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特開2023-120335周波数変調連続波光を検出および距離測定のためのスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120335
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】周波数変調連続波光を検出および距離測定のためのスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20230822BHJP
   G01S 17/34 20200101ALI20230822BHJP
   G02F 1/313 20060101ALN20230822BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S17/34
G02F1/313
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023099361
(22)【出願日】2023-06-16
(62)【分割の表示】P 2021557916の分割
【原出願日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】62/845,149
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/845,147
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,528
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,536
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/849,807
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/940,790
(32)【優先日】2019-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520437397
【氏名又は名称】アワーズ テクノロジー リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
(72)【発明者】
【氏名】ホセイニ・アミール
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存のLiDARシステムの用例では、かさばり、コストがかかり、信頼性が低い。
【解決手段】FMCW LiDARトランシーバは、入力ポート、光アンテナ、光スイッチ、スプリッターおよびミキサーを含む。光スイッチは、入力ポートを光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成する。1つの光アンテナを向けたそれぞれの光経路についてスプリッターが光経路に沿って結合される。スプリッターは、レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割し、反射した信号の一部であるリターン信号を出力する。送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、光アンテナを介して反射した信号として受信される。各スプリッターについてミキサーは、リターン信号と局部発振器信号を受信し、リターン信号と局部発振器信号を混合して出力信号を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光集積回路(Photonic Integrated Circuit)上に実装された周波数変調連続波(FMCW)LiDARトランシーバであって、前記光集積回路は、
周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成された入力ポートと、
複数の光アンテナと、
前記入力ポートを前記光アンテナにスイッチング可能に結合し、前記入力ポートと前記光アンテナとの間に光経路を形成するように構成された光スイッチと、
前記入力ポートから前記光アンテナのうち、1つの光アンテナを向けた各光経路について前記光経路に沿って結合されたスプリッター-前記スプリッターは、
前記レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割するが、前記送信された信号は、前記光アンテナを介して放出され、前記送信された信号の反射は、前記光アンテナを介して反射した信号として受信されるようにし、
前記反射した信号の一部であるリターン信号を出力するように構成される-と、
それぞれのスプリッターについて前記スプリッターから前記リターン信号および前記局部発振器信号を受信するように結合されたミキサー-前記ミキサーは、前記トランシーバの視野についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するために、前記リターン信号および前記局部発振器信号を混合するように構成される-と、を含むFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項2】
それぞれのスプリッターについて、前記スプリッターと前記光アンテナとの間の前記光経路に沿って結合された偏光アセンブリをさらに含み、前記偏光アセンブリは、
前記送信された信号を形成するように第1導波管からの光信号を結合し、
第1偏光を有するように前記送信された信号を偏光させ、
リターン信号を形成するように前記第1偏光に直交する第2偏光に基づいて前記反射した信号を偏光させ、
光検出のために前記リターン信号を第2導波管に結合するように構成される請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項3】
前記FMCW LiDARトランシーバは、前記複数のアンテナのそれぞれについての個別スプリッターを含み、それぞれのスプリッターは、前記光スイッチと対応するアンテナとの間の前記光経路に沿って結合される請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項4】
前記FMCW LiDARトランシーバは、前記入力ポートと前記光スイッチとの間に結合された1つのスプリッターのみを含む請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項5】
前記複数のアンテナの配列は、標準アレイ、線形アレイ、および長方形のアレイを含むグループから選択される請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項6】
前記1つ以上の出力信号は、それぞれのリターン信号について直交位相出力信号(Quadrature Output Signal)および同位相の出力信号(In-phase Output Signal)を含む請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項7】
前記光スイッチは、
前記周波数変調されたレーザー信号を少なくとも2つの光経路の間で分割する受動光スプリッターを含む請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項8】
前記光スイッチは、
前記周波数変調されたレーザー信号を少なくとも2つの光経路のうち、いずれか1つにのみスイッチング可能に結合する能動光スプリッターを含む請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項9】
前記光スイッチは、複数の能動光スプリッターを含む請求項8に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項10】
前記光スイッチは、前記FMCW トランシーバのスキャニング期間中に一度に1つずつ前記周波数変調されたレーザー信号をそれぞれの光アンテナに光学的に結合する請求項1に記載のFMCW LiDARトランシーバ。
【請求項11】
周波数変調連続波(FMCW)LiDARシステムであって、
光集積回路(Photonic Integrated Circuit)上に実装されたFMCW LiDARトランシーバを含むLiDARチップと、
レンズと、を含み、
前記光集積回路は、
周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成された入力ポートと、
複数の光アンテナと、
前記入力ポートを前記光アンテナにスイッチング可能に結合し、前記入力ポートと前記光アンテナとの間に光経路を形成するように構成された光スイッチと、
前記入力ポートから前記光アンテナのうち、1つの光アンテナを向けた各光経路について前記光経路に沿って結合されたスプリッター-前記スプリッターは、
前記レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割するが、前記送信された信号は、前記光アンテナを介して放出され、前記送信された信号の反射は、前記光アンテナを介して反射した信号として受信されるようにし、
前記反射した信号の一部であるリターン信号を出力するように構成される-と、
