(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120325
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】チェックアウトシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q20/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098668
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2021202392の分割
【原出願日】2016-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 健太郎
(57)【要約】 (修正有)
【課題】買上登録および決済のための処理を効率的に行う。
【解決手段】チェックアウトシステムにおいて、POSサーバは、判定手段、決定手段及び制御手段としてのCPU並びに記憶手段(補助記憶ユニット)を備える。判定手段は、画像に基づいて買物客の位置を判定し、記憶手段は、決済情報を、当該決済情報が生成されたときに判定手段により判定された位置が商品登録装置の近辺に定められた登録時位置である買物客に関連付けて記憶し、決定手段は、複数の決済装置のそれぞれの決済時位置のうちの1つが買物客の位置として判定手段が判定したことに応じて、当該決済時位置が対応付けられた決済装置を、決済処理を実行すべき決済装置として決定し、制御手段は、決定手段が決定した決済装置が備える決済手段を、当該決済装置に対応付けられた決済時位置に位置する買物客に関連付けて、記憶手段に記憶された決済情報に基づく決済処理を実行するように制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
買上商品の決済のための決済情報を生成する生成手段を備えた商品登録装置と、
前記決済情報に基づいて前記決済のための決済処理を行う決済手段を備えた複数の決済装置と、
を含んだチェックアウトシステムであって、
前記商品登録装置及び前記複数の決済装置が含まれる撮像範囲を撮像した画像に基づいて買物客の位置を判定する判定手段と、
前記決済情報を、当該決済情報が生成されたときに前記判定手段により判定された位置が前記商品登録装置の近辺に定められた登録時位置である買物客に関連付けて記憶する記憶手段と、
前記複数の決済装置のそれぞれに対応付けて予め定められた決済時位置のうちの1つが買物客の位置として前記判定手段により判定されたことに応じて、当該決済時位置が対応付けられた前記決済装置を、決済処理を実行すべき決済装置として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された決済装置に備えられた決済手段を、当該決済装置に対応付けられた決済時位置に位置する買物客に関連付けて前記記憶手段に記憶された前記決済情報に基づく前記決済処理を実行するように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とするチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記商品登録装置及び前記決済装置と通信可能な情報処理装置をさらに備え、
当該情報処理装置が、前記判定手段、前記記憶手段、前記決定手段及び前記制御手段の少なくとも1つを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記決済装置は、
前記制御手段による制御の下に前記決済手段による決済処理を行うことが可能となった場合に、決済処理を開始することが可能であることを買物客に報知するための開始画面を表示する表示手段をさらに備え、
前記決済手段は、前記表示手段による前記開始画面の表示後に決済処理の開始が前記買物客により指示されたことに応じて決済処理を開始する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチェックアウトシステム。
【請求項4】
前記決定手段により決済処理を実行すべきとして決定された前記決済装置に対応付けて予め定められた決済時位置における前記買物客の存在が確認できなくなり、かつ決済処理が開始されていない場合に、前記決定手段による決定を解消する解消手段を、
さらに備えることを特徴とする請求項1-3のいずれか一項に記載のチェックアウトシステム。
【請求項5】
前記撮像範囲に関する画像を得る撮像手段を、
さらに備えることを特徴とする請求項1-4のいずれか一項に記載のチェックアウトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどにおける買上登録および決済のそれぞれの処理をそれぞれ異なる商品登録装置および決済装置で行うこととしたセミセルフタイプのチェックアウトシステムが知られている。このチェックアウトシステムでは、商品登録装置の操作が従業員により、また決済装置の操作が買物客によりそれぞれ行われる。
このようなシステムでは、決済処理のための決済情報を、商品登録装置から空き状態にある決済装置に対して転送するようになっている。このため、決済装置の全てが決済処理を実行中である場合には、決済情報を決済端末へと転送することができず、商品登録装置における買上登録の処理をも滞らせてしまうこととなる。
