IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社野村総合研究所の特許一覧

<>
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図1
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図2
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図3
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図4
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図5
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図6
  • 特開-物件検索装置及びその方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120375
(43)【公開日】2023-08-29
(54)【発明の名称】物件検索装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102687
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2019065865の分割
【原出願日】2019-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島 次志
(72)【発明者】
【氏名】吉田 純一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物件所在地までの移動時間は実際の移動時間は乖離していることがあり、適切な物件を抽出する物件検索装置を提供する。
【解決手段】物件検索システムにおいて、ユーザ装置100からの一の地点及び希望移動時間を含む交通条件を受け付けて、記憶する複数の物件から当該条件に合致する物件を抽出する物件検索装置200は、入場駅及び入場時刻並びに出場駅及び出場時刻を含む交通履歴情報を多数記憶しており、多数の交通履歴情報から当該一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する交通履歴情報を抽出し、当該抽出した交通履歴情報を用いて前記交通条件の一の地点から記憶する物件の所在地までの高精度移動時間を求め、希望移動時間内の高精度移動間である物件を抽出する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置からの一の地点及び希望移動時間を含む交通条件を受け付けて、記憶する複数の物件から当該条件に合致する物件を抽出する物件検索装置であって、
入場駅及び入場時刻並びに出場駅及び出場時刻を含む交通履歴情報を多数記憶しており、
前記多数の交通履歴情報から当該一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する、勤務地最寄駅改札口と物件最寄駅改札口とを交通履歴情報を抽出し、当該抽出した交通履歴情報を用いて、勤務地最寄駅候補の勤務地改札口候補と勤務地出入口との徒歩時間から勤務地徒歩時間を計算し、さらに、物件最寄駅候補の改札口毎と、それぞれの物件の所在地とから物件徒歩時間を計算することで、前記交通条件の一の地点から記憶する物件の所在地までの移動時間を求め、
前記希望移動時間内の移動時間である物件を抽出する物件検索装置。
【請求項2】
前記移動時間を求める際、前記多数の交通履歴情報から当該一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する交通履歴情報のうち、前記一の地点から物件所在地までの方向に合致した交通履歴情報及び/又は前記物件所在地から一の地点までの方向に合致した交通履歴情報を抽出し、抽出した交通履歴情報を用いて前記交通条件の一の地点から記憶する物件の所在地までの移動時間を求める
前記請求項1に記載の物件検索装置。
【請求項3】
前記移動時間を求める際、所定の時間帯の前記交通履歴情報のみを対象とし、当該一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する交通履歴情報を抽出し、当該抽出した交通履歴情報を用いて前記交通条件の一の地点から記憶する物件の所在地までの移動時間を求める
