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特開2023-120767情報処理装置、表示方法および表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120767
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示方法および表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20230823BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023803
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】598057291
【氏名又は名称】株式会社富士通エフサス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】山野 大偉治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】障害発生時に最適な担当者を選出することを支援可能にする。
【解決手段】情報処理装置100は、算出部153と、表示制御部154とを有する。算出部153は、監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出する。表示制御部154は、担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさのオブジェクトを設定した表示画面を生成し、表示画面を表示する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出する算出部と、
担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさの前記オブジェクトを設定した表示画面を生成し、前記表示画面を表示する表示制御部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記監視対象の装置に発生した障害に関する情報を基にして、複数の担当者から、前記障害に関連する担当者を特定する特定部を更に有し、前記表示制御部は、前記特定部に特定された担当者に対応する前記オブジェクトを前記表示画面に設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示画面に設定される一つの軸は担当者の所定期間の第1作業量に対応し、前記算出部は、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、担当者の所的期間の第1作業量と、担当者の直近の第2作業量とを算出し、前記表示制御部は、前記第1作業量に対応する前記表示画面の位置に、前記第2作業量に応じた大きさの前記オブジェクトを設定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、担当者が業務について対応中であるか否かを前記オブジェクトと対応付けて前記表示画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、担当者が業務について対応中である場合に、担当者の使用する電話の種別を識別可能に表示することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出し、
担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさの前記オブジェクトを設定した表示画面を生成し、前記表示画面を表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする表示方法。
【請求項7】
監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出し、
担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさの前記オブジェクトを設定した表示画面を生成し、前記表示画面を表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客のデータセンタ等で障害が発生した場合、障害の内容に関する情報が、インシデントシステムに登録され、データセンタの運用管理部門の選出者によって参照される。たとえば、選出者は、現場の作業員だけで障害に対応することが難しい場合、オフィス内で勤務中の複数の担当者と対話し、障害の内容に応じて、障害に対応可能であって、業務に余裕のある担当者を選出し、障害対応の依頼を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-330861号公報
【特許文献2】特開2002-312550号公報
【特許文献3】特開2007-295279号公報
【特許文献4】特開2016-038633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、リモートワークが普及しつつあり、運用管理部門の各担当者も自宅、サテライトオフィス等のリモート環境で業務を行うケースが増加している。このようなリモート環境下では、選出者は、各担当者の状況を把握しづらいため、従来のように、業務に余裕のある担当者を選出することが難しい。
