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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023012064
(43)【公開日】2023-01-25
(54)【発明の名称】ベンチ及びベンチの組立方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 11/00 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A47C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115482
(22)【出願日】2021-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】青▲柳▼ 有輝
(72)【発明者】
【氏名】川又 周太
【テーマコード(参考)】
3B095
【Fターム(参考)】
3B095AB10
3B095AC04
3B095AC07
(57)【要約】
【課題】各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能なベンチ及びベンチの組立方法を提供する。
【解決手段】複数の棒状体31が離間して平行に並び揃えられた座部3と、下部側が設置面に固定される接地部21とされ、該接地部21の上方に座部3が固定される座部固定面22を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚2,2と、を備え、座部3は、複数の棒状体31が、一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、複数の棒状体31が座部連結部材5によってユニット化されており、座部連結部材5が一対の支持脚2,2の座部固定面22に固定されることにより、座部3がユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた座部と、
下部側が設置面に固定される接地部とされ、該接地部の上方に前記座部が固定される座部固定面を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚と、を備え、
前記座部は、前記複数の棒状体が、前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、前記複数の棒状体が座部連結部材によってユニット化されており、
前記座部連結部材が前記一対の支持脚の前記座部固定面に固定されることにより、前記座部がユニット化された状態で前記一対の支持脚に固定されることを特徴とするベンチ。
【請求項2】
前記座部連結部材には、前記複数の棒状体が離間することで確保されたスリットに対応する位置でボルト孔が設けられており、
前記一対の支持脚の前記座部固定面には、前記座部連結部材に設けられたボルト孔に対応する位置で座部固定孔が設けられており、
前記座部連結部材に設けられる前記ボルト孔と、前記一対の支持脚に設けられる前記座部固定孔との間にボルトを挿通して該ボルトとナットとを螺合することにより、前記座部連結部材が前記一対の支持脚に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のベンチ。
【請求項3】
さらに、ユニット化された前記座部を複数で備え、前記複数の座部が平行に並び揃えられた状態で、前記一対の支持脚の前記座部固定面に固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベンチ。
【請求項4】
さらに、前記一対の支持脚の間に、該一対の支持脚と平行に配置されるとともに、ユニット化された前記座部の底面側に取り付けられた帯板を備えることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載のベンチ。
【請求項5】
さらに、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた状態で背部連結部材によってユニット化された背部を備え、
前記一対の支持脚は、さらに、前記座部固定面から上方に突出するように設けられ、前記背部が固定される背部固定面を有した突設部を備える断面L字状とされており、
前記背部連結部材が前記一対の支持脚の前記背部固定面に固定されることにより、前記背部が、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられてユニット化された状態で、前記一対の支持脚に固定されることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載のベンチ。
【請求項6】
前記複数の棒状体が中空部材からなることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載のベンチ。
【請求項7】
複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた座部と、下部側が設置面に固定される接地部とされ、該接地部の上方に前記座部が固定される座部固定面を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚と、を備え、前記座部は、前記複数の棒状体が、前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、前記複数の棒状体が座部連結部材によってユニット化されてなるベンチを組み立てる方法であって、
少なくとも、
前記一対の支持脚を平行で配置しながら、前記接地部を前記設置面に固定する接地工程と、
ユニット化された前記座部を、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚と直交するように、前記一対の支持脚の前記座部固定面に設置する座部設置工程と、
前記座部連結部材を前記座部固定面に固定することにより、ユニット化された前記座部を前記一対の支持脚に固定する座部固定工程と、
を備えることを特徴とするベンチの組立方法。
【請求項8】
さらに、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた状態で背部連結部材によってユニット化された背部を、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚と直交するように、前記一対の支持脚に設けられた背部固定面に設置する背部設置工程と、
前記背部連結部材を前記背部固定面に固定することにより、前記ユニット化された背部を前記一対の支持脚に固定する背部固定工程と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のベンチの組立方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンチ及びベンチの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、鉄道駅や空港等の待合室、百貨店や量販店等のパブリックスペース、公園やテーマパーク等の娯楽施設等においては、通行人や来場者が休憩や食事等に利用するベンチが設置されている。
このようなベンチとしては、例えば、複数で設けられた支持脚の上に棒状体等を複数で並べて配置することで、概略平面状の座面が形成された座部を設けた構成のものが従来から使用されている。
【0003】
