(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120849
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】データ管理システム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230823BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023947
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000115636
【氏名又は名称】リオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(72)【発明者】
【氏名】中市 健志
(72)【発明者】
【氏名】大屋 正晴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 成
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】騒音障害を防止するための適切なシステムを提供する。
【解決手段】データ管理システム10は、騒音が発生する作業場で働く作業員30に関するデータを管理するシステムである。データ管理システム10は、サーバと、サーバにインターネット等のネットワークを介して接続された端末13(作業員端末、管理者端末)と、を備えている。サーバは、作業員30の聴力を測定して得られた聴力データを取得し、作業場の騒音を測定して得られた騒音データを取得し、聴力データ及び騒音データを、作業員30を識別する識別データ30aに紐づけて記憶する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
騒音が発生する作業場で働く作業員に関するデータを管理するデータ管理システムであって、
サーバと、
前記サーバにネットワークを介して接続された端末と、を備え、
前記サーバは、前記作業員の聴力を測定して得られた聴力データを取得し、前記作業場の騒音を測定して得られた騒音データを取得し、
前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データを、前記作業員を識別する識別データに紐づけて記憶し、
前記端末は、前記サーバ又は前記端末に記憶されている前記識別データに紐づけられた前記聴力データ及び前記騒音データを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データと前記騒音データとを時系列に沿って記憶することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のデータ管理システムにおいて、
前記騒音データは、騒音計により得られた騒音計データ、及び、騒音ばく露計により得られた騒音ばく露計データを含むことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のデータ管理システムにおいて、
前記騒音データは、前記作業員の前記騒音ばく露計データと、前記作業場で業務に従事した期間の期間データとを含むことを特徴とするデータ管理システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、予め定められた区分のデータに基づいて、前記騒音データを区分けすることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し、1日に積算される騒音ばく露量が少なくなったことを入力、編集できる機能を有することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し適切な防音保護具に関する情報を表示させる機能を有することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項8】
請求項7に記載のデータ管理システムにおいて、
前記防音保護具に関する情報は、防音保護具の性能値であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のデータ管理システムにおいて、
前記防音保護具に関する情報は、防音保護具の型式情報であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関する騒音対策データを、前記識別データに紐づけて記憶することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項11】
請求項6から10のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記騒音対策による対策後に変化した前記騒音データの区分け及び防音保護具の装用によって実際にばく露されている推定した騒音レベルを、前記識別データに紐づけて記憶することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項12】
請求項6から11のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記作業員の健康診断の結果に関する健康診断データを取得し、前記健康診断データと前記聴力データとを比較することにより、前記騒音対策が正常に機能しているか否かを判定することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項13】
請求項12に記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記健康診断データを所定の書式に合わせたデータに変換可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記端末は、前記作業員が使用する作業員端末を含み、
前記作業員端末は、前記作業員に対応する前記識別データに紐づけられたデータを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項15】
請求項4に記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバ又は前記端末は、前記騒音データ、前記作業員が1日どの程度作業したのかを示す1日作業時間データ、及び、前記期間データに基づいて、ばく露量に関する特別値を算出する機能を有することを特徴とするデータ管理システム。
【請求項16】
請求項10に記載のデータ管理システムにおいて、
前記端末は、前記サーバの管理者が使用する管理者端末を含み、
前記管理者端末は、前記識別データに紐づけられた前記騒音対策データを、前記作業員を特定できない状態で閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項17】
請求項1から16のいずれかに記載のデータ管理システムにおいて、
前記端末は、前記サーバの管理者が使用する管理者端末を含み、
前記サーバは、前記作業場の環境に関する環境データを取得し、前記環境データに基づいて、予め定められた複数の騒音対策例データの中から前記作業場の環境に適した騒音対策例データを選択し、
前記管理者端末は、前記サーバにより選択された前記騒音対策例データを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【請求項18】
請求項17に記載のデータ管理システムにおいて、
