(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120658
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ダンパ装置および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20230823BHJP
F24F 13/10 20060101ALI20230823BHJP
F24F 13/14 20060101ALI20230823BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
F25D17/08 313
F24F13/10 A
F24F13/14 H
F24F13/14 D
H05K1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023623
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】横江 悟
【テーマコード(参考)】
3L081
3L345
5E336
【Fターム(参考)】
3L081AA03
3L081AB06
3L081FA07
3L081HA01
3L081HB04
3L345AA02
3L345AA13
3L345DD04
3L345KK04
5E336AA01
5E336AA11
5E336BC04
5E336CC01
5E336CC51
5E336EE01
5E336GG30
(57)【要約】
【課題】ヒータを備えたダンパ装置の配線作業の簡易化および導通不良の低減を図る。
【解決手段】ダンパ装置1は、バッフル4により開閉される開口部20を備えるフレーム2と、隔壁板23との間に駆動機構6を収容するケース3と、開口部20を囲む枠部21に固定されるヒータ9を備える。モータ61およびヒータ9の配線は、リード線を使用せずに配線基板8を用いて行う。すなわち、駆動機構6を収容したケース3に配線基板8を組み付ける際、ケース3の外部接続用端子部材37とモータ61のモータ用端子部材70を同時に配線基板8の穴に挿入して配線基板8に接続し、次に配線基板8の上からヒータ9に接続されるヒータ用端子部材10を配線基板8の穴に挿入して配線基板8に接続する。このような構成により、配線作業を簡易化できる。また、リード線や半田付け箇所に応力がかかることによる導通不良が低減する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、
前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、
前記バッフルを駆動するモータを備える駆動機構と、
前記フレームと結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構および配線基板を収容するケースと、
前記枠部に固定されるヒータと、
前記配線基板と前記ヒータとを接続するヒータ用端子部材と、を有し、
前記ケースは、前記隔壁板の側に突出する外部接続用端子部材を保持し、
前記モータは、前記外部接続用端子部材と同じ方向に突出するモータ用端子部材を保持し、
前記配線基板は、
前記外部接続用端子部材が挿入される第1穴と、
前記モータ用端子部材が前記外部接続用端子部材と同じ方向から挿入される第2穴と、
前記ヒータ用端子部材が前記外部接続用端子部材および前記モータ用端子部材とは逆の方向から挿入される第3穴と、を備えることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
前記モータは、モータケースと、前記モータケースの外周側に突出する端子台を備え、
前記ケースは、前記隔壁板の側から見て前記モータケースに対して前記端子台とは反対側に配置される端子部材保持部を備え、
前記配線基板は、前記端子部材保持部に前記隔壁板の側から当接する第1部分と、前記端子台に前記隔壁板の側から当接する第2部分と、前記モータケースの外周側を前記第1部分から前記第2部分まで延びる第3部分と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のダンパ装置。
【請求項3】
前記モータは、前記端子台を覆う端子カバーを備え、
前記ヒータ用端子部材は、前記端子カバーに保持されることを特徴とする請求項2に記載のダンパ装置。
【請求項4】
前記ケースは、ケース部材および前記ケース部材に保持されるコネクタ部材を備え、
前記端子部材保持部は、前記コネクタ部材からなり、
前記外部接続用端子部材は、前記コネクタ部材から前記隔壁板の側に突出し、
前記ケース部材は、前記コネクタ部材を前記ケースの外面に露出させるコネクタ挿入口を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記ヒータは、前記隔壁板側の端部に設けられた突出部を備え、前記突出部の表面に導通部が露出し、
前記ヒータ用端子部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通されて前記ケースの内側へ延びる前記突出部を挟むコンタクト部を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記コンタクト部は、板ばね部であることを特徴とする請求項5に記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記ヒータ用端子部材は、前記ヒータに固定される第1部材と、前記配線基板に接続される第2部材と、を備え、
