(I.イオン源)
本明細書で提供されるイオン源は、プラズマチャンバマイクロ波導波路フィードと、動作パラメータ最適化技法と、源磁石搭載機構と、水冷ビームライン構成要素を製造するためのろう付けの使用とを含む、いくつかの構成要素を含む。これらの改良の各々が、順に議論されるであろう。
【0072】
(A.「逆」導波路)
電磁波源(例えば、マイクロ波源)と(例えば、より大型の加速器システムの一部としての)プラズマチャンバとの間に位置付けられたとき、電子の逆流を防止することに役立つ、逆インピーダンス整合構成要素(例えば、階段状隆起が、外部構造に組み込まれるのではなく導波路の中心に搭載されるという意味で逆転される)を含む、導波路が、本明細書で提供される。逆インピーダンス整合構成要素は、逆構成要素が、ある実施形態では、導波路の中央平面からより広い壁に向かって次第に外向きに延びている(図4)ため、概して、従来の従来技術インピーダンス整合技法に対して「逆」または「裏返し」と見なされる。ある実施形態では、逆導波路は、a)i)電磁波入射点を備えている近位端と、ii)電磁波出射点を備えている遠位端と、iii)近位端と遠位端との間に延び、電磁波を伝搬するように構成された外壁とを備えている、導波路と、b)導波路構成要素の内側に位置している逆インピーダンス整合構成要素とを備えている、デバイスを備え、逆インピーダンス整合構成要素は、導波路の遠位端から導波路の近位端に向かって少なくとも途中まで延び、逆インピーダンス整合構成要素は、遠位端と近位端とを備え、インピーダンス整合構成要素の遠位端は、導波路の遠位端またはその近傍に位置し、逆インピーダンス整合構成要素の近位端よりも大きい断面積を有する。
【0073】
マイクロ波イオン源では、プラズマチャンバは、所望のガス(例えば、水素、重水素等)、磁場、およびマイクロ波電力を供給される。マイクロ波は、ビーム出射開口の反対の端部においてチャンバに入射する導波路を通して、プラズマチャンバに送達される。磁場は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件が、ビーム出射開口の近傍で満たされる、すなわち、その場所における電子サイクロトロン周波数が、印加されたマイクロ波の周波数に合致するように、成形される。例えば、
【数1】


であり、式中、qは、電子電荷であり、Bは、磁束密度であり、mは、電子の質量である。
【0074】
磁場幾何学形状に起因して、マイクロ波電力はまた、プラズマチャンバに到達する前に、導波路内のECR領域に吸収され得る。これは、真空下で導波路を保ち、セラミックディスクを使用して、それをプラズマチャンバ内のガスから分離することによって、防止される。当技術分野では、導波路は、導波路と源チャンバ内のプラズマとの間のインピーダンス不整合を低減させるように設計される、セラミックディスクにおいてそれらの最大限に達するためにガイドの広い面から範囲が増加する一対の階段状隆起の形態で、インピーダンス変換のための機構を含んでもよい(図3参照)。
【0075】
背景として、加速器システムの抽出および加速領域中で作成される電子は、イオンビーム出射開口を通してイオン源プラズマチャンバに入射し、高いエネルギーでプラズマチャンバの反対端においてセラミック絶縁体に衝突することができる。これらの電子が絶縁体を通して穴を焼いて開ける場合、プラズマ内の作業ガスは、導波路に流入することができ、そこで、マイクロ波を吸収し、本領域中でプラズマ形成をもたらし得る。これは、イオン源プラズマを駆動するために利用可能なマイクロ波電力を削減し、イオン源の安定性に影響を及ぼし、最大抽出可能ビーム電流を低下させる。セラミックの穴が十分に大きくなる場合、導波路の過熱はまた、その構成要素を損傷し、全体的なシステムの信頼性および寿命に影響を及ぼし得る。
【0076】
本明細書に説明される(例えば、図4)逆導波路は、セラミックディスクを穿孔し得る、逆流電子をさえぎるように設計され、これは、別様に導波路内のプラズマ形成につながり、マイクロ波電力の損失に起因して、源チャンバ内のプラズマ密度およびビーム電流を低減させる一方で、おそらく、過剰な加熱に起因して、導波路を損傷するであろう。ある実施形態では、電子が、ディスクを損傷することによってそれを損傷せず、意図的にインピーダンス整合構成要素に直接影響を及ぼすように、穴が、セラミックディスクの中に提供される。
【0077】
したがって、いくつかの実施形態では、プラズマチャンバの中へマイクロ波電力を効率的に結合しながら、損傷することなく逆流電子をさえぎるように位置する、逆インピーダンス整合構成要素(例えば、水冷金属表面)が、本明細書で提供される。導波路段階隆起の公知の設計は、図3に示されるように、それらが外側導波路壁に電気的かつ機械的に取り付けられ、その広い面の中心からガイドの中へ対称的に延び、ガイドの幅の一部にわたって延びているという点で、従来的である。導波路内の電場の配向および対称性に起因して、ある実施形態では、図4に図示されるように、隆起の間で中央平面に沿ってそれを半分に分割し、中央平面を横断して2つの半分を転置することが可能である。本対称性は、隆起の各段階において適用され、階段状設計の電気的性能を維持し、導波路のインピーダンスをプラズマチャンバに合致させる。他のアプローチも、導波路内のインピーダンス整合構成要素の典型的配向を逆転させるために使用され得る。
【0078】
本明細書で提供される、結果として生じる逆型設計は、低電場領域中にあるため、マイクロ波伝搬を摂動しない、支持構成要素によって、チャンバの側面から支持される、プラズマチャンバの軸上の逆流電子の経路内で実質的な金属塊(図4Bの最右部分である大きい断面積を参照)を提供する。これらの支持構成要素(例えば、脚部)は、例えば、低電力用途のための固体金属であり得る、または例えば、示されるような離散段階の形態であり得る、もしくは平滑にテーパ化する形状の形態をとり得る、インピーダンス整合構成要素を水冷するための中空管であり得る。
【0079】
ある実施形態では、一方の支持脚部によるプラズマチャンバから離れたマイクロ波電力の反射が、他方の支持脚部によって反射される電力によって大部分が打ち消され、第2の反射が等しい波規模および反対の波相を有するように、分離を伴って、支持脚部の2つのセットが、図4Aに示されるように使用される。代替として、いくつかの実施形態では、反射規模が低電力用途において重要ではない場合、単一の支持脚部が、使用され得る。
【0080】
ある実施形態では、逆流電子が入射するインピーダンス整合構成要素の面は、必要に応じて、高電力用途のための耐熱金属挿入物を装備される、または低電力用途においてより低い融点の高熱伝導率金属として残され得る。
【0081】
従来技術では、インピーダンス整合構成要素(例えば、金属段階(段階隆起)の2つのセットから成り得る)の各々は、その各半分が導波路の狭い寸法の半分によって内向きに平行移動させられる、そのより狭い寸法の方向へ導波路のより広い面から内向きに延びている(図3)。
【0082】
(B.動作パラメータ最適化)
ある実施形態では、本明細書に説明される加速器システムまたはサブシステムは、性能を改良するように最適化される。一般に、加速器システムは、多数の結合された非線形サブシステムから成る。これらは、限定されないが、イオン源磁石位置および電流と、イオン源マイクロ波電力と、イオン源ガス流と、ビーム抽出電圧と、加速器電圧と、集束ソレノイド電流と、操向磁石電流と、ガス標的圧力とを含む。システム全体は、概して、複雑すぎるため、先験的に直接モデル化または予測することができない。加えて、システムの個々のインスタンスの間のわずかな差異、例えば、ビームラインの整合は、システム性能に大きな影響を及ぼし得、予測モデルに組み込むことが困難である。したがって、最終システム最適化は、通常、経験的結果に依拠する。本プロセスは、概して、システムのピーク性能を取得するために熟練した経験豊富なオペレータを要求し、オペレータエラーに起因する構成要素の損傷の危険性を伴う。本開示の実施形態は、最適化のための自動および部分的自動プロセスを提供することによって、これらの問題に対処する。
【0083】
システムの最終最適化のための自動プロセスは、損傷の危険性を最小化し、熟練したオペレータの必要性を排除しながら、再現可能な性能を提供する。ある実施形態では、加速器システムまたはサブシステムは、限定されないが、システムの状態を自動的に査定し、本最適化プロセス中に構成要素を損傷し得る状態でシステムが動作することを防止する、熱電対、カメラ、ならびに電圧および電流モニタを含む、1つ以上の保護/監視構成要素を含んでもよい。図5は、イオン源質量流量計および圧力計と、イオン源熱電対および冷却剤流量計と、集束ソレノイド熱電対、冷却剤流量計、電圧モニタ、および電流モニタと、開口カメラ、熱電対、および冷却剤流量計と、標的カメラ、熱電対、冷却剤流量計、および放射線検出器と、抽出および抑制圧力計、熱電対、電流モニタ、ならびに電圧モニタと、電流モニタおよびエミッタンススキャナ等のビーム診断構成要素と、圧力計と、ガス分析器とを含む、例示的保護および監視構成要素を提供する。
【0084】
ある実施形態では、これらの監視構成要素は、監視された加速器システム構成要素への自動調節を可能にする、中央コンピュータ起動制御ソフトウェアと通信する。例えば、本プロセス中に、1つ以上のシステムパラメータは、関連システム出力が監視されている間に、自動的に制御および調節される。これは、個々のシステムの動作相空間がマップされることを可能にする。そのようなマップは、最も安定した動作点がシステムの範囲全体にわたって見出されることを可能にする。いったんマップされると、制御システムは、熟練したオペレータを必要とすることなく、閉ループPID(比例・積分・微分)アルゴリズムを自動的に使用し、必要に応じてこれらの安定した動作点に戻ることができる。監視構成要素からのフィードバックを中央コンピュータシステムに提供し、加速器システムの部品が種々の構成要素を損傷し得る条件で動作することを防止する、コンピュータ実装制御論理の一実施例が、図6に示される。
【0085】
いくつかの実施形態では、イオン源サブシステムは、監視構成要素を用いて監視される。最初に、監視構成要素を実装することに先立って、ビーム電流等の性能メトリックが記録されている間に、イオン源磁石位置および電流、イオン源マイクロ波電力、イオン源ガス流、ならびに抽出電圧等の各パラメータが、手動で個別に調節された。これは、動作相空間の限定されたマッピングをもたらした。本手動プロセスは、時間がかかり、動作空間の小さいサブセットのみが、妥当な周期で追求されることができた。手動方法はまた、特に、自動健全性監視およびインターロックシステムが実装されていないとき、構成要素を損傷する傾向がある。これらの限界に対処し始めるために、アルゴリズム(図6のもの等)が、図7に示される実施例によって図示されるように、そのような手動最適化行程中に収集されるデータを後処理して取り出し、動作相空間をマップするために開発された。本部分的自動化は、プロセスの効率および再現性を改良したが、システムが動作している間にリアルタイム結果を可能にしない。ある実施形態では、所与の設定値における長期動作を追跡し、長期安定性統計を収集するために採用される、監視構成要素もまた、最も安定した動作点を定量的に決定するためにシステムに組み込まれることができる。
【0086】
(C.磁石集中/搭載)
イオン源における精密な磁場プロファイルが、プラズマの中へマイクロ波電力を適切に結合するための重要な因子であるため、イオン源磁石のわずかな物理的移動は、源性能の大きな変化を引き起こし得る。したがって、試験および最適化のために要求される通りに、これらの磁石の場所を調節および固定するため、ならびにシステムによる微妙な変動を考慮するための調節システムおよび構成要素が、本明細書で提供される。イオン源プラズマチャンバを包囲するソレノイド磁石を調節および固定するための調節システムの一例示的実施形態が、図8に示される。本実施形態では、各イオン源ソレノイド磁石は、磁石を1つ以上の取り付け構成要素(例えば、ねじ山付き金属特徴)に堅く結合するために使用される、エポキシに包み込まれる。磁石は、イオン源領域中で磁場を集中させ、任意の外部磁場からイオン源を遮蔽する、強磁性エンクロージャの内側に位置する。強磁性エンクロージャは、その側面に沿ってスロットを有し、エンクロージャの外側から各磁石アセンブリのねじ山付き金属特徴へのボルトの取り付けを可能にする。源軸の軸に沿った各磁石の場所は、したがって、スロットに沿ってボルトを移動させることによって調節され、エンクロージャに対してボルトを緊締することによって定位置で固定されることができる。したがって、定位置でイオン源ソレノイド磁石の位置付けおよび固定の両方を行うための信頼性のある比較的低費用の方法およびシステムが、本明細書で提供される。