前記サーバに対しては、前記騒音対策例データによって予見されるリスクの低減の度合いと、その低減の維持管理についての実施の記録とを入力可能であることを特徴とするデータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、騒音に関する技術として、騒音を低減させる方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、騒音を低減させることは可能であるかもしれないが、現状では、騒音障害を防止するための適切なシステムは存在しない。騒音作業環境測定及び特殊健康診断は該当する作業場を有する企業が定期的に実施しているが、転職する場合、転職前の雇用先の作業環境履歴、健康診断結果が転職後の雇用先に持ち込まれるケースはなく、また、企業が契約している健康診断委託機関が変更となった場合、過去のデータを参照できなくなるケースがある。騒音性難聴は累積的な騒音ばく露の影響を受けるため発症するまでに何年も要する場合が多く、長期にわたる騒音ばく露履歴が診断には必要となるが現在では、そのようなデータを保管するシステムは存在しない。
そこで、本発明は、騒音障害を防止するための適切なシステムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0006】
解決手段1:本解決手段のデータ管理システムは、騒音が発生する作業場で働く作業員に関するデータを管理するデータ管理システムであって、サーバと、前記サーバにネットワークを介して接続された端末と、を備え、前記サーバは、前記作業員の聴力を測定して得られた聴力データを取得し、前記作業場の騒音を測定して得られた騒音データを取得し、前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データを、前記作業員を識別する識別データに紐づけて記憶し、前記端末は、前記サーバ又は前記端末に記憶されている前記識別データに紐づけられた前記聴力データ及び前記騒音データを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0007】
本解決手段によれば、端末は、サーバ又は端末に記憶されている識別データに紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧可能であるため、聴力データと騒音データとを比較して作業員の耳の状態を確認することができ、結果として、騒音障害を防止するための適切なシステムを提供することができる。
【0008】
解決手段2:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データと前記騒音データとを時系列に沿って記憶することを特徴とするデータ管理システムである。
【0009】
本解決手段によれば、サーバ又は端末は、聴力データと騒音データとを時系列に沿って記憶するため、聴力データと騒音データとの時間的な変化を考慮しながら、作業員の耳の状態を確認することができる。
【0010】
解決手段3:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記騒音データは、騒音計により得られた騒音計データ、及び、騒音ばく露計により得られた騒音ばく露計データを含むことを特徴とするデータ管理システムである。
【0011】
本解決手段によれば、騒音データに、騒音計データだけでなく騒音ばく露計データも含めることにより、作業員等の耳の状態を多くの情報に基づいて確認することができる。なお、騒音ばく露計データは、作業員の騒音ばく露計データに限定されるものではない。騒音ばく露計データは、例えば、現場監督の騒音ばく露計データであってもよく、作業場付近に滞在する者の騒音ばく露計データであってもよく、作業場の誘導員の騒音ばく露計データであってもよい。
【0012】
解決手段4:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記騒音データは、前記作業員の前記騒音ばく露計データと、前記作業場で業務に従事した期間の期間データとを含むことを特徴とするデータ管理システムである。
【0013】
本解決手段によれば、作業場で業務に従事した期間における作業員のばく露を正確に把握することができる。
【0014】
解決手段5:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、予め定められた区分のデータに基づいて、前記騒音データを区分けすることを特徴とするデータ管理システムである。
【0015】
本解決手段によれば、サーバ又は端末は、予め定められた区分のデータに基づいて、騒音データを区分けするため、騒音データの区分けが自動化され、利便性を向上させることができる。
【0016】
解決手段6:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し、1日に積算される騒音ばく露量が少なくなったことを入力、編集できる機能を有することを特徴とするデータ管理システムである。
【0017】
本解決手段によれば、騒音ばく露量が少なくなったことを容易に把握することができる。
【0018】
解決手段7:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し適切な防音保護具に関する情報を表示させる機能を有することを特徴とするデータ管理システムである。
【0019】
本解決手段によれば、防音保護具に関する情報を容易に取得することができる。
【0020】
解決手段8:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記防音保護具に関する情報は、防音保護具の性能値であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0021】
本解決手段によれば、防音保護具の性能値を把握して、適切な防音保護具を容易に選択することができる。
【0022】
解決手段9:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記防音保護具に関する情報は、防音保護具の型式情報であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0023】
本解決手段によれば、防音保護具の型式情報を把握して、適切な防音保護具を容易に選択することができる。
【0024】
解決手段10:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記聴力データ及び前記騒音データに基づいて生成された騒音対策に関する騒音対策データを、前記識別データに紐づけて記憶することを特徴とするデータ管理システムである。
【0025】
本解決手段によれば、聴力データ及び騒音データだけでなく、騒音対策データも識別データに紐づけて記憶するため、多くのデータに基づいて騒音対策が適切か否かを確認することができる。ここで、騒音対策データとは、例えば、騒音発生源の工具の再選定、発生源近傍に、防音壁の設置、耳栓装着の有無(メーカ名型式、SNR値)、作業時間(騒音ばく露時間)、対策によって減じた騒音レベル及び騒音レベルに応じた区分けの値である。
【0026】
解決手段11:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記騒音対策による対策後に変化した前記騒音データの区分け及び防音保護具の装用によって実際にばく露されている推定した騒音レベルを、前記識別データに紐づけて記憶することを特徴とするデータ管理システムである。
【0027】
本解決手段によれば、推定した騒音レベルも含めて識別データに紐づけて管理することができる。
【0028】
解決手段12:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記作業員の健康診断の結果に関する健康診断データを取得し、前記健康診断データと前記聴力データとを比較することにより、前記騒音対策が正常に機能しているか否かを判定することを特徴とするデータ管理システムである。
【0029】
本解決手段によれば、騒音対策が正常に機能しているか否かを判定するため、騒音対策の効果を自動的に確認することができる。
【0030】
解決手段13:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記健康診断データを所定の書式に合わせたデータに変換可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0031】
