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特開2023-120933情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120933
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20230823BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230823BHJP
【FI】
G06F16/9035
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024084
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 琢郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 知紘
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175HA01
5B175HB03
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定部と、推定部とを備える。特定部は、複数のユーザの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する。推定部は、第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つ前記ベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において前記第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する特定部と、
前記第1対象と前記第2対象との共通性に基づいて、前記第2対象の変遷理由を推定する推定部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記第1対象および前記第2対象のカテゴリ、スペック、およびブランドのうちの少なくとも1つを前記第1対象と前記第2対象との共通性として前記第2対象の前記変遷理由を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記複数のユーザのうち判定対象となるユーザの前記興味関心空間における興味関心を示すベクトルを基準として予め定められた変遷態様を有する対象を前記第1対象として特定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記興味関心空間において前記基準に近づいて前記基準と類似する範囲に入った対象を前記第1対象として特定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記興味関心空間において前記基準から遠ざかって前記基準と類似する範囲内から前記範囲外に移動した対象を前記第1対象として特定する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部によって推定された前記第2対象の前記変遷理由を示す情報を提供する提供部を備える
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記興味関心空間は、
前記複数の対象のうち予め定められた条件を満たす2以上の対象を類似する特徴を有するものとして前記複数の対象の各々が有する特徴を学習した学習済みモデルに基づいて形成される
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記複数のユーザが用いた複数の検索語を用いて前記学習済みモデルを生成する学習部を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数のユーザの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つ前記ベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において前記第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する特定工程と、
前記第1対象と前記第2対象との共通性に基づいて、前記第2対象の変遷理由を推定する推定工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
複数のユーザの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つ前記ベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において前記第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する特定手順と、
前記第1対象と前記第2対象との共通性に基づいて、前記第2対象の変遷理由を推定する推定手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに情報提供を行うための種々の技術が提供されている。例えば、特許文献1には、ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、商取引に関連する要素に基づいて分類した複数の象限のうち、ユーザが興味関心を持っているカテゴリが属する象限に基づいて、象限に応じた広告を配信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-099631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、ユーザが興味関心を持っているカテゴリに商取引に関連する要素などの対象を分類することができるが、ユーザの対象に対する興味関心の変遷の解析を積極的に行う技術ではない。ユーザの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析を行うことができれば、例えば、ユーザへの情報提供などをさらに適切に行うことができ、この点で改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、特定部と、推定部とを備える。特定部は、複数のユーザの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する。推定部は、第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置のユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶されるコンテンツテーブルの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置の興味関心空間情報記憶部に記憶される興味関心空間情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の第1特定部によって特定される第1対象の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の第1特定部によって特定される第1対象の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の第2特定部によって特定される第2対象の一例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の第2特定部によって特定される第2対象の他の例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報提供手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。実施形態に係る情報処理は、情報処理装置1によって実行される処理であり、検索処理、モデル生成処理、および情報提供処理を含む。