ここで、従来のベンチは、複数の支持脚と複数の棒状体からなる座部の一体物を施工現場に持ち込み、設置面に支持脚の下部を埋設するか、あるいはアンカーボルトで固定することで設置される。
しかしながら、上記のようなベンチを構成する部材の重量は、合計で70kgにも達することから、作業者による運搬が容易でなく、また、運送費もかさむという問題がある。また、ベンチを一体物として施工現場に搬入する場合、事前の基礎工事が必要となり、施工上の手間並びに費用がかかるという問題がある。
【0004】
上記のような問題のうち、特に施工上の問題を解決するため、例えば、前後左右に離間させた少なくとも4本の杭を設置面に埋設し、前後に配置された少なくとも2本の杭の上部に前後方向に延びる脚部が架け渡されるとともに、この脚部の下部を貫通し杭の上部にねじが螺着され、脚部の上部に前後方向に延びる連結金具が取付けられ、この連結金具に左右方向に延びる座部が差し渡されて支持された構成のベンチが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
引用文献1に記載のベンチによれば、上記構成を採用することにより、基礎を形成する工事が杭を埋め込む作業だけとなるため、施工現場において作業効率よく施工することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-033433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のベンチは、脚部や座部等の部材が一体化されたものなので、従来と同様、重量が大きくなるとともに嵩張ったものとなり、運搬時の作業者に対する負荷が大きくなるとともに、運搬費用が嵩むという問題があった。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能なベンチ及びベンチの組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のベンチは、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた座部と、下部側が設置面に固定される接地部とされ、該接地部の上方に前記座部が固定される座部固定面を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚と、を備え、前記座部は、前記複数の棒状体が、前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、前記複数の棒状体が座部連結部材によってユニット化されており、前記座部連結部材が前記一対の支持脚の前記座部固定面に固定されることにより、前記座部がユニット化された状態で前記一対の支持脚に固定されることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、上記のように、複数の棒状体が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材によってユニット化された座部を備え、座部連結部材が一対の支持脚の座部固定面に固定される構成なので、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることも可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、座部がユニット化された状態で一対の支持脚に固定される構成なので、ベンチの施工現場において、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する作業を大幅に簡略化できる。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
【0011】
本発明のベンチは、上記構成において、前記座部連結部材には、前記複数の棒状体が離間することで確保されたスリットに対応する位置でボルト孔が設けられており、前記一対の支持脚の前記座部固定面には、前記座部連結部材に設けられたボルト孔に対応する位置で座部固定孔が設けられており、前記座部連結部材に設けられる前記ボルト孔と、前記一対の支持脚に設けられる前記座部固定孔との間にボルトを挿通して該ボルトとナットとを螺合することにより、前記座部連結部材が前記一対の支持脚に固定されている構成を採用することができる。
【0012】
本発明によれば、上記のように、座部連結部材に設けられるボルト孔と、一対の支持脚に設けられる座部固定孔との間にボルトを挿通して該ボルトとナットとを螺合することで、座部連結部材が一対の支持脚に固定された構成なので、上記同様、ベンチの施工現場において、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する作業を大幅に簡略化できる。また、座部を一対の支持脚に位置精度良く固定することが可能になる。
【0013】
本発明のベンチは、上記構成において、さらに、ユニット化された前記座部を複数で備え、前記複数の座部が平行に並び揃えられた状態で、前記一対の支持脚の前記座部固定面に固定された構成を採用してもよい。
【0014】
本発明によれば、上記のように、ユニット化された前記座部を複数で備えることにより、例えば、座面の奥行き寸法が大きなベンチを組み立てる場合であっても、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにすることが可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、施工現場において座部の設置台数が増加するのにも関わらず、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する作業を最大限簡略化することが可能になる。
【0015】
本発明のベンチは、上記構成において、さらに、前記一対の支持脚の間に、該一対の支持脚と平行に配置されるとともに、ユニット化された前記座部の底面側に取り付けられた帯板を備える構成を採用してもよい。
【0016】
本発明によれば、上記のように、座部の底面側に取り付けられた帯板を備えることにより、例えば、1200mm以上の非常に広い横幅を有するベンチであっても、横幅方向全体における強度を確保することが可能となる。
【0017】
本発明のベンチは、上記構成において、さらに、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた状態で背部連結部材によってユニット化された背部を備え、前記一対の支持脚は、さらに、前記座部固定面から上方に突出するように設けられ、前記背部が固定される背部固定面を有した突設部を備える断面L字状とされており、前記背部連結部材が前記一対の支持脚の前記背部固定面に固定されることにより、前記背部が、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられてユニット化された状態で、前記一対の支持脚に固定された構成を採用することができる。
【0018】
本発明によれば、上記のように、複数の棒状体が平行に並び揃えられた状態で背部連結部材によってユニット化された背部を備え、背部連結部材が一対の支持脚に設けられる突設部の背部固定面に固定される構成なので、上記同様、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることも可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、背部が、座部と同様、ユニット化された状態で一対の支持脚に固定される構成なので、ベンチの施工現場において、背部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する作業を大幅に簡略化できる。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、上記同様、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