前記第1部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通され、
前記第2部材は、前記第1部材の先端に設けられたコンタクト部に保持されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項8】
前記ヒータ用端子部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通されて前記隔壁板と前記開口部との間に延びるコンタクト部を備え、
前記コンタクト部は、前記ヒータの表面に露出する導通部に弾性接触する板ばね部であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項9】
前記貫通部を塞ぐ封止材を備えることを特徴とする請求項5から8の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項10】
前記枠部は、前記ヒータに覆われる表面から突出する位置決め凸部を備え、
前記位置決め凸部の先端面には、前記先端面に当接する前記ヒータを固定する熱融着部が設けられていることを特徴とする請求項5から9の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載のダンパ装置を備えた冷蔵庫であって、
冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、
前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置されることを特徴とする冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパ装置および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫の冷気通路等に配置されるダンパ装置は、開口部が設けられた枠部を備えるフレームと、フレームに回転可能に支持されたバッフルと、バッフルを駆動する駆動機構とを有しており、駆動機構は、枠部の端に設けられた隔壁板に結合されるケース部材の内側に収容される。フレームには、バッフルが枠部に氷結して動かなくなることを防止するために、開口部を囲むようにヒータが配置される。ヒータに通電するためのリード線は、隔壁板に沿って引き回され、ケースの内側においてモータ用の配線に合流して、モータ用の配線と共にケースの外側へ引き出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のダンパ装置では、モータ用の配線とヒータ用の配線がいずれもリード線によって構成されるため、ダンパ装置を組み立てる際、リード線を引き回す作業が必要となる。そのため、組立作業の自動化が難しく、組立作業の簡易化が困難である。また、リード線を引き回す際、半田付け箇所やリード線に応力がかかりやすく、導通不良が発生するおそれがある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、氷結防止用のヒータを備えたダンパ装置の配線作業の簡易化および導通不良の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るダンパ装置は、開口部を囲む枠部および前記枠部の端に配置される隔壁板を備えるフレームと、前記フレームに回転可能に支持され、前記開口部を開閉するバッフルと、前記バッフルを駆動するモータを備える駆動機構と、前記フレームと結合され、前記隔壁板との間に前記駆動機構および配線基板を収容するケースと、前記枠部に固定されるヒータと、前記配線基板と前記ヒータとを接続するヒータ用端子部材と、を有し、前記ケースは、前記隔壁板の側に突出する外部接続用端子部材を保持し、前記モータは、前記外部接続用端子部材と同じ方向に突出するモータ用端子部材を保持し、前記配線基板は、前記外部接続用端子部材が挿入される第1穴と、前記モータ用端子部材が前記外部接続用端子部材と同じ方向から挿入される第2穴と、前記ヒータ用端子部材が前記外部接続用端子部材および前記モータ用端子部材とは逆の方向から挿入される第3穴と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明では、フレームの隔壁板に結合されるケースの内側にモータを備える駆動機構が収容されるとともに、フレームの枠部にヒータが固定される。ケースの内側には駆動機構とともに配線基板が収容され、配線基板にモータ用端子部材とヒータ用端子部材が接続されるので、リード線を使用せずにモータおよびヒータの配線を外部接続用端子部材に接続でき、配線作業が容易である。すなわち、ケースおよびモータのそれぞれに設けられた端子部材(外部接続用端子部材、モータ用端子部材)は同じ側に突出するので、駆動機構を収容したケースに配線基板を組み付ける際、外部接続用端子部材とモータ用端子部材を同
時に第1穴と第2穴に挿入して配線基板に接続することができる。次に、配線基板の上からヒータ用端子部材を第3穴に挿入して配線基板に接続することができる。最後に、隔壁板をケースに結合する際、フレーム側に配置されるヒータにヒータ用端子部材を接続することができる。よって、1方向からの配線基板および端子部材の組み付けによってモータおよびヒータの配線作業を同時に行うことができるので、配線作業を簡易化できる。また、リード線を使用しないため、リード線や半田付け箇所に応力がかかることによる導通不良を低減させることができる。
【0008】