【0087】
(D.ろう付けおよび水冷)
ある実施形態では、加速器システムの中に位置付けられているとき、高エネルギーイオンビームを部分的にさえぎる、金属アセンブリ(例えば、低コンダクタンス金属から成る)が、本明細書で提供され、金属アセンブリは、i)少なくとも1つの水冷チャネルと、ii)第1の金属構成要素、第2の金属構成要素、および充填金属とを備え、該充填金属は、継手(例えば、ろう付け継手)において該第1の金属構成要素を該第2の金属構成要素に取り付ける。
【0088】
(例えば、ガス状標的を伴う)構成では、真空システムを横断する大きい圧力差が、標的からビームラインまでのガス流を限定する、低コンダクタンス金属開口によって維持される。イオンビームの縁領域中の高エネルギーイオンは、開口上に大量のエネルギーを堆積させ、これは、過剰な加熱および恒久的損傷につながり得る。
【0089】
図9Aは、ともにろう付けされる部品を伴う例示的差動管アセンブリを示す。図9Aは、以下の部品、すなわち、差動管板(1)、第1の差動管(2)、第2の差動管(3)、ターボシャドウ(4)、開口管キャップ(5)、一対の開口管ロッド(6)、および複数の板栓(7)を示す。図9Bは、その中に位置する水チャネルを示す、例示的差動管板の透視図を示す。図9Cは、例示的差動管板の斜視図を示す。
【0090】
本明細書に開示される実施形態の開発中に行われた研究は、ビームを部分的にさえぎり得る金属部品から熱を除去するための効率的な方法として、水冷を識別した。ビームの高電力密度、およびビームならびにこれらの構成要素が存在する真空環境に起因して、特別な考慮事項が、水冷を実装するときに考慮されなければならない。
【0091】
システムの信頼性は、高度に熱伝導性の金属(例えば、銅、アルミニウム)を使用し、ビームによる影響を受け得る構成要素を加工することによって、および水冷チャネルをこれらの部品に追加し、それらが融解することを防止することによって、有意に改良することが見出されている。これらの構成要素は、多くの場合、複雑な形状を有する必要がなく、高度に熱伝導性の材料は、溶接することが困難であるため、ろう付けが、水が流入するための空間を残しながら、部品をともに継合するための最良の方法であること決定されている。これは、水チャネル形状が複雑になり、全ての重要面積に到達することを可能にするだけではなく、ベース金属の高い熱伝導率を維持する、強力な全貫通継手も作成する。いくつかの他の技法よりも高価であるが、これは、真空内にある水冷部品にとって非常に問題である、水漏出に対して高い信頼性を提供する。
【0092】
最初に、本明細書に説明される実施形態の開発中に行われた研究では、これらの構成要素は、銅、タングステン、アルミニウム、またはステンレス鋼から作製されたが、冷却がなかったため、たとえビームの縁のみをさえぎったとしても、長い期間にわたって存続しなかったことを留意されたい。水冷チャネルが、後に追加され、NPT栓で密閉されたが、温度がポリマーを分解するために十分に高かったため、ねじ山シーラントは、高真空環境の中への漏出を防止することに効果的ではなかった。Oリングは、高温に関する類似問題を有する。(例えば、水チャネルを作成するように掘削された穴を充填するために)定位置に金属栓をろう付けすることが、優れた解決策である。ある実施形態では、水チャネルではなく、またはそれに加えて、熱パイプが、廃熱を除去するために採用される。特定の実施形態では、真空ポンプ等の他の高価な機器を損傷し得る、より少ない漏出が存在し得るため、全体的な加速器システムの信頼性は、水冷チャネルを伴うろう付けアセンブリを使用することによって改良される。
【0093】
(II.イオン源インフラストラクチャ)
ある実施形態では、イオン源インフラストラクチャは、その改良された挙動に寄与する、いくつかの改良を有する。これらは、例えば、高電圧における真空ポンプの実装、高電圧におけるある構成要素の動作のための入れ子式圧力容器、および高電圧における構成要素への電力伝送のためのVベルトの使用を含む。これらの改良の各々が、順に議論されるであろう。
【0094】
(A.高電圧における真空ポンプ)
プラズマチャンバの中へ送給されるガスの一部は、マイクロ波によってイオン化されず、強力な電場が印加される、抽出および加速領域の中へ偏流する。中性ガスの存在は、通常、高電圧アークの可能性を増加させ、これは、システムの動作を妨害し、高電圧電力供給源において故障状態を誘起し、ビームライン構成要素の寿命を低下させ得る。さらに、ビーム中のイオンは、ビーム品質を劣化させる、またはイオン電流を低減させる、散乱または電荷交換事象等の背景中性ガスを用いた原子および分子プロセスを受けることができる。
【0095】
これらの問題を踏まえて、抽出領域からの非イオン化ガスの除去を可能にするシステムおよび方法が、本明細書で提供される。ある実施形態では、イオン源領域は、高電圧ドームの内側で、イオン源の直接上に第1の真空ポンプ(例えば、小型ターボ分子真空ポンプ)を搭載することを可能にし、プラズマ源から抽出領域に進入するガスを除去するように設計される。しかしながら、真空ポンプからの排気は、イオン源が常駐する、高圧力絶縁ガス充填エンクロージャの中へ放出されることができない。本二次問題を解決するために、真空ポンプ排気は、第2の真空ポンプ(例えば、小型粗引ポンプ)を用いてより高い圧力に圧縮され、次いで、高電圧端と接地との間に延びている絶縁ホースの中へ通過される。ある実施形態では、絶縁ホースは、その電圧破壊定格を増加させるように、螺旋形状で巻装される。接地端では、ガスは、通常の真空ポンプシステムのように大気に放出される。高電圧を横断して排気ガスを圧送することは、一般的ではなく、解決策は、実装の困難に起因して反直感的であるが、絶縁ガス充填エンクロージャを使用するとき、抽出および加速領域からのガスの除去を可能にする。イオン源領域の直接上で圧送することは、プラズマ源から漏出ガスの大部分を除去し、抽出領域中の圧力を低減させる。これは、使用され得る最大電圧を増加させ、アークを低減させ、長期信頼性を増加させ、より良好なビーム品質を可能にする。これはまた、ガス流要件にかかわらず、イオン源領域が設計されることを可能にし、設計柔軟性を増加させる。
【0096】
従来技術設計は、加速器の接地端における真空ポンプを使用したが、ガスは、通常、高電圧で保持される、イオン源端において注入されることに留意されたい。その構成では、イオン源および加速器は、高ガス流を有し、ガスが加速器から逃散することを可能にするように、慎重に設計される必要があった。そのような設計を用いても、システムの基礎物理は、イオン源領域中で達成可能な真空レベルを限定し、使用され得る最大電圧を限定し、アーク周波数を増加させ、これは、安定性および長期動作に有害である。
【0097】
(B.圧力容器内の圧力容器)
高電圧において保持される必要がある機器は、通常、破壊的で潜在的に損傷を与えるアーク放電事象を最小化するために、絶縁ガス充電圧力容器の内側の平滑な形状の高電圧ドームの中に封入される。しかしながら、いくつかの補助構成要素は、加圧環境では正しく動作することができない。したがって、高電圧における信頼性のある動作のために圧力容器の内側に位置する必要があるが、高圧力環境では動作することができない、構成要素(例えば、粗引ポンプ)が、公称大気圧まで加圧され、管を介してより大型の(外側)圧力容器の外部に接続される、より小型の(内側)圧力容器の中に設置される、解決策が、本明細書で提供される。
【0098】
例えば、上記の節で説明されるように、粗引ポンプが、抽出領域からガスを除去するためにイオン源に追加されるターボ分子ポンプを支援するために、使用される。粗引ポンプは、より大型の(外側)圧力ポンプによって生成される加圧環境ではなく、大気圧において最良に機能する(例えば、図1のSF圧力容器を参照)。したがって、図10に示されるように、粗引ポンプが、異なる圧力(例えば、大気圧)において動作し得るように、外側(より大型の)圧力容器の内側の内側(より小型の)圧力容器の内側に位置する、入れ子圧力容器構成が、提供される。本開示の実施形態の開発中に行なわれた研究では、加圧環境内で粗引ポンプを動作させる試行が、ポンプの中へのガス漏出につながるため、ポンプが一層活発に稼働する必要があったことに留意されたい。また、内側圧力容器内で粗引ポンプを使用しないと、これは、ターボ分子ポンプを通して逆流し、真空システムを汚染するガスにつながり得る。
【0099】
(C.Vベルト)
高電圧において保持される構成要素のための電力は、接地から電気的に分離される様式で供給される必要がある。本エネルギーを提供するための従来技術は、絶縁シャフトまたはベルトによって駆動される絶縁変圧器および発生器を含んでいる。電力伝達用途のために生産されている殆どのベルトは、それらの中に埋め込まれた鋼ケーブル、ポリマーに追加される大量の炭素、または両方のいずれかを有する。これらの特徴の両方は、それらがベルトを効果的な電気導体にするため、それらが電圧分離要件を維持することを防止する。他のベルトは、容易に電気を伝導しないが、それらは、通常、弱すぎるため、大量の伝送された電力を取り扱うことができないか、または経時的により伝導性になり、ベルトの破壊および故障につながることが観察されているかのいずれかである。
【0100】
a)高エネルギーイオンビームを発生させる加速器システムの中で高電圧において保持された少なくとも1つの高電圧構成要素と、b)少なくとも1つの高電圧構成要素に電気的に連結された電力構成要素であって、(例えば、接地から電気的に分離される様式で)電力を少なくとも1つの高電圧構成要素に提供する、電力構成要素とを備え、電力構成要素は、Vベルトを備え、Vベルトは、複数の区分(例えば、3・・25・・・100・・・400個の区分)を備え、i)不良な電気導体またはii)非電気導体である、システムを提供することによって、本問題の解決策が、本明細書で提供される。
【0101】
伝達される電力負荷を取り扱うこと、および必要な電気的分離を維持することの両方を行い得る、Vベルトが、識別されている。例えば、Fenner 電力TWIST等のセグメント型Vベルトが、電圧間隙を横断して大量の電力を正常に伝送することが見出された。
【0102】
(III.高電圧システム)
種々の実施形態では、高電圧システムは、その改良された挙動に寄与する、いくつかの改良を有する。これらは、直接イオン注入、能動的冷却水抵抗器、理想的な静電レンズ設計プロセス、電子抑制要素の電気的分離および整合のための精密絶縁ボールの使用を含む。これらの改良の各々が、順に議論されるであろう。
【0103】
(A.直接イオン注入)
多くのビームラインは、イオン源と加速器との間に位置する構成要素を要求する。本低エネルギービーム輸送(LEBT)部分は、ビームがプラズマ源から出射すると受け入れ、要求されるビームパラメータを伴う加速器にそれを送達する。典型的には、LEBTは、限定されないが、分析磁石、集束要素、電子抑制要素、およびビームチョッパを含む。そのような構成要素は、プラズマ源から抽出されるビームが、加速器によって受け入れられるために十分に高い高品質ではない場合、必要である。そのようなLEBT構成要素は、システムのサイズ、費用、および複雑性を増加させる。増加した複雑性は、概して、より低い信頼性かつあまり堅調ではないシステムにつながる。加えて、ビーム中の空間電荷の増加に起因して、これらの問題は、概して、高電流DCビームラインに関して、より顕著になる。
【0104】
LEBT構成要素に関するこれらの可能性として考えられる問題に照らして、いくつかの実施形態では、いかなるLEBT構成要素も採用しない直接イオン注入システムが、本明細書で提供される。直接イオン注入のみを提供するために、マイクロ波電力を迅速に変調すること、ドリフト長(イオン源と加速器カラムへの入口との間の距離)を改変すること、加速器カラム内の圧力を低減させること、(例えば、上記および本明細書に説明される第1および第2の真空ポンプを使用して)高電圧面積内の圧力を低減させることを含む、種々の解決策が、採用される。
【0105】
マイクロ波イオン源に特徴的である高い原子分率は、イオン源と加速器との間の種分析磁石の必要性を排除することができる。ビームライン内の十分な真空ポンプは、背景イオン化およびイオン源と加速器との間の静電電子抑制の必要性を排除する。これは、本明細書で解説されるように、加速器の高電圧端においてポンプを追加することによって、さらに促進される。
【0106】
フィラメントに基づくもの等の多くのイオン源技術は、熱プロセスに依拠し、オンおよびオフになることが比較的遅い。そのような源を用いると、抽出または加速高電圧電力供給は、ビームを迅速に変調するために分路される、または切り替えられなければならない。これは、概して、信頼性を低減させながら、複雑性および費用を追加する。
