(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120902
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】冷蔵庫および冷蔵庫の動作方法
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
F25D23/00 301K
F25D23/00 301L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024037
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新屋 武一
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA21
3L345BB01
3L345EE03
3L345EE53
3L345HH13
3L345HH38
3L345JJ03
3L345JJ04
3L345JJ14
3L345JJ23
3L345JJ26
3L345KK01
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】収容物に収容された食品の情報を確実に管理する冷蔵庫および冷蔵庫の動作方法を提供する。
【解決手段】冷蔵庫内を撮影する撮影装置と、音声を取得すると共に冷蔵庫内の情報を出力するユーザインタフェース装置と、取得された音声に基づいて冷蔵庫内に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、冷蔵庫内の画像に基づいて食品を収容する収容物の形態情報を検知し、特徴情報と形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報を作成する制御装置と、を備える冷蔵庫。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫内を撮影する撮影装置と、
音声を取得すると共に前記冷蔵庫内の情報を出力するユーザインタフェース装置と、
前記取得された音声に基づいて前記冷蔵庫内に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、前記冷蔵庫内の画像に基づいて前記食品を収容する収容物の形態情報を検知し、前記特徴情報と前記形態情報とを対応付けて前記食品を管理する管理情報を作成する制御装置と、を備える冷蔵庫。
【請求項2】
前記制御装置は、前記撮影装置で撮影された画像および前記ユーザインタフェース装置から入力された音声の少なくとも一方に基づいて前記収容物の位置情報を検知する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記制御装置は、前記取得した音声に基づいて前記食品を管理するための日付情報を前記特徴情報として検知する請求項1または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記制御装置は、前記冷蔵庫からの前記食品の入出庫時に前記管理情報を更新する請求項1~3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記ユーザインタフェース装置は、通信可能に接続された端末に前記管理情報を出力する請求項1~4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ユーザインタフェース装置は、前記管理情報を音声情報として出力する請求項1~5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記制御装置は、前記撮影装置で撮影された画像における前記収容物の一部の形態に基づいて前記形態情報を生成する請求項1~6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記収容物は、前記食品を覆うように構成される請求項1~7のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
冷蔵庫内を撮影した画像と、ユーザの音声とを取得することと、
取得された音声に基づいて前記冷蔵庫内に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、前記冷蔵庫内の画像に基づいて前記食品を収容する収容物の形態情報を検知することと、
