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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120468
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ルーフレール装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 9/04 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
B60R9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023356
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100187791
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晃志郎
(72)【発明者】
【氏名】藤松 英靖
(72)【発明者】
【氏名】村口 幸一
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020AB01
3D020AC01
3D020AD09
3D020AD13
(57)【要約】
【課題】強度と剛性を高めたルーフレール装置を提供すること。
【解決手段】ルーフレール装置1は、車両の前後方向に沿って延びるルーフレール本体10と、ルーフレール本体10を車両に固定するブラケット3と、ブラケット3をルーフレール本体10に支持する支持部材4を備える。ルーフレール本体10は、車両に取り付ける状態における幅方向LRの断面において、内部が中空であって上下方向の上側に天井壁10aと、上下方向の下側に底壁10bと、幅方向LRにおいて対向し上下方向UDに沿う一対の側壁10cを備える。底壁10bは、開口10dを有する。ブラケット3は、ルーフレール本体10に挿入すると底壁10bに内部側から重なる庇部3aを備える。支持部材4は、少なくとも一部が上下方向において天井壁10aとブラケット3との間に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付け可能なルーフレール装置であって、
前記車両の前後に沿う方向を前後方向とし、前記車両の幅に沿う方向であって前記前後方向と直交する方向を幅方向とし、該車両の上下に沿う方向を上下方向とし、
前記車両の前記前後方向に沿って延びるルーフレール本体と、
前記ルーフレール本体を前記車両に固定するブラケットと、
前記ブラケットを前記ルーフレール本体に支持する支持部材を備え、
前記ルーフレール本体は、
前記車両に取り付ける状態における前記幅方向の断面において、内部が中空であって前記上下方向の上側に天井壁と、前記上下方向の下側に底壁と、前記幅方向において対向し前記上下方向に沿う一対の側壁を備え、
前記底壁は、開口を有し、
前記ブラケットは、
前記ルーフレール本体に挿入すると前記底壁に内部側から重なる庇部を備え、
前記支持部材は、
少なくとも一部が前記上下方向において前記天井壁と前記ブラケットとの間に配置されるルーフレール装置。
【請求項2】
前記ルーフレール本体は、
前記側壁の少なくとも一方において、前記側壁の内部側に側壁凹部及び/又は側壁凸部を備え、
前記支持部材は、
前記側壁凹部に係合可能な支持部材凸部及び/又は前記側壁凸部に係合可能な支持部材凹部を備える請求項1に記載のルーフレール装置。
【請求項3】
前記支持部材は、第一支持部材と第二支持部材を備え、
前記第一支持部材は、前記天井壁と前記ブラケットとの間に対して前記ブラケットの前記前後方向の前側から挿入可能であり、
前記第二支持部材は、前記天井壁と前記ブラケットとの間に対して前記ブラケットの前記前後方向の後側から挿入可能である請求項1又は2に記載のルーフレール装置。
【請求項4】
前記ルーフレール本体の内部へ挿入する状態において、
前記第一支持部材は、前記前後方向に対してなす角度が第一傾斜角度である第一面を備え、
前記第二支持部材は、前記前後方向に対してなす角度が第二傾斜角度である第二面を備え、
前記第一傾斜角度と前記第二傾斜角度とはいずれも鋭角であり、
前記ブラケットを前記ルーフレール本体に挿入した状態で、前記第一支持部材と前記第二支持部材を前記ルーフレール本体の内部における前記天井壁と前記ブラケットとの間へ挿入すると、前記第一面と前記第二面との少なくとも一部が互いに接触可能である請求項3に記載のルーフレール装置。
【請求項5】
前記側壁は係止孔を備え、
前記支持部材の少なくとも一方は、前記ルーフレール本体の内部に挿入すると前記係止孔に対応する位置に係止部を備え、
前記係止孔に挿入可能な係止部材を備える請求項1から4のいずれかに記載のルーフレール装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載するルーフレール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軽量化と材料の削減のために、ロール成形手段により所定の断面形態を有するように形成した金属製部材からなる自動車用ルーフレールが提案されている。例えば、特許文献1によれば、以下の記載がある。金属製ストリップ状部材を基礎に、ロール成形手段にて所定の断面形態からなるレールを形成する。このレールの表面部に、熱可塑性樹脂材からなるものであって、その内部にガラス繊維材のあらかじめ混入されたものを押出加工手段等により設け、プラスチック材からなる被覆部を形成する。これによって、当該被覆部の外表面部には、上記ガラス繊維材の先端部にて形成される微細突起によって、しぼ模様が形成されることとなる。このしぼ模様が被覆部に生ずる引っ掻き傷等を目に付きにくくし、外観形態の見栄えを永続的に保持するようになる。
【0003】
