(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120769
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0203 20230101AFI20230823BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230823BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023807
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】畑 幸一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】商品を購入する過程における消費者の行動が判る情報を生成する。
【解決手段】商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得する取得部と、前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成する生成部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得する取得部と、
前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成する生成部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記商品棚の近傍にいる消費者の行動が撮像された棚前撮像データを前記棚前行動情報として取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記消費者によって商品を購入する行動が撮像されたレジ前撮像データをレジ前行動情報として取得する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記取得部は、前記商品棚の近傍にいる消費者の行動が撮像された棚前撮像データを前記棚前行動情報として取得し、
前記取得部は、前記消費者によって商品を購入する行動が撮像されたレジ前撮像データをレジ前行動情報として取得し、
前記生成部は、同じ消費者が撮像された前記棚前撮像データと前記レジ前撮像データを対応づけた情報を前記購買行動情報として生成する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記取得部は、前記商品棚に設けられた接客端末から出力された、商品に関する質問に対する前記消費者の回答を示す質問回答データを前記棚前行動情報として取得する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得部は、前記消費者によって購入された商品に関するPOSデータを前記レジ前行動情報として取得する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記商品棚において商品が陳列された位置を、前記商品棚の近傍にいる消費者の行動が撮像された棚前撮像データをから取得し、
前記生成部は、前記位置と前記レジ前行動情報を対応づけた情報を前記購買行動情報として生成する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記生成部は、前記商品棚に陳列された商品のメーカ又はタイプごとに、前記位置と前記レジ前行動情報を対応づけた情報を前記購買行動情報として生成する、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
情報処理サーバであるコンピュータが行う情報処理方法であって、
取得部が、商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得し、
生成部が、前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成する、
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理サーバであるコンピュータに、
商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得させ、
前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の購買データを商品開発や販売促進(販促)に活用したいというニーズがある。例えば、特許文献1には、POS(Point Of Sales)端末によって決済された商品の購買データを消費者から承認を得て第三者である外部の業者に提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商品を購入する過程において、商品を眺めながらあれこれと検討する消費者が多い。商品を製造する事業者にとっては、商品を購入する過程における消費者の行動が判る方が商品改良や開発を行う上で好ましい。また、流通にとっても商品を購入する過程における消費者の行動に基づいてより精緻に販促計画を立てられるようになることが期待できる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、商品を購入する過程における消費者の行動が判る情報を生成することができる情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理システムは、商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得する取得部と、前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成する生成部とを備える。
【0007】