このような事情から、買上登録および決済のための処理を効率的に行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、買上登録および決済のための処理を効率的に行うことができるチェックアウトシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のチェックアウトシステムは、買上商品の決済のための決済情報を生成する生成手段を備えた商品登録装置と、決済情報に基づいて決済のための決済処理を行う決済手段を備えた複数の決済装置とを含む。そしてチェックアウトシステムはさらに、判定手段、記憶手段、決定手段及び制御手段を備える。判定手段は、商品登録装置及び複数の決済装置が含まれる撮像範囲に関する画像に基づいて買物客の位置を判定する。記憶手段は、生成された決済情報を、当該決済情報が生成されたときに判定手段により判定された位置が商品登録装置の近辺に定められた登録時位置である買物客に関連付けて記憶する。決定手段は、複数の決済装置のそれぞれに対応付けて予め定められた決済時位置のうちの1つが買物客の位置として判定手段により判定されたことに応じて、当該決済時位置が対応付けられた決済装置を、決済処理を実行すべき決済装置として決定する。制御手段は、決定手段により決定された決済装置に備えられた決済手段を、当該決済装置に対応付けられた決済時位置に位置する買物客に関連付けて記憶手段に記憶された決済情報に基づく決済処理を実行するように制御する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係るチェックアウトシステムの斜視図。
【
図2】
図1に示すチェックアウトシステムの要部回路構成を示すブロック図。
【
図3】
図2中のPOSサーバに備えられたCPUによる位置検出処理のフローチャート。
【
図4】
図2中の商品登録装置に備えられたCPUによる制御処理のフローチャート。
【
図5】
図2中のPOSサーバに備えられたCPUによるリスト更新処理のフローチャート。
【
図6】
図2中のPOSサーバに備えられたCPUによる配信処理のフローチャート。
【
図7】
図2中の決済装置に備えられたCPUによる制御処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るチェックアウトシステム10の斜視図である。
チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の商品登録装置11と、複数台の決済装置12と、少なくとも1台のカメラ13とを含む。
図1においては、2台の商品登録装置11、4台の決済装置12及び1台のカメラ13を含んだチェックアウトシステム10を示している。チェックアウトシステム10が、商品登録装置11、決済装置12及びカメラ13をそれぞれ何台含むかは任意であり、商品登録装置11と決済装置12との台数の比も任意である。商品登録装置11及び決済装置12は、スーパーマーケットなどの店舗のチェックアウトコーナーに設置される。なおカメラ13としては、防犯カメラなどを流用することもできる。この場合、カメラ13はチェックアウトシステム10には含まれない。
【0008】
商品登録装置11は、チェッカと呼ばれる役割を担った、上記店舗の従業員21が、その操作者となる。決済装置12は、上記の店舗で販売する商品を購入する買物客22が、その操作者となる。ただし、商品登録装置11の一部の操作が買物客22により行われる場合もある。また、決済装置12は、従業員により操作される場合もある。
商品登録装置11は、
図1においては、作業テーブル31に取り付けられている。複数の作業テーブル31が配置されることにより、買物客22用の通路を形成している。
商品登録装置11は、通路に進入してきた買物客が持参した商品を買上商品として登録する処理である買上登録を行う。
決済装置12は、商品登録装置11から決済情報が通知された場合に、当該決済情報に基づく決済処理を行う。
カメラ13は、例えばチェックアウトコーナーの天井に設けられ、チェックアウトコーナーの全域を俯瞰撮影する。カメラ13は、撮影を所定の時間間隔で繰り返し、画像データを繰り返し出力する。つまりカメラ13は、商品登録装置11及び決済装置12の全てが含まれる撮像範囲に関しての画像を得る。従って、カメラ13は撮像手段の一例である。
【0009】
図2はチェックアウトシステム10の要部回路構成を示すブロック図である。
チェックアウトシステム10は、商品登録装置11、決済装置12及びカメラ13の他に、POSサーバ14を含む。POSサーバ14は、上記店舗に備えられたいわゆる店舗サーバ、又は上記店舗を含んだ複数の店舗を総括する本部に備えられたいわゆる本部サーバである。POSサーバ14は、販売データを集計する。POSサーバ14はまた、商品登録装置11及び決済装置12で使用するデータを管理する。すなわちPOSサーバ14は、既存のPOSサーバと同様な機能を備える。POSサーバ14はさらに、商品登録装置11から決済装置12への決済情報の授受を仲介する。
【0010】
商品登録装置11、決済装置12、カメラ13及びPOSサーバ14は、いずれもLAN(local area network)15に接続されている。LAN15に代えて、インターネットなどの別の通信網を用いることもできる。かくして商品登録装置11及び決済装置12は、LAN15を介して、POSサーバ14と通信可能である。POSサーバ14は、LAN15を介してカメラ13と通信可能である。
【0011】
商品登録装置11は、CPU(central processing unit)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、補助記憶ユニット11d、ドロワ開放ユニット11e、スキャナ11f、タッチパネル11g、プリンタ11h、通信ユニット11i及び伝送システム11jを含む。
CPU11a、ROM11b、RAM11c及び補助記憶ユニット11dは、伝送システム11jにより接続されてコンピュータを構成する。
CPU11aは、上記のコンピュータの中枢部分に相当する。CPU11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、商品登録装置11としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
