(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121034
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
G05G 5/03 20080401AFI20230823BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
G05G5/03 B
B60K20/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024235
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一博
(72)【発明者】
【氏名】趙 明慧
(72)【発明者】
【氏名】木村 歩実
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小川 陽也
(72)【発明者】
【氏名】山本 誠
【テーマコード(参考)】
3D040
3J070
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA22
3D040AB01
3J070AA14
3J070BA12
3J070BA51
3J070BA71
3J070CA46
3J070CC01
3J070CD01
3J070CD31
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】第1マグネットの回転径方向において小型化する。
【解決手段】シフト装置10では、ノブ18のシフト位置が変更される際に、ノブ18における操作マグネット20が、プレート12における上側の固定マグネット16に吸引されつつ回転された後に、当該固定マグネット16のノブ18回転方向側の固定マグネット16に吸引されつつ回転される。ここで、操作マグネット20と固定マグネット16とが操作マグネット20の回転軸方向において対向される。このため、シフト装置10を操作マグネット20の回転径方向において小型化できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、
前記シフト体が移動されて回転される第1マグネットと、
前記第1マグネットの回転軸方向側に配置され、前記第1マグネットとの間に吸引力が作用されて前記シフト体にシフト位置側への移動力が作用される第2マグネットと、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記第1マグネットの位置を検出して前記シフト体のシフト位置が検出される検出装置を備える請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記検出装置に検出部が複数設けられると共に、前記シフト体のシフト位置が変更されて前記第1マグネットの位置を検出する前記検出部が変更される請求項2記載のシフト装置。
【請求項4】
前記第1マグネットが設けられ、前記シフト体に連動されて回転される回転体を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載のシフト装置。
【請求項5】
前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方の間に配置され、前記第1マグネット及び前記第2マグネットの他方との間に反発力が作用される第3マグネットを備える請求項1~請求項4の何れか1項記載のシフト装置。
【請求項6】
前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方との間に反発力が作用される第4マグネットと、
前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方の中央と前記第4マグネットの中央とが対向される前に前記第1マグネットの回転を規制する規制部と、
を備える請求項1~請求項5の何れか1項記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が移動されてシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のノブシフタでは、ノブが回転されて、ノブの磁気装置が回転される。さらに、磁気装置と磁石との間に吸引力が作用されて、ノブに回転力が作用される。
【0003】
ここで、このノブシフタでは、磁気装置の回転径方向に磁石が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国特許出願公開第110439992号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、第1マグネットの回転径方向において小型化できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記シフト体が移動されて回転される第1マグネットと、前記第1マグネットの回転軸方向側に配置され、前記第1マグネットとの間に吸引力が作用されて前記シフト体にシフト位置側への移動力が作用される第2マグネットと、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記第1マグネットの位置を検出して前記シフト体のシフト位置が検出される検出装置を備える。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第2態様のシフト装置において、前記検出装置に検出部が複数設けられると共に、前記シフト体のシフト位置が変更されて前記第1マグネットの位置を検出する前記検出部が変更される。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記第1マグネットが設けられ、前記シフト体に連動されて回転される回転体を備える。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方の間に配置され、前記第1マグネット及び前記第2マグネットの他方との間に反発力が作用される第3マグネットを備える。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方との間に反発力が作用される第4マグネットと、前記第1マグネット及び前記第2マグネットの一方の中央と前記第4マグネットの中央とが対向される前に前記第1マグネットの回転を規制する規制部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体が移動されて、シフト位置が変更されると共に、第1マグネットが回転される。さらに、第1マグネットと第2マグネットとの間に吸引力が作用されて、シフト体にシフト位置側への移動力が作用される。
【0013】
ここで、第2マグネットが第1マグネットの回転軸方向側に配置される。このため、第1マグネットの回転径方向において、小型化できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、検出装置が第1マグネットの位置を検出して、シフト体のシフト位置が検出される。このため、簡単な構成で、シフト体のシフト位置を検出できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、検出装置に検出部が複数設けられており、シフト体のシフト位置が変更されて、第1マグネットの位置を検出する検出部が変更される。このため、シフト体の複数のシフト位置を検出できる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、第1マグネットが回転体に設けられており、シフト体に連動されて、回転体が回転される。このため、シフト体の構成を簡単にできる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、第1マグネット及び第2マグネットの一方の間に第3マグネットが配置されており、第1マグネット及び第2マグネットの他方と第3マグネットとの間に反発力が作用される。このため、第3マグネットによって、シフト体にシフト位置側への移動力を作用させることができる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、第1マグネット及び第2マグネットの一方と第4マグネットとの間に反発力が作用される。
