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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120702
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】非接触式情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20230823BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230823BHJP
   H01Q 5/40 20150101ALI20230823BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
H02J50/12
G06K7/10 264
G06K7/10 232
H01Q5/40
H01Q7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023697
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 淳朗
(57)【要約】
【課題】媒体に対する処理が可能であることを確実に知らせることが可能な非接触式情報処理装置を提供すること。
【解決手段】非接触式情報処理装置100は、基板1と、基板1の基板表面に設けられた第1コイルアンテナ21を備える第1回路部2と、基板表面の第1コイルアンテナ21の内周側に設けられた第2コイルアンテナ31、および基板表面において第2コイルアンテナ31の内周側に設けられた発光素子4を備える第2回路部2と、を有する。第1回路部2は、第1コイルアンテナ21と媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって媒体と通信する。第2コイルアンテナ31は、第1回路部2が媒体と通信したときに第1コイルアンテナ21で発生する磁界の変化による電磁誘導により第1共振周波数とは異なる第2共振周波数の誘導起電力を発生させる。LED素子41は、誘導起電力により発光する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置において、
基板と、
前記基板の基板表面に設けられた第1コイルアンテナを備える第1回路部と、
前記基板表面の前記第1コイルアンテナの内周側に設けられた第2コイルアンテナ、および前記基板表面において前記第2コイルアンテナの内周側に設けられた発光素子を備える第2回路部と、
を有し、
前記第1回路部は、前記第1コイルアンテナと前記媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって前記媒体と通信し、
前記第2コイルアンテナは、前記第1回路部が前記媒体と通信したときに前記第1コイルアンテナで発生する磁界の変化による電磁誘導により前記第1共振周波数とは異なる第2共振周波数の誘導起電力を発生させ、
前記発光素子は、前記誘導起電力により発光することを特徴とする非接触式情報処理装置。
【請求項2】
前記第2回路部は、前記誘導起電力を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電力と基準電力とを比較するコンパレータと、を備え、
前記発光素子は、前記コンパレータからの出力電力により発光することを特徴とする請求項1に記載の非接触式情報処理装置。
【請求項3】
前記第2回路部は、前記整流回路とコンパレータとの間に、前記整流電力を平滑化するとともに前記第2共振周波数を整合する平滑コンデンサーを備えることを特徴とする請求項2に記載の非接触式情報処理装置。
【請求項4】
前記整流回路、前記コンパレータおよび前記平滑コンデンサーは、前記第2コイルアンテナの内側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の非接触式情報処理装置。
【請求項5】
前記出力電力によって鳴動するブザーを有することを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の非接触式情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近距離無線通信(NFC;Near Field Communication)機能を有するスマートフォンや非接触式ICカードなどの媒体に対して電磁誘導によって通信を行う非接触式情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触式ICカードなどの媒体に対して非接触でデータの読み出しや書き込みを行う非接触式情報処理装置は、特許文献1に記載されている。同文献の非接触式情報処理装置は、第1共振周波数を有する第1アンテナを備える第1回路部と、第1共振周波数とは異なる第2共振周波数を有する第2アンテナおよび発光素子を備える第2回路部と、第1回路部および第2回路部が形成された基板と、を備える。第1アンテナおよび第2アンテナはループ状である。基板を平面視した場合に、第2アンテナは、第1アンテナの内側に設けられている。発光素子は、第1アンテナと第2アンテナとの間に設けられている。
【0003】
第1回路部は、電磁誘導により、媒体との間で通信を行う。第2回路部は、第1回路部と媒体との間の通信状態を、発光素子の発光状態で、表示する。すなわち、媒体と非接触式情報処理装置との通信状態が正常であれば、第2アンテナには、第1アンテナで発生して第2アンテナを通過する磁界の電磁誘導により、誘導起電力が発生する。この誘導起電力により発光素子が発光するので、ユーザは、通信状態が正常であることを知得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-57725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、発光素子が第1アンテナと第2アンテナとの間に配置されているので、発光素子が第1アンテナに発生する磁界に影響を与え、第2アンテナで発生する誘導起電力が小さくなる場合がある。
