(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120284
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】OCTガイド緑内障手術のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A61F9/008 130
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097357
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2021181536の分割
【原出願日】2018-06-18
(31)【優先権主張番号】62/521,310
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/011,011
(32)【優先日】2018-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447684
【氏名又は名称】ベルリン、マイケル エス.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ベルリン、マイケル エス.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科医が眼に外科的処置を実施することを支援するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】外科的処置は、細長いプローブを、開口部から前房をわたって眼内に、小柱網およびシュレム管を含む標的組織領域に挿入することを含む。例示的なシステムは、外科医が処置中に顕微鏡画像で眼を視認するための光学顕微鏡と、処置中に標的組織領域における標的位置のOCTスキャンを実施するように構成された光干渉断層法(OCT)装置と、標的位置のOCT画像と位置を識別するグラフィック視覚要素とを重ね合わせることによって、拡張画像を生成するように構成された画像処理装置と、を含み、グラフィック視覚要素は、外科医が細長いプローブの遠位端を標的位置まで前進させるのを支援するために、顕微鏡画像に位置合わせされる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
光干渉断層計(OCT)システムが、対象の眼の組織における光干渉断層(OCT)画像データを取得する工程と、
プロセッサが、前記眼の組織内の集合管を特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程と、
前記プロセッサが、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記眼の組織内における1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程と、
前記プロセッサが、前記特定された標的位置の少なくとも1つに対してレーザビームを適用するための制御信号をレーザに送信する工程と、
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記眼の組織内において前記集合管の密度が最大である位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、さらに、
前記プロセッサが、前記眼の組織内の集合管の大きさを特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程を有し、
前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記眼の組織内において前記集合管の大きさが最大である位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記眼の組織内において前記集合管が最大数である位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、さらに、
前記プロセッサが、前記眼の組織内の集合管の閉塞部を特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程を有し、
前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記眼の組織内において前記集合管の閉塞が最小限である位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、さらに、
前記プロセッサが、前記眼の組織内の集合管の大きさを特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程を有し、
前記光干渉断層(OCT)画像データにおいて特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記集合管を通る流体流量が最大である位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理する工程により特定された前記集合管に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程は、前記眼の組織内の所定の位置における集合管の密度、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の数、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の大きさ、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の閉塞部、および前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の流体流量の任意の組み合わせに基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置を特定する工程を有する、方法。
【請求項8】
システムであって、
レーザ光源と、
プロセッサであって、
対象の眼の組織の光干渉断層(OCT)画像データを受信し、
前記眼の組織内の集合管を特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理し、
前記光干渉断層(OCT)画像データの処理によって特定された前記集合管に基づいて、レーザ治療の対象となる、前記眼の組織内における1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、
前記プロセッサと
を有し、
前記レーザ光源は、前記選択された1若しくはそれ以上の標的位置において前記眼に対するレーザ治療を実行するように制御されるものである、
システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムおいて、さらに、前記レーザ治療中に光干渉断層(OCT)画像処理を実行するように構成された光干渉断層計(OCT)システムを有し、
前記プロセッサは、前記光干渉断層(OCT)画像処理に基づいて、前記選択された1若しくはそれ以上の標的位置における光学的切除を誘導するように構成されているものである、
システム。
【請求項10】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内において前記集合管の密度が最大である位置を選択することにより、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項11】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内の集合管の大きさを特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理し、前記集合管の大きさに基づいて、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項12】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内において前記集合管が最大数である位置を選択することにより、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項13】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内の集合管の閉塞部を特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理し、前記眼の組織内において前記集合管の閉塞が最小限である位置を選択することにより、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項14】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内の集合管を通る流体流量を特定するために、前記光干渉断層(OCT)画像データを処理し、前記眼の組織内において前記集合管を通る流体流量が最大である位置を選択することにより、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項15】
請求項8記載のシステムおいて、前記プロセッサは、前記眼の組織内の所定の位置における集合管の密度、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の数、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の大きさ、前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の閉塞部、および前記眼の組織内の前記所定の位置における集合管の流体流量の任意の組み合わせに基づいて、標的位置を選択することにより、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、システム。
【請求項16】
システムであって、
レーザ光源と、
視認装置と、
プロセッサであって、
対象の眼の角膜・強膜における角度を成す構造体の組織の光干渉断層(OCT)画像データを受信し、
前記視認装置に、前記レーザ光源によるレーザ治療の対象となる1若しくはそれ以上の標的位置を当該システムのユーザに対して表示させるように構成されているものである、
前記プロセッサと
を有し、
前記1若しくはそれ以上の標的位置は、前記眼の角膜・強膜における角度を成す構造体の光干渉断層(OCT)画像データに基づいて選択されるものである、
システム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムおいて、前記プロセッサは、さらに、前記視認装置によって前記ユーザに表示される1若しくはそれ以上のグラフィック視覚要素により、レーザ治療の対象となる前記1若しくはそれ以上の標的位置を前記ユーザに示すように構成されているものである、システム。
【請求項18】
請求項16記載のシステムおいて、さらに、
前記レーザ治療中に光干渉断層(OCT)画像処理を実行するように構成された光干渉断層計(OCT)システムを有し、
前記プロセッサは、さらに、前記光干渉断層(OCT)画像処理に基づいて、前記1若しくはそれ以上の標的位置において光的切除が行われるように、前記ユーザの誘導を実行するものである、
システム。
【請求項19】
請求項16記載のシステムおいて、前記プロセッサは、さらに、
前記眼の組織における、小柱網、傍小管小柱網(JCTM)、シュレム管、またはシュレム管の内壁のうちの少なくとも1つを特定するために前記光干渉断層(OCT)画像データを処理し、
前記光干渉断層(OCT)画像データを処理することにより特定された小柱網、傍小管小柱網(JCTM)、シュレム管、またはシュレム管の内壁のうちの少なくとも1つに基づいて、レーザ治療のために、前記眼の組織内における1若しくはそれ以上の標的位置を選択するように構成されているものである、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2017年6月16日に出願された、「Methods and Systems for OCT Guided Glaucoma Surgery」と題される米国特許仮出願第62/521,310号の利益を主張する。この出願はまた、2018年1月11日に出願された、「Methods and Systems for OCT Guided Glaucoma Surgery」と題される米国特許出願第15/868,904にも関する。これらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、視覚に重要な眼内構造体が不可逆的に損傷する眼の病気である。これらの構造体は、網膜の部分、特に視神経の部分を含む。治療可能な状態である緑内障は、米国の失明の2番目の主要原因として挙げられている。数百万人が影響を受けている。緑内障には、開放隅角緑内障および閉塞隅角緑内障の2つの主要なタイプがある。緑内障の最も一般的なタイプである開放隅角緑内障は、正常に見える流出経路が機能不全になり、その結果、眼が流体を適切に排出せず、眼圧が上昇する場合に発生する。ほとんどの開放隅角緑内障の眼圧上昇(IOP)は、主に傍小管小柱網(TM)およびシュレム管(SC)の内壁に局在する房水流出の閉塞に起因するものである。
【0003】
流出閉塞に起因するIOP上昇の治療法は、局所および全身薬、一般開業医によるレーザ手術、リスクが内在する侵襲的外科手術(線維柱帯アブレーション術/チューブシャント)を含む。レーザ手術の例としては、アルゴンレーザ線維柱帯形成術(ALT)および選択的レーザ線維柱帯形成術(SLT)が挙げられる。最近では、低侵襲性緑内障手術(MIGS)または微小侵襲性緑内障外科手術と一般的に呼ばれる低侵襲性外科手術が治療パラダイムに導入されている。MIGSによるIOP低減の現在のアプローチは、傍小管小柱網(TM)およびSCの内壁をバイパスすることによる小柱流出の増加、脈絡膜上経路を介したブドウ膜強膜流出の増加、毛様体からの房水産生の減少、または外部結膜下/強膜下排水経路の作成を含む。
【0004】
MIGSの一般的な概念は、通常、短期的および/または長期的なリスクが著しく高い可能性がある代替経路を作成するのではなく、流出閉塞をバイパスすること、およびしばしば流出閉塞の領域を越えて無傷で機能する、眼の固有の流出システムを介した流れの再開を可能にすることである。
【0005】
MIGS処置は、しばしば、視覚化および眼内流出システムへのアクセスを伴う。角膜の形状、および虹彩が周辺角膜と接触していると思われる領域のMIGS処置に関連する眼内構造体の位置に起因して、内部全反射が発生し、外科医が光路の「臨界角」を越えて存在する流出構造体を視認することを妨げる可能性があり、臨界角はまた、本明細書に開示される前房の外科的処置の文脈では、前房光学視認経路の「臨界角」と呼ぶこともできる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示される光路は、前房角構造体を視認すること指すことができ、眼の視覚系、例えば、角膜の中心付近から黄斑への光路を指すことはない。そのため、外科医がMIGS処置を実施するには、しばしば、これらの流出構造体の視覚化を可能にするデバイスが必要になる。ゴニオレンズは、内部全反射を克服することによって、直接(これらの構造体を視認するための直線的な光路を可能にする)および間接(ミラーを使用してこれらの構造体を視認する)の両方で機能する。しかし、ゴニオレンズの術中の使用には、かなりの器用さおよび急な学習曲線が必要になる場合があり、これにより、少なくともいくつかの場合、成功したMIGS処置が特定の熟練した外科医に制限される場合がある。
【0006】
これらの外科的処置の少なくともいくつかでは、小柱網およびシュレム管の内壁を通る外科用開口部を作成して、眼内圧を低下させるためにシュレム管への流体アクセスの改善を可能にすることができる。シュレム管を正確に標的とする従来のアプローチは、しばしば理想的ではない。したがって、シュレム管および眼の他の構造体を標的とする際の一貫性および精度を改善する方法および装置を提供することは有益であろう。また、本開示に関する研究は、従来のアプローチのうちの少なくともいくつかが、理想的な位置とは異なる位置、例えば集合チャネルから遠く離れた場所でシュレム管に開口部をもたらす可能性があることを示唆している。シュレム管をバイパスし、房水を脈絡膜上腔に排出する代替のMIGSデバイスも、隣接する眼内構造体の視覚化を改善することによって、標的位置の配置から利益を得ることができる。そのようなインプラントデバイスの例としては、小管内iStent(登録商標)、iStentインジェクト、および脈絡膜上CyPass(登録商標)マイクロステントが挙げられる。シュレム管に開通するチャネル開口部を作成するエキシマレーザ線維柱帯切開術(ELT)も、標的の改善および眼の構造体の視覚化の恩恵を受けることができる。
【0007】
小柱網および強膜棘などの虹彩角膜角付近の眼の構造体を視認するための現在の方法および装置は、少なくともいくつかの場合では、理想的ではない場合がある。例えば、ゴニオレンズは、理想的なものよりも使用がやや難しい場合があり、この領域の手術中に虹彩角膜角付近の眼の構造体を視認するための装置を改良した方法を提供することは有益である。
【0008】
上記に照らして、外科的処置中に眼を画像化し、シュレム管などの眼の流出構造体を標的とし、小柱網を通ってシュレム管に通じる開口部の標的位置を判定して流れを改善するための改善された方法および装置が有用であろう。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に開示される方法および装置は、MIGSおよびその多くの種類を含む流出構造体の緑内障手術がゴニオレンなしで実施されることを可能にする。本発明の一態様によれば、眼科外科医は、これらの流出構造体を識別し、構造体の仮想画像および表示ならびに光干渉断層法(OCT)スキャンを使用して生成される手術器具を通じてこれらの構造体に手術することができる。
【0010】
一態様では、医師が眼に対して外科的処置を実施することを支援するシステムが提供される。手術処置は、細長いプローブを、開口部から前房を横切って眼内に、小柱網およびシュレム管を含む標的組織領域に挿入することを含む。システムは、外科医が処置中に顕微鏡画像で眼を視認するための光学顕微鏡と、処置中に標的組織領域における1つ以上の標的位置の光干渉断層法(OCT)スキャンをリアルタイムで実施するように構成された1つ以上のOCT装置と、(1)1つ以上の標的位置の1つ以上のOCT画像、および/または(2)1つ以上の標的位置を識別する複数のグラフィック視覚要素の視認を可能にすることによって、およびいくつかの場合には、それに重ね合わせることによって、複数の拡張画像(現実および仮想)を生成するように構成された画像処理装置と、を備え、複数のグラフィック視覚要素は、実際の顕微鏡画像に位置合わせされて、医師が細長いプローブの遠位端を1つ以上の標的位置に前進させることを支援する。
【0011】
別の態様では、本発明の実施形態は、患者の眼に対して外科的処置を実施する方法を包含する。例示的な方法は、視認デバイス上でリアルタイムビューを視認することを含んでもよく、リアルタイムビューは、(i)眼の顕微鏡ビュー、および(ii)顕微鏡ビューまたは眼の顕微鏡画像を有する拡張画像を含んでもよい。拡張画像はまた、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像も有してもよい。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。OCT画像は、標的組織に位置付けられた標的位置の識別を可能にすることができ、実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない。例示的な方法は、顕微鏡ビューまたは視認デバイスの拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることであって、細長いプローブの遠位端が、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で最初に目視可能であり、その後、標的組織がある眼の領域内の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくなる、前進させることをさらに含んでもよい。例示的な方法はまた、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する拡張画像からの情報を知覚している間、細長いプローブを使用して実際の標的位置で外科的処置を実施することも含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わせることができる。いくつかの実施形態では、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡ビューを有する拡張画像を含み、OCT画像は、顕微鏡ビューに位置合わせされ、実際の標的位置は、顕微鏡ビュー内で目視可能ではない。グラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューに重ね合わせてもよい。いくつかの実施形態では、前進させるステップは、視認デバイス上の拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることであって、細長いプローブの遠位端が、顕微鏡ビュー内で最初に目視可能であり、その後、標的組織領域がある眼の領域内の内部全反射に起因して、顕微鏡ビュー内で目視可能でなくなる、前進させることを含む。いくつかの実施形態では、実施するステップは、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビュー内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する顕微鏡ビューからの情報を知覚している間、細長いプローブを使用して実際の標的位置で外科的処置を実施することを含む。いくつかの実施形態では、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、シュレム管および集合チャネル系に関する情報を含む。いくつかの実施形態では、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を含む。
【0013】
いくつかの例では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、前進させるステップは、細長いプローブの遠位端が標的組織領域に接近および接触するにつれて、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素および拡張画像上の標的位置に対応するグラフィック視覚要素を視認しながら、細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることを含む。いくつかの実施形態では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素、および眼の小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、方法は、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素と、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素とが、十分に近い場合、細長いプローブの遠位端と小柱網の表面との間に接触があると判定することを含む。いくつかの実施形態では、眼の小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素および傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、方法は、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素と、傍小管小柱線維網に対応するグラフィック視覚要素とが、十分に近い場合、眼の小柱網が十分に圧迫されているかどうかを判定することを含む。いくつかの実施形態では、眼のシュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、方法は、シュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像から消えているとき、シュレム管の内壁が貫通されたと判定することを含む。
【0014】