これによれば、自動車のルーフパネル上に取り付けられるものであってルーフキャリヤ等の取り付けに用いられるルーフレールに関して、ルーフレール本体を、ロール成形手段にて所定の断面形態を有するように形成された金属製部材からなるレールと、当該レールの表面部に設けられるものであって熱可塑性樹脂材にて形成される被覆部と、からなるようにするとともに、当該ルーフレール本体を基礎にして、その両端部にルーフパネル上への取付部を成す取付ブラケットを設けることとした構成からなるようにしたので、ルーフレール本体の軽量化を図ったうえで、ある程度の強度・剛性をも確保することができるようになった。また、当該ルーフレール本体の表面部には、耐引っ掻き強度等において優れた熱可塑性樹脂材からなる被覆部を形成させるようにしたので、耐久性及び耐候性等に優れた自動車用ルーフレールを安価に得ることができるようになったと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-226467号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1を例とする自動車用ルーフレールには以下の課題がある。ロール成形手段によって成形可能な金属材料は、一定の厚み以下のものを使用する必要がある。よって、レールは薄板状の金属材料によって成形されるので、強度及び剛性が低くなる。レールは、特に開断面形態にするとより強度及び剛性が低下してしまう。従来のルーフレールよりも強度及び剛性を高めることが課題である。
【0006】
本発明の目的は、従来の課題を解決するものであり、従来よりも強度と剛性を高めたルーフレール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係るルーフレール装置は、車両に取り付け可能であって、前記車両の前後に沿う方向を前後方向とし、前記車両の幅に沿う方向であって前記前後方向と直交する方向を幅方向とし、該車両の上下に沿う方向を上下方向とし、前記車両の前記前後方向に沿って延びるルーフレール本体と、前記ルーフレール本体を前記車両に固定するブラケットと、前記ブラケットを前記ルーフレール本体に支持する支持部材を備え、前記ルーフレール本体は、前記車両に取り付ける状態における前記幅方向の断面において、内部が中空であって前記上下方向の上側に天井壁と、前記上下方向の下側に底壁と、前記幅方向において対向し前記上下方向に沿う一対の側壁を備え、前記底壁は、開口を有し、前記ブラケットは、前記ルーフレール本体に挿入すると前記底壁に内部側から重なる庇部を備え、前記支持部材は、少なくとも一部が前記上下方向において前記天井壁と前記ブラケットとの間に配置される。
【0008】
これによれば、ルーフレール装置の支持部材は、ルーフレール本体の内部に対してブラケットの前後方向のいずれか一方から挿入可能である。さらに、少なくとも一部が上下方向において天井壁とブラケットとの間に進入可能である。よって、ルーフレール装置は、支持部材が天井壁とブラケットとの間に介在することでルーフレール本体の強度と剛性を高めることができる。
【0009】
また、前記ルーフレール装置は、前記ルーフレール本体が、前記側壁の少なくとも一方において、前記側壁の内部側に側壁凹部及び/又は側壁凸部を備え、前記支持部材は、前記側壁凹部に係合可能な支持部材凸部及び/又は前記側壁凸部に係合可能な支持部材凹部を備えてもよい。
【0010】
この場合、ルーフレール装置の支持部材は、側壁凹部に係合可能な支持部材凸部及び/又は側壁凸部に係合可能な支持部材凹部を備える。よって、ルーフレール装置は、支持部材がルーフレール本体の強度と剛性を高め、変形を低減することができる。
【0011】
また、前記ルーフレール装置は、前記支持部材が第一支持部材と第二支持部材を備え、前記第一支持部材は、前記天井壁と前記ブラケットとの間に対して前記ブラケットの前記前後方向の前側から挿入可能であり、前記第二支持部材は、前記天井壁と前記ブラケットとの間に対して前記ブラケットの前記前後方向の後側から挿入可能でもよい。
【0012】
この場合、ルーフレール装置の第一支持部材と第二支持部材は、ルーフレール本体の内部において天井壁とブラケットとの間に対して、ブラケットの前側と後側のそれぞれから挿入でき、ブラケットを前後方向から挟み込むことができる。よって、ルーフレール装置は、第一支持部材と第二支持部材を容易にルーフレール本体の内部への取付けることができ、ブラケットと協働でルーフレール本体の強度と剛性をより高めることができる。
【0013】
また、前記ルーフレール装置は、前記ルーフレール本体の内部へ挿入する状態において、前記第一支持部材は、前記前後方向に対してなす角度が第一傾斜角度である第一面を備え、前記第二支持部材は、前記前後方向に対してなす角度が第二傾斜角度である第二面を備え、前記第一傾斜角度と前記第二傾斜角度とはいずれも鋭角であり、前記ブラケットを前記ルーフレール本体に挿入した状態で、前記第一支持部材と前記第二支持部材を前記ルーフレール本体の内部における前記天井壁と前記ブラケットとの間へ挿入すると、前記第一面と前記第二面との少なくとも一部が互いに接触可能でもよい。
【0014】
この場合、ルーフレール装置の第一支持部材と第二支持部材とは、ルーフレール本体の内部における天井壁とブラケットとの間に挿入すると、傾斜する第一面と第二面とが互いに接触しながら相対的に前後方向に移動する。よって、ルーフレール装置は、ルーフレール本体の内部空間に対して、第一支持部材の第一面と第二支持部材の第二面とが互いに傾斜する方向に広がった状態で取り付けることができるので、ルーフレール本体の強度と剛性を高めることができる。
【0015】
また、前記ルーフレール装置は、前記側壁が係止孔を備え、前記支持部材の少なくとも一方は、前記ルーフレール本体の内部に挿入すると前記係止孔に対応する位置に係止部を備え、前記係止孔に挿入可能な係止部材を備えてもよい。
【0016】
この場合、ルーフレール装置は、ルーフレール本体の内部に支持部材を挿入した状態で係止孔に係止部材を挿入すると、係止部材は支持部材が前後方向へ移動することを規制する。よって、ルーフレール装置は、車両の運転中においても安定した状態を維持してルーフレール本体の強度と剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る第一実施形態のルーフレール装置1aを示した図であり、幅方向LRに切断したときの断面図である。
図2】本発明に係る第二実施形態のルーフレール装置1bから第四実施形態のルーフレール装置1dまでを示した図であり、幅方向LRに切断したときの断面図である。
図3】本発明に係る第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでを示した図であり、前後方向FBに切断したときの部分断面図である。
図4】本発明に係るルーフレール装置1において、ルーフレール本体12の開口12dに対して、下側からブラケット3を挿入する状態の変移を示した図である。