【0005】
なお、担当者がそれぞれ、現時点で業務に余裕があるか否かの情報を、ボタン操作によって、選出者に通知する方法等も考えられるが、自身の業務を行いつつ、ボタン操作を行うことは煩雑である。また、ボタン操作を行って、業務に余裕があることを通知した直後に、他の業務が発生する場合もあり得た。
【0006】
1つの側面では、本発明は、障害発生時に最適な担当者を選出することを支援できる情報処理装置、表示方法および表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の案では、情報処理装置は、算出部と、表示制御部とを有する。算出部は、監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出する。表示制御部は、担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさのオブジェクトを設定した表示画面を生成し、表示画面を表示する。
【発明の効果】
【0008】
障害発生時に最適な担当者を選出することを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。
図2図2は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図(1)である。
図3図3は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図(2)である。
図4図4は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5図5は、インシデント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7図7は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図8図8は、履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図9図9は、電話状況管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図10図10は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願の開示する情報処理装置、表示方法および表示プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例0011】
本実施例に係るシステムの一例について説明する。図1は、本実施例に係るシステムの一例を示す図である。図1に示すように、このシステムは、端末装置10a,10b,10c,10d,10eと、障害監視サーバ50と、稼働監視サーバ60と、電話監視サーバ70と、情報処理装置100とを有する。端末装置10a~10e、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70、情報処理装置100は、ネットワーク5を介して相互に接続され、相互にデータ通信を実行する。
【0012】
端末装置10a~10eは、担当者が各種の業務を行う場合に使用する端末装置であり、PC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット端末等に対応する。図1では、端末装置10a~10eを示すが、他の端末装置を更に含んでいてもよい。以下の説明では、端末装置10a~10eをまとめて、端末装置10と表記する。
【0013】
ここで、複数の担当者は、複数のグループに分類されており、同一のグループに分類された複数の担当者は、対応可能な障害分野が同一となる。障害分野は、図示しない監視対象の装置に発生した障害の属する分野を示す。
【0014】
障害監視サーバ50は、監視対象となる装置を監視する装置である。障害監視サーバ50は、監視対象となる装置に障害が発生した場合に、インシデント情報を生成し、インシデント情報を、情報処理装置100に送信する。インシデント情報には、インシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報等が含まれる。
【0015】
障害監視サーバ50は、インシデント情報を生成する度に、インシデント情報を、情報処理装置100に送信する。
【0016】
インシデント番号は、インシデント情報を識別する番号である。障害分野は、監視対象の装置に発生した障害の属する分野を示す。障害内容は、障害の内容を説明するテキスト情報である。顧客情報は、障害の発生した装置を利用する顧客に関する各種の情報であり、顧客の連絡先等の情報が含まれる。
【0017】
稼働監視サーバ60は、所定の時間間隔で、端末装置10を監視し、監視情報を生成する。監視情報には、端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報等が含まれる。端末識別情報は、端末装置10を一意に識別する情報である。操作履歴情報には、所定時間間隔毎のキーボードのタイプ回数、所定時間間隔毎のマウスの移動距離、所定時間間隔毎の他の入力装置の使用有無等が含まれる。画面識別情報は、現時点で、端末装置10でアクティブとなっている画面の識別情報を示す。
