(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120463
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】赤外線タッチモジュールおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20230823BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230823BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20230823BHJP
G01J 1/42 20060101ALI20230823BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20230823BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230823BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
G06F3/042 484
G09G5/00 550C
G09G5/38 Z
G01J1/42 N
G01J1/02 P
G06F3/041 510
G06F3/16 610
G06F3/16 630
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023340
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】山本 美智雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 英伸
(72)【発明者】
【氏名】大西 啓之
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 貴徳
(72)【発明者】
【氏名】大西 直
【テーマコード(参考)】
2G065
5C182
【Fターム(参考)】
2G065AA20
2G065AB02
2G065BC23
2G065BC33
2G065BC35
2G065BD01
2G065CA20
2G065DA15
5C182AB01
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC13
5C182AC37
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA54
5C182CB42
5C182CB54
5C182DA34
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】リモコン受信感度の低下の抑制とタッチ感度の低下の抑制とを両立できる赤外線タッチモジュール等を提供する。
【解決手段】赤外線タッチモジュールは、表示部の一面側に設けられ、複数の赤外線発光素子を含む赤外線発光部と、複数の赤外線受光素子を含む赤外線受光部と、前記赤外線タッチモジュールを操作していない時間が一定時間を経過したと判定した場合、前記赤外線タッチモジュールを操作しているときに前記赤外線発光部が出力する第1の出力レベルを第2の出力レベルに低下させ、所定条件を満たした場合に、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第2の出力レベルから前記第1の出力レベルに復帰させる制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部の一面側に設けられる赤外線タッチモジュールであって、
複数の赤外線発光素子を含む赤外線発光部と、
複数の赤外線受光素子を含む赤外線受光部と、
前記赤外線タッチモジュールを操作していない時間が一定時間を経過したと判定した場合、前記赤外線タッチモジュールを操作しているときに前記赤外線発光部が出力する第1の出力レベルを第2の出力レベルに低下させ、所定条件を満たした場合に、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第2の出力レベルから前記第1の出力レベルに復帰させる制御を行う制御部と、
を備える赤外線タッチモジュール。
【請求項2】
前記制御部は、前記赤外線タッチモジュールを最後にタッチしてからの経過時間が前記一定時間を超えた場合に、前記操作していない時間が前記一定時間を経過したと判定する、請求項1に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項3】
前記制御部は、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第1の出力レベルから前記第2の出力レベルに低下させた後、前記表示部のうちリモコン信号を受信する領域を避けた位置に、前記第2の出力レベルから前記第1の出力レベルへの復帰を促すマークを前記表示部に表示させる制御を行う、請求項1または2に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項4】
前記マークは、前記表示部のうち任意の位置に設定可能である、請求項3に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項5】
前記制御部は、前記マークがタッチされた場合に、前記所定条件が満たされたと判定する、請求項3または4に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項6】
音声検出部、をさらに備え、
前記制御部は、前記音声検出部がウェイクワードを検出した場合、前記所定条件が満たされたと判定する、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項7】
前記赤外線タッチモジュールから一定範囲内に人がいるかを検出する人感センサ、をさらに備え、
