(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120341
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】携帯可能な医療超音波撮像デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023099911
(22)【出願日】2023-06-19
(62)【分割の表示】P 2020192864の分割
【原出願日】2013-03-26
(31)【優先権主張番号】61/615,627
(32)【優先日】2012-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/838,694
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/704,254
(32)【優先日】2012-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501494481
【氏名又は名称】テラテク・コーポレーシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、アリス、エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、ウィリアム、エム.
(72)【発明者】
【氏名】バーガー、ノア
(57)【要約】 (修正有)
【課題】携帯可能な医療超音波撮像システム及び方法を提供する。
【解決手段】好適な実施形態は、伝統的なキーボード又は制御を利用する必要なく、撮像及び表示動作を制御するよう動作可能なタブレットタッチスクリーンディスプレイを利用する。特定の実施形態は、携帯可能な医療超音波撮像システムの超音波エンジンのためのマルチチップモジュールを提供し、ここでは、送信/受信チップ、増幅器チップ及びビームフォーマーチップが、垂直積層構成で組み立てられている。例示的な実施形態は更に、1又は複数のマルチチップモジュールを含む超音波エンジン回路基板と、1又は複数のマルチチップモジュールを有する超音波エンジン回路基板を含む携帯可能な医療超音波撮像システムを提供する。例示的な実施形態は更に、ここで教示するようにマルチチップモジュールを製造し組み立てる方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントパネルを有する、タブレットフォームファクタの筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、前記筐体の内部に配置されたコンピュータと、
前記筐体の前記フロントパネル上に配置され、前記コンピュータと通信可能に接続されたタッチスクリーンディスプレイと、
前記コンピュータと通信可能に接続された超音波ビームフォーミングデバイスと、
を備え、
前記タッチスクリーンディスプレイと前記コンピュータとは、前記筐体内のバッテリから電力を受け取り、
前記プロセッサは、前記タッチスクリーンディスプレイ上の複数のジェスチャを検出することにより、複数の動作モードの少なくとも1つを選択的に開始するべく、前記メモリからの複数のプログラム命令を実行するよう動作可能であり、
前記複数の動作モードは、
複数の超音波信号の貫通の深さを制御する第1の動作モード、
複数の超音波画像の複数のフリーズ/ストア動作を実行する第2の動作モード、
複数の二次元超音波画像化オペレーションを制御する第3の動作モード、
利得制御を実行する第4の動作モード、及び、
超音波画像の色制御を実行する第5の動作モード、
複数の表示された超音波画像を含む分割スクリーン超音波画像表示領域を選択する第6の動作モード、
のうちの1又はそれ以上を含む、
携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
【請求項2】
前記コンピュータは、ディスプレイコントローラに接続され、
前記複数の動作モードは、
PW撮像を実行する第7の動作モード、
シネ/時系列画像クリップスクロールを制御する第8の動作モードと、
複数のズーム及びパン動作を制御する第9の動作モード、
ドップラー及び二次元ビームステアリング制御を実行する第10の動作モード、及び、
ボディマークを実行する第11の動作モード、
をさらに含む、
請求項1に記載の携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
【請求項3】
複数の異なるトランスデューサプローブは、前記タブレットフォームファクタの前記筐体に、操作可能に接続されることができ、
前記複数の異なるトランスデューサプローブのそれぞれの内部の前記超音波ビームフォーミングデバイスは、
少なくとも64チャネル又は少なくとも128チャネルを有する集積回路を有し、
対応する前記トランスデューサプローブの筐体内のビームフォーマー制御回路に接続される、
請求項1又は請求項2に記載の携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
【請求項4】
前記超音波ビームフォーミングデバイスが、トランスデューサプローブ筐体の内部に収容される、
請求項1に記載の携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
【請求項5】
前記超音波ビームフォーミングデバイスが、前記タブレットフォームファクタの前記筐体の内部に収容される、
請求項1に記載の携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2013年3月15日に提出された米国特許出願第13/838,694号の一部継続出願であり、2012年3月26日に提出された米国特許仮出願第61/615,627号、及び、2012年9月21日に提出された米国特許仮出願第61/704,254号の優先権を主張しており、これら出願の全体を参照によりここに組み込むものとする。
【背景技術】
【0002】
医療超音波撮像は、多くの医療撮像用途の工業規格になっている。近年では、医療従事者が病院及び/又は出先の場所の間を、簡単に機器を持ち運べるよう、且つ、幅広い技術レベル範囲を有す場合がある医療従事者に対応することができるようよりユーザフレンドリーな、携帯可能な医療超音波撮像機器が益々求められるようになっている。
【0003】
従来の医療超音波撮像機器は通常、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサ、キーボード及び/又はノブ、コンピュータ、及びディスプレイを含む。通常の動作モードでは、超音波プローブ/トランスデューサは、周波数レベルに基づいて、組織を異なる深さで貫通し、組織から反射して戻る超音波を受け取ることができる超音波を生成する。更に、医療従事者は、キーボード及び/又はノブを介してコンピュータにシステム入力を入力して、ディスプレイ上で組織構造の超音波画像を見ることができる。
【0004】
しかし、これらキーボード及び/又はノブを利用する従来の医療超音波撮像機器は嵩張るために、病院及び/又は出先の場所での携帯利用に向かない場合がある。更に、これらキーボード及び/又はノブは通常、真っ直ぐではない表面を持つので、無菌場の維持が患者の健康にとって重要となりうる病院及び/又は出先の環境できれいに保つのが困難な場合がある。幾つかの従来の医療超音波撮像機器には、部分的なユーザ入力インタフェースを提供するためにタッチスクリーン技術を組み込まれているものがある。しかし、これらのタッチスクリーン技術を利用する従来の医療超音波撮像機器は、一般的に、伝統的なキーボード及び/又はノブと合わせて、限定されたタッチスクリーン機能のみを提供するので、きれいに保つことが困難なのみならず、利用法も複雑である。
【発明の概要】
【0005】
本願においては、医療超音波撮像システム及び方法が開示される。開示する本医療超音波撮像システム及び方法は、タブレットフォームファクタのハンドヘルド筐体と、筐体のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイを含む医療超音波撮像機器を利用する。タッチスクリーンディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイの表面上の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチの1又は複数を認識及び区別することができるマルチタッチのタッチスクリーンを含み、これにより、単純な1点のジェスチャから複雑なマルチポイントの移動ジェスチャまでの範囲のジェスチャの、医療超音波撮像機器へのユーザ入力としての利用を可能とする。
【0006】
一態様においては、例示的な医療超音波撮像システムが、互いに並行な平面に固定されたフロントパネルとリアパネルとを有する筐体と、タッチスクリーンディスプレイと、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを持つコンピュータと、超音波ビームフォーミングシステムと、バッテリとを含む。医療超音波撮像機器の筐体は、タブレットフォームファクタに実装される。タッチスクリーンディスプレイは、筐体のフロントパネルに配置され、タッチスクリーンディスプレイの表面上の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチ又はジェスチャの1又は複数を認識及び区別することができるマルチタッチのLCDタッチスクリーンを含む。コンピュータ、超音波ビームフォーミングシステム又はエンジン、及びバッテリは、筐体内に動作可能に配置されている。医療超音波撮像機器は、筐体内の超音波エンジンとコンピュータとの間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)接続と、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すプローブ接続/取り外しレバーをもつプローブコネクタと利用することができる。加えて、例示的な医療超音波撮像システムは、I/OポートコネクタとDC電力入力とを含む。
【0007】
例示的な動作モードでは、医療従事者は、例示的な医療超音波撮像機器の動作可能モード及び/又は機能を制御するべく、単純な1点のジェスチャ及び/又はより複雑なマルチポイントのジェスチャを、マルチタッチのLCDタッチスクリーンへのユーザ入力として利用することができる。これらの単純な1点/マルチポイントのジェスチャは、コンピュータ及び/又は超音波エンジンが実行することができる1又は複数の所定の動作にマッピングされるシングル及び/又はマルチポイントのタッチイベントに対応していてよい。医療従事者は、タッチスクリーンディスプレイの表面に、様々な指、掌、及び/又はスタイラスの動きによるこれらの1点/マルチポイントのジェスチャを行うことができる。マルチタッチのLCDタッチスクリーンは、1点/マルチポイントのジェスチャをユーザ入力として受け取り、ユーザ入力をコンピュータに提供し、これにより、少なくとも時々は、プロセッサを利用して、超音波エンジンと共に、メモリに格納されている、1点/マルチポイントのジェスチャに関する所定の動作を行うためのプログラム命令が実行される。タッチスクリーンディスプレイの表面に対するこれら1点/マルチポイントのジェスチャは、これらに限定はされないが、タップするジェスチャ、ピンチするジェスチャ、フリックするジェスチャ、回転するジェスチャ、ダブルタップするジェスチャ、広げるジェスチャ、ドラッグするジェスチャ、押下するジェスチャ、押下及びドラッグするジェスチャ、及び掌のジェスチャを含むことができる。機械的スイッチング、キーボードエレメント、又はタッチパッドトラックボールインタフェースを動作して幾つもの制御特徴に依存した既存の超音波システムと比較して、本発明の好ましい実施形態が、1つのオン/オフスイッチを利用する。全ての他の動作は、タッチスクリーン制御を利用して実装されている。更に、好適な実施形態は、ユーザの裸の指及ユーザの手袋をはめた指が作動させるタッチジェスチャを検出するために十分感度をもつ容量性タッチスクリーンディスプレイを利用する。しばしば医療従事者は、医療処置中に殺菌されたプラスチックの手袋をはめる必要がある。この結果、手袋をはめた手が利用可能な携帯可能な超音波デバイスを提供することが非常に望まれているが、これは、殺菌予防策を必要とする多くの用途のために超音波システムでタッチスクリーンディスプレイ制御機能を利用することを以前に妨げていた。本発明の好適な実施形態は、手袋をはめた従事者による、プログラムされたタッチジェスチャを利用したタッチスクリーンディスプレイにおける全ての超音波撮像動作の制御を提供する。
【0008】
或る例示的な態様においては、少なくとも1つのフリックするジェスチャを利用することで、超音波プローブ/トランスデューサが生成する超音波の組織貫通の深さが制御されてよい。例えば、タッチスクリーンディスプレイの表面における「上」の方向の1つのフリックするジェスチャが、1センチメートル又は任意の他の適切な量だけ、貫通の深さを増加することができ、タッチスクリーンディスプレイの表面における「下」の方向の1つのフリックするジェスチャが、1センチメートル又は任意の他の適切な量だけ、貫通の深さを低減することができる。更に、タッチスクリーンディスプレイの表面における「上」又は「下」の方向へのドラッグするジェスチャが、1センチメートルの倍数、又は任意の他の適切な量だけ、貫通の深さを増減させることができる。タッチスクリーンディスプレイの表面における特定の1点/マルチポイントのジェスチャが制御する更なる動作モード及び/又は機能は、これらに限定されないが、フリーズ/ストア動作、二次元モードの動作、利得制御、色制御、スクリーン分割制御、PW撮像制御、シネ/時系列画像クリップスクロール制御、ズーム及びパン制御、フルスクリーン制御、ドップラー及び二次元ビームステアリング制御、及び/又はボディマーキング制御を含むことができる。例示的な医療超音波撮像機器の動作モード及び/又は機能の少なくとも幾つかは、ビームフォーミングパラメータがタッチジェスチャを動かすことによりリセットされうるタッチスクリーンディスプレイ上に実装された1又は複数のタッチ制御によって制御することができる。医療従事者は、1又は複数の特定の1点/マルチポイントのジェスチャを、タッチスクリーンディスプレイ上で必要な及び/又は所望の、実装されるべきタッチ制御の少なくとも1つの選択されたサブセットを特定するためのユーザ入力として、提供することができる。幾つか又はそれ以上の仮想ボタン又はアイコンが利用可能である場合には、フルスクリーンモードで動作する際、タッチスクリーン制御の数を大きくすることで、より大きな機能が可能となる。
【0009】
別の例示的な態様では、タッチスクリーンディスプレイのある領域内で、押下するジェスチャを利用することで、及び、押下するジェスチャに呼応して、タッチスクリーンディスプレイ上に表示される超音波画像の少なくとも拡大部分を表示するために、仮想窓をタッチスクリーンディスプレイ上に、提供することができる。また別の例示的な態様では、押下及びドラッグするジェスチャを、タッチスクリーンディスプレイのその領域内で利用することができ、押下及びドラッグするジェスチャに呼応して、超音波画像の所定の特徴をトレースすることができる。更に、押下及びドラッグするジェスチャの或る部分と実質的に同時に、タップするジェスチャをタッチスクリーンディスプレイのその領域内で利用することができ、タップするジェスチャに呼応して、超音波画像の所定の特徴のトレースを完了させることができる。これら動作は、1つのディスプレイフォーマットのそれぞれ異なる領域で動作することができ、これにより、画像内の対象領域内の移動ジェスチャが、例えば、画像内ではあるが対象領域外で実行されている同じジェスチャとは異なる機能を実行することができる。
【0010】
マルチタッチのタッチスクリーンを医療超音波撮像機器に提供することにより、医療従事者は、当該機器を、伝統的なキーボード又はノブを利用する必要なく、単純な1点のジェスチャ及び/又はより複雑なマルチポイントのジェスチャを利用して制御することができる。マルチタッチのタッチスクリーンでは伝統的なキーボード又はノブを設ける必要がないために、これら医療超音波撮像機器は、病院及び/又は出先の環境においてきれいな状態を保つことが易しく、直感的でユーザフレンドリーなインタフェースを提供することができ、同時に、完全な機能動作を提供する。更に、タブレットフォームファクタのこれら医療超音波撮像機器を提供することにより、医療従事者は、簡単に、病院及び/又は出先の場所の間で機器を移動させることができる。
【0011】
特定の例示的な実施形態は、携帯可能な医療超音波撮像システムの超音波エンジンのためのマルチチップモジュールを提供し、ここにおいては、送信/受信(TR)チップ、プリアンプ/減衰補正(TGC)チップ及びビームフォーマーチップが、垂直積層構成で組み立てられている。送信回路は、送信ビームを生成するために、高電圧電気駆動パルスをトランスデューサエレメントに提供する。送信チップは、80Vを超える電圧で動作し、1ミクロンの設計規則を利用するCMOSプロセスが送信チップについて利用されてきており、サブミクロンの設計規則が、低電圧(5V未満)の受信回路のために利用されてきている。
【0012】
本発明の好適な実施形態は、サブミクロンプロセスを利用して、複数の電圧(例えば2.5V、5V、60V、又はこれより高い電圧)で動作するサブ回路をもつ集積回路を提供する。これらの特徴は、本発明の特定の好適な実施形態において、バイプレーン(bi-plane)トランスデューサプローブと共に利用することができる。
【0013】
したがって、1つのチップに高電圧送信、低電圧増幅器/TGC及び低電圧ビームフォーミング回路を含む1つのICチップを利用することができる。0.25ミクロンの設計規則を利用して、この混合信号回路が、0.7×0.7(0.49)cm2未満のチップ面積に32個のトランスデューサチャネルのビームフォーミングを収容することができる。従って、128個のチャネルを、1.5x1.5(2.25)cm2未満の全回路基板面積において4つの32チャネルチップを利用して処理することができる。
【0014】
ここで利用される「マルチチップモジュール」という用語は、複数の集積回路(IC)が、統合基板とともにパッケージ化されて、単一のコンポーネントとしての利用を促す(つまり、はるかに小さい容積でパッケージ化された、より高い処理能力のIC)電子パッケージのことを指す。各ICは、薄い半導体ウェハに作成された回路を含むことができる。例示的な実施形態は更に、これらマルチチップモジュールを1又は複数を含む超音波エンジンと、1又は複数のマルチチップモジュールをもつ超音波エンジン回路基板を含む携帯可能な医療超音波撮像システムとを提供する。例示的な実施形態は更に、マルチチップモジュールをここで教示したように製造し、及び、組み立てる方法を提供する。TRチップ、プリアンプ/TGCチップ、及びビームフォーマーチップを回路基板上に垂直積層することで、パッケージングサイズ(例えば長さ及び幅)、及び、回路基板上のチップが占有する設置面積が最小化される。
【0015】
マルチチップモジュールのTRチップ、プリアンプ/TGCチップ、及びビームフォーマーチップはそれぞれ、複数のチャネルを含んでよい(例えば、チップ毎に8個のチャネルからチップ毎に64個のチャネルである)。特定の実施形態では、高電圧TRチップ、プリアンプ/TGCチップ、及び、サンプル補間受信ビームフォーマーチップがそれぞれ、8、16、32、64のチャネルを含んでよい。好適な実施形態では、2つの層のビームフォーマーモジュール内の各回路が、32個のビームフォーマー受信チャネルをもつことで、64個のチャネル受信ビームフォーマーを提供する。第2の64個のチャネルの2つの層のモジュールを、全体の厚みが2cm未満である、128のチャネルのハンドヘルドタブレット超音波デバイスを形成するために利用することができる。更に、各層で同じ又は類似したチャネル密度をもつ送信マルチチップビームフォーマーを利用することもできる。
【0016】
マルチチップモジュールに垂直に集積されているチップの数の例は、これらに限定はされないが、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ等を含んでよい。超音波デバイスの一実施形態では、1つのマルチチップモジュールが、超音波専用動作を実行する超音波エンジンの回路基板上に提供される。他の実施形態では、複数のマルチチップモジュールが、超音波エンジンの回路基板上に提供される。複数のマルチチップモジュールが、超音波エンジンの回路基板の上に互いに垂直に積層されることで、更に、パッケージングサイズ及び回路基板の設置面積が最小化されてよい。
【0017】
超音波エンジンの回路基板上の1又は複数のマルチチップモジュールは、高いチャネルカウントを実現しつつ、全体的なパッケージングサイズ及び設置面積を最小限化する。例えば、128のチャネルの超音波エンジン回路基板は、マルチチップモジュールを利用して、約10cm×約10cmの例示的な平面寸法内に組み立てることができ、これは、従来の超音波回路のはるかに大きな空間要件から顕著な向上である。幾つかの実施形態では、1又は複数のマルチチップモジュールを含む超音波エンジンの1つの回路基板は、16から128個のチャネルを有してよい。特定の実施形態では、1又は複数のマルチチップモジュールを含む超音波エンジンの1つの回路基板が、16、32、64、128、又は192個等のチャネルを有してよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
例示的な実施形態の上記及び他の目的、態様、特徴、及び利点は、以下の記載を添付図面と共に読むことでより明らかになり、より良く理解されるだろう。
【
図1】本願の例示的な実施形態における例示的な医療超音波撮像機器の平面図である。
【
図2A】本発明の好適な実施形態における医療超音波撮像システムの側面図である。
【
図2B】本発明の好適な実施形態における医療超音波撮像システムの側面図である。
【
図3A】本発明の好適な実施形態における、医療超音波撮像システムに対するユーザ入力として利用可能な1点及びマルチポイントのジェスチャの例を示す。
【
図3B】本発明の好適な実施形態における、タブレット超音波システムを動作させるためのプロセスフロー図である。
【
図3C】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3D】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3E】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3F】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3G】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3H】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3I】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3J】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図3K】ビームフォーミング及び表示動作を調節するためにタッチスクリーンジェスチャの詳細を示す。
【
図4A】本発明の好適な実施形態における、医療超音波撮像システムに実装可能なタッチ制御のサブセットの例を示す。
【
図4B】本発明の好適な実施形態における、医療超音波撮像システムに実装可能なタッチ制御のサブセットの例を示す。
【
図4C】本発明の好適な実施形態における、医療超音波撮像システムに実装可能なタッチ制御のサブセットの例を示す。
【
図5A】本発明の好適な実施形態における医療超音波撮像システムのタッチスクリーンディスプレイ上の嚢腫性病変を持つ肝臓の例を表す。
【
図5B】本発明の好適な実施形態における医療超音波撮像システムのタッチスクリーンディスプレイ上の嚢腫性病変を持つ肝臓の例を表す。
【
図5C】肝臓の拡大部分に対応する仮想窓を含む、
図5A及び
図5Bのタッチスクリーンディスプレイ上の肝臓及び嚢腫性病変の例を表す。
【
図5D】肝臓の拡大部分に対応する仮想窓を含む、
図5A及び
図5Bのタッチスクリーンディスプレイ上の肝臓及び嚢腫性病変の例を表す。
【
図6A】医療超音波撮像システムのタッチスクリーンディスプレイ上の心臓の心尖の四腔断面図の例を表す。
【
図6B】
図6Aのタッチスクリーンディスプレイ上の、心臓の左心室の心膜境界を手でトレースする例を示す。
【
図6C】
図6Aのタッチスクリーンディスプレイ上の、心臓の左心室の心膜境界を手でトレースする例を示す。
【
図6D】
図6Aのタッチスクリーンディスプレイ上の、心臓の左心室の心膜境界を手でトレースする例を示す。
【
図6E】
図6Aのタッチスクリーンディスプレイ上の、心臓の左心室の心膜境界を手でトレースする例を示す。
【
図9A】プロセッサ筐体に取り付けられた複数のトランスデューサアレイの1つを示す。
【
図9B】例示的な実施形態におけるトランスデューサ取り付けシーケンスを示す。
【
図11】超音波デバイスの例における、超音波エンジン(つまりフロントエンドの超音波専用回路)の例の例示的な実施形態、及び、コンピュータのマザーボード(つまりホストコンピュータ)の例示的な実施形態の詳細な概略ブロック図である。
【
図12】垂直積層構成に組み立てられたマルチチップモジュールを含む回路基板の概略側面図である。
【
図13】垂直積層構成に組み立てられたマルチチップモジュールを含む回路基板を製造する方法の例を示すフローチャートである。
【
図14A】ダイが2イン1にダイシングするダイ取り付けフィルム(D-DAF)を持つパッシブシリコン層により互いに空間的に隔てられている、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図である。
【
図14B】ダイがダイごとのスペーサとして機能するDAフィルムベースの接着剤によって互いに空間的に隔てられている、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図である。