図5】本発明に係る第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでにおいて、ルーフレール本体12の開口12dに対して、下側から第一支持部材41を挿入する状態を示した図である。
図6】本発明に係る第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでにおいて、ルーフレール本体10の開口10dに対して、下側から第二支持部材42を挿入する状態を示した図である。
図7】本発明に係る第二実施形態のルーフレール装置1bを示した図であり、ルーフレール本体12を部分的に切り取り、ブラケット3と第一支持部材41b及び第二支持部材42bの取付方法を示した斜視図である。
図8】本発明に係る第二実施形態のルーフレール装置1bにおける第一支持部材41b及び第二支持部材42bを示した図であり、ルーフレール本体12に第一支持部材41b及び第二支持部材42bを挿入したときの状態と、さらに第一支持部材41bに対して第二支持部材42bを相対的に前後方向FBの前側Fにずらしたときに幅方向LRへ広がる状態を示した斜視図である。
図9】本発明に係る第二実施形態のルーフレール装置1bにおける第一支持部材41b及び第二支持部材42bを示した図であり、樹脂材料等によって成形する場合の形状の一例を示す斜視図である。
図10】本発明に係る第三実施形態のルーフレール装置1cにおける第一支持部材41c及び第二支持部材42cを示した図であり、第一支持部材41cと第二支持部材42cを分離した状態を示す斜視図である。
図11】本発明に係る第三実施形態のルーフレール装置1cにおける第一支持部材41c及び第二支持部材42cを示した図であり、ルーフレール本体12に第一支持部材41c及び第二支持部材42cを挿入したときの状態と、さらに第一支持部材41cに対して第二支持部材42cを相対的に前後方向FBの前側Fにずらしたときに幅方向LRと上下方向UDとへ広がる状態を示した斜視図である。
図12】本発明に係る第四実施形態のルーフレール装置1dにおける第一支持部材41d及び第二支持部材42dを示した図であり、第一支持部材41dと第二支持部材42dとを分離した状態を示す斜視図である。
図13】本発明に係る第四実施形態のルーフレール装置1dにおける第一支持部材41d及び第二支持部材42dを示した図であり、ルーフレール本体12に第一支持部材41d及び第二支持部材42dを挿入したときの状態と、さらに第一支持部材41dに対して第二支持部材42dを相対的に前後方向FBの前側Fにずらしたときに上下方向UDへ広がる状態を示した斜視図である。
図14】本発明に係る第五実施形態のルーフレール装置1eを示した図であり、幅方向LRに切断したときの断面図である。
図15】本発明に係る第五実施形態のルーフレール装置1eを示した図であり、前後方向FBに切断したときの部分断面図である。
図16】本発明に係る第五実施形態のルーフレール装置1eにおいて、ルーフレール本体12の開口12dに対して、下側から第一支持部材41e、第二支持部材42eを挿入する状態を示した図である。
図17】本発明に係る第五実施形態のルーフレール装置1eを示した図であり、ルーフレール本体12を部分的に切り取り、ブラケット3と第一支持部材41e及び第二支持部材42eの取付方法を示した斜視図である。
図18】本発明に係るルーフレール装置1を車両20に取り付ける状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明を具現化したルーフレール装置1を説明する。なお、発明を実施するための形態、及び参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。本発明はこれらに限定されるものではない。図面に記載されている構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下に、構成要素とその効果をそれぞれ順に説明する。
【0019】
<<各実施形態に共通する構成>>
<各実施形態に共通する構成の概要>
本発明の態様に係るルーフレール装置1の各実施形態に共通の構成を説明する。図18等に示すように、ルーフレール装置1は、車両20に取り付け可能である。ルーフレール装置1は、車両側固定部21にブラケット3を取り付けることにより車両20に固定可能である。車両20の前後に沿う方向を前後方向FBとし、前側をF、後側をBとする。車両20の幅に沿う方向であって前後方向FBと直交する方向を幅方向LRとし、左側をL、右側をRとする。車両20の上下に沿う方向を上下方向UDとし、上側をU、下側をDとする。
【0020】
図1及び図2に示すように、ルーフレール装置1は、車両20の前後方向FBに沿って延びるルーフレール本体10と、ルーフレール本体10を車両20に固定するブラケット3と、ブラケット3をルーフレール本体10に支持する支持部材4を備える。なお、後述するルーフレール本体11とルーフレール本体12を合わせてルーフレール本体10と記載する。
【0021】
図1及び図2に示すように、ルーフレール本体10は、車両20に取り付ける状態における幅方向LRの断面において、内部が中空であって上下方向UDの上側に天井壁10aと、上下方向UDの下側に底壁10bと、幅方向LRにおいて対向し上下方向UDに沿う一対の側壁10cを備える。側壁10cのうち、向かって左側は側壁10cL、右側は側壁10cRである。底壁10bは、開口10dを有する。ブラケット3は、ルーフレール本体10に挿入すると底壁10bに内部側から重なる庇部3aを備える。支持部材4は、少なくとも一部が上下方向UDにおいて天井壁10aとブラケット3との間に配置される。
【0022】
ここで、天井壁10aは、天井壁11aと天井壁12aを含む。側壁10cは、側壁11cと側壁12cを含む。側壁10cLは、側壁11cLと側壁12cLを含む。側壁10cRは、側壁11cRと側壁12cRを含む。底壁10bは、底壁11bと底壁12bを含む。開口10dは開口11dと開口12dを含む。
【0023】
ルーフレール本体10は、種々の材質及び製法で形成することができる。例えば、樹脂材料による成形品でもよいし、アルミニウムによる押出成形品でもよい。しかしながら、樹脂材料による成形品の場合は、取付対象である車両20のルーフパネルは金属製のため線膨張係数に差があり、設計上の考慮が必要である。また、アルミニウムの押出成形品の場合は、重量が大きくなること等の課題がある。これに対して、本発明のルーフレール本体10は、アルミニウムの板材をロールフォーミング成形によって形成することが望ましい。アルミニウムの板材を使用するため、線膨張係数が小さく、重量は樹脂成形品相当である。
