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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120889
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】面光源装置および表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230823BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20230823BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20230823BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20230823BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALN20230823BHJP
   G02F 1/15 20190101ALN20230823BHJP
   G02F 1/133 20060101ALN20230823BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20230823BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230823BHJP
【FI】
F21S2/00 438
F21V7/00 530
F21V7/00 590
F21V9/40 400
G02F1/13357
G02F1/1334
G02F1/15
G02F1/133 575
F21Y103:00
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024012
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有原 努
【テーマコード(参考)】
2H189
2H193
2H391
2K101
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA04
2H189AA35
2H189CA36
2H189JA06
2H189LA20
2H193ZG04
2H193ZG14
2H193ZG43
2H193ZG48
2H193ZR16
2H391AA15
2H391AB04
2H391AC32
2H391AD03
2H391AD35
2H391CA10
2H391CB13
2H391CB43
2H391EB02
2K101AA22
2K101DA01
2K101EA51
2K101EA56
2K101ED81
2K101EF23
2K101EK03
3K244AA01
3K244BA11
3K244BA18
3K244BA23
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA05
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA13
3K244ED24
3K244ED25
3K244ED27
(57)【要約】
【課題】光利用効率の向上を図る。
【解決手段】面光源装置10は、光源12と、導光層14と、反射層16と、調光層18と、を備える。導光層14は、光源12に対向する少なくとも1つの入射面IS、および、入射面ISから入射した光Lが出射する対向する2つの出射面ESである第1出射面ES1および第2出射面ES2、を有する。反射層16は、第1出射面ES1から出射した光Lを導光層14側に反射させる。調光層18は、光源12と入射面ISとの間、および、導光層14と反射層16との間、の少なくとも一方に設けられ、印加電圧に応じて透過率が変化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源に対向する少なくとも1つの入射面、および、前記入射面から入射した光が出射する対向する2つの出射面である第1出射面および第2出射面、を有する導光層と、
前記第1出射面から出射した光を前記導光層側に反射させる反射層と、
前記光源と前記入射面との間、および、前記導光層と前記反射層との間、の少なくとも一方に設けられ、印加電圧に応じて透過率が変化する調光層と、
を備える面光源装置。
【請求項2】
前記導光層の前記第1出射面に設けられ、前記導光層に入射した光の配向分布を調整するための配向パタンと、
前記配向パタンを覆うように配置された光学透明樹脂層と、
を備え、
前記調光層は、
前記光学透明樹脂層により前記配向パタンおよび前記第1出射面に接触配置されてなる、
請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記調光層は、
電極層と、前記電極層に印加された印加電圧に応じて透過率が変化する調光機能層と、の積層体であり、
前記電極層の少なくとも一部は、前記導光層に一体成型されてなる、
請求項1または請求項2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記導光層の前記少なくとも1つの入射面は、
互いに交差する方向に延伸された第1入射面および第2入射面からなり、
当該面光源装置は、
前記第1入射面および前記第2入射面の各々の延伸方向に沿って配列された複数の前記光源を備える、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記調光層は、前記出射面に対向する対向面を有し、
前記調光層は、さらに、前記対向面に沿って配列された、複数の調光画素領域を含み、
前記調光層の、入射する光に対する透過率は、前記調光画素領域ごとに変化する、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の面光源装置。
【請求項6】
光源と、
前記光源に対向する少なくとも1つの入射面、および、前記入射面から入射した光が出射する対向する2つの出射面である第1出射面および第2出射面、を有する導光層と、
前記第1出射面から出射した光を前記導光層側に反射させる反射層と、
前記光源と前記入射面との間、および、前記導光層と前記反射層との間、の少なくとも一方に設けられ、印加電圧に応じて透過率が変化する調光層と、
前記導光層の前記第2出射面側に設けられ、入射する光を選択的に透過させて画像を表示する表示層と、