いくつかの例では、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指す。いくつかの例では、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指す。いくつかの方法では、前進させるステップは、ガイダンス矢印をガイドとして使用しながら、細長いプローブの遠位端を標的位置に向けて前進させることを含む。いくつかの方法では、実施するステップは、細長いプローブから発するレーザパルスで標的位置をアブレーションすることを含み、前房を標的位置でシュレム管の内腔に接続するチャネルの作成に続いて、第2のガイダンス矢印は、顕微鏡画像の顕微鏡ビューに重ね合わされ、第2のガイダンス矢印は、眼の第2の標的位置を識別する第2のグラフィック視覚要素を指し、方法は、第2のガイダンス矢印をガイドとして使用しながら、細長いプローブの遠位端を第2の標的位置に向けて前進させることをさらに含んでもよい。方法はまた、第2の標的位置を細長いプローブでアブレーションすることも含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、表示デバイス、顕微鏡デバイス、ヘッドアップディスプレイ、視認モニタ、仮想現実視認デバイス、または拡張現実視認デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、細長いプローブの遠位端を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素に対する細長いプローブの相対的な位置に基づき得る。いくつかの例では、実際の標的位置は、眼の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない。いくつかの例では、標的位置は、術前光干渉断層法(OCT)画像、術中光干渉断層法(OCT)画像、術前光干渉断層法(OCT)画像および術中光干渉断層法(OCT)画像、または外科医による決定に基づいて判定される。いくつかの例では、術前OCT画像は、眼のシュレム管および集合チャネルの網を示し、標的位置は、術前OCT画像に基づいて判定される。いくつかの例では、標的位置は、顕微鏡ベースのOCT画像、光ファイバベースのOCT画像、または顕微鏡ベースのOCT画像および光ファイバベースのOCT画像に基づいて判定される。
【0016】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、外科医が患者の眼に対して外科的処置を実施することを支援する方法を包含する。そのような処置では、外科医は、遠位端を有する細長いプローブを使用してもよい。例示的な方法は、外科医にリアルタイムビューを提供することを含む。リアルタイムビューは、(i)眼の顕微鏡ビュー、および(ii)顕微鏡ビューまたは眼の顕微鏡画像を有する拡張画像を含み得る。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含んでもよい。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。OCT画像は、標的組織領域に位置付けられている標的位置の識別を可能にし得る。実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にし得る。
【0017】
いくつかの例では、標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得る。いくつかの例では、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡ビューを有する拡張画像を含み、OCT画像は、顕微鏡ビューに位置合わせされ、実際の標的位置は、顕微鏡ビューでは表示されず、拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューで目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にする。グラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューに重ね合わされ得る。いくつかの実施形態によれば、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡画像を有する拡張画像を含み、OCT画像は、顕微鏡画像に位置合わせされ、実際の標的位置は、顕微鏡画像では目視可能ではなく、拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡画像で目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にする。グラフィック視覚要素は、顕微鏡画像に重ね合わされ得る。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、シュレム管および集合チャネル系に関する情報を含む。いくつかの実施形態によれば、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を含む。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報は、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素、および標的位置に対応するグラフィック視覚要素によって提供される。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素、および眼の小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素と小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて、細長いプローブの遠位端と小柱網の表面との間に接触があると判定することを可能にする。いくつかの例では、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素および眼の傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素と傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて、眼の小柱網が十分に圧迫されているかどうかを判定することを可能にする。いくつかの例では、眼のシュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、シュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に存在するかまたは不在であるかどうか基づいて、シュレム管の内壁が貫通されたかどうかを判定することを可能にする。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指す。いくつかの実施形態によれば、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指し、標的位置のアブレーションに続いて、第2のガイダンス矢印は、顕微鏡画像の顕微鏡ビューに重ね合わされ、第2のガイダンス矢印は、眼の第2の標的位置を識別する第2のグラフィック視覚要素を指す。いくつかの例では、リアルタイムビューは、表示デバイス、顕微鏡デバイス、ヘッドアップディスプレイ、視認モニタ、仮想現実視認デバイス、または拡張現実視認デバイスによって、外科医に提供される。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素に対する細長いプローブの遠位端を識別する相対的な位置に基づいている。いくつかの例では、実際の標的位置は、眼の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない。いくつかの例では、標的位置は、術前光干渉断層法(OCT)画像、術中光干渉断層法(OCT)画像、術前光干渉断層法(OCT)画像および術中光干渉断層法(OCT)画像、または外科医による決定に基づいて判定される。いくつかの例では、術前OCT画像は、眼のシュレム管および集合チャネルの網を示し、標的位置は、術前OCT画像に基づいて判定される。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、標的位置は、顕微鏡ベースのOCT画像、光ファイバベースのOCT画像、または顕微鏡ベースのOCT画像および光ファイバベースのOCT画像に基づいて判定され得る。いくつかの例では、方法は、眼の小柱網の十分な圧迫の検出時に、外科医に通知を提供することをさらに含んでもよく、十分な圧迫は、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素と傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて検出される。いくつかの例では、方法はまた、眼の小柱網の十分な圧迫の検出時に、実際の標的位置へのレーザアブレーションエネルギーの送達を自動的に開始することも含んでもよい。いくつかの場合、シュレム管の内壁の貫通の検出時に、外科医に通知を提供することを含み得、シュレム管の内壁の貫通が、細長いプローブによって検出され、シュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素が、拡張画像内に存在するかまたは不在であるかどうかに基づいて、リアルタイムビューで示される。いくつかの場合、方法は、シュレム管の内壁の貫通の検出時に、実際の標的位置へのレーザアブレーションエネルギーの送達を自動的に終了することを含んでもよい。
【0021】
別の態様では、本発明の実施形態は、例えば、外科医が遠位端を有する細長いプローブを使用する場合、外科医が患者の眼に対して外科的処置を実施することを支援するコンピュータプログラム製品を包含する。コンピュータプログラム製品は、非一時的な有形のコンピュータ可読媒体で具現化され得る。例示的なコンピュータプログラム製品は、外科医による視認のためのリアルタイムビューを生成するためのコンピュータ実行可能コードを含み、リアルタイムビューは、(i)眼の顕微鏡ビュー、および(ii)顕微鏡ビューを有する拡張画像または眼の顕微鏡画像を含む。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含み得る。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。OCT画像は、標的組織領域に位置付けられている標的位置の識別を可能にし得る。実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にし得る。いくつかの場合、標的組織領域に位置付けられている標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされる。いくつかの実施形態によれば、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡ビューを有する拡張画像を含み、OCT画像は、顕微鏡ビューに位置合わせされ、実際の標的位置は、顕微鏡ビューでは目視可能ではなく、拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューで目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にする。グラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューに重ね合わされ得る。いくつかの実施形態によれば、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡画像を有する拡張画像を含み、OCT画像は、顕微鏡画像に位置合わせされ、実際の標的位置は、顕微鏡画像では目視可能ではなく、拡張画像は、外科医が、細長いプローブの遠位端が顕微鏡画像で目視可能ではないときに、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にする。グラフィック視覚要素は、顕微鏡画像に重ね合わされ得る。
【0022】
いくつかの例では、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、シュレム管および集合チャネル系に関する情報を含む。いくつかの例では、リアルタイムビューは、拡張画像を含み、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を含む。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報は、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素、および標的位置に対応するグラフィック視覚要素によって提供される。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素、および眼の小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、細長いプローブの遠位端に対応するグラフィック視覚要素と小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて、細長いプローブの遠位端と小柱網の表面との間に接触があると判定することを可能にする。いくつかの例では、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素および眼の傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素と傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて、眼の小柱網が十分に圧迫されているかどうかを判定することを可能にする。いくつかの例では、眼のシュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ、拡張画像は、外科医が、内壁シュレム管に対応するグラフィック視覚要素が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に存在するかまたは不在であるかどうか基づいて、シュレム管の内壁が貫通されたかどうかを判定することを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指し得る。いくつかの実施形態では、ガイダンス矢印は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得、ガイダンス矢印は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素を指し得、標的位置のアブレーションに続いて、第2のガイダンス矢印は、顕微鏡画像の顕微鏡ビューに重ね合わされ得、第2のガイダンス矢印は、眼の第2の標的位置を識別する第2のグラフィック視覚要素を指し得る。いくつかの例では、リアルタイムビューは、表示デバイス、顕微鏡デバイス、ヘッドアップディスプレイ、視認モニタ、仮想現実視認デバイス、または拡張現実視認デバイスによって、外科医に提供され得る。いくつかの例では、細長いプローブの遠位端を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置は、標的位置を識別するグラフィック視覚要素に対する細長いプローブの遠位端を識別する相対的な位置に基づいている。いくつかの場合、実際の標的位置は、眼の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、標的位置は、術前光干渉断層法(OCT)画像、術中光干渉断層法(OCT)画像、または術前光干渉断層法(OCT)画像および術中光干渉断層法(OCT)画像に基づいて判定され得る。いくつかの場合、術前OCT画像は、眼のシュレム管および集合チャネルの網を示し得、標的位置は、術前OCT画像に基づいて判定され得る。いくつかの場合、標的位置は、顕微鏡ベースのOCT画像、光ファイバベースのOCT画像、顕微鏡ベースのOCT画像および光ファイバベースのOCT画像、または外科医による決定に基づいて判定され得る。コンピュータプログラム製品は、眼の小柱網の十分な圧迫の検出時に、外科医に通知を提供するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得、十分な圧迫は、小柱網の表面に対応するグラフィック視覚要素と傍小管小柱網に対応するグラフィック視覚要素との相対的な位置に基づいて検出される。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、眼の小柱網の十分な圧迫の検出時に、実際の標的位置へのレーザアブレーションエネルギーの送達を自動的に開始するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、シュレム管の内壁の貫通の検出時に、外科医に通知を提供すためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得、シュレム管の内壁の貫通は、細長いプローブによって検出され、シュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素は、拡張画像内に存在するかまたは不在であるかどうかに基づいて、リアルタイムビューで示される。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、シュレム管の内壁の貫通の検出時に、実際の標的位置へのレーザアブレーションエネルギーの送達を自動的に終了するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。
【0025】
別の態様では、本発明の実施形態は、患者の眼に対して外科的処置を実施する方法を包含し、例示的な方法は、視認デバイスでリアルタイムビューを視認することを含み、リアルタイムビューは、顕微鏡ビューまたは目の顕微鏡画像を有する拡張画像を含む。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含み得る。OCT画像は、シュレム管および集合チャネル系に関する情報を含み得、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。いくつかの場合、標的組織領域に位置付けられている標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得る。実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。例示的な方法はまた、視認デバイスの拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることであって、細長いプローブの遠位端が、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で最初に目視可能であり、その後、標的組織がある眼の領域内の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくなる、前進させることも含んでもよい。例示的な方法はまた、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する拡張画像からの情報を知覚している間、細長いプローブを使用して実際の標的位置で外科的処置を実施することも含んでもよい。
【0026】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、患者の眼に対して外科的処置を実施する方法を包含し、例示的な方法は、視認デバイスでリアルタイムビューを視認することを含み、リアルタイムビューは、目の顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像を有する拡張画像を含む。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含み得る。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。標的組織領域に位置付けられている標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得る。実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。例示的な方法はまた、視認デバイス上の拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることも含んでもよく、細長いプローブの遠位端は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で最初に目視可能であり、その後、標的組織がある眼の領域内の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能でなくなる。顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされたOCT画像は、標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関することを含み得る。例示的な方法はまた、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚している間、細長いプローブを使用して実際の標的位置で外科的処置を実施することも含んでもよい。
【0027】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、外科医が患者の眼に対して外科的処置を実施する際に支援するためのコンピュータシステムを包含する。外科的処置中、外科医は、遠位端を有する細長いプローブを使用し得る。例示的なコンピュータシステムは、プロセッサと、プロセッサに動作可能に結合された電子記憶位置と、電子記憶位置に記憶され、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体で具現化されるプロセッサ実行可能コードと、を含み得る。プロセッサ実行可能コードは、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、外科医による視認のためのリアルタイムビューを生成させ得る。リアルタイムビューは、(i)眼の顕微鏡ビュー、および(ii)顕微鏡ビューまたは眼の顕微鏡画像を有する拡張画像を含み得る。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含み得る。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。実際の標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。拡張画像は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではないとき、外科医が標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にし得る。いくつかの場合、標的組織領域に位置付けられている標的位置を識別するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得る。
【0028】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、患者の眼の臨界角を越えて配設された標的組織領域における外科的処置を実施するためのファイバベースの装置を包含する。例示的なファイバベースの装置は、シース、およびシースによってカプセル化された1つ以上の光ファイバを含み得る。1つ以上の光ファイバは、(i)標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送し、かつ(ii)眼の光干渉断層法(OCT)画像化を可能にするように構成され得る。ファイバベースの装置は、プローブの縦軸に沿って標的組織領域のOCT画像化を実施するように構成され得る。いくつかの場合、標的組織領域は、小柱網、傍小管小柱網、眼のシュレム管の内壁、およびシュレム管を含む。いくつかの場合、OCTスキャンが標的組織領域の小柱網が十分に圧迫されていることを示すとき、標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送するように構成されている、ファイバベースの装置。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、OCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するように構成され得る。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、OCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、OCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を停止するように、外科医に通知するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCT装置によって検出されるように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCT装置によって検出されるように構成されており、ファイバベースの装置と顕微鏡ベースのOCT装置との両方によって処理された情報が、外科医が標的組織領域内で手術することを可能にするように表示され得る。
