(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023120957
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ストレッチ踏み台
(51)【国際特許分類】
A63B 23/10 20060101AFI20230823BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
A63B23/10
A61H1/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024123
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】599072530
【氏名又は名称】株式会社山利製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】山口 誠平
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA46
4C046BB07
4C046BB09
4C046CC01
4C046DD08
4C046DD39
(57)【要約】
【課題】ふくらはぎのストレッチや足指の訓練を行うことができ、構造がシンプルで低コストで製造することができるストレッチ踏み台10を提供する。
【解決手段】独立気泡の合成樹脂発泡体からなる略多面体のブロックA、Bを平面視で先端部が拡がる状態で結合した形態を備えている。各ブロックA、Bは、床面Uに載置する底面11と、前端12aに向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面12と、踏み面12の前端12aから下がる前面13とを有し、踏み面12と前面13の間の角部が足指Yを掛ける指掛け部16とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立気泡の合成樹脂発泡体からなるブロック状ないし略多面体の形態を備え、
床面に載置する底面と、前端に向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面と、踏み面の前端から下がる前面とを有し、
踏み面と前面の間の角部が足指を掛ける指掛け部とされ、
指掛け部の左右の部位が後退角を備えている
ストレッチ踏み台。
【請求項2】
前記踏み面の前部に、足指が入り込める凹部ないし空間が設けられている請求項1記載のストレッチ踏み台。
【請求項3】
前記前面の上部に、足指を引っ掛ける凹溝が形成されている請求項1または2記載のストレッチ踏み台。
【請求項4】
前記踏み面の左右の足で踏む部位が内向きに傾斜している請求項1~3のいずれかに記載のストレッチ踏み台。
【請求項5】
それぞれ独立気泡の合成樹脂発泡体からなる左右一対のブロックを備え、
各ブロックが、床面に載置する底面と、前端に向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面と、踏み面の前端から下がる前面とを有し、踏み面と前面の間の角部が足指を掛ける指掛け部とされ、
前記左右のブロック同士が、前側が広がる状態で互いに結合されている
ストレッチ踏み台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者がその上に乗ることにより、ふくらはぎを伸ばしながら足指に適度な刺激を与えることができるストレッチ踏み台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基礎板と、傾斜した踏み板と、前記基礎板と踏み板の間に挟み込まれた角度調整板とを備え、踏み板の傾斜上方位置の先端部の厚さが足指をかけることができる厚さとされている健康器具が開示されている。
【0003】
特許文献2には、底板と、傾斜角度の調整ができる踏み板と、踏み板角度調整用枕木と、踏板の上面に左右方向に設けた足裏のつぼを刺激する足裏刺戟用丸棒とを備え、踏み板の先端を足の指でつかんで体重をかける踏み板式健康器具が開示されている。
【0004】
特許文献3には、傾斜した踏み台部を有する合成樹脂製のストレッチボードが開示されている。踏み台部の傾斜角度は16度、23度、30度を選択できる。踏み台部の頂部近くに半円柱状の突条体からなる足指バーを設けており、足指バーを中央から後方に7~10度傾斜させている。足指バーは、足指で掴んだり緩めたりすることで筋肉を強化し、足裏で踏むことで土踏まずのアーチを矯正できるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3195328号公報
【特許文献2】特開2006-6890号公報
