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特開2023-120697開閉装置及び開閉装置用感知システム
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  • 特開-開閉装置及び開閉装置用感知システム 図1
  • 特開-開閉装置及び開閉装置用感知システム 図2
  • 特開-開閉装置及び開閉装置用感知システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120697
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】開閉装置及び開閉装置用感知システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/28 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
E06B7/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023689
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】中▲崎▼ 悠介
(72)【発明者】
【氏名】井部 弘美
(72)【発明者】
【氏名】慶野 雄大
(72)【発明者】
【氏名】小峰 正子
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】野末 嵩博
(57)【要約】
【課題】 開閉体に物体が近づいていることを効果的に報知する。
【解決手段】 開閉装置であって、開口部を開放可能に閉鎖した開閉体20と、開閉体20に対し一方側から近づく物体X1を感知する感知部と、開閉体20に対し他方側から近づく物体X2が所持する携帯機器3に対し、注意喚起信号を無線発信する信号発生部50とを備え、前記感知部による感知に応じて、信号発生部50が前記注意喚起信号を無線発信し、この注意喚起信号を受信した携帯機器3が注意喚起動作するようにした。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開放可能に閉鎖した開閉体と、前記開閉体に対し一方側から近づく物体を感知する感知部と、前記開閉体に対し他方側から近づく物体が所持する携帯機器に対し、注意喚起信号を無線発信する信号発生部とを備え、
前記感知部による感知に応じて、前記信号発生部が前記注意喚起信号を無線発信し、この注意喚起信号を受信した前記携帯機器が注意喚起動作するようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記携帯機器が前記注意喚起動作として振動するようにしたことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記感知部は、前記開閉体に対し前記一方側から近づく物体と、前記開閉体に対し前記他方側から近づく物体との両方を感知するように構成され、
前記信号発生部は、前記一方側と前記他方側の両方の感知があることを条件に、前記注意喚起信号を無線発信することを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記感知部には、前記開閉体の前記一方側で物体を感知する第一感知部と、前記開閉体の前記他方側で物体を感知する第二感知部とを含むことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。
【請求項5】
前記注意喚起信号の無線発信に伴って、音及び/又は光を発する報知部を設けたことを特徴とする請求項1~4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項6】
請求項1~5何れか1項記載の開閉装置と、前記注意喚起信号を受信して振動する携帯機器と、この携帯機器に関連付けされたICタグとを備え、
前記携帯機器及び前記ICタグを、前記物体毎に所持されるように複数組設けたことを特徴とする開閉装置用感知システム。
【請求項7】
前記感知部は、前記開閉体に対し前記ICタグを所持した物体が近づいた場合にこのICタグから無線発信される信号を受信するICタグリーダーを具備し、前記ICタグリーダーによる前記信号の受信を前記物体の感知とみなすことを特徴とする請求項6記載の開閉装置用感知システム。
【請求項8】