ROM11bは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。ROM11bは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM11bは、上記のミドルウェア及びアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。またROM11bは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM11cは、上記のコンピュータの主記憶部分に相当する。RAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM11cは、CPU11aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶ユニット11dは、上記のコンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット11dは、CPU11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11aでの処理によって生成されたデータを保存する。
【0012】
ドロワ開放ユニット11eは、貨幣を収容するためのドロワを自動的に開放する。
スキャナ11fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ11fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。
タッチパネル11gは、表示デバイス及びタッチセンサをそれぞれ含む。タッチパネル11gとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ11hは、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷することにより、レシートを発行する。
通信ユニット11iは、LAN15を介した通信を行う。
伝送システム11jは、商品登録装置11内の各部の間で授受されるデータを伝送する。
なお、商品登録装置11のハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末を利用することが可能である。
【0013】
決済装置12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、補助記憶ユニット12d、自動釣銭機12e、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、人感センサ12i、通信ユニット12j及び伝送システム12kを含む。
CPU12a、ROM12b、RAM12c及び補助記憶ユニット12dは、伝送システム12kにより接続されてコンピュータを構成する。そしてこのコンピュータは、商品登録装置11内で構成されたコンピュータと同様な機能により、決済装置12としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0014】
自動釣銭機12eは、投入される硬貨及び紙幣を収受する。また自動釣銭機12eは、釣銭としての硬貨及び紙幣を排出する。
スキャナ12fは、商品の情報を読み取って、当該商品の商品コードを得る。スキャナ12fとしては、周知の種々のタイプのものをそのまま利用できる。
タッチパネル12gは、表示デバイス及びタッチセンサを含む。タッチパネル12gとしては、周知のデバイスを利用できる。
プリンタ12hは、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷することにより、レシートを発行する。
人感センサ12iは、検出範囲内に人間が存在する場合にONとなる。人感センサ12iは、決済装置12の操作のために
図1に示されるように決済装置12の近傍に位置する買物客22を検出可能なように設けられる。人感センサ12iとしては、例えば赤外線センサなどの周知のデバイスを利用できる。
通信ユニット12jは、LAN15を介した通信を行う。
伝送システム12kは、決済装置12内の各部の間で授受されるデータを伝送する。
なお、決済装置12のハードウェアとしては、例えば既存のセルフPOS端末を利用することが可能である。
【0015】
POSサーバ14は、CPU14a、ROM14b、RAM14c、補助記憶ユニット14d、通信ユニット14e及び伝送システム14fを含む。
CPU14a、ROM14b、RAM14c及び補助記憶ユニット14dは、伝送システム14fにより接続されてコンピュータを構成する。そしてこのコンピュータは、商品登録装置11内で構成されたコンピュータと同様な機能により、POSサーバ14としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0016】
通信ユニット14eは、LAN15を介した通信を行う。
伝送システム14fは、POSサーバ14内の各部の間で授受されるデータを伝送する。
なお、POSサーバ14のハードウェアとしては、例えば既存の汎用のサーバ装置を利用することが可能である。
カメラ13は、LAN15を介して通信する機能を備える。カメラ13は、撮像により生成した画像データをPOSサーバ14に宛ててLAN15へと送出する。カメラ13としては、既存のネットワークカメラなどを利用できる。
【0017】
ROM11b,12b,14b又は補助記憶ユニット11d,12d,14dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。商品登録装置11、決済装置12又はPOSサーバ14の譲渡は一般的に、制御プログラムがROM11b,12b,14b又は補助記憶ユニット11d,12d,14dに記憶された状態にて行われる。しかし、商品登録装置11、決済装置12又はPOSサーバ14が、制御プログラムがROM11b,12b,14b又は補助記憶ユニット11d,12d,14dに記憶されない状態で譲渡されるとともに、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して制御プログラムが譲渡されても良い。この場合、例えばユーザによる操作に応じて、制御プログラムが補助記憶ユニット11d,12d,14d又は補助記憶ユニット11d,12d,14dに書き込まれる。リムーバブルな記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどが利用できる。
