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特開2023-121013動作制御装置、サーバ、及び動作制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121013
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】動作制御装置、サーバ、及び動作制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20230823BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
H04L12/28 500A
H04M11/00 302
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024203
(22)【出願日】2022-02-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】500128723
【氏名又は名称】株式会社ホスピタルネット
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 利信
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA01
5K201EC06
5K201ED08
5K201EF05
(57)【要約】
【課題】物理的な鍵によらずに外部機器の動作を制御する。
【解決手段】動作制御装置は、自身の装置識別情報を記憶する記憶手段と、位置識別情報を記憶した外部媒体から位置識別情報を読み取る読み取り手段と、前記装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信する送信手段と、前記サーバから、自身宛の動作指示であって、外部機器の動作を示す情報を含む動作指示を受信する受信手段と、前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する動作制御手段とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の装置識別情報を記憶する記憶手段と、
位置識別情報を記憶した外部媒体から位置識別情報を読み取る読み取り手段と、
前記装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信する送信手段と、
前記サーバから、自身宛の動作指示であって、外部機器の動作を示す情報を含む動作指示を受信する受信手段と、
前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、
前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する動作制御手段と
を有する動作制御装置。
【請求項2】
所定のイベントを契機として、前記サーバに対し前記記憶手段に記憶されている前記位置識別情報の有効性を確認する確認手段を有し、
前記確認手段により前記位置識別情報の有効性が確認されなかった場合、前記書き込み手段は、前記記憶手段に記憶されている動作情報を前記外部機器の動作を停止させる情報に書き換え、
前記サーバとの通信に不具合がある場合、前記動作制御手段は、前記確認手段による確認の結果によらず、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する
請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項3】
前記動作指示が、前記位置識別情報の有効期限を示す情報を含み、
前記書き込み手段が、前記動作情報及び前記有効期限の始期又は終期を示す情報を前記記憶手段に書き込み、
前記動作制御手段は、現在時刻が前記有効期限内である場合に、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する
請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項4】
前記外部媒体が、不揮発性記憶装置である
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動作制御装置。
【請求項5】
前記読み取り手段が、前記不揮発性記憶装置との有線接続を介して前記位置識別情報を読み取る
請求項4に記載の動作制御装置。
【請求項6】
前記不揮発性記憶装置との接続状態を検知する検知手段を有し、
前記不揮発性記憶装置との有線接続が解除されたことが検知された場合、前記書き込み手段が、前記動作情報の値としてオフ状態を示す情報を前記記憶手段に書き込む
請求項5に記載の動作制御装置。
【請求項7】
前記動作制御手段が、複数の外部機器への制御端子を有し、
前記動作指示が、前記複数の外部機器の各々に対する動作情報を含み、
前記動作制御手段が、前記複数の外部機器の各々に対し個別に動作を制御する
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の動作制御装置。
【請求項8】
各々が位置識別情報、動作状態、及び位置識別情報に対応する時間を含む複数のレコードが記録されたデータベースを記憶する記憶手段と、
外部機器の動作を制御する動作制御装置から、位置識別情報を含む認証要求を受信する受信手段と、
前記認証要求に含まれる位置識別情報が前記データベースに記録されている位置識別情報と適合する場合、前記認証要求を認証する認証手段と、
前記認証要求が認証された場合、前記外部機器の動作状態を示す動作指示を前記動作制御装置に送信する送信手段と
を有するサーバ。
【請求項9】
前記データベースにおいて前記位置識別情報と対応付けられて記憶されている前記動作状態を端末において表示させるためのデータを当該端末に送信する送信手段
を有する請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記端末から、前記動作状態の変更要求を受信する受信手段と、
前記変更要求に応じて前記データベースを書き換える書き換え手段と
を有する請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
位置識別情報を記憶した外部媒体から位置識別情報を読み取るステップと、
自身の装置識別情報を記憶する記憶手段から読み出した装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信するステップと、
前記サーバから、自身宛の動作指示であって、外部機器の動作を示す情報を含む動作指示を受信するステップと、
前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込むステップと、
前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御するステップと
を有する動作制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機器の利用を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
外部機器への電力供給を制御する技術が知られている。例えば特許文献1は、物理的な鍵を用いて電源の供給を制御する電力供給コントロールシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6654768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電力供給コントロールシステムにおいては、物理的な鍵が必要であり、鍵の管理が煩雑であるという問題があった。
【0005】
これに対し本発明は、物理的な鍵によらずに外部機器の動作を制御する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、自身の装置識別情報を記憶する記憶手段と、位置識別情報を記憶した外部媒体から位置識別情報を読み取る読み取り手段と、前記装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信する送信手段と、前記サーバから、自身宛の動作指示であって、外部機器の動作を示す情報を含む動作指示を受信する受信手段と、前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する動作制御手段とを有する動作制御装置を提供する。
【0007】
この動作制御装置は、所定のイベントを契機として、前記サーバに対し前記記憶手段に記憶されている前記位置識別情報の有効性を確認する確認手段を有し、前記確認手段により前記位置識別情報の有効性が確認されなかった場合、前記書き込み手段は、前記記憶手段に記憶されている動作情報を前記外部機器の動作を停止させる情報に書き換え、前記サーバとの通信に不具合がある場合、前記動作制御手段は、前記確認手段による確認の結果によらず、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御してもよい。
【0008】
前記動作指示が、前記位置識別情報の有効期限を示す情報を含み、前記書き込み手段が、前記動作情報及び前記有効期限の始期又は終期を示す情報を前記記憶手段に書き込み、前記動作制御手段は、現在時刻が前記有効期限内である場合に、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御してもよい。
【0009】
前記外部媒体が、不揮発性記憶装置であってもよい。
【0010】
前記読み取り手段が、前記不揮発性記憶装置との有線接続を介して前記位置識別情報を読み取ってもよい。
【0011】
この動作制御装置は、前記不揮発性記憶装置との接続状態を検知する検知手段を有し、前記不揮発性記憶装置との有線接続が解除されたことが検知された場合、前記書き込み手段が、前記動作情報の値としてオフ状態を示す情報を前記記憶手段に書き込んでもよい。
【0012】
この動作制御装置は、前記動作制御手段が、複数の外部機器への制御端子を有し、前記動作指示が、前記複数の外部機器の各々に対する動作情報を含み、前記動作制御手段が、前記複数の外部機器の各々に対し個別に動作を制御してもよい。
【0013】
本開示の別の一態様は、各々が位置識別情報、動作状態、及び位置識別情報に対応する時間を含む複数のレコードが記録されたデータベースを記憶する記憶手段と、外部機器の動作を制御する動作制御装置から、位置識別情報を含む認証要求を受信する受信手段と、前記認証要求に含まれる位置識別情報が前記データベースに記録されている位置識別情報と適合する場合、前記認証要求を認証する認証手段と、前記認証要求が認証された場合、前記外部機器の動作状態を示す動作指示を前記動作制御装置に送信する送信手段とを有するサーバを提供する。
【0014】
この動作制御装置は、前記データベースにおいて前記識別コードと対応付けられて記憶されている前記動作状態を端末において表示させるためのデータを当該端末に送信する送信手段を有してもよい。
【0015】
この動作制御装置は、前記端末から、前記動作状態の変更要求を受信する受信手段と、前記変更要求に応じて前記データベースを書き換える書き換え手段とを有してもよい。
【0016】
本開示のさらに別の一態様は、位置識別情報を記憶した外部媒体から位置識別情報を読み取るステップと、自身の装置識別情報を記憶する記憶手段から読み出した装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信するステップと、前記サーバから、自身宛の動作指示であって、外部機器の動作を示す情報を含む動作指示を受信するステップと、前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込むステップと、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御するステップとを有する動作制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物理的な鍵によらずに外部機器の動作を制御する技術を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る機器管理システム1の概要を示す図。