【0019】
本発明のベンチは、上記構成において、前記複数の棒状体が中空部材からなることがより好ましい。
【0020】
本発明によれば、複数の棒状体が中空部材からなることで、ユニット化された座部及び背部が軽量化されるので、作業者による施工現場への運搬が容易になるとともに、施工現場における一対の支持脚への取り付け作業における負荷も軽減される。
【0021】
本発明のベンチの組立方法は、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた座部と、下部側が設置面に固定される接地部とされ、該接地部の上方に前記座部が固定される座部固定面を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚と、を備え、前記座部は、前記複数の棒状体が、前記一対の支持脚に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、前記複数の棒状体が座部連結部材によってユニット化されてなるベンチを組み立てる方法であって、少なくとも、前記一対の支持脚を平行で配置しながら、前記接地部を前記設置面に固定する接地工程と、ユニット化された前記座部を、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚と直交するように、前記一対の支持脚の前記座部固定面に設置する座部設置工程と、前記座部連結部材を前記座部固定面に固定することにより、ユニット化された前記座部を前記一対の支持脚に固定する座部固定工程と、を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、上記のような、ユニット化された座部を一対の支持脚の座部固定面に設置する座部設置工程と、座部連結部材を座部固定面に固定することで、ユニット化された座部を一対の支持脚に固定する座部固定工程とを備えた方法を採用することで、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにして施工することが可能になり、施工現場における作業者への負荷を軽減できるともに、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する際の作業効率が大幅に向上する。
【0023】
また、本発明のベンチの組立方法は、上記方法において、さらに、複数の棒状体が離間して平行に並び揃えられた状態で背部連結部材によってユニット化された背部を、前記複数の棒状体が前記一対の支持脚と直交するように、前記一対の支持脚に設けられた背部固定面に設置する背部設置工程と、前記背部連結部材を前記背部固定面に固定することにより、前記ユニット化された背部を前記一対の支持脚に固定する背部固定工程と、を備える方法とすることができる。
【0024】
本発明によれば、上記のように、さらに、ユニット化された背部を一対の支持脚の背部固定面に設置する背部設置工程と、背部連結部材を背部固定面に固定することで、ユニット化された背部を一対の支持脚に固定する背部固定工程と、を備えた構成を採用することで、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにして施工することが可能になり、施工現場における作業者への負荷を軽減できるともに、背部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する際の作業効率が大幅に向上する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るベンチによれば、上記のように、複数の棒状体が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材によってユニット化された座部を備え、座部連結部材が一対の支持脚の座部固定面に固定される構成を採用している。
これにより、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることが可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になり、また、配送費も削減できる。また、座部がユニット化された状態で一対の支持脚に固定されることで、施工現場において、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する作業を大幅に簡略化できる。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
従って、各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能となる。
【0026】
また、本発明に係るベンチの組立方法によれば、ユニット化された座部を一対の支持脚の座部固定面に設置する座部設置工程と、座部連結部材を座部固定面に固定することで、ユニット化された座部を一対の支持脚に固定する座部固定工程とを備えた方法を採用している。
これにより、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにして施工することが可能になり、施工現場における作業者への負荷を軽減できるともに、座部を一対の支持脚にボルトやナットで固定する際の作業効率が大幅に向上する。さらに、各部材をユニットとして梱包して運搬することができることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
従って、運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態であるベンチを模式的に説明する図であり、一対の支持脚にユニット化された座部及び背部が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態であるベンチを模式的に説明する図であり、図1に示したベンチのA-A断面図である。
図3】本発明の一実施形態であるベンチを模式的に説明する図であり、図2に示した断面図においてユニット化された座部及び背部を省略した状態を示す概略断面図である。
図4】本発明の一実施形態であるベンチを模式的に説明する図であり、ユニット化された座部を裏面側から見た状態を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態であるベンチを模式的に説明する図であり、ユニット化された背部を背面側から見た状態を示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態であるベンチの組立方法を模式的に説明する図であり、ユニット化された座部を一対の支持脚に取り付ける座部設置工程及び座部固定工程の手順を説明するための斜視図である。
図7】本発明の一実施形態であるベンチの組立方法を模式的に説明する図であり、ユニット化された背部を一対の支持脚に取り付ける背部設置工程及び背部固定工程の手順を説明するための斜視図である。