前記信号発生部が、前記他方側の物体が所持する前記ICタグに関連付けされた前記携帯機器に対し前記注意喚起信号を無線発信するようにしたことを特徴とする請求項6~7何れか1項記載の開閉装置用感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉体を開放動作する開閉装置、及び開閉装置用感知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、開口部を開放するように回動する扉体(開閉体)と、この扉体の左右端部及び上端部を囲む枠体と、開閉操作のために手が掛けられる手掛け部(ドアノブ等)等を具備したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-176189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、人が扉体を開放して開口部を通過しようとした際に、その通過方向の先側に居る人が気付かないでいると、開放する扉体や、前記開口部を通過した人が、前記他の人に衝突してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
開口部を開放可能に閉鎖した開閉体と、前記開閉体に対し一方側から近づく物体を感知する感知部と、前記開閉体に対し他方側から近づく物体が所持する携帯機器に対し、注意喚起信号を無線発信する信号発生部とを備え、前記感知部による感知に応じて、前記信号発生部が前記注意喚起信号を無線発信し、この注意喚起信号を受信した前記携帯機器が注意喚起動作するようにしたことを特徴とする開閉装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉体に物体が近づいていることを効果的に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置を具備した開閉装置用感知システムを示す横断面図である。
図3】同開閉装置用感知システムの制御例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、開口部を開放可能に閉鎖した開閉体と、前記開閉体に対し一方側から近づく物体を感知する感知部と、前記開閉体に対し他方側から近づく物体が所持する携帯機器に対し、注意喚起信号を無線発信する信号発生部とを備え、前記感知部による感知に応じて、前記信号発生部が前記注意喚起信号を無線発信し、この注意喚起信号を受信した前記携帯機器が注意喚起動作するようにした。(図1図3参照)。
【0009】
第二の特徴として、前記携帯機器が前記注意喚起動作として振動するようにした。
【0010】
第三の特徴として、前記感知部は、前記開閉体に対し前記一方側から近づく物体と、前記開閉体に対し前記他方側から近づく物体との両方を感知するように構成され、前記信号発生部は、前記一方側と前記他方側の両方の感知があることを条件に、前記注意喚起信号を無線発信する(図3参照)。
【0011】
第四の特徴として、前記感知部には、前記開閉体の前記一方側で物体を感知する第一感知部と、前記開閉体の前記他方側で物体を感知する第二感知部とを含む(図2及び図3参照)。
【0012】
第五の特徴として、前記注意喚起信号の無線発信に伴って、音及び/又は光を発する報知部を設けた(図2及び図3参照)。
【0013】
第六の特徴は、開閉装置用感知システムであって、上記開閉装置と、前記注意喚起信号を受信して振動する携帯機器と、この携帯機器に関連付けされたICタグとを備え、前記携帯機器及び前記ICタグを、前記物体毎に所持されるように複数組設けた(図2参照)。
【0014】
第七の特徴として、前記感知部は、前記開閉体に対し前記ICタグを所持した物体が近づいた場合にこのICタグから無線発信される信号を受信するICタグリーダーを具備し、前記ICタグリーダーによる前記信号の受信を前記物体の感知とみなす(図2及び図3参照)。
【0015】
第八の特徴として、前記信号発生部が、前記他方側の物体が所持する前記ICタグに関連付けされた前記携帯機器に対し前記注意喚起信号を無線発信するようにした(図2及び図3参照)。
【0016】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る開閉装置の一例を示し、図2は、本発明に係る開閉装置の一例を具備した開閉装置用感知システムを示す。
開閉装置1は、内側に開口部を有する枠体10と、枠体10内で前記開口部を開放可能に閉鎖した開閉体20と、開閉体20に対し一方側から物体X1が近づくのを感知する第一感知部30と、開閉体20に対し他方側から物体X2が近づくのを感知する第二感知部40と、注意喚起信号を無線発信する信号発生部50と、注意喚起信号の発信に伴って音及び/又は光を発する報知部60と、第一感知部30及び第二感知部40の感知に応じて信号発生部50及び報知部60等を制御する制御部70とを備え、開き戸を構成している。
