(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121001
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】自重補償機構
(51)【国際特許分類】
B25J 19/00 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
B25J19/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024186
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】502340996
【氏名又は名称】学校法人法政大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰之
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CY23
3C707HT11
3C707HT36
3C707HT39
(57)【要約】
【課題】補償力を変更できる自重補償機構を提供する。
【解決手段】基部2と、基部2に対して回動可能な第1回動部材3と、基部2と第1回動部材3に対して回動可能な第2回動部材4と、第2回動部材4に対する第1回動部材3の回動角度に応じて第1回動部材3を付勢する付勢部5と、所定の条件下となるまで基部2に対して第2回動部材4を所定の回動位置に拘束する拘束部6と、を有する自重補償機構1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に対して回動可能な第1回動部材と、
前記基部と前記第1回動部材に対して回動可能な第2回動部材と、
前記第2回動部材に対する前記第1回動部材の回動角度に応じて前記第1回動部材を付勢する付勢部と、
所定の条件下となるまで前記基部に対して前記第2回動部材を所定の回動位置に拘束する拘束部と、を有する自重補償機構。
【請求項2】
前記拘束部による拘束が、前記第1回動部材が前記第2回動部材に対して所定角度まで回動することで解除される、請求項1に記載の自重補償機構。
【請求項3】
前記拘束部による拘束が、前記第2回動部材が前記基部に所定値を超えるトルクを与えることで解除される、請求項1又は2に記載の自重補償機構。
【請求項4】
前記拘束部が、前記拘束部による拘束が行われる拘束位置と前記拘束部による拘束が解除される解除位置との間で動作可能に前記第2回動部材又は前記基部に保持される動作部を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の自重補償機構。
【請求項5】
前記第1回動部材が前記第2回動部材に対して所定角度まで回動することで前記動作部が前記拘束位置から前記解除位置まで動作するように前記第1回動部材と前記動作部とを連結する連結部材を有する、請求項4に記載の自重補償機構。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の自重補償機構と、前記第1回動部材で腕を支持可能に前記基部を胴体に取り付ける取り付け部と、を有する人体補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自重補償機構に関する。
【背景技術】
【0002】
装置のアーム部などの可動部の自重や、人体の腕の自重などを補償できる自重補償機構が知られている(例えば、特許文献1~4、非特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-75664号公報
【特許文献2】特開2011-240487号公報
【特許文献3】特開平4-19092号公報
【特許文献4】特開2011-152176号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】山田 泰之,森田 寿郎, 揺動スライダクランク機構を用いた機械的自重補償装置, 日本機械学会論文集C編, vol.76, No.767 (7, 2010), pp.1797-1803.
【非特許文献2】山田 泰之,長坂 俊, 森田 寿郎,機械的荷重補償装置の開発,日本機械学会論文集C編,Vol. 77, No. 777 (5, 2011), pp.422-431.