前記制御部は、前記人感センサが人を検出していない時間が前記一定時間を超えた場合、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第1の出力レベルから前記第2の出力レベルに低下させる制御を行う、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項8】
前記制御部は、前記赤外線発光部の出力レベルが前記第2の出力レベルであるときに前記人感センサが前記一定範囲内に人がいることを検出した場合、前記所定条件が満たされたと判定する、請求項7に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項9】
前記赤外線タッチモジュールから一定の視野範囲を撮影するカメラ、をさらに備え、
前記制御部は、前記カメラから取得された映像に人が写っていない時間が前記一定時間を超えた場合、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第1の出力レベルから前記第2の出力レベルに低下させる制御を行う、請求項1乃至8のうち何れか1項に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項10】
前記制御部は、前記赤外線発光部の出力レベルが前記第2の出力レベルであるときに前記カメラから取得された映像に人が写っていることを検出した場合、前記所定条件が満たされたと判定する、請求項9に記載の赤外線タッチモジュール。
【請求項11】
請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の赤外線タッチモジュールを備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線タッチモジュールおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示パネルの出力側に赤外線タッチモジュールを一体的に取り付けた表示装置が用いられている。例えば、特許文献1には、リフレクタを有する赤外線タッチモジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、表示装置には、リモコン信号を受信するリモコン受光部が設けられる。表示装置の一面側にリモコン受信部が設けられ、当該一面側に赤外線タッチモジュールが取り付けられた場合、良好なタッチ感度で操作するための強度を持つ赤外線がリモコン受光部に対して影響を与えることがある。この場合、表示装置のリモコン受光部の受光感度が低下する。特許文献1は、かかる問題を解決するものではない。
【0005】
1つの側面として、本開示の目的は、リモコン受信感度の低下の抑制とタッチ感度の低下の抑制とを両立できる赤外線タッチモジュール等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る赤外線タッチモジュールは、表示部の一面側に設けられ、複数の赤外線発光素子を含む赤外線発光部と、複数の赤外線受光素子を含む赤外線受光部と、前記赤外線タッチモジュールを操作していない時間が一定時間を経過したと判定した場合、前記赤外線タッチモジュールを操作しているときに前記赤外線発光部が出力する第1の出力レベルを第2の出力レベルに低下させ、所定条件を満たした場合に、前記赤外線発光部の出力レベルを前記第2の出力レベルから前記第1の出力レベルに復帰させる制御を行う制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】第1実施形態の赤外線タッチモジュール、PCおよびディスプレイの一例を示すブロック図である。
【
図3】表示部の表示面側の平面視の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態の赤外線タッチモジュール、PCおよびディスプレイの一例を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】第3実施形態の赤外線タッチモジュール、PCおよびディスプレイの一例を示すブロック図である。
【
図8】第3実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】第4実施形態の赤外線タッチモジュール、PCおよびディスプレイの一例を示すブロック図である。
【
図10】第4実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態について説明する。以下の各実施形態は、適宜変形可能である。また、各実施形態の構成は、実質的に類似の構成、類似の作用効果を奏する構成または類似の目的を達成できる構成で置き換えることができる。さらに、各実施形態で説明するフローチャートの処理の順序は、可能な限り入れ替えることができる。
【0009】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、各実施形態で共通のシステムの構成の一例を示す図である。
図1のシステムは、赤外線タッチモジュール10、パーソナルコンピュータ(以下、PCと表記)30、ディスプレイ40およびリモコン50を含む。
【0010】
赤外線タッチモジュール10はPC30と電気的に接続されており、PC30はディスプレイ40に電気的に接続されている。赤外線タッチモジュール10は、ディスプレイ40に着脱可能に取り付けられてもよいし、固定的に取り付けられていてもよい。赤外線タッチモジュール10を取り付けたディスプレイ40が表示装置に対応する。
【0011】
赤外線タッチモジュール10は、赤外線を用いて、ディスプレイ40の表示部41に表示される画面に対する操作を可能にするモジュールである。赤外線タッチモジュール10は、赤外線発光部11、赤外線受光部12および画面保護ガラス13を有する。また、赤外線タッチモジュール10は、制御部20を内蔵する。