【0029】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、患者の眼の臨界角を越えて配設された標的組織領域における外科的処置を容易にする際に使用するための顕微鏡ベースの光干渉断層法(OCT)装置を包含する。例示的な顕微鏡ベースのOCT装置は、(i)眼の前房内に配設されたプローブを検出するように、かつ(ii)眼のOCT画像化を可能にするように構成されたOCTユニットを含んでもよい。顕微鏡ベースのOCTは、標的組織領域のOCT画像化を実施するように構成されている。いくつかの場合、標的組織領域は、小柱網、傍小管小柱網、眼のシュレム管の内壁、およびシュレム管を含む。いくつかの場合、顕微鏡ベースのOCT装置は、ファイバベースの装置を検出するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCTスキャンが標的組織領域の小柱網が十分に圧迫されていることを示すとき、標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するように構成され得る。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を停止するように、外科医に通知するように構成されている。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCT装置によって検出されるように構成されており、ファイバベースの装置と顕微鏡ベースのOCT装置との両方によって処理された情報が、外科医が標的組織領域内で手術することを可能にするように表示され得る。
【0030】
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、外科的処置中に顕微鏡ベースの光干渉断層法(OCT)装置およびファイバベースの装置を制御するためのコンピュータプログラム製品を包含する。外科的処置は、患者の眼の臨界角を越えて配設された標的組織領域において外科医によって実施され得る。例示的なコンピュータプログラム製品は、標的組織領域のOCT画像化を実施するように、顕微鏡ベースのOCT装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードと、外科医によって制御されるプローブの縦軸に沿って、標的組織領域のOCT画像化を実施するように、ファイバベースの装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードと、を含んでもよい。いくつかの場合、標的組織領域は、小柱網、傍小管小柱網、眼のシュレム管の内壁、およびシュレム管を含む。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、ファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンが、標的組織領域の小柱網が十分に圧迫されていることを示すとき、標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送するように、ファイバベースの装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置によって実施されるOCTスキャンが、標的組織領域の小柱網が十分に圧迫されていることを示すとき、ファイバベースの装置が標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送することを可能にするように、顕微鏡ベースのOCT装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置と組み合わされたファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンが、標的組織領域の小柱網が十分に圧迫されていることを示すとき、ファイバベースの装置が標的組織領域をフォトアブレーションするのに十分な光エネルギーを伝送することを可能にするように、顕微鏡ベースのOCT装置と組み合わされたファイバベースの装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、ファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置によって実施されるOCTスキャンが、シュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置と組み合わされたファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンが、シュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、ファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンがシュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を停止するように、外科医に通知するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置によって実施されるOCTスキャンが、シュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を停止するように、外科医に通知するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、顕微鏡ベースのOCT装置と組み合わされたファイバベースの装置によって実施されるOCTスキャンが、シュレム管の内壁が貫通されたことを示すとき、光エネルギーの伝送を自動的に停止するように、外科医に通知するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、コンピュータプログラム製品は、ファイバベースの装置を検出するように、顕微鏡ベースのOCT装置に命令するためのコンピュータ実行可能コードをさらに含み得る。いくつかの場合、ファイバベースの装置は、顕微鏡ベースのOCT装置によって検出されるように構成され得、ファイバベースの装置と顕微鏡ベースのOCT装置との両方によって処理された情報が、外科医が標的組織領域内で手術することを可能にするように表示され得る。
【0031】
別の態様では、本発明の実施形態は、視認デバイス上で拡張画像を視認することを含む治療方法を包含し、拡張画像は、眼の顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像を有し、拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに有する。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。OCT画像は、標的組織領域に位置付けられている標的位置の識別を可能にし得、標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像では目視可能でなくてもよい。関連する方法は、顕微鏡ビューまたは視認デバイスの拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることを含んでもよく、細長いプローブの遠位端は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で最初に目視可能であり、その後、眼内の内部全反射に起因して、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくなる。関連する方法は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する拡張画像からの情報を知覚している間、細長いプローブを使用して標的位置で外科的処置を実施することをさらに含んでもよい。
【0032】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、特許出願、雑誌記事、書籍、技術参考資料などは、各個々の出版物、特許、特許出願、雑誌記事、書籍、技術参考資料と同程度に参照により本明細書に組み込まれ、または同様のものは、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。提供されるシステムおよび方法の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるであろう。
【
図1】解剖学的構造体を示す眼の概略断面図である。
【
図2】角膜強膜角および房水の流れを示す、眼の前房に隣接する解剖学的構造体の部分斜視図である。
【
図3】角膜輪部穿刺部位から前房を通過し、眼の前房内の小柱網に向かう光ファイバプローブを示す眼の概略断面図である。
【
図4】本発明の実施形態による、医師が眼に対して外科的処置を実施するのを支援するシステムを概略的に示す。
【
図5】本発明の実施形態による、医師が眼に対して外科的処置を実施するのを支援するシステムを概略的に示す。
【
図6】眼および光ファイバプローブの現実の画像と、例示的な拡張(仮想)画像および拡張(仮想)ビューとの両方を示す。
【
図6A】本発明の実施形態による、患者の眼および光学デバイスの態様を示す。
【
図6B】本発明の実施形態による、拡張ビューまたは画像の態様を示す。
【
図6C】本発明の実施形態による、拡張ビューまたは画像の態様を示す。
【
図7A】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図7B】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図7C】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図7D】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図7E】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図7F】手術中に外科医またはユーザが視認するような例示的な現実の画像および拡張/仮想画像を示す。
【
図8】本発明の実施形態による、光ファイバベースのOCTに基づく例示的なシステムを示す。
【
図9】
図8のシステムを使用して取得した例示的な拡張(仮想)画像および拡張(仮想)ビューを示す。
【
図10】本発明の実施形態による、顕微鏡ベースのOCTに基づく例示的なシステムを示す。
【
図11】本発明の実施形態による、OCTガイダンスシステム1100の一例を概略的に示す。
【
図12A】提供されるシステムと組み合わせて使用され得る器具の例を示す。
【
図12B】提供されるシステムと組み合わせて使用され得る器具の例を示す。
【
図12C】提供されるシステムと組み合わせて使用され得る器具の例を示す。
【
図12D】提供されるシステムと組み合わせて使用され得る器具の例を示す。
【
図13A】実施形態による、標的位置およびプローブ位置を決判定するための方法の流れ図を示す。本発明の実施形態による、治療方法および支援方法の態様をそれぞれ示す。
【
図13B】実施形態による、標的位置およびプローブ位置を決判定するための方法の流れ図を示す。本発明の実施形態による、治療方法および支援方法の態様をそれぞれ示す。
【
図14】本出願で開示される分析および制御システムを実装するように構成され得る、任意の分析および制御システムを示す。
【
図15】術前OCT画像の例、ならびに集合チャネルおよび標的位置を示す拡張術前OCT画像の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図では、文脈からそうではないことが示されていない限り、同様の記号は通常、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に一般的に記載され、図面に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、それらのすべては、本明細書で明示的に企図されることは容易に理解されよう。
【0035】
この方法および装置は、例えば、iStent(登録商標)、iStent Inject、Cypass(登録商標)など、緑内障を治療するための複数の代替MIGSアプローチとの組み合わせによく適している。いくつかの実施形態ではゴニオレンズを用いない治療に言及しているが、本明細書に開示される方法および装置はまた、ゴニオレンズとの組み合わせ使用にもよく適している。
【0036】
本明細書で開示される方法およびシステムは、眼科外科医のより大きなコホートがMIGS処置を首尾よく実施することを可能にし得る。例えば、開示される方法および装置は、例えば、眼の前房からシュレム管への房水の改善された流出を可能にする開口部をより均一かつ一貫して作成する手術を可能にすることができる。さらに、開示されたシステムおよび方法は、外科医が流出を増加させることを意図したシュレム管への開口部の標的位置を識別することを可能にすることによって、外科的結果の改善につながり得る。いくつかの場合、標的位置は、組織の表面もしくは層、または組織の位置、例えば、小柱網、傍小管小柱網(JCTM)、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、強膜、またはこれらの所望の組み合わせを含んでもよい。
【0037】
現在開示されている方法および装置は、外科用顕微鏡画像と、リアルタイムヘッドアップディスプレイ画像を外科医が同時に視認することを可能にする感知デバイスとの組み合わせを含んでもよい。これらのリアルタイム画像は、外科医が、小柱網およびシュレム管を含む構造体などの、手術用顕微鏡を使用するだけでは容易に視覚化できない眼の中の位置を標的にして治療することを可能にすることができる。本明細書に開示される方法および装置は、外科医が、内部全反射によって不明瞭にされるかまたは遮断される角度構造体を視認することを可能にし得る。例えば、開示される方法および装置は、OCT光干渉断層法(OCT)技術を使用して、他の方法では目視しにくいまたは目視可能ではない、集合チャネル系などの構造体の画像または情報を収集することを可能にする。外科医は、眼の現実の画像および眼内構造体の重なり合っている投影画像を、例えば、以前に取得した集合チャネル系のOCT画像を介して、集合チャネル系などの眼内構造体の画像を配置することによって、同時に視認することができ、OCT画像は、外科医が好みの手術部位を識別して標的にすることを可能にするために、目視可能なマーカに位置合わせされている。このようにして、外科医が視認する画像は、外科的に標的にすることを強化するために組み合わされた現実の(光学)画像および投影(仮想)画像を含む。他の方法では目視可能ではない構造体の仮想画像、およびプローブの先端から小柱網からシュレム管までなどの距離と移動との両方を示す1つ以上のシンボルなどの、追加の情報も外科医/視認者に提供され得る。いくつかの実施形態では、OCT画像化を使用して、眼の集合チャネルを識別し、外科医がユーザに表示されるこれらの標的位置によって(例えば、標的位置を識別するための治療基準マーカなどのグラフィック視覚要素を使用することによって)、部位を識別することを可能にして、眼の小柱網の適切な位置における流量を増加させるための開口部の作成を支援することができる。本発明の実施形態は、術前および/もしくは術中OCTマップ、または
図15に示されるものなどの、顕微鏡画像またはビューに重ね合わせることができる、流出システム(例えば、シュレム管および集合チャネル)の画像を含む、様々なOCTスキャンモダリティまたはマップのいずれかを包含する。いくつかの場合、例えば、
図6の画像610に示されるように、1つ以上のOCT画像を使用して、角度構造体の仮想画像を生成することができる。いくつかの場合、例えば、
図6の特徴部620に示されるように、1つ以上のOCT画像を使用して、様々な構造体と手術器具(例えばファイバ/プローブ)との関係のグラフィック描写を生成することができる。
【0038】
そのような表示を手術用顕微鏡に結合して、例えば、眼の両眼の現実の光学画像と視覚的に結合される表示から単眼または両眼の仮想画像を提示することができる。本明細書に開示される方法および装置は、ELT手術および眼から流体を排出するための開口部を提供するインプラントデバイス手術での利用によく適している。しかしながら、提供されるシステムおよび方法はまた、例えば、任意かつ全ての内視鏡を使用する手術などの、光ファイバベースのOCTを利用できる他の様々な外科的処置にも適用され得る。
【0039】
エキシマレーザ線維柱帯切開術(ELT)を使用した緑内障の治療に特に言及しているが、本明細書に開示される方法およびシステムは、他の多くのタイプの手術で使用され得る。例えば、本明細書に開示される実施形態は、整形外科、神経外科、神経学、耳鼻咽喉(ENT)、腹部、胸部、心血管、心内膜、および他の用途に関連する内視鏡処置を含む他の外科的処置で使用され得る。現在開示されている方法および装置は、OCTを利用して標的にする精度を改善し、外科医が顕微鏡でも内視鏡でも容易に視覚化できない領域において処置を実施することを可能にするための仮想視覚化を提供することができる。このような用途としては、仮想視覚化を現実の画像に拡張して3次元空間における外科的精度を支援する任意の内視鏡手術が挙げられ、その一例は、血管が湾曲または屈曲している血管内手術である。特定の側面も使用して、脳、心臓、肺、腸、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、耳、鼻、口、骨髄などの軟組織、脂肪組織、筋肉、腺および粘膜組織、脊髄および神経組織、軟骨、歯、骨などの硬い生体組織、ならびに副鼻腔などの体腔および通路、尿管、結腸、食道、肺通路、血管、および喉などの他の臓器を治療および修正してもよい。例えば、本明細書に開示されるデバイスは、既存の体腔を通して挿入されるか、または体組織に作成された開口部を通して挿入されてもよい。
【0040】
緑内障手術を実施するためのデバイスは、米国特許第4,846,172号および第9,820,883号に記載されており、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
記載される実施形態を理解するために、眼Eの解剖学的構造の簡単な概要が提供される。
図1に概略的に示されるように、眼の外層は、強膜17を含む。角膜15は、光が眼に入ることを可能にする透明な組織である。前房7は、角膜15と虹彩19の間に位置している。前房7は、房水1と呼ばれる絶えず流れる透明な流体を含む。水晶体4は、毛様体20に接続された繊維小帯によって眼内で支持されて移動する。強膜輪に円周方向に付着している虹彩19は、中心瞳孔5を含む。瞳孔5の直径は、レンズ4を通過して網膜8に至る光の量を制御する。後房2は、虹彩19と毛様体20との間に位置している。
【0042】
図2に示されるように、眼の解剖学的構造は、小柱網(TM)9、強膜棘への虹彩19挿入部の前方に位置する眼内の海綿状組織の三角形の帯をさらに含む。可動性小柱網の形状は様々で、サイズは微視的である。通常、断面は三角形で、厚さは約100~200μmにおいて変化する。それは、房水が前房から出るための流体経路を形成するミクロンサイズの細孔を有する異なる繊維層で作られている。小柱網9は、角膜15と強膜17とのほぼ接合部のその前方縁部、シュワルベ線18において、約100μmの厚さまで測定されている。
【0043】
小柱網は、その基部において約200μmに拡がり、小柱網および虹彩19が強膜棘に付着している。小柱網の高さは、約400μmであり得る。小柱網9の細孔を通る通路は、傍小管小柱網13と呼ばれる非常に薄い多孔質組織を通っており、次いで、血管構造体であるシュレム管11の内壁に隣接している。シュレム管の高さは、約200μm、または小柱網の高さの約半分であり得る。シュレム管(SC)11は、房水と血液成分との混合物で満たされ、房水を静脈系に排出する一連の集合チャネル(CC)12に接続する。房水1は、毛様体によって絶えず生成され、瞳孔を通って前房に流れ込み、そこからTMおよびJCTMの細孔を通過して、SCおよび水性静脈に至るため、小柱網、傍小管小柱網、またはシュレム管の任意の閉塞は、房水が前眼房から容易に逃げることを妨げる。眼は本質的に閉じた球体であるため、これにより、眼内の眼圧が上昇する。眼圧の上昇は、網膜および視神経の損傷につながり、それによって、最終的に失明を引き起こす可能性がある。
【0044】
ほとんどの開放隅角緑内障(すなわち、ゴニオスコープで容易に目視可能な小柱網を特徴とする緑内障)で発生する房水の流出の閉塞は、通常、小柱網9とシュレム管11との間、より具体的には、シュレム管の内壁に位置している傍小管小柱網(JCTM)13の領域に局在する。
【0045】
例えば、傍小管小柱網13において閉塞が発生したとき、眼圧は、経時的に徐々に上昇する。したがって、現在の緑内障治療方法の目標は、眼圧の進行性上昇を低下または遅延させることによって、視神経の損傷を防ぐことである。多くの人が、眼圧を低下させて制御する効果的な方法を探してきた。一般に、眼圧を制御するために様々な医薬品治療が採用されている。これらの治療は、一定の時間期間有効であり得るが、多くの患者においてはしばしば、眼圧が上昇し続ける。しかし、患者はしばしば、処方された治療計画に従うことができない。その結果、緑内障が適切に制御されず、視神経の不可逆的な損傷、そして最終的には、視力喪失のリスクが高まることになる。
【0046】
図3は、緑内障を治療する方法の実施形態に関連する光ファイバプローブ23を示す、人間の眼Eの内部解剖学の側断面図である。局所、球周囲、および/または後部麻酔を適用した後、角膜15に小さな自己密閉穿刺切開部14を作成する。前房は、液体の流れを使用する房維持装置または粘弾性剤のいずれかで安定化させる。次いで、光ファイバプローブ23を位置付け、光ファイバプローブ23の遠位端が所望の標的TM組織に接触してわずかに圧迫するまで、切開部14を通して前房7内に前進させることができる。
【0047】
レーザユニット31(
図4に示される)によって生成されるフォトアブレーションレーザエネルギーは、アブレーションされる組織に接触する光ファイバプローブ23の遠位端から送達される。アブレーションされる組織は、小柱網9、傍小管小柱網13、およびシュレム管11の内壁を含んでもよい。シュレム管11の近位内壁の孔は、シュレム管の遠位外壁を貫通しない方法で作成される。いくつかの実施形態では、標的組織に追加の孔が作成される。したがって、結果として生じる孔(単数または複数)は、房水の排出の比較的通常の速度を回復するのに効果的である。
【0048】
光ファイバプローブ23は、光ファイバまたはカプセル化シースによってカプセル化された1つの光ファイバまたは複数の光ファイバを備えてもよい。単一の光ファイバの直径は、十分な光エネルギーを伝送して、標的組織のフォトアブレーションを効果的にもたらし、いくつかの実施形態では、標的組織のOCT画像化を可能にするのに十分に大きくなければならない。いくつかの実施形態では、光ファイバの直径は、約4~6μmの範囲にある。例えば、約100μm~約1000μmの範囲の直径の束で、単一の光ファイバまたは複数の光ファイバを使用することができる。コアおよびシースは、外側の金属スリーブまたはシールド内に入れることができる。いくつかの実施形態では、スリーブは、ステンレス鋼から作られている。いくつかの実施形態では、スリーブの直径は、約100μm未満である。いくつかの実施形態では、レーザ送達システムでより小さい光ファイバが実装される場合のように、直径は、100μmほど小さくすることができる。いくつかの場合、光ファイバは、約200μmの直径を有してもよく、光ファイバプローブ23は、1つ以上の光ファイバをカプセル化するために、500μmなどのより大きな直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、スリーブは、屈曲または角度付けできるように可撓性であり得る。
【0049】
図4および