本発明において、前記モータは、モータケースと、前記モータケースの外周側に突出する端子台を備え、前記ケースは、前記隔壁板の側から見て前記モータケースに対して前記端子台とは反対側に配置される端子部材保持部を備え、前記配線基板は、前記端子部材保持部に前記隔壁板の側から当接する第1部分と、前記端子台に前記隔壁板の側から当接する第2部分と、前記モータケースの外周側を前記第1部分から前記第2部分まで延びる第3部分と、を備えることが好ましい。このようにすると、モータケースを挟んで離れた位置に設けられているモータ側の端子台とケース側の端子部材保持部を1枚の配線基板によって接続できるので、離れた位置に配置される端子間をリード線で接続する場合と比較して配線作業を簡素化できる。
【0009】
本発明において、前記モータは、前記端子台を覆う端子カバーを備え、前記ヒータ用端子部材は、前記端子カバーに保持されることが好ましい。このようにすると、ヒータ用端子部材と配線基板との半田付け作業を容易に行うことができる。また、ケースとフレームとを結合する際、ヒータ用端子部材とヒータとの接続を容易に行うことができる。
【0010】
本発明において、前記ケースは、ケース部材および前記ケース部材に保持されるコネクタ部材を備え、前記端子部材保持部は、前記コネクタ部材からなり、前記外部接続用端子部材は、前記コネクタ部材から前記隔壁板の側に突出し、前記ケース部材は、前記コネクタ部材を前記ケースの外面に露出させるコネクタ挿入口を備えることが好ましい。このようにすると、ダンパ装置に対する外部配線の接続を、外部接続用端子部材に対する相手側コネクタの着脱によって容易に行うことができる。
【0011】
本発明において、前記ヒータは、前記隔壁板側の端部に設けられた突出部を備え、前記突出部の表面に導通部が露出し、前記ヒータ用端子部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通されて前記ケースの内側へ延びる前記突出部を挟むコンタクト部を備えることが好ましい。このようにすると、ケースとフレームとを結合する際、同時にコンタクト部にヒータの突出部が挟まれるように構成できるので、ヒータ線の配線作業が容易である。
【0012】
本発明において、前記コンタクト部は、板ばね部であることが好ましい。このようにすると、ばね性を利用して、ヒータ用端子部材をヒータの導通部に確実に接触させて導通をとることができる。
【0013】
本発明において、前記ヒータ用端子部材は、前記ヒータに固定される第1部材と、前記配線基板に接続される第2部材と、を備え、前記第1部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通され、前記第2部材は、前記第1部材の先端に設けられたコンタクト部に保持されることが好ましい。このようにすると、ケースとフレームとを結合する際、フレーム側(隔壁板側)に保持される第1部材と、ケース側に保持される第2部材とを結合することによってヒータと配線基板とを接続できる。よって、シート状のヒータを金属製のヒータ用端子部材のコンタクト部に差し込む方法で接続する場合と比較して、確実に導通をとりやすい。
【0014】
本発明において、前記ヒータ用端子部材は、前記隔壁板を貫通する貫通部に通されて前
記隔壁板と前記開口部との間に延びるコンタクト部を備え、前記コンタクト部は、前記ヒータの表面に露出する導通部に弾性接触する板ばね部であることが好ましい。このようにすると、隔壁板の貫通部にシート状のヒータでなく金属製の端子部材を通せばよいので、配線作業を容易できる。また、ヒータと端子部材との導通箇所がケースと隔壁板によって構成される密閉構造の外側に配置されるので、導通箇所を目視で確認できる。
【0015】
本発明において、前記貫通部を塞ぐ封止材を備えることが好ましい。このようにすると、駆動機構が配置される空間に貫通部から水分が侵入することを防止あるいは抑制できる。
【0016】
本発明において、前記枠部は、前記ヒータに覆われる表面から突出する位置決め凸部を備え、前記位置決め凸部の先端面には、前記先端面に当接する前記ヒータを固定する熱融着部が設けられていることが好ましい。このようにすると、ヒータを適正な位置に位置決めできるので、ヒータに設けられた導通部をヒータ用端子部材に適正に接触させることができる。あるいは、ヒータに固定される第1部材を、配線基板に半田付けされる第2部材に適正に接触させることができる。
【0017】
本発明に係るダンパ装置は冷蔵庫に用いることができ、冷蔵庫は、冷却機と、前記冷却機で発生した冷気が供給される貯蔵室と、を有し、前記ダンパ装置は、前記貯蔵室における冷気取り入れ口に配置される。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、フレームの隔壁板に結合されるケースの内側にモータを備える駆動機構が収容されるとともに、フレームの枠部にヒータが固定される。ケースの内側には駆動機構とともに配線基板が収容され、配線基板にモータ用端子部材とヒータ用端子部材が接続されるので、リード線を使用せずにモータおよびヒータの配線を外部接続用端子部材に接続でき、配線作業が容易である。すなわち、ケースおよびモータのそれぞれに設けられた端子部材(外部接続用端子部材、モータ用端子部材)は同じ側に突出するので、駆動機構を収容したケースに配線基板を組み付ける際、外部接続用端子部材とモータ用端子部材を同時に第1穴と第2穴に挿入して配線基板に接続することができる。次に、配線基板の上からヒータ用端子部材を第3穴に挿入して配線基板に接続することができる。最後に、隔壁板をケースに結合する際、フレーム側に配置されるヒータにヒータ用端子部材を接続することができる。よって、1方向からの配線基板および端子部材の組み付けによってモータおよびヒータの配線作業を同時に行うことができるので、配線作業を簡易化できる。また、リード線を使用しないため、リード線や半田付け箇所に応力がかかることによる導通不良を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明を適用したダンパ装置をバッフルの側からみた斜視図である。