本解決手段によれば、サーバ又は端末は、健康診断データを所定の書式に合わせたデータに変換可能であるため、データの変換作業が自動化され、利便性を向上させることができる。
【0032】
解決手段14:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記端末は、前記作業員が使用する作業員端末を含み、前記作業員端末は、前記作業員に対応する前記識別データに紐づけられたデータを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0033】
本解決手段によれば、作業員端末は、作業員に対応する識別データに紐づけられたデータを閲覧可能であるため、作業員が自分の耳の状態をいつでも確認することができる。
【0034】
解決手段15:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバ又は前記端末は、前記騒音データ、作業員が1日どの程度作業したのかを示す1日作業時間データ、及び、前記期間データに基づいて、ばく露量に関する特別値を算出する機能を有することを特徴とするデータ管理システムである。
【0035】
本解決手段によれば、ばく露量に関する特別値を自動的に算出する機能を有するため、利便性を向上させることができる。
【0036】
解決手段16:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記端末は、前記サーバの管理者が使用する管理者端末を含み、前記管理者端末は、前記識別データに紐づけられた前記騒音対策データを、前記作業員を特定できない状態で閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0037】
本解決手段によれば、管理者端末は、識別データに紐づけられた騒音対策データを、作業員を特定できない状態で閲覧可能であるため、作業員の個人情報を守りながら管理者側で騒音に関する対策を検討することができる。
【0038】
解決手段17:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記端末は、前記サーバの管理者が使用する管理者端末を含み、前記サーバは、前記作業場の環境に関する環境データを取得し、前記環境データに基づいて、予め定められた複数の騒音対策例データの中から前記作業場の環境に適した騒音対策例データを選択し、前記管理者端末は、前記サーバにより選択された前記騒音対策例データを閲覧可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0039】
本解決手段によれば、管理者端末は、サーバにより選択された対策例データを閲覧可能であるため、騒音対策例データの選択が自動化され、利便性を向上させることができる。
【0040】
解決手段18:本解決手段のデータ管理システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記サーバに対しては、前記騒音対策例データによって予見されるリスクの低減の度合いと、その低減の維持管理についての実施の記録とを入力可能であることを特徴とするデータ管理システムである。
【0041】
本解決手段によれば、騒音対策例データに付随する情報を日常的に管理、維持することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、騒音障害を防止するための適切なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】実施形態のデータ管理システム10を示す図である。
【
図2】サーバ制御処理の流れを示すフローチャートである(1/2)。
【
図3】サーバ制御処理の流れを示すフローチャートである(2/2)。
【
図4】端末制御処理の流れを示すフローチャートである(1/2)。
【
図5】端末制御処理の流れを示すフローチャートである(2/2)。
【
図6】サーバに記憶されるデータの内容を示す図である。
【
図7】実施形態のデータ管理システム10の利用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態のデータ管理システム10を示すブロック図である。
データ管理システム10は、騒音が発生する作業場20で働く作業員30に関するデータを管理するデータ管理システムである。データ管理システム10は、サーバ11と、サーバ11にインターネット等のネットワーク12を介して接続された端末13と、を備えている。端末13は、パーソナルコンピュータや携帯型情報処理端末である。
【0045】
サーバ11は、制御部(CPU)と記憶装置(メモリ)とを備えており、サーバ11の制御部がサーバ制御処理のプログラム(管理ソフト)を実行することにより動作する。端末13は、制御部(CPU)と記憶装置(メモリ)とを備えており、端末13の制御部が端末制御処理のプログラム(管理ソフト)を実行することにより動作する。
サーバ制御処理のプログラムは、サーバ11に記憶されており、端末制御処理のプログラムは、端末13に記憶されている。また、端末13には、本システム専用のアプリケーションがインストールされている。
【0046】
本システムを利用する場合、端末13において本システム専用のアプリケーションを起動し、ログイン画面からログインして利用を開始する。この場合、作業員IDを用いてログインすると、端末13は作業員端末14となり、管理者IDを用いてログインすると、端末13は管理者端末15となる。なお、以下、単に端末13と表示する場合は、作業員端末14及び管理者端末15の両方の端末を含んでいる意味で用いることもある。
【0047】
また、本システムでは、以下の4つの測定器を用いて各種数値を測定する。ただし、4つの測定器については必ずしも全てを用いる必要はなく、システムの利用状況に応じて少なくとも1つの測定器を用いることができる。
【0048】
第1測定器71は、作業員30の聴力を測定し、聴力データ81を出力可能な機器である。第1測定器71は、例えば、オージオメータ(聴力検査装置)である。
第2測定器72は、作業場20の騒音を測定し、騒音データ82を出力可能な機器である。第2測定器72は、例えば、騒音計、騒音ばく露計である。
【0049】
第3測定器73は、作業員30の健康状態(聴力を含む)を測定し、健康診断データ83を出力可能な機器である。第3測定器73は、例えば、健康診断の際に用いる各種測定器(オージオメータを含む)である。第3測定器73は、医療従事者40(産業医)が操作する。
【0050】
第4測定器74は、作業場20の環境を測定し、環境データ84を出力可能な機器である。第4測定器74は、騒音計、騒音ばく露計、温度計、湿度計等であり、これらの測定結果(騒音値、ばくろ量の値、温度、湿度等)が環境データ84に含まれている。第4測定器74は、測定担当者50が操作する。なお、環境データ84には、騒音計と騒音ばく露計の校正結果、設定値、測定結果、測定現場の作業の工程項目等を含ませることができる。
【0051】
聴力データ81、騒音データ82、健康診断データ83及び環境データ84は、管理者端末15に送信(所定の通信手段で送信)され又は管理者端末15に入力(所定の操作手段で入力)され、ネットワーク12を介して、サーバ11に送信される。なお、各種データは、識別データ30a(作業員ID)とともに送信される(以下、同様)。また、各種データは、作業員端末14を経由して、サーバ11に送信してもよい(以下、同様)。
【0052】
社内安全衛生委員会60は、聴力データ81及び騒音データ82に基づいて騒音対策を決定し、騒音対策に関する騒音対策データ85を生成する。騒音対策データ85は、管理者端末15に送信され又は管理者端末15に入力され、ネットワーク12を介して、サーバ11に送信される。サーバ11は、聴力データ81及び騒音データ82に基づいて生成された騒音対策に関する騒音対策データ85を、識別データ30aに紐づけて記憶する。
【0053】