【0012】
赤外線発光部11は、赤外線を発光する複数の赤外線発光素子を有する。例えば、赤外線発光部11の各赤外線発光素子は、水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)に密に分散配置されている。赤外線受光部12は、赤外線を受光する複数の赤外線受光素子を有する。赤外線受光部12の各赤外線受光素子は、赤外線発光部11の各赤外線発光素子に対応して密に分散配置されている。
【0013】
以上により、ディスプレイ40における表示部41の平面上に、X方向およびY方向に交差する赤外線マトリクスが構成される。ユーザが、当該赤外線マトリクスをタッチすると、タッチした箇所の赤外線が遮断されるため、タッチした箇所を特定できる。
【0014】
画面保護ガラス13は、ディスプレイ40の表示部41を保護するためのガラスである。赤外線タッチモジュール10は、例えば、ディスプレイ40の表示部41よりも外周側に取り付けられる枠体の中に画面保護ガラス13が設けられる構成であってもよい。制御部20については、後述する。
【0015】
赤外線タッチモジュール10は、所定のケーブルを介して、PC30と接続されている。
図1の例では、赤外線タッチモジュール10からPC30に向けてデータを出力する構成を示しているが、赤外線タッチモジュール10とPC30との間は双方向にデータの入出力が可能な構成であってもよい。
【0016】
PC30は、主に、ディスプレイ40の表示部41に表示する画面(映像信号)を出力する。ディスプレイ40は、PC30から出力された映像信号に基づく画面を表示部41に表示する。ディスプレイ40は、例えば、テレビであってもよい。
【0017】
ディスプレイ40の表示部41の領域のうち一部にはリモコン受信部42が設けられている。リモコン受信部42は、ディスプレイ40の一面側に設けられており、リモコン50が発したリモコン信号を受信する。ディスプレイ40は、ユーザがリモコン50を用いて行った操作を受け付ける。
【0018】
ディスプレイ40の表示部41の前面側(一面側)には赤外線発光部11の各赤外線発光素子が発した赤外線が密に形成されている。表示部41の前面に形成されている赤外線に起因して、リモコン受信部42に受信されるリモコン50からのリモコン信号の受信感度が低下する。特に、リモコン信号が赤外線である場合に、リモコン信号の受信感度の低下が顕著になる。
【0019】
また、赤外線発光部11の各赤外線発光素子が発した赤外線が、画面保護ガラス13に入射し、画面保護ガラス13に入射した赤外線が屈折および散乱することにより、リモコン受信部42に赤外線が入射する可能性がある。この場合、予期しない赤外線がリモコン受信部42に混入してしまい、リモコン受信感度に影響を与える。
【0020】
ここで、リモコン受信部42によるリモコン受信感度を向上させるために、赤外線発光部11からの赤外線の発光レベル(発光強度)を低下させることが考えられる。しかしながら、赤外線発光部11からの赤外線の発光レベルが低下すると、赤外線タッチモジュール10を用いたタッチ操作によるタッチ感度が低下する。そこで、各実施形態の赤外線タッチモジュール10は、リモコン受信感度およびタッチ感度が低下することを抑制する。
【0021】
図2は、第1実施形態の赤外線タッチモジュール10、PC30およびディスプレイ40の一例を示すブロック図である。赤外線タッチモジュール10は、赤外線発光部11、赤外線受光部12および制御部20を含む。制御部20は、統合処理部21、時間カウント部22、赤外線出力制御部23、電源検出部24、タッチマーク出力指示部25および座標情報判定部26を含む。
【0022】
制御部20は、例えば、1以上のプロセッサおよび1以上のメモリを含む。当該プロセッサがメモリに記憶されたプログラムに含まれる複数の命令セットを実行することにより、各実施形態の制御が実現され得る。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等であってもよい。また、プロセッサおよびメモリは、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路であってもよい。
【0023】
統合処理部21は、制御部20の全体の制御を行う。時間カウント部22は時間の計測を行う。赤外線出力制御部23は、赤外線発光部11が発する赤外線の発光レベルを制御する。赤外線出力制御部23は、赤外線発光部11が発する赤外線の発光レベルを低下させる際に、例えば、赤外線発光部11の各赤外線発光素子の全体の発光レベルを低下させてもよいし、各赤外線発光素子のうち一部の赤外線発光素子を発光しないように制御してもよい。
【0024】
電源検出部24は、赤外線タッチモジュール10の電源が投入されたかを検出する。例えば、電源検出部24は、電源からの起動信号等に基づき、赤外線タッチモジュール10の電源が投入されたかを検出する。タッチマーク出力指示部25は、後述するタッチマークをディスプレイ40の表示部41に表示させるためのタッチマーク出力指示をPC30に出力する。座標情報判定部26は、赤外線発光部11の各赤外線発光素子からの赤外線の発光状況および赤外線受光部12の各赤外線受光素子の赤外線の受光状況に基づき、赤外線タッチモジュール10のうち何れの箇所がタッチされたかを判定する。
【0025】
PC30は、アプリケーション処理部31、タッチマーク生成部32、タッチ情報処理部33、映像生成部34、映像重畳部35および映像信号出力部36を含む。アプリケーション処理部31は、赤外線タッチモジュール10を使用時におけるPC30の全体の制御を行う。
【0026】
タッチマーク生成部32は、タッチマーク出力指示部25からのタッチマーク出力指示に基づき、後述するタッチマークを生成する。タッチ情報処理部33は、座標情報判定部26がタッチされたと判定した箇所の情報(タッチ情報)を処理する。
【0027】