【0006】
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、媒体に対する処理が可能であることを確実に知らせることが可能な非接触式情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、媒体と非接触で通信を行う非接触式情報処理装置において、基板と、前記基板の基板表面に設けられた第1コイルアンテナを備える第1回路部と、前記基板表面の前記第1コイルアンテナの内周側に設けられた第2コイルアンテナ、および前記基板表面において前記第2コイルアンテナの内周側に設けられた発光素子を備える第2回路部と、を有し、前記第1回路部は、前記第1コイルアンテナと前記媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって前記媒体と通信し、前記第2コイルアンテナは、前記第1回路部が前記媒体と通信したときに前記第1コイルアンテナで発生する磁界の変化による電磁誘導により前記第1共振周波数とは異なる第2共振周波数の誘導起電力を発生させ、前記発光素子は、前記誘導起電力により発光することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、基板表面において、第2回路部の第2コイルアンテナは、第1コイルアンテナの内側に配置され、第2回路部の発光素子は、第2コイルアンテナの内側に配置
される。これにより、光学素子は、第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの間に位置しないので、発光素子が第1コイルアンテナに発生する磁界に影響を与え、第2コイルアンテナで発生する誘導起電力が小さくなることを防止或いは抑制できる。したがって、非接触式情報処理装置のユーザは、媒体に対する処理が行われていることを、確実に知得できる。
【0009】
本態様において、前記第2回路部は、前記誘導起電力を整流する整流回路と、前記整流回路によって整流された整流電力と基準電力とを比較するコンパレータと、を備え、前記発光素子は、前記コンパレータからの出力電力により発光するものとすることができる。ここで、第1コイルアンテナと媒体との距離が適正な範囲よりも離隔する場合には、媒体と非接触式情報処理装置との間で通信が可能であれば、通信の品質が低下する。このような場合には、電磁誘導で第1コイルアンテナに発生する磁界の変化が小さくなるので、第2コイルアンテナで発生する誘導起電力が小さくなる。このような場合に、コンパレータを備えれば、整流電力が基準電力よりも小さい場合には、コンパレータは電力を出力しない。これにより、発光素子が発光しないので、非接触式情報処理装置のユーザは、媒体に対する処理が正常に行われていないことを知得できる。
【0010】
本態様において、前記第2回路部は、整流回路とコンパレータとの間に、前記整流電力を平滑化するとともに前記第2共振周波数を調整する平滑コンデンサーを備えるものとすることができる。このようにすれば、コンパレータにより、整流電力と基準電力とを、精度よく、比較できる。
【0011】
本態様において、前記整流回路、前記コンパレータおよび前記平滑コンデンサーは、前記第2コイルアンテナの内側に配置されているものとすることができる。このようにすれば、整流回路、コンパレータおよび平滑コンデンサーが第1コイルアンテナと第2コイルアンテナとの間に配置される場合と比較して、整流回路、コンパレータおよび平滑コンデンサーが、第1コイルアンテナに発生する磁界に影響を与え、第2コイルアンテナで発生する誘導起電力が小さくなることを抑制することができる。
【0012】
本態様において、前記出力電力によって鳴動するブザーを有することが好ましい。このようにすれば、非接触式情報処理装置のユーザは、媒体に対する処理が行われていることを、音により、知得できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明よれば、発光素子が第2コイルアンテナの内側に配置されるので、非接触式情報処理装置は、ユーザに対して媒体に対する処理が可能であることを確実に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を適用した非接触式情報処理装置の概略図である。
図2】非接触式情報処理装置の基板の平面図である。
図3】第1回路部の回路図である。
図4】第2回路部の回路図である。
図5】他の実施例の第2回路部の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を適用した非接触式情報処理装置の実施形態について説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は、本発明を適用した非接触式情報処理装置の概略図である。図2は、非接触式情報処理装置の基板の平面図である。図3は、第1回路部の回路図である。図4は、第2回路部の回路図である。
【0017】