【0019】
ここで、第1マグネット及び第2マグネットの一方の中央と第4マグネットの中央とが対向される前に、規制部が第1マグネットの回転を規制する。このため、第1マグネット及び第2マグネットの一方の中央と第4マグネットの中央とが対向されて第1マグネット及び第2マグネットの一方の第4マグネットとの間の反発力による回転抵抗力が小さくなることを抑制でき、シフト体に作用される移動抵抗力が小さくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るシフト装置を示す分解斜視図である。
【
図2】(A)は、本発明の第1実施形態に係るシフト装置における固定マグネットの配置を示す平面図であり、(B)は、当該シフト装置における操作マグネットの配置を示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るシフト装置におけるノブの回転ストローク(横軸)とノブの回転抵抗力(縦軸)との関係を示すグラフである。
【
図4】(A)は、本発明の第1実施形態の第1変形例に係るシフト装置における固定マグネットの配置を示す平面図であり、(B)は、当該シフト装置における操作マグネットの配置を示す平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の第2変形例に係るシフト装置における固定マグネット及び操作マグネットを示す側面図である。
【
図6】(A)は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係るシフト装置における固定マグネットの配置を示す平面図であり、(B)は、当該シフト装置における操作マグネットの配置を示す平面図であり、(C)は、当該シフト装置におけるホールICの配置を示す平面図であり、(D)は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係るシフト装置におけるホールICの配置を示す平面図である。
【
図7】(A)~(D)は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係るシフト装置におけるホールICのON/OFF状況を示す下面図であり、(A)は、ノブが第1シフト位置に配置される際を示し、(B)は、ノブが第2シフト位置に配置される際を示し、(C)は、ノブが第3シフト位置に配置される際を示し、(D)は、ノブが第4シフト位置に配置される際を示している。
【
図8】(A)~(D)は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係るシフト装置におけるホールICのON/OFF状況を示す下面図であり、(A)は、ノブが第1シフト位置に配置される際を示し、(B)は、ノブが第2シフト位置に配置される際を示し、(C)は、ノブが第3シフト位置に配置される際を示し、(D)は、ノブが第4シフト位置に配置される際を示している。
【
図9】(A)は、本発明の第1実施形態の第3変形例に係るシフト装置におけるノブのシフト位置の切り替わりとホールICのON/OFFの切り替わりとの関係を示す表であり、(B)は、本発明の第1実施形態の第4変形例に係るシフト装置におけるノブのシフト位置の切り替わりとホールICのON/OFFの切り替わりとの関係を示す表である。
【
図10】(A)は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係るシフト装置における固定マグネットの配置を示す平面図であり、(B)は、当該シフト装置における操作マグネットの配置を示す平面図であり、(C)は、当該シフト装置におけるホールICの配置を示す平面図であり、(D)は、本発明の第1実施形態の第6変形例に係るシフト装置におけるホールICの配置を示す平面図である。
【
図11】(A)~(C)は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係るシフト装置におけるホールICのON/OFF状況を示す下面図であり、(A)は、ノブが第1シフト位置に配置される際を示し、(B)は、ノブが第2シフト位置に配置される際を示し、(C)は、ノブが第3シフト位置に配置される際を示している。
【
図12】(A)~(C)は、本発明の第1実施形態の第6変形例に係るシフト装置におけるホールICのON/OFF状況を示す下面図であり、(A)は、ノブが第1シフト位置に配置される際を示し、(B)は、ノブが第2シフト位置に配置される際を示し、(C)は、ノブが第3シフト位置に配置される際を示している。
【
図13】(A)は、本発明の第1実施形態の第5変形例に係るシフト装置におけるノブのシフト位置とホールICのON/OFFとの関係を示す表であり、(B)は、当該シフト装置におけるノブのシフト位置の切り替わりとホールICのON/OFFの切り替わりとの関係を示す表であり、(C)は、本発明の第1実施形態の第6変形例に係るシフト装置におけるノブのシフト位置の切り替わりとホールICのON/OFFの切り替わりとの関係を示す表である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係るシフト装置を示す分解斜視図である。
【
図15】(A)は、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置におけるノブ、第1ギヤ及び第2ギアを示す平面図であり、(B)は、当該シフト装置における第1ホールICの配置を示す平面図であり、(C)は、当該シフト装置における第2ホールICの配置を示す平面図である。
【
図16】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置においてノブが第1シフト位置に配置される際を示す平面図であり、(A)は、第1ホールICのON/OFF状況を示す平面図であり、(B)は、第2ホールICのON/OFF状況を示す平面図である。
【
図17】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置においてノブが第2シフト位置に配置される際を示す平面図であり、(A)は、第1ホールICのON/OFF状況を示す平面図であり、(B)は、第2ホールICのON/OFF状況を示す平面図である。
【
図18】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置においてノブが第3シフト位置に配置される際を示す平面図であり、(A)は、第1ホールICのON/OFF状況を示す平面図であり、(B)は、第2ホールICのON/OFF状況を示す平面図である。
【
図19】(A)及び(B)は、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置においてノブが第4シフト位置に配置される際を示す平面図であり、(A)は、第1ホールICのON/OFF状況を示す平面図であり、(B)は、第2ホールICのON/OFF状況を示す平面図である。
【
図20】本発明の第3実施形態に係るシフト装置における固定マグネット、操作マグネット及び復帰マグネットを示す斜視図である。
【