【
図14C】ダイがダイごとのスペーサとして機能するDAペースト又はフィルムベースの接着剤によって互いに空間的に隔てられている、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図である。
【
図15】(a)2イン1のダイシングするダイ取り付けフィルム(D-DAF)をもつパッシブシリコン層、(b)DAペースト、(c)厚みのあるDA-フィルム、及び、(D)2イン1のD-DAFを含むフィルムオーバワイヤ(FOW)を利用した、ダイごとの積層方法の別の例のフローチャートである。
【
図16】垂直積層構成において垂直に集積された、超音波送信/受信ICチップ、増幅器ICチップ、及び、超音波ビームフォーマーICチップを含むマルチチップモジュールの概略側面図である。
【
図17】1つの基板の完全な超音波システムとして提供される、超音波エンジン(つまりフロントエンドの超音波専用回路)の例示的な実施形態、及び、コンピュータのマザーボード(つまりホストコンピュータ)の例示的な実施形態の詳細な概略ブロック図である。
【
図18】例示的な実施形態において提供される、例示的な携帯可能な超音波システムの斜視図である。
【
図19】
図18の例示的な携帯可能な超音波システムのタッチスクリーンディスプレイ上にレンダリングされたメイングラフィックユーザインタフェース(GUI)の例を示す。
【
図20】本発明の別の好適な実施形態における医療超音波撮像システムの上面図である。
【
図21】本発明の好適な実施形態9におけるタブレット超音波システムの好適なカートシステムを示す。
【
図22】本発明の好適な実施形態におけるモジュラー超音波撮像システムの好適なカートシステムを示す。
【
図23】本発明の好適な実施形態におけるモジュラー超音波撮像システムの好適なカートシステムを示す。
【
図24】本発明の好適な実施形態におけるモジュラー超音波撮像システムの好適なカートシステムを示す。
【
図25A】タブレット超音波デバイスのための多機能ドッキングベースを示す。
【
図25B】タブレット超音波デバイスのための多機能ドッキングベースを示す。
【
図26】本発明のモジュラー超音波撮像システムによる2D撮像動作モードを示す。
【
図27】本発明のモジュラー超音波撮像システムによる動き動作モードを示す。
【
図28】本発明のモジュラー超音波撮像システムによるカラードップラー動作モードを示す。
【
図29】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるパルス波ドップラー動作モードを示す。
【
図30】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるトリプレックススキャン動作モードを示す。
【
図31】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIホームスクリーンインタフェースを示す。
【
図32】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIメニュースクリーンインタフェースを示す。
【
図33】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUI患者データスクリーンインタフェースを示す。
【
図34】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIプリセットスクリーンインタフェースを示す。
【
図35】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIレビュースクリーンインタフェースを示す。
【
図36】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIレポートスクリーンインタフェースを示す。
【
図37A】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップディスプレイスクリーンインタフェースを示す。
【
図37B】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップディスプレイスクリーンインタフェースを示す。
【
図37C】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップディスプレイスクリーンインタフェースを示す。
【
図38】本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップストア/取得スクリーンインタフェースを示す。
【
図39A】本発明の好適な実施形態における2つの一次元、IDマルチエレメントアレイを含むXYバイプレーンプローブを示す。
【
図39B】本発明の好適な実施形態における2つの一次元、IDマルチエレメントアレイを含むXYバイプレーンプローブを示す。
【
図39C】本発明の好適な実施形態における2つの一次元、IDマルチエレメントアレイを含むXYバイプレーンプローブを示す。
【
図40】バイプレーン画像形成xyプローブの動作を示す。
【
図41】バイプレーン画像形成xyプローブの動作を示す。
【
図42】バイプレーン画像形成xyプローブのための高電圧駆動回路を示す。
【
図43】左心室の状態の同時のバイプレーン評価を示す。
【
図44】本発明の好適な実施形態における駆出率プローブ測定技術(ejection fraction probe measurement techniques)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
医療超音波撮像システム及び方法が開示される。本開示の医療超音波撮像のためのシステム及び方法は、タブレットフォームファクタの筐体と、筐体のフロントパネルに配置されたタッチスクリーンディスプレイとを含む医療超音波撮像機器を利用する。タッチスクリーンディスプレイは、タッチスクリーンディスプレイの表面において、1又は複数の1つの、複数の、及び/又は、同時のタッチを区別することができ、これにより、単純な1点のジェスチャから複雑なマルチポイントのジェスチャまでの範囲のジェスチャの、医療超音波撮像機器へのユーザ入力としての利用を可能とする、マルチタッチのタッチスクリーンを含む。タブレット超音波システム及び動作の更なる詳細は、2004年11月11日提出の米国出願第10/997,062号明細書、2003年3月11日提出の米国出願第10/386,360号明細書、及び米国特許第6,969,352号明細書に記載されており、これら特許及び特許出願の全内容を、ここに参照により組み込む。
【0020】
図1は、本願における例示的な医療超音波撮像機器100の例示的な実施形態を示す。
図1に示すように、医療超音波撮像機器100は、筐体102、タッチスクリーンディスプレイ104、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとがコンピュータのマザーボード106に実装されたコンピュータ、超音波エンジン108、及びバッテリ110を含む。例えば、筐体102は、タブレットフォームファクタで、又は任意の他の適切なフォームファクタで実装することができる。筐体102は、フロントパネル101とリアパネル103とを有する。タッチスクリーンディスプレイ104は、筐体102のフロントパネル101上に配置され、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の1又は複数の、複数の及び/又は同時のタッチを認識し、区別することができるマルチタッチLCDタッチスクリーンを含む。コンピュータのマザーボード106、超音波エンジン108、及びバッテリ110は、筐体102内に動作可能に配置されている。医療超音波撮像機器100は、更に、筐体102内のコンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に動作可能に接続されたFirewire(登録商標)(ファイヤワイヤ)接続112(
図2Aも参照のこと)と、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すプローブ接続/取り外しレバー115(
図2A及び
図2Bも参照のこと)を持つプローブコネクタ114とを含む。トランスデューサプローブ筐体は、トランスデューサアレイと、送信及び受信回路と、特定の好適な実施形態では、ビームフォーマー及びビームフォーマー制御回路を含む、回路コンポーネントを含む。加えて、医療超音波撮像機器100は、1又は複数のI/Oポートコネクタ116(
図2Aを参照のこと)を有し、これは、これらに限定はされないが、1又は複数のUSBコネクタ、1又は複数のSDカード、1又は複数のネットワークポート、1又は複数のミニディスプレイポート、及びDC電力入力を含みうる。
【0021】
例示的な動作モードでは、医療従事者は(ここでは「ユーザ」とも「複数のユーザ」とも称される)は、単純な1点のジェスチャ及び/又はより複雑なマルチポイントのジェスチャを、タッチスクリーンディスプレイ104のマルチタッチLCDタッチスクリーンに対するユーザ入力として利用して、医療超音波撮像機器100の1又は複数の動作モード及び/又は機能を制御することができる。このようなジェスチャは、ここでは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105上の、少なくとも1つの指、スタイラス、及び/又は掌の動き、ストローク、又は、位置として定義される。例えば、このような1点/マルチポイントのジェスチャは、静的又は動的なジェスチャ、連続した又は分割されたジェスチャ、及び/又は、任意の他の適切なジェスチャを含みうる。1点のジェスチャは、ここでは、1本の指、スタイラス、又は掌による、タッチスクリーンディスプレイ104上の1つのタッチ接触点により実行することができるジェスチャとして定義される。マルチポイントのジェスチャは、ここでは、複数本の指、又は、少なくとも1つの指、スタイラス、又は掌の任意の適切な組み合わせによる、タッチスクリーンディスプレイ104上の複数のタッチ接触点により実行することができるジェスチャとして定義される。静的なジェスチャは、ここでは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の、少なくとも1つの指、スタイラス、又は、掌の動きに関与しないジェスチャとして定義される。動的なジェスチャとは、ここでは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105で、1又は複数の指をドラッグすることで行われる動き等として、少なくとも1つの指、スタイラス、又は掌の動きに関与するジェスチャとして定義される。連続したジェスチャとは、ここでは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の、少なくとも1つの指、スタイラス、又は掌の1つの動き又はストロークで実行することができるジェスチャとして定義される。分割されたジェスチャとは、ここでは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上n、少なくとも1つの指、スタイラス、又は掌の複数の動き又はストロークで実行することができるジェスチャとして定義される。
【0022】
タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上で実行されるこのような1点/マルチポイントのジェスチャは、1つの又はマルチポイントのタッチイベントに対応することができ、これらは、コンピュータ及び/又は超音波エンジン108が実行可能な1又は複数の所定の動作にマッピングされる。ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の様々な1つの指、複数の指、スタイラス、及び/又は掌の動きによってこのような1点/マルチポイントのジェスチャを行うことができる。マルチタッチLCDタッチスクリーンは、1点/マルチポイントのジェスチャを、プロセッサへのユーザ入力として受信し、ユーザ入力をプロセッサに提供し、これが、メモリに格納されているプログラム命令を実行して、超音波エンジン108と共に、少なくとも数回、1点/マルチポイントのジェスチャに関する所定の動作を実行する。
図3Aに示されるように、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上のこれら1点/マルチポイントのジェスチャは、これらに限定はされないが、タップするジェスチャ302、ピンチするジェスチャ304、フリックするジェスチャ306、314、回転するジェスチャ308、316、ダブルタップするジェスチャ310、広げるジェスチャ312、ドラッグするジェスチャ318、押下するジェスチャ320、押下及びドラッグするジェスチャ322、及び/又は掌のジェスチャ324を含む。例えば、これら1点/マルチポイントのジェスチャを、コンピュータのマザーボード106に実装されているメモリの少なくとも1つのジェスチャライブラリに格納可能である。システム動作を制御可能なコンピュータプログラムをコンピュータ可読媒体に格納可能であり、任意で、画像プロセッサに接続されているタッチプロセッサ及びシステムビームフォーマーに接続されている制御プロセッサを利用して実装することができる。故に、送信及び受信の両方に関連するビームフォーマーの遅延は、静的及び移動タッチジェスチャ両方に呼応して調節することができる。
【0023】
図1の例示的な実施形態において、少なくとも1つのフリックするジェスチャ306又は314が、医療超音波撮像機器100のユーザにより利用されることで、超音波プローブ/トランスデューサが生成する超音波の組織貫通深さが制御あれてよい。例えば、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上における、「上」方向への、又は任意の適切な方向への、動的な、連続するフリックするジェスチャ306又は314は、1センチメートル又は任意の他の適切な量、貫通の深さを増加することができる。更に、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上における、「下」方向への、又は任意の適切な方向への、動的な、連続するフリックするジェスチャ306又は314は、1センチメートル又は任意の他の適切な量、貫通の深さを低減することができる。更に、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上における、「上」又は「下」方向への、又は任意の適切な方向への、動的な、連続するドラッグするジェスチャ318は、複数センチメートル又は任意の他の適切な量、貫通の深さを増加又は低減することができる。
【0024】
タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上の特定の、1点/マルチポイントのジェスチャにより制御される更なる動作モード及び/又は機能には、これらに限定はされないが、フリーズ/ストア動作、二次元モードの動作、利得制御、色制御、スクリーン分割制御、PW撮像制御、シネ/時系列画像クリップスクロール制御、ズーム及びパン制御、フルスクリーン表示、ドップラー及び二次元ビームステアリング制御、及び/又はボディマーキング制御を含むことができる。例示的な医療超音波撮像機器100の動作モード及び/又は機能の少なくとも幾つかは、タッチスクリーンディスプレイ104上に実装されている1又は複数のタッチ制御によって制御することができる。更に、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104上で必要となるように、及び/又は、所望されるように、1又は複数の特定の1点/マルチポイントのジェスチャを、少なくとも1つの実装されるタッチ制御の選択されたサブセットを特定するためのユーザ入力として提供することができる。
【0025】
図3Bは、超音波ビームフォーミング及び撮像動作340が、タッチスクリーン上に入力されたタッチジェスチャに呼応して制御されるプロセスシーケンスを示す。データプロセッサが、タブレットデバイス内でビームフォーミング及び画像処理動作を制御することができるよう(342)、様々な静的及び移動タッチジェスチャがシステム内にプログラムされている。ユーザは、第1の表示動作に関連する第1の複数のタッチジェスチャをもつ第1の表示動作を選択することができる(344)。静的又は移動ジェスチャを利用して、ユーザは、撮像動作を制御することができる複数のジェスチャのうち1つを実行することができ、特に、第1の表示動作に関連する画像データを生成するために利用されているビームフォーミングパラメータを調節することができる(346)、複数のジェスチャのうちの1つを選択することができる。表示される画像は、更新されたビームフォーミングプロシージャに呼応して、更新及び表示される(348)。ユーザは更に、第1の超音波表示動作の第2の特徴を調節(350)するために、異なる速度特性(方向又は速度又はこれら両方)をもつ異なるジェスチャを実行することを選択することができる。表示される画像は、次に、第2のジェスチャに基づいて更新され(352)、これにより、撮像動作パラメータ又はビームフォーミングパラメータを修正することができる。このプロセスの例は、本明細書で、様々な異なるジェスチャの速度及び方向の変更を、選択された表示動作の別個の撮像パラメータに関連させることができる、更なる詳細において記載される。
【0026】
カラーフローであろうとスペクトルドップラーであろうと、フロー又は組織の移動の超音波画像は、本質的に、移動の測定から得られる。超音波スキャナでは、一連のパルスが送信されて、血液の移動を検出する。静的な対象物からのエコーは、各パルスにつき同じである。移動する分散物からのエコーは、時系列において、スキャナに戻る信号について僅かに差分を示す。
【0027】
図3Cから
図3E,
図3F、
図3G,
図3Hから分かるように、ビームの方向に動きがある必要がある、つまり、フローがビームに垂直な場合には、パルスごとの受信からの相対的な動きがなく、フローが検出されない。これらの差分は、直接の時間差として測定することができ、より通常的には、「ドップラー周波数」が得られる位相シフトによって測定される。次にこれらは、カラーフロー表示又はドップラーソノグラムを生成するべく動作される。
図3Cから
図3Dでは、フローの方向がビームの方向に垂直であり、パルス波スペクトルドップラーによってフローが測定されない。
図3Gから
図3Hでは、超音波ビームが、フローによりよく位置合わせされる角度にステアリングされるとき、弱い流れがカラーフローマップ内に示されており、加えて、フローがパルス波ドップラーによって測定される。
図3Hでは、超音波ビームが、移動に呼応してフローの方向にもっとよりよく位置合わせされた角度にステアリングされるとき、カラーフローマップはより強固なものとなり、加えて、PWDの補正角度がフローに対して位置合わせされて配置されるとき、PWDによって強固な流れが測定される。
【0028】
このタブレット超音波システムでは、ROI(対象領域)も、超音波送信ビームの移動ジェスチャに呼応して方向を定義するために利用される。
図3Iは、ROIがトランスデューサからまっすぐ降りており、流れの方向が超音波ビームに対して略法線方向なので、非常に弱い腎血流(renal flow)が検出される、カラーフローモードの腎血流の支流をもつ肝臓の画像を示している。従い、カラーフローモードが、肝臓内の腎血流を撮像するために利用される。ビームがフローに対して略法線方向であり、非常の弱い流れが検出されていることが分かるだろう。指をROI外においた、フリックするジェスチャを利用してビームをステアリングする。
図3Jから分かるように、ビームの方向がフローの方向により位置合わせされるようにビームフォーミングパラメータをリセットすることでROIをステアリングすることで、ROI内にはるかに強いフローが検出される。
図3Jでは、指をROIの外においた、フリックするジェスチャを利用して、超音波ビームを、フローの方向によりよく位置合わせされた方向へとステアリングする。ROI内のより強いフローを見ることができる。ROI内に指を置いた、パニングするジェスチャによって、ROIボックスが、全腎臓領域をカバーする位置に移動する、つまり、パニングによって、ROIボックスが並進運動して、ボックスが全対象領域をカバーすることができる。
【0029】
図3Kは、パニングするジェスチャを示す。指をROI内において、ROIボックスを、画像面内の任意の場所に移動させることができる。上述した実施形態では、指を「ROI」ボックス外におく「フリックする」ジェスチャがビームのステアリングのために意図されており、指を「ROI」内におく「ドラッグ及び移動、パニング」するジェスチャがROIボックスの移動のために意図されていると区別することが容易である。しかし、参照領域としてROIが存在しない用途では、「フリック」又は「パニング」ジェスチャを区別するのが難しいことが容易に見て取れ、この場合には、タッチスクリーンプログラムは、指の初期速度又は加速度をトラッキングして、「フリックする」ジェスチャなのか、「ドラッグ及び移動する」ジェスチャなのかを判断する必要がある。故に、データをタッチスクリーンセンサデバイスから受信するタッチエンジンは、異なるジェスチャを指定する速度しきい値の間を区別するようプログラムされる。故に、異なる移動ジェスチャに関連付けられた時間、速度、及び方向が、プリセットされたしきい値を有することができる。2又は3の指の静的及び移動ジェスチャは、これら制御動作を区別するためにそれぞれ別個のしきい値を有することができる。プリセット表示アイコン又は仮想ボタンは、別個の静的圧力又は期間のしきい値をもつことができる。フルスクリーンモードで動作するとき、タッチスクリーンプロセッサは、好適には、スキャン変換、静的アイコンのスイッチオフ等の他の撮像動作を実行するシステムの中央処理装置で動作している。
【0030】
図4Aから
図4Cは、タッチスクリーンディスプレイ104上に医療超音波撮像機器100のユーザにより実装することができるタッチ制御の例示的なサブセット402、404、406を示す。タッチスクリーンディスプレイ104の上に、必要される場合及び/又は所望される場合に、任意の他のタッチ制御のサブセットを実装することができる。
図4Aに示すように、サブセット402は、二次元(2D)モード動作を実行するためのタッチ制御408、利得制御動作を実行するためのタッチ制御410、色制御動作を実行するためのタッチ制御412、及び、が画像/クリップフリーズ/ストア動作を実行するためのタッチ制御414を含む。例えば、ユーザは、タッチ制御408を作動させて、医療超音波撮像機器100を二次元モードに戻すために、押下するジェスチャ320を利用することができる。更に、ユーザは、利得レベルを低減させるためにタッチ制御410の1つの側に対して押下するジェスチャ320を利用して、利得レベルを増加させるためにタッチ制御410の別の側に対して押下するジェスチャ320を利用することができる。更には、ユーザは、タッチ制御412上をドラッグするジェスチャ318を利用して、所定のカラーコードを利用して、2D画像上の密度範囲を特定することができる。加えて、ユーザは、押下するジェスチャ320を利用して、タッチ制御414を作動させて、静止画をフリーズ/ストアし、シネ画像クリップを取得することができる。
【0031】
図4Bに示すように、サブセット404は、スクリーン分割制御動作を実行するためのタッチ制御416、PW撮像制御動作を実行するためのタッチ制御418、ドップラー及び二次元ビームステアリング制御動作を実行するためのタッチ制御420、及び、注釈動作を実行するためのタッチ制御422を含む。例えば、ユーザは、タッチ制御416に対して押下するジェスチャ320を利用することができ、これにより、ユーザは、分割されたスクリーンの各側においてタップするジェスチャ302を交互に利用することにより、分割されたタッチスクリーンディスプレイ104の対向する側の間を切り替えることができる。更に、ユーザは、タッチ制御418を作動させPWモードに入るために、押下するジェスチャ320を利用することができ、これにより、(1)角度補正のユーザ制御、(2)押下及びドラッグするジェスチャ322を利用することによりタッチスクリーンディスプレイ104の上に表示することができるベースラインの移動(例えば「上」又は「下」)、及び/又は(3)タッチスクリーンディスプレイ104の上に表示することができるスケールバーの上にタップするジェスチャ302を利用することによるスケールの増加又は減少が可能となる。更に、ユーザは、タッチ制御420の1つの側に対して押下するジェスチャ320を利用して、二次元ビームステアリングを、「左」又は任意の他の適切な方向に、5の増分量又は任意の適切な増分量で行うことができ、タッチ制御420の別の側に対して押下するジェスチャ320を利用して、二次元ビームステアリングを、「右」又は任意の他の適切な方向に、5の増分量又は任意の適切な増分量で行うことができる。加えて、ユーザは、タッチ制御422上にタップするジェスチャ302を利用することができ、これにより、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104上に表示することができるポップアップキーボードを介して注釈情報を入力することができる。
【0032】
図4Cに示すように、サブセット406は、動的な範囲動作を実行するためのタッチ制御424、Teravision(登録商標)ソフトウェア動作を実行するためのタッチ制御426、マップ動作を実行するためのタッチ制御428、及び、ニードルガイド動作を実行するためのタッチ制御430を含む。例えば、ユーザは、動的な範囲を制御又はセットするために、タッチ制御424に対する、押下するジェスチャ320及び/又は押下及びドラッグするジェスチャ322を利用することができる。更に、ユーザは、コンピュータのマザーボード106の上にプロセッサによってメモリから実行されるTeravision(登録商標)ソフトウェアの所望のレベルを選択するべく、タッチ制御426の上でタップするジェスチャ302を利用することができる。更に、ユーザは、所望のマップ動作を実行するために、タッチ制御428の上でタップするジェスチャ302を利用することができる。加えて、ユーザは、所望のニードルガイド動作を実行するために、タッチ制御430に対して、押下するジェスチャ320を利用することができる。