本発明の、情報処理方法は、情報処理サーバであるコンピュータが行う情報処理方法であって、取得部が、商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得し、生成部が、前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成する。
【0008】
本発明の、プログラムは、情報処理サーバであるコンピュータに、商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された棚前行動情報、及び、前記消費者によって商品を購入する行動が示されたレジ前行動情報を取得させ、前記棚前行動情報と前記レジ前行動情報を対応づけた購買行動情報を生成させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品を購入する過程における消費者の行動が判る情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る情報処理システム1の構成の例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理サーバ10の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る接客端末30の構成の例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る接客端末30の外観の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る接客端末30に表示される質問の例を説明する図である。
【
図6】実施形態に係る情報処理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】実施形態に係る情報処理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、実施形態による情報処理システム1の構成例を示すブロック図である。情報処理システム1は、例えば、情報処理サーバ10と、棚前カメラ20と、接客端末30と、レジ前カメラ40と、POS端末50と、事業者サーバ60とを備える。
【0013】
情報処理サーバ10は、購買行動情報を提供するサービスを行う事業者が管理するサーバ装置である。購買行動情報は、商品を購入する過程における消費者の行動を含む消費者の購買データである。情報処理サーバ10は、棚前カメラ20によって撮像された棚前撮像データを、接客端末30によって取得された質問回答データ、レジ前カメラ40によって撮像されたレジ前撮像データ、及びPOS端末50によって取得されたPOSデータのそれぞれを受信する。情報処理サーバ10は、受信したデータを対応づけた情報を購買行動情報として事業者サーバ60に送信する。情報処理サーバ10は、棚前カメラ20、接客端末30、レジ前カメラ40、POS端末50、及び事業者サーバ60のそれぞれと通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0014】
棚前カメラ20は、商品棚SDの周辺に設置され、商品棚SDの近傍における所定の領域を撮像するカメラである。棚前カメラ20には、例えば、商品棚SDの前で商品を眺ながらあれこれと検討する消費者の行動が撮像される。棚前カメラ20は、動画像を撮像してもよいし、静止画像を撮像してもよい。棚前カメラ20は撮像した画像の画像情報を棚前撮像データとして情報処理サーバ10に送信する。棚前カメラ20は情報処理サーバ10と通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0015】
接客端末30は、商品棚SDに設置された端末装置である。接客端末30は、画像を表示させたり音声を出力させたりすることにより、商品棚SDの前にいる消費者に対して予め用意された質問を行う。接客端末30は、消費者に行った質問に対する回答を、マイクにより消費者の音声を集音すること等により取得する。接客端末30は、取得した質問に対する回答を示す情報を質問回答データとして情報処理サーバ10に送信する。接客端末30は情報処理サーバ10と通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0016】
レジ前カメラ40は、レジの周辺に設置され、レジの近傍における所定の領域を撮像するカメラである。レジ前カメラ40には、例えば、レジの前で商品を購入する消費者の行動が撮像される。レジ前カメラ40は、動画像を撮像してもよいし、静止画像を撮像してもよい。レジ前カメラ40は撮像した画像の画像情報をレジ前撮像データとして情報処理サーバ10に送信する。レジ前カメラ40は情報処理サーバ10と通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0017】
POS端末50は、レジに設置された決算端末である。POS端末50は消費者によって購入された商品の販売情報を、バーコードリーダなどを介して取得する。POS端末50は取得した商品の販売情報をPOSデータとして情報処理サーバ10に送信する。POS端末50は情報処理サーバ10と通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0018】
事業者サーバ60は、事業者が管理するサーバ装置である。ここでの事業者は、購買行動情報を提供するサービスにおいて購買行動情報の提供を受ける事業者であり、例えば、商品の製造メーカ、又は、流通において商品の買い入れを行うバイヤーなどの業者である。事業者サーバ60は、情報処理サーバ10から送信された購買行動情報を受信する。事業者サーバ60は、情報処理サーバ10と通信ネットワーク等を介して無線通信又は有線通信をする。
【0019】
図2は、実施形態による情報処理サーバ10の構成例を示すブロック図である。情報処理サーバ10は、コンピュータである。情報処理サーバ10として、例えば、PC(Personal Computer)、サーバ装置、クラウドなどを適用することができる。
【0020】