を備える表示装置。
【請求項7】
前記表示層は、
前記出射面に対向する表示面に沿って複数の表示画素領域が配列され、複数の前記表示画素領域の駆動により前記画像を表示し、
前記調光層は、
前記出射面に対向する対向面に沿って複数の調光画素領域が配列され、複数の前記調光画素領域の各々ごとに透過率が変化し、
複数の前記調光画素領域は、
前記複数の表示画素領域の各々に対応する位置にそれぞれ配置されてなる、
請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源に対向する入射面から入射した光を、面状に出射する導光層を用いた面光源装置が知られている。また、導光層上に透過型液晶等の表示パネルを配置することで、面光源装置を表示パネルのバックライトとして利用した表示装置が知られている。また、画質向上を図る観点から、印加電圧に応じて透過率が変化する調光パネルを、導光層と表示パネルとの間に配置した構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-71337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、導光層から液晶パネル側、すなわち装置の出光面側に向かって出射した光の一部が、導光層と表示パネルとの間に配置された調光パネルによって吸収され、光利用効率が低下する場合があった。
【0005】
本開示は、光利用効率の向上を図ることができる、面光源装置および表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る面光源装置は、光源と、導光層と、反射層と、調光層と、を備える。導光層は、前記光源に対向する少なくとも1つの入射面、および、前記入射面から入射した光が出射する対向する2つの出射面である第1出射面および第2出射面、を有する。反射層は、前記第1出射面から出射した光を前記導光層側に反射させる。調光層は、前記光源と前記入射面との間、および、前記導光層と前記反射層との間、の少なくとも一方に設けられ、印加電圧に応じて透過率が変化する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、光利用効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、表示装置の一例の模式図である。
図2図2は、表示装置の電気的構成の一例の模式図である。
図3A図3Aは、表示装置の作用の一例の説明図である。
図3B図3Bは、表示装置の作用の一例の説明図である。
図4A図4Aは、表示装置の作用の一例の説明図である。
図4B図4Bは、表示装置の作用の一例の説明図である。
図5図5は、表示装置の一例の模式図である。
図6A図6Aは、表示装置の一例の模式図である。
図6B図6Bは、表示装置の一例の平面図である。
図7A図7Aは、駆動制御部による輝度の調整の一例の説明図である。
図7B図7Bは、駆動制御部による輝度の調整の一例の説明図である。
図7C図7Cは、駆動制御部による輝度の調整の一例の説明図である。
図8図8は、表示装置の一例の模式図である。
図9図9は、表示装置の一例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態の表示装置1の一例を示す模式図である。
【0011】
表示装置1は、面光源装置10と、表示層30と、駆動制御部40と、を備える。
【0012】
面光源装置10は、光源12と、導光層14と、反射層16と、調光層18と、を少なくとも備える。
【0013】
光源12は、導光層14に向かって光を出射する。光源12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp:冷陰極管)等である。本実施形態では、光源12がLEDである形態を一例として説明する。
【0014】
面光源装置10は、所定方向に沿って配列された複数の光源12を備える。本実施形態では、複数の光源12が、第1方向Xに沿って配列された形態を一例として説明する。第1方向Xの詳細は後述する。
【0015】
導光層14は、端面から入射した光を面状に出射する層である。導光層14は、光源12に対向する少なくとも1つの入射面ISと、入射面ISから入射した光が出射する、対向する2つの出射面ESである第1出射面ES1および第2出射面ES2と、を有する。
【0016】
導光層14は、例えば、ガラスまたは樹脂を平板状またはシート状に形成することで構成される。本実施形態では、導光層14が、平板状である形態を一例として説明する。このため、本実施形態では、入射面IS、第1入射面IS1、および第2入射面IS2の各々が、矩形状である形態を一例として説明する。なお、入射面IS、第1入射面IS1、および第2入射面IS2の各々の形状は、矩形状に限定されない。
【0017】
本実施形態では、導光層14の出射面ESに沿った方向を、第1方向Xおよび第2方向Yと称して説明する。第1方向Xおよび第2方向Yは、互いに直交する方向である。すなわち、出射面ESは、第1方向Xおよび第2方向Yによって形成される平面に平行であるものとして説明する。また、本実施形態では、第1方向Xおよび第2方向Yの双方に直交する方向を、第3方向Zと称して説明する。第3方向Zは、第1出射面ES1と第2出射面ES2との対向方向、および導光層14の厚み方向に一致する。また、本実施形態では、入射面ISは、第1方向Xおよび第3方向Zによって形成される平面に平行であるものとして説明する。
【0018】
上述したように、複数の光源12は第1方向Xに沿って配列され、導光層14は光源12に対向する少なくとも1つの入射面ISを有する。すなわち、導光層14は、光源12に対向する1または複数の入射面ISを有する。そして、入射面ISは、第1方向Xおよび第3方向Zによって形成される平面に平行である。
【0019】
このため、導光層14の入射面ISには、第1方向Xに沿って配列された複数の光源12の各々から光が入射する。導光層14内に入射した光は、導光層14内を伝搬し出射面ESに到る。このため、導光層14の出射面ES全体が面状に発光する。
【0020】
反射層16は、導光層14の第1出射面ES1側に配置されている。反射層16は、導光層14の第1出射面ES1から出射した光を導光層14側に反射させる層である。反射層16は、例えば、反射率の高い白色樹脂や金属箔などで構成される。
【0021】
調光層18は、印加電圧に応じて透過率が変化する層である。詳細には、調光層18は、電圧印加の有無により光の透過率が変化する。すなわち、調光層18は、光の透過率が変化することで光の散乱の度合いが変化する。
