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特開2023-120294電動歯ブラシにおける音声アシスタント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120294
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】電動歯ブラシにおける音声アシスタント
(51)【国際特許分類】
   A46B 15/00 20060101AFI20230822BHJP
   A61C 17/22 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A46B15/00 K
A61C17/22 D
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097776
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2021547774の分割
【原出願日】2020-02-12
(31)【優先権主張番号】62/811,086
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ロイド、ニューマン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック、エム.シュウィング
(72)【発明者】
【氏名】ピーター、チャールズ、メイソン、ジュニア
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電動歯ブラシにおいて音声入力を受け取り、音声出力を提供するための音声アシスタントを提供する。
【解決手段】音声作動式電動歯ブラシシステム100が、電動歯ブラシ102と、電動歯ブラシに電力を供給する誘導充電ステーションなどの充電ステーション104と、電動歯ブラシ又は充電ステーションに含められ得る音声アシスタントアプリケーションとを含む。音声アシスタントアプリケーションを含んだデバイスは、1つ以上のマイクロフォン106と、1つ以上のスピーカ108とを含んでもよい。歯ブラシと充電ステーションは、短距離通信リンクを介して互いに通信してもよく、また、短距離通信を介してユーザーのクライアントコンピューティングデバイスと通信してもよい。電動歯ブラシは、音声出力110を生成する際に使用され得るセンサデータをブラッシングセッション中に検出するための1つ以上のセンサを含んでもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するためのシステムであって、
電動歯ブラシと、
前記電動歯ブラシに電力を供給するように構成された充電ステーションと、を備え、
前記充電ステーションは、
通信インターフェースと、
1つ以上のプロセッサと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記1つ以上のプロセッサ、前記スピーカ、前記マイクロフォン、及び前記通信インターフェースに連結された非一時的コンピュータ可読メモリであって、命令が前記メモリ上に記憶され、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記マイクロフォンを介してユーザーから、前記電動歯ブラシに関する音声入力を受け取ることと、
前記スピーカを介して前記ユーザーに、前記電動歯ブラシに関連する音声出力を提供することと、を行わせるように装置されている、非一時的コンピュータ可読メモリと、を含む、システム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記受け取られた音声入力を分析することと、
前記要求に関連する前記電動歯ブラシの電動歯ブラシデータ又はユーザーパフォーマンスデータを取得することと、
前記要求に対する音声応答を生成するために、前記要求に従って、前記電動歯ブラシの前記電動歯ブラシデータ又は前記ユーザーパフォーマンスデータを分析することと、
前記スピーカを介して、前記要求に対する前記音声応答を提供することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、前記要求に基づいて前記電動歯ブラシの動作を調節することを行わせるように更に装置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記受け取られた音声入力を分析して前記ユーザーからの要求を判定するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記音声入力をテキスト入力に転記することと、
前記テキスト入力を一組の文法規則と比較することと、
前記比較に基づいて、複数の候補要求から要求を特定することと、を行わせるように更に装置されている、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
各候補要求は、前記候補要求に対する前記音声応答を判定するか、又は前記電動歯ブラシに関連するアクションを実施するための1つ以上のステップに関連付けられる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数の候補要求は、
前記電動歯ブラシの残りの充電量に関する第1の候補要求と、
電動歯ブラシハンドルに取り外し可能に取り付けられた電動歯ブラシヘッドの残りの推定寿命に関する第2の候補要求と、
前記ユーザーのブラッシングパフォーマンスに関連する第3の候補要求と、
前記電動歯ブラシが追加の充電を必要とするまでの残りのブラッシングセッションの数に関する第4の候補要求と、
前記電動歯ブラシをオン又はオフにするための第5の候補要求と、
前記電動歯ブラシのブラッシングモードを変更するための第6の候補要求と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電動歯ブラシに関する音声出力を前記ユーザーに提供するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記通信インターフェースを介して、前記電動歯ブラシ内の1つ以上のセンサからセンサデータを取得することと、
前記電動歯ブラシの使用に関連する1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスを特定するために、前記センサデータを分析することと、
前記1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスに基づいて、前記ユーザーに音声命令を提供することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記電動歯ブラシを包含するエリア内のノイズレベルの指標を取得することと、
前記ノイズレベルに従って前記スピーカの音量を調整することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、前記ノイズレベルに従って前記スピーカを介して提供される前記音声出力を遅延させることを行わせるように更に装置されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電動歯ブラシは、電動歯ブラシハンドルに取り外し可能に取り付けられた電動歯ブラシヘッドを含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記電動歯ブラシヘッドが使用されてきたブラッシングセッションの数の表示を取得することと、
前記電動歯ブラシヘッドが使用されてきたブラッシングセッションの数に基づいて、前記電動歯ブラシヘッドの残りの推定寿命を判定することと、
前記スピーカを介して、前記電動歯ブラシヘッドの残りの前記推定寿命の表示を含む前記音声出力を提供することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するための方法であって、
電動歯ブラシに電力を供給する充電ステーションにおいて、前記電動歯ブラシのユーザーからマイクロフォンを介した音声入力を受け取る工程と、
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記充電ステーションによって、前記受け取られた音声入力を分析する工程と、
前記充電ステーションによって、前記要求に応答するアクションを判定する工程と、
スピーカを介して前記要求に対する音声応答を提供すること、視覚的インジケータを提供すること、又は、前記要求に基づいて前記電動歯ブラシの動作を調整することにより、前記充電ステーションによって、前記要求に応答する前記アクションを実施する工程と、を含む、方法。
【請求項12】
前記要求に応答する前記アクションを実施する前記工程は、1つ以上のプロセッサによって、前記ユーザーのクライアントデバイスに、前記要求に応答して情報を送信することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記要求に応答するアクションを判定することは、前記アクションを実行するために実施すべき1つ以上の工程を判定することを含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記アクションを実行するために実施すべき1つ以上の工程を判定することは、
前記電動歯ブラシの電動歯ブラシデータを取得することと、
前記電動歯ブラシの1つ以上の特性を特定するために、前記電動歯ブラシデータを分析することと、
前記特定された1つ以上の特性に基づいて前記ユーザーに音声命令を提供することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記受け取られた音声入力を分析することは、
前記音声入力をテキスト入力に転記することと、
前記テキスト入力を一組の文法規則と比較することと、
前記比較に基づいて、複数の候補要求から要求を特定することと、を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広義には電動歯ブラシシステムに関するものであり、より具体的には、電動歯ブラシにおいて音声入力を受け取り、音声出力を提供するための音声アシスタントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
典型的には、電動歯ブラシは、歯ブラシヘッドと歯ブラシハンドルとを有する。電動歯ブラシは、電動歯ブラシを電磁誘導充電ステーションに連結することによって、電磁誘導充電ステーションから電力を受け取る。ユーザーは、電動歯ブラシハンドル上のボタン及びスイッチを介して電動歯ブラシを制御する。しかしながら、ユーザーは典型的には、ユーザーが自身の歯をブラッシングする平均時間長さ、ユーザーが適切な量の力を使用しているかどうか、ブラッシングするときに逃した可能性のある領域などの、自身のブラッシング習慣を認識していない。更に、ユーザーは、いつ電動歯ブラシを充電する必要があるか、又はいつ歯ブラシヘッドを交換する必要があるかを認識していない。更に、電動歯ブラシは、ユーザーがこの情報のいずれかを受け取るために電動歯ブラシと通信するための機構を有していない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
電動歯ブラシと通信し、電動歯ブラシを制御するために、電動歯ブラシは音声アシスタントを含んでおり、音声アシスタントは、ユーザーからの音声入力を受け取る音声アシスタントを含み、ユーザーからの要求を特定するために音声入力を分析し、要求に基づいて実施すべきアクションを判定し、要求に基づいて、ユーザーに音声応答を提供するか又は要求に基づいて電動歯ブラシの動作を制御する。例えば、ユーザーは、「歯ブラシオン(Toothbrush on)」と言うことによって、電動歯ブラシをオンにすることを要求してもよい。要求に応じて、音声アシスタントは、電動歯ブラシハンドルに制御信号を送信して電源をオンにしてもよい。いくつかのシナリオでは、音声アシスタントは、ユーザーからの要求なしに音声出力を提供する。例えば、音声アシスタントは、電動歯ブラシの残りの電池寿命を連続的にあるいは定期的に判定してもよく、また、残りの電池寿命が閾値電池パーセンテージ未満となったときに、電動歯ブラシを充電するための告知をユーザーに向けて生成してもよい。加えて、音声アシスタントは、電動歯ブラシヘッドの残りの寿命を連続的にあるいは定期的に判定してもよく、また、残りの推定寿命がブラッシングセッションの閾値数未満となったときに、電動歯ブラシヘッドを交換するための告知をユーザーに向けて生成してもよい。