前記特徴情報と前記形態情報とを対応付けて前記食品を管理する管理情報を作成することと、を有する冷蔵庫の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫および冷蔵庫の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、庫内に保管された食品の情報を管理する冷蔵庫が提案されている。このとき、食品の情報を手作業で入力すると大きな手間となるため、食品の情報を容易に入力できる冷蔵庫が求められている。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、冷蔵庫のカメラで撮影された画像に基づいて食材名などの食材の情報を自動的に入力する食材管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシステムは、食品が鍋などの収容物に収容された状態で冷蔵庫に保管される場合に、カメラで撮影された画像から食品の情報を得ることができないため、食品の情報を確実に管理することが困難であった。
【0006】
本開示は、収容物に収容された食品の情報を確実に管理する冷蔵庫および冷蔵庫の動作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る冷蔵庫は、冷蔵庫内を撮影する撮影装置と、音声を取得すると共に冷蔵庫内の情報を出力するユーザインタフェース装置と、取得された音声に基づいて冷蔵庫内に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、冷蔵庫内の画像に基づいて食品を収容する収容物の形態情報を検知し、特徴情報と形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報を作成する制御装置と、を備えるものである。
【0008】
本開示に係る冷蔵庫の動作方法は、冷蔵庫内を撮影した画像と、ユーザの音声とを取得することと、取得された音声に基づいて冷蔵庫内に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、冷蔵庫内の画像に基づいて食品を収容する収容物の形態情報を検知することと、特徴情報と形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報を作成することと、を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、収容物に収容された食品の情報を確実に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態に係る冷蔵庫の構成を示す図である。
【
図3】実施の形態の動作を示すフローチャートである。
【
図4】ユーザが冷蔵庫に食品を入れる様子を示す図である。
【
図6】ユーザインタフェース装置が管理情報を出力する様子を示す図である。
【
図7】ユーザが冷蔵庫から食品を取り出す様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本開示の実施の形態に係る冷蔵庫の構成を示す。冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2と、管理装置3とを有する。
【0013】
冷蔵庫本体2は、食品を所定の温度で保管するためのもので、例えば複数の貯蔵室4~6を有してもよい。
【0014】
貯蔵室4は、例えば食品を冷蔵保管するためのもので、いわゆる冷蔵室から構成されてもよい。貯蔵室4は、例えば複数の棚板で区分けされることにより、複数の区域4a~4cが形成されてもよい。区域4a~4cは、例えば、貯蔵室4の上部から下部に向かって順次並ぶように形成されてもよい。また、貯蔵室4の前面には、貯蔵室4を開閉する開閉扉7が配置されてもよい。開閉扉7は、例えば複数のポケットが配置されることにより、飲み物などを保管する区域4dを形成してもよい。
【0015】
貯蔵室5は、例えば野菜などの食品を保管するためのもので、結露の発生を抑制するように貯蔵室4より少し高い温度に設定されてもよい。
貯蔵室6は、例えば食品を冷凍保管するためのもので、冷凍温度帯に設定されてもよい。
なお、図示された貯蔵室4~6は、単なる一例であり、本開示による冷蔵庫本体2の区分けは、これに限定されるものでない。
【0016】
管理装置3は、撮影装置8と、ユーザインタフェース装置9と、制御装置10とを有する。撮影装置8およびユーザインタフェース装置9は、それぞれ制御装置10に電気的に接続されている。
【0017】
撮影装置8は、冷蔵庫本体2内を撮影するもので、例えば貯蔵室4~6のそれぞれに配置されてもよい。貯蔵室4の撮影装置8は、例えば、貯蔵室4の天井部に配置され、ユーザが貯蔵室4に入れる食品などの保管物を撮影してもよい。撮影装置8は、例えば、カメラなどから構成されてもよい。
【0018】
ユーザインタフェース装置9は、音声入力装置9aと、音声出力装置9bと、表示装置9cとを有する。
【0019】
音声入力装置9aは、音声を取得するもので、例えば撮影装置8の近傍に配置されてもよい。音声入力装置9aは、例えばマイクロフォンなどから構成されてもよい。
【0020】