図2】機器管理システム1の機能構成を例示する図。
図3】サーバ10のハードウェア構成を例示する図。
図4】動作制御装置20のハードウェア構成を例示する図。
図5】動作制御装置20の外観を例示する図。
図6】動作制御装置20が設置されるキャビネットの外観を例示する図。
図7】施設F内のネットワーク接続を例示する図。
図8】ユーザ登録に係る機器管理システム1の動作を示すシーケンスチャート。
図9】データベース111の構成を例示する図。
図10】ユーザが機器の利用を開始する処理を例示するシーケンスチャート。
図11A】機器を制御する装置を変更する処理を例示するシーケンスチャート。
図11B】機器を制御する装置を変更する処理を例示するシーケンスチャート。
図12】端末において表示される一覧表示画面を例示する図。
図13】機器の利用を終了する処理を例示するシーケンスチャート。
図14】機器の利用を終了する処理の別の例を示すシーケンスチャート。
図15】ローカルで行われる利用終了処理を例示するシーケンスチャート。
図16】動作制御装置20が設置されるキャビネットの外観を例示する図。
図17】ユーザ登録に係る機器管理システム1の動作を示すシーケンスチャート。
図18】データベース111の構成を例示する図。
図19】外部機器の利用を開始する処理を例示するシーケンスチャート。
図20】契約関連情報の一覧画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.構成
図1は、一実施形態に係る機器管理システム1の概要を示す図である。機器管理システム1は、施設のユーザに対し、機器の使用を管理するためのシステムである。ここで施設とは、特定のユーザに使用される構造物をいい、例えば病院の入院病室又はホテルの客室である。ここでユーザとはその施設及びその施設に設置された機器を一時的に使用する者をいい、例えば入院患者又は宿泊客である。ここで機器とはその施設に設置された装置をいい、例えばテレビ受像機及び冷蔵庫である。
【0020】
機器管理システム1は、サーバ10、動作制御装置20、機器30、及び機器40を有する。このうち動作制御装置20、機器30、及び機器40は、施設F内に設置される。図では動作制御装置20、機器30、及び機器40を3組だけ示しているが、動作制御装置20、機器30、及び機器40の組の数はこの例に限定されない。一例において、施設Fは複数の部屋を有し、各部屋には1又は複数組の動作制御装置20、機器30、及び機器40が設置される。
【0021】
機器30及び機器40は、管理の対象となる外部機器である。外部機器は、テレビ受像機又は冷蔵庫などのいわゆる家電製品である。サーバ10は、機器30及び機器40を使用するユーザを認証するためのサーバである。動作制御装置20は、機器30及び機器40への電力の供給を制御する装置である。機器30及び機器40は、動作制御装置20における外部機器の一例である。機器30及び機器40は、動作制御装置20に接続される。動作制御装置20は、ネットワークNを介してサーバ10に接続される。ネットワークNは、LAN及び/又はインターネットを含むコンピュータネットワークである。なおこの図では図示を省略したが、ユーザ又は管理者がサーバ10にアクセスするための端末装置が、ネットワークNに接続されてもよい。
【0022】
なおここでは単一の施設Fのみを図示しているが、機器管理システム1は、複数の施設を管理対象としてもよい。これら複数の施設は、すべて単一の管理者により管理されるものであってもよいし、それぞれ別の管理者により管理されるものであってもよい。
【0023】
図2は、機器管理システム1の機能構成を例示する図である。機器管理システム1は、記憶手段11、通信手段12、認証手段13、書き換え手段14、制御手段19、記憶手段21、読み取り手段22、送信手段23、受信手段24、書き込み手段25、動作制御手段26、読み取り手段27、確認手段28、及び制御手段29を有する。これらのうち記憶手段11、通信手段12、認証手段13、及び制御手段19はサーバ10に、記憶手段21、読み取り手段22、送信手段23、受信手段24、書き込み手段25、動作制御手段26、読み取り手段27、確認手段28、及び制御手段29は動作制御装置20に、それぞれ実装される。
【0024】
サーバ10において、記憶手段11は各種のデータ及びプログラムを記憶する。この例において、記憶手段11はデータベース111を記憶する。データベース111は、対象機器の利用が許諾されたユーザに関する情報が記録されたデータベースである。通信手段12は、動作制御装置20等の他の装置と通信する(送信手段及び受信手段の一例)。認証手段13は、動作制御装置20からの要求に応じて、コード又は位置識別情報を認証する。書き換え手段14は、動作制御装置20からの要求に応じてデータベース111を書き換える(すなわち更新する)。制御手段19は、各種の処理を行う。
【0025】
この例において、動作制御装置20は、第1モード及び第2モードを含む複数の動作モードから選択された動作モードに従って動作する。第1モードは、コード画像の読み取りにより外部機器の利用を認証する動作モードである。第2モードは、外部メモリからのデータの読み取りにより位置情報を認証する動作モードである。この例において外部メモリとは、動作制御装置20の筐体Hの外にある、動作制御装置20とは別のメモリであり、一例においてはUSB(Universal Serial Bus)コネクタを有する記憶装置(いわゆるUSBメモリ)である。管理者(運用者)は、動作モードの切替スイッチ(図示略)により動作モードを切り替えることができる。切替スイッチはハードウェアスイッチであってもよいし、ソフトウェアスイッチであってもよい。
【0026】
動作制御装置20において、第1モードに関する機能は以下のとおりである。記憶手段21は各種のデータ及びプログラムを記憶する。この例において記憶手段21が記憶するデータには、その動作制御装置20自身を他の動作制御装置20と識別する装置識別情報IDxが含まれる。装置識別情報IDxは、第1端末を特定する第1端末識別情報の一例である。読み取り手段22は、コード画像から識別コードを読み取る(第1読み取り手段の一例)。コード画像とはデータを所定のアルゴリズムで画像化すなわちエンコードしたものであり、一例においてはQRコード(登録商標)である。このコード画像に含まれるデータは、識別コードを示す。この識別コードは、例えば、外部機器の利用が許可されたこと、すなわち外部機器の利用契約が締結されたこと、外部機器の利用申込が済んでいること、又は外部機器の利用に関する費用の決済が済んでいることを示すコード、若しくは単に一意に付与された識別番号である。「単に一意に付与された識別番号」とは、コード自体に「利用許可」を意味するデータ列が含まれないことをいう。逆に、例えば外部機器の利用契約が締結されたことを示す識別コードとは、コード自体に、「利用契約が締結済である」ことを示すデータ列が含まれていることをいう(すなわちそのデータ列を知っているコンピュータ装置であれば、識別コードだけを見て利用契約が締結済であるかどうか判断できる)。送信手段23は、認証要求をサーバ10に送信する。この認証要求は、装置識別情報IDx及び識別コードを含む。受信手段24は、サーバ10から、動作指示を受信する。この動作指示は、施設Fに属する複数の動作制御装置20のうち一の動作制御装置20を識別する装置識別情報IDyを含む。装置識別情報IDyは、第2端末を特定する第2端末識別情報の一例である。またこの動作指示は、機器30及び機器40の動作情報を示す情報を含む。動作情報とは、機器30及び機器40の、制御されるべき動作状態を示す情報である。すなわち動作状態は、管理者が機器30及び機器40の動作はこうあるべき、と制御しようとする状態を示す。あるいは、動作状態は、機器30及び機器40の使用が許可されているか不許可であるかを示すとも言える。動作状態は、一例においてオン状態及びオフ状態を含む。装置識別情報IDyが装置識別情報IDxと適合する場合、書き込み手段25は、動作指示により示される動作情報を、識別コードと対応付けて記憶手段21に書き込む。動作制御手段26は、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて、機器30及び機器40への電源供給を制御する。
【0027】
確認手段28は、所定のイベントを契機として、サーバ10に対し記憶手段21に記憶されている識別コードの有効性を確認する。すなわち確認手段28は、識別コードの有効性の確認要求を送信する。サーバ10において、通信手段12は、動作制御装置20から確認要求を受信する。制御手段19は、受信した確認要求に係る識別コードの有効性を確認する。通信手段12は、確認の結果を動作制御装置20に送信する。識別コードが有効であると確認された場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を書き換えない。識別コードの有効性が確認できなかった場合(又は識別コードが無効であると確認された場合)、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を、外部機器の動作を停止させる情報(例えばオフ状態を示す情報)に書き換える。なお、サーバ10との通信に不具合がある場合、動作制御手段26は、確認手段28による確認の結果によらず、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて外部機器の動作を制御する。
【0028】
動作制御装置20において、第2モードに関する機能は以下のとおりである。記憶手段21は各種のデータ及びプログラムを記憶する。この例において記憶手段21が記憶するデータには、その動作制御装置20自身を他の動作制御装置20と識別する装置識別情報IDxが含まれる。装置識別情報IDxは、第1端末を特定する第1端末識別情報の一例である。読み取り手段27は、位置識別情報を記憶している外部メモリからその位置識別情報を読み取る(第2読み取り手段の一例)。送信手段23は、認証要求をサーバ10に送信する。この認証要求は、装置識別情報IDx及び位置識別情報を含む。受信手段24は、サーバ10から、動作指示を受信する。この動作指示は、施設Fに属する複数の動作制御装置20のうち一の動作制御装置20を識別する装置識別情報IDyを含む。装置識別情報IDyは、第2端末を特定する第2端末識別情報の一例である。またこの動作指示は、機器30及び機器40の動作情報を示す情報を含む。装置識別情報IDyが装置識別情報IDxと適合する場合、書き込み手段25は、動作指示により示される動作情報を、位置識別情報と対応付けて記憶手段21に書き込む。動作制御手段26は、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて、機器30及び機器40への電源供給を制御する。
【0029】
確認手段28は、所定のイベントを契機として、サーバ10に対し記憶手段21に記憶されている位置識別情報の有効性を確認する。すなわち確認手段28は、位置識別情報の有効性の確認要求を送信する。サーバ10において、通信手段12は、動作制御装置20から確認要求を受信する。制御手段19は、受信した確認要求に係る位置識別情報の有効性を確認する。通信手段12は、確認の結果を動作制御装置20に送信する。位置識別情報が有効であると確認された場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を書き換えない。位置識別情報の有効性が確認できなかった場合(又は位置識別情報が無効であると確認された場合)、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を、外部機器の動作を停止させる情報(例えばオフ状態を示す情報)に書き換える。なお、サーバ10との通信に不具合がある場合、動作制御手段26は、確認手段28による確認の結果によらず、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて外部機器の動作を制御する。
【0030】
