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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120657
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ダンパ装置および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/14 20060101AFI20230823BHJP
   F25D 17/08 20060101ALI20230823BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
F24F13/14 H
F25D17/08 313
F24F13/10 A
F24F13/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023622
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】横江 悟
【テーマコード(参考)】
3L081
3L345
【Fターム(参考)】
3L081AA03
3L081AB06
3L081FA07
3L081FB02
3L081HA01
3L081HB04
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA15
3L345DD08
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動源としてモータを使用するダンパ装置の振動による騒音を低減する。
【解決手段】ダンパ装置は、バッフルにより開閉される開口部を備えるフレームと、隔壁板との間に駆動機構6を収容するケース3を有する。ケース3は、隔壁板に対向する底部31と、筒部32(第1側板321、第2側板322、第3側板323および第4側板324)を備える。筒部32の内側には、モータ61の外周を囲むモータ保持部36と、モータ保持部36と第3側板323との間に配置される軸支持部35が設けられ、モータ保持部36と軸支持部35との間においてZ方向(第2方向)に延びる第1リブ37と、軸支持部35のZ方向の両側において第1リブ37と交差し、第3側板323とモータ保持部36に接続される第2リブ38を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、
前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、
モータおよび前記モータの回転を前記バッフルに伝達する出力部材を備える駆動機構と、
前記隔壁板と結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構を収容するケースと、を有し、
前記ケースは、
前記隔壁板に対向する底部と、
前記隔壁板から前記底部へ向かう方向を第1方向の一方側として前記第1方向と交差する第2方向で対向する第1側板および第2側板と、
前記第1側板と前記第2側板とを接続し、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向で対向する第3側板および第4側板と、
前記第1側板と前記第2側板の間において前記底部から前記第1方向の他方側へ突出し、前記モータの外周を囲むモータ保持部と、
前記モータ保持部と前記第3側板との間において前記底部から前記第1方向の他方側へ突出し、前記出力部材を回転可能に支持する軸支持部と、
前記モータ保持部と前記軸支持部との間において前記第2方向に延びて前記第1側板と前記第2側板に接続される第1リブと、
前記軸支持部の前記第2方向の両側において前記第3方向に延びて前記第1リブと交差し、前記第3側板と前記モータ保持部に接続される第2リブと、を備えることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
前記軸支持部と前記モータ保持部との間において前記第3方向に延びて前記モータ保持部と前記軸支持部に接続される第3リブを備えることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記軸支持部は、前記第3側板に繋がることを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記モータ保持部は、前記第1側板および前記第2側板に繋がることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記モータ保持部は、前記第4側板に繋がることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記底部は、