【特許文献3】実用新案登録第3183996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来公知の健康器具やストレッチボードは、踏み面の角度を調整する機構を実現するため、部品数が多く、構造が複雑で製造コストが高い。さらに使用者による取り扱いも煩雑である。本発明は、ふくらはぎのストレッチ効果や足指の訓練機能を発揮することができ、構造がシンプルで取り扱いが容易なストレッチ踏み台を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のストレッチ踏み台10は、独立気泡の合成樹脂発泡体からなるブロック状ないし略多面体の形態を備え、床面Uに載置する底面11と、前端12aに向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面12と、前記踏み面12の前端12aから下がる前面13とを有し、踏み面12と前面13の間の角部が足指Yを掛ける指掛け部16とされ、指掛け部16の左右の部位が後退角を備えていることを特徴としている。
【0008】
このようなストレッチ踏み台10においては、前記踏み面12の前部に、足指Yが入り込める凹部ないし空間Sが設けられているものが好ましい。また、前記前面13の上部に、足指Yを引っ掛ける凹溝17が形成されているものが好ましい。さらに前記踏み面12の左右の足で踏む部位が内向きに傾斜しているものが好ましい。
【0009】
本発明のストレッチ踏み台の第2の形態は、それぞれ独立気泡の合成樹脂発泡体からなる左右一対のブロックA、Bを備え、各ブロックA、Bが、床面Uに載置する底面11と、前端12aに向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面12と、踏み面12の前端12aから下がる前面13とを有し、踏み面12と前面13の間の角部が足指Yを掛ける指掛け部16とされ、前記左右のブロックA、B同士が、前側が広がる状態で互いに結合されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のストレッチ踏み台は、踏み面に乗り、踏み面の前端の指掛け部に足指を掛けて滑り落ちないように立って使用する。椅子などにつかまって姿勢を安定させてもよい。このように使用することにより、ふくらはぎが伸ばされ、脚部に血液やリンパ液が溜まるのを抑制する。そのため、夜間のトイレの回数を少なくすることができる。また、足指で滑り落ちないように指掛け部につかまって支えることにより、足指の根元や足裏の筋肉を強化することができ、健康によい。
【0011】
さらに独立気泡の合成樹脂発泡体からなるので、素足で乗っても冷たさは感じない。また、構造がシンプルで取り扱いが容易である。さらに指掛け部の左右の部位が後退角を備えているので、足先側を開く自然な形でストレッチ踏み台に乗ることができ、安定する。
【0012】
また、前記指掛け部の左右の部位が後退角を備えているので、親指から小指まで後退していく足指の関節に合わせて引っ掛けやすく、左右の足指で指掛け部を掴みやすい。
【0013】
このようなストレッチ踏み台において、前記踏み面の前部に、足指が入り込める凹部ないし空間が設けられている場合は、一層足指で指掛け部を掴みやすく、外反拇指の矯正や治療に寄与する。また、前記前面の上部に、足指を引っ掛ける凹溝が形成されている場合は、足指を凹溝に引っ掛けることにより、一層安定して立つことができる。前記踏み面の左右の足で踏む部位が内向きに傾斜している場合は、足の内側を伸ばすことができ、O脚の矯正効果が見込まれる。
【0014】
本発明のストレッチ踏み台の第2の形態は、左右のブロックを前側が広がる状態で互いに結合しているので、指掛け部の左右部に後退角を与えることができ、左右の足踏み部の傾斜角度を内側に傾けることができる。さらに結合する部位や範囲によって、足踏み部の前部に足指が入り込める空間を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明のストレッチ踏み台の一実施形態を示す斜め後方から見た斜視図である。
【
図2】ストレッチ踏み台の斜め前から見た斜視図である。
【
図6】ストレッチ踏み台の製造法の一例を示す工程図である。
【
図7】ストレッチ踏み台の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1および
図2に示すストレッチ踏み台10は、平面視で左右一対のブロックA、Bを前に向かって拡がるように後部内側で結合した形態を有する(
図3参照)。ブロックA、B同士の拡がり角度θ1は30~40°程度、片側で15°~20°程度である。各ブロックA、Bは、床面Uに載置する底面11と、前端12aに向かって次第に高くなるように傾斜した踏み面12と、前記踏み面12の前端12aから底面11まで下がる前面13と、踏み面12の左右の側縁12bから下がる側面14とを備えたブロック状ないし多面体(三角柱)状の形態を有する。
【0017】
この実施形態では、踏み面12の底面11に対する傾斜角度θ2は、10°~30°程度(とくに15°~25°)である。ここにいう傾斜角度θ2は踏み面12の最大傾斜角度である(
図6参照)。傾斜角度θ2が緩すぎるとトレーニング効果が少なく、急過ぎると安定して立つのが難しくなる。踏み面12と前面13のなす角度θ3は略直角である。側面13は底面11から略直角で立ち上がっている(
図6参照)。直角でなくてもよい。指掛け部16の角度は鋭角としてもよく、その場合も足指Yを引っ掛けやすくなる。
【0018】
前面13と底面11とのなす角度θ4は60°~80°である。踏み面12の後端12cと底面11の間に後端から下がる後面を設けてもよい。踏み面12と前面13とで形成される角部(稜線)が足指を掛ける指掛け部16となる。ここでいう前後左右は使用者の向きを基準とする。