【0011】
まず、検索処理およびモデル生成処理について説明する。図1に示す情報処理装置1は、ユーザU~Uに検索サービスを提供する。例えば、情報処理装置1は、検索対象がインデックスされて格納されたデータベースである検索対象データベースなどを有しており、かかる検索対象データベースなどの情報を対象として検索処理を実行する。例えば、検索対象データベースの情報は記憶部11(図2参照)に格納される。
【0012】
図1に示すように、ユーザU~Uは、端末装置2~2を操作することで、端末装置2~2から検索クエリを情報処理装置1に送信する処理を端末装置2~2に実行させる(ステップS1~S1)。nは、2以上の整数である。
【0013】
例えば、ステップS1において、ユーザUは、端末装置2を操作することで、端末装置2から検索クエリを情報処理装置1に送信する処理を端末装置2に実行させる。また、ステップS1において、ユーザUは、端末装置2を操作することで、端末装置2から検索クエリを情報処理装置1に送信する処理を端末装置2に実行させる。以下において、ユーザU~Uの各々を個別に区別せずに示す場合、ユーザUと記載し、端末装置2~2の各々を個別に区別せずに示す場合、端末装置2と記載する場合がある。
【0014】
検索クエリは、ユーザUによって端末装置2に入力された1以上の検索語(検索キーワード)を含む。例えば、ユーザUによって端末装置2に1以上の検索語として「スニーカ」が入力された場合、検索クエリには、「スニーカ」が含まれる。また、ユーザUによって端末装置2に1以上の検索語として「スニーカ レディース」が入力された場合、検索クエリには、「スニーカ レディース」が含まれる。「スニーカ レディース」には、「スニーカ」と「レディース」の2つの検索語がスペース区切りで含まれている。
【0015】
情報処理装置1は、端末装置2~2から各々送信される検索クエリを受け付ける(ステップS2~S2)。例えば、情報処理装置1は、ステップS2で、端末装置2から検索クエリを受け付け、ステップS2で、端末装置2から検索クエリを受け付ける。
【0016】
次に、情報処理装置1は、ステップS2~S2で受け付けた検索クエリに基づいて検索処理を実行する(ステップS3~S3)。例えば、情報処理装置1は、ステップS3において、端末装置2から送信されステップS2で受け付けた検索クエリに含まれる1以上の検索語に対応する対象を検索対象データベースから検索する検索処理を実行する。また、情報処理装置1は、ステップS3において、端末装置2から送信されステップS2で受け付けた検索クエリに含まれる1以上の検索語に対応する対象を検索対象データベースから検索する検索処理を実行する。
【0017】
次に、情報処理装置1は、ステップS3~S3による検索処理の結果である検索結果を端末装置2~2に送信する(ステップS4~S4)。例えば、情報処理装置1は、ステップS4において、ステップS3の検索処理の結果である検索結果を端末装置2に送信する。また、情報処理装置1は、ステップS4において、ステップS3の検索処理の結果である検索結果を端末装置2に送信する。
【0018】
次に、情報処理装置1は、ステップS2~S2で受け付けた検索クエリに基づいて、興味関心モデルを生成する(ステップS5)。ステップS5で生成される興味関心モデルは、複数の対象の各々を示す情報を入力とし、M次元のベクトルを出力とするモデルである。Mは、例えば、500~2000の範囲の整数であるが、かかる例に限定されない。また、M次元のベクトルは、例えば、分散表現で示されてもよく、分散表現以外で示されてもよい。以下、M次元のベクトルを単にベクトルと記載する。
【0019】
ステップS5において、情報処理装置1は、予め定められた条件を満たす2以上の検索語を類似する特徴を有するものとして複数の検索語の各々が有する特徴を学習することによって学習済みモデルである興味関心モデルを生成する。予め定められた条件を満たす2以上の検索語は、同一検索クエリに含まれる複数の検索語、または同一のユーザUによって予め定められた時間内に端末装置2から送信される複数の検索クエリに含まれる検索語である。
【0020】
情報処理装置1は、予め定められた条件を満たす2以上の検索語を学習データとして、2以上の検索語のベクトルが互いに類似するように学習を行う。情報処理装置1は、同一のユーザUによって端末装置2から送信される検索クエリに含まれる検索語を、検索クエリの送信時期にかかわらず、予め定められた条件を満たす2以上の検索語として扱うこともできる。
【0021】
なお、検索語は、1つの検索キーワードで構成されるが、2以上の検索キーワードから構成されてもよい。情報処理装置1は、例えば、検索クエリに文字列「スニーカ レディース」が含まれる場合、「スニーカ」と「レディース」とを異なる検索語として扱うが、「スニーカ」と「レディース」との組を1つの検索語として扱うこともできる。
【0022】
情報処理装置1は、例えば、再帰的ニューラルネットワークとも呼ばれるRNN(Recurrent Neural Network)の一種であるLSTM(Long Short-Term Memory)をベクトル生成(例えば、分散表現生成)に用いたDSSM(Deep Structured Semantic Model)の技術を用いて、検索語などの対象を示す情報からベクトル(例えば、分散表現)を出力する興味関心モデルを生成する。なお、対象を示す情報からベクトルを出力する興味関心モデルの生成方法は、上述した例に限定されない。
【0023】
情報処理装置1は、予め定められた期間TA毎に興味関心モデルの生成を行う。例えば、予め定められた期間TAが1ヶ月である場合、情報処理装置1は、2022年1月、2月、3月、・・・の各々の月単位で興味関心モデルの生成を行う。
【0024】
次に、情報提供処理について説明する。情報処理装置1は、予め定められた期間TA毎に更新される興味関心空間での第1対象の変遷態様を判定する(ステップS6)。
【0025】
興味関心空間では、複数のユーザUの興味関心に対する関連性に応じて複数の対象の各々がベクトルで示される。興味関心空間において、ベクトルで示される対象は、検索語で示される対象に限定されず、検索語で示される対象以外の対象であってもよい。情報処理装置1は、ステップS5で生成された興味関心モデルに対象を示す情報を入力し、興味関心モデルから出力される対象のベクトルを取得する処理を対象毎に行うことによって、各対象のベクトルを含む興味関心空間を生成する。情報処理装置1は、ステップS5で期間TA毎に生成される興味関心モデルを用いて、期間TA毎に更新される興味関心空間を生成する。
【0026】
第1対象は、例えば、複数の対象のうち予め定められた条件を満たす対象である。予め定められた条件は、例えば、複数のユーザUのうち判定対象となるユーザUの興味関心空間における興味関心を示すベクトルである興味関心ベクトルを基準として予め定められた変遷態様を有することである。予め定められた変遷態様は、例えば、興味関心空間において基準ベクトルに近づいて基準ベクトルと類似する範囲である興味関心範囲に入るといった変遷態様、または興味関心空間において基準ベクトルから遠ざかって興味関心範囲内から興味関心範囲外に移動するといった変遷態様である。