音声出力装置9bは、冷蔵庫内の情報を音声で出力するもので、例えば撮影装置8の近傍に配置されてもよい。音声出力装置9bは、例えばスピーカなどから構成されてもよい。
【0021】
表示装置9cは、冷蔵庫内の情報を表示するもので、例えば開閉扉7の外面に配置されてもよい。表示装置9cは、例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどから構成されてもよい。
【0022】
制御装置10は、音声入力装置9aで取得された音声に基づいて、冷蔵庫本体2内に入庫される食品の特徴情報を検知する。また、制御装置10は、撮影装置8で撮影された冷蔵庫本体2内の画像に基づいて、食品を収容する収容物の形態情報を検知する。そして、制御装置10は、食品の特徴情報と収容物の形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報を作成する。制御装置10は、例えば、管理情報を音声情報として出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。また、制御装置10は、管理情報を表示するように表示装置9cを制御してもよい。
【0023】
なお、食品は、ユーザが飲食可能な飲食物であり、例えば、リンゴや野菜などの食材、カレーやおでんなどの加工品(調理品)、ジュースや酒などの飲料を含んでもよい。また、食品の特徴情報は、食品の特徴を示す情報であり、例えば、食品の名称、食品を管理するための日付情報(例えば賞味期限、食品の加工日)などを含んでもよい。
【0024】
また、収容物は、食品を収容するためのもので、例えば、タッパー、鍋、ペットボトル、ラップ、アルミホイル、ストックバックなどを含んでもよい。このとき、収容物は、食品の一部を覆って隠すように構成されてもよいし、食品全体を覆って隠すように構成されてもよい。また、収容物の形態情報は、収容物の形態を示す情報であり、例えば、収容物の形態自体を示す情報でもよいし、収容物に類似する形態の情報でもよい。また、収容物の形態情報は、例えば、収容物全体の形態を示す情報から構成されてもよいし、収容物の一部の形態を示す情報から構成されてもよい。
【0025】
制御装置10における後述される各種機能及び処理を実現するプログラム又は指示は、ネットワークなどを介し何れかの外部装置からダウンロードされてもよいし、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の着脱可能な記憶媒体から提供されてもよい。また、制御装置10は、汎用プロセッサとして実装され、提供されたプログラム又は指示に従って、後述される各種機能及び処理を実現してもよい。あるいは、制御装置10は、後述される各種機能及び処理を実現する回路として実装されてもよい。
【0026】
なお、本開示による冷蔵庫1は、上述した装置構成に限定されず、他の何れかの装置構成を備えてもよい。
【0027】
次に、本実施の形態の動作について説明する。
【0028】
図2は、本実施の形態の概要を示す。本実施の形態は、ユーザが食品を冷蔵庫本体2内に入れるときにユーザの音声を音声入力装置9aで取得し、その食品を収容した収容物を撮影装置8で撮影する。制御装置10は、音声入力装置9aで取得された音声に基づいて、食品の特徴情報を検知する。また、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像に基づいて、収容物の形態情報を検知する。そして、制御装置10は、食品の特徴情報と収容物の形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報を作成し、その管理情報を出力するようにユーザインタフェース装置9を制御する。
【0029】
続いて、
図3に示すフローチャートを参照して本実施の形態の動作を詳細に説明する。
【0030】
まず、
図4に示すように、ユーザAが、収容物S1に収容された食品を冷蔵庫本体2の貯蔵室4に入れる場合を考える。このとき、ユーザAは、食品の特徴情報、例えば食品の名称や食品を管理するための日付情報などを声に出しつつ食品を冷蔵庫本体2内に入れてもよい。
図4では、ユーザAが、食品の名称と加工日を含む「昨日のカレー」との食品の特徴情報を声に出しつつ、タッパーに収容された食品を貯蔵室4に入れる様子を示している。なお、貯蔵室4には、収容物S2およびS3に収容された食品が既に保管されているものとする。
【0031】
このようにして、貯蔵室4に新たな食品が入庫されると、ステップS1で、撮影装置8が貯蔵室4内を撮影すると共に、音声入力装置9aがユーザAの音声を取得する。例えば、制御装置10は、開閉扉7の開閉を検知し、開閉扉7が開かれたタイミングで、貯蔵室4内を撮影するように撮影装置8を制御すると共にユーザAの音声を取得するように音声入力装置9aを制御してもよい。撮影装置8で撮影された貯蔵室4内の画像と、音声入力装置9aで取得されたユーザAの音声とは、それぞれ制御装置10に出力される。