前記モータ保持部の前記隔壁板とは反対側の端部を塞ぐ底板と、
前記モータ保持部、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、および前記第4側板に接続され、前記底板に対して前記隔壁板側に位置する仕切り板と、を備え、
前記第1リブおよび前記第2リブは、前記仕切り板から前記第1方向の他方側へ突出することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記底部は、
前記仕切り板から前記第1方向の一方側へ突出する第1外面リブおよび第2外面リブを備え、
前記第1外面リブは、前記第2方向に延びて前記第1側板と前記第2側板に接続され、
前記第2外面リブは、前記第3方向に延びて前記第2外面リブと交差し、前記第3側板と前記モータ保持部に接続されることを特徴とする請求項6に記載のダンパ装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載のダンパ装置を備えた冷蔵庫であって、
冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、
前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置されることを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷気通路等に配置されるダンパ装置は、開口部が設けられた枠部(端板部および胴部)を備えるフレームと、フレームに回転可能に支持されたバッフルと、バッフルを駆動する駆動機構とを有しており、駆動機構は、枠部の端に設けられた隔壁板に結合されるケース部材の内側に収容される。駆動機構は、ケース部材の内側に配置されるステッピングモータと、ステッピングモータの回転をバッフルに伝達する輪列を備える。輪列の最終段に設けられる扇形歯車がバッフルに連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-211195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のダンパ装置では、ケースの内側に駆動機構が保持される。ダンパ装置を駆動する際、モータの振動がケースに伝達されやすいと、振動による騒音が大きくなるという問題がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、駆動源としてモータを使用するダンパ装置の振動による騒音を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、モータおよび前記モータの回転を前記バッフルに伝達する出力部材を備える駆動機構と、前記隔壁板と結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構を収容するケースと、を有し、前記ケースは、前記隔壁板に対向する底部と、前記隔壁板から前記底部へ向かう方向を第1方向の一方側として前記第1方向と交差する第2方向で対向する第1側板および第2側板と、前記第1側板と前記第2側板とを接続し、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する第3方向で対向する第3側板および第4側板と、前記第1側板と前記第2側板の間において前記底部から前記第1方向の他方側へ突出し、前記モータの外周を囲むモータ保持部と、前記モータ保持部と前記第3側板との間において前記底部から前記第1方向の他方側へ突出し、前記出力部材を回転可能に支持する軸支持部と、前記モータ保持部と前記軸支持部との間において前記第2方向に延びて前記第1側板と前記第2側板に接続される第1リブと、前記軸支持部の前記第2方向の両側において前記第3方向に延びて前記第1リブと交差し、前記第3側板と前記モータ保持部に接続される第2リブと、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、隔壁板との間に駆動機構を収容するケースの内側において、モータの外周を囲む形状のモータ保持部にモータを保持させている。また、出力部材を支持する軸支持部とモータ保持部の間では、第2方向に延びる第1リブと第3方向に延びる第2リブが交差しており、第1リブによって対向する側板同士が繋がるとともに、第2リブによってモータ保持部が側板と繋がる。従って、ケース内の空間が細分化されているので、ケースの剛性が高められており、ケースが振動しにくい。よって、モータの振動がケースに伝達さ
れにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0008】