サーバ11は、作業員30の聴力を測定して得られた聴力データ81を取得し、作業場20の騒音を測定して得られた騒音データ82を取得する。また、サーバ11は、聴力データ81及び騒音データ82を、作業員30を識別する識別データ30aに紐づけて記憶する。識別データ30aは、作業員30を特定可能なデータであり、例えば、社員証に記載されている作業員IDである。
【0054】
端末13は、サーバ11に記憶されている識別データ30aに紐づけられた聴力データ81及び騒音データ82を閲覧可能である。なお、閲覧可能なデータは、ファイルに出力したり印刷したりすることができる(以下、同様)。
【0055】
騒音データ82は、騒音計により得られた騒音計データ、及び、騒音ばく露計により得られた騒音ばく露計データを含んでいる。また、騒音データ82は、作業員の騒音ばく露計データと、その作業場で業務に従事した期間の期間データとを含んでいることが好ましい。
【0056】
端末13は、作業員30が使用する作業員端末14を含んでいる。作業員端末14は、作業員30に対応する識別データ30aに紐づけられたデータを閲覧可能である。
【0057】
端末13は、サーバ11の管理者が使用する管理者端末15を含んでいる。管理者端末15は、識別データ30aに紐づけられた騒音対策データ85を、作業員30を特定できない状態で閲覧可能である。なお、測定担当者50や社内安全衛生委員会60が管理者端末15を利用する場合は、作業員30を特定できる状態で騒音対策データ85を閲覧可能としてもよい。
【0058】
図2及び
図3は、サーバ制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、サーバ11の制御部が実行する処理である。本処理は、サーバ11のプログラムのメインループ処理に組み込まれている処理である。本処理は、サーバ11が稼働している間は繰り返し実行される。以下、処理の内容について説明する。
【0059】
ステップS101:サーバ11は、聴力データを取得したか否かを確認する処理を実行する。聴力データは、端末13がサーバ11に対して送信する。
その結果、聴力データを取得したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS102を実行する。一方、聴力データを取得したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS103を実行する。
【0060】
ステップS102:サーバ11は、識別データに紐づけて聴力データを記憶する処理を実行する。
【0061】
ステップS103:サーバ11は、騒音データを取得したか否かを確認する処理を実行する。騒音データは、端末13がサーバ11に対して送信する。
その結果、騒音データを取得したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS104を実行する。一方、騒音データを取得したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS106を実行する。
【0062】
ステップS104:サーバ11は、識別データに紐づけて騒音データを記憶する処理を実行する。
ステップS105:サーバ11は、騒音データを区分けする処理を実行する。サーバ11は、予め定められた区分のデータに基づいて、騒音データを区分けする。騒音データは、第1管理区分、第2管理区分、第3管理区分の3つの区分に区分けすることができる。
【0063】
いずれの区分に区分けするかについては、一又は複数の測定法(A測定(騒音計による測定)、B測定(騒音計によるA測定とは異なる測定)、C測定(騒音ばく露計による測定))の測定結果に基づいて決定することができる。区分け方法については、区分けの計算アルゴリズムがプログラムに搭載されており、例えば、A測定の結果が85dB(A)未満であり、B測定の結果が85dB(A)未満である場合は、第1管理区分に区分けするという内容等が定められている。
区分けの結果は、識別データに紐づけて管理区分データ(第1管理区分=1、第2管理区分=2、第3管理区分=3)として記憶する。
【0064】
ステップS106:サーバ11は、騒音対策データを取得したか否かを確認する処理を実行する。騒音対策データは、端末13がサーバ11に対して送信する。
その結果、騒音対策データを取得したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS107を実行する。一方、騒音対策データを取得したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ページ外結合子(A)に移行して、ステップS108(
図3)を実行する。
【0065】
ステップS107:サーバ11は、識別データに紐づけて騒音対策データを記憶する処理を実行する。
ステップS107の処理を終えると、サーバ11は、ページ外結合子(A)に移行して、ステップS108(
図3)を実行する。
【0066】
ステップS108:サーバ11は、健康診断データを取得したか否かを確認する処理を実行する。健康診断データは、端末13がサーバ11に対して送信する。
その結果、健康診断データを取得したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS109を実行する。一方、健康診断データを取得したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS111を実行する。
【0067】
ステップS109:サーバ11は、識別データに紐づけて健康診断データを記憶する処理を実行する。
ステップS110:サーバ11は、騒音対策判定処理を実行する。具体的には、サーバ11は、作業員の健康診断の結果に関する健康診断データを取得し、健康診断データと聴力データとを比較することにより、騒音対策が正常に機能しているか否かを判定する。
【0068】
例えば、健康診断データに含まれている聴力値と、聴力データに含まれている聴力値とが同一である場合、騒音対策が正常に機能していると判定する。
また、健康診断データに含まれている聴力値が、聴力データに含まれている聴力値よりも良い値である場合、騒音対策が正常に機能していると判定する。
一方、健康診断データに含まれている聴力値が、聴力データに含まれている聴力値よりも悪い値である場合、騒音対策が正常に機能していない(異常である)と判定する。ここで用いる判定の基準は産業医又は耳鼻科医の指示に基づいて決定してもよい。
判定結果は、識別データに紐づけて判定結果データとして記憶する。判定結果データは、医師の判定による騒音性難聴の有無、経過観察の有無、定期健康診断結果の所見の有無等であってもよく、単に正常又は異常であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0069】
ステップS111:サーバ11は、変換要求(第1変換要求又は第2変換要求)を受信したか否かを確認する処理を実行する。変換要求は、識別データに紐づけられた各種データを所定の書式に変換するための要求である。第1変換要求は、端末13の表示画面に表示された第1変換要求ボタンを押すことで発生する。第2変換要求は、端末13の表示画面に表示された第2変換要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、変換要求を受信したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS112を実行する。一方、変換要求を受信したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS113を実行する。
【0070】
ステップS112:サーバ11は、データ変換処理を実行する。具体的には、第1変換要求を受け付けた場合、サーバ11は、騒音データ等を所定の書式(例えば、労働基準監督署に提出するための作業環境測定結果報告書のフォーマット)に合わせたデータに変換する処理を実行する。また、第2変換要求を受け付けた場合、サーバ11は、健康診断データを所定の書式(例えば、労働基準監督署に提出するための特殊健康診断報告書のフォーマット)に合わせたデータに変換する処理を実行する。変換したデータは、識別データに紐づけて変換後データとして記憶する。