【非特許文献3】Yasuyuki Yamada, Hirokazu Arakawa, Taro Watanabe, Shunya Fukuyama, Rie Nishihama, Isao Kikutani and Taro Nakamura, TasKi: Overhead Work Assistance Device with Passive Gravity Compensation Mechanism, Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.32 No.1, February, 2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自重補償機構は、補償力を変更できれば便利な場合がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、補償力を変更できる自重補償機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の自重補償機構は、基部と、前記基部に対して回動可能な第1回動部材と、前記基部と前記第1回動部材に対して回動可能な第2回動部材と、前記第2回動部材に対する前記第1回動部材の回動角度に応じて前記第1回動部材を付勢する付勢部と、所定の条件下となるまで前記基部に対して前記第2回動部材を所定の回動位置に拘束する拘束部と、を有する自重補償機構である。
【0008】
本発明の自重補償機構は、上記構成において、前記拘束部による拘束が、前記第1回動部材が前記第2回動部材に対して所定角度まで回動することで解除される、自重補償機構であるのが好ましい。
【0009】
本発明の自重補償機構は、上記構成において、前記拘束部による拘束が、前記第2回動部材が前記基部に所定値を超えるトルクを与えることで解除される、自重補償機構であるのが好ましい。
【0010】
本発明の自重補償機構は、上記構成において、前記拘束部が、前記拘束部による拘束が行われる拘束位置と前記拘束部による拘束が解除される解除位置との間で動作可能に前記第2回動部材又は前記基部に保持される動作部を有する、自重補償機構であるのが好ましい。
【0011】
本発明の自重補償機構は、上記構成において、前記第1回動部材が前記第2回動部材に対して所定角度まで回動することで前記動作部が前記拘束位置から前記解除位置まで動作するように前記第1回動部材と前記動作部とを連結する連結部材を有する、自重補償機構であるのが好ましい。
【0012】
本発明の人体補助装置は、前記自重補償機構と、前記第1回動部材で腕を支持可能に前記基部を胴体に取り付ける取り付け部と、を有する人体補助装置であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、補償力を変更できる自重補償機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態の自重補償機構を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す状態から第1回動部材を更に下側に回動させた時の状態を示す。
【
図3】
図2に示す状態から第1回動部材を更に下側に回動させ、拘束部による拘束が解除された時の状態を示す。
【
図4】
図3に示す状態から第2回動部材が下方に回動し、付勢部による補償力が低下した時の状態を示す。
【
図5】第1回動部材と拘束部の動作部とを連結する連結部材の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0016】
図1~
図2に示すように、本発明の一実施形態において、自重補償機構1は、基部2、第1回動部材3、第2回動部材4、付勢部5及び拘束部6を有する。付勢部5は、第1スライダ7と第2スライダ8で構成される揺動スライダリンク9と、ばねSと、を有する。拘束部6は、動作部10、不動部11及び回り止め12を有する。
【0017】
基部2は、取り付け部13に取り付けられる。自重補償機構1を装置のアーム部などの可動部の自重を補償するために利用する場合、例えば、第1回動部材3で可動部を構成し、取り付け部13で装置の本体部を構成することができる。また、第1回動部材3で可動部を構成する代わりに、第1回動部材3で可動部を支持可能な構成としてもよい。自重補償機構1を人体の腕の自重を補償するために利用する場合、例えば、第1回動部材3で腕を支持可能に取り付け部13が基部2を胴体に取り付ける構成としてもよい。
【0018】