【0022】
調光層18としては、例えば、液晶を用いたフィルム、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を応用したフィルム、エレクトロクロミズムを応用したエレクトロクロミックフィルム等が挙げられる。
【0023】
エレクトロクロミックフィルムは、エレクロトクロミズムの原理を利用することで、透明/鏡面を切り替え制御可能なフィルムである。エレクトロクロミックフィルムは、調光ミラーと称される場合がある。
【0024】
液晶を用いたフィルムとしては、例えば、高分子分散型液晶をITO(Indium Tin Oxide)電極で挟み込んだフィルム、GH(ゲストホスト)液晶をITO電極で挟み込んだフィルム、等が挙げられる。
【0025】
高分子分散型液晶をITO電極で挟み込んだフィルムは、透明状態と散乱(白濁)状態とを切り替え制御可能なフィルムである。また、このフィルムは、アクティブマトリックス駆動を利用することにより、面内での透明と散乱(白濁)との濃淡を任意に制御可能である。
【0026】
GH液晶をITO電極で挟み込んだフィルムは、透明状態と遮光(グレー、黒化)状態とを切り替え制御可能なフィルムである。また、このフィルムは、アクティブマトリックス駆動を利用することにより、面内での透明と遮光との濃淡を任意に制御可能である。
【0027】
調光層18に用いられるフィルムは上記の例に限定されない。調光層18には、面光源装置10および表示装置1の光利用効率の効果的な向上を図る観点から、透明と散乱または鏡面とを切り替え可能な高分子分散型液晶をITO電極で挟み込んだフィルム、またはエレクトロクロミックフィルムを用いる事が好ましい。
【0028】
本実施形態では、面光源装置10は、更に、配向パタン20、OCA(Optical Clear Adhesive:光学用透明粘着剤)22、および光学層24を備える。
【0029】
配向パタン20は、導光層14の第1出射面ES1に設けられ、導光層14に入射した光の配向分布を調整するためのパタンである。配向パタン20が導光層14の第1出射面ES1に設けられていることで、導光層14内を全反射しながら伝搬する光が配向パタン20によって出射面ESから出射可能となる。なお、配向パタン20は、導光層14の第2出射面ES2側にも設けられていてもよい。
【0030】
配向パタン20は、例えば、導光層14の第1出射面ES1への印刷によって形成される。また、配向パタン20は、導光層14の第1出射面ES1をブラスト等により直接加工することで形成される。
【0031】
OCA22は、導光層14の第1出射面ES1上に形成された配向パタン20を覆うように配置されている。また、本実施形態では、調光層18は、OCA22により配向パタン20および導光層14の第1出射面ES1に接触配置されている。OCA22は、例えばシート状に形成される。
【0032】
配向パタン20は、擦れなどの物理的外力、削れ、温湿度の変動、等によって劣化する場合がある。しかし、配向パタン20を覆うようにOCA22が配置され、調光層18をOCA22により配向パタン20および第1出射面ES1に接触配置した構成とすることで、配向パタン20がOCA22および調光層18によって外界から保護された状態となる。
【0033】
このため、導光層14の第1出射面ES1上に、配向パタン20、OCA22、および調光層18をこの順に接触配置することで、配向パタン20の劣化を抑制することができる。
【0034】
光学層24は、導光層14の第2出射面ES2側に配置されている。光学層24は、導光層14の第2出射面ES2から出射した光を拡散させる機能を有する層である。例えば、光学層24は、光を拡散させる拡散シート、多数のプリズムレンズが形成された1または複数のプリズムシート、等によって構成される。なお、面光源装置10は、光学層24を備えない構成であってもよい。
【0035】
表示層30は、導光層14の第2出射面ES2側に設けられ、入射する光を選択的に透過させて画像を表示する層である。表示層30は、例えば、透過型の液晶パネルである。例えば、表示層30は、透明電極等が配置された一対の透明シートと、一対の透明シート間に挟持された液晶層と、を有する。これらの一対の透明シートに電圧を印加し液晶層の光の透過率を増減等させることで、表示層30に画像が表示される。
【0036】
本実施形態では、表示層30には、導光層14の出射面ESに対向する表示面30Sに沿って、複数の表示画素領域30Pが配列されている。表示面30Sは、表示層30における画像の表示される面であり、出射面ESに平行な面である。このため、表示面30Sは、第1方向Xおよび第2方向Yによって形成される平面に平行であるものとして説明する。例えば、複数の表示画素領域30Pは、表示面30Sに沿った第1方向Xおよび第2方向Yの各々に沿って配列されている。これらの複数の表示画素領域30Pの各々の駆動により、表示層30の表示面30Sに画像が表示される。
【0037】
また、本実施形態では、調光層18は、導光層14の出射面ESに対向する対向面18Fを有する。調光層18は、さらに、対向面18Fに沿って配列された、複数の調光画素領域18Pを含む。言い換えると、調光層18は、複数の調光画素領域18Pを有している。対向面18Fは、出射面ESに平行な面である。このため、対向面18Fは、第1方向Xおよび第2方向Yによって形成される平面に平行であるものとして説明する。例えば、複数の調光画素領域18Pは、対向面18Fに沿った第1方向Xおよび第2方向Yの各々に沿って配列されている。これらの複数の調光画素領域18Pは、印加電圧に応じて、複数の調光画素領域18Pの各々毎に透過率が変化する。すなわち、調光層18の、入射する光に対する透過率は、調光画素領域18Pごとに変化する。
【0038】
また、複数の調光画素領域18Pは、複数の表示画素領域30Pの各々に対応する位置にそれぞれ配置されてなる。詳細には、調光層18の複数の調光画素領域18Pは、表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々を調光層18の対向面18Fに射影した各領域にそれぞれ配置されている。
【0039】
このため、本実施形態の表示装置1は、表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々と、調光層18における対応する位置に配置された複数の調光画素領域18Pの各々と、を対応付けて駆動可能に構成されている。