【0017】
開閉装置用感知システムAは、開閉装置1、ICタグ2及び携帯機器3等により構成される。なお、ICタグ2と携帯機器3は、一体のものでもよいし、別体のものを一体的に構成したものでもよい。
ICタグ2及び携帯機器3を所持する物体X1,X2は、図示例によれば人である。
【0018】
枠体10は、閉鎖状態の開閉体20の戸尻部に対向する戸尻側枠部材11と、開閉体20の戸先部に対向する戸先側枠部材12と、開閉体20の上端部に対向する上側枠部材13とを具備して、中央側の開口部を囲む正面視逆凹字状に構成される。
この枠体10は、当該開閉装置1の設置対象である建築物等の躯体壁面の開口に固定される。
【0019】
枠体10の下方側は、床面や地面としてもよいし、戸尻側枠部材11と戸先側枠部材12の下端部間にわたる沓摺(下枠部材)等としてもよい。
枠体10の枠内側には、全閉した際の開閉体20を受ける断面略段状の戸当たり部10aが設けられる(図2参照)。
【0020】
開閉体20は、厚み方向に間隔を置いた二枚の外板21をその内側の芯材及び骨材等(図示せず)により支えて、所定の厚みを有する正面視矩形状の扉体を構成している。
この開閉体20は、閉鎖状態から屋外側へ回動することで、戸当たり部10aから離れて枠体10内の開口部を開放し、屋内側へ回動することで、前記開口部を閉鎖するようにして戸当たり部10aに接触又は近接する。
この開閉体20の戸先側には、厚み方向の両側の外板21の間に位置するように、ドアノブユニット22(図1参照)が装着される。ドアノブユニット22は、厚み方向両側の外板21に、それぞれ、ノブ22a,22bを貫通させている。
【0021】
開閉体20の戸尻側部分は、ヒンジ23を介して、戸尻側枠部材11に対し回転自在に接続されている。ヒンジ23は、開閉体20の回動支点となる部材であり、周知の平蝶番や旗蝶番、あるいはピボットヒンジ等を用いることが可能である。
【0022】
ドアノブユニット22は、ノブ22a,22bの回転操作によりラッチを枠体10に係脱するラッチ機構や、鍵又はサムターンの操作により開閉体20を開閉不能にロックする施錠機構等を具備するものであり、周知の機構を適用可能である。
【0023】
第一感知部30は、開閉体20に対する一方側(言い換えれば、枠体10内の開口部を貫通する方向の一方側)の物体X1を感知するものである。
詳細に説明すれば、この第一感知部30は、開閉体20に対し前記一方側からICタグ2を具備した物体X1が接近した場合に、ICタグ2から無線発信される信号を受信するICタグリーダーを具備し、このICタグリーダーによる前記信号の受信を物体X1の感知とみなす。
【0024】
また、第二感知部40は、開閉体20に対する他方側(言い換えれば、枠体10内の開口部を貫通する方向の他方側)の物体X2を感知するものである。
詳細に説明すれば、この第二感知部40は、開閉体20に対し前記他方側からICタグ2を具備した物体X2が接近した場合に、ICタグ2から無線発信される信号を受信するICタグリーダーを具備し、このICタグリーダーによる前記信号の受信を物体X2の感知とみなす。
【0025】
ICタグ2は、ICチップを搭載しており、各種データを含む信号を、ICタグリーダーに無線発信する機能を有する。前記データには、ICタグ2と一体的に所持される携帯機器3を識別するための識別データを含む。すなわち、ICタグ2と携帯機器3は、前記識別データにより関連付けされる。
【0026】
なお、ICタグ2は、携帯機器3に内蔵された構成とすることが好ましいが、他例としては、カード形状のものや鍵形状等、各種形状のものを携帯機器3と一体的に所持されるようにしてもよい。
【0027】
第一感知部30のICタグリーダーとICタグ2との通信可能距離は、一方側の物体X1が開閉体20に接近し開閉体20を開放操作する前の時点で、通信が開始されるように適宜に設定される。
【0028】
同様にして、第二感知部40のICタグリーダーとICタグ2との通信可能距離は、他方側の物体X2が開閉体20に接近し開閉体20を開放操作する前の時点で、通信が開始されるように適宜に設定される。
【0029】
なお、一方側の第一感知部30が、他方側の物体X2のICタグ2を誤感知したり、逆に、他方側の第二感知部40が、一方側の物体X1のICタグ2を誤感知したりすることのないように、必要に応じて、このような誤感知を防止する手段が設けられる。この手段は、例えば、第一感知部30と第二感知部40を適宜に感度調整したり、第一感知部30と第二感知部40の壁部を電波遮断する材料で形成したり等すればよい。
【0030】
ICタグ2は、RFタグや、RFIDタグ等と呼称される場合がある。