【0027】
ここで、判定対象となるユーザUの興味関心ベクトルおよび興味関心範囲について説明する。情報処理装置1は、判定対象となる同一のユーザUによって端末装置2から送信される複数の検索クエリに含まれる検索語をステップS5で生成された興味関心モデルに入力し、興味関心モデルから出力される検索語のベクトルを取得する処理を検索語毎に行う。情報処理装置1は、判定対象となる同一のユーザUによって端末装置2から送信される複数の検索クエリに含まれる検索語のベクトルを平均化して平均ベクトルを算出し、算出した平均ベクトルを興味関心ベクトルとして判定する。なお、情報処理装置1は、例えば、受信した日時が新しい検索クエリの検索語ほど検索語のベクトルの重みを大きくして平均ベクトルを算出することもできる。
【0028】
なお、情報処理装置1は、期間TA毎に更新される興味関心空間において、複数の対象のうち変化態様が特定の変化態様である対象を第1対象として特定することもできる。また、情報処理装置1は、情報処理装置1のユーザUによって指定された対象を第1対象として扱うこともできる。
【0029】
次に、情報処理装置1は、興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する(ステップS7)。例えば、情報処理装置1は、K期間前までの興味関心空間から最新の興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルに近づく態様が第1対象と類似する対象を第2対象として特定する。Kは、例えば、2以上の整数である。
【0030】
次に、情報処理装置1は、第1対象と第2対象との共通性について、第2対象の変遷理由を推定する(ステップS8)。第1対象と第2対象との共通性は、例えば、対象の属性の共通性である。対象が取引対象である場合、対象の属性は、例えば、カテゴリ、利用シーン、スペック(取引対象の仕様または機能など)、対象の出現日(商品の発売日など)、対象により解決され得る課題、対象により解決され得る人の悩みなど、対象に対応する様々な属性が含まれる。
【0031】
情報処理装置1は、例えば、第1対象と第2対象とが同一のカテゴリである場合、カテゴリが共通するために第2対象の変遷態様が第1対象の変遷態様と類似すると推定する。例えば、興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルに近づいてユーザUの興味関心ベクトルと類似する範囲である興味関心範囲に入った対象が第1対象として特定されたとする。この場合、情報処理装置1は、第1対象と第2対象とで共通するカテゴリに対するユーザUの興味関心が高くなっていることを第2対象の変遷理由として推定する。
【0032】
また、例えば、興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルから遠ざかって興味関心範囲内から興味関心範囲外に移動した対象が第1対象として特定されたとする。この場合、情報処理装置1は、第1対象と第2対象とで共通するカテゴリに対するユーザUの興味関心が低くなっていることを第2対象の変遷理由として推定する。
【0033】
次に、情報処理装置1は、ステップS8で推定した第2対象の変遷理由を示す情報を情報処理装置1のユーザUAに提供する(ステップS9)。情報処理装置1は、情報処理装置1のユーザUAの端末装置3に対して、ステップS8で推定した第2対象の変遷理由を示す情報を送信することによって、第2対象の変遷理由を示す情報を情報処理装置1のユーザUAに提供する。これにより、情報処理装置1のユーザUAは、第2対象の変遷理由を知ることができ、ユーザUの第2対象に対する興味関心の変遷を把握することができる。
【0034】
このように、情報処理装置1は、所定期間毎に更新される興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定し、第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0035】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。図2に示すように、情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2~2と、端末装置3とを含む。情報処理装置1、複数の端末装置2~2、および端末装置3は、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。
【0036】
実施形態に係る情報処理装置1は、インターネットなどの所定のネットワークNを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置またはクラウドシステムなどにより実現される。例えば、情報処理装置1は、ネットワークNを介して、他の各種装置と通信可能に接続される。
【0037】
また、情報処理装置1は、各ユーザUの端末装置2に対して、ウェブサービスなどのオンラインサービスを提供する。例えば、情報処理装置1は、オンラインサービスとして、上述した検索サービスおよび情報提供サービスの他、例えば、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、投稿サイト、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報などのサービスを提供する。なお、情報処理装置1は、上述したオンラインサービスを提供する各種サーバと連携し、オンラインサービスを仲介することもできる。
【0038】
なお、端末装置3は、例えば、情報処理装置1のユーザUAによって操作される端末装置である。ユーザUAは、端末装置3を操作して、例えば、ユーザUの興味関心の変化を示す情報などの情報であって情報処理装置1から提供される情報を情報処理装置1から取得することができる。ユーザUの興味関心の変化を示す情報は、例えば、上述した第2対象の変遷理由を示す情報などを含む。
【0039】
〔3.情報処理装置1の構成〕
以下、上記した情報処理装置1が有する機能構成の一例について説明する。図2に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0040】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2~2との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0041】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。また、記憶部11は、検索情報記憶部20と、ユーザ情報記憶部21と、コンテンツ記憶部22と、興味関心空間情報記憶部23とを有する。
【0042】
〔3.2.1.検索情報記憶部20〕
検索情報記憶部20は、検索サービスで情報処理装置1が提供する複数の検索対象の情報を記憶する。例えば、検索情報記憶部20は、複数の検索対象の各々がインデックスされて格納されたデータベースである検索対象データベースを格納する。
【0043】
検索対象の情報は、例えば、クローラなどによって収集されるウェブページなどの種々のコンテンツの情報である。検索情報記憶部20に記憶される検索対象の情報は、コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)および概要などであるが、かかる例に限定されない。
【0044】
〔3.2.2.ユーザ情報記憶部21〕