図3は、サーバ10のハードウェア構成を例示する図である。サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ストレージ103、及び通信IF104を有するコンピュータ装置である。CPU101は、プログラムに従って処理を行う。メモリ102は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。ストレージ103は、各種のプログラム及びデータを記憶する補助記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含む。通信IFは、所定の通信規格(例えばイーサネット)に従って他の装置と通信する装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0031】
この例において、ストレージ103が記憶するプログラムには、コンピュータを機器管理システム1のサーバとして機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という)が記憶されている。CPU101がサーバプログラムを実行している状態において、メモリ102及びストレージ103の少なくとも一方が記憶手段11の一例であり、通信IF104が通信手段12の一例であり、CPU101が認証手段13及び制御手段19の一例である。
【0032】
図4は、動作制御装置20のハードウェア構成を例示する図である。動作制御装置20は、マイクロコンピュータ201、通信IF202、画像リーダー203、メモリリーダー204、UIパネル205、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208、及び電源ユニット209を有する。これらのハードウェア要素は筐体Hに収納される。
【0033】
マイクロコンピュータ201は、動作制御装置20の他のハードウェア要素を制御するコンピュータであり、CPU、メモリ、ストレージ、及び入出力IFを含む。通信IF202は、サーバ10等の他の装置と通信するための装置である。この例において通信IF202は、イーサネット等の規格に従って有線通信する有線NIC、及びWiFi等の規格に従って無線通信する無線NICを含む。画像リーダー203は、コード画像を読み取る装置であり、撮像素子及び光学系を含むカメラである。メモリリーダー204は、外部メモリからデータを読み取る装置である。メモリリーダー204は、この外部メモリのコネクタに適合するコネクタ及びケーブルを有する。UIパネル205は、ユーザがマイクロコンピュータ201との間で情報のやり取りをするためのパネルであり、例えばボタンを有する。
【0034】
電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208は、機器30及び機器40等の外部機器への電力供給を制御する装置であり、各々リレー及びコンセントを有する。電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208は、マイクロコンピュータ201からの制御信号に応じて、コンセントに電力を出力する状態(すなわちオン状態)と電力を出力しない状態(すなわちオフ状態)とを切り替える。電源ユニット209は、外部からの電力を受けて、動作制御装置20の他のハードウェア要素に電力を供給する装置であり、プラグ、コード、及び電源回路を有する。
【0035】
この例においてマイクロコンピュータ201のストレージは、その動作制御装置20を他の動作制御装置20と区別するための、すなわちその動作制御装置20に対して一意に与えられた、装置識別情報IDxを記憶する。さらに、このストレージは、コンピュータを機器管理システム1のクライアントとして機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という)記憶する。マイクロコンピュータ201のCPUがクライアントプログラムを実行している状態において、メモリ及びストレージの少なくとも一方が記憶手段21の一例であり、画像リーダー203が読み取り手段22の一例であり、通信IF202が送信手段23及び受信手段24の一例であり、CPUが書き込み手段25及び制御手段29の一例であり、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208が動作制御手段26の一例であり、メモリリーダー204が読み取り手段27の一例である。
【0036】
また、この例において、電力供給ユニット206の電力供給の対象がテレビ受像機であり、電力供給ユニット207の電力供給の対象が冷蔵庫である想定で設計される。電力供給ユニット206は、電力を供給するコンセント(制御端子の一例であり、電力出力端子)に加え、テレビ受像機との間で信号のやり取りをする入出力端子(制御端子の別の例)を有する。このテレビ受像機は、病院又はホテルなど、使用者が入れ替わる施設で使用する用途向けに設計されたものであり、ユーザがチャンネルを変えようとすると、動作制御装置20にチャンネル変更可否の問い合わせを送信する。この問い合わせはチャンネルの識別情報を含む。チャンネルの識別情報は、個々のチャンネルを識別する情報であってもよいし、チャンネル群(例えば有料チャンネル/無料チャンネルの別)を識別する情報であってもよい。テレビ受像機に関して、マイクロコンピュータ201は、チャンネル又はチャンネル群についてそのチャンネル又はチャンネル群の視聴可否を示す情報を動作情報として記憶する。そのチャンネルの視聴が許可されることを示す情報(テレビ視聴の許可の有無を示す情報の一例)がマイクロコンピュータ201に記憶されている場合、マイクロコンピュータ201は、チャンネル変更を許可する応答をテレビ受像機に出力する。そのチャンネルの視聴が許可されないことを示す情報がマイクロコンピュータ201に記憶されている場合、マイクロコンピュータ201は、チャンネル変更を許可しない応答をテレビ受像機に出力する。なお、テレビ受像機に供給される映像信号は、例えば施設Fに設けられた受信用アンテナから、施設Fの部屋の壁に設けられた映像信号出力端子から供給される。電力供給ユニット207及び電力供給ユニット208は、電力を供給するコンセントを有する。電力供給ユニット207及び電力供給ユニット208は、特定の機器に対する制御信号を出力する機能は特に有していない。
【0037】
図5は、動作制御装置20の外観を例示する図である。筐体Hは箱形である。筐体Hにおいて使用状態における前面に相当する位置には、UIパネル205が設けられる。UIパネル205は、インジケーター2051、ボタン2052、インジケーター2053、及び読取り部2054を有する。
【0038】
インジケーター2051は、対象機器の動作情報を示す。この例では、インジケーター2051は、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208に対応する3つのインジケーターを有する(図では、「テレビ」、「冷蔵庫」、及び「Ext.」と表記されている)。動作情報がオン状態すなわち対象機器を利用可能な状態では、インジケーターは点灯する。動作情報がオフ状態すなわち対象機器を利用不可な状態では、インジケーターは消灯する。
【0039】
ボタン2052は、コード画像の読み取りを指示するボタンである。ユーザがボタン2052を押すと、画像リーダー203は読み取り状態となる。読み取り状態において、画像リーダー203はコード画像を読み取ることが可能である。画像リーダー203が読み取り状態であるときにユーザがボタン2052を押すと読み取り状態はキャンセルされ、画像リーダー203は休止状態となる。休止状態において、画像リーダー203はコード画像を読み取ることができない。
【0040】
インジケーター2053は、コード画像の読み取りが失敗したことをユーザに通知する。インジケーター2053が点灯すると、読み取りエラーが発生したことを示す。読取り部2054は、画像リーダー203の一部であり、画像を読み取るための読み取り面を有する。コード画像が印刷されたカード又はコード画像が表示された電子機器をユーザが読取り部2054に向かい合わせる又は接触させると、画像リーダー203はその画像を読み取る。
【0041】
筐体Hの背面には、電源から電力を得るための電源コード2091及びプラグ2092、対象機器の電源コードを接続するためのコンセント、テレビ受像機に映像信号を出力する映像出力端子、有線LANケーブルを接続するためのコネクタ、外部メモリに接続するためのコネクタ2041及びケーブル2042を有する(電源コード2091、プラグ2092、コネクタ2041、及びケーブル2042以外は図示略)。
【0042】
2.動作
続いて、機器管理システム1の動作を説明する。以下においては、施設Fが病院の入院病棟であり、ユーザが入院患者である例を用いて説明する。この入院病棟は複数の病室を有する。病室にはそれぞれ定員(1人又は複数人)が設定されており、定員に相当する数の病床すなわちベッドが設置される。ベッドの横にはキャビネットが設置される。キャビネットには動作制御装置20がビルトインで設置される。このキャビネットにはさらにテレビ受像機及び冷蔵庫が設置される。基本的に1台のキャビネットが1台のベッドに対応する。
【0043】
機器管理システム1の動作は、動作制御装置20の動作モードが第1モードであるか第2モードであるかによって異なる。以下、動作制御装置20の動作モードが第1モードである場合及び第2モードである場合のそれぞれについて説明する。なお以下において読み取り手段22等の機能要素を処理の主体として記載することがあるが、これは、プログラムを実行しているマイクロコンピュータ201により制御される画像リーダー203等のハードウェア要素が、他のハードウェア要素と協働して処理を実行することを意味する。
【0044】
2-1.第1モード
図6は、動作制御装置20が設置されるキャビネットの外観を例示する図である。キャビネットの底部にはキャスターが設けられており、病院の職員はキャビネットをテレビ受像機及び冷蔵庫ごと他のベッドの横に移動することができる。病室の壁には電源のコンセント及び病院内のLANに接続するLANポートが設けられており、病院の職員はキャビネットを移動すると動作制御装置20の電源プラグを壁のコンセントに挿し、動作制御装置20に接続されたLANケーブルを壁のLANポートに挿す。こうして動作制御装置20は使用可能な状態となる。なお、この図では、テレビ受像機のアンテナ信号線は省略されている。また、通信は有線に限らず、無線で行われてもよい。
【0045】
図7は、施設F内のネットワーク接続を例示する図である。この例において、施設Fは病室A、病室B、及び病室Cの3つの病室を有する。各病室は、1つのベッドを有する。これらの病室及びベッドにはそれぞれ識別番号が与えられている。病室の識別番号を病室番号といい、ベッドの識別番号をベッド番号という。各ベッドの横には、1つのキャビネットが置かれる。すなわち各ベッドは1つの動作制御装置20を有する。病室番号とベッド番号との組み合わせによりユーザが外部機器を使用する位置を識別することができる。以下、複数の動作制御装置20の各々を区別するときは、動作制御装置20[A]、動作制御装置20[B]、及び動作制御装置20[C]のように添字を用いる。
【0046】
この例において、施設F内のネットワークはさらに、端末91及び端末92を有する。端末91及び端末92は、サーバ10に対しユーザ登録を行い、コード画像を発行するためのコンピュータ装置である。この例において、端末91は有人の受付に設けられ施設Fの職員(又は管理者から委託を受けた者)により操作される端末である。端末92は無人の受付に設けられ、入院患者又はその家族により操作される端末である。
【0047】
2-1-1.ユーザ登録(利用申し込み)
図8は、ユーザ登録に係る機器管理システム1の動作を示すシーケンスチャートを例示する図である。病室において対象機器(この例ではテレビ受像機及び冷蔵庫)を使用しようとするユーザ(例えば入院患者又はその家族)は、受付において機器の利用申し込み(すなわち機器を利用する契約の申し込み)を行う。利用申し込みは、例えばユーザが申込書に記入をすることにより行われる。対象機器の利用には条件(例えば費用の支払い)が定められており、受付の職員は、この条件の説明及び必要な手続(例えば費用の受け取り)があればそれを行う。なお決済については、外部の決済サービスが利用されてもよい。
【0048】