映像生成部34は、ディスプレイ40の表示部41に表示する映像を生成する。映像生成部34が生成する映像(映像信号)は、赤外線タッチモジュール10を用いた操作に応じてPC30が生成する映像である。
【0028】
映像重畳部35は、映像生成部34が生成した映像信号に、タッチマーク生成部32が生成したタッチマークを重畳する処理を行う。映像信号出力部36は、映像重畳部35が処理した映像信号、または映像生成部34が生成した映像信号をディスプレイ40に出力する。
【0029】
ディスプレイ40は、表示部41、リモコン受信部42、映像信号入力部43および映像信号処理部44を含む。映像信号入力部43には、映像信号出力部36が出力した映像信号が入力される。映像信号処理部44は、映像信号入力部43に入力された映像信号に対して所定の処理を行う。映像信号処理部44が処理した映像信号は、表示部41に表示される。従って、ディスプレイ40の表示部41には、PC30が生成した映像が表示される。
【0030】
次に、タッチマーク(マーク)について説明する。
図3は、表示部41の表示面側(一面側)の平面視の一例を示す図である。表示部41には、タッチマーク45が表示されている。タッチマーク45は、タッチマーク生成部32により生成される。
【0031】
各実施形態では、赤外線タッチモジュール10の制御部20は、赤外線タッチモジュール10を使用する通常モードでは、赤外線発光部11の赤外線の発光レベルを、良好なタッチ感度で操作可能な通常レベル(第1の出力レベル)に設定する。
【0032】
一方、制御部20は、赤外線タッチモジュール10に対して最後にタッチされてから一定時間が経過した場合、赤外線タッチモジュール10を待機モードに移行させる。また、制御部20は、赤外線タッチモジュール10の電源が投入された直後は赤外線タッチモジュール10を待機モードに設定する。
【0033】
制御部20は、待機モードでは、赤外線発光部11の赤外線の発光レベルを、通常モードの赤外線の発光レベルよりも低い待機レベル(第2の出力レベル)に設定する。例えば、待機レベルは、通常レベルの30%以下に設定されてもよい。待機レベルは、リモコン受信部42のリモコン受信感度が一定の感度以上となるレベルである。
【0034】
タッチマーク45は、待機モードから通常モードに復帰させることを促すことを示すマークである。タッチマーク45は、例えば「待機状態です。タッチ機能を使用する際は、ここを一度タッチしてください。」等のメッセージを含む。これにより、ユーザは、赤外線タッチモジュール10が待機モードであるときに、タッチマーク45をタッチすることで、赤外線タッチモジュール10を待機モードから通常モードに復帰させることを認識できる。
【0035】
タッチマーク45は、表示部41の平面視において、リモコン受信部42と重ならない位置に設定される。待機モードにおいても、タッチマーク45のタッチを検知するため、タッチマーク45の箇所の赤外線IRは、通常モードと同様の出力レベル(通常レベル)に設定されている。なお、赤外線発光部11は、タッチマーク45のタッチを検知可能なレベルの出力レベル(通常レベル未満であり且つ待機レベル以上の出力レベル)で赤外線を発光してもよい。
【0036】
タッチマーク45とリモコン受信部42とが重なっていると、リモコン受信部42の受信感度が低下するため、タッチマーク45はリモコン受信部42の領域から避けた位置に設定される。
【0037】
表示部41におけるタッチマーク45の位置は任意に設定可能である。例えば、ユーザが、赤外線タッチモジュール10とPC30とディスプレイ40との何れかに対して、タッチマーク45の位置を任意に設定可能であってもよい。表示部41の平面視におけるリモコン受信部42の位置は予め把握可能である。
【0038】
例えば、ユーザは、リモコン受信部42を避けた位置にタッチマーク45を表示する設定を行う操作を、赤外線タッチモジュール10とPC30とディスプレイ40との何れかに対して行うことができる。
【0039】
また、赤外線タッチモジュール10の制御部20は、表示部41におけるリモコン受信部42の位置を認識している場合、リモコン受信部42を避けた位置にタッチマーク45を表示するように制御してもよい。これにより、タッチマーク45は自動的に適切な位置に表示される。例えば、制御部20が、PC30を経由して、ディスプレイ40から表示部41におけるリモコン受信部42の位置を示す座標情報を得ることができる構成が採用されている場合、制御部20は、得られた座標情報を避けた位置にタッチマーク45を表示するように制御してもよい。
【0040】
表示部41におけるタッチマーク45の位置は、赤外線IRの影響を回避するため、表示部41の平面視におけるリモコン受信部42の位置からできるだけ離間していることが好ましい。例えば、タッチマーク45の位置は、表示部41のうちリモコン受信部42から最も遠い位置に設定されてもよい。
【0041】
次に、第1実施形態の処理の流れについて説明する。
図4は、第1実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。制御部20は、電源検出部24を用いて、赤外線タッチモジュール10の電源が投入されたかを判定する(ステップS101)。赤外線タッチモジュール10の電源が投入されていない場合、制御部20は、ステップS101でNoと判定し、処理をステップS101に戻す。この場合、制御部20は、赤外線タッチモジュール10の電源が投入されるまで待機する。
【0042】
赤外線タッチモジュール10の電源が投入された場合、制御部20は、ステップS101でYesと判定し、処理をステップS102に進める。制御部20は、赤外線出力制御部23を用いて、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機モードの待機レベルに設定する(ステップS102)。このとき、赤外線タッチモジュール10は、待機モードに移行する。
【0043】