【
図3】ケース、ギアードモータ、および配線基板の分解斜視図である。
【
図5】ギアードモータおよびヒータの配線接続構造を示す斜視図である。
【
図6】ヒータの導通部とヒータ用端子部材との接続状態を示す断面図(
図1のA-A位置で切断した断面図)、および、ヒータの固定箇所を示す断面図(
図1のB-B位置で切断した断面図)である。
【
図7】ギアードモータ、配線基板、およびヒータ用端子部材の斜視図である。
【
図8】ギアードモータ、配線基板、およびヒータ用端子部材の分解斜視図である。
【
図9】
図1に示すダンパ装置を備える冷蔵庫の説明図である。
【
図10】変形例1のヒータ用端子部材を用いた配線構造の説明図およびヒータ用端子部材の断面図である。
【
図11】変形例2のヒータ用端子部材を用いた配線構造の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明を適用した冷蔵庫用のダンパ装置について説明する。本明細書において、XYZは互いに直交する方向である。バッフル4の回転中心軸線Lに沿う方向をX方向とする。バッフル4により開閉される開口部20はZ方向を向いている。また、X方向の一方側をX1とし、X方向の他方側をX2とし、Y方向の一方側をY1とし、Y方向の他方側をY2とし、Z方向の一方側をZ1とし、Z方向の他方側をZ2として説明する。
【0021】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したダンパ装置1をバッフル4の側からみた斜視図である。
図2は、
図1に示すダンパ装置1の分解斜視図である。
図3は、ケース3、ギアードモータ60、および配線基板8の分解斜視図である。
図4は、ギアードモータ60の分解斜視図である。
図5は、ギアードモータ60およびヒータ9の配線接続構造を示す斜視図である。
【0022】
図1、
図2に示すように、ダンパ装置1は、Z方向に開口する開口部20が設けられたフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持されたバッフル4と、フレーム2に結合されたケース3とを有する。フレーム2およびケース3は樹脂製である。バッフル4は、X方向に延びる回転中心軸線L回りに回転して開口部20を開閉する。
【0023】
フレーム2は、開口部20が設けられた枠部21と、枠部21の外縁からZ1方向に突出した角筒状の胴部22と、胴部22におけるX1方向の側板部分と一体に形成される隔壁板23と、隔壁板の外縁から枠部21とは反対側(X1側)へ向けて突出した角筒状の筒部24を備える。後述するように、ケース3は隔壁板23にX1方向から対向し、筒部24に結合される。例えば、図示しないフックを筒部24に形成してケース3に設けられた突起に係止することにより、筒部24にケース3を結合することができる。隔壁板23、筒部24、およびケース3は、バッフル4を駆動する駆動機構6を収容する直方体状の筐体を構成する。
【0024】
フレーム2は、枠部21のX2側の端に配置されて隔壁板23にX方向で対向する側板25を備える。また、フレーム2は、枠部21において開口部20の縁からバッフル4が位置する側(Z1方向)に向けて突出した角筒状のシール板部26を備える。枠部21には、シール板部26を囲む矩形状のヒータ9が取り付けられている。ダンパ装置1は、ヒータ9に通電して発熱させることより、バッフル4が氷結によって動かなくなることを防止する。
【0025】
バッフル4は、隔壁板23と側板25との間で回転可能に支持される。バッフル4のY2側の縁には、X1側に突出する円柱部41、および、X2側に突出する円柱部42が形成されている。円柱部41の先端には、隔壁板23からバッフル4に向けて突出した円筒状の突部27が嵌まる筒状部43が形成されている。円柱部42の先端には、側板25に形成された軸穴28に嵌まる軸部44が形成されている。従って、バッフル4は、突部27の中心と軸穴28の中心とを結ぶ軸線を回転中心軸線Lとして回転可能にフレーム2に支持される。
【0026】
バッフル4は、開口部20より大きい樹脂製の開閉板45と、開閉板45の開口部20側の面に貼り付けられた発泡ポリウレタン等からなるシート状の弾性部材46とを有する。バッフル4は、後述する駆動機構6によって駆動されることにより、回転中心軸線L回りに回転して、開口部20を閉鎖する閉位置、および、開口部20を開放する開位置に移
動する。閉位置では、弾性部材46がシール板部26に接触する。
【0027】
ダンパ装置1は、例えば、冷気通路を構成するダクト等の内側に配置される。冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側とは反対から開口部20を通って流れる。また、冷気は、開口部20に対してバッフル4が配置されている側から開口部20を通って流れることもある。
【0028】
(ケース)
図2、