【0107】
ある実施形態では、マイクロ波イオン源は、駆動マイクロ波電力を制御することによって、迅速に直接変調される。これは、抽出および加速高電圧電力供給源が定常のままである間に、ビームが高速でパルス化または消滅されることを可能にする。そのような機能性は、ビームチョッパ、キッカ、または高電圧切り替え回路を必要とすることなく、システム試運転および機械保護を可能にする。図11は、プラズマチャンバに入射するマイクロ波を変調する、(ファラデーカップを用いて測定される)変調マグネトロンからのパルスビームの実施例を示す。
【0108】
直接注入アーキテクチャでは、イオン源から抽出されるビームは、12Aに図示されるように、即時に加速器に入射する。本幾何学形状は、ドリフト長を最小化し、したがって、空間電荷に起因するビーム直径の増加を低減させる。イオンビーム直径は、ソレノイド集束要素にとって重要な因子である。イオン源と加速器との間のドリフト長を改変することによって、ビーム直径および発散を制御する能力は、したがって、イオン源、加速器、集束要素、および標的を合致させることによって、全ビームラインを設計するとき、より良好な性能を可能にする。したがって、ある実施形態では、ドリフト長は、直接注入アーキテクチャを最適化するように改変(延長または短縮)される。
【0109】
「ドリフト長」は、外部電磁場がない領域中でビームが進行する物理的距離である。これは、主要システム図内の抽出/抑制/出射レンズ群と加速器カラムの入口との間の物理的距離に対応する。これは、LEBTが非直接注入システムで使用されるであろう、同一の場所である。
【0110】
加速器の前のドリフト長の実施例は、図12Bでは、20~500mmに示される。
【0111】
無電磁場ドリフト領域では、ビームは、背景自由電子によって大部分が中和され、空間電荷効果は、有意に低減される。これらの条件下で、イオン源から抽出されるビームのエンベロープは、一定の頂角を伴う円錐として近似されることができる。したがって、ドリフト領域の端部において加速器に入射するビームの直径は、本拡張角と併せてドリフト領域の長さによって決定されることができる。
【0112】
加速器における球面収差および空間電荷効果は、ビームの直径に依存し、イオン源と加速器との間のドリフト領域の長さをシステムの性能において重要な因子にする。
【0113】
確実に動作するために、直接注入システムは、概して、典型的には、熟練のオペレータによる長期的試運転プロセスを要求する、より微調整されたイオン源を要求することに留意されたい。本明細書で解説されるように、自動システム同調アルゴリズムは、そのようなプロセスの速度および信頼性を増加させる。任意の故障もまた、概して、本明細書で解説される自動復旧システムによって、オペレータ介入を伴わずに自動的に処理されることができる。これは、そのような一過性の事象によって引き起こされる任意の損傷または休止時間を効果的に最小化する、もしくは排除することができる。
【0114】
イオン源と加速器カラムとの間の電子抑制構成要素の排除は、概して、背景中性子または加速器壁との相互作用に起因する、加速器の中で生成される任意の電子が、高エネルギーにおいてイオン源の中へ戻るように搬送されることを可能にする。これは、イオン源構成要素への損傷をもたらし、それらの寿命を短縮し、不必要な負荷を高電圧電力供給源にかけ、それらの費用を増加させ得る。
【0115】
十分に最適化されたシステムでは、任意の加速器表面に衝突するごくわずかなレベルのビーム電流が存在するであろう。有害な逆流電子の大部分は、したがって、背景中性子との相互作用によって生成されるため、加速器内の圧力を(上記で議論されるように)低減させることは、これらの問題を最小化する。本明細書で詳細に解説されるように、イオン源と加速器との間に静電抑制レンズ(下記でさらに説明される)を伴うシステムの高電圧領域中の真空ポンプ能力を増加させることは、背景圧力を減少させ、したがって、逆流電子流を低減させる一方で、システム信頼性および安定性を改良するための効果的な方法であることが見出されている。類似ポンプを直接注入システムの高電圧端に追加することは、ある実施形態では、全体的安定性をさらに改良し、加速器構成要素の寿命を増加させるはずである。イオン源を反応させる逆流電子の悪影響は、本明細書で詳細に議論される、いわゆる逆導波路を用いて、さらに軽減されることができる。
【0116】
上記で議論される技術を使用すること等により、直接イオン注入を実装することは、ビーム直径を縮小し、高電流イオンビームのためのビーム輸送を改良することができる。ビーム特性を同調させることは、差動ポンプシステム上のより小さい開口、より長いビーム輸送距離、または下流高エネルギー加速器の中へのより良好な受入を可能にすることができる。一般に、より小さいビームサイズおよび開口は、ガス標的にとって重要である。また、より長い輸送は、限定されないが、加速器駆動未臨界アセンブリを含む、イオン源から大きい距離に位置する必要がある、標的にとって重要である。また、下流加速器の中への受入は、高エネルギー物理研究所にとって重要である。
【0117】
(B.能動的冷却水抵抗器)
高電圧電力供給源(HVPS)が、加速器システムの構成要素を起動するために使用される。そのようなHVPSを試験するとき、出力を試験負荷に接続し、HVPSが仕様を満たすことを確実にする必要がある。試験負荷は、最大300kV DCの電圧に耐え、最大30kW、または約3kW、もしくは約5kWの熱を除却する必要がある。そのような試験負荷を構築することは、異なる負荷において動作するために複数の高価な特殊抵抗器を購入することを要求する。
【0118】
また、ある加速器は、一連の抵抗器から成る抵抗器分割器を使用し、加速器に沿って電圧を均一に分割し、アーク放電を防止し、イオンビームを適切に加速するための一様な電場を与える。従来の抵抗器は、高電圧のために定格され、嵩張り、限定された電力損失を有し、これは、加速器の性能を限定する。
【0119】
ある実施形態では、最大300kVの電圧および最大30kWの電力レベルにおいてHVPSを試験するために使用されている、再循環する高電力の高電圧水抵抗器または試験負荷が、本明細書で提供される。同一の概念はまた、静電加速器のための柔軟な高電圧等級抵抗器としても使用されている(図13参照)。
【0120】
これらのシステムおよび方法は、抵抗要素として再循環制御伝導度水を使用する。絶縁管類(例えば、プラスチック管類)が、接地電極と高電圧電極との間に接続される。水ポンプは、リザーバから水を取り込み、電極を通してそれを循環させ、熱交換器を通して、放散された熱を除去し、リザーバに戻す。
【0121】
脱イオン化(DI)樹脂が、水の伝導度を低減させるために使用され、希釈金属塩溶液が、必要に応じて伝導度を増加させるために使用される。水の伝導度を能動的に制御することによって、抵抗は、広範囲にわたって変化されることができる。使用されるDI樹脂は、概して、15メガオーム-cm以上の抵抗率の脱イオン水を生成することが可能である。本樹脂は、多くの場合、等量の水素形態強酸性カチオン樹脂および水酸化物形態強塩基性アニオン樹脂から成る、「混床式」樹脂として商業的に提供される。
【0122】
水抵抗器の電圧定格は、絶縁管の長さを調節し、所望に応じて破壊電圧を増加または減少させることによって、変更されることができる。抵抗器の電力容量は、管類の直径および水流率を選定することによって調節されため、水は、設計電力定格において沸点を超えない。
【0123】
本開示の実施形態の開発中に、軟質ビニル管類が、高電圧アークに起因してピンホール漏出を発生させたことが見出された。非導電性管類のための好適な材料は、限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびポリエチレンを含む。使用され得る金属塩は、限定されないが、硫酸銅、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウムを含む。
【0124】
これらのシステムの例示的実施形態は、以下の通りである。水抵抗器は、最初に、脱イオン水を充填される。本理由により、水抵抗器の構築で使用される材料は、DI水システムに適合するはずである。一般に、最良の性能のために、システム内の全ての金属は、同一であるべきであるが、これは、例えば、銅、アルミニウム、またはステンレス鋼のいずれかであり得る。一般に、金属タイプを混合することは、腐食を増進し、構成要素の寿命を短縮する。抵抗を減少させるために使用される金属塩は、選択される金属に適合するべきであり、例えば、硫酸銅が、銅と併用され、塩化アンモニウムが、ステンレスと併用される等である。15または18MΩ-cmの混床式DI樹脂が、溶液から過剰なイオンを除去し、抵抗を増加させるために使用される。ある実施形態では、以下、すなわち、ステンレス電極、ステンレス熱交換器、硫酸マグネシウム塩、および15MΩ-cm色変化DI樹脂が、採用される。
【0125】
高電力・高電圧負荷のための稼働する例示的用途では、システムは、以下の通りである。絶縁管類は、0.95cmの内径、90.0cmの長さの2本のポリカーボネート管類であった。DI樹脂は、ResinTech MBD-30指示樹脂であった。銅管が、希釈食塩水への電気接続を行うために使用された。電解質は、硫酸銅であった。
【0126】
試験負荷の抵抗は、R=rhoL/Aとして計算され、式中、rhoは、抵抗率であり、Lは、管長であり、Aは、管面積である。18メガオーム-cm抵抗率の純DI水を用いると、試験負荷抵抗は、R=18e6オーム-cm90cm/0.71平方cm.=4.6e9オームであった。本高抵抗は、本質的にゼロ負荷であり、全電圧ゼロ負荷試験が行われることを可能にした。
【0127】
硫酸銅が、次いで、抵抗率を2960オーム-cmまで減少させるように追加され、これは、750キロオームの抵抗を生じた。これは、試験負荷が150kV、200mAにおいて動作されることを可能にした。30kWの消費電力が、熱交換器を通した水を冷却するために除却された。
【0128】
ある実施形態では、PLC/ソフトウェア制御は、システムを完全に自動化し、オペレータが抵抗を選択することを可能にし、システムは、温度または伝導度のわずかなドリフトを自動的に補償するであろう。加えて、大気中酸素またはCOが水に接触することを防止するための密閉システムまたは他の方法は、より少ない消耗品を要求すること、またはサービス間隔の間の時間を増加させることによって、化学的安定性を増加させ、システムの寿命を延長するであろう。
【0129】
(C.レンズ設計)
静電レンズスタックが、マイクロ波プラズマ源からイオンを抽出し、それらをビームに形成するために使用される。静電レンズスタックは、i)プラズマレンズ、ii)抽出レンズ、iii)抑制レンズ、およびiv)出射レンズから成る。レンズの精密な形状は、電流密度、スポットサイズ、発散、およびエミッタンスの観点から、所与の源パラメータおよび印加電圧におけるビーム性能に影響を及ぼす。これらは、システムの堅調性、全抽出電流、および高電圧要件に影響を及ぼす。プロセスが、最大印加電圧および電場等の動作制約を受ける下流構成要素(例えば、加速器カラム、集束ソレノイド、または低コンダクタンス開口)を通して伝搬するにつれて所望の性質のビームを取得するための適切なレンズを決定するために、要求される。
【0130】
ある実施形態では、所望のビーム性質を考慮して、プラズマおよび抽出レンズのための公称上理想的なプロファイルを決定する、内部コンピュータコードを用いて開始するレンズ設計プロセスが、本明細書で提供される。これはまた、ファイルを生成し、抽出システムおよび下流構成要素を通してイオンビーム輸送を刺激するために使用される市販のプログラムである、PBGUNS(粒子ビームGUNシミュレーション)に計算されたレンズ幾何学形状を入力する。図14は、レンズ設計ソフトウェアアプリケーションのための例示的ユーザインターフェースを示す。
【0131】
PBGUNSは、ビーム軌道および結果を出力し、設計されるレンズスタックの好適性を確認するために使用されることができ、またはビーム品質、したがって、全体的なシステムの性能を最適化するように幾何学形状に行われ得る変更を示唆する。図15は、PBGUNSからのサンプルビーム軌道プロットを示す。
【0132】
レンズ形状決定コードへの入力は、プラズマレンズ開口におけるビーム電流、抽出電圧、イオン種比率、最大電場、およびイオン電流密度である。コードは、ビームの外側のゼロ電荷に関する方程式(ラプラスの方程式)を満たし、ビームの縁において2つの領域の間で合致する解を生じさせながら、プラズマと抽出レンズとの間に球状に収束する空間電荷限定イオン流をもたらす、レンズを出力する。