【0040】
駆動制御部40は、光源12、調光層18、および表示層30に電気的に接続されている。駆動制御部40は、複数の光源12の各々の光出射の有無を制御する。駆動制御部40は、複数の光源12の各々から出射される光の輝度を制御可能であってもよい。
【0041】
また、駆動制御部40は、調光層18における複数の調光画素領域18Pの各々へ選択的に電圧を印加可能に構成されている。すなわち、駆動制御部40は、調光層18における複数の調光画素領域18Pの各々への電圧印加を制御する。この電圧印加の制御により、駆動制御部40は、複数の調光画素領域18Pの各々を、光を透過する透明状態から光を散乱する散乱状態、または散乱状態から透明状態へと切り替えるように制御する。
【0042】
また、駆動制御部40は、表示層30における複数の表示画素領域30Pの各々へ選択的に電圧を印加可能に構成されている。すなわち、駆動制御部40は、表示層30における複数の表示画素領域30Pの各々への電圧印加を制御することで、表示層30の表示面30Sにおける所望の領域に所望の画像を表示可能に構成されている。
【0043】
図2は、表示装置1の電気的構成の一例を示す模式図である。表示装置1は、駆動制御部40と、表示ドライバ32と、調光ドライバ34と、光源ドライバ36と、を備える。駆動制御部40は、表示ドライバ32を介して表示層30に電気的に接続されている。また、駆動制御部40は、調光ドライバ34を介して調光層18に電気的に接続されている。また、駆動制御部40は、光源ドライバ36を介して光源12に電気的に接続されている。
【0044】
表示ドライバ32は、例えば、表示層30の内蔵回路として構成される。駆動制御部40は、表示対象の画像の画像データに基づいて表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々を駆動するための画像信号を表示ドライバ32へ供給する。表示ドライバ32は、駆動制御部40から供給される画像信号に応じて表示層30に含まれる複数の表示画素領域30Pを選択的にオン状態またはオフ状態に駆動する。これらの駆動処理により、表示層30の表示面30Sには、表示対象の画像が表示される。
【0045】
調光ドライバ34は、例えば、調光層18の内蔵回路として構成される。駆動制御部40は、例えば、調光層18の透過率分布を表す透過率分布信号を調光ドライバ34へ供給する。透過率分布信号は、調光層18の対向面18Fに沿った透過率分布を表す信号である。調光ドライバ34は、駆動制御部40から供給される透過率分布信号に応じた透過率分布となるように、調光層18に含まれる複数の調光画素領域18Pを選択的にオン状態またはオフ状態に駆動する。これらの駆動処理により、調光層18における特定の調光画素領域18Pの透過率が変更され、透明状態から散乱状態、または散乱状態から透明状態へと切り替えられる。
【0046】
なお、表示ドライバ32および調光ドライバ34は、それぞれ、表示層30および調光層18の各々の外部に設けられた構成であってもよく、内蔵回路に限定されない。
【0047】
光源ドライバ36は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブル基板)、FPCに実装されるIC(Integrated Circuit)等の電子部品により構成される。駆動制御部40は、例えば、複数の光源12の各々から出射する光の輝度を表す輝度信号を光源ドライバ36へ供給する。光源ドライバ36は、駆動制御部40から供給される輝度信号に応じた輝度の光を出射するように、複数の光源12の各々に印加する電圧を制御する。このため、ゼロを超える輝度を表す輝度信号に応じた電圧を印加された光源12は、印加電圧に応じた輝度の光を出射する。一方、輝度ゼロを示す輝度信号に応じた信号を供給された光源12は光を出射しない非点灯の状態となる。
【0048】
駆動制御部40の制御によって、表示層30の表示画素領域30Pが駆動することで、表示層30の表示面30Sに画像が表示される。また、駆動制御部40の制御によって調光層18の調光画素領域18Pが駆動することで、調光層18の透過率分布が調整される。また、駆動制御部40の制御によって、光源12の点灯または非点灯、および出射する光の輝度が調整される。
【0049】
次に、表示装置1の作用について説明する。
【0050】
図3Aは、表示装置1の作用の一例の説明図である。図3Aには、調光層18の全ての調光画素領域18Pが非散乱状態すなわち透明状態の透明領域18Bとされた場面を一例として示す。
【0051】
光源12から出射した光Lは、導光層14の入射面ISから導光層14内へ入射する。導光層14内へ入射した光Lは、導光層14内を光源12から離れる方向に向かって伝搬し、第1出射面ES1および第2出射面ES2から出射する。
【0052】
導光層14の第2出射面ES2から出射した光Lは調光層18へ到る。調光層18の透明領域18Bに到達した光Lは、透明領域18Bを透過して反射層16に到り、反射層16によって導光層14側に向かって反射する。反射層16によって導光層14側に向かって反射した光Lは、導光層14を介して表示層30へ到達し、表示装置1の出光面Sから出射する。
【0053】
出光面Sは、表示装置1および面光源装置10における光の出射する側の面である。このため、表示層30を備えない構成の表示装置1である面光源装置10の場合、面光源装置10に含まれる導光層14の第2出射面ES2側の最表面が、出光面Sとなる。また、表示層30を備える表示装置1では、表示層30の表示面30Sが出光面Sと一致する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の表示装置1では、調光層18が導光層14と反射層16との間に設けられている。
【0055】
ここで、従来技術では、調光層18が導光層14と表示層30との間のみに配置されていた。このため、従来技術では、導光層14から出光面S側に向かって出射した光Lの一部が、導光層14と表示層30との間に配置された調光層によって吸収され、光利用効率が低下する場合があった。
【0056】
一方、本実施形態の表示装置1は、調光層18が導光層14と反射層16との間に設けられている。このため、本実施形態の表示装置1は、導光層14から出光面S側に向かって出射した光Lの一部が調光層によって吸収されることが抑制される。
【0057】
従って、本実施形態の表示装置1および面光源装置10は、光利用効率の向上を図ることができる。