図3に示すように、ケース3は、隔壁板23に対して枠部21とは反対側(X1方向)から対向する底板31と、底板31から隔壁板23の側に突出した角筒状の筒部32とを有する。底板31および筒部32は、X方向からみたとき、Y方向に長辺が延在し、Z方向に短辺が延在する四角形である。筒部32は、Z方向で対向する側板321、322と、Y方向で対向する側板323、324とを有する。筒部32の内側には、円筒状の軸支持部33と、一対の支持板部34、35が配置される。軸支持部33および支持板部34、35は、底板31からX2方向に突出する。
【0029】
図3に示すように、ケース3は、底板31および筒部32を備えたケース部材30と、ケース部材30に保持されるコネクタ部材36を備える。コネクタ部材36は、ケース部材30の側板321に設けられた切欠き部325に配置される。コネクタ部材36には、金属製の端子ピンからなる外部接続用端子部材37が保持される。外部接続用端子部材37は、コネクタ部材36から隔壁板23の側(X2方向)に突出する。コネクタ部材36には、6本の外部接続用端子部材37がY方向に並んだ状態で保持される。6本の外部接続用端子部材37のうちの4本は駆動機構6に接続され、2本はフレーム2の枠部21に取り付けられたヒータ9に接続される。
【0030】
ケース3の底板31には、コネクタ部材36にX1側から対向する部分を切り欠いたコネクタ挿入口38が設けられている。コネクタ部材36のX1側の端部は、コネクタ挿入口38からケース3の外面に露出する。従って、コネクタ部材36に対して相手側コネクタを着脱して、外部接続用端子部材37を給電線や信号線などの外部配線に接続することが可能である。
【0031】
(駆動機構6)
図2に示すように、駆動機構6は、ケース3と隔壁板23との間に収容される。駆動機構6は、ギアードモータ60と、ギアードモータ60によって駆動される出力部材69を備える。出力部材69は、ケース3の軸支持部33に嵌まる軸部691と、軸部691から径方向に張り出した扇形歯車692を備える。出力部材69は、ケース3の軸支持部33を介して底板31によって回転可能に支持される。軸部691は、X2方向に延びる先端部が隔壁板23に設けられた円筒状の突部27を貫通し、バッフル4の円柱部41の内側に設けられた連結穴に嵌まる。これにより、出力部材69にバッフル4が連結される。
【0032】
図4に示すように、ギアードモータ60は、モータ61と、モータ61の回転を出力部材69に伝達する歯車伝達機構62を備える。モータ61は、有底円筒形の金属製のモータケース63と、モータケース63の開口端を塞ぐ端板64と、モータケース63の内側に配置された円筒状のステータ65と、ステータ65の内側に配置されたロータ(図示せず)と、端板64とステータ65との間に配置された仕切り部材66を備える、モータケース63、ロータおよびステータ65によって、ステッピングモータからなるモータ61が構成される。
【0033】
歯車伝達機構62は、仕切り部材66と端板64との間に配置される複数の歯車からなる輪列621と、輪列621を介して駆動される出力車622を備える。ロータの回転は
、輪列621によって減速されて出力車622に伝達される。出力車622は、輪列621の最終段の歯車と噛み合う歯車623と、歯車623の中心からX2方向に延びる軸部624と、端板64に設けられた軸支持部641を貫通してX2方向に突出する軸部624の先端に連結される歯車625(
図2参照)とを有する。歯車625は、出力部材69の扇形歯車692と噛み合う。
【0034】
モータ61は、モータケース63の外周側に突出する端子台67と、端子台67を覆う端子カバー68を備える。端子カバー68は、モータケース63の切欠き631に配置される。端子台67は、ステータコイル651が巻かれるインシュレータ652の径方向外側に配置され、インシュレータ652と一体形成される。端子台67には、金属製の端子ピンからなるモータ用端子部材70が保持される。複数本のモータ用端子部材70は、先端をX2方向へ向けて端子台67から突出する。モータ用端子部材70には、ステータコイル651が電気的に接続される。
【0035】
ギアードモータ60をケース3の内側に配置する際、ケース3に設けられた一対の支持板部34、35の間にモータケース63を配置し、端板64の縁に設けられた2箇所の凹部642に支持板部34、35の先端に設けられた凸部341、351を嵌合させる。これにより、モータケース63がケース3に対して位置決めされる。
【0036】
(配線基板)
隔壁板23とケース3との間には、配線基板8が配置される。
図5に示すように、配線基板8は、全体としてモータケース63の外周側を囲む形状をしている。配線基板8は、ケース3に配置されるコネクタ部材36に隔壁板23の側(X2側)から当接する第1部分81と、モータ61に設けられた端子カバー68にX2側から当接する第2部分82と、モータケース63の外周側を第1部分81から第2部分82まで延びる第3部分83を備える。
【0037】
コネクタ部材36と端子台67は、X2方向から見た場合に、モータケース63に対して反対側に配置される。
図3、
図5に示すように、ケース3はX2方向から見て矩形であり、コネクタ部材36は、ケース3の角部に配置される。端子台67は、コネクタ部材36が配置される角部に対して対角方向に位置する。配線基板8は、コネクタ部材36からケース3の側板324に沿ってZ2方向に延びてY1方向に屈曲し、側板321に沿って端子台67まで延びている。
【0038】
図3に示ように、配線基板8は、第1部分81を貫通する6箇所の第1穴84と、第2部分82を貫通する5箇所の第2穴85と、第3部分83を貫通する2箇所の第3穴86を備える。配線基板8には、第1部分81から第2部分82および第3部分83まで延びる配線パターンが形成される。配線パターンは、第1穴84と第2穴85とを接続するモータ用配線パターン87、および、第1穴84と第3穴86とを接続するヒータ用配線パターン88を含む。