【0133】
PBGUNSは、システムの幾何学形状以外にも多くの入力を有する。これらは、グリッド精度、経験的に決定されたビーム中和因子、および源プラズマ内の電子およびイオン温度を含む。プログラムは、ビーム軌道プロット、ならびに具体的軸方向場所における相空間プロットおよびエミッタンス計算を出力する。ある限定されたビームレットデータもまた、起動あたりの単一の軸方向場所に関して出力され、これは、結果をより詳細に後処理するために使用されることができる。
【0134】
ある実施形態では、他のプログラムが、(例えば、いくつかの用途にとって重要であり得る、プラズマ源から抽出され得る全電流を増加させるための多重開口抽出システムを考慮する場合)3D構成をシミュレートすることを可能にするレンズを設計するために使用される。IBSIMU等の他のソフトウェアパッケージも、PBGUNSより速く2D幾何学形状も起動しながら3D構成を可能にするが、全計算は、あまり正確ではない場合がある。
【0135】
(D.抑制要素の実装)高エネルギーイオンビーム発生器は、抽出レンズに対して負にバイアスをかけられ、それから直接下流に位置する抑制電極を伴い、その後に抽出レンズと電気的に接触する出射電極が続く、抽出レンズスタックを採用してもよい。静電電位の結果として生じる低下は、(例えば、固体表面からのイオン化または二次電子放出によって)下流に作成される電子が高エネルギーまで加速され、源構成要素を損傷することを防止する。閉じ込められた電子はまた、イオンビームの空間電荷補償により効果的に寄与し、ビームサイズ、発散、およびエミッタンスを低減させ得る。そのようなレンズスタックは、したがって、システムの信頼性を増進し、ビーム品質を改良し、標的に輸送され得る全電流を増加させ、さらなる稼働時間およびスループットをもたらす。
【0136】
レンズスタック内の電極をともに整合および保持しながら、それらの間の高電圧に耐えるために使用される構成要素が、本明細書で提供される。本機構は、機械的に堅調であり、電気絶縁を提供し、超高真空に適合し、高温での温度のために定格され、バランスを保つための基準の複雑なセットである。
【0137】
いくつかの実施形態では、絶縁ボール(例えば、セラミックボール)が、例えば、図16に示されるように、ともに積み重ねられた各一対の電極上の円錐形くぼみの間に押圧される。いくつかの実施形態では、レンズ間隙毎に、3つの絶縁ボール(例えば、セラミッボール)が、完全に画定された平面上で機械的接触を達成するように、方位座標において均等に間隔を置かれる。それらの高度な球対称および直径公差を考慮すると、3つのセラミックボールの反対側に対してしっかりと押圧される2つの電極が、他の幾何学形状と比較して残留自由度を有していないため、セラミックボールは、レンズの自己整合を可能にする。
【0138】
セラミックボールは、超高真空、非常に高い温度のために定格され、非常に硬質かつ剛性であり、高い誘電強度を有し、高電圧において使用するための絶縁を提供する。いくつかの実施形態では、レンズスタック全体は、抽出電極と出射電極が同一の静電電位において保持され、それらの間の電気的接触が所望されるため、これらの間の金属ボルトによって保持される。金属ボルトはまた、セラミックボルトよりもはるかに耐久性がある。
【0139】
セラミックボールは、直径の非常に高い精度(約0.1%)および球形度(約0.01%)を伴って比較的低費用において、既製の構成要素として容易に製造される、または利用可能である。セラミックボールは、多くの場合、大部分はアルミナから作製され、1,000℃超の温度のために定格されるが、他の材料も使用され得る。
【0140】
精密セラミックボールを使用する前に、セラミックボルト、ナット、およびワッシャが使用された。これらは、真空、高温、および高電圧動作のために定格されることができる。しかしながら、それらは、特にレンズスタックの軸が水平に配向されるとき、剪断応力の影響を受けやすいため、脆く、容易に破壊し得る。また、電極内の貫通孔が、必然的にボルトねじ山の外径よりも大きいため、レンズは、自己整合がそのタイプのアセンブリの特徴ではないように、最低でも2自由度を有する。
【0141】
精密セラミックボールの使用は、高電圧、高温、および超高真空における使用を可能にしながら、レンズ間の固有の自己整合を加えた、抑制電極を使用する抽出レンズスタックの機械的に堅調なアセンブリを可能にしている。本構成要素は、機械的安定性、ビーム品質、および源ならびにビームライン構成要素の保護の観点から、全体的なシステムの信頼性を改良することに役立つ一方で、着目標的に確実に輸送され得る全電流を増加させる。
【0142】
(IV.中性子生成標的)
いくつかの進歩が、その例示的性能に寄与する中性子生成標的システムに対して遂げられている。これらは、A)固体標的のための能動冷却、B)アルゴンスパッタ浄化プロセス、C)ガス状標的システム内の管開口上に熱負荷を分配するための機構、D)逆ガス噴射、およびE)ビームスクレーパの実装を含む。
【0143】
(A.高電力密度固体標的冷却)
加速器駆動中性子発生器システムに関して、イオンビームエネルギーの大部分は、核反応ではなく標的加熱をもたらす。高収率システムは、必然的に、高電力イオンビーム、および標的において生成される結果として生じる大きい熱負荷の除去を要求する。
【0144】
固体標的は、非反応性材料の固体マトリクスに埋め込まれた、反応性種、典型的には、重水素またはトリチウムから成る。そのような非反応性マトリクスは、概して、イオンビームとの任意の相互作用が、廃熱のみをもたらし、いかなる所望の核反応ももたらさないであろうため、発生器の効率をさらに低減させるであろう。加えて、固体標的の高い密度は、概して、入射イオンビームのための短い停止距離につながり、標的の中へ堆積される高体積電力密度をもたらす。
【0145】
所望の中性子が核融合反応を通して生成される容積は、ビームイオンが堆積される標的内の容積によって画定される。限定されないが、高速中性子ラジオグラフィを含む、ある用途に関して、点状中性子源が、より高品質の画像を提供するために望ましい。これは、標的上の小さいイオンビームスポットサイズに対応する。
【0146】
ある期間で生成される中性子の数によって測定される所与の全中性子収率に関して、面積あたりの時間あたりの中性子の数によって測定される中性子束は、概して、標的内の中性子生成容積が低減されるにつれて増加される。高中性子束が、限定されないが、中性子活性化分析および原子炉構成要素のための材料試験を含む、用途のために望ましい。
【0147】
限定されないが、上記に説明されるものを含む、理由により、小さい容積の中へイオンビームのエネルギーを堆積させることは、加速器駆動中性子発生器の性能のために望ましい。ビーム集束要素が、標的上のスポットサイズを空間電荷効果によって限定されるほぼ恣意的に小さい面積まで縮小するために、使用されることができる。実践では、達成可能なスポットサイズは、固体標的の中へのイオンビームの高電力堆積によって限定される。
【0148】
水素同位体の核の間の核融合反応を介した加速器駆動中性子生成の用途に関して、チタン等の高水素貯蔵容量を伴う固体標的材料が、高い中性子収率のために望ましい。重水素またはトリチウムが、原位置で、またはオーブン焼成プロセスにおいて、ビームによって直接標的に埋め込まれる。
【0149】
融解およびアブレーションを含む機構を通した固体標的の物理的破壊以外に、重水素またはトリチウム核反応を利用する固体標的中性子発生器は、拡散が標的材料内からの水素の損失につながる温度を下回って維持されなければならない。概して、金属水素化物の水素蒸気圧は、摂氏約250度を上回る温度において非常に高い。
【0150】
一般に、イオンビーム標的のための2つの基礎的冷却要件がある。第1に、ビームによって堆積される全平均電力は、およそ熱時定数の時系列にわたって標的アセンブリのバルク加熱を防止するように除却されるべきである。第2に、標的材料に入射するビームの瞬間電力密度は、即時の局所的材料損傷を防止するために十分低くあるべきである。
【0151】
平均イオンビーム電力は、ビーム電流、ビームエネルギー、およびデューティサイクルの積によって決定される。本値は、典型的には、本明細書に説明される例示的システムのうちのいくつかでは約数千~数万ワットであるが、同一の原理が、より高い電力レベルにも適用される。結果として生じた定常状態バルク温度上昇は、冷却剤の質量流率および比熱によって決定される。本第1の要件は、限定されないが、水、グリコール、または油を含む、冷却剤の中程度の質量流率(例えば、10~100ガロン/分の冷却剤)を用いて容易に満たされる。
【0152】
体積電力密度に関する第2の要件は、概して、高性能システムに関して達成することがより困難である。入射ビーム電力は、ビームスポットサイズおよび標的内のビームの停止電力によって画定される細い表面容積の中へ堆積される。本電力は、除去される前に、標的材料を通して冷却剤の中へ伝達しなければならない。界面における熱伝達は、部分的に、材料、幾何学形状、表面条件、および冷却剤流体動態によって画定される。
【0153】
標的温度は、核融合反応のために要求される、埋込水素および水素化物の損失を防止するように、摂氏約250度を下回って保たれるべきである。これは、最小化された標的壁厚、高熱伝導率材料、増加した冷却剤表面積、乱流冷却剤流、および清浄な冷却剤チャネル表面を用いて遂行される。
【0154】
開ループ水冷を使用する初期システムの性能は、経時的に劣化することが見出された。冷却チャネル内に蓄積する鉱質沈着物の非常に低い熱伝導率を考慮すると、極めて薄い層さえも、熱伝達および結果として生じる標的表面温度に有意な影響を及ぼす。標的において固有の高温は、冷却剤流を制限し、冷却容量を低減させ、暴走故障モードを生成し得る、鉱質沈着物の沈殿を増加させる傾向がある。
【0155】
能動的に濾過および脱イオン化された冷却剤を用いた閉ループ冷却は、寿命を延長し、標的の性能を改良しながら、標的内のそのような沈着物を防止する。
【0156】
固体標的上の電力密度を低減させるための1つのアプローチは、イオンビームが高い偏心率および増加した表面積を伴う楕円にわたって堆積されるように、斜角でそれを位置付けることである。単一傾斜面、傾斜面のアレイ、または円錐を利用する、多くの標的が、試験された。そのような幾何学形状は、中性子生成が一次用途ではない、高電力ビーム停止部上で使用される。本方法を使用する標的は、必然的により大きく、より高価かつ複雑であり、概して、より補助的なハードウェアを要求する。これは、そのようなアプローチを、点状中性子源を要求するシステムまたはコンパクトで容易に可搬式のシステムにとって望ましくなくする。
【0157】
標的サイズを縮小するために、標的上のビームスポットサイズは、縮小されなければならず、より高い電力密度をもたらす。これらの条件下で標的表面温度要件を維持するために、より効率的な熱伝達が必要とされる。いくつかの実施形態では、標的壁は、最小限の厚さである(例えば、0.005~0.020インチ、例えば、0.010インチ)。本寸法は、冷却剤チャネル圧力を含むために必要な構造的完全性によって限定される。ビームの電力をさえぎる標的表面と冷却剤との間の温度差は、標的壁の厚さおよび壁材料の熱伝導率に比例する。したがって、標的および冷却チャネル壁の材料および物理的構造の両方が、固体標的の性能を決定する。標的壁厚を縮小することは、したがって、より低い標的表面温度を可能にする。理想的な壁材料は、高い熱伝導率、高い引張強度、および高い機械加工性を有する。そのような材料は、限定されないが、銅、銀、金、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素、またはそれらの組み合わせを含む。
【0158】
加えて、有効表面積は、フィン、リブ、または他の渦巻きの追加を通して増加される。そのような特徴は、より薄い壁を可能にする標的の構造強度を増加させることができる。特徴は、限定されないが、フライス加工、鋳造、または付加製造を含む、複数の技法を用いて製造されることができる。乱流誘発構造の実施例は、平滑表面を中断するためのくぼんだ穴を伴う複数の並列フィンを含む。例示的構造が、図17に示される。
【0159】
いくつかの実施形態では、水が、冷却剤として使用される。これは、広範囲の低費用で信頼性のある商業用ポンプ、フィルタ、および他の補助機器の使用を可能にし、冷却システムを支援する。
【0160】
他の実施形態は、限定されないが、油、ガス、または液体金属を含む、他の冷却剤を利用してもよい。添加剤が、冷却剤の性質を改変するために使用され得る。