また、第一感知部30及び第二感知部40が具備するICタグリーダーは、RFIDリーダーや、RFタグリーダー等と呼称される場合がある。
【0031】
信号発生部50は、注意喚起信号を無線受信することで注意喚起動作する携帯機器3に対し、前記注意喚起信号を無線発信するように構成される。
ここで、注意喚起動作とは、携帯機器3の所持者等に対し注意を促すための動作であり、本実施態様では携帯機器3を自己振動させるようにしている。
また、前記注意喚起信号とは、携帯機器3に対し前記注意喚起動作をさせるための信号である。
この信号発生部50は、例えば、携帯機器3を一般的な携帯電話とした場合、この携帯電話の無線電話機能や、Wi-Fi機能、Bluetooth(登録商標)機能等を利用するようにして、携帯機器3に対し電波を発信する構成とすればよい。
【0032】
報知部60は、注意喚起信号の発信に伴って音のみを発する態様、光のみを発する態様、音及び光を発する態様の何れであってもよく、その機能に応じて、音声発生装置(例えば、スピーカやブザー等)や、発光装置(LED等)等を具備する。
【0033】
制御部70は、第一感知部30及び第二感知部40の感知信号に応じて、信号発生部50及び報知部60を制御する制御回路であり、例えば、シーケンサやマイコンを具備した電子回路によって構成することが可能である。
【0034】
また、携帯機器3は、本実施形態の一例によれば、一般的なスマートフォン等、振動発生装置を有する携帯電話であり、専用ブログラム(アプリ)がインストールされて、一体的に所持されるICタグ2と関連付けされる。
この携帯機器3は、前記専用プログラムを実行することで、前記注意喚起信号を受信した際に、注意喚起動作として内蔵する振動発生装置を作動させて自己振動する。
そして、ICタグ2及びこのICタグ2に関連付けされた携帯機器3は、物体X1,X2毎に所持されるように複数組設けられる。
【0035】
次に、制御部70による制御動作の一例を図3に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。
先ず、制御部70は、第一感知部30による感知があるか否かを待ち、感知があれば次のステップへ処理を進める。
すなわち、一方側の物体X1が開閉体20に近づくことで、物体X1の携行するICタグ2から送信される信号が第一感知部30のICタグリーダーによって受信されると、制御部70は、この受信を、ICタグ2を所持する物体X1の感知とみなし、処理を次のステップへ移行する。
【0036】
次のステップS2では、第二感知部40による感知があるか否かを判断し、感知があれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ、移行の処理を飛ばして上記ステップS1へ戻る。
すなわち、他方側の物体X2が開閉装置1に近づくことで、物体X2の携行するICタグ2から送信される信号が第二感知部40のICタグリーダーに受信されると、制御部70は、この受信を、ICタグ2を所持する物体X2の感知とみなし、処理を次のステップへ移行する。
【0037】
次のステップS3では、信号発生部50が、他方側の物体X2が所持するICタグ2に関連付けされた携帯機器3に対し、注意喚起信号を送信する。
携帯機器3は、前記注意喚起信号を受けると、内蔵する振動発生装置を作動させて振動する。このため、ICタグ2及び携帯機器3を携行する物体X2は、開閉体20の一方側に人が居ることや、開閉体20が開放される可能性があること等を認識することができる。
【0038】
なお、他例としては、前記ステップS3において、信号発生部50が、一方側の物体X1と他方側の物体X2の両方の携帯機器3,3に対し、注意喚起信号を送信するようにしてもよい。
このようにすれば、一方側の物体X1と他方側の物体X2が、それぞれ、開閉体20の向こう側に人がいることを認知することができる。
【0039】
そして、次のステップS4では、報知部60を作動させて、他方側に音や光による注意喚起を行う。
【0040】
次のステップS5では、第一感知部30と第二感知部40の何れか一方の感知信号がなくなったか否かを判断し、両方の感知信号がなければ、次のステップへ処理を進め、そうでなければ上記ステップS1へ処理を戻す。
すなわち、何れか一方の感知信号がない場合、開閉体20の何れか一方側のみにしか人が存在しないので、信号発生部50による注意喚起信号の発信や、第二感知部40による注意喚起等が必要なくなる。
なお、ステップS5の他例としては、第一感知部30と第二感知部40の両方の感知信号がなくなったことを条件に、次のステップへ処理を進めるようにしてもよい。
【0041】
次のステップS6では、信号発生部50から、ステップS3にて振動を発生した携帯機器3に対し、その振動を停止するための信号を発する。