【0058】
また、本実施形態の表示装置1は、光利用効率の向上を図ることができるため、表示面30Sの視認性向上を図ることができる。
【0059】
次に、駆動制御部40の制御による作用を説明する。
【0060】
図3Bは、表示装置1の作用の一例の説明図である。
【0061】
図3Bには、駆動制御部40による制御によって、調光層18に含まれる特定の調光画素領域18Pが散乱状態の散乱領域18Aとされ、該散乱領域18A以外の調光画素領域18Pが透明状態の透明領域18Bとされた場面を示す。
【0062】
光源12から出射された光Lは、導光層14の入射面ISから導光層14内へ入射する。導光層14内へ入射した光Lは、導光層14内を光源12から離れる方向に向かって伝搬し、第1出射面ES1および第2出射面ES2から出射する。
【0063】
導光層14の第1出射面ES1から出射した光Lは調光層18へ到る。調光層18の透明領域18Bに到達した光Lは、透明領域18Bを透過して反射層16に到り、反射層16によって導光層14側に向かって反射する。一方、調光層18の散乱領域18Aに到達した光Lは、散乱領域18Aによって散乱する。散乱領域18Aによる光Lの散乱によって、散乱領域18Aに到達した光Lの一部は、導光層14側に向かう。また、散乱領域18Aによって散乱して反射層16に到達した光Lは、反射層16によって導光層14側に向かって反射する。このため、調光層18の散乱領域18Aから導光層14に入射する光Lの量は、調光層18の透明領域18Bから導光層14に入射する光Lの量より多くなる。
【0064】
よって、表示装置1の表示面30Sにおける、調光層18の散乱領域18Aに対応する領域EAの輝度は、調光層18の透明領域18Bに対応する領域EBの輝度より高くなる。
【0065】
このため、本実施形態の表示装置1では、調光層18の透過率を制御することで、光利用効率の向上を図りつつ、且つ、表示装置1の表示面30Sにおける特定の領域の輝度を選択的に調整することができる。
【0066】
ここで、光源12から出射されて導光層14へ入射した光Lは、光源12から離れるほど輝度が低下する。すなわち、導光層14へ入射した光Lの導光層14における輝度分布にはムラが発生する場合がある。
【0067】
そこで、駆動制御部40は、導光層14内を伝搬する光Lの輝度ムラを相殺する透過率分布を表す透過率分布信号を生成し、調光ドライバ34へ供給してもよい。調光ドライバ34は、駆動制御部40から供給される透過率分布信号に応じた透過率分布となるように、調光層18に含まれる複数の調光画素領域18Pを選択的にオン状態またはオフ状態に駆動する。このような駆動制御部40の制御によって、調光層18の対向面18Fに沿った方向の透過率分布は、導光層14内を伝搬する光Lの輝度ムラを相殺する分布となる。例えば、光源12から離れるほど光Lの輝度が低下する場合を考える。このとき、複数の調光画素領域18Pのうち、光源12に近いものほど透過率が高く、光源12に遠いものほど透過率が低くなるように駆動することにより、導光層14内を伝搬する光Lの輝度ムラを低減することができる。
【0068】
このため、本実施形態の表示装置1では、調光層18の透過率を制御することで、上記効果に加えて、出光面Sから出光する光Lに含まれる導光層14の輝度ムラを抑制することができる。
【0069】
次に、駆動制御部40の制御による作用の他の例を説明する。
【0070】
図4Aは、表示装置1の作用の一例の説明図である。
【0071】
図4Aには、駆動制御部40の制御によって、調光層18の調光画素領域18Pおよび表示層30の表示画素領域30Pの各々を駆動した場面を一例として示す。
【0072】
例えば、駆動制御部40は、表示対象の画像30Aとして、「Panasonic」を表す画像データに基づいて、表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々を駆動するための画像信号を表示ドライバ32へ供給する。表示ドライバ32は、駆動制御部40から供給される画像信号に応じて表示層30に含まれる複数の表示画素領域30Pを選択的に駆動する。これらの駆動処理により、表示層30の表示面30Sには、表示対象の画像30Aである「Panasonic」が表示される。
【0073】
また、駆動制御部40は、例えば、調光層18における、表示層30の表示面30Sに表示する画像30Aの表示領域および該表示領域の周辺領域に対応する領域18Cの調光画素領域18Pを散乱状態とすることを表す透過率分布信号を、調光ドライバ34へ供給する。調光ドライバ34は、駆動制御部40から供給される透過率分布信号に応じた透過率分布となるように、調光層18に含まれる複数の調光画素領域18Pを選択的にオン状態またはオフ状態に駆動する。これらの駆動処理により、調光層18における、表示層30に表示された画像30Aの表示領域および該表示領域の周辺領域に対応する領域18Cを構成する調光画素領域18Pが、選択的に、透明状態から散乱状態へ切り替えられる。これらの駆動処理により、表示層30の表示面30Sには、画像30Aである「Panasonic」が表示される。また、表示層30の表示面30Sにおける、該画像30Aおよび該画像30Aの周辺領域である領域30Cの輝度が、該領域30C以外の領域に比べて高くなる。領域30Cは、表示層30における調光層18の領域18Cに対応する領域である。
【0074】
このように、駆動制御部40は、表示層30における複数の表示画素領域30Pの各々への電圧印加、および、調光層18における調光画素領域18Pの各々への電圧印加を制御する。また、上述したように、本実施形態では、複数の調光画素領域18Pは、複数の表示画素領域30Pの各々に対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0075】
このため、本実施形態の表示装置1では、表示層30に表示する画像30Aに応じて、調光層18の透過率分布を変化させることで、表示面30Sの輝度分布を変化させることができる。また、本実施形態の表示装置1では、表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々と、調光層18における対応する位置に配置された複数の調光画素領域18Pの各々と、を対応付けて駆動することができる。
【0076】
このため、本実施形態の表示装置1は、上記効果に加えて、表示装置1の表示面30Sの視認性向上、および画質向上を図ることができる。
【0077】
図4Bは、表示装置1の作用の一例の説明図である。
