(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121017
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/52 20060101AFI20230823BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
H01Q1/52
H01Q1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024207
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】市原 多香士
(72)【発明者】
【氏名】古川 豊
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 友弘
【テーマコード(参考)】
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J046AA05
5J046AB06
5J046UA02
5J047AA05
5J047AB06
5J047EF04
(57)【要約】
【課題】筐体内部に与える妨害波の影響を低減する技術を提供する。
【解決手段】第1アンテナ350aと第2アンテナ350bは、樹脂板310の前側の面に設けられる。第1ケーブル360aは、第1アンテナ350aと通信用基板とを接続する。第1取付爪370aは、第1ケーブル360aを取り付ける。第2ケーブル360bは、第2アンテナ350bと通信用基板とを接続する。第2取付爪370bは、第2ケーブル360bを取り付ける。第1取付爪370aは、樹脂板310の前側の面と、第1アンテナ350aの第1グランド板との少なくとも1つに設けられる。第2取付爪370bは、樹脂板310の前側の面と、第2アンテナ350bの第2グランド板との少なくとも1つに設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の前板に前側から取付可能な樹脂板と、
前記樹脂板の前側の面に設けられる第1アンテナと第2アンテナと、
前記第1アンテナと通信用基板とを接続する第1ケーブルと、
前記第1ケーブルを取り付ける第1取付爪と、
前記第2アンテナと前記通信用基板とを接続する第2ケーブルと、
前記第2ケーブルを取り付ける第2取付爪とを備え、
前記第1アンテナは、
前記樹脂板の前側の面に接続される第1グランド板と、
前記第1グランド板から前側に向かって立設される第1立壁と、
前記第1立壁に接続される第1放射板とを備え、
前記第2アンテナは、
前記樹脂板の前側の面に接続される第2グランド板と、
前記第2グランド板から前側に向かって立設される第2立壁と、
前記第2立壁に接続される第2放射板とを備え、
前記第1取付爪は、前記樹脂板の前側の面と、前記第1グランド板との少なくとも1つに設けられ、
前記第2取付爪は、前記樹脂板の前側の面と、前記第2グランド板との少なくとも1つに設けられるアンテナモジュール。
【請求項2】
前記樹脂板の前側の面において、前記第1グランド板を接続可能な第1接続部をさらに備え、
前記第1接続部は、前記第1アンテナの代わりに第3アンテナも接続可能であり、
前記第3アンテナは、
前記第1接続部に接続される第3グランド板と、
前記第3グランド板から前側に向かって立設される第3立壁と、
前記第3立壁に接続される第3放射板とを備え、
前記第3グランド板は、前記第1グランド板と同一形状であり、
前記第3放射板は、前記第1放射板と異なった形状である請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記樹脂板の前側の面において、前記第2グランド板を接続可能な第2接続部をさらに備え、
前記第2接続部は、前記第2アンテナの代わりに第4アンテナも接続可能であり、
前記第4アンテナは、
前記第2接続部に接続される第4グランド板と、
前記第4グランド板から前側に向かって立設される第4立壁と、
前記第4立壁に接続される第4放射板とを備え、
前記第4グランド板は、前記第2グランド板と同一形状であり、
前記第4放射板は、前記第2放射板と異なった形状である請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記通信用基板は、前記アンテナモジュールの前側に取り付けられる請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナモジュールに関し、特に電子機器に取付可能なアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