申込書を受け取ると、受付の職員は、端末91においてユーザ登録に必要な情報を入力する(ステップS101)。ユーザ登録に必要な情報は、例えば、ユーザ識別情報及び有効期限を含む。ユーザ識別情報は、例えば、病院において発行される患者の識別番号である。有効期限は、機器管理システム1においてユーザ登録が有効な期限すなわちそのユーザが機器の利用を希望する期限である。ここでいう「期限」は、始期及び終期を具体的に特定せずその期間の長さを指定する情報(例えば「使用を開始してから3日間」等)、始期及び終期の少なくとも一方を指定する情報(例えば「2月1日から」又は「2月4日まで」)、又はこれらの組み合わせの少なくとも1種を含む概念である。端末91は、ユーザの登録要求をサーバ10に送信する(ステップS102)。
【0049】
サーバ10において、通信手段12は、端末91からユーザの登録要求を受信する(ステップS103)。通信手段12が登録要求を受信すると、制御手段19は、この登録要求に含まれる情報を、契約に関する情報としてデータベース111に登録する(ステップS104)。
【0050】
図9は、データベース111の構成を例示する図である。データベース111は、複数のレコードを有する。各レコードは、識別コード、契約関連情報、及び装置関連情報を含む。この例において識別コードは機器の利用契約毎に発行される一意のコードであり、異なる契約に同じコードが割り当てられることはない。一例において、識別コードは、ユーザ識別情報を用いて生成される。契約関連情報は、識別コードに関連する情報であり、この例においてはコードの有効期限、コードに係るユーザ識別情報、及び有効性フラグを含む。新たに識別コードが登録されるとき、有効性フラグの初期値は「有効」(動作を許可する情報の一例)である。有効性フラグは、対応するコードの有効性を示すフラグである。装置関連情報は、対応する動作制御装置20の属性を示す情報であり、例えば、物理アドレス、論理アドレス、装置番号、管理者コード、及び施設コードを含む。物理アドレスはネットワークインタフェースを識別するための番号であり、例えばMAC(Media Access Control)アドレスである。論理アドレスはネットワーク上において装置を識別するための番号であり、例えばIP(Internet Protocol)アドレスである。装置番号は、施設F内において動作制御装置20を識別するための番号であり、施設Fの管理者により付与される。管理者コードは、機器管理システム1において施設Fの管理者を識別するための番号である。施設コードは、機器管理システム1において施設Fを識別するための番号である。管理者コード及び施設コードは、機器管理システム1により付与される。これらの項目の初期値はヌル値である。
【0051】
再び図8を参照する。登録要求に係る契約関連情報をデータベース111に登録すると、制御手段19は、新たに登録された契約関連情報に対応するコード画像を生成する(ステップS105)。このコード画像は、少なくとも識別コードを示す。この例において、このコード画像はさらに、識別コードの有効期限、運用者コード、及び施設コードを含む。通信手段12は、生成したコード画像のデータを、登録要求の送信元である端末91に送信する(ステップS106)。コード画像のデータを受信すると、端末91は、所定の媒体にコード画像を形成(すなわち印刷)する(ステップS107)。この媒体は、例えば、シート状の紙、カード、又はリストバンドである。受付の職員は、コード画像が形成された媒体をユーザに渡す。ユーザは、この媒体を受け取り病室に行く。以上でユーザ登録に係る処理は終了である。なおここでは端末91からユーザ登録を行う例を説明したが、端末92から(ユーザ自身が端末を操作して)ユーザ登録を行う場合も処理のシーケンスは同じである。
【0052】
なおここではサーバ10において利用申し込みをトリガとして新たなコード画像を生成する例を説明したが、新たなコード画像を生成する代わりに、既に発行済のコード画像をデータベース111に登録する処理が行われてもよい。例えば病院では、患者の識別コードを示すバーコード(コード画像の別の例)を印刷したリストバンドを入院患者に装着させることがある。このような施設においては、機器管理システム1用に新たなコード画像を発行するよりも、既に発行済のバーコードを機器管理システム1においても利用した方が合理的であることがある。このような施設において、端末91はバーコードリーダーを有する。利用申し込みの際、職員はこのバーコードリーダーを用いて患者すなわちユーザの手首に装着されているリストバンドからバーコードを読み取る。このバーコードは、その患者のその入院を特定する識別コードを示している。端末91は、この識別コードを含む登録要求をサーバ10に送信する。サーバ10は、データベース111にこの識別コードを登録する。
【0053】
既に発行済のバーコードを利用するユーザと、申し込みの際に新たなコード画像を発行するユーザとが混在する運用をする施設では、端末91からサーバ10に送信される登録要求は、発行済のコード画像を利用するか、新規にコード画像を発行するか、いずれかを示すフラグを含む。サーバ10は、このフラグの値に従って、発行済のコード画像を利用するか、新規にコード画像を発行するか判断する。
【0054】
2-1-2.利用開始
図10は、機器の利用を開始する処理を例示するシーケンスチャートである。指定された病室の指定されたベッドに行くと、ユーザは、そのベッドの横に置かれているキャビネットに設置されている動作制御装置20のUIパネル205のボタン2052を押し、画像リーダー203を読み取り状態にする。この状態において、媒体に印刷されたコード画像をユーザが読取り部2054にかざすと、読み取り手段22は媒体からコード画像を読み取る(ステップS201)。すなわち読み取り手段22は、読み取った画像をデコードして情報を抽出する。ここで抽出される情報は、識別コード、運用者コード、及び施設コードを含む。
【0055】
媒体からコード画像を読み取ると、制御手段29は、記憶手段21からその動作制御装置20自身の装置識別情報IDxを読み出す(ステップS202)。装置識別情報IDxは、例えば、装置関連情報の少なくとも一部、具体的には物理アドレス、論理アドレス、装置番号、管理者コード、及び施設コードを含む。送信手段23は、サーバ10に対し、コード認証要求を送信する(ステップS203)。コード認証要求は、読み取った識別コードの認証を要求するものであり、識別コード及び装置識別情報IDxを含む。この例において、動作制御装置20とサーバ10との通信は、MQTT(Message Queueing Telemetry Transport)プロトコルに従う。
【0056】
動作制御装置20からコード認証要求を受信すると、サーバ10の認証手段13は、そのコード認証要求に係るコードを認証する(ステップS204)。具体的には、認証手段13は、コード認証要求から識別コードを抽出する。認証手段13は、抽出された識別コードがデータベース111に登録されているか判断する。抽出された識別コードがデータベース111に登録されている場合、認証手段13はその識別コードを認証する(すなわち認証は成功である)。認証が成功すると、認証手段13は、その識別コードを含むレコードにおける装置関連情報の値として、受信したコード認証要求から抽出した装置識別情報IDxに含まれる物理アドレス、論理アドレス、装置番号、管理者コード、及び施設コードをデータベース111に書き込む。なお、認証手段13は、認証が成功した日時(すなわち使用を開始した日時)等、他の情報をデータベース111に書き込んでもよい。
【0057】
データベース111において、コード認証要求から抽出された識別コードが既にデータベース111に登録されており、かつ対応する装置関連情報の値がヌル値ではない場合の処理については後述する。
【0058】
なお抽出された識別コードがデータベース111に登録されていないと判断された場合、認証手段13はその識別コードを認証しない(すなわち認証は失敗である)。認証が失敗すると、通信手段12は、認証が失敗した旨の通知を、コード認証要求の送信元である動作制御装置20に送信する。
【0059】
認証が成功すると、通信手段12は、動作指示を動作制御装置20に送信する(ステップS205)。この動作指示は、制御の対象となる動作制御装置20の装置識別情報、認証された識別コード、及び制御後の動作状態を示す情報(以下「動作情報」という)を含む。動作情報は、外部機器の動作状態を示す情報であり、例えばテレビ受像機に対して有料チャンネルの視聴可否を示す情報であり、冷蔵庫に対しては電源状態(オン情報及びオフ状態)を示す情報である。この例において、この動作情報により示される動作状態はオン状態を示す。なお、制御の対象となる動作制御装置20の装置識別情報は動作指示のデータ本体に含まれていなくてもよく、例えば通信プロトコルにより付与されるヘッダ等に含まれていてもよい。
【0060】
動作制御装置20において、受信手段24はサーバ10から動作指示を受信する(ステップS206)。機器管理システム1において採用されている通信プロトコルにより、動作指示は、その動作指示に含まれる装置識別情報IDyと適合する(すなわち一致する)装置識別情報IDxを有する動作制御装置20に転送される。
【0061】
装置識別情報IDyと装置識別情報IDxとが適合する動作制御装置20において、書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報、及びこの動作指示に含まれる識別コードを記憶手段21に書き込む(ステップS207)。
【0062】
動作制御手段26は、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する(ステップS208)。記憶手段21に記憶されている動作情報がオン状態である場合、動作制御手段26は、外部機器に電力を供給するよう、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208(より詳細には、これらの各々に含まれるリレー)を制御する。記憶手段21に記憶されている動作情報がオフ状態である場合、動作制御手段26は、外部機器に電力を供給しないよう、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する。
【0063】
確認手段28は、所定のイベントを契機として(例えば、定期的に)、記憶手段21に記憶されている識別コードの有効性をサーバ10に対し確認する。すなわち、確認手段28は、サーバ10に対し有効性の確認要求を送信する。確認要求は識別コードを含む。サーバ10は、データベース111において例えば有効性フラグ又は有効期限を参照し、確認要求に係る識別コードの有効性を確認する。サーバ10は、確認の結果をその確認要求に対する確認応答として、確認要求の送信元である動作制御装置20に送信する。その識別コードが有効であることを確認応答が示していた場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を書き換えない。その識別コードが有効であることを確認応答が示していなかった場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を、オフ状態を示す情報に書き換える。なお、サーバ10との通信に不具合が生じている場合、確認手段28は識別コードの有効性を確認することができないが、この場合、動作制御手段26は、確認手段28の確認結果によらずに、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて外部機器の動作を制御する。
【0064】
なお、確認手段28がサーバ10に対し識別コードの有効性を確認する契機となるイベントは上記の例に限定されない。例えば以下のとおり識別コードの有効性が確認されてもよい。サーバ10は、複数の動作制御装置20との間に通信のセッションを確立する。サーバ10は、データベース111が書き換えられると、これらのセッションを一時的に切断する。サーバ10とのセッションが一時的に切断されたことを検知したというイベントを契機として、確認手段28は、サーバ10に対し確認要求を送信する。
【0065】
この例によれば、ユーザは、受付で発行されたコード画像を動作制御装置20の読取り部2054にかざすことにより、テレビ受像機及び冷蔵庫などの外部機器を使用することができる。また、動作制御装置20の動作情報が動作制御装置20自身に記憶されているので、ユーザ(すなわち入院患者)が転床により病室を移動するときも、キャビネットごと新しい病室に移動すれば、その新しい病室でそのまま外部機器を使用することができる。
【0066】
2-1-3.装置変更