【0004】
このようにして、電動歯ブラシは、ユーザーのブラッシングパフォーマンスを改善するためにブラッシングセッション中にユーザーと直接通信してもよい。ユーザーは、自身がブラッシング習慣を改善する必要があるエリアを見るために、あるいはブラッシングを終了するまでに一層の注意を要し得るセグメントを見るために、ブラッシングを停止する必要もなく、また別個のデバイスを見る必要もない。音声アシスタントを介して、電動歯ブラシは、最適なブラッシング体験を提供するために、ユーザーとリアルタイムで相互作用することができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、音声アシスタントは、電動歯ブラシに電力を供給する充電ステーションに含められる。より具体的に言えば、充電ステーションは、誘導充電ステーションであってもよく、また、音声入力を受け取るための1つ以上のマイクロフォンと、音声出力を提供するための1つ以上のスピーカと、メモリ内に記憶された命令を実行する1つ以上のプロセッサと、を含んでもよい。命令はプロセッサに、発話を認識することと、要求を判定することと、要求に基づいて実施すべきアクションを特定することと、要求に基づいて電動歯ブラシの音声出力又は制御動作を提供することと、を行わせることができる。充電ステーションはまた、近距離通信リンクを介して電動歯ブラシ及び/又はユーザーのクライアントコンピューティングデバイスと通信するための通信インターフェースを含んでもよい。通信インターフェースはまた、インターネットなどの長距離通信リンクを介してリモートサーバーと通信するために使用されてもよい。
【0006】
このようにして、充電ステーションは、自然言語処理サーバーなどのリモートサーバーと通信して、ユーザーからの音声入力に基づいて要求を判定することができる。充電ステーションはまた、電動歯ブラシと通信して、電動歯ブラシに制御信号を送信し、音声出力を生成するために電動歯ブラシからセンサデータを受け取ってもよい。例えば、充電ステーションは、ユーザーがブラッシングしていないかあるいは十分にブラッシングしていないユーザーの歯のセグメントを特定するために、電動歯ブラシからセンサデータを受け取ってもよい。次いで、充電ステーションは、特定されたセグメントをブラッシングするように、ユーザーに音声指示を提供することができる。加えて、充電ステーションは、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイスと通信して、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス上で実行される電動歯ブラシアプリケーションによる提示及び記憶のためのユーザーパフォーマンスデータを提供してもよい。
【0007】
一実施形態では、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するためのシステムは、電動歯ブラシと、電動歯ブラシに電力を供給するように構成された充電ステーションと、を含む。充電ステーションは、通信インターフェースと、1つ以上のプロセッサと、スピーカと、マイクロフォンと、非一時的コンピュータ可読メモリと、を含み、非一時的コンピュータ可読メモリは、1つ以上のプロセッサ、スピーカ、マイクロフォン、及び通信インターフェースに連結され、命令を記憶する。命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、充電ステーションに、マイクロフォンを介して電動歯ブラシに関する音声入力を受け取ることと、スピーカを介して、電動歯ブラシに関連する音声出力をユーザーに提供することと、を行わせる。
【0008】
別の実施形態では、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供する方法が、電動歯ブラシに電力を供給する充電ステーションにおいて、電動歯ブラシのユーザーからマイクロフォンを介して音声入力を受け取ることを含む。本方法は、ユーザーからの要求を判定するために、受け取られた音声入力を分析すること、要求に応じてアクションを判定すること、スピーカを介して、要求に対する音声応答を提供することによって、要求に応答するアクションを実施すること、視覚的インジケータを提供すること、又は要求に基づいて電動歯ブラシの動作を調整すること、を更に含む。
【0009】
更に別の実施形態では、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供する方法は、ユーザーによるブラッシングセッション中に、電動歯ブラシに電力を提供する充電ステーションにおいて、電動歯ブラシに含められた1つ以上のセンサからセンサデータを取得することを含む。本方法は、ユーザーによる電動歯ブラシの使用に関する1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスを特定するために、センサデータを分析することと、スピーカを介して、1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスに基づいてユーザーに音声出力を提供することと、を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下に記載される図は、本明細書に開示されるシステム及び方法の様々な態様を表す。各図は開示されるシステム及び方法の特定の態様の実施形態を示すものであること、並びに、図面の各々はその可能な実施形態と調和することを意図したものであることを理解されたい。更に、可能な限り、以下の説明は、以下の図に含められた参照符号を参照しており、それらの図において、複数の図に記された特徴は、一貫した参照符号を用いて指定されている。
図1】電動歯ブラシと、音声アシスタントを備えた充電ステーションと、を有する例示的な音声作動式電動歯ブラシシステムを示す。
図2】電動歯ブラシハンドルと、図1のシステムにおいて動作し得る電動歯ブラシヘッドと、を有する例示的な電動歯ブラシを示す。
図3】電動歯ブラシ及び充電ステーションが動作し得る例示的な通信システムのブロック図を示す。
図4】音声アシスタントに提供され得る例示的な音声入力、並びに受け取られた音声入力に基づいて音声アシスタントが実施する例示的な要求及びアクションを示す。
図5】音声アシスタントが実施し得る例示的なアクション、及びそのアクションに基づいて音声アシスタントが提供し得る例示的な音声出力を示す。
図6】充電ステーション内に実装され得る、電動歯ブラシに関する音声アシスタントをユーザーに提供するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図7】充電ステーション内に実装され得る、電動歯ブラシに関する音声アシスタントをユーザーに提供するための別の例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の文言は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を記載するものであるが、本明細書の法的範囲は、本特許及び等価物の最後に記載された特許請求の範囲の語句によって定義されることを理解されたい。この詳細な説明は例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、可能な全ての実施形態を説明することは非現実的であるので、可能な全ての実施形態を説明するものではない。現在の技術、又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替の実施形態を実施することができるが、このような実施形態はやはり、特許請求の範囲の範囲内に含まれることになる。
【0012】
また、「本特許において使用されるとき、『_』という用語は・・・を意味するようにここで定義される」という文又は類似の文を使用して本明細書において用語が明示的に定義されない限り、その単純又は通常の意味を超えて、明示的又は暗示的のいずれかで、その用語の意味を制限する意図はまったくないことを理解されたく、更に、かかる用語は、(特許請求の範囲の言語を除き)本特許のいずれかの項においてなされるいずれかの記述に基づいて範囲を制限されると解釈されるべきではない。本特許の最後にある請求項に記載されているいずれかの用語が、ある単一の意味と一致した形で本特許内で言及されている限りにおいては、読み手を混乱させないように、単に分かりやすくする目的だけのためにそうしているのであって、暗示又はその他の方法によって、請求項の当該用語をその1つの意味に限定することは意図していない。最後に、特許請求の範囲の要素が、いかなる構造の詳述も伴わずに、「意味する」という語及び機能を記述することによって定義されるものでない限り、いかなる特許請求される要素の範囲も、米国特許法第112条第6段落の適用に基づいて解釈されることは意図しない。
【0013】
一般的に言えば、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するための技術は、電動歯ブラシに、電動歯ブラシに電力を供給する充電ステーションに、自然言語処理サーバー若しくはアクション判定サーバーなどの1つ以上のネットワークサーバーに、1つ以上のクライアントコンピューティングデバイスに、かつ/又はこれらのデバイスのうちのいくつかを含んだシステムに、実装され得る。しかしながら、明確にするために、以下の例は主に、音声アシスタンス機能を含んだ充電ステーションがユーザーからの音声入力を受け取る実施形態に焦点を当てている。充電ステーションは、音声入力をテキスト入力に転記し、テキスト入力又は生の音声入力を自然言語処理サーバーに提供して、音声入力に基づいて要求を特定する。充電ステーションは、特定された要求を受け取り、アクション判定サーバーにその特定された要求を供給し、アクション判定サーバーは、充電ステーションがその要求に基づいて実施するアクション及びそのアクションを完了するための1つ以上の工程を特定する。次いで、充電ステーションは、特定されたアクションを受け取り、それらの工程の各々を実施する。
【0014】
いくつかのシナリオでは、それらの工程のうちの1つが、電動歯ブラシからセンサデータを受け取ることを含んでもよい。他のシナリオでは、それらの工程のうちの1つが、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイスからデータを受け取ることを含んでもよい。また、いくつかのシナリオでは、ある工程が、要求に応答するユーザーに音声出力を提供すること、要求に応答するユーザーに、発光ダイオード(LED)からの光などの視覚的インジケータを提供すること、又は要求に基づいて電動歯ブラシの動作を制御/調節するために電動歯ブラシに制御信号を送信すること、を含んでもよい。視覚的インジケータは、例えば、電動歯ブラシをオン又はオフにするためのユーザーによる要求に応答して、電動歯ブラシがオン又はオフにされていることを示すために使用されてもよい。充電ステーションはまた、クライアントコンピューティングデバイス上で稼働している電動歯ブラシアプリケーションに提示又は記憶するために、ユーザーのブラッシング挙動を示すユーザーパフォーマンスデータなどのデータをクライアントコンピューティングデバイスに提供してもよい。
【0015】
図1は、音声作動式電動歯ブラシシステム100を実現する例示的な環境の様々な態様を示す。音声作動式電動歯ブラシシステム100は、電動歯ブラシ102と、電動歯ブラシが充電ステーション104に連結されたときに電動歯ブラシ102に電力を供給する誘導充電ステーションなどの充電ステーション104と、を含む。以下により詳細に記載される充電ステーション104は、マイクロフォン106のアレイなどの1つ以上のマイクロフォン106と、スピーカのアレイ108などの1つ以上のスピーカ108と、を有する音声アシスタントを含む。音声アシスタントはまたプロセッサとメモリとを含んでもよく、メモリは、音声入力を受け取り、分析し、「右上四半部を磨くのを忘れないでください。(Don't forget to go over the upper right quadrant.)」などの音声出力110を提供するための命令を記憶するものである。充電ステーション104に含められる音声アシスタントは、参照により本明細書に組み込まれる、2013年4月18日出願の米国特許第9,304,736号に記載されている音声制御アシスタントのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。