車載機器等の電子機器が通信機能を備える場合、筐体にはアンテナが取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体に取り付けられたアンテナにケーブルが接続される場合、ケーブルを固定するための取付爪が筐体に設けられる。筐体の表面の切出し加工により取付爪を形成する場合、筐体には貫通孔が発生する。貫通孔により、車室内にて生じる妨害電波が筐体の内部の回路に影響を与えうる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、筐体内部に与える妨害波の影響を低減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のアンテナモジュールは、筐体の前板に前側から取付可能な樹脂板と、樹脂板の前側の面に設けられる第1アンテナと第2アンテナと、第1アンテナと通信用基板とを接続する第1ケーブルと、第1ケーブルを取り付ける第1取付爪と、第2アンテナと通信用基板とを接続する第2ケーブルと、第2ケーブルを取り付ける第2取付爪とを備える。第1アンテナは、樹脂板の前側の面に接続される第1グランド板と、第1グランド板から前側に向かって立設される第1立壁と、第1立壁に接続される第1放射板とを備える。第2アンテナは、樹脂板の前側の面に接続される第2グランド板と、第2グランド板から前側に向かって立設される第2立壁と、第2立壁に接続される第2放射板とを備える。第1取付爪は、樹脂板の前側の面と、第1グランド板との少なくとも1つに設けられ、第2取付爪は、樹脂板の前側の面と、第2グランド板との少なくとも1つに設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、筐体内部に与える妨害波の影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る電子機器の構造を示す分解斜視図である。
【
図2】
図1の電子機器を前側から見た場合の正面図である。
【
図3】
図1のアンテナモジュールの構造を示す正面図である。
【
図4】
図4(a)-(b)は、
図3の第1アンテナの構造を示す図である。
【
図5】
図5(a)-(b)は、
図3の樹脂板への第1アンテナの接続を示す図である。
【
図6】
図6(a)-(b)は、
図3の第2アンテナの構造を示す図である。
【
図7】
図7(a)-(f)は、第3アンテナから第8アンテナの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を具体的に説明する前に、概要を述べる。本実施の形態は、金属筐体で覆われるとともに、無線通信のためのアンテナを備える電子機器に関する。電子機器の一例は、車両等に搭載可能な車載機器等である。無線通信には、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)が使用される。2.4GHz/5GHz対応のデュアルバンドアンテナは、Bluetooth(登録商標)用の2.4GHz帯域の通信と、無線LAN用の2.4GHz/5GHz帯域の通信とに使用される。これまでは、Bluetooth(登録商標)と5GHz帯域の無線LANに対するアンテナと、2.4GHz帯域と5GHz帯域の無線LANに対するアンテナとが、互いに離されて別々に搭載されている。このような構成の場合、アンテナ単体は変形し易い板状の部品であるとともに、輸送が2梱包でなされる。また、各アンテナを取り付けた後にケーブルの配線作業が必要になるとともに、取付が終わらないとアンテナ性能の評価が困難である。さらに、各アンテナを筐体の前側に取り付ける場合、ケーブルを固定するための取付爪を筐体に設けなければならない。取付爪を切出し加工により筐体に設けることによって、筐体には貫通孔が発生する。貫通孔により、車室内にて生じる妨害電波が筐体の内部の回路に影響を与えうる。
【0010】
本実施の形態では、2つのアンテナを樹脂板に実装するとともに、各アンテナに接続されるケーブルがアンテナまたは樹脂板に取り付けられるアンテナモジュールを提供する。モジュール化により、アンテナの強度が増すとともに、輸送が1梱包になる。また、アンテナモジュールを筐体に取り付けた後のケーブルの配線作業が不要になる。アンテナモジュール単体でのアンテナの性能評価が可能になる。さらに、ケーブルが樹脂板に取り付けられることによって筐体に貫通孔がなくなるので、筐体の内部の回路が車室内にて生じる妨害電波の影響を受にくくなる。
【0011】
なお、以下の説明において、「平行」、「直交」は、完全な平行、直交だけではなく、誤差の範囲で平行、直交からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
【0012】
図1は、電子機器1000の構造を示す分解斜視図である。
図2は、電子機器1000を前側から見た場合の正面図である。
図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直交座標系が規定される。x軸、y軸は互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、電子機器1000の高さ方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、