【0039】
従って、第1穴84に外部接続用端子部材37を半田付けし、第2穴85にモータ用端子部材70を半田付けすることにより、配線基板8を介してモータ61への給電を行うことができる。また、第3穴86に後述するヒータ用端子部材10を半田付けすることにより、配線基板8およびヒータ用端子部材10を介してヒータ9への給電を行うことができる。
【0040】
(ヒータ)
図1に示すように、フレーム2の枠部21においてバッフル4が位置する側(Z1側)の表面210には、開口部20を囲む矩形状のヒータ9が取り付けられる。ヒータ9は、
2枚の透明な絶縁フィルム90の間にヒータ線91を封止した可撓性のヒータシートである。
図2に示すように、枠部21は、ヒータ9に覆われる表面210から突出する溶着用凸部211を備える。ヒータ9は、溶着用凸部211を絶縁フィルム90の穴94に通すことにより枠部21に位置決めされる。溶着用凸部211の先端を潰した熱融着部212を形成することにより、ヒータ9が枠部21に固定される(
図6(b)参照)。
【0041】
図6は、ヒータ9の導通部93とヒータ用端子部材10との接続状態を示す断面図(
図1のA-A位置で切断した断面図)、および、ヒータ9の固定箇所を示す断面図(
図1のB-B位置で切断した断面図)である。
図2、
図5に示すように、ヒータ9は、隔壁板23側(X1方向)の端縁からX1方向に突出する2箇所の突出部92を備える。各突出部92には、絶縁フィルム90の表面に露出するヒータ線91の導通部93が設けられている。
図5に示すように、2箇所の導通部93のそれぞれは、ヒータ用端子部材10を介して配線基板8のヒータ用配線パターン88に接続される。
【0042】
図2、
図6(a)に示すように、フレーム2には、隔壁板23を貫通する貫通部95が2箇所に形成されている。
図6(a)に示すように、ヒータ9に設けられた2箇所の突出部92は、それぞれ、隔壁板23の貫通部95に通され、隔壁板23とケース3との間の空間に延びている。突出部92と貫通部95との隙間は、接着剤などの封止材96によって塞がれる。
【0043】
図2に示すように、枠部21の表面210に形成される複数の溶着用凸部211のうちで隔壁板23に沿う位置に設けられた2箇所の溶着用凸部211は、枠部21の表面210から突出する位置決め凸部213の先端面214から突出する。
図6(b)に示すように、位置決め凸部213の先端面214にヒータ9を当接させることにより、ヒータ9のX1方向の端縁がZ方向に位置決めされる。これにより、突出部92がZ方向において適正に位置決めされるため、突出部92が隔壁板23の貫通部95を適正に通過する。
【0044】
(ヒータ用端子部材)
図7は、ギアードモータ60、配線基板8、およびヒータ用端子部材10の斜視図である。
図8は、ギアードモータ60、配線基板8、およびヒータ用端子部材10の分解斜視図である。
図8に示すように、ヒータ用端子部材10は、配線基板8に接続される端子部11と、ヒータ9の導通部93に接触するコンタクト部12と、端子部11とコンタクト部12とを接続するアーム部13を備える。ヒータ用端子部材10は、金属の曲げ加工により形成される。
【0045】
図7に示すように、端子部11は、Z方向に延びるアーム部13のZ2方向の端からX1方向に突出し、先端部が配線基板8の第3穴86に挿通される。端子部11の先端は、第3穴86に半田付けされる。コンタクト部12は、アーム部13のZ1方向の端からX2方向へ延びる一対の板ばね部である。一対の板ばね部は、X方向の中央部分が互いに接近する方向に屈曲している。
図6(a)に示すように、ヒータ9の突出部92を隔壁板23の貫通部95からX1方向に挿入すると、コンタクト部12を構成する一対の板ばね部の間に突出部92が挿入される。これにより、突出部92の表面に露出する導通部93に対して板ばね部が弾性接触するため、ヒータ線91がヒータ用端子部材10と導通する。
【0046】
図7に示すように、ヒータ用端子部材10は、モータ61の端子台67を覆う端子カバー68に保持される。
図4に示すように、端子カバー68は、端子台67の径方向外側および周方向の両側を囲う端子カバー本体71と、端子カバー本体71のX2方向の端から径方向外側へ突出した支持板72と、支持板72からX2方向へ突出する端子保持部73を備える。端子保持部73は、Y方向に離れた2箇所に形成されている。
【0047】
端子保持部73にヒータ用端子部材10のアーム部13をX2方向から挿入すると、ヒータ用端子部材10は、端子部11の先端部がX1方向を向いた姿勢で端子カバー68に保持される。配線基板8は、支持板72に対してX1側に位置する。従って、支持板72に当接する位置までアーム部13を挿入すると、端子部11の先端が配線基板8の第3穴86にX2側から挿入される。
【0048】
(冷蔵庫)
図9は、
図1に示すダンパ装置1を備えた冷蔵庫100の説明図である。
図9に示す冷蔵庫100において、冷蔵庫本体110は、複数の貯蔵室111と、複数の貯蔵室111へ冷気を供給する冷気ダクト112とを備えており、冷気ダクト112と貯蔵室111とを連通する冷気取り入れ口113には、本発明を適用したダンパ装置1が設けられている。また、冷蔵庫本体110は、冷気を生成する冷却機114と、冷気ダクト112内に配置されるファン115と、制御装置120とを備えている。制御装置120は、貯蔵室111に設けられたセンサ(不図示)の信号に基づき、ダンパ装置1の開閉動作を制御して、貯蔵室111への冷気の供給タイミングや供給量を調節する。