【0071】
ステップS113:サーバ11は、環境データを取得したか否かを確認する処理を実行する。環境データは、端末13がサーバ11に対して送信する。
その結果、環境データを取得したことを確認した場合(Yes)、サーバ11は、ステップS114を実行する。一方、環境データを取得したことを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS116を実行する。
【0072】
ステップS114:サーバ11は、識別データに紐づけて環境データを記憶する処理を実行する。
ステップS115:サーバ11は、騒音対策例データ選択処理を実行する。具体的には、サーバ11は、作業場の環境に関する環境データを取得し、環境データに基づいて、予め定められた複数の騒音対策例データの中から作業場の環境に適した騒音対策例データを選択する処理を実行する。
【0073】
複数の騒音対策例データとしては、以下の3つがある。
(E1)騒音対策は不要である。
(E2)耳栓の装着を促す。
(E3)作業場の騒音対策が必要である。
【0074】
例えば、環境データに含まれているデータのうち、いずれのデータも予め定められた基準値を超えていない場合は、上記の(E1)の対策を選択する。
環境データに含まれているデータのうち、いずれか1つのデータが予め定められた基準値を超えている場合、上記の(E2)の対策を選択する。
環境データに含まれているデータのうち、2つ以上のデータが予め定められた基準値を超えている場合、上記の(E3)の対策を選択する。
【0075】
そして、選択した騒音対策例データは、識別データに紐づけて選択済み騒音対策例データとして記憶する。これにより、管理者端末15は、サーバ11により選択された騒音対策例データ(選択済み騒音対策例データ)を閲覧可能となる。
【0076】
ステップS116:サーバ11は、入力・編集機能管理処理を実行する。
サーバ11は、端末13から入力・編集機能の使用要求を受け付けた場合、本処理を実行する。サーバ11は、聴力データ及び騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し、1日に積算される騒音ばく露量が少なくなったことを入力、編集できる機能を有する(端末13を介して騒音ばく露量が少なくなったことを時系列に沿って入力、編集できる機能を実行可能である)。1日に積算される騒音ばく露量は、作業時間の短縮により1日に積算される量とすることができる。入力・編集機能に関しては、所定の期間ごとに、入力・編集を促すタイムスケジュール機能を追加してもよい。
【0077】
また、本処理には、測定した結果において、騒音対策を行った結果、想定される騒音ばく露量を再計算する機能を追加することができる。例えば、測定結果が90dBである場合、10dBの遮音効果のある耳栓を装用すると、90dB-10dB=80dBとなり、1日に許容されるばく露量をシミュレーション上で再計算することで、結果として、ばく露量の減少を確認することができるようになる。
【0078】
ステップS117:サーバ11は、防音保護具情報表示処理を実行する。
サーバ11は、端末13から防音保護具情報表示要求を受け付けた場合、本処理を実行する。サーバ11は、聴力データ及び騒音データに基づいて生成された騒音対策に関し適切な防音保護具に関する情報(防音保護具情報;防音保護具を選定したり、特定したり、識別したりするための情報等)を表示させる機能を有する(端末13に防音保護具に関する情報を表示させる処理を実行可能である)。防音保護具に関する情報は、防音保護具の性能値(例えばSNR値)であることが好ましい。また、防音保護具に関する情報は、防音保護具の型式情報(例えば耳栓の型式を示す情報)であることが好ましい。
【0079】
騒音対策の有無は、騒音レベルの大きさにより決まるが、主な対策は防音保護具(耳栓)の着用になる。耳栓は機種によって性能が異なり、耳栓の性能は例えばSNR値で表示されている。騒音レベルに対し性能が低いと難聴のリスクが高まり、性能が高すぎると警報器等危険を察知する情報が耳に届かなくなる。騒音レベルの大きさによって推奨されるSNR値の算出方法は複数あるが、本システムではその算出を自動で行えるようにしている。
【0080】
また、XdB以下用等の性能が表示されていても、それを理解して音環境に実際に対応した耳栓を使用できる人は限られる。よって、騒音環境から直接「このメーカのこの耳栓」という個別具体的な提案(表示)がされる機能を搭載していてもよい。この場合、耳栓データベースを設け、対策目標を設定し、最適な耳栓を選定するという機能も搭載可能である。耳栓装着時でも警報は聞こえる必要がある等、耳栓選定の際には、聴覚保護のみではなく作業環境(警報音や声掛けは聞こえる環境)の確保も必要な要件となり、本システムでは、これらの総合的な要素を考慮した対策案を出力することができる。
【0081】
ステップS118:サーバ11は、推定騒音レベル記憶処理を実行する。
サーバ11は、端末13から推定騒音レベル記憶要求を受け付けた場合、本処理を実行する。サーバ11は、騒音対策による対策後に変化した騒音データの区分け及び防音保護具の装用によって実際にばく露されている推定した騒音レベルを、識別データに紐づけて記憶する。騒音レベルの推定は、予め定められた演算式により算出することができる。
【0082】
ステップS119:サーバ11は、特別値算出処理を実行する。
サーバ11は、端末13から特別値算出要求を受け付けた場合、本処理を実行する。サーバ11は、騒音データ、作業員が1日どの程度作業したのかを示す1日作業時間データ、及び、期間データに基づいて、ばく露量に関する特別値を算出する機能を有する。算出した特別値は、識別データに紐づけて記憶する。
【0083】
具体的には、サーバ11は、(1)騒音計や騒音ばく露計で測定した結果(例えば、A作業:騒音レベル90dB、B作業:騒音レベル92dB、C作業:騒音レベル87dB)、(2)作業員が上記(1)の作業を1日どの程度作業したのかを示す作業シフト表、(3)作業員が勤めた年月の3つの項目から、時間に騒音レベルを乗算した値(エネルギー量)を積算していく機能を有する。積算に関する値は、一日あたりばく露されてよい値(許容値)が決まっており、1日毎にばく露量を許容値で除算して%(百分率)で表す。この値を特別値(DOSE)としており、本システムでは、上記の(1)~(3)のデータを使用して特別値を算出することができる機能を有する。
【0084】
ステップS120:サーバ11は、騒音対策例データ管理処理を実行する。
サーバ11は、端末13から騒音対策例データ管理要求を受け付けた場合、本処理を実行する。サーバ11に対しては、騒音対策例データによって予見されるリスクの低減の度合い(例えば、低減の度合いを示す大・中・小)と、その低減の維持管理についての実施の記録(例えば、継続・非継続)とを入力可能である。サーバ11は、騒音対策例データに、リスクの低減の度合いと実施の記録とを含めて記憶可能である。
【0085】
騒音対策例データは、「自社の作業環境に適した対策例」にする必要がある。そして、「自社の作業環境に適した対策例」とは、騒音レベル(音の大きさを示す値)がある閾値を超えている場合、騒音レベルに応じた性能を有する耳栓の選定、騒音源に騒音レベルが小さくなるような工夫(作業員を遠ざける、騒音源を防音壁で囲う等)である。その結果、騒音性難聴になるリスクが下がることになり、この対策を日常的に管理、維持することが重要である。このため、本システムでは、「騒音対策例データの表示」に加え、「対策によって予見されるリスクの低減の度合い」、「その低減を維持管理について実施の記録を入力可能」としている。
以上の処理を終えると、サーバ11は、呼び出し元に戻って処理を継続する。呼び出し元に戻ると、メインループに復帰するため、サーバ11が稼働している間は、サーバ制御処理は繰り返し実行される。
【0086】