【0016】
電動歯ブラシ102は、モータ37と、モータ37との電気通信をなすエネルギー源39と、を含んでもよい。モータは、1つ以上の剛毛ホルダを運動させるために、ヘッド90上に配設された1つ以上の可動剛毛ホルダに動作可能に連結される。剛毛ホルダは、回転すること、振動すること(oscillate)、並進すること、振動すること(vibrate)、又はこれらの組み合わせである運動を受けることができる。ヘッド90は、剛毛ホルダの剛毛(又は他の構成要素)が劣化したときに、取り外され交換され得るように、取り外し可能なヘッドとして提供され得る。モータを剛毛ホルダに動作可能に連結する(又は別様に1つ以上の剛毛ホルダ又はヘッドを運動させる)ための駆動システムの例を含む、本発明と共に使用され得る電動歯ブラシの例、剛毛ホルダ上で使用するための洗浄要素の種類、取り外し可能なヘッドと共に使用するのに適した構造、剛毛ホルダの運動、他の構造的構成要素及び特徴、並びに電動歯ブラシの動作又は機能的特徴又は特性が、米国特許出願第2002/0129454号、同第2005/0000044号、同第2003/0101526号、米国特許第5,577,285号、同第5,311,633号、同第5,289,604号、同第5,974,615号、同第5,930,858号、同第5,943,723号、米国特許出願第2003/0154567号、同第2003/0163881号、同第2005/0235439号、米国特許第6,648,641号、米国特許出願第2005/0050658号、同第2005/0050659号、同第2005/0053895号、同第2005/0066459号、同第2004/0154112号、米国特許第6,058,541号、及び米国特許出願第2005/008050に開示されている。
【0017】
電動歯ブラシ102はまた、電動歯ブラシハンドル35と、電動歯ブラシハンドル35に取り外し可能に取り付けられ、ネック95を有する電動歯ブラシヘッド90と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電動歯ブラシは、電動歯ブラシのヘッド90か、ネック95か、若しくはハンドル35内に含められ得る1つ以上のセンサを含んでもよい。センサには、カメラなどの光若しくは撮像センサ、ホールセンサなどの電磁界センサ、静電容量センサ、抵抗センサ、誘導センサ、湿度センサ、多軸加速度計などの運動若しくは加速度若しくは傾斜センサ、圧力センサ、ガスセンサ、振動センサ、温度センサ、又は、電動歯ブラシ102若しくは電動歯ブラシ102を用いたユーザーのブラッシングパフォーマンスの特性を検知するための任意の他の好適なセンサが含まれ得る。また、いくつかの実施形態では、電動歯ブラシ102は、例えば電動歯ブラシハンドル35上に1つ以上のLEDを含んでもよい。LEDは、電動歯ブラシ102がオンにされているか、あるいはオフにされているか、電動歯ブラシ102のモード(例えば、毎日の洗浄、マッサージ若しくは歯肉ケア、センシティブ、ホワイトニング、ディープクリーン、又は舌クリーン)、電動歯ブラシヘッド90のブラシ速度又は周波数などを示すために使用されてもよい。他の実施形態では、LEDは充電ステーション104に含められてもよい。
【0018】
いずれにしても、充電ステーション104は、電動歯ブラシ102内の電池などの電源を再充電するために使用され得る。充電ステーション104は、複数の電動歯ブラシ、若しくは手動歯ブラシなどの他の口腔ケア製品、電動歯ブラシ102のアクセサリ(複数のヘッド又は他のアタッチメントなど)、及び/又は他のパーソナルケア製品を受容するように構成され得る。充電ステーションは、電源コードによって、ACコンセント(図示せず)などの外部電源に連結され得る。
【0019】
上述のように、電動歯ブラシ102は、電動歯ブラシハンドル35と、図2に示されるような電動歯ブラシハンドル35に取り外し可能に取り付けられる電動歯ブラシヘッド90と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電動歯ブラシヘッド90は使い捨て型であり、いくつかの電動歯ブラシヘッド90は、電動歯ブラシハンドル35に取り付けられ、また電動歯ブラシハンドル35から取り外されてもよい。例えば、4人の家族が、使用の際に各人が電動歯ブラシハンドル35に自身の電動歯ブラシヘッド90を取り付けて、同じ電動歯ブラシハンドル35を共有してもよい。加えて、電動歯ブラシヘッド90は、限られた寿命を有してもよく、ユーザーは、特定の使用回数後に、古い電動歯ブラシヘッドを新しい電動歯ブラシヘッドに交換してもよい。
【0020】
図3は、電動歯ブラシ102及び充電ステーション104が音声アシスタンスを提供するように動作し得る例示的な通信システムを示す。電動歯ブラシ102及び充電ステーション104は、長距離無線通信リンク(例えば、セルラリンク)を介してインターネットなどの広域通信ネットワーク300へのアクセスを有する。図3の例示的構成では、電動歯ブラシ102及び充電ステーション104は、デバイスが応答し得る要求に音声命令を変換する自然言語処理サーバー302、並びに、充電ステーション104が要求に応答して実施するアクション及び充電ステーション104がそのアクションを実行するために実施する1つ以上の工程を特定するアクション判定サーバー304と通信する。より一般的には、電動歯ブラシ102及び充電ステーション104は、任意の数の好適なサーバーと通信し得る。
【0021】
電動歯ブラシ102及び充電ステーション104はまた、互いに通信するために、かつ/又はタブレット若しくはスマートフォンなどのユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310と通信するために、単独で又は組み合わせとして、様々な構成を使用し得る。いくつかの実施形態では、電動歯ブラシ102、充電ステーション104、及びクライアントコンピューティングデバイス310は、Bluetooth(商標)、Wi-Fi(802.11ベースなど)を含む短距離無線周波数リンク、又は無線USBなどの別のタイプの無線周波数リンクなどの短距離通信リンクを介して通信する。他の実施形態では、短距離通信リンクは、例えば、36KHzで変調された950nmのIR波長を使用する赤外線(IR)通信リンクであってもよい。
【0022】
図3に示されるように、充電ステーション104は、スピーカのアレイなどの1つ以上のスピーカ108と、マイクロフォンのアレイなどの1つ以上のマイクロフォン106と、1つ以上のプロセッサ332と、長距離通信ネットワーク及び近距離通信ネットワークを介してデータを送受信するための通信ユニット336と、メモリ334と、を含んでもよい。
【0023】
メモリ334は、オペレーティングシステム344及び音声アシスタントアプリケーション350の命令を記憶し得る。音声アシスタントアプリケーション350は、音声入力を受け取ること、並びに/又は音声出力を提供すること、視覚的インジケータを提供すること、若しくは発話認識モジュール338、アクション判定モジュール340、及び制御モジュール342を介して電動歯ブラシ102の動作を制御すること、が可能である。音声アシスタントアプリケーション350は、充電ステーション104のメモリ334に記憶されているものとして示されているが、これは単に例示を容易にするための単なる例示的な一実施形態に過ぎない。他の実施形態では、音声アシスタントアプリケーション350、1つ以上のスピーカ108、及び1つ以上のマイクロフォン106は、電動歯ブラシ102に含められてもよい。
【0024】
いずれにせよ、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーからの音声入力を受け取ることができ、発話認識モジュール338は、発話認識技術を使用して音声入力をテキストに転記することができる。いくつかの実施形態では、発話認識モジュール338は、発話認識サーバーなどのリモートサーバーに音声入力を送信することができ、また発話認識サーバーによって転記された対応するテキストを受け取ることができる。次いで、テキストは、充電ステーション104に記憶された文法規則と比較されてもよく、あるいは自然言語処理サーバー302に送信されてもよい。例えば、充電ステーション104又は自然言語処理サーバー302は、電気歯ブラシをオン及びオフにすること、及び毎日の洗浄、マッサージ若しくは歯肉ケア、センシティブ、ホワイトニング、ディープクリーン、又は舌クリーンなどの電動歯ブラシのブラッシングモードを選択することなど、音声アシスタントアプリケーション350が処理し得る候補要求のリストを記憶してもよい。要求はまた、電動歯ブラシ102の充電量又は残りの電池寿命を特定すること、電動歯ブラシが追加の充電を必要とするまでの残りのブラッシングセッション数を特定すること、ブラシヘッドの残りの寿命を特定すること、現在のブラッシングセッション若しくは以前のブラッシングセッションのユーザーパフォーマンスメトリクスを特定すること、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイスにユーザーパフォーマンスデータを送信することなどを含んでもよい。しかしながら、ユーザーは、多種多様な音声入力を使用することによって、同じ要求を意図することもある。例えば、ブラッシングモードをセンシティブモードに変更するように電動歯ブラシ102に要求するためには、ユーザーは、「センシティブモード(Sensitive mode)」、「モードをセンシティブに設定(Set mode to sensitive)」、「ジェントルモード(Gentle mode)」、「ソフトにブラッシング(Brush softer)」などと発声してもよい。発話認識モジュール338は、音声入力又はテキストに転記された音声入力を受け取り、音声入力から要求を判定するための一組の文法規則を含んでもよい。
【0025】
次いで、アクション判定モジュール340は、判定された要求に基づいてアクションを特定し、そのアクションを実行するための1つ以上のステップを特定してもよい。例えば、要求が電動歯ブラシ102をオフにすることである場合、アクション判定モジュール340は、アクションを電動歯ブラシ102の電力をオフにすることとして特定し、そのアクションを実行するための1つ以上の工程を、電力をオフにするために電動歯ブラシ102に制御信号を送信することとして特定してもよい。
【0026】
別の例では、要求が、一層の注意を必要とするユーザーの歯のセグメントを判定することである場合、アクション判定モジュール340は、そのアクションを、一層の注意を必要とするセグメントを示す音声応答を提供することとして特定してもよい。このアクションを実行するための1つ以上のステップは、過去に他のセグメントのように十分にブラッシングされていないセグメントをユーザーが特定するためのユーザーパフォーマンスデータ履歴を取得することを含んでもよい。履歴ユーザーパフォーマンスデータは、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310から、アクション判定サーバー304から、あるいは、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310上に記憶された歯ブラシアプリケーション326と通信する歯ブラシサーバーから、取得されてよい。1つ以上の工程はまた、電動歯ブラシ102からセンサデータを取得することと、センサデータを分析して、現在のブラッシングセッションにおいて他のセグメントのように十分にブラッシングされていないセグメントを特定することと、を含んでもよい。
【0027】
より具体的に言えば、電動歯ブラシ102は、短距離通信リンクを介してリアルタイムで又は少なくともほぼリアルタイムで、定期的に又は連続的に、現在のブラッシングセッションに関するセンサデータを充電ステーション104に提供してもよい。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた多軸加速度計及び/又はカメラからの、いくつかの時点における電動歯ブラシ102の位置を示すデータを含んでもよい。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた圧力センサからの、いくつかの時点におけるユーザーによって及ぼされた力の量を示すデータを含んでもよい。アクション判定モジュール340は、電動歯ブラシ102の動き及び各位置において及ぼされた力の量を特定して、全くブラッシングされていないユーザーの歯のセグメントを特定するために、また、あるセグメント内のブラッシングされている全表面積の比率を特定するために、いくつかの時点における位置を分析してもよい。