本例の非接触式情報処理装置は、近距離無線通信(NFC;Near Field Communication)機能を有するスマートフォンや非接触式ICカードなどの媒体に対して通信を行って媒体に対するデータの読み出しや書き込みを行う。図1に示すように、非接触式情報処理装置100は、媒体にデータの読み書きを行うための回路が搭載された平板状の基板1と、基板1を制御するための制御部5と、を備えている。基板1は、非接触式情報処理装置100の筐体6の上面部分61に設けられており、媒体を上面部分61にタッチさせるか近接させることによって媒体にデータの読み書きを行う。制御部5は、筐体6の内部に配置されている。
【0018】
図2に示すように、非接触式情報処理装置100は、基板1の基板表面に設けられた第1コイルアンテナ21を備える第1回路部2と、基板表面の第1コイルアンテナ21の内周側に設けられた第2コイルアンテナ31および基板表面において第2コイルアンテナ31の内周側に設けられた発光素子4を備える第2回路部3と、を備える。本例では、発光素子4は、LED素子41であり、基板1に4つ設けられている。なお、LED素子41の数は、4つに限定されない。
【0019】
第1回路部2は、第1コイルアンテナ21と媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって媒体と通信する。図3に示すように、第1回路部2は、第1コイルアンテナ21と、第1コイルアンテナ21の一端に接続された整合回路22と、を備える。
【0020】
第1コイルアンテナ21は、配線が2回巻回されている。第1コイルアンテナ21は、媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって媒体と通信するために用いられる。なお、第1コイルアンテナ21の巻回数は、2回に限定されず、1回でも3回以上でもよい。
【0021】
第1コイルアンテナ21の内側には、整合回路22が配置されている。整合回路22は、抵抗やコンデンサーを備える一般的な回路である。整合回路22は、第1回路部2の第1共振周波数を調整(整合)するために用いられる。また、整合回路22に接続された第1回路部2の端子部25は、同軸ケーブを介して制御部5と電気的に接続している。
【0022】
媒体を上面部分61にタッチさせるか近接させると、第1コイルアンテナ21と媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって媒体との通信が開始される。通信が開始されると、制御部5は、媒体に対するデータの読み出しや書き込みを行う。
【0023】
図4に示すように、第2回路部3は、第2コイルアンテナ31と、第2コイルアンテナ31の出力側に配置された整流回路32と、整流回路32の出力側に配置された平滑コンデンサー33と、平滑コンデンサー33の出力側に配置されたコンパレータ34と、コンパレータ34の出力側に配置されたLED素子41とを備える。
【0024】
第2コイルアンテナ31は、第1回路部2が媒体と通信したときに第1コイルアンテナ21で発生する磁界の変化による電磁誘導により第1共振周波数とは異なる第2共振周波数の誘導起電力を発生させる。第2共振周波数は、第1コイルアンテナ21と媒体との通信に影響を与えない領域の周波数が採用される。第2コイルアンテナ31は、配線が2回巻回されている。第2コイルアンテナ31の内側には、整流回路32、平滑コンデンサー33およびコンパレータ34が配置されている。なお、第2コイルアンテナ31の巻回数は、2回に限定されず、1回でも3回以上でもよい。
【0025】
整流回路32は、4つのダイオード32aから構成されるダイオードブリッジである。整流回路32は、第2コイルアンテナ31の両端に接続されており、第2コイルアンテナ31で発生した誘導電力を直流に変換した整流電力を出力する。平滑コンデンサー33は、第1出力線35および第2出力線36の間に配置されており、整流回路32から出力された整流電力を平滑化するとともに、第2回路部3の第2共振数周波数を調整(整合)する。
【0026】
コンパレータ34は、整流電力と基準電力VDDとを比較し、比較結果に基づいて出力電力を出力する。より具体的には、コンパレータ34は、第1出力線35を介して反転入力端子34aに入力した整流電力と、第3出力線37を介して非反転入力端子34bに入力した基準電力VDDとを比較し、整流電力が基準電力VDDより大きい場合には、出力電力を出力する。本例では、第1コイルアンテナ21と媒体とが通信可能な適正な距離であれば、第2コイルアンテナ31で発生した誘導電力は所定値より大きくなるので、整流電力が基準電力VDDより大きくなる。これにより、第1コイルアンテナ21と媒体とが適正に通信可能であるとして、コンパレータ34は、出力電力を出力する。一方、第1コイルアンテナ21と媒体とが通信可能な適正な距離でなければ、第2コイルアンテナ31で発生した誘導電力は所定値より小さくなるので、整流電力が基準電力VDDより小さくなる。これにより、第1コイルアンテナ21と媒体とが適正に通信できないとして、コンパレータ34は、出力電力を出力しない。
【0027】
ここで、第1出力線35は、平滑コンデンサー33とコンパレータ34との間において、第4出力線38と接続している。第4出力線38には、調整回路43が接続されている。調整回路43は、可変抵抗やアンプ等を備える一般的な回路である。調整回路43は、第4出力線38に流れた整流電力を調整する。第4出力線38に流れた整流電力は、調整回路43によって調整されて基準電力VDDとなり、第3出力線37を介して、非反転入力端子34bに入力する。
【0028】
LED素子41は、第2コイルアンテナ31の内側に配置されている。LED素子41は、可変抵抗42を介してコンパレータ34の出力側に接続されている。可変抵抗42は、LED素子41に入力される電力を調整する。LED素子41は、コンパレータ34からの出力電力により発光する。より具体的には、ユーザが媒体を上面部分61にタッチさせるか近接させた際、第1コイルアンテナ21と媒体とが通信可能な適正な距離であれば、LED素子41は、発光することによって、ユーザに対して非接触式情報処理装置100が媒体に対するデータの読み出しや書き込みの処理を行っていることを知らせる。一方、第1コイルアンテナ21と媒体とが通信可能な適正な距離でなければ、LED素子41は発光しないので、ユーザに対して非接触式情報処理装置100が媒体に対する処理を行っていないことを知らせる。