図8】本発明の一実施形態であるベンチの他の例を模式的に説明する図であり、一対の支持脚にユニット化された座部のみが取り付けられた例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るベンチ及びベンチの組立方法の実施の形態について、図1図8を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なることがある。
【0029】
<ベンチの構成>
以下、本実施形態のベンチ1の構成について詳述する。
図1は、本実施形態のベンチ1について説明する図であり、一対の支持脚2,2に、ユニット化された座部3及び背部4が取り付けられた状態を示す斜視図で、図2は、図1に示したベンチ1のA-A断面図であり、図3は、図2に示した断面図において、ユニット化された座部3及び背部4を省略した状態を示す概略断面図である。
また、図4は、図1中に示した、ユニット化された座部3の一例を裏面側から見た状態を示す平面図であり、図5は、ユニット化された背部4を背面側から見た状態を示す平面図である。
また、図6及び図7は、本実施形態のベンチ1の組立方法について説明する図であり、図6は、ユニット化された座部3を一対の支持脚2,2に取り付ける座部設置工程及び座部固定工程の手順を説明する斜視図で、図7は、ユニット化された背部4を一対の支持脚2,2に取り付ける背部設置工程及び背部固定工程の手順を説明する斜視図である。
【0030】
本実施形態のベンチ1は、図1及び図2に示すように、まず、複数の棒状体31が離間して平行に並び揃えられた座部3と、下部側が設置面Sに固定される接地部21とされ、この接地部21の上方に座部3が固定される座部固定面22を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚2とを備える。さらに、図1及び図2に例示した本実施形態のベンチ1は、複数の棒状体41が離間して平行に並び揃えられた背部4を備え、概略構成される。
【0031】
より具体的には、座部3は、複数の棒状体31が、枠状部材からなる一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、複数の棒状体31が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材5によってユニット化されている(図4も参照)。そして、座部連結部材5が一対の支持脚2,2の座部固定面22に固定されることにより、座部3がユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定されている。
【0032】
また、図示例における一対の支持脚2,2は、座部固定面22から上方に突出するように設けられ、背部4が固定される背部固定面24を有した突設部23を備えている。背部4は、複数の棒状体41が、枠状部材からなる一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、背部連結部材6によってユニット化されている(図5も参照)。そして、背部連結部材6が一対の支持脚2,2の背部固定面24に固定されることで、ユニット化された背部4が一対の支持脚2,2に固定されている。
【0033】
なお、以下の説明においては、ベンチ1において使用者が着席する側を前面側と称するとともに、使用者が着席する側とは反対側、即ち、図1中に示す突設部23が設けられた側を背面側と称する場合がある。
【0034】
支持脚2は、上述した座部3及び背部4が取り付けられることで、本実施形態のベンチ1における基台として機能するものであり、接地部21が、例えばアンカーボルト7等により、コンクリート等からなる設置面Sに固定される。
支持脚2は、上述したように、接地部21の上方に座部3が固定される座部固定面22を有してなる。さらに、図示例の支持脚2は、座部固定面22から上方に突出するように設けられ、背部4が固定される背部固定面24を有した突設部23を備えた、断面略L字状に構成されている。
【0035】
支持脚2の材料としては、特に限定されないが、例えば鉄鋼材料等のような、ベンチとして用いるのに耐えうる強度を有する板状の金属材料等が用いられ、このような材料からなる枠状部材として構成される。
また、図示例においては、一対の支持脚2,2が各々離間して配置され、座部3及び背部4を、それぞれの端部近傍で支持するように構成されている。
【0036】
座部固定面22は、設置面Sに接地される接地部21と概略平行、即ち、概略水平になるように配置されている。
また、図2中に示すように(図3も参照)、座部固定面22には、複数の棒状体31の各々を座部連結部材5に固定するのに用いられる共締めボルト55との干渉を回避するためのボルト避け孔22aが設けられている。さらに、図2及び図3では図示を省略しているが、座部固定面22には、座部連結部材5に設けられた固定ボルト孔(ボルト孔)52に対応する位置で座部固定孔が設けられている(図4も参照)。そして、座部連結部材5に設けられる固定ボルト孔52と、支持脚2に設けられる座部固定孔との間に固定ボルト(ボルト)57を挿通して、この固定ボルト57と固定ナット(ナット)58とを螺合することにより、座部連結部材5を含んでユニット化された座部3が座部固定面22に固定されている。
また、座部固定面22において、上記のボルト避け孔22a及び座部固定孔は、それぞれ、対応する共締めボルト55及び固定ボルト57の設置数に対応するように複数で設けられている。
また、座部固定孔は、固定ボルト57のねじ切り部に対して緩孔とされている。
【0037】
突設部23は、上述したように、座部固定面22における背面側(ベンチ1の背面側)から立ち上がるように設けられており、突設部23における座部固定面22側の面、及び、上方を向いた側の面が、背部固定面24とされている。また、図2中に示す例の背部固定面24は、ベンチ1の背面側に向かって若干倒れ込むように設けられた立設面とされている。
【0038】
図2中に示すように(図3も参照)、背部固定面24には、複数の棒状体41の各々を背部連結部材6に固定するのに用いられる共締めボルト65との干渉を回避するためのボルト避け孔24aと、固定ボルト(ボルト)67が挿通されることで背部連結部材6を背部固定面24に固定するための背部固定孔(図示略)が設けられている。また、背部固定面24において、上記のボルト避け孔24a及び背部固定孔は、それぞれ、対応する共締めボルト65及び固定ボルト67の設置数に対応するように複数で設けられている。
【0039】
また、図示例の支持脚2は、座部固定面22と背部固定面24との間に、ベンチ1の背面側にえぐれるように形成された屈曲部25が設けられている。この屈曲部25は、例えば、ベンチ1の使用者が座部3に着席して背部に寄りかかった際の衝撃を吸収する機能を有する。
【0040】
さらに、図1及び図2中では図示を省略しているが、支持脚2の接地部21には、上述したアンカーボルト7を挿通し、支持脚2を設置面Sに固定するための貫通孔が計2箇所で形成されている。
【0041】
座部3は、上述したように、複数の棒状体31が離間して平行に並び揃えられてなり、これら複数の棒状体31が、枠状部材からなる一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるものである。複数の棒状体31は、上面31a側が、ベンチ1の使用者による着座面となり、下面31b側が、座部連結部材5に取り付けられる。
【0042】