図4及び
図5は、端末制御処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、端末13の制御部が実行する処理である。本処理は、端末13のプログラムのメインループ処理に組み込まれている処理である。本処理は、端末13が動作している間は繰り返し実行される。また、以下の処理は、作業員端末14と管理者端末15とで共通の処理としている。処理を共通化することにより、システム導入の手間を軽減させることができる。以下、処理の内容について説明する。
【0087】
ステップS201:端末13は、閲覧要求が有るか否かを確認する処理を実行する。閲覧要求は、識別データに紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧するための要求である。閲覧要求は、端末13の表示画面に表示された閲覧要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、閲覧要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS202を実行する。一方、閲覧要求が有ることを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS203を実行する。
【0088】
ステップS202:端末13は、識別データに紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧する処理を実行する。具体的には、端末13が、サーバ11に対して識別データに紐づけられた聴力データ及び騒音データの送信を要求し、サーバ11から識別データに紐づけられた聴力データ及び騒音データを受信し、受信したデータを端末13の表示画面に表示する処理を実行する。
【0089】
作業員端末14で聴力データ及び騒音データを閲覧する場合は、ログイン時に入力した識別データ(作業員ID)に紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧することができる。
管理者端末15で聴力データ及び騒音データを閲覧する場合は、ログイン時に入力した識別データ(管理者ID)に紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧することもできるし、別途指定した識別データ(作業員ID)に紐づけられた聴力データ及び騒音データを閲覧することもできる。
【0090】
ステップS203:端末13は、各種データ閲覧要求が有るか否かを確認する処理を実行する。各種データ閲覧要求は、識別データに紐づけられた各種データ(聴力データ及び騒音データを含む)を閲覧するための要求である。各種データ閲覧要求は、端末13の表示画面に表示された各種データ閲覧要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、各種データ閲覧要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS204を実行する。一方、各種データ閲覧要求が有ることを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS206を実行する。
【0091】
ステップS204:端末13は、作業員端末であるか否かを確認する処理を実行する。作業員端末であるか否か、管理者端末であるか否かは、ログイン時に入力する識別データにより判定することができる(以下、同様)。
その結果、作業員端末であることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS205を実行する。一方、作業員端末であることを確認できない場合(No)、サーバ11は、ステップS206を実行する。
【0092】
ステップS205:端末13は、識別データに紐づけられた各種データを閲覧する処理を実行する。具体的には、端末13が、サーバ11に対して識別データに紐づけられた各種データの送信を要求し、サーバ11から識別データに紐づけられた各種データを受信し、受信したデータを端末13の表示画面に表示する処理を実行する。
【0093】
ステップS206:端末13は、騒音対策データ閲覧要求が有るか否かを確認する処理を実行する。騒音対策データ閲覧要求は、識別データに紐づけられた騒音対策データを閲覧するための要求である。騒音対策データ閲覧要求は、端末13の表示画面に表示された騒音対策データ閲覧要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、騒音対策データ閲覧要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS207を実行する。一方、騒音対策データ閲覧要求が有ることを確認できない場合(No)、端末13は、ページ外結合子(B)に移行して、ステップS209(
図5)を実行する。
【0094】
ステップS207:端末13は、管理者端末であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、管理者端末であることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS208を実行する。一方、管理者端末であることを確認できない場合(No)、端末13は、ページ外結合子(B)に移行して、ステップS209(
図5)を実行する。
【0095】
ステップS208:端末13は、識別データに紐づけられた騒音対策データを、作業員を特定できない状態で閲覧する処理を実行する。具体的には、端末13が、サーバ11に対して識別データに紐づけられた騒音対策データの送信を要求し、サーバ11から識別データに紐づけられた騒音対策データを受信し、受信したデータを端末13の表示画面に表示する処理を実行する。この場合に表示される騒音対策データは、管理者IDに紐づけられた騒音対策データではなく、作業員IDに紐づけられた騒音対策データである。ただし、作業員IDは表示されないため、騒音対策データを見ても作業員を特定することはできない。騒音対策データは、サーバに記憶されている全てのデータを表示してもよく、一部のデータを表示してもよい。
ここでの騒音対策データは、例えば企業側が労働基準監督署等に、騒音対策を十分に行っていることを示すための資料になる。また、労災認定時には、適切な対策を行っていたことを示す企業側の重要な証拠になる。
ステップS208の処理を終えると、端末13は、ページ外結合子(B)に移行して、ステップS209(
図5)を実行する。
【0096】
ステップS209:端末13は、騒音対策データ閲覧要求が有るか否かを確認する処理を実行する。騒音対策データ閲覧要求は、識別データに紐づけられた騒音対策データを閲覧するための要求である。騒音対策データ閲覧要求は、端末13の表示画面に表示された騒音対策データ閲覧要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、騒音対策データ閲覧要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS210を実行する。一方、騒音対策データ閲覧要求が有ることを確認できない場合(No)、端末13は、ステップS214を実行する。
【0097】
ステップS210:端末13は、管理者端末であるか否かを確認する処理を実行する。
その結果、管理者端末であることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS211を実行する。一方、管理者端末であることを確認できない場合(No)、端末13は、ステップS214を実行する。
【0098】
ステップS211:端末13は、識別データに紐づけられた騒音対策例データを閲覧する処理を実行する。具体的には、端末13が、サーバ11に対して識別データに紐づけられた騒音対策例データの送信を要求し、サーバ11から識別データに紐づけられた騒音対策例データを受信し、受信したデータを端末13の表示画面に表示する処理を実行する。