図21】(A)及び(B)は、本発明の第3実施形態に係るシフト装置においてノブが第3シフト位置に配置される際を示しており、(A)は、固定マグネット、操作マグネット及び復帰マグネットを示す下面図であり、(B)は、ノブの回転ストローク(横軸)とノブの回転ストローク(横軸)との関係を示すグラフである。
【
図22】(A)及び(B)は、本発明の第3実施形態に係るシフト装置においてノブが第2シフト位置に配置される際を示しており、(A)は、固定マグネット、操作マグネット及び復帰マグネットを示す下面図であり、(B)は、ノブの回転ストローク(横軸)とノブの回転ストローク(横軸)との関係を示すグラフである。
【
図23】(A)及び(B)は、本発明の第3実施形態に係るシフト装置においてノブが第1シフト位置に配置される際を示しており、(A)は、固定マグネット、操作マグネット及び復帰マグネットを示す下面図であり、(B)は、ノブの回転ストローク(横軸)とノブの回転ストローク(横軸)との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係るシフト装置10が分解斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0022】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両に設置されており、シフト装置10は、ステーショナリタイプにされている。
【0023】
図1に示す如く、シフト装置10には、固定体としての略直方体形箱状のプレート12が設けられており、プレート12は、車体側に固定されている。プレート12の上側には、略矩形板状の上プレート12Aが設けられており、上プレート12Aには、円筒状の貫通筒12Bが一体形成されている。貫通筒12Bは、軸方向が上下方向にされて、上プレート12Aを貫通しており、貫通筒12B内は、プレート12内を上側に開放している。プレート12の下側には、略直方体形箱状の下プレート12Cが設けられており、下プレート12Cは、内部が上側に開放されると共に、上端に上プレート12Aが固定されている。下プレート12Cの下壁には、略円筒状の支持軸12Dが一体形成されており、支持軸12Dは、上方に突出されて、貫通筒12B内に同軸上に貫通されている。
【0024】
貫通筒12Bには、下側から、節度機構14を構成する第2マグネットとしての矩形柱状の固定マグネット16(
図2(A)参照)が複数(本実施形態では16個)固定されており、複数の固定マグネット16は、貫通筒12Bの周方向に等間隔に配置されている。固定マグネット16の軸方向は、上下方向にされており、固定マグネット16の下端は、同磁極(N極及びS極の一方)にされている。
【0025】
プレート12には、シフト体(操作体)としての略円筒状のノブ18が設けられている。ノブ18の上側には、略円筒状の操作筒18Aが設けられると共に、ノブ18の下側には、略円筒状の回転筒18Bが設けられており、操作筒18Aは、回転筒18Bの上部の径方向外側に同軸上に固定されている。回転筒18B内には、プレート12の支持軸12Dが同軸上に嵌合されており、ノブ18は、支持軸12Dを中心として回転(移動)可能にされている。回転筒18Bは、プレート12の貫通筒12B内に同軸上に貫通されており、操作筒18Aは、プレート12の上側に配置されて、車室内に配置されている。ノブ18は、操作筒18Aにおいて、車両の乗員(特に運転者)によって回転操作可能にされており、ノブ18が回転されて、ノブ18のシフト位置が複数のシフト位置(本実施形態では、例えば「P」位置(パーク位置)、「R」位置(リバース位置)、「N」位置(ニュートラル位置)及び「D」位置(ドライブ位置)の4個のシフト位置)間で変更される。また、ノブ18のシフト位置が変更されるためのノブ18の回転角度(以下「シフト操作角度」という)は、プレート12(貫通筒12B)の固定マグネット16の配置間隔角度と同一にされている。
【0026】
回転筒18Bの下端部には、円環状の拡径部18Cが同軸上に形成されており、拡径部18Cは、ノブ18の径方向外側に突出されている。拡径部18Cには、上側から、節度機構14を構成する第1マグネットとしての矩形柱状の操作マグネット20(
図2(B)参照)が複数(本実施形態では4個)固定されており、複数の操作マグネット20は、拡径部18Cの周方向に等間隔に配置されている。操作マグネット20の軸方向は、上下方向にされており、操作マグネット20の上端は、同磁極(N極及びS極の他方)にされている。ノブ18が回転される際には、操作マグネット20の上端が上方(ノブ18の回転軸方向)においてプレート12(貫通筒12B)の固定マグネット16の下端に順次対向される。操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端とは、逆磁極にされており、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間には、磁力による吸引力が作用される。ノブ18が各シフト位置に配置される際には、操作マグネット20の上端が上方において固定マグネット16の下端に対向される。
【0027】
プレート12(下プレート12C)の下側には、検出装置としての略矩形板状の検出基板22が設けられており、検出基板22の下側には、略矩形板状のカバー24が設けられている。カバー24は、下プレート12Cに固定されており、カバー24と下プレート12Cとの間には、検出基板22が位置決めかつ挟持されて固定されている。検出基板22の上面には、検出部としてのスイッチタイプのホールIC26が複数(本実施形態では4個)固定されており、複数のホールIC26は、操作マグネット20の回転軌跡の下方に配置されている。ノブ18が各シフト位置に配置される際には、操作マグネット20の下端が下方においてシフト位置毎に異なる1個のホールIC26に対向される。
【0028】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0029】
以上の構成のシフト装置10では、ノブ18が回転されて、ノブ18のシフト位置が変更される。
【0030】
ノブ18が各シフト位置に配置される際には、節度機構14において、ノブ18の操作マグネット20上端とプレート12の固定マグネット16下端とが上下方向において対向されて、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間に上下方向における吸引力が作用されることで、ノブ18が各シフト位置に保持される。
【0031】
さらに、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、操作マグネット20下端の磁力により当該操作マグネット20の下方における検出基板22の1個のホールIC26がONにされて(当該操作マグネット20下端の磁力を検出して)、当該ホールIC26以外のホールIC26がOFFにされる(操作マグネット20下端の磁力を検出しない)。これにより、ノブ18のシフト位置が変更される毎にONにされるホールIC26(OFFにされるホールIC26)が変更されて、ノブ18のシフト位置が検出される。
【0032】
ノブ18のシフト位置が変更される際(
図3参照)には、操作マグネット20の上端が上側の固定マグネット16の下端に吸引されつつ回転されて、ノブ18に回転抵抗力が作用された後に、操作マグネット20の上端が当該固定マグネット16のノブ18回転方向側の固定マグネット16の下端に吸引されつつ回転されて、ノブ18に回転補助力が作用される。また、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間の吸引力のノブ18回転周方向成分は、操作マグネット20上端のノブ18回転方向とは反対側端が固定マグネット16下端のノブ18回転方向側端を通過する際、及び、操作マグネット20上端のノブ18回転方向側端が固定マグネット16下端のノブ18回転方向とは反対側端を通過する際に、最大になる。このため、ノブ18のシフト位置が変更される際には、ノブ18に作用される回転抵抗力が徐々に増加された後に徐々に減少され、そして、ノブ18に作用される回転補助力が徐々に増加された後に徐々に減少される。これにより、ノブ18にシフト位置側への磁力(付勢力)が作用されて、ノブ18のシフト位置の変更操作に節度感が作用される。