図5は、本発明の実施形態による、医師が眼Eに対して外科的処置を実施するのを支援するシステム400を概略的に示す。外科手術処置は、細長いプローブ23を、開口部から前房をわたって眼内に、小柱網およびシュレム管を含む標的組織領域に挿入することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム400は、処置中にリアルタイムで外科医が眼を視認するための光学顕微鏡409を備えてもよい。光学顕微鏡409内に統合されるのは、光干渉断層法(OCT)装置であってもよい。顕微鏡は、例えば、外科手術用顕微鏡を備えてもよい。システム400は、処置中に標的組織領域内の1つ以上の標的位置のOCTスキャンを実施するように構成されたOCTユニット401を備えてもよい。本明細書に記載されるOCTユニット401は、例えば、顕微鏡OCT403またはファイバOCT402、およびこれらの組み合わせを備えてもよい。OCTユニット403または402によって捕捉された画像は、制御ユニット410の画像処理装置412によって処理されて、医師によってリアルタイムで視覚化された複数の拡張画像を生成してもよい。拡張画像は、ヘッドアップディスプレイ407の表示上に示され、当業者に知られているように、内部ビームスプリッタを有する顕微鏡からの光学画像と組み合わされて、単眼または両眼画像を形成することができる。本明細書の他の箇所で説明されるように、顕微鏡ビューは、例えば、「現実の」画像、「現実の」画像および重ね合わせた仮想画像、またはOCT画像を含み得る。顕微鏡ビューが重ね合わせた画像を含む場合、重ね合わせた画像は、そのような整列を可能にする要素を使用して「現実の」画像に位置合わされ得る。いくつかの実施形態によれば、外科医は、まず、顕微鏡の「現実の」画像または顕微鏡からのビデオ画像を探るなどの手術器具を視認してもよい。いくつかの場合、外科医は、拡張画像またはビューを視認してもよい。「現実の」画像にOCTが重ね合わされている場合、外科医は「現実の」画像と重ね合わされたOCT画像との両方を同時に視認する場合がある。拡張画像は、顕微鏡のアイピース(単数もしくは複数)または接眼レンズおよび/もしくは顕微鏡のディスプレイを通して医師に提示されてもよく、いくつかの構成では、モニタスクリーン上で視認されてもよい。これは、外科医が顕微鏡の接眼レンズを通して手術部位の立体視を維持しながら、例えば、立体的または単眼的のいずれかで同時に重畳または隣接する画像または情報を視認することを可能にするために有益であり得る。OCTはリアルタイム画像をスキャンし、それによって、3D OCT画像および/またはOCTベースのリアルタイム情報の作成を可能にするため、一方または両方の接眼レンズのライブビューに重畳され得る。いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、これらの手術中に前房の外側と内側との両方からの現実および仮想画像を含むリアルタイムビューを提供する。
【0050】
光学顕微鏡409は、OCTユニット401と光学的に結合されてもよい。光学顕微鏡409は、アイピース(単数もしくは複数)または接眼レンズ408上に、かつカメラ405と同時に、物体を画像化する画像化レンズ要素を備える立体顕微鏡などの双眼顕微鏡を備えてもよい。カメラ405は、眼の光学画像505を捕捉するように構成されている。光学画像505は、処理のために制御ユニット410に送信されてもよい。カメラ405は、光学素子(例えば、レンズ、ミラー、フィルターなど)を備えてもよい。カメラは、カラー画像、グレースケール画像などを捕捉してもよい。
【0051】
光学画像505は、適切な画像フレーム解像度で取得されてもよい。画像フレームの解像度は、フレーム内のピクセル数で定義されてもよい。画像解像度は、約160x120ピクセル、320x240ピクセル、420x352ピクセル、480x320ピクセル、720x480ピクセル、1280x720ピクセル、1440x1080ピクセル、1920x1080ピクセル、2048x1080ピクセル、3840x2160ピクセル、4096x2160ピクセル、7680x4320ピクセル、15360x8640ピクセル、もしくはより大きなピクセルフレーム以下であり得るか、または前のピクセル範囲の任意の2つの組み合わせによって定義された範囲内であり得る。画像化デバイスまたはカメラは、1ミクロン、2ミクロン、3ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、20ミクロンなどよりも小さなピクセルサイズを有し得る。カメラ405は、例えば、4K以上の解像度のカラーカメラであってもよい。
【0052】
捕捉された光学画像505は、特定の捕捉レートで捕捉された画像フレームのシーケンスであってもよい。いくつかの実施形態では、画像のシーケンスは、約24p、25p、30p、48p、50p、60p、72p、90p、100p、120p、300p以上、50iまたは60iなどの標準ビデオフレームレートで捕捉されてもよい。いくつかの実施形態では、画像のシーケンスは、0.0001秒、0.0002秒、0.0005秒、0.001秒、0.002秒、0.005秒、0.01秒、0.02秒、0.05秒、0.1秒、0.2秒、0.5秒、1秒、2秒、5秒、または10秒ごとに約1画像以下のレートで捕捉されてもよい。いくつかの場合、捕捉レートは、制御ユニット410のガイダンスの下でのユーザ入力および/または外部条件(例えば、照明の明るさ)に応じて変化してもよい。
【0053】
光学画像505は、画像がレイテンシを短縮して、すなわち、データの取得と画像のレンダリングとの間の無視できる遅延で生成されるように、リアルタイムで捕捉されてもよい。リアルタイム画像化は、外科医が、手術中の外科医の手術用器具(例えば、細長いプローブおよびプローブの先端)の触覚的な移動と一致する滑らかな動きの流れを知覚することを可能にする。リアルタイム画像化は、30フレーム/秒(fps)よりも速いレートで画像を生成して、動きの連続性を有する自然な視覚を模倣し、その2倍のレートでフリッカ(強度の変化の知覚)を回避することを含んでもよい。多くの実施形態では、レイテンシは、情報がユーザに示されるまでの、眼を照明するOCTシステムからの光からの時間間隔を含んでもよく、例えば、約100ミリ秒以下にすることができる。多くの例では、レイテンシは表示上に示される画像の1つまたは2つのフレームのみを含む。眼内に挿入されたプローブの遠位端からのAスキャン画像化を含む実施形態の場合、レイテンシは、画像フレームレート未満、例えば、約10ms以下であり得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、光学顕微鏡409は、電子表示デバイス407に結合されてもよい。電子ディスプレイ407は、ヘッドアップディスプレイデバイス(HUD)であってもよい。HUDは、顕微鏡システム409の構成要素であってもなくてもよい。HUDは、接眼レンズの一方または両方の視野(FOV)に光学的に結合されてもよい。表示デバイスは、制御ユニット410によって生成された拡張画像507をユーザまたは外科医に投影するように構成されてもよい。表示デバイスは、アイピース408を覗く医師が、表示デバイス407によって表現および提示される現実の画像の拡張画像に加えて知覚することができるように、ビームスプリッタまたは半反射ミラー420などの1つ以上の光学素子を介して顕微鏡に結合されてもよい。表示デバイスは、単一の接眼レンズを通して外科医またはユーザに目視可能であり得る。あるいは、HUDは、両方のアイピース408を通して目視可能であってもよく、例えば、顕微鏡の構成要素で形成された光学画像と組み合わされた両眼画像として外科医に目視可能であってもよい。
【0055】
表示デバイスまたはヘッドアップディスプレイ407は、制御ユニット410と通信している。表示デバイスは、制御ユニット410によって生成された拡張画像をリアルタイムでユーザに投影してもよい。本明細書に記載されるように、リアルタイム画像化は、実質的なレイテンシを伴わずに画像を捕捉することを含んでもよく、外科医の処置中の外科器具の外科医の触覚運動と一致する滑らかな動きの流れの知覚を可能にする。いくつかの場合、表示デバイス407は、輝度、倍率、アライメントなどの表示の1つ以上のパラメータを調整するために、制御ユニットから1つ以上の制御信号を受信してもよい。外科医またはユーザが接眼レンズまたはアイピース408を通して視認する画像は、眼の直接光学ビュー、ディスプレイ407上に表示される画像、またはその両方の組み合わせであり得る。したがって、HUD上の画像の明るさを調整すると、接眼レンズを通して外科医のビューに影響する場合がある。例えば、ディスプレイ407上に示される処理された情報およびマーカは、物体の顕微鏡ビューとバランスを取ることができる。
【0056】
ヘッドアップディスプレイ407は、例えば、当業者に知られているように、液晶ディスプレイ(LCD)、LEDディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)、スキャンレーザディスプレイ、CRTなどであってもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、HUD407は、外部ディスプレイを備えてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、HUDは、接眼レンズを通して知覚可能ではなくてもよい。HUDは、光学顕微鏡の近くに位置していてもよい。HUDは、例えば、表示スクリーンを備えてもよい。HUDは、発光ダイオード(LED)スクリーン、OLEDスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーン、プラズマスクリーン、または任意の他のタイプのスクリーンを備えてもよい。表示デバイス407は、タッチスクリーンであってもなくてもよい。外科医は、手術部位のリアルタイムの光学画像と、OCTによってHUDから同時に提供される深さ情報を視認してもよい。
【0058】
OCTユニット401は、光学顕微鏡409に結合されてもよい。OCTユニット401は、顕微鏡OCTユニット403、光ファイバベースのOCTユニット402、またはその両方の組み合わせを備えてもよい。OCTユニット401は、当分野でOCTシステムとして知られているように、掃引光源OCT(SS-OCT)、スペクトル領域OCT(SD-OCT)、フーリエ領域OCT(FD-OCT)、または時間領域OCT(TD-OCT)を含み得る。OCTシステムは、シュレム管および/または集合チャネルなどの眼の組織構造体を視認するための好適な解像度を備えてもよく、例えば、1~10ミクロン未満の範囲内、例えば、約3~6ミクロンの範囲内の解像度を備えてもよい。OCTユニット401は、OCT画像情報および干渉情報を生成するのに適した低コヒーレンス光源を備えてもよい。OCTユニット401は、深さ情報を有するOCT画像を生成し、OCT画像を制御ユニット410に送信してもよい。OCTユニットは、制御ユニットによって少なくとも部分的に制御されてもよい。制御ユニットによるOCTユニットの制御は、例えば、OCTスキャンの起動、パラメータ設定、またはカスタマイズ可能な制御パラメータを含んでもよい。
【0059】
OCTユニットは、顕微鏡OCTユニット403を備えてもよい。顕微鏡OCTユニット403は、光学顕微鏡409の構成要素を備えてもよく、または光学顕微鏡と構成要素を共有してもよい。いくつかの場合、顕微鏡OCTユニット403は、そのような使用に適合されたスタンドアロンOCTユニットを備えてもよい。顕微鏡のOCTユニットは、眼と接触することなく、眼から離れた位置に位置付けられてもよい。顕微鏡のOCTユニットは、光学顕微鏡に動作可能に結合され得る。顕微鏡OCTユニットは、対物レンズなどの光学顕微鏡の1つ以上の光学素子を利用してもよい。顕微鏡OCTユニット403は、光学顕微鏡システム409と互換性があってもよい。例えば、顕微鏡OCTユニット403は、OCT焦点平面のリアルタイム調整を可能にして、顕微鏡ビューとの同焦点性を維持するように構成されてもよい。別の例では、顕微鏡のOCTユニット403は、顕微鏡の対物レンズまたは他のレンズなどのレンズの倍率など、光学顕微鏡の1つ以上の光学素子の屈折力の変化に適応することができる。顕微鏡OCTユニット403は、光源(例えば、NIR光源)および検出器(例えば、ラインスキャンCCD)をゆするエンジン(例えば、SDOCTエンジン)を使用して、OCT画像を取得するように構成されてもよい。OCTのタイプに応じて、CCDまたはフォトダイオードアレイ検出器などの異なる分光計が使用されてもよい。顕微鏡のOCTユニット403は、スキャン原理に応じてAスキャン、Bスキャン、またはCスキャンとして、OCT画像を生成するように構成されてもよい。例えば、高速フーリエ変換(FFT)を実施することによって、深さの関数としての軸スキャン(すなわち、Aスキャン)が再構築され得る。ミラーをx方向に移動させることによって、一連のAスキャン線が作成され、これらが積み重ねられて、Bスキャン画像または2次元画像が作成され得る。ミラーをx-yの両方向に移動させることによって、完全な3次元体積画像またはCスキャン画像(3D)が生成され得る。ミラーは、例えば、検流計、並進ステージ、MEMsアクチュエータ、または圧電結晶など、当業者に知られている任意の好適なアクチュエータに結合され得る。いくつかの実施形態では、顕微鏡OCTユニット403を起動して、Bモード画像を取得して、眼の前方および後方に沿った標的位置に対するプローブの位置に関する情報を提供してもよい。いくつかの場合、顕微鏡OCTユニット403は、Cスキャンを実施して、標的組織領域の3次元画像を生成してもよい。
【0060】
OCTユニットは、光ファイバベースのOCTユニット402を備えてもよい。いくつかの実施形態によれば、用語「光ファイバベースのOCTユニット」および「ファイバベースの装置」は、交換可能に使用されてもよい。光ファイバベースのOCTユニット402は、眼構造体の内部にレーザ光パルスを方向付け、内部眼構造体の画像を捕捉する光ファイバまたは光ファイバのアレイを備えてもよい。光ファイバベースのOCTユニットはまた、レーザ光パルスも送達しながらOCT画像化を実施してもよい。光ファイバを、眼の中に挿入して、眼の内側の組織に接触させることができる。いくつかの実施形態では、光ファイバは、レーザ光を伝送する、光ファイバプローブ23で使用されるのと同じファイバであり得る。あるいは、光ファイバは、標準のシングルモードまたはマルチモード光ファイバなどの別個のファイバであってもよい。別個のファイバは、同じ光ファイバプローブ23に収容されてもよい。例えば、光ファイバは、プローブ23のカプセル化シースにカプセル化されていてもよく、カプセル化シースは、単一の光ファイバを強化するように構成されている。これにより、シュレム管、TM、および他の標的組織に対するプローブ23の先端の位置の正確な識別が可能になる。いくつかの実施形態では、後方散乱信号を対応する検出器に戻すための別個の光ファイバが使用されてもよい。ダイクロイックミラー32を使用して、後方散乱信号を検出器に偏向させてもよい。いくつかの実施形態では、OCTユニットの光ファイバおよび光ファイバプローブは、標的組織に対するプローブの遠位端の位置を識別するための同軸内視鏡として機能する同軸であってもよい。あるいは、光ファイバは、光ファイバプローブと非同軸であってもよい。いくつかの場合、プローブには、治療ファイバの周囲に位置付けられたOCT検出ファイバのアレイを含んでもよい。
【0061】
光ファイバベースのOCTユニット402は、軸スキャン画像(Aスキャン画像)を生成するように構成されてもよい。これは、標的部位または標的位置に対するプローブの遠位端の相対的な位置に関するリアルタイム情報を提供するのに有益であり得る。Aスキャン画像は、10Hz~5kHzの範囲などの高周波で取得されてもよい。Aスキャン画像は、制御ユニット410によって処理されて、標的組織およびプローブ先端の複数の位置に対応する複数の位置マーカまたは距離マーカを含む画像を生成してもよい。いくつかの場合、複数のAスキャン画像を平均して、精度を向上させるための画像を生成してもよい。Aスキャン(単数または複数)からの画像を光学画像に重畳して、プローブの軸方向に沿った標的組織に対する光ファイバ先端の位置情報を提供してもよい。
【0062】
システム400は、ユーザインターフェース413をさらに備えてもよい。ユーザインターフェース413は、ユーザ入力を受け取り、ユーザに情報を出力するように構成されてもよい。ユーザ入力は、プローブ23の動作などの手術用器具の制御に関連していてもよい。ユーザ入力は、光学顕微鏡の操作に関連していてもよい(例えば、顕微鏡の設定、カメラの取得など)。ユーザ入力は、OCTユニットに関する様々な操作または設定に関連していてもよい。例えば、ユーザ入力は、標的位置の選択、治療基準マーカの選択、拡張画像の表示設定、カスタマイズ可能な表示設定などを含んでもよい。ユーザインターフェースは、タッチスクリーンなどのスクリーンと、ハンドヘルドコントローラ、マウス、ジョイスティック、キーボード、トラックボール、タッチパッド、ボタン、口頭コマンド、ジェスチャ認識、姿勢センサ、温度センサ、タッチ-静電容量センサ、フットスイッチ、またはその他のデバイスなどの、任意の他のユーザインタラクティブ外部デバイスを含んでもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、プローブ23のガイドおよび視覚化のために顕微鏡ベースのOCT403が使用される。いくつかの実施形態では、光ファイバベースのOCT402は、プローブ23をガイドし、視覚化するために使用される。いくつかの実施形態では、顕微鏡ベースのOCTと光ファイバベースのOCTとの両方がシステムで用いられ、プローブ23のガイドおよび視覚化に使用される。顕微鏡ベースのOCTおよび光ファイバベースのOCTは、眼の1つ以上の平面に沿ってOCTスキャンを実施してもよい。いくつかの場合、両方のOCTが用いられる場合、顕微鏡ベースのOCTは、眼の前後平面に沿って第1のOCTスキャンを実施するように構成されてもよく、光ファイバベースのOCTは、前後平面を横切る軸に沿って第2のOCTスキャンを実施するように構成されてもよい。いくつかの場合、顕微鏡ベースのOCTおよび光ファイバベースのOCTのいずれかは、独立して使用されてもよい。
【0064】
顕微鏡ベースのOCTおよび光ファイバベースのOCTは、同様のスキャン解像度を備えていても備えていなくてもよい。いくつかの場合、顕微鏡ベースのOCTは、光ファイバベースのOCTよりも高いスキャン解像度でスキャンを実施してもよい。例えば、顕微鏡ベースのOCTによって実施されるBスキャンは、光ファイバベースのOCTによって実施されるAスキャンよりも高い解像度を有する場合がある。あるいは、光ファイバベースのOCTのスキャン解像度は、顕微鏡ベースのOCTよりも高い場合がある。軸方向の解像度は、源スペクトルの帯域幅に基づいて判定されてもよい。スキャン解像度は、リアルタイムのフィードバックを確保するのに十分な高速フレームレートを提供するように判定されてもよい。各OCTシステムの解像度は、本明細書に記載される範囲内であり得る。
【0065】
顕微鏡ベースのOCTおよび光ファイバベースのOCTは、同じフレーム/スキャンレートであってもなくてもよい。いくつかの場合、顕微鏡ベースのOCTがBスキャンを実施し、光ファイバベースのOCTがAスキャンを実施し、手術部位の体積スキャンを必要としない。これにより、より高いレートでリアルタイムの位置フィードバックを提供することができる。顕微鏡ベースのOCTによって提供される断面図のフレームレート、および光ファイバベースのOCTによって提供される軸方向のビューは、スキャンフィールドのサイズ、解像度、またはスキャンレートなどの様々な要因によって影響を受ける可能性がある。いくつかの場合、顕微鏡ベースのOCTによって取得された2次元OCT画像(Bスキャン)を使用して、標的組織または標的位置に対するプローブの粗い位置を提供することができ、この場合、比較的高い解像度および遅いフレームレートで十分であり得る。いくつかの場合、光ファイバベースのOCTによって取得された軸方向スキャン画像(Aスキャン)は、小さなサイズの構造体(例えば、SC、CC、TM)に対するプローブの遠位端の精密で正確な位置を提供することがあり、したがって、より高いフレームレートが望ましいことがある。いくつかの場合、モーションアーティファクトを最小限に抑え、画質を向上させるために、高いフレームレートが望ましい場合がある。例えば、光ファイバベースのOCTの軸方向スキャンは、少なくとも約100fps以上の1次元Aスキャンフレーム/スキャンレートを有し、例えば、約1ミクロン~約20ミクロンの範囲内の構造画像解像度を有し得る。多くの実施形態では、Aスキャンフレームレートは、約1kHz~約10kHzの範囲内にある。OCTシステムは、プローブ先端に接触しながら、プローブ先端から少なくとも約10mm、例えば、プローブ先端から少なくとも約6mmの距離まで組織を測定するように構成され得る。これらの距離により、プローブ先端は、標的部位または標的位置から最大6mmの距離の範囲からシュレム管を標的にすることができる。いくつかの実施形態では、OCT装置は、細長いプローブの遠位端の動き、例えば、約20nm~約1μmの範囲の動きを検出するように構成された位相ベースのOCTを備えてもよい。
【0066】
システムは、外科医が手術部位の光学画像のライブビューに重ね合わされた拡張情報を提供してもよい。これは、外科医が顕微鏡の視認光学系またはヘッドアップディスプレイから目を離さずに補足情報を視認できるようにすることによって、外科的処置の中断を減少するのに有益である。拡張情報は、それらが上部で動作している眼の様々な領域の拡大されたフィールドビューを含んでもよい。拡張情報は、標的組織に対するプローブの位置情報を含む深さビューを含んでもよい。拡張情報は、細長いプローブの誘導方向を含んでもよい。拡張情報は、実質的にリアルタイムで外科医に提供されてもよい。拡張情報は、リアルタイムOCT画像を含んでもよい。拡張情報は、リアルタイムOCT画像および/または静的OCT画像に基づいて生成された複数の視覚的グラフィック要素を含んでもよい。「視覚グラフィック要素」および「グラフィック視覚要素」という用語は、本出願全体にわたって交換可能に使用され得る。拡張情報は、手術用顕微鏡の手術視野またはスクリーンに表示される光学顕微鏡画像に重ね合わされる静止画像および/または動画および/または情報(テキスト、グラフィックス、チャート、プロットなど)を含んでもよい。
【0067】
いくつかの場合、拡張情報は、拡張画像を形成するために、光学顕微鏡によって取得された光学画像に重ね合わされるかまたは重畳されてもよい。拡張画像は、ヘッドアップディスプレイ、別個の視認モニタ、またはその両方などのいずれかのスクリーン上に表示されてもよい。いくつかの場合、拡張情報は、顕微鏡の接眼レンズを通して外科医に目視可能な視野が光路画像と重ね合わされた拡張情報の両方を含むように、直接光路画像に重ね合わされてもよい。いくつかの場合、拡張情報は、ピクチャインピクチャ形式で光学画像に重畳されてもよい。
【0068】
制御ユニット410は、拡張情報を含む拡張層を生成するように構成されてもよい。拡張層は、1つ以上のグラフィック要素を含む、実質的に透明な画像層であってもよい。「グラフィック要素」および「グラフィック視覚要素」という用語は、本出願全体にわたって交換可能に使用され得る。拡張層は、顕微鏡の光学ビュー、光学画像またはビデオストリームに重畳され、かつ/または表示デバイス上に表示されてもよい。拡張層の透明度により、ユーザは、光学画像を、その上にグラフィック要素が重ね合わされた状態で視認できるようになる。いくつかの実施形態では、拡張層は、リアルタイムOCT画像、または光学顕微鏡に結合されたOCTユニットによって取得された他の情報を含んでもよい。
【0069】
上述のように、光学顕微鏡画像データと拡張情報との融合は、拡張情報を光学顕微鏡画像に組み込むことを含んでもよい。拡張画像データは、深さ情報、標的位置、および他の様々な補足情報に関連する1つ以上のグラフィック要素を含んでもよい。グラフィック要素は、例えば、ビームスプリッタを用いて光学顕微鏡画像に重ね合わされてもよい。グラフィック要素は、光学顕微鏡画像内で目視可能な任意の物体の画像に直接重ね合わされ得る。グラフィック要素はまた、光学顕微鏡画像内の任意の物体の画像を囲む任意の形状、境界、または輪郭も含んでもよい。物体は、例えば、眼に挿入される器具(例えば、プローブ)、プローブの一部、標的組織(例えば、SC、CC、TM、JCTM、強膜)などであり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、グラフィック要素は、プローブまたは器具の位置または向きが標的位置に対して変化するにつれて動的に変化するように構成されてもよい。例えば、グラフィック要素は、光学画像内で示されるプローブの遠位端の位置、またはSC、TMなどの内壁などの組織間の相対的な位置または間隔を示してもよい。グラフィック要素は、プローブ先端と標的位置との間の相対的な距離が変化するにつれて、かつ/またはプローブ先端が組織(例えば、小柱網の表面)を圧迫するとき、実質的にリアルタイムまたはほぼリアルタイムで光学画像上で、組織壁間の間隔または先端と標的位置との間の距離の変化を動的に示すように構成されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、拡張情報は、標的位置に対するプローブの向きを含んでもよい。グラフィック要素は、標的位置に対するプローブの向きを示してもよい。グラフィック要素は、プローブと標的位置との間の向きが変化するにつれて、実質的にリアルタイムまたはほぼリアルタイムで光学画像上で、標的位置に対するプローブの向きを動的に示すように構成されてもよい。いくつかの例では、グラフィック要素は、細長いプローブの向きまたは軸方向の位置を示してもよい。向き(例えば、方向)を示すために、グラフィック要素は、矢印の形態で提供されてもよい。矢印は、プローブの移動/前進に基づいて、動的に変化するように構成されてもよい。