それぞれのスプリッターについては、前記スプリッターから前記リターン信号および前記局部発振器信号を受信するように結合されたミキサー-前記ミキサーは、FMCW LiDARの視野についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するために前記リターン信号および前記局部発振器信号を混合するように構成される-と、を含み、
前記レンズは、前記複数のアンテナを介して放出された前記送信された信号をコリメートするように位置し、
前記レンズは、また、前記反射した信号を受信し、前記反射した信号を前記放出する光アンテナに結合するように位置するFMCW LiDARシステム。
【請求項12】
それぞれのスプリッターについては、前記スプリッターと前記光アンテナとの間の前記光経路に沿って結合された偏光アセンブリをさらに含み、前記偏光アセンブリは、
前記送信された信号を形成するように第1導波管からの光信号を結合し、
第1偏光を有するように、前記送信された信号を偏光させ、
リターン信号を形成するように前記第1偏光に直交する第2偏光に基づいて前記反射した信号を偏光させ、
光検出のために前記リターン信号を第2導波管に結合するように構成される請求項11に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項13】
前記送信された信号を第1線偏光から円偏光に変換するように、前記放出された送信された信号の光経路に沿って位置し、前記反射した信号を円偏光から前記第1線偏光に直交する第2線偏光に変換するように構成される1/4波長板をさらに含む請求項12に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項14】
前記レンズは、
前記複数のアンテナのうち、第1アンテナから放出された送信された信号を前記FMCW LiDARシステムの視野の対応する部分に投影し、
前記送信された信号の反射を前記第1アンテナに提供するように構成される請求項11に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項15】
前記複数の光アンテナは、線形アレイで配列され、前記レンズは、1つの角度次元(Dimension)に沿って、前記トランシーバの視野をスキャンするコリメートされた送信された信号を生成する請求項11に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項16】
前記FMCW LiDARシステムは、前記1つの角度次元に沿って5度以上の視野を有する請求項15に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項17】
前記送信された信号を前記FMCW LiDARシステムの視野内で第2次元(Dimension)でスキャンするように構成されたスキャニングミラーをさらに含み、前記第2次元は、前記1つの角度次元に直交する請求項15に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項18】
前記FMCWは、複数の送信された信号が前記FMCW LiDARシステムの視野の一部を2つの次元でスキャンするように、前記複数のアンテナから前記複数の送信された信号を放出するように構成される請求項11に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項19】
前記2つの次元は、第1次元および第2次元であり、前記スキャンモジュールの視野は、前記第1次元に沿って5度以上であり、前記第2次元に沿って5度以上である請求項18に記載のFMCW LiDARシステム。
【請求項20】
前記FMCW LiDARシステムは、前記FMCW LiDARシステムの視野にわたって毎秒少なくとも100Kポイントを目指しするように構成される請求項11に記載のFMCW LiDARシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、その文献の内容全体が参照として含まれている2019年3月29日付出願の米国臨時特許出願第62/826、528号、2019年3月29日付出願の米国臨時特許出願第62/826、536号、2019年5月8日付出願の米国臨時特許出願第62/845、147号、2019年5月8日付出願の米国臨時特許出願第62/845、149号、2019年5月17日付出願の米国臨時特許出願第62/849、807号、2019年11月26日付出願の米国臨時特許出願第62/940、790号の35U.S.C.§119(e)による優先権を主張する。
【0002】
本開示内容は、概括的に周波数変調連続波(FMCW)光検出および距離測定(ライダ、LiDAR)に関するものであって、より具体的には、FMCW LiDAR用スイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイに関するものである。
【背景技術】
【0003】
既存のLiDARシステムは、レーザービームを誘導するために機械的移動部品を使用する。また、多数の用例(例、自動車)では、かさばり、コストがかかり、信頼性が低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
FMCW LiDARトランシーバは、光集積回路(PIC、Photonic Integrated Circuit)に実装される。FMCW LiDARトランシーバは、スイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイを介して、少なくとも1次元で光学ビームステアリングを実行する。一部の実施形態において、FMCW LiDARトランシーバは、アレイ(例えば、線形アレイ、2次元アレイなど)で配列された複数のFMCW LiDARトランシーバを含むLiDARチップの一部である。FMCW LiDARトランシーバおよび/またはLiDARチップは、FMCW LiDARシステムの一部であり得る。FMCW LiDARシステムは、トランシーバの視野についての深さ情報(例えば、トランシーバの視野内のオブジェクトまでの距離、オブジェクトの速度など)を決定する。
【0005】
一部の実施形態において、FMCW LiDARトランシーバは、1つ以上のサブアレイを含む。サブアレイは、入力ポート、光スイッチ、複数のスプリッター、複数のミキサー、および複数のアンテナを含み得る。入力ポートは、周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成される。光スイッチは、入力ポートを光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。入力ポートから光アンテナのうち、1つの光アンテナを向けたそれぞれの光経路について、複数のスプリッターのうち、いずれか1つのスプリッターが光経路に沿って結合される。それぞれのスプリッターは、レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割するように構成される。送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、光アンテナを介して反射した信号として受信される。スプリッターは、反射した信号の一部であるリターン信号も出力する。それぞれのスプリッターについて、複数のミキサーのうち、いずれか1つのミキサーがスプリッターからリターン信号および局部発振器信号を受信するように結合される。ミキサーは、トランシーバの視野についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するように、リターン信号と局部発振器信号を混合するように構成される。
【0006】
一部の実施形態において、FMCW LiDARシステムは、LiDARチップを含む。LiDARチップは、光集積回路に実装されたFMCW LiDARトランシーバを含む。光集積回路は、1つ以上のサブアレイを含む。サブアレイは、入力ポート、光スイッチ、複数のスプリッター、複数のミキサー、複数のアンテナを含み得る。入力ポートは、周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成される。光スイッチは、入力ポートを光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。入力ポートから光アンテナのうち、1つに向けたそれぞれの光経路について、複数のスプリッターのうち、いずれか1つのスプリッターが光経路に沿って結合される。それぞれのスプリッターは、レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割するように構成される。送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、光アンテナを介して反射した信号として受信される。スプリッターは、反射した信号の一部であるリターン信号も出力する。それぞれのスプリッターについて、複数のミキサーのうち、いずれか1つのミキサーが結合されてスプリッターからリターン信号および局部発振器信号を受信する。ミキサーは、リターン信号と局部発振器信号を混合し、FMCW LiDARシステムの視野についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するように構成される。FMCW LiDARシステムは、また複数のアンテナを介して放出された送信された信号をコリメートするように配置されたレンズを含む。レンズは、また反射した信号を受信し、反射した信号を放出する光アンテナに結合するように配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示内容の実施形態は、添付図面の例に関連して取られるときに、以下の詳細な説明および添付された特許請求の範囲からより確実に明らかになる他の利点および特徴を有し、図面において、