【0018】
稼働監視サーバ60は、監視情報を生成する度に、監視情報を、情報処理装置100に送信する。なお、稼働監視サーバ60は、情報処理装置100から、監視情報の要求を受け付けた時点で、監視情報を生成し、情報処理装置100に監視情報を送信してもよい。
【0019】
電話監視サーバ70は、情報処理装置100から電話の使用状況の問い合わせがあった場合に、対象の担当者が電話(外線または内線)を行っているか否かを判定し、電話の使用状況の有無を、情報処理装置100に応答する。
【0020】
本実施例では、担当者は、端末装置10を用いて電話を行うものとし、電話監視サーバ70は、情報処理装置100から、対象の担当者が使用する端末装置の端末識別情報を受信し、受信した端末識別情報に対応する端末装置と通信を行って、対象の担当者が電話を行っているか否かを判定する。
【0021】
情報処理装置100は、監視対象となる装置に障害が発生し、障害監視サーバ50からインシデント情報を受信した場合に、かかる障害に対応可能なグループを特定し、特定したグループに含まれる各担当者がそれぞれ利用する端末装置10の監視情報を基にして、各担当者の作業量を算出する。情報処理装置100は、各担当者の作業量を基にして、表示画面の情報を生成し、表示する。
【0022】
ここで、情報処理装置100は、担当者の作業量を算出する場合に、所定時刻(たとえば、会社の始業時刻)から現在時刻までのトータルの作業量と、直近(例えば、現在時刻から1時間前まで)の作業量とをそれぞれ算出する。以下の説明では、トータルの作業量を「第1作業量」と表記する。直近の作業量を「第2作業量」と表記する。
【0023】
以下において、情報処理装置100が生成する表示画面の一例について説明する。情報処理装置100は、図2に示すように、障害に対応していない担当者に関する情報を表示画面で表示してもよいし、図3に示すように、障害に対応中の担当者に関する情報を表示画面で表示してもよい。
【0024】
なお、情報処理装置100は、端末装置10の監視情報の画面識別情報に設定された画面識別情報が、支援系の画面に対応するものである場合に、かかる端末装置10を使用する担当者が障害に対応中であると判定する。
【0025】
図2は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図(1)である。図2に示す表示画面30Aは、障害に対応していない担当者を表示する例を示す。図2に示す表示画面30Aには、担当者を識別可能なオブジェクト32,32が設定される。情報処理装置100は、オブジェクト32,33に担当者の氏名を設定する。
【0026】
たとえば、オブジェクト31は、担当者「佐藤一郎」に対応するオブジェクトである。情報処理装置100は、オブジェクト31の大きさを、担当者「佐藤一郎」の第2作業量に応じた大きさに設定する。情報処理装置100は、オブジェクト31の配置位置を、担当者「佐藤一郎」の第1作業量に応じて設定する。情報処理装置100は、第1作業量が大きいほど、表示画面30Aの上方に、オブジェクト31を設定する。線分6は、障害に対応可能なグループに含まれる全担当者の第1作業量の平均値を示す線分である。
【0027】
一方、オブジェクト32は、担当者「前田はじめ」に対応するオブジェクトである。情報処理装置100は、オブジェクト32の大きさを、担当者「前田はじめ」の第2作業量に応じた大きさに設定する。情報処理装置100は、オブジェクト32の配置位置を、担当者「前田はじめ」の第1作業量に応じて設定する。情報処理装置100は、第1作業量が大きいほど、表示画面30Aの上方に、オブジェクト32を設定する。
【0028】
図2に示す表示画面30Aでは、オブジェクト31よりもオブジェクト32の方が大きいため、選出者は、担当者「佐藤一郎」よりも担当者「前田はじめ」の方が、第2作業量が多いことを確認することができる。また、選出者は、オブジェクト32よりもオブジェクト33の方が表示画面30Aの上方に配置されているため、担当者「佐藤一郎」は担当者「前田はじめ」よりも、第1作業量が多いことを確認することができる。
【0029】
図3は、情報処理装置が表示する表示画面の一例を示す図(2)である。図3に示す表示画面30Bでは、障害に対応中の担当者を表示する例を示す。図3に示す表示画面30Bには、担当者を識別可能なオブジェクト33,34が設定される。情報処理装置100は、オブジェクト33,34に担当者の氏名を設定する。
【0030】
たとえば、オブジェクト33は、担当者「山田五郎」に対応するオブジェクトである。情報処理装置100は、オブジェクト33の大きさを、担当者「山田五郎」の第2作業量に応じた大きさに設定する。情報処理装置100は、オブジェクト33の配置位置を、担当者「山田五郎」の第1作業量に応じて設定する。情報処理装置100は、第1作業量が大きいほど、表示画面30Bの上方に、オブジェクト33を設定する。線分6は、障害に対応可能なグループに含まれる全担当者の第1作業量の平均値を示す線分である。
【0031】