【0033】
このように、節度機構14では、操作マグネット20と固定マグネット16との間の磁力により、ノブ18のシフト位置の変更操作に節度感が作用される。このため、操作マグネット20と固定マグネット16とが接触されないため、節度機構14による音の発生を抑制でき、かつ、節度機構14(操作マグネット20及び固定マグネット16)の摩耗を抑制できると共に、節度機構14(操作マグネット20及び固定マグネット16)が当該摩耗により損傷してノブ18が磁力によりシフト位置に復帰されないことを抑制できる。
【0034】
ここで、操作マグネット20と固定マグネット16とが上下方向(ノブ18及び操作マグネット20の回転軸方向)において対向される。このため、節度機構14を操作マグネット20の回転径方向において小型化できて、シフト装置10をノブ18の回転径方向において小型化できる。
【0035】
また、検出基板22が操作マグネット20の位置を検出して、ノブ18のシフト位置が検出される。このため、節度機構14の操作マグネット20を使用してノブ18のシフト位置を検出でき、簡単な構成でノブ18のシフト位置を検出できると共に、シフト装置10を小型化でき、かつ、シフト装置10の部品コストを低減できると共に、シフト装置10の組付工数を低減できる。
【0036】
さらに、ノブ18のシフト位置が変更されて、操作マグネット20下端の磁力を検出する検出基板22のホールIC26(ONにされるホールIC26)が変更される。このため、ノブ18の複数(本実施形態では4個)のシフト位置を検出できる。
【0037】
しかも、ホールIC26が、ONとOFFとを切替えられるスイッチタイプのものにされている。このため、ホールIC26が磁力の3次元成分を検出するもの(所謂3DホールIC)にされる場合とは異なり、ホールIC26の構成を簡単にできて、コストを低減できる。
【0038】
(第1変形例)
図4(A)には、本発明の第1実施形態の第1変形例に係るシフト装置30における固定マグネット16の配置が平面図にて示されており、
図4(B)には、シフト装置30における操作マグネット20の配置が平面図にて示されている。
【0039】
図4(A)に示す如く、本第1変形例に係るシフト装置30では、プレート12の貫通筒12Bにおいて、固定マグネット16と固定マグネット16との各間の中央に第3マグネットとしての反発マグネット32が固定されており、反発マグネット32の下端は、固定マグネット16の下端と逆磁極にされている。反発マグネット32の下端は、操作マグネット20の上端と同磁極にされており、反発マグネット32の下端と操作マグネット20の上端との間には、磁力による反発力が作用される。
【0040】
図4(B)に示す如く、ノブ18の拡径部18Cには、操作マグネット20が上記第1実施形態と同様に固定されている。
【0041】
ここで、ノブ18のシフト位置が変更される際には、操作マグネット20の上端が上側の固定マグネット16の下端に吸引されかつ当該固定マグネット16のノブ18回転方向側の反発マグネット32の下端と反発されつつ回転されて、ノブ18に回転抵抗力が作用される。その後、操作マグネット20の上端が当該反発マグネット32の下端と反発されかつ当該反発マグネット32のノブ18回転方向側の固定マグネット16の下端に吸引されつつ回転されて、ノブ18に回転補助力が作用される。また、操作マグネット20の上端と反発マグネット32の下端との間の反発力のノブ18回転周方向成分は、操作マグネット20上端のノブ18回転方向側端が反発マグネット32下端のノブ18回転方向とは反対側端を通過する際、及び、操作マグネット20上端のノブ18回転方向とは反対側端が反発マグネット32下端のノブ18回転方向側端を通過する際に、最大になる。
【0042】
このため、ノブ18に作用される回転抵抗力及び回転補助力を大きくでき、操作マグネット20の数を少なくできる(例えば2個にできる)。
【0043】
(第2変形例)
図5には、本発明の第1実施形態の第2変形例に係るシフト装置40における固定マグネット16及び操作マグネット20が側面図にて示されている。
【0044】
図5に示す如く、本第2変形例に係るシフト装置40では、固定マグネット16が断面U字形の柱状又は板状にされており、固定マグネット16の一端(ノブ18回転周方向一側の下端)と固定マグネット16の他端(ノブ18回転周方向他側の下端)とは、逆磁極にされている。さらに、操作マグネット20が断面U字形の柱状又は板状にされており、操作マグネット20の一端(ノブ18回転周方向一側の上端)と操作マグネット20の他端(ノブ18回転周方向他側の上端)とは、逆磁極にされている。固定マグネット16の一端と操作マグネット20の一端とは、逆磁極にされており、固定マグネット16の他端と操作マグネット20の他端とは、逆磁極にされている。
【0045】
ここで、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、操作マグネット20の一端と固定マグネット16の一端とが上下方向において対向されると共に、操作マグネット20の他端と固定マグネット16の他端とが上下方向において対向されて、操作マグネット20の一端と固定マグネット16の一端との間及び操作マグネット20の他端と固定マグネット16の他端との間に上下方向における吸引力が作用されることで、ノブ18が各シフト位置に保持される。
【0046】
ノブ18のシフト位置が変更される際には、操作マグネット20の一端(ノブ18回転方向側端)及び他端(ノブ18回転方向とは反対側端)がそれぞれ上側の固定マグネット16の一端及び他端に吸引され、かつ、操作マグネット20の他端が当該上側の固定マグネット16の一端と反発されると共に、操作マグネット20の一端が次(当該上側の固定マグネット16のノブ18回転方向側)の固定マグネット16の他端と反発されて、ノブ18に回転抵抗力が作用される。その後、操作マグネット20の他端が当該上側の固定マグネット16の一端と反発されると共に、操作マグネット20の一端が当該次の固定マグネット16の他端と反発され、かつ、操作マグネット20の一端及び他端がそれぞれ当該次の固定マグネット16の一端及び他端に吸引されて、ノブ18に回転補助力が作用される。
【0047】
このため、ノブ18に作用される回転抵抗力及び回転補助力を大きくでき、操作マグネット20及び固定マグネット16を小型化できる。
【0048】
しかも、上記第1実施形態及び第1変形例の如く、操作マグネット20と固定マグネット16との間(操作マグネット20の上端と固定マグネット16の上端との間及び操作マグネット20の下端と固定マグネット16の下端との間)に反発力(磁力)が作用して、ノブ18の回転抵抗力及び回転補助力が減少することを抑制できる。さらに、上記第1変形例の如く、操作マグネット20と反発マグネット32との間(操作マグネット20の上端と反発マグネット32の上端との間及び操作マグネット20の下端と反発マグネット32の下端との間)に吸引力(磁力)が作用して、ノブ18の回転抵抗力及び回転補助力が減少することを抑制できる。このため、操作マグネット20及び固定マグネット16の磁力を有効に使用でき、ノブ18に作用される回転抵抗力及び回転補助力を大きくできる。
【0049】
なお、本第2変形例において、操作マグネット20及び固定マグネット16の一方が上記第1実施形態と同様の柱状にされてもよい。
【0050】