【0078】
図4Bには、表示装置1を車両等に搭載されるナビゲーションシステムに適用した例を示す。詳細には、図4Bには、表示装置1の表示面30Sが、ナビゲーションシステムのディスプレイの表示面である場合を一例として示す。
【0079】
例えば、駆動制御部40の制御によって、表示層30が目的地までのナビゲーション画面を表示する場合を想定する。この場合、駆動制御部40は、ナビゲーション画面を表す画像データをナビゲーションシステムの制御部等から取得する。そして、駆動制御部40は、画像データに基づいて、表示層30の複数の表示画素領域30Pの各々を駆動するための画像信号を表示ドライバ32へ供給する。表示ドライバ32は、駆動制御部40から供給される画像信号に応じて表示層30に含まれる複数の表示画素領域30Pを選択的に駆動する。これらの駆動処理により、表示層30の表示面30Sには、ナビゲーション画面が表示される。
【0080】
図4Bには、ナビゲーション画面が、予め定めた複数の特定要素Eを含む場合を一例として示す。特定要素Eとは、輝度向上対象の要素である。要素とは、特定の形状の画像、アイコン、等である。特定要素Eは、予め定めればよい。図4Bには、特定要素Eとして、走行中の道路の法定速度を表す画像E1、時刻を表す画像E2、緊急車両のアイコン画像E3、および目的地を表すアイコン画像E4を一例として示す。
【0081】
駆動制御部40は、ナビゲーションシステム等から供給されたナビゲーション画面を解析し、ナビゲーション画面に特定要素Eが含まれるか否かを判別する。特定要素Eが含まれると判別した場合、駆動制御部40は、特定要素Eの表示領域に対応する調光画素領域18Pを散乱状態とすることを表す透過率分布信号を、調光ドライバ34へ供給する。調光ドライバ34は、駆動制御部40から供給される透過率分布信号に応じた透過率分布となるように、調光層18に含まれる複数の調光画素領域18Pを選択的にオン状態またはオフ状態に駆動する。これらの駆動処理により、調光層18における、表示層30に表示されたナビゲーション画面に含まれる特定要素Eに対応する領域の輝度が、該領域以外の領域に比べて高くなる。
【0082】
このため、表示装置1の表示面30Sにはナビゲーション画面が表示され、且つ、該ナビゲーション画面に含まれる特定要素Eの領域の輝度が、選択的に高くなる。また、駆動制御部40は、特定要素Eに対応する領域の調光画素領域18Pの各々を、オン状態とオフ状態を交互に切り替えるように制御してもよい。この切り替え制御により、ナビゲーション画面に含まれる特定要素Eの領域の輝度が、点滅するように変化する。
【0083】
駆動制御部40は、特定要素Eの種類に応じて、特定要素Eに対応する調光画素領域18Pを散乱状態、または散乱状態と透明状態とを交互に繰り返すように、制御してもよい。
【0084】
具体的には、例えば、駆動制御部40は、表示層30に表示するナビゲーション画面に目的地を表すアイコン画像E4が含まれる場合、調光層18における該アイコン画像E4の表示領域に対応する調光画素領域18Pの散乱の度合いが高くなるように、該調光画素領域18Pを駆動制御する。この場合、駆動制御部40は、表示層30に表示されたナビゲーション画面に含まれる特定要素Eの内、目的地を表すアイコン画像E4の輝度を高くすることができる。
【0085】
また、例えば、駆動制御部40は、表示層30に表示するナビゲーション画面に緊急車両のアイコン画像E3が含まれる場合、調光層18における該アイコン画像E4の表示領域に対応する調光画素領域18Pの散乱状態と透明状態とを交互に繰り返すように、該調光画素領域18Pを駆動制御する。この場合、駆動制御部40は、表示層30に表示されたナビゲーション画面に含まれる特定要素Eの内、緊急車両のアイコン画像E3の領域が点滅するように輝度を変化させることができる。
【0086】
また、駆動制御部40は、予め定められた条件を満たした時に、該条件に対応する特定要素Eの領域の輝度を、該条件に対応する変化内容に基づいて変化させてもよい。これらの条件および変化内容は、予め定めればよい。
【0087】
例えば、駆動制御部40は、ナビゲーションシステムを搭載した車両の速度が法定速度を超過した時に、表示層30に表示されたナビゲーション画面に含まれる、走行中の道路の法定速度を表す画像E1の領域が点滅または輝度が高くなるように、調光層18の対応する領域の調光画素領域18Pの散乱の度合いを制御してもよい。
【0088】
また、例えば、駆動制御部40は、該ナビゲーションシステムを搭載した車両のエンジン始動時からの運転連続時間が予め設定した時間を超過した時に、表示層30に表示されたナビゲーション画面に含まれる時刻を表す画像E2の領域が点滅または輝度が高くなるように、調光層18の対応する領域の調光画素領域18Pの散乱の度合いを制御してもよい。
【0089】
このように、本実施形態の表示装置1では、表示層30に表示する画像に含まれる特定要素Eに応じて、調光層18の透過率分布を変化させることで、表示面30Sの輝度分布を変化させることができる。このため、本実施形態の表示装置1は、上記効果に加えて、表示装置1の表示面30Sの視認性向上を図ることができる。
【0090】
(変形例1)
なお、上記実施形態では、調光層18が、導光層14と反射層16との間のみに設けられた形態を一例として説明した。しかし、調光層18は、導光層14と反射層16との間に加えて、導光層14と表示層30との間にも設けられた構成であってよい。
【0091】
なお、本変形例において、上記実施形態と同様の機能および構成を示す部分には、同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0092】
図5は、本変形例の表示装置1Bの構成の一例を示す模式図である。表示装置1Bは、表示層30と面光源装置10Bと、を備える。表示装置1Bは、面光源装置10に替えて面光源装置10Bを備える点以外は、上記実施形態の表示装置1と同様である。
【0093】
面光源装置10Bは、更に調光層19を備える点以外は、上記実施形態の面光源装置10と同様である。
【0094】
調光層19は、調光層18と同様に、印加電圧に応じて透過率が変化する。調光層18は、駆動制御部40に電気的に接続されている。
【0095】
調光層19としては、調光層18と同様に、例えば、液晶を用いたフィルム、MEMSを応用したフィルム、エレクトロクロミズムを応用したエレクトロクロミックフィルム等が挙げられる。
【0096】