ユーザ情報記憶部21は、ユーザU~Uの情報を含むユーザ情報を記憶する。図3は、実施形態に係る情報処理装置1のユーザ情報記憶部21に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【0045】
図3に示すように、ユーザ情報記憶部21に記憶されるユーザ情報テーブルは、「ユーザID(Identifier)」、「ユーザ名」、「属性」、および「検索履歴」などの情報をユーザU毎に含む。「ユーザID」は、各ユーザUに固有の識別情報である。「ユーザ名」は、ユーザUの名称を示す情報である。
【0046】
「属性」は、ユーザUの属性を示す情報である。ユーザUの属性は、ユーザUのデモグラフィック属性またはサイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的なユーザUの属性である。サイコグラフィック属性は、ユーザUの価値観、ライフスタイル、性格、興味関心などを示す属性である。
【0047】
図3に示す例では、ユーザUのデモグラフィック属性として、「性別」および「年齢」などの情報を含む。「性別」は、ユーザUの性別を示す情報であり、「年齢」は、ユーザUの年齢を示す情報である。なお、ユーザUのデモグラフィック属性は、例えば、ユーザUの役職、担当業務、年収、住所、通勤経路、研修履歴、家族構成などがさらに含まれる。ユーザUの嗜好は、例えば、服、旅行、車、バイク、コンピュータ、ランチなどの各対象に対するユーザUの興味関心度合いなどを含む。
【0048】
「検索履歴」は、情報処理装置1が提供するオンラインサービスまたは情報処理装置1がユーザUによって仲介されるオンラインサービスでの検索履歴の情報である。かかる「検索履歴」には、例えば、情報処理装置1による検索クエリの受信日時を示す情報、および検索クエリに含まれる1以上の検索語(検索キーワード)の情報などが検索クエリ毎に含まれる。
【0049】
〔3.2.3.コンテンツ記憶部22〕
コンテンツ記憶部22は、検索サービス以外のオンラインサービスで情報処理装置1が提供するコンテンツを記憶する。図4は、実施形態に係る情報処理装置1のコンテンツ記憶部22に記憶されるコンテンツテーブルの一例を示す図である。図4に示した例では、コンテンツ記憶部22は、「コンテンツID」、および「コンテンツ」などをコンテンツ毎に含む。
【0050】
「コンテンツID」は、コンテンツ毎に固有の識別情報である。「コンテンツ」は、「コンテンツID」に対応付けられたコンテンツに関する情報である。具体的には、コンテンツは、コンテンツの内容に関する情報を示してもよい。例えば、コンテンツは、オンラインサービスで提供されるコンテンツである。例えば、コンテンツは、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピングサイト、またはファイナンス(株価)サイトなどに関するコンテンツである。また、コンテンツは、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、ウェブブログサイト、投稿サイト、音楽配信サイト、動画配信サイト、またはSNSサイトなどに関するコンテンツであってもよい。
【0051】
例えば、図4では、コンテンツID「C1」のコンテンツは、「CO1」である。なお、図4に示した例では、コンテンツを、「CO1」などの抽象的な符号で表現したが、コンテンツは、具体的な数値、具体的な文字列、および各種情報などを含むファイル形式などであってもよい。なお、コンテンツ記憶部22は、上述した例に限定されず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0052】
〔3.2.4.興味関心空間情報記憶部23〕
興味関心空間情報記憶部23は、予め定められた期間TA毎の興味関心空間情報を記憶する。興味関心空間情報には、興味関心空間に配置される複数の対象のベクトルなどの情報が含まれる。興味関心空間は、M次元の空間である。期間TAは、例えば、1ヶ月であるが、かかる例に限定されず、例えば、1週間、2週間、または3ヶ月などであってもよい。また、期間TAは、情報処理装置1によって新たに受け付けられた検索クエリの数または新たな検索語の数が予め設定された閾値以上になる期間であってもよい。
【0053】
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の興味関心空間情報記憶部23に記憶される興味関心空間情報の一例を示す図である。図5に示した例では、興味関心空間情報記憶部23に記憶される興味関心空間情報は、「対象ID」、「対象」、および「ベクトル」などを対象毎に含む。
【0054】
「対象ID」は、対象毎に固有の識別情報である。「対象」は、興味関心空間に配置されるユーザUの興味関心となりうる対象であり、例えば、ショッピング、旅行、ニュース、スポーツ、エンターテイメント、ファイナンス、ゲーム、映画、または音楽などの種々のカテゴリに属する対象である。
【0055】
例えば、図5では、対象ID「Q1」の対象は、「O1」であり、ベクトルは、「V1」である。なお、図5に示した例では、対象を、「O1」などの抽象的な符号で表現したが、対象は、具体的な文字列で示されるが、画像などで示されてもよい。また、図5に示した例では、ベクトルを、「V1」などの抽象的な符号で表現したが、ベクトルは、M次元のベクトルであり、例えば、各次元のベクトル成分の値で示される。
【0056】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0057】
図2に示すように、処理部12は、受付部30と、検索部31と、学習部32と、特定部33と、推定部34と、提供部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0058】
〔3.3.1.受付部30〕
受付部30は、各種要求を受け付ける。受付部30は、外部の情報処理装置から各種要求を受け付ける。例えば、受付部30は、各端末装置2からの要求を受け付ける。
【0059】
受付部30は、ユーザUが入力した1以上の検索語(検索キーワード)を含む検索クエリを端末装置2からネットワークNおよび通信部10を介して受け付ける。また、受付部30は、ユーザUのコンテンツ送信要求をネットワークNおよび通信部10を介して端末装置2から受け付ける。コンテンツ送信要求は、コンテンツを特定した要求である。
【0060】
また、受付部30は、端末装置3からの要求を受け付ける。例えば、受付部30は、ユーザUによって第1対象として指定された対象の情報を含む対象指定クエリを端末装置3からネットワークNおよび通信部10を介して受け付ける。また、受付部30は、判定対象となるユーザUを示す情報を含むユーザ指定クエリを端末装置3からネットワークNおよび通信部10を介して受け付ける。
【0061】
〔3.3.2.検索部31〕
検索部31は、受付部30によって受け付けられた検索クエリに含まれる1以上の検索語に応じた検索対象の情報を検索情報記憶部20に記憶されている複数の検索対象の情報の中から検索する。検索部31は、検索した検索対象の情報を検索結果としてネットワークNおよび通信部10を介して検索クエリを送信した端末装置2に送信する。
【0062】
また、検索部31は、受付部30によって受け付けられた検索クエリに含まれる1以上の検索語に応じた検索対象の情報をコンテンツ記憶部22に記憶されている複数のコンテンツの中から検索することもできる。検索部31は、検索したコンテンツを検索結果としてネットワークNおよび通信部10を介して検索クエリを送信した端末装置2に送信する。
【0063】
〔3.3.3.学習部32〕