制御部20は、タッチマーク45を表示する指示を出す(ステップS103)。各実施形態では、制御部20は、タッチマーク出力指示部25を用いて、タッチマーク45を表示するためのタッチマーク出力指示をPC30に出力する。PC30のタッチマーク生成部32は、タッチマーク出力指示を受けたことに応じて、タッチマーク45を生成する。
【0044】
映像生成部34は、ディスプレイ40の表示部41に表示される映像を生成する。映像重畳部35は、映像生成部34が生成した映像にタッチマーク45が重畳された映像信号を生成する。映像信号出力部36は、タッチマーク45が重畳された映像信号をディスプレイ40に出力する。タッチマーク45が重畳された映像は、待機モードを示す映像になる。
【0045】
ディスプレイ40の映像信号入力部43には、PC30から出力された映像信号が入力される。入力された映像信号は、映像信号処理部44により所定の処理が行われる。これにより、PC30から出力された映像信号に基づく映像が表示部41に表示される。上述した場合、当該映像は、映像生成部34が生成した映像にタッチマーク45が重畳された映像である。
【0046】
制御部20は、タッチマーク45がタッチされたかを判定する(ステップS104)。タッチマーク45がタッチされると、タッチマーク45の箇所の赤外線が遮られるため、タッチマーク45の箇所に対応する赤外線受光部12の赤外線受光素子は赤外線を受光しない。制御部20は、赤外線発光部11の発光状況および赤外線受光部12の受光状況に基づき、ステップS104の判定を行うことができる。
【0047】
タッチマーク45がタッチされていない場合、制御部20は、ステップS104でNoと判定し、処理をステップS104に戻す。この場合、制御部20は、タッチマーク45がタッチされるまで待機する。
【0048】
タッチマーク45がタッチされた場合、制御部20は、ステップS104でYesと判定し、処理をステップS105に進める。制御部20は、赤外線発光部11からの出力レベルを通常レベルに設定する(ステップS105)。このとき、赤外線タッチモジュール10は、通常モードに移行する。制御部20は、ステップS105を実行する際、タッチマーク45を非表示にする制御をPC30に対して行う。これにより、PC30からはタッチマーク45が重畳された映像信号が出力されなくなるため、ディスプレイ40の表示部41にタッチマーク45は表示されなくなる。以下、赤外線タッチモジュール10が通常モードに移行または復帰する際、制御部20は、同様のタッチマーク45を非表示にする制御を行うものとする。
【0049】
制御部20は、時間カウント部22を用いて、赤外線タッチモジュール10に対して最後にタッチ(ラストタッチ)した時刻からの経過時間を計測する(ステップS106)。制御部20は、赤外線タッチモジュール10を用いた操作が行われていない時間を上記の経過時間として計測してもよい。
【0050】
制御部20は、ラストタッチからの経過時間が一定時間を経過したかを判定する(ステップS107)。一定時間は任意の時間に設定可能である。一定時間は、例えば、10分等であってもよい。
【0051】
ラストタッチからの経過時間が一定時間を経過していない場合、制御部20は、ステップS107でNoと判定し、処理をステップS106に戻す。この場合、制御部20は、ラストタッチからの経過時間が一定時間を経過するまで、経過時間を計測する。経過時間の計測中に赤外線タッチモジュール10が操作された場合には、計測している経過時間はリセットされる。
【0052】
ラストタッチからの経過時間が一定時間を経過した場合、制御部20は、ステップS107でYesと判定し、処理をステップS108に進める。制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを通常モードにおける通常レベルから待機モードの待機レベルに下げる制御を行う(ステップS108)。
【0053】
例えば、制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを通常レベルの30%以下に下げる。これにより、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルが低下するため、リモコン受信部42のリモコン受信感度が低下することが抑制される。
【0054】
制御部20は、タッチマーク45を表示部41に表示させる指示を出す(ステップS109)。このとき、制御部20のタッチマーク出力指示部25はタッチマーク出力指示をPC30に出力する。上述したように、タッチマーク出力指示はPC30に出力され、PC30がタッチマーク出力指示に基づき、タッチマーク45が重畳された映像信号を生成する。そして、ディスプレイ40は、入力された映像信号に基づく映像を表示部41に表示する。これにより、表示部41には、タッチマーク45を含む待機モードの映像が表示される。
【0055】
ステップS107~S109が、通常モードから待機モードに移行する処理である。待機モードに移行後、制御部20は、タッチマーク45がタッチされたかを判定する(ステップS110)。タッチマーク45がタッチされていない場合、制御部20は、ステップS110でNoと判定し、処理をステップS110に戻す。この場合、制御部20は、タッチマーク45がタッチされるまで、待機する。
【0056】
一方、タッチマーク45がタッチされた場合、制御部20は、ステップS110でYesと判定し、処理をステップS111に進める。制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻す制御(復帰させる制御)を行う(ステップS111)。ステップS110でYesと判定された場合、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻すための所定条件が満たされる。当該所定条件は、タッチマーク45がタッチされたかの条件以外の条件であってもよい。