図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。ここでは、x軸の正方向を「前方」、「前側」、x軸の負方向を「後方」、「後側」、y軸の正方向を「右方」、「右側」、y軸の負方向を「左方」、「左側」、z軸の正方向を「上方」、「上側」、z軸の負方向を「下方」、「下側」ということもある。そのため、x軸は前後方向に延び、y軸は左右方向に延び、z軸は上下方向に延びるといえる。
【0013】
筐体100は、中空の箱形形状を有する。筐体100の内部には、電子機器1000の各種機能を実行するための回路(図示せず)が配置される。筐体100の前側には開口110が設けられ、開口110は、板形形状を有する前板200により覆われる。前板200の前側の面の中央部分には、アンテナモジュール300を前側から固定可能な窪みである固定部210が設けられる。アンテナモジュール300の構造については後述する。アンテナモジュール300の前側には通信用基板400が取り付けられる。通信用基板400には、無線LANとBluetooth(登録商標)による通信を実行するための回路(図示せず)が実装される。通信用基板400は、前側から前側カバー500により覆われる。
【0014】
図3は、アンテナモジュール300の構造を示す正面図である。樹脂板310は、上下方向よりも左右方向に長い形状を有する。樹脂板310は、前板200の固定部210(
図1)に前側から取付可能である。樹脂板310の前側の面における右側の端部には第1アンテナ350aが設けられる。第1アンテナ350aと通信用基板400(
図1)は、第1ケーブル360aにより接続される。具体的には、第1ケーブル360aの両端には第1ケーブル接続部362aと第1ケーブル端子364aが設けられており、第1ケーブル接続部362aが第1アンテナ350aに接続され、第1ケーブル端子364aが通信用基板400に接続される。第1ケーブル360aは、第1ケーブル接続部362aと第1ケーブル端子364aとの間において第1取付爪370aに取り付けられる。第1取付爪370aの詳細は後述する。
【0015】
樹脂板310の前側の面における左側の端部には第2アンテナ350bが設けられる。第2アンテナ350bと通信用基板400(
図1)は、第2ケーブル360bにより接続される。具体的には、第2ケーブル360bの両端には第2ケーブル接続部362bと第2ケーブル端子364bが設けられており、第2ケーブル接続部362bが第2アンテナ350bに接続され、第2ケーブル端子364bが通信用基板400に接続される。第2ケーブル360bは、第2ケーブル接続部362bと第2ケーブル端子364bとの間において第2取付爪370bに取り付けられる。第2取付爪370bの詳細は後述する。
【0016】
図4(a)-(b)は、第1アンテナ350aの構造を示す。
図4(a)は第1アンテナ350aの正面図であり、
図4(b)は第1アンテナ350aの斜視図である。第1アンテナ350aにおける第1グランド板352aは、樹脂板310の前側の面に接続される板である。第1グランド板352aから前側に向かって、第1立壁354aが立設される。第1立壁354aには第1ケーブル接続部362aが設けられる。また、第1立壁354aには第1放射板356aが接続され、第1放射板356aは、第1グランド板352aと略平行に配置される。第1グランド板352a、第1立壁354a、第1放射板356aは、例えば、1枚の金属板の打ち抜きにより製造される。第1グランド板352aには第1取付爪370aが設けられる。ここでは、第1取付爪370aの数は1つであるが、複数の第1取付爪370aが設けられてもよい。また、第1グランド板352aだけに第1取付爪370aが設けられてもよく、樹脂板310の前側の面だけに第1取付爪370aが設けられてもよく、第1グランド板352aと樹脂板310の前側の面の両方に第1取付爪370aが設けられてもよい。
【0017】
図5(a)-(b)は、樹脂板310への第1アンテナ350aの接続を示す。
図5(a)は接続前の斜視図を示し、
図5(b)は接続後の斜視図を示す。樹脂板310の前側の面における右側の端部には、第1接続部320aが配置される。第1接続部320aは、第1接続底322aと第1接続支持部324aとを有する。第1接続底322aは、樹脂板310の前側の面において第1グランド板352aに合った形状を有する平面である。第1接続支持部324aは、第1立壁354aと第1放射板356aとに合った形状で突出する。第1接続底322aに第1グランド板352aが嵌められ、第1接続支持部324aに第1立壁354aと第1放射板356aが支持されることによって、第1アンテナ350aが樹脂板310に接続される。
【0018】
図6(a)-(b)は、第2アンテナ350bの構造を示す。
図6(a)は第2アンテナ350bの正面図であり、
