(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012037
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A47K3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115437
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】590006309
【氏名又は名称】株式会社水生活製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 啓
(72)【発明者】
【氏名】太田 美穂
(72)【発明者】
【氏名】早川 徹
【テーマコード(参考)】
2D132
【Fターム(参考)】
2D132FA17
2D132FC04
2D132FJ04
2D132FJ15
2D132FJ22
(57)【要約】
【課題】多くのマイクロナノバブルを含む水を放出可能なシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】シャワーヘッド10は、把手部1と、ヘッド部2と、マイクロナノバブル発生部3と、を備える。把手部1は、内部に通水路1aを有する。水は、把手部1の第一端部から第二端部に向けて通水路1a内を流れる。ヘッド部2は、把手部1の第二端部に接続されている。ヘッド部2は、通水路1aと連通する散水孔22aを有する。マイクロナノバブル発生部3は、通水路1a内で、且つ、把手部1の第一端部よりも第二端部の近くに位置している。水がマイクロナノバブル発生部3を通過すると、水中にマイクロナノバブルが発生する。マイクロナノバブルを含んだ水は、散水孔22aからシャワーヘッド10外に放出される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部及び前記第一端部とは反対側の第二端部を有し、前記第一端部から前記第二端部に向けて水が流れる通水路を内部に備えた把手部と、
前記把手部の第二端部に接続され、前記通水路と連通する散水孔を有するヘッド部と、
前記通水路内で且つ前記第一端部よりも前記第二端部の近くに位置し、水中にマイクロナノバブルを発生させるマイクロナノバブル発生部と、
を備えるシャワーヘッド。
【請求項2】
前記マイクロナノバブル発生部は、前記第二端部近傍に位置している、
請求項1に記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記マイクロナノバブル発生部は、複数の矩形状の開口部を有する格子状である、
請求項1又は2に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記マイクロナノバブル発生部は、前記把手部に着脱可能である、
請求項1から3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
直径が約1~100μmであるマイクロバブルや直径が約1μm未満であるナノバブル(以下、これらを併せて「マイクロナノバブル」と表記する。)を含む水は、肌や頭皮の汚れの洗浄力が高いことが知られている。マイクロバブルを含む水を放出できるシャワーヘッドは、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシャワーヘッドでは、マイクロバブルを発生させる部分が、グリップのうち、ヘッドから遠い側に設けられている。そのため、マイクロバブルを発生させる部分とヘッドの散水口までの距離が長く、多くのマイクロナノバブルが散水口に到達する前に消滅するおそれがある。
【0005】
本発明は、多くのマイクロナノバブルを含む水を放出可能なシャワーヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に記載の態様の発明を提供する。
(項目1)
第一端部及び前記第一端部とは反対側の第二端部を有し、前記第一端部から前記第二端部に向けて水が流れる通水路を内部に備えた把手部と、
前記把手部の第二端部に接続され、前記通水路と連通する散水孔を有するヘッド部と、
前記通水路内で且つ前記第一端部よりも前記第二端部の近くに位置し、水中にマイクロナノバブルを発生させるマイクロナノバブル発生部と、
を備えるシャワーヘッド。
【0007】
(項目2)
前記マイクロナノバブル発生部は、前記第二端部近傍に位置している、
項目1に記載のシャワーヘッド。
【0008】
(項目3)
前記マイクロナノバブル発生部は、複数の矩形状の開口部を有する格子状である、
項目1又は2に記載のシャワーヘッド。
【0009】
(項目4)
前記マイクロナノバブル発生部は、前記把手部に着脱可能である、
項目1から3のいずれか1項に記載のシャワーヘッド。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシャワーヘッドでは、マイクロナノバブル発生部が、通水路内で且つ第一端部よりも第二端部の近くに位置しているため、マイクロナノバブル発生部から散水孔までの距離が近い。これにより、散水孔に到達する前に消滅するマイクロナノバブルの数を減らすことができ、多くのマイクロナノバブルを含んだ水を散水孔から放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)シャワーヘッドの正面図、(b)シャワーヘッドの側面図である。
【
図3】(a)から(e)は、様々なマイクロナノバブル発生部の構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のシャワーヘッド10について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1 シャワーヘッドの構成>