また、上記第1実施形態(第1変形例及び第2変形例を含む)では、固定マグネット16の数及び反発マグネット32の数が操作マグネット20の数に比し多くされる。しかしながら、操作マグネット20の数が固定マグネット16の数及び反発マグネット32の数に比し多くされてもよく、例えば、固定マグネット16及び反発マグネット32がそれぞれ第1マグネット及び第3マグネットとしてノブ18に配置される共に、操作マグネット20が第2マグネットとしてプレート12に配置されてもよい。
【0051】
(第3変形例)
図6(A)には、本発明の第1実施形態の第3変形例に係るシフト装置50における固定マグネット16の配置が平面図にて示されており、
図6(B)には、シフト装置50における操作マグネット20の配置が平面図にて示されている。さらに、
図6(C)には、シフト装置50におけるホールIC26の配置が平面図にて示されている。
【0052】
図6の(A)~(C)に示す如く、本第3変形例に係るシフト装置50では、ノブ18の回転周方向においてシフト操作角度毎に配置位置が16個存在するとし、連続する4個(シフト位置の数)の配置位置の群(以下「配置位置群」という)が4個存在するとする。
【0053】
図6(A)に示す如く、プレート12(貫通筒12B)では、固定マグネット16が、第1配置位置群における1番目の配置位置、第1配置位置群のノブ18回転周方向一側の第2配置位置群における2番目の配置位置、第2配置位置群のノブ18回転周方向一側の第3配置位置群における3番目の配置位置、第3配置位置群のノブ18回転周方向一側の第4配置位置群における4番目の配置位置に配置されている。
【0054】
図6(B)に示す如く、ノブ18(拡径部18C)では、操作マグネット20が第1配置位置群~第4配置位置群における1番目~3番目の配置位置に配置されている。このため、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、3個の固定マグネット16と3個の操作マグネット20とがそれぞれ上下方向において対向される。
【0055】
図6(C)に示す如く、検出基板22では、ホールIC26が7個の連続する配置位置に配置されている。なお、7個のホールIC26にノブ18回転周方向一側に向かう順番で(1)~(7)の符号を付する。
【0056】
ノブ18が第1シフト位置~第4シフト位置に配置される際には、それぞれ
図7の(A)~(D)に示す如く、(1)~(7)のホールIC26がONにされ(上方の操作マグネット20下端の磁力を検出し)又はOFFにされる(操作マグネット20下端の磁力を検出しない)。このため、ノブ18の4個のシフト位置毎に(1)~(7)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なることで、ノブ18の4個のシフト位置を検出できる。
【0057】
さらに、
図9(A)に示す如く、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第2シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第3シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際には、それぞれONとOFFとが切り替わるホールIC26が3個以上にされる。このため、ノブ18の4個のシフト位置の検出を二重系にでき、ノブ18の4個のシフト位置の検出精度を向上できる。
【0058】
なお、本第3変形例において、
図6(C)に示す如く、ホールIC26が8個の連続する配置位置に配置されてもよい。この場合でも、
図7の(A)~(D)に示す如く、ノブ18の4個のシフト位置毎に(1)~(8)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なると共に、
図9(A)に示す如く、ノブ18のシフト位置の各切り替わりによりONとOFFとが切り替わるホールIC26がそれぞれ3個以上(4個)にされる。
【0059】
(第4変形例)
図6(D)には、本発明の第1実施形態の第4変形例に係るシフト装置60におけるホールIC26の配置が平面図にて示されている。
【0060】
本第4変形例に係るシフト装置60は、上記第3変形例と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0061】
図6(D)に示す如く、本第4変形例に係るシフト装置60では、検出基板22において、ホールIC26が6個の連続する配置位置間中央に配置されている。なお、6個のホールIC26にノブ18回転周方向一側に向かう順番で(1)~(6)の符号を付する。ホールIC26は、上方にシフト操作角度で隣設される操作マグネット20の下端間中央が配置されるとONにされると共に、上方にシフト操作角度で隣設される操作マグネット20の下端間中央が配置されないとOFFにされる。
【0062】
ノブ18が第1シフト位置~第4シフト位置に配置される際には、それぞれ
図8の(A)~(D)に示す如く、(1)~(6)のホールIC26がONにされ又はOFFにされる。このため、ノブ18の4個のシフト位置毎に(1)~(6)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なることで、ノブ18の4個のシフト位置を検出できる。
【0063】
さらに、
図9(B)に示す如く、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第2シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第3シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際には、それぞれONとOFFとが切り替わるホールIC26が3個以上(4個)にされる。このため、ノブ18の4個のシフト位置の検出を二重系にでき、ノブ18の4個のシフト位置の検出精度を向上できる。
【0064】
なお、本第4変形例において、
図6(D)に示す如く、ホールIC26が7個の連続する配置位置間中央に配置されてもよい。この場合でも、
図8の(A)~(D)に示す如く、ノブ18の4個のシフト位置毎に(1)~(7)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なると共に、
図9(B)に示す如く、ノブ18のシフト位置の各切り替わりによりONとOFFとが切り替わるホールIC26がそれぞれ3個以上にされる。
【0065】
(第5変形例)
図10(A)には、本発明の第1実施形態の第5変形例に係るシフト装置70における固定マグネット16の配置が平面図にて示されており、
図10(B)には、シフト装置70における操作マグネット20の配置が平面図にて示されている。さらに、
図10(C)には、シフト装置70におけるホールIC26の配置が平面図にて示されている。
【0066】
本第5変形例に係るシフト装置70では、ノブ18が回転されて、ノブ18のシフト位置が例えば「R」位置、「N」位置及び「D」位置の3個のシフト位置間で変更される。
【0067】
図10の(A)~(C)に示す如く、ノブ18の回転周方向においてシフト操作角度毎に配置位置が18個存在するとし、連続する3個(シフト位置の数)の配置位置の群(配置位置群)が6個存在するとする。
【0068】
図10(A)に示す如く、プレート12(貫通筒12B)では、固定マグネット16が、第1配置位置群における1番目の配置位置、第1配置位置群のノブ18回転周方向一側の第2配置位置群における2番目の配置位置、第2配置位置群のノブ18回転周方向一側の第3配置位置群における3番目の配置位置に配置されている。
【0069】