【0008】
図1】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイFMCW LiDARチップの概略図を例示する。
図2a】1つ以上の実施形態による4つのバージョンのコヒーレントピクセルを例示する。
図2b】1つ以上の実施形態による4つのバージョンのコヒーレントピクセルを例示する。
図2c】1つ以上の実施形態による4つのバージョンのコヒーレントピクセルを例示する。
図2d】1つ以上の実施形態による4つのバージョンのコヒーレントピクセルを例示する。
図3a】多重コヒーレントピクセルの間に光コヒーレント検出ブロックが共有される1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイを例示する。
図3b】多重コヒーレントピクセルの間に光コヒーレント検出ブロックが共有される1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイを例示する。
図3c】多重コヒーレントピクセルの間に光コヒーレント検出ブロックが共有される1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイを例示する。
図4a図1および図3aの能動光スイッチの例を示す。
図4b図1および図3aの能動光スイッチの例を示す。
図4c図1および図3aの能動光スイッチの例を示す。
図5a】1つ以上の実施形態によってスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイがFMCW LiDAR動作のために光ビームを誘導する方法を例示する。
図5b】1つ以上の実施形態によってスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイがFMCW LiDAR動作のために光ビームを誘導する方法を例示する。
図5c】1つ以上の実施形態によってスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイがFMCW LiDAR動作のために光ビームを誘導する方法を例示する。
図6】1つ以上の実施形態によって線形に配列された複数の並列FMCW LiDARトランシーバを有するLiDARチップを例示する。
図7a】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイベースのFMCW LiDARシステムにおける機械的に支援(Assist)されるレーザービームスキャニングの例を示す。
図7b】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイベースのFMCW LiDARシステムにおける機械的に支援(Assist)されるレーザービームスキャニングの例を示す。
図7c】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイベースのFMCW LiDARシステムにおける機械的に支援(Assist)されるレーザービームスキャニングの例を示す。
図8】1つ以上の実施形態によってFMCW LiDARシステムの性能を改善するために光の2つの偏光を用いる第1実施形態のコヒーレントピクセルのダイヤグラムを示す。
図9】1つ以上の実施形態によってFMCW LiDARシステムの性能を改善するために光の2つの偏光を用いる第2実施形態のコヒーレントピクセルのダイヤグラムを示す。
図10】1つ以上の実施形態によってFMCW適用のための焦点面アレイにおけるコヒーレントピクセルを使用する方法を示す。
図11a】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイについての電気配線方式を例示する。
図11b】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイについての電気配線方式を例示する。
図11c】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイについての電気配線方式を例示する。
図11d】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイについての電気配線方式を例示する。
図12】1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイベースのFMCW LiDARシステムのシステムダイヤグラムを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
FMCW LiDARシステムは、システムの視野についての深さ情報(例えば、1つ以上のオブジェクトについての距離、速度、加速度)を決定する。FMCW LiDARシステムは、LiDARチップ(例えば、光集積回路)上のスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイ(SCPA)を使用する。LiDARチップは、LiDARチップに1つ以上のFMCWトランシーバを含み得る(例えば、各FMCWトランシーバは、LiDARシステムの視野内で異なる角度視野を担当し得る)。FMCW LiDARシステムは、FMCWビームを信号部分と混合部分に分割する。信号部分は、レンズアセンブリを介して調節され、FMCW LiDARシステムの視野内に出力される。信号部分は、視野にある1つ以上のオブジェクトから反射して反射した信号を形成し、該当信号部分の反射は、FMCW LiDARシステムによって検出される。反射した信号の一部は、ビームの混合部分と混合されてFMCW LiDARシステムの視野内の1つ以上のオブジェクトの距離と速度を直接測定する。
【0010】
FMCW LiDARシステムトランシーバは、光集積回路上に実装される。光集積回路は、1つ以上の基本的な機能のサブアレイを含む。各サブアレイは、入力ポート、光スイッチ、複数のスプリッター、複数のミキサー、および複数のアンテナを含む。入力ポートは、周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成される。周波数変調されたレーザー信号は、トランシーバの外部にあるか、あるいは場合によって、光集積回路と同じチップ上にあり得る。光スイッチは、入力ポートを光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。一部の実施形態において、光スイッチは、周波数変調されたレーザー信号をFMCWトランシーバのスキャニング期間中に一度に1つずつ光アンテナのそれぞれに光学的に結合する。
【0011】
入力ポートから光アンテナのうち、1つの光アンテナを向けたそれぞれの光経路について、複数のスプリッターのうち、いずれか1つのスプリッターが光経路に沿って結合される。それぞれのスプリッターは、レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信された信号に分割するように構成される。送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、光アンテナを介して反射した信号として受信される。スプリッターは、反射した信号の一部であるリターン信号も出力する。それぞれのスプリッターについて、複数のミキサーのうち、いずれか1つのミキサーがスプリッターからリターン信号および局部発振器信号を受信するように結合される。ミキサーは、リターン信号と局部発振器信号を混合して1つ以上の出力信号を生成するように構成される。混合によるビートトーン(Beat Tone)の周波数は、LiDARシステムから光反射表面までの距離に比例する。1つ以上の出力信号は、LiDARシステムの視野についての深さ情報を決定するのに使用される。深さ情報は、LiDARシステムの視野内の様々な表面までの距離を記述し、LiDARシステムの視野内のオブジェクトの速度を記述する情報も含み得る。
【0012】
LiDARチップは、LiDARシステムから放出された光を少なくとも1次元で誘導できるという点に留意するべきである。また、一部の実施形態において、光アンテナは、LiDARチップが光ビームを2次元で誘導できるように2次元で配列される。可動部品がなく、ビームを誘導できれば、多数の既存の機械駆動式LiDARシステムで発見されるフォームファクタ(Form Factor)、コスト、および信頼性の問題が緩和され得る。
【0013】