本実施形態のベンチに備えられる座部3は、複数の棒状体31が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材5に取り付けられ、ユニット化されたものである。図2に示す例においては、ベンチ1の前面寄りの位置に、3本の棒状体31が座部連結部材5Aによって連結された座部3A(3)が配置され、ベンチ1の背面寄りの位置に、4本の棒状体31が座部連結部材5Bによってユニット化された座部3B(3)が配置されている(図4も参照)。
【0043】
棒状体31の材料としては、特に限定されず、例えば、プラスチック材料や、金属材料を用いたもの等を適宜採用することができる。
一方、棒状体31は、コストや軽量化等の観点から、プラスチック材料を用いた中空状の押出成型品等からなることが好ましい。ここで、棒状体31をプラスチック材料からなる中空状の押出成型品から構成する場合には、図2の断面図に示すように、内部空間を横断又は縦断するようにリブ31cが設けられていることが、樹脂成型品としての強度を確保する観点からより好ましい。
複数の棒状体31が上記のような中空部材からなることで、ユニット化された座部3が軽量化されるので、作業者による施工現場への運搬が容易になるとともに、施工現場における一対の支持脚2,2への取り付け作業における負荷も軽減される。
【0044】
棒状体31にプラスチック材料を用いる場合、その種類についても特に限定されず、強度や耐候性等を勘案しながら採用することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ABS樹脂、AAS樹脂、ポリカーボネート等の中から1種を選択して用いるか、あるいは複数種を選択して、これらを組み合わせて用いることができる。
また、棒状体31にプラスチック材料を用いた中空状の押出成型品を採用する場合には、例えば、上記のような材料からなる長尺の押出成型品を、適宜、所定の長さに切断したものを用いることができる。
【0045】
座部連結部材5は、上述したように、複数の棒状体31を連結することでユニット化された座部3とするものであり、図4に示す例の座部3B(3)においては、共締めボルト55と共締めナット56とを螺合することにより、4本の棒状体31が座部連結部材5によって連結・ユニット化されている。
【0046】
座部連結部材5の材料としても、特に限定されないが、支持脚2と同様、例えば鉄鋼材料等のような、ベンチとして用いるのに耐えうる強度を有する板状の金属材料等が用いられる。
【0047】
図4中に示す例のように、座部連結部材5には、図2及び図3中に示した各ボルト及びナットに対応した貫通孔が設けられている。
具体的には、座部連結部材5には、複数の棒状体31の各々を固定する共締めボルト55が挿通される共締めボルト孔51が設けられている。また、座部連結部材5には、この座部連結部材5を座部固定面22に固定するための固定ボルト57が挿通される固定ボルト孔(ボルト孔)52が設けられている。図示例の座部連結部材5においては、共締めボルト孔51が、棒状体31の取り付け数に対応した4箇所に設けられている。また、図示例の座部連結部材5には、固定ボルト孔52が、4本の棒状体31が離間することで確保された3本のスリットに対応する位置で、計3列で5箇所に設けられている。また、固定ボルト孔52は、4本の棒状体31が離間することで確保された3本のスリットのうち、外側に配置された2本のスリットに対応する位置で、それぞれ棒状体31の長さ方向に沿って2箇所(計4箇所)に設けられており、中央に配置されたスリットに対応する位置で1箇所に設けられている。
そして、座部連結部材5に設けられる固定ボルト孔52と、支持脚2に設けられる座部固定孔22aとの間に固定ボルト57を挿通して固定ナット58と螺合することにより、座部連結部材5が支持脚2に固定されている。
【0048】
なお、図4に示す例の座部3B(3)においては、上記のように、4本の棒状体31が平行に離間して並べ揃えられた状態で、計3枚の座部連結部材5によって連結・ユニット化されている。
【0049】
ここで、本実施形態のベンチ1に用いられる座部3は、座部連結部材5の固定ボルト孔52に、予め固定ボルト57が挿通された状態としてユニット化されていることがより好ましい。このように、予め、固定ボルト孔52に固定ボルト57が挿通された状態で、座部3を施工現場に搬入することにより、施工現場における固定ボルト57の位置決め作業等を省略できるため、固定ボルト57に固定ナット58を螺合して座部3を一対の支持脚2,2に固定する作業を、より効率的且つ容易に行うことが可能になる。
また、このように、ユニット化された座部3に固定ボルト57を取り付けた状態として、座部3を運搬する場合には、図示を省略するが、複数の棒状体31の間のスリットに、例えば紙材料等からなる支持体を挿入し、この状態で運搬することで固定ボルト57が脱落するのを防止できる。また、上記のような支持材としては、図示を省略するが、座部3を梱包する梱包材と一体化したものを用いることも可能である。
【0050】
背部4は、上述したように、複数の棒状体41が離間して平行に並び揃えられてなり、これら複数の棒状体41が、枠状部材からなる一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるものである。複数の棒状体41は、一面41a側が、ベンチ1の使用者による背もたれ面となり、他面41b側が、背部連結部材6に取り付けられる。
【0051】
本実施形態の背部4は、複数の棒状体41が平行に並び揃えられた状態で背部連結部材6に取り付けられ、ユニット化されたものである。図2に示す例においては、4本の棒状体41が、断面略L字状とされた背部連結部材6に取り付けられており、これらのうち、3本の棒状体41が座部3側を向くように配置され、1本の棒状体41が上方を向くように配置されている。
【0052】
棒状体41の材料としても、座部3に用いられる棒状体31の場合と同様、特に限定されず、例えば、プラスチック材料や、金属材料を用いたもの等を適宜採用することができる。
一方、棒状体41も、座部3に用いられる棒状体31の場合と同様、コストや軽量化等の観点から、プラスチック材料を用いた中空状の押出成型品等からなることが好ましい。また、棒状体41をプラスチック材料からなる中空状の押出成型品から構成する場合においても、図2の断面図に示すように、内部空間を横断又は縦断するようにリブ41cが設けられていることが、樹脂成型品としての強度を確保する観点からより好ましい。
複数の棒状体41が上記のような中空部材からなることで、ユニット化された背部4が軽量化されるので、作業者による施工現場への運搬が容易になるとともに、施工現場における一対の支持脚2,2への取り付け作業における負荷も軽減される。
【0053】
棒状体41にプラスチック材料を用いる場合においても、その種類については特に限定されず、強度や耐候性等を勘案しながら採用することができ、例えば、上述した座部3に用いられる棒状体31と同じ材料を用いることができる。
また、棒状体41にプラスチック材料を用いた中空状の押出成型品を採用する場合においても、例えば、上記のような材料からなる長尺の押出成型品を、適宜、所定の長さに切断したものを用いることができる。
【0054】
背部連結部材6は、上述したように、複数の棒状体41を連結することでユニット化された背部4とするものであり、図5に示す例の背部4においては、共締めボルト65と共締めナット66とを螺合することにより、4本の棒状体41が背部連結部材6によって連結・ユニット化されている。
また、図1,2及び図5中に示した背部連結部材6は、断面略L字状に構成されることで、上述したように、3本の棒状体41が座部3側を向くように取り付けられ、1本の棒状体41が上方を向くように取り付けられる。
【0055】
