(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012025
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】洗浄便座システム
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20230118BHJP
A47K 13/10 20060101ALI20230118BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20230118BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20230118BHJP
【FI】
E03D9/08 A
A47K13/10
A61B5/1171 100
A61B5/1172
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115418
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和彦
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
4C038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB07
2D038JC03
2D038KA01
4C038FF01
4C038FG01
4C038VA07
4C038VB13
4C038VC01
(57)【要約】
【課題】個人認証を容易に行うことができる、コンパクトで取り扱いが容易な洗浄便座のリモコンで、ボタン数も少なくメンテナンス性にも優れる。
【解決手段】10は使用者が着座する便座、100は蓋開閉ボタン、110は洗浄ノズル動作ボタンを示している。かつ、これらのボタンは個人認証ボタンも兼ねており、これらのボタンを押下することによって、同時に個人認証を即座に容易に判定することができるものである。このリモコンを用いることによって、トイレに入った使用者が、まず蓋開閉ボタン100を押下して、蓋が開くと同時に個人を特定することができ、その情報をデータサーバに送信し携帯情報端末でそれらの情報を見ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄便座と、トイレに入ってきた人体を検知する人体検知手段と、前記洗浄便座の洗浄機能を制御するためのリモコン手段と、個人を特定するための個人認証手段と、前記個人認証手段が前記リモコン手段の一部のボタンに組み込まれているリモコン手段とを備えた洗浄便座システム。
【請求項2】
前記個人認証手段は、前記リモコン手段のボタンの蓋開閉ボタンおよびノズルON/OFFボタンからなる群から選択される少なくとも1つに組み込まれており、蓋の動作ボタン押下およびノズルの動作ボタン押下からなる群から選択される少なくとも1つと同時に個人も認証することができる請求項1に記載の洗浄便座システム。
【請求項3】
前記リモコン手段のボタンの蓋開閉ボタンおよびノズルON/OFFボタンからなる群から選択される少なくとも1つに組み込まれている前記個人認証手段は、指紋および静脈からなる群から選択される少なくとも1つを検知することによって個人を認証するようにした請求項1または2のいずれか1項に記載の洗浄便座システム。
【請求項4】
前記個人認証手段は、使用者が必ず触れる蓋の前部に設置しており、使用者が蓋を上げると同時に個人の認証を行うようにした請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄便座システム。
【請求項5】
前記個人認証手段を用いて個人が認証されると、個人に関する情報をデータサーバに送信し保存するようにした請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄便座システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレ内で人体局部の洗浄を行う洗浄便座システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体局部の洗浄機能を有するこの種の洗浄便座およびリモコンは、
図5および6に示すような構成のものである。以下その構成について図面を参照しながら説明する。
【0003】
10は便器に取り付けられた洗浄便座であり、外形からは洗浄ノズル出口20、制御手段30が見える。内部構成は洗浄ノズル、駆動手段、制御手段から構成されており、使用者の好みに応じて、制御手段を用いて洗浄ノズルの駆動やノズルから噴射される洗浄水を調整することができる。この構成により、この便座装置によって用便後の局部洗浄を任意に行うことができるものである。
【0004】
これらの制御はリモコン40によって行うことができ、蓋開閉ボタン50や洗浄ノズル動作ボタン60などを押下するによって機能させることができる。
【0005】
近年、洗浄便座はこの洗浄機能以外にさまざまな機能を付加したものが要望されてきている。そのため使用者各人を区別するための個人の指紋認証が必要となってきており、指紋認証ボタンを別途設置したり、洗浄ボタンに付加したりするものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来の構成では、指紋認証装置が別途必要であり、そのためのボタンを設置しなければいけないという問題があった。
【0008】
また、個人を識別するために使用者はわざわざ指紋認証ボタンに触れる必要があり、個人認証が煩雑であるという課題があった。
【0009】
さらに、洗浄ボタンに付加したとしても、そのボタンを使用するとは限らないので個人認証できないという問題もあった。
【0010】