第1回動部材3は基部2に対して第1回動軸線O1の周りに回動可能である。自重補償機構1は、第1回動軸線O1を非鉛直に、すなわち第1回動軸線O1を鉛直方向以外の方向、例えば図示するように水平方向に沿って延びるように配置することにより、自重補償力(単に補償力ともいう)を生じさせることができる。
【0019】
第1回動部材3は第1回動中心部C1を介して第1回動軸線O1の周りに回動可能に基部2に連なる。なお第1回動中心部C1は、第1回動部材3と基部2を軸体を介して連ねる構成に限らない(例えば、弾性変形可能な弾性部を介して連ねる構成としてもよい)。
【0020】
第1回動部材3は、第1回動中心部C1から径方向に延びる第1リンク部3aを有する。第1リンク部3aは、第1回動軸線O1の周りに鉛直方向上側(単に上側ともいう)と鉛直方向下側(単に下側ともいう)に揺動可能である。第1リンク部3aの径方向外側の端部である第1リンク先端3bは、第1リンク部3aが上側に揺動するのに伴って上側に移動し、第1リンク部3aが下側に揺動するのに伴って下側に移動する。
【0021】
第2回動部材4は基部2と第1回動部材3に対して第2回動軸線O2の周りに回動可能である。第2回動軸線O2は第1回動軸線O1に一致することが好ましいが、本発明の効果を得られる範囲で位置又は向きが相違していてもよい。
【0022】
第2回動部材4は、第2回動中心部C2を介して第2回動軸線O2の周りに回動可能に基部2に連なる。なお第2回動中心部C2は、第2回動部材4と基部2を軸体を介して連ねる構成に限らない。また第2回動中心部C2は、第2回動部材4を第2回動軸線O2の周りに回動可能に基部2に連ねる構成に代えて、第2回動部材4を第2回動軸線O2の周りに回動可能に(例えば第1回動中心部C1の近傍において)第1回動部材3に連ねる構成としてもよい。
【0023】
第2回動部材4は、第2回動中心部C2から径方向に上側に延びる第2リンク部4aを有する。第2リンク部4aは、第2回動軸線O2の周りに揺動可能である。
【0024】
付勢部5は、第2回動部材4に対する第1回動部材3の回動角度が増加すればするほど増加する補償力としての付勢力を第1回動部材3に対して当該回動角度を減少させる方向に与える。より具体的には付勢部5は、第2回動部材4に対する第1リンク部3aの所定位置A(例えば上限位置)からの下側への回動角度θが増加すればするほど増加する付勢力を第1回動部材3に対して当該回動角度θを減少させる方向に与える。
【0025】
付勢部5は、互いに摺動可能な第1スライダ7と第2スライダ8で構成される揺動スライダリンク9と、上記の付勢力を生じるばねSと、を有する。ばねSは、第1スライダ7と第2スライダ8を互いに摺動する方向に付勢するように、第1スライダ7と第2スライダ8の間に設けられる。
【0026】
第1スライダ7は、第3回動中心部C3を介して第3回動軸線O3の周りに回動可能に第1回動部材3に連なる。なお第3回動中心部C3は、第1スライダ7と第1回動部材3を軸体を介して連ねる構成に限らない。第3回動軸線O3は第1回動軸線O1に平行であることが好ましいが、本発明の効果を得られる範囲で向きが相違していてもよい。
【0027】
第3回動中心部C3は、第1回動軸線O1の径方向において第1回動軸線O1と第1リンク先端3bとの間に設けられるが、これに限らない。例えば、第1回動部材3に第1リンク部3aに加えて第1回動中心部C1から第1リンク部3aの反対側などに延びる他のリンク部を設け、当該他のリンク部に第3回動中心部C3を設けてもよい。
【0028】
第2スライダ8は、第4回動中心部C4を介して第4回動軸線O4の周りに回動可能に第2回動部材4に連なる。なお第4回動中心部C4は、第2スライダ8と第2回動部材4を軸体を介して連ねる構成に限らない。第4回動軸線O4は第2回動軸線O2に平行であることが好ましいが、本発明の効果を得られる範囲で向きが相違していてもよい。
【0029】
第4回動中心部C4は、第2回動軸線O2の径方向において、第2回動軸線O2と第2リンク部4aの径方向外側の端部である第2リンク先端4bとの間に設けられるが、これに限らない。例えば、第2回動部材4に第2リンク部4aに加えて第2回動中心部C2から第2リンク部4aの反対側などに延びる他のリンク部を設け、当該他のリンク部に第4回動中心部C4を設けてもよい。
【0030】
第2スライダ8は、第4回動中心部C4から径方向に延びるスライダリンク部9aを有する。スライダリンク部9aは、第4回動軸線O4の周りに揺動可能である。
【0031】