【0028】
例えば、ユーザーの歯は、ユーザーの歯の左上四半部、右上四半部、左下四半部、及び右下四半部の4つのセグメントに分割されてもよい。いくつかの時点における電動歯ブラシ102の検出された位置及び各位置において及ぼされた力の量に基づいて、アクション判定モジュール340は、ユーザーが右上四半部をブラッシングしていないと判定してもよい。したがって、アクション判定モジュール340は、右上四半部をブラッシングするように、ユーザーに音声応答を生成してもよい。別の例では、いくつかの時点における電動歯ブラシ102の検出された位置及び各位置において及ぼされた力の量に基づいて、アクション判定モジュール340は、ユーザーが左下四半部の全表面積のうちの50%をブラッシングしたと判定してもよい。セグメント内のブラッシングされた総表面積の比率は、閾値量(例えば、90パーセント)と比較されてもよい。その比率が閾値量未満である場合、アクション判定モジュール340は、左下四半部を磨くように音声応答を生成してもよい。
【0029】
他の例では、ユーザーの歯は、左上四半部の内側表面、左上四半部の外側表面、左上四半部の咀嚼表面、右上四半部の内側表面、右上四半部の外側表面、右上四半部の咀嚼表面、左下四半部の内側表面、左下四半部の外側表面、左下四半部の咀表嚼面、右下四半部の内側表面、右下四半部の外側表面、及び右下四半部の咀嚼表面の12のセグメントに分割されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、アクション判定モジュール340は、アクション判定サーバー304などのリモートサーバーに要求を送信してもよく、また、アクション判定サーバー304から、対応するアクション及びそのアクションを実行するための1つ以上の工程を受け取ってもよい。アクション判定モジュール340は次いで、1つ以上の工程を実施してもよい。また、いくつかの実施形態では、アクション判定モジュール340は、アクションを実行するために制御モジュール342と通信してもよい。制御モジュール342は、短距離通信リンクを介して電動歯ブラシ102に制御信号を送信することによって、電動歯ブラシ102の動作を制御してもよい。制御信号は、電動歯ブラシ102をオンにすること、オフにすること、ブラッシングモードを特定のブラッシングモードに変更すること、ブラシの速度又は振動数を変化させることなどができる。アクションが電動歯ブラシ102の動作を制御することを伴う場合、アクション判定モジュール340は、電動歯ブラシ102が特定の動作を実施するための対応する制御信号を提供するために、制御モジュール342に要求を提供してもよい。
【0031】
上述のように、電動歯ブラシ102は、電動歯ブラシハンドル35と、ハンドル35に取り外し可能に取り付けられる電動歯ブラシヘッド90と、を含んでもよい。ハンドル35は、1つ以上のセンサ352と、通信ユニット354と、を更に含んでもよく、通信ユニットは、短距離通信リンクによるネットワーク及び/又は長距離通信リンクによるリモートサーバーを介して、充電ステーション104及び/又はクライアントコンピューティングデバイス10と通信するためのものである。1つ以上のセンサ352には、カメラなどの光若しくは撮像センサ、ホールセンサなどの電磁界センサ、静電容量センサ、抵抗センサ、誘導センサ、湿度センサ、多軸加速度計などの運動センサ若しくは加速度センサ若しくは傾斜センサ、圧力センサ、ガスセンサ、振動センサ、温度センサ、又は電動歯ブラシ102若しくは電動歯ブラシ102を用いたユーザーのブラッシングパフォーマンスの特性を検知するための任意の他の好適なセンサが含まれ得る。1つ以上のセンサ352は、図3ではハンドル35に含められるものとして示されているが、1つ以上のセンサ352はヘッド90に含められてもよく、あるいはヘッド90とハンドル35との組み合わせに含められてもよい。
【0032】
自然言語処理サーバー302は、充電ステーション104からの音声入力から転記されたテキストを受け取ってもよい。例えば、充電ステーション104は、音声アシスタントアプリケーション350に含められた発話認識モジュール338を介して音声入力をテキストに転記してもよい。次いで、自然言語処理サーバー302内の文法マッピングモジュール312が、音声入力に対応する受け取られたテキストを文法規則データベース314内の文法規則と比較してもよい。例えば、文法規則に基づいて、文法マッピングモジュール312は、「歯ブラシオン(Toothbrush on)」という入力に対して、要求は電動歯ブラシ102をオンにすることであると判定してもよい。
【0033】
更に、文法マッピングモジュール112は、文脈に基づいて推論を行うことができる。例えば、音声入力は、ブラッシングセッションの直後のユーザーパフォーマンスデータに関するものであってもよいが、ユーザーは、そのユーザーパフォーマンスデータが直近のブラッシングセッションに関するものであるか、又は過去のブラッシングセッションに関するものであるかを指定しなくてもよい。しかしながら、文法マッピングモジュール312は、例えば機械学習を使用して、その要求が、直近のブラッシングセッションのユーザーパフォーマンスデータに関するものであると推測することができる。別の例では、音声入力がユーザーパフォーマンスデータに関するものであり、ユーザーが閾値時間量内に自身の歯をブラッシングしていない場合、文法マッピングモジュール312は、その要求が、平均ユーザーパフォーマンスメトリクス又は直近のブラッシングセッションにおけるユーザーのパフォーマンスと自身の全てのブラッシングセッションにおけるユーザーのパフォーマンスとの比較など、履歴上のブラッシングセッションのユーザーパフォーマンスデータに関するものであると推測してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、文法マッピングモジュール312は、要求を判定するために、入力内の単語又はフレーズの同義語又はニックネームを発見することができる。例えば、「歯ブラシを穏やかモードに設定(Set toothbrush to gentle mode)」という入力に対し、文法マッピングモジュール312は、センシティブは緩やかと同義であると判定することができ、また、その要求はブラッシングモードをセンシティブモードに変更することであると特定してもよい。
【0035】
自然言語処理サーバー302が要求を判定した後、文法マッピングモジュール312は、音声入力が受け取られたデバイス(例えば、充電ステーション104又は電動歯ブラシ102)に要求を送信してもよい。
【0036】
クライアントコンピューティングデバイス310は、タブレットコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ポータブルメディアプレーヤ、家庭用電話、ページャー、ウェアラブルコンピューティングデバイス、スマートグラス、スマートウォッチ又はブレスレット、ファブレット、別のスマートデバイスなどであってもよい。クライアントコンピューティングデバイス310は、1つ以上のプロセッサ322、メモリ324、長距離及び短距離通信ネットワーク300を介してデータを送受信するための通信ユニット(図示せず)、並びにユーザーにデータを提示するためのユーザーインターフェース(図示せず)を含んでもよい。メモリ324は、例えば、Bluetooth(商標)などの短距離通信リンクを介して電動歯ブラシ102又は充電ステーション104からユーザーのブラッシングパフォーマンスに関する電動歯ブラシデータ及びユーザーパフォーマンスデータを受け取る歯ブラシアプリケーション326のための命令を記憶してもよい。次いで、歯ブラシアプリケーション326は、例えば、電動歯ブラシ及びユーザーパフォーマンスメトリクスを特定するために、電動歯ブラシデータ及び/又はユーザーパフォーマンスデータを分析してもよく、また、ユーザーインターフェース上にユーザーパフォーマンスメトリクスを提示してもよい。ユーザーパフォーマンスメトリクスは、例えば、直近のブラッシングセッションにおいてユーザーによって磨かれた総表面積の比率、及び直近のブラッシングセッション中に歯に及ぼされた力の平均量を含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、歯ブラシアプリケーション326は、電動歯ブラシデータ及び/又はユーザーパフォーマンスデータを歯ブラシサーバーに転送し、歯ブラシサーバーは、その電動歯ブラシデータ及び/又はユーザーパフォーマンスデータを分析し、ユーザーインターフェース上に表示するために電動歯ブラシ及びユーザーパフォーマンスメトリクスを歯ブラシアプリケーション326に提供する。また、いくつかの実施形態では、歯ブラシアプリケーション326又は歯ブラシサーバーは、電動歯ブラシ及びユーザーパフォーマンスメトリクスを、現在の電動歯ブラシ及びユーザーパフォーマンスメトリクスと比較するために使用され得る履歴データとして記憶する。例えば、履歴データは、機械学習モデルを訓練して、ユーザーのパフォーマンスメトリクスに基づいてユーザーを特定するため、又は機械学習モデルを使用してユーザーのパフォーマンスメトリクスを予測し、ユーザーの現在のブラッシングセッションにおいてユーザーが予想されるユーザーパフォーマンスメトリクスを上回るか若しくは下回るかを判定するために使用され得る。
【0038】
図4は、ユーザーの音声から特定され得る例示的な要求、及びその要求に基づいて音声アシスタントアプリケーション350が実施する例示的なアクションを提示する。いくつかの実施形態では、音声アシスタントアプリケーション350は、要求に応答しない音声出力を提供する。例えば、ブラッシングセッションの開始時に、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーに自身を特定するよう要求する音声出力を提供してもよく、それにより、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーによって作成された以前の要求、ユーザーの履歴ユーザーパフォーマンスデータ、ユーザーの履歴ユーザーパフォーマンスデータを使用して訓練された、ユーザーに対して生成された機械学習モデルなど、ユーザープロファイルからユーザーのデータを取り出し得る。したがって、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーの名前を含んだ音声出力、識別子のユーザーパフォーマンスメトリクス又は履歴パフォーマンスデータなど、特定されたユーザーに固有の音声出力を提供し得る。他の実施例は、ユーザーがこの情報を要求したかどうかにかかわらず、音声アシスタントアプリケーション350がそのようにする必要があると判定したときに、電動歯ブラシ102を充電するか又は電動歯ブラシヘッド90を交換するようにユーザーに指示する音声出力を含んでもよい。図5は、音声アシスタントアプリケーション350が、最初にユーザーから要求を受け取ることなく自動的に取り得る例示的なアクション、及び音声アシスタントアプリケーション350によって提供される結果として得られる音声出力の例を提示する。
【0039】
図4は、音声アシスタントアプリケーション350に提供され得る例示的な音声入力410、並びに受け取られた音声入力410に基づいて音声アシスタントアプリケーション350が実施する例示的な要求420及びアクション430を有する例示的な表400を示す。例示的な要求420及び実施すべきアクション430は、候補要求及び対応するアクションのデータベースに記憶されてもよい。更に、各アクションを実行するための一連の工程がデータベースに記憶されてもよい。データベースは、電動歯ブラシ102、充電ステーション104、及び/又はアクション判定サーバー304に通信可能に連結されてもよい。
【0040】
例示的な音声入力410は、予め記憶された音声入力でなくてもよく、代わりに、音声アシスタントアプリケーション350は、音声認識モジュール338、音声認識サーバー、及び/又は自然言語処理サーバー302を使用して、音声入力からの対応する要求を特定してもよい。音声アシスタントアプリケーション350又は自然言語処理サーバー302に含められた文法モジュール312は、データベースから一組の候補要求を取得することができる。次いで、文法モジュール312は、候補要求が音声入力に対応する可能性に基づいて、各候補要求に確率を割り当てることができる。いくつかの実施形態では、候補要求は、それらのそれぞれの確率に基づいてランク付けされてもよく、最も高い確率を有する候補要求が要求として特定されてもよい。例えば、音声入力が単語「電池」を含む場合、文法モジュール312は、電動歯ブラシヘッド90、ブラッシングモード、及びユーザーのブラッシングパフォーマンスに関連する候補要求が音声入力に対応したものである見込みは低いと判定してもよく、また、これらの候補要求に低い確率を割り当ててもよい。