前記請求項1に記載の物件検索装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの条件に従って不動産物件を抽出してユーザに提示する物件検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザが不動産物件を探す場合には、最寄りの不動産会社に相談しに行くのに加え、不動産物件を検索可能なシステムをインターネットを介して利用するユーザが増加している。当該システムにおいて、ユーザは所望の物件条件を指定することで、システムが保有する物件データから当該物件条件に該当する物件を抽出してユーザに表示される。
【0003】
また、特許文献1では、物件検索画面で「勤務地(住所)」、「通勤希望時間」等の交通条件を入力すると、その交通条件に合致する移動可能地域が特定されてユーザに表示され、加えて、ユーザが物件条件を入力すると、前記移動可能地域内で当該入力された物件条件に該当する物件が抽出されてユーザに対して抽出物件を地図情報上で表示する情報提供装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-216409
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の情報提供装置では、移動時間を計算する場合には電車の時刻表情報を用いて計算しているが、時間帯によっては駅構内の混雑度によって駅構内の移動時間も変わり、また、時間帯によって電車の乗り降りにかかる時間等で乗車時間も変動する。このように、既存のシステムでは考慮されなかったいくつかの要因によって、正確に移動時間を計算することができなかったため、既存のシステムを利用して物件を購入した後で、実際に通勤、通学をして実際の移動時間と、当初想定していた移動時間に乖離が生じ、本当に所望する物件を購入することができなかった。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、正確な移動時間を計算して適切な物件を抽出表示する物件検索装置を提供することを目的とする。
【0007】
なお、付加的な課題としては、勤務地最寄駅のある改札口からプラットフォームまでも距離があり、また、物件最寄駅のプラットフォームから物件最寄駅のある改札口までも距離があり、それぞれの距離までは考慮されていないために、正確な移動時間を計算することができない。また、勤務地最寄駅も物件最寄駅も複数の改札口があり、どの改札口から入るか若しくはどの改札口から出るかで移動時間も変動する。これらの付加的な課題を解決することも、本発明の付加的な目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る物件検索装置は、ユーザ装置からの一の地点及び希望移動時間を含む交通条件を受け付けて、記憶する複数の物件から当該条件に合致する物件を抽出する物件検索装置であって、入場駅及び入場時刻並びに出場駅及び出場時刻を含む交通履歴情報を多数記憶しており、前記多数の交通履歴情報から当該一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する、勤務地最寄駅改札口と物件最寄駅改札口とを交通履歴情報を抽出し、当該抽出した交通履歴情報を用いて、勤務地最寄駅候補の勤務地改札口候補と勤務地出入口との徒歩時間から勤務地徒歩時間を計算し、さらに、物件最寄駅候補の改札口毎と、それぞれの物件の所在地とから物件徒歩時間を計算することで、前記交通条件の一の地点から記憶する物件の所在地までの移動時間を求め、前記希望移動時間内の移動時間である物件を抽出するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一の地点から物件所在地までの移動時間を求める場合に時刻表を用いた乗車時間を含む移動時間ではなく、実際に利用者に利用された実績である交通履歴情報のうち、一の地点から物件所在地までの交通経路に対応する交通履歴情報を抽出し、高精度な移動時間を求めて該当する文献を抽出するので、交通条件の観点から、実際と乖離のないユーザ所望の物件を抽出して提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る第1の実施形態に係る物件検索システムのシステム構成図である。
図2】本発明に係る第1の実施形態に係る物件検索装置のブロック構成図である。
図3】本発明に係る第1の実施形態に係る物件検索システムの検索条件画面(勤務地ポイント指定)である。
図4】本発明に係る第1の実施形態に係る物件検索システムの検索結果画面である。
図5】本発明に係る第1の実施形態に係る物件検索システムのシーケンス図である。
図6】本発明に係る第1の実施形態に係る移動時間と高精度移動時間との対比図である。