本発明において、前記軸支持部と前記モータ保持部との間において前記第3方向に延びて前記モータ保持部と前記軸支持部に接続される第3リブを備えることが好ましい。このようにすると、軸支持部がモータ保持部に接続されるので、ケース内の空間をより細分化でき、ケースの剛性をより高めることができる。よって、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0009】
本発明において、前記軸支持部は、前記第3側板に繋がることが好ましい。このようにすると、軸支持部を介してモータ保持部が第3側板と繋がるので、ケースの剛性をさらに高めることができる。よって、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0010】
本発明において、前記モータ保持部は、前記第1側板および前記第2側板に繋がることが好ましい。このようにすると、モータに近い部分の剛性を高めることができる。よって、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0011】
本発明において、前記モータ保持部は、前記第4側板に繋がることが好ましい。このようにすると、モータに近い部分の剛性を高めることができる。よって、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0012】
本発明において、前記底部は、前記モータ保持部の前記隔壁板とは反対側の端部を塞ぐ底板と、前記モータ保持部、前記第1側板、前記第2側板、前記第3側板、および前記第4側板に接続され、前記底板に対して前記隔壁板側に位置する仕切り板と、を備え、前記第1リブおよび前記第2リブは、前記仕切り板から前記第1方向の他方側へ突出することが好ましい。このようにすると、モータ保持部は、底板から第1方向にシフトした部分が仕切り板を介して支持されるため、剛性が高まり、モータの振動が伝達されにくい。従って、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【0013】
本発明において、前記底部は、前記仕切り板から前記第1方向の一方側へ突出する第1外面リブおよび第2外面リブを備え、前記第1外面リブは、前記第2方向に延びて前記第1側板と前記第2側板に接続され、前記第2外面リブは、前記第3方向に延びて前記第2外面リブと交差し、前記第3側板と前記モータ保持部に接続されることが好ましい。このように、底部をリブによって区画された構造にすることで、底部の剛性を確保しながら、ケースの軽量化を図ることができる。
【0014】
本発明に係るダンパ装置は冷蔵庫に用いることができ、冷蔵庫は、冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置される。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、隔壁板との間に駆動機構を収容するケースの内側において、モータの外周を囲む形状のモータ保持部にモータを保持させている。また、出力部材を支持する軸支持部とモータ保持部の間では、第2方向に延びる第1リブと第3方向に延びる第2リブが交差しており、第1リブによって対向する側板同士が繋がるとともに、第2リブによってモータ保持部が側板と繋がる。従って、ケース内の空間が細分化されているので、ケースの剛性が高められており、ケースが振動しにくい。よって、モータの振動がケースに伝達されにくいので、ケースの振動による騒音を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を適用したダンパ装置をバッフルとは反対からみた斜視図である。
図2図1に示すダンパ装置をバッフルの側からみた斜視図である。
図3図1に示すダンパ装置の分解斜視図である。
図4】隔壁板、駆動機構、およびケースの分解斜視図である。
図5】ギアードモータの分解斜視図である。
図6】ケースおよび駆動機構を隔壁板の側から見た平面図、および、ケースを隔壁板の側から見た平面図である。
図7】ケースの断面斜視図(図6(b)のA-A位置で切断した断面斜視図)である。
図8】ケースの断面斜視図(図6(b)のB-B位置で切断した断面斜視図)である。
図9図1に示すダンパ装置を備える冷蔵庫の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。本明細書において、XYZは互いに直交する方向である。バッフル4の回転中心軸線Lに沿う方向をX方向とする。バッフル4により開閉される開口部20はZ方向を向いている。X方向は第1方向であり、Z方向は第2方向であり、Y方向は第3方向である。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2として説明する。