【0041】
文法モジュール312が、テキスト入力に基づいて要求を判定することができないか、あるいは所定の確度閾値よりも低い確度を有する要求を判定した場合、文法モジュール312は、音声アシスタントアプリケーション350に、追加入力のための補足質問をユーザーに提供させてもよい。
【0042】
いずれにせよ、文法モジュール312は、「電源オン(Turn on)」、「歯ブラシオン(Toothbrush on)」、「歯ブラシをオンに設定(Set toothbrush to on)」、及び「ブラッシングを開始(Start brushing)」などの音声入力の対応する要求が電動歯ブラシ420をオンにすることであると判定してもよい。文法モジュール312は、「電源オフ(Turn off)」、「歯ブラシオフ(Toothbrush off)」、「歯ブラシをオフに設定(Set toothbrush to off)」、及び「ブラッシングを終了(Stop brushing)」などの音声入力の対応する要求が電動歯ブラシ420をオフにすることであると判定してもよい。更に、文法モジュール312は、「センシティブモード(Sensitive mode)」、「モードをセンシティブに設定(Set mode to sensitive)」、「穏やかモード(Gentle mode)」、及び「柔らかブラシ(Soft brush)」などの音声入力の対応する要求が電動歯ブラシをセンシティブモードに設定することであると判定してもよい。加えて、文法モジュール312は、「どのくらい電池が残っていますか(How much battery is left?)」、「電池のパーセンテージはどのくらいですか(What’s the battery percentage?)」、「充電は必要ですか(Do I need to charge?)」及び「電池の寿命(Battery life)」などの音声入力の対応する要求が、電動歯ブラシ102に残っている電池寿命を特定することであると判定してもよい。更にまた、文法モジュール312は、「ブラシヘッドの交換は必要ですか(Do I need to change the brush head?)」、「いつまでにブラシヘッドの交換が必要ですか(How much longer until the brush head should be changed?)」及び「新しいブラシヘッドは必要ですか(Do I need a new brush head?)」などの音声入力の対応する要求が電動歯ブラシヘッド90に残っている寿命を特定することであると判定してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、文法モジュール312は、音声入力に含められた特定の用語又はフレーズに基づいて要求を特定してもよく、また分析から残りの用語又はフレーズを除外してもよい。例えば、文法モジュール312は、「歯ブラシオン(Toothbrush on)」というフレーズに基づいて、要求は歯ブラシをオンにすることであると特定してもよく、また分析から「さて(now)」及び「してください(please)」などの残りの用語を除外してもよい。
【0044】
音声アシスタント350が、例えば文法モジュール312により、音声入力に基づいて要求を判定すると、音声アシスタント350は、その要求に応答して実施すべきアクション及び/又はその要求されたアクションを実行するために取るべき1つ以上の工程を特定し得る。上述のように、音声アシスタントアプリケーション350は、アクション判定モジュール340及び/又はアクション判定サーバー304を使用して、実施すべきアクションを特定することができる。例えば、アクション判定モジュール340及び/又はアクション判定サーバー304は、要求に対応するアクション及び/又はその要求されたアクションを実行するために取るべき1つ以上の工程をデータベースから取得することができる。
【0045】
例示的な表400に示されるように、歯ブラシをオンにする要求420の対応するアクション430は、電動歯ブラシ102に、より具体的には電動歯ブラシハンドル35に、電動歯ブラシ102をオンにするための制御信号を送信することである。このアクションは、制御信号を送信する1つの工程を必要とし得る。歯ブラシをオフにする要求420の対応するアクション430は、電動歯ブラシ102に、より具体的には電動歯ブラシハンドル35に、電動歯ブラシ102をオフにするための制御信号を送信することである。このアクションもまた、制御信号を送信する1つの工程を必要とし得る。加えて、電気歯ブラシ102をセンシティブモードに設定する要求420の対応するアクション430は、電動歯ブラシ102に、より具体的には電動歯ブラシハンドル35に、ブラッシングモードをセンシティブに変更するための制御信号を送信することである。ここでもまた、このアクションは、制御信号を送信する1つの工程を必要とし得る。
【0046】
更に、電動歯ブラシ102の残っている電池寿命を特定するための要求420の対応するアクション430は、残りの電池寿命を示す音声応答を提示することである。このアクションは、例えば電池寿命データに関する要求を電動歯ブラシ102に送信することによって、短距離通信を介して電動歯ブラシ102から電池寿命データなどの電動歯ブラシデータを得るための第1の工程を含めて、複数の工程を必要とし得る。このアクションはまた、受け取られた電池寿命データなどの電動歯ブラシの1つ以上の特性に基づいて残りの電池寿命を示す音声応答を生成及び提示する第2の工程を含んでもよい。
【0047】
更に、電動歯ブラシヘッド90の残りの寿命を特定するための要求420の対応するアクション430は、電動歯ブラシヘッド90の交換が必要となるまでのブラッシングセッションの数を示す音声応答を提示することである。このアクションは、例えば、ブラッシングセッションの数、又は電動歯ブラシヘッド90が使用された時間量などの電動歯ブラシデータをクライアントコンピューティングデバイス310から取得するための第1の工程を含めて、複数の工程を必要とし得る。このアクションはまた、ユーザーが電動歯ブラシヘッド90を交換するまでのブラッシングセッションの平均数を示す履歴データを取得する第2の工程を含んでもよい。履歴データはまた、クライアントコンピューティングデバイス310から取得されてもよい。更に、このアクションは、力の平均量、力の最大量など、電動歯ブラシヘッド90を使用するときに及ぼされる力の量に関連するユーザーパフォーマンスメトリクスを取得する第3の工程を含んでもよい。
【0048】
電動歯ブラシヘッド90が使用されてきたブラッシングセッションの数、ユーザーが電動歯ブラシヘッド90を交換するまでのブラッシングセッションの平均数を示す履歴データ、並びに、電動歯ブラシヘッド90を使用するときに及ぼされる力の量に関連するユーザーパフォーマンスメトリクスに基づいて、電動歯ブラシヘッド90の交換が必要となるまでの残りのブラッシングセッションの数を推定するための機械学習モデルがまた取得され得る。このアクションはまた、電動歯ブラシヘッド90の残りの寿命など、電動歯ブラシの1つ以上の特性を特定するために、電動歯ブラシヘッド90が使用されてきたブラッシングセッションの数、ユーザーが電動歯ブラシヘッド90を交換するまでのブラッシングセッションの平均数を示す履歴データ、並びに、電動歯ブラシヘッド90を使用するときに及ぼされる力の量に関連するユーザーパフォーマンスメトリクスを機械学習モデルに適用する第4の工程を含んでもよい。代替的に、第4の工程は、電動歯ブラシヘッド90の交換が必要となるまでの電動歯ブラシヘッド90のブラッシングセッションの所定の総数又は計算された総数から、電動歯ブラシヘッド90が使用されてきたブラッシングセッションの数を減算することであってもよい。更に、このアクションは、電動歯ブラシヘッド90の交換が必要となるまでのブラッシングセッションの数を示す音声応答を生成及び提示する第5の工程を含んでもよい。
【0049】
表400に含められた要求420は、単に例示を容易にするための少数の例示的な要求420に過ぎない。音声アシスタントアプリケーション350は、電動歯ブラシ102に関連する任意の好適な数の要求を取得することができる。更に、データベースは、最初に所定の数の候補要求を含んでもよいが、追加の要求が候補要求としてデータベースに提供されてもよい。例えば、音声アシスタントアプリケーションからの補足質問に対するユーザーの応答に基づいて、追加の要求が学習されてもよい。例えば、音声入力が「歯をホワイトニングしてください(Whiten my teeth, please)」である場合、音声アシスタントアプリケーション350は、補足質問に対するユーザーの応答に基づいて、その要求が電動歯ブラシ102をオンにする第1の要求と、電動歯ブラシ102をホワイトニングモードに設定する第2の要求との組み合わせであると学習することができる。
【0050】
図5は、音声アシスタントアプリケーション350によって特定され得る例示的なアクション510と、その特定されたアクション510に基づいて音声アシスタントアプリケーション350が提示するための例示的な音声出力520と、を含んだ例示的な表500を示す。例示的なアクション510は、アクションのデータベースに記憶されてもよい。更に、各アクションを実行するための一連の工程がデータベースに記憶されてもよい。データベースは、電動歯ブラシ102、充電ステーション104、及び/又はアクション判定サーバー304に通信可能に連結されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、アクション510は、音声アシスタントアプリケーション350によって自動的に特定され、ユーザーが要求を提供するかどうかにかかわらず実施される。例えば、いくつかのシナリオでは、音声アシスタントアプリケーション350は、各ブラッシングセッションの終わりに一層の注意を必要とするユーザーの歯のセグメントを自動的に特定し、特定されたセグメントを示す音声出力をユーザーに提示する。別の例では、音声アシスタントアプリケーション350は、各ブラッシングセッションの終わりにユーザーパフォーマンスメトリクスを自動的に特定し、ユーザーに提示することができる。更に別の例では、音声アシスタントアプリケーション350は、電動歯ブラシ102を取り囲むエリアのノイズレベルに基づいてスピーカ108の音量を自動的に調節してもよく、あるいはスピーカ108を介して提供される音声出力を遅延させてもよい。マイクロフォン106は、ノイズレベルを検出するために使用されてもよい。ノイズレベルが、例えば電動歯ブラシ102から聞こえるノイズに基づいて閾値ノイズレベルを超えると、音声アシスタント350はスピーカ108の音量を増加させることができる。次いで、ノイズレベルが閾値ノイズレベルを下回ると、音声アシスタントはスピーカ108の音量を減少させることができる。他の実施形態では、アクション510は、図4に示される例示的な表400と同様に、要求に応じて特定及び実施される。
【0052】
例示的な表500に示されるように、一層の注意を必要とするユーザーの歯のセグメントを判定するアクションに対応する例示的な音声出力520としては、「左上四半部をブラッシングしてください(Brush upper left quadrant)」、「セグメント1を磨いください(Go over segment 1)」、「セグメント1で更に10秒、ブラッシングしてください(Spend ten extra seconds on segment 1)」が含まれ得る。各セグメントは対応する数値インジケータを有してもよく、音声出力は、左上四半部又は左上四半部の咀嚼表面などのセグメントの説明ではなくセグメントに対応する数値インジケータを含んでもよい。このアクションは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた多軸加速度計及び/又はカメラからの、いくつかの時点における電動歯ブラシ102の位置を示すセンサデータを電動歯ブラシ102から取得するための第1の工程を含めて、いくつかの工程を必要とし得る。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた圧力センサからの、いくつかの時点におけるユーザーによって及ぼされた力の量を示すデータを含んでもよい。