背部連結部材6の材料としても、特に限定されないが、座部連結部材5と同様、例えば鉄鋼材料等のような、ベンチとして用いるのに耐えうる強度を有する板状の金属材料等が用いられる。
【0056】
図5中に示す例のように、背部連結部材6には、図2及び図3中に示した各ボルト及びナットに対応した貫通孔が設けられている。
具体的には、背部連結部材6には、複数の棒状体41の各々を固定する共締めボルト65が挿通される共締めボルト孔61が設けられている。また、背部連結部材6には、この背部連結部材6を背部固定面24に固定するための固定ボルト67が挿通される固定ボルト孔62が設けられている。図5に示す例では、図示を一部省略しているが、背部連結部材6においては、共締めボルト孔61が、棒状体41の取り付け数に対応し、1本あたり2箇所で計8箇所に設けられている。また、図示例の背部連結部材6には、固定ボルト孔62が、4本の棒状体41が離間することで確保された3本のスリットのうち、座部3側を向いて配置される2本のスリットに対応する位置で、計2列で計4箇所に設けられている。
そして、背部連結部材6に設けられる固定ボルト孔(ボルト孔)62と、支持脚2に設けられる図示略の背部固定孔との間に固定ボルト67を挿通して固定ナット68と螺合することにより、背部連結部材6が支持脚2に固定される。
【0057】
なお、図5に示す例の背部4においては、上記のように、4本の棒状体41が平行に離間して並べ揃えられた状態で、計3枚の背部連結部材6によって連結・ユニット化されている。
【0058】
ここで、本実施形態のベンチ1に用いられる背部4は、上述した座部3の場合と同様、背部連結部材6の固定ボルト孔62に、予め固定ボルト67が挿通された状態としてユニット化されていることがより好ましい。このような状態で背部4を施工現場に搬入することにより、施工現場における固定ボルト67の位置決め作業等を省略できるため、固定ボルト67に固定ナット68を螺合して背部4を一対の支持脚2,2に固定する作業を、より効率的且つ容易に行うことが可能になる。
また、この場合においても、上述した座部3の場合と同様、図示を省略するが、複数の棒状体41の間のスリットに、例えば紙材料等からなる支持体を挿入し、この状態で運搬することで固定ボルト67が脱落するのを防止できる。また、座部3の場合と同様、支持材として、背部4を梱包する梱包材と一体化したものを用いることも可能である。
【0059】
本実施形態のベンチ1によれば、上記構成、即ち、複数の棒状体31が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材5によってユニット化された座部3を備え、座部連結部材5が一対の支持脚2,2の座部固定面22に固定される構成なので、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることも可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、座部3がユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定される構成なので、ベンチ1の施工現場において、座部3を一対の支持脚2,2に固定ボルト67と固定ナット68とを螺合して固定する作業を大幅に簡略化できる。
また、座部3や背部4等の各部材をユニットとして梱包して運搬することができることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
【0060】
従来、ベンチを構成する各部材を小分けにして施工現場に搬入した場合、作業者に対する重量面の負荷や運搬費等を低減することはできるものの、施工現場における組立作業面の負荷が増大するという懸念があった。これに対し、本実施形態のベンチ1によれば、ベンチを構成する各部材を小分けにした場合であっても、施工に係る手間を極力低減し、施工作業の効率化を図ることが可能になる。
【0061】
また、座部連結部材5に設けられる固定ボルト孔52と、一対の支持脚2,2に設けられる座部固定孔22aとの間に固定ボルト57を挿通して固定ナット58と螺合することで、座部連結部材5が一対の支持脚2,2に固定された構成なので、上記同様、ベンチ1の施工現場において、座部3を一対の支持脚2,2に固定する作業を大幅に簡略化できる。また、座部3を一対の支持脚2,2に位置精度良く固定することが可能になる。
【0062】
さらに、複数の棒状体41が平行に並び揃えられた状態で背部連結部材6によってユニット化された背部4を備え、背部連結部材6が一対の支持脚2,2に設けられる突設部23の背部固定面24に固定される構成なので、上記同様、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることも可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、背部4が、座部3と同様、ユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定される構成なので、ベンチ1の施工現場において、背部4を一対の支持脚2,2に固定する作業を大幅に簡略化できる。
【0063】
また、背部連結部材6に設けられる固定ボルト孔62と、一対の支持脚2,2に設けられる図示略の背部固定孔との間に固定ボルト67を挿通して固定ナット68と螺合することで、背部連結部材6が一対の支持脚2,2に固定された構成なので、上記同様、ベンチ1の施工現場において、背部4を一対の支持脚2,2に固定する作業を大幅に簡略化できる。また、背部4を一対の支持脚2,2に位置精度良く固定することが可能になる。
【0064】
なお、図2及び図3等においては詳細な図示を省略しているが、本実施形態においては、座部連結部材5を固定する固定ボルト57の頭部が平面視で多角形状とされ、この固定ボルト57の頭部が座部3における複数の棒状体31の間のスリット内に係合して回転留めされた構成であることが好ましい。
これにより、座部3を一対の支持脚2,2に固定する際、固定ボルト57が空回りするのを防止できるので、施工現場における作業効率が大幅に向上する効果が得られる。
【0065】
同様に、本実施形態においては、背部連結部材6を固定する固定ボルト67の頭部も平面視で多角形状とされ、この固定ボルト67の頭部が背部4における複数の棒状体41の間のスリット内に係合して回転留めされた構成であることが好ましい。
これにより、座部3の場合と同様、背部4を一対の支持脚2,2に固定する際、固定ボルト67が空回りするのを防止できるので、施工現場における作業効率が大幅に向上する効果が得られる。
【0066】
さらに、本実施形態においては、図2及び図3に示すように、固定ボルト57と螺合する固定ナット58、並びに、固定ボルト67と螺合する固定ナット68を、袋とじナットから構成することが、施工現場における作業性がさらに向上する観点からより好ましい。
また、本実施形態においては、詳細な図示を省略するが、例えば、上記の固定ナット68としてインプルナット(登録商標)を用いることが、固定ボルト67と固定ナット68との螺合がさらに容易になり、作業性が大幅に向上する観点からさらに好ましい。
【0067】
また、本実施形態においては、図1及び図2に示す例のように(図4も参照)、ユニット化された座部3(3A,3B)を複数で備え、複数の座部3A,3Bが平行に並び揃えられた状態で、一対の支持脚2,2の座部固定面22に固定されていてもよい。