【0161】
高品質閉ループ冷却剤システムが、清浄な冷却剤チャネル表面を維持する。本密閉システムは、大気中酸素または他の物質が冷却剤チャネルの表面と反応するために利用可能ではないように防止する。冷却剤ループはまた、限定されないが、脱イオン化および濾過を含む、技法を用いてさらに処理される。
【0162】
層流は、冷却チャネルの流体・固体界面において絶縁層を生成し、熱伝達を制限する。図18に図示されるような断続的へこみおよび螺旋状くぼみ等の不規則な特徴は、乱流を誘発させ、代わりに、システムの熱伝達を改良する傾向がある。流体冷却剤チャネルは、固体標的アセンブリの面内に位置する。本アセンブリは、ビームラインの端部に位置する。いくつかの実施形態では、固体標的は、接地電位に位置し、全体的なシステムへのいかなる特殊接続も要求しない。いくつかの実施形態では、固体標的は、システムの他の部分から熱的に分離される。これは、標的を通した冷却剤の温度および流率を監視することによって、標的の中へイオンビームによって堆積される電力の熱量測定を可能にする。イオンビームのエネルギーが公知であるため、堆積される電力は、イオンビームによって標的に搬送される電流を決定するために使用されることができる。
【0163】
固体標的アセンブリの他の実施形態は、全体的なシステムから電気的に分離され、有効イオンビームエネルギーおよび中性子収率を増加させるために、それが高電圧にバイアスをかけられることを可能にする。そのような実施形態は、接地電位に位置するポンプから高電圧固体標的に輸送される冷却剤または高電圧において分離される完全閉ループ冷却システムの使用を伴う。そのような方法は、同様に接地に対して高電圧に電気的にバイアスをかけられる、イオン源に冷却または電力を提供するための本明細書に説明されるものに類似する。
【0164】
乱流はまた、概して、より大きい圧力損失を有する。冷却剤流率および圧力降下が、乱流誘発特徴の設計において考慮されるべきである。計算的流体動態シミュレーションが、これらの値を決定し、それらを冷却剤ポンプシステムの性能に合致させるために使用される。並列および直列の要素の数を調節することによって、標的の動作流率および圧力低下が、調節される。
【0165】
標的の熱伝達性能は、冷却剤と標的表面との間の温度差によって特徴付けられる。表面の絶対温度は、したがって、入口冷却剤温度を低減させることによって、所与のシステムに関して低減される。閉ループ冷却剤の予冷は、冷却装置または他の方法を用いて達成される。最低達成可能冷却剤温度は、概して、冷却剤の融点によって限定される。
【0166】
水性冷却剤の予冷は、その比較的高い融点によって限定される。ヘリウム等の他の冷却剤の使用は、冷却材が標的に進入する際のはるかに低い温度を可能にする。これは、所与のイオンビーム電力密度のより低い標的表面温度をもたらす。同様に、より多くの点状中性子源およびより高い束をもたらす、より高いイオンビーム電力密度が、必要な低い標的表面温度を維持しながら達成されることができる。
【0167】
水素種の低い質量は、金属標的の低いスパッタリング率をもたらす。標的表面の寿命は、ビームが、標的に先立ったビームライン内の分析磁石または他の質量濾過構成要素を用いて除去され得る、より重いイオン汚染物質を含む場合、短縮される。
【0168】
高電力密度イオンビーム標的は、より物理的にコンパクトかつ可搬式のシステム、より多くの点状中性子源、およびより高い中性子束を可能にする。
【0169】
(B.中性子収率を維持するための固体標的の浄化)
中性子源は、ある時は、チタン金属でめっきされたビーム標的を使用する。チタンは、流入重水素が核融合反応を引き起こし、中性子を放出し得るように、有意量の重水素を吸着する。しかしながら、チタンは、酸素および窒素とも反応し、重水素ビームに対する障壁を形成し、中性子出力を低下させ得る、極めて活性の金属である。真空システム内の微量汚染物質は、本問題を生じさせるために十分に高くあり得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、少量のアルゴンガス(例えば、1~10立方センチメートル/分)が、ビームが動作している間に真空システムに流入される。イオンビームは、ある程度の運動エネルギーをアルゴンガスに伝達する。エネルギーアルゴン原子が、次いで、標的表面に衝突し、スパッタリングによって汚染酸化物/窒化物層を除去する。アルゴンは、一次ビーム種よりもはるかに重いため、スパッタリングを誘発するために効率的である一方で、その化学不活性は、それが標的表面上でチタンと他の化合物を形成することを防止する。図19は、中性子収率へのチタン化合物形成およびアルゴン浄化プロセスの影響を示す。標的は、最初に、最大10,000秒で重水素を装填するが、次いで、酸化/窒化チタンの遅い蓄積が、中性子出力を低下させる。短時間のアルゴン浄化が、125,000秒において、長時間の浄化が、150,000~175,000秒において起こり、中性子出力を初期レベルに戻す。
【0171】
アルゴンは、全体的な真空システム圧力を過剰に増加させることなく、標的の近傍の局所アルゴン圧力を可能な限り高くするために、可能な限り固体標的の近くに真空システムの中へ送給されるべきである。いくつかの実施形態では、アルゴンガス源が、真空の内側の常駐し、固体標的場所においてアルゴンを直接送達する金属管によって、真空システムに接続される。
【0172】
クリプトンおよびキセノン等の他の重い不活性ガスもまた、採用され得るが、それらは、より法外に高い費用がかかる。
【0173】
唯一の以前の方法は、システムから標的を除去し、標的を機械的に浄化して、酸化/窒化チタン層を除去することであった。これは、時間のかかるプロセスであり、必要であるよりも有意に多くの標的めっきを除去し、標的寿命を大幅に短縮した。さらに、標的の周期的置換が、システムの稼働時間、したがって、経時的にユーザのための総スループットを低減させる。
【0174】
(C.管開口)
ガス状標的中性子発生器では、大きい圧力勾配が、全中性子収率を最大限にするために、標的と加速器との間で維持される必要がある。したがって、イオンビーム加速器から標的ガスを分離する開口は、必然的に小さい(例えば、直径が数ミリメートルである)。イオンビーム電力密度は、開口を通過するとき、それに対応して大きく(数百MW/m)、定常状態動作においていかなる固体表面によっても耐えられない。加速器システムにおける熱/機械的または電気的変動に起因する、ビーム集束および操向のわずかな偏差が、標的入口開口への重大な損傷をもたらし得る。これは、圧力勾配が維持されることができない場合にシステム性能の劣化、またはさらに真空の損失および/または真空システムに進入する冷却水に起因する重大なシステム損傷につながり得る。
【0175】
イオンビームは、加速ステージから出射する際に直径が数センチメートルであり、ガス状標的まで入口開口を通過するために、数ミリメートルまで集束されなければならない。ビームがその最小直径まで集束される軸方向距離は、集束ソレノイド内の電流に依存する。静電または磁気四重極多重項または永久磁石/電磁石ハイブリッドを含む、種々の調節可能な集束機構もまた、使用され得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、イオンビームは、ビームの中心軸がガス標的開口上で心合されるように、交差した一対の双極子電磁石(「操向」磁石)内の電流を変動させ、プラズマ源とガス状標的との間の長いビーム輸送距離にわたってビームライン構成要素の整合の機械的公差に起因する角度偏差の累積を補償することによって、2つの直交方向へ側方に偏向される。
【0177】
標的開口上のイオンビーム電力の分布を感知し、情報を使用して、開口を通したイオンビームの集束および操向を能動的に制御するためのシステムが、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、これは、開口の軸の周りに90度の間隔で等しく間隔を置かれる、ガス状標的開口の上流に面した表面の近傍に埋め込まれた四象限熱計装を用いて遂行される。例示的実装は、各熱電対の銅脚部としての役割も果たし得る、銅標的開口内の銅コンスタンタン熱電対を使用する、または銅ワイヤが、別個に引き出され得る。他の実施形態は、白金抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、または半導体温度センサを使用する。
【0178】
四象限温度信号は、イオンビーム集束を維持するために使用される、平均標的開口温度を提供するように合計される。集束ソレノイド内の電流を調節し、標的開口の温度を最小化することは、ビーム電圧もしくは電流変動に起因する、または熱膨張もしくは機械応力に起因する全体的なビームラインの偏向もしくは歪曲に起因する、わずかな摂動に対して最良の集束を維持する。
【0179】
本実装では、センサは、それに向かって操向双極子磁石がビームを側方に偏向させる位置において標的開口を通過するビームの軸の周りに配列される。第1の一対の正反対の温度センサの間の温度差が、ガス標的開口の中心でもある、一対の中の2つのセンサの間のビームの心合を維持するために使用される。したがって、第1の磁石内の電流は、磁石がイオンビームを偏向させる方向に対応する、第1の一対のセンサの間の温度差を最小化するように変動され得る。第2の一対の正反対のセンサの間の差、および第2の操向双極子磁石内の電流の対応する変動が、第1の一対のセンサに直交する方向へビームを心合するために使用され得る。図20は、システムの例示的実施形態を示す。上側パネルは、標的開口上の熱電対測定点の位置を示す。下側パネルは、ビームおよび双極子操向磁石との関連で本構成要素を示す。
【0180】
(D.逆ガス噴射)
ガス状標的中性子発生器では、エネルギーが無駄にされず、中性子が効果的に使用されることができない面積中でそれらを生成するように、ビームが可能な限り小さい距離で完全に停止し、標的の直前の圧力が可能な限り低くあるべきであるように、標的内の圧力は、可能な限り高くあるべきである。
【0181】
最終開口を横断する圧力差を増加させるための構成要素が、本明細書で提供される。特に、最終開口を横断する圧力差の増加を生じさせるための逆ガス噴射が、本明細書で提供される。逆ガス噴射の例示的構成が、図21に示される。
【0182】
モデル化が、標的開口を横断する圧力差を増加させるであろう、ノズルの幾何学形状を生成するために、計算的流体動態(CFD)プログラムを用いて行われた。初期試行は、着目圧力において全く稼働しなかった、収束した後に広がらないノズルを使用した。狭径部間隙、ノズル角度、ノズル長、およびプレナム内の圧力等の側面が、変動された。プレナム圧力は、常に、ガス漏出およびガス保有量が最小値に保たれるように、大気圧を下回って保たれた。有意な努力の後、図21に示されるような構成が、開発され、所望の圧力差を提供した。
【0183】
ガス噴射ノズルが周囲に位置する開口は、開口を通過する際のビームのサイズ等の他の要件に基づいて、3/8インチであるように選定された(但し、他の寸法も採用され得る)。本穴直径において、ガス噴射を駆動するために使用されることが所望されたポンプのタイプを用いると、0.01インチ未満の狭径部間隙が、圧力降下を、超音速流を引き起こすために十分に高く保つために十分であった。12.5度の平均ノズル角度が、パラメータ研究を用いて最適であることが見出された。
【0184】
(E.ビームスクレーパ)
いくつかのシステムでは、ビームの恣意的な部分を遮断し得る、ビームの経路の中に固体標的を挿入する機構が、ある時は、標的に送達される全電流を精密に制御するために望ましい。そのようなビームスクレーパはまた、全体的なシステムの最適化中に有用な情報である、ビームプロファイルを決定するために使用されることもできる。
【0185】
いくつかの実施形態では、固体標的が、レール特徴に添着され、モータによって駆動される長いねじで構成される線形アクチュエータによって、そのレールに沿って移動させられる。ソフトウェアは、リアルタイムで「ホーム」および「限定」スイッチを用いてレールに沿った標的の位置を測定し、システムからのフィードバックに基づいて位置を調節する。
【0186】
初期アプローチは、真空の内側にねじを有した回転運動フィードスルーを使用した。しかしながら、これは、潤滑剤選択が困難である、真空内の摩耗を防止すること、ならびに緊密な4分の1において複数のシャフトをともに結合することを要求した。さらに、真空チャンバは、はるかに大型かつ高価であった。
【0187】