情報処理装置100は、担当者「山田五郎」が障害に対応中である場合には、オブジェクト33と対応中のマーク7aとを線分7bで接続する。情報処理装置100は、線分7bの色を、担当者が内線を使用しているのか外線を使用しているのかを識別可能に表示する。情報処理装置100は、障害の対応時間に応じて、線分7bの太さを調整してもよい。たとえば、情報処理装置100は、障害の対応時間が長いほど、線分を太くする。
【0032】
オブジェクト34は、担当者「田中太郎」に対応するオブジェクトである。情報処理装置100は、オブジェクト34の大きさを、担当者「田中太郎」の第2作業量に応じた大きさに設定する。情報処理装置100は、オブジェクト34の配置位置を、担当者「田中太郎」の第1作業量に応じて設定する。情報処理装置100は、第1作業量が大きいほど、表示画面30Bの上方に、オブジェクト34を設定する。
【0033】
情報処理装置100は、担当者「田中太郎」が障害に対応中である場合には、オブジェクト34と対応中のマーク8aとを線分8bで接続する。情報処理装置100は、線分8bの色を、担当者が内線を使用しているのか外線を使用しているのかを識別可能に表示する。情報処理装置100は、対応時間に応じて、線分8bの太さを調整してもよい。
【0034】
障害発生時に最適な担当者を選出するマネージャ等は、表示画面30A,30Bを参照して、最適と判断できる担当者を特定し、特定した担当者に障害の対応を依頼する。
【0035】
上記のように、情報処理装置100は、監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置10の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出し、担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさのオブジェクトを設定した表示画面を生成し、表示する。これによって、選出者が、障害発生時に最適な担当者を選出することを支援することができる。
【0036】
なお、図2図3では、障害に対応中の担当者と、障害に対応していない担当者に関するオブジェクトを別々の表示画面で表示したが、情報処理装置100は、障害に対応中の担当者のオブジェクトと、障害に対応していない担当者のオブジェクトとを一つの表示画面に設定してもよい。
【0037】
次に、図1に示した情報処理装置100の構成例について説明する。図4は、本実施例に係る情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、この情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0038】
通信部110は、ネットワーク5を介して、端末装置10、障害監視サーバ50、稼働監視サーバ60、電話監視サーバ70との間で情報の送受信を行う。たとえば、通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0039】
入力部120は、キーボードやマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者による入力操作に対応して、制御部150に対して各種の情報を入力する。
【0040】
表示部130は、液晶ディスプレイなどの表示装置等によって実現される。たとえば、表示部130は、制御部150によって生成された表示画面30A,30B等を表示する。
【0041】
記憶部140は、インシデント情報テーブル141、担当者管理テーブル142、グループ管理テーブル143、履歴テーブル144、電話状況管理テーブル145を有する。記憶部140は、たとえば、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0042】
インシデント情報テーブル141は、障害監視サーバ50から受信するインシデント情報を保持する。図5は、インシデント情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、インシデント情報テーブル141は、インシデント番号と、障害分野と、障害内容と、顧客情報とを対応付ける。インシデント番号と、障害分野と、障害内容と、顧客情報に関する説明は、上述した説明と同様である。
【0043】
担当者管理テーブル142は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の各種情報を保持する。図6は、担当者管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、担当者管理テーブルは、担当者識別情報と、氏名と、端末識別情報と、アドレスと、対応履歴とを対応付ける。
【0044】
担当者識別情報は、担当者を一意に識別する情報である。氏名は、担当者の氏名である。端末識別情報は、担当者が業務を行う端末装置10を一意に識別する情報である。アドレスは、担当者に通知可能なメールアドレスである。対応履歴は、担当者が過去に対応した障害のインシデント番号の履歴である。
【0045】
たとえば、担当者識別番号「S10a」の氏名(担当者)「佐藤一郎」が業務に使用する端末装置10は、端末識別番号「T-10a」で識別される端末装置10(たとえば、端末装置10a)である。氏名(担当者)「佐藤一郎」のアドレスが「ichiro@abcd」である旨が示される。各担当者に対応する対応履歴の記載を省略する。