図6(b)は第2アンテナ350bの斜視図である。第2アンテナ350bにおける第2グランド板352bは、樹脂板310の前側の面に接続される板である。第2グランド板352bから前側に向かって、第2立壁354bが立設される。第2立壁354bには第2ケーブル接続部362bが設けられる。また、第2立壁354bには第2放射板356bが接続され、第2放射板356bは、第2グランド板352bと略平行に配置される。第2グランド板352b、第2立壁354b、第2放射板356bは、例えば、1枚の金属板の打ち抜きにより製造される。第2グランド板352bには第2取付爪370bが設けられる。ここでは、第2取付爪370bの数は1つであるが、複数の第2取付爪370bが設けられてもよい。また、
図3に示されるように、樹脂板310の前側の面にも複数の第2取付爪370bが設けられる。第2グランド板352bと樹脂板310の前側の面との1つだけに第2取付爪370bが設けられてもよい。
【0019】
樹脂板310の前側の面における左側の端部には、第2接続部320b(図示せず)が配置される。第2接続部320bは、第2接続底322bと第2接続支持部324bとを有する。第2接続底322bと第2接続支持部324bは、第1接続底322aと第1接続支持部324aと同様の形状である。第2接続底322bに第2グランド板352bが嵌められ、第2接続支持部324bに第2立壁354bと第2放射板356bが支持されることによって、第2アンテナ350bが樹脂板310に接続される。
【0020】
樹脂板310の前側の面と、第1グランド板352aと、第2グランド板352bのうちの2つ以上には、第1取付爪370aと第2取付爪370bが設けられる。第1取付爪370aと第2取付爪370bが設けられることによって、樹脂板310の前側の面と、第1グランド板352aと、第2グランド板352bの少なくとも1つに貫通孔が生じることもありえる。しかしながら、このような貫通孔は前板200に存在しない。そのため、アンテナにおいて妨害電波が生じても、筐体の内部の回路における妨害波の影響は抑制される。
【0021】
図7(a)-(f)は、第3アンテナ350cから第8アンテナ350hの構造を示す。
図7(a)は第3アンテナ350cを示し、第7(b)は第5アンテナ350eを示し、第7(c)は第6アンテナ350fを示す。第3アンテナ350cは、第3グランド板352c、第3立壁354c、第3放射板356cを含み、第5アンテナ350eは、第5グランド板352e、第5立壁354e、第5放射板356eを含み、第6アンテナ350fは、第6グランド板352f、第6立壁354f、第6放射板356fを含む。
【0022】
第3グランド板352c、第5グランド板352e、第6グランド板352fは、第1グランド板352aと同一形状であり、第3立壁354c、第5立壁354e、第6立壁354fは、第1立壁354aと同一形状である。そのため、第3アンテナ350c、第5アンテナ350e、第6アンテナ350fは、第1アンテナ350aの代わりに第1接続部320aに接続可能である。
【0023】
一方、第3放射板356c、第5放射板356e、第6放射板356f、第1放射板356aは、互いに異なった形状である。これより、第3アンテナ350c、第5アンテナ350e、第6アンテナ350f、第1アンテナ350aは、互いに異なった指向性を有する。
【0024】
図7(d)は第4アンテナ350dを示し、第7(e)は第7アンテナ350gを示し、第7(f)は第8アンテナ350hを示す。第4アンテナ350dは、第4グランド板352d、第4立壁354d、第4放射板356dを含み、第7アンテナ350gは、第7グランド板352g、第7立壁354g、第7放射板356gを含み、第8アンテナ350hは、第8グランド板352h、第8立壁354h、第8放射板356hを含む。
【0025】
第4グランド板352d、第7グランド板352g、第8グランド板352hは、第2グランド板352bと同一形状であり、第4立壁354d、第7立壁354g、第8立壁354hは、第2立壁354bと同一形状である。そのため、第4アンテナ350d、第7アンテナ350g、第8アンテナ350hは、第2アンテナ350bの代わりに第2接続部320bに接続可能である。
【0026】
一方、第4放射板356d、第7放射板356g、第8放射板356h、第2放射板356bは、互いに異なった形状である。これより、第4アンテナ350d、第7アンテナ350g、第8アンテナ350h、第2アンテナ350bは、互いに異なった指向性を有する。
【0027】
本開示の実施の形態によれば、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載して一体化したモジュールに第1取付爪と第2取付爪を設けるので、前板における貫通孔をなくすことができる。また、前板における貫通孔がなくなるので、筐体内部に与える妨害波の影響を低減できる。また、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載することによってモジュール化するので、アンテナの強度を増加できる。また、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載することによってモジュール化するので、1梱包で輸送できる。