図1及び
図2に示すように、シャワーヘッド10は、把手部1と、ヘッド部2と、マイクロナノバブル発生部3と、を備える。把手部1内に流入した水は、マイクロナノバブル発生部3を通り、ヘッド部2内に進入する。水がマイクロナノバブル発生部3を通過すると、水中にマイクロナノバブルが発生する。マイクロナノバブルを含んだ水は、ヘッド部2から放出される。
【0014】
把手部1は、シャワーヘッド10の使用時に、使用者が持つための部分である。把手部1は、ヘッド部2から遠い側の第一端部と、ヘッド部2に近い側の第二端部とを有する長手状である。把持部1の第二端部には、ヘッド部2が接続されている。一実施形態において、把手部1とヘッド部2とは一体形成されている。把手部1の内部には水が流れる第一通水路1aが設けられている。水は、第一通水路1a内を第一端部から第二端部に向けて流れる。
【0015】
ヘッド部2は、ヘッド本体21と、散水板22と、を備える。散水板22は、例えばネジ接続により、ヘッド本体21に着脱可能に接続されている。散水板22をヘッド本体21から外すことにより、使用者はマイクロナノバブル発生部3にアクセスすることができる。ヘッド部2内には、第一通水路1aと連通する第二通水路2aが設けられている。散水板22は、第二通水路2aと連通する複数の散水孔22aを有する。把手部1の第一通水路1aからヘッド部2内に進入した水は、第二通水路2aを通り、散水孔22aからシャワーヘッド10外に放出される。
【0016】
マイクロナノバブル発生部3は、把持部1に着脱可能に取り付けられている。マイクロナノバブル発生部3は、第一通水路1a内で、且つ、把手部1の第一端部よりも第二端部の近くに位置している。すなわち、把手部1の長手軸に沿った、マイクロナノバブル発生部3から把手部1の第二端部までの距離は、把手部1の長手軸に沿った、マイクロナノバブル発生部3から把手部1の第一端部までの距離よりも小さい。
図2に示すように、マイクロナノバブル発生部3は、把手部1の第二端部近傍に配置されていることが好ましい。
【0017】
図3(a)~(e)は、種々のマイクロナノバブル発生部3の平面図である。
図2及び
図3に示すように、マイクロナノバブル発生部3は、水が通過した際に水中にマイクロナノバブルを発生させることができる複数の開口部3aを有する。
図3(a)~(e)において、水は紙面に垂直な方向に開口部3aを通過する。なお、
図2及び
図3(a)~(e)では、すべての開口部に符号3aを付しているわけではない。水が開口部3aを通過する際に、開口部3aの前後で圧力差が生じ、水中にマイクロナノバブルが発生する。開口部3aの形状は、例えば、平面視で
図3(a)~(c)に示すような正方形や長方形などの矩形状、及び/又は、平面視で
図3(d)及び(e)に示すような真円や楕円(半円や半楕円など、真円や楕円から一部が欠けた形状を含む)などの円形である。マイクロナノバブル発生部3は、
図3(a)~(c)に示すような、複数の矩形状の開口部3aを有する格子状部材から構成されることが好ましい。
【0018】
水は把持部1の第一通水路1aの第一端部から流入し、第一通水路1aの第二端部へと流れる。水がマイクロナノバブル発生部3の開口部3aを通過すると、水中にマイクロナノバブルが発生する。マイクロナノバブルを含んだ水は、第二通水路2aを通り、散水孔22aからシャワーヘッド10外に放出される。
【0019】
<2 実施例>
異なる形状を有するマイクロナノバブル発生部3を用い、散水孔22aから放出された水の中に含まれるマイクロナノバブルの個数を調べた。
【0020】
【0021】
<3 特徴>
本発明のシャワーヘッド10では、マイクロナノバブル発生部3が、把手部1の第一端部よりも第二端部の近くに位置しているため、マイクロナノバブル発生部3から散水孔22aまでの距離が近くなる。これにより、散水孔22aに到達する前に消滅するマイクロナノバブルの数を減らすことができ、多くのマイクロナノバブルを含んだ水を散水孔22aから放出することができる。特に、マイクロナノバブル発生部3が把手部1の第二端部近傍(すなわち、ヘッド部2の近傍)に配置されていることにより、マイクロナノバブル発生部3から散水孔22aまでの距離がより近くなるため、より多くのマイクロナノバブルを含んだ水を放出することができる。
【0022】
実施例に示すように、マイクロナノバブル発生部3の開口部3aの形状が矩形状(
図3(a)~(c))の方が、円形の場合(
図3(d)及び(e))と比較して、多くのマイクロナノバブルを発生させることができる。
【0023】
マイクロナノバブル発生部3が把持部1に着脱可能であることにより、マイクロナノバブル発生部3が破損や劣化した際に、マイクロナノバブル発生部3を交換することができる。
【0024】
<4 変形例>
上記実施形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明は、例えば以下の変形例を採用することができる。以下に示す変形例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わせ可能である。
【0025】
(1)マイクロナノバブル発生部3は把持部1と一体形成され、把持部1から着脱不能であってもよい。
【0026】
(2)シャワーヘッド10は、マイクロナノバブル発生部3とは別のマイクロナノバブル発生部をさらに備えていてもよい。別のマイクロナノバブル発生部は、例えば散水孔22aの直前に設けられる。
【符号の説明】
【0027】
10 シャワーヘッド
1 把手部
1a 第一通水路(通水路)
2 ヘッド部
22a 散水孔
3 マイクロナノバブル発生部
3a 開口部