【0018】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したダンパ装置1をバッフル4とは反対側からみた斜視図である。図2は、図1のダンパ装置1をバッフル4の側からみた斜視図である。図3は、図1に示すダンパ装置1の分解斜視図である。図4は、隔壁板23、駆動機構6、およびケース3の分解斜視図である。図5は、ギアードモータ60の分解斜視図である。図6(a)は、ケース3および駆動機構6を隔壁板23の側から見た平面図である。図6(b)は、ケース3を隔壁板23の側から見た平面図である。図7は、ケース3の断面斜視図(図6(b)のA-A位置で切断した断面斜視図)である。図8は、ケース3の断面斜視図(図6(b)のB-B位置で切断した断面斜視図)である。
【0019】
図1図2図3に示すように、ダンパ装置1は、Z方向に開口する開口部20が設けられたフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持されたバッフル4と、フレーム2に結合されたケース3とを有する。フレーム2およびケース3は樹脂製である。バッフル4は、X方向に延びる回転中心軸線L回りに回転して開口部20を開閉する。
【0020】
フレーム2は、開口部20が設けられた枠部21と、枠部21の外縁からZ1方向に突出した角筒状の胴部22と、胴部22におけるX1方向の側板部分と一体に形成される隔壁板23を備える。ケース3は隔壁板23にX1方向から対向する。ケース3と隔壁板23は、ケース3の側面に形成される突起30に隔壁板23の縁からX1方向へ延びるフック24を係合させることにより結合される。隔壁板23とケース3は、バッフル4を駆動する駆動機構6を収容する直方体状の筐体を構成する。
【0021】
フレーム2は、枠部21のX2側の端に配置されて隔壁板23にX方向で対向する側板25を備える。また、フレーム2は、枠部21において開口部20の縁からバッフル4が位置する側(Z1方向)に向けて突出した角筒状のシール板部26を備える。枠部21には、シール板部26を囲むヒータ(図示せず)が取り付けられている。ダンパ装置1は、ヒータに通電して発熱させることより、バッフル4が氷結によって動かなくなることを防止する。
【0022】
バッフル4は、隔壁板23と側板25との間で回転可能に支持される。バッフル4のY2側の縁には、X1側に突出する円柱部41、および、X2側に突出する円柱部42が形成されている。円柱部41の先端には、隔壁板23を貫通する軸穴27からバッフル4に向けて突出した出力部材69の軸部691の先端が嵌まる連結穴(図示せず)が形成されている。円柱部42の先端には、側板25に形成された軸穴(図示せず)に嵌まる軸部44が形成されている。従って、バッフル4は、隔壁板23の軸穴27の中心、および側板25の軸穴の中心を結ぶ軸線を回転中心軸線Lとして回転可能にフレーム2に支持される。
【0023】
バッフル4は、開口部20より大きい樹脂製の開閉板45と、開閉板45の開口部20側の面に貼り付けられた発泡ポリウレタン等からなるシート状の弾性部材46とを有する。バッフル4は、後述する駆動機構6によって駆動されることにより、回転中心軸線L回りに回転して、開口部20を閉鎖する閉位置、および、開口部20を開放する開位置に移動する。閉位置では、弾性部材46がシール板部26に接触する。
【0024】
ダンパ装置1は、例えば、冷気通路を構成するダクト等の内側に配置される。冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部20を通って流れる。また、冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側から開口部20を通って流れることもある。
【0025】
(駆動機構6)
図3図4に示すように、駆動機構6は、ケース3と隔壁板23との間に収容される。駆動機構6は、ギアードモータ60と、ギアードモータ60によって駆動される出力部材69を備える。出力部材69は、ケース3に設けられた軸支持部35に嵌まる軸部691と、軸部691から径方向に張り出した扇形歯車692を備える。出力部材69は、ケース3の軸支持部35によって回転可能に支持される。上記のように、出力部材69の軸部691は、X2方向に延びる先端部が隔壁板23に設けられた軸穴27を貫通し、バッフル4に連結される。
【0026】
図5に示すように、ギアードモータ60は、モータ61と、モータ61の回転を出力部材69に伝達する歯車伝達機構62を備える。モータ61は、有底円筒形の金属製のモータケース63と、モータケース63の開口端を塞ぐ端板64と、モータケース63の内側に配置された円筒状のステータ65と、ステータ65の内側に配置されたロータ(図示せず)と、端板64とステータ65との間に配置された仕切り部材66を備える、モータケース63、ロータおよびステータ65によって、ステッピングモータからなるモータ61が構成される。
【0027】