【0032】
一実施例では、制御装置10は、音声出力装置9bを制御して、貯蔵室4内に保管される食品の特徴情報についてユーザAに質問してもよい。例えば、制御装置10は、開閉扉7が開かれたときに、「食品の名称は何ですか?」との質問を出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。続いて、音声入力装置9aに「カレー」との回答が入力された場合に、制御装置10は、「加工日はいつですか?」と次の質問を出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。このように、制御装置10は、食品の特徴情報について順次質問することで、食品の特徴情報を確実に取得することができる。
【0033】
また、制御装置10は、ユーザAの音声を音声入力装置9aから取得した場合に、ユーザAの音声を認識できたことを示す認識成功信号、例えば「ピー」との認識成功信号や、認識結果を再生する認識成功信号などを出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。これにより、ユーザAは、音声出力装置9bから認識成功信号が出力されない場合には、食品の特徴情報を再度声に出すことで音声入力装置9aに食品の特徴情報を確実に入力することができる。
【0034】
続いて、制御装置10は、ステップS2で、撮影装置8で撮影された貯蔵室4内の画像に基づいて、食品を収容する収容物S1の形態情報を検知する。例えば、制御装置10は、撮影された画像にエッジ処理を施すなどして収容物S1の形状を検知してもよい。このとき、制御装置10は、検知された収容物S1の形態情報に基づいて、貯蔵室4における食品の入出庫を判定してもよい。例えば、制御装置10は、新たな収容物S1が検知された場合には貯蔵室4に食品が入庫されたと判定し、貯蔵室4内に保管された収容物が検知されなくなった場合には貯蔵室4外へ食品が出庫されたと判定してもよい。
【0035】
また、制御装置10は、音声入力装置9aで取得された音声に基づいて、貯蔵室4内に入庫される食品の特徴情報を検知する。例えば、制御装置10は、「昨日のカレー」との音声から、食品の名称を示す「カレー」と、食品の加工日を示す「昨日」とを含む特徴情報を検知してもよい。このとき、制御装置10は、食品の加工日について、日付ではなく、現在を基準とした表現「昨日」と検知した場合には、現在の日付に基づいて食品の加工日を日付、例えば「11/9」に修正してもよい。
【0036】
続いて、制御装置10は、ステップS3で、食品の特徴情報と収容物S1の形態情報とを対応付けて、食品を管理する管理情報を作成する。例えば、制御装置10は、
図5に示すように、食品の名称および食品の日付情報(例えば、賞味期限や加工日)と、収容物S1~S3の形態情報とを対応付けた管理情報Mを作成してもよい。ここで、収容物S1~S3の形態情報は、例えば、記憶部に記憶されたそれぞれの形態情報へのリンク先が登録されていてもよい。
【0037】
これにより、制御装置10は、食品が収容物S1に収容されている場合でも、収容物S1の形態情報に基づいて食品の特徴情報を確実に管理することができる。特に、収容物S1が食品を覆うように構成されることにより撮影装置8による食品の撮影の妨げとなる場合でも、制御装置10は、ユーザAの音声から食品の特徴情報を取得することにより、食品の情報を確実に管理することができる。また、ユーザAの音声から食品の特徴情報を取得することで、AI(Artificial Intelligence)などの高度な管理技術を用いることなく、食品の特徴情報を容易に管理することができる。
【0038】
なお、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像における収容物S1の一部の形状に基づいて収容物S1の形態情報を生成してもよい。例えば、撮影装置8で撮影された画像において、収容物S1がユーザAの手や他の収容物により部分的に隠れている場合に、制御装置10は、収容物S1の露出部分の形態に基づいて、隠れている部分の形態を生成してもよい。これにより、制御装置10は、収容物S1の全体的な形態情報を取得することができ、食品の情報をより確実に管理することができる。
【0039】
続いて、制御装置10は、ステップS4で、管理情報Mを出力するようにユーザインタフェース装置9を制御する。例えば、ユーザAが開閉扉7を閉じると、制御装置10は、
図6に示すように、管理情報Mを表示するように表示装置9cを制御してもよい。ここで、表示装置9cには、収容物S2に収容された食品の特徴情報として名称「おでん」と、賞味期限「11/12まで」とが表示され、収容物S3に収容された食品の特徴情報として名称「ジュース」と、賞味期限「12/7まで」とが表示されているものとする。制御装置10は、新たに入庫された収容物S1の食品の特徴情報を追加するように表示装置9cを制御する。これにより、表示装置9cには、収容物S1に収容された食品の特徴情報として、例えば名称「カレー」および加工日「11/9」が表示されてもよい。