【0053】
第2の工程は、電動歯ブラシ102の運動及び各位置において及ぼされた力の量を特定して、全くブラッシングされていないか又は閾値量の力を加えてブラッシングされていないユーザーの歯のセグメントを特定するために、いくつかの時点における位置を分析することであってもよい。第3の工程は、各セグメントに対して、ブラッシングされた総表面積の比率を特定することであってもよい。更に、このアクションは、過去に他のセグメントのように十分にブラッシングされていないセグメントをユーザーが特定するために履歴ユーザーパフォーマンスデータを取得する第4の工程を含んでもよい。履歴ユーザーパフォーマンスデータは、歯ブラシアプリケーション326を介してクライアントコンピューティングデバイス310から取得されてもよい。次いで第5の工程では、音声アシスタントアプリケーション350は、あるセグメントに対してブラッシングされた総表面積の比率を閾値量(例えば、90%)と比較すること、全くブラッシングされていないか若しくは閾値量の力を加えてブラッシングされていないユーザーの歯のセグメントを特定すること、及び/又は、過去に他のセグメントのように十分にブラッシングされていないセグメントを履歴ユーザーパフォーマンスデータから特定することによって、一層の注意を必要とするセグメントを判定し得る。更に、このアクションは、一層の注意を必要とするセグメントを示す音声出力を生成及び提示する第6の工程を含んでもよい。
【0054】
ユーザーが適量の力でブラッシングしているか否かのアクションに対応する音声出力520としては、「力が強すぎます(You are using too much force)」、「もっと優しくブラッシングしてください(Brush more gently)」、及び「ブラッシングが強すぎます(Don't brush so hard)」が挙げられる。このアクションは、ブラッシングセッションの間に及ぼされた力の平均量、及ぼされた力の最大量など、及ぼされた力を示すセンサデータを電動歯ブラシ102から取得するための第1の工程を含めて、いくつかの工程を必要とし得る。第2の工程では、音声アシスタントアプリケーション350は、力をブラッシング力閾値(例えば、100グラム)と比較してもよく、また、その比較に基づいて力の量を増加又は減少させるようにユーザーに伝える音声出力を生成及び提示してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザーがブラッシング力閾値の閾値分散(例えば、50グラム)内にある場合、音声アシスタント350は音声出力を生成しなくてもよく、あるいは音声出力は、ユーザーが適量の力でブラッシングしていることを示してもよい。ユーザーが、ブラッシング力閾値と閾値分散との合計よりも大きな力を用いている場合、音声アシスタント350は、力を減少させるようにユーザーに指示する音声出力を生成してもよい。ユーザーが、ブラッシング力閾値と閾値分散との合計よりも小さな力を用いている場合、音声アシスタント350は、力を増加させるようにユーザーに指示する音声出力を生成してもよい。
【0055】
ブラッシングセッションの長さを判定するアクションに対応する例示的な音声出力520は、「2分間ブラッシングしています(You have been brushing for two minutes)」、及び「ブラッシングが完了しました(Brushing complete)」を含む。このアクションは、電動歯ブラシ102からブラッシングセッションの長さを取得する工程と、取得された長さを示す音声出力を生成及び提示する工程と、の2つの工程を含んでもよい。
【0056】
ブラッシングセッションのユーザーパフォーマンスメトリクスを特定するアクションに対応する例示的な音声出力520は、「平均150グラムの力で2.5分間ブラッシングしました。歯の表面積の98%を磨きました(You brushed for 2.5 minutes with an average force of 150 grams and covered 98% of the surface area of your teeth)」を含む。このアクションは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた多軸加速度計及び/又はカメラからの、いくつかの時点における電動歯ブラシ102の位置を示すセンサデータを電動歯ブラシ102から取得するための第1の工程を含めて、いくつかの工程を必要とし得る。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた圧力センサからの、いくつかの時点におけるユーザーによって及ぼされた力の量を示すデータを含んでもよい。更に、センサデータは、ブラッシングセッションの時間量を含んでもよい。第2の工程は、電動歯ブラシ102の運動及び各位置において及ぼされた力の量を特定して、全くブラッシングされていないか又は閾値量の力を加えてブラッシングされていないユーザーの歯のセグメントを特定するために、いくつかの時点における位置を分析することであってもよい。このようにして、音声アシスタントアプリケーション350は、ブラッシングセッション中に及ぼされた力の平均量、及びブラッシングセッション中に磨かれた歯の総表面積の比率を判定することができる。第3の工程は、ブラッシングセッションの時間量、ブラッシングセッション中に及ぼされた力の平均量、及びブラッシングセッション中に磨かれた歯の総表面積の比率を示す音声出力を生成及び提示することであってもよい。
【0057】
今後のブラッシングセッションのための指示を提供するアクションに対応する例示的な音声出力520は、「次回は下前歯の内側表面をしっかりブラッシングしてください。ブラシの角度を垂直にし、上下に移動させます。(Next time focus on the inner surface of your bottom front teeth. Tilt the brush vertically and move up and down.)」を含む。今後のブラッシングセッションのための指示は、ユーザーの直近のブラッシングセッションからの欠点、又は履歴上のブラッシングセッションからの欠点に基づいて特定されてもよい。したがって、これらの欠点を特定するために、アクションは、上述のように、一層の注意を必要とするセグメントを判定することと、ユーザーが適量の力でブラッシングしているかどうかを判定することと、ブラッシング時間の長さを判定することと、を含んでもよい。これらの判定に基づいて、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーが自身のブラッシング習慣を改善し得るエリアを特定し得る。音声アシスタントアプリケーション350は次いで、ユーザーが特定されたエリアを改善する助けとなる音声指示を生成することができる。
【0058】
例えば、一層の注意を必要とするセグメントを判定するとき、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーが左下四半部の内側表面の中央部分をブラッシングせず、また、そこをブラッシングするように音声アシスタントアプリケーション350から特別な指示を受けることなく、以前の5回のブラッシングセッションにおいて、左下四半部の内側表面の中央部分をブラッシングしていなかったと判定することができる。したがって、音声アシスタントアプリケーション350は、左下四半部の内側表面の中央部分を重視するための音声命令を提供してもよく、また、左下四半部の内側表面の中央部分を磨くためにどのようにブラシを配置するかに関する指示を提供してもよい。別の例では、ブラッシング時間の長さを判定するとき、音声アシスタントアプリケーション350は、ブラッシング時間の長さが、以前の3つのブラッシングセッションのそれぞれにおいて、平均で5秒間、減少したと判定し得る。したがって、音声アシスタントアプリケーション350は、少なくとも2分間にわたってブラッシングするように思い出させるための音声指示をユーザーに提供することができる。
【0059】
表500に含められたアクション510は、単に例示を容易にするための少数の例示的なアクション510に過ぎない。音声アシスタントアプリケーション350は、電動歯ブラシ102に関連する任意の好適な数のアクションを実施することができる。
【0060】
図6は、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスをユーザーに提供するための例示的な方法600を表現するフローチャートを示す。方法600は、音声アシスタントアプリケーション350によって実施され、充電ステーション104又は電動歯ブラシ102など、音声アシスタントアプリケーション350を記憶するデバイス上で実行され得る。いくつかの実施形態では、方法600は、非一時的コンピュータ可読メモリ上に記憶され、充電ステーション104又は電動歯ブラシ102の1つ以上のプロセッサ上で実行可能な一組の命令として実装され得る。例えば、方法600は、図3に示されるように、発話認識モジュール338、アクション判定モジュール340、及び制御モジュール342によって少なくとも部分的に実施され得る。
【0061】
ブロック602において、ユーザーからの音声入力が、マイクロフォン(単数又は複数)106を介して受け取られる。音声入力は次いでテキスト入力に転記される(ブロック604)。例えば、音声アシスタントアプリケーション350は、発話認識モジュール338を介して音声入力をテキスト入力に転記することができる。別の例では、音声アシスタントアプリケーション350は、音声入力をテキスト入力に転記するために発話認識サーバーに生の音声入力を提供することができ、また発話認識サーバーから転記されたテキスト入力を受け取ることができる。
【0062】
次に、ブロック606において、転記されたテキスト入力に基づいて要求されたいくつかの候補から要求が判定される。より具体的に言えば、テキスト入力は、音声アシスタントアプリケーション350に記憶された文法規則と比較されてもよく、あるいは自然言語処理サーバー302に送信されてもよい。例えば、音声アシスタントアプリケーション350又は自然言語処理サーバー302は、電動歯ブラシをオン及びオフにすること、電動歯ブラシのブラッシングモードを選択すること、電動歯ブラシ102の残りの電池寿命を特定すること、ブラシヘッド90の残りの寿命を特定すること、現在のブラッシングセッション又は以前のブラッシングセッションのユーザーパフォーマンスメトリクスを特定すること、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310にユーザーパフォーマンスデータを送信することなど、音声アシスタントアプリケーション350が処理し得る候補要求のリストを記憶してもよい。
【0063】
次いで、文法マッピングモジュール312が、テキスト入力を文法規則データベース314内の文法規則と比較してもよい。更に、文法マッピングモジュール112は、文脈に基づいて推論を行うことができる。いくつかの実施形態では、文法マッピングモジュール312は、要求を判定するために、入力内の単語又はフレーズの同義語又はニックネームを発見することができる。文法規則、推論、同義語、及びニックネームを用いて、文法モジュール312は、候補要求がテキスト入力に対応する可能性に基づいて、各候補要求に確率を割り当てることができる。いくつかの実施形態では、候補要求は、それらのそれぞれの確率に基づいてランク付けされてもよく、最も高い確率を有する候補要求が要求として特定されてもよい。
【0064】