【0019】
さらに前面13の上端近辺には、指掛け部16と略平行に延びる凹溝17を設けている。それにより足指が入り込みやすく、心地よさが現れる(
図5参照)。さらに上端に厚さ1~2mm程度の薄い部分が残るので、撓みやすく、足裏に弾力を感じて心地よい。凹溝17は断面半円状としているが、深さが浅い断面円弧状としてもよく、断面V字状ないし台形状などでもよい。凹溝17の上下の幅は、前面13の上下の幅の1/3程度から1/2程度(
図5の想像線参照)である。
【0020】
図6を参照して、ストレッチ踏み台10を構成するブロックA、Bの幅Wおよび前後長さLは、それぞれ180~260mm程度、高さHは75~110mm程度である。
図6に示すように、ブロックA、Bは内側の側面14の後部同士を斜めに切断し、その部位同士で熱接合あるいは接着剤による接着で接合している。そしてこの実施形態では、前面13が左右に分かれており、左右の踏み面12の間に空間Sが形成されている。そして左右の指掛け部16、16は後ろにいくに従って後退しており、その後退角θ5はブロックA、Bの拡がり角度θ1の1/2(15°~20°)である。左右の前面13同士も後退角を有する。左右の前面13同士の間隔W1、すなわち空間Sの前端の間隔は、70~120mm程度が好ましい。
【0021】
ブロックA、Bの幅Wおよび前面13同士の間隔W1を上記の範囲にすると共に、後退角θ5を上記の範囲にしておくと、
図3に示すように足先を広げた状態で踏み面12に乗るときに立ち姿勢が安定する。なお、足指は親指と人差し指の間をブロックA、Bの先端内側の角部Rに当てるようにすると、親指と人差し指で角部Rを掴むことができる。それにより足指で安定して滑りを止めることができると共に、外反母趾の矯正効果が得られる。ただし親指から中指までの3本を指掛け部16に引っ掛けたり掴むようにしてもよい。その場合も足指で安定して滑りを止めることができる。薬指や小指は短く掴む力も弱いので、引っ掛けなくてもよい。
【0022】
図4に示すように、左右のブロックA、Bの踏み面12、12同士は内向きに傾斜している。すなわち、
図3の中心線Cに対して直角の線IV-IVで切断するとき、傾斜している踏み面12、12に対し、斜めに切断することになる(
図5の切断線4-4参照)。このように踏み面12は内側では外側に比して低くなる。そのため踏み面12、12全体としては、後側に向かって下がると同時に内側に向かって下がることになる。したがって使用者は足の内側(ふくらはぎの内側)が伸ばされ、O脚などを矯正する効果が得られる。さらに太ももなどの関連する部位を緩めたり強化する効果がある。
【0023】
ブロックA、Bは独立気泡の合成樹脂発泡体から形成されている。合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類が好ましい。独立気泡のポリエチレンフォームは軽量で、熱伝導率が低く、使用感がよいので好ましい。また、体重150kg程度の使用者が乗っても潰れない程度の剛性、硬さが必要であり、たとえば発泡倍率は10~30倍程度、JISK6767における見掛け密度は40~50kg/m2程度(とくに45kg/m2前後)が好ましく、引張強さは0.4~0.5MPa程度(とくに0.45MPa前後)が好ましい。
【0024】
また、伸びは200~240%程度(とくに220%前後)が好ましく、圧縮応力は圧縮率10%で70~80kPa程度(とくに75%前後)、25%で85~95kPa程度(とくに95%前後)、50%で150~170kPa程度(とくに160kPa前後)が好ましい。また、圧縮永久歪(25%圧縮)は、開放30分後4.5~5%(とくに4.8%前後)、開放24時間後で1~2%程度(とくに1.6%前後)が好ましい。上記の範囲であれば、使用者は適度なクッション性と硬さを感ずることができ、快適に使用することができる。
【0025】
さらに熱的安定性(加熱寸法変化率)は-0.5~-0.2%程度(とくに-1.2%前後)が好ましい。また、JISA1412-2における熱伝導率(at0℃)が0.03~0.05W/m・K(とくに0.37W/m・K前後)が好ましい。この範囲であれば、床面が冷たい場合でも、使用者は冷たいと感じることがなく、快適に使用できる。また、材料として合成樹脂発泡体を用いると、木製などと異なり、使用者が誤って角部を踏みつけても怪我をすることがなく、痛みもほとんど感じることがなく、快適に使用できる。
【0026】
上記の形態を備えたストレッチ踏み台10は、例えば
図6のS1~S5の工程にしたがって製造することができる。最初に合成樹脂発泡体を所定の厚さとなるようにバーチカル切断機などで切断する。あるいは所定の厚さを有する発泡体を購入しておく。ついで前面13および側面14を形成するように、踏み面12に対して直角に切断する(平面カット工程S1)。これにより直方体状のブロックが得られる。このとき、上下の面が踏み面12になる。
【0027】
つぎに