【0018】
次に、以上のように構成されたチェックアウトシステム10の動作について説明する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0019】
POSサーバ14が起動したときにCPU14aは、位置リストL1及び待ちリストL2をクリアする。その後、POSサーバ14が通常の動作状態となると、CPU14aは所定の開始タイミングとなる毎に、ROM14b又は補助記憶ユニット14dに記憶された制御プログラムに基づく位置検出処理を開始する。なおこの位置検出処理の開始タイミングは、一定の時間間隔毎のタイミングとすることが想定されるが、例えば当該制御プログラムの設計者などによって任意に定められて良い。
図3はCPU14aによる位置検出処理のフローチャートである。
【0020】
Act1においてCPU14aは、カメラ13が出力する画像データを取り込む。
Act2においてCPU14aは、Act1で取り込んだ画像データが表す画像に映り込んだ人間を抽出する。この処理には、周知の技術をそのまま適用できる。
Act3においてCPU14aは、Act2で抽出した人間の位置を判定する。CPU14aは、Act2で複数の人間を抽出できた場合は、当該複数の人間の位置をそれぞれ判定する。かくして制御プログラムに基づく位置検出処理をCPU14aが実行することによって、CPU14aを中枢部分とするコンピュータは、カメラにより得られた画像に基づいて買物客22の位置を判定する判定手段として機能する。
【0021】
Act4においてCPU14aは、Act2で抽出した人間の中に、新規に検出された人間が存在するか否かを確認する。具体的にはCPU14aは、Act2で抽出した人間のそれぞれが位置リストL1に登録済みであるか否かを確認する。位置リストL1は、過去に抽出した人間に対して付与した管理番号に関連付けて、その人間について最も新しく判定された位置を表す位置情報と、追跡情報とを記述したデータである。追跡情報は、Act2で抽出した人間が位置リストL1に登録済みの人間と同一であるかどうかを判断するために参照する情報である。追跡情報としてどのような情報を用いるかは任意であり、例えばCPU14aの制御プログラムの設計者などにより定められて良い。追跡情報としては例えば、上記の画像に映り込んだ服装などの特徴を表した情報、又は過去に検出された位置についての位置情報などを用いることが想定される。そしてCPU14aは、これまでに位置が判定されていたのとは別の人間を抽出しているならば、ここでYesと判定し、Act5へと進む。なお、同じ撮像範囲について繰り返し撮像された画像に映り込んでいる人間のそれぞれが同一であるかどうかを認識する技術は既に知られており、Act4の処理としてはこの周知の処理を利用することができる。
【0022】
Act5においてCPU14aは、新たに抽出された人間に対して、既に位置リストL1に記述されている管理番号とは別の管理番号を付与する。そしてCPU14aはこののち、Act6へと進む。なおCPU14aは、Act2で抽出した人間の全てが、位置リストL1に記述されている管理番号が付与された人間であるならば、Act4にてNoと判定し、Act5をパスしてAct6へと進む。
Act6においてCPU14aは、Act2で抽出した人間のそれぞれに関して判定した位置を表す位置情報が当該人間に付与された管理番号に関連付けて記述されるように位置リストL1を更新する。そしてCPU14aは、当該更新を終えたならば、今回の位置検出処理を終了する。なおCPU14aは、Act2で抽出されなかった人間のいずれにも付与されていない管理番号が位置リストL1に含まれるならば、当該管理番号及び当該管理番号に関連付けられた情報を位置リストL1から削除する。
かくしてPOSサーバ14は、カメラ13の撮像範囲内に存在する人間の位置を、当該人間に対して付与した管理番号に関連付けて位置リストL1にて管理する。従ってPOSサーバ14は、カメラ13の撮像範囲内に存在する人間を追跡している。
【0023】
商品登録装置11が、買上商品の登録処理を行うモードで起動されると、CPU11aは、ROM11b又は補助記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに従った制御処理を開始する。
図4はCPU11aによる制御処理のフローチャートである。
【0024】
Act11においてCPU11aは、初期化を行う。CPU11aは具体的には、RAM11c中に設定する登録商品テーブルをクリアする。登録商品テーブルは、買上登録が済んだ商品に関する情報を記述するためのデータテーブルである。
Act12においてCPU11aは、買上登録すべき商品の商品コードが取得されるのを待ち受ける。
【0025】
CPU11aは、
図4に示した制御処理とは別の周知の処理によって、従業員21による操作に基づいて商品コードを取得する。そしてCPU11aは、商品コードを取得したならば、Act12にてYesと判定し、Act13へと進む。
Act13においてCPU11aは、上記の取得した商品コードで特定される商品に関する情報を含むように、登録商品テーブルを更新する。
【0026】
Act14においてCPU11aは、一取引分の買上登録を締めることを宣言するための締め操作が行われたか否かを確認する。そしてCPU11aは、締め操作が行われていないためにNoと判定したならば、Act15へと進む。