第1スライダ7は、第4回動中心部C4とスライダリンク部9aの径方向外側の端部であるスライダリンク先端9bとを通るスライダ軸線Xに沿って摺動可能にスライダリンク部9aを保持する保持部9cを有する。
【0032】
スライダリンク部9aは、保持部9cよりもスライダリンク先端9b側の部分にねじ止め部9dを有する。ばねSは、保持部9cとねじ止め部9dとによって圧縮可能であり、圧縮量に応じた(例えば所定のばね係数で)付勢力を生じる圧縮ばねとして構成される。なお、ねじ止め部9dをスライダリンク部9aにおける保持部9cよりも第4回動中心部C4側の部分に設け、ばねSを、保持部9cとねじ止め部9dとによって引っ張り可能であり、引っ張り量に応じた(例えば所定のばね係数で)付勢力を生じる引っ張りばねとして構成してもよい。
【0033】
第2スライダ8にスライダリンク部9aを設け、第1スライダ7に保持部9cを設ける構成に代えて、第2スライダ8に保持部9cを設け、第1スライダ7にスライダリンク部9aを設ける構成としてもよい。
【0034】
図1~
図4に示すように、拘束部6は、所定の条件下となるまで基部2に対して第2回動部材4を
図1に示す所定の回動位置(初期位置ともいう)に拘束する。
【0035】
所定の条件は特に限定されないが、例えば、拘束を解除するために使用者が拘束部6を操作する状態であってもよいし、自重補償機構1の所定の動作条件であってもよい。所定の動作条件は、例えば、第1回動部材3が第2回動部材4に対して所定角度まで回動した状態(例えば、第2回動部材4に対する第1リンク部3aの所定位置Aからの下側への回動角度θが、所定位置Aからの下側への所定角度である限界角度θ1となるまで回動した状態)であってもよいし、第2回動部材4が基部2に所定値を超えるトルクを与えた状態であってもよい。
【0036】
このような拘束部6によれば、必要に応じて所定の条件下となるような解除操作を行うことにより、拘束部6による拘束を解除して、その結果、第2回動部材4を初期位置から解放、すなわち第2リンク部4aの下側への揺動を許容することで補償力を低下させる(例えばゼロにする)ことができる。
【0037】
特に、拘束部6による拘束が、第1回動部材3が第2回動部材4に対して所定角度まで回動することで解除されるように設定すれば、第1回動部材3を第2回動部材4に対して所定角度まで回動させる動作を行うだけで、特別な解除操作を必要とせずに、拘束部6による拘束を解除して補償力を低下させることができるので便利である。
【0038】
拘束部6は動作部10と不動部11を有する。動作部10は、拘束部6による拘束が行われる拘束位置と拘束部6による拘束が解除される解除位置との間で動作可能に第2回動部材4に保持される。不動部11は動作不能に基部2に設けられる。拘束部6は、動作部10と不動部11との連携によって拘束を行い、動作部10と不動部11との連携を解除することによって拘束を解除する。
【0039】
より具体的には、動作部10は第5回動中心部C5を介して第5回動軸線O5の周りに回動可能に第2回動部材4に連なる。なお第5回動中心部C5は、動作部10と第2回動部材4を軸体を介して連ねる構成に限らない。
【0040】
動作部10は第5回動中心部C5から径方向に延び、径方向外側の端部が下側に曲がるフック10aを有する。フック10aは、第5回動軸線O5の周りに上側と下側に揺動可能である。フック10aの径方向外側の端部であるフック先端10bは、フック10aが上側に揺動するのに伴って上側に移動し、フック10aが下側に揺動するのに伴って下側に移動する。フック10aは、フック先端10bが不動部11に噛み合う拘束位置と、解除位置よりも上側に位置し、フック先端10bが不動部11から離れる解除位置との間で回動可能である。
【0041】
フック10aは、解除位置から拘束位置に向かう方向に図示しないばねによって付勢力を与えられ、当該付勢力により、
図3に示すような解除位置にあるときは、
図4に示すように拘束位置又は拘束位置をやや超える位置で回り止め12に当接するまで回動させられる。回り止め12は動作不能に第2回動部材4に設けられる。なお、このようなばねと回り止め12を設けない構成としてもよい。
【0042】
互いに噛み合い可能なフック先端10bの噛み合い面10cと不動部11の噛み合い面11aとの少なくとも一方の傾斜角度は、第2回動部材4が基部2に所定値を超えるトルクを与えた状態下となることでフック10aが回動し、その結果、拘束部6による拘束が解除されるように設定することができる。このような設定によれば、第1回動部材3を第2回動部材4に対して所定角度まで回動させる動作を行うだけで、特別な解除操作を必要とせずに、拘束部6による拘束を解除して補償力を低下させることができる。