【0033】
本願においては、医療超音波撮像機器100(
図1参照)のタッチスクリーンディスプレイ104の上の超音波画像として表示されるオブジェクト(例えば臓器、組織等)の様々な測定及び/又はトレースが、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上に1点/マルチポイントのジェスチャを利用して、実行可能である。ユーザは、表示されるオブジェクトの元の超音波画像の上に、表示されるオブジェクトの超音波画像の拡大バージョンの上に、及び/又は、タッチスクリーンディスプレイ104の仮想窓506(
図5C及び
図5Dを参照)内の超音波画像の拡大部分の上に、直接これらのオブジェクトの測定及び/又はトレースを実行することができる。
【0034】
図5A及び
図5Bは、例示的なオブジェクト、つまり、医療超音波撮像機器100(
図1参照)のタッチスクリーンディスプレイ104の上に表示された、嚢腫性病変504を持つ肝臓502の元の超音波画像を示している。これらの超音波画像は、機器100に動作可能に接続されている超音波プローブ/トランスデューサによって生成される超音波が肝臓の組織を貫通することに呼応して、医療超音波撮像機器100によって生成することができる点に留意されたい。嚢腫性病変504を持つ肝臓502の測定及び/又はトレースは、タッチスクリーンディスプレイ104上に表示されている元の超音波画像の上に、又は、超音波画像の拡大バージョンの上に、直接行うことができる(
図5A及び
図5B参照)。例えば、ユーザは、これら超音波画像の拡大バージョンを、2本の指をタッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上においてこれらの間を広げて元の超音波画像を拡大するための、広げるジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kの広げるジェスチャ312を参照)を利用することで、得ることができる。肝臓502及び嚢腫性病変504のこれらの測定及び/又はトレースは、更に、タッチスクリーンディスプレイ104上の仮想窓506(
図5C及び
図5D参照のこと)内の超音波画像の拡大部分に対して実行することができる。
【0035】
例えば、彼又は彼女の指(例えば
図5Aから
図5Dの指508を参照)を利用して、ユーザは、嚢腫性病変504に対応する領域等の対象領域の近傍の、タッチスクリーンディスプレイ104(
図5B参照)の表面105に対して押下するジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kの押下するジェスチャ320を参照)を利用して仮想窓506を得ることができる。押下するジェスチャに呼応して、仮想窓506(
図5C及び
図5D参照)は、タッチスクリーンディスプレイ104の上に、おそらく少なくとも部分的に元の超音波画像の上に重ねられて表示されることにより、ユーザに、嚢腫性病変504の近傍の肝臓502の拡大部分の図を提供する。例えば、
図5Cの仮想窓506は、嚢腫性病変504の超音波画像の拡大部分の図を提供することができ、これは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105に対して押下された指508によりカバーされている。拡大された嚢腫性病変504を、仮想窓506内へ再配置するためには、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104(
図5D)の表面105に対して押下及びドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kの押下及びドラッグするジェスチャ322)を利用することにより、嚢腫性病変504の画像を仮想窓506内の所望の位置に移動させることができる。一実施形態では、医療超音波撮像機器100は、ユーザに、仮想窓506内の拡大レベルを、元の超音波画像より2倍大きく、4倍大きく、又は、任意の他の適切な倍率大きく選択することができるよう構成することができる。ユーザは、彼又は彼女の指(例えば
図5Aから
図5Dの指508参照)をタッチスクリーンディスプレイ104から上げることにより、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105から仮想窓506を取り除くことができる。
【0036】
図6Aは、医療超音波撮像機器100(
図1参照)のタッチスクリーンディスプレイ104上に表示されている、別の例示的なオブジェクトの超音波画像、つまり、心臓602の心尖の4つの室を示す。これらの超音波画像は、機器100に動作可能に接続されている超音波プローブ/トランスデューサによって生成される超音波が心臓の組織を貫通することに呼応して、医療超音波撮像機器100によって生成することができる点に留意されたい。心臓602の測定及び/又はトレースは、タッチスクリーンディスプレイ104(
図6Aから
図6E)上に表示されている元の超音波画像の上に、又は、超音波画像の拡大バージョンの上に、直接行うことができる。例えば、彼又は彼女の指(例えば
図6Bから
図6Eの指610、612を参照)を利用して、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105上の1又は複数のマルチフィンガージェスチャを利用することで、心臓602の左心室606(
図6Bから
図6E)の心膜境界604(
図6B)の手動トレースを実行する。一実施形態では、彼又は彼女の指(例えば
図6Bから
図6Eの指610、612参照)を利用して、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105上にダブルタップするジェスチャ(例えば
図3Aのダブルタップするジェスチャ310)を利用することで、カーソル607を得ることができ、1本の指610等の1本の指を利用してドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aのドラッグするジェスチャ318)を利用することでカーソル607を移動することで、タッチスクリーンディスプレイ104の上の所望の場所にカーソル607を移動させることができる。ここで記載されるシステム及び方法は、2004年4月2日提出の米国出願第10/817,316に詳細に記載されているように(この全内容をここに参照により組み込む)、心壁の動きの定量的測定及び特に心室のdysynchronyの測定のために利用することができる。
【0037】
指610の位置が特定するように、ひとたびカーソル607がタッチスクリーンディスプレイ104の所望の場所にくると、ユーザは、タップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302参照)を利用して、例えば指612等の別の指を利用して、その場所にカーソル607を固定することができる。心膜境界604の手動トレースを実行するために(
図6Bを参照)、ユーザは、
図6C及び
図6Dに示すように、指610を利用して、押下及びドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kの押下及びドラッグするジェスチャ322を参照)を利用することができる。心膜境界604の手動のトレースは、任意の適切な方法でタッチスクリーンディスプレイ104の上に強調することができる(例えば破線608(
図6Cから
図6E)参照)。心膜境界604の手動のトレースは、指610がタッチスクリーンディスプレイ104の任意の適切な場所に到達するまで、又は、指610がカーソル607の場所に戻るまで続けることができる(例えば
図6Eに示すように)。指610がカーソル607の所定の場所又は任意の他の適切な場所にくると、ユーザは、指612を利用して、タップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302を参照)を利用することで、手動のトレース動作を完了することができる。これらの手動のトレース動作は、任意の他の適切な特徴及び/又は波形(パルス波ドップラー(PWD)波形等)をトレースするために利用することができる。一実施形態では、医療超音波撮像機器100を、少なくとも部分的にそれぞれの特徴/波形の手動トレースに基づいて、これら特徴及び/又は波形に関する任意の適切な計算及び/又は測定を実行するよう構成することができる。
【0038】
上述したように、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の上の仮想窓内の表示されているオブジェクトの元の超音波画像の拡大部分の上でオブジェクトの測定及び/又はトレースを実行することができる。
図7Aから
図7Cは、例示的なオブジェクト、つまり、医療超音波撮像機器100(
図1参照)のタッチスクリーンディスプレイ104の上に表示されている嚢腫性病変704をもつ肝臓702の元の超音波画像を示す。
図7Aから
図7Cは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105に対して押下されている、指710等の、ユーザの指のうちの1本がカバーしている、嚢腫性病変704の超音波画像の拡大部分の図を提供する仮想窓706を更に示す。彼又は彼女の指(例えば
図7Aから
図7Cの指710、712)を利用して、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上で1又は複数のマルチフィンガージェスチャを利用することで、仮想窓706内の嚢腫性病変704のサイズ測定を実行することができる。
【0039】
例えば、彼又は彼女の指(例えば
図7Aから
図7Cの指710、712)を利用して、表面105の上に、ダブルタップするジェスチャ(
図3Aから
図3Kに示すダブルタップするジェスチャ310)を利用することで、ユーザは、第1のカーソル707(
図7B,
図7C)を得ることができ、指710等の1本の指を利用してドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのドラッグするジェスチャ318)を利用することにより第1のカーソル707を動かして、所望の場所に第1のカーソル707を移動させることができる。ひとたび第1のカーソル707が、指710の位置が決定する所望の場所にいくと、ユーザは、指712等の別の指を利用して、タップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302参照)を利用して、第1のカーソル707をその場所に固定することができる。同様に、ユーザは、表面105の上にダブルタップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのダブルタップするジェスチャ310参照)を利用することで、第2のカーソル709を得ることができ(
図7C参照)、指710を利用してドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのドラッグするジェスチャ318)を利用することにより、第2のカーソル709を移動することができ、これにより第2のカーソル709を所望の場所に移動させることができる。ひとたび第2のカーソル709が、指710の場所が決定する所望の場所にいくと、ユーザは、指712等の別の指を利用して、タップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302参照)を利用して、第2のカーソル709をその場所に固定することができる。一実施形態では、医療超音波撮像機器100は、少なくとも部分的に第1及び第2のカーソル707、709の場所に基づいて、嚢腫性病変704に関する任意の適切なサイズ計算及び/又は測定を実行するよう構成することができる。
【0040】
図8Aから
図8Cは、例示的なオブジェクト、つまり、医療超音波撮像機器100(
図1)のタッチスクリーンディスプレイ104に表示されている嚢腫性病変804を持つ肝臓802の元の超音波画像を示す。
図8Aから
図8Cは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105に対して押下されている、指810等の、ユーザの指のうちの1本がカバーしている、嚢腫性病変804の超音波画像の拡大部分の図を提供する仮想窓806を示す。彼又は彼女の指(例えば
図8Aから
図8Cの指810、812)を利用して、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ104の表面105の上で1又は複数のマルチフィンガージェスチャを利用することで、仮想窓806内の嚢腫性病変804のキャリバー測定を実行することができる。
【0041】
例えば、彼又は彼女の指(例えば
図8Aから
図8Cの指810、812)を利用して、表面105の上に、ダブルタップするジェスチャ(
図3Aから
図3Kに示すダブルタップするジェスチャ310)を利用することで、ユーザは、第1のカーソル807(
図8B,
図8C)を得ることができ、指810等の1本の指を利用してドラッグするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのドラッグするジェスチャ)を利用することで第1のカーソル807を移動させることにより、所望の場所に第1のカーソル807を移動させることができる。ひとたび第2のカーソル807が、指810の場所が決定する所望の場所にいくと、ユーザは、指812等の別の指を利用して、タップするジェスチャ(例えば
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302参照)を利用して、カーソル807をその場所に固定することができる。ユーザは次に押下及びドラッグするジェスチャ(
図3Aから
図3Kの押下及びドラッグするジェスチャ322)を利用して、接続ライン811(
図8B、
図8C参照)を得て、接続ライン811を嚢腫性病変804の上の第1のカーソル807から嚢腫性病変804の別の側の所望の場所に延ばす。ひとたび接続ライン811が、嚢腫性病変804から嚢腫性病変804の別の側の所望の場所に延びると、ユーザは、指812を利用して第2のカーソル809(
図8C)をその所望の場所に得て固定するべく、タップするジェスチャ(
図3Aから
図3Kのタップするジェスチャ302)を利用することができる。一実施形態では、医療超音波撮像機器100は、少なくとも部分的に第1及び第2のカーソル807、809の場所の間を延びる接続ライン811に基づいて、嚢腫性病変804に関する任意の適切なキャリバー計算及び/又は測定を実行するよう構成することができる。
【0042】
図9Aは、トランスデューサエレメントのアレイ152をもつトランスデューサ筐体150が、コネクタ114において筐体102に取り付けることができるシステム140を示す。各プローブ150は、取り付けられるプローブを一意に特定するプローブ特定回路154を有することができる。ユーザが異なるアレイの異なるプローブを挿入すると、システムは、プローブ動作パラメータを特定する。好適な実施形態は、センサ107からのタッチスクリーンデータを分析して、画像処理動作及びビームフォーマー制御プロセッサ(1116、1124)の両方に対してコマンドを送信するタッチプロセッサ109に接続可能なタッチセンサ107をもつディスプレイ104を含みうる。好適な実施形態では、タッチプロセッサが、ここで記載する表示及び撮像動作を制御することができる超音波タッチスクリーンエンジンを動作させるための命令を格納するコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0043】
図9Bは、超音波アプリケーションプログラム内の典型的なトランスデューサ管理モジュール902のソフトウェアフローチャート900を示す。トランスデューサ取り付け904イベントを検出すると、トランスデューサ管理ソフトウェアモジュール902が第1に、トランスデューサタイプID906及びハードウェア改定情報を、識別セグメントから読み出す。情報は、ハードディスクから、トランスデューサプロフィールデータの特定のセットをフェッチして(908)、これをアプリケーションプログラムのメモリにロードするために利用される。ソフトウェアは次に、FACTORYセグメント910から調節データを読み出し(912)、調整を、メモリにロードしたばかりのプロフィールデータに適用する。ソフトウェアモジュールは次に、TRANSDUCER ATTACHメッセージをメイン超音波アプリケーションプログラムに送信し(914)、これは既にロードしたトランスデューサプロフィールを利用している。承認(916)の後、超音波撮像シーケンスが実行され、USAGEセグメントが更新される(918)。トランスデューサ管理ソフトウェアモジュールは次に、TRANSDUCER DETACHイベント920又は5分の経過を待つ。TRANSDUCER DETACHイベントが検出されると(921)、メッセージ(924)を送信して承認し(926)、トランスデューサプロフィールデータセットをメモリから除去し(928)、モジュールは別のTRANSDUCER ATTACHイベントを待つために戻る。TRANSDUCER DETACHイベントを検出せずに5分の期間が切れると、ソフトウェアモジュールはUSAGEセグメント922の累積利用カウンタを増分して、更に5分の期間の経過か、TRANSDUCER DETACHイベントを待つ。累積メッセージは、維持及び置き換えの記録のために、メモリに記録される。
【0044】
多くの種類の超音波トランスデューサが存在する。これらは形状、エレメント数、及び周波数応答において異なっている。例えば胸部撮像には中央周波数が10から15MHzの直線配列がより適しており、腹部撮像には中央周波数が3から5MHzの曲線配列が適している。
【0045】
しばしば、同じ又は異なる超音波スキャンセッションには、それぞれ異なるタイプのトランスデューサの利用が必要となる場合がある。1つのトランスデューサ接続しかない超音波システムにおいては、オペレータがトランスデューサを、新しいスキャンセッションの開始の前に変更する。
【0046】
幾つかの用途では、1回の超音波スキャンセッション中に、異なるタイプのトランスデューサ間を切り替える必要がある。この場合には、同じ超音波システムに複数のトランスデューサを接続して、オペレータが、オペレータコンソール上のボタンを押してこれらの接続されているトランスデューサ間を迅速に切り替えることができると(より長い時間のかかる、トランスデューサを物理的に切り離したり再度取り付けたりする必要なく)、より好都合である。本願の発明者たちの好適な実施形態は、タブレット筐体内の複数のプローブコネクタポート間を選択することができるタブレット筐体内のマルチプレクサを含むことができ、又は、タブレット筐体が、ここで記載するカート上に搭載可能な外部マルチプレクサに接続することができる。
【0047】
図10は、例示的な実施形態における心臓の同調性を監視する例示的な方法を示す。この方法では、参照テンプレートがメモリにロードされ、ユーザが撮像面を特定する手助けを行う(ステップ930)。次に、ユーザは、所望の撮像面を特定する(ステップ932)。通常は、心臓の心尖の四腔断面図(4-Chamber view)が利用されるが、他の像を利用してもよく、その場合も本発明の精神から逸脱しない。
【0048】
時として、心膜境界の特定は難しく、このような困難に遭遇したときには、同じ図の組織ドップラー撮像を利用してよい(ステップ934)。中隔及び側部の自由壁を特定するための参照テンプレートが提供される(ステップ936)。次に、例えば±30cm/秒の予め設定されている速度スケールをもつ標準的な組織ドップラー撮像(TDI)が利用されてよい(ステップ938)。
【0049】
次に、所望のトリプレックス画像の参照が提供されてよい(ステップ940)。Bモード又はTDIのいずれかを利用して、距離ゲート(range gate)を導く(ステップ942)。距離ゲート(range gate)を導くためにBモードを利用することができ(ステップ944)、又は、距離ゲート(range gate)を導くためにTDIを利用することができる(ステップ946)。TDI又はBモードを、距離ゲートを導くために利用することで、スペクトルドップラーで中隔壁の視線平均速度(radial mean velocity)を表示させるべく、方向補正角度を利用することができる。次に第1のパルス波スペクトルドップラーを利用して、デュプレックス又はトリプレックスモードを用いて中隔壁の平均速度(radical mean velocity)を測定する(ステップ948)。データを処理し、同期不全(dysychrony)を計算するために利用されるソフトウェアは、場所(例えば中央点)を利用して、自動的に、心壁の日付のある場所の間の角度を設定して、パラメータの設定の簡略化を助けることができる。
【0050】
第2の距離ゲート位置も、デュプレックス画像又はTDIを利用して導かれ(ステップ950)、所望の場合には、方向補正角度を利用してもよい。ステップ950で、中隔壁と側部の自由壁の平均速度が、システムによりトラッキングされている。スペクトルドップラー平均速度の時間積分952を、対象領域(例えば中隔壁及び左心室の自由壁)で行い、次に、中隔及び左自由壁のそれぞれの移動(displacement)を提供する。
【0051】
上述した方法ステップは、収集される信号に存在するベースライン変動(baseline disturbance)を除去するための関連技術分野で公知の高パスフィルタリング手段(アナログ又はデジタル)と共に利用されてよい。加えて、開示される方法は、心室中隔及び左心室の自由壁の動きをトラッキングするために、複数の同時PWスペクトルドップラーラインを利用する。加えて、複数ゲートの構造が、各スペクトルライン沿いに利用されてよいので、これにより、局所壁の動きの定量的測定が可能となる。複数のゲートの平均を取ることにより、グローバルな壁の動きの測定が可能となってよい。
【0052】
図11は、
図1及び
図2Aに示す超音波デバイスのコンピュータのマザーボード106(つまり、ホストコンピュータ)の例示的な実施形態及び、超音波エンジン108(つまりフロントエンドの超音波専用回路)の例示的な実施形態の詳細概略ブロック図である。超音波エンジン108及び/又はコンピュータのマザーボード106のコンポーネントが、特定用途向け集積回路(ASIC)に実装されてよい。例示的な実施形態では、例示的なASICは、高いチャネルカウントをもち、各チップにつき、より多いチャネルをパッキングできる(32)。当業者であれば、超音波エンジン108及びコンピュータのマザーボード106が、示されているものより多い又は少ないモジュールを含んでよいことを認識する。例えば、超音波エンジン108及びコンピュータのマザーボード106は、
図17に示すモジュールを含んでよい。
【0053】
トランスデューサアレイ152は、1又は複数の画像対象1102に対して、超音波を送信して、反射した超音波を受信するよう構成されている。トランスデューサアレイ152は、1又は複数のケーブル1104を利用して超音波エンジン108に連結されている。
【0054】
超音波エンジン108は、駆動信号をトランスデューサアレイ152に適用して、トランスデューサアレイ152から戻りエコー信号を受信するために、高電圧送信/受信(TR)モジュール1106を含む。超音波エンジン108は、戻りエコー信号を増幅して、適切なプリアンプ/減衰補正(TGC)機能を信号に適用するために、TGCモジュール1108を含む。超音波エンジン108は、戻りエコー信号がプリアンプ/TGCモジュール1108により増幅及び処理された後に、各チャネルで遅延係数が利用したサンプリングされたデータビームフォーマー1110を含む。
【0055】
幾つかの例示的な実施形態では、高電圧TRモジュール1106、プリアンプ/TGCモジュール1108、及びサンプル補間受信ビームフォーマー1110が、それぞれ、8から64のチャネルをチップごとにもつシリコンチップであってよいが、例示的な実施形態はこの範囲に限定はされない。特定の実施形態では、高電圧TRモジュール1106、プリアンプ/TGCモジュール1108、及びサンプル補間受信ビームフォーマー1110が、それぞれ、8, 16, 32, 64等のチャネルをもつシリコンチップであってよい。
図11に示すように、例示的なTRモジュール1106、例示的なプリアンプ/TGCモジュール1108、及び例示的なビームフォーマー1110は、それぞれ、32のチャネルを含むシリコンチップの形態をとってよい。
【0056】
超音波エンジン108は、ビームフォーマー1110が出力する処理されたデータをバッファリグするために利用される、先入れ先出し(FIFO)バッファモジュール1112を含む。超音波エンジン108は更に、プログラム命令及びデータを格納するためにメモリ1114と、超音波エンジンモジュールの動作を制御するためにシステムコントローラ1116とを含む。
【0057】
超音波エンジン108は、標準的な高速通信プロトコル、例えばFirewire(登録商標)(IEEE1394規格のシリアルインタフェース)、又は高速(例えば200から400Mbit/秒又はこれ以上、等)ユニバーサルシリアルバス(USB2.0USB3.0)プロトコルに準拠できる通信リンク112を介してコンピュータのマザーボード106とインタフェースする。コンピュータのマザーボードへの標準的な通信リンクは、少なくとも400Mbit/秒又はこれより高いレートで動作して、好適には、800Mbit/秒又はこれより高いレートで動作する。又は、リンク112は、赤外線(IR)リンク等の無線接続であってもよい。超音波エンジン108は、通信リンク112を確立及び維持するための通信チップセット1118(例えばFirewire(登録商標)チップセット)を含む。
【0058】