歯車伝達機構62は、仕切り部材66と端板64との間に配置される複数の歯車からなる輪列621と、輪列621を介して駆動される出力車622を備える。ロータの回転は、輪列621によって減速されて出力車622に伝達される。出力車622は、輪列621の最終段の歯車と噛み合う歯車623と、歯車623の中心からX2方向に延びる軸部624と、端板64に設けられた軸支持部641を貫通してX2方向に突出する軸部624の先端に連結される歯車625(図2参照)とを有する。歯車625は、出力部材69の扇形歯車692と噛み合う。
【0028】
モータ61は、モータケース63の切欠き631に配置される端子台67と、端子台67を覆う端子カバー68を備える。端子台67は、ステータコイル651が巻かれるインシュレータ652の径方向外側に配置され、インシュレータ652と一体形成される。端子台67には、複数本のコネクタ端子70が保持される。複数本のコネクタ端子70は、端子台67の径方向外側においてX1方向へ屈曲し、端子台67と端子カバー68の隙間
においてX1方向へ延びる。コネクタ端子70には、ステータコイル651が電気的に接続される。
【0029】
(ケース)
ケース3は、隔壁板23に対して枠部21とは反対側(X1方向)から対向する底部31と、底部31から隔壁板23の側(X2方向)へ突出した角筒状の筒部32とを有する。底部31および筒部32は、X方向からみたとき、Y方向に長辺が延在し、Z方向に短辺が延在する四角形である。図3図6に示すように、筒部32は、Z方向で対向する第1側板321および第2側板322と、Y方向で対向する第3側板323および第4側板324とを有する。第3側板323は、第1側板321と第2側板322のY2側の端を接続する。第4側板324は、第1側板321と第2側板322のY1側の端を接続する。隔壁板23のフック24に係合する突起30は、第1側板321および第2側板322に形成される。
【0030】
ケース3には、モータ61のコネクタ端子70を隔壁板23とは反対側に向けて露出させるコネクタ挿入口33が設けられている。図3図4に示すように、コネクタ挿入口33は、第4側板324と底部31とが繋がる角部を切り欠いた構造になっている。コネクタ挿入口33に相手側コネクタを挿入すれば、モータ61のコネクタ端子70を相手側コネクタに接続される外部配線に接続して、駆動信号をモータ61に供給することができる。
【0031】
図3図6に示すように、ケース3は、第1側板321と第2側板322の内面に沿ってZ方向に延びる円筒状のボス部34を備える。ボス部34は、底部31からX2方向へ突出し、第1側板321、第2側板322と繋がっている。隔壁板23とケース3とを結合する際、隔壁板23からX1方向に突出する凸部28(図4参照)がボス部34に嵌合する。
【0032】
ケース3は、筒部32の内側に配置される円筒形の軸支持部35およびモータ保持部36を備える。軸支持部35およびモータ保持部36は、底部31から隔壁板23が位置する側(X2方向)へ突出する。軸支持部35とモータ保持部36は、ケース3のZ方向の中央に配置される。軸支持部35は、ケース3の第3側板323側(Y2側)の端に配置される。モータ保持部36は、ケース3の第4側板324側の端に配置される。
【0033】
図6(a)、図6(b)に示すように、モータ保持部36は、モータケース63の外周を囲う円弧部361と、端子カバー68の周方向の両側を囲う一対の直線部362を備える。一対の直線部362は、円弧部361の切欠きからY1方向へ延びて、第4側板324におけるコネクタ挿入口33の周方向の両側に接続される。円弧部361は、第1側板321の内面、および、第2側板322の内面と繋がっている。
【0034】
ギアードモータ60をケース3に組み付ける際、図6(a)に示すように、略円筒形のモータ保持部36の内側にモータケース63を配置する。モータ保持部36における円弧部361の内面には、Z方向に延びるリブ363が形成されている(図8参照)。モータケース63は、外周面がリブ363の先端に接触し、モータ保持部36の内側に軽圧入される。
【0035】
図4に示すように、隔壁板23には、ギアードモータ60の端板64と対向する位置からX1方向に突出する押さえ部29が設けられている。隔壁板23とケース3とを結合すると、押さえ部29がギアードモータ60の端板64にX2側から当接する。
【0036】
(ケースの補強構造)
ケース3の内側には、上記のように、モータ保持部36として略円筒形のリブ形状が設けられている。図3図6に示すように、モータ保持部36はケース3の第4側板324側の端に配置され、第3側板323からは離れている。そのため、モータ保持部36と第3側板323との間には、Z方向に延びる第1リブ37と、Y方向に延びる第2リブ38および第3リブ39が配置され、リブによる補強構造が設けられている。第1リブ37、第2リブ38、および第3リブ39は、ケース3の底部31からX2方向に突出する。第1リブ37、第2リブ38、および第3リブ39の先端は、軸支持部35の先端よりもX1側に位置する(図7参照)。