【0072】
拡張層またはグラフィック要素の少なくともいくつかは、物体認識技術または特徴点認識などのパターンマッチング技術を使用して、光学画像にマッピングまたはマッチングされ得る。特徴点は、画像の残りの部分および/または画像内の他の特徴点から一意に区別可能な画像の一部分(例えば、強膜ランドマーク、集合チャネルパターン、虹彩ランドマークなど)であり得る。特徴点は、摂動下で比較的安定している画像の部分で検出されてもよい(例えば、画像の照明および明るさを変えるとき)。
【0073】
図6は、例示的な拡張画像または拡張ビュー600を示している。上述のように、拡張画像600は、顕微鏡の接眼レンズを通してユーザまたは外科医によって両眼で視認されてもよく、ヘッドアップディスプレイ、外部表示デバイス、またはユーザインターフェースに結合されたディスプレイ上に表示されてもよい。拡張画像またはビューは、光学顕微鏡の接眼レンズを通る光学画像505または光路ビューを含んでもよい。光学画像505は、眼のトップダウンビューを含んでもよい。光学画像または光学ビューは、眼の前方を示してもよい。光学画像または光学ビューは、細長いプローブ23をさらに示してもよい。拡張画像またはビュー600は、例えば、ビームスプリッタで顕微鏡の光路に表示を光学的に結合することによって、光学画像に隣接または重ね合わされる複数のグラフィック視覚要素および1つ以上のOCT画像を含んでもよい。複数のグラフィック視覚要素は、光学画像に示される異なる物体を互いに容易に区別できるように、異なる物体に対応する異なる形状および/または色を含み得る。
【0074】
複数のグラフィック視覚要素は、1つ以上の標的位置にマッピングされた1つ以上の治療基準マーカ601、602、603を含んでもよい。本明細書の他の箇所で説明されるように、治療基準マーカ601、602、603は、光学画像または光路ビュー505において外科医に光学的に目視可能ではない標的位置に対応してもよい。いくつかの実施形態によれば、標的位置は眼の内側に位置してもよく、標的位置の治療は眼の内側のアプローチを含んでもよい。いくつかの場合、術前OCT画像に基づいて、1つ以上の標的位置が判定または識別されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されるように、術前および/または術中OCT画像は、眼の内側のアプローチおよび/または眼の外側のアプローチのいずれかを使用して取得されてもよい。いくつかの実施形態によれば、治療基準マーカまたは標的位置は、標的組織領域内の位置に基づいて選択され得、この位置は、チャネル(例えば、小柱網、傍小管小柱網、およびシュレム管の内壁を通過し、したがって、前房とシュレム管との間の流体連通を提供するチャネル)の形成に続く流出の大幅に増加を提供する。このような選択は、集合チャネル網内の特定の領域の識別、またはより高密度であるか、またはより大きな血管を含むか、もしくは血管のより大きな分布であるか、またはより閉塞されていないか、またはシュレム管によって提供される円周方向の流れエリアに対応するフィールドに基づき得る。リアルタイム光学画像化中、術前OCT画像(例えば、1つ以上の特定の集合チャネル)から識別された標的位置のパターンを検出することによって、1つ以上の治療基準マーカ601、602、603を標的位置に重畳させてもよい。いくつかの場合、ユーザまたは外科医は、ユーザインターフェース413を通じて標的位置または治療基準マーカ(単数または複数)を選択するように促されてもよい。いくつかの場合、ユーザまたは外科医は、治療のために選択された標的位置を各付けまたは順序付けるように促されてもよい。したがって、ユーザまたは外科医は、外科的処置中に標的位置が治療されることになる所望のシーケンスを指定することができる。例えば、ユーザまたは外科医は、治療基準マーカ601が最初に治療されることになる標的位置に対応すること、治療基準マーカ602が2番目に治療されることになる標的位置に対応すること、および治療基準マーカ603が3番目に治療されることになる標的位置に対応することを指定することができる。本明細書の他の箇所で、例えば
図15を参照して説明されるように、治療基準マーカは、より大きな集合チャネル、より高密度の集合チャネル網もしくはフィールド、および/またはおよびより大きな流出に対応すると判定された位置(例えば、標的組織領域内の位置)に基づいて選択することができる。いくつかの場合、治療基準マーカは、自動化された方法で選択することができる。いくつかの場合、治療基準マーカは、手動で選択することができる。システムは、選択された各治療基準マーカにレーザファイバを順番に方向付けるように、外科医を導ガイドするように構成され得る。いくつかの場合、ユーザが標的位置を選択するための処置の開始時など、複数の治療基準マーカが同時に示されてもよい。いくつかの場合、外科手術が進行するにつれて、複数の治療基準マーカが連続して示されてもよい。
【0075】
複数のグラフィック視覚要素はまた、細長いプローブ23と同軸のプローブ線604も含んでもよい。プローブ線604は、1つ以上の標的位置に対するプローブの向きを示す。複数のグラフィック視覚要素はまた、細長いプローブの遠位端と重なる遠位先端マーカ605を含んでもよい。プローブが眼の前房内を移動するにつれて、プローブ線と遠位先端マーカの両方が、光学画像またはビュー505に示される細長いプローブの実際の位置および向きに関して位置を動的に変化させてもよい。したがって、例えば、外科医は顕微鏡を使用して、プローブ23を前房に入るときに見ることができ、プローブを眼に対して移動するときに見ることができる。OCT検出機構は、プローブ23を検出することができ、自動化されたシステムまたはプロセッサは、検出に応答してプローブ線604を生成することができる。同様に、自動化されたシステムまたはプロセッサは、ガイダンス矢印612を生成することができる。
【0076】
複数のグラフィック視覚要素は、遠位先端マーカ605から1つ以上の治療基準マーカ(例えば、マーカ601)に向かって延在する1つ以上のガイダンス矢印またはマーカ612をさらに含んでもよい。1つ以上のガイダンス矢印612は、医師が処置中に細長いプローブの遠位端を1つ以上の標的位置に向けて指すように整列させる際に、医師を誘導するように、または処置中に細長いプローブを1つ以上の標的位置に向けて前進させる際に、医師をガイドするように構成されてもよい。本明細書の他の箇所で説明されるように、1つ以上の標的位置は、光学画像または光学ビュー505内で外科医に光学的に目視可能ではない場合がある。例えば、標的位置を選択したとき、プローブの遠位端(または遠位先端マーカ605)から、選択された標的位置(または対応する治療基準マーカ)を指す誘導矢印612が生成されてもよく、これにより、医師は、プローブをガイダンス矢印と平行または同軸に前進させることができる。1つ以上のガイダンス矢印612は、前房内から異なる方向に半径方向に、小柱網およびシュレム管を含む標的組織領域に向けて指してもよい。本明細書の他の箇所で説明されるように、シュレム管の高さは、小柱網の高さの約半分であり得る。いくつかの場合、プローブの遠位端が標的位置から所定の距離に位置しているとき、例えば、プローブの遠位端が標的位置から約6mm以下に位置しているとき、1つ以上のガイダンス矢印が自動的に表示されてもよい。あるいは、複数の標的位置から選択された標的位置を指示するユーザ入力に応答して、1つ以上のガイダンス矢印が表示されてもよい。
【0077】
拡張層は、光学画像に重ね合わされた1つ以上のOCT画像をさらに含んでもよい。OCT画像またはOCTベースの画像は、光学画像面を横切る方向、例えば、光学画像面に実質的に垂直な方向に延在する平面内の標的位置に対する深さ情報またはプローブの位置を提供してもよい。いくつかの実施形態では、OCT画像610、620に基づいて、1つ以上の拡大視野が生成されてもよい。例えば、OCTベースの画像は、光学画像と比較して少なくとも2~5倍拡大されてもよい。例えば、
図6に示されるように、顕微鏡OCTによって取得された2次元OCT画像610は、光学画像505に重ね合わされる。いくつかの場合、画像610を生成するために使用されるスキャンは、術中に実施される。「顕微鏡OCT」および「顕微鏡ベースのOCT」という用語は、この出願全体で交換可能に使用され得る。本明細書の他の箇所に記載されるように、2次元OCT画像610-4、610-5、610-6、610-7、および610-8は、2次元OCT画像610の実施形態、変形形態、または実施例を含んでもよく、実質的に同様の特性を含んでもよい。例えば、これらの画像のうちの1つ以上は、術中スキャンに基づいて生成されてもよい。いくつかの場合、OCT画像610は、Bスキャン画像を含んでもよい。代替的にまたは組み合わせて、OCT画像610は、3次元画像(Cスキャン)であってもよい。いくつかの場合、リアルタイムまたは実質的にリアルタイムのOCT画像が、ピクチャインピクチャ形式で光学画像に重なり合って表示されてもよい。代替的にまたは組み合わせて、OCT画像から導出された情報が、光学画像に重ね合わされてもよい。いくつかの実施形態では、プローブの遠位端が選択された標的位置までの所定の距離内にある場合、顕微鏡ベースのOCTスキャンを実施して、2次元OCT画像610を生成してもよい。顕微鏡ベースのOCTスキャンは、現在の標的位置、例えば、治療基準マーカ601に対応する標的位置、および眼への開口部、本明細書に記載の角膜への小切開(穿刺)によって画定される平面に沿って延在してもよい。
【0078】
2次元画像610は、BスキャンOCT画像、および1つ以上の視覚グラフィック要素を含んでもよい。BスキャンOCT画像は、例えば、密度プロットを含んでもよい。水平軸は、横方向スキャンの方向に対応してもよく、垂直軸は、スキャン深さに対応してもよい。グレーレベルは、特定の深さおよび横方向のスキャン位置における深さプロファイルの大きさに対応するOCT画像上の特定のピクセルにプロットされ得る。BスキャンOCT画像は、画像強調、画像圧縮などのために、制御ユニット410の画像処理装置によって後処理されてもよい。いくつかの場合、2次元画像610は、2次元画像がBスキャンOCT画像の取得フレームレートよりも低いレートで更新されるように、複数のBスキャンOCT画像を平均化することによって生成されてもよい。あるいは、2次元画像610は、BスキャンOCT画像の取得フレームレートと同じフレームレートで更新されてもよい。
【0079】
BスキャンOCT画像は、プローブ23の長軸に沿ったOCT画像平面に沿って取得されてもよい。BスキャンOCT画像平面は、眼の前後平面に沿ってプローブ線604と整列され得る。例えば、プローブ軸は、ビデオで取得した光学画像の分析によって判定されてもよく、顕微鏡ベースのOCTは、OCT画像平面をプローブの長軸と整列させるように制御される。顕微鏡のOCT平面は、プローブ軸に沿って延在する線でユーザに表示され得、線は表示上に示され、顕微鏡画像に光学的に結合される。
【0080】
いくつかの場合、2次元OCTスキャン(Bスキャン)は、プローブ線が少なくとも1つの治療基準マーカと交差する領域で自動的に実施されてもよい。OCTスキャン領域は、プローブの長軸に沿った眼の前後平面を含んでもよい。OCTスキャン領域は、プローブの遠位端の一部分およびプローブの前方の領域を含むなど、前後平面の一部分を含んでもよい。OCTスキャン領域は、プローブの全長を含まなくてもよい。いくつかの場合、2次元OCTスキャンは、プローブ線が1つ以上のガイダンス矢印と実質的に同軸に整列され、1つ以上の治療基準マーカに向かって配向されていることを検出したとき、自動的に実施されてもよい。いくつかの場合、2次元OCTスキャンは、細長いプローブの遠位端が標的位置から所定の距離にあることを検出したとき、自動的に実施されてもよい。例えば、所定の距離は、約1mm~6mmの範囲内であり得る。
【0081】
2次元OCT画像610は、OCT画像上に重ね合わされた複数のグラフィック視覚要素をさらに含んでもよい。例えば、1つ以上の治療基準マーカ601-1は、OCT画像内の標的位置にマッピングされてもよい。本明細書の他の箇所で説明されているように、OCT画像はグラフィック視覚要素で重ね合わされてもされなくてもよい。いくつかの場合、グラフィック視覚要素をOCT画像から分離して、その上に重ね合わせないようにすることができる。いくつかの実施形態によれば、OCT画像は、顕微鏡画像に重なり合っていてもよい。例えば、OCT画像は、顕微鏡、ディスプレイ、またはディスプレイと組み合わせた顕微鏡を介して、顕微鏡画像に重なり合っていてもよい。複数のグラフィック視覚要素はまた、深さ断面における治療基準マーカ601-1に対応する標的位置に対するプローブ先端の少なくとも位置を示すプローブマーカ611も含んでもよい。これは医師に深さ情報を提供し、したがって、眼の前後平面内のプローブの前進方向(すなわち深さ)を調整する際に医師をガイドする。いくつかの実施形態では、例えば、ガイダンス矢印613はまた、プローブの移動を標的位置に向けてガイドするために、OCT画像に重ね合わされてもよく、それによって、外科医は、ガイダンス矢印613に沿って治療基準マーカ601-01に向かって前進するプローブマーカ611を視覚化することができる。いくつかの場合、プローブマーカ611は、例えば、治療基準マーカ601-1に対応する標的位置に関して、プローブの細長い軸の向きを示すかまたは識別してもよい。いくつかの場合、プローブマーカ611は、プローブの長軸と同軸であり得る。
【0082】
いくつかの場合、2次元OCT画像610は、別のOCTスキャンに関する情報を提供してもよい。例えば、光ファイバベースのOCTスキャンは、プローブ先端と標的組織位置との間の相対的な位置情報に基づいて起動され、グラフィック要素は、光ファイバベースのOCTスキャンのスキャン範囲を示すOCT画像610に重ね合わされ得る(例えば、
図7Cの矢印614)。スキャン範囲は、1度~45度などの範囲にあってもよい。あるいは、光ファイバベースのOCTスキャンは、Aスキャンを含んでもよい。
【0083】
光ファイバベースのOCTスキャンは、上述のように光ファイバベースのOCTユニット402によって実施されてもよい。光ファイバベースのOCTスキャンは、目の軸に沿ったプローブ線605に沿って実施されてもよい。光ファイバベースのOCTユニット402は、細長いプローブの遠位端が標的位置から第2の所定の距離にあることを検出したとき、OCTスキャンを自動的に実施するように構成されてもよい。第2の所定の距離は、例えば、約1mm~約6mmの範囲内にあってもよい。いくつかの場合、光ファイバベースのOCTスキャンは、顕微鏡ベースのOCTスキャンの後に実施されてもよい。いくつかの場合、光ファイバベースのOCTスキャンは、顕微鏡ベースのOCTスキャンとは独立して実施されてもよい。一例では、光ファイバベースのOCTスキャンは、プローブ線が、光学画像によって識別されるx-y平面内、もしくは顕微鏡OCT画像によって識別される断面平面内、またはその両方の組み合わせのいずれかで、ガイダンス矢印と整列していることが検出されるとアクティブになってもよい。あるいは、光ファイバベースのOCTスキャンは、手動でアクティブにされてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、光ファイバベースのOCTスキャンに基づく画像620または他の情報が生成され、ピクチャインピクチャ様の形式で光学画像上に重ね合わされてもよい。いくつかの場合、画像620を生成するために使用されるスキャンは、術中に実施される。いくつかの実施形態では、画像620は、顕微鏡のOCTによって生成されてもよい。画像620は、光ファイバベースのOCT画像を含んでも含まなくてもよい。画像620は、プローブの先端近くに位置付けられてもよい。画像620は、光学ビュー内の任意の場所または拡張画像上に位置付けられ得る。本明細書の他の箇所(例えば、
図7D~
図7Fおよび
図9)に記載されているOCT画像620-5、620-6、620-7、620-8、620-9、620-90、および620-91は、OCT画像620の実施形態、変形形態、または実施例であり、実質的に同様の特性を含んでもよい。例えば、これらの画像のうちの1つ以上は、術中スキャンに基づいて生成されてもよい。
【0085】
画像620は、光ファイバベースのOCTスキャンまたは顕微鏡ベースのOCTスキャンに基づいて生成された複数のグラフィック視覚要素608、609-1、609-2、609-3、609-4、609-5を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光ファイバベースのOCTスキャンは、細長いプローブの遠位端と標的位置との間で実施されて、小柱網およびシュレム管の一部分を含む標的位置のOCT Aスキャンを生成する。複数のグラフィック視覚要素は、1つ以上のAスキャン距離マーカ608、609-1、609-2、609-3、609-4、および609-5を含んでもよい。Aスキャン距離マーカは、プローブ先端と組織構造体との間の相対的な位置の拡大距離ビューを提供してもよい。Aスキャン距離マーカは、光学顕微鏡装置によって収集された画像内で遠位端が目視可能ではなったとき、医師が細長いプローブの遠位端を観察することを可能にし、また、医師が細長いプローブの遠位端を標的位置に向けてガイドする際に支援し、また、小柱網に圧迫を適用することに関して外科医をガイドする。いくつかの場合、眼の虹彩角膜角付近の角部の内部全反射に起因して細長いプローブの遠位端が不明瞭になった結果として、細長いプローブの遠位端が顕微鏡画像内で目視可能ではなくなったとき、Aスキャン距離マーカが生成されてもよい。
【0086】
Aスキャン距離マーカは、細長いプローブの遠位端(距離マーカ608によって識別される)、小柱網の表面(609-1によって識別される)、傍小管小柱網(JCTM)(距離マーカ609-2によって識別される)、シュレム管の内壁(距離マーカ609-3によって識別される)、シュレム管の外壁(距離マーカ609-4によって識別される)、または強膜(距離マーカ609-5によって識別される)のうちの1つ以上の間の相対距離を示す複数のグラフィック視覚要素を含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、距離マーカ609-2および609-3は、JCTMが非常に薄い膜であり、シュレム管の内壁に隣接して位置しているため、区別できないほど互いに接近している場合がある。
図6では、グラフィック要素は、線および円として示されているが、他の形状または色を使用して、相対的な距離をマークしてもよい。複数の線は、異なる色、パターン、または太さを含んでもよい。複数の線は、互いに視覚的に区別可能であってもよい。Aスキャン距離マーカは、眼の顕微鏡画像に重ね合わされる。顕微鏡画像は、眼のトップダウンビューを示し、Aスキャン距離マーカは、標的位置の拡大軸方向ビューを示す。いくつかの場合、標的位置の軸方向ビューは、少なくとも2~5倍に拡大される。
【0087】
図6に示されるように、複数のグラフィック視覚要素は、例えば、細長いプローブの遠位端に対応する第1の線または距離マーカ608、小柱網の表面に対応する第2の線または距離マーカ609-1、傍小管小柱網(JCTM)に対応する第3の線または距離マーカ609-2、シュレム管の内壁に対応する第4の線または距離マーカ609-3、シュレム管の外壁に対応する第5の線または距離マーカ609-4、および強膜に対応する第6の線または距離マーカ609-5を含んでもよい。特定の組織構造体に応じて、任意の数の線またはマーカが生成されてもよい。グラフィック視覚要素のうちの1つ以上は、対応する物体のリアルタイムの相対的な位置を反映するために相互に対して移動してもよい。例えば、第1の線608は、細長いプローブの遠位端が標的位置に向かって前進するにつれて、第2から第6の線の各々に対して移動するように見える場合がある。複数の線により、医師は、細長いプローブの遠位端が小柱網の表面、JCTM、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、および強膜に対してどこに位置しているかを知ることができる。複数の線により、医師は、小柱網およびシュレム管の内壁を含む標的位置に向けて正確に細長いプローブの遠位端を前進させることができる。いくつかの場合、複数の線により、医師は、細長いプローブの遠位端を前進させて、小柱網に穏やかな圧迫を適用し、それによって、小柱網の過剰圧迫を回避することができる。いくつかの場合、小柱網の圧迫により、小柱網の厚さは、約90ミクロン、例えば、元の厚さの約150ミクロンから減少する。いくつかの場合、複数の線により、医師は、シュレム管の内壁が貫通されているかどうかを知ることができ、シュレム管の外壁を貫通することを回避することができる。例えば、シュレム管の内壁が貫通されたとき、プローブ先端がSCの内壁を通過したこと(またはSCの内壁が別様に貫通されたこと)を示す線609-2および609-3は、拡張画像から消える場合があり、いくつかの場合、シュレム管の内壁が貫通されたとき、医師は、細長いプローブを引っ込めてもよい。例えば、シュレム管の内壁の貫通が検出されたとき、レーザの発射は自動的に停止してもよい。いくつかの場合、SCの内壁が貫通されたとき、上述の方法で、次の標的位置が画像に示されて、シュレム管の内壁に別のアブレーションチャネルを作成するために次にプローブを向ける場所を外科医に知らせてもよい。標的情報は、新しい標的位置の光ファイバAスキャンから生成されてもよい。追加的にまたは任意に、標的情報は、新しい標的位置の顕微鏡Bスキャンから生成されてもよい。
【0088】
上記のように、シュレム管の内壁の貫通は、シュレム管の内壁に対応するグラフィック視覚要素(例えば、Aスキャン距離マーカ)である線609-3が消えることによって示され得る。いくつかの場合、本発明の実施形態は、プローブ先端がシュレム管の内壁を貫通するとき、線609-3が画像620から消えるように構成される。いくつかの実施形態によれば、小柱網が圧迫されてレーザパルスが開始されたとき、プローブ先端は大きく移動することはないと想定され得る。いくつかの場合、本発明の実施形態は、レーザパルスがシュレム管の内壁を貫通するとき、線609-3が画像620から消えるように構成される。いくつかの場合、本発明の実施形態は、プローブ先端の遠位のアブレーションされた組織構造体がガスに変換されてシュレム管に入ったとき、線609-3が画像620から消えるように構成される。いくつかの実施形態によれば、レーザパルスがシュレム管の内壁を貫通し得るか、ガスアブレーション生成物がシュレム管に入り得るが、プローブ先端はシュレム管内に貫通しない。いくつかの実施形態によれば、アブレーションチャネルは、孔を形成するために、小柱網、傍小管小柱網、およびシュレム管の内壁のアブレーションによって作成され得る。小柱網の圧迫は、小柱網の表面に対応する線609-1と傍小管小柱網(JCTM)に対応する線609-2との間の距離を評価することによって監視され得る。いくつかの実施形態によれば、シュレム管の内壁の貫通は、線609-3と線609-4との間の距離などのAスキャン距離マーカであり得る、距離マーカ間の距離を評価することによって監視され得る。例えば、シュレム管の内壁が貫通され、ガスがシュレム管に入ったとき、シュレム管の局所的かつ一時的な膨張が発生する(例えば、流入ガスの結果として)可能性があり、シュレム管の内壁と外壁との間の距離が増加する可能性がある。貫通後のある時点で、シュレム管が崩壊したとき、シュレム管の内壁と外壁との間の距離が減少する(例えば、管が拡張したときの約200ミクロンの初期距離から、管が崩壊したときの約20ミクロンの距離まで)場合がある。
【0089】
本明細書の他の箇所で説明されるように、眼内の内部全反射は、外科医が前眼部光学視認経路の「臨界角」を超えて存在する流出構造体を視認することを妨げる。
図6Aに示されるように、外科医は、光学顕微鏡、カメラ、ビデオカメラなどの光学デバイス640aを使用して、中央虹彩619aなどの構造体を視認することができる。これは、中央虹彩619aからの光650aが角膜615aを通過して眼680aを出て、光学デバイス640aによって受信または検出されるためである。対照的に、角膜のドーム形状に起因する内部全反射に続いて、光学デバイス640aを使用する場合、小柱網672aなどの虹彩角膜角670aの中およびその付近の構造体は目視可能ではない。これは、虹彩角膜角670aからの光660aが、角膜および涙液膜690aと空気695a(または前眼表面とは異なる屈折率を有する他の材料)とを含む、眼の前方構造体間の界面で内部全反射を受けるためであり、したがって、小柱網672aなどの構造体からの光は、角膜を通って眼680aから出ておらず、光学デバイス640aによって受信または検出することができない。
【0090】