図10(B)に示す如く、ノブ18(拡径部18C)では、操作マグネット20が第1配置位置群~第6配置位置群における1番目~2番目の配置位置に配置されている。このため、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、2個の固定マグネット16と2個の操作マグネット20とがそれぞれ上下方向において対向される。
【0070】
図10(C)に示す如く、検出基板22では、ホールIC26が5個の連続する配置位置に配置されている。なお、5個のホールIC26にノブ18回転周方向一側に向かう順番で(1)~(5)の符号を付する。
【0071】
ノブ18が第1シフト位置~第3シフト位置に配置される際には、それぞれ
図11の(A)~(C)及び
図13(A)に示す如く、(1)~(5)のホールIC26がONにされ(上方の操作マグネット20下端の磁力を検出し)又はOFFにされる(操作マグネット20下端の磁力を検出しない)。このため、ノブ18の3個のシフト位置毎に(1)~(5)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なることで、ノブ18の3個のシフト位置を検出できる。
【0072】
さらに、
図13(B)に示す如く、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第2シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際には、それぞれONとOFFとが切り替わるホールIC26が3個以上にされる。このため、ノブ18の3個のシフト位置の検出を二重系にでき、ノブ18の3個のシフト位置の検出精度を向上できる。
【0073】
なお、本第5変形例において、
図10(C)に示す如く、ホールIC26が6個の連続する配置位置に配置されてもよい。この場合でも、
図11の(A)~(C)に示す如く、ノブ18の3個のシフト位置毎に(1)~(6)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なると共に、
図13(B)に示す如く、ノブ18のシフト位置の各切り替わりによりONとOFFとが切り替わるホールIC26がそれぞれ3個以上(4個)にされる。
【0074】
(第6変形例)
図10(D)には、本発明の第1実施形態の第6変形例に係るシフト装置80におけるホールIC26の配置が平面図にて示されている。
【0075】
本第4変形例に係るシフト装置80は、上記第5変形例と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0076】
図10(D)に示す如く、本第4変形例に係るシフト装置80では、検出基板22において、ホールIC26が5個の連続する配置位置間中央に配置されている。なお、5個のホールIC26にノブ18回転周方向一側に向かう順番で(1)~(5)の符号を付する。ホールIC26は、上方にシフト操作角度で隣設される操作マグネット20の下端間中央が配置されるとONにされると共に、上方にシフト操作角度で隣設される操作マグネット20の下端間中央が配置されないとOFFにされる。
【0077】
ノブ18が第1シフト位置~第3フト位置に配置される際には、それぞれ
図12の(A)~(C)に示す如く、(1)~(5)のホールIC26がONにされ又はOFFにされる。このため、ノブ18の3個のシフト位置毎に(1)~(5)のホールIC26のONとOFFとの組合わせが異なることで、ノブ18の3個のシフト位置を検出できる。
【0078】
さらに、
図13(C)に示す如く、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第2シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際には、それぞれONとOFFとが切り替わるホールIC26が3個以上にされる。このため、ノブ18の3個のシフト位置の検出を二重系にでき、ノブ18の3個のシフト位置の検出精度を向上できる。
【0079】
[第2実施形態]
図14には、本発明の第2実施形態に係るシフト装置90が分解斜視図にて示されている。
【0080】
本実施形態に係るシフト装置90は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0081】
図14に示す如く、本実施形態に係るシフト装置90では、ノブ18(回転筒18B)の拡径部18Cに回転ギアが形成されている。
【0082】
プレート12(下プレート12C)内には、節度機構14を構成する回転体としての第1ギア92A及び第2ギア92Bが支持されており、第1ギア92A及び第2ギア92Bは、同一構成にされると共に、上下方向に平行な中心軸線周りに回転可能にされている。第1ギア92A及び第2ギア92Bは、ノブ18の拡径部18C(回転ギア)に噛合されており、ノブ18が回転されて、第1ギア92A及び第2ギア92Bが回転される。また、ノブ18のシフト位置が変更される毎に、第1ギア92A及び第2ギア92Bがシフト回転角度(本実施形態では90°)回転される。
【0083】
第1ギア92Aには、上側から、操作マグネット20(以下「第1操作マグネット20A」という)が複数(本実施形態では3個)固定されており、3個の第1操作マグネット20Aは、第1ギア92Aの回転周方向において、シフト回転角度の間隔で配置されている。第2ギア92Bには、上側から、操作マグネット20(以下「第2操作マグネット20B」という)が複数(本実施形態では3個)固定されており、3個の第2操作マグネット20Bは、第2ギア92Bの回転周方向において、シフト回転角度の間隔で配置されている。
【0084】
上プレート12Aには、第1ギア92Aの上側において、固定マグネット16(以下「第1固定マグネット16A」という)が複数(本実施形態では4個)固定されており、4個の第1固定マグネット16Aは、第1操作マグネット20Aの回転軌跡の上方に配置されると共に、第1ギア92Aの回転周方向においてシフト回転角度の間隔で配置されている。上プレート12Aには、第2ギア92Bの上側において、固定マグネット16(以下「第2固定マグネット16B」という)が複数(本実施形態では4個)固定されており、4個の第2固定マグネット16Bは、第2操作マグネット20Bの回転軌跡の上方に配置されると共に、第2ギア92Bの回転周方向においてシフト回転角度の間隔で配置されている。
【0085】
ノブ18が各シフト位置に配置される際には、第1操作マグネット20Aの上端と第1固定マグネット16Aの下端とが上下方向(第1ギア92Aの回転軸方向)において対向されると共に、第2操作マグネット20Bの上端と第2固定マグネット16Bの下端とが上下方向(第2ギア92Bの回転軸方向)において対向される。
【0086】
検出基板22の上面には、第1ギア92Aの下側において、ホールIC26(以下「第1ホールIC26A」という)が複数(本実施形態では4個)固定されており、複数の第1ホールIC26Aは、第1操作マグネット20Aの回転軌跡の下方に配置されると共に、第1ギア92Aの回転周方向に等間隔に配置されている。検出基板22の上面には、第2ギア92Bの下側において、ホールIC26(以下「第2ホールIC26B」という)が複数(本実施形態では4個)固定されており、複数の第2ホールIC26Bは、第2操作マグネット20Bの回転軌跡の下方に配置されると共に、第2ギア92Bの回転周方向に等間隔に配置されている。
【0087】
ノブ18が各シフト位置に配置される際には、第1操作マグネット20Aの下端が下方においてシフト位置毎に異なる1個の第1ホールIC26A以外の第1ホールIC26Aに対向されると共に、第2操作マグネット20Bの下端が下方においてシフト位置毎に異なる1個の第2ホールIC26B以外の第2ホールIC26Bに対向される。
【0088】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0089】