【0046】
グループ管理テーブル143は、グループで対応可能な障害内容の情報を保持する。図7は、グループ管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図7に示すように、グループ管理テーブル143は、グループ識別情報と、障害分野と、端末識別情報とを対応付ける。
【0047】
グループ識別情報は、グループを一意に識別する情報である。障害分野は、グループに属する各担当者が対応可能な障害分野を示す。端末識別情報は、グループに属する各担当者を識別する情報である。たとえば、グループ識別情報「G1」に含まれる担当者は、担当者識別情報S10a、S10c、・・・であり、担当者識別情報S10a、S10c、・・・の各担当者は、障害分野「セキュリティ監視」に対応可能であることが示される。
【0048】
履歴テーブル144は、端末装置10を用いて業務を行う担当者の操作履歴情報、画面識別情報を保持する。図5は、履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、この履歴テーブル144は、端末識別情報と、操作履歴情報とを対応付ける。端末識別情報は、端末装置10を一意に識別する情報である。
【0049】
操作履歴情報は、キーボード操作履歴、マウス操作履歴、他の入力装置の操作履歴を有する。キーボード操作履歴は、所定時間毎のキーボードのタイプ回数の履歴である。マウス操作履歴は、所定時間間隔毎のマウスの移動距離の履歴である。他の入力装置の操作履歴は、所定時間毎の他の入力装置の使用有無の履歴である。
【0050】
画面識別情報は、現時点で、担当者の端末装置10でアクティブとなっている画面の画面識別情報を示す。いずれの画面識別情報が支援系の画面であるかは、予め設定されているものとする。
【0051】
電話状況管理テーブル145は、担当者の電話の使用状況に関する情報を保持する。図9は、電話状況管理テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、この電話状況管理テーブル145は、担当者識別情報と、内線フラグと、外線フラグとを対応付ける。
【0052】
担当者識別情報は、担当者を一意に識別する情報である。内線フラグは、担当者識別情報に対応する担当者が、内線によって障害対応中であるか否かを示すフラグである。内線によって障害対応中である場合には内線フラグが「オン」となる。内線によって障害対応中でない場合には内線フラグが「オフ」となる。
【0053】
外線フラグは、担当者識別情報に対応する担当者が、外線によって障害対応中であるか否かを示すフラグである。外線によって障害対応中である場合には外線フラグが「オン」となる。外線によって障害対応中でない場合には外線フラグが「オフ」となる。
【0054】
図4の説明に戻る。制御部150は、受付部151、特定部152、算出部153、表示制御部154を有する。制御部150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)により実現される。また、制御部150は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実行されてもよい。
【0055】
受付部151は、障害監視サーバ50から、インシデント情報を受信する。受付部151は、受信したインシデント情報に含まれるインシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報を対応付けて、インシデント情報テーブル141に登録する。以下の説明では適宜、インシデント番号、障害分野、障害内容、顧客情報をまとめて、インシデント情報と表記する。
【0056】
受付部151は、稼働監視サーバ60から、監視情報を受信する。受付部151は、受信した監視情報に含まれる端末識別情報と、操作履歴情報と、画面識別情報とを対応付けて、履歴テーブル144に登録する。
【0057】
受付部151は、受け付けた監視情報の端末識別情報と同様の端末識別情報に関する操作履歴情報、画面識別情報が、履歴テーブル144に既に登録されている場合には、新たに受け付けた操作履歴情報、画面識別情報によって、履歴テーブル144を更新する。
【0058】
受付部151は、インシデント情報、監視情報を受け付ける度に、上記処理を繰り返し実行する。
【0059】
特定部152は、インシデント情報テーブル141から、インシデント情報を取得し、取得したインシデント情報の障害分野に対応するグループのグループ識別情報を、グループ管理テーブル245を基にして特定する。特定部152は、特定したグループ識別情報に含まれる各担当者識別情報を、算出部153に出力する。
【0060】
算出部153は、担当者識別情報毎に、担当者の作業量(第1作業量、第2作業量)を算出する。たとえば、算出部153は、担当者識別情報の端末識別情報に対応する操作履歴情報を、履歴テーブル144から取得する。担当者識別情報と、端末識別情報との関係は、担当者管理テーブル142に示される。
【0061】
算出部153は、取得した操作履歴情報を基にして、担当者の作業量を算出する。たとえば、算出部153は、式(1)を基にして、第1作業量Wを算出する。第1作業量は、上記のように、トータルの作業量である。