代替アプローチの試行も、成功した。線形アクチュエータのためのモータは、熱を生成するため、冷却のために空気を使用するように、真空容器の外側に搭載される。これは、線形真空フィードスルーの使用を要求した。殆どの直線運動真空フィードスルーがベローズ密閉型であるため、それらは、ベローズに印加される真空力のバランスを保つための力を要求し、したがって、モータにより多くの歪みを加え、これらの力を克服する。ベローズ密閉型フィードスルーはまた、それらが故障するまで耐えることができる、限定された数の圧縮サイクルも有する。これらの理由により、磁気的に結合されたフィードスルーが、これらの問題のうちのいずれも有していないため、より望ましい。
【0188】
また、真空システムにおける水漏出の負の結果に起因して、いくつかの実施形態では、全金属ホースおよび継手が、使用され、ろう付けが、標的全体を製造するために使用される。これは、金属自体が故障することなく、漏出が可能ではないことを確実にする。標的はまた、レール、支持構造、または管類を含む、標的の部品が、完全に後退されるときにビームの経路内に存在しないように、設計されるべきである。
【0189】
図22は、ビームスクレーパの例示的構成を提供する。モータおよび磁気結合は、真空境界の外側に示される。標的および関連付けられる水ホースは、真空境界の内側に示される。固体標的は、直径が6インチよりも小さいビーム上で使用される。完全に後退されたとき、ビームに最も近い部品は、通常、延長されるときにビームによって衝打される標的の面であり、その縁は、ビームの中心線から3インチを上回って離れている。
【0190】
代替実施形態は、標的を直線的に平行移動させる代わりに、ビーム経路に向かって方向を変えるように、ヒンジ上に固体標的を搭載することを伴う。本アプローチは、完全に閉鎖されるまで標的上の電力密度を減少させ、空間要件を低減させ、より単純かつ安価なフィードスルー設計を可能にする。トレードオフとして、管類は、本構成のために実装することがより困難な場合がある。本アプローチは、通常閉/開構成を可能にし、より速い閉/開時間を有するように考慮される。
【0191】
主要標的に到達する軸対称ビームを要求するシステムの代替物は、虹彩タイプビームスクレーパを伴う。
【0192】
(V.自動制御システム)
いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、1つ以上の自動制御構成要素を採用する。そのような自動制御構成要素は、限定されないが、光ファイバインターロック、健全性監視システム、およびアーク放電事象後の自動復旧システム、ならびにビーム安定性を管理するための閉ループ制御を含む。
【0193】
(A.光ファイバインターロック)
高エネルギーイオンビーム発生器は、1つ以上の、典型的には、いくつかの高電圧源を組み込む。安全性の理由により、ユーザ/コントローラステーションは、デバイス/システムの他の部分から電気的に分離されるべきであり、その上、ユーザステーションをデバイス/システムの他の部分のインターロックシステムに接続するための構成要素が、存在するべきである。
これは、安全性と動作性との間の有意な対立を生成する。2つのサブシステムの間の電気的分離を提供するための絶縁変圧器の使用等のアプローチは、最大数万ボルトの電圧の存在により、技術的または経済的に実用的ではない。
【0194】
インターロックは、1つの機器が動作するために安全であることを示すために閉鎖されたままでなければならない、直列のいくつかの通常閉スイッチ、または1つの機器が動作するために安全であることを示すために開放したままでなければならない、並列のいくつかの通常開スイッチ、もしくは直列および並列ループの両方を備えている。
【0195】
いくつかの実施形態では、安全性と動作性との間の対立は、デバイスのインターロックシステムとユーザステーションのインターロックとの間で光ファイバ接続を採用することによって、解決される。これは、必要とされる電気的分離を提供する。偶然の迂回に影響されない堅調な接続を提供するために、いくつかの実施形態では、周波数発生器が、下記で詳述されるように、光ファイバインターロックの中に含まれる。いくつかの実施形態では、多重信号検証プロシージャもまた、単一障害点を伴って偽閉鎖結果を生成することからシステムを保護するために実装される。
【0196】
課題に対処するための第1の試行は、ユーザステーションのインターロックが閉鎖されたときに光を生成した、光ファイバ伝送機を伴った。本方法は、ユーザステーションのインターロック閉鎖信号が、インターロック列内の早期のいかなる構成要素にも依存していなかったため、ユーザステーションを適切に含まなかったため、満足のいくものではなかった。
【0197】
第1の実装に関する問題を解決するために、双方向リンクが配設された。上流インターロックスイッチが閉鎖されるとき、光が、光ファイバケーブルを通してユーザステーションに透過される。光は、ユーザステーションにおいてインターロックスイッチを通過する電圧信号に変換される。いったんデバイスからの光信号が存在し、ユーザステーションスイッチが全て「安全」位置に来ると、光は、デバイスに戻るように透過され、したがって、インターロックループを閉鎖する。本解決策によって提示される問題は、デバイス上で伝送機および受信機を単純に接続し、したがって、ユーザステーション内のインターロックスイッチの状態にかかわらず、ループを閉鎖することによって、ユーザステーションインターロックデバイスを迂回することが単純であることであった。
【0198】
光ファイバインターロック信号は、インターロックシステムを迂回することをより困難にするために、周波数依存性にされた。小型周波数発生器が、光ファイバ伝送機をトリガし、光を設定された周波数においてパルス化させる。受信機は、それが検出している光パルスの周波数に敏感であるように構成され、適切な周波数が存在しない場合、受信機は、インターロックが安全であることを示さない。
【0199】
さらに、単一のデバイスが複数の光ファイバインターロックを利用することを可能にするために、適切なツールを用いて、4つの異なる周波数のうちのいずれか1つが選択され得るように、プリント回路基板(PCB)が、構成された。これはまた、受信のために使用するものとは異なる伝送のための周波数を使用するための単一の双方向リンクも可能にし、したがって、インターロック信号の完全性を迂回する方法の障害を留保する。
【0200】
図23は、システムとともに採用され得る、光ファイバインターロックシステムの例示的ブロック図を示す。光ファイバ伝送が、インターロック回路の電気的に分離された部分を介して、伝送機と受信機との間で行われる。伝送機は、標準銅インターロックからの入力を採用してもよい。これは、N/O(通常開)もしくはN/C(通常閉)スイッチを伴う単一のループ、または各タイプの1つを伴うダブルループに適応することができる。全てのインターロックスイッチが正しい位置にあるとき、電圧基準が存在するようになる。電圧基準が存在するとき、電圧は、選択可能なレベルまでスケーリングされる。周波数変換器は、スケーリングされた電圧に比例する周波数を生成する。光ファイバ駆動回路は、選択された周波数においてユーザステーションへの光ファイバ出力をパルス化する。
【0201】
受信側において、光ファイバ受信機は、光ファイバパルスを同一の周波数の電圧方形波に変換する。いくつかの実施形態では、周波数・電圧変換器は、光ファイバ伝送を通して受信される周波数を取り込み、それを元の参照電圧に戻るように変換する。ウィンドウコンパレータが、適切な周波数が受信されていることを検証する。コンパレータが、受信された周波数が正しいことを検証するとき、ドライバ回路は、1つまたは複数の局所配線インターロックループに統合されるように、一対のN/O接点を閉鎖し、一対のN/C接点を開放する。N/Cループ、N/Oループ、または両方に適応することが可能な局所インターロック列への出力が、行われる。いくつかの実施形態では、欠落パルス検出器回路は、パルス列が光ファイバ信号から欠落しているとき、二次検出源を提供する。立ち上がりおよび立ち下がりエッジが、予期される間隔に存在することが独立して検証されるとき、ドライバ回路は、局所配線インターロック回路に統合されるように、一対のN/O接点を閉鎖し、一対のN/C接点を開放する。N/Cループ、N/Oループ、または両方に適応することが可能な局所インターロック列への出力が、行われる。いくつかの実施形態では、第2の周波数・電圧変換器は、光ファイバ伝送を通して受信される周波数を取り込み、それを元の参照電圧に戻るように変換する。次いで、バッファステージが、正しい周波数の伝送が受信されているというソフトウェア検証として使用されるように、アナログ信号をコントローラに送信する。本構成要素は、技術的および経済的に実用的なまま、システム安全性を所望のレベルまで増加させる。
【0202】
(B.健全性監視)ビームによって搬送される高い電力を考慮すると、それがシステムの構成要素に熱損傷を引き起こさないことを確実にすることが重要である。損傷は、非正常状況でシステム構成要素と相互作用するビームによって引き起こされ得る。異なる保護方式が、各構成要素上に堆積され得るエネルギー密度に応じて実装されるように、具体的材料選択および冷却機構が、ビームと相互作用し得る構成要素のために実装されている。
【0203】
いくつかの実施形態では、計装および複数のセンサが、温度および冷却水流率を測定するためにシステムに統合される。これらの測定は、種々の冷却されたシステム構成要素上に堆積されている電力の量を監視することを可能にする。最小流率、最大温度、および最大電力の閾値の組み合わせは、システムハードウェアの保護を可能にする。これらの値は、ビームとの相互作用によって損傷される場合がある全ての構成要素を網羅するセンサによって、連続的に監視される。いくつかの実施形態では、各センサは、それを上回るまたは下回るとアラームが作動される、構成可能なレベルを有し、自動制御システムアクションを引き起こし、安全な動作に介入して確実にし、損傷を最小化する、または防止する。
【0204】
いくつかの実施形態では、液体レベルのためのセンサが、安全な動作のために要求される中性子減速材の存在を測定するためのシステムに統合される。いくつかの実施形態では、複数のセンサからの信号の組み合わせが、安全なパラメータ内の動作、例えば、電圧引き込みおよび電流を決定し、磁気コイル内の抵抗を決定するために、ともに使用される。
【0205】
いくつかの実施形態では、構成要素からのフィードバック信号は、所望の安全範囲内の動作、例えば、ターボ分子ポンプおよび強制空気冷却ファン上の電力引き込みを確実にするように監視される。
【0206】
いくつかの実施形態では、高電圧電力供給源、ガス流コントローラ、およびマグネトロン電力供給源等の統合構成要素からのフィードバック信号が、監視され、それらの出力が、安全な動作を決定するように、期待設定値と比較される。
【0207】
いくつかの実施形態では、統合構成要素は、制御アルゴリズムによって危険な設定値に設定されないように防止され、例えば、システムが、マイクロ波が安全に動作され得る状態ではないとき、ユーザがマイクロ波発生器に命令することを防止する。別の実施例は、システムのいずれの部分もビームを安全に輸送する、または受け入れる状態ではないとき、ビーム動作を防止することである。
【0208】
いくつかの実施形態では、健全性監視システムは、「アラート」および「アラーム」を両方とも有する。センサは、信号が正常動作値から逸脱する場合、「アラート」条件をシグナリングし、警告インジケータをユーザに表示するように構成可能である。規模がより大きい偏差は、「アラーム」をトリガし、条件への自動制御システム応答をもたらす。いくつかの実施形態では、「アラーム」は、ラッチ様式で作用し、アラームステータスを除去するために、制御システムから条件をリセットするようにユーザに要求する。
【0209】
粒子加速器上の健全性監視を用いると遭遇される課題のうちの1つは、アラームの不要な作動を引き起こす、短命の過渡電流に起因する誤検出を除外することである。高電圧システムは、本質的に、電磁パルス(EMP)、したがって、電磁干渉(EMI)を生成する。アナログ電圧信号を使用して制御システムに伝送される、センサおよび構成要素データは、EMIピックアップの影響を受けやすくあり得る。いくつかの実施形態では、未加工信号データは、EMIを除外し、不要な作動を防止するように処理される。いくつかの実施形態では、アラームは、個々の信号の持続時間がEMIピックアップのために特徴的であるよりも長くなるまで、トリガされない。一実施例では、単一の過渡電流は、アラームを作動させることに先立って、75ミリ秒を超えなければならない。加えて、いくつかの実施形態では、システムは、複数のEMIピックアップ事象がある期間内に起こる場合、作動するように構成される。一実施例では、3秒の時間窓内の5つの過渡的事象が、アラームの無効な作動と見なされる。いくつかの実施形態では、いずれか一方の事象が起こるときにアラームが作動されるように、特徴的EMIピックアップよりも長く持続する単一事象およびある期間内に起こる複数の事象の両方が、ともに分析される。EMI事象を数え、それらを経時的に追跡するが、個々のEMI事象上でアラームを作動させないことの本組み合わせは、信頼性のある連続的動作を可能にする。