本発明は、上記従来の洗浄便座が有している課題を解決するものであり、洗浄便座のリモコンの蓋開閉ボタンやノズルON/OFFボタンに個人認証機能を付加することによって、トイレに入った人が必ず押下するボタンに個人識別機能を持たせるので、必ず個人識別を容易に行うことができ、正確に効率良く個人認証を行うことができる洗浄便座を提供することを目的としているものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の洗浄便座システムは、洗浄便座と、トイレに入ってきた人体を検知する人体検知手段と、前記洗浄便座の洗浄機能を制御するためのリモコン手段と、個人を特定するための個人認証手段と、前記個人認証手段が前記リモコン手段の一部のボタンに組み込まれているリモコン手段とを備えた洗浄便座システムを提
供するものである。
【0012】
このようにすることによって、トイレに入った人が個人認証機能を搭載したリモコンのボタンのうち、まず最初に蓋開閉ボタンを必ず押下するので、この時に個人識別を容易に行うことができ、個人認証に対する正確性、信頼性、効率性を高めるようにしたものである。
【0013】
また使用者がトイレに入ってから蓋を手動で開けることもあるので、蓋自体にも個人認証機能を付加することによって、個人識別を容易に行うことができ、個人認証に対する正確性、信頼性、効率性を高めるようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の洗浄便座システムによれば、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下する蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋開閉ボタンを押下することによって、蓋が開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができるという効果を有するものである。
【0015】
また、蓋部の開閉部にも個人認証機能を付加することによって、リモコンがなくても個人認証を蓋開閉と同時に容易に行うことができ、正確に効率良く個人認証を行うことができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態で用いる洗浄便座のリモコンの概略模式図
【
図2】同実施の形態で用いる洗浄便座を用いた時の処理手順を示すフローチャート
【
図3】本発明の第2の実施の形態で用いる洗浄便座の概略模式図
【
図4】同実施の形態で用いる洗浄便座を用いた時の処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、洗浄便座と、トイレに入ってきた人体を検知する人体検知手段と、前記洗浄便座の洗浄機能を制御するためのリモコン手段と、個人を特定するための個人認証手段と、前記個人認証手段が前記リモコン手段の一部のボタンに組み込まれているリモコン手段とを備えた洗浄便座システムを提供するものである。
【0018】
これによって、本発明は、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下するボタンに個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこのボタンを押下することによって、ボタン押下と同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができるものである。
【0019】
第2の発明は、前記個人認証手段は、前記リモコン手段のボタンの蓋開閉ボタンやノズルON/OFFボタンに組み込まれており、蓋やノズルの動作ボタン押下と同時に個人も認証することができる請求項1に記載の洗浄便座システムを提供するものである。
【0020】
これによって、本発明は、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下する蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋開閉ボタンを押下することによって、蓋が開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことが
できるものである。
【0021】
第3の発明は、前記リモコン手段のボタンの蓋開閉ボタンやノズルON/OFFボタンに組み込まれている前記個人認証手段は、指紋や静脈を検知することによって個人を認証するようにした請求項1、2のいずれか1項に記載の洗浄便座システムを提供するものである。
【0022】
これによって、本発明は、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下する蓋開閉ボタンに静脈型の個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋開閉ボタンを押下することによって、蓋が開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、指が濡れていたり、指紋が薄い人に対しても容易に個人識別を行うことができ、正確に効率良く個人認証を行うことができるものである。
【0023】
第4の発明は、前記個人認証手段は、使用者が必ず触れる蓋の前部に設置しており、使用者が蓋を上げると同時に個人の認証を行うようにした請求項1~3のいずれか1項に記載の洗浄便座システムを提供するものである。
【0024】
これによって、本発明は、リモコンがなくてもトイレに入った人が必ず触れる洗浄便座の蓋の前面に個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋を開くことによって、蓋を開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができるものである。
【0025】
第5の発明は、前記個人認証手段を用いて個人が認証されると、個人に関する情報をデータサーバに送信し保存するようにした請求項1~4のいずれか1項に記載の洗浄便座システムを提供するものである。
【0026】
これによって、本発明は、容易に正確に個人認証した情報をデータサーバに送信することができ、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
【0027】
また、洗浄便座システムの制御方法において、人検知工程、個人を認証判定する工程と、前記判定結果をデータサーバへ無線送信させて、個人情報を携帯情報端末に表示させる工程の内、少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