図7】本発明に係るその他の実施形態に係る隣接する交通履歴情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
【0012】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0013】
図1は本実施形態に係る物件検索システム1のシステム構成図である。物件検索システム1は、ユーザが物件を検索して表示するユーザ装置100と、ユーザが指定した検索条件に対応する物件を検索してユーザ装置に提供する物件検索装置200と、物件検索装置200が検索処理等で用いる各種データベース(地図情報を保持する地図データDB301、物件情報を保持する物件データDB302、時刻表等の交通情報を保持する交通データDB303及び交通系ICカードの利用者の交通利用履歴情報である交通系ICデータDB304)とからなる。
【0014】
図2は本実施形態に係る物件検索装置200のブロック構成図である。物件検索装置200は、ユーザからの物件条件及び交通条件の指定を受け付ける条件受付手段201と、多数ある物件からユーザの条件に合致する物件を抽出する物件抽出手段202と、勤務地出入口から物件までの移動時間を計算する移動時間計算手段203と及び勤務地出入口から物件までの高精度移動時間を計算する高精度移動時間計算手段204とからなる。
【0015】
図3は本実施形態に係る物件検索システムの検索条件画面(勤務地ポイント指定)である。この物件検索装置200がユーザ装置100に検索条件画面(勤務地ポイント指定)のフォーム情報を送信し、ユーザ装置100でこの検索条件画面(勤務地ポイント指定)が表示される。検索条件画面には、物件の予算、物件の間取り等の物件固有に関する検索条件である物件条件と、複数の勤務地住所、通勤時間(希望移動時間)、物件最寄駅徒歩時間及び物件から会社までの通勤時間帯及び会社から物件までの帰宅時間帯等の通勤に関する通勤条件(通勤としているが、学生は通学であり、広義には移動条件と表現できる)とを入力する欄がある。勤務地住所の入力は、詳細な緯度及び経度情報を設定でき、ユーザは右画面の詳細地図で勤務先ビルの出入口レベルの細かい位置をポインタで指定することができる。大規模なオフィスビルの場合、複数個所に出入り口が設置され、各出入り口から各駅の各改札口まではそれぞれ移動時間が異なり、正確に通勤時間を求めるために必要な情報となる。
【0016】
図4は本実施形態に係る物件検索システムの検索結果画面である。検索結果画面の左側は、図3の検索条件画面の左側と同様で、物件条件と通勤条件の入力欄が表示されている。検索結果画面の右側には地図が表示され、検索条件に合致する物件の位置と、勤務地から物件位置までの経路が、経路上に移動時間及び高精度移動時間と共に表示されている。
【0017】
次に、本実施形態に係る物件検索システムの動作について図5を用いて説明する。
【0018】
ユーザ装置100が物件検索装置200にアクセスすると、物件検索装置200は検索条件のフォーム情報をユーザ装置100に送信し、ユーザ装置100では検索条件画面が表示される。ユーザは検索条件画面に対し、ユーザ装置100を用いて通勤条件を指定すると、ユーザ装置100が指定した通勤条件を物件検索装置200に送信する(ステップ5)。条件受付手段201はユーザ装置100からの通勤条件を受信する(ステップ10)。同様に、ユーザは検索条件画面に対し、ユーザ装置100を用いて物件条件を指定すると、ユーザ装置100が指定した物件条件を物件検索装置200に送信する(ステップ
15)。条件受付手段201はユーザ装置100からの物件条件を受信する(ステップ20)。なお、通勤条件及び物件条件の送受信を同時に行ってもよい。
【0019】
物件抽出手段202は受信した物件条件を用いて物件データDB302を検索し、該当する物件を特定する(ステップ25)。
【0020】
移動時間計算手段203は通勤条件の複数の勤務地の出入り口それぞれと、全国の改札口それぞれとの勤務地徒歩時間を計算する(ステップ30)。全国の改札口ID、改札口名、改札口を有する駅名、駅ID、改札口の緯度経度情報は予め、交通データDB303に格納されている。改札口の緯度経度情報と、各勤務地の出入り口緯度経度情報とから、周知慣用技術の移動時間計算方法(各種の商用マップサービスにおいてユーザが一の地点から他の地点までを指定すると、最適な経路とその移動時間をユーザに提示するサービスが提供されている)によって、それぞれの勤務地徒歩時間が計算される。ここでは、全国の改札口と勤務地の出入り口との勤務地徒歩時間を計算したが、指定された通勤時間に基づき所定範囲に絞って計算してもよい。