図1は、1つ以上の実施形態によるスイッチング可能なコヒーレントピクセルアレイ(SCPA)FMCW LiDARチップ11の概略図を示す。LiDARチップは、光集積回路である。チップは、複数の基本的な機能のサブアレイ100を含み得る。各サブアレイ100は、光入力/出力(I/O)ポート102および選択的な1-K光スプリッター103(Kは整数)および1つ以上のSCPA101を含む。1-K光スプリッター103は、受動型または能動型であり得る。それぞれの光I/Oは、オフ-チップ(Off-Chip)またはオン-チップ(On-Chip)レーザーによって提供される周波数変調光源によって供給される。光I/Oの数を減らすために選択的な1-K光スプリッターを介して光パワーがオン-チップに分配され得る。例示された実施形態において、1-K光スプリッター103のそれぞれの出力は、対応するSCPA101に供給される。例示された実施形態において、それぞれのSCPA101は、M個のコヒーレントピクセル105(Mは整数)および光スイッチネットワーク104を含む。一部の場合に1つ以上の光スイッチネットワーク104、選択的な1-K光スプリッター103、またはこれらの一部の組み合わせは、単に光スイッチといえるものであることに留意するべきである。光スイッチは、入力ポート102をコヒーレントピクセル内の光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。光スイッチは、複数の能動光スプリッターを含み得る。一部の実施形態において、光スイッチは、周波数変調されたレーザー信号をFMCWトランシーバのスキャニング期間中に一度に1つずつ光アンテナのそれぞれに光学的に結合する。
【0014】
光スイッチネットワーク104は、距離測定および検出のために周波数変調された(FM)光を送受信するように、M個のコヒーレントピクセルのうち、1つ以上を選択する。コヒーレントピクセルは、チップに物理的に1次元アレイ(例えば、線形アレイ)または2次元アレイ(例えば、長方形、標準形(例えば、グリッドのような非-ランダム配列))で配列され得る。一部の実施形態において、選択されたコヒーレントピクセルは、光を自由空間内に送信し、復帰する光信号を受信し、コヒーレント検出を実行し、光信号を電気信号に直接変換してデジタル信号処理を行い得る。受信された光信号は、検出できるようにスイッチネットワークを介して再び伝播する代わりに、(例示された実施形態に示されていないが)出力が個別にルーティングされることによって、損失を低減し、それに応じて、信号の品質を向上させることに留意するべきである。
【0015】
図2aないし図2dは、1つ以上の実施形態による4つのバージョンのコヒーレントピクセルを例示する。4つのバージョンのコヒーレントピクセルは、例えば、図1における前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。図2aおよび図2bにおいて、光スイッチネットワーク(例えば、光スイッチネットワーク104)からの光がコヒーレントピクセルの光入力ポート203に提供される。双方向の光2×2スプリッター202は、光を2つの出力ポートに分割し、TX信号205および局部発振器206(LO)と呼ばれる。TX信号205は、光アンテナ200を使用してチップから送信される。光アンテナは、格子カプラー、エッジカプラー、統合反射器、または任意のスポットサイズ変換器のように、オン-チップ導波管から自由空間に光を放出するか、または自由空間からオン-チップ導波管に光を結合する装置である。光アンテナは、通常、1つの特定偏光(例えば、TE)を有する光について、はるかに高い放出/結合効率を有する偏光感度を有し得る。アンテナは、相互型であるため、被測定オブジェクトから反射したビームを収集し、これを双方向の2×2スプリッター202に戻し、当該スプリッターは、これを再びポート203、204の間に分割する。双方向の光2×2スプリッター202は、送信機と受信機が一緒に配置されたこのようなモノスタティック(Monostatic)構成において、「擬似サーキュレーター(Pseudo Circulator)」として機能する。ポート204およびLO206で受信された信号は、図2aのような平衡(Balanced)2×2光結合器201または図2bのような光ハイブリッド209であり得る光ミキサーによるコヒーレント検出のために混合される。最後に、図2aの一対のフォトダイオード207(PD)と図2bの4つのPDは、ビートトーン検出のために光信号を電気信号に変換する。図2aのバージョンは、平衡フォトダイオード(BPD)のバージョンと呼ばれ、図2bのバージョンは、ハイブリッドバージョンと呼ばれる。ハイブリッドバージョンは、FMCW LiDARシステムにおいて、速度-距離の曖昧さを解決したり、高級なDSPアルゴリズムを可能にするために使用できる同位相および直交位相(In-Phase and Quadrature)出力(I/Q)を提供する。双方向の光2×2スプリッターを「擬似サーキュレーター」として使用すると、数百個のピクセルがある大規模アレイに非実用的なすべての単一ピクセルごとの個別サーキュレーターを提供する必要はない。したがって、(一部の誘導された光パワーがコヒーレント検出に使用できないため)コヒーレントピクセルは、最大6dBの信号対雑音比(SNR)ペナルティコストおよびフォームファクタを大幅に減らすことができる。例えば、受信された光信号は、ポート203とポート204との間で分割されることができるが、前記後者のポート204は、コヒーレント検出に使用される。図2cおよび図2dに例示されたコヒーレントピクセル設計は、新しい構造に偏光分割アンテナ210を導入することによって、これらの制限を解決する。光スイッチネットワークからの光は、コヒーレントピクセルの光入力ポート203に提供される。光スプリッター212は、光をTX信号215および局部発振器214(LO)という2つの出力ポートに分割する。TX信号215は、1つの偏光(例えば、TM)を有する偏光分割光アンテナ210を使用してチップから直接送信される。アンテナは、測定オブジェクトから反射したビームを収集し、直交偏光(例えば、TE)を導波管213に結合し、これを光ミキサーに直接送信する。この場合、アンテナによって受信した光信号は、追加のスプリッターまたは「擬似サーキュレーター」によってこれ以上分割されない。ポート213とLO214から受信された信号は、図2cのような平衡2×2光結合器201または図2dのような光ハイブリッド209であり得る光ミキサーによるコヒーレント検出のために混合される。最後に、図2cの一対のフォトダイオード207(PD)と図2dの4つのPDがビートトーン検出のために光信号を電気信号に変換する。この設計は、すべての単一コヒーレントピクセルについて、高効率の統合サーキュレーターを実装し、超高感度のオン-チップモノスタティックFMCW LiDARを可能にする。その詳細は、図8ないし図10でさらに論ずる。一部の実施形態において、図1の側面における図2aないし図2dのコヒーレントピクセルは、複数の光アンテナのそれぞれが別のスプリッターを有し、それぞれのスプリッターは、光スイッチと対応するアンテナの間のそれぞれの光経路に沿って結合するように構成される。
【0016】
図3aないし図3cは、多重コヒーレントピクセルの間で光コヒーレント検出ブロックが共有される1つ以上の実施形態によるSCPAを例示する。図3aに示すように、チップ11は、複数の基本的な機能のサブアレイ100を含み得る。各サブアレイ100は、光I/Oポート102、選択的な1-K光スプリッター103、および1つ以上のSCPA101を含む。各光学I/Oは、オフ-チップまたはオン-チップレーザーによって提供される周波数変調光源によって供給される。光パワーは、光I/Oの数を減らすために選択的な1-K光スプリッター103を介してオン-チップに分配され得る。1-K光スプリッターのそれぞれは、N列(Nは整数)のうち、1つを選択する選択的な1-N光スイッチネットワーク107に供給される。各列は、コヒーレント受信機ブロック306を含む。光スイッチネットワーク104は、距離測定および検出のために周波数変調された(FM)光を送受信するためにM個(Mは整数)のアンテナ105のうち、1つをさらに選択する。アンテナは、チップに1次元アレイ(例えば、線形アレイ)または2次元アレイ(例えば、長方形アレイ、標準形アレイなど)で物理的に配列され得る。この設計において、選択されたアンテナは、光を自由空間に送信し、返された光信号を受動的に受信する。光混合および光-電気変換を含むコヒーレント検出機能は、コヒーレント受信機ブロック306で実行される。
【0017】
一部の場合において、1つ以上の光スイッチネットワーク104、1-N光スイッチネットワーク107、またはこれらの一部の組み合わせを単に光スイッチといえることに留意するべきである。光スイッチは、入力ポート102を光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。
【0018】
図3bおよび図3cは、「擬似サーキュレーター」を使用し、図2aおよび図2cのコヒーレントピクセルブロックと同様に動作するコヒーレント受信機ブロック(例えば、コヒーレント受信機ブロック306)の例である。図1の方式とは異なり、受信された光信号は、コヒーレント受信機ブロック306から検出されるように、再び1-Mスイッチネットワークを介して伝播する。図1のSCPAと比較して、この設計は、フォトダイオードの数を大幅に減少させて電気出力の数を減らし、電気ルーティングおよび/またはパッケージングを簡素化する。また、ピクセルサイズが大幅に減少されてピクセル間のピッチがより小さくなり、FMCW LiDARの解像度がより高くなり得る。
【0019】
一部の実施形態において、図3の様態における図3bおよび図3cのコヒーレント受信機ブロックには、それぞれの光スイッチネットワーク104について入力ポートと対応する光スイッチネットワーク104の間に結合された1つのスプリッター202のみが存在する。
【0020】