ブロック608において、音声アシスタントアプリケーション350は、要求に応答して実施すべきアクションを判定する。候補要求及び実施すべき対応するアクションは、データベースに記憶されてもよい。更に、各アクションを実行するための一連のステップがデータベースに記憶されてもよい。音声アシスタント350が要求を判定すると、音声アシスタント350は、アクション判定モジュール340を介して、あるいはアクション判定サーバー304に要求を提供することによって、アクションを特定することができる。例えば、アクション判定モジュール340及び/又はアクション判定サーバー304は、要求に対応するアクション及び/又はその要求されたアクションを実行するために取るべき1つ以上の工程をデータベースから取得することができる(ブロック610)。1つ以上の工程は、電動歯ブラシ102からセンサデータを受け取ること、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310からデータを受け取ること、要求に応答するユーザーに音声出力を提供すること、要求に応答するユーザーにLEDからの光などの視覚的インジケータを提供すること、及び/又は、要求に基づいて電動歯ブラシ102の動作を制御するために電動歯ブラシ102に制御信号を送信すること、を含んでもよい。視覚的インジケータは、例えば、電動歯ブラシ102をオン又はオフにするためのユーザーによる要求に応答して、電動歯ブラシ102がオン又はオフにされていることを示すために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、電動歯ブラシ102は、音声アシスタントアプリケーション350によって制御され得る1つ以上のLEDを含んでもよい。LEDは、電動歯ブラシ102がオンにされているか、あるいはオフにされているか、電動歯ブラシ102のモード(例えば、毎日の洗浄、マッサージ若しくは歯肉ケア、センシティブ、ホワイトニング、ディープクリーン、又は舌クリーン)、電動歯ブラシヘッド90のブラシ速度又は周波数などを示すために使用されてもよい。より具体的に言えば、一例において、音声アシスタントアプリケーション350は、電動歯ブラシ102がオンにされていることを示す第1のLEDをオンにするための制御信号を第1のLEDに送信してもよい。別の例では、音声アシスタントアプリケーション350は、電動歯ブラシ102がホワイトニングモードにあることを示す一連のLEDをオンにするための制御信号をその一連のLEDに送信してもよい。1つ以上の工程はまた、クライアントコンピューティングデバイス310上で稼働している電動歯ブラシアプリケーション326に提示又は記憶するために、ユーザーのブラッシング挙動を示すユーザーパフォーマンスデータなどのデータをクライアントコンピューティングデバイス310に提供してもよい。
【0065】
次いでブロック612において、音声アシスタントアプリケーション350は、アクションを実行するための1つ以上の工程に従って、判定されたアクションを実施する。上述のように、音声アシスタントアプリケーション350は、スピーカ(単数又は複数)108を介して、要求に応答する音声出力をユーザーに提供してもよく、あるいは要求に基づいて電動歯ブラシ102の動作を制御するための制御信号を電動歯ブラシ102に送信してもよい。
【0066】
図7は、電動歯ブラシに関する音声アシスタンスをユーザーに提供するための別の例示的な方法700を表現するフローチャートを示す。方法700は、音声アシスタントアプリケーション350によって実施され、充電ステーション104又は電動歯ブラシ102など、音声アシスタントアプリケーション350を記憶するデバイス上で実行され得る。いくつかの実施形態では、方法700は、非一時的コンピュータ可読メモリ上に記憶され、充電ステーション104又は電動歯ブラシ102の1つ以上のプロセッサ上で実行可能な一組の命令として実装され得る。例えば、方法700は、図3に示されるように、アクション判定モジュール340、及び制御モジュール342によって少なくとも部分的に実施され得る。
【0067】
例示的な方法700では、音声出力は、最初にユーザーから要求を受け取ることなく自動的に提供される。ブロック702では、現在のブラッシングセッション中に、電動歯ブラシハンドル35など、電動歯ブラシ102からセンサデータが取得される。履歴センサデータ又は履歴ユーザーパフォーマンスデータなどのセンサデータがまた、ユーザーのクライアントコンピューティングデバイス310から取得されてもよい。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた多軸加速度計及び/又はカメラからの、いくつかの時点における電動歯ブラシ102の位置を示すデータを含んでもよい。センサデータは、例えば、電動歯ブラシ102に含められた圧力センサからの、いくつかの時点におけるユーザーによって及ぼされた力の量を示すデータを含んでもよい。更に、センサデータは、ブラッシングセッションの時間量を含んでもよい。
【0068】
次いで、ブロック704において、ユーザーパフォーマンスメトリクスを判定するためにセンサデータが分析される。ユーザーパフォーマンスメトリクスには、ブラッシングセッションの時間量、ブラッシングセッション中に及ぼされた力の平均量、ブラッシングセッション中に磨かれた歯の総表面積の比率、全くブラッシングされていないか又は閾値量の力を加えてブラッシングされていないセグメントの数などが含まれ得る。ユーザーパフォーマンスメトリクスはまた、ユーザーの履歴パフォーマンスメトリクスに基づく比較メトリクスを含んでもよい。例えば、比較メトリクスは、ブラッシングセッションの時間量とユーザーの履歴上のブラッシングセッションの平均時間量との差を含んでもよい。比較メトリクスはまた、ブラッシングセッション中に磨かれた歯の総表面積の比率と、ユーザーの履歴上のブラッシングセッション中に磨かれた歯の総表面積の平均比率と、の差を含んでもよい。
【0069】
ブロック706において、音声アシスタントアプリケーション350は、ユーザーパフォーマンスメトリクスに従って、スピーカ108を介して音声指示を提供する。例えば、音声指示は、ブラッシング時に加える力をより強く若しくはより弱くすること、又はユーザーの歯の特定のセグメントに一層の注意を向けることであってもよい。音声指示はまた、ユーザーの直近のブラッシングセッションからの欠点又は履歴上のブラッシングセッションからの欠点に基づいた、今後のブラッシングセッションのための指示であってもよい。
【0070】
本明細書全体を通して、複数の実例が、単一の実例として説明される構成要素、動作、又は構造を実装してもよい。1つ以上の方法の個々の動作が別個の動作として図示及び説明されているが、個々の動作のうちの1つ以上が同時に実施されてもよく、また動作が図示の順序で実施される必要はない。例示的な構成における別個の構成要素として提示される構造及び機能は、組み合わされた構造又は構成要素として実現されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示される構造及び機能は、別個の構成要素としても実現され得る。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善も本明細書の主題の範囲に含まれる。
【0071】
更に、特定の実施形態については、論理又はいくつかのルーチン、サブルーチン、アプリケーション、又は指示を含むものとして本明細書に記載されている。これらは、ソフトウェア(例えば、機械可読媒体上に若しくは送信信号内に具現化されたコード)又はハードウェアのいずれかを形成し得る。ハードウェアでは、ルーチンなどは、特定の動作を実施することが可能な有形のユニットであり、特定の様式で構成又は配置され得る。例示的な実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント若しくはサーバーコンピュータシステム)又はコンピュータシステムの1つ以上のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサのグループ)が、本明細書に記載されるような特定の動作を実施するように動作するハードウェアモジュールとしてソフトウェア(例えば、アプリケーション若しくはアプリケーション部分)によって構成されてもよい。
【0072】
様々な実施形態において、ハードウェアモジュールは、機械的に実装されても電子的に実装されてもよい。例えば、ハードウェアモジュールは、(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサとして)永続的に構成された専用回路又はロジックを含んでもよい。ハードウェアモジュールはまた、特定の動作を実施するようにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブルロジック又は回路(例えば、汎用プロセッサ若しくは他のプログラマブルプロセッサ内に包含される)を含んでもよい。ハードウェアモジュールを機械的に、専用にかつ永続的に構成された回路に実装するか、それとも一時的に構成された回路(例えば、ソフトウェアによって構成される)に実装するかの判断は、コスト及び時間の考慮によって判定され得ることが理解されるであろう。
【0073】
したがって、用語「ハードウェアモジュール」は、特定の様式で動作するようにあるいは本明細書に記載された特定の動作を実施するように、物理的に構築された実体であっても、恒久的に構成された(例えば、配線された)実体であっても、一時的に構成された(例えば、プログラムされた)実体であっても、有形の実体を包含すると理解されるべきである。ハードウェアモジュールが一時的に構成される(例えば、プログラムされる)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールのそれぞれは、任意の時点で構成又は具現化される必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成された汎用プロセッサを含む場合、汎用プロセッサは、異なる時間にそれぞれの異なるハードウェアモジュールとして構成されてもよい。したがって、ソフトウェアは、例えば、ある1つの時点では特定のハードウェアモジュールを形成するように、また異なる時点では異なるハードウェアモジュールを形成するように、プロセッサを構成してもよい。
【0074】
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し、他のハードウェアモジュールから情報を受け取ることができる。したがって、記載されたハードウェアモジュールは、通信可能に連結されていると見なされ得る。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合、通信は、ハードウェアモジュールを接続する信号伝送を通じて(例えば、適切な回路及びバスを介して)達成され得る。複数のハードウェアモジュールが異なる時間に構成又はインスタンス化される実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信は、例えば、複数のハードウェアモジュールがアクセスするメモリ構造内の情報の記憶及び取り出しを通じて達成されてもよい。例えば、1つのハードウェアモジュールは、ある動作を実施し、そのハードウェアモジュールが通信可能に連結されているメモリデバイス内にその動作の出力を記憶することができる。次いで、更なるハードウェアモジュールが後に、記憶された出力を取り出し、処理するために、メモリデバイスにアクセスすることができる。ハードウェアモジュールはまた、入力又は出力デバイスとの通信を開始することができ、リソース(例えば、情報の集合体)上で動作することができる。
【0075】
本明細書に記載される例示的方法の様々な動作は、少なくとも部分的に、関連する動作を実施するように一時的に構成された(例えば、ソフトウェアによって)又は永続的に構成された1つ以上のプロセッサによって実施されてもよい。一時的に構成されたか、又は永続的に構成されたかにかかわらず、このようなプロセッサは、1つ以上の動作若しくは機能を実施するように動作するプロセッサ実装モジュールを形成し得る。本明細書で言及されるモジュールは、いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサ実装モジュールを含み得る。
【0076】
同様に、本明細書に記載される方法又はルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサ実装され得る。例えば、ある方法の動作のうちの少なくともいくつかは、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装ハードウェアモジュールによって実施され得る。それらの動作の特定の性能は、1つ以上のプロセッサに分散されてもよく、単一のマシン内に存在するだけでなく、多数の機械にわたって展開されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサは、単一の場所(例えば、家庭環境、オフィス環境内に、あるいはサーバーファームとして)に配置されてもよく、他の実施形態では、プロセッサは、いくつかの場所にわたって分散されてもよい。
【0077】