同様にコンピュータのマザーボード106は更に、通信リンク112を確立及び維持するための通信チップセット1120(例えばFirewire(登録商標)チップセット)も含む。コンピュータのマザーボード106は、超音波撮像動作を実行するためのデータ及び/又はコンピュータ実行可能命令を格納するためのコアコンピュータ可読メモリ1122を含む。メモリ1122は、コンピュータのためのメインメモリを形成し、ある例示的な実施形態では、DDR3メモリの約4Gbを格納してよい。コンピュータのマザーボード106は更に、超音波撮像処理動作を実行するためのコアコンピュータ可読メモリ1122に格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するためのマイクロプロセッサ1124も含む。例示的なマイクロプロセッサ1124は、Intel Core-i5プロセッサ等の既製品の商用コンピュータプロセッサであってよい。別の例示的なマイクロプロセッサ1124としては、デジタル信号プロセッサ(DSP)ベースのプロセッサ、例えば、Texas Instruments社の1又は複数のDaVinci(登録商標)プロセッサ等、が挙げられる。コンピュータのマザーボード106は更に、超音波データ、スキャン及びマップを表示するために利用することができるディスプレイデバイスを制御するための、ディスプレイコントローラ1126も含む。
【0059】
マイクロプロセッサ1124が実行する例示的な動作は、これらに限定はされないが、ダウン変換(I、Qサンプルを受信した超音波データから生成するためのもの)、スキャン変換(超音波データを、ディスプレイデバイスの表示フォーマットに変換するためのもの)、ドップラー処理(動き及び/又は超音波データからのフロー情報を決定及び/又は撮像するためのもの)、カラーフロー処理(一実施形態では自動補正を利用して、Bモードの超音波画像の上に重畳されたドップラーシフトのカラーコードされたマップを生成するためのもの)、パワードップラー処理(パワードップラーデータを決定し、及び/又は、パワードップラーマップを生成するためのもの)、スペクトルドップラー処理(スペクトルドップラーデータを生成し、及び/又は、スペクトルドップラーマップを生成するためのもの)、及び後信号処理を含む。これらの動作は、更に詳しく2003年3月11日提出の「Ultrasound Probe with Integrated Electronics」なる名称のWO03/079038 A2に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。
【0060】
より小さい又はより軽い携帯可能な超音波デバイスを実現するために、超音波エンジン108は、全体的なパッケージングサイズ及び超音波エンジン108を提供する回路基板の設置面積の低減を含む。この目的のために、例示的な実施形態は、高いチャネルカウントを提供しつつ、全体的なパッケージングサイズ及び設置面積を最小限にした、小型で軽い形態可能な超音波デバイスを提供する。幾つかの実施形態では、例示的な超音波エンジンの、高いチャネルカウントの回路基板は、各チップが複数のチャネル(例えば32のチャネル)を提供するような、1又は複数のマルチチップモジュールを含んでよい。ここで利用される「マルチチップモジュール」という用語は、複数の集積回路(IC)が、統一基板内にパッケージングされ、単一のコンポーネント(つまりより大きなIC)としての利用を促す、電子パッケージのことを頌す。マルチチップモジュールは、例示的な回路基板において利用されることで、高密度インターコネクト(HDI)基板に2又はそれ以上のアクティブなICコンポーネントを集積して、全体的なパッケージングサイズを低減させることができる。例示的な実施形態では、マルチチップモジュールが、送信/受信(TR)シリコンチップ、増幅器シリコンチップ、及び超音波エンジンのビームフォーマーシリコンチップを垂直積層することで組み立てられてよい。超音波エンジンの単一の回路基板は、これらマルチチップモジュールの1又は複数を含むことで、高いチャネルカウントを提供し、又同時に、全体的なパッケージングサイズ及び回路基板の設置面積を最小限にすることができる。
【0061】
図12は、垂直積層構成に組み立てられたマルチチップモジュールを含む回路基板1200の部分の概略側面図である。アクティブ電子集積回路コンポーネントの2又はそれ以上の層が、単一の回路に垂直方向に統合される。IC層は、垂直積層構成の互いに対して実質的に平行に延びる、間隔のある平面に配向される。
図12では、回路基板が、マルチチップモジュールを支持するためにHDI基板1202を含む。例えば第1のビームフォーマーデバイスを含む第1の集積回路チップ1204が、基板1202に、任意の適切な連結メカニズム、例えば、エポキシの適用及び硬化を利用して連結される。第1のスペーサ層1206は、例えばエポキシの適用及び硬化を利用して、基板1202と反対の第1の集積回路チップ1204の表面に連結される。例えば第2のビームフォーマーデバイスを含む第2の集積回路チップ1208が、例えばエポキシの適用及び硬化を利用して、第1の集積回路チップ1204と反対の第1のスペーサ層1206の表面に連結される。金属フレーム1210が、集積回路チップ間に、機械的及び/又は電気的接続のために提供される。例示的な金属フレーム1210は、リードフレームの形態をとってよい。第1の集積回路チップ1204は、金属フレーム1210に、配線1212を利用して連結されてよい。第2の集積回路チップ1208は、配線1214を利用して同じ金属フレーム1210に連結されてよい。パッケージング1216は、マルチチップモジュールアセンブリを密閉して、複数の集積回路チップを実質的に互いに対して平行な配置に維持するよう提供される。
【0062】
図12に示されているように、第1の集積回路チップ1204、第1のスペーサ層1206、及び、第2の集積回路チップ1208の垂直方向の三次元積層により、回路基板上に高密度機能が提供され、同時に、全体的なパッケージングサイズ及び設置面積が、垂直積層されたマルチチップモジュールを利用しない超音波エンジン回路基板と比較して、最小限になる。当業者であれば、例示的なマルチチップモジュールが、2つの積層された集積回路チップに限定されないことを認識する。マルチチップモジュールに垂直集積されるチップの例示的な数は、これらに限定はされないが、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8個、等を含んでよい。
【0063】
超音波エンジン回路基板の一実施形態では、
図12に示すような単一のマルチチップモジュールが提供される。他の実施形態では、複数のマルチチップモジュールが
図12に更に示されている。例示的な実施形態では、複数のマルチチップモジュール(例えば2つのマルチチップモジュール)が、超音波エンジンの回路基板の上に互いに垂直に積層されてよく、これにより、パッケージングサイズ及び回路基板の設置面積が更に最小化される。
【0064】
設置面積を低減させる必要性に加えて、更には、マルチチップモジュールにおいて、全体的なパッケージの高さを低減させる必要もある。例示的な実施形態では、サブ数百ミクロンまでのウェハの薄膜化を利用して、マルチチップモジュールのパッケージ高さを低減させてよい。
【0065】
任意の適切な技術を利用して、基板上にマルチチップモジュールを組み立てることができる。例示的なアセンブリ技術は、これらに限定はされないが、基板がマルチレイヤ積層プリント回路基板である積層MCM(MCM-L)、マルチチップモジュールが薄膜技術を利用してベース基板上に成膜される成膜MCM(MCM-D)、及び、幾つかの導電層がセラミック基板上に成膜されて、高温共焼結セラミック(HTCC)又は低温共焼結セラミック(LTCC)であるガラス層内に埋め込まれる、セラミック基板MCM(MCM-C)を含む。
【0066】
図13は、垂直積層構成に組み立てられたマルチチップモジュールを含む回路基板を製造するための例示的な方法のフローチャートである。ステップ1302で、HDI基板が製造され、提供される。ステップ1304で、金属フレーム(例えばリードフレーム)が提供される。ステップ1306で、第1のIC層が、基板に、例えばエポキシの適用及び硬化を利用して、連結又は接着される。第1のIC層は、金属フレームに、ワイヤボンディングされる。ステップ1308で、例えば、エポキシの適用及び硬化を利用して、スペーサ層が第1のIC層に連結され、これにより、層が垂直に積層され、互いに実質的に平行に延びる。ステップ1310において、第2のIC層が、例えばエポキシの適用及び硬化を利用してスペーサ層に連結され、これにより、層の全てが垂直に積層され、互いに実質的に平行に延びる。第2のIC層は、金属フレームにワイヤボンディングされる。ステップ1312において、パッケージングが利用され、マルチチップモジュールアセンブリが密閉される。
【0067】
マルチチップモジュールにおける例示的なチップ層は、互いに、任意の適切な技術を利用して連結されてよい。例えば、
図12に示す実施形態において、スペーサ層が、チップ層間に提供されて、チップ層を、空間的に隔てられるよう分離してよい。パッシブシリコン層、ダイ接着ペースト層、及び/又はダイ接着フィルム層が、スペーサ層として利用されてよい。マルチチップモジュールを製造するために利用される例示的なスペーサ技術は、更に、Toh CHらによる「Die Attach Adhesives for 3D Same-Sized Dies Stacked Packages」なる名称の文献(58
th Electronic Components and Technology Conference (ECTC2008)、pp. 1538-43,フロリダ、米国(2008年5月27-30日))に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。
【0068】
ダイ接着(DA)ペースト又はフィルムのための重要な要件は、隣接するダイのパッシベーション材料に対する良好な接着性である。更に、均一な接着リンクの厚み(BLT:bond-link thickness)が、大きなダイのアプリケーションには必要になる。加えて、高温及び低湿度吸収における高い結合力が、信頼性のためには好適である。
【0069】
図14Aから
図14Cは、例示的な実施形態で利用されてよい、垂直積層ダイを含む例示的なマルチチップモジュールの概略側面図である。周辺及び中央パッドのワイヤボンド(WB)パッケージの両方が示されており、マルチチップモジュールの例示的なチップ層をワイヤボンディングするために利用されてよい。
図14Aは、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図であり、ここでは、ダイ同士が、2イン1のダイシングするダイ取り付けフィルム(D-DAF)をもつパッシブシリコン層によって互いから空間的に隔てられている。
図14Bは、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図であり、ここでは、ダイ同士が、ダイごとのスペーサとして機能するDAフィルムベースの接着剤によって互いから空間的に隔てられている。
図14Cは、4つの垂直積層ダイを含むマルチチップモジュールの概略側面図であり、ここでは、ダイ同士が、ダイごとのスペーサとして機能するDAペースト又はフィルムベースの接着剤によって互いから空間的に隔てられている。DAペースト又はフィルムベースの接着剤は、幾つかの例示的な実施形態ではワイヤ貫通機能を有してよい。
図14Cの例示的なマルチチップモジュールでは、フィルムオーバワイヤ(FOW)を利用して、ロングワイヤボンディング及び中央ボンディングパッドが積層されたダイパッケージを可能とする。FOWは、同じ又は同様のサイズのワイヤボンディングされたダイを、パッシブシリコンスペーサなしに、互いの上に直接積層することができるワイヤ貫通機能をもつダイ接着フィルムを利用する。これにより、同じ又は同様のサイズのダイが互いの上に直接積層される際の課題が解決されるが、さもなくば、下方のダイのボンドワイヤにおいて全く又は十分なクリアランスが設けられないという問題が生じる。
【0070】
図14B及び
図14Cに示すDA材料は、好適には、組み立てプロセス中のボイド及びブリードを少なく、又はこれらを生じることなく、ボンドライン厚み(BLT)を維持する。組み立て中に、ダイ間に挟まれたDA材料は、ダイに対する良好な接着性を維持する。DA材料の材料特性は、バルク破裂(bulk fracture)なく高温信頼性加圧のための高い結合力を維持するように調整される。DA材料の材料特性は、更に、パッケージ信頼性の欠陥(例えば、ポップコーン作用(popcorning)により、パッケージ内の湿度から圧力が蓄積して、界面又はバルク破裂が生じる)を生じうる湿度累積を最小限にする、又は、好適にはなくすように調整される。
【0071】
図15は、同じ又は同様のサイズのワイヤボンディングされたダイを、パッシブシリコンスペーサなしに互いの上に直接積層することを許可する、(a)2イン1のダイシングするダイ取り付けフィルム(D-DAF)をもつパッシブシリコン層、(b)DAペースト、(c)厚みのあるDA-フィルム、(d)ワイヤ貫通機能をもつダイ接着フィルムを利用するフィルムオーバワイヤ(FOW)を利用するダイからダイへの積層の特定の例示的方法のフローチャートである。各方法は、ウェハの裏面研削を実行することで、ウェハの厚みを低減させて、集積回路の積層及び高密度パッケージングを可能とする。ウェハは、個々のダイを切り離すようにのこぎりで切り取られる。第1のダイは、例えばエポキシの適用とオーブンでの硬化とを利用することにより、マルチチップモジュールの基板に接着される。ワイヤボンディングが、第1のダイを金属フレームに連結するために利用される。
【0072】
方法(a)では、第1のパッシブシリコン層が第1のダイに、ダイスするダイ接着フィルム(D-DAF)を利用して積層により接着される。第2のダイは、D-DAFを利用して積層により第1の不動態層に接着される。ワイヤボンディングが、第2のダイを金属フレームに連結するために利用される。第2のパッシブシリコン層は、D-DAFを利用して積層により第2のダイに接着される。第3のダイは、D-DAFを利用して積層により第2の不動態層に接着される。ワイヤボンディングが、第3のダイを金属フレームに連結するために利用される。第3のパッシブシリコン層は、D-DAFを利用して積層により第3のダイに接着される。第4のダイは、D-DAFを利用して積層により第3の不動態層に接着される。ワイヤボンディングが、第4のダイを金属フレームに連結するために利用される。
【0073】
方法(b)では、ダイ接着(DA)ペーストの塗布及び硬化が、マルチ薄膜ダイ積層用途のために、繰り返される。DAペーストが、第1のダイの上に塗布され、第2のダイがDAペーストの上に提供されて、第1のダイの上に硬化される。ワイヤボンディングが、第2のダイを金属フレームに連結するために利用される。DAペーストが、第2のダイの上に塗布され、第3のダイがDAペーストの上に提供されて、第2のダイの上に硬化される。ワイヤボンディングが、第3のダイを金属フレームに連結するために利用される。DAペーストが、第3のダイの上に塗布され、第4のダイがDAペーストの上に提供されて、第3のダイの上に硬化される。ワイヤボンディングが、第4のダイを金属フレームに連結するために利用される。
【0074】
方法(c)では、ダイ接着フィルム(DAF)が切り出されて底部ダイに押下され、上部ダイが次に配置されて、DAFに対して熱圧縮(thermal compressed)される。例えば、DAFを第1のダイに押下して、第2のダイがDAFの上に熱圧縮される。ワイヤボンディングが、第2のダイを金属フレームに連結するために利用される。同様に、DAFを第2のダイに押下して、第3のダイがDAFの上に熱圧縮される。ワイヤボンディングが、第3のダイを金属フレームに連結するために利用される。DAFを第3のダイに押下して、第4のダイがDAFの上に熱圧縮される。ワイヤボンディングが、第4のダイを金属フレームに連結するために利用される。
【0075】
方法(d)では、フィルムオーバワイヤ(FOW)が、同じ又は同様のサイズのワイヤボンディングされたダイを、パッシブシリコンスペーサなしに互いの上に直接積層することができるワイヤ貫通機能をもつダイ接着フィルムを利用する。第2のダイが、積層により第1のダイに接着され硬化される。フィルムオーバワイヤボンディングを利用して、第2のダイを金属フレームに結合する。第3のダイは、積層により第1のダイに接着され硬化される。フィルムオーバワイヤボンディングを利用して、第3のダイを金属フレームに結合する。第4のダイは、積層により第1のダイに接着され硬化される。フィルムオーバワイヤボンディングを利用して、第4のダイを金属フレームに結合する。
【0076】
上述したステップが完了すると、各方法(a)から(d)において、ウェハ成形及び成形後硬化(PMC:post-mold curing)が実行される。この後で、ボールマウント及びシンギュレーションが実行される。
【0077】
上述したダイ接着技術の更なる詳細は、TOH CHらによる「Die Attach Adhesives for 3D Same-Sized Dies Stacked Packages」なる名称の文献(58th Electronic Components and Technology Conference (ECTC2008)、pp. 1538-43,フロリダ、米国(2008年5月27-30日))に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。
【0078】
図16は、TRチップ1602、増幅器チップ1604、及び、ビームフォーマーチップ1606が、基板1614上に垂直積層構成で垂直統合されて含まれている、マルチチップモジュール1600の概略側面図である。
図12から
図15に示す任意の適切な技術を利用して、マルチチップモジュールを製造してよい。当業者であれば、チップが積層される具体的な順序が、他の実施形態では異なっていてよいことを認識する。第1及び第2のスペーサ層1608、1610は、チップ1602、1604、1606を、空間的に隔てられるよう提供される。各チップは、金属フレーム(例えばリードフレーム)1612に連結される。特定の例示的な実施形態では、熱伝達及びヒートシンクメカニズムがマルチチップモジュールに提供されてよく、これにより、バルク破裂(bulk fracture)のない高温信頼性加圧が維持される。
図16の他のコンポーネントが、
図12及び
図14Aから
図14Cを参照して記載される。
【0079】
この例示的な実施形態では、各マルチチップモジュールが、例えば32個のチャネル等の多数のチャネルのための完全な送信、受信、TGC増幅、及び、ビームフォーミング動作を取り扱ってよい。3つのシリコンチップを単一のマルチチップモジュールに垂直集積することにより、プリント回路基板に必要な空間及び設置面積が更に低減される。複数のマルチチップモジュールが単一の超音波エンジン回路基板上に提供されてよく、これにより、更にチャネル数が増加して、同時に、パッケージングサイズ及び設置面積が最小化される。例えば、128個のチャネルの超音波エンジン回路基板108が、約10cm×約10cmの例示的な平面寸法内に製造されてよく、これは、従来の超音波回路の空間要件から顕著な向上である。好適な実施形態では、1又は複数のマルチチップモジュールを含む超音波エンジンの単一の回路基板は、16から128のチャネルを有してよい。特定の実施形態では、1又は複数のマルチチップモジュールを含む超音波エンジンの単一の回路基板は、16, 32, 64, 128等のチャネルを有してよい。
【0080】
図17は、単一の基板の完全な超音波システムとして提供されるコンピュータのマザーボード106(つまりホストコンピュータ)の例示的な実施形態及び超音波エンジン108(つまりフロントエンドの超音波専用回路)の例示的な実施形態の詳細な概略ブロック図である。
図17に示される、例示的な単一の基板の超音波システムは、約25cm×約18cmの例示的な平面寸法を有してよいが、他の寸法も可能である。
図17の単一の基板の完全な超音波システムは、
図1、
図2A、2B、及び9Aに示す超音波デバイスに実装することができ、
図3Aから
図3Kから
図8Aから
図8C、
図9B及び
図10に示す動作を実行するために利用されてよい。
【0081】
超音波エンジン108は、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサの接続を促すための、プローブコネクタ114を含む。超音波エンジン108では、TRモジュール、増幅器モジュール、及びビームフォーマーモジュールが、垂直積層されて、
図16に示すマルチチップモジュールが形成され、これにより、全体的なパッケージングサイズ及び超音波エンジン108の設置面積が最小化される。超音波エンジン108は、第1のマルチチップモジュール1710と第2のマルチチップモジュール1712とを含み、これらそれぞれにおいて、TRチップ、超音波パルサー及びレシーバ、時間利得制御増幅器を含む増幅器チップ、及びサンプルデータビームフォーマーチップが、
図16に示す積層構成において垂直統合されていてよい。第1及び第2のマルチチップモジュール1710、1712は、互いの上に垂直に積層されてよく、これにより回路基板上に必要な面積が更に最小化される。この代わりに、第1及び第2のマルチチップモジュール1710、1712が、回路基板上に水平方向に配置されてもよい。例示的な実施形態では、TRチップ、増幅器チップ、及びビームフォーマーチップがそれぞれ、32チャネルのチップであり、各マルチチップモジュール1710、1712が、32のチャネルを有する。当業者であれば、例示的な超音波エンジン108が、これらに限定はされないが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つのマルチチップモジュールを含みうることを認識する。好適な実施形態では、システムは、トランスデューサ筐体内に第1のビームフォーマーを持ち、タブレット筐体内に第2ビームフォーマーを持つように構成することができる。
【0082】
ASIC及びマルチチップモジュール構成により、128チャネルの完全な超音波システムを、小さい単一の基板上に、タブレットコンピュータフォーマットのサイズで実装することができる。例示的な128のチャネルの超音波エンジン108は、例えば、約10cm×約10cmの例示的な平面寸法内に収容することができ、これは、従来の超音波回路の空間要件から顕著な向上である。例示的な128のチャネルの超音波エンジン108は、更に、約100cm2の例示的な面積内にも収容することができる。
【0083】
超音波エンジン108は更に、トランスデューサアレイを利用して超音波スキャンを実行するためにタイミングクロックを生成するための、クロック生成複雑プログラム可能論理デバイス(CPLD)1714を含む。超音波エンジン108は、トランスデューサアレイから受信するアナログ超音波信号をデジタルRF形成ビームに変換するためのアナログ-デジタル変換回路(ADC)1716を含む。超音波エンジン108は更に、受信遅延プロフィールを管理して、送信波形を生成するために、1又は複数の遅延プロフィール及び波形生成フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1718を含む。超音波エンジン108は、超音波スキャンのための遅延プロフィールを格納するためのメモリ1720を含む。例示的なメモリ1720は、単一のDDR3メモリチップであってよい。超音波エンジン108は、超音波スキャンシーケンス、送信/受信タイミング、メモリ1720へ/からのプロフィールの格納及びフェッチ、及び、デジタルRFデータストリームのコンピュータのマザーボード106への高速シリアルインタフェース112を介したバッファリング及び移動を管理するよう構成された、スキャンシーケンス制御フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)1722を含む。高速シリアルインタフェース112は、コンピュータのマザーボード106及び超音波エンジン108の間の、Firewire(登録商標)又はその他のシリアル又はパラレルバスインタフェースを含んでよい。超音波エンジン108は、通信リンク112を確立及び維持するために、通信チップセット1118(例えばFirewire(登録商標)チップセット)を含む。
【0084】
電力モジュール1724は、電力を超音波エンジン108に供給して、充電環境を管理して、電力管理動作を実行する。電力モジュール1724は、調整された、低ノイズの電力を、超音波回路のために生成することができ、高電圧を、TRモジュールの超音波送信パルサーのために生成することができる。
【0085】
コンピュータのマザーボード106は、超音波撮像動作を実行するためのデータ及び/又はコンピュータ実行可能命令を格納するためのコアコンピュータ可読メモリ1122を含む。メモリ1122は、コンピュータのためのメインメモリを形成し、例示的な実施形態では、DDR3メモリの約4Gbを格納してよい。メモリ1122は、オペレーティングシステム、コンピュータ実行可能命令、プログラム及び画像データを格納するための固体ハードドライブ(SSD)を含んでよい。例示的なSSDは、約128Gbの容量を有してよい。
【0086】
コンピュータのマザーボード106は、更に、超音波撮像処理動作を実行するための、コアコンピュータ可読メモリ1122に格納されているコンピュータ実行可能命令を実行するためのマイクロプロセッサ1124を含む。例示的な動作は、これらに限定はされないが、ダウン変換、スキャン変換、ドップラー処理、カラーフロー処理、パワードップラー処理、スペクトルドップラー処理、後信号処理を含む。例示的なマイクロプロセッサ1124は、既製品の商用コンピュータプロセッサ、例えばIntel Core-i5プロセッサ等であってよい。別の例示的なマイクロプロセッサ1124は、デジタル信号プロセッサ(DSP)ベースのプロセッサ、例えばTexas Instruments社のDaVinci(登録商標)プロセッサ等であってよい。
【0087】