【0028】
また、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載することによってモジュール化するので、アンテナモジュールを筐体に取り付けた後のケーブルの配線作業を不要にできる。また、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載することによってモジュール化するので、アンテナモジュール単体でアンテナの性能を評価できる。また、通信用基板をアンテナモジュールの前側に取り付けるので、アンテナと通信用基板とを接続するケーブルの長さを短くできる。
【0029】
また、第3グランド板が第1グランド板と同一形状であり、第3放射板が第1放射板と異なった形状であるので、第1アンテナとは異なった指向性を有する第3アンテナを第1アンテナの代わりに使用できる。また、第4グランド板が第2グランド板と同一形状であり、第4放射板が第2放射板と異なった形状であるので、第2アンテナとは異なった指向性を有する第4アンテナを第2アンテナの代わりに使用できる。
【0030】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様のアンテナモジュールは、筐体の前板に前側から取付可能な樹脂板と、樹脂板の前側の面に設けられる第1アンテナと第2アンテナと、第1アンテナと通信用基板とを接続する第1ケーブルと、第1ケーブルを取り付ける第1取付爪と、第2アンテナと通信用基板とを接続する第2ケーブルと、第2ケーブルを取り付ける第2取付爪とを備える。第1アンテナは、樹脂板の前側の面に接続される第1グランド板と、第1グランド板から前側に向かって立設される第1立壁と、第1立壁に接続される第1放射板とを備える。第2アンテナは、樹脂板の前側の面に接続される第2グランド板と、第2グランド板から前側に向かって立設される第2立壁と、第2立壁に接続される第2放射板とを備える。第1取付爪は、樹脂板の前側の面と、第1グランド板との少なくとも1つに設けられ、第2取付爪は、樹脂板の前側の面と、第2グランド板との少なくとも1つに設けられる。
【0031】
この態様によると、第1アンテナ、第2アンテナ、第1ケーブル、第2ケーブルを樹脂板に搭載して一体化したモジュールに第1取付爪と第2取付爪を設けるので、前板に貫通孔がなくなり、筐体内部に与える妨害波の影響を低減できる。
【0032】
樹脂板の前側の面において、第1グランド板を接続可能な第1接続部をさらに備えてもよい。第1接続部は、第1アンテナの代わりに第3アンテナも接続可能であり、第3アンテナは、第1接続部に接続される第3グランド板と、第3グランド板から前側に向かって立設される第3立壁と、第3立壁に接続される第3放射板とを備えてもよい。第3グランド板は、第1グランド板と同一形状であり、第3放射板は、第1放射板と異なった形状であってもよい。この場合、第3グランド板が第1グランド板と同一形状であり、第3放射板が第1放射板と異なった形状であるので、第1アンテナとは異なった指向性を有する第3アンテナを第1アンテナの代わりに使用できる。
【0033】
樹脂板の前側の面において、第2グランド板を接続可能な第2接続部をさらに備えてもよい。第2接続部は、第2アンテナの代わりに第4アンテナも接続可能であり、第4アンテナは、第2接続部に接続される第4グランド板と、第4グランド板から前側に向かって立設される第4立壁と、第4立壁に接続される第4放射板とを備えてもよい。第4グランド板は、第2グランド板と同一形状であり、第4放射板は、第2放射板と異なった形状であってもよい。この場合、第4グランド板が第2グランド板と同一形状であり、第4放射板が第2放射板と異なった形状であるので、第2アンテナとは異なった指向性を有する第4アンテナを第2アンテナの代わりに使用できる。
【0034】
通信用基板は、アンテナモジュールの前側に取り付けられる。また、通信用基板をアンテナモジュールの前側に取り付けるので、アンテナと通信用基板とを接続するケーブルの長さを短くできる。
【0035】
以上、本開示を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0036】
本実施の形態におけるアンテナモジュール300は、2つのアンテナ350を樹脂板310上に搭載する。しかしながらこれに限らず例えば、3つ以上のアンテナ350が樹脂板310上に搭載されてもよい。本変形例によれば、構成の自由度を向上できる。
【符号の説明】
【0037】
100 筐体、 110 開口、 200 前板、 210 固定部、 300 アンテナモジュール、 310 樹脂板、 320 接続部、 322 接続底、 324 接続支持部、 350 アンテナ、 352 グランド板、 354 立壁、 356 放射板、 360 ケーブル、 362 ケーブル接続部、 364 ケーブル端子、 370 取付爪、 400 通信用基板、 500 前側カバー、 1000 電子機器。