Act15においてCPU11aは、商品コードが新たに取得されたか否かを確認する。そして商品コードが新たに取得されていないためにNoと判定したならば、Act14へと戻る。
かくしてCPU11aはAct14及びAct15においては、締め操作がなされるか、あるいは商品コードが新たに取得されるのを待ち受ける。そしてCPU11aは、商品コードを新たに取得したならば、Act15にてYesと判定し、Act13へと戻る。つまりCPU11aは、この新たに取得した商品コードを含むように登録商品テーブルを更新した上で、Act14及びAct15の待受状態に戻る。
従業員21が商品コードをCPU11aに取得させるための操作を繰り返せば、商品コードが登録商品テーブルに追加されて行く。そして従業員21は、一取引の対象となる全ての商品についての買上登録を終えたならば、タッチパネル11gにおける会計ボタンへのタッチなどの予め定められた締め操作を行う。CPU11aは、この締め操作が行われたことに応じてAct14にてYesと判定し、Act16へと進む。
Act16においてCPU11aは、この時点における登録商品テーブルの内容に基づいて、登録商品テーブルに記述された登録商品に関する決済のための決済情報を生成する。決済情報は、登録商品のリストなどのような決済金額を決定するために必要な情報を含む。決済情報は、買上商品の合計金額などのような、決済金額としてそのまま利用できる情報を含んでいても良い。かくして制御プログラムに基づいての制御処理をCPU11aが実行することによって、CPU11aを中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。
【0027】
Act17においてCPU11aは、決済情報を待ちリストL2に追加するための追加要求を行う。CPU11aは具体的には、Act12で生成した決済情報を含んだ要求情報を通信ユニット11iからPOSサーバ14に宛ててLAN15へと送出する。そしてCPU11aは、要求情報を送信し終えたならば、Act11に戻る。
要求情報がLAN15によりPOSサーバ14へと伝送されると、POSサーバ14の通信ユニット14eがこの要求情報を受信する。
【0028】
さてPOSサーバ14においてCPU14aは、前述した位置検出処理とは別に、ROM14b又は補助記憶ユニット14dに記憶された制御プログラムに基づくリスト更新処理を実行する。CPU14aは例えば、リスト更新処理を位置検出処理とは別タスクにより実行することにより、リスト更新処理を位置検出処理と同時に実行可能とする。
図5はCPU14aによるリスト更新処理のフローチャートである。
【0029】
Act21においてCPU14aは、商品登録装置11からの追加要求がなされたか否かを確認する。そしてCPU14aは、決済情報を含んだ要求情報が通信ユニット14eにより受信されていないならば、Noと判定してAct22へと進む。
Act22においてCPU14aは、後述する完了通知がなされているか否かを確認する。そしてCPU14aは、完了通知がなされていないためにNoと判定したならば、Act23へと進む。
Act23においてCPU14aは、後述するキャンセル通知がなされているか否かを確認する。そしてCPU14aは、キャンセル通知がなされていないためにNoと判定したならば、Act21へと戻る。
かくしてCPU14aはAct21~Act23においては、追加要求、完了通知又はキャンセル通知がなされるのを待ち受ける。そしてCPU14aは、決済情報を含んだ要求情報が通信ユニット14eにより受信されたならば、Act21にてYesと判定し、Act24へと進む。
Act24においてCPU14aは、要求情報に含まれた決済情報に基づく決済を行う買物客22に対して位置検出処理のために付与されている管理番号を取得する。具体的にはCPU14aは、要求情報を送信した商品登録装置11に関連付けて予め定められた在客範囲内である位置を示す位置情報を位置リストL1から検索する。そしてCPU14aは、該当する位置情報が見つかったならば、当該位置情報に関連付けて位置リストL1に含まれた管理番号を上記買物客22の管理番号として取得する。買上登録が行われている時に買物客22は、
図1に示されるように商品登録装置11の近傍に位置する。そこで、例えばチェックアウトシステム10の導入作業に際して、その作業者などがこのような位置を在客範囲として定める。従って、当該在客範囲内の位置が、商品登録装置11の近辺に定められた登録時位置に相当する。
【0030】
Act25においてCPU14aは、要求情報に含まれた決済情報を、補助記憶ユニット14dの待ちリストL2に追加する。待ちリストL2は、決済情報、管理番号及び決済状態情報を含んだデータレコードの集合である。決済状態情報は、同じデータレコードに含まれた決済情報を用いた決済処理がいずれかの決済装置12で行われる状態にあるか否かを表す情報である。決済状態情報は、単純にはフラグであって良い。しかしながら決済状態情報としては、該当の決済情報を用いた決済処理を行う状態にある決済装置12の識別情報、あるいはその他の任意の情報を含むか否かにより上記の状態を表しても良い。CPU11aは具体的には、要求情報に含まれた決済情報と、Act24で取得した管理番号と、決済処理を行う状態に無いことを示す決済状態情報とを含んだ新たなデータレコードを待ちリストL2に追加する。かくして補助記憶ユニット14dは、決済情報を、当該決済情報が生成されたときに商品登録装置の近辺に定められた登録時位置に存在する買物客に関連付けて記憶するのであり、記憶手段に相当する。
CPU14aはこの後、Act21~Act23の待ち受け状態に戻る。
【0031】
従業員21は、商品登録装置11からPOSサーバ14への決済情報の送信を終えてから、買物客22が空いている決済装置12へと移動し、その決済装置12で決済を行うように、買物客22に対して案内する。