学習部32は、予め定められた条件を満たす2以上の検索語を類似する特徴を有するものとして複数の検索語の各々が有する特徴を学習した学習済みモデルである興味関心モデルを期間TA毎に生成する。
【0064】
予め定められた条件を満たす2以上の検索語は、同一検索クエリに含まれる複数の検索語、または同一のユーザUによって予め定められた時間内に端末装置2から送信される複数の検索クエリに含まれる検索語である。なお、学習部32は、同一のユーザUによって端末装置2から送信される検索クエリに含まれる検索語を、検索クエリの送信時期にかかわらず、予め定められた条件を満たす2以上の検索語として扱うこともできる。
【0065】
学習部32は、期間TA内を検索日時とする検索クエリに含まれる検索語を用いて学習用データを生成する。例えば、学習部32は、期間TA毎に予め定められた条件を満たす2以上の検索語をユーザ情報記憶部21から取得し、取得した2以上の検索語を学習用データとして用いて興味関心モデルを生成する。例えば、学習部32は、予め定められた条件を満たす2以上の検索語を学習データとして、2以上の検索語のベクトルが互いに類似するように学習を行う。
【0066】
学習部32は、例えば、再帰的ニューラルネットワークとも呼ばれるRNNの一種であるLSTMをベクトル生成に用いたDSSMの技術を用いて、検索語などの対象を示す情報からベクトルを出力する興味関心モデルを生成する。なお、検索語などの対象を示す情報からベクトルを出力する興味関心モデルの生成方法は、上述した例に限定されず、類似する複数の対象を示すベクトルが互いに類似するように学習を行うことができればよく、種々の公知技術を用いることができる。
【0067】
学習部32は、生成した期間TA毎の興味関心モデルを用いて複数の対象の各々のベクトルを取得し、取得した複数の対象のベクトルの情報を含む情報を興味関心空間情報として期間TA毎に記憶部11における興味関心空間情報記憶部23に記憶させる。
【0068】
〔3.3.4.特定部33〕
特定部33は、複数のユーザUの興味関心に対する関連性に応じて複数の対象の各々がベクトルで示され且つベクトルが期間TA毎に更新される興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する。特定部33は、第1特定部40と、第2特定部41とを備える。
【0069】
〔3.3.4.1.第1特定部40〕
第1特定部40は、複数の対象のうち予め定められた条件を満たす対象を第1対象として特定する。予め定められた条件を満たす対象は、例えば、判定対象となるユーザUの興味関心ベクトルを基準として予め定められた変遷態様を有する対象、複数の対象のうち変化態様が特定の変化態様である対象、情報処理装置1のユーザUAによって指定される対象などである。判定対象となるユーザUの興味関心ベクトルは、最新の興味関心空間におけるベクトルであるが、各期間TAの興味関心空間におけるベクトルであってもよい。
【0070】
情報処理装置1のユーザUAによって指定される対象は、例えば、受付部30によって受け付けられた対象指定クエリで示される対象である。この場合、第1特定部40は、ユーザUAによって指定される対象との関係に基づいて、判定対象となるユーザUを決定することができる。また、判定対象となるユーザUは、例えば、受付部30によって受け付けられたユーザ指定クエリで示されるユーザUAであってもよい。また、情報処理装置1は、期間TA毎に更新される興味関心空間において、複数の対象のうち変遷態様が特定の変遷態様である対象を第1対象として特定することもできる。
【0071】
ユーザUの興味関心ベクトルを基準として予め定められた変遷態様は、例えば、興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルに近づいてユーザUの興味関心ベクトルと類似する範囲である興味関心範囲に入るといった変遷態様、または興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルから遠ざかって興味関心範囲内から興味関心範囲外に移動するといった変遷態様である。
【0072】
興味関心空間は、期間TA毎に更新される。例えば、2021年10月~2022年2月までの各月の興味関心空間がある場合、最新の興味関心空間は、2022年2月の興味関心空間である。2021年10月~2022年2月までの各月の興味関心空間は、2021年10月~2022年2月までの各月の興味関心モデルによって得られる。2021年10月の興味関心空間は、2021年10月の興味関心モデルに複数の対象の各々を示す情報を入力することによって得られ、2022年2月の興味関心空間は、2022年2月の興味関心モデルに複数の対象の各々を示す情報を入力することによって得られる。また、興味関心空間は、2021年10月の興味関心空間の状態、2021年11月の興味関心空間の状態、2021年12月の興味関心空間の状態、2022年1月の興味関心空間の状態、2022年2月の興味関心空間の状態に順次更新される。
【0073】
第1特定部40は、例えば、期間TA毎の興味関心モデルを用いて期間TA毎に各ユーザUの興味関心範囲を特定する。第1特定部40は、例えば、各期間TA内において同一のユーザUによって端末装置2から送信されたすべての検索クエリの各々に含まれる検索語をユーザ情報記憶部21からユーザU毎に取得する。そして、第1特定部40は、取得した複数の検索語のベクトルを平均化して平均ベクトルを算出し、算出した平均ベクトルをユーザ興味関心ベクトルとしてユーザU毎に判定する処理を期間TA毎に行う。なお、第1特定部40は、例えば、受信した日時が新しいほど検索語のベクトルの重みを大きくして平均ベクトルを算出することもできる。
【0074】
第1特定部40は、ユーザUのユーザ興味関心ベクトルと類似する範囲をユーザUの興味関心範囲としてユーザU毎に特定する。ユーザ興味関心ベクトルとの類似範囲は、例えば、コサイン類似度が予め定められた範囲であるが、かかる例に限定されない。なお、第1特定部40は、例えば、同一のユーザUの新たな検索クエリの数または新たな検索語の数が予め設定された閾値以上になる毎にそのユーザUの興味関心範囲を特定することもできる。
【0075】
第1特定部40は、ユーザUの興味関心ベクトルを特定した後、例えば、判定対象となるユーザUの興味関心ベクトルを基準として予め定められた変遷態様を有する対象を第1対象として特定する。ユーザUの興味関心ベクトルは、最新の興味関心空間におけるベクトルであるが、各期間TAの興味関心空間におけるベクトルであってもよい。
【0076】
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の第1特定部40によって特定される第1対象の一例を示す図である。図6では、M次元の興味関心空間を低次元化して可視化した興味関心空間の一部が示されている。図6に示す例では、3期間前の興味関心空間における対象O1の位置P(t-3)と、2期間前の興味関心空間における対象O1の位置P(t-2)と、1期間前の興味関心空間における対象O1の位置P(t-1)と、最新の興味関心空間におけるO1の位置P(t)とが示されている。
【0077】
図6に示すように、対象O1は、3期間前~1期間前の興味関心空間では、ユーザUの興味関心範囲に入っていないが、最新の興味関心空間では、ユーザUの興味関心範囲に入っている。そして、3期間前から1期間前までの興味関心空間において期間が新しい興味関心空間ほどユーザUの興味関心範囲に近づいている。この場合、第1特定部40は、興味関心空間においてユーザUの興味関心範囲に近づいていきユーザUの興味関心範囲に入る変遷態様を対象O1が有すると判定し、対象O1を第1対象として特定する。なお、第1特定部40は、途中でユーザUの興味関心範囲から離れた対象であってもユーザUの興味関心範囲に入る変遷態様を有する対象を第1対象として特定することもできる。