以上の構成のシフト装置90では、ノブ18が回転されて、ノブ18のシフト位置が変更されると共に、第1ギア92A及び第2ギア92Bが回転される。
【0090】
ノブ18が各シフト位置に配置される際には、節度機構14において、第1ギア92Aの第1操作マグネット20A上端及び第2ギア92Bの第2操作マグネット20B上端とプレート12の第1固定マグネット16A下端及び第2固定マグネット16B下端とがそれぞれ上下方向において対向されて、第1操作マグネット20Aの上端と第1固定マグネット16Aの下端との間及び第2操作マグネット20Bの上端と第2固定マグネット16Bの下端との間に上下方向における吸引力が作用されることで、第1ギア92A及び第2ギア92Bの回転位置が保持されて、ノブ18が各シフト位置に保持される。
【0091】
さらに、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、第1操作マグネット20A下端の磁力により第1操作マグネット20Aの下方における検出基板22の第1ホールIC26AがONにされて(第1操作マグネット20A下端の磁力を検出して)、当該第1ホールIC26A以外の1個の第1ホールIC26AがOFFにされる(第1操作マグネット20A下端の磁力を検出しない)。しかも、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、第2操作マグネット20B下端の磁力により第2操作マグネット20Bの下方における検出基板22の第2ホールIC26BがONにされて(第2操作マグネット20B下端の磁力を検出して)、当該第2ホールIC26B以外の1個の第2ホールIC26BがOFFにされる(第2操作マグネット20B下端の磁力を検出しない)。これにより、ノブ18のシフト位置が変更される毎にONにされる第1ホールIC26A(OFFにされる第1ホールIC26A)及びONにされる第2ホールIC26B(OFFにされる第2ホールIC26B)が変更されて、ノブ18のシフト位置が検出される。
【0092】
ノブ18のシフト位置が変更される際には、第1操作マグネット20Aの上端が上側の第1固定マグネット16Aの下端に吸引されつつ第1ギア92Aが回転されると共に、第2操作マグネット20Bの上端が上側の第2固定マグネット16Bの下端に吸引されつつ第2ギア92Bが回転されて、ノブ18に回転抵抗力が作用される。その後、第1操作マグネット20Aの上端が当該第1固定マグネット16Aの第1ギア92A回転方向側の第1固定マグネット16Aの下端に吸引されつつ第1ギア92Aが回転されると共に、第2操作マグネット20Bの上端が当該第2固定マグネット16Bの第2ギア92B回転方向側の第2固定マグネット16Bの下端に吸引されつつ第2ギア92Bが回転されて、ノブ18に回転補助力が作用される。このため、ノブ18にシフト位置側への磁力(付勢力)が作用されて、ノブ18のシフト位置の変更操作に節度感が作用される。
【0093】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0094】
特に、第1操作マグネット20Aと第1固定マグネット16Aとが上下方向(第1ギア92A及び第1操作マグネット20Aの回転軸方向)において対向されると共に、第2操作マグネット20Bと第2固定マグネット16Bとが上下方向(第2ギア92B及び第2操作マグネット20Bの回転軸方向)において対向される。このため、節度機構14を第1操作マグネット20Aの回転径方向及び第2操作マグネット20Bの回転径方向において小型化できて、シフト装置10を第1操作マグネット20Aの回転径方向及び第2操作マグネット20Bの回転径方向において小型化できる。
【0095】
さらに、ノブ18に第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bが設けられていない。このため、ノブ18の構成を簡単にできると共に、ノブ18を小型化できる。しかも、第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bが第1ギア92A及び第2ギア92Bに設けられることで、第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bの設置位置の自由度を高くできる。
【0096】
なお、本実施形態において、上記第1変形例の反発マグネット32を適用してもよく、第1固定マグネット16A間に反発マグネット32が設けられてもよいと共に、第2固定マグネット16B間に反発マグネット32が設けられてもよい。
【0097】
さらに、本実施形態において、上記第2変形例を適用してもよく、第1操作マグネット20A及び第1固定マグネット16Aの少なくとも一方を断面U字形にしてもよいと共に、第2操作マグネット20B及び第2固定マグネット16Bの少なくとも一方を断面U字形にしてもよい。
【0098】
また、上記第2実施形態では、第1固定マグネット16Aの数が第1操作マグネット20Aの数に比し多くされると共に、第2固定マグネット16Bの数が第2操作マグネット20Bの数に比し多くされる。しかしながら、第1操作マグネット20Aの数が第1固定マグネット16Aの数に比し多くされてもよく、例えば、第1固定マグネット16Aが第1マグネットとして第1ギア92Aに配置される共に、第1操作マグネット20Aが第2マグネットとしてプレート12に配置されてもよい。しかも、第2操作マグネット20Bの数が第2固定マグネット16Bの数に比し多くされてもよく、例えば、第2固定マグネット16Bが第1マグネットとして第2ギア92Bに配置される共に、第2操作マグネット20Bが第2マグネットとしてプレート12に配置されてもよい。
【0099】
(第7変形例)
図15(A)には、本発明の第2実施形態の第7変形例に係るシフト装置100におけるノブ18、第1ギア92A及び第2ギア92Bが平面図にて示されている。さらに、
図15(B)には、シフト装置100における第1ホールIC26Aの配置が平面図にて示されており、
図15(C)には、シフト装置100における第2ホールIC26Bの配置が平面図にて示されている。
【0100】
図15の(A)~(C)に示す如く、本第7変形例に係るシフト装置100では、第1ギア92A及び第2ギア92Bの回転周方向においてシフト回転角度毎に配置位置が4個(シフト位置の数)存在するとする。
【0101】
図15(A)に示す如く、第1ギア92Aでは、第1操作マグネット20Aが1番目及び3番目の配置位置に配置されており、第2ギア92Bでは、第2操作マグネット20Bが1番目及び4番目の配置位置に配置されている。このため、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、2個の第1固定マグネット16Aと2個の第1操作マグネット20Aとがそれぞれ上下方向において対向されると共に、2個の第2固定マグネット16Bと2個の第2操作マグネット20Bとがそれぞれ上下方向において対向される。
【0102】
図15(B)に示す如く、検出基板22では、第1ホールIC26Aが1番目及び3番目の配置位置に配置されており、
図15(C)に示す如く、検出基板22では、第2ホールIC26Bが1番目~4番目の配置位置に配置されている。
【0103】
ノブ18が第1シフト位置~第4シフト位置に配置される際には、それぞれ
図16~
図19の(A)及び(B)に示す如く、第1ホールIC26AがONにされ(上方の第1操作マグネット20A下端の磁力を検出し)又はOFFにされる(第1操作マグネット20A下端の磁力を検出しない)と共に、第2ホールIC26BがONにされ(上方の第2操作マグネット20B下端の磁力を検出し)又はOFFにされる(第2操作マグネット20B下端の磁力を検出しない)。このため、ノブ18の4個のシフト位置毎に第1ホールIC26A及び第2ホールIC26BのONとOFFとの組合わせが異なることで、ノブ18の4個のシフト位置を検出できる。