図4aないし図4cは、図1および図3aの能動光スイッチ104の例を示す。バイナリツリースイッチネットワーク(Binary Tree Switch Network)とその個別スイッチセル401が図4aに例示されている。50/50光スプリッター400は、制御信号403および404を用いて、各アーム(Arm)の位相を調整する2つの光位相シフタ402に供給を行う。光スイッチの電気的制御は、2つの制御装置を使用したプッシュプル(Push-Pull)方式であるか、または1つの制御装置のみを使用した断片方式(Single-Sided)であり得る。2つのアームの光信号は、光2×2結合器405を使用して結合される。制御信号に応じて、補強(相殺)干渉が発生し、光が2つの出力の間でスイッチングされる。光位相シフタ402は、熱-光位相シフタまたは電気-光位相シフタであり得るが、これに限定されるものではない。図4bに示すように、スイッチネットワークは、マイクロリング共振器410(MRR)のアレイで実装することもできる。MRRは、デバイスの共振周波数がレーザー波長と整列する場合にのみ、メインバス導波管から光信号をピックアップする。電気制御信号は、アレイでMRRの共振を設定するため、FM信号が送受信される出力ポートを選択する。同様に、スイッチネットワークは、図4cに示すように、マイクロ電子機械システム(MEMS)スイッチのアレイで実装されることもできる。MEMSスイッチは、メインバス導波管の光を誘導するように構成されるため、FM信号が送受信される出力ポートを選択する。
【0021】
図5aないし図5cは、1つ以上の実施形態によってSCPAがFMCW LiDAR動作のために光ビームを誘導する方法を例示する。この例において、単一SCPAベースのLiDARトランシーバ501が例示に使用される。LiDARトランシーバ501は、FMCW光源入力502、光スイッチネットワーク503、コヒーレントピクセルセル504、および1つ以上の光アンテナ505を含む。LiDARトランシーバ501は、例えば、図1および図3aを参照として前述したFMCW LiDARチップ11であり得る。また、コヒーレントピクセルセル504は、例えば、図1に関連して前述したコヒーレントピクセル105であり得る。また、一部の実施形態において、コヒーレントピクセルセル504は、図3aの要素で構成され得る(例えば、コヒーレント受信機304は、1つ以上の光アンテナおよびこれらの間の対応する光経路を含む)。
【0022】
例示された実施形態において、LiDARトランシーバ501の光アンテナは、レンズシステム507の焦点距離に配置される。レンズシステム507は、それぞれのコヒーレントピクセルの物理的な位置を固有の方向にマッピングする1つ以上の光学要素(例えば、ポジティブレンズ、フリーダムレンズ、フレネルレンズなど)を含む。一部の実施形態において、レンズシステム507は、複数のアンテナを介して放出された送信された信号をコリメートするように位置する。レンズシステム507は、複数のアンテナのうち、いずれか1つのアンテナから放出された送信された信号をスキャナモジュールの視野の対応する部分に投影し、送信された信号の反射信号をアンテナに提供するように構成される。それぞれの光アンテナは、異なる角度で光を送受信する。したがって、他のアンテナにスイッチングすることによって、図5bおよび図5cに示すように、個別光ビームスキャニングが達成される。FMCW LiDARの場合、レーザービーム508が視野内のターゲット509を横切ってスキャンし、LiDARトランシーバ501のコヒーレントピクセルが電気信号を生成し、これらの信号は、その後にデジタル処理されてLiDARポイントクラウドを生成する。一部の実施形態において、レンズシステム507は、(例えば、図5bおよび図5cに示されたように)1つの角度次元に沿ってトランシーバ視野をスキャンするコリメートされた送信された信号を生成する。
【0023】
図5aないし図5cに示すように、コヒーレントピクセルセル504は、線形アレイで配列される。しかし、他の実施形態において、コヒーレントピクセルセル504は、一部の他の配列(例えば、2次元、長方形など)を有し得る。一部の実施形態において、2次元の配列を使用して複数のアンテナから複数の送信された信号を放出することができるため(図12に関連して後述するように)、複数の送信された信号は、スキャナモジュールの視野の一部を2つの次元でスキャンすることに留意するべきである。例えば、スキャニングは、第1次元および第2次元で行われ、スキャナモジュールの視野は、第1次元に沿って5度以上であり、第2次元に沿って5度以上である。
【0024】
図6は、1つ以上の実施形態によって線形に配列された複数の並列FMCW LiDARトランシーバ501を有するLiDARチップ606を例示する。例示されたように、LiDARチップ606は、線形アレイで配列された8つのFMCW LiDARトランシーバ501を含む。しかし、他の実施形態において、FMCW LiDARトランシーバ501は、一部の他の配列(例えば、2次元、長方形など)を有し得る。それぞれのSCPAは(図面で、各点線の端の小さな両面矢印で表示される)、対応する視野角または角度FoV(Field-of-View)にわたってレンズシステム607の支援と同時にそして独立して光608を放出および受信する。各SCPAは、特定の角度FoVをカバーしてLiDARチップ606を含むFMCW LiDARシステムについて特定のピクセル速度を提供する。Z個の並列FMCW LiDARトランシーバ501は、Z倍のより大きい角度FoVをカバーすることができ、Z倍のより速いピクセル速度を提供することができるが、ここで、Zは、整数である。高性能のFMCW LiDARシステムでは、広いFoVと高速ピクセル速度が重要であり得る。
【0025】
図7aないし図7cは、1つ以上の実施形態によるSCPAベースのFMCW LiDARシステムにおける機械的に支援されているレーザービームスキャニングの例を示す。図7aにおいて、光子チップ606およびレンズシステム607の両方が回転プラットフォーム701上に装着される。光子チップ606は、LiDARチップ606、LiDARトランシーバ501、またはこれらの一部の組み合わせの実施形態であり得る。例示された実施形態において、光子チップ606は、第1次元で(例えば、垂直)で固体状態のスキャニングを達成することができ、回転プラットフォーム701は、直交する第2次元(例えば、水平)で360度を達成することができる。図7bにおいて、光子チップ606およびレンズシステム607は、固定されており、レーザービームは、可動ミラー702(例えば、ガルボミラー(Galvo Mirror))によって誘導される。図7cにおいて、光子チップ606およびレンズシステム607は、固定されており、レーザービームは、回転するポリゴン(Polygon)ミラー703によって誘導される。可動ミラー702および/またはポリゴンミラー703は、一般的にスキャニングミラーといえる。また、スキャニングミラーは(図12に関連して後述するように)、スキャナモジュールの視野内で第2次元でビーム(送信された信号)をスキャンするように構成され、第2次元は、1つの角度次元に直交する。
【0026】
光子チップ606は、全固体(All-Solid-State)ビームステアリングを達成することができ、一部の場合には、2次元であり得るが(例えば、2次元アレイで配列された光アンテナ)、FMCW LiDARの全視野およびアドレス指定可能な位置は、前記の例で説明したように、機械装置の支援で大幅に向上することができる。
【0027】
図8は、1つ以上の実施形態によってFMCW LiDARシステムの性能を改善するために光の2つの偏光を用いる第1実施形態のコヒーレントピクセル813のダイヤグラムを示す。レーザーから発生する入力光801は、コヒーレントピクセルに入射され、スプリッター802とも呼ばれるX/(1-X)スプリッター802によって分割される。光のX%は、スプリッターの上部ポートから出射してTX信号を構成し、光の(1-X)%は、スプリッターの下部ポートから出射して局部発振器(LO)信号を構成する。システムパラメータによって、最適な分割比率が選択され得る。TX信号は、偏光アセンブリ820に受信される。例示された実施形態において、偏光アセンブリ820は、偏光スプリッター803および偏光に鈍感な(Polarization-Insensitive)自由空間カプラー804を含む。しかし、他の実施形態において、例えば、図9に関連して後論するように、偏光スプリッター803および偏光に鈍感な自由空間カプラー804は、単一偏光-分割垂直チップ-自由空間カプラーに置き換えられる。偏光スプリッター803は、横方向電気(TE)および横方向磁気(TM)偏光を分離する偏光板(Polarizer)とも呼ばれる。例として、図1の入力光は、TE-偏光され得る。この概念を変更せずにTM-偏光された光を使用できる。TX信号光は、TE偏光された光であるため、光は、偏光スプリッター803右側の上部ポートに結合される。TM-偏光された光は、偏光スプリッター803右側の下部ポートを介して出射される。偏光スプリッター803から出射されるTX信号は、先行光学回路813のTEフィールドと一致する線偏光を有する自由空間光ビーム805を生成する偏光に鈍感な自由空間カプラー804に入射される。偏光に鈍感な自由空間カプラー804は、光アンテナの一例である。例えば、偏光に鈍感な自由空間カプラーは、垂直格子、エッジカプラー(例えば、逆テーパー型導波管)、または傾斜型反射器であり得る。自由空間ビーム805は、線偏光を円偏光807に変換する1/4波長板806を介して伝播する。