【0021】
物件検索装置200は、計算された勤務地徒歩時間のうち、通勤時間内の改札口を勤務地改札口候補として特定し、特定された改札口を有する駅も勤務地最寄駅候補として特定する(ステップ35)。
【0022】
移動時間計算手段203は、特定された勤務地最寄駅候補と全ての駅それぞれの乗車時間を計算する(ステップ40)。勤務地最寄駅候補から各駅(物件最寄駅候補)までの移動時間(乗車時間)は、まずは、従来の通り、通勤時間帯の時刻表情報から計算を行う。ここでは、勤務地最寄駅候補と全ての駅それぞれの乗車時間を計算するとしたが、通勤時
間に基づき所定範囲の駅に絞って乗車時間を計算してもよい。駅から駅までの乗車時間を計算する方法は多種多様なものが、いずれの手法を用いてもよい(各種の商用電車経路探索サービスにおいてユーザが一の駅から他の駅までを指定すると、最適な電車経路と乗車時間をユーザに提示するサービスが提供されている)。
【0023】
物件検索装置200は、計算した乗車時間(勤務地最寄駅候補と物件最寄駅候補との乗車時間)と前記勤務地徒歩時間(勤務地最寄駅候補の勤務地改札口候補と勤務地出入口との徒歩時間)を合計し、合計時間が通勤時間を超える物件最寄駅候補を候補から除外し、残った駅を物件最寄駅候補として特定する(ステップ45)。
【0024】
移動時間計算手段203は、物件最寄駅候補の改札口毎(改札口の緯度経度)と、それぞれの物件の所在地(経度緯度情報)とから物件徒歩時間を計算する(ステップ50)。
【0025】
移動時間計算手段203は計算した物件徒歩時間(物件最寄駅候補の物件改札口候補と物件との徒歩時間)と、前記乗車時間及び前記勤務地徒歩時間とを合計し、物件抽出手段202が合計時間が通勤時間を超える物件を除外し、残った物件を物件候補として特定する(ステップ55)。
【0026】
これまでの処理により勤務地最寄駅改札口候補と物件最寄駅改札口候補の組み合せが特定される。高精度移動時間計算手段204は、この組み合せと同一の改札口組み合せの交通利用履歴情報を抽出し、抽出された交通利用履歴情報の実際改札口間移動時間の平均を平均実際改札口間移動時間として求め、勤務地から物件までの高精度移動時間を、勤務地徒歩時間、平均実際改札口間移動時間及び物件地徒歩時間から高精度移動時間を求める(ステップ60)。交通履歴情報は、入場した改札口、駅、路線及び時刻、出場した改札口、駅、路線及び時刻、利用金額、日付並びにユーザID/カードIDを含むものである。
【0027】
図6は本実施形態に係る移動時間と高精度移動時間との対比図であり、図6(a)が移動時間を示し、図6(b)が高精度移動時間を示す。移動時間が勤務地改札口から勤務地最寄駅構内での徒歩時間α、物件改札口までの物件最寄駅構内での徒歩時間βが考慮されていないことが示される。この他、実際改札口間移動時間では、駅構内の混雑状況、電車の遅延等も考慮された実際の改札口間の移動時間となっている。
物件抽出手段202は、通勤条件の通勤時間内の高精度移動時間である物件を再特定する(ステップ65)。
【0028】
物件検索装置200は、再特定した物件を地図情報に付与してユーザ装置100に送信し(ステップ70)、受信したユーザ装置100は地図情報を表示する(ステップ75)。
物件検索装置200のメモリ上は、勤務地出入口、勤務地最寄駅、勤務地改札口、勤務地徒歩時間、物件最寄駅、物件改札口、乗車時間、物件徒歩時間、平均実際改札口間移動時間、移動時間及び高精度移動時間のデータ列からなるデータが保持され、上記処理により適宜値が書き込まれることになる。
【0029】
このように本実施形態においては、ユーザが指定した勤務地の出入口から勤務地最寄駅改札口までの勤務地徒歩時間を計算し、勤務地最寄駅から物件最寄駅までの乗車時間を計算し、物件最寄駅改札口から物件までの物件徒歩時間を計算し、合算して精度の高い移動時間を求めるだけでなく、さらに、勤務地最寄駅改札口と物件最寄駅改札口の実際の改札口間移動時間を取得して高精度移動時間とすることから、ユーザに対してより正確な勤務地から物件までの移動時間を考慮した物件を提示することができる。
【0030】
(その他の実施形態)
【0031】
前記第1の実施形態に係る物件検索システムでは高精度移動時間を求める際に用いる実際改札口間移動時間の方向性、つまり、物件から勤務地までの通勤方向と、勤務地から物件までの帰宅方向を考慮せずに処理したが、通勤方向及び帰宅方向を考慮した処理を行う構成とすることもでき、具体的には、交通履歴情報の通勤方向の情報を用いて通勤方向の高精度移動時間を求め、交通履歴情報の帰宅方向の情報を用いて帰宅方向の高精度移動時間を求め、物件を抽出する際には、通勤方向の高精度移動時間及び/又は帰宅方向の高精度移動時間を用いるものである。