コンピュータのマザーボード106は、USBポート、ビデオディスプレイポート等の入出力(I/O)及びグラフィック周辺機器を制御するよう構成するコプロセッサを含む、I/O及びグラフィックチップセット1704を含む。コンピュータのマザーボード106は、無線ネットワーク接続を提供するよう構成された無線ネットワークアダプタ1702を含む。例示的なアダプタ1702は、802.11g及び 802.11n規格をサポートしている。コンピュータのマザーボード106は、コンピュータのマザーボード106をディスプレイ104にインタフェースするよう構成されたディスプレイコントローラ1126を含む。コンピュータのマザーボード106は、コンピュータのマザーボード106と超音波エンジン108との間に高速データ通信を提供するべく構成された通信チップセット1120、例えばFirewire(登録商標)チップセット又はインタフェース、を含む。例示的な通信チップセット1120は、IEEE 1394bの800Mbit/秒インタフェースであってよい。USB3, Thunder-Bolt, PCIe等の他のシリアル又はパラレルインタフェース1706が代わりに提供されてよい。電力モジュール1708は、電力をコンピュータのマザーボード106に供給し、充電環境を管理し、電力管理動作を実行するよう提供される。
【0088】
例示的なコンピュータのマザーボード106は、約12cm×約10cmの例示的な平面寸法内に収容されてよい。例示的なコンピュータのマザーボード106は、約120cm2の例示的な面積内に収容することができる。
【0089】
図18は、例示的な実施形態において提供される例示的な携帯可能な超音波システム100の斜視図である。システム100は、
図18に示すタブレットフォームファクタであるが任意の他の適切なフォームファクタであってもよい、筐体102を含む。例示的な筐体102は、2cm未満の厚みをもってよく、好適には、0.5cmと1.5cmとの間であってよい。筐体102のフロントパネルは、1又はそれ以上の、複数の及び/又は同時のタッチをタッチスクリーンディスプレイ104の表面の上に認識及び区別するよう構成されたマルチタッチLCDタッチスクリーンディスプレイ104を含む。ディスプレイ104の表面は、ユーザの指、ユーザの手、又はオプションとしてスタイラス1802の1又は複数を利用してタッチされてよい。筐体102は、これらに限定はされないが1又は複数のUSBコネクタ、1又は複数のSDカード、1又は複数のネットワークミニディスプレイポート、及びDC電力入力を含みうる1又は複数のI/Oポートコネクタ116を含む。
【0090】
筐体102は、少なくとも1つの超音波プローブ/トランスデューサ150の接続を促すためのプローブコネクタ114を含む、又はこれに連結される。超音波プローブ150は、1又は複数のトランスデューサアレイ152を含むトランスデューサ筐体を含む。超音波プローブ150は、柔軟性をもつケーブル1806沿いに提供される筐体コネクタ1804を利用して、プローブコネクタ114に連結可能である。当業者であれば、超音波プローブ150が、例えばビームフォーミング等の超音波専用動作を実行するための回路を含むインタフェース筐体等の任意の他の適切なメカニズムを利用して、筐体102に連結されてよいことを認識するだろう。超音波システムの他の例示的な実施形態の更なる詳細は、2003年3月11日に提出された"Ultrasound Probe with Integrated Electronics"なる名称のWO 03/079038 A2に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。
【0091】
図19は、
図18の携帯可能な超音波システム100のタッチスクリーンディスプレイ104にレンダリングされたメイングラフィックユーザインタフェース(GUI)1900の例示的な図を示す。メインGUI1900は、超音波システム100が開始されるときに表示されてよい。ユーザが、メインGUI1900をナビゲートする手助けを行うべく、GUIは、以下の4つの例示的なワークエリア、つまり、メニューバー1902、画像表示窓1904、画像制御バー1906、及びツールバー1908を含むとして考えることができる。更なるGUIコンポーネントがメインGUI1900に提供されてもよく、例えばこれにより、ユーザは、GUI及び/又はGUIの窓を閉じたり、サイズ変更したり、終了させたりすることができる。
【0092】
メニューバー1902は、ユーザに、超音波データ、画像、及び/又はビデオを、画像表示窓1904内の表示のために選択させる。メニューバー1902は、例えば、患者フォルダディレクトリ及び画像フォルダディレクトリの1又は複数のファイル選択するためのGUIコンポーネントを含んでよい。画像表示窓1904は、超音波データ、画像及び/又はビデオを表示して、任意で、患者情報を提供してよい。ツールバー1908は、これらに限定はされないが、現在の画像及び/又はビデオをファイルにセーブするためのセーブボタン、シネループとしての前のフレームの最大許容可能数をセーブするためのセーブループボタン、現在の画像を印刷するための印刷ボタン、画像をフリーズするための画像フリーズボタン、シネループの再生の態様を制御するための再生ツールバー等を含む、画像又はビデオ表示に関する機能を提供する。メインGUI1900に提供されうる例示的なGUI機能の更なる詳細は、2003年3月11日に提出された"Ultrasound Probe with Integrated Electronics"なる名称のWO 03/079038 A2に記載されており、この全内容をここに参照により明示的に組み込む。
【0093】
画像制御バー1906は、ユーザによってディスプレイ104の表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、二次元タッチ制御408、利得タッチ制御410、カラータッチ制御412、格納タッチ制御414、分割タッチ制御416、PW撮像タッチ制御418、ビームステアリングタッチ制御20、注釈タッチ制御422、動的な範囲の動作タッチ制御424、Teravision(登録商標)タッチ制御426、マップ動作タッチ制御428、及びニードルガイドタッチ制御428を含んでよい。これらの例示的なタッチ制御は、
図4Aから
図4Cとの関連で更に詳細に記載される。
【0094】
図20は、本発明におけるタブレットのフォームファクタで実装される、例示的な医療超音波撮像機器2000の例示的な実施形態を示す。タブレットは、12.5" x 1.25" x 8.75"又は31.7 cm x 3.175 cm x 22.22 cmの寸法をもってよいが、2500 cm
3未満の容積及び8lb(約3628グラム)未満の重量をもつ任意の他の適切なフォームファクタであってもよい。
図20に示すように、医療超音波撮像機器2000は、筐体2030、タッチスクリーンディスプレイ2010を含み、超音波画像2010、超音波サウンドデータ2040が表示されてよく、超音波制御2020は、タッチスクリーンディスプレイ2010によって制御されるよう構成される。筐体2030は、フロントパネル2060とリアパネル2070とを有してよい。タッチスクリーンディスプレイ2010は、フロントパネル2060を形成し、タッチスクリーンディスプレイ2010の上に、ユーザの1又は複数の、複数及び同時のタッチを認識及び区別することができるマルチタッチLCDタッチスクリーンを含む。タッチスクリーンディスプレイ2010は、容量性のマルチタッチ及びAVAH LCDスクリーンを有してよい。例えば、容量性のマルチタッチ及びAVAH LCDスクリーンは、ユーザに、複数の角度からの画像を、解像度を失うことなく見せることができてよい。別の実施形態では、ユーザは、タッチスクリーン上へのデータ入力のためのスタイラスを利用してよい。タブレットは、ユーザに、スタンドをタブレットフォームファクタに準拠する格納位置からスイベルすることを許可させることで、デバイスがリアパネル上に平坦に横たわることができるようにする、又は、ユーザが、スタンドをスイベルして、タブレットが、支持表面に対する複数の斜め角度のうち1つに直立位置に立つようにすることができるようにするような統合された折り畳み可能なスタンドを含むことができる。
【0095】
容量性タッチスクリーンモジュールは、透明導電体(例えばインジウムスズ酸化物等)で被覆された、例えばガラス等の絶縁体を含む。製造プロセスは、ガラス、xセンサフィルム、yセンサフィルム、及び液晶材料の間の接着プロセスを含んでよい。タブレットは、ユーザが、乾いた又は湿った手袋をはめつつ、ピンチしたりストレッチしたりする等のマルチタッチジェスチャを実行してもよいように構成される。スクリーンの表面は、スクリーンと接触する導電体を検知する。接触は、スクリーンの静電界を歪曲して、これにより、容量に測定可能な変更が生じる。次にプロセッサは、静電界の変更を解釈する。反応性のレベルの増加は、層を低減して、タッチスクリーンを「セル内(in-cell)」技術で生成することにより可能となる。「セル内」技術は、ディスプレイ内にキャパシタを配置することにより、層をなくす。「セル内」技術の適用により、ユーザの指とタッチスクリーン対象との間の可視距離が低減して、これにより、表示内容との、より指向性のある接触が生成され、タップ及びジェスチャの反応性が増加する。
【0096】
図21は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムのための好適なカートシステムを示す。カートシステム2100は、タブレットを受け付けるドッキングベイを含むベースアセンブリ2122を利用する。カート構成2100は、タッチスクリーンディスプレイ2102を含むタブレット2104をカート2108にドッキングするが、これは、フルオペレータコンソール2124を含むことができる。タブレット2104がカートスタンド2108にドッキングされた後で、システム中を、全特徴が動き回るシステム(full feature roll about system)を形成する。全特徴が動き回るシステムは、調節可能な高さのデバイス2106、ジェルホルダ2110、格納ビン2114、複数の車輪2116、ホットプローブホルダ2120、及びオペレータコンソール2124を含んでよい。制御デバイスは、キーボード2112をオペレータコンソール2124に含んでよく、これには更に、プリンタ又はビデオインタフェース又は他の制御デバイス等の更なる他の周辺機器を有してよい。
【0097】
図22は、本発明においてモジュラー超音波撮像システムをもつ実施形態で利用される好適なカートシステムを示す。カートシステム2200は、水平支持部2028に連結された垂直支持部2212とともに構成されてよい。補助デバイス取り付け2014のための位置をもつ補助デバイスコネクタ2018は、垂直支持部2212に接続するべく構成されてよい。3ポートのプローブのMUX接続デバイス2016も、更に、タブレットに接続するよう構成されてよい。格納ビン2224は、格納ビン取り付けメカニズム2222によって、垂直支持部2212に取り付けるよう構成することができる。カートシステムは更に、垂直支持部に取り付けるよう構成されたコード管理システム2226を含んでよい。カートアセンブリ2200は、車輪2232をもつベース2228に取り付けられた支持梁2212と、電力をタブレットの拡張動作に提供するバッテリ2230を含む。アセンブリは更に、高さ調節デバイス2226を搭載したアクセサリホルダ2224を含むことができる。ホルダ2210、2218は、梁2212又はコンソールパネル2214に搭載することができる。マルチポートプローブマルチプレックスデバイス2216は、タブレットに接続されて、ユーザが表示されている視覚的スイッチで順次選択することができる幾つかのトランスデューサプローブの同時接続を提供する。表示される画像に対する移動タッチジェスチャ、例えば3つの指のフリック等、又は、表示されている仮想ボタン又はアイコンのタッチにより、接続されているプローブ間の切り替えを行うことができる。
【0098】
図23は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムのための公的なカート搭載システムを示す。配置2300は、ドッキングステーション2304に連結されたタブレット2302を示している。ドッキングステーション2304は、取り付けメカニズム2306に取り付けられる。取り付けメカニズム2306は、ユーザ表示をユーザ所望の位置に傾斜させることができるヒンジ部2308を含む。取り付けメカニズム2306は、垂直部2312に取り付けられる。ここで記載するタブレット2302は、梁2212の上部の搭載アセンブリ2306に搭載されたベースドッキングユニット2304の上に搭載することができる。ベースユニット2304は、システム2302をバッテリ2230及びマルチプレクサデバイス2216に接続する、クレードル2310、電気コネクタ2305、及びポート2307を含む。
【0099】
図24は、タブレット2402がコネクタ2404で搭載アセンブリ2406の上に接続されている、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムにおける好適なカートシステム2400を示す。配置2400は、垂直支持部2408に、ドッキングエレメント2304なしに取り付けメカニズム2404によって連結されたタブレット2402を示す。取り付けメカニズム2404は、表示調節のためにヒンジ部2406を含んでよい。
【0100】
図25A及び
図25Bは、マルチ機能ドッキングステーションを示す。
図25Aは、ドッキングステーション2502、ベースアセンブリ2506をもちドッキングステーション2502に係合するタブレット2504を示す。タブレット2504及びドッキングステーション2502は、電気的に接続されてよい。タブレット2504は、ドッキングステーション2502から、解放メカニズム2508に係合することで、解放されてよい。ドッキングステーション2502は、トランスデューサプローブ2510との接続のために、トランスデューサポート2512を含んでよい。ドッキングステーション2502は、3USB3.0ポート、LANポート、ヘッドフォンジャック及び充電のためのパワーコネクタを含むことができる。
図25Bは、本発明の好適な実施形態における、タブレット2504、及びスタンドをもつドッキングステーションステーション2502の側面図を示す。ドッキングステーションは、調節可能なスタンド/ハンドル2526を含んでよい。調節可能なスタンド/ハンドル2526は、複数の視野角度のために傾斜されてよい。調節可能なスタンド/ハンドル2526は、運ぶ目的のためにフリップして立てられてよい。側面図は更に、トランスデューサポート2512及びトランスデューサプローブコネクタ2510も示している。
【0101】
図26は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムでの二次元撮像動作モードを示す。タブレットのタッチスクリーン2504は、256のデジタルビームフォーマーチャネルを利用して二次元トランスデューサプローブにより得られた画像を表示してよい。二次元画像窓2602は、二次元画像スキャン2604を示す。二次元画像は、柔軟な周波数スキャン2606を用いて得られてよく、制御パラメータがタブレット上に表されている。
【0102】
図27は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムでの移動動作モードを示す。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ2700は、移動動作モードにより得られた画像を表示してよい。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ2700は、同時に二次元2706及び動き撮像モード2708を表示してよい。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ2700は、二次元画像2706をもつ二次元画像窓2704を表示してよい。グラフィックユーザインタフェースで表示される柔軟な周波数制御2702は、2MHzから12MHzまでの周波数を調節するために利用することができる。
【0103】
図28は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるカラードップラー動作モードを示す。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ2800は、カラードップラー動作モードにより得られた画像を表示する。二次元画像窓2806がベースディスプレイとして利用される。カラーコードされた情報2808が、二次元画像2810上に重ねられる。赤血球細胞の超音波ベースの撮像は、送信された信号の受信されたエコーから得られる。エコー信号の一次的特徴は、周波数と振幅である。振幅は、超音波ビームがサンプリングした容積内の移動血液の量に応じている。スキャンの品質を制御するための表示により高いフレームレート又は高い解像度を調節することができる。より高い周波数は、急峻な流れにより生成されてよく、より明るい色で表示することができるが、より低い周波数は、より暗い色で表示される。柔軟な周波数制御2804及びカラードップラースキャン情報2802が、タブレットディスプレイ2800上に表示されてよい。
【0104】
図29は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるパルス波ドップラー動作モードを示す。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ2900は、パルス波ドップラー動作モードにより得られた画像を表示してよい。パルス波ドップラースキャンは、サンプル容積又はサンプルゲート2012と称される、所望の超音波カーソル沿いの小さな領域内の血流の動きを分析するために利用される一連のパルスを生成する。タブレットディスプレイ2900は、二次元画像2902を示してよく、サンプル容積/サンプルゲート2012が重ねられている。タブレットディスプレイ2900は、二次元画像2902及び時間/ドップラー周波数シフト2910を示すために、混合動作モード2906を利用してよい。時間/ドップラー周波数シフト2910は、ビームと血流との間の適切な角度が分かっている場合に、速度及び流れに変換することができる。時間/ドップラー周波数シフト2910におけるグレーの陰影2908は、信号の強度を表していてよい。スペクトル信号の厚みは、層流又は乱流を示していてよい。タブレットディスプレイ2900は、調節可能な周波数制御2904を示すことができる。
【0105】
図30は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるトリプレックススキャン動作モードを示す。タブレットディスプレイ3000は、二次元画像を単体で又はカラードップラー又は指向性ドップラー特徴との組み合わせで表示することができる二次元窓3002を含んでよい。タブレットのタッチスクリーンディスプレイ3000は、カラードップラー動作モードにより得られた画像を表示してよい。二次元画像窓3002は、ベースディスプレイとして利用される。カラーコードされた情報3004が二次元画像3016の上に重ねられる3006。パルス波ドップラー特徴は単体で又は二次元撮像又はカラードップラー撮像との組み合わせで利用されてよい。タブレットディスプレイ3000は、二次元画像3016の上に重ねられたサンプル容積/サンプルゲート3008、又はカラーコードが重ねられたもの3006により、単独で又は組み合わせられて表されるパルス波ドップラースキャンを含んでよい。タブレットディスプレイ3000は、時間/ドップラー周波数シフト3012を表す分割されたスクリーンを表してよい。時間/ドップラー周波数シフト3012は、日光にさらすビーム(insolating beam)と血流との間の適切な角度が分かっている場合に、速度と流れとに変換することができる。時間/ドップラー周波数シフト3012におけるグレーの陰影3014は、信号の強度を表してよい。スペクトル信号の厚みは、層流又は乱流を示してよい。タブレットディスプレイ3000は、柔軟な周波数制御3010も示してよい。
【0106】
図31は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためGUIホームスクリーンインタフェース3100を示す。ユーザ動作モードのためのスクリーンインタフェース3100は、超音波システムを開始するときに表示されてよい。ユーザがGUIホームスクリーン3100をナビゲートするのを助けるために、ホームスクリーンは、メニューバー3104、画像表示窓3102、及び画像制御バー3106の3つの例示的なワークエリアを含むものとして考えられてよい。更なるGUIコンポーネントが、メインGUIホームスクリーン3100上に提供されて、ユーザに、GUIホームスクリーン及び/又はGUIホームスクリーンの窓を閉じたり、サイズ変更したり、終了させたりすることを許可してよい。
【0107】
メニューバー3104は、ユーザに、画像表示窓3102に表示するための、超音波データ、画像、及び/又はビデオを選択させてよい。メニューバーは、患者フォルダディレクトリ、及び、画像フォルダディレクトリから、1又は複数のファイルを選択するためのコンポーネントを含んでよい。
【0108】
画像制御バー3106は、ユーザから直接ディスプレイの表面に適用されたタッチ及びタッチジェスチャにより動作されてよいタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、深さ制御タッチ制御3108、二次元利得タッチ制御3110、フルスクリーンタッチ制御3112、テキストタッチ制御3114、スクリーン分割タッチ制御3116、ENVタッチ制御3118、CDタッチ制御3120、PWDタッチ制御3122、フリーズタッチ制御3124、ストアタッチ制御3126、及び最適化タッチ制御3128を含んでよい。
【0109】
図32は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによる、ユーザ動作モードのための、GUIメニュースクリーンインタフェース3200を示す。ユーザ動作モードのためのスクリーンインタフェース3200は、メニューバー3204からメニュー選択モードがトリガされたときに表示されてよく、これにより、超音波システムの動作が開始される。ユーザがGUIホームスクリーン3100をナビゲートするのを助けるために、ホームスクリーンは、メニューバー3204、画像表示窓3202、及び画像制御バー3220の3つの例示的なワークエリアを含むものとして考えられてよい。更なるGUIコンポーネントが、メインGUIメニュースクリーン3200上に提供されて、例えば、ユーザに、GUIメニュースクリーン及び/又はGUIメニュースクリーンの窓を閉じたり、サイズ変更したり、終了させたりすることを許可してよい。
【0110】
メニューバー3204は、ユーザに、画像表示窓3202に表示するための、超音波データ、画像、及び/又はビデオを選択させてよい。メニューバー3204は、患者フォルダディレクトリ、及び、画像フォルダディレクトリから、1又は複数のファイルを選択するためのタッチ制御コンポーネントを含んでよい。拡張フォーマットで示されており、メニューバーは、患者タッチ制御3208、プリセットタッチ制御3210、レビュータッチ制御3212、レポートタッチ制御3214、及びセットアップタッチ制御3216等の、例示的なタッチ制御を含んでよい。
【0111】
画像制御バー3220は、ユーザから直接ディスプレイの表面に適用されたタッチ及びタッチジェスチャにより動作されてよいタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、深さ制御タッチ制御3222、二次元利得タッチ制御3224、フルスクリーンタッチ制御3226、テキストタッチ制御3228、スクリーン分割タッチ制御3230、ニードル可視化ENVタッチ制御3232、CDタッチ制御3234、PWDタッチ制御3236、フリーズタッチ制御3238、ストアタッチ制御3240、及び最適化タッチ制御3242を含んでよい。
【0112】
図33は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUI患者データスクリーンインタフェース3300を示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3300は、患者選択モードがメニューバー3302からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。ユーザがGUI患者データスクリーン3300をナビゲートするのを助けるために、患者データスクリーンは、新たな患者のタッチスクリーン制御3304、新たなスタディタッチスクリーン制御3306、スタディリストタッチスクリーン制御3308、ワークリストタッチスクリーン制御3310、及び編集タッチスクリーン制御3312、の5つの例示的なワークエリアを含むものとして考えられてよい。各タッチスクリーン制御内では、更なる情報のエントリフィールドが利用可能である(3314、3316)。例えば患者情報セクション3314、及びスタディ情報セクション3316が、データを記録するために利用されてよい。
【0113】
患者データスクリーン3300内で、画像制御バー3318は、ユーザから直接ディスプレイの表面に適用されたタッチ及びタッチジェスチャにより動作されてよいタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、受付スタディタッチ制御3320、クローズスタディタッチ制御3322、印刷タッチ制御3324、印刷プレビュータッチ制御3326、キャンセルタッチ制御3328、二次元タッチ制御3330、フリーズタッチ制御3332、及びストアタッチ制御3334を含んでよい。
【0114】
図34は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUI患者データスクリーンインタフェース3400を示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3400は、プリセット選択モード3404がメニューバー3402からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。
【0115】