買物客22が商品登録装置11の近辺からいずれかの決済装置12の近辺へと移動する。このときに、その買物客22の移動に伴って、当該買物客22に付与された管理番号に位置リストL1にて関連付けられた位置情報が、前述した位置検出処理により更新される。
【0032】
ところでPOSサーバ14においてCPU14aは、前述した位置検出処理及びリスト更新処理とは別に、所定の開始タイミングとなる毎に、ROM14b又は補助記憶ユニット14dに記憶された制御プログラムに基づく配信処理を開始する。なおこの配信処理の開始タイミングは、一定の時間間隔毎のタイミングとすることが想定されるが、例えば当該制御プログラムの設計者などによって任意に定められて良い。CPU14aは例えば、配信処理を位置検出処理及びリスト更新処理とは別タスクにより実行することにより、リスト更新処理を位置検出処理及びリスト更新処理と同時に実行可能とする。
図6はCPU14aによる配信処理のフローチャートである。
【0033】
Act31においてCPU14aは、変数Nの値を0にクリアする。
Act32においてCPU14aは、変数Nの値を1つ増加させる。
Act33においてCPU14aは、変数Nの値が予め定められた最大値Nmaxよりも大きいか否かを確認する。最大値Nmaxは、チェックアウトシステム10に含まれる決済装置12の数として、例えば前述の作業者によって定められる。そしてCPU14aは、変数Nの値が最大値Nmax以下であるためにNoと判定したならば、Act34へと進む。
Act34においてCPU14aは、N番の決済装置12に人間が近接中であるか否かを確認する。具体的にはCPU14aは、N番の決済装置12に関連付けて予め定められた在客範囲内である位置を示す位置情報を位置リストL1から検索する。そしてCPU14aは、該当する位置情報が見つかったならばAct34にてYesと判定し、Act35へと進む。なお、決済装置12にはそれぞれ、1番からNmax番までの番号が、例えば前述の作業者によって設定される。また決済が行われる時に買物客22は、
図1に示されるように決済装置12の近傍に位置する。そこで、例えば前述の作業者などがこのような位置を決済装置12のそれぞれについて在客範囲として定める。従って、当該在客範囲内の位置が、決済装置12のそれぞれに対応付けて定められた決済時位置に相当する。
【0034】
Act35においてCPU14aは、N番の決済装置12が決済情報を待ち受けている状態であるか否かを確認する。なおCPU14aは、各決済装置12がどのような動作状態にあるかは、例えば該当の決済装置12に問い合わせることにより認識することができる。そしてCPU14aは、N番の決済装置12が決済情報を待ち受けている状態であるにためにYesと判定したならば、Act36へと進む。
Act36においてCPU14aは、N番の決済装置12に送信すべき決済情報があるか否かを確認する。具体的にはCPU14aは、N番の決済装置12の在客範囲内である位置を示す位置情報に関連付けられている管理番号を位置リストL1から取得し、その管理番号に待ちリストL2で関連付けられている決済情報があるか否かを確認する。そしてCPU14aは、該当する決済情報があるためにYesと判定したならば、Act37へと進む。
Act37においてCPU14aは、Act36で該当すると判定した決済情報を、N番の決済装置12に宛てて通信ユニット14eからLAN15へと送出する。かくしてCPU14aは、複数の決済装置12のそれぞれに対応付けて予め定められた決済時位置のうちの1つが買物客の位置として判定されたならば、当該決済時位置が対応付けられた決済装置12を、決済処理を実行すべき決済装置12として決定している。従って制御プログラムに基づく配信処理をCPU14aが実行することによって、CPU14aを中枢部分とするコンピュータは、決定手段として機能する。
Act38においてCPU14aは、待ちリストL2においてAct37で送出した決済情報と同じデータレコードに含まれた決済状態情報を決済処理中であることを示す状態に変更する。こののちにCPU14aは、Act32以降の処理を繰り返す。
【0035】
なおCPU14aは、N番の決済装置12に関連付けて予め定められた在客範囲内である位置を示す位置情報が位置リストL1から見つからなかった場合は、Act34にてNoと判定する。CPU14aは、N番の決済装置12が決済情報を待ち受けている状態ではない場合は、Act35にてNoと判定する。またCPU14aは、N番の決済装置12の在客範囲内である位置を示す位置情報に位置リストL1にて関連付けられている管理番号が待ちリストL2には含まれていないならば、Act36にてNoと判定する。そしてこれらの場合にCPU14aは、Act37を実行すること無く、Act32以降の処理を繰り返す。かくしてCPU14aは、チェックアウトシステム10に含まれる全ての決済装置12を順次に対象としてAct33~Act37の処理を繰り返す。
これにより、全ての決済装置12に関してAct33~Act37の処理を終えた後にAct32をCPU14aが実行したならば、変数Nの値は最大値Nmaxよりも大きくなる。そしてCPU14aはこの場合は、Act33でYesと判定し、
図6に示す配信処理を終了する。
【0036】
一方、決済装置12が起動されると、CPU12aは、ROM12bまたは補助記憶ユニット12dに記憶された制御プログラムに従った制御処理を開始する。
図7はCPU12aによる制御処理のフローチャートである。
【0037】
Act41においてCPU12aは、決済情報が受信されるのを待ち受ける。
ところで買物客22は、従業員21による前述の案内に応じて、空いている決済装置12の近辺に移動する。そうすると、当該決済装置12への買物客22の近接がPOSサーバ14により検出されることとなり、当該決済装置12に宛ててPOSサーバ14から決済情報が送出される。この決済情報がLAN15により上記の決済装置12へと伝送されると、当該決済装置12の通信ユニット12jがこの決済情報を受信し、RAM12c又は補助記憶ユニット12dに保存する。