【0040】
このように、制御装置10は、管理情報Mを出力するようにユーザインタフェース装置9を制御する。このため、ユーザAは、貯蔵室4内に保管された食品の管理情報Mを、収容物S1~S3を開けることなく、容易に把握することができる。
【0041】
また、制御装置10は、音声入力装置9aから取得したユーザAの音声に基づいて、食品を管理するための日付情報、例えば加工日や賞味期限を食品の特徴情報として検知する。これにより、ユーザAは、食品の加工日や賞味期限に基づいて食品を消費する順序を決定するなど、食品を容易に管理することができる。
【0042】
なお、制御装置10は、食品の賞味期限が所定の期間内となった場合や、食品の加工日から所定の期間を経過した場合には、食品の賞味期限が迫っていることをユーザAに知らせる表示を行うように表示装置9cを制御してもよい。また、制御装置10は、賞味期限の短さや加工日からの経過期間の長さに基づいて、表示装置9cに並ぶ順番を変更してもよい。
【0043】
ここで、制御装置10は、管理情報Mの全てを表示装置9cに表示させてもよいし、管理情報Mの一部を表示装置9cに表示させてもよい。例えば、制御装置10は、収容物S1の形態情報を表示するように表示装置9cを制御してもよい。具体的には、制御装置10は、収容物S1の形態を示す画像情報を表示装置9cに表示させてもよい。また、制御装置10は、収容物S1の形態情報に基づいて収容物S1の種類を判別し、その種類「タッパー」を示す文字情報などを表示装置9cに表示させてもよい。これにより、ユーザAは、貯蔵室4内において収容物S1~S3に収容された食品の位置を速やかに把握することができる。
【0044】
なお、食品の名称は、「カレー」や「おでん」などの食品の種類に限られるものではない。例えば、制御装置10は、ユーザAの入力指示に応じて、ユーザAが独自に名付けた食品の名称、例えば「ママのカレー」などの名称を表示装置9cに表示させてもよい。
【0045】
また、ユーザインタフェース装置9は、端末Tと通信可能に接続された通信装置9dを含んでもよい。例えば、制御装置10は、端末Tに管理情報Mを出力するように通信装置9dを制御してもよい。これにより、端末Tに食品の管理情報Mが表示されるため、ユーザAは貯蔵室4内に保管された食品の管理情報Mを外出先などでも容易に確認することができる。
【0046】
また、制御装置10は、通信装置9dを介して、ユーザAの音声および収容物S1の画像の少なくとも一方を端末Tから取得してもよい。これにより、制御装置10は、通信装置9dから取得された画像および音声に基づいて、食品の特徴情報と収容物S1の形態情報を検知することができる。
【0047】
また、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像および音声入力装置9aから入力された音声の少なくとも一方に基づいて、収容物S1の位置情報を検知してもよい。
【0048】
例えば、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像から取得される収容物S1の形態情報に基づいて、収容物S1の位置情報を検知してもよい。ここで、食品の特徴情報は音声から優位に取得可能であり、収容物S1の位置情報は画像から優位に取得可能な場合がある。そこで、制御装置10は、音声入力装置9aから入力される音声に基づいて食品の特徴情報を検知しつつ、収容物S1の形態情報に基づいて収容物S1の位置情報を検知してもよい。これにより、ユーザAは、収容物S1を貯蔵室4内に保管する際に、食品の特徴情報を音声で知らせるだけでよく、食品を貯蔵室4に速やかに保管することができる。
【0049】
また、制御装置10は、音声入力装置9aから入力される音声に基づいて、収容物S1の位置情報を検知してもよい。例えば、「貯蔵室4の二段目(区域4b)」との音声が音声入力装置9aに入力された場合には、制御装置10は、その音声に基づいて位置情報を検知してもよい。これにより、制御装置10は、収容物S1の位置情報に基づいて食品の特徴情報と収容物S1の形態情報を確実に管理することができる。
【0050】
また、音声出力装置9bは、管理情報Mを音声情報として出力してもよい。例えば、
図7に示すように、制御装置10は、音声合成機能を有し、ユーザAが開閉扉7を再び開けたときに、管理情報Mに基づいて音声を出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。制御装置10は、例えば、管理情報Mに登録されている食品の特徴情報を音声出力装置9bから出力させてもよい。これにより、ユーザAは、貯蔵室4に保管された食品の特徴情報を確実に把握することができ、食品の使い忘れなどを防止することができる。