プリセットスクリーン3400内では、画像制御バー3408が、ユーザによってディスプレイの表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、セーブ設定タッチ制御3410、削除タッチ制御3412、CDタッチ制御3414、PWDタッチ制御3416、フリーズタッチ制御3418]、ストアタッチ制御3420、及び最適化タッチ制御3422を含んでよい。
【0116】
図35は、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIレビューデータスクリーンインタフェース3500を示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3500は、プリセット拡張レビュー3504、選択モード3404がメニューバー3502からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。
【0117】
レビュースクリーン3500内で、画像制御バー3516は、ユーザから直接ディスプレイの表面に適用されたタッチ及びタッチジェスチャにより動作されてよいタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、サムネール設定タッチ制御3518、syncタッチ制御3520、選択タッチ制御3522、前の画像タッチ制御3524、次の画像タッチ制御3526、二次元画像タッチ制御3528、ポーズ画像タッチ制御3530、及び、ストア画像タッチ制御3532を含んでよい。
【0118】
画像表示窓3506は、ユーザに、複数のフォーマットで画像をレビューさせてよい。画像表示窓3506は、ユーザに、画像3508, 3510, 3512, 3514を、組み合わせで、又はサブセットにより見させ、又は、いずれかの画像3508, 3510, 3512, 3514を個々に見せる。画像表示窓3506は、4つの画像3508, 3510, 3512, 3514までを表示して同時に見せるよう構成されてよい。
【0119】
図36は、発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIレレポートスクリーンインタフェースを示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3600は、レポート拡張レビュー3604がメニューバー3602からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。ディスプレイスクリーン3606は、超音波レポート情報3626を含む。ユーザは、超音波レポート3626内のワークシートセクションを利用して、コメント、患者情報及びスタディ情報を記入してよい。
【0120】
レポートスクリーン3600内では、画像制御バー3608が、ユーザによってディスプレイの表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、セーブタッチ制御3610、タッチとしてのセーブ制御3612、印刷タッチ制御3614、印刷プレビュータッチ制御3616、クローズスタディタッチ制御3618、二次元画像タッチ制御3620、フリーズ画像タッチ制御3622、及びストア画像タッチ制御3624を含んでよい。
【0121】
図37A、
図37B,
図37Cは、本発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップスクリーンインタフェースを示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3700は、レポート拡張レビュー3704がメニューバー3702からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。
【0122】
セットアップ拡張スクリーン3704内では、セットアップ制御バー3744が、ユーザによってディスプレイの表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、一般的なタッチ制御3706、表示タッチ制御3708、測定タッチ制御3710、注釈タッチ制御3712、印刷タッチ制御3714、ストア/取得タッチ制御3716、DICOMタッチ制御3718、エクスポートタッチ制御3720、及びスタディ情報画像タッチ制御3722を含んでよい。タッチ制御は、ユーザに構成情報を入力させるディスプレイスクリーンを含んでよい。例えば、一般的なタッチ制御3706は、構成スクリーン3724を含み、ユーザはここに構成情報を入力してよい。更に、一般的なタッチ制御3706は、ソフトキードッキング位置3726のユーザ構成を可能とするセクションを含む。
図37Bは、右側の位置合わせをもつソフトキー制御3752を示す。
図37Bは更に、ソフトキー制御矢印3750を作動させることで、キーの位置合わせが反対側に変更され、この場合には左側の位置合わせとなることを示している。
図37Cは、ソフトキー制御3762の左側の位置合わせを示しており、ユーザは、ソフトキー制御矢印3760を利用することで、配向変更を作動させて、右側の位置合わせに位置を変更してよい。
【0123】
レビュースクリーン3700内で、画像制御バー3728は、ユーザから直接ディスプレイの表面に適用されたタッチ及びタッチジェスチャにより動作されてよいタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、サムネール設定タッチ制御3730、syncタッチ制御3732、選択タッチ制御3734、前の画像タッチ制御3736、次の画像タッチ制御3738、二次元画像タッチ制御3740、及び、ポーズ画像タッチ制御3742を含んでよい。
【0124】
図38は、発明におけるモジュラー超音波撮像システムによるユーザ動作モードのためのGUIセットアップスクリーンインタフェースを示す。ユーザ動作モードのスクリーンインタフェース3800は、レポート拡張レビュー3804がメニューバー3802からトリガされたとき表示されてよく、このとき超音波システムが開始される。
【0125】
セットアップ拡張スクリーン3804内では、セットアップ制御バー3844が、ユーザによってディスプレイの表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、一般的なタッチ制御3806、表示タッチ制御3808、測定タッチ制御3810、注釈タッチ制御3812、印刷タッチ制御3814、ストア/取得タッチ制御3816、DICOMタッチ制御3818、エクスポートタッチ制御3820、及びスタディ情報画像タッチ制御3822を含んでよい。タッチ制御は、ユーザに情報を入力、ストア/取得させるディスプレイスクリーンを含んでよい。例えば、ストア/取得タッチ制御3816は、構成スクリーン3802を含み、ユーザはここに構成情報を入力してよい。更に、ストア/取得タッチ制御3802は、ユーザに、過去に遡る取得3804をイネーブルさせるセクションを含む。ユーザがストア機能をイネーブルすると、システムは、デフォルトに戻り、将来に向かうシネループを格納する。ユーザがイネーブル過去に遡る取得をイネーブルする場合には、ストア機能がシネループを過去に遡って収集してよい。
【0126】
セットアップスクリーン3800内では、画像制御バー3828が、ユーザによってディスプレイの表面に直接適用されたタッチ及びタッチジェスチャによって動作されうるタッチ制御を含む。例示的なタッチ制御は、これらに限定はされないが、サムネール設定タッチ制御3830、同期タッチ制御3832、選択タッチ制御3834、前の画像タッチ制御3836、次の画像タッチ制御3838、二次元画像タッチ制御3840、及び、ポーズ画像タッチ制御3842を含んでよい。
【0127】
図39A及び
図39Bは、2つの一次元、マルチエレメントアレイを含むXYバイプレーンプローブを示す。アレイは、1つのアレイが他の上にあり、各アレイの偏光軸が同じ方向に配列されている。2つのアレイの仰角軸は、直角に、又は互いに直交するようにされてよい。
図39Aに示すように、アレイの配向は、配置3900により表されている。両方のアレイの偏光軸3908は、z軸3906を向く。底部アレイの仰角軸はy方向3902を向き、上部アレイの仰角軸は、x方向3904を向く。
【0128】
更に
図39Bに示されているように、一次元マルチエレメントアレイが、配置3912に示すような画像を形成する。y方向3914を向く仰角軸3910を持つ一次元アレイは、x軸3904、z軸3906の平面の上に超音波画像3914を形成する。x方向3904を向く仰角軸3910を持つ一次元アレイは、y軸3902、z軸3906の平面の上に超音波画像3914を形成する。y軸3902沿いに仰角軸3910を持ち、及びz軸3906沿いに偏光軸3908を持つ一次元トランスデューサアレイは、x3904及びz3906平面沿いに形成された超音波画像3914を生じさせる。
図39Cが示す別の実施形態は、x軸3904沿いに仰角軸3920を持ち、z軸3906方向に偏光軸3922を持つ一次元トランスデューサアレイを示す。超音波画像3924は、y3902及びz3906平面上に形成される。
【0129】
図40は、バイプレーン画像形成xyプローブ動作を示し、ここでアレイ4012は、画像を形成するために適用された高電圧を有する。高電圧駆動パルス4006、4008、4010は、y軸の高さで底部アレイ4004に適用されてよい。この適用によって、XZ平面の上に受信した画像を形成するための送信パルスが生成され、一方で、上部アレイ4002のエレメントは接地されているレベルに維持される。
【0130】
図41は、バイプレーン画像形成xyプローブ動作を示す。
図41は、画像を形成するために高電圧を適用されたアレイ4110を示す。高電圧パルス4102, 4104, 4106は、x軸の高さで上部アレイ4112に適用されてよく、これにより、yz平面の上に受信した画像を形成するための送信パルスが生成され、一方で、底部アレイ4014のエレメントは接地されているレベルに維持される(4108)。
【0131】
図42は、バイプレーン画像形成xyプローブの回路要件を示す。受信ビームフォーミング要件が、バイプレーンプローブのために示されている。エレクトロニクス4202を受けるための接続を行う。そして底部選択アレイ4204及び上部選択アレイ4208からのエレメントは、受信エレクトロニクス4202チャネルへの1つの接続を共有するように接続される。2:1のmux回路(a two to one mux circuit)を、高電圧ドライバ4206, 4210上に統合することができる。2:1のマルチプレクサ回路を、高電圧ドライバ4206, 4212内に統合することができる。1つの受信ビームが各送信ビームについて形成される。バイプレーンシステムは、全体で256の送信ビームを必要とし、このために128の送信ビームを利用してXZ平面画像を形成し、他の128の送信ビームを利用してYZ平面画像を形成する。複数の受信ビームフォーミング技術を利用してフレームレートを向上させることができる。各送信ビームにつきデュアル受信ビーム機能をもつ超音波システムは、2つの受信ビームを形成することができるシステムを提供する。バイプレーンプローブは、2つの直交平面画像を形成するために総勢で128の送信ビームしか必要とせず、このうち64の送信ビームがXZ平面画像を形成するために利用され、他の64の送信ビームがYZ平面画像を形成するために利用される。同様に、クアッド又は4つの受信ビーム機能をもつ超音波システムでは、プローブが、2つの直交する平面画像を形成するために、64の送信ビームを必要とする。
【0132】
図43の(A)及び(B)は、同時のバイプレーン評価への応用を示す。心臓超音波検査装置でLVの機械的同期不全(LV mechanical dyssynchrony)を測定する能力によって、心臓再同期療法の恩恵の可能性が大きい患者を特定する一助とすることができる。定量化が必要なLVパラメータは、TS‐(側部-中隔)、Ts-SD、TS-ピーク等である。TS‐(側部-中隔)は、二次元の心尖4の室の図のエコー画像の上で測定することができ、一方で、Ts-SD、Ts-ピーク(中間)、Ts-オンセット(中間)、Ts-ピーク(ベース)、Ts-オンセット(ベース)を、乳頭筋のレベル及び僧帽弁のレベルそれぞれに6つのセグメントをもち、全体で12個のセグメントを提供している2つの別個の胸骨傍の短軸断面上で得ることができる。
図43の(A)から(B)は、同時に見られる、心尖の4つの室4304を提供するxyプローブ、及び心尖の2つの室4302の画像を示している。
【0133】
図44の(A)から(B)は、駆出率プローブ測定技術を示す。2つの直交する平面の視覚化が軸上の図(on-axis views)を得ることを保証するので、バイプレーンプローブはEF測定を提供する。自動ボーダ検出アルゴリズムが、インプラントレスポンダー(implant responder)を選択してAV遅延パラメータ設定を導くために、定量的なエコー結果を提供する。
図44の(A)に示すように、XYプローブは、2つの直交する平面からリアルタイムの同時の画像を取得して、画像4402、4404が分割されたスクリーン上に表示される。手動の輪郭トレース又は自動のボーダートレース技術を利用して、拡張末期及び収縮末期の両方の時点における心臓内のボーダをトレースして、ここからEFを計算する。心尖の2CH 4402及び4CH 4404の図におけるLV領域A1及びA2がそれぞれ、拡張末期及び収縮末期に測定される。LVEDV、左心室拡張末期容積、及びLVESV、左心室収縮末期容積を、以下のフォーミュラを利用して計算する。
【0134】
【数1】
そして、駆出率が以下のようにして計算される。
【数2】
【0135】
ここに記載する動作は、純粋に例示であり、特定の順序を示唆するものではない。更に、動作は、適当なときには任意のシーケンスで利用することができ、及び/又は部分的に利用することができる。本明細書では、例示的なフローチャートが例示目的で提供され、これらは方法の非限定的な例である。当業者は、例示的な方法が、例示的なフローチャートに示されているものより多い又は少ないステップを含んでよいこと、及び、例示的なフローチャートのステップが、示されているものと異なる順序で実行されてもよいことを認識する。
【0136】
例示的な実施形態を記載するにあたり、明瞭化のために特定の用語が利用されている。説明目的で、各特定の用語は、少なくとも全ての、同様の目的を達成するべく同様の方法で動作する技術的及び機能的な均等物を含むことを意図している。更に、特定の例示的な実施形態が複数のシステムエレメント又は方法ステップを含む幾つかの例では、これらエレメント又はステップを、単一のエレメント又はステップで置き換えてもよい。同様に、単一のエレメント又はステップを、同じ目的を果たす複数のエレメント又はステップで置き換えてもよい。更に、ここでは例示的な実施形態のために様々な特性のためのパラメータが特定されているが、そうではないと明記していない限り、これらのパラメータは、1/20, 1/10, 1/5, 1/3, 1/2等に拡大縮尺されるよう調節されてもよいし、又は、切り捨てにより近似されてもよい。
【0137】
上述した例示的な実施形態を踏まえると、これらの実施形態は、コンピュータシステムに転送又は格納されるデータに関する様々なコンピュータ実装された動作を利用することができることを理解されたい。これら動作は、物理的量の物理的操作を必要とする。典型的には、必須ではないが、これらの量は、格納、移動、組み合わせ、比較、及び/又は、操作可能な、電気、磁気、及び/又は光信号の形態をとる。
【0138】
更に、ここで記載した、例示的な実施形態の一部分を形成する動作のいずれもが、有用な機械動作である。例示的な実施形態は更に、これら動作を実行するためのデバイス又は装置に関する。装置は、特に、必要な目的のために構成することができ、又は、コンピュータに格納されているコンピュータプログラムにより選択的に起動又は構成される汎用コンピュータデバイスを組み込むことができる。特に、1又は複数のコンピュータ可読媒体に連結された1又は複数のプロセッサを利用する様々な汎用機械が、ここで開示する教示に従って書き込まれているコンピュータプログラムとともに利用でき、又は、これよりも専用の装置を、要求されている動作を実行させるように構成するほうがより都合がよい場合もある。
【0139】
前述した記載は、本開示の特定の例示的な実施形態に向けられている。しかし、他の変形及び修正を、記載された実施形態に行うことができることは明らかであり、これにより関連する利点の幾つか又は全てが達成される。更に、ここに記載するプロシージャ、プロセス、及び/又はモジュールは、ハードウェア、ソフトウェアに実装することができ、プログラム命令、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを有するコンピュータ可読媒体として具現化することができる。例えば、ここに記載した機能の1又は複数は、メモリ又は他の記憶装置からプログラム命令を実行するプロセッサによって実行されてよい。
【0140】
当業者であれば、上述したシステム及び方法に対する修正及び変形を、ここに開示する発明思想から逸脱せずに行うことができることを理解する。従って、開示は、添付請求項の範囲及び精神以外は限定として見られるべきではない。
[項目1]
フロントパネルを有するタブレット筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、上記筐体内のコンピュータと、
上記フロントパネル上に配置された、超音波画像を表示するタッチスクリーンディスプレイと、
上記筐体内に配置された超音波ビームフォーマー処理回路と
を備え、
上記タッチスクリーンディスプレイと上記超音波ビームフォーマー処理回路とは、上記コンピュータに通信可能に接続されており、
上記コンピュータは、上記タッチスクリーンディスプレイからの第1の入力に呼応して、上記超音波ビームフォーマー処理回路の動作を変更するように動作可能である、ハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目2]
上記第1の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイ上の移動ジェスチャに対応する、項目1に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目3]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイからの第2の入力を受信することを更に含む、項目1又は2に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目4]
上記第2の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対してダブルタップするジェスチャに対応する、項目3に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目5]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の入力に呼応して、拡大画像を表示する仮想窓の領域内に第1のカーソルを表示することを更に含む、項目3又は4に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目6]
上記コンピュータで、上記仮想窓の上記領域内で受信する第3の入力を、上記タッチスクリーンディスプレイから受信することを更に含む、項目5に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目7]
上記第3の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイ上のドラッグするジェスチャに対応する、項目6に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目8]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第3の入力に呼応して、上記第1のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の第1の場所に移動させることを更に含む、項目6又は7に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目9]
上記コンピュータで、上記仮想窓の上記領域内の上記第1の場所で受信する第4の入力を、上記タッチスクリーンディスプレイから受信することを更に含む、項目8に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目10]
上記第4の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対して押下するジェスチャに対応する、項目9に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目11]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第2の更なる入力を受信することを更に含み、上記第2の更なる入力は、上記第4の入力と実質的に同時に受信される、項目10に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目12]
上記第2の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目11に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目13]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の更なる入力に呼応して、上記第1のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の上記第1の場所に固定することを更に含む、項目11又は12に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目14]
上記コンピュータによって、上記第1の場所の上記第1のカーソルに少なくとも部分的に基づいて、上記超音波画像に少なくとも1個の測定を行うことを更に含む、項目13に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目15]
上記コンピュータにおいて、上記タッチスクリーンディスプレイから第3の更なる入力を受信することを更に含む、項目13又は14に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目16]
上記第3の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対してダブルタップするジェスチャに対応する、項目15に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目17]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第3の更なる入力に呼応して、第2のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に表示することを更に含む、項目15又は16に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目18]
上記コンピュータは、少なくとも部分的に上記仮想窓の上記領域内の上記第1のカーソル及び上記第2のカーソルのそれぞれの場所に基づいて、上記超音波画像の少なくとも1個の測定を処理する、項目17に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目19]
上記コンピュータは、上記タッチスクリーンディスプレイから第4の更なる入力を受信して、上記第4の更なる入力は、上記仮想窓の上記領域内で受信される、項目13から16のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目20]
上記第4の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対する押下及びドラッグするジェスチャに対応する、項目19に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目21]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第4の更なる入力に呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイ上に、上記第1のカーソルから上記超音波画像の少なくとも一部分を通り上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に延びるラインを、接続することを更に含む、項目19又は20に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目22]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第5の更なる入力を受信することを更に含む、項目19又は20に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目23]
上記第5の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目22に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目24]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第5の更なる入力に呼応して、上記仮想窓の上記領域内に第2のカーソルを表示し、上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に上記第2のカーソルを固定することを更に含む、項目22又は23に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目25]