【0028】
そして、これら制御方法はプログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させて本発明の洗浄便座システムの制御方法の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態の洗浄便座システムにおいて、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態で用いる洗浄便座のリモコンの概略模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
【0031】
図1のリモコン40において、100は蓋開閉ボタン、110は洗浄ノズル動作ボタンを示している。かつ、これらのボタンは個人認証ボタンも兼ねており、これらのボタンを
押下することによって、同時に個人認証を即座に容易に判定することができるものである。
【0032】
このリモコンを用いることによって、トイレに入った使用者が、まず蓋開閉ボタン100を押下して、蓋が開くと同時に個人を特定することができ、その情報をデータサーバに送信することができる。
【0033】
また、その後使用者が便座に座って用をたしても、洗浄ノズル動作ボタン110を押下することによって、同時に容易に即座に個人認証を行うことができ、データサーバに送信することができる。
【0034】
このように、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下する蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋開閉ボタンを押下することによって、蓋が開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができ、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0035】
この時の個人認証手段としては、指静脈センサでよく、また指紋センサのような反射型光検知センサのようなものでもよい。
【0036】
このようにすることによって、個人認証機能を洗浄便座のリモコンと一体化することによってメンテナンス性、設置性を向上させ、ボタンを押下すると同時に個人認証機能が動作し、容易に簡便に即座に個人識別を行うことができ、またわざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要がないので、リモコンを小型化することもでき、正確に効率良く個人認証を行うことができ、個人識別に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0037】
次に、
図1に示された洗浄便座システムにおいて、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。
図2は同実施の形態に係る洗浄便座を用いた時の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
【0038】
まず、洗浄便座のリモコン40の蓋開閉ボタン100に指静脈による個人識別機能を組み込み、蓋開閉ボタンと一体化させ、このボタンを押下すると同時に個人認証が行われる。また、これらのボタンとは別に、トイレに人が入ってきたことを検知する人体検知センサがトイレ内に設置されている。
【0039】
まず、このトイレに人が入る(ステップS0)と、トイレに設置された人感センサでトイレに人が入ってきたことを検知し(ステップS1)、在室信号がONされる(ステップS2)。トイレに入った人がリモコン40内の蓋開閉ボタン100を押下する(ステップS3)と、便器の蓋が開き、個人が認証される(ステップS4)。その状態で使用者は排尿を始めると(ステップS5)、尿が検知される(ステップS6)その後排尿が終わり(ステップS7)、トイレから人が出てくる(ステップS8)と、トイレ内の人感センサで人が居ないことが判定でき(ステップS9)、在室信号はOFFとなる(ステップS10)。これによって、トイレに入った人の特定や尿の情報は無線送信により、クラウドサーバに送信され、データサーバ上で保存させることができる(ステップS11)。
【0040】
このように、洗浄便座のリモコン部のボタンのうち、トイレに入った人が必ず押下する蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋開閉ボタンを押下することによって、蓋が開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができる。また、リモコンの蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、ボタンと一体化させることによって
リモコンの小型化、メンテナンス性を向上させ、ボタン押下だけで容易にトイレ使用者を正確に判定することができるので、コンパクトで簡便な個人認証機能付きリモコンの洗浄便座システムが可能となり、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0041】
本発明は、介護や病院の施設用の洗浄便座でもよく、また乾燥手段のある洗浄便座にも適用できる。
【0042】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2の洗浄便座システムにおいて、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態で用いる洗浄便座の概略模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
【0043】
図5の洗浄便座10において、20は洗浄ノズル出口、30はノズル制御手段を示している。また、洗浄便座10の蓋前面近傍には個人認証ボタン200が設置されており、便座の蓋を手動で開ける時に、同時に個人認証を即座に容易に判定することができるものである。
【0044】