【0210】
制御システムから「アラーム」への自動応答は、安全なシャットダウンまたは自動復旧であることができる。安全なシャットダウンは、例えば、制御システムが加速器を自動的にオフにし、構成要素を安全な状態にするときである。自動普及は、例えば、制御システムが規定の一連のことを講じ、システムを正常な動作に戻すときである。
【0211】
(C.自動復旧)
電流が高電圧点から望ましくない経路を通して接地までの経路を見出す、時折の「アークダウン」事象は、高電圧加速器内で完全に回避可能ではない。システムがアークダウン後に望ましくない状態に留まらないように防止することは、最初に、制御システムへのユーザインターフェースに向き、常に作用する準備ができているように、訓練されたユーザに要求した。これは、リソース集約的である。アークダウンからの復旧は、オフにされ、次いで、復旧シーケンスの一部として、ある構成要素上に障害除去を伴うあるシーケンスでオンに戻されるように、いくつかの構成要素に要求した。
【0212】
上記の第V(B)節に説明される健全性監視システムの拡張として、ある「アラーム」条件が、アークダウン事象が起こったことを示すために使用される。自動復旧シーケンスが、次いで、ユーザ介入を伴わずに、人間のユーザよりもはるかに迅速に、システムを動作に戻すように実行される。拡張連続起動中に、本特徴は、約95%から98%を上回るまでシステムの有効稼働時間を増加させた。
【0213】
いくつかの実施形態では、ある条件が、自動復旧に関してシステムにおいてフラグを付けられる一方で、他の条件は、人間の介入に関してフラグを付けられる。高電圧電力供給源(hvps)上のアークダウン事象からの自動復旧の実施例である。hvpsアークダウン事象は、hvpsおよび/または抽出電力供給源上の電圧不足アラームによって識別される。故障条件の検出後、以下のこと、すなわち、閉ループフィードバックを無効にすること、マグネトロン電力供給源を無効にすること、システム故障を取り除くこと、hvpsをリセットすること、抽出電力供給源を有効にすること、マグネトロン電力供給源を有効にすること、および最終的に閉ループ制御を再び有効にすることを含む、自動復旧シーケンスが、実行される。自動復旧シーケンスを有するものとして識別されていない、任意の故障が、自動シャットダウンシーケンスをトリガする。自動シャットダウンシーケンスは、安全なシーケンスにおいて各構成要素を無効にするためのことを含む。安全なシャットダウンシーケンスの実施例は、以下のこと、すなわち、閉ループ制御を無効にすること、マグネトロン電力供給源を無効にすること、全てのガス流コントローラおよび電力供給源を無効にすることを含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、復旧シーケンスが時間窓内で構成可能な回数(例えば、10秒の期間内で3回の復旧試行)を上回って実行される場合、制御システムは、復旧シーケンスではなく安全なシャットダウンを実行する。
【0215】
加速器のための制御システムは、高電圧における構成要素、接地電圧における構成要素を監視し、人間の相互作用のためのユーザインターフェースに接続することに責任がある。いくつかの実施形態では、異なる場所の間の通信が、電気的分離を維持するために、光ファイバ接続にわたって実施される。いくつかの実施形態では、主要システムコントローラは、高電圧およびイオン源マイクロ波電力供給源に直接接続され、これらの構成要素を安全な状態に決定的に設定することができる。構成要素の複数の場所および場所の間の非決定性通信プロトコル(Ethernet(登録商標)、TCP/IP)が存在するため、ウォッチドッグアーキテクチャが、コネクティビティを監視するために使用される。接続の損失の場合において、システムは、安全な状態に自動的かつ決定的に遷移する。
【0216】
通信プロトコルの非決定的性質に起因して、ある量の通信逸失が予期される。随時、ウォッチドッグのリセットは、遅れ得る。いくつかの実施形態では、規則が、コネクティビティおよびウォッチドッグのリセットが遅れ得る程度をウォッチドッグがチェックする頻度に基づいて、構成される。本構成可能性は、ウォッチドッグがシステムに安全な状態を伝える、誤検出を低減させる。
【0217】
(D.ビーム安定性のための閉ループ制御)
中性子発生器の特定の用途は、束設定値の1%最大振幅内で維持されるように中性子束出力に要求し、束設定値は、約5桁にわたる変数である。熟練のオペレータによる開ループ制御は、システム動態に影響を及ぼす複数の変数に起因して、束出力が要求される正確度内に留まることを確実にするためには不十分である。
【0218】
高電圧電力供給源(HVPS)設定値またはビームスクレーパ位置のいずれかの閉ループ制御は、束出力の改良された正確度、および熱変動または標的搭載および信号雑音等の物理的変動を補償する能力を実証した。HVPS設定値の制御は、測定された束出力において、より速い動的応答を提供する。閉ループ制御は、経時的に中性子束出力の安定性の可視的かつ測定可能な改良を生じさせた。これはまた、高エネルギーイオンビーム発生器制御システムとのオペレータ相互作用を低減させ、ひいては、オペレータエラーの潜在性を低減させる。
【0219】
開ループ制御が、初期中性子束設定値までシステムを引き上げるために使用され、その後、閉ループ制御が、アクティブ化される。制御利得が、選択された中性子束設定値に基づいて決定され、より小さい動作エンベロープにわたって閉ループ制御を確実にする。閉ループ制御がアクティブである間に、追加の限界が、所与の中性子束設定値のための最大および最小HVPS設定値の形態で、制御権限に加えられる。
【0220】
中性子発生器の物理は、機械動作体制にわたって考慮されるときに非線形であり、5桁の中性子出力を包含する。円形ビームの一部が通過することを可能にする、円形ビームが直線縁を伴う平坦な板に衝突するビームスクレーパの力学は、制御問題の非線形性にさらに寄与する。
【0221】
線形制御方略が、システムの動作エンベロープの小さい線形部分にわたって動作を実施することによって、システムに適用された。従来的な制御ループ同調方法は、したがって、各動作点に特有の利得を発生させるように適用されることができる。HVPS設定値の制御は、能動的であったが、スクレーパ位置は、定常状態で保持され、逆もまた同様であった。これは、制御問題からスクレーパ運動に固有の非線形性を除去した。
【0222】
ビームスクレーパ位置の制御を介した中性子束出力の閉ループ制御は、成功したが、HVPS設定値の制御と同様に上手く機能しなかった。束出力を制御するビームスクレーパ位置の能力は、スクレーパの初期位置に依存した。束出力に非線形効果を及ぼす、位置を設定するための線形制御アルゴリズムの使用は、制御変数としてHVPS電圧を使用して線形制御ループを適用することを支持し、最適として選択されなかった。
【0223】
制御システムのさらなる特徴は、限定されないが、制御利得の発生を加速するための自動調整アルゴリズム、開または閉ループ形態のいずれかである物理的システムの動的信号分析、第1の原理に基づいて開ループ中性子発生器システムをモデル化すること、状態空間または極設置制御アルゴリズムを有効にすること、制御方式を選択するためのループ内ハードウェア(HIL)方法を有効にするための完全システムシミュレーション、動作体制の間のバンプレス転送を有効にするためのファジー論理制御アルゴリズム、および自動始動、オフにすること、ならびにエラー処理を含む、中性子発生器システムの完全自動動作を可能にするためのプロトコルの生成を含む。
【0224】
(E.ビーム電流のための閉ループ制御)
イオン注入のための粒子加速器の特定の用途は、電流設定値の+/-1%以内で維持されるようにビーム電流に要求する。複数の信号が、高電圧電力供給源電流、抽出電力供給源抵抗器分割器ドレイン電流、および冷却水の漏出に起因する電流損失を含む、ビーム電流を計算するために要求される。これらの信号からのビーム電流のリアルタイム計算が、制御システムによって実施される。熟練のオペレータによる開ループ制御は、システム動的に影響を及ぼす複数の変数に起因して、ビーム電流出力が要求される正確度以内に留まることを確実にするためには不十分である。
【0225】
(VI.例示的用途)
(A.熱中性子ラジオグラフィ)
中性子ラジオグラフィおよびトモグラフィは、航空宇宙、エネルギー、および防衛部門における製造された構成要素の非破壊試験のための証明された技法である。これは、現在、アクセス可能な高流束中性子源の欠如により、十分に活用されていない。X線のように、中性子が物体を通過するとき、それらは、その物体の内部構造についての情報を提供する。X線は、低原子番号の元素(例えば、水素)と弱く、高原子番号の元素(例えば、金属)と強く相互作用する。その結果として、特に、より高い密度の材料の存在下にあるとき、低密度材料についての情報を提供するそれらの能力は、非常に不良である。中性子は、本限界を被らない。それらは、高密度金属を容易に通過し、内部の低密度材料についての詳細な情報を提供することができる。本性質は、エンジンタービンブレード、軍需物資、宇宙船構成要素、および風力タービン翼等の複合材料を含む、非破壊評価を要求する、いくつかの構成要素にとって極めて重要である。これらの用途の全てに関して、中性子ラジオグラフィは、X線が提供することができない決定的情報を提供する。中性子ラジオグラフィは、欠落した情報を提供することができる、相補的非破壊評価技法である。
【0226】
Phoenix Nuclear Labs(PNL)は、SHINE Medical Technologyによって開発された未臨界アセンブリを駆動し、医療放射性同位体モリブデン-99(略して、「モリ(moly)」)を生成する、高収率中性子発生器を設計および構築している。いくつかの実施形態では、そのようなシステムは、中性子ラジオグラフィインジケーションのために適合および修正される。いくつかの実施形態では、システムは、効率的、費用効果的、堅調、安全、かつ使いやすい中性子発生を提供するための上記の節IからVに説明される1つ以上の特徴を備えている。いくつかの実施形態では、システムはさらに、下記に説明されるように修正される。
【0227】
本実施例で使用される中性子発生器は、本来、医療同位体の生成のために設計され、したがって、比較的高い中性子収率を要求する。発生させられる中性子放射線の量は、近傍の人員にとって許容レベルを上回り、したがって、デバイスの放射線発生部分は、地下に設置されるべきである。デバイスの一部が、次いで、地下にあるため、ラジオグラフィシステムを構成するための非常に限定された空間が存在する。
【0228】
PNL発生器の中性子収率は、そのサイズおよび費用にしては非常に高いが、典型的中性子ラジオグラフィ設備、例えば、原子炉よりも数桁低い。したがって、中性子検出媒体は、中性子源に近接近するべきである。逆に、原子炉において、検出媒体が中性子源から数メートル離れ、収集中に画像を部分的にぼやけさせるであろう、望ましくないタイプの放射線、主に、迷走ガンマ線を軽減するためのフィルタを設置する空間を可能にし得ることが典型的である。
【0229】
PNLシステムに関して、中性子検出器の近接近性は、PNLシステム内の地下で利用可能な限定された空間によって悪化される、鉛またはビスマス等の十分なガンマフィルタリング材料の使用を排除しながら、概ね源からの距離の逆二乗に伴って減少するため、大きなガンマ放射線束をもたらす。
【0230】
PNLシステムは、重水素・重水素核融合を使用し、中性子を発生させ、初期反応においてガンマ線を生成しない。中性子と包囲する材料との間の後続の反応が、着目される。ラジオグラフィ設定は、高度中性子吸収材料である、カドミウムシートを伴う内側で層状である、中性子ガイド(例えば、コリメータ)を有する。これは、検出器に真っ直ぐ向けられていない中性子が、本質的にビームから除外されるであろうことを確実にする。2つの金箔が採用される、いくつかの実施形態では、1つは、標準中性子放射化分析技法をシミュレートし、ビーム中の熱および高速中性子の組成を決定するように、カドミウムで被覆される。しかしながら、カドミウムは、中性子吸収プロセス後に550keVガンマ線を放出する。本ガンマ線は、検出器に衝打し、画像のある程度の曇りを引き起こし得る。これは、不可避のプロセスであり、可能な限り減少されるべきである。