【0029】
なお、本例では、LED素子41は4つ設けられているので、コンパレータ34もLED素子41に対応するように4つ設けられている。すなわち、本例では、コンパレータ34およびLED素子41は、4組設けられている。
【0030】
(作用効果)
本例の非接触式情報処理装置100は、基板1と、基板1の基板表面に設けられた第1コイルアンテナ21を備える第1回路部2と、基板表面の第1コイルアンテナ21の内周側に設けられた第2コイルアンテナ31、および基板表面において第2コイルアンテナ31の内周側に設けられた発光素子4を備える第2回路部3と、を有する。第1回路部2は、第1コイルアンテナ21と媒体との間の電磁誘導により、第1共振周波数によって媒体と通信する。第2コイルアンテナ31は、第1回路部2が媒体と通信したときに第1コイ
ルアンテナ21で発生する磁界の変化による電磁誘導により第1共振周波数とは異なる第2共振周波数の誘導起電力を発生させる。LED素子41は、誘導起電力により発光する。
【0031】
本例によれば、基板表面において、第2回路部3の第2コイルアンテナ31は、第1コイルアンテナ21の内側に配置され、第2回路部3のLED素子41は、第2コイルアンテナ31の内側に配置される。これにより、LED素子41は、第1コイルアンテナ21と第2コイルアンテナ31との間に位置しないので、LED素子41が第1コイルアンテナ21に発生する磁界に影響を与え、第2コイルアンテナ31で発生する誘導起電力が小さくなることを抑制することができる。よって、非接触式情報処理装置100のユーザは、媒体に対する処理が行われていることを、確実に知得できる。
【0032】
本例において、第2回路部3は、誘導起電力を整流する整流回路32と、整流回路32によって整流され整流電力と基準電力とを比較するコンパレータ34と、を備える。LED素子41は、コンパレータ34からの出力電力により発光する。ここで、第1コイルアンテナ21と媒体との距離が適正な範囲よりも離隔する場合には、媒体と非接触式情報処理装置100との間で通信が可能であれば、通信の品質が低下する。このような場合には、電磁誘導で第1コイルアンテナ21に発生する磁界の変化が小さくなるので、第2コイルアンテナ31で発生する誘導起電力が小さくなる。このような場合に、コンパレータ34を備えれば、整流電力が基準電力よりも小さい場合には、コンパレータ34は電力を出力しない。これにより、LED素子41が発光しないので、非接触式情報処理装置100のユーザは、媒体に対する処理が正常に行われていないことを知得できる。
【0033】
本例において、第2回路部3は、整流回路32とコンパレータ34との間に、整流電力を平滑化するとともに第2共振周波数を調整する平滑コンデンサー33を備える。よって、コンパレータ34により、整流電力と基準電力とを、精度よく、比較できる。
【0034】
本例において、整流回路32、コンパレータ34および平滑コンデンサー33は、第2コイルアンテナ31の内側に配置されている。よって、整流回路32、コンパレータ34および平滑コンデンサー33が第1コイルアンテナ21と第2コイルアンテナ31との間に配置される場合と比較して、整流回路32、コンパレータ34および平滑コンデンサー33が、第1コイルアンテナ21に発生する磁界に影響を与え、第2コイルアンテナ31で発生する誘導起電力が小さくなることを抑制することができる。
【0035】
(他の実施例)
図5は、他の実施例の第2回路部3の回路図である。本例の非接触式情報処理装置100は、コンパレータ34からの出力電力によって鳴動するブザー39を有する。なお、本例の非接触式情報処理装置100は、コンパレータ34の出力側にブザー39が接続される点を除き、実施例1の構成と同一であるので、対応する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図5に示すように、ブザー39は、オペアンプ40を介して、コンパレータ34の出力側に接続されている。また、ブザー39は、LED素子41と並列に接続されている。ブザー39は、コンパレータ34からの出力電力によって鳴動する。より具体的には、ユーザが媒体を上面部分61にタッチさせるか近接させた際、第1コイルアンテナ21と媒体とが通信可能な適正な距離であれば、ブザー39は、鳴動することによって、ユーザに対して非接触式情報処理装置100が媒体に対するデータの読み出しや書き込みの処理を行っていることを知らせる。よって、本例によれば、非接触式情報処理装置100のユーザは、媒体に対する処理が行われていることを、音により、知得できる。なお、非接触式情報処理装置100において、ブザー39は、第1コイルアンテナ21と第2コイルアンテ
ナ31との電磁誘導に影響を与えない位置に配置されていればよい。
【符号の説明】
【0037】
100…非接触式情報処理装置、1…基板、2…第1回路部、3…第2回路部、4…発光素子、5…制御部、6…筐体、21…第1コイルアンテナ、22…整合回路、25…端子部、31…第2コイルアンテナ、32…整流回路、32a…ダイオード、33…平滑コンデンサー、34…コンパレータ、34a…反転入力端子、34b…非反転入力端子、35…第1出力線、36…第2出力線、37…第3出力線、38…第4出力線、39…ブザー、40…オペアンプ、41…LED素子、42…可変抵抗、43…調整回路、61…上面部分
図1
図2
図3
図4
図5