CPU12aは、このようにして決済情報が受信されたならばAct41にてYesと判定し、Act42へと進む。
Act42においてCPU12aは、タッチパネル12gに開始画面を表示させる。開始画面は、決済の開始が可能であることを買物客22に報知するものである。開始画面は例えば、当該決済装置12に近接した買物客22の決済を行うことが可能である旨を表した文字メッセージと、決済の開始を買物客22が指示するための開始ボタンを表す。かくして制御プログラムに基づく制御処理をCPU12aが実行することによって、CPU12aを中枢部分とするコンピュータとタッチパネル12gとの協働によって表示手段としての機能が実現される。
【0038】
Act43においてCPU12aは、開始操作がなされたか否かを確認する。そしてCPU12aは、決済の開始を指示するための買物客22による操作がなされていないためにNoと判定したならば、Act44へと進む。
Act44においてCPU12aは、人感センサ12iがOFFであるか否かを確認する。そしてCPU12aは、人感センサ12iがONであるためにNoと判定したならば、Act43へと戻る。
かくしてCPU12aはAct43及びAct44においては、開始操作がなされるか、あるいは人感センサ12iがOFFとなるのを待ち受ける。
【0039】
CPU12aは、開始画面に表された開始ボタンをタッチするなどの開始操作がなされたためにAct43にてYesと判定したならば、Act45へと進む。
Act45においてCPU12aは、タッチパネル12gに決済画面を表示させる。決済画面は、上記の受信された決済情報に基づいての決済を行うための買物客22による操作を受け付けるものである。決済画面は例えば、決済情報に示された合計金額を少なくとも表す。また決済画面は、合計個数や買上商品のリストを含んでも良い。また、複数の決済方法での決済を許容するのならば、決済画面は決済方法を買物客22が選択するためのボタンなどを含む。
Act46においてCPU12aは、決済のための買物客22による操作がなされるのを待ち受ける。
買物客22は、前述の決済画面上で決済のための操作を行う。そしてCPU12aは、このようにして決済のための操作が行われ、これがタッチパネル12gにより検出されたならば、Act46にてYesと判定し、Act47へと進む。
Act47においてCPU12aは、決済処理を実行する。ここでの決済処理は、買物客22による操作に応じて、RAM12cまたは補助記憶ユニット12dに保存された決済情報に示された取引を決済するための処理である。ここでの決済処理は例えば、既存のセルフPOS端末などで行われている処理をそのまま適用できる。かくして制御プログラムに基づいての制御処理をCPU12aが実行することによって、CPU12aを中枢部分とするコンピュータは決済手段として機能する。
なおCPU12aは、決済金額として使用する金額が決済情報に示されているならば、その金額を決済するための処理として上記の決済処理を行う。しかしながらCPU12aは、決済金額として使用する金額が決済情報に示されないならば、決済金額を算出する処理を実行する。このようにCPU12aが決済金額を算出するならば、決済装置12は会計装置とも称される。
【0040】
このように、POSサーバ14から決済情報を受けた決済装置12では、当該決済情報に基づく決済処理を実行する。つまり決済装置12へと決済情報を送信することは、当該決済情報に基づく決済処理を実行するように決済装置12を制御することに相当する。従って、POSサーバ14にてCPU14aが
図6に示す配信処理を実行することによって、CPU14aを中枢部分とするコンピュータは制御手段として機能する。
【0041】
Act48においてCPU12aは、プリンタ12hを制御し、RAM12c又は補助記憶ユニット12dに保存された決済情報に示された情報、あるいは上記の決済処理の結果を表したレシートを発行する。
Act49においてCPU12aは、POSサーバ14に対して完了通知を行う。具体的にはCPU12aは、当該完了通知のために定められた完了情報を通信ユニット12jからPOSサーバ14に宛ててLAN15へと送出する。そしてCPU12aはこののち、Act41の待ち受け状態に戻る。
【0042】
さて、商品登録を終えた買物客22が決済装置12に一旦近接したのち、開始操作を行うこと無く当該決済装置12から離れた場合は、人感センサ12iがOFFとなる。CPU12aはこの場合に、Act44にてYesと判定し、Act50へと進む。
Act50においてCPU12aは、POSサーバ14に対してキャンセル通知を行う。具体的にはCPU12aは、当該キャンセル通知のために定められたキャンセル情報を通信ユニット12jからPOSサーバ14に宛ててLAN15へと送出する。そしてCPU12aはこののち、Act41の待ち受け状態に戻る。
【0043】
完了情報又はキャンセル情報がLAN15によりPOSサーバ14へと伝送されると、POSサーバ14の通信ユニット14eがこの完了情報又はキャンセル情報を受信する。そしてCPU14aは、完了情報が通信ユニット14eにより受信されたことに応じて
図5中のAct22でYesと判定し、Act26へと進む。
Act26においてCPU14aは、完了情報を送信した決済装置12へと送信されていた決済情報を含んだデータレコードを待ちリストL2から削除する。なおCPU14aは例えば、完了情報を送信した決済装置12に関連付けて予め定められた在客範囲内である位置を示す位置情報に位置リストL1で関連付けられた管理番号を含むデータレコードを削除対象とする。あるいはCPU14aは、決済状態情報が決済装置の識別情報を示すならば、完了情報を送信した決済装置12の識別情報を示す決済状態情報を含んだデータレコードを削除対象とする。そしてCPU14aはこののち、Act21~Act23の待ち受け状態に戻る。
【0044】
CPU14aは、キャンセル情報が通信ユニット14eにより受信されたことに応じてAct23でYesと判定し、Act27へと進む。