調光層19に用いられるフィルムは限定されない。調光層19には、面光源装置10Bおよび表示装置1Bの光効率の効果的な向上を図る観点からは、透明と散乱または鏡面とを切り替え可能な、高分子分散型液晶をITO電極で挟み込んだフィルムまたはエレクトロクロミックフィルムを用いる事が好ましい。また、表示層30の画質向上および視認性向上を図る観点からは、調光層19には、透明と散乱(白濁)との濃淡を任意に制御可能な、高分子分散型液晶をITO電極で挟み込んだフィルムを用いた形態であってもよい。
【0097】
本変形例では、調光層19は、例えば、電極層19Aと、調光機能層19Bと、電極層19Cと、の積層体である。調光機能層19Bは、電極層19Aおよび電極層19Cの少なくとも一方に印加された印加電圧に応じて透過率が変化する調光機能を有する層である。調光層19が液晶を用いたフィルムである場合、調光機能層19Bは液晶層である。調光層19がエレクトロクロミックフィルムである場合、調光機能層19Bは、例えば、調光ミラー層である。調光機能層19Bは、電極層19Aと電極層19Cとの間に配置されている。電極層19Aおよび電極層19Cは、例えば、ITO電極層である。なお、電極層19Aおよび電極層19Cの一方は、トランジスタであってもよい。
【0098】
電極層19Aおよび電極層19Cの内、導光層14側に設けられた電極層19Aの少なくとも一部は、導光層14に一体成型されてなることが好ましい。電極層19Aの少なくとも一部を導光層14に一体成型した構成とすることで、OCA等の他の層を介して調光層19を導光層14上に配置した構成に比べて、複数の層間の界面により発生する光損失の低減を図ることができる。また、表示装置1Bの薄型化および軽量化を図ることができる。
【0099】
以上説明したように、本変形例の表示装置1Bは、導光層14と反射層16との間に調光層18が設けられ、更に、導光層14と表示層30との間に調光層19が設けられている。
【0100】
導光層14と表示層30との間に更に調光層19が設けられた構成の表示装置1Bにおいても、上記実施形態と同様に、導光層14と反射層16との間に調光層18が設けられている。このため、本変形例の表示装置1Bは、上記実施形態の表示装置1と同様に、光利用効率の向上を図ることができる。
【0101】
(第2の実施形態)
上記実施形態では、複数の光源12が、導光層14の入射面ISの第1方向Xに沿って配列された形態を一例として説明した。本実施形態では、複数の光源12が、互いに異なる2つの延伸方向に沿って配列された形態を説明する。
【0102】
本実施形態において、上記実施形態と同様の機能および構成を示す部分には同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0103】
図6Aは、本実施形態の表示装置1Cの一例を示す模式図である。図6Bは、表示装置1Cの平面図である。図6Bには、図6Aに示す表示装置1Cを出光面S(表示面30S)側から視認した状態の平面図を示す。
【0104】
表示装置1Cは、面光源装置10Cと、表示層30と、を備える。面光源装置10Cは、光源12と、光源13と、導光層14と、反射層16と、調光層18と、配向パタン20と、OCA22と、光学層24と、を備える。面光源装置10Cは、光源13を更に備える点以外は、上記実施形態の面光源装置10と同様の構成である。
【0105】
光源13は、光源12と同様に導光層14に向かって光を出射する。光源13は、光源12と同様に、例えば、LED、CCFL等である。本実施形態では、光源12および光源13がLEDである形態を一例として説明する。
【0106】
表示装置1Cは、複数の光源13を備える。複数の光源13は、複数の光源12の配列方向に対して交差する方向に配列されている。
【0107】
詳細には、本実施形態では、導光層14は、入射面ISとして、第1入射面IS1および第2入射面IS2を備える。第1入射面IS1および第2入射面IS2は、導光層14における、導光層14の厚み方向に交差する方向の端面を構成する2つの面である。上記実施形態で説明したように、導光層14の厚み方向は、第3方向Zに一致する方向である。
【0108】
例えば、導光層14が、矩形状の一対の出射面ESである第1入射面IS1および第2出射面ES2と、該出射面ESの対向方向である第3方向Zに対して交差する第1方向Xおよび第2方向Yの各々の端面を構成する合計4つの側面と、から構成される場合を想定する。この場合、第1入射面IS1および第2入射面IS2は、該4つの側面の内の、隣接する2面であればよい。
【0109】
本実施形態では、第1入射面IS1が第1方向Xに沿って延伸された面であり、第2入射面IS2が第1方向Xに直交する第2方向Yに沿って延伸された面である形態を一例として説明する。そして、複数の光源12は、第1入射面IS1の第1方向Xに沿って配列され、複数の光源13は、第2入射面IS2の第2方向Yに沿って配列された形態を一例として説明する。
【0110】
このため、導光層14には、第1入射面IS1および第2入射面IS2の2方向から光Lが入射する。
【0111】
ここで、複数の光源12から出射して第1入射面IS1から導光層14内へ入射した光Lは、光源12から離れるほど第2方向Yに沿って輝度が低下する。すなわち、光源12から出射して導光層14内へ入射した光Lの導光層14における輝度分布にはムラが発生する場合がある。
【0112】
同様に、複数の光源13から出射して第2入射面IS2から導光層14内へ入射した光Lは、光源13から離れるほど第1方向Xに沿って輝度が低下する。すなわち、光源13から出射して導光層14内へ入射した光Lの導光層14における輝度分布にはムラが発生する場合がある。
【0113】
一方、本実施形態では、導光層14には、第1入射面IS1および該第1入射面IS1に交差する第2入射面IS2の合計2方向から光Lが入射する。このため、本実施形態では、第1方向Xおよび第2方向Yの何れか一方のみから光Lが入射する構成に比べて、導光層14の輝度分布のムラを抑制することができる。
【0114】
なお、本実施形態では、駆動制御部40は、複数の光源13の各々にも電気的に接続されている。すなわち、本実施形態では、駆動制御部40は、光源12、光源13、調光層18、および表示層30の各々に電気的に接続されている。
【0115】
そして、本実施形態では、駆動制御部40は、複数の光源13についても複数の光源12と同様に、複数の光源13の各々の光出射の有無および出射する光の輝度を制御する。
【0116】