【0037】
第1リブ37は、モータ保持部36と軸支持部35との間に配置され、第1側板321および第2側板322と繋がる。第2リブ38は、軸支持部35のZ1側およびZ2側の2箇所に配置され、第1リブ37と交差する。2本の第2リブ38は、それぞれ、モータ保持部36および第3側板323と繋がる。第3リブ39は、モータ保持部36と軸支持部35との間においてY方向に延びて、モータ保持部36と軸支持部35とを接続する。軸支持部35は、第3リブ39とは反対側へ延びる第4リブ40を介して第3側板323と繋がる。
【0038】
図7図8に示すように、ケース3の底部31は、モータ保持部36のX1方向の端部を塞ぐ底板311と、底板311に対して隔壁板23側(X2側)に位置する仕切り板312を備える。本形態では、仕切り板312は、ケース3のX方向の略中央に位置する。底板311および仕切り板312は、X方向を法線方向とする板状である。仕切り板312は、モータ保持部36の外側面と、筒部32(第1側板321、第2側板322、第3側板323、第4側板324)の内側面とを接続する。従って、モータ保持部36の外周側では、仕切り板312によって駆動機構6を収容する空間が外部空間から区画される。第1リブ37、第2リブ38、第3リブ39、および第4リブ40は、仕切り板312に接続されており、仕切り板312からX2方向に突出する。
【0039】
ケース3の底部31は、仕切り板312からX1方向へ突出する第1外面リブ313および第2外面リブ314によって補強される。図4に示すように、第1外面リブ313は、モータ保持部36と第3側板323との間でZ方向に延びており、第1側板321と第2側板322に接続される。第2外面リブ314はY方向に延びており、第1外面リブ313と交差する。第2外面リブ314は、等間隔で3本配置され、モータ保持部36と第3側板323とを接続する。第1外面リブ313および第4外面リブ314のX1方向の先端面、筒部32のX1方向の先端面、および底板311は、同一面上に位置する。
【0040】
(冷蔵庫)
図9は、図1に示すダンパ装置1を備える冷蔵庫100の説明図である。図9に示す冷蔵庫100において、冷蔵庫本体110は、複数の貯蔵室111と、複数の貯蔵室111へ冷気を供給する冷気ダクト112とを備えており、冷気ダクト112と貯蔵室111とを連通する冷気取り入れ口113には、本発明を適用したダンパ装置1が設けられている。また、冷蔵庫本体110は、冷気を生成する冷却機114と、冷気ダクト112内に配置されるファン115と、制御装置120とを備えている。制御装置120は、貯蔵室111に設けられたセンサ(不図示)の信号に基づき、ダンパ装置1の開閉動作を制御して、貯蔵室111への冷気の供給タイミングや供給量を調節する。
【0041】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のダンパ装置1は、開口部20を囲む枠部21および枠部21の端に配置される隔壁板23を備えるフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持され、開口部20を開閉するバッフル4と、モータ61およびモータ61の回転をバッフル4に伝達する出力部材69を備える駆動機構6と、隔壁板23と結合され、隔壁板23との間に
駆動機構6を収容するケース3と、を有する。ケース3は、隔壁板23にX方向(第1方向)で対向する底部31と、Z方向(第2方向)で対向する第1側板321および第2側板322と、第1側板321と第2側板322とを接続し、Y方向(第3方向)で対向する第3側板323および第4側板324と、第1側板321と第2側板322の間において底部31からX2方向(第1方向)に突出し、モータ61の外周を囲むモータ保持部36と、モータ保持部36と第3側板323との間において底部31からX2方向(第1方向)に突出し、出力部材69を回転可能に支持する軸支持部35を備える。さらに、ケース3は、モータ保持部36と軸支持部35との間においてZ方向(第2方向)に延びて第1側板321と第2側板322に接続される第1リブ37と、軸支持部35のZ方向の両側においてY方向(第3方向)に延びて第1リブ37と交差し、第3側板323とモータ保持部36に接続される第2リブ38と、を備える。
【0042】