【0049】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のダンパ装置1は、開口部20を囲む枠部21および枠部21の端に配置される隔壁板23を備えるフレーム2と、フレーム2に回転可能に支持され、開口部20を開閉するバッフル4と、バッフル4を駆動するモータ61を備える駆動機構6と、フレーム2と結合され、隔壁板23との間に駆動機構6および配線基板8を収容するケース3と、枠部21に固定されるヒータ9と、配線基板8とヒータ9とを接続するヒータ用端子部材10と、を有する。ケース3は、隔壁板23の側(X2方向)に突出する外部接続用端子部材37を保持する。モータ61は、外部接続用端子部材37と同じ方向(X2方向)に突出するモータ用端子部材70を保持する。配線基板8は、外部接続用端子部材37がX1方向から挿入される第1穴84と、モータ用端子部材70が外部接続用端子部材37と同じ方向(X1方向)から挿入される第2穴85と、ヒータ用端子部材10が外部接続用端子部材37およびモータ用端子部材70とは逆の方向(X2方向)から挿入される第3穴86と、を備える。
【0050】
本形態では、フレーム2の隔壁板23に結合されるケース3の内側にモータ61を備える駆動機構6が収容されるとともに、フレーム2の枠部21にヒータ9が固定される。ケース3の内側には駆動機構6とともに配線基板8が収容され、配線基板8にモータ用端子部材70とヒータ用端子部材10が接続されるので、リード線を使用せずにモータ61およびヒータ9の配線を外部接続用端子部材37に接続できる。すなわち、ケース3およびモータ61に設けられた端子部材(外部接続用端子部材37、モータ用端子部材70)は同じ側(X2方向)に突出するので、駆動機構6を収容したケース3に配線基板8を組み付ける際、外部接続用端子部材37とモータ用端子部材70を同時に第1穴84と第2穴85に挿入して配線基板8に接続することができる。次に、配線基板8の上からヒータ用端子部材10を第3穴86に挿入して配線基板8に接続することができる。最後に、隔壁板23をケース3に結合する際、フレーム側に配置されるヒータ9にヒータ用端子部材10を接続することができる。よって、1方向からの配線基板8およびヒータ用端子部材10の組み付けによってモータ61およびヒータ9の配線作業を同時に行うことができるので、配線作業を簡易化できる。また、リード線を使用しないため、リード線や半田付け箇所に応力がかかることによる導通不良を低減させることができる。さらに、リード線が不要になるので、コスト削減を図ることができる。
【0051】
本形態のモータ61は、モータケース63と、モータケース63の外周側に突出する端子台67を備える。ケース3は、隔壁板23の側から見てモータケース63に対して端子台67とは反対側に配置される端子部材保持部(コネクタ部材36)を備える。配線基板
8は、コネクタ部材36に隔壁板23の側から当接する第1部分81と、端子台67に隔壁板23の側から当接する第2部分82と、モータケース63の外周側を第1部分81から第2部分82まで延びる第3部分83と、を備える。従って、モータケース63を挟んで離れた位置に設けられている端子台67とコネクタ部材36を1枚の配線基板8によって接続できるので、離れた位置に配置される端子間をリード線で接続する場合と比較して配線作業を簡素化できる。
【0052】
本形態のモータ61は、端子台67を覆う端子カバー68を備え、ヒータ用端子部材10は、端子カバー68に保持される。従って、ヒータ用端子部材10と配線基板8との半田付け作業を容易に行うことができる。また、ケース3とフレーム2とを結合する際、ヒータ用端子部材10とヒータ9との接続を容易に行うことができる。
【0053】
本形態のケース3は、ケース部材30およびケース部材30に保持されるコネクタ部材36を備えており、コネクタ部材36によって端子部材保持部が構成される。外部接続用端子部材37は、コネクタ部材36から隔壁板23の側に突出し、ケース部材30は、コネクタ部材36をケース3の外面に露出させるコネクタ挿入口38を備える。従って、ダンパ装置1に対する外部配線の接続を、外部接続用端子部材37に対する相手側コネクタの着脱によって容易に行うことができる。なお、端子部材保持部(コネクタ部材36)は、ケース部材30と一体に形成されていてもよい。
【0054】
本形態のヒータ9は、隔壁板23側の端部からX1方向へ突出する突出部92を備えており、突出部92の表面に導通部93が露出する。ヒータ用端子部材10は、隔壁板23を貫通する貫通部95に通されてケース3の内側へ延びる突出部92を挟むコンタクト部12を備える。従って、ケース3とフレーム2とを結合する際、コンタクト部12にヒータ9の突出部92を挿入できるので、ヒータ9線の配線作業が容易である。
【0055】
本形態では、ヒータ用端子部材10のコンタクト部12は板ばね部であるため、金属のばね性を利用して、コンタクト部12と導通部93とを確実に接触させることができる。
【0056】
本形態では、貫通部95を接着剤なとの封止材96によって塞ぐ。従って、駆動機構6が配置される空間に貫通部95から水分が侵入することを防止あるいは抑制できる。
【0057】
本形態の枠部21には、ヒータ9に覆われる表面(Z1側の表面210)から突出する位置決め凸部213が設けられている。また、位置決め凸部213の先端面214には、先端面214に当接するヒータ9を固定する熱融着部212が設けられている。従って、ヒータ9をZ方向で適正な位置に位置決めして固定できるので、ヒータ9に設けられた突出部92を隔壁板23の貫通部95に適正に通すことができる。よって、突出部92に設けられた導通部93をヒータ用端子部材10に適正に接触させることができる。