情報処理サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、棚前カメラ20、接客端末30、レジ前カメラ40、POS端末50、及び事業者サーバ60のそれぞれと通信を行う。
【0021】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、情報処理サーバ10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0022】
制御部13は、例えば、取得部130と、判定部131と、生成部132と、出力部133とを備える。制御部13が備えるこれらの機能部、すなわち、取得部130、判定部131、生成部132、及び出力部133のそれぞれは、情報処理サーバ10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0023】
取得部130は、各種の情報を取得する。取得部130は、例えば、棚前カメラ20によって撮像された画像情報を棚前撮像データとして通信部11を介して取得する。取得部130は接客端末30によって取得された質問回答データを、通信部11を介して取得する。取得部130はレジ前カメラ40によって撮像された画像情報をレジ前撮像データとして通信部11を介して取得する。取得部130はPOS端末50によって取得されたPOSデータを、通信部11を介して取得する。取得部130は、取得したデータのそれぞれを記憶部12に記憶させる。
【0024】
判定部131は、棚前撮像データに撮像された人物と、質問回答データに示される人物(質問に回答した人物)とが同一人物であるか否かを判定する。例えば、判定部131は、質問回答データが得られた日時に基づいて、同じ日時を含む所定の時間帯、例えば質問回答データが得られた日時の前後10分間、に撮像された棚前撮像データをその質問回答データに対応づけた情報を棚前行動情報として記憶部12に記憶させる。
【0025】
判定部131は、レジ前撮像データに撮像された人物と、POSデータに示される人物(商品を購入した人物)とが同一人物であるか否かを判定する。例えば、判定部131は、POSデータが得られた日時に基づいて、同じ日時を含む所定の時間帯、例えば質問回答データが得られた日時の前後2分間、に撮像されたレジ前撮像データをそのPOSデータに対応づけた情報をレジ前行動情報として記憶部12に記憶させる。
【0026】
判定部131は、棚前撮像データに撮像された人物と、レジ前撮像データに撮像された人物とが同一人物であるか否かを判定する。
【0027】
例えば、判定部131は、レジ前撮像データから消費者が商品を購入している購入シーンを抽出する。判定部131は、レジ前撮像データから抽出した購入シーンごとに、その購入シーンを特定するID(購入IDという)を付与する。
次に、取得部130は、抽出した購入シーンごとに、その購入シーンよりも所定時間前の時間帯、例えば、購入シーンが撮像開始された時刻から30前から購入シーンが撮像開始された時刻までの時間帯に撮像された棚前撮像データを判定対象シーンとして取得する。
次に、判定部131は、判定対象シーンに撮像された人物を特定し、特定した人物と、購入シーンにおいて商品を購入している人物とが同一人物か否かを判定する。判定部131は、形状に基づく特徴、例えば髪型、眼鏡等の有無、服装、体格等、及び色に基づく特徴、例えば、髪の色、肌の色、服の色等が似たている場合に同一人物であると判定する。一方、判定部131は、形状に基づく特徴又は色に基づく特徴が似ていない場合は同一人物でない判定する。
判定部131は、購入シーンに撮像された人物と、判定対象シーンに撮像された人物とが同一人物であると判定した場合、その判定対象シーンに、購入シーンに付与した購入IDに紐付づくID(判定対象IDという)を付与する。
判定部131は、購入シーンにその購入シーンに付与した購入IDを対応づけた情報を記憶部12に記憶させる。また、判定対象シーンにその定対象シーン付与した判定対象IDを対応づけた情報を記憶部12に記憶させる。
【0028】
生成部132は、購買行動情報を生成する。生成部132は、例えば、同一人物における棚前行動情報とレジ前行動情報とを対応づけた情報を購買行動情報として生成する。棚前行動情報は、棚前撮像データ、又は質問回答データのいずれかの情報のみで構成されていてもよい。レジ前行動情報は、レジ前撮像データ、又はPOSデータのいずれかの情報のみで構成されていてもよい。
【0029】
例えば、同一人物における棚前行動情報とレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報を生成する場合、生成部132は、レジ前行動情報に含まれる購入シーンに付与された購入IDに基づいて、その購入IDに紐づけられた判定対象IDが付与された判定対象シーンを有する棚前行動情報を対応づけた情報を生成し、生成した情報を購買行動情報とする。
これにより、同一人物における棚前行動情報とレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報、すなわち、同一人物における商品棚の周辺における行動と、その人物から得られた回答と、商品を購入する様子と、購入した商品の販売情報とが対応づけられた情報を、購買行動情報とすることができる。
【0030】
例えば、同一人物における棚前撮像データとレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報を生成する場合、生成部132は、レジ前行動情報に含まれる購入シーンに付与された購入IDに基づいて、その購入IDに紐づけられた判定対象IDが付与された判定対象シーンを対応づけた情報を生成し、生成した情報を購買行動情報とする。これにより、同一人物における商品棚の周辺における行動と、商品を購入する様子と、購入した商品の販売情報とが対応づけられた情報を、購買行動情報とすることができる。
【0031】