【0024】
図1及び図7を参照して、ブラケット3の構成を説明する。図7に示すように、ブラケット3はU字状の本体に二箇所の庇部3aを備える。図1に示すようにルーフレール本体10に挿入すると底壁10bに載置する形状である。ルーフレール本体10を車両20に取り付けるときは、固定部13のうち固定ワッシャ付きの固定ボルト13aを車両20の車両側固定部21に固定する。車両20とルーフレール本体10とは、固定ボルト13aの上部をブラケット3に通し、ゴムワッシャー13cを介して固定ナット13bによって固定する。
【0025】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1の支持部材4は、ルーフレール本体10の内部に対してブラケット3の前後方向FBのいずれか一方から挿入可能である。さらに、少なくとも一部が上下方向UDにおいて天井壁10aとブラケット3との間に進入可能である。よって、ルーフレール装置1は、支持部材4が天井壁10aとブラケット3との間に介在することで、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0026】
また、ルーフレール装置1は、車両側固定部21においてブラケット3によって車両20へ取り付けられる。ルーフレール本体10は、特にブラケット3及びその周辺において強度と剛性が高められる。よって、ルーフレール装置1は、特に車両20へ取り付ける部分及びその周辺においてルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0027】
<開口10dと、ブラケット3との関係>
次に、開口10dと、ブラケット3との関係を説明する。図4に示すように、ブラケット3は、幅方向LRに対して直角方向又は所定角度傾けた状態にすると、庇部3aにおける幅方向LRの寸法M2が開口10dの幅方向LRの寸法M1以下であり、ルーフレール本体12の開口10dから挿入可能である。図4に示す例の場合、ブラケット3は、幅方向LRに対して直角方向にすると幅方向LRの寸法M2が寸法M1よりも大きくなるので、開口10dに対して所定角度傾けながら挿入する。開口10dの幅方向LRの寸法は、ルーフレール本体10の前後方向FBに渡って同一の寸法でもよいし、部分的に広く形成して、ブラケット3を直角方向又は所定角度傾けて挿入可能にしてもよい。なお、図4は各実施形態に共通の構成を示すが、ルーフレール本体10は第二実施形態のルーフレール本体12を例として記載している。
【0028】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1は、ブラケット3をルーフレール本体10の開口10dから挿入することができので、組立が容易である。仮に、開口10dから挿入できない場合は、ルーフレール本体10の端部から所定の位置まで、ルーフレール本体10の中をずらしながらブラケット3を移動させる必要がある。また、ルーフレール本体10は、ブラケット3を貫通させるために、形状の制約が加わる。これに対し、ルーフレール装置1は、組立上の制約を低減した状態で、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0029】
<開口10dと支持部材4との関係>
次に、開口10dと支持部材4との関係を説明する。図5図6、及び図16に示すように、支持部材4は、幅方向LRに対して直角方向又は所定角度傾けた状態にすると、幅方向LRの寸法M3が開口10dの幅方向LRの寸法M1以下であり、ルーフレール本体10の開口10dから挿入可能である。具体的には、図5図6に示す例は、ルーフレール装置1aからルーフレール装置1dまでに共通であり、第一支持部材41の幅方向LRの寸法M3である寸法M31、及び第二支持部材42の幅方向LRの寸法M3である寸法M32が、開口12dの幅方向LRの寸法M1よりも小さい。図16は、ルーフレール装置1eを示すが、第一支持部材41eの幅方向LRの寸法M3である寸法M33、及び第二支持部材42eの幅方向LRの寸法M3である寸法M34が、開口12dの幅方向LRの寸法M1よりも小さい。
【0030】
いずれの例においても、支持部材4は幅方向LRに対して傾けることなく開口10dから挿入可能である。仮に、寸法M31からM34までが、寸法M1より大きい場合であっても、第一支持部材41及び第二支持部材42を傾けて挿入可能な範囲であればよい。
【0031】
開口10dの幅方向LRの寸法は、ルーフレール本体10の前後方向FBに渡って同一の寸法でもよいし、部分的に広く形成して、支持部材4を挿入可能にしてもよい。また、開口10dの幅方向LRの寸法M1は、ブラケット3を挿入する部分と、支持部材4を挿入する部分とで異なる寸法に形成してもよい。
【0032】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1は、支持部材4をルーフレール本体10の開口10dから挿入することができるので、組立が容易である。仮に、開口10dから挿入できない場合は、ルーフレール本体10の端部から所定の位置まで、ルーフレール本体10の中をずらしながら支持部材4を移動させる必要がある。また、ルーフレール本体10は、支持部材4を貫通させるために形状の制約が加わる。これに対し、ルーフレール装置1は、組立上の制約を低減し、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0033】
<支持部材4の構成と取付>
次に、支持部材4の構成と、ルーフレール本体10への取付について説明する。図7及び図17に示すように、支持部材4は、第一支持部材41と第二支持部材42を備える。第一支持部材41は、天井壁10aとブラケット3との間に対してブラケット3の前後方向FBの前側Fから挿入可能である。第二支持部材42aは、天井壁10aとブラケット3との間に対してブラケット3の前後方向FBの後側Bから挿入可能である。ここで、第一支持部材41は、後述する第一支持部材41a、41b、41c、41d、41eを含み、第二支持部材42は、後述する第二支持部材42a、42b、42c、42d、42eを含む。