【0042】
さらに次のステップS7では、報知部60による音や光の発信を停止する。
【0043】
よって、上記構成の開閉装置1によれば、一方側から開閉体20に物体X1が近づいていることを、他方側の物体X2が、所持する携帯機器3の振動により認識することができ、ひいては、物体X1が開放する開閉体20が物体X2に接触したり、物体X1と物体X2が接触したりするのを防ぐことができる。
【0044】
<変形例>
上記実施態様によれば、第一感知部30がICタグリーダーを具備する構成としたが、他例としては、第一感知部30が、前記ICタグリーダーに換えて、前記一方側における所定範囲内に物体が侵入したことを非接触感知するセンサを設け、このセンサの感知信号に応じて信号発生部50が、上記注意喚起信号を無線発信するようにしてもよい。
ここで、前記センサには、例えば、エリアセンサや、3Dセンサ、焦電センサ等と呼称される周知のセンサを適用すればよい。
この他例によれば、一方側から開閉体20に接近する物体X1が、ICタグ2を具備していない場合でも、その物体X1を前記センサにより感知して、上記注意喚起信号を発することができる。
【0045】
また、さらに他例としては、第一感知部30が上記ICタグリーダーと上記センサ(エリアセンサ等)の双方を具備し、これら第一感知部30とICタグリーダーの何れか一方による感知に応じて、上記注意喚起信号を無線発信するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施態様によれば、好ましい一例として、第一感知部30と第二感知部40の両方の感知があることを条件に信号発生部50から注意喚起信号を無線発信したが、他例としては、第一感知部30のみの感知があることを条件に信号発生部50から注意喚起信号を無線発信する態様とすることも可能である。
【0047】
また、上記実施態様によれば、第一感知部30と第二感知部40の二つの感知部を設けたが、他例としては、これら二つの感知部に換えて単一の感知部を備え、この単一の感知部により、一方側の物体X1が所持するICタグ2と他方側の物体X2が所持するICタグ2とを区別して感知することも可能である。この場合、例えば、区別された一方のICタグ2の信号があることを条件に、他方のICタグ2に関連付けされた携帯機器3へ注意喚起信号を発するようにすればよい。
【0048】
また、第一感知部30、第二感知部40、信号発生部50、報知部60、制御部70等の設置箇所は、図示例によれば、開閉装置1が設置される壁面としているが、枠体10や、開閉体20、天井面等、図示例以外の部分にすることが可能である。
【0049】
また、上記実施態様によれば、携帯機器3を携帯電話としたが、この携帯機器3は、信号発生部50による注意喚起信号を受信して振動を発生する機能を有する機器であればよく、他例としては、通信機能及び振動発生機能を有する、ゲ-ム機や、ウェアラブルコンピュ-タ、その他の移動体通信端末、専用無線機等とすることが可能である。
【0050】
また、上記実施態様によれば、上記注意喚起信号により携帯機器3を振動させたが、他例としては、上記注意喚起信号により、携帯機器3から音を発する態様や、携帯機器3から音と振動の両方を発する態様、携帯機器3が他のウェアラブル端末に注意喚起動作させるための信号を発する態様、携帯機器3又は前記ウェアラブル端末等が前記以外の注意喚起動作をする態様等とすることも可能である。
【0051】
また、図示例によれば、物体X1,X2を人としたが、他例としては、物体X1,X2を、車椅子に乗った人や、車椅子自体、フォークリフトや車、無人走行車等の車両等とすることも可能である。
【0052】
また、図示例の開閉装置1によれば、開閉体20が一方側の戸当たり部10aに近接又は接触して閉鎖し他方側へ回動して開放する態様としたが、この開閉装置の他例としては、上記構成から戸当たり部10aを省き、開閉体20が一方側と他方側の両方向へ回動して開放する態様とすることも可能である。
【0053】
また、図示例によれば、開閉装置1を片開き開き戸としたが、この開閉装置1における上記構成は、両開き(観音開き)開き戸や、引き戸、折戸、バランスドア、開閉窓等、図示例以外の建具装置、さらには、シャッター装置やオーバーヘッドドア等に適用することも可能である。
【0054】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0055】
1:開閉装置
2:ICタグ
3:携帯機器
10:枠体
20:開閉体
30:第一感知部
40:第二感知部
50:信号発生部
60:報知部
70:制御部
A:開閉装置用感知システム
X1,X2:物体
図1
図2
図3