それらの動作の特定の性能は、1つ以上のプロセッサに分散されてもよく、単一のマシン内に存在するだけでなく、多数の機械にわたって展開されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールが、単一の地理的位置(例えば、家庭環境、オフィス環境、又はサーバーファーム内)に配置されてもよい。他の例示的な実施形態では、1つ以上のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールが、多数の地理的位置にわたって分散されてもよい。
【0078】
特に明記しない限り、「処理する」、「算出する」、「計算する」、「判定する」、「提示する」、「表示する」などの単語を用いた本明細書における説明は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はこれらの組み合わせ)、レジスタ、又は情報を受信、記憶、送信、又は表示する他の機械構成要素内に物理的(例えば、電子的、磁気的、又は光学的)量として表現されるデータを操作又は変換する機械(例えば、コンピュータ)のアクション又はプロセスに関連し得る。
【0079】
本明細書全体を通した「一実施形態(one embodiment)」又は「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、本実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含められることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所における「一実施形態では(in one embodiment)」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではない。
【0080】
いくつかの実施形態は、その派生物と共に「連結された」及び「接続された」という表現を用いて説明され得る。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すために、「連結された」という用語を用いて説明され得る。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味し得る。実施形態は、この状況に限定されない。
【0081】
本明細書で使用するとき、「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語又はこれらの任意の他の変化形は、非排他的な包含に対応することを意図したものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されていないか、あるいはそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含み得る。更に、そうでない旨が明示的に記載されない限り、「又は、若しくは、あるいは(or)」は、包含的な「又は、若しくは、あるいは(or)」を指すものであり、排他的な「又は、若しくは、あるいは(or)」を指すものではない。例えば、条件A又はBは、Aが真であり(あるいは存在し)かつBが偽である(あるいは存在しない)こと、Aが偽であり(あるいは存在せず)かつBが真である(あるいは存在する)こと、並びに、AとBの両方が真である(あるいは存在する)こと、のうちのいずれか1つによって満足される。
【0082】
加えて、「a」又は「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは単に便宜上行われ、説明の一般的な意味を与えるものである。本明細書及び以下の特許請求の範囲は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形はまた、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0083】
この詳細な説明は例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、また、可能な全ての実施形態を説明することは不可能ではないとしても非現実的であるので、可能な全ての実施形態を説明するものではない。現在の技術又は本出願の出願日後に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替的な実施形態が実現され得る。本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【0084】
相互参照される又は関連する任意の特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するためのシステムであって、
電動歯ブラシと、
前記電動歯ブラシに電力を供給するように構成された充電ステーションと、を備え、
前記充電ステーションは、
通信インターフェースと、
1つ以上のプロセッサと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記1つ以上のプロセッサ、前記スピーカ、前記マイクロフォン、及び前記通信インターフェースに連結された非一時的コンピュータ可読メモリであって、命令が前記メモリ上に記憶され、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記マイクロフォンを介してユーザーから、前記電動歯ブラシに関する音声入力を受け取ることと、
前記スピーカを介して前記ユーザーに、前記電動歯ブラシに関連する音声出力を提供することと、を行わせるように装置されている、非一時的コンピュータ可読メモリと、を含み、
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記受け取られた音声入力を分析することと、
前記要求に基づいて、前記要求に関連する前記電動歯ブラシの電動歯ブラシデータ及びユーザーパフォーマンスデータを取得することと、
前記要求に対する音声応答を生成するために、前記要求に従って、前記電動歯ブラシの前記電動歯ブラシデータ及び前記ユーザーパフォーマンスデータを分析することと、
前記スピーカを介して、前記要求に対する前記音声応答を提供することと、を行わせるように更に装置されている、システム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、前記要求に基づいて前記電動歯ブラシの動作を調節することを行わせるように更に装置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記受け取られた音声入力を分析して前記ユーザーからの要求を判定するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記音声入力をテキスト入力に転記することと、
前記テキスト入力を一組の文法規則と比較することと、
前記比較に基づいて、複数の候補要求から要求を特定することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
各候補要求は、前記候補要求に対する前記音声応答を判定するか、又は前記電動歯ブラシに関連するアクションを実施するための1つ以上のステップに関連付けられる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の候補要求は、
前記電動歯ブラシの残りの充電量に関する第1の候補要求と、
電動歯ブラシハンドルに取り外し可能に取り付けられた電動歯ブラシヘッドの残りの推定寿命に関する第2の候補要求と、
前記ユーザーのブラッシングパフォーマンスに関連する第3の候補要求と、
前記電動歯ブラシが追加の充電を必要とするまでの残りのブラッシングセッションの数に関する第4の候補要求と、
前記電動歯ブラシをオン又はオフにするための第5の候補要求と、
前記電動歯ブラシのブラッシングモードを変更するための第6の候補要求と、のうちの少なくとも1つを含む、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記電動歯ブラシに関する音声出力を前記ユーザーに提供するために、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記通信インターフェースを介して、前記電動歯ブラシ内の1つ以上のセンサからセンサデータを取得することと、
前記電動歯ブラシの使用に関連する1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスを特定するために、前記センサデータを分析することと、
前記1つ以上のユーザーパフォーマンスメトリクスに基づいて、前記ユーザーに音声命令を提供することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記電動歯ブラシを包含するエリア内のノイズレベルの指標を取得することと、
前記ノイズレベルに従って前記スピーカの音量を調整することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、前記ノイズレベルに従って前記スピーカを介して提供される前記音声出力を遅延させることを行わせるように更に装置されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電動歯ブラシは、電動歯ブラシハンドルに取り外し可能に取り付けられた電動歯ブラシヘッドを含み、前記1つ以上のプロセッサは、前記命令のうちの1つ以上の実行において、前記充電ステーションに、
前記電動歯ブラシヘッドが使用されてきたブラッシングセッションの数の表示を取得することと、
前記電動歯ブラシヘッドが使用されてきたブラッシングセッションの数に基づいて、前記電動歯ブラシヘッドの残りの推定寿命を判定することと、
前記スピーカを介して、前記電動歯ブラシヘッドの残りの前記推定寿命の表示を含む前記音声出力を提供することと、を行わせるように更に装置されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
電動歯ブラシに関する音声アシスタンスを提供するための方法であって、
電動歯ブラシに電力を供給する充電ステーションにおいて、前記電動歯ブラシのユーザーからマイクロフォンを介した音声入力を受け取る工程と、
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記充電ステーションによって、前記受け取られた音声入力を分析する工程と、
前記充電ステーションによって、前記要求に応答するアクションを判定する工程と、
スピーカを介して前記要求に対する音声応答を提供すること、視覚的インジケータを提供すること、又は、前記要求に基づいて前記電動歯ブラシの動作を調整することにより、前記充電ステーションによって、前記要求に応答する前記アクションを実施する工程と、
前記要求に基づいて、前記要求に関連する前記電動歯ブラシの電動歯ブラシデータ及びユーザーパフォーマンスデータを取得する工程と、
前記要求に対する音声応答を生成するために、前記要求に従って、前記電動歯ブラシの前記電動歯ブラシデータ及び前記ユーザーパフォーマンスデータを分析する工程と、
前記スピーカを介して、前記要求に対する前記音声応答を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項11】
前記要求に応答する前記アクションを実施する前記工程は、1つ以上のプロセッサによって、前記ユーザーのクライアントデバイスに、前記要求に応答して情報を送信することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記要求に応答するアクションを判定することは、前記アクションを実行するために実施すべき1つ以上の工程を判定することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記アクションを実行するために実施すべき1つ以上の工程を判定することは、
前記電動歯ブラシの電動歯ブラシデータを取得することと、
前記電動歯ブラシの1つ以上の特性を特定するために、前記電動歯ブラシデータを分析することと、
前記特定された1つ以上の特性に基づいて前記ユーザーに音声命令を提供することと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザーからの要求を判定するために、前記受け取られた音声入力を分析することは、
前記音声入力をテキスト入力に転記することと、
前記テキスト入力を一組の文法規則と比較することと、
前記比較に基づいて、複数の候補要求から要求を特定することと、を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】