図11Aは、機器を制御する装置を変更する処理を例示するシーケンスチャートである。例えば施設Fが入院病棟である場合において、機器の利用を開始した患者(すなわちユーザ)が、入院は継続するものの、別の病室又は別のベッドに移動することがある。例えば、病室Aに入院しているユーザが、病室Bのベッドに移動(すなわち転床)する例を考える。このような例でも、ユーザはそれまで病室Aにおいて使っていたキャビネットを病室Bに移動する必要はなく、病室Bのベッドの横に置かれている動作制御装置20[B]において利用開始の処理を行えばよい。動作制御装置20[B]において利用開始の処理を行うことにより、動作制御装置20[A]については利用終了の状態となる。以下、この例の詳細を説明する。
【0067】
移動後の病室の指定されたベッドに行くと、ユーザは、そのベッドの横に置かれているキャビネットに設置されている動作制御装置20[B]のUIパネル205のボタン2052を押し、画像リーダー203を読み取り状態にする。この状態において、媒体に印刷されたコード画像をユーザが読取り部2054にかざすと、読み取り手段22は媒体からコード画像を読み取る(ステップS301)。すなわち読み取り手段22は、読み取った画像をデコードして識別コードを抽出する。
【0068】
媒体からコード画像を読み取ると、制御手段29は、記憶手段21からその動作制御装置20自身の装置識別情報IDxを読み出す(ステップS302)。送信手段23は、サーバ10に対し、コード認証要求を送信する(ステップS303)。コード認証要求は、識別コード及び装置識別情報IDxを含む。
【0069】
動作制御装置20[B]からコード認証要求を受信すると、サーバ10の認証手段13は、そのコード認証要求に係るコードを認証する(ステップS304)。具体的には、認証手段13は、コード認証要求から識別コードを抽出する。認証手段13は、抽出された識別コードがデータベース111に登録されているか判断する。この例において、データベース111には、その識別コードと同一の識別コードを含むレコードが既に登録されており、対応する装置関連情報の値がヌル値ではない。すなわち、このレコードにおいて装置関連情報として、動作制御装置20[A]の装置識別情報が既に記録されている。
【0070】
抽出された識別コードがデータベース111に登録されている場合、認証手段13はその識別コードを認証する点は既に説明したとおりである。認証が成功すると、認証手段13は、データベース111においてその識別コードを含むレコードにおける装置関連情報を、受信したコード認証要求から抽出した装置識別情報IDxに書き換える。この例では、元々、動作制御装置20[A]の装置識別情報であった装置関連情報の値が、動作制御装置20[B]の装置識別情報に書き換えられる。
【0071】
認証が成功すると、通信手段12は、動作指示を動作制御装置20に送信する(ステップS305)。この例のように、コード認証要求に係る契約関連情報のレコードにおいて更新前の装置関連情報の値がヌル値ではなかった(すなわち別の装置の装置関連情報が記録されていた)場合、動作制御手段26は、(1)更新後の動作制御装置20(第1動作制御装置の一例)の動作情報をオン状態にする指示(第1動作指示の一例)、及び(2)更新前の動作制御装置20(第2動作制御装置の一例)の動作情報をオフ状態にする指示(第2動作指示の一例)、の2つの動作指示を生成する。通信手段12は、これら2つの動作指示を、それぞれの宛先に送信する。具体的に、ステップS305において送信される動作指示は、動作制御装置20[B]の装置識別情報、認証された識別コード、及び制御後の動作情報をオン状態にすることを示す情報を含む第1の動作指示、並びに動作制御装置20[A]の装置識別情報、認証された識別コード、及び制御後の動作情報をオフ状態にすることを示す情報を含む第2の動作指示である。
【0072】
動作制御装置20[B]において、受信手段24はサーバ10から動作指示を受信する(ステップS306)。この動作指示は、動作情報をオン状態にする指示である。書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報(すなわちオン状態)、及びこの動作指示に含まれる識別コードを記憶手段21に書き込む(ステップS307)。動作制御手段26は、記憶手段21から読み出した動作情報に従って電力供給ユニット206~208を制御する(ステップS308)。以後、動作制御装置20[B]に接続されている外部機器は、利用できる状態となる。
【0073】
図11Bを参照する。動作制御装置20[A]において、受信手段24はサーバ10から動作指示を受信する(ステップS309)。この動作指示は、動作情報をオフ状態にする指示である。書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報(すなわちオフ状態)、及びこの動作指示に含まれる識別コードを記憶手段21に書き込む(ステップS310)。動作制御手段26は、記憶手段21から読み出した動作情報に従って電力供給ユニット206~208を制御する(ステップS311)。以後、動作制御装置20[A]に接続されている外部機器は、利用できない状態となる。
【0074】
すなわちユーザは、受付で発行されたコード画像を、移動後のベッドの横にある動作制御装置20の読取り部2054にかざすことにより、移動後のベッドの横にあるテレビ受像機及び冷蔵庫などの外部機器を利用することができるようになり、さらに、移動前のベッドの横にあるテレビ受像機及び冷蔵庫などの外部機器の利用を終了することができる。
【0075】
2-1-4.利用終了(管理者の操作による)
機器管理システム1において機器の利用を終了する手法はいくつかある。その手法の一つは、管理者の操作による終了である。管理者は、自身の端末(例えば端末91)からサーバ10にアクセスする。管理者の端末からアクセスを受けると、サーバ10は、データベース111において有効性フラグの値が「有効」である契約関連情報の少なくとも一部を、アクセス元である端末91に送信する。端末91は契約関連情報の一覧を表示する。
【0076】
図12は、端末91において表示される一覧表示画面を例示する図である。この画面は、病室のベッド毎に患者及び機器の状態を示す情報を含む。この例では、各病室のベッドについて、入院患者の識別情報、患者状態、及び機器の動作状態が表示される。入院患者の識別情報としては、例えば氏名が用いられる。患者状態は、入院中及び退院済のいずれかを示す。動作状態は、オン状態及びオフ状態のいずれかを示す。動作状態は、例えばデータベース111に記録されている契約関連情報(具体的には有効性フラグの値)から特定される。
【0077】
この画面において動作状態が表示されている領域を職員がクリック又はタップすると、動作状態が変更される。すなわちオン状態であればオフ状態に、オフ状態であればオン状態に、動作状態が変更される。例えば、職員は、退院手続きが完了した入院患者について、その患者がそれまで入院していたベッドに対応する機器の動作状態(この時点では「オン状態」である)をクリック又はタップしてオフ状態に変更する。端末91の画面上において機器の動作状態が変更されると、端末91は、状態変更要求をサーバ10に送信する。サーバ10は端末91から受信した端末変更要求に従ってデータベース111の情報を書き換える。例えば、端末91において、病室Aベッド002に入院していた(退院済)患者「鈴木一郎」の動作状態欄を職員がクリックして「オフ状態」に変更すると、データベース111においてその動作状態が「オフ状態」に書き換えられる。なおここでは動作状態をオフ状態に書き換える例、すなわち利用を終了する例を説明したが、この画面において動作状態がオフ状態である機器をオン状態に変更することもできる。
【0078】
2-1-5.利用終了(期限満了)
図13は、外部機器の利用を終了する処理を例示するシーケンスチャートである。機器管理システム1において機器の利用を終了する別の手法は、利用期間の満了による終了である。サーバ10において、制御手段19は、所定のイベントを契機として、データベース111において識別コードの有効性を確認する(ステップS401)。このイベントは、例えば前回、識別コードの有効性を確認してから所定の時間が経過したというイベント、又は現在時刻が所定の時刻になったというイベントである。具体的には、制御手段19は、有効性フラグの値を「無効」(動作を停止する情報の一例)に更新する(すなわち書き換える)。なおこのフラグの初期値は「有効」である。
【0079】
データベース111において有効性フラグの値が「無効」に更新されたレコードがある場合、通信手段12は、動作指示を動作制御装置20に送信する(ステップS402)。この動作指示は、有効性の値が「無効」に更新されたレコードに含まれる装置関連情報に含まれる物理アドレス又は論理アドレスを宛先として送信される。この動作指示は、更新後の動作情報(この例ではオフ状態)を示す情報を含む。
【0080】
動作制御装置20において、受信手段24はサーバ10から動作指示を受信する(ステップS403)。サーバ10から動作指示を受信すると、制御手段29は、動作指示に含まれる識別コードと、記憶手段21に記憶されている識別コードとが適合するか(すなわち一致するか)判断する。
【0081】
これら2つの識別コードが適合すると判断された場合、書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報を記憶手段21に書き込む(ステップS404)。ここで書き込まれる動作情報はオフ状態である。書き込み手段25はさらに、この動作情報に対応する識別コードとしてヌル値を記憶手段21に書き込む。動作制御手段26は、記憶手段21から読み出した動作情報に従って電力供給ユニット206~208を制御する(ステップS405)。以後、動作制御装置20に接続されている外部機器は、利用できない状態となる。
【0082】
なお動作指示の宛先の動作制御装置20において識別コードが適合しない場合、書き込み手段25は、識別コードが適合する場合と同様に、動作指示に含まれる情報により示される動作情報及び識別コードを記憶手段21に書き込んでもよい。あるいはこの場合、送信手段23は、識別コードが適合しない旨のエラー通知をサーバ10に送信してもよい。エラー通知を受信すると、サーバ10は、エラー処理を実行する。エラー処理は、例えば、管理者へのエラー発生の通知を含む。
【0083】
このように、データベース111において利用期限が満了したレコードは利用状態が自動的に利用終了に更新され、対応する動作制御装置20において利用状態がオフ状態に書き換えられる。すなわちユーザは、利用期限を過ぎてしまうとそれ以上、外部機器を使用することができなくなる。
【0084】
2-1-6.利用終了(強制終了)
図14は、外部機器の利用を終了する処理の別の例を示すシーケンスチャートである。この例では、機器の利用を終了するための特殊なコード画像を動作制御装置20において読み取ることにより、その動作制御装置20の動作情報が強制的にオフ状態に切り替えられる。この処理は、例えば、患者が予定より早く退院してしまった場合に病院の職員が動作制御装置20の動作情報を強制的にオフ状態にするときに用いられる。
【0085】
動作情報を強制的にオフ状態にしようとする動作制御装置20の前に行き、病院の職員は、その動作制御装置20のUIパネル205のボタン2052を押し、画像リーダー203を読み取り状態にする。この状態において、媒体に印刷されたコード画像をこの職員が読取り部2054にかざすと、読み取り手段22は媒体からコード画像を読み取る(ステップS501)。この例において、このコード画像は特殊なコード画像であり、動作情報を強制的にオフ状態にするコード(又は指示)を示す。以下このコードを、「強制オフコード」という。すなわち読み取り手段22は、この特殊なコード画像から、強制オフコードを抽出する。
【0086】
媒体からコード画像を読み取ると、制御手段29は、記憶手段21からその動作制御装置20自身の装置識別情報IDxを読み出す(ステップS502)。送信手段23は、サーバ10に対し、コード認証要求を送信する(ステップS503)。コード認証要求は、強制オフコード及び装置識別情報IDxを含む。なおこの例においては、コード画像から抽出される情報が識別コードではなく強制オフコードである点が異なる以外、ステップS501~S503において動作制御装置20が行う処理は、ステップS201~S203において動作制御装置20が行う処理と同じである。すなわちこの例において動作制御装置20が行う処理は、読み取り手段22がコード画像から読み取った情報によらずに同じである。すなわちここで送信されるコード認証要求は、「動作情報の変更要求」であるということもできる。