少なくとも部分的に上記仮想窓の上記領域内の上記第1のカーソル及び上記第2のカーソルのそれぞれの場所の間を延びる接続ラインに基づいて、上記超音波画像の測定を更に含む、項目24に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目26]
トランスデューサコネクタを持つ上記筐体に接続されたトランスデューサアレイを更に備える、項目1から25のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目27]
上記筐体は、2500立方センチメートル未満の容積を有する、項目1から26のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目28]
上記筐体はスタンドに接続されている、項目1から27のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目29]
上記スタンドは、上記筐体に対して回転する、項目28に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目30]
上記筐体はカート上に搭載される、項目1から29のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目31]
カート上のマルチプレクサは、上記筐体に電気的に接続されて、複数のトランスデューサアレイに接続することができる、項目1から30のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目32]
上記筐体は、上記スタンドとドッキングする、項目28に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目33]
上記スタンドの筐体は、上記スタンドに電気的に接続され、上記スタンドは、複数の外部通信部分を有する、項目32に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目34]
上記マルチプレクサは、タッチジェスチャを利用して切り替えることができる、項目31に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイス。
[項目35]
ハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法であって、
上記医療超音波撮像デバイスは、
フロントパネルを有するタブレット筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、上記筐体内のコンピュータと、
上記フロントパネル上に配置された、超音波画像を表示するタッチスクリーンディスプレイと、
上記筐体内に配置された超音波ビームフォーマー処理回路と
を備え、
上記タッチスクリーンディスプレイと上記超音波ビームフォーマー処理回路とは、上記コンピュータに通信可能に接続されており、
上記方法は、
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第1の入力を受信することと、
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第1の入力に呼応して、上記超音波ビームフォーマー処理回路の動作を変更することと
を含む、ハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目36]
上記第1の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイ上の移動ジェスチャに対応する、項目35に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目37]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイからの第2の入力を受信することを更に含む、項目35又は36に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目38]
上記第2の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対してダブルタップするジェスチャに対応する、項目37に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目39]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の入力に呼応して、拡大画像を表示する仮想窓の領域内に第1のカーソルを表示することを更に含む、項目37又は38に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目40]
上記コンピュータで、上記仮想窓の上記領域内で受信する第3の入力を、上記タッチスクリーンディスプレイから受信することを更に含む、項目39に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目41]
上記第3の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイ上のドラッグするジェスチャに対応する、項目40に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目42]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第3の入力に呼応して、上記第1のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の第1の場所に移動させることを更に含む、項目40又は41に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目43]
上記コンピュータで、上記仮想窓の上記領域内の上記第1の場所で受信する第4の入力を、上記タッチスクリーンディスプレイから受信することを更に含む、項目42に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目44]
上記第4の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対して押下するジェスチャに対応する、項目43に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目45]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第2の更なる入力を受信することを更に含み、上記第2の更なる入力は、上記第4の入力と実質的に同時に受信される、項目44に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目46]
上記第2の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目45に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目47]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の更なる入力に呼応して、上記第1のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の上記第1の場所に固定することを更に含む、項目45又は46に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目48]
上記コンピュータによって、上記第1の場所の上記第1のカーソルに少なくとも部分的に基づいて、上記超音波画像に少なくとも1個の測定を行うことを更に含む、項目47に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目49]
上記コンピュータにおいて、上記タッチスクリーンディスプレイから第3の更なる入力を受信することを更に含む、項目47又は48に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目50]
上記第3の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対してダブルタップするジェスチャに対応する、項目49に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目51]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第3の更なる入力に呼応して、第2のカーソルを、上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に表示することを更に含む、項目49又は50に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目52]
上記コンピュータによって、少なくとも部分的に上記仮想窓の上記領域内の上記第1のカーソル及び上記第2のカーソルのそれぞれの場所に基づいて、上記超音波画像の少なくとも1個の測定を実行することを更に含む、項目51に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目53]
上記コンピュータによって、上記タッチスクリーンディスプレイから第4の更なる入力を受信することを更に含み、上記第4の更なる入力は、上記仮想窓の上記領域内で受信される、項目47から50のいずれか一項に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目54]
上記第4の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対する押下及びドラッグするジェスチャに対応する、項目53に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目55]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第4の更なる入力に呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイ上に、上記第1のカーソルから上記超音波画像の少なくとも一部分を通り上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に延びる接続ラインを提供することを更に含む、項目53又は54に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目56]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第5の更なる入力を受信することを更に含む、項目53又は54に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目57]
上記第5の更なる入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目56に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目58]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第5の更なる入力に呼応して、上記仮想窓の上記領域内に第2のカーソルを表示し、上記仮想窓の上記領域内の第2の場所に上記第2のカーソルを固定することを更に含む、項目56又は57に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目59]
上記コンピュータにより、少なくとも部分的に上記仮想窓の上記領域内の上記第1のカーソル及び上記第2のカーソルのそれぞれの場所の間を延びる接続ラインに基づいて、上記超音波画像の少なくとも1個の測定を実行することを更に含む、項目58に記載のハンドヘルド医療超音波撮像デバイスを動作させる方法。
[項目60]
携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法であって、
上記携帯可能な医療超音波撮像機器は、
フロントパネルを有し、タブレットフォームファクタの筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、上記筐体内に配置されたコンピュータと、
上記フロントパネル上に配置された、超音波画像を表示するタッチスクリーンディスプレイと、
上記筐体内に配置された超音波ビームフォーマー回路と
を備え、
上記タッチスクリーンディスプレイと超音波エンジンとは、上記コンピュータに通信可能に接続されており、
上記方法は、
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第1の入力を受信することと、
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第1の入力に呼応して、上記超音波画像の所定の特徴をトレースする段階と、
上記コンピュータにおいて、上記タッチスクリーンディスプレイから、上記第1の入力の一部分と実質的に同時に第2の入力を受信することと、
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の入力に呼応して、上記超音波画像の上記所定の特徴の上記トレースを完了することと
を含む、携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目61]
上記第1の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対する押下及びドラッグするジェスチャに対応する、項目60に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目62]
上記第2の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目60又は61に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目63]
上記コンピュータにおいて、上記タッチスクリーンディスプレイから第3の入力を受信することを更に含む、項目60から62のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目64]
上記第3の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するダブルタップするジェスチャに対応する、項目63に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目65]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第3の入力に呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイの領域内に第1のカーソルを表示することを更に含む、項目63又は64に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目66]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第4の入力を受信することを更に含む、項目65に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目67]
上記第4の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイ上のドラッグするジェスチャに対応する、項目66に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目68]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第4の入力に呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイの上記領域内の第1の場所に上記第1のカーソルを移動させることを更に含む、項目66又は67に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目69]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから第5の入力を、上記タッチスクリーンディスプレイの上記領域内の上記第1の場所で、受信することを更に含む、項目68に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目70]
上記第5の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対する押下するジェスチャに対応する、項目69に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目71]
上記コンピュータで、上記タッチスクリーンディスプレイから、上記第5の入力と実質的に同時に、第6の入力を受信することを更に含む、項目69又は70に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目72]
上記第6の入力は、上記タッチスクリーンディスプレイに対するタップするジェスチャに対応する、項目71に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目73]
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第6の入力に呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイの上記領域内の上記第1の場所に上記第1のカーソルを固定することを更に含む、項目71に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目74]
上記超音波画像の上記所定の特徴の上記トレースは、上記超音波画像の、上記タッチスクリーンディスプレイの上記領域内の上記第1の場所の上記第1のカーソルから始まる、上記所定の特徴のトレースを含む、項目73に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目75]
上記コンピュータにより、少なくとも部分的に上記超音波画像の上記所定の特徴の上記トレースに基づいて、上記超音波画像の少なくとも1個の測定を行うことを更に含む、項目60から74のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像機器を動作させる方法。
[項目76]
フロントパネルを有する、タブレットフォームファクタの筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、上記筐体内に配置されたコンピュータと、
上記筐体の上記フロントパネル上に配置され、上記コンピュータと通信可能に接続されたタッチスクリーンディスプレイと、
上記筐体内に配置され、上記コンピュータに通信可能に接続された超音波エンジンと
を備え、
上記プロセッサは、上記タッチスクリーンディスプレイ上の複数のジェスチャを検出することにより、複数の動作モードを選択的に開始する、上記メモリからの複数のプログラム命令を実行するよう動作可能であり、
上記複数の動作モードは、
複数の超音波の貫通の深さを制御する第1の動作モードと、
複数のフリーズ/ストア動作を実行する第2の動作モードと、
複数の二次元画像オペレーションを制御する第3の動作モードと、
利得制御を実行する第4の動作モードと、
色制御を実行する第5の動作モードと、
分割スクリーンディスプレイを実装する第6の動作モードと、
PW撮像を実行する第7の動作モードと、
シネ/時系列画像クリップスクロールを制御する第8の動作モードと、
複数のズーム及びパン動作を制御する第9の動作モードと、
ドップラー及び二次元ビームステアリング制御を実行する第10の動作モードと、
ボディマークを実行する第11の動作モード
とのうちの2又はそれ以上を含む、携帯可能な医療超音波撮像デバイス。
[項目77]
フロントパネルを有する、タブレットフォームファクタの筐体と、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有する、上記筐体内に配置されたコンピュータと、
上記筐体の上記フロントパネル上に配置され、上記コンピュータに通信可能に接続されたタッチスクリーンディスプレイと、
上記筐体内に配置され、上記コンピュータに通信可能に接続された超音波ビームフォーミング回路と
を備え、
上記超音波ビームフォーミング回路は、垂直積層されたマルチチップモジュールとして組み立てられる、携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目78]
上記垂直積層されたマルチチップモジュールは、
基板と、
上記基板に平行に延びるよう、上記基板の上に搭載された、第1の集積回路チップと、
上記基板に平行に延びるよう、第1の集積回路チップに連結された第1のスペーサ層と、
上記第1のスペーサ層に平行に延びるような、第1の層の上の第2の集積回路チップと
を有する、項目77に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目79]
上記第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層は、パッシブシリコン層である、項目78に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目80]
上記第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層は、ダイ接着ペーストから形成される、項目78又は79に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目81]
上記第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層は、ダイ接着フィルムから形成される、項目78から80のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目82]
上記第1のスペーサ層及び上記第2のスペーサ層は、ワイヤ貫通機能を持つ、ダイ接着ペースト又はフィルムから形成される、項目79に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目83]
上記第1の集積回路チップ及び上記第2の集積回路チップをフレームに連結する接続メカニズムは、上記第1のスペーサ層及び上記第2のスペーサ層を貫通する、項目82に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目84]
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップは、少なくとも16個のトランスデューサチャネルを処理する、項目77から83のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目85]
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップは、16チャネルから64チャネルまでの範囲の、複数のトランスデューサチャネルを処理する、項目77から84のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目86]
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、少なくとも16のトランスデューサチャネルを処理する、項目77から85のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目87]
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、少なくとも32のトランスデューサチャネルを処理する、項目77から86のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目88]
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、少なくとも64のトランスデューサチャネルを処理する、項目77から87のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目89]
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップは、特定用途向け集積回路(ASIC)として実装される、項目84に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目90]
上記マルチチップモジュールは、積層マルチチップモジュール製造技術を利用して製造される、項目77から89のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目91]
上記マルチチップモジュールは、成膜マルチチップモジュール製造技術を利用して製造される、項目77から90のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目92]
上記マルチチップモジュールは、セラミックマルチチップモジュール製造技術を利用して製造される、項目77から91のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目93]
上記マルチチップモジュールは、上記超音波ビームフォーミング回路のための回路基板上に収容される、項目77から92のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目94]
上記超音波ビームフォーミング回路のための上記回路基板は更に、
上記回路基板上の上記マルチチップモジュールの上に垂直積層された1又は複数の更なるマルチチップモジュールを有し、