円偏光807は、所定の距離にわたって伝播し、これは、LO信号に比べて光を遅延させる。このビームは、ターゲット表面808から反射し、反射した光ビーム809を生成する。表面特性に応じて、これらの反射したビームは、円偏光を維持したり、偏光をランダム化し得る。反射した光ビーム809は、自由空間を介して逆に伝播し、1/4波長板806を介して2次に伝播する。反射したビーム809が円偏光を維持した場合、送信されたビーム810は(発信元の送信および受信光回路813について)、TM偏光を有することになる。反射したビーム809がランダム化した偏光を有する場合、送信されたビーム810は、ランダムな偏光を有するものであろう。送信されたビーム810は、再びコヒーレントピクセル813に結合され、偏光スプリッター803の上部右側のポートに再度伝播する。受信された光ビームがTM偏光された場合、すべての光は、偏光スプリッター803の下部左側のポートに結合される。受信されたビームがランダムに偏光される場合、名目上の光パワーの半分が下部左側のポートに結合される。803の下部左側のポートに結合された光は、遅延した受信信号とLO信号を混合する2-入力パワー光ミキサー811に入射される。光ミキサーは、FMCWシステムによって解釈される1つ以上の電気信号812を生成する。1/4波長板の除去は、偏光を維持するターゲット表面についてのシステム性能にのみ影響を及ぼし、この概念の基本原理には影響を及ぼさない。
【0028】
偏光アセンブリ820は、例えば、第1導波管(例えば、802)からの光信号を結合して送信された信号を形成し、送信された信号を第1偏光を有するように偏光させ、リターン信号を形成するように第1偏光に直交する第2偏光に基づいて(804を介してインカップリングされる)反射信号を偏光させ、光検出のために(例えば、811に向かう)リターン信号を第2導波管に結合するように構成され得る。
【0029】
コヒーレントピクセル813は、例えば、コヒーレントピクセル105であり得る。コヒーレントピクセル813は、また図2aを参照として前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。同様に、コヒーレントピクセル813は、また図2bを参照として前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。例えば、双方向の光2×2スプリッター202は、X/(1-X)スプリッター802および偏光スプリッター803に置き換えられ、光アンテナ200は、偏光に鈍感な自由空間カプラー804に置き換えられる。また、例えば、LiDARトランシーバに関連して、各X/(1-X)スプリッターについて、偏光スプリッターは、スプリッターと光アンテナとの間の光経路に沿って結合される。また、偏光スプリッターは、送信された信号を第1偏光(例えば、TE)を有するように偏光させ、反射した信号を偏光させて第1偏光に直交する第2偏光(例えば、TM)を有するリターン信号を形成するように構成される。
【0030】
図9は、1つ以上の実施形態によってFMCW LiDARシステムの性能を改善するために、2つの偏光を用いる第2実施形態のコヒーレントピクセル912のダイヤグラムを示す。第2実施形態は、図8の偏光アセンブリ820内の偏光スプリッター803および自由空間カプラー804が図9に示されたような単一の偏光-分割垂直チップ-自由空間カプラー903に置き換えられる点を除いて、第1実施形態と実質的に類似している。この自由空間カプラーは、左入力からTE光を受けてTE偏光を有する自由空間ビーム904を生成する。一方、カプラーに入射されるTM光は、光ミキサー910に接続された光デバイスの下部ポートに結合される。901、902、904、905、906、907、908、909、910、および911に指定された本第2実施形態によるシステムの残りの部分の機能および/または構造は、801、802、805、806、807、 808、809、810、811、および812と実質的に同じである。
【0031】
図9において、偏光アセンブリ820および偏光-分割垂直チップ-自由空間カプラー903の機能が同じであることに留意するべきである。偏光アセンブリ820は、例えば、第1導波管(例えば、902)からの光信号を結合して送信された信号を形成し、送信された信号を第1偏光を有するように偏光させ、第1偏光に直交する第2偏光に基づいて(903を介してインカップリングされる)反射信号を偏光させてリターン信号を形成し、光検出のために(例えば、910に向かう)リターン信号を第2導波管に結合するように構成される。
【0032】
コヒーレントピクセル912は、例えば、コヒーレントピクセル105であり得る。コヒーレントピクセル912は、また図2cを参照として前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。同様に、コヒーレントピクセル912は、また図2dを参照として前述したコヒーレントピクセルの実施形態であり得る。例えば、光スプリッター212は、X/(1-X)スプリッター902に置き換えられ、偏光分割アンテナ210は、単一偏光-分割垂直チップ-自由空間カプラー903に置き換えられる。
【0033】
図10は、1つ以上の実施形態によってFMCW適用のための焦点面アレイ(FPA)でコヒーレントピクセルを使用する方法を示す。図10のコヒーレントピクセルは、例えば、コヒーレントピクセル813および/またはコヒーレントピクセル912であり得る。FPAは、コヒーレントピクセルを使用してビームステアリング装置を形成する。図10において、M個の入力導波管1001に入射される光は、M×Nスプリッター1002によってN個の出力導波管1003の間で分割され、ここで、MとNは整数である。N個の出力導波管は、コヒーレントピクセル1004のアレイに接続される。このアレイは、1次元ビームステアリングまたは2次元ビームステアリングが必要であるかどうかに応じて、1次元または2次元であり得る。それぞれのコヒーレントピクセル1005は、光を円偏光1008に変換する1/4波長板1007を介して伝播するTE-偏光された光1006を放出する。円偏光は、1つ以上のレンズ要素で構成されるレンズ1009を通過する。このレンズは、光の空間分布された円偏光ビームを傾斜した円偏光の光ビーム1010に変換する。レンズの出力角度は(例えば、ビームを放出したコヒーレントピクセル1005の位置に部分的に決定される)、入力ビームの位置およびレンズ1009に依存してビームステアリング動作を可能にする。傾斜したビームは、ターゲット1011から反射する。拡散反射光は、同じ角度1012でレンズ側に復帰する。この反射光は、ターゲットの特性に応じて、その円偏光を維持したり、ランダムに偏光され得る。反射した光ビームは、ビームの角度をFPAの特定位置にマッピングするレンズ1009を逆に通過する。送信されたビーム1013は、1/4波長板1007を逆に通過する。反射光がその円偏光を維持すると、送信された光1014は、TM-偏光される。反射した光がランダムに偏光されると、送信された光1014は、ランダム偏光を有するようになる。送信された光1014の通過は、前述したように、光を電気信号に変換するコヒーレントピクセル1004のアレイに再び結合される。
【0034】
図11aないし図11dは、1つ以上の実施形態によるSCPAについての電気配線方式を例示する。電気配線方式は、LiDARトランシーバの光子チップについての電気I/Oの数を大幅に減らすことができる。方式1は、図11aおよび図11bに例示される。方式2は、図11cおよび図11dに例示される。この例において、各スイッチに1つの電気制御信号とコヒーレントピクセルアレイがあり、それぞれのコヒーレントピクセルに2つの電気出力(例えば、I/Q信号)がある1-8の3-ステージバイナリツリースイッチネットワークが例示される。方式1において、同じステージにあるスイッチが電気的に一緒に接続される。3つのスイッチ制御信号だけで、LiDARシステムは、8つのコヒーレントピクセルのうちの任意のピクセルの間でスイッチングできる。コヒーレントピクセルから出力されたすべてのI出力信号は、1つの共有出力(RX_I)として一緒に接続され、すべてのQ出力信号は、他の共有出力(RX_Q)として一緒に接続される。1つのコヒーレントピクセルだけがスイッチネットワークによって活性化されれば、残りのコヒーレントピクセルは、光をその送信機信号またはそのLO信号としてほとんど受光しない。したがって、共有出力は、隣接するピクセルからの混線(Crosstalk)がほとんどない活性化されたピクセルからの正確な信号を示す。この例において、方式1は、トータル7つのスイッチ入力と16個のコヒーレントピクセル出力について、I/O信号の数を最小5つに減少させる。電気的I/Oの減少は、SCPAのスケールが増加し、および/または並列SCPAの数が増加するにつれて、さらに重要になる。方式2において、2つ以上のコヒーレントピクセルが光の同時送受信のために選択され得る。図11cにおいて、スイッチ制御信号とコヒーレントピクセル出力信号は、1-8のバイナリスイッチネットワークの上部および下部の半分の間で分割され、5つのスイッチ制御と4つの受信機出力を生成する。動作中に、第1スイッチは、2つの出力で50/50分割比を有するように制御され、1-8スイッチツリーの上部および下部の半分に均一な光パワーを伝達する。ツリーの上部および下部の半分についての独立した制御および読み取り能力を通じて、上部の半分から1ピクセルおよび下部の半分から1ピクセルが同時に活性化できる。方式2は、通常のバイナリモードで第1スイッチステージを作動して方式1に適用でき、第1スイッチステージの分割割合を任意に制御することもできるため、一部のハードウェアのコストでより柔軟かつ潜在的にソフトウェア定義されるビームスキャニングオプションを提供する。