【0034】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。第一支持部材41と第二支持部材42は、ルーフレール本体10の内部への取付けが容易である。さらに、第一支持部材41と第二支持部材42は、ルーフレール本体10の内部のブラケット3を前後方向FBから挟み込むことができる。よって、ルーフレール装置1は、第一支持部材41と第二支持部材42が、ブラケット3と協働でルーフレール本体10の強度と剛性をより高めることができる。
【0035】
<支持部材4とブラケット3との関係>
次に、支持部材4とブラケット3との関係を説明する。図3に示すように、第一支持部材41は、ブラケット3の所定部に接触可能な第一接触片34を備え、第二支持部材42は、ブラケット3の所定部に接触可能な第二接触片35を備える。第一支持部材41と第二支持部材42は、ブラケット3をルーフレール本体10に挿入した状態で、ルーフレール本体10の内部における天井壁10aとブラケット3との間に挿入すると、第一接触片34と第二接触片35とがそれぞれブラケット3と接触する。
【0036】
さらに、ルーフレール本体10の底壁10bは、ルーフレール本体10の内部に突出する第一切り起こし片16と第二切り起こし片17を形成する。第一支持部材41は、ルーフレール本体10に挿入するとき、前後方向FBにおいて前側Fから第一接触片34が第一切り起こし片16を乗り越えるまで移動させる。第二支持部材42は、ルーフレール本体10に挿入するとき、前後方向FBにおいて後側Bから第二接触片35が第二切り起こし片17を乗り越えるまで移動させる。
【0037】
図3に示す例は、後述する第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通の構成である。前後方向FBにおいて、第一接触片34等は、第一切り起こし片16とブラケット3の前側Fの端部とに挟まれる。第二接触片35a等は、第二切り起こし片17とブラケット3の前後方向FBの後側Bの端部とに挟まれる。図15は、ルーフレール装置1eの例を示すが、第一支持部材41eが第一接触片34eを備え、ブラケット3の前側Fの端部に接触する。第二支持部材42eが第二接触片35eを備え、ブラケット3の後側Bの端部に接触する。なお、第一支持部材41は、第一支持部材41aから第一支持部材41eまでを含み、第二支持部材42は、第二支持部材42aから第二支持部材42eまでを含むが、図3では代表として、第一支持部材41と第二支持部材42の符号のみ付している。
【0038】
また、上記の第一接触片34は、第一接触片34a、34b、34c、34d、34eを含み、第二接触片35は、第二接触片35a、35b、35c、35d、35eを含むが、図3では代表として第一接触片34と第二接触片35の符号のみ付している。図7に、第一接触片34bと第二接触片35bの形状を示す。図10に、第一接触片34cと第二接触片35cの形状を示す。図12に、第一接触片34dと第二接触片35dの形状を示す。図17に、第一接触片34eと第二接触片35eの形状を示す。なお、図示しないが、第一接触片34aは第一接触片34bと同様であり、第二接触片35aは第二接触片35bと同様である。
【0039】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1の第一支持部材41と第二支持部材42は、ブラケット3をルーフレール本体10に挿入した状態でルーフレール本体10の内部に挿入すると、第一接触片34は第一切り起こし片16とブラケット3とに挟まれる。第二接触片35は、第二切り起こし片17とブラケット3とに挟まれる。これにより、支持部材4は、前後方向FBにおいて移動が規制され、ブラケット3がルーフレール本体10に対して前後方向FBに移動することを規制する。よって、ルーフレール装置1は、ブラケット3を安定した状態に維持し、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0040】
<支持部材4をルーフレール本体10に係止する構成>
次に、ルーフレール本体10の内部に挿入した支持部材4が前後方向FBに移動することを規制する構成を説明する。図1図2、及び図14に示すように、側壁10cは係止孔7を備える。支持部材4の少なくとも一方は、ルーフレール本体10の内部に挿入すると係止孔7に対応する位置に係止部8を備える。さらに、係止孔7に挿入可能な係止部材9を備える。図7及び図17に示すように、例として係止孔7は前後方向FBに沿って二箇所に形成する。なお、係止孔7の数は二箇所に限定するものではなく、一箇所でもよいし三箇所以上でもよい。
【0041】
図1等に示す例では、係止部8は第一支持部材41を貫通し、第二支持部材42の一部に形成する。係止部8は、少なくとも第一支持部材41の一部に形成し、第二支持部材42には必ずしも形成しなくてもよい。図7及び図17に示すように、ルーフレール本体10にブラケット3を挿入後、第一支持部材41と第二支持部材42を挿入し、第二支持部材42の係止部8と側壁10cの係止孔7の位置が一致したら係止部材9を挿入する。
【0042】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1は、ルーフレール本体10の内部に支持部材4を挿入した状態で係止孔7に係止部材9を挿入すると、係止部材9は支持部材4が前後方向FBへ移動することを規制する。よって、ルーフレール装置1は、車両20の運転中においても支持部材4を安定した状態に維持し、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。
【0043】
<<第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通の構成>>
次に、第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通の構成を説明する。なお、ここではルーフレール装置1aからルーフレール装置1dまでをルーフレール装置1とする。第一支持部材41は、第一支持部材41a、41b、41c、41dを含める。第二支持部材42は、第二支持部材42a、42b、42c、42dを含める。
【0044】
<ルーフレール本体10と支持部材4との関係>