この洗浄便座システムを用いることによって、トイレに入った使用者が、まず便座の蓋を開ける時、蓋に設置された個人認証ボタン200に触れて、蓋を開けると同時に個人を特定することができ、その情報をデータサーバに送信することができる。
【0045】
このように、洗浄便座の蓋前面に、トイレに入った人が必ず触れて蓋を開くことができる箇所に個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの個人認証機能部分に触れて蓋を開けることによって、蓋を開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができ、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0046】
この時の個人認証手段としては、指静脈センサでよく、また指紋センサのような反射型光検知センサのようなものでもよい。
【0047】
このようにすることによって、個人認証機能を洗浄便座と一体化することによってメンテナンス性、設置性を向上させ、手動で蓋を開けると同時に個人認証機能が動作し、容易に簡便に即座に個人識別を行うことができ、またわざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要がないので、洗浄便座を大型化する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができ、個人識別に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0048】
図3に示された洗浄便座システムにおいて、
図4は同実施の形態に係る洗浄便座を用いた時の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
【0049】
まず、洗浄便座の前面手前に指静脈による個人認証ボタン200を組み込み、洗浄便座と一体化させ、この蓋を開けると同時にこのボタンに触れると個人認証が行われる。また、これらのボタンとは別に、トイレに人が入ってきたことを検知する人体検知センサがトイレ内に設置されている。
【0050】
まず、このトイレに人が入る(ステップS0)と、トイレに設置された人感センサでトイレに人が入ってきたことを検知し(ステップS1)、在室信号がONされる(ステップS2)。トイレに入った人が便座の蓋前面手前を持って蓋を開ける(ステップS20)と、その領域には個人識別ボタンがあるので、個人が特定認証される(ステップS21)。
その後使用者は排尿を始めると(ステップS5)、尿が検知される(ステップS6)その後排尿が終わり(ステップS7)、トイレから人が出てくる(ステップS8)と、トイレ内の人感センサで人が居ないことが判定でき(ステップS9)、在室信号はOFFとなる(ステップS10)。これによって、トイレに入った人の特定や尿の情報は無線送信により、クラウドデータサーバに送信され、データサーバ上で保存させることができる(ステップS11)。
【0051】
このように、トイレに入った人が必ず触れる洗浄便座の蓋前面手前に、個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの洗浄便座の蓋前面手前を持って蓋を開けると、蓋を開けると同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができる。また、洗浄便座蓋前面に個人認証機能を付加し、便座と一体化させることによって便座の高機能化、メンテナンス性を向上させ、蓋を開けるだけで容易にトイレ使用者を正確に判定することができるので、コンパクトで簡便な個人認証機能付き洗浄便座システムが可能となり、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができる。
【0052】
これによって、本実施の形態によると、リモコンがなくてもトイレに入った人が必ず触れる洗浄便座の蓋の前面に個人認証機能を付加し、トイレに入った後、まずこの蓋を開くことによって、蓋を開くと同時に個人認証も容易に行うことができ、わざわざ個人認証ボタンを別途設置する必要もなく、正確に効率良く個人認証を行うことができる。さらに、これらの情報をサーバに無線送信して携帯情報端末で見ることができ、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
【0053】
なお、本実施例では指紋個人認証機能として指紋センサを用いたが、静脈センサや反射型光センサであってもいい。
【0054】
また、これらの洗浄便座システムで上記方法を行うためには、CPUコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な独自のプログラムが必要である。本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明は、洗浄便座のリモコンと個人認証機能を一体化し、トイレに入った人がまず最初に必ず触れる蓋開閉ボタンに個人認証機能を付加し、蓋開閉ボタンを押下し蓋が開くと同時に、個人認証を容易に効率よく行うことができ、トイレ使用者を正確に判定することができる。そのため、コンパクトで簡便な個人認証機能付きリモコンの洗浄便座システムが可能となり、個人認証に対する正確性、信頼性を確実に向上させることができ、家庭用の洗浄便座に対して有用である。
【0056】
また、家庭用に限らず介護施設や病院等の業務用などにおいても利用可能である。
【0057】
上記開示内容から導出される発明は以下の通りである。
1.便座装置であって、
閉じられた状態から開かれた状態にモータにより駆動される蓋を具備する便座、
前記蓋を開けるためのボタンを具備するリモコン、および
制御部
を具備し、
前記制御部は、
前記ボタンが押下されると、前記モータによって前記蓋が開く、
ように構成され、
前記ボタンは、個人を特定するための個人認証手段を具備している、
便座装置。
2.前記個人認証手段が、指紋センサである、前記項目1に記載の便座装置。
【符号の説明】
【0058】
10 洗浄便座
20 洗浄ノズル出口
30 制御手段
40 リモコン
50 蓋開閉ボタン
60 洗浄ノズル動作ボタン
100 蓋開閉ボタン
110 洗浄ノズル動作ボタン
200 個人認証ボタン