この場合に表示される騒音対策例データは、管理者IDに紐づけられた騒音対策データではなく、作業員IDに紐づけられた騒音対策例データである。騒音対策例データは、サーバに記憶されている全てのデータを表示してもよく、一部のデータを表示してもよい。
【0099】
ステップS212:端末13は、各種データ出力要求が有るか否かを確認する処理を実行する。各種データ出力要求は、サーバに記憶されている各種データを出力するための要求である。各種データ出力要求は、端末13の表示画面に表示された各種データ出力要求ボタンを押すことで発生する。
その結果、各種データ出力要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS213を実行する。一方、各種データ出力要求が有ることを確認できない場合(No)、端末13は、ステップS214を実行する。
【0100】
ステップS213:端末13は、各種データを出力(紙出力、データ出力)する処理を実行する。出力可能なデータは、作業員端末であるか管理者端末であるかによって異なる。出力可能なデータは、基本的には、各端末で閲覧可能なデータである。また、管理者端末であれば、閲覧可能なデータに、リスク評価を行った結果やリスクコントロール結果、リスクコントロール手段、リスクマネジメントに関する情報を含ませて、リスクアセスメント情報やリスクマネジメント情報として出力することもできる。
【0101】
ステップS214:端末13は、その他の要求が有るか否かを確認する処理を実行する。その他の要求は、サーバに対してその他の要求を送信するための要求である。その他の要求は、端末13の表示画面に表示されたその他の要求ボタンを押すことで発生する。その他の要求には、「入力・編集機能の使用要求」、「防音保護具情報表示要求」、「特別値算出要求」、「推定騒音レベル記憶要求」、「騒音対策例データ管理要求」のうちの少なくとも1つの要求が含まれている。端末13の表示画面では、少なくとも1つの要求を選択することができる。
その結果、その他の要求が有ることを確認した場合(Yes)、端末13は、ステップS215を実行する。一方、その他の要求が有ることを確認できない場合(No)、端末13は、呼び出し元に戻り処理を継続する。
【0102】
ステップS215:端末13は、その他の要求をサーバに送信する処理を実行する。
以上の処理を終えると、端末13は、呼び出し元に戻って処理を継続する。呼び出し元に戻ると、メインループに復帰するため、端末13が動作している間は、端末制御処理は繰り返し実行される。
【0103】
図6は、サーバに記憶されるデータの内容を示す図である。
サーバに記憶されるデータとしては、「聴力データ」、「騒音データ」、「管理区分データ」、「騒音対策データ」、「健康診断データ」、「環境データ」、「判定結果データ」、「変換後データ」、「選択済み騒音対策例データ」、「推定騒音レベル」、「特別値」等がある。そして、これらのデータは、「識別データ(作業員ID)=00001」に紐づけられている。なお、作業員が異なる場合、識別データ(作業員ID=00002等)や記憶されるデータも異なる。
【0104】
〔識別データ(作業員ID)=00001〕に対応する作業員の具体的なデータは、以下の通りである。なお、英数字のデータについては、具体的な数値が一又は複数格納される。
〔〇〇〇〇年〇〇月〇〇日のデータ〕
「聴力データ」 :A1
「騒音データ」 :B1
「管理区分データ」 :1
「騒音対策データ」 :T1
「健康診断データ」 :K1
「環境データ」 :S1
「判定結果データ」 :J1
「変換後データ」 :F1
「選択済み騒音対策例データ」:E1
「推定騒音レベル」 :G1
「特別値」 :X1
【0105】
〔△△△△年△△月△△日のデータ〕
「聴力データ」 :A2
「騒音データ」 :B2
「管理区分データ」 :2
「騒音対策データ」 :T2
「健康診断データ」 :K2
「環境データ」 :S2
「判定結果データ」 :J2
「変換後データ」 :F2
「選択済み騒音対策例データ」:E2
「推定騒音レベル」 :G2
「特別値」 :X2
【0106】
〔□□□□年□□月□□日のデータ〕
「聴力データ」 :A3
「騒音データ」 :B3
「管理区分データ」 :3
「騒音対策データ」 :T3
「健康診断データ」 :K3
「環境データ」 :S3
「判定結果データ」 :J3
「変換後データ」 :F3
「選択済み騒音対策例データ」:E3
「推定騒音レベル」 :G3
「特別値」 :X3
【0107】
このように、これらの各種データは、サーバにより、時系列に沿って記憶されている。なお、特定の日(例えば(1)の〇〇〇〇年〇〇月〇〇日)に、全てのデータを記憶することができないこともあるが、その場合は、記憶することができないデータは存在しないことになる。
【0108】
図7は、実施形態のデータ管理システム10の利用例を示す図である。
この利用例では、第1ステップから第6ステップまでの6個のステップによってデータ管理システム10を利用している。以下、各ステップを順番に説明する。
【0109】
〔第1ステップ(S1)〕
第1ステップでは、騒音計91と騒音ばく露計92の校正結果読み込み、騒音計91と騒音ばく露計92の設定値書き込み、騒音計91と騒音ばく露計92の測定結果読み込みを行う。そして、測定現場(作業場)の作業の工程項目を入力し、各結果と紐づけを行う。
【0110】
具体的には、測定担当者50(安全管理者、衛生管理者、社内安全衛生委員会メンバーのうち少なくとも1人)が、騒音計91を用いてA測定、B測定を行い、測定データ(騒音データ)を、端末13を経由してサーバに送信する。
また、作業員30が、騒音ばく露計92を用いてC測定を行い、測定データ(騒音データ)を、端末13を経由してサーバに送信する。
測定データは、識別データ30aと紐づけられてサーバに記憶される。
【0111】
〔第2ステップ(S2)〕
第2ステップでは、測定結果からリスク評価を行った結果を指定報告書に印刷する。
具体的には、測定データ等が作業環境測定結果報告書93に変換され、これを出力して労働基準監督署へ提出することができる。作業環境測定結果報告書93には、リスク評価を行った結果を含ませることができる。
【0112】
〔第3ステップ(S3)〕
第3ステップでは、第2ステップ及びリスクコントロール手段を社内会議で検討するための資料出力及びリスクコントロール手段の結果が入力(決定)される。第3ステップでは、例えば、測定詳細結果の出力が行われ、対策例の提案が行われる。
【0113】
具体的には、端末13により出力される資料としてのリスクアセスメント情報94(サーバに蓄積されている各種データに基づく情報)に基づいて、社内安全衛生委員会60が予防策の決定を行う。予防策は、例えば、耳栓95の装着や作業場の改善という内容である。そして、決定された予防策に基づいて、作業場の騒音対策や、作業員30に対する騒音対策が行われる。
リスクコントロールの結果(騒音対策データ)は、端末13を経由してサーバに送信され、識別データ30aと紐づけて記憶される。
【0114】
〔第4ステップ(S4)〕
第4ステップでは、オージオメータ96を使用した耳栓有無での閾値測定結果を読み込み、作業員の識別データ30aを読み込み、紐づけを行う。
【0115】
具体的には、産業保健師41が、耳栓95の取り付け効果を確認し、装着方法や装着時間等の教育を行いながら、実施記録(健康診断データ)を、端末13を経由してサーバに送信する。
また、医療従事者40(産業医)が、オージオメータ96を使用した聴力の測定を行い、聴力検査結果(聴力データ、健康診断データ)を、端末13を経由してサーバに送信する。これらのデータは、識別データ30aと紐づけられてサーバに記憶される。
【0116】
〔第5ステップ(S5)〕
第5ステップでは、特定健康診断報告書の出力機能を利用することができる。
具体的には、サーバに蓄積されている各種データが、特殊健康診断報告書97に変換され、これを出力して労働基準監督署へ提出することができる。
【0117】
〔第6ステップ(S6)〕
第6ステップでは、個人の履歴を閲覧できる検索機能を利用することができる。