これにより、例えば、座面の奥行き寸法が大きなベンチを組み立てる場合であっても、各部材を小さな重量で小分けにすることが可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、施工現場において座部3(3A,3B)の設置台数が増加するのにも関わらず、座部3A,3Bを一対の支持脚2,2に固定する作業を最大限簡略化することが可能になる。
【0068】
同様に、本実施形態においては、詳細な図示は省略するが、ユニット化された背部4を複数で備え、複数の背部4が平行に並び揃えられた状態で、一対の支持脚2,2の背部固定面24に固定されていてもよい。
これにより、座部3の場合と同様、例えば、背面側の高さ寸法が大きなベンチを組み立てる場合であっても、各部材を小さな重量で小分けにすることが可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、施工現場において背部4の設置台数が増加するのにも関わらず、背部4を一対の支持脚2,2に固定する作業を最大限簡略化することが可能になる。
【0069】
また、本実施形態においては、さらに、一対の支持脚2,2の間に、これら一対の支持脚2,2と平行に配置されるとともに、ユニット化された座部3を構成する複数の棒状体31の下面31b側に取り付けられた帯板を備えていてもよい。
より具体的には、図6及び図7に示した例のように、一対の支持脚2,2の間に、これら一対の支持脚2,2と平行に配置されるとともに、ユニット化された座部3を構成する複数の棒状体31の下面31b側、及び、背部4を構成する複数の棒状体41の他面41b側の両方にわたるように取り付けられた帯板8を備えていてもよい。
このような帯板を備えることにより、例えば、1200mm以上の非常に広い横幅を有するベンチであっても、横幅方向全体における強度を確保することが可能となる。
また、このような帯板8を接地する場合においては、図示を省略すが、この帯板8に対応する位置で、支持脚2をさらに配置し、帯板8を支持脚2に固定する構成を採用してもよい。
【0070】
<ベンチの組立方法>
以下、本実施形態のベンチ1の組立方法について、図6及び図7を参照しながら詳述する。
なお、以下の説明においては、ベンチ1のより詳細な構成については図1図5も適宜参照しながら説明するとともに、その詳細な説明を省略する場合がある。
【0071】
本実施形態のベンチの組立方法は、上述した本実施形態のベンチ1(1A)、即ち、平行に並び揃えられた座部3と、下部側が設置面に固定される接地部21とされ、この接地部21の上方に座部3が固定される座部固定面22を有した枠状部材からなり、各々離間して配置されてなる一対の支持脚2とを備え、座部3は、複数の棒状体31が、一対の支持脚2,2に対して直交する方向で平行に並び揃えられるように配置されるとともに、複数の棒状体31が座部連結部材5によってユニット化されてなるベンチ1(1A)を組み立てる方法である。
具体的には、本実施形態のベンチの組立方法は、少なくとも、一対の支持脚2,2を平行で配置しながら、接地部21を設置面Sに固定する接地工程(1)と、ユニット化された座部3を、複数の棒状体31が一対の支持脚2,2と直交するように、一対の支持脚2,2の座部固定面22に設置する座部設置工程(2)と、座部連結部材5を座部固定面22に固定することにより、ユニット化された座部3を一対の支持脚2,2に固定する座部固定工程(3)と、を備える方法である。
【0072】
また、本実施気体では、上記の(1)~(3)の各工程に加え、さらに、複数の棒状体41が離間して平行に並び揃えられた状態で背部連結部材6によってユニット化された背部4を、複数の棒状体41が一対の支持脚2,2と直交するように、一対の支持脚2,2設けられた背部固定面24に設置する背部設置工程(4)と、背部連結部材6を背部固定面24に固定することにより、ユニット化された背部4を一対の支持脚2,2に固定する背部固定工程(5)と、を備えた例について説明する。
【0073】
[接地工程(1)]
接地工程(1)においては、図6に示すように、一対の支持脚2,2を平行で配置しながら、接地部21を設置面Sに固定する(図1を参照)。
この際、例えば、コンクリート等からなる設置面Sに対し、アンカーボルト7を埋め込むことで、接地部21を設置面Sに対して高強度で固定することができる。
【0074】
[座部設置工程(2)]
次に、座部設置工程(2)においては、図7に示すように、ユニット化された座部3を、複数の棒状体31が一対の支持脚2,2と直交するように、一対の支持脚2,2の座部固定面22上に設置する。
この際、まず、複数の棒状体31を連結する座部連結部材5に設けられた固定ボルト孔52、及び、この固定ボルト孔52に挿通された固定ボルト57の位置が、一対の支持脚2,2の座部固定面22に設けられた図示略の座部固定孔の位置と概略で対応するように、座部3を座部固定面22上に設置する。即ち、固定ボルト57のねじ切り部が、座部固定面22に緩孔として設けられた座部固定孔に挿通された状態で、座部3を座部固定面22上に設置する。
【0075】
次いで、ユニット化された座部3から図示略の梱包材を取り外すとともに、複数の棒状体31の間のスリットに挿入された、固定ボルト57を支持する図示略の支持材を取り外す。
ここで、本実施形態では、座部固定面22に設けられたボルト避け孔22aが、共締めボルト55の頭部よりも大きめに形成されているので、座部3を座部固定面22に設置する際の位置合わせが容易になる。
【0076】
[座部固定工程(3)]
次に、座部固定工程(3)においては、上記のように、座部連結部材5を座部固定面22に固定することにより、ユニット化された座部3を一対の支持脚2,2に固定する。
この際、支持脚2における座部固定面22の反対側の面に固定ナット58を配置することにより、固定ボルト57と固定ナット58とを螺合することで、座部3を一対の支持脚2,2に固定することができる。
【0077】
ここで、本実施形態では、固定ボルト57の頭部が平面視で多角形状とされ、この固定ボルト57の頭部が座部3における複数の棒状体31の間のスリット内に係合して回転留めされた構成であることで、固定ボルト57が空回りするのを防止できるので、座部3を一対の支持脚2,2に固定する際の作業効率が大幅に向上する。
【0078】
また、本実施形態では、例えば、ユニット化された座部3を梱包して出荷する際に、棒状体31の長さ方向、即ち、ベンチ1の横幅方向で最も外側に配置された固定ボルト孔52に固定ボルト57を挿通しておき、この位置で固定ボルト57と固定ナット58とを螺合して、座部3を一対の支持脚2,2に固定することで、取り付け状態が安定する効果が得られる(図4も参照)。
【0079】
[背部設置工程(4)]
次に、本実施形態のベンチ1の組立方法では、上記のように、さらに、背部設置工程(4)において、ユニット化された背部4を、複数の棒状体41が一対の支持脚2,2と直交するように、一対の支持脚2,2の背部固定面24に設置する。
この際、まず、複数の棒状体41を連結する背部連結部材6に設けられた固定ボルト孔62に挿通されている固定ボルト67を、一対の支持脚2,2の背部固定面24に設けられた図示略の背部固定孔に挿入することで、背部4が背部固定面24上に仮留めされた状態とする。
【0080】
次いで、ユニット化された背部4から図示略の梱包材を取り外すとともに、複数の棒状体41の間のスリットに挿入された、固定ボルト67を支持する図示略の支持材を取り外す。
ここで、本実施形態では、座部3の場合と同様、背部固定面24に設けられたボルト避け孔24aが、共締めボルト65の頭部よりも大きめに形成されているので、背部4を背部固定面24に設置する際の位置合わせが容易になる。
【0081】