例えば、同一人物における質問回答データとレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報を生成する場合、生成部132は、レジ前行動情報に含まれる購入シーンに付与された購入IDに基づいて、その購入IDに紐づけられた判定対象IDが付与された判定対象シーンを有する棚前行動情報に含まれる質問回答データを対応づけた情報を生成し、生成した情報を購買行動情報とする。これにより、同一人物から得られた回答と、その人物が商品を購入する様子と、購入した商品の販売情報とが対応づけられた情報を、購買行動情報とすることができる。
【0032】
同様にして、生成部132は、同一人物における棚前行動情報とレジ前撮像データとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。生成部132は、同一人物における棚前撮像データとレジ前撮像データとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。生成部132は、同一人物における質問回答データとレジ前撮像データとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。
また、生成部132は、同一人物における棚前行動情報とPOSデータとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。生成部132は、同一人物における棚前撮像データとPOSデータとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。生成部132は、同一人物における質問回答データとPOSデータとを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。
【0033】
また、生成部132は、棚前行動情報を提供する事業者の要望に沿った棚前行動情報を生成するようにしてもよい。例えば、生成部132は商品棚において商品が陳列された位置と、レジ前行動情報(レジ前撮像データ、又はPOSデータの一方であってもよい)を対応づけた情報を、購買行動情報として生成するようにしてもよい。この場合、生成部132は、棚前撮像データから商品が陳列された商品棚が撮像された陳列シーンを抽出し、抽出した陳列シーンから商品が陳列されている位置を取得する。生成部132は、取得した位置と、その陳列シーンが撮像された日と同日に撮像されたレジ前撮像データや同じ日に購入された商品のPOSデータを含むレジ前行動情報とを対応づけることによって棚前行動情報を生成する。
【0034】
生成部132は、商品のメーカ又はタイプごとに購買行動情報を生成するようにしてもよい。例えば、生成部132は、商品のメーカ又はタイプごとに棚前行動情報とレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報を生成する。或いは、生成部132は、商品のメーカ又はタイプごとに、商品棚において商品が陳列された位置と、レジ前行動情報を対応づけた情報を、購買行動情報を生成する。
【0035】
商品のメーカごとに購買行動情報を生成することにより、商品のメーカに対応する事業者に対し、そのメーカの商品が消費者に購入されたプロセスが判る情報を提供することができる。商品のタイプごとに購買行動情報を生成することにより、商品の買い付けを行うバイヤーに対し、どのようなタイプの商品が消費者に購入されているのか、そのプロセスが判る情報を提供することができる。
【0036】
生成部132は生成した購買行動情報を記憶部12に記憶させる。
出力部133は記憶部12に記憶された購買行動情報を出力し、出力した購買行動情報を、通信部11を介して事業者サーバ60に送信する。
【0037】
ここで、接客端末30について
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、実施形態による接客端末30の構成例を示すブロック図である。
図4は実施形態に係る接客端末30の外観の例を示す図である。
【0038】
接客端末30はコンピュータである。接客端末30として、例えば、タブレット端末、PCなどを適用することができる。また、
図4に示すように、接客端末30は棚に設置された状態で消費者が画面を視認したり音声ガイドを聞いたりすることができる形状を有していてもよい。
図3に示すように、接客端末30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、マイク部35と、スピーカ部36と、プリンタ部37とを備える。
通信部31は、情報処理サーバ10と通信を行う。
記憶部32は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部32は、接客端末30の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0039】
制御部33は、接客端末30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。制御部23は、通信部31、記憶部32、表示部34、マイク部35、スピーカ部36、及びプリンタ部37を制御する。
【0040】
表示部34は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置を含み、制御部23の制御に応じて画像を表示する。
マイク部35は、例えば、集音装置を含み、周辺の音を集音し、集音した音を示すデジタルデータに変換し、変換したデータを制御部23に出力する。
スピーカ部36は、例えば、音出力装置を含み、制御部33の制御に応じて所定の音を放音する。
プリンタ部37は、例えば、印刷装置を含み、制御部33の制御に応じて所定のデータを印字して出力する。
【0041】