【0078】
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の第1特定部40によって特定される第1対象の一例を示す図である。図7では、図6と同様に、M次元の興味関心空間を低次元化して可視化した興味関心空間の一部が示されている。図7に示す例では、図6と同様に、3期間前から最新の興味関心空間までの対象O1の位置,P(t-3)P(t-2),P(t-1),P(t)が示されている。
【0079】
図7に示す例では、対象O1は、3期間前の興味関心空間では、ユーザUの興味関心範囲に入っているが、2期間前の興味関心空間では、ユーザUの興味関心範囲外になっており、最新の興味関心空間に近づくほど、ユーザUの興味関心範囲から遠ざかっている。この場合、第1特定部40は、興味関心空間においてユーザUの興味関心範囲内から興味関心範囲外に遠ざかる変遷態様を対象O1が有すると判定し、対象O1を第1対象として特定する。なお、第1特定部40は、途中でユーザUの興味関心範囲に近づいた対象であってもユーザUの興味関心範囲からさらに離れる変遷態様を有する対象を第1対象として特定することもできる。
【0080】
また、第1特定部40は、複数の対象のうち変遷態様が特定の変遷態様である対象を第1対象として特定したり、第1特定部40のユーザUによって指定された対象を第1対象として特定したりすることができる。また、第1特定部40は、予め定められた期間における移動速度または移動量が閾値以上である対象を第1対象として特定することもできる。
【0081】
〔3.3.4.2.第2特定部41〕
第2特定部41は、第1特定部40によって特定された第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する。例えば、第2特定部41は、期間TA毎に更新される興味関心空間において、期間が連続する2つの興味関心空間間における対象のベクトルの差の変化を対象の変遷態様として判定する。
【0082】
例えば、3期間前から最新の興味関心空間までの第1対象のベクトルをV13,V12,V11,V10とする。また、期間が連続する2つの興味関心空間間における第1対象のベクトルの差をΔV132,ΔV121,ΔV110とする。ΔV132は、ΔV132=V13-V12であり、ΔV121は、V12-V11であり、ΔV110は、ΔV110=V11-V10であるとする。
【0083】
また、第1対象とは異なる対象Oの3期間前から最新の興味関心空間までのベクトルをVX3,VX2,VX1,VX0とする。また、期間が連続する2つの興味関心空間間における対象Oのベクトルの差をΔVX32,ΔVX21,ΔVX10とする。ΔVX32は、ΔVX32=VX3-VX2であり、ΔVX21は、ΔVX21=VX2-VX1であり、ΔVX10は、ΔVX10=VX1-VX0であるとする。
【0084】
この場合、第2特定部41は、例えば、ΔV132とΔVX32との類似度、ΔV121とΔVX21との類似度、およびΔV110とΔVX10との類似度とを重み付けして加算した結果が閾値未満である場合に、対象Oを第1対象と変遷態様が類似する第2対象として特定する。類似度は、例えば、コサイン類似度であるが、かかる例に限定されない。
【0085】
また、第2特定部41は、例えば、K期間前の興味関心空間から最新の興味関心空間までの第1対象の変遷態様と対象Oのベクトルの変遷態様とが一部の期間の興味関心空間において類似する場合に、対象Oを第2対象として特定することもできる。Kは、例えば、5以上の整数である。一部の期間は、第1対象と第2対象とで同一の期間であってもよく、第1対象と第2対象と互いに異なる期間であってもよい。
【0086】
同一の期間は、例えば、P期間前から最新の期間までの期間であり、Pは、1よりも大きくMよりも小さい整数である。互いに異なる期間は、例えば、第1対象はP-N期間前から最新の期間までの期間であり、第2対象はP期間前からN期間前までの期間である。Nは、例えば、1以上の整数である。
【0087】
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の第2特定部41によって特定される第2対象の一例を示す図である。図8では、図6および図7と同様に、M次元の興味関心空間を低次元化して可視化した興味関心空間の一部が示されている。図8に示す例では、図6に示される対象O1の位置P(t-3),P(t-2),P(t-1),P(t)に加え、対象Oの位置P(t-3),P(t-2),P(t-1),P(t)が示されている。
【0088】
位置P(t-3)は、3期間前の興味関心空間における対象Oの位置であり、位置P(t-2)は、2期間前の興味関心空間における対象Oの位置である。また、位置P(t-1)は、1期間前の興味関心空間における対象Oの位置であり、位置P(t)は、最新の興味関心空間における対象Oの位置である。
【0089】
図8に示す例では、対象O1の位置P(t-3)から位置P(t)までの変遷態様が対象Oの位置P(t-3)から位置P(t)までの変遷態様に類似している。すなわち、3期間前の興味関心空間から最新の興味関心空間までの対象O1の変遷態様と3期間前の興味関心空間から最新の興味関心空間までの対象Oの変遷態様との変遷態様が類似している。そのため、第2特定部41は、対象Oを第2対象として特定する。
【0090】
図9は、実施形態に係る情報処理装置1の第2特定部41によって特定される第2対象の他の例を示す図である。図9では、図8の状態に加え、4期間前の興味関心空間における対象Oの位置P(t-4)が追加されており、また、対象Oの位置P(t-3),P(t-2),P(t-1),P(t)が図8に示す位置と異なる。
【0091】
図9に示す例では、対象O1の位置P(t-3)から位置P(t-1)までの変遷態様が対象Oの位置P(t-2)から位置P(t)までの変遷態様に類似している。すなわち、3期間前の興味関心空間から1期間前の興味関心空間までの対象O1の変遷態様と2期間前の興味関心空間から最新の興味関心空間までの対象Oの変遷態様との変遷態様が類似している。そのため、第2特定部41は、対象Oを第2対象として特定する。このように、第2特定部41の変遷態様の一部と一部が類似する対象を第2対象として特定することができる。
【0092】
また、第2特定部41は、期間が連続する2つの興味関心空間間における対象のベクトルの差の変化に代えてまたは加えて、K期間前の興味関心空間と最新の興味関心空間との間の対象のベクトルの差を変遷態様として扱うこともできる。
【0093】
期間が連続する2つの興味関心空間間における対象のベクトルの差の変化は、対象のベクトルの変化であるが、対象のベクトルの大きさの変化および対象のベクトルの向きの変化のうちの一方を対象の変遷態様として扱うこともできる。対象のベクトルの大きさの変化は、対象のベクトルの移動量の変化または対象のベクトルの移動速度の変化を示し、対象のベクトルの向きの変化は、対象のベクトルの移動方向の変化を示す。
【0094】
〔3.3.5.推定部34〕
推定部34は、特定部33によって特定された第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する。第1対象と第2対象との共通性は、例えば、対象の属性の共通性である。
【0095】