[背部固定工程(5)]
次に、背部固定工程(5)においては、上記のように、背部連結部材6を背部固定面24に固定することにより、ユニット化された背部4を一対の支持脚2,2に固定する。
この際、支持脚2における背部固定面24の反対側の面に固定ナット68を配置することにより、固定ボルト67と固定ナット68とを螺合することで、背部4を一対の支持脚2,2に固定することができる。
【0082】
ここで、本実施形態では、座部3の場合と同様、固定ボルト67の頭部が背部4における複数の棒状体41の間のスリット内に係合して回転留めされた構成であることで、固定ボルト67が空回りするのを防止できるので、背部4を一対の支持脚2,2に固定する際の作業効率が大幅に向上する。
【0083】
さらに、座部3の場合と同様、例えば、ユニット化された背部4を梱包して出荷する際に、棒状体41の長さ方向で最も外側に配置された固定ボルト孔62に固定ボルト67を挿通しておき、この位置で固定ボルト67と固定ナット68とを螺合して、背部4を一対の支持脚2,2に固定することで、取り付け状態が安定する効果が得られる(図5も参照)。
【0084】
以上の手順により、図1に示したような本実施形態のベンチ1を組み付けることができる。
【0085】
本実施形態のベンチ1の組立方法によれば、上記のような、接地工程(1)、座部設置工程(2)、及び座部固定工程(3)を備え、さらに、背部設置工程(4)及び背部固定工程(5)を備えることで、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにして施工することが可能になり、施工現場における作業者への負荷を軽減できるともに、座部3及び背部4を一対の支持脚2,2に固定する際の作業効率が大幅に向上する。
【0086】
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態のベンチ1によれば、複数の棒状体31が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材5によってユニット化された座部3を備え、座部連結部材5が一対の支持脚2,2の座部固定面22に固定される構成を採用している。さらに、本実施形態によれば、複数の棒状体41が平行に並び揃えられた状態で背部連結部材6によってユニット化された背部4を備え、背部連結部材6が一対の支持脚2,2の背部固定面24に固定される構成を採用している。
本実施形態のベンチ1によれば、上記構成を採用することにより、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることが可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になり、また、配送費も削減できる。また、座部3及び背部4がユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定されることで、施工現場において、座部及び背部4を一対の支持脚2,2に固定する作業を大幅に簡略化できる。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
従って、各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能となる。
【0087】
また、本実施形態のベンチ1の組立方法によれば、ユニット化された座部3を一対の支持脚2,2の座部固定面22に設置する座部設置工程(2)と、座部連結部材5を座部固定面22に固定することで、ユニット化された座部3を一対の支持脚2,2に固定する座部固定工程(3)とを備えている。また、本実施形態では、さらに、ユニット化された背部4を、複数の棒状体41が一対の支持脚2,2と直交するように、一対の支持脚2,2の背部固定面24に設置する背部設置工程(4)と、背部連結部材6を背部固定面24に固定することにより、ユニット化された背部4を一対の支持脚2,2に固定する背部固定工程(5)とを備えた方法を採用している。
本実施形態のベンチ1の組立方法によれば、上記同様、各部材を小さな重量で小分けにして施工することが可能になり、施工現場における作業者への負荷を軽減できるともに、座部3及び背部4を一対の支持脚2,2に固定する際の作業効率が大幅に向上する。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
従って、上記同様、運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能となる。
【0088】
<その他の形態>
上記で説明した実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は上記の実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0089】
本実施形態のベンチは、上記の実施形態で説明したような背部4を備えた構成には限定されず、例えば、図8に示す例のように、一対の支持脚2A,2Aに、ユニット化された座部3のみが取り付けられた構成のベンチ1Aとすることも可能である。
このような形態のベンチ1Aは、例えば、鉄道駅のホームやバス停等、比較的短時間で着座する用途に適用することが可能である。
【0090】
上記のような構成のベンチ1Aにおいても、上記の実施形態で示したベンチ1と同様、複数の棒状体31が平行に並び揃えられた状態で座部連結部材によってユニット化された座部3を備え、座部連結部材が一対の支持脚2,2の座部固定面に固定された構成なので、各部材を、例えば1梱包あたりで20kg以下の重量で小分けにすることも可能となり、作業者による施工現場への運搬が容易になる。また、座部3がユニット化された状態で一対の支持脚2,2に固定される構成なので、ベンチの施工現場において、座部3を一対の支持脚2,2に固定する作業を大幅に簡略化できる。さらに、各部材をユニットとして梱包できることから、施工時に各部材同士の細かな位置合わせ作業等を省略できるので、より優れた施工性が得られる。
従って、各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のベンチは、各部材を小分けにして軽量化することで運搬負荷を軽減しながら、施工現場における各部材の組立作業を効率的に行うことが可能なものである。従って、本発明は、例えば、鉄道駅や空港等の待合室、百貨店や量販店等のパブリックスペース、公園やテーマパーク等の娯楽施設等において、通行人や来場者が休憩や食事等に利用するためのベンチを施工する用途で非常に好適である。
【符号の説明】
【0092】
1,1A…ベンチ
2,2A…支持脚(一対の支持脚)
21…接地部
22…座部固定面
22a…ボルト避け孔
23…突設部
24…背部固定面
24a…ボルト避け孔
3…座部(ユニット化された座部)
31…棒状体(複数の棒状体)
31a…上面
31b…下面
31c…リブ
4…背部(ユニット化された背部)
41…棒状体(複数の棒状体)
41a…一面
41b…他面
41c…リブ
5…座部連結部材
51…共締めボルト孔
52…固定ボルト孔
55…共締めボルト
56…共締めナット
57…固定ボルト(ボルト)
58…固定ナット(ナット)
6…背部連結部材
61…共締めボルト孔
62…固定ボルト孔
65…共締めボルト
66…共締めナット
67…固定ボルト(ボルト)
68…固定ナット(ナット)
7…アンカーボルト
8…帯板
S…設置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8