図4に示すように、接客端末30は、棚に設置された状態で消費者が視認し易くなるように角度をつけて表示部34が設けられている。表示部34の脇に、マイク部35、スピーカ部36、及びプリンタ部37が設けられている。表示部34、マイク部35、スピーカ部36、及びプリンタ部37のそれぞれが同じ面に設けられることにより、棚前にいる消費者が画面の表示を見ながら音声を聞き、質問に答えることが容易となる。
【0042】
図5は、実施形態に係る接客端末30に表示される質問の例を説明する図である。この図の例では、質問が表示部34に表示された例が模式的に示されている。ここでは、化粧水が陳列される商品棚に設けられた接客端末30に質問が表示された場合を例に説明する。
【0043】
例えば、消費者が商品棚に近づくと、スピーカ部36から、「肌には日頃のケアが大切です」などという音声が出力され、「お肌に合った化粧水をお選び致します。表示された質問にお答えください」などという音声ガイダンスが出力される。そして、
図5に示すような複数の選択肢を有する質問が表示される。この図の例では、「化粧水の使用状況」、「肌の状態」、「化粧水に関するお悩み」等と記載された選択肢が表示されている。
【0044】
消費者は、表示された内容にしたがって、化粧水について相談したい事項に該当する選択肢を音声で伝える。消費者が発した音声がマイク部35に集音され、制御部33に出力される。制御部33は、マイク部35によって集音された音声の音声認識を行い、消費者が何れの選択肢を選択したか判定する。
或いは消費者は、表示された選択肢をタッチ操作することにより、化粧水について相談したい事項に該当する選択肢を選択する。この場合、消費者が選択した選択肢を示す情報がタッチパネル(不図示)を介して制御部33に出力される。制御部33は、取得した情報に応じて消費者が何れの選択肢を選択したか判定する。
【0045】
制御部33は、判定結果に応じて、選択された選択しに応じた画面を表示部34に表示させる。例えば、「化粧水の使用状況」を示す選択肢が選択された場合、消費者が該当する使用状況が選択できるように複数の使用状況に対応する選択肢がある画面などが表示される。消費者がいずれかの選択肢を選択すると、選択結果として、消費者に推奨する化粧水(商品)が表示される。
【0046】
この場合において、制御部33は、消費者に推奨する化粧水を表示させると共に、推奨した化粧水に関するアドバイスを表示するようにしてもよい。例えば、おすすめの使用方法をアドバイスしたり、おすすめの組合せとして化粧水と組み合わせる乳液をアドバイスしたり、化粧水の容量(サイズ)の選び方などをアドバイスするようにしてもよい。
【0047】
図6及び
図7は、情報処理システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図6には棚前行動情報を生成する処理の流れが示されている。
図7にはレジ前行動情報を生成し、さらに棚前行動情報を生成する処理の流れが示されている。
【0048】
図6に示すように、棚前カメラ20は、商品棚の近傍にある領域(棚前の領域)を撮像する(ステップS10)。棚前カメラ20は、撮像した画像情報を棚前撮像データとして情報処理サーバ10に送信する。情報処理サーバ10は棚前撮像データを受信し、受信した棚前撮像データを記憶部12に記憶させる(ステップS11)。
【0049】
この場合において、棚前カメラ20は撮像した画像情報を接客端末30に出力するようにしてもよい。この場合、接客端末30は、棚前カメラ20から受信した画像情報に基づいて接客を開始するか否かを判定する(ステップS12)。例えば、接客端末30は、受信した画像情報に人物が近づいてくる様子が撮像されている場合、商品棚に消費者が近づいてきたと判断して接客を開始する。接客を開始する場合、接客端末30は、「肌には日頃のケアが大切です」などという音声を出力する(ステップS13)。そして、接客端末30は、
図5に示すような複数の選択肢を有する質問を表示する(ステップS14)。質問に対する消費者の回答が行われると、接客端末30は回答を示す音声等を取得する(ステップS15)。接客端末30は取得した回答を示す情報を質問回答データとして情報処理サーバ10に送信する。情報処理サーバ10は、質問回答データを受信し、受信した質問回答データを記憶部12に記憶させる(ステップS16)。
【0050】
情報処理サーバ10は、棚前撮像データと質問回答データとを対応づけた情報を棚前行動情報として記憶部12に記憶させる(ステップS17)。
【0051】
図7に示すように、レジ前カメラ40は、レジの近傍にある領域(レジ前の領域)を撮像する(ステップS20)。レジ前カメラ40は、撮像した画像情報をレジ前撮像データとして情報処理サーバ10に送信する。情報処理サーバ10はレジ前撮像データを受信し、受信したレジ前撮像データを記憶部12に記憶させる(ステップS21)。
【0052】
一方、POS端末50はレジで購入された商品の販売情報を取得する(ステップS22)。POS端末50は、取得した販売情報をPOSデータとして情報処理サーバ10に送信する。情報処理サーバ10はPOSデータを受信し、受信したPOSデータを記憶部12に記憶させる(ステップS23)。
【0053】
情報処理サーバ10は、レジ前撮像データとPOSデータとを対応づけた情報をレジ前行動情報として記憶部12に記憶させる(ステップS24)。
また、情報処理サーバ10は、棚前行動情報を生成する(ステップS25)。例えば、情報処理サーバ10は、同一人物におけるレジ前行動情報に棚前行動情報を対応づけた情報を棚前行動情報として生成する。
【0054】
以上説明したように、実施形態の情報処理システム1は、取得部130と、記憶部12と、生成部132とを備える。取得部130は棚前行動情報、及びレジ前行動情報を取得する。棚前行動情報は商品が陳列される商品棚の近傍にいる消費者の行動が示された情報である。レジ前行動情報は消費者によって商品を購入する行動が示された情報である。記憶部12は、棚前行動情報とレジ前行動情報とを記憶する。生成部132は、棚前行動情報とレジ前行動情報とを対応づけた購買行動情報を生成する。
【0055】