ルーフレール本体10と支持部材4との関係を説明する。図1及び図2に示すように、ルーフレール本体10は、側壁10cのうちの側壁10cL又は側壁10cRの少なくとも一方において、側壁10cの内部側に側壁凹部5及び/又は側壁凸部6を備える。支持部材4は、側壁凹部5に係合可能な支持部材凸部24及び/又は側壁凸部6に係合可能な支持部材凹部25を備える。ここで、側壁凹部5は、側壁第一凹部5aと側壁第二凹部5bを含む。支持部材凸部24は、支持部材第一凸部24aと支持部材第二凸部24bを含む。
【0045】
以上説明したルーフレール装置1の構成によれば、以下の効果を奏する。支持部材4が支持部材凸部24を有し、ルーフレール本体10が側壁凹部5を有する場合、ルーフレール本体10の内部へ支持部材4を挿入すると、支持部材凸部24が側壁凹部5に進入する。また、ルーフレール本体10が側壁凸部6を有し、支持部材4が支持部材凹部25を有する場合、側壁凸部6が支持部材凹部25に進入する。よって、第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでは、支持部材4がルーフレール本体10の強度と剛性を高め、変形を低減することができる。
【0046】
<第一支持部材41と第二支持部材42との関係>
次に、図7及び図8を代表例として、ルーフレール装置1aからルーフレール装置1dまでの支持部材4である第一支持部材41と第二支持部材42との関係を説明する。第一支持部材41は、ルーフレール本体10の内部へ挿入する状態において、前後方向FBに対してなす角度が第一傾斜角度θ1である第一面14を備える。第二支持部材42は、前後方向FBに対してなす角度が第二傾斜角度θ2である第二面15を備える。第一傾斜角度θ1と第二傾斜角度θ2とはいずれも鋭角である。
【0047】
ブラケット3をルーフレール本体10に挿入した状態で、第一支持部材41と第二支持部材42をルーフレール本体10の内部における天井壁10aとブラケット3との間へ挿入すると、第一面14と第二面15との少なくとも一部が互いに接触可能である。ここで、第一面14は、後述する第一面14a、14b、14c、14dを含み、第二面15は後述する第二面15a、15b、15c、15dを含む。第一傾斜角度θ1は、後述する第一幅方向角度θ11と第一上下方向角度θ12を含み、第二傾斜角度θ2は、後述する第二幅方向角度θ21と第二上下方向角度θ22を含む。
【0048】
第一傾斜角度θ1と第二傾斜角度θ2は、後述するように種々の方向に設定することができる。第一傾斜角度θ1と第二傾斜角度θ2とは、製造上の誤差を許容する範囲で等しいことが望ましい。
【0049】
以上説明したルーフレール装置1aからルーフレール装置1dまでの構成によれば、以下の効果を奏する。第一支持部材41と第二支持部材42とは、ルーフレール本体10の内部における天井壁10aとブラケット3との間に挿入すると、傾斜する第一面14と第二面15とが互いに接触しながら相対的に前後方向FBに移動する。ルーフレール装置1aからルーフレール装置1dまでは、ルーフレール本体10の内部空間に対して、第一面14と第二面15とが互いに傾斜する方向に広がった状態で第一支持部材41と第二支持部材42とを取り付けることができる。
【0050】
第一支持部材41と第二支持部材42が広がると、広がった方向においてルーフレール本体10の内部及び/又はブラケット3の上端部3bに接触、又は押圧した状態となる。第一面14と第二面15との間は面接触し、第一支持部材41と第二支持部材42はルーフレール本体10の両側の側壁10cの内部及び/又はブラケット3の上端部3bに接触、又は押圧した状態を維持する。
【0051】
よって、第一実施形態のルーフレール装置1aから第四実施形態のルーフレール装置1dまでは、ルーフレール本体10が外力を受けたときでも支持部材4が変形を防ぐことができ、ルーフレール本体10の強度と剛性を高めることができる。なお、第一支持部材41は、第一接触片34が第一切り起こし片16に係止され、第二支持部材42は、第二接触片35が第二切り起こし片17に係止される。よって、第一支持部材41及び第二支持部材42は、ルーフレール本体10の内部及び/又はブラケット3の上端部3bに接触、又は押圧した状態を維持する。
【0052】
<<第一実施形態のルーフレール装置1aの構成>>
次に、本発明の第一実施形態のルーフレール装置1aの構成を説明する。なお、すでに説明した各実施形態に共通の構成は説明を省略する。以下、他の実施形態も同様である。図1に示すように、ルーフレール本体11は、側壁11cの内部側に側壁凹部5を備える。第一支持部材41aは、側壁凹部5に係合可能な支持部材凸部24を備える。
【0053】
第一支持部材41aと第二支持部材42aをルーフレール本体11の天井壁11aとブラケット3の上端部3bとの間に挿入すると、第一支持部材41aの支持部材凸部24が側壁凹部5に侵入する。第二支持部材42aは、第一面14aと第二面15aとが合わさった状態において、第一支持部材41aとルーフレール本体12の側壁11cR及び天井壁11aとブラケット3の上端部3bとに囲われた領域に沿う形状である。以上説明した構成によれば、第一支持部材41aと第二支持部材42aがルーフレール本体10の強度と剛性を高め、変形を低減することができる。
【0054】
<<第二実施形態のルーフレール装置1bから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通の構成>>
次に、本発明の第二実施形態のルーフレール装置1bから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通の構成を説明する。図2に示すように、ルーフレール装置1は、ルーフレール本体12が側壁12cにおいて、幅方向LRの外側へ凹む側壁凹部5と内側へ突出する側壁凸部6を備える。側壁凹部5は、上下方向UDにおいて側壁凸部6を挟んで側壁第一凹部5aと側壁第二凹部5bを備える。図2において、第一支持部材41は第一支持部材41bから第一支持部材41dまでを含むが、代表として4、41、41bの符号のみ付している。また、第二支持部材42は第二支持部材42bから第二支持部材42dまでを含むが、代表として4、42、42bの符号のみ付している。
【0055】
支持部材4のうちの第一支持部材41は、幅方向LRに凹む支持部材凹部25と、上下方向UDにおいて支持部材凹部25を挟み、幅方向LRに突出する支持部材第一凸部24a及び支持部材第二凸部24bとを備える。第二支持部材42は、第一面14と第二面15とが合わさった状態において、第一支持部材41とルーフレール本体12の側壁12cR及び天井壁12aとブラケット3の上端部3bとに囲われた領域に沿う形状である。