図6に示すように、直方体のブロックの前の上端から後ろの下端まで、傾斜面に沿って鋸刃などで切断して底面11を形成し、2個の略三角柱状の中間品に分離する(分離工程S2)。このとき、切断面が底面11になる。ついでそれぞれの中間品の前面13の上端近辺に凹溝17を形成し、底面11を下にする(凹溝形成工程S3)。底面11は切断面であり、合成樹脂発泡体は鋸刃などで切断すると切断面が粗面になるので、滑らかな床面Uに載置しても滑りにくいという利点がある。
【0028】
ついで踏み面12の後部内側を、三角形状に切断して接合面18を形成し、左側のブロックAを製造する(接合面形成工程S4)。接合面18は底面11に対して直角にする。同様に分離工程S2で分離した他方の三角柱状のブロックから右側のブロックBを製造し、左右のブロックA、Bの接合面同士の間に薄い熱板を当てて加熱し、抜き取って接合面同士を熱融着したり、超音波融着、レーザー融着などの融着で接合する。あるいは接着剤で接合する(左右ブロック接合工程S5)。接合面18と底面11が直角であるので、左右のブロックA、Bの底面11、11は面一になる。これにより
図1に示すストレッチ踏み台10を製造することができる。
【0029】
ストレッチ踏み台10を使用する場合、
図1~5に示すように、平坦な床Uの上に載置し、踏み面12の上に使用者が両足を載せ、指掛け部16に足指Yを掛けて立ち、立った状態のまま、その姿勢をしばらく維持する。維持する時間はたとえば5~10分程度である。これを1日に3回程度繰り返せばよい。傾斜している踏み面12の上に立つのは不安定で、滑り落ちたり、転ぶ危険性がある。したがって安全のため、椅子や机、窓枠などにつかまって立つようにする。このように立って姿勢を維持することにより、さらにつま先立ちして踵を上げ下げする運動をすることにより、使用者のふくらはぎおよび足の内側の筋肉や筋が充分に伸ばされ、ストレッチ効果が得られる。片足で立つようにしてもよい。
【0030】
ストレッチ踏み台10を使用する場合の床面は、木製やリノリウム製、タイルなど、比較的硬いものが好ましい。しかしカーペットや絨毯が敷かれた床であってもよい。いずれの場合も、指掛け部16に足指を掛けて立つと、踏み面12に沿って滑り落ちる力が加わるので、自然に足指で指掛け部16を強く把持するようになる(
図5参照)。そして使用者は足指、に関連する筋肉および筋を縮めようとするので、ふくらはぎや足の内側に強い張力が加わり、充分なストレッチ効果が得られる。
【0031】
上記の実施形態では、指掛け部16の内側端部に空間Sがあり、指掛け部16のすぐ下に凹溝17があるので、足指を引っ掛けやすい。ただし空間Sを設けなくてもよく、あるいは凹溝17を設けなくてもよい。その場合は使用者は指掛け部16に足指を曲げた状態で掛けて滑り落ちないように力を入れて保持する。なお、ストレッチ踏み台10の底面11の前端19は、上端の指掛け部16より前に出ている。そのため、使用者の体重が前がかりになっても、倒れにくく安全である。
【0032】
高齢者や病弱者の場合は、傾斜している踏み面12の上に立つこと自体が困難な場合がある。その場合は使用者が床面Uの上に寝ころび、ストレッチ踏み台10の底面11を壁などに沿わせて立たせ、踏み面12を両足で踏んで壁などに押し付けるようにする。この姿勢では体重を利用できないものの、ふくらはぎを充分にストレッチすることができる。ベッドの上に寝た状態でも、ヘッドボードなどにストレッチ踏み台10を足で押し付けることにより、ふくらはぎをストレッチすることができる。
【0033】
以上、好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。たとえば前記実施形態では、左右のブロックA、BをV字状に組み合わせているが、平面視が略長方形状になるように内側の側面14同士を接合してもよい。その場合は広い幅の1個のブロックを
図6の分離工程S2のように斜めに切断することによって、2個のストレッチ足踏み台を一度に製造することもできる。その場合は指掛け部16に後退角を与えるため、前面13の左右に傾斜面(後退面)を形成すればよい。また、切断面が踏み面になるので、摩擦抵抗が大きい粗面となり、滑りにくくなるので安定する。この場合、左右の踏み面は内向きに傾斜するように成形してもよい。
【0034】
前記実施形態では2個のブロックを接合して1個のストレッチ踏み台を構成しているが、全体を一体成型することもできる。その場合は一体に成形した材料を金型内で発泡させるなどにより製造する。前記実施形態では、ストレッチ踏み台を単一の材料から構成しているが、2種以上の素材から形成してもよい。さらに織布などからなるカバーを被せてもよい。
【0035】
前記実施形態では各ブロックA、Bは凹溝17を除いて平面で形成しているが、デザインを考慮して角や稜線に面取りを施したり、アールを施してもよい。
図7は前面13と外側の側面14の間の角に面取り20を施した実施形態である。
【符号の説明】
【0036】
10 ストレッチ踏み台
A 左のブロック
B 右のブロック
11 底面
12 踏み面
12a 前端
12b 側縁
12c 後端
13 前面
14 側面
16 指掛け部
W 踏み台の幅
L 踏み台の前後長さ
S 空間
W1 空間の前端の間隔
R ブロックの先端内側の角部
H 踏み台の高さ
θ1 ブロック同士の拡がり角度
θ2 踏み面の傾斜角度
θ3 踏み面と前面のなす角度
θ4 前面の傾斜角度
θ5 後退角
U 床面
17 凹溝
18 接合面
Y 足指
19 底面と前面の間の角部
20 面取り