【0043】
なお動作部10は、回動可能なフック10aに限らず、例えば、摺動可能なラッチで構成してもよい。動作部10と不動部11は上記構成に限らず、例えば、互いに引き合う磁石で構成してもよい。
【0044】
図5に示すように、第1回動部材3が第2回動部材4に対して所定角度まで回動することで動作部10(例えばフック10a、ラッチ又は磁石)が拘束位置から解除位置まで動作するように第1回動部材3と動作部10とを連結する連結部材14を設けてもよい。連結部材14は、図示するように、紐又は帯などで構成される張力部材で構成することが好ましい。この場合、例えば、連結部材14によって第1リンク部3aとフック10aを連結することができる。なお、連結部材14を剛性部材で構成してもよい。連結部材14によれば、拘束部6による拘束の不意の解除を抑制し、安定した解除動作を実現できる。
【0045】
拘束部6は、動作部10を第2回動部材4に設け、不動部11を基部2に設ける構成に代えて、動作部10を基部2に設け、不動部11を第2回動部材4に設ける構成としてもよい。
【0046】
なお、拘束部6は動作部10と不動部11を有する構成に限らない。例えば拘束部6を、動作不能に第2回動部材4に設けられ第1磁石と、動作不能に基部2に設けられ第1磁石と引き合う第2磁石とで構成してもよい。
【0047】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0048】
したがって、前述した実施形態の自重補償機構1は、基部2と、基部2に対して回動可能な第1回動部材3と、基部2と第1回動部材3に対して回動可能な第2回動部材4と、第2回動部材4に対する第1回動部材3の回動角度に応じて第1回動部材3を付勢する付勢部5と、所定の条件下となるまで基部2に対して第2回動部材4を所定の回動位置に拘束する拘束部6と、を有する自重補償機構1である限り変更可能である。
【0049】
例えば、第2リンク部4aは第2回動中心部C2から上側に延びる構成に限らず、第2回動中心部C2から下側に延びる構成としてもよい。ばねSは圧縮ばね又は引っ張りばねに限らず、例えば空気ばね又は磁気ばねで構成してもよい。またばねSは、変位量に応じた付勢力を生じるばねに限らず、例えば、変位量に関わらず実質的に一定の付勢力を生じる定荷重ばねで構成してもよい。また付勢部5は、揺動スライダリンク9を有する構成に限らない。自重補償機構1は、例えば第1リンク先端3bに回動可能に連なる、更なるリンク部材を有してもよい。
【0050】
なお、前述した実施形態の自重補償機構1は、上記構成において、拘束部6による拘束が、第1回動部材3が第2回動部材4に対して所定角度まで回動することで解除される、自重補償機構1であるのが好ましい。
【0051】
前述した実施形態の自重補償機構1は、上記構成において、拘束部6による拘束が、第2回動部材4が基部2に所定値を超えるトルクを与えることで解除される、自重補償機構1であるのが好ましい。
【0052】
前述した実施形態の自重補償機構1は、上記構成において、拘束部6が、拘束部6による拘束が行われる拘束位置と拘束部6による拘束が解除される解除位置との間で動作可能に第2回動部材4又は基部2に保持される動作部10を有する、自重補償機構1であるのが好ましい。
【0053】
前述した実施形態の自重補償機構1は、上記構成において、第1回動部材3が第2回動部材4に対して所定角度まで回動することで動作部10が拘束位置から解除位置まで動作するように第1回動部材3と動作部10とを連結する連結部材14を有する、自重補償機構1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 自重補償機構
2 基部
3 第1回動部材
3a 第1リンク部
3b 第1リンク先端
4 第2回動部材
4a 第2リンク部
4b 第2リンク先端
5 付勢部
6 拘束部
7 第1スライダ
8 第2スライダ
9 揺動スライダリンク
9a スライダリンク部
9b スライダリンク先端
9c 保持部
9d ねじ止め部
10 動作部
10a フック
10b フック先端
10c フック先端の噛み合い面
11 不動部
11a 不動部の噛み合い面
12 回り止め
13 取り付け部
14 連結部材
A 所定位置
C1 第1回動中心部
C2 第2回動中心部
C3 第3回動中心部
C4 第4回動中心部
C5 第5回動中心部
O1 第1回動軸線
O2 第2回動軸線
O3 第3回動軸線
O4 第4回動軸線
O5 第5回動軸線
S ばね
X スライダ軸線
θ 回動角度
θ1 限界角度