Act27においてCPU14aは、キャンセル情報を送信した決済装置12へと送信されていた決済情報とともに待ちリストL2のデータレコードに含まれた決済状態情報を、決済処理が行われない状態にあることを示すように変更する。なおCPU14aは、上述したように削除対象とするデータレコードを決定する方法と同様にして変更する決済状態情報を含むデータレコードを決定する。
【0045】
ここで、各決済装置12についての在客範囲をその決済装置12に設けられた人感センサ12iの検出範囲とほぼ一致させておけば、決済時位置における買物客の存在が確認できない場合に、CPU12aによる
図7中のAct44での確認でYesと判定される。そしてこの場合にCPU14aは上記のように決済状態情報を変更することで、決済処理を実行すべきとしての決定を解消することになる。かくして制御プログラムに基づくリスト更新処理をCPU14aが実行することによって、CPU14aを中枢部分とするコンピュータは解消手段として機能する。
なおCPU14aはこののち、Act21~Act23の待ち受け状態に戻る。
【0046】
以上のようにチェックアウトシステム10によれば、次のような効果が達成される。
商品登録装置11では、一取引分の買上登録が済み、決済情報をPOSサーバ14の待ちリストL2に追加したならば、その決済情報に基づく決済が完了するのを待つこと無しに、速やかに別の取引に関する買上登録を開始することが可能である。また買物客22は、空いている決済装置12へと移動し、開始画面において開始操作を行うことにより、決済を任意の決済装置12で速やかに開始することが可能である。従って、買上登録および決済のための処理を効率的に行うことができる。
【0047】
従業員21は、決済情報の転送先を選択する必要が無いので、それを必要とする場合に比べて従業員21の作業負担は小さい。
買物客22は、決済に用いる決済装置12を自由に選択できるので、それが従業員21又はチェックアウトシステム10によって決められてしまう場合に比べて、買物客22にとっての利便性が高い。
【0048】
POSサーバ14では、買物客22の位置に基づき決済情報を転送する決済装置12を特定するので、その特定のために決済情報の識別コード又は決済情報自体を記録した記録媒体を用いる場合に比べて、従業員21及び買物客22にとっての利便性が高い。
【0049】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
位置検出処理は、CPU11a又はCPU12aが実行しても良い。
【0050】
商品登録装置11は、自らが生成した決済情報の待ちリストを補助記憶ユニット11dに保持しておくようにしても良い。すなわちこの場合は、補助記憶ユニット11dが記憶デバイスとして機能する。そして買物客22が近接した決済装置12への決済情報の配信を、商品登録装置11においてCPU11aの処理の下に実行しても良い。なおこの場合、決済装置12への買物客22の近接の検出は、CPU11a,12a,14aのいずれで行われても良い。当該検出をCPU12a又はCPU14aが実行する場合は、決済装置12又はPOSサーバ14から商品登録装置11へと決済情報の送信を指令する。
【0051】
決済情報の待ちリストを商品登録装置11又はPOSサーバ14が保持することとしながら、決済装置12が、自らの決済装置12への買物客22の近接に応じての決済処理の開始を、CPU12aの制御の下に実行しても良い。なおこの場合、決済装置12への買物客22の近接の検出は、CPU11a,12a,14aのいずれで行われても良い。そして決済装置12においてCPU12aは、自らの決済装置12に近接した買物客22に関する決済情報を商品登録装置11又はPOSサーバ14から取得する。
【0052】
商品登録装置11は、複数の決済装置12の全てに決済情報を送信しても良い。そしてこの場合に決済装置12はそれぞれ、補助記憶ユニット12dに待ちリストL2を保持する。すなわちこの場合は、補助記憶ユニット12dが記憶デバイスとして機能する。そして決済装置12への買物客22の近接に応じての決済処理の開始を、CPU12aの制御の下に実行しても良い。なおこの場合、決済装置12への買物客22の近接の検出は、CPU11a,12a,14aのいずれで行われても良い。当該検出をCPU11a又はCPU14aが実行する場合は、商品登録装置11又はPOSサーバ14から決済装置12へと決済処理の開始を指令する。
【0053】
商品登録装置11及び決済装置12のそれぞれに、買物客の顔を撮影するカメラを備えても良い。また、商品登録装置11で買物客の顔を撮影して得られた画像を例えば買物客の管理番号に関連付けて保存しておく。そして当該画像と決済装置12で買物客22を撮影して得られた画像とを照合することにより、位置検出処理により検出した買物客の位置に基づく決済装置12への買物客の近接検知が適正に行われているか否かを確認しても良い。商品登録装置11で得られた画像は、商品登録装置11、決済装置12及びPOSサーバ14のいずれで保持されても良い。また上記の確認処理は、CPU11a,12a,14aのいずれで行われても良い。
【0054】
待ちリストL2を記憶する記憶デバイスは、商品登録装置11、決済装置12及びPOSサーバ14以外の任意の情報処理装置に備えられても良い。ただし、当該情報処理装置は、商品登録装置11及び決済装置12との通信が可能なものとする。
【0055】
CPU11a、CPU12a又はCPU14aが実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10…チェックアウトシステム、11…商品登録装置、12…決済装置、13…カメラ、14…POSサーバ、11a,12a,14a…CPU、11b,12b,14b…ROM、11c,12c,14c…RAM、11d,12d,14d…補助記憶ユニット、11g,12g…タッチパネル、12i…人感センサ、L1…位置リスト、L2…待ちリスト。