【0087】
動作制御装置20からコード認証要求を受信すると、サーバ10の認証手段13は、その強制オフコードを認証する(ステップS504)。この例において、データベース111には、強制オフコードを特定するデータが記録されている。認証手段13は、コード認証要求に含まれる強制オフコードを、データベース111に記録されているデータと対比することにより、この強制オフコードが適正なものであるか判断する。
【0088】
コード認証要求から抽出された強制オフコードが適正なものであると判断された場合、すなわち強制オフコードが認証された場合、認証手段13は、データベース111においてその装置識別情報を含むレコードから、その装置識別情報を削除する(ステップS505)。
【0089】
データベース111が書き換えられると、通信手段12は、動作指示を動作制御装置20に送信する(ステップS506)。この動作指示は動作情報をオフ状態にする指示、及びこの指示の対象となる動作制御装置20の装置識別情報を含む。
【0090】
動作指示に含まれる装置識別情報IDyと、記憶手段21に記憶されている自身の装置識別情報IDxとが適合する動作制御装置20において、受信手段24はサーバ10から動作指示を受信する(ステップS507)。動作指示が受信されると、書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報(この例ではオフ状態)を記憶手段21に書き込む(ステップS508)。またこの動作指示には識別コードが含まれていないので、書き込み手段25は、対応する識別コードとしてヌル値を記憶手段21に書き込む。動作制御手段26は、記憶手段21から読み出した動作情報に従って電力供給ユニット206~208を制御する(ステップS509)。以後、動作制御装置20に接続されている外部機器は、利用できない状態となる。
【0091】
このように、施設Fの管理者は、所望のタイミングで所望の動作制御装置20の利用状態を強制的にオフ状態に書き換えることができる。
【0092】
2-1-7.利用終了(ローカル処理)
図15は、ローカルで行われる利用終了処理を例示するシーケンスチャートである。ローカルで行われる利用終了処理とは、サーバ10における認証を行わずに外部機器の利用を終了する処理をいう。サーバ10における認証を経ないと外部機器の利用を終了できないのでは、動作制御装置20とサーバ10との通信に不具合が発生した場合に外部機器の利用を終了することができなくなってしまう。この例は、そのような問題に対処する。
【0093】
この例では、サーバ10の認証を経ずに機器の利用を終了するための特殊なコード画像を動作制御装置20において読み取ることにより、その動作制御装置20の動作情報が強制的にオフ状態に切り替えられる。この処理は、例えば、患者が予定より早く退院してしまった場合に病院の職員が動作制御装置20の動作情報を強制的にオフ状態にしたいが、サーバ10との通信に不具合が発生しているときに用いられる。
【0094】
動作情報を強制的にオフ状態にしようとする動作制御装置20の前に行き、病院の職員は、その動作制御装置20のUIパネル205のボタン2052を押し、画像リーダー203を読み取り状態にする。この状態において、媒体に印刷されたコード画像をこの職員が読取り部2054にかざすと、読み取り手段22は媒体からコード画像を読み取る(ステップS601)。この例において、このコード画像は特殊なコード画像であり、動作情報を強制的にオフ状態にするコード(又は指示)を示す。またこのコードは、オフ状態にする処理をローカルで行うことを示す。以下このコードを、「強制オフコード(ローカル)」という。すなわち読み取り手段22は、この特殊なコード画像から、強制オフコード(ローカル)を抽出する。
【0095】
読み取り手段22が強制オフコード(ローカル)を読み取ると、制御手段29は、読み取ったコードがあらかじめ決められた特殊コードすなわちこの例では強制オフコード(ローカル)であるか否か判断する(ステップS602)。説明は省略したが、図10~13のシーケンスにおいてもこの処理は行われていると言える。読み取ったコードが強制オフコード(ローカル)でないと判断された場合、これまで説明したように送信手段23がサーバ10に対し認証要求を送信する。読み取ったコードが強制オフコード(ローカル)であると判断された場合、書き込み手段25は、強制オフコード(ローカル)に含まれる情報により示される動作情報(この例ではオフ状態)を記憶手段21に書き込む(ステップS603)。動作制御手段26は、記憶手段21から読み出した動作情報に従って電力供給ユニット206~208を制御する(ステップS604)。以後、動作制御装置20に接続されている外部機器は、利用できない状態となる。
【0096】
この例においては、サーバ10において動作制御装置20の動作情報を管理するため、サーバ10と動作制御装置20との間の通信が回復すると、動作制御装置20は、サーバ10に強制オフコード(ローカル)が使用されたことを通知する。すなわち、制御手段29は、サーバ10との間の通信が回復したかどうか定期的に確認する。サーバ10との間の通信が回復したことが検知された場合、制御手段29は、コード認証要求を生成する(ステップS605)。このコード認証要求は、強制オフコード(ローカル)及びこの動作制御装置20の装置識別情報を含む。送信手段23は、このコード認証要求をサーバ10に送信する(ステップS606)。
【0097】
動作制御装置20からコード認証要求を受信すると、サーバ10の認証手段13は、そのコード認証要求に係るコードを認証する(ステップS607)。具体的には、認証手段13は、コード認証要求から強制オフコード(ローカル)を抽出する。認証手段13は、抽出された強制オフコード(ローカル)がデータベース111に登録されているか判断する。この例において、データベース111には、有効な強制オフコード(ローカル)が登録されている。
【0098】
抽出された強制オフコード(ローカル)がデータベース111に登録されている場合、認証手段13はその強制オフコード(ローカル)を認証する(すなわち認証が成功する)。認証が成功すると、認証手段13は、データベース111においてその装置識別情報を含むレコードにおける有効性フラグの値を無効に書き換える(ステップS608)。この例によれば、サーバ10との通信状態が回復した後で、動作制御装置20の動作情報とデータベース111に記録されている動作情報との整合が得られる。
【0099】
抽出された強制オフコード(ローカル)がデータベース111に登録されていない場合、認証手段13はその強制オフコード(ローカル)を認証しない(すなわち認証が失敗する)。認証が失敗すると、エラー処理を行う。エラー処理は、例えば、エラーが発生した旨を管理者に通知する処理を含む。あるいは、エラー処理は、その動作制御装置20に対し、動作情報をオン状態にする電力制御指示を送信する処理を含んでもよい。
【0100】
なおこの例において、強制オフコードはローカルで(すなわちサーバ10への問い合わせ無しで)動作するものに限定されない。動作制御装置20は読み取った識別コードについて自身で判断することなく、サーバ10にその識別コードの認証要求(又は問い合わせ)を送信してもよい。サーバ10はデータベース111において特殊コード及びその内容を特定する情報を記憶しており、データベース111を参照してその認証要求に係る識別コードを認証する。サーバ10は、認証された識別コード(すなわち特殊コード)に対応する動作指示(この場合は、強制的にオフ状態にする指示)をその認証要求の送信元である動作制御装置20に送信する。あるいは、動作制御装置20は、読み取った識別コードが特殊コードであると判断できなかった場合に、その識別コードについてサーバ10に認証要求を送信してもよい。
【0101】
2-2.第2モード
図16は、第2モードにおける動作制御装置20が設置されるキャビネットの外観を例示する図である。この例において、病室の壁には電源のコンセント及び病院内のLANに接続するLANポートに加え、外部メモリ50が埋め込まれている(図16では図示略)。外部メモリ50は、ベッドに対応する位置(例えば電源のコンセントの近傍)に設置される。例えば1つの病室に6床のベッドが置かれる場合、この病室の壁には6つの外部メモリ50が埋め込まれる。各外部メモリ50は、その外部メモリ50すなわち施設F内の位置を一意に特定する識別情報(以下「位置識別情報」という)を記憶している。病院の職員はキャビネットを移動すると動作制御装置20の電源プラグを壁のコンセントに挿し、動作制御装置20に接続されたLANケーブルを壁のLANポートに挿す。病院の職員はさらに、動作制御装置20のコネクタを外部メモリ50に接続する。
【0102】
2-2-1.ユーザ登録
図17は、ユーザ登録に係る機器管理システム1の動作を示すシーケンスチャートを例示する図である。病室において対象機器を使用しようとするユーザから申し込みを受けると、受付の職員は、端末91においてユーザ登録に必要な情報を入力する(ステップS701)。ユーザ登録に必要な情報は、例えば、ユーザ識別情報及び有効期限に加え、そのユーザが使用する病室及びベッドに対応する位置識別情報を含む。端末91は、ユーザの登録要求をサーバ10に送信する(ステップS702)。この登録要求は、ユーザ識別情報、有効期限、及び位置識別情報を含む。
【0103】
サーバ10において、通信手段12は、端末91からユーザの登録要求を受信する(ステップS703)。通信手段12が登録要求を受信すると、制御手段19は、この登録要求に含まれる情報を、契約に関する情報としてデータベース111に登録する(ステップS704)。
【0104】
図18は、データベース111の構成を例示する図である。データベース111は、複数のレコードを有する。各レコードは、位置識別情報、契約関連情報、及び装置関連情報を含む。位置識別情報は、機器が使用される位置(この例においては病室及びベッド)を特定する情報である。この例において位置識別情報は病室及びベッドの組に対して与えられる一意のコードであり、異なるベッドに同じ位置識別情報が割り当てられることはない。契約関連情報は、識別コードに関連する情報であり、この例においては契約番号、契約の有効期限、契約をしたユーザのユーザ識別情報、及び有効性フラグを含む。新たな契約に係る位置関連情報が登録されるとき、有効性フラグの初期値は「有効」である。有効性フラグは、対応する契約の有効性を示すフラグである。第1モードと共通する事項については説明を省略する。
【0105】
再び図17を参照する。登録要求に係る情報をデータベース111に登録すると、通信手段12は、ユーザ登録が完了した旨の通知を、登録要求の送信元である端末91に送信する(ステップS705)。端末91は、ユーザ登録が完了した旨を職員又はユーザに通知する。
【0106】
ここでは端末91を病院の職員が操作してユーザ登録を行う例を説明したが、ユーザ自身(又はユーザの家族)が端末92を操作してユーザ登録を行う場合も、ほぼ同様のシーケンスで処理が行われる。ただし、位置識別情報を通知されていないなど、端末92に位置識別情報を直接入力することが難しい場合、端末92は、ユーザ識別情報、又は病室とベッドとの組を特定する情報を入力する。端末91又はサーバ10は、ユーザ識別情報、又は病室とベッドとの組を位置識別情報に変換するためのデータベースを有しており、このデータベースを参照して、ユーザ識別情報、又は病室とベッドとの組を位置識別情報に変換する。
【0107】
2-2-2.利用開始
図19は、外部機器の利用を開始する処理を例示するシーケンスチャートである。ステップS801において、動作制御装置20の読み取り手段27は、位置識別情報読み取りのトリガとなるイベントを検知する。このイベントは、例えば、現在時刻が決まった時刻になったというイベント、前回の読み取りから所定の時間が経過したというイベント、又はUIパネル205上の所定のUIオブジェクトが操作されたというイベントである。トリガとなるイベントが検知された場合、読み取り手段27は、外部メモリ50から位置識別情報を読み取る(ステップS802)。さらに読み取り手段27は、記憶手段21から自身の装置識別情報を読み出す(ステップS803)。
【0108】