【0056】
第一支持部材41をルーフレール本体12の内部における天井壁12aとブラケット3との間に挿入すると、支持部材第一凸部24aが側壁第一凹部5aに進入し、支持部材第二凸部24bが側壁第二凹部5bに進入し、側壁凸部6が支持部材凹部25に進入する。ここでは、ルーフレール装置1は、ルーフレール装置1bからルーフレール装置1dまでを含み、第一支持部材41は、第一支持部材41b、41c、41dを含み、第二支持部材42は、第二支持部材42b、42c、42dを含む。なお、図2及び図3は、第二実施形態のルーフレール装置1bの符号を代表例として付しているが、第二実施形態のルーフレール装置1bから第四実施形態のルーフレール装置1dまでに共通である。
【0057】
以上説明したルーフレール装置1bからルーフレール装置1dまでに共通の構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1の支持部材4である第一支持部材41は、ルーフレール本体12の内部に挿入すると、支持部材第一凸部24aが側壁第一凹部5aに進入し、支持部材第二凸部24bが側壁第二凹部5bに進入し、側壁凸部6が支持部材凹部25に進入する。また、第二支持部材42は、第一面14と第二面15とが合わさった状態において、第一支持部材41とルーフレール本体12の側壁12c及び天井壁12aとブラケット3の上端部3bとに囲われた領域に沿う形状である。よって、第二実施形態のルーフレール装置1bから第四実施形態のルーフレール装置1dまでは、支持部材4である第一支持部材41と第二支持部材42がルーフレール本体12の強度と剛性をより高めることができる。
【0058】
<<第二実施形態のルーフレール装置1bの構成>>
次に、第二実施形態のルーフレール装置1bの構成を説明する。すでに説明した各実施形態に共通の構成と異なるのは、第一支持部材41bと第二支持部材42bである。図7及び図8を参照して、第一傾斜角度θ1のうちの第一幅方向角度θ11と、第二傾斜角度θ2のうちの第二幅方向角度θ21について説明する。第一面14bは、第一傾斜角度θ1が幅方向LRに傾斜する角度である第一幅方向角度θ11によって形成する側面である。第二面15bは、第二傾斜角度θ2が幅方向LRに傾斜する角度である第二幅方向角度θ21によって形成する側面である。
【0059】
図7及び図8の上図に示すように、第一支持部材41bと第二支持部材42bを前後方向FBに沿ってルーフレール本体12の内部へ挿入すると、第一面14bと第二面15bとが接触する。第一支持部材41bと第二支持部材42bとをさらに相対的に前後方向FBに移動させると、図8の下図のように相対的に幅方向LRにズレ量Wずれようとする。このとき、第一支持部材41bと第二支持部材42bは、第一面14bと第二面15bとが接触しながら相対的に幅方向LRにずれようとすると、ルーフレール本体12の左側の側壁12cLと右側の側壁12cRを押しつける方向に力が働く。
【0060】
静止状態において、第一接触片34bが第一切り起こし片16に係止され、第二接触片35bが第二切り起こし片17に係止されるので、この状態が維持される。また、第一接触片34bは第一切り起こし片16とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれ、第二接触片35bは第二切り起こし片17とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれる。よって、第一支持部材41bと第二支持部材42b、及びブラケット3は互いの相対的な動きが規制される。
【0061】
第一支持部材41bと第二支持部材42bは、種々の材料である樹脂、金属、木材、その他の材料で形成可能である。例えば、成形材料によって成形する場合、図9に示す例のように第一面14bと第二面15bは面として形成し、他の部分はリブ構造にすることで、成形時のヒケ等を防止して成形性を向上させることができる。
【0062】
以上説明したルーフレール装置1bの構成によれば、以下の効果を奏する。ルーフレール装置1bの第一支持部材41bと第二支持部材42bとは、ルーフレール本体12の内部空間に対して幅方向LRにより広がった状態で取り付けることができる。図2において、第一支持部材41bは、ルーフレール本体12の側壁12cLに沿うか或いは押しつける力が働き、第二支持部材42bは、ルーフレール本体12の側壁12cRに沿うか或いは押しつける力が働く。よって、ルーフレール装置1bは、ルーフレール本体12の強度と剛性を高めることができる。
【0063】
<<第三実施形態のルーフレール装置1cの構成>>
次に、本発明の第三実施形態のルーフレール装置1cの構成を説明する。ルーフレール装置1cは、ルーフレール装置1bに対して、第一支持部材41cと第二支持部材42cの構成のみが異なる。図10及び図11に示すように、第一面14cは、幅方向LRに傾斜する角度である第一幅方向角度θ11に加えて、さらに上下方向UDに対してなす角度である第三傾斜角度θ3によって形成する側面である。第二面15cは、幅方向LRに傾斜する角度である第二幅方向角度θ21に加えて、さらに上下方向UDに対してなす角度である第四傾斜角度θ4によって形成する側面である。第三傾斜角度θ3と第四傾斜角度θ4とはいずれも幅方向LRに傾斜する角度であって鋭角である。第三傾斜角度θ3と第四傾斜角度θ4とは、製造上の誤差を許容する範囲で等しいことが望ましい。
【0064】
図10及び図11の上図に示すように、第一支持部材41cと第二支持部材42cを前後方向FBに沿ってルーフレール本体12の内部へ挿入すると、第一面14cと第二面15cとが接触する。第一支持部材41cと第二支持部材42cとは、さらに相対的に前後方向FBに移動させると、図11の下図のように相対的に幅方向LRにズレ量Wずれようとし、さらに上下方向UDにズレ量Hずれようとする。図2において、第一支持部材41cと第二支持部材42cは、第一面14cと第二面15cとが接触しながら相対的に幅方向LRと上下方向UDにずれようとすると、ルーフレール本体12の左側の側壁12cLと右側の側壁12cR、及び天井壁12aとブラケット3の上端部3bを押しつける方向に力が働く。
【0065】