【0058】
本形態に係るダンパ装置1は冷蔵庫100に用いることができ、冷蔵庫100は、冷却機114と、冷却機114で発生した冷気が供給される貯蔵室111と、を有し、ダンパ装置1は、貯蔵室111における冷気取り入れ口113に配置される。
【0059】
(変形例)
(1)
図10(a)は、変形例1のヒータ用端子部材10Aを用いた配線構造の説明図であり、
図10(b)は
図10(a)のC-C位置で切断したヒータ用端子部材10Aの断面図である。
図10に示すように、ヒータ用端子部材10Aは、ヒータ9のX1側の端部に固定される第1部材14と、配線基板8に接続される第2部材15を備える。第2部材15は、配線基板8の第3穴86に挿通されて半田付けされる端子部11を備える。第1部材14は、隔壁板23の貫通部95に通されて配線基板8が配置される空間へ延びるコ
ンタクト部16を備える。
図10(b)に示すように、第2部材15は、端子部11とは反対側(X1方向)へ延びる板状の先端部17を備える。
【0060】
図10に示す形態では、ケース3とフレーム2とを結合する際、ヒータ9に保持される第1部材14と、ケース3側に保持される第2部材15とを結合することによってヒータ9と配線基板8とを接続する。すなわち、駆動機構6および配線基板8を組み付けたケース3をフレーム2と結合すると、第2部材15の先端部17は、隔壁板23からX2方向へ延びるコンタクト部16に差し込まれて保持される。このように、ヒータ用端子部材10Aを2部品により構成し、金属部品同士を結合させて導通をとる構成は、シート状のヒータ9の端部を板ばね状のコンタクト部12の間に差し込む構成と比較して、確実に導通をとりやすい。
【0061】
(2)
図11は、変形例2のヒータ用端子部材10Bを用いた配線構造の説明図である。変形例2のヒータ用端子部材10Bは、配線基板8の穴に挿通されて半田付けされる端子部11と、駆動機構6が配置される空間から隔壁板23の貫通部95を通ってヒータ9が配置される空間へ延びるコンタクト部18を備える。コンタクト部18は、ヒータ9側に凸となる形状に曲げられた板ばね部である。コンタクト部18は、枠部21に設けられた位置決め凸部213の先端面に当接したヒータ9に弾性接触する。これにより、ヒータ9の表面に露出する導通部93とヒータ用端子部材10Bとが導通する。
【0062】
図11に示す形態では、ケース3とフレーム2とを結合する際、隔壁板23の貫通部95にシート状のヒータ9の端部でなく金属製のヒータ用端子部材10Bのコンタクト部18を通せばよいので、配線作業が容易である。また、ヒータ9とコンタクト部18との導通箇所が駆動機構6および配線基板8が収容される密閉空間の外側に配置されるので、導通箇所を目視で確認できる。
【0063】
(他の実施の形態)
上記実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施可能である。例えば、隔壁板23の縁からケース3の側に突出する筒部24を省略し、隔壁板23に対してケース3の筒部32を結合させる構成としてもよい。また、配線基板8の平面形状は上記の形態に限定されるものではなく、コネクタ部材36の配置およびモータ61における端子台67の配置に応じて適宜変更することができる。また、上述した実施の形態におけるダンパ装置1は、冷蔵庫用であるが、必ずしも、冷蔵庫に用いられるダンパ装置に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
1…ダンパ装置、2…フレーム、3…ケース、4…バッフル、6…駆動機構、8…配線基板、9…ヒータ、10、10A、10B…ヒータ用端子部材、11…端子部、12…コンタクト部、13…アーム部、14…第1部材、15…第2部材、116、18…コンタクト部、17…先端部、20…開口部、21…枠部、22…胴部、23…隔壁板、24…筒部、25…側板、26…シール板部、27…突部、28…軸穴、30…ケース部材、31…底板、32…筒部、33…軸支持部、34…支持板部、36…コネクタ部材、37…外部接続用端子部材、38…コネクタ挿入口、41、42…円柱部、43…筒状部、44…軸部、45…開閉板、46…弾性部材、60…ギアードモータ、61…モータ、62…歯車伝達機構、63…モータケース、64…端板、65…ステータ、66…仕切り部材、67…端子台、68…端子カバー、69…出力部材、70…モータ用端子部材、71…端子カバー本体、72…支持板、73…端子保持部、81…第1部分、82…第2部分、83…第3部分、84…第1穴、85…第2穴、86…第3穴、87…モータ用配線パターン、88…ヒータ用配線パターン、90…絶縁フィルム、91…ヒータ線、92…突出部、
93…導通部、94…穴、95…貫通部、96…封止材、100…冷蔵庫、110…冷蔵庫本体、111…貯蔵室、112…冷気ダクト、113…冷気取り入れ口、114…冷却機、115…ファン、120…制御装置、210…枠部の表面、211…溶着用凸部、212…熱融着部、213…位置決め凸部、214…先端面、321、322、323、324…側板、325…切欠き部、341、351…凸部、621…輪列、622…出力車、623…歯車、624…軸部、625…歯車、631…切欠き、641…軸支持部、642…凹部、651…ステータコイル、652…インシュレータ、691…軸部、692…扇形歯車、L…回転中心軸線