読み取り手段27が位置識別情報及び装置識別情報を読み取ると、制御手段29は、認証要求を生成する。この認証要求は、位置識別情報及び装置識別情報を含む。送信手段23は、この認証要求をサーバ10に送信する(ステップS804)。
【0109】
動作制御装置20から認証要求を受信すると、サーバ10の認証手段13は、その認証要求を認証してよいか、データベース111を参照して判断する(ステップS805)。認証要求に含まれる位置識別情報と同じ位置識別情報を含むレコードがデータベース111に記録されていない場合、又はそういうレコードが記録されているものの有効性フラグの値が「無効」である場合、認証手段13はその認証要求を認証しない(すなわち認証は失敗である)。認証が失敗すると、通信手段12は、認証が失敗した旨の通知を、認証要求の送信元である動作制御装置20に送信する。
【0110】
認証要求に含まれる位置識別情報と同じ位置識別情報を含むレコードがデータベース111に記録されており、かつそのレコードにおいて有効性フラグの値が「有効」である場合、認証手段13はその認証要求を認証する(すなわち認証は成功である)。認証が成功すると、制御手段19は、動作指示を生成する。この動作指示は、動作情報及び位置識別情報を含む。動作情報は、この場合オン状態である。位置識別情報は、認証要求に含まれていたものである。通信手段12は、この動作指示を、認証要求の送信元である動作制御装置20に送信する(ステップS806)。第1モードにおいて説明したように、この動作指示は、その動作指示に含まれる装置識別情報IDyと適合する(すなわち一致する)装置識別情報IDxを有する動作制御装置20に転送される。
【0111】
動作制御装置20において、受信手段24は、サーバ10から動作指示を受信する(ステップS807)。受信手段24が動作指示を受信すると、書き込み手段25は、動作指示に含まれる情報により示される動作情報、及びこの動作指示に含まれる識別コードを記憶手段21に書き込む(ステップS808)。
【0112】
動作制御手段26は、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する(ステップS809)。
【0113】
確認手段28は、所定のタイミングで(例えば、定期的に)、記憶手段21に記憶されている、位置識別情報(より詳細には、その位置識別情報に対応する契約)の有効性をサーバ10に確認する。サーバ10に有効性を確認する具体的手法は第1モードと同様である。位置識別情報の有効性が確認できた場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報を書き換えない。位置識別情報の有効性が確認できなかった場合、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報をオフ状態を示す情報に書き換える。動作制御手段26は、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する。すなわち、動作制御手段26は、外部機器に電力を供給しないよう、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する。なお、サーバ10との通信に不具合が生じている場合、確認手段28は位置識別情報の有効性を確認することができないが、この場合、動作制御手段26は、確認手段28の確認結果によらずに、記憶手段21に記憶されている動作情報に応じて外部機器の動作を制御する。
【0114】
この例によれば、ユーザは、指定された病室の指定されたベッドに行くと、テレビ受像機及び冷蔵庫などの外部機器を使用することができる。
【0115】
2-2-3.装置移動及び利用終了
ユーザ(すなわち入院患者)が転床により病室を移動するときは、病院の職員があらかじめその入院患者の転床先の病室及びベッドの情報をデータベース111に登録しておくことにより、ユーザは新たに指定された病室の指定されたベッドに行くだけですぐ、そのベッドの横に置かれているテレビ受像機及び冷蔵庫などの外部機器を使用することができる。管理者は、自身の端末(例えば端末91)からサーバ10にアクセスする。管理者の端末からアクセスを受けると、サーバ10は、データベース111に記録されている契約関連情報の少なくとも一部を、アクセス元である端末91に送信する。端末91は契約関連情報の一覧を表示する。
【0116】
図20は、契約関連情報の一覧画面を例示する図である。この例において、契約関連情報は、施設F内の部屋の間取りを表した図面上にマッピングされる。施設F内の間取りを示すデータ及び間取りと位置識別情報との対応関係を示すデータは、データベース111又は他のデータベースに記録されている。端末91は、職員による操作を受け付ける。職員は、ドラッグアンドドロップで契約関連情報をあるベッドから別のベッドに移動することができる。例えば、端末91は、病室Aベッド002の患者「鈴木一郎」の契約関連情報を、空きベッドである病室Bベッド001にドラッグアンドドロップすることにより移動することができる。契約関連情報が移動されると、端末91は、契約関連情報の変更要求をサーバ10に送信する。この変更要求は、変更前後の装置識別情報及び動作状態を示す情報を含む。サーバ10は、端末91からの要求に従ってデータベース111の情報を更新する。すなわち、サーバ10は、患者「鈴木一郎」の契約関連情報を病室Aベッド002に対応するレコードから削除し、患者「鈴木一郎」の契約関連情報を病室Bベッド001に対応するレコードに書き込む。
【0117】
外部機器の利用を終了する場合も、職員は、同様に図20の画面から、対象となる契約関連情報を選択し、「利用終了」のメニュー項目(図示略)を選択する。この操作に応じて、端末91は、サーバ10に対し契約関連情報の変更要求を送信する。サーバ10は、端末91からの要求に従ってデータベース111の情報を更新する。
【0118】
なお第2モードにおける外部機器の利用終了については、病院の職員ではなくユーザ自身が端末92又は自身のユーザ端末から利用終了の申請を行い、サーバ10がこの申請に応じてデータベース111のレコードを書き換えてもよい。具体的には、サーバ10は、対応するレコードの有効性フラグの値を「無効」に書き換える、又は対応するレコード自体を消去する。
【0119】
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例に記載した事項のうち2つ以上のものが組み合わせて適用されてもよい。
【0120】
3-1.外部機器毎の電源制御
上述の実施形態においては、1台の動作制御装置20に接続されている複数の外部機器が一括して電源制御される例を説明した。すなわち、複数の外部機器の動作情報は、全ての外部機器がオン状態、又は全ての外部機器がオフ状態、の2つの状態のいずれかに設定される例を説明した。しかし、動作制御手段26は、複数の外部機器に対して、それぞれ個別に電源制御をしてもよい。
【0121】
この例においては、サーバ10から送信される動作指示が、電力供給ユニット206~208のそれぞれに対する個別の動作情報を示す情報を含む。動作制御手段26は、この動作指示に従って、複数の外部機器の各々に対し個別に電力供給を制御する。一例において、動作指示は、電力供給ユニット206及び電力供給ユニット207をオン状態にし、電力供給ユニット208をオフ状態にする指示であってもよい。この例によれば、複数の外部機器に対し個別に動作情報を制御することができる。
【0122】
3-2.利用時間帯制限
上述の実施形態においては、契約で定められた有効期限内であればユーザはいつでも外部機器を利用することができる例を説明した。しかし、施設Fの運用状況によっては、外部機器を利用できる時間帯を制限したい要望があることがある。このような要望に応えるため、サーバ10から送信される動作指示は、動作情報を切り替える時間帯を指定する情報を含んでもよい。具体的には、この例における動作指示は、(テレビ受像機を制御する)電力供給ユニット206については朝9時から夜9時までオン状態、それ以外の時間帯はオフ状態、(冷蔵庫を制御する)電力供給ユニット207については一日中オン状態とする指示を含む。動作制御手段26は、この指示に従って、外部機器への電力供給を制御する。この例によれば、より詳細な利用時間の管理が可能である。
【0123】
3-3.特殊コード
特殊コードによる指示は実施形態において例示されたものに限定されない。特殊コードは、例えば、全ての外部機器を強制的にオン状態にするコード、全ての外部機器を時限的に(例えば今から30分間)オン状態にするコード、特定の外部機器を強制的にオン状態にするコード、特定の外部機器を時限的にオン状態にするコード、全ての外部機器を時限的にオフ状態にするコード、特定の外部機器を強制的にオフ状態にするコード、又は特定の外部機器を時限的にオフ状態にするコードであってもよい。
【0124】
また、特殊コードは、その特殊コードを読み取った動作制御装置20の動作情報を制御するものに限られない。特殊コードは、その特殊コードを読み取った動作制御装置20とは別の動作制御装置20の動作情報を制御するものであってもよい。特殊コードは、例えば、その特殊コードを読み取った動作制御装置20と同じ病室に設置されている動作制御装置20の動作情報を制御するコード、その特殊コードを読み取った動作制御装置20と同じフロアに設置されている動作制御装置20の動作情報を制御するコード、又はその特殊コードを読み取った動作制御装置20と同じ施設F内に設置されている動作制御装置20の動作情報を制御するコードであってもよい。この場合、サーバ10が各動作制御装置の設置場所を示すデータベースを記憶しており、サーバ10は、このデータベースを参照して動作指示の宛先となる動作制御装置20を特定する。
【0125】
3-4.動作モード選択
動作制御装置20が第1モード及び第2モードのどちらで動作するか、実施形態においては各動作制御装置20においてハードウェアスイッチ又はソフトウェアスイッチ(いずれも動作モードを選択する選択手段の一例)により動作モードを指定する例を説明した。しかし、動作モードは、サーバ10から送信される指示によって指定されてもよい。
【0126】
なお1つの施設F内においては複数の動作制御装置20の動作モードをすべて統一する方が管理・運用上は簡単なことが多いが、1つの施設F内において第1モードで動作する動作制御装置20及び第2モードで動作する動作制御装置20が混在してもよい。この場合、動作制御装置20からサーバ10に送信される各種の要求は、その動作制御装置20がどの動作モードで動作しているかを示す動作モード識別情報を含んでもよい。この場合、データベース111において、各レコードは動作モード識別情報を含む。
【0127】
3-5.データベース111
データベース111のデータ構造は実施形態において例示したものに限定されない。実施形態において例示したデータ項目の一部が省略されてもよいし、実施形態では例示しなかったデータ項目が追加されてもよい。例えば、新たな識別コードがデータベース111に登録されるときに、識別コードの有効期限は絶対的な日時ではなく、相対的な期間で定義されてもよい。相対的な期間とは、例えば、「最初に認証要求を認証してから3日間」等、あるイベントを起点とした期間をいう。あるいは、有効期限を示す情報は、始期及び終期の少なくとも一方を示すものであってもよい。例えば、データベース111に記録される、有効期限を示す情報が始期のみ(例えば入院日時)を示すものである場合、外部機器の利用は、施設Fの職員が端末91を操作してデータベース111を書き替えることにより終了する。
【0128】
3-6.動作制御装置20に記憶されるデータ
動作制御装置20において記憶手段21に記憶されるデータは実施形態において例示したものに限定されない。例えば、サーバ10から動作制御装置20に送信される動作指示に識別コードの有効期限が含まれ、書き込み手段25は、動作情報とともにその有効期限を示す情報を記憶手段21に書き込んでもよい。この場合において、確認手段28は、サーバ10に識別コードの有効性の確認するのではなく、記憶手段21に記憶されている有効期限と現在時刻とを対比して、識別コードの有効性を判断してもよい。現在時刻が有効期限を過ぎていた場合、確認手段28は、記憶手段21に記憶されている動作情報をオフ状態に書き換える。動作制御手段26は、外部機器をオフ状態とするよう、電力供給ユニット206、電力供給ユニット207、及び電力供給ユニット208を制御する。このように、動作制御手段26がローカルで有効期限の確認を行うことにより、サーバ10との通信に不具合が生じている場合でも、有効期限を過ぎたときに外部機器を利用できないようにすることができる。