【0035】
図12は、1つ以上の実施形態によるSCPAベースのFMCW LiDARシステムのシステムダイヤグラムを例示する。スキャナモジュール1201は、単一または複数のFMCWトランシーバチャネルを有するSCPA LiDARチップ1205と1つ以上の光学要素を含んでいるレンズシステム1203を含む。一部の実施形態において、レンズシステム1203は、レンズシステム507の一実施形態である。
【0036】
SCPA LiDARチップ1205は、1つ以上の光集積回路として実装される1つ以上の周波数変調連続波(FMCW)LiDARトランシーバを含む。トランシーバ用光集積回路は、入力ポート、複数の光アンテナ、光スイッチ、複数のスプリッターおよび複数のミキサーを含み得る。
入力ポートは、周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成される。光スイッチは、入力ポートを光アンテナにスイッチング可能に結合し、入力ポートと光アンテナとの間に光経路を形成するように構成される。入力ポートから光アンテナのうちの1つの光アンテナを向けたそれぞれの光経路については、スプリッターが光経路に沿って結合される。スプリッターは、レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号および送信された信号に分割し-ここで、送信された信号は、光アンテナを介して放出され、送信された信号の反射は、反射した信号として光アンテナを介して受信される-、反射した信号の一部であるリターン信号を出力するように構成される。それぞれのスプリッターについては、スプリッターからリターン信号および局部発振器信号を受信するようにミキサーが結合され、当該ミキサーは、LiDARシステムの視野(スキャナモジュール1201の視野とも呼ばれる)についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するためにリターン信号および局部発振器信号を混合するように構成される。
【0037】
一部の実施形態において、レンズシステム1203は、1つ以上の角度次元(例えば、方位角または高度)に沿ってスキャナモジュール1201の視野をスキャンするコリメートされた送信された信号を生成する。スキャナモジュール1201は、1つの角度次元に沿って5度以上の視野を有する。また、光アンテナ(例えば、長方形の格子)の2次元配列を有する実施形態において、複数の光学アンテナからの信号は、スキャナモジュール1201の視野内で2つの次元でスキャンされることができる。例えば、第1次元および第2次元でスキャニングが行われるが、スキャナモジュール1201の視野は、第1次元に沿って5度以上であり、第2次元に沿って5度以上である。前記の例における2次元スキャニングは、互いに異なるコヒーレントピクセルを選択的に使用するだけで行われる。
【0038】
スキャナモジュール1201は、また、レーザービームスキャニングを支援するためのスキャナ1202および/または偏光依存感度を改善するための1/4波長板(QWP)1204を含み得る。スキャニングミラー1202は、例えば、図7bおよび図7cに関連して前述したようなスキャニングミラーである。スキャニングミラー1202を使用している実施形態において、スキャナモジュール1201の視野は、(コヒーレントピクセルの選択的使用によってスキャンされる)第1次元に沿って5度以上であり、(少なくとも部分的にスキャニングミラー1202の移動によってスキャンされる)第2次元に沿って10度以上である。LiDARチップ1205用の光源は、同じチップに直接統合されるか、または光ファイバー部品を介して結合され得る。図示されたように、光源は、FMCW LiDAR動作のために周波数変調された光信号を生成するFMCWレーザーソース1207である。レーザーソース1207は、FMCW LiDARの範囲を増加させるために光増幅器1206によってさらに光増され得る。光増幅器は、半導体光増幅器(SOA)チップまたはエルビウム-ドープされた光ファイバー増幅器(EDFA)であり得る。FMCWレーザーソース1207は、一般的に制御可能な低雑音電流ソースであるレーザードライバ回路1208によって制御される。コヒーレントピクセルの出力は、トランスインピーダンス増幅器(TIA)回路1211のアレイに移動される。オン-チップスイッチは、スイッチドライバアレイ1210によって制御される。FMCW処理エンジンは、SCPA制御および補正ロジック1215、FMCW LiDARフレーム管理およびポイントクラウド処理1214、マルチチャネルアナログ-デジタル変換器1216、FMCW LiDAR DSP1212、およびFMCWレーザーチャープ(Chirp)制御および補正ロジック1213の機能を含む1つまたは複数のFPGA、ASIC、またはDSPチップで実装できる。SCPA LiDARチップ1205をCMOSシリコン光子プラットフォームとして実装する場合、電気回路機能の一部または全体を単一チップの光子回路とモノリシックで実装できる。FMCW処理エンジンのデータ出力1220は、深さ情報である。深さ情報は、例えば、一般的なLiDARポイントクラウドの3次元位置データおよびFMCW LiDARが測定できる速度、反射率などの他の情報を含み得る。
【0039】
前述したように、高性能のFMCW LiDARシステムは、広いFoVおよび高速のピクセル速度が重要であり得る。スキャナモジュール1201は、スキャニングモジュール1201のFoVにわたって毎秒少なくとも100Kポイントを目指すことができるという点に留意するべきである。
【0040】
図12は、例示的なLiDARシステムを例示する。代替的な構成において、異なる部品および/または追加の部品がLiDARシステムに含まれ得る。さらに、図12に示された1つ以上の部品に関連して説明された機能は、図12に関連して説明されたものとは別の方法で部品の間に分布し得る。例えば、一部の実施形態において、SCPA LiDARチップ1205は、スキャナモジュール1201と分離できる。
追加の構成情報
【0041】
図面および以前の説明は、単に例示として好ましい実施形態に関するものである。先に論じたことから、ここに開示された構造体および方法の代替実施形態は、請求されたことの原則から逸脱することなく採用できる実行可能な代案として容易に認識されることに留意するべきである。
【0042】
具体的な説明は、多数の細部事項を含むが、これらは本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、単に異なる例を例示するものと解釈されるべきである。本開示内容の範囲は、前記の詳細で議論されていない他の実施形態を含むことを理解するべきである。当業者に明らかになる様々な他の変形、変化、および変更が添付された特許請求の範囲に定義された思想および範囲を逸脱することなく、ここに開示された方法および装置の配列、動作、および細部事項で行われ得る。したがって、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲およびその法的均等物によって決定されるべきである。
【0043】
代替的な実施形態は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組み合わせで実装される。実装例は、プログラム可能なプロセッサによる実行のために機械読み取り可能な記憶装置に実在的に実装されたコンピュータプログラム製品として実装でき、方法のステップは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実行するために命令プログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって行われ得る。実施形態は、データ記憶システム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスについてデータおよび命令を受信および送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて、実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムで有利に実装できる。各コンピュータプログラムは、高級な手続き的またはオブジェクト指向的プログラミング言語または必要に応じてアセンブリまたは機械語で実装でき、ある場合でも、言語は、コンパイルまたは解析された言語であり得る。適切なプロセッサは、例として、汎用および特殊目的のマイクロプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読み取り専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから命令とデータを受信する。一般的に、コンピュータは、データファイルを格納するための1つ以上の大容量の記憶装置を含み、これらのデバイスは、内部ハードディスクおよび移動式ディスクのような磁気ディスクと、光磁気ディスクと、光ディスクと、を含む。コンピュータプログラム命令およびデータを実在として実装するのに適切な記憶装置は、例として、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイスのような半導体メモリデバイスと、内部ハードディスクおよび移動式ディスクのような磁気ディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROMディスクと、を含むあらゆる形態の不揮発性メモリを含む。前述したすべてのものは、特定用途向け集積回路(ASIC)および他の形態のハードウェアによって補完されたり、それに統合され得る。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LIDARセンサーシステムであって、