このため、駆動制御部40が調光層18の透過率分布と、複数の光源12および複数の光源13の各々の光出射の有無および出射する光の輝度と、の双方を制御することで、調光層18の対向面18Fにおける特定の領域の輝度が他の領域より高くなるように、調整することが可能となる。
【0117】
図7A図7Cは、駆動制御部40による輝度の調整の一例の説明図である。
【0118】
例えば、図7Aに示すように、表示装置1Cの表示面30Sにおける特定の領域Pの輝度が、他の領域に比べて高くなるように制御する場面を想定する。
【0119】
図7Bは、複数の光源12から導光層14の第1入射面IS1へ光Lが入射したときの、表示面30Sにおける輝度分布の一例を示す図である。図7Cは、複数の光源13から導光層14の第2入射面IS2へ光Lが入射したときの、表示面30Sにおける輝度分布の一例を示す図である。
【0120】
上述したように、複数の光源12から出射して第1入射面IS1から導光層14内へ入射した光Lは、光源12から離れるほど第2方向Yに沿って輝度が低下する(図7B参照)。また、複数の光源13から出射して導光層14内へ入射した光Lは、光源13から離れるほど第1方向Xに沿って輝度が低下する(図7C参照)。
【0121】
ここで、図7B中、複数の光源12から光Lを出射したときの、表示面30Sにおける輝度向上対象の領域Pを第2方向Yに平行に延伸した領域から領域Pを除いた領域を、領域S1とする。図7B中、複数の光源12から光Lを出射したときの、表示面30Sにおける輝度向上対象の領域Pおよび領域S1以外の領域を、領域S2とする。
【0122】
図7C中、複数の光源13から光Lを出射したときの、表示面30Sにおける輝度向上対象の領域Pを第2方向Yに平行に延伸した領域を領域S3とする。図7C中、複数の光源13から光を出射したときの、表示面30Sにおける領域S3以外の領域を、領域S4とする。
【0123】
この場合、駆動制御部40は、複数の光源12および複数の光源13の各々から光Lを出射したときの表示面30Sにおける、領域S1と領域S3との合計輝度と、領域S2と領域S4との合計輝度と、が一致するように、調光層18の調光画素領域18Pの駆動を制御すればよい。これらの駆動制御により、駆動制御部40は、表示装置1Cの表示面30Sにおける特定の領域Pの輝度が他の領域に比べて高くなるように光源12、光源13、および調光層18を制御することができる(図7A参照)。
【0124】
このように、本実施形態の表示装置1Cは、第1方向Xに沿って配列された複数の光源12と、第2方向Yに沿って配列された複数の光源13と、を備える。そして、本実施形態の表示装置1Cでは、駆動制御部40が、調光層18の透過率分布と、複数の光源12および複数の光源13の各々の光出射の有無および出射する光の輝度と、の双方を制御する。
【0125】
このため、本実施形態の表示装置1Cは、上記実施形態の効果に加えて、更なる光利用効率の向上と、表示面30Sの視認性向上と、を図ることができる。
【0126】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態では、調光層18が、導光層14と反射層16との間に配置された形態を説明した。しかし、調光層18は、光源12と入射面ISとの間、および、導光層14と反射層16との間、の少なくとも一方に設けられた構成であってよい。
【0127】
本実施形態では、調光層が光源12と入射面ISとの間に配置された形態を一例として説明する。
【0128】
本実施形態において、上記実施形態と同様の機能および構成を示す部分には同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0129】
図8は、本実施形態の表示装置1Dの一例を示す模式図である。
【0130】
表示装置1Dは、面光源装置10Dと、表示層30と、を備える。面光源装置10Dは、光源12と、導光層14と、反射層16と、配向パタン20と、調光層21と、OCA22と、光学層24と、を備える。面光源装置10Dは、調光層18に替えて調光層21を備える点以外は、上記第1の実施形態の表示装置1と同様の構成である。
【0131】
調光層21は、駆動制御部40に電気的に接続されている。調光層21は、上記実施形態の調光層18と同様に、印加電圧に応じて透過率が変化する。詳細には、調光層21は、調光層18と同様に、電圧印加の有無により光の透過率が変化する。
【0132】
調光層21は、光源12と導光層14の入射面ISとの間に配置されている。例えば、調光層21は、OCAによって導光層14の入射面ISに接触配置されている。
【0133】
なお、調光層21は、光源12と、導光層14の入射面ISと、の間に配置されている点以外は、上記実施形態の調光層18と同様である。
【0134】
調光層21の透過率分布は、光源12の配置、駆動制御部40による複数の光源12の点灯の制御、および、駆動制御部40による調光層21の駆動制御、の少なくとも1つを実行することで制御される。調光層21の透過率分布を制御することで、導光層14を伝搬する光Lの輝度ムラを抑制することができる。
【0135】
従って、本実施形態の表示装置1Dは、表示装置1Dおよび面光源装置10Dの光利用効率の向上を図ることができる。
【0136】
なお、第1の実施形態では、導光層14と反射層16との間に調光層18が設けられた構成を説明し、本実施形態では、導光層14の入射面ISと光源12との間に調光層21が設けられた構成を説明した。
【0137】
しかし、表示装置1Dは、導光層14と反射層16との間、および、導光層14の入射面ISと光源12との間、の双方に調光層が設けられた形態であってもよい。
【0138】
図9は、表示装置1Eの一例を示す模式図である。表示装置1Eは、第1の実施形態の表示装置1の構成に、更に、調光層21を備えた構成である。調光層21は、本実施形態で説明したように、導光層14の入射面ISと光源12との間に配置されている。
【0139】
このように、表示装置1Eは、導光層14と反射層16との間、および、導光層14の入射面ISと光源12との間、の双方に調光層が設けられた形態であってもよい。
【0140】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0141】
1,1B,1C,1D,1E 表示装置
10,10B,10C,10D 面光源装置
12,13 光源
14 導光層
16 反射層
18,19,21 調光層
30 表示層
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9