【0032】
前記第1の実施形態に係る物件検索システムでは高精度移動時間を求める際に用いる実際改札口間移動時間を交通履歴情報の一方の改札口の通過時刻と他方の改札口の通過時間から求めているが、通過時刻を考慮した処理とする構成とすることもでき、具体的には、通勤時間は所定の通勤時間帯の交通履歴情報のみを用いて処理を行い、帰宅時間は所定の帰宅時間帯の交通履歴情報のみを用いて処理を行う。ここで、通勤時間帯と帰宅時間帯をユーザより指定を受けて処理してもよい。この通過時刻を考慮した処理と、通勤方法及び帰宅方向を考慮した処理を組み合せて処理してもよく、更に、精度が高い移動時間で物件を特定することができる。
【0033】
前記第1の実施形態に係る物件検索システムでは、実際改札口間移動時間を用いて高精度移動時間を求めているが、勤務地最寄改札口と物件最寄改札口との間の実際改札口間移動時間のデータが交通履歴情報として記憶されていない場合もあり、その場合には、この勤務地最寄改札口の勤務地最寄駅の他の改札口と物件最寄改札口との実際改札口間移動時間、この物件最寄改札口の物件最寄駅の他の改札口と勤務地最寄改札口との実際改札口間移動時間、若しくは、この勤務地最寄改札口の勤務地最寄駅の他の改札口とこの物件最寄改札口の物件最寄駅の他の改札口との実際改札口間移動時間を代わりに用いて高精度移動時間を求めることもできる。さらに、勤務地最寄駅と物件最寄駅との実際改札口間移動時間のデータが交通履歴情報として記憶すらされていない場合もあり、その場合に、隣接又は近傍する勤務地最寄駅と物件最寄駅との実際改札口間移動時間のデータ、勤務地最寄駅と隣接又は近傍する物件最寄駅との実際改札口間移動時間のデータ、又は、隣接又は近傍する勤務地最寄駅と隣接又は近傍する物件最寄駅との実際改札口間移動時間のデータはある場合があり、その場合に、それらのデータを用いて近似して高精度移動時間を求めてよく。具体的には、図7に示す例示では、勤務地最寄駅である駅Bと物件最寄駅である駅Zとの実際改札口間移動時間のデータはないものの、隣接する駅Aと物件最寄駅である駅Zとの実際改札口間移動時間のデータと、隣接する駅Cと物件最寄駅である駅Zとの実際改札口間移動時間のデータとはある場合には、それぞれの平均実際改札口間移動時間のデータを更に平均化((前者のデータ+後者のデータ)÷2)して勤務地最寄駅である駅Bと物件最寄駅である駅Zとの平均実際改札口間移動時間として用いることができる。
【0034】
前記第1の実施形態においては、勤務地徒歩時間と乗車時間を合算させて通勤時間内にある物件最寄駅に絞って処理を行っているものの、乗車時間を計算することなく、勤務地最寄駅と物件最寄駅の平均実際改札間移動時間と勤務地徒歩時間とを合算させて通勤時間内にある物件最寄駅に絞って処理を行ってもよい。このとき、物件最寄駅には複数の改札口が存在する場合もあるが、それぞれの改札口毎に平均実際改札間移動時間を求め、いずれかの平均実際改札間移動時間を用いてもよい。
【0035】
前記第1の実施形態において実際改札間移動時間の平均を用いていたが、最小値、中央値、最頻値、代表値、最大値等の値を用いてもよい。
【0036】
前記第1の実施形態において電車での移動を例にとって示したが、バスであっても飛行機であっても船であっても交通機関であれば同様にあてはまる内容である。例えば、バスの例示を説明すると、バスに乗車する際に交通ICカードの履歴時間が記憶され、勤務地出入口から勤務地最寄バス停までの勤務地徒歩時間、時刻表に基づく勤務地最寄バス停から物件最寄バス停までの乗車時間、物件最寄バス停から物件までの物件徒歩時間を合算して移動時間を求めればよく、高精度移動時間は勤務地徒歩時間、物件徒歩時間及び交通履歴情報(勤務地最寄バス停から物件最寄バス停までの乗車時間)により求めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、ユーザの条件に従って不動産物件を抽出してユーザに提示する物件検索システムに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0038】
物件検索システム 1
ユーザ装置 100
物件検索装置 200
条件受付手段 201
物件抽出手段 202
移動時間計算手段 203
高精度移動時間計算手段 204
地図データDB 301
物件データDB 302
交通データDB 303
交通系ICデータDB 304

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7