【0057】
赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルが通常レベルに戻ると、赤外線タッチモジュール10を用いて、良好なタッチ感度でタッチ操作を行うことが可能になる。ステップS110~S111が、待機モードから通常モードに復帰する処理である。
【0058】
制御部20は、所定の終了条件を満たしたかに基づき、
図4のフローチャートの処理を終了するかを判定する(ステップS112)。所定の終了条件は、任意の条件であってよい。例えば、制御部20は、赤外線タッチモジュール10の電源が遮断された場合に、所定の終了条件が満たされたと判定してもよい。また、制御部20は、赤外線タッチモジュール10の使用を終了する旨のユーザからの操作を受け付けた場合に、所定の終了条件が満たされたと判定してもよい。
【0059】
所定の終了条件を満たしていない場合、制御部20は、ステップS112でNoと判定し、処理をステップS106に戻す。所定の終了条件を満たした場合、制御部20は、ステップS112でYesと判定し、
図4のフローチャートを終了させる。
【0060】
図4のフローチャートにおいて、赤外線タッチモジュール10の電源が投入された直後に、制御部20は、赤外線タッチモジュール10を通常モードに設定してもよい。この場合、ステップS102~S104の処理は省略される。この点は、各実施形態で共通である。
【0061】
以上のように、制御部20は、待機モードでは、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを通常レベルから待機レベルまで低下させる。これにより、待機モードでは、赤外線によるリモコン受信部42に対する影響が抑制されるため、リモコン受信感度が低下することが抑制される。また、待機モードにおいて、赤外線発光部11が発光する赤外線がリモコン受信部42に混入することが抑制される。
【0062】
一方、制御部20は、通常モードでは、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常モードに復帰させる。これにより、通常モードでは、十分な強度の赤外線を用いて、赤外線タッチモジュール10を操作できるため、タッチ感度が低下することが抑制される。従って、リモコン受信感度の低下の抑制とタッチ感度の低下の抑制とを両立できる。
【0063】
上述した例において、赤外線タッチモジュール10またはディスプレイ40がPC30の機能を持つことができる場合、PC30は省略されてもよい。また、PC30の機能を他の装置で代替可能な場合、PC30は省略されてもよい。
【0064】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
図5は、第2実施形態の赤外線タッチモジュール10、PC30およびディスプレイ40の一例を示すブロック図である。
図5のブロック図では、赤外線タッチモジュール10にマイク14(音声検出部)が追加されている。他の構成は、
図2のブロック図と同じである。
【0065】
第2実施形態では、制御部20は、待機モードから通常モードへの復帰を、ウェイクワードを検出したことに応じて行う。
図6は、第2実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS201およびS202は、
図4のステップS101およびS102と同じであるため、説明を省略する。第2実施形態では、第1実施形態のタッチマーク45は表示部41に表示されない。ただし、第2実施形態でも、第1実施形態のタッチマーク45が表示部41に表示されてもよい。
【0067】
制御部20は、マイク14に入力された音声からウェイクワードを検出したかを判定する(ステップS203)。ウェイクワードは、赤外線タッチモジュール10を起動させるための言葉であり、例えば、「OK.XXX」等のように、赤外線タッチモジュール10を通常使用している際に用いられない特殊な言葉であることが好ましい。当該特殊な言葉は、予め赤外線タッチモジュール10に登録されていてもよい。
【0068】
ウェイクワードを検出していない場合、制御部20は、ステップS203でNoと判定し、処理をステップS203に戻す。この場合、制御部20は、ウェイクワードを検出するまで、待機する。
【0069】
ウェイクワードを検出した場合、制御部20は、ステップS203でYesと判定し、処理をステップS204に進める。これにより、赤外線タッチモジュール10は通常モードに移行する。
【0070】
ステップS204~S207は、
図4のステップS105~S108と同じであるため、説明を省略する。ステップS207が実行された後、制御部20は、ウェイクワードを検出したかを判定する(ステップS208)。
【0071】
ウェイクワードを検出していない場合、制御部20は、ステップS208でNoと判定し、処理をステップS208に戻す。この場合、制御部20は、ウェイクワードを検出するまで、待機する。
【0072】
ウェイクワードを検出した場合、制御部20は、ステップS208でYesと判定し、処理をステップS209に進める。この場合、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻すための所定条件が満たされる。これにより、赤外線タッチモジュール10は待機モードから通常モードに復帰する。ステップS210は、
図4のステップS112と同じである。
【0073】
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様の効果を得つつ、待機モードから通常モードへの復帰を、ウェイクワードを検出したかに基づき制御することができる。この場合、タッチマーク45の表示は省略されてもよい。なお、上述したように、第2実施形態は、第1実施形態とともに用いられてもよい。例えば、待機モードから通常モードへの復帰は、ウェイクワードを検出したときだけでなく、タッチマーク45がタッチされたときに行われてもよい。