レーザー信号を生成するように構成されたレーザー源と、
トランシーバとを含み、
前記トランシーバは、
周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成された入力ポートと、
複数の光アンテナと、
前記入力ポートを前記光アンテナにスイッチング可能に結合するように構成された光スイッチと、
前記入力ポートと前記光アンテナとの間に配置された複数のスプリッターとを含み、
前記複数のスプリッターのうちの少なくとも1つのスプリッターは、
前記レーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信信号に分割するが、前記送信信号は、前記光アンテナを介して放出され、前記送信信号の反射は、前記光アンテナを介して反射した信号として受信されるようにし、
前記反射した信号の一部であるリターン信号を出力するように構成され、
複数の光経路が、前記トランシーバの入力ポートと前記複数の光アンテナとの間にそれぞれ定義されるように構成され
前記少なくとも1つのスプリッターと前記光アンテナとの間の前記複数の光経路のうちの特定の光経路に沿って結合された偏光アセンブリをさらに含み、前記偏光アセンブリは、
前記送信信号を形成するように第1導波管からの光信号を結合し、
第1偏光を有するように前記送信信号を偏光させ、
リターン信号を形成するように前記第1偏光に直交する第2偏光に基づいて前記反射した信号を偏光させ、
光検出のために前記リターン信号を第2導波管に結合するように構成される、
LIDARセンサーシステム。
【請求項2】
前記第1偏光は第2偏光に直交するように構成される請求項に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項3】
前記複数のスプリッターのうちの少なくとも1つのスプリッターについて、前記複数のスプリッターのうちの少なくとも1つのスプリッターから前記リターン信号および前記局部発振器信号を受信するように結合されたミキサー-前記ミキサーは、1つ以上の出力信号を生成するために、前記リターン信号および前記局部発振器信号を混合するように構成される
請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項4】
前記トランシーバの視野についての深さ情報を決定するのに使用されるように構成される1つまたは複数のプロセッサをさらに含む
請求項に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項5】
前記トランシーバは、前記複数のアンテナの少なくとも一つについての個別スプリッターを含み、前記少なくとも1つのスプリッターは、前記光スイッチと対応する光アンテナとの間の光経路に沿って結合される請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項6】
前記複数の光アンテナは、線形または長方形に配列されている、請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項7】
前記1つ以上の出力信号は、少なくとも1つのリターン信号について直交位相出力信号(Quadrature Output Signal)および同位相の出力信号(In-phase Output Signal)を含む請求項に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項8】
前記光スイッチは、
前記周波数変調されたレーザー信号を少なくとも2つの光経路の間で分割する受動光スプリッターを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項9】
前記光スイッチは、
前記周波数変調されたレーザー信号を少なくとも2つの光経路のうち、いずれか1つにのみスイッチング可能に結合する能動光スプリッターを含む請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項10】
前記光スイッチは、前記トランシーバのスキャニング期間中に一度に1つずつ前記周波数変調されたレーザー信号を少なくとも1つの光アンテナに光学的に結合する請求項1に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項11】
自動車の周波数変調連続波(FMCW)LIDARシステムであって、
光集積回路(Photonic Integrated Circuit)上に実装されたFMCW LIDARトランシーバを含むLIDARチップと、
レンズと、を含み、
前記光集積回路は、
周波数変調されたレーザー信号を受信するように構成された入力ポートと、
複数の光アンテナと、
前記入力ポートを前記光アンテナにスイッチング可能に結合し、前記入力ポートと前記光アンテナとの間に光経路を形成するように構成された光スイッチと、
前記入力ポートから前記光アンテナのうち、1つの光アンテナを向けた少なくとも1つの光経路について前記光経路に沿って結合されたスプリッター-前記スプリッターは、 前記周波数変調されたレーザー信号の受信された部分を局部発振器信号と送信信号に分割するが、前記送信された信号は、前記光アンテナを介して放出され、前記送信された信号の反射は、前記光アンテナを介して反射した信号として受信されるようにし、
前記反射した信号の一部であるリターン信号を出力するように構成される-と、を含み、
前記レンズは、前記複数のアンテナを介して放出された前記送信信号をコリメートするように位置し、
前記レンズは、また、前記反射した信号を受信し、前記反射した信号を前記放出する光アンテナに結合するように位置し、
複数の光経路が、前記FMCW LIDARトランシーバの入力ポートと前記複数の光アンテナとの間にそれぞれ定義されるように構成され
少なくとも1つのスプリッターについては、前記スプリッターと前記光アンテナとの間の前記光経路に沿って結合された偏光アセンブリをさらに含み、前記偏光アセンブリは、
前記送信信号を形成するように第1導波管からの光信号を結合し、
第1偏光を有するように、前記送信信号を偏光させ、
リターン信号を形成するように前記第1偏光に直交する第2偏光に基づいて前記反射した信号を偏光させ、
光検出のために前記リターン信号を第2導波管に結合するように構成される、
FMCW LIDARシステム。
【請求項12】
前記送信信号を第1線偏光から円偏光に変換するように、前記放出された送信信号の光経路に沿って位置し、前記反射した信号を円偏光から前記第1線偏光に直交する第2線偏光に変換するように構成される1/4波長板をさらに含む請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【請求項13】
少なくとも1つのスプリッターについては、前記スプリッターから前記リターン信号および前記局部発振器信号を受信するように結合されたミキサー-前記ミキサーは、FMCW LIDARの視野についての深さ情報を決定するのに使用される1つ以上の出力信号を生成するために前記リターン信号および前記局部発振器信号を混合するように構成される請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【請求項14】
前記送信信号は、前記光アンテナを介して放出され、前記送信信号の反射は、前記光アンテナを介して反射した信号として受信されるよう構成される請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【請求項15】
前記レンズは、
前記複数のアンテナのうち、第1アンテナから放出された送信信号をFMCW LIDARシステムの視野の対応する部分に投影し、
前記送信信号の反射を前記第1アンテナに提供するように構成される請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【請求項16】
前記複数の光アンテナは、線形アレイで配列され、前記レンズは、1つの角度次元(Dimension)に沿って、前記FMCW LIDARトランシーバの視野をスキャンするコリメートされた送信された信号を生成する請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光アンテナは、1つ以上の出力信号を電気信号として提供するために前記ミキサーに結合された少なくとも1つのフォトダイオードをさらに含む請求項に記載のLIDARセンサーシステム。
【請求項18】
前記光スイッチは、前記FMCW LIDARトランシーバの走査期間にわたって、前記周波数変調されたレーザ信号を前記光アンテナの少なくとも1つに一度に光学的に結合する、請求項11に記載の自動車のFMCW LIDARシステム。
【外国語明細書】