具体的には、サーバに蓄積されている各種データに基づいてリスクマネジメント情報98(サーバに蓄積されている各種データに基づく情報)が作成され、社内安全衛生委員会60や安全管理者、衛生管理者が作業員30の履歴を確認する。
そして、このようなステップにより、作業員30の騒音障害を適切に防止することができる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、端末13は、サーバ11に記憶されている識別データ30aに紐づけられた聴力データ81及び騒音データ82を閲覧可能であるため、聴力データ81と騒音データ82とを比較して作業員の耳の状態を確認することができ、結果として、騒音障害を防止するための適切なシステムを提供することができる。
【0119】
(2)本実施形態によれば、サーバ11は、聴力データ81と騒音データ82とを時系列に沿って記憶するため、聴力データ81と騒音データ82との時間的な変化を考慮しながら、作業員の耳の状態を確認することができる。
【0120】
(3)本実施形態によれば、騒音データ82に、騒音計データだけでなく騒音ばく露計データも含めることにより、作業員等の耳の状態を多くの情報に基づいて確認することができる。
【0121】
(4)本実施形態によれば、作業場で業務に従事した期間における作業員のばく露を正確に把握することができる。
【0122】
(5)本実施形態によれば、サーバ11は、予め定められた区分のデータに基づいて、騒音データ82を区分けするため、騒音データ82の区分けが自動化され、利便性を向上させることができる。また、騒音データ82から厚生労働省が定めた騒音管理区分に自動で区分けすることができる。
【0123】
(6)本実施形態によれば、騒音ばく露量が少なくなったことを容易に把握することができる。
【0124】
(7)本実施形態によれば、防音保護具に関する情報を容易に取得することができる。
(8)本実施形態によれば、防音保護具の性能値を把握して、適切な防音保護具を容易に選択することができる。また、サーバ11は、騒音レベルに応じ、耳栓の適切な性能表示を行うため、管理者や作業員が耳栓の選定時に迷うことなくなる。
(9)本実施形態によれば、防音保護具の型式情報を把握して、適切な防音保護具を容易に選択することができる。また、サーバ11は、騒音レベルに応じ、具体的な耳栓の型式情報の表示を行うため、管理者や作業員が耳栓の選定時に迷うことなくなる。
【0125】
(10)本実施形態によれば、聴力データ81及び騒音データ82だけでなく、騒音対策データも識別データに紐づけて記憶するため、多くのデータに基づいて騒音対策が適切か否かを確認することができる。また、企業として、リスクの抽出、評価、コントロール、残留リスクの確認の一連の内容が記録された結果を保存することができる。
【0126】
(11)本実施形態によれば、推定した騒音レベルも含めて識別データに紐づけて管理することができる。
【0127】
(12)実施形態によれば、騒音対策が正常に機能しているか否かを判定するため、騒音対策の効果を自動的に確認することができる。また、健康診断の結果からリスクコントロール(騒音対策)が適切に機能しているか否かをチェックすることができる。
【0128】
(13)本実施形態によれば、サーバ11は、健康診断データを所定の書式に合わせたデータに変換可能であるため、データの変換作業が自動化され、利便性を向上させることができる。また、健康診断の結果を労働基準監督署の書式で自動作成することができる。
【0129】
(14)本実施形態によれば、作業員端末14は、作業員に対応する識別データ30aに紐づけられたデータを閲覧可能であるため、作業員が自分の耳の状態をいつでも確認することができる。また、作業員は、職場、勤め先が変わっても、騒音ばく露計データ等の記録を持ちつづけることができる(例えば、携帯型情報処理端末のアプリケーションで閲覧できるようになる)。
【0130】
(15)本実施形態によれば、ばく露量に関する特別値を自動的に算出する機能を有するため、利便性を向上させることができる。
【0131】
(16)本実施形態によれば、管理者端末15は、識別データ30aに紐づけられた騒音対策データを、作業員を特定できない状態で閲覧可能であるため、作業員の個人情報を守りながら管理者側で騒音に関する対策を検討することができる。また、騒音対策は匿名化され、その結果を企業の安全管理者等が閲覧できるようになる。
【0132】
(17)本実施形態によれば、管理者端末15は、サーバ11により選択された対策例データを閲覧可能であるため、騒音対策例データの選択が自動化され、利便性を向上させることができる。また、自社の作業環境に適した対策例が表示される。
【0133】
(18)本実施形態によれば、騒音対策例データに付随する情報を日常的に管理、維持することができる。
【0134】
〔変形形態〕
本発明は、上述した各実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
(1)サーバ11に記憶するデータは、時系列に沿って記憶せず、上書き保存するようにしてもよい。
(2)騒音データ82には、騒音計データだけが含まれていてもよく、騒音ばく露計データだけが含まれていてもよい。
【0135】
(3)作業員端末14と管理者端末15とは、共通の処理を実行する例で説明したが、それぞれ専用の処理(異なる処理)を実行してもよい。
(4)端末制御処理のプログラムは、端末13にインストールして実行するタイプの例で説明したが、ウェブ上で動作するタイプのものであってもよく、クラウド上で動作するタイプのものであってもよい。
【0136】
(5)識別データは、社員証に記載されている作業員IDの例で説明したが、個人特定カードに記載されている個人番号であってもよい。
(6)サーバに記憶する各種データは、日付ごとに記憶するのではなく、受信した順番に日付情報及び時刻情報を付与して記憶してもよい。
【0137】
(7)
図7に示す利用例は、データ管理システムの利用方法の一例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図7に示す利用例の一部のみを採用したシステムとしたり、
図7に示す利用例の一部を変更したシステムとしたりすることができる。
【0138】
(8)上述した実施形態では、サーバが、聴力データ及び騒音データ等を、作業員を識別する識別データに紐づけて記憶する例で説明したが、端末(端末にインストールされたアプリケーション等)が、聴力データ及び騒音データを、作業員を識別する識別データに紐づけて記憶してもよい。このようにすれば、各企業が各自ローカルサーバーに保存している騒音データや、検診機関がローカルサーバーに保存しているデータを、例えば個人が所有する端末(アプリケーション)に取り込み、それを個人が所有する端末で閲覧することができるようになる。また、この場合、サーバが有する機能(聴力データと騒音データとを時系列に沿って記憶する機能、騒音データを区分けする機能、入力・編集機能、防音保護具情報を表示する機能、騒音対策データを記憶する機能、推定騒音レベルを記憶する機能、騒音対策が正常に機能しているか否かを判定する機能、データを変換する機能等)のうち少なくとも一部の機能を端末に移行して、端末がこれらの機能の一部又は全部を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0139】
10 データ管理システム
11 サーバ
12 ネットワーク
13 端末
14 作業員端末
15 管理者端末
20 作業場
30 作業員
30a 識別データ
40 医療従事者
41 産業保健師
50 測定担当者
60 社内安全衛生委員会
71 第1測定器
72 第2測定器
73 第3測定器
75 第4測定器
81 聴力データ
82 騒音データ
83 健康診断データ
84 騒音対策データ
85 環境データ
91 騒音計
92 騒音ばく露計
93 作業環境測定結果報告書
94 リスクアセスメント情報
95 耳栓
96 オージオメータ
97 特殊健康診断報告書
98 リスクマネジメント情報