対象の属性は、例えば、カテゴリ、利用シーン、スペック(取引対象の仕様または機能など)、対象の出現日(商品の発売日など)、対象により解決され得る課題、対象により解決され得る人の悩みなど、対象に対応する様々な属性が含まれる。対象は、例えば、取引対象であり、取引対象は、例えば、商品やサービスなどである。
【0096】
推定部34は、例えば、第1対象と第2対象とが同一のカテゴリである場合、カテゴリが共通するために第2対象の変遷態様が第1対象の変遷態様と類似すると推定する。例えば、興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルに近づいてユーザUの興味関心ベクトルと類似する範囲である興味関心範囲に入った対象が第1対象として特定されたとする。この場合、推定部34は、第1対象と第2対象とに共通するカテゴリに対するユーザUの興味関心が高くなっていることを第2対象の変遷理由として推定する。
【0097】
また、例えば、興味関心空間においてユーザUの興味関心ベクトルから遠ざかって興味関心範囲内から興味関心範囲外に移動した対象が第1対象として特定されたとする。この場合、推定部34は、第1対象と第2対象とに共通するカテゴリに対するユーザUの興味関心が低くなっていることを第2対象の変遷理由として推定する。
【0098】
また、推定部34は、第1対象と第2対象とが複数の属性で共通する場合、第2対象が第1対象と複数の属性で共通していることを理由と推定する。例えば、第1対象と第2対象とが共に鞄でブランドが同じブランドAであるとし、ブランドAの商品として鞄以外に財布や服などがあるとする。そして、第1対象がユーザUの興味関心ベクトルから離れていっているとする。この場合、推定部34は、ブランドAおよび靴についての興味関心が無くなってきていることを、第2対象の変遷理由として推定する。
【0099】
上述した例では、推定部34は、ユーザUの興味関心ベクトルや興味関心範囲に対する変遷態様から第2対象の変遷理由を推定したが、かかる例に限定されない。例えば、第1特定部40が特定の変遷態様である対象を第1対象として特定したり、第1特定部40のユーザUによって特定された対象を第1対象として特定したりしたとする。この場合も、推定部34は、第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定することができる。
【0100】
〔3.3.6.提供部35〕
提供部35は、推定部34によって推定された第2対象の変遷理由を示す情報である変遷理由情報をユーザUAに提供する。変遷理由情報のユーザUAへの提供は、提供部35から通信部10およびネットワークNを介して端末装置3に送信することによって行われる。これにより、提供部35は、第2対象の変遷理由を示す情報をユーザUAに提供することができる。
【0101】
変遷理由情報は、第2対象と第2対象の変遷理由とを示す文字情報であるが、かかる文字情報に加えてまたは代えて、例えば、図8または図9に示すように可視化した興味関心空間における第1対象と第2対象の変遷態様を図示した情報を含んでいてもよい。
【0102】
なお、提供部35は、変遷理由情報をプッシュ型でユーザUAに提供したりプル型でユーザUAに提供したりすることができる。例えば、提供部35は、変遷理由情報を端末装置3にインストールされたアプリケーションにより端末装置3にポップアップ表示させたり、電子メールでユーザUAのメールアドレスへ送信したりすることができる。また、提供部35は、ユーザUAが端末装置3を用いて情報処理装置1にアクセスした際に、変遷理由情報を端末装置3に送信することで、変遷理由情報をユーザUAに提供することもできる。なお、ユーザUAへの変遷理由情報の提供方法は、これらの方法に限定されない。
【0103】
〔4.処理手順〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る情報処理装置1による処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による処理手順を示すフローチャートである。
【0104】
図10に示すように、情報処理装置1の処理部12は、興味関心モデルの学習処理タイミングになったか否かを判定する(ステップS10)。興味関心モデルの学習処理タイミングは、例えば、期間TA毎に発生するタイミングであるが、かかる例に限定されない。
【0105】
処理部12は、興味関心モデルの学習処理タイミングになったと判定した場合(ステップS10:Yes)、興味関心モデルの生成を行う(ステップS11)。そして、処理部12は、ステップS11で生成した興味関心モデルを用いて興味関心空間情報を生成し、生成した興味関心空間情報を記憶部11に記憶させる(ステップS12)。
【0106】
処理部12は、ステップS12の処理が終了した場合、または興味関心モデルの学習処理タイミングになっていないと判定した場合(ステップS10:No)、ユーザ興味関心判定タイミングになったか否かを判定する(ステップS13)。ユーザ興味関心判定タイミングは、例えば、期間TA毎に発生するタイミングであるが、かかる例に限定されない。
【0107】
処理部12は、ユーザ興味関心判定タイミングになったと判定した場合(ステップS13:Yes)、ユーザUの検索クエリに基づいて、ユーザUの興味関心位置を特定する(ステップS14)。
【0108】
処理部12は、ステップS14の処理が終了した場合、またはユーザ興味関心判定タイミングになっていないと判定した場合(ステップS13:No)、情報提供対象判定タイミングになったか否かを判定する(ステップS15)。情報提供対象判定タイミングは、ステップS14でユーザUの興味関心位置が特定された後のタイミングである。例えば、情報提供対象判定タイミングは、ステップS14でユーザUの興味関心位置が特定された直後のタイミングまたはユーザUが端末装置2を用いて情報処理装置1にアクセスしたタイミングである。
【0109】
処理部12は、情報提供対象判定タイミングになったと判定した場合(ステップS15:Yes)、情報提供処理を行う(ステップS16)。ステップS16の処理は、図11に示すステップS20~S25の処理であり、後で詳述する。
【0110】
処理部12は、ステップS16の処理が終了した場合、または情報提供対象判定タイミングになったと判定した場合(ステップS15:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS17)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0111】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS17:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS17:Yes)、図10に示す処理を終了する。
【0112】
図11は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報提供手順を示すフローチャートである。図11に示すように、処理部12は、図11のステップS12で生成され期間TAで各対象のベクトルが更新される興味関心空間情報で示される興味関心空間において数の対象のうち予め定められた条件を満たす対象を第1対象として特定する(ステップS20)。
【0113】