【0051】
このようにして、ユーザAは、食品の管理情報Mを確認すると、貯蔵室4内から所望の食品を容易に取り出すことができる。ここで、制御装置10は、貯蔵室4からの食品の入出庫時に管理情報Mを更新してもよい。例えば、制御装置10は、ユーザAが貯蔵室4から食品を取り出す度に、管理情報Mを更新してもよい。具体的には、
図8に示すように、制御装置10は、撮影装置8で撮影された貯蔵室4内の画像に基づいて貯蔵室4からの収容物S1の出庫を検知すると、その収容物S1に収容された食品の特徴情報を削除するように表示装置9cを制御してもよい。このように、制御装置10は、食品が入出庫される度に管理情報Mを更新するため、例えば収容物S1に別の食品「プリン」を収容して貯蔵室4に新たに保管する場合に、その別の食品「プリン」が先の食品「カレー」と混同して管理情報Mに登録されるのを抑制することができる。これにより、制御装置10は、管理情報Mの誤登録を抑制することができ、管理情報Mを確実に管理することができる。
【0052】
また、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像に加えて、音声入力装置9aから入力される音声に基づいて、貯蔵室4からの食品の入出庫を検知してもよい。例えば、ユーザAが貯蔵室4から食品を取り出す際に、食品の特徴情報(例えば食品の名称)や収容物S1の形態情報(例えば収容物S1の種類)を示す音声が音声入力装置9aから入力されてもよい。これにより、制御装置10は、貯蔵室4からの食品の出庫を確実に検知することができる。
【0053】
また、ユーザAが貯蔵室4内に保管された収容物S1を他の位置に移動させた場合に、制御装置10は、撮影装置8で撮影された画像に基づいて収容物S1の移動を検知してもよい。例えば、制御装置10は、収容物S1の形態情報に基づいて食品の移動位置を検知し、その検知に応じて管理情報Mにおける食品の位置情報を更新してもよい。
【0054】
なお、制御装置10は、貯蔵室4からの食品の出庫を検知した場合に、その食品を管理情報Mから削除することを示す削除信号、例えば「ピピ」との削除信号を出力するように音声出力装置9bを制御してもよい。これにより、ユーザAは、食品の管理情報Mが適切に更新されていることを容易に把握することができる。
【0055】
本実施の形態によれば、制御装置10が、音声入力装置9aで取得された音声に基づいて貯蔵室4に入庫される食品の特徴情報を検知すると共に、貯蔵室4の画像に基づいて食品を収容する収容物S1の形態情報を検知し、特徴情報と形態情報とを対応付けて食品を管理する管理情報Mを作成する。これにより、食品が収容物S1に収容された状態で冷蔵庫1に保管されている場合でも、食品の情報を確実に管理することができる。
【0056】
以上、本開示に係る実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、上述した制御装置10の機能は、コンピュータプログラムにより実現することができる。
【0057】
上述した制御装置10の機能をプログラムにより実現するコンピュータは、キーボードやマウス、タッチパッドなどの入力装置、ディスプレイやスピーカなどの出力装置、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置、ネットワークを介して通信を行うネットワークカードなどを備え、各部はバスにより接続される。
【0058】
そして、読取装置は、上記制御装置10の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置に記憶させる。あるいは、ネットワークカードが、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記制御装置10の機能を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶させる。
【0059】
そして、CPUが、記憶装置に記憶されたプログラムをRAMにコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAMから順次読み出して実行することにより、上記制御装置10の機能が実現される。
【0060】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示に係る冷蔵庫は、保管する食品の情報を管理する冷蔵庫に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 冷蔵庫
2 冷蔵庫本体
3 管理装置
4~6 貯蔵室
4a~4c 区域
7 開閉扉
8 撮影装置
9 ユーザインタフェース装置
9a 音声入力装置
9b 音声出力装置
9c 表示装置
9d 通信装置
10 制御装置
A ユーザ
M 管理情報
S1~S3 収容物
T 端末