本形態では、フレーム2の隔壁板23に結合されるケース3の内側に駆動機構6を収容するにあたって、モータ61の外周を囲む略円筒形のリブ形状のモータ保持部36にモータ61を保持させている。また、出力部材69を支持する軸支持部35とモータ保持部36の間では、Z方向(第2方向)に延びる第1リブ37とY方向(第3方向)に延びる第2リブ38が交差しており、第1リブ37によって対向する第1側板321と第2側板322が繋がるとともに、第2リブ38によってモータ保持部36が第3側板323と繋がる。従って、ケース3内の空間が細分化されており、ケース3の剛性が高められているので、ケース3が振動しにくく、モータ61の振動がケース3に伝達されにくい。よって、ケース3の振動による騒音を抑制できる。
【0043】
本形態のケース3は、上記の第1リブ37および第2リブ38に加えて、軸支持部35とモータ保持部36との間にY方向(第3方向)に延びる第3リブ39を形成しているので、モータ保持部36と軸支持部35とが繋がる。さらに、軸支持部35と第3側板323とを繋ぐ第4リブ40が設けられており、軸支持部35を介してモータ保持部36と第3側板323とが繋がる。従って、ケース3においてモータ61および出力部材69を支持する部分の剛性が高められているので、ケース3が振動しにくい。よって、ケース3の振動による騒音を抑制できる。
【0044】
本形態のケース3では、モータ保持部36が第1側板321および第2側板322に繋がるとともに、モータ保持部36が第4側板324に繋がっている。従って、モータ61に近い部分の剛性が高く、モータ61の振動がケース3に伝達されにくいので、ケース3の振動による騒音を抑制できる。
【0045】
本形態のケース3の底部31は、モータ保持部36のX1側(隔壁板23とは反対側)の端部を塞ぐ底板311と、モータ保持部36、第1側板321、第2側板322、第3側板323、および第4側板324に接続され、底板311に対してX2側(隔壁板23側)に位置する仕切り板312を備えており、第1リブ37および第2リブ38は、仕切り板312からX2方向(第1方向)へ突出する。従って、モータ保持部36は、底板311からX2方向(第1方向)にシフトした部分が仕切り板312を介して支持されているので、モータ保持部36の剛性が高く、振動しにくい。よって、モータ61の振動がケース3に伝達されにくいので、ケース3の振動による騒音を抑制できる。
【0046】
本形態では、底部31は、仕切り板312からX1方向へ突出する第1外面リブ313および第2外面リブ314を備える。第1外面リブ313は、Z方向に延びて第1側板321と第2側板322に接続され、第2外面リブ314は、Y方向に延びて第2外面リブ314と交差し、第3側板323とモータ保持部36に接続される。このように、底部31をリブにより区画された構造とすることにより、底部31の剛性を確保しつつ、ケース3の軽量化を図ることができる。
【0047】
本形態に係るダンパ装置1は冷蔵庫100に用いることができ、冷蔵庫100は、冷却機114と、冷却機114で発生した冷気が供給される貯蔵室111と、を有し、ダンパ装置1は、貯蔵室111における冷気取り入れ口113に配置される。
【0048】
(他の実施の形態)
上記実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、ケース3の底部31において、仕切り板312のX方向の位置は適宜変更可能である。また、上述した実施の形態におけるダンパ装置1は、冷蔵庫用であるが、必ずしも、冷蔵庫に用いられるダンパ装置に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0049】
1…ダンパ装置、2…フレーム、3…ケース、4…バッフル、6…駆動機構、20…開口部、21…枠部、22…胴部、23…隔壁板、24…フック、25…側板、26…シール板部、27…軸穴、28…凸部、29…押さえ部、30…突起、31…底部、32…筒部、33…コネクタ挿入口、34…ボス部、35…軸支持部、36…モータ保持部、37…第1リブ、38…第2リブ、39…第3リブ、40…第4リブ、41、42…円柱部、44…軸部、45…開閉板、46…弾性部材、60…ギアードモータ、61…モータ、62…歯車伝達機構、63…モータケース、64…端板、65…ステータ、66…仕切り部材、67…端子台、68…端子カバー、69…出力部材、70…コネクタ端子、100…冷蔵庫、110…冷蔵庫本体、111…貯蔵室、112…冷気ダクト、113…冷気取り入れ口、114…冷却機、115…ファン、120…制御装置、311…底板、312…仕切り板、313…第1外面リブ、314…第2外面リブ、321…第1側板、322…第2側板、323…第3側板、324…第4側板、361…円弧部、362…直線部、363…リブ、621…輪列、622…出力車、623…歯車、624…軸部、625…歯車、641…軸支持部、651…ステータコイル、652…インシュレータ、691…軸部、692…扇形歯車、L…回転中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9