特定の低侵襲性緑内障手術(MIGS)処置およびその他の医療治療を実施する場合、外科医はしばしば、プローブなどの器具を眼680aの前房607a内の様々な位置に移動させる。器具が文字Vで示されるように、前房607aの中央または内側領域(例えば、中央の虹彩619aおよび瞳孔605a付近)に位置している場合、器具は、外科医に直接かつ顕微鏡を介して光学的に目視可能である。例えば、器具は、光学デバイス640aによって提供される光路ビューまたは光路画像内で見ることができる。この意味で、領域Vは、外科医に光学的に目視可能な前房内の領域または空間を表し、例えば、光学デバイス640aによって提供される画像内で見ることができる。
【0091】
器具(または遠位先端などのその一部分)が文字Nで示されるように、前房の周辺または外側領域(例えば、小柱網672a付近の線655aの周辺)に向かって位置している場合、器具(またはその部分)は、外科医に光学的に目視可能ではない。例えば、器具(またはその一部)は、光学デバイス640aによって提供されるビューまたは画像内で見ることができないであろう。この意味で、領域Nは、外科医に光学的に目視可能ではない前房内の領域を表し、例えば、光学デバイス640aによって提供されるビューまたは画像内で見ることができない。
【0092】
破線655aは、空間V(目視可能である)を空間N(目視可能ではない)から分離する境界の代表的な図を提供し、本明細書の他の箇所で説明される「臨界角」に対応している。関連して、破線656aは、空間Nの周辺または外側境界の代表的な図を提供する。
【0093】
「臨界角」を超えて存在する構造体を視認するための現在の方法は、湾曲した角膜表面の光学を変更することによって光路を変更する「ゴニオレンズ」と呼ばれるデバイスの使用を必要とする。この目的で使用される接触レンズには、主に、虹彩角膜角670aへの直接的な視認を可能にするものと、例えば、鏡を使用して虹彩角膜角670aへの反射された間接的な視認を可能にするものと、の2つのカテゴリがある。虹彩角膜角構造体の視認を可能にするこのようなデバイスの使用は、これらの接触レンズをリアルタイムで操作し、間接的なゴニオレンズの場合に鏡像を精神的に反転させるスキルセットを必要とする。
【0094】
有利なことに、本発明の実施形態は、外科医が周辺前房の様々な所望のまたは標的位置全体にわたって(例えば、領域N全体にわたって)(そうでなければ、周辺前房のビューまたは画像は、内部全反射に起因して不明瞭になるかまたは遮断されるであろう)、エキシマレーザ線維柱帯切開術(ELT)デバイスなどの手術器具またはプローブを効果的かつ正確に移動して位置付けることを可能にするシステムおよび方法を提供する。さらに、本発明の実施形態はまた、外科医が、空間Nの周辺に位置している様々な所望のまたは標的位置全体にわたって、(例えば、小柱網672aおよびシュレム管611aの内壁625aを通して)レーザ線維柱帯切開術(ELT)デバイスなどの手術器具またはプローブを効果的かつ正確に移動して位置付けることも可能にする。
【0095】
例えば、本発明の実施形態によれば、ゴニオレンズで光学的に視覚化できる構造体の拡張ビューまたは画像を外科医に提供するシステムおよび方法が詳述されるが、この場合、構造体は代わりに、ゴニオレンズ(例えば、小柱網672aなどの組織または組織層)を用いずに画像化され、さらにまた、標的組織領域(例えば、傍小管小柱網、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、および強膜などの組織または組織層)の標的位置のOCT画像を含む、ゴニオレンズでは視覚化できない構造体の画像も含んでもよい。そのような画像は、それらが見られる場合、構造体に類似したグラフィック画像によって表されてもよく、また、例えば、標的位置および相対的な位置を識別するグラフィック視覚要素によって表されてもよい。関連して、いくつかの場合、標的位置を特定するグラフィック視覚要素は、小柱網、傍小管小柱網、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、または強膜などの特定の組織または組織層を識別するように動作することができる。
【0096】
OCT画像とグラフィック要素とを重ね合わせることによって、拡張ビューまたは画像を生成することができ、グラフィック要素を光路ビューまたは光路画像に位置合わせすることができる。拡張ビューまたは画像はまた、器具および/または標的位置に対応するグラフィック要素も含み得る。例えば、拡張ビューまたは画像は、プローブまたはプローブ先端の位置に対応するプローブマーカを含み得る。いくつかの場合、拡張ビューまたは画像は、プローブ線またはガイダンス矢印に対応するグラフィック要素を含み得る。グラフィック要素は、光学的に目視可能ではない、空間Nおよび他の領域または構造体(例えば、シュレム管611aの内壁625aなどの小柱網672aの下または周辺に配設された表面下組織または組織層)を誘導するための目視可能なガイドキューを外科医に提供する際に特に有用である。
【0097】
このようにして、外科医は、1つ以上のグラフィック視覚要素のみによってまたは1つ以上のOCT画像組み合わせて、標的位置および/または器具(またはその一部分)が外科医に「目視可能」になる拡張ビューまたは画像を提示され、ここで、標的位置および/または器具(またはその一部分)は、ゴニオレンズを有さない光学ビューまたは光学画像内で目視可能ではない。したがって、本明細書で開示されるシステムおよび方法により、外科医は、ゴニオレンズを使用する必要なく、流出構造体(例えば、MIGS)の緑内障手術を実施することができる。
【0098】
図6Aのパネル(1)は、本明細書に記載される臨界角特徴の追加の態様を示している。ここに示されるように、媒体境界685a(例えば、涙液膜690aと空気695aとの間の界面)に対する法線675aに対して入射角「a」を有する、角膜615aの後方の位置からの光650aは、部分屈折を伴って境界と交差する。対照的に、法線675aに対して入射角「b」を有する前房607a内のより周辺の位置からの光660aは、境界685aと交差しないが、代わりに、反射して前房607aに戻る。いくつかの実施形態によれば、臨界角「c」は、それを超えると内部全反射が生じる閾値の入射角として画定され得る。したがって、光660aでは、外科医が前眼部光学視認経路の臨界角「c」を超えて存在する特定の流出構造体を視認するのを妨げる内部全反射があることが分かる。いくつかの実施形態によれば、臨界角「c」は、約46度であり、そのため、前房内に位置付けられた組織構造体またはデバイスに由来する、境界685aで46度の角度を超える光は、反射して前房に戻る。いくつかの場合、臨界角の値は、患者集団の平均値に基づいて判定され得る。いくつかの場合、臨界角の値は、治療中の特定の患者の特定の値に基づいて判定され得る。いくつかの場合、臨界角は、小柱網の表面から約3mm~約mmの距離に対応し得る。
【0099】
図6Bは、例示的な拡張画像または拡張ビュー600bを示している。本明細書の他の箇所に記載されるように、拡張画像は、例えば、光学的に目視可能な構造体に隣接するか、またはその上にあるヘッドアップディスプレイで、顕微鏡の接眼レンズを通してユーザまたは外科医によって視認され得る。そのような拡張画像は、ヘッドアップディスプレイ、外部表示デバイス、またはユーザインターフェースに結合されたディスプレイに表示され得る。いくつかの実施形態によれば、拡張画像600は、表示デバイス、顕微鏡デバイス、ヘッドアップディスプレイ、視認モニタ、仮想現実視認デバイス、拡張現実視認デバイスなどの視認デバイスの様々なビューのいずれかで視認され得る。ここに示されるように、拡張画像またはビュー600bは、光学顕微鏡の接眼レンズを通る光学画像505bまたは光路ビューを含み得、光学画像505bは、強膜17bを有する眼607bの前方またはトップダウンビューを含む。光学画像または光学ビューはまた、角膜穿刺切開部を通して眼の前房に挿入された細長いプローブ23bも示している。
【0100】
拡張画像またはビュー600bはまた、OCT画像610bも含む。ここに示されるように、OCT画像610bは、眼の側面または断面図に対応している。さらに、拡張画像または拡張ビュー600bは、別のOCT画像620bを含み得る。ここに示されるように、画像620bは、眼の前方またはトップダウンビューに対応している。
【0101】
破線655bは、光学的に目視可能ではない前房内の空間Nから光学的に目視可能である前房内の空間Vを分離する境界の例示的な図を提供し、この境界は、本明細書の他の箇所で説明された「臨界角」目視可能性に対応する。関連して、破線656bは、前房内の空間Nの周辺または外側境界の例示的な図を提供する。
【0102】
本発明の実施形態は、外科医が、周辺前房内の様々な所望のまたは標的位置全体にわたって(例えば、空間N全体にわたって)(そうでなければ、周辺前房の光学画像またはビューは、内部全反射に起因して遮断されるであろう)、プローブなどの手術器具を効果的かつ正確に移動して位置付けることを可能にすること、およびまた、光学的に目視可能ではない他の領域または構造体(例えば、小柱網672bの下または周辺に配設された表面下組織または組織層)に手術器具を誘導することも可能にするシステムおよび方法を提供する。例えば、本明細書の他の箇所で説明されるように、OCT画像610bおよび620bは、破線655bの周辺に配設されるか、または少なくとも部分的に配設されるグラフィック視覚要素を含み得る。
【0103】
ここに示されるように、OCT画像610bは、外科医に光学的に目視可能である前房内の空間である空間Vに配設された細長いプローブ23bに対応するグラフィック視覚要素611bを含む。細長いプローブの後方の虹彩の部分は、OCTシャドーイング現象に起因して画像610b内で(例えば、グラフィック視覚要素611bの下で)目視可能でない場合があり、それによって、物体は、OCT画像の基礎となる組織を覆い隠す光学シャドーイングを引き起こす可能性がある。関連して、OCT画像620bは、同様に空間Vに配設された細長いプローブ23bの遠位端623bに対応するグラフィック視覚要素608bを含む。破線624bは、プローブ遠位端623bの位置を表す。
【0104】
本明細書の他の箇所で、例えば
図6Cを参照して説明されるように、外科医が細長いプローブの遠位端を空間Vから空間Nに移動するにつれて、プローブ23bの遠位端が光学画像またはビュー505bから消えることになる一方で、OCT画像610bにより、外科医は、グラフィック視覚要素611bを空間Vから空間Nに、任意に、他の領域または構造体(例えば、小柱網672bの下または周辺に配設された表面下組織または組織層)に移動する際に観察することによって、この移行にわたってプローブをシームレスに視覚化することができる。同様に、OCT画像620bにより、外科医は、グラフィック視覚要素608bを空間Vから空間Nに、任意に、他の領域または構造体(例えば、小柱網の下または周辺に配設された表面下組織または組織層)に移動する際に観察することによって、この移行にわたってプローブをシームレスに視覚化することができる。いくつかの実施形態によれば、境界自体(すなわち、破線655b)は、例示のみを目的として本明細書で説明されており、拡張画像またはビュー600bのどこにも表示されない。
【0105】
図6Cは、例示的な拡張画像または拡張ビュー600cを示している。ここで、プローブ23cの遠位端(図示せず)は、光学ビューまたは画像505cの破線624cで示されるように、空間V(
図6Bに示される位置)から空間Nまで前進している。拡張画像またはビュー600cはまた、OCT画像610cも含む。ここに示されるように、OCT画像610cは、眼の側面または断面図に対応している。細長いプローブの後方の虹彩の部分は、OCTシャドーイング現象に起因して画像610c内で(例えば、グラフィック視覚要素611cの下で)目視可能ではない場合がある。さらに、拡張画像または拡張ビュー600cは、別のOCT画像620cを含み得る。ここに示されるように、画像620cは、眼607cの前方またはトップダウンビューに対応している。
【0106】
破線655cは、光学的に目視可能ではない前房内の空間Nから、光学的に目視可能である前房内の空間Vを分離する境界の例示的な図を提供し、この境界は、本明細書の他の箇所で説明される「臨界角」目視可能性に対応している。いくつかの実施形態によれば、境界自体(すなわち、破線655c)は、例示のみを目的として本明細書に記載されており、拡張画像またはビュー600cのどこにも表示されない。関連して、破線656cは、前房内の空間Nの周辺または外側境界の例示的な図を提供する。
【0107】
OCT画像610cおよび620cは、破線655cの周辺に配設されるか、または少なくとも部分的に配設されるグラフィック視覚要素を含み得る。ここに示されるように、OCT画像610cは、空間V(外科医に光学的に目視可能である前房内の空間)に配設され、空間N(外科医には光学的に目視可能ではない前房内の空間)に延在する細長いプローブ23cに対応するグラフィック視覚要素611cを含む。関連して、OCT画像620cは、空間Nに配設された細長いプローブ23cの遠位端に対応するグラフィック視覚要素608cを含む。
【0108】
外科医が細長いプローブ23cの遠位端を空間Vから空間Nに移動したため、プローブの遠位端は、光学画像またはビュー505cから消えている。しかし、この移動中に、OCT画像610cにより、外科医は、空間Vから空間Nに移動するグラフィック視覚要素611cの遠位部分612cを観察することによって、空間Vから空間Nへのこの移行にわたってプローブをシームレスに視覚化することができる。任意に、外科医は、本明細書の他の箇所で説明されるように、OCT画像610cが重ね合わされた他のグラフィック視覚要素によってガイドされて、空間Nの様々な位置全体にわたってプローブを移動させることができる。このガイドされた誘導プロセス中、外科医は、OCT画像610cを使用して、他のグラフィック視覚要素に対するグラフィック視覚要素611c(および任意に、遠位部分612c)の移動を観察することによって、眼607cの解剖学的構造体に対するプローブ23cの位置(position)および/または位置(location)を視覚化することができる。例えば、他のグラフィック視覚要素は、小柱網672cの下または周辺に配設された表面下組織または組織層に対応していてもよい。
【0109】
同様に、OCT画像620cにより、外科医は、グラフィック視覚要素608cを空間Vから空間Nに移動する際に観察することによって、空間Vから空間Nへのこの移行にわたるプローブの移動をシームレスに視覚化することができる。任意に、外科医は、本明細書の他の箇所で説明されるように、OCT画像620cが重ね合わされた他のグラフィック視覚要素によってガイドされて、空間Nの様々な位置全体にわたってプローブを移動させることができる。このガイドされた誘導プロセス中、外科医は、OCT画像620cを使用して、他のグラフィック視覚要素に対するグラフィック視覚要素608cの移動を観察することによって、眼607cの解剖学的構造体に対するプローブ23cの位置(position)および/または位置(location)を視覚化することができる。例えば、他のグラフィック視覚要素は、小柱網の下または周辺に配設された表面下組織または組織層に対応していてもよい。いくつかの場合、眼の虹彩角膜角付近の角部の内部全反射に起因して細長いプローブの遠位端が不明瞭になった結果として、細長いプローブの遠位端が顕微鏡画像内で目視可能ではなくなると、グラフィック視覚要素608cが生成されてもよい。
【0110】
したがって、本発明の実施形態は、小柱網およびシュレム管などの虹彩角膜角付近の眼の構造体の中および周囲の視認および誘導での使用によく適しており、この使用はそれ以外の場合は、より難しい技術、例えば、ゴニオレンズの使用を必要とする技術を含む。同様に、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、外科医に集合チャネル系などの目視可能性が低いかまたは目視可能ではない構造体の画像または情報を提供することによって、外科医が内部全反射によって遮断される角度構造体を視認することを可能にし得る。このような画像または情報は、OCT光干渉断層法(OCT)技術を使用することによって生成され得る。
【0111】
図7A~
図7Fは、処置中に医師またはユーザによって知覚される例示的な拡張画像700、710、720、730、740、750、760、770、780、および790を示している。
図7A(画像700)に示されるように、1つ以上の標的位置に対応する1つ以上の治療基準マーカ601、602、603は、医師が視認および選択するための光学顕微鏡の接眼レンズを通る眼の光学画像または光路ビューの上に重ね合わされ得る。ここに示される光学画像またはビューでは、瞳孔から小柱網まで、前房内の目の解剖学的構造体を視覚化することが可能である。しかし、本明細書の他の箇所で説明されるように、小柱網などの虹彩角膜角におけるまたはその付近の周辺構造体は、光学画像またはビューでは目視可能ではない場合がある。したがって、いくつかの実施形態によれば、本明細書に提供される光学画像またはビューは、例示のみを目的としており、実際にはそのような周辺構造体を含まないであろう。1つ以上の標的位置は、術前OCT画像または他の画像から判定され、次いで、本明細書の他の箇所に記載されるように、ライブ光学画像にマッピングされてもよい。標的位置を選択したとき、その選択された標的位置に対応する遠位先端マーカ605から選択された治療基準マーカ601に向かって延在するガイダンス矢印612(画像710に示される)が生成されて、プローブをガイダンス矢印と縦方向に整列させるように配向するように、医師をガイドしてもよい。いくつかの場合、選択されていない標的位置に対応する治療基準マーカ602、603は、第1の治療基準マーカ601(または対応する標的位置)が選択された後、ビューから消える場合がある。
図7B(画像720)に進むと、プローブは、プローブの長軸およびガイダンス矢印612と同軸のプローブ線604によってガイドされる治療基準マーカ601に対応する選択された標的位置に向かって前進されてもよい。プローブ先端が標的位置から所定の距離内にあることが検出されたとき、または
図7C(画像730)に示されるように、プローブ線がガイダンス矢印と整列されたとき、OCTスキャンが実施されてもよい。関連して、OCTスキャンは、プローブ先端が「臨界角」目視可能性を超えることが検出された状態で実施されてもよく、その結果、画像610-4が生成されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されるように、検出は、ライブ光学画像に基づいてもよい。OCTスキャンは、顕微鏡ベースのOCTスキャンであってもよく、いくつかの場合、2次元画像が、光学画像に重ね合わされてもよい。いくつかの場合、3Dスキャン(すなわち、Cスキャン)が所望される場合、顕微鏡ベースのOCTのスキャン範囲を示す矢印614を光学画像に重ね合わせてもよい。スキャン範囲または体積は、ファイバ先端から標的位置を指す2つの矢印614で画定されてもよい。あるいは、顕微鏡ベースのOCTは、2Dスキャン(すなわち、Bスキャン)であってもよい。スキャン平面は、プローブの縦軸および眼の前後平面に沿っていてもよい。スキャン範囲は、矢印612で示されるように、光ファイバ先端から標的位置までであってもよい。いくつかの場合、矢印614は、光ファイバベースのOCTのスキャン範囲を示してもよい。同様に、矢印614は、光ファイバベースのOCTの3Dスキャンまたは2Dスキャンのスキャン範囲を画定してもよい。スキャン範囲は、1度~45度などの角度714によって画定される範囲内にあってもよい。
【0112】
画像740に示されるように、顕微鏡ベースのOCT画像610-4は、眼の前後平面内でプローブの向きおよび前進方向を調整する際に、医師をガイドするためのガイダンス矢印613を含んでもよい。あるいは、ガイダンス矢印は、3D OCTスキャン範囲を示してもよい。このOCT画像は、光学画像では知覚可能ではない可能性がある位置情報を補足する。本明細書の他の箇所に記載されるように、治療基準マーカ601-1に対応する標的位置に対するプローブ先端の少なくとも位置を示すプローブマーカ611は、顕微鏡ベースのOCT画像に重ね合わされてもよい。本明細書の他の箇所で説明されるように、シュレム管の高さは、小柱網の高さの約半分であってもよい。いくつかの実施形態によれば、ガイダンス矢印613は、シュレム管に向かう方向を指す。治療基準マーカ601-1の位置は、シュレム管の位置に対応させることができる。
【0113】
図7D(画像750)に示されるように、細長いプローブの遠位端に対応する遠位先端マーカ605が標的位置に対応する治療基準マーカ601に接近し、治療基準マーカ601から所定の距離内にあることが検出されると(または、遠位端が標的位置から所定の距離内にあることが検出された場合)、第2のOCTスキャンが実施されてもよい。第2のOCTスキャンは、画像620-5を生成するために使用され得る光ファイバベースのOCTスキャンであってもよい。いくつかの場合、第2のOCTスキャンは、Bスキャンであってもよく、スキャン範囲を示す矢印は、光学画像610-5に重ね合わされてもよい。あるいは、第2のOCTスキャンは、プローブの軸に沿ったAスキャンであってもよく、スキャン範囲は、拡張画像上に示されなくてもよい。第2のOCTスキャン(Aスキャンまたは画像620-5)の拡大ビューは、ピクチャインピクチャ様の形式で光学画像上に重ね合わされてもよい。明確にするために、
図7Dは、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-5の拡大ビューを示し、拡大ビューは、拡張画像上に重ね合わされてもよい。線などの複数のAスキャン距離マーカは、Aスキャン結果に基づいて生成され、光学画像に重ね合わされてもよい。距離マーカ(例えば、光ファイバ先端位置マーカ608、TM距離マーカ609-1)は、プローブの遠位端と小柱網の表面、JCTM、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、または強膜との間の相対的な位置を反映するために、位置または間隔を動的に変化させてもよい。
【0114】
プローブ先端および関連するマーカの正確かつ厳密な位置付け測定は、様々な眼科手術と組み合わせて使用され得る。一例では、拡張画像のガイダンスの下でELT処置が実施されてもよい。例に示されるように、複数のAスキャン距離マーカは、細長いプローブの遠位端または光ファイバ先端に対応する距離マーカ608、小柱網の表面に対応する距離マーカ609-1、傍小管小柱網(JCTM)に対応する距離マーカ602-2、シュレム管の内壁に対応する距離マーカ609-3、シュレム管の外壁に対応する距離マーカ609-4、または強膜に対応する距離マーカ609-5を含んでもよい。シュレム管の外壁は、眼の構造体全体に対して、比較的固定されていてもよいが、シュレム管の内壁は、眼の構造体全体に対して、小柱網と共に移動することができる。通常の生理学的プロセスに起因して、シュレム管の内壁と外壁との間の距離は、例えば、20ミクロン(例えば、房水のみで満たされている場合)と、200ミクロン(例えば、房水および赤血球で満たされている場合)との間で動的に変動し得る。ELTレーザプローブの精度は、パルスあたり1.7ミクロン程度であり、したがって、シュレム管の外壁をアブレーションすることなくシュレム管の内壁を効果的にアブレーションするように操作することができる。本明細書の他の箇所で説明されているように、シュレム管の内壁に対応する距離マーカ609-3が内壁の貫通に起因して消えたとき、信号がレーザに送信されて、アブレーションパルスの送達を停止し、貫通が完了したことを示す信号が外科医に提供され得る。このようにして、システムは、自動停止信号、情報停止信号、またはその両方を提供することができる。
【0115】
図7D(画像760)に示されるように、顕微鏡画像が治療基準マーカ601に向かって移動する遠位先端マーカ605を示すにつれて、OCT画像610-6において、リアルタイム画像は、小柱網9に向かって移動するプローブマーカ611を示すことができ、したがって、外科医は、プローブ先端が標的に向かって前進するにつれて、プローブの表示された移動を視認することができる。OCT画像620-6に示されるように、プローブ先端が標的に向かって前進するにつれて、光ファイバ先端距離マーカ608は、標的組織領域に対応する距離マーカにより近づくように移動してもよく、距離マーカは、距離マーカ609-1(小柱網に対応する)、609-2(傍小管小柱網に対応する)、609-3(シュレム管の内壁に対応する)、609-4(シュレム管の外壁に対応する)、および609-5(強膜に対応する)によって示されるように、小柱網およびシュレム管を含んでもよい。明確にするために、
図7Dは、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-6の拡大ビューを示し、拡大ビューは、拡張画像上に重ね合わされてもよい。
【0116】