【0074】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態の赤外線タッチモジュール10、PC30およびディスプレイ40の一例を示すブロック図である。
図7のブロック図では、赤外線タッチモジュール10に人感センサ15が追加されている。他の構成は、
図2のブロック図と同じである。
【0075】
人感センサ15は、例えば、赤外線タッチモジュール10から一定範囲内に人がいるかを検知する。一定範囲は、赤外線タッチモジュール10を操作可能な範囲であり、赤外線タッチモジュール10から任意の範囲(例えば、1mの範囲)に設定されてもよい。
【0076】
第3実施形態では、制御部20は、通常モードから待機モードへの移行、および待機モードから通常モードへの復帰を、人感センサ15の検知結果に応じて行う。
図8は、第3実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
ステップS301およびS302は、
図4のステップS101およびS102と同じであるため、説明を省略する。第3実施形態では、第1実施形態のタッチマーク45は表示部41に表示されない。ただし、第3実施形態でも、第1実施形態のタッチマーク45が表示部41に表示されてもよい。
【0078】
制御部20は、人感センサ15が人を検知したかを判定する(ステップS303)。人感センサ15が人を検知していない場合、制御部20は、ステップS303でNoと判定し、処理をS303に戻す。この場合、制御部20は、人感センサ15が人を検知するまで待機する。
【0079】
人感センサ15が人を検知した場合、制御部20は、ステップS303でYesと判定し、処理をS304に進める。制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを通常レベルに設定する(ステップS304)。これにより、赤外線タッチモジュール10は通常モードに移行する。
【0080】
制御部20は、人感センサ15の検知結果に基づき、人を検知しているかを判定する(ステップS305)。人感センサ15が人を検知している場合、赤外線タッチモジュール10を人が操作していると認識できる。この場合、制御部20は、ステップS305でYesと判定し、処理をステップS305に戻す。
【0081】
人感センサ15が人を検知しなくなった場合、赤外線タッチモジュール10を操作する人がいなくなった可能性を認識できる。この場合、制御部20は、ステップS305でNoと判定し、処理をステップS306に進める。
【0082】
制御部20は、人感センサ15が人を検知していない時間を計測する(ステップS306)。制御部20は、計測している時間が一定時間を超えたかを判定する(ステップS307)。当該一定時間は、例えば、
図4のステップS107の一定時間と同じである。
【0083】
人感センサ15が人を検知していない時間が一定時間を超えていない場合、制御部20は、ステップS307でNoと判定し、処理をステップS305に戻す。この場合、人感センサ15が人を検知しているかの判定(ステップS305)、および人を検知していない時間の計測(ステップS306)が引き続き行われる。なお、ステップS305でYesと判定された場合、人が検知されたため、計測時間はリセットされる。
【0084】
計測している時間が一定時間を超えた場合、制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを通常レベルから待機レベルに下げる制御を行う(ステップS308)。人感センサ15が一定時間を超えて人を検知していない場合、赤外線タッチモジュール10の使用が終了した可能性が高いためである。これにより、赤外線タッチモジュール10は待機モードに移行する。
【0085】
待機モードに移行後、制御部20は、人感センサ15が人を検知したかを判定する(ステップS309)。人感センサ15が人を検知していない場合、制御部20は、ステップS309でNoと判定し、処理をステップS309に戻す。この場合、制御部20は、人感センサ15が人を検知するまで、赤外線タッチモジュール10の待機モードを維持する。
【0086】
人感センサ15が人を検知された場合、制御部20は、ステップS309でYesと判定し、処理をステップS310に進める。この場合、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻すための所定条件が満たされる。制御部20は、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻す制御(復帰させる制御)を行う(ステップS310)。これにより、赤外線タッチモジュール10は、通常モードに復帰する。
【0087】
制御部20は、所定の終了条件を満たしたかを判定する(ステップS311)。所定の終了条件を満たしていない場合、制御部20は、処理をステップS305に戻す。一方、所定の終了条件を満たした場合、制御部20は、
図8のフローチャートを終了させる。
【0088】
第3実施形態では、制御部20は、通常モードから待機モードへの移行、および待機モードから通常モードへの復帰の制御を、人感センサ15による人の検知結果に応じて行うことができる。この場合、タッチマーク45の表示は省略されてもよい。また、赤外線タッチモジュール10に対するタッチ操作の監視も不要となる。
【0089】
以上において、制御部20は、人感センサ15による人の検知結果ではなく、人の動きの検知結果に応じて、通常モードから待機モードへの移行の制御、および待機モードから通常モードへの復帰の制御を行ってもよい。
【0090】
例えば、ステップS305で、制御部20は、人感センサ15の検知結果から、人の動きを判定してもよい。この場合、制御部20は、人の動きを検知していない時間を計測し、計測している時間が一定時間を超えた場合に、通常モードから待機モードに移行する制御を行ってもよい。