上記1又は複数の更なるマルチチップモジュールのそれぞれは、上記マルチチップモジュール内の積層構成に組み立てられた更なる超音波送信/受信集積回路チップ、更なる増幅器集積回路チップ、及び、更なるビームフォーマー集積回路チップを含む、項目93に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目95]
上記回路基板は、約10cmの最大長と、約10cmの最大幅とを有する、項目94に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目96]
上記回路基板は、約100cm2の最大面積を有する、項目94又は95に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目97]
上記システムは、上記超音波ビームフォーミング回路のための1つの回路基板の上に実装された32のチャネルを備える、項目77から96のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目98]
上記システムは、上記超音波ビームフォーミング回路のための1つの回路基板の上に実装された64のチャネルを備える、項目77から97のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目99]
上記システムは、上記超音波ビームフォーミング回路のための1つの回路基板を含む上記筐体にケーブルにより接続された128から192のトランスデューサチャネルからのデータを処理する、項目77から98のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目100]
上記プロセッサは、上記タッチスクリーンディスプレイの上の複数のジェスチャを検出することにより、複数の動作モードを選択的に開始させるために上記メモリからの複数のプログラム命令を実行するよう動作可能である、項目77から99のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目101]
複数の動作モードは、
複数の超音波の貫通の深さを制御する第1の動作モードと、
複数のフリーズ/ストア動作を実行する第2の動作モードと、
複数の二次元画像オペレーションを制御する第3の動作モードと、
利得制御を実行する第4の動作モードと、
色制御を実行する第5の動作モードと、
分割スクリーンディスプレイを実装する第6の動作モードと、
PW撮像を実行する第7の動作モードと、
シネ/時系列画像クリップスクロールを制御する第8の動作モードと、
複数のズーム及びパン動作を制御する第9の動作モードと、
ドップラー及び二次元ビームステアリング制御を実行する第10の動作モードと、
ボディマークを実行する第11の動作モードと
のうちの2又はそれ以上を含む、項目77から100のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目102]
基板と、
上記基板に平行に延びるよう上記基板に連結された、送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップのうち第1の集積回路チップと
上記第1の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第1の集積回路チップに連結された第1のスペーサ層と、
上記第1のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結された、上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第2の集積回路チップと、
上記第2の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第2の集積回路チップに連結された第2のスペーサ層と、
上記第2のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結された、上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第3の集積回路チップと、
金属フレームと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップを上記金属フレームに連結する複数の接続メカニズムと
を備える、携帯可能な医療超音波撮像システムの複数の超音波専用動作を実行する超音波ビームフォーマーのためのマルチチップモジュール。
[項目103]
上記第1のスペーサ層及び上記第2のスペーサ層は、パッシブシリコン層である、項目102に記載のマルチチップモジュール。
[項目104]
上記第1のスペーサ層及び上記第2のスペーサ層は、ダイ接着ペーストから形成される、項目102又は103に記載のマルチチップモジュール。
[項目105]
上記第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層は、ダイ接着フィルムから形成される、項目102から104のいずれか一項に記載のマルチチップモジュール。
[項目106]
上記第1のスペーサ層及び第2のスペーサ層は、ワイヤ貫通機能を持つ、ダイ接着ペースト又はフィルムから形成される、項目102から105のいずれか一項に記載のマルチチップモジュール。
[項目107]
上記集積回路チップを上記金属フレームに連結する上記複数の接続メカニズムは、上記第1のスペーサ層及び上記第2のスペーサ層を貫通する、項目106に記載のマルチチップモジュール。
[項目108]
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、最小で16のチャネルを有する、項目102から107のいずれか一項に記載のマルチチップモジュール。
[項目109]
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、16チャネルから64チャネルまでの範囲の複数のチャネルを有する、項目102から108のいずれか一項に記載のマルチチップモジュール。
[項目110]
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップは、それぞれが、16のチャネルを有する、項目102から109のいずれか一項に記載のマルチチップモジュール。
[項目111]
項目102から110のいずれか一項に記載のマルチチップモジュールを有する回路基板を備える、携帯可能な医療超音波撮像システムにおいて複数の超音波専用動作を実行する超音波エンジン。
[項目112]
項目102から110のいずれか一項に記載のマルチチップモジュールを複数個有する回路基板を備える、携帯可能な医療超音波撮像システムにおいて複数の超音波専用動作を実行する超音波エンジン。
[項目113]
上記回路基板は、約10cmの最大長と、約10cmの最大幅とを有する、項目112に記載の超音波エンジン。
[項目114]
上記基板は、約100cm2の最大面積を有する、項目78に記載の携帯可能な医療超音波撮像システム。
[項目115]
フロントパネルを有する、タブレットフォームファクタの筐体と提供することと、
少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリとを有するコンピュータを上記筐体内に配置することと、
タッチスクリーンディスプレイを上記筐体の上記フロントパネル上に配置して、上記タッチスクリーンディスプレイを上記コンピュータに通信可能に接続することと、
超音波送信/受信集積回路チップと、増幅器集積回路チップと、ビームフォーマー集積回路チップとを、超音波エンジンのための垂直積層されたマルチチップモジュールとして組み立てることと、
上記マルチチップモジュールを上記超音波エンジンに集積することと、
上記超音波エンジンを上記筐体内に配置して、上記超音波エンジンを上記コンピュータに通信可能に接続することと
を含む、携帯可能な医療超音波撮像システムを組み立てる方法。
[項目116]
上記垂直積層されたマルチチップモジュールを組み立てることは、
基板を提供することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第1の集積回路チップを、上記基板に平行に延びるよう上記基板に連結することと、
第1のスペーサ層を、上記第1の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第1の集積回路チップに連結することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第2の集積回路チップを、上記第1のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結することと、
第2のスペーサ層を、上記第2の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第2の集積回路チップに連結することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第3の集積回路チップを、上記第2のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結することと、
金属フレームを提供することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップを上記金属フレームに連結することと
を含む、項目115に記載の携帯可能な医療超音波撮像システムを組み立てる方法。
[項目117]
第2の超音波送信/受信集積回路チップと、第2の増幅器集積回路チップと、第2のビームフォーマー集積回路チップとを、超音波エンジンのための第2の垂直積層されたマルチチップモジュールとして組み立てることと、
上記第2の垂直積層されたマルチチップモジュールを上記超音波エンジンに集積することと
を更に含む、項目115又は116に記載の携帯可能な医療超音波撮像システムを組み立てる方法。
[項目118]
基板を提供することと、
送信/受信集積回路チップ、増幅器集積回路チップ、及び、ビームフォーマー集積回路チップのうち第1の集積回路チップを、上記基板に平行に延びるよう上記基板に連結することと、
第1のスペーサ層を、上記第1の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第1の集積回路チップに連結することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第2の集積回路チップを、上記第1のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結することと、
第2のスペーサ層を、上記第2の集積回路チップに平行に延びるよう、上記第2の集積回路チップに連結することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップのうち第3の集積回路チップを、上記第2のスペーサ層に平行に延びるよう上記第1のスペーサ層に連結することと、
金属フレームを提供することと、
上記送信/受信集積回路チップ、上記増幅器集積回路チップ、及び、上記ビームフォーマー集積回路チップを上記金属フレームに連結することと
を含む、携帯可能な医療超音波撮像システムの超音波エンジンで利用される垂直積層されたマルチチップモジュールを組み立てる方法。
[項目119]
携帯可能な医療超音波画像の動作方法であって、医療超音波撮像デバイスは、トランスデューサと、タッチスクリーンディスプレイと、超音波ビームフォーマー処理回路と、プロセッサとを含み、
上記方法は、
上記超音波ビームフォーマー処理回路を、上記プロセッサに通信可能に連結するよう構成することと、
上記超音波ビームフォーマー処理回路のパラメータを、上記プロセッサで制御することと、
上記タッチスクリーンディスプレイを、第1の超音波画像と第2の超音波画像とを同時に表示するよう構成することと、
上記超音波ビームフォーマー処理回路のパラメータをリセットする第1の入力タッチジェスチャを、上記プロセッサによって受信することと、
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第1の入力タッチジェスチャに呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイ上に表示された上記第1の超音波画像を変更することと、
上記超音波ビームフォーマー処理回路のパラメータをリセットする第2の入力タッチジェスチャを、上記プロセッサによって受信することと、
上記タッチスクリーンディスプレイからの上記第2の入力タッチジェスチャに呼応して、上記タッチスクリーンディスプレイ上に表示された上記第2の超音波画像を変更することと
を含む、携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目120]
上記タッチスクリーンディスプレイを、フルスクリーンモードで動作するよう構成することを更に含む、項目119に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目121]
上記タッチスクリーンディスプレイを、アイコンに関連する静的タッチスクリーンジェスチャと、アイコンから独立したフリータッチスクリーンジェスチャとを同時に認識するよう構成することを更に含む、項目119又は120に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目122]
第1の超音波画像表示特性を変更するように、上記タッチスクリーン上に表示される上記第1の超音波画像に上記第1の入力タッチジェスチャを実行することと、
異なる第2の超音波画像表示特性を変更するように、上記タッチスクリーン上に表示される上記第2の超音波画像に上記第2の入力タッチジェスチャを実行することと
を更に含む、項目119から121のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目123]
上記超音波ビームフォーマー処理回路の特性の第1のパラメータを変更するように、上記タッチスクリーン上に表示される上記第1の超音波画像に上記第1の入力タッチジェスチャを実行することと、
上記超音波ビームフォーマー処理回路の特性の別の第2のパラメータを変更するように、上記タッチスクリーン上に表示される上記第2の超音波画像に上記第2の入力タッチジェスチャを実行することと
を更に含む、項目119から122のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目124]
第1のトランスデューサと第2のトランスデューサとが同時に動作するよう構成することを更に含む、項目119から123のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目125]
上記第1のトランスデューサから第1の超音波画像データを受信するよう、上記タッチスクリーンディスプレイ上に表示された上記第1の超音波画像を構成することと、
上記第2のトランスデューサから第2の超音波画像データを同時に受信するよう、上記タッチスクリーンディスプレイ上に表示された上記第2の超音波画像を構成することと
を更に含む、項目124に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目126]
上記第1のトランスデューサから上記第2のトランスデューサへリアルタイム転送を実行するべく、上記タッチスクリーンディスプレイ上に表示された上記第1の超音波画像を構成することを更に含む、項目124又は125に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目127]
複数のビームフォーミング動作の間のリアルタイム転送を実行するように入力タッチジェスチャを受信するべく、上記タッチスクリーンディスプレイを構成することを更に含む、項目124から126のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
[項目128]
上記タッチスクリーンディスプレイをフルスクリーンモードで動作するよう構成することと、
アイコンに関連する静的タッチスクリーンジェスチャを、アイコンから独立したフリータッチスクリーンジェスチャに転送することと
を更に含む、項目119から127のいずれか一項に記載の携帯可能な医療超音波画像の動作方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波撮像プロシージャを選択するためのグラフィックユーザインタフェースを含むタッチスクリーンディスプレイを有し、カートに搭載されるタッチスクリーンディスプレイタブレットデバイスと、
前記タッチスクリーンディスプレイの動作を制御するためのディスプレイコントローラと、
1以上の撮像動作を実行する、トランスデューサプローブ筐体の内部のトランスデューサアレイと、
を備え、
前記タッチスクリーンディスプレイタブレットデバイスは、前記タッチスクリーンディスプレイにおける1以上のタッチで作動する1点、マルチポイント及び/又は移動ジェスチャに呼応して、心臓撮像プロシージャ及びニードル可視化プロシージャの少なくとも1つを実行し、
前記心臓撮像プロシージャは、前記タッチスクリーンディスプレイタブレットデバイスのタブレットディスプレイ筐体の内部の前記タッチスクリーンディスプレイにおいて検出された第1ジェスチャ入力に呼応して、駆出率の値を測定する手順を含み、
前記ニードル可視化プロシージャは、前記タッチスクリーンディスプレイにおいて検出された第2ジェスチャ入力に呼応して、ニードルを撮像する手順を含み、
タッチで作動する複数のアイコンが、前記タッチスクリーンディスプレイ上の超音波画像表示領域の外側に表示可能であり、
選択可能なメニューが、複数の撮像モードのタッチ作動用に構成され、
前記グラフィックユーザインタフェースが、前記超音波画像表示領域の内部に超音波画像を表示するように作動させられ、
前記トランスデューサアレイは、超音波ビームフォーマー処理回路と通信し、
前記1以上の撮像動作は、超音波撮像システムコントローラから受信された命令を用いて実行され、
前記1以上の撮像動作は、前記タッチスクリーンディスプレイにおいて検出された更なるジェスチャ入力に呼応して撮像深さを選択すること、及び、前記1以上の撮像動作の結果に基づいて、前記選択された深さの対象領域の画像を生成することを含み、
前記生成された画像は、前記タッチスクリーンディスプレイの前記超音波画像表示領域に表示可能である、
携帯可能であり、タッチスクリーンを用いて作動させられる超音波撮像システム。
【請求項2】
前記トランスデューサアレイは、一次元トランスデューサアレイ、バイプレーントランスデューサアレイ、又は、二次元トランスデューサアレイを含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項3】
前記超音波ビームフォーマー処理回路は、前記トランスデューサアレイから複数の信号を受信し、撮像データを生成し、
前記撮像データは、前記超音波画像表示領域の内部への表示用にさらに処理される、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項4】
前記トランスデューサプローブ筐体は、前記超音波ビームフォーマー処理回路を含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項5】
ケーブルを用いて、前記トランスデューサプローブ筐体を前記超音波撮像システムに接続するトランスデューサコネクタをさらに備える、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項6】
前記タブレットディスプレイ筐体は、2500cm
3
未満の容積及び8ポンド(約3628グラム)未満の重量を有する、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項7】
前記超音波ビームフォーマー処理回路は、前記タブレットディスプレイ筐体の内部にある、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項8】
送信及び受信回路と、
波形生成フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)と、
をさらに備える、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項9】
前記超音波撮像システムは、複数のトランスデューサアレイに接続可能であり、
前記複数のトランスデューサアレイの少なくとも1つは、128個のトランスデューサエレメントを含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項10】
前記タッチスクリーンディスプレイは、タップするジェスチャ、押下するジェスチャ、利得制御を作動させるためにドラッグするジェスチャ、色制御のジェスチャ、ズーム及びパン制御のジェスチャ、マーキング制御のジェスチャ、フルスクリーン表示のジェスチャ、及び、スクロールのジェスチャの少なくとも1つを用いて、指で作動させられる、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項11】
前記タッチスクリーンディスプレイは、ビームステアリング制御のジェスチャ又はアイコンに呼応する、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項12】
前記タッチスクリーンディスプレイは、前記超音波画像表示領域に隣接し、表示された超音波画像を制御するための複数のツールバーのアイコンを含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項13】
前記タッチスクリーンディスプレイは、
動的な範囲のタッチ制御、注釈タッチ制御、カラータッチ制御、前記超音波画像表示領域の内部のタッチによって作動される動作、及び、マップタッチ制御に呼応する、又は、
時間/ドップラー周波数シフトを表示するように構成される、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項14】
スキャン変換又は速度処理動作を実行し、外部のネットワーク化された複数のデバイスとのネットワーク接続を制御する画像プロセッサをさらに備える、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項15】
前記超音波撮像システムは、複数の超音波トランスデューサに接続可能であり、
前記タッチスクリーンディスプレイは、タッチで作動させられて、接続された前記複数の超音波トランスデューサの1つを、1つの超音波撮像プロシージャのために選択するように構成されている、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項16】
前記カートに搭載され、前記複数の超音波トランスデューサのそれぞれに接続されるマルチプレクサをさらに備える、
請求項15に記載の超音波撮像システム。
【請求項17】
前記カートは、バッテリ、キーボード、及び、前記タッチスクリーンディスプレイタブレットデバイス用のドッキングアセンブリの少なくとも1つを含むアセンブリを有する、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項18】
タッチで作動させられる分割スクリーン表示動作をさらに備え、
前記タッチで作動させられる分割スクリーン表示動作は、第1トランスデューサアレイにより生成された第1超音波画像と、第2トランスデューサアレイを用いて生成された第2超音波画像とを表示するように構成される、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項19】
前記第1トランスデューサアレイの軸は、前記第2トランスデューサアレイの軸に対して直交し、
前記トランスデューサアレイは、バイプレーントランスデューサアレイを含む、
請求項18に記載の超音波撮像システム。
【請求項20】
前記タッチスクリーンディスプレイのタッチで作動させられる分割スクリーン動作において示される第1超音波画像は、第1のタッチスクリーンにより作動させられる撮像深さ制御を含み、
前記タッチスクリーンディスプレイの前記タッチで作動させられる分割スクリーン動作において示される第2超音波画像は、第2のタッチスクリーンにより作動させられる撮像深さ制御を含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項21】
前記タッチスクリーンディスプレイは、タッチで作動させられて、複数の異なる撮像プロシージャのための選択可能な複数のプリセットを表示し、
各プリセットは、前記複数の異なる撮像プロシージャのそれぞれのための複数の撮像パラメータを含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項22】
前記複数のプリセットは、前記タッチスクリーンディスプレイにおいて選択可能な複数のプリセットに関する、タッチで作動させられる拡張窓を含む、
請求項21に記載の超音波撮像システム。
【請求項23】
前記タッチスクリーンディスプレイは、タッチで作動させられて、前記超音波画像表示領域の内部に、患者データ窓、及び、超音波プロシージャセットアップ窓の少なくとも1つを表示させることができる、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項24】
前記トランスデューサプローブ筐体は、1以上の送信及び受信回路、前記超音波ビームフォーマー処理回路、並びに、ビームフォーマー制御回路を有し、
前記超音波ビームフォーマー処理回路は、前記トランスデューサプローブ筐体の内部の積層された回路アセンブリに構成された集積回路を含む、
請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項25】
前記心臓撮像プロシージャは、心臓の2室ビュー又は前記心臓の4室ビューを含み、
前記心臓の駆出率測定の計算のために、拡張末期及び収縮末期の時点における心臓内のボーダが取得される、
請求項1に記載の超音波撮像システム。