【0231】
中性子ガイド(例えば、コリメータ)の外側に、0~2.45MeVのエネルギーのスペクトルから成る非常に大きい中性子集団が存在する。概して、低エネルギー中性子が撮像プロセスで使用されるため、中性子のエネルギーを可能な限り減少させることが望ましい。しかしながら、これらの低エネルギー中性子は、カドミウムの場合のように、包囲する材料によって吸収されたとき、後続のガンマ線を生成する可能性がより高い。低エネルギー中性子は、それらが中性子ガイドの内側または外側にあるかどうかにかかわらず、これらのガンマ生成事象を引き起こす。ガイドの内側の中性子のみが画像収集のために有用であるため、ガイドの外側の中性子も吸収されるはずである。これは、本明細書では、カドミウムにおいてガンマ生成事象を引き起こし得る前に中性子を吸収する、ホウ酸化ポリエチレン(BPE)の層によって遂行される。但し、ホウ素は、BPEと中性子ガイド壁との間の鉛の層によって容易に吸収され得る、478keVガンマ線を放出する。いくつかの実施形態では、コリメータ上のホウ酸化ポリエチレン(BPE)は、形状が円錐形であり、コリメータの長さ(例えば、約40インチ)に延び、厚さ1インチである。画像が収集される撮像ボックス上のBPEは、形状が長方形であり、コリメータ端が存在する開口部を除く、全ての側面上でボックスを包囲し、同様に厚さ1インチである。
【0232】
いくつかの中性子は、ホウ酸化ポリエチレンを横断し、依然として、カドミウム中でガンマ事象を生成することができる。これらは、熱外中性子として公知であり、また、軽減されるべきである。吸収を可能にするエネルギーまでこれらの中性子を減速するために、高密度ポリエチレン(HDPE)の6インチ層が、BPEの層を包囲して追加されている。いくつかの実施形態では、HDPE層は、厚さ4~8インチである。HDPE層は、カドミウム層に到達することさえなく、熱外中性子がホウ素によってBPEに吸収されるような熱エネルギーへの熱外中性子の緩和を補助する。さらに、高速中性子が進入する前に横断しなければならない距離を増加させながら、熱中性子がコリメータの開口に進入するための比較的同一の光学経路長を可能にする、空気から成る拡散領域が、導入されている。いくつかの実施形態では、空気拡散領域は、長さが6cmで、直径が2.5cmである。高速中性子のためのこのより長い経路長は、減速媒体内で散乱し、したがって、より多くの熱エネルギーまで減速されるためのより多くの機会をそれらに許容する。水および黒鉛等の代替的材料が、HDPEの代わりに使用され得るが、HDPEは、容易に機械加工され得る、より費用効果的な材料を提供する。
【0233】
最終的に、コリメータは、高速中性子源に直接「向かわない」ようにオフセットされている。これは、コリメータが「対象とする」ものが、どちらかというと熱中性子集団であり、開口を通した高速中性子含有量を低減させるであろうことを確実にする。いくつかの実施形態では、コリメータは、中性子源への直接視線を有していないため、また、コリメータ開口と中性子源との間に減速材料を設置するために、中性子源から半径方向および接線方向の両方でオフセットされる。いくつかの実施形態では、これは、半径方向に17cmおよび接線方向に14cmオフセットされる。位置は、熱中性子の最高集団が存在する場所を観察し、次いで、その領域の中へコリメータ開口を設置することによって見出される。コリメータの設置は、次いで、集団を妨害する。さらなる偏移が、コリメータの反対端において最高熱中性子集団を生成する場所を見出すように実施される。
【0234】
MCNP(モンテカルロN粒子)輸送コードが、中性子輸送および種々の材料中の中性子捕捉からのガンマ線発生をシミュレートするために使用されている。シミュレーションは、散乱および吸収された放射線の計算および経験的データからの核データのライブラリを利用する。シミュレーションパッケージソフトが、何十年も利用可能となっており、継続的に更新および向上されている。
【0235】
金箔上の利用可能な熱中性子束を増加させ、箔上の高速および熱外束を低減させ、コリメータの端部においてガンマ線を低減させる試みとして、軽水、重水、および黒鉛を含む、種々の減速材料が試験されている。箔測定が、モデル自体が正確な予測に集中していることを検証するために試行されている。
【0236】
MCNPモデルの最適化が、HDPE、BPE、鉛、減速材料および幾何学形状、ならびに拡散領域の最適な厚さを決定するように、実行されている。本最適化は、サイズおよび重量の観点から、実用的幾何学形状を明らかにしている。そのように高度に遮蔽された幾何学形状に関する1つの大きな困難は、コリメータ開口を通した中性子輸送が非常に低く、中性子源生成よりも約7桁低いことである。精密な予測のための十分に高い計数統計を取得するために、非常に長いシミュレーションが起動されなければならない、または非常に賢明な粒子計量が実施されなければならない。
【0237】
第1の試験は、コリメータの外側層上にBPEまたはHDPEがない減速材料として、黒鉛のブロックのみを用いて実施された。次いで、多くの高速中性子が、黒鉛のブロックの間の格子間空間を通して流れ、画像面における高速中性子集団を増加させ得ることが見出された。また、コリメータの外側の熱中性子が、コリメータの外側の遮蔽の欠如に起因して、カドミウムの内側層からガンマ線の大量集団を生成していることも認識された。
【0238】
水が、次いで、黒鉛内の亀裂を充填し、100%完全減速材を提供するように、システムに追加された。しかしながら、水は、熱中性子の比較的高度吸収性材料であるため、高速中性子束が降下した一方で、熱中性子集団も同様であった。
【0239】
部分的重水減速材が、黒鉛スタックに内蔵された。重水は、中性子の高度散乱性および軽度吸収性の両方であり、優れた減速材料を生み出す。熱中性子集団が、増加することが見出された一方で、高速中性子集団は、比較的一定に留まった。しかしながら、重水は、非常に高価であり、減速材のための本材料の理想的構成は、非実用的であり、特に、軽水に沈まない。
【0240】
前述で記述されたように、高速および熱中性子集団は、非常に大量であって、特に、非常に近接近しているため、地下チャンバ内で連動されなければならない。本限界に起因して、非常に慎重に選定された遮蔽が、熱中性子の遮蔽および高速中性子集団の熱化の両方を行うために使用されなければならない。本明細書に説明される実施形態は、本結果を達成する。
【0241】
画像面におけるガンマ集団を低減させながら、高い熱/低い高速中性子束のための優れた解決策を提供する、例示的構成が、図24に示される。全ての幾何学形状の最適化が、HDPE、BPE、鉛、減速材料および幾何学形状、ならびに拡散領域の最適な厚さを達成するように実施されるべきである。1つの設計されたシステムに関して、大型重水容器が、減速材を最適化し、不要な放射線から環境を遮蔽するために、HDPEおよびBPEによって包囲されて使用されるべきであると決定されている。これは、地上システムとして構成されるが、画像面は、依然として、中性子源の近傍にある。本構成により、本明細書に説明される慎重な設計が、ガンマ線および高速中性子等の不要な放射線を抑制しながら所望の放射線特徴を増進するために必要とされる。
【0242】
(B.半導体加工)
本明細書に説明される(例えば、水素イオン粒子加速器を使用する)システムおよび方法は、半導体加工において用途を見出す。そのようなシステムは、例えば、バルク基板からの材料の薄膜の形成において用途を見出す。材料の薄膜は、水素イオン粒子ビームから埋め込まれる粒子によって形成される割断領域を生成し、次いで、割断領域において割断することによって、バルク基板から分離される。いくつかの実施形態では、薄膜は、太陽電池パネル(例えば、太陽光グレード光起電(PV)ウエハ)または発光ダイオード(LED)の生産で使用されるウエハである。ウエハは、任意の所望の形状(例えば、円形、正方形、または長方形)のうちのいずれかであり得る。ウエハは、100マイクロメートル未満の厚さであり得る。いくつかの実施形態では、ウエハは、2~70ミクロンの厚さを有する。いくつかの実施形態では、ウエハは、4~20ミクロンの厚さを有する。
【0243】
シリコンウエハは、最初に、シリコンの単一の結晶性円筒形インゴット(例えば、米国特許第9,499,921号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)参照)を作成することによって、従来的に生産されている。一実施例では、円形ウエハが、ダイヤモンドコーティングされたワイヤによって円筒形インゴットの端部からスライスされる。ダイヤモンドコーティングされたワイヤは、典型的には、直径が約20マイクロメートルである。円筒形インゴットの端部からウエハをスライすることによって、ウエハを生産する本方法は、その量の厚さを粉塵になるように削ることによって、ダイヤモンドコーティングされたワイヤの厚さ、または約20マイクロメートルの廃棄物を生成する。他の実施例では、結晶性円筒形インゴットは、インゴットを長さ約1.5メートルの伸長長方形ボックス形状になるように四角にすることによって、正方形または長方形に切り取られる。インゴットを四角にするプロセスでは、貴重な材料が、廃棄物として除去される。材料の費用が、ある製品および技術の適合に劇的に影響を及ぼし得るため、そのような無駄および非効率は、有意な影響をもたらし得る。
【0244】
本明細書で提供されるシステムは、それらの費用効果性、効率、堅調性、安全性、および他の所望のパラメータにより、以前は達成不可能であった規模および効率において所望の半導体材料の生成を可能にし、全体的な製造費を削減し、そのような材料のための拡張された市場を促進する。本明細書に説明される高エネルギーイオンビームシステムは、水素イオン源として既存の加工システムおよびプロセスに統合され得る。例えば、ウエハ製造構成要素と統合される高エネルギーイオンビーム発生器を採用する既存のシステムは、本明細書に説明されるものの代わりにそれらのイオンビーム発生器を代用することができる。そのようなシステムの実施例は、限定されないが、米国特許出願第2015/0340279号、第2015/0044447号、および第2016/0319462号、米国特許第7,939,812号、第7,982,197号、第7,989,784号、第8,044,374号、第8,058,626号、第8,101,488号、第8,242,468号、第8,247,260号、第8,257,995号、第8,268,645号、第8,324,592号、第8,324,599号、第8,338,209号、第9,404,198号、および第9,499,921号、ならびにSIGEN POLYMAXシステム(例えば、Kerf-less wafer production,Sigen,Photon’s 4th PV Production Equipment Conference(2009年3月4日)参照)、SOITEC SMART CUTシステム(例えば、www.soitec.com/en/products/smart-cut参照)、およびPURION、OPTIMA、ならびにPARADIGM SERIESシステム内のAXCELIS高エネルギーインプラントシステム(例えば、www.axcelis.com/products/ high-energy、およびFelch et al.,Ion implantation for semiconductor devices: The largest use of industrial accelerators,Proceedings of PAC2013,Pasadena,CA USA参照)(その開示は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる)を含む。
【0245】
本明細書で提供される全ての出版物および特許は、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれる。本発明の説明される組成および方法の種々の修正および変形例が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明白となるであろう。本発明は、具体的な好ましい実施形態に関連して説明されているが、請求されるような本発明は、そのような具体的実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明白である本発明を実施するための説明される様態の種々の修正は、本発明の範囲内であることを意図している。
図1
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【外国語明細書】