静止状態において、第一接触片34cが第一切り起こし片16に係止され、第二接触片35cが第二切り起こし片17に係止されるので、この状態が維持される。また、第一接触片34cは第一切り起こし片16とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれ、第二接触片35cは第二切り起こし片17とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれる。よって、第一支持部材41cと第二支持部材42c、及びブラケット3は互いの相対的な動きが規制される。
【0066】
以上説明したルーフレール装置1cの構成によれば、以下の効果を奏する。図11に示すように、ルーフレール装置1cの第一支持部材41cと第二支持部材42cとは、ルーフレール本体12の内部空間に対して幅方向LRに加えて上下方向UDへも広がった状態で取り付けることができる。第一支持部材41cは、ルーフレール本体12の側壁12cL及び天井壁12aに対して、沿うか或いは押しつける力が働く。第二支持部材42cは、ルーフレール本体12の側壁12cR及びブラケット3の上端部3bに対して、沿うか或いは押しつける力が働く。よって、ルーフレール装置1cは、ルーフレール本体12の強度と剛性を高めることができる。
【0067】
<<第四実施形態のルーフレール装置1dの構成>>
次に、本発明の第四実施形態のルーフレール装置1dの構成を説明する。ルーフレール装置1dは、ルーフレール装置1b及びルーフレール装置1cに対して、第一支持部材41dと第二支持部材42dの構成のみが異なる。図12及び図13に示すように、第一支持部材41dの第一面14dは、第一傾斜角度θ1が上下方向UDに傾斜する角度である第一上下方向角度θ12によって形成する面である。第二面15dは、第二傾斜角度θ2が上下方向UDに傾斜する角度である第二上下方向角度θ22によって形成する面である。
【0068】
図12及び図13の上図に示すように、第一支持部材41dと第二支持部材42dを前後方向FBに沿ってルーフレール本体12の内部へ挿入すると、第一面14dと第二面15dとが接触する。第一支持部材41dと第二支持部材42dとをさらに相対的に前後方向FBに移動させると、図13の下図のように相対的に上下方向UDにズレ量Hずれようとする。図2において、第一支持部材41dと第二支持部材42dは、第一面14dと第二面15dとが相対的に上下方向UDにずれようとすると、ルーフレール本体12の天井壁12aとブラケット3の上端部3bを押しつける方向に力が働く。
【0069】
静止状態において、第一接触片34dが第一切り起こし片16に係止され、第二接触片35dが第二切り起こし片17に係止されるので、この状態が維持される。また、第一接触片34dは第一切り起こし片16とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれ、第二接触片35dは第二切り起こし片17とブラケット3の庇部3aとの間に挟まれる。よって、第一支持部材41dと第二支持部材42d、及びブラケット3は互いの相対的な動きが規制される。
【0070】
以上説明したルーフレール装置1dの構成によれば、以下の効果を奏する。図13に示すように、第一支持部材41dと第二支持部材42dとは、ルーフレール本体12の内部空間に対して上下方向UDへ広がった状態で取り付けることができる。図2において、第一支持部材41dは、ルーフレール本体12の天井壁12aに対して、沿うか或いは押しつける力が働く。第二支持部材42dは、ルーフレール本体12の内部に収納したブラケット3の上端部3bに沿うか或いは押しつける力が働く。よって、ルーフレール装置1dは、ルーフレール本体12の強度と剛性を高めることができる。
【0071】
<<第五実施形態のルーフレール装置1eの構成>>
次に、本発明の第五実施形態のルーフレール装置1eの構成を、図14から図17までを参照して説明する。ルーフレール装置1eは、ルーフレール装置1bからルーフレール装置1dまでに対して、第一支持部材41eと第二支持部材42eの構成のみが異なる。図14に示すように、第一支持部材41eと第二支持部材42eは、幅方向LRに対してそれぞれ一つずつの構成である。図14に示すように、第一支持部材41eと第二支持部材42eとが幅方向LRにおいて交差せず、図15に示すように、前後方向FBにおいても互いに離間した状態で天井壁12aとブラケット3の上端部3bと接触する。
【0072】
図17に示すように、第一支持部材41eと第二支持部材42eは、他の実施形態と同様に、それぞれルーフレール本体12の内部に挿入されたブラケット3に対して、それぞれ前後方向FBから挿入する。係止部8は、第一支持部材41eと第二支持部材42eのそれぞれに形成し、側壁12cから係止部材9を挿入することで、前後方向FBへの移動を防止する。
【0073】
以上説明した第五実施形態のルーフレール装置1dの構成によれば、以下の効果を奏する。第一支持部材41eと第二支持部材42eとは、互いに接触することなく単独でルーフレール本体12の内部へ挿入する。よって、互いの組合せ寸法を管理する必要が無い。第一支持部材41eと第二支持部材42eは、それぞれにおいてルーフレール本体12の内部空間のうち、天井壁12aとブラケット3の上端部3bとの間の距離に対応して上下方向UDの寸法を設定することができる。これにより、ルーフレール装置1eは、ルーフレール本体12の強度と剛性を高めることができる。
【符号の説明】
【0074】
1、1a、1b、1c、1d、1e ルーフレール装置
3 ブラケット
3a 庇部
4 支持部材
5 側壁凹部
6 側壁凸部
7 係止孔
8 係止部
9 係止部材
10、11、12 ルーフレール本体
10a、11a、12a 天井壁
10b、11b、12b 底壁
10c、10cL、10cR、11c、11cL、11cR、12c、12cL、12cR 側壁
10d、11d、12d 開口
14、14b、14c、14d 第一面
15、15b、15c、15d 第二面
20 車両
24 支持部材凸部
25 支持部材凹部
41、41a、41b、41c、41d、41e 第一支持部材
42、42a、42b、42c、42d、42e 第二支持部材
B 後側
F 前側
FB 前後方向
LR 幅方向
UD 上下方向
θ1 第一傾斜角度
θ2 第二傾斜角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18