図7E(拡張画像770)に示されるように、プローブ先端が小柱網と接触しているとき、OCT画像610-7に示されるように、プローブマーカは、小柱網と接触しており、距離マーカ609-1は、OCT画像620-7から消えてもよい。プローブの先端が小柱網と接触しているとき、標的組織のフォトアブレーションが実施されてもよい。エネルギー源に結合されたプローブは、細長いプローブの遠位端が小柱網の部分を圧迫していることを検出したとき、標的位置に複数のパルスを送達するように構成されてもよい。本明細書に記載されるように、複数のパルスは、フォトアブレーションによって小柱網を通ってシュレム管内に孔を生成するように構成される。明確にするために、
図7Eは、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-7の拡大ビューを示し、拡大ビューは、拡張画像上に重ね合わされてもよい。
【0117】
図7E(拡張画像780)に示されるように、OCT画像620-8のAスキャン距離マーカは、シュレム管内壁の貫通を示してもよい。例えば、OCT画像610-8に示されるように、シュレム管の内壁が貫通されたとき、プローブ先端がSCの内壁を通過したこと(またはシュレム管の内壁が別様に貫通されたこと)を示す線609-2および609-3は、拡張画像780から消えることがあり、いくつかの場合、シュレム管の内壁が貫通されたとき、医師は、細長いプローブを引っ込めてもよい。いくつかの実施形態によれば、光ファイバベースのOCTは、標的組織領域内の組織構造体を検出するために使用することができ、シュレム管の内壁がアブレーションされて貫通されたときを検出するために使用することができる。関連して、アブレーションプロセスは組織をガスに変換するため、シュレム管内のガス(以前は液体、例えば、プラズマまたは房水のみで満たされていた)の検出を、別のマーカとして使用して、シュレム管の内壁が貫通されたことを識別することができる。例えば、シュレム管の内壁の貫通が検出されたとき、レーザの発射は自動的に停止してもよい。あるいは、別の例では、レーザ発射を手動で停止するようにプロセッサによってユーザに通知されてもよい。明確にするために、
図7Eは、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-8の拡大ビューを示し、拡大ビューは、拡張画像上に重ね合わされてもよい。
【0118】
制御ユニット410は、細長いプローブの遠位端が小柱網の一部分を圧迫していることを検出したとき、エネルギー源を自動的に制御して、複数のパルスを送達するように構成された操縦および制御ユニット414を備えてもよい。あるいは、操縦および制御ユニット414は、細長いプローブの遠位端が小柱網の一部分を圧迫していることを検出したとき、エネルギー源を手動で制御して複数のパルスを送達するように、医師にアラートを生成するように構成されてもよい。いくつかの場合、操縦および制御ユニット414は、Aスキャン距離マーカに基づいて、小柱網の一部分が細長いプローブの遠位端によって圧迫される量を判定するように構成されてもよい。例えば、小柱網の圧迫量は、小柱網の表面に対応する第1の距離マーカとJCTMに対応する第2の距離マーカとの間の相対的な距離の変化に基づいて判定される。別の例では、操縦および制御ユニット414は、小柱網の一部分が所定の厚さに圧迫されているかどうかを、Aスキャン距離マーカに基づいて判定するように構成される。いくつかの場合、操縦および制御ユニット414は、エネルギー源を制御して複数のパルスを送達し、小柱網の一部分が所定の厚さに圧迫されていると判定したとき、小柱網の一部分およびシュレム管の内壁のフォトアブレーションを引き起こすように構成されてもよい。
【0119】
図7Eに戻ると、エネルギー源は、シュレム管の内壁がレーザパルスによって貫通されたことを検出したとき、標的位置への複数のパルスの送達を停止してもよい。シュレム管の内壁の貫通は、シュレム管の内壁に対応する線マーカ609-3が消えることによって示されてもよい。いくつかの場合、操縦および制御ユニット414は、シュレム管の内壁が小柱網の一部分のフォトアブレーションによって貫通されたかどうかを、Aスキャン距離マーカ間の相対的な距離の変化に部分的に基づいて検出するように構成されてもよい。いくつかの場合、操縦および制御ユニット414は、シュレム管の内壁が貫通されたことを検出したとき、標的位置から離れて細長いプローブを引っ込めるように、医師にアラートを生成するように、さらに構成される。アラートは、テキスト、光学画像の上に重ね合わされたグラフィック視覚要素、または可聴アラートなどの任意の形態であってもよい。
【0120】
図7F(画像790)に示されるように、操縦および制御ユニットは、現在の手術が正常に完了したとき、眼の別の標的位置のマッピングされた位置に対応する別の治療基準マーカを特定するように、医師にアラートを生成するように、さらに構成されてもよい。例えば、シュレム管の内壁が貫通されることが検出され、レーザパルスが停止されたとき、次の標的位置に対応する後続の治療基準マーカ602が現れてもよく、本明細書の他の箇所に記載されるように、次の治療位置に移動するように、外科医をガイドすることができる。前述のステップのいくつかまたは全部は、後続の標的位置に対して繰り返されてもよい。明確にするために、
図7Fは、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-9の拡大ビューを示し、拡大ビューは、拡張画像上に重ね合わされてもよい。
【0121】
図8は、実施形態によるシステム800の別の例を示す。システム800は、
図4に記載されたシステム400と実質的に同様であってもよく、システム400の1つ以上の構成要素を備えてもよい。システム800は、光ファイバベースのOCT402のみを利用して、OCTで眼Eを測定してもよい。顕微鏡409は、
図4に記載されたものと同じ光学顕微鏡を備えてもよい。この場合、OCTユニット401は、光ファイバベースのOCT402のみを備えてもよく、OCTユニットは、顕微鏡409の光学部品を共有しなくてもよい。プローブによって提供されるAスキャン情報を使用して、小柱網からの距離を判定することができる。外科医は、ディスプレイ上に提供されるAスキャン情報を使用して、プローブをシュレム管と整列させることができる。例えば、シュレム管からの距離の指示、および光ファイバプローブの遠位端がシュレム管と整列しているかどうかの指示と共に、Aスキャン情報を外科医に表示することができる。
【0122】
図9は、システム800を使用する処置の間にユーザに示される例示的な拡張画像または光学ビュー900および910を示す。ガイダンス矢印、プローブマーカ、プローブ先端マーカ605、治療基準マーカを光学画像またはビューに重ね合わせるステップは、
図7Aおよび
図7Bに、画像700、710、および720に記載されたものと同様であってもよい。プローブの向きおよび前進方向は、プローブの軸マーカがガイダンス矢印と整列するように調整されてもよい。x-y平面でのプローブの整列は、眼の光学画像のトップダウンビューを使用することによって実現されてもよい。前後平面の標的位置に対するプローブの位置は、術前OCT画像によって推定または計算されてもよい。プローブ先端(遠位先端マーカ605に対応する)が標的位置(治療基準マーカ601に対応する)から所定の距離内にあることが検出されたとき、光ファイバベースのOCTスキャンが実施されてもよい。光ファイバベースのOCTスキャンは、上述のように軸スキャン(すなわち、Aスキャン)またはBスキャンであってもよい。光ファイバベースのOCTスキャンは、本明細書の他の箇所に記載されたものと同じであり得る。OCT結果の拡大ビュー620-90は、光学画像上に重ね合わされてもよい。OCT画像620は、前述の608、609-1などの複数のAスキャン距離基準マーカを含んでもよい。あるいは、OCT画像は、Bスキャンが実施されるとき、2次元OCTライブ画像を含んでもよい。OCT画像620-90および620-91は、軸方向に先端を前進させる際に医師をガイドするのに有用であり、1つ以上の組織構造体(例えば、小柱網609-1)に対するプローブ先端の相対的な位置に関する情報を提供する。例えば、画像910に示されるように、先端が前進するにつれて、OCT画像620-91内の距離マーカ608は、他の距離マーカに向かって移動してもよい。明確にするために、
図9は、複数のAスキャン距離マーカを示すAスキャン画像620-90および620-91の拡大ビューを示し、拡大ビューは拡張画像上に重ね合わされてもよい。
【0123】
図10は、本発明の実施形態によるシステム1000の別の例を示す。システム1000は、顕微鏡ベースのOCTユニット403のみを利用してもよい。システム1000のOCTユニットは、顕微鏡ベースのOCTを備えてもよい。この場合、光学画像に重ね合わされるOCTベースの拡張情報は、顕微鏡ベースのOCTユニット403によって実施されるOCTスキャンによって提供されてもよい。例えば、プローブ先端が標的位置から所定の距離内にあることが検出されたとき、顕微鏡ベースのOCTスキャンが実施されてもよい。スキャン平面は、本明細書の他の箇所に記載されるように、眼Eの前後平面に沿って、かつプローブの細長い軸に沿っていてもよい。OCTスキャンは、高解像度スキャンであってもよい。例えば、構造スキャン解像度は、約1μmから約5μmの範囲であってもよい。スキャンは、標的位置または組織構造体(例えば、小柱網、傍小管小柱網(JCTM)、シュレム管の内壁、シュレム管の外壁、または強膜)に対するプローブ先端の位置情報を提供してもよい。いくつかの場合、画像610などのマーカを有するリアルタイムOCT画像が生成され、光学画像上に重ね合わされてもよい。いくつかの場合、画像610に加えて、画像620などのプローブ先端と組織構造体との相対的な位置の拡大ビューが、顕微鏡ベースのOCTに基づいて生成され、光学画像に重ね合わされてもよい。
【0124】
図11は、本発明の実施形態による、OCTガイダンスシステム1100の一例を概略的に示している。システム1100は、システム1100が光ファイバプローブ用の別個のレーザユニットを備えていない場合があることを除いて、
図4に記載されたシステム400と同じ構成要素を備えてもよい。システム1100は、本明細書の他の箇所に記載されるように、眼Eの内部に挿入された任意の手術器具をガイドするために使用されてもよい。例えば、システム1100は、インプラントのステント位置を特定するためのガイダンスを提供してもよい。インプラントデバイスの例としては、CyPass(登録商標)マイクロステントとおよびiStent(登録商標)が挙げられ、それぞれ、脈絡膜上腔およびシュレム管を標的にしている。この場合、OCTスキャン用の光ファイバは、ELT手術用の光ファイバを備えていない場合がある外科用ツール1101と同軸であってもよい。
【0125】
図12A~
図12Dは、提供されたシステムと組み合わせて使用され得る器具の例を示している。様々な器具は、レーザ光源に結合されていなくてもよい。デバイスは、実質的に細長い形状を備えてもよい。
図12Aに示された眼の前方ビューに示されているように、本明細書の他の箇所に記載されるのと同様の方法で、拡張情報は、眼および器具の光学ビューまたは画像505に重ね合わされてもよい。例えば、1つ以上の治療基準マーカ601、および器具24と同軸の矢印またはプローブ線604が、光学画像に重畳されてもよい。ここに示されるように、眼は虹彩19、小柱網9、および角膜15を含む。角膜15を示す代わりに、この画像は、角膜の代わりに強膜を示すこともできることが理解される。ここに示される光学画像またはビュー505では、前房内の眼の解剖学的構造体を、内瞳孔から虹彩角膜角まで視覚化することが可能である。しかし、本明細書の他の箇所で説明されるように、小柱網9などの虹彩角膜角におけるまたはその付近の周辺構造体は、光学画像またはビューでは目視可能ではない場合がある。したがって、いくつかの実施形態によれば、本明細書に提供される光学画像またはビューは、例示のみを目的としており、実際にはそのような周辺構造体を含まないであろう。
【0126】
ガイダンス矢印612が表示されて、器具24の前進方向および向きをガイドしてもよい。いくつかの場合、OCTスキャン用の光ファイバは同軸であるか、または器具24のハウジングに封入されて、治療位置に対する器具の遠位端の相対的な位置を提供してもよい。いくつかの場合、細長いプローブ24は、上部に装着された1つ以上のステント1220aを備えてもよく、ステント1220aは、小柱網9に埋め込まれ、前房をシュレム管に接続し、シュレム管に恒久的な開口部を作成するように構成されてもよい。本明細書に記載のシステムの実施形態は、眼の現実の顕微鏡画像で位置合わせされたグラフィック視覚要素(例えば、治療基準マーカおよび矢印)の支援により、標的位置に1つ以上のステント1220aを前進させて移植する際に、医師を支援するように構成され得る。例えば、開示されるシステムは、顕微鏡画像に位置合わせされたグラフィック視覚要素(例えば、治療基準マーカ601、プローブ線604、および/またはガイダンス矢印612)の支援で、ステント1220aをシュレム管に横に前進およびスライドさせ、ステントをシュレム管に恒久的に位置付ける際に、医師を支援するように構成されてもよい。
【0127】
いくつかの場合、システムは、顕微鏡画像に位置合わせされたグラフィック視覚要素の支援で、複数のステントを細長いプローブの細長い軸に沿って前進させ、複数のステントをシュレム管に注入し、複数のステントをシュレム管に恒久的に位置付ける際に、医師を支援するように構成されてもよい。例えば、
図12Bのパネル(1)に示されるように、細長いプローブ1210bは、ハウジング1212bおよび挿入機構1214bを含む。パネル(2)に示されるように、挿入機構1214bには、ステント1220bが装着され得、ステント1220bは、ヘッド1222b、胸部1224b、フランジ1226b、および流出オリフィス1228bを含み得る。
図12Bのパネル(3)は、前房から視認される小柱網9に埋め込まれた2つのステント1220bを示している。ここに示されるように、各ステント1220bのフランジ1226bは、1つ以上の流出オリフィス(図示せず)と流体連通する入口オリフィス1227bを含む。ステント1220bは、小柱網9から前房の中央部に向かって大幅に延在していないため、ステントは、眼の虹彩角膜角付近の角部の内部全反射に起因して不明瞭になった結果として、顕微鏡画像またはビュー内で目視可能ではない。本明細書の他の箇所で開示されるOCTガイダンスの実施形態は、(細長いプローブに装着された状態で)ステントを小柱網9に送達する際に、外科医を支援するのに良く適している。例えば、
図6を参照して説明されたOCTガイダンス実施形態を使用して、外科医が小柱網の標的位置にステントを埋め込むことをガイドすることを支援することができる。いくつかの場合、標的位置は、集合チャネルの位置に対応することができるか、または複数の集合チャネルの分布または密度に基づくことができる。
図12Bを再び参照すると、パネル(4)に示されているように、ステント1220bが眼に埋め込まれたとき、フランジ1226bは、前房7に存在し、胸部(目視可能ではない)は、小柱網9に存在し、ヘッド1222bは、シュレム管11に存在している。入口オリフィスは、流出オリフィスと流体連通しているため、房水は前房からシュレム管に流れ込むことができる。
【0128】
図12Cのパネル(1)-(7)に示されるように、いくつかの場合、細長いプローブ1210cは、内部に装着されたマイクロステント1220cを備えてもよく、マイクロステント1220cは、前房7と毛様体上腔27との間で恒久的な導管を作成するように構成されてもよい。いくつかの場合、ステント1220cは、チタンスリーブなどのスリーブ1221c、入口1222c、保持機構1223c、および出口1224cを含んでもよい。本明細書に開示されるシステムは、顕微鏡画像に位置合わせされたグラフィック視覚要素の支援で、マイクロステント1220cを毛様体上腔間27に前進させる際に、医師を支援するように構成され得る。例えば、システムは、本明細書の他の箇所に記載されるOCT装置のいずれかによって生成された毛様体上腔27のリアルタイムOCT画像を使用して、マイクロステント1220cを毛様体上腔27に前進させる際に、医師を支援するように構成され得る。システムはまた、顕微鏡画像に位置合わせされたグラフィック視覚要素の支援で、マイクロステント1220cの近位カラー部分またはスリーブ1221cを前房角28に位置付ける際に、医師を支援するように構成され得る。本明細書の他の箇所で開示されるOCTガイダンスの実施形態は、ステントを(細長いプローブに装着された状態で)前房角に送達する際に、外科医を支援するのに良く適している。例えば、
図6を参照して説明されたOCTガイダンス実施形態を使用して、外科医がステントを前房角の標的位置に埋め込むことをガイドすることを支援することができる。
【0129】
いくつかの場合、
図12Dのパネル(1)~(4)に示されるように、細長いプローブ1210dは、上部に装着された結膜下濾過のために構成されたゲルステント1220dを備えてもよい。パネル(1)に示されるように、インジェクタまたは細長いプローブ2120dを角膜15の切開部を通して挿入し、前房7にわたって前進させることができる。パネル(2)に示されるように、細長いプローブを結膜下腔27にさらに前進させることができる。パネル(3)は、結膜下腔へのゲルステント1220dの遠位部分の展開を示している。パネル(4)は、埋め込み位置にあるゲルステント1220dを示しており、ゲルステント1220dは、房水が前房7から結膜下腔27に房水を排出するように機能する。ゲルステント1220dは、前房から結膜下腔への房水の流れを可能にするために、強膜を通るチャネルを作成するように構成されてもよい。本明細書に開示されるシステムは、顕微鏡画像に位置合わせされたグラフィック視覚要素の支援により、医師がゲルステント1220dを位置付けて埋め込むことを支援するように構成され得る。例えば、本明細書の他の箇所に開示されるOCTガイダンスの実施形態は、ステントを(細長いプローブに装着された状態で)結膜下腔に送達する際に、外科医を支援するのに良く適している。関連して、
図6を参照して説明されたOCTガイダンス実施形態を使用して、外科医がステントを結膜下腔の標的位置に埋め込むことをガイドすることを支援することができる。
【0130】
図13は、実施形態による、標的治療位置およびプローブ位置を判定するための方法1300の流れ図を示す。この方法は、本明細書に記載のシステムのうちの1つ以上を使用してもよい。第1のステップ1301では、眼の前方画像は、光学顕微鏡のカメラまたはビデオカメラによって取得されてもよい。第2のステップ1303では、1つ以上の標的位置(または標的位置に対応する治療基準マーカ)が、ユーザに対する光学画像または光学ビュー上に重ね合わされるかまたはマッピングされる。1つ以上の標的位置は、眼のOCT画像を含む基準画像データに基づいて判定されてもよい。眼のOCT画像は、外科的処置の前にOCT装置を使用して取得されてもよい。いくつかの場合、眼のOCT画像は、集合チャネルの網を含む眼の前部の画像を含んでもよく、OCT画像から少なくとも2象限にある1つ以上の個々の集合チャネルが識別されてもよい。術前OCT画像の解像度は、高い場合がある。
【0131】
図15は、術前OCT画像1500、ならびに集合チャネルおよび標的位置を示す拡張術前OCT画像1510および1520の例を示している。例に示されるように、術前OCT画像は、3D画像であってもよい。高解像度の術前画像から1つ以上の集合チャネルおよび/または標的位置が識別されてもよい。本明細書の他の箇所で説明されるように、小柱網9は、(シュレム管を介して)一連の集合チャネル12または網と流体連通している。OCT画像1500は、集合チャネル12の数または密度が比較的高い表面下組織に関連する小柱網9の位置9aを示している。対照的に、小柱網9の位置9bは、集合チャネル12の数または密度が比較的低い表面下組織に関連している。
【0132】
いくつかの場合、ガイダンス矢印613などの拡張情報を術前画像に重ね合わせてもよい。例えば、術前のOCT画像1510には、細長いプローブを標的位置に向けてガイドするために使用され得るガイダンス矢印613が重ね合わされている。
図15に示されるように、術前OCT画像1510はまた、虹彩19および細長いプローブ23を見ることができる顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像1505とも組み合わせることができる。
【0133】
本明細書の他の箇所で説明されるように、治療基準マーカは、OCT画像内の標的位置に対応するか、またはマッピングされ得る。いくつかの場合、OCT画像で1つ以上の標的位置を識別または指定することができる。いくつかの場合、1つ以上の標的位置(例えば、621、622)は、小柱網およびシュレム管の内壁に近接する1つ以上の個々の集合チャネルに対応する位置(または、代替的に、高密度網または集合チャネルのフィールドを含む1つ以上の領域に対応する位置)に位置している。ここに示されるように、治療基準マーカ601は、OCT画像および/または顕微鏡ビューもしくは標的位置621の画像上に重ね合わせることができ、治療基準マーカ602は、標的位置622においてOCT画像および/または顕微鏡ビューもしくは画像上に重ね合わせることができる。いくつかの場合、虹彩などの眼の中の少なくとも1つの区別可能な解剖学的構造体に対して、1つ以上の個々の集合チャネル(または網領域)の位置が位置合わせされてもよい。複数の標的位置は、ユーザによって手動で推定されても、プロセッサによって自動的に推定されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されるように、ユーザまたは医師は、ユーザインターフェースを通じて標的位置を選択することが可能にされてもよい。いくつかの実施形態によれば、
図15に示される標的位置および/または治療基準マーカを識別する技術は、後続のゴニオレンズ促進治療と併用され得る。いくつかの実施形態によれば、
図15に示される標的位置および/または治療基準マーカを識別する技術は、例えば、
図6を参照して本明細書で説明される他のOCTガイド技術と共に使用され得る。
図15に示されるように、OCT画像を使用して、集合チャネルまたは集合の網を識別および/または標的にすることができる。標的位置は、集合チャネルがより小さく、かつ/または集合チャネル網の密度がより低い場所(例えば、2時の位置)とは対照的に、集合チャネルがより大きく、かつ/または集合チャネル網またはフィールドの密度がより高い場所(例えば、4時の位置)に基づいて選択され得る。いくつかの場合、標的位置は、集合チャネルに近いシュレム管の位置、標的チャネル網またはフィールドの密度がより高い、かつ/または集合チャネル、網、もしくはフィールドが最も遮られていない(例えば、流出量が最大になる)場所に指定され得る。いくつかの場合、標的位置は、これらのサイズ、密度、および/または障害または流れパラメータに基づいて、各付けまたは順序付けされ得る。いくつかの場合、OCT画像を使用して、シュレム管内の流れが円周方向である場所、および/または流れが区分されている場所を判定し、流れが円周方向である場所に対応するように標的位置を選択することができる。いくつかの場合、外科医は
図15に示されるものなどのOCT画像を使用して、標的位置の割り当てまたはグラフィック視覚要素の重ね合わせを必要とせずに、治療プローブまたはデバイスを位置付けるかまたは移動する場所に関する決定を行うことができる。例えば、OCT画像は、集合チャネル、網、および/またはフィールドを示してもよく、外科医は、そのような解剖学的特徴部に基づいてプローブの位置付けまたは移動の決定を行ってもよい。OCT画像により、外科医は、その標的位置または治療位置を、例えば、グラフィック視覚要素または治療基準マーカでラベル付けまたはマーク付けすることを必要とせずに、組織内に位置付けられた標的位置または所望の治療位置を識別することが可能になる。
【0134】
図13を再び参照すると、第3のステップ1305では、医師がプローブの前進方向および/または向きを調整して、少なくとも光学像平面の選択された標的位置に向かって移動させることができるように、1つ以上のガイダンスグラフィック要素を光学画像に重畳させてもよい。第4のステップ1307では、プローブ先端が標的位置から所定の距離内にあることが検出されたとき、顕微鏡ベースのOCT画像が、プローブの縦軸および眼の前後平面に沿って取得されてもよい。次に1309では、顕微鏡ベースのOCT画像および関連するマーカは、光学画像上に重ね合わされて、OCT画像平面内のプローブの向きおよび前進方向を調整する際に、医師をガイドしてもよい。第6のステップ1311では、光ファイバベースのOCTスキャンは、プローブの軸に沿って実施されてもよい。光ファイバベースのOCTスキャンは、プローブ先端が標的位置から所定の距離内にあるとき、プローブ先端と組織との間の相対的な位置を提供するためのAスキャンまたはBスキャンであってもよい。光ファイバベースのOCT画像および/またはOCT画像に基づいて生成された距離マーカは、光学画像1313に重ね合わされてもよい。第8のステップ1315では、治療は、拡張情報に少なくとも部分的に基づいてプローブの移動を調整するために、治療位置においてリアルタイムに表示または視認されてもよい。
【0135】