【0091】
赤外線タッチモジュール10を操作するユーザ(人)が操作をしている場合、ユーザには動きがある。制御部20が人の動きの検知結果に基づき、上記の処理を行うことで、赤外線タッチモジュール10をユーザが使用しているかを、より高い精度で判定できる。これにより、通常モードから待機モードへの移行の制御、および待機モードから通常モードへの復帰の制御をより適切に行うことができる。
【0092】
また、第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態に適用可能である。例えば、制御部20は、通常モードから待機モードへの移行の制御と待機モードから通常モードへの復帰の制御との何れか一方に第3実施形態を適用し、他方に第1実施形態を適用してもよい。
【0093】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。
図9は、第4実施形態の赤外線タッチモジュール10、PC30およびディスプレイ40の一例を示すブロック図である。
図9のブロック図では、赤外線タッチモジュール10にカメラ16が追加されている。他の構成は、
図2のブロック図と同じである。
【0094】
カメラ16は、例えば、赤外線タッチモジュール10から一定の視野範囲を撮影する撮像装置である。カメラ16の視野範囲は、表示部41の前方の赤外線タッチモジュール10を操作可能な範囲である。カメラ16の視野範囲は、赤外線タッチモジュール10から任意の範囲(例えば、1m)に設定されてもよい。
【0095】
第4実施形態では、制御部20は、通常モードから待機モードへの移行、および待機モードから通常モードへの復帰を、カメラ16から取得された映像に基づき人が認識されたかに応じて行う。
【0096】
例えば、制御部20は、カメラ16から取得された映像に対して、顔認識処理を施すことにより、映像の中に人の顔が含まれているかに基づき、カメラ16の視野範囲に人がいるかを判定してもよい。制御部20は、顔認識ではなく、顔の一部、または顔以外の人の部位をカメラ16より取得した映像から認識して、人の認識を行ってもよい。
【0097】
図10は、第4実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS403、S405、S406、S407およびS409以外の処理は、第3実施形態の各ステップと同じであるため、説明を省略する。
【0098】
制御部20は、カメラ16から取得した映像に対して顔認証処理を行い、人の顔を認識したかを判定する(ステップS403)。人の顔を認識した場合、制御部20は、ステップS403でYesと判定し、処理をステップS404に進める。人の顔を認識していない場合、制御部20は、ステップS403でNoと判定し、処理をステップS403に戻す。
【0099】
制御部20は、カメラ16から取得した映像から人の顔を認識しているかを判定する(ステップS405)。人の顔を認識している場合、制御部20は、ステップS405でYesと判定し、処理をステップS405に戻す。人の顔を認識しなくなった場合、制御部20は、処理をステップS406に進める。この場合、制御部20は、人の顔を認識していない時間を計測する(ステップS406)。
【0100】
そして、制御部20は、人の顔を認識していない時間が一定時間を経過したかを判定する(ステップS407)。人の顔を認識していない時間が一定時間を経過した場合、制御部20は、処理をステップS408に進める。一方、人の顔を認識していない時間が一定時間を経過していない場合、制御部20は、処理をステップS407に戻す。
【0101】
制御部20は、カメラ16から取得した映像から人の顔を認識したかを判定する(ステップS409)。人の顔を認識していない場合、制御部20は、ステップS409でNoと判定し、処理をステップS409に戻す。人の顔を認識した場合、制御部20は、ステップS409でYesと判定する。この場合、赤外線発光部11が発光する赤外線の出力レベルを待機レベルから通常レベルに戻すための所定条件が満たされる。制御部20は、処理をステップS410に進める。
【0102】
第4実施形態では、制御部20は、通常モードから待機モードへの移行、および待機モードから通常モードへの復帰の制御を、カメラ16から取得した映像から人が認識されたかに応じて行うことができる。この場合、タッチマーク45の表示は省略されてもよい。また、赤外線タッチモジュール10に対するタッチ操作の監視も不要となる。
【0103】
また、ステップS403、S405およびS409において、制御部20は、カメラ16から取得した映像から人の動きを認識し、人の動きが認識されたかを判定してもよい。この点は第3実施形態と同様である。例えば、ステップS403、S405およびS409において、制御部20は、人の手の動きを認識して、人の手の動きがあったかを判定してもよい。
【0104】
以上のように、第4実施形態は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。第4実施形態は、第1実施形態乃至第3実施形態の一部または全部と組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0105】
10 赤外線タッチモジュール、11 赤外線発光部、12 赤外線受光部、13 画面保護ガラス、14 マイク、15 人感センサ、16 カメラ、20 制御部、21 統合処理部、22 時間カウント部、23 赤外線出力制御部、24 電源検出部、25 タッチマーク出力指示部、26 座標情報判定部、30 PC、31 アプリケーション処理部、32 タッチマーク生成部、33 タッチ情報処理部、34 映像生成部、35 映像重畳部、36 映像信号出力部、40 ディスプレイ、41 表示部、42 リモコン受信部、43 映像信号入力部、44 映像信号処理部、45 タッチマーク