【0062】
第1作業量W=α×K+β×M+γ×O・・・(1)
【0063】
式(1)において、「K」は、第1所定期間(たとえば、始業時刻から現在時刻までの期間)内におけるキーボードのタイプ回数の合計値である。「M」は、第1所定時間毎のマウスの移動距離の合計値である。「O」は、第1所定期間内において、所定時間(10分)毎の他の入力装置の使用有となった回数である。
【0064】
α、β、γは、予め設定される重みであり、重みを乗算することで、α×K、β×M、γ×Oの値の単位は、作業量Wの単位に揃えられるものとする。始業時刻は予め定められており、算出部153は、タイマ等から現在時刻の情報を取得するものとする。
【0065】
算出部153は、式(2)を基にして、第2作業量Wを算出する。第2作業量は、上記のように、直近の作業量である。
【0066】
第2作業量W=α×K+β×M+γ×O・・・(2)
【0067】
式(2)において、「K」は、第2所定期間(たとえば、現在時刻から1時間前までの期間)内におけるキーボードのタイプ回数の合計値である。「M」は、第2所定時間毎のマウスの移動距離の合計値である。「O」は、第2所定期間内において、所定時間(10分)毎の他の入力装置の使用有となった回数である。
【0068】
算出部153は、特定部152に特定された同一のグループに含まれる各担当者の担当者識別情報に対応する第1作業量、第2作業量を算出する。また、算出部153は、各担当者の第1作業量の平均値を算出する。算出部153は、上記の算出結果となる、担当者識別情報、第1作業量、第2作業量、平均値の情報を、表示制御部154に出力する。
【0069】
表示制御部154は、算出部153の算出結果の情報を基にして、表示画面の情報を生成する。たとえば、表示制御部154は、担当者識別情報に対応するオブジェクトであって、担当者の第2作業量に応じた大きさのオブジェクトを、表示画面に設定する。表示制御部154は、第2作業量が大きいほど、オブジェクトの大きさを大きくする。
【0070】
表示制御部154は、オブジェクトを配置する場合に、担当者の第1作業量に応じた位置に、オブジェクトを配置する。表示制御部154は、表示画面に、第1作業量の平均値を示す線分を設定する。
【0071】
表示制御部154は、担当者識別情報と、担当者管理テーブル142とを基にして、担当者の氏名を特定し、特定した氏名をオブジェクトに設定する。
【0072】
表示制御部154は、担当者識別情報の端末識別情報に対応する画面識別情報を取得し、画面識別情報を基にして、担当者が障害に対応中であるか否かを判定する。表示制御部154は、画面識別情報が所定の画面識別情報に対応する場合に、担当者が障害に対応中であると判定する。
【0073】
表示制御部154は、担当者が障害に対応中である場合には、図3で説明したように、障害対応中の担当者のオブジェクトと、対応中のマークとを対応付ける。また、表示制御部154は、表示制御部154は、電話監視サーバ70と通信を行い、電話使用状況の情報を取得する。表示制御部154は、電話使用状況の情報を、電話状況管理テーブル145に設定する。表示制御部154は、担当者が内線で対応中であるか、外線で対応中であるのかを区別可能な線分で、担当者のオブジェクトと対応中のマークとを接続する。
【0074】
表示制御部154は、上記の処理を実行することで、図2図3で説明したように表示画面30A,30Bの情報を生成し、表示部130に出力して表示させる。表示制御部154は、表示画面の情報を、予め指定された選出者の端末装置10に送信して表示させてもよい。
【0075】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の処理手順の一例について説明する。図10は、本実施例に係る情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、情報処理装置100の特定部152は、インシデント情報テーブル141からインシデント情報を取得し、障害分野を特定する(ステップS101)。
【0076】
特定部152は、グループ管理テーブル143を基にして、障害分野に対応可能なグループ識別情報を特定する(ステップS102)。特定部152は、担当者管理テーブル142から、グループ識別情報に対応する各担当者識別情報を特定する(ステップS103)。
【0077】
情報処理装置100の算出部153は、履歴テーブル144から、各担当者識別情報の操作履歴情報を取得する(ステップS104)。算出部153は、各担当者識別情報に対応する第1作業量、第2作業量を算出する(ステップS105)。算出部153は、各担当者識別情報に対応する第1作業量の平均値を算出する(ステップS106)。
【0078】
情報処理装置100の表示制御部154は、第1作業量、第2作業量、平均値を基にして、表示画面の情報を生成する(ステップS107)。表示制御部154は、表示画面の情報を、表示部130に表示させる(ステップS108)。
【0079】
次に、本実施例に係る情報処理装置100の効果について説明する。情報処理装置100は、監視対象の装置に障害が発生した場合に、担当者が利用する端末装置10の履歴情報を基にして、複数の担当者の作業量をそれぞれ算出し、担当者を識別可能なオブジェクトであって、担当者の作業量に応じた大きさのオブジェクトを設定した表示画面を生成し、表示する。これによって、選出者が、障害発生時に最適な担当者を選出することを支援することができる。