これにより、実施形態の情報処理システム1では、商品棚の近傍における消費者の行動と、購入された商品に関する情報とを対応づけた情報を購買行動情報として生成することができる。したがって商品を購入する過程における消費者の行動が判る情報を生成することができる。
【0056】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130は棚前撮像データを、棚前行動情報として取得する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、商品棚の近傍における消費者の行動が撮像された画像情報を棚前行動情報として取得することができ、商品棚の前で消費者がどのような行動をとっているのかが判る情報を生成することができる。
【0057】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130はレジ前撮像データをレジ前行動情報として取得する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、消費者によって商品を購入する行動が撮像された画像情報をレジ前行動情報として取得することができ、消費者がどのような商品を購入したかが判る情報を生成することができる。
【0058】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130は棚前撮像データを棚前行動情報として取得し、レジ前撮像データをレジ前行動情報として取得する。生成部132は、同じ消費者が撮像された棚前撮像データとレジ前撮像データを対応づけた情報を購買行動情報として生成する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、商品棚の前でどのような行動をとっている消費者がどのような商品を購入したかが判る情報を生成することができる。
【0059】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130は質問回答データを棚前行動情報として取得する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、商品棚の前にいる消費者が商品に対してどのような関心をもっているかが判る情報を生成することができる。
【0060】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130はPOSデータをレジ前行動情報として取得する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、消費者が購入した商品に関する販売情報を取得することができる。
【0061】
また、実施形態の情報処理システム1では、取得部130は、商品棚において商品が陳列された位置を棚前撮像データから取得する。生成部132は商品棚において商品が陳列された位置とレジ前行動情報を対応づけた情報を購買行動情報として生成する。これにより、実施形態の情報処理システム1では、商品を陳列した位置と商品が購入されたかどうかの関係が判る情報を生成することができる。
【0062】
また、実施形態の情報処理システム1では、生成部132は商品棚に陳列された商品のメーカ又はタイプごとに、商品棚において商品が陳列された位置とレジ前行動情報を対応づけた情報を購買行動情報として生成する。これにより実施形態の情報処理システム1では、どのメーカの商品がどこに陳列されているとその商品が購入されるかが判る情報を生成することができる。また、どのようなタイプの商品がどこに陳列されているとその商品が購入されるかが判る情報を生成することができる。
【0063】
上述した実施形態では同一人物が撮像された棚前撮像データとレジ前撮像データを対応づけた情報を購買行動情報として生成する場合を例示して説明した。しかしながらこれに限定されない。生成部132は、少なくとも、棚前の行動と購入実績とが対応づけられた購買行動情報を生成すればよい。例えば、生成部132は、同じ属性(性別、及び/又は年代等)を持つ消費者の棚前撮像データとレジ前撮像データを対応づけた情報を購買行動情報として生成するようにしてもよい。
例えば、判定部131は、レジ前撮像データから消費者が商品を購入している購入シーンを抽出する。判定部131は、レジ前撮像データから抽出した購入シーンごとに、その購入シーンにて購入している消費者の属性を推定し、推定結果に応じたID(属性IDという)を付与する。消費者の属を推定する手法としては画像解析の手法、例えば顔認証技術を用いることができる。
次に、取得部130は棚前撮像データから消費者が商品棚の前にいる棚前シーンを抽出する。判定部131は、棚前撮像データから抽出した棚前シーンごとに、その棚前シーンにいる消費者の属性を推定し、推定結果に応じた属性IDを付与する。
そして、判定部131は、購入シーンに撮像された人物の属性IDと同じ属性IDが付与された棚前シーンとを対応づけた情報を生成し、生成した情報を棚前行動情報とする。
【0064】
また、上述した実施形態では、消費者に対して予め用意された質問を行う場合を例示して説明した。しかしながらこれに限定されない。接客端末30は少なくとも消費者が品に対してどのような関心をもっているか、或いは消費者の購入プロセスが判るような質問を行えばよい。例えば、消費者からの質問と、その質問に対する回答との対応関係を学習したAI(人工知能)を用いて、機械学習の手法により消費者との対話を行うように構成されてもよい。
【0065】
上述した実施形態における情報処理システム1、情報処理サーバ10、及び接客端末30の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0066】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0067】
1…情報処理システム
10…情報処理サーバ
130…取得部
131…判定部
132…生成部
20…棚前カメラ
30…接客端末
40…レジ前カメラ
50…POS端末
60…事業者サーバ