次に、処理部12は、ステップS20で特定した第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する(ステップS21)。そして、処理部12は、ステップS20で特定した第1対象とステップS21で特定した第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する(ステップS22)。その後、処理部12は、ステップS22で推定した第2対象の変遷理由を示す情報をユーザUAに提供し(ステップS23)、図11に示す処理を終了する。
【0114】
〔5.変形例〕
上述した情報処理装置1は、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。そこで、以下では、情報処理装置1の他の実施形態について説明する。
【0115】
情報処理装置1の処理部12は、興味関心モデルを複数種類生成することができる。例えば、処理部12は、地域毎の興味関心モデルを生成し、地域毎の興味関心モデルに基づいて、地域毎の興味関心空間を形成することができる。例えば、処理部12は、対象地域内の複数のユーザUが用いた複数の検索語のうち予め定められた条件を満たす2以上の検索語を類似する特徴を有するものとして複数の検索語の各々が有する特徴を学習した興味関心モデルを地域毎に生成することもできる。
【0116】
また、処理部12は、ユーザUの属性毎の興味関心モデルに基づいて、ユーザUの属性毎の興味関心空間を形成することができる。例えば、処理部12は、特定属性を有する複数のユーザUが用いた複数の検索語のうち予め定められた条件を満たす2以上の検索語を類似する特徴を有するものとして複数の検索語の各々が有する特徴を学習した興味関心モデルを特定属性毎に生成することもできる。
【0117】
また、処理部12は、期間TA内に複数のユーザUによって複数の端末装置2から送信された複数の検索クエリに基づいてその期間TAにおける興味関心モデルを生成するが、かかる例に限定されない。例えば、処理部12は、P期間前の期間TAと最新の期間TAとを含む期間において期間TA内に複数のユーザUによって複数の端末装置2から送信された複数の検索クエリに基づいて最新の期間TAにおける興味関心モデルを生成することもできる。Pは、1以上の整数である。
【0118】
また、処理部12は、期間TB毎に、期間TB内において同一のユーザUAによって端末装置2から送信された複数の検索クエリに基づいて、ユーザUの興味関心範囲をユーザU毎に特定することもできる。期間TBは、例えば、期間TAよりも長いまたは短い期間である。なお、期間TBは、情報処理装置1によって同一のユーザUから新たに受け付けられた検索クエリの数または新たな検索語の数が予め設定された閾値以上になる期間であってもよい。
【0119】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図12に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。図12は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0120】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0121】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器に送信する。
【0122】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0123】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0124】
コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0125】
〔7.その他〕
また、上記実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0126】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0127】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0128】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、特定部33と、推定部34とを備える。特定部33は、複数のユーザUの興味関心に対する関連性に応じて第1対象を含む複数の対象の各々がベクトルで示され且つベクトルが所定期間毎に更新される興味関心空間において第1対象と変遷態様が類似する第2対象を特定する。推定部34は、第1対象と第2対象との共通性に基づいて、第2対象の変遷理由を推定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0129】
また、推定部34は、第1対象および第2対象のカテゴリ、スペック、およびブランドのうちの少なくとも1つを第1対象と第2対象との共通性として第2対象の変遷理由を推定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0130】
また、特定部33は、複数のユーザUのうち判定対象となるユーザUの興味関心空間における興味関心を示すベクトルを基準として予め定められた変遷態様を有する対象を第1対象として特定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0131】
また、特定部33は、興味関心空間において基準に近づいて基準と類似する興味関心範囲に入った対象を第1対象として特定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0132】
また、特定部33は、興味関心空間において基準から遠ざかって基準と類似する興味関心範囲内から興味関心範囲外に移動した対象を第1対象として特定する。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷を精度よく解析することができる。
【0133】
また、情報処理装置1は、推定部34によって推定された第2対象の変遷理由を示す情報を提供する提供部35を備える。これにより、情報処理装置1は、第2対象の変遷理由を示す情報を提供することができる。
【0134】
また、興味関心空間は、複数の対象のうち予め定められた条件を満たす2以上の対象を類似する特徴を有するものとして複数の対象の各々が有する特徴を学習した学習済みモデルに基づいて形成される。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷をより精度よく解析することができる。
【0135】
また、情報処理装置1は、複数のユーザUが用いた複数の検索語を用いて学習済みモデルを生成する学習部32を備える。これにより、情報処理装置1は、ユーザUの対象に対する興味関心の変遷をより精度よく解析することができる。
【0136】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0137】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0138】
1 情報処理装置
2,2~2,3 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 検索情報記憶部
21 ユーザ情報記憶部
22 コンテンツ記憶部
23 興味関心空間情報記憶部
30 受付部
31 検索部
32 学習部
33 特定部
34 推定部
35 提供部
40 第1特定部
41 第2特定部
100 情報処理システム
N ネットワーク
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