【0080】
情報処理装置100は、第2作業量(直近の作業量)に応じて、オブジェクトの大きさを設定し、表示画面を生成する。これによって、選出者は、障害に対応可能な複数の担当者の直近の作業量を比較して、最適な担当者を選出することができる。
【0081】
情報処理装置100は、第1作業量(トータルの作業量)に応じて、オブジェクトの配置位置を調整し、表示画面を生成する。これによって、選出者は、直近の作業量だけでなく、トータルの作業量を加味して、最適な担当者を選出することができる。
【0082】
情報処理装置100は、担当者が障害に対応中である場合には、対応中のマークと、担当者のオブジェクトとを関連付けて表示する。また、情報処理装置100は、担当者が、内線で対応しているのか、外線で対応しているのかを識別可能に表示する。これによって、担当者の現在の状況を鑑みて、最適な担当者を選出することができる。
【0083】
ここで、上述した情報処理装置100の処理は一例であり、情報処理装置100はその他の処理を実行してもよい。以下において、情報処理装置100のその他の処理(1)、(2)について説明する。
【0084】
その他の処理(1)について説明する。特定部152は、インシデント情報テーブル141から、インシデント情報を取得した場合に、取得したインシデント情報に関連する障害の対応を過去に行った担当者の担当者識別情報を、担当者管理テーブル142の対応履歴を基に、特定してもよい。障害対応が完了していない(クローズしていない)インシデント情報は、同一のインシデント番号が引き続き利用される。このため、特定部152は、該当のインシデント番号が、対応履歴に設定された担当者識別情報を特定し、表示制御部154に通知する。表示制御部154は、通知された担当者識別情報に対応するオブジェクトを、強調表示してもよい。
【0085】
その他の処理(2)について説明する。表示制御部154は、担当者のオブジェクトを表示画面に設定する場合に、担当者が使用する端末装置10のアクティブ画面の種別を識別可能に、オブジェクトの表示色を調整してもよい。たとえば、表示制御部154は、障害の支援系のアクティブ画面である場合には、事務系の他の画面よりもオブジェクトの色を濃くする。また、表示制御部154は、インシデント情報に設定された障害の難度を、表示画面に表示してもよい。
【0086】
次に、上記実施例に示した情報処理装置100と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例について説明する。図11は、実施例の情報処理装置と同様の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0087】
図11に示すように、コンピュータ300は、各種演算処理を実行するCPU301と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置302と、ディスプレイ303とを有する。また、コンピュータ300は、有線または無線ネットワークを介して、外部装置等との間でデータの授受を行う通信装置304と、インタフェース装置305とを有する。また、コンピュータ300は、各種情報を一時記憶するRAM306と、ハードディスク装置307とを有する。そして、各装置301~307は、バス308に接続される。
【0088】
ハードディスク装置307は、受付プログラム307a、特定プログラム307b、算出プログラム307c、表示制御プログラム307dを有する。また、CPU301は、各プログラム307a~307dを読み出してRAM206に展開する。
【0089】
受付プログラム307aは、受付プロセス306aとして機能する。特定プログラム307bは、特定プロセス306bとして機能する。算出プログラム307cは、算出プロセス306cとして機能する。表示制御プログラム307dは、表示制御プロセス306dとして機能する。
【0090】
受付プロセス306aの処理は、受付部151の処理に対応する。特定プロセス306bの処理は、特定部152の処理に対応する。算出プロセス306cの処理は、算出部153の処理に対応する。表示制御プロセス306dの処理は、表示制御部154の処理に対応する。
【0091】
なお、各プログラム307a~307dについては、必ずしも最初からハードディスク装置307に記憶させておかなくても良い。例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300が各プログラム307a~307dを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0092】
100 情報処理装置
110 通信部
120 入力部
130 表示部
140 記憶部
141 インシデント情報テーブル
142 担当者管理テーブル
143 グループ管理テーブル
144 履歴テーブル
145 電話状況管理テーブル
150 制御部
151 受付部
152 特定部
153 算出部
154 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11