【0129】
また、識別コードそれ自体は記憶手段21に記憶されなくてもよい。識別コードを記憶手段21に記憶しておくと、識別コードをサーバ10への問い合わせの際のキーとして利用することができる。
【0130】
3-7.位置識別情報を記憶する外部媒体
位置識別情報を記憶する外部媒体は、実施形態において例示した外部メモリ50(いわゆるUSBメモリ)に限定されない。例えばこの外部媒体は、施設Fの部屋の壁に形成されたコード画像であってもよい。この場合、読み取り手段27は、壁に形成されたコード画像を読み取るためのハードウェア(例えばカメラ及び光学系)を有する。なお外部媒体とは、動作制御装置20の筐体H内に収納されない記録媒体をいう。外部媒体は電力の供給を受けずに位置識別情報を記憶し続けられるもの(いわゆる不揮発性記憶装置)が好ましいが、電力の供給を受けて位置識別情報を記憶するもの(いわゆる揮発性記憶装置)であってもよい。また、位置識別情報を記憶する外部媒体は、ビーコンを出力する装置のメモリであってもよい。ビーコンとは、BLE(Bluetooth Low Energy)等の規格に従って送信される識別信号をいう。
【0131】
3-8.第2モードにおける強制終了
第2モードで動作する動作制御装置20において、外部メモリ50との接続が解除されると、動作情報が強制的にオフ状態に書き換えられてもよい。この場合、制御手段19は、メモリリーダー204において外部メモリ50との接続状態(すなわち接続が解除されたこと)を検知する(検知手段の一例)。外部メモリ50との接続が解除されたことを制御手段19が検知すると、書き込み手段25は、記憶手段21に記憶されている動作情報をオフ状態に書き換える。記憶手段21に記憶されている動作情報がオフ状態に書き換えられると、動作制御手段26は、電力供給ユニット206~208がオフ状態となるよう制御する。なお外部メモリ50とメモリリーダー204との接続は有線接続であることが好ましい。
【0132】
3-9.第3モード
動作制御装置20の動作モードは、コード画像から識別コードを読み取る第1モード及び外部メモリから位置識別情報を読み取る第2モードに限定されない。動作制御装置20の動作モードは、コード画像から識別コードを読み取り、かつ外部メモリから位置識別情報を読み取る第3モードで動作してもよい。第3モードにおいて、動作制御装置20は、媒体からコード画像を読み取ったことを契機として、サーバ10にコード認証要求を送信する。このコード認証要求は、識別コードに加え、位置識別情報を含む。データベース111には、1つのレコードに、識別コード、位置識別情報、契約関連情報、及び装置関連情報が含まれる。契約の認証には第1モードと同様に識別コードが用いられる。第3モードにおいて、位置識別情報は、ユーザの管理又は機器のメンテナンスに用いられる。すなわち、装置識別情報だけでは、キャビネットごと別の部屋又は別のベッドに移動されてしまったときに、機器管理システム1では、ベッドと患者すなわち位置とユーザの関係を特定することができない。しかし第3モードにおいては、レコードに位置識別情報が含まれるので、図20において例示したように、実際の間取りを反映したマップ上にユーザ情報又は契約関連情報を示すことが可能である。したがって不具合が発生したときにどの部屋のどのベッドの機器に不具合が発生したのか容易に特定することができるし、転床の際に管理者が登録を変更することもできる。
【0133】
3-10.動作指示の転送制御
動作指示をサーバから対象となる動作制御装置20に転送する手法は、ルータ及びIPによるものに限定されない。サーバ10は、配下の全ての動作制御装置20に対して(ある1台の)動作制御装置20に対する動作指示を送信してもよい。この場合、各動作制御装置20のアプリケーションプログラムが、その動作指示が自身宛であるかどうか判断する。
【0134】
3-11.有効期限
識別コード又は位置識別情報の有効期限は実施形態において例示したものに限定されない。有効期限は、延べ利用時間で定義されてもよい。この場合、動作制御装置20は何らかの手法により、外部機器の利用時間を示す情報を取得する。一例において、動作制御装置20は、電力供給ユニット206~208が外部機器に電力を供給していた時間(オン状態であった時間)又は外部機器の電源がオン状態であった時間を計測し、計測した時間を示す情報をサーバ10に定期的に送信する。サーバ10は、動作制御装置20から送信された、外部機器の利用時間を示す情報をデータベース111に記録する。
【0135】
3-12.動作制御装置20のハードウェア構成
動作制御装置20のハードウェア構成は実施形態において例示したものに限定されない。特に、実施形態においては、1台の動作制御装置20が第1モード及び第2モードの双方に対応可能なハードウェア構成を説明した。しかし、動作制御装置20は、第1モード及び第2モードのいずれか一方のみに特化したハードウェア構成を有してもよい。例えば、第1モードに特化した動作制御装置20は、メモリリーダー204を有さない。第2モードに特化した動作制御装置20は、画像リーダー203を有さない。
【0136】
3-13.利用シーン
機器管理システム1の利用シーンは、入院病棟の入院患者を対象とするものに限定されない。機器管理システム1の利用シーンは、例えば、宿泊施設の宿泊客を対象とするもの、飲食店の客を対象とするもの、寮など共同住宅の住人を対象とするものなど、どのような利用シーンを対象とするものであってもよい。
【0137】
3-14.サーバ10のハードウェア構成
サーバ10のハードウェア構成は実施形態において例示したものに限定されない。物理的に複数の装置が協働してサーバ10としての機能を有してもよい。サーバ10は物理サーバであってもよいし、仮想サーバ(いわゆるクラウドを含む)であってもよい。
【0138】
3-15.その他
各シーケンスチャートは機器管理システム1の動作を例示するものにすぎず、シーケンスチャートで説明した処理の一部は、他の処理と順番が入れ替えられたり、省略されたりしてもよい。
【0139】
サーバ10又は動作制御装置20において実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されてもよいし、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…機器管理システム、10…サーバ、11…記憶手段、12…通信手段、13…認証手段、19…制御手段、20…動作制御装置、21…記憶手段、22…読み取り手段、23…送信手段、24…受信手段、25…書き込み手段、26…動作制御手段、27…読み取り手段、29…制御手段、30…機器、40…機器、101…CPU、102…メモリ、103…ストレージ、104…通信IF、201…マイクロコンピュータ、202…通信IF、203…画像リーダー、204…メモリリーダー、205…UIパネル、206…電力供給ユニット、207…電力供給ユニット、208…電力供給ユニット、209…電源ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身の装置識別情報を記憶する記憶手段と、
外部媒体が設置された位置を識別する情報である位置識別情報を記憶した当該外部媒体から当該位置識別情報を読み取る読み取り手段と、
外部機器を使用する認証の要求であって、前記装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信する送信手段と、
前記サーバにおいて前記認証要求が認証された場合、当該サーバから、自身宛の自身に対する動作を指示する情報であって、自身に対する動作指示によって前記外部機器の動作を制御するための動作指示を受信する受信手段と、
前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込む書き込み手段と、
前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する動作制御手段と
を有する動作制御装置。
【請求項2】
所定のイベントを契機として、前記サーバに対し前記記憶手段に記憶されている前記位置識別情報の有効性を確認する確認手段を有し、
前記確認手段により前記位置識別情報の有効性が確認されなかった場合、前記書き込み手段は、前記記憶手段に記憶されている動作情報を前記外部機器の動作を停止させる情報に書き換え、
前記サーバとの通信に不具合がある場合、前記動作制御手段は、前記確認手段による確認の結果によらず、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する
請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項3】
前記動作指示が、前記位置識別情報の有効期限を示す情報を含み、
前記書き込み手段が、前記動作情報及び前記有効期限の始期又は終期を示す情報を前記記憶手段に書き込み、
前記動作制御手段は、現在時刻が前記有効期限内である場合に、前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御する
請求項1に記載の動作制御装置。
【請求項4】
前記外部媒体が、不揮発性記憶装置である
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の動作制御装置。
【請求項5】
前記読み取り手段が、前記不揮発性記憶装置との有線接続を介して前記位置識別情報を読み取る
請求項4に記載の動作制御装置。
【請求項6】
前記不揮発性記憶装置との接続状態を検知する検知手段を有し、
前記不揮発性記憶装置との有線接続が解除されたことが検知された場合、前記書き込み手段が、前記動作情報の値としてオフ状態を示す情報を前記記憶手段に書き込む
請求項5に記載の動作制御装置。
【請求項7】
前記動作制御手段が、複数の外部機器への制御端子を有し、
前記動作指示が、前記複数の外部機器の各々に対する動作情報を含み、
前記動作制御手段が、前記複数の外部機器の各々に対し個別に動作を制御する
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の動作制御装置。
【請求項8】
各々が、外部機器が使用される位置を識別する情報である位置識別情報、当該外部機器の動作の状態を示す動作状態、及び当該位置識別情報に対応する時間を含む複数のレコードが記録されたデータベースを記憶する記憶手段と、
外部機器の動作を制御する動作制御装置から、外部媒体が設置された位置を識別する情報である位置識別情報を含む認証要求を受信する受信手段と、
前記認証要求に含まれる位置識別情報が前記データベースに記録されている位置識別情報と適合する場合、前記認証要求を認証する認証手段と、
前記認証要求が認証された場合、前記外部機器の動作状態を示す自身に対する動作指示を前記動作制御装置に送信する送信手段と
を有するサーバ。
【請求項9】
前記データベースにおいて前記位置識別情報と対応付けられて記憶されている前記動作状態を端末において表示させるためのデータを当該端末に送信する送信手段
を有する請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記端末から、前記動作状態の変更要求を受信する受信手段と、
前記変更要求に応じて前記データベースを書き換える書き換え手段と
を有する請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
外部媒体が設置された位置を識別する情報である位置識別情報を記憶した当該外部媒体から位置識別情報を読み取るステップと、
外部機器を使用する認証の要求であって、自身の装置識別情報を記憶する記憶手段から読み出した装置識別情報及び前記位置識別情報を含む認証要求を所定のサーバに送信するステップと、
前記サーバにおいて前記認証要求が認証された場合、当該サーバから、自身宛の自身に対する動作を指示する情報であって、自身に対する動作指示によって前記外部機器の動作を制御するための動作指示を受信するステップと、
前記動作を示す動作情報を前記記憶手段に書き込むステップと、
前記記憶手段に記憶されている動作情報に応じて前記外部機器の動作を制御するステップと
を有する動作制御方法。