図13は、いくつかの実施形態による方法を示しているが、当業者は、変形形態に対する多くの適応を認識するであろう。例えば、ステップは、任意の順序で実施することができる。ステップのいくつかは削除され、ステップのいくつかは繰り返され、ステップのいくつかは他のステップのサブステップを含む場合がある。この方法はまた、本明細書で提供される本開示の他の態様に従って修正されてもよい。
【0136】
図13Aに示されるように、本発明の実施形態は、患者の眼の標的位置において外科的処置を実施する方法を包含する。例示的な治療方法1300aは、ステップ1310aによって示されるように、視認デバイス上でリアルタイムビューを視認することと、ステップ1320aによって示されるように、視認デバイスを視認しながら眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることと、ステップ1310cによって示されるように、細長いプローブの遠位端が視認デバイスによって提供される顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではない間、および標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像からの情報を知覚している間、細長いプローブを使用して外科的処置を実施することと、を含む。いくつかの実施形態によれば、標的位置は、患者の眼の標的組織領域に位置付けられる。いくつかの場合、リアルタイムビューは、眼の顕微鏡ビューまたは拡張画像を含む。拡張画像は、眼の顕微鏡ビューまたは眼の顕微鏡画像を含み得る。拡張画像は、標的組織領域の光干渉断層法(OCT)画像をさらに含み得る。OCT画像は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に位置合わせされ得る。標的位置に対応するグラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像に重ね合わされ得る。標的位置は、顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくてもよい。いくつかの実施形態によれば、方法は、視認デバイス上で顕微鏡ビューまたは拡張画像を視認しながら、眼の前房内の細長いプローブの遠位端を標的組織領域に向けて前進させることを含む。いくつかの場合、細長いプローブの遠位端は、最初に顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能であり、その後、眼の領域内の内部全反射に起因して顕微鏡ビューまたは顕微鏡画像内で目視可能ではなくなる。いくつかの場合、眼のこの領域は、標的組織領域を含む。いくつかの場合、この領域は、本明細書の他の箇所で説明されるように、「臨界角」の目視可能性を超えている。
【0137】
図13Bに示されるように、本発明の実施形態は、外科医が患者の眼に対して外科的処置を実施することを支援する方法を包含する。ここに示されるように、方法1300bは、ステップ1310bによって示されるように、外科医にリアルタイムビューを提供することを含む。いくつかの場合、リアルタイムビューは、眼1320bの顕微鏡ビューが含まれます。いくつかの場合、リアルタイムビューは、拡張画像1330bまたは拡張画像1340bなどの拡張画像を含む。いくつかの場合、拡張画像1330b(バージョン(A))は、目の顕微鏡ビュー1320bを含み得る。いくつかの場合、拡張画像1340b(バージョン(B))は、眼1350bの顕微鏡画像を含み得る。拡張画像(すなわち、拡張画像1330bまたは拡張画像1340b)のいずれかのバージョンは、眼の標的組織領域のOCT画像1360bを含み得る。OCT画像1360bは、標的位置の識別を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、外科医1390は、顕微鏡ビュー1320bを、次いで、拡張ビュー1330bまたは拡張ビュー1340bのいずれかを視認することができる。したがって、外科医1390には、リアルタイムビューの2つの異なるバージョン、すなわち顕微鏡ビュー1320bおよび拡張画像1330b、または顕微鏡ビュー1320bおよび拡張画像1340bが提供され得る。いくつかの実施形態によれば、OCT画像1360bは、顕微鏡ビュー1320bまたは顕微鏡画像1350bに位置合わせされ得る。いくつかの実施形態によれば、実際の標的位置は、顕微鏡ビュー1320bまたは顕微鏡画像1350b内で目視可能ではない。いくつかの実施形態によれば、拡張画像(1330bまたは1340b)は、細長いプローブの遠位端が顕微鏡ビュー1320bまたは顕微鏡画像1350b内で目視可能ではないとき、外科医1390bが標的位置に対する細長いプローブの遠位端の相対的な位置に関する情報を知覚することを可能にする。
【0138】
いくつかの実施形態では、外科医1390bは、患者の眼の前房に最初に治療プローブを挿入するとき、顕微鏡画像1320bを視認する。続いて、OCT画像1360b(例えば、集合チャネルまたは網を示す)は、例えば、本明細書の他の箇所で説明されるように、位置合わせ技術を使用して、顕微鏡画像1320bに重ね合わされ得る。その後、外科医は、治療(例えば、小柱網、傍小管小柱網、およびシュレム管の内壁に摘要されるレーザアブレーションエネルギー)を送達する場所を決定してもよい。いくつかの場合、これは、外科医がグラフィック視覚要素または治療基準マーカを使用して、治療位置にラベル付けまたはマークすることを含んでもよい。いくつかの場合、コンピュータ化されたシステムが、グラフィック視覚要素または治療基準マーカを配置する場所の決定を行ってもよい。上記のステップに続いて、外科医は、眼の前房内で治療プローブを移動するかまたは位置付けることができ、後続のOCT画像化プロトコルを使用して、(例えば、グラフィック視覚要素を重ね合わせることによって)プローブの標的または所望の治療位置へのガイドまたは誘導を容易にすることができる。いくつかの場合、プローブを前房に配置する前に、グラフィック視覚要素は、顕微鏡ビューまたは画像に重ね合わせることができる。いくつかの場合、プローブを前房に配置することに続いて、グラフィック視覚要素を顕微鏡ビューまたは画像に重ね合わせることができる。いくつかの場合、前房にプローブを配置する前に、グラフィック視覚要素をOCT画像に重ね合わせることができる。いくつかの場合、前房にプローブを配置することに続いて、グラフィック視覚要素をOCT画像に重ね合わせることができます。
【0139】
制御ユニット410(例えば、
図4、
図5、
図8、
図10、または
図11に示される)は、
図13、
図13A、および
図13Bに示さらえる1つ以上のステップを実施するための命令、および本明細書の他の箇所に記載される動作で構成された1つ以上のプロセッサ(例えば、
図14に示されるプロセッサ1405など)を備えてもよい。同様に、制御ユニット410は、コンピュータシステムの任意の他の構成要素(例えば、
図14に示されるコンピュータシステム1401など)を含むか、またはそれと接続されてもよい。
【0140】
本明細書に開示される特定の方法および装置は、アブレーションの文脈に記載されるが、ユーザインターフェースおよびディスプレイは、本明細書に記載されるようなインプラントの外科的配置を方向付けるように構成され得る。例えば、標的位置は、集合チャネルを参照して示すことができ、インプラントの外科的配置は、例えば、シュレム管付近の標的位置に方向付けることができる。ヘッドアップディスプレイ上に示される矢印およびその他の機能を使用して、例えば、シュレム管への開口部を作成するためのインプラントなど、眼内に配置される複数の外科用インプラントの複数の位置の配置を方向付けることができる。インプラントは、例えば、シュレム管に機械的に(例えば、鋭利な器具を使用して)開口部を作成し、インプラントを標的位置に配置することによって配置することができる。
【0141】
本明細書に記載される計算または動作の各々は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアを有するコンピュータまたは他のプロセッサを使用して実施されてもよい。様々な方法ステップは、モジュールによって実施されてもよく、モジュールは、本明細書に記載の方法ステップを実施するように構成された多種多様なデジタルおよび/またはアナログデータ処理ハードウェアおよび/またはソフトウェアのいずれかを含んでもよい。モジュールは、任意に、これらのステップの1つ以上を、適切な機械プログラミングコードをこれらと関連付けて実施するように構成されたデータ処理ハードウェアを含んでもよく、2つ以上のステップ(または2つ以上のステップの部分)のモジュールは、多種多様な統合および/または分散処理アーキテクチャでのいずれかで単一のプロセッサボードに統合されるか、または異なるプロセッサボードに分離される。これらの方法およびシステムは、しばしば、本明細書の他の箇所に記載される方法ステップを実施するための命令と共に機械可読コードを具体化する有形の媒体を使用するであろう。記載されるシステムのすべての特徴は、必要な変更を加えて記載された方法に適用可能であり、逆もまた同様である。
【0142】
プロセッサは、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、または汎用処理装置などのハードウェアプロセッサであってもよい。プロセッサは、コンピューティングプラットフォームまたはマイクロプロセッサ、論理デバイスなど、任意の好適な集積回路であり得る。本開示はプロセッサに関して記載されているが、他のタイプの集積回路および論理デバイスも適用可能である。プロセッサまたはマシンは、データ操作機能によって制限されない場合がある。プロセッサまたはマシンは、512ビット、256ビット、128ビット、64ビット、32ビット、または16ビットのデータ操作を実施することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、コンピュータシステムの処理ユニットであってもよい。
図14は、本出願で開示される任意のコンピューティングシステムまたは方法を実装するように構成され得るコンピュータシステム1401を示す。コンピュータシステム1401は、携帯電話、タブレット、ウェアラブルデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、中央サーバなどを含み得る。
【0144】
コンピュータシステム1401は、中央処理装置(CPU、本明細書ではまた「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)1405を含み、中央処理装置1405は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであり得る。CPUは、上記のようなプロセッサであり得る。コンピュータシステム1401は、1つ以上の他のシステム、およびキャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス1425との通信のための、メモリまたはメモリ位置1410(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶ユニット1415(例えば、ハードディスク)、通信インターフェース1420(例えば、ネットワークアダプタ)も含む。いくつかの場合、通信インターフェースは、コンピュータが画像化デバイスまたはオーディオデバイスなどの別のデバイスと通信することを可能にしてもよい。コンピュータは、分析のために結合されたデバイスから入力データを受信することができてもよい。メモリ1410、記憶ユニット1415、インターフェース1420、および周辺デバイス1425は、マザーボードなどの通信バス(実線)を通じてCPU1405と通信している。記憶ユニット1415は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム1401は、通信インターフェース1420の支援により、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)1430に動作可能に結合され得る。ネットワーク1430は、インターネット、インターネットおよび/またはエクストラネット、またはインターネットと通信しているイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク1430は、いくつかの場合、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク1430は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つ以上のコンピュータサーバを含み得る。ネットワーク1430は、いくつかの場合、コンピュータシステム1401の支援により、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これにより、コンピュータシステム1401に結合されたデバイスは、クライアントまたはサーバとして振る舞うことができるようにしてもよい。
【0145】
CPU1405は、プログラムまたはソフトウェアで具体化され得る機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ1410などのメモリ位置に格納されてもよい。命令は、CPU1405に方向づけられ得、CPU1405は、続いて、本開示の方法を実施するように、CPU1405をプログラムするか、または別用に構成することができる。CPU1405によって実施される動作の例にとしては、フェッチ、デコード、実行、および書き戻しを含み得る。
【0146】
CPU1405は、集積回路などの回路の一部であり得る。システム1401の1つ以上の他の構成要素は、回路に含まれ得る。いくつかの場合、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0147】
記憶ユニット1415は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶ユニット1415は、ユーザデータ、例えば、ユーザの好みおよびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム1401は、いくつかの場合、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム1401と通信しているリモートサーバ上に位置しているなど、コンピュータシステム1401の外部にある1つ以上の追加のデータ記憶ユニットを含み得る。
【0148】
コンピュータシステム1401は、ネットワーク1430を通じて1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム1401は、ユーザのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ、スレートまたはタブレットPC、スマートフォン、携帯情報端末などが挙げられる。ユーザは、ネットワーク1430を介してコンピュータシステム1401にアクセスすることができる。
【0149】
本明細書に記載される方法は、例えば、メモリ1410または電子記憶ユニット1415などのコンピュータシステム1401の電子記憶位置に記憶される機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実装され得る。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形式で提供され得る。使用中、コードは、プロセッサ1405によって実行され得る。いくつかの場合、プロセッサ1405によってすぐにアクセスできるように、コードを記憶ユニット1415から取得し、メモリ1410に格納することができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット1415を除外することができ、機械実行可能命令がメモリ1410に保存される。
【0150】
コードは、コードを実行するように適合されたプロセッサを有する機械で使用するために事前にコンパイルおよび構成され得るか、または実行中にコンパイルされ得る。コードは、コードをプリコンパイルまたはコンパイル済みの方法で実行できるように選択され得るプログラミング言語で提供され得る。
【0151】
コンピュータシステム1401など、本明細書で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングで具体化され得る。技術の様々な側面は、典型的には機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連するデータの形態の「製品」または「製造品」と考えられ、機械可読媒体のタイプで搬送されるかまたは具体化される。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶ユニットに格納され得る。「記憶装置」タイプの媒体は、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリのいずれかもしくは全部、または様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなど、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的な記憶装置を提供する関連モジュールを含み得る。ソフトウェアのすべてまたは部分は、インターネットまたはその他の様々な通信ネットワークを通じて通信されてもよい。そのような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサ、例えば管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にしてもよい。したがって、ソフトウェア要素を保持し得る別のタイプの媒体はは、ローカルデバイス間の物理インターフェース間で、有線および光固定電話ネットワークを通じて、かつ様々なエアリンク経由で使用されるような、光、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンクなど、そのような波を搬送する物理要素はまた、ソフトウェアを保持する媒体と見なすこともできる。本明細書で使用されるとき、非一時的な有形の「記憶」媒体に限定されない限り、コンピュータまたは機械の「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0152】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形の記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されているデータベースなどを実装するために使用できるような、任意のコンピュータ(単数または複数)などの記憶装デバイスのいずれかなどの光学または磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、このようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形の伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線および光ファイバ、ならびにコンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む。搬送波伝送媒体は、電気信号もしくは電磁信号、または無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの音響波または光波の形態をとってもよい。したがって、一般的な形態のコンピュータ可読媒体としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意のその他の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、任意のその他の光学媒体、パンチカード紙テープ、任意の他の物理記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意のその他のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を搬送する搬送波、そのような搬送波を搬送するケーブルもしくはリンク、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取ることができる任意のその他の媒体が挙げられる。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することに関与している場合がある。
【0153】
コンピュータシステム1401は、例えば、管理インターフェースを提供するためのユーザインターフェース1440を含む電子ディスプレイ1435を含むか、またはそれと通信することができる。UIの例としては、グラフィックユーザインターフェース(GUI)およびWebベースのユーザインターフェースが挙げられるが、これらに限定されない。ユーザインターフェース1440は、
図4に記載されたユーザインターフェース413と同じであってもよい。あるいは、ユーザインターフェースは、別個のユーザインターフェースであってもよい。
【0154】
コンピュータシステム1401は、顕微鏡システム、カメラ、OCTユニット、レーザユニット、外部プロセッサまたはメモリなどの外部デバイスとの通信を容易にするために、様々な他のコンピュータ構成要素を備えてもよい。通信モジュールは、ダブルデータレートなどの命令およびデータ転送のための好適な手段を含んでもよい。周辺構成要素相互接続カード、PCI Express、PCI-X、HyperTransportなどを含むがこれらに限定されないコンピュータバスなど、通信に様々な手段を使用することができる。好適な通信手段は、外部デバイスおよび中央処理装置1405の帯域幅と互換性の要件に従って選択されてもよい。例えば、1つのデータバスは、レーザユニット31へのコマンド転送用(例えば、AXI4ライトバス)であり、異なるデータバス(例えば、AXI4バス)は、画像データ転送用に使用されてもよい。代替的または追加的に、無線通信が用いられてもよい。
【0155】
本開示の方法およびシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装され得る。アルゴリズムは、中央処理装置1405による実行時に、ソフトウェアによって実装され得る。
【0156】
本明細書で使用される「重ね合わせる」、「重ね合わされる」、「重畳する」、「重畳される」などの用語は、いくつかの実施形態ではまた、「下に置く」、「下に置かれる」、「下にある」を含む他の画像または情報結合技術、および同様のアプローチも包含してもよい。単一層または複数層に存在し得る画像、グラフィック視覚要素、および/または情報などを結合またはブレンドし得る複合または融合画像、ビュー、情報、または表示は、これらの手法のいずれかによって生成または提供され得る。
【0157】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、または方法の実施形態のいずれかは、米国特許公開第2004/0082939、同第2012/0283557、同第2016/0095751、および同第2017/0202708、ならびに米国特許第4,846,172号、同第6,251,103号、同第8,540,659号、同第8,679,089号、同第9,603,741号、同第9,642,746号、同第9,820,883号、および第9,833,357号に開示されるものなどの使用システム、デバイス、もしくは方法を含む(involve)か、または含む(include)ことができ、これらの各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0158】
ディスプレイ上に示されるマーカを用いて集合チャネルの位置を判定することが参照されるが、本明細書に開示されるような方法および装置を使用して、集合チャネルに対応する位置において手術前に眼をマークすることができる。外科医は、これらのマークを使用して、眼に配置されたマーキングに応じて、シュレム管に開口部を作成することができる。例えば、好ましい外科的治療の位置を識別するために眼をインクでマークし、好ましい外科的治療に対応する位置において小柱網に開口部を作成することができる。本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、説明されたが、そのような実施形態が例としてのみ提供されることは当業者には明らかであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多数の変形形態、変更、および置換が当業者に思い浮かぶであろう。本明細書に記載された本発明の実施形態の様々な代替形態が、本発明を実施する際に使用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物がそれによって網羅されることが意図されている。
【外国語明細書】