【0104】
さらに、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第2シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第1シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第3シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際、ノブ18のシフト位置が第3シフト位置と第4シフト位置との間で切り替わる際には、それぞれONとOFFとが切り替わる第1ホールIC26A及び第2ホールIC26Bが3個以上(4個)にされる。このため、ノブ18の4個のシフト位置の検出を二重系にでき、ノブ18の4個のシフト位置の検出精度を向上できる。
【0105】
[第3実施形態]
図20には、本発明の第3実施形態に係るシフト装置110の主要部が斜視図にて示されており、
図21(A)には、シフト装置110の主要部が下面図にて示されている。
【0106】
本実施形態に係るシフト装置110は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
【0107】
本実施形態に係るシフト装置110は、モーメンタリタイプにされており、ノブ18が回転されて、ノブ18のシフト位置が複数のシフト位置(本実施形態では、「R」位置、「N」位置、「H」位置(ホーム位置)、「N」位置及び「D」位置の5個のシフト位置)間で変更される。
【0108】
図20及び
図21(A)に示す如く、ノブ18(回転筒18B)の拡径部18Cには、上側から、操作マグネット20が所定数(本実施形態では1個)固定されており、操作マグネット20は、軸方向がノブ18の回転径方向にされると共に、上端及び下端が磁極にされている。
【0109】
プレート12の上プレート12Aには、下側から、固定マグネット16が所定数(本実施形態では1個)固定されており、固定マグネット16は、軸方向がノブ18の回転径方向にされると共に、上端及び下端が磁極にされている。固定マグネット16の下端と操作マグネット20の上端とは、逆磁極にされており、固定マグネット16の下端と操作マグネット20の上端との間には、磁力による吸引力が作用される。
【0110】
上プレート12Aには、固定マグネット16のノブ18回転周方向両側において、下側から、第4マグネットとしての矩形柱状の復帰マグネット112が固定されており、復帰マグネット112は、軸方向がノブ18の回転径方向にされると共に、上端及び下端が磁極にされている。復帰マグネット112の下端と操作マグネット20の上端とは、同磁極にされており、復帰マグネット112の下端と操作マグネット20の上端との間には、磁力による反発力が作用される。復帰マグネット112は、固定マグネット16に比し大きくされており、復帰マグネット112の磁力は、固定マグネット16の磁力に比し大きくされている。
【0111】
ノブ18が回転される際には、操作マグネット20の上端が上方(ノブ18の回転軸方向)においてプレート12の固定マグネット16の下端及び復帰マグネット112の下端に順次対向される。ノブ18が第3シフト位置(「H」位置)に配置される際には、操作マグネット20の上端が上方において固定マグネット16の下端に対向される。
【0112】
プレート12内には、規制部としての略矩形板状の規制板114が一対固定されており、規制板114は、復帰マグネット112の固定マグネット16とは反対側の端部の下方に侵入されている。規制板114には、操作マグネット20が当接可能にされており(
図23(A)参照)、ノブ18が第1シフト位置(「R」位置)及び第5シフト位置(「D」位置)に回転された際には、操作マグネット20が規制板114に当接されて、ノブ18(操作マグネット20を含む)の回転が規制される。また、操作マグネット20が規制板114に当接される際は、操作マグネット20上端の中央(ノブ18回転周方向中央)が上方において復帰マグネット112下端の中央(ノブ18回転周方向中央)に対向される直前にされる。
【0113】
検出基板22の上面には、ホールIC26が複数(本実施形態では5個)固定されており、ノブ18が各シフト位置に配置される際には、操作マグネット20の下端が下方においてシフト位置毎に異なる1個のホールIC26に対向される。
【0114】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0115】
以上の構成のシフト装置110では、ノブ18に回転操作力が作用されない際に、節度機構14において、ノブ18の操作マグネット20上端とプレート12の固定マグネット16下端とが上下方向において対向されて、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間に上下方向における吸引力が作用されることで、ノブ18が第3シフト位置(「H」位置)に保持される。
【0116】
ノブ18のシフト位置が第3シフト位置から第2シフト位置又は第4シフト位置(「N」位置)に変更される際(
図22の(A)及び(B)参照)には、操作マグネット20が固定マグネット16と上下方向において対向される位置から固定マグネット16と復帰マグネット112との間の中央と上下方向において対向される位置まで回転される。このため、操作マグネット20の上端が固定マグネット16の下端に吸引されると共に復帰マグネット112の下端と反発されつつ回転されて、ノブ18に回転抵抗力が作用される。また、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間の吸引力のノブ18回転周方向成分は、操作マグネット20上端のノブ18回転方向とは反対側端が固定マグネット16下端のノブ18回転方向側端を通過する際に、最大になる。このため、ノブ18のシフト位置が第3シフト位置から第2シフト位置又は第4シフト位置に変更される際には、ノブ18に作用される回転抵抗力が、操作マグネット20の上端と固定マグネット16の下端との間の吸引力により徐々に増加された後に徐々に減少されると共に、操作マグネット20の上端と復帰マグネット112の下端との間の反発力により徐々に増加される。これにより、ノブ18に第3シフト位置側への磁力(付勢力)が作用されて、ノブ18の第3シフト位置から第2シフト位置又は第4シフト位置への変更操作に節度感が作用される。
【0117】
ノブ18のシフト位置が第2シフト位置又は第4シフト位置から第1シフト位置又は第5シフト位置(「R」位置又は「D」位置)に変更される際(
図23の(A)及び(B)参照)には、操作マグネット20が固定マグネット16と復帰マグネット112との間の中央と上下方向において対向される位置から上端中央を復帰マグネット112の下端中央と上下方向において対向される位置の直前まで回転される。このため、操作マグネット20の上端が復帰マグネット112の下端と反発されつつ回転されて、ノブ18に回転抵抗力が作用される。また、操作マグネット20の上端と復帰マグネット112の下端との間の反発力のノブ18回転周方向成分は、操作マグネット20上端のノブ18回転方向側端が復帰マグネット112下端のノブ18回転方向とは反対側端中央を通過する際に、最大になる。このため、ノブ18のシフト位置が第2シフト位置又は第4シフト位置から第1シフト位置又は第5シフト位置に変更される際には、ノブ18に作用される回転抵抗力が、操作マグネット20の上端と復帰マグネット112の下端との間の反発力により徐々に増加された後に徐々に減少される。これにより、ノブ18に第3シフト位置側への磁力(付勢力)が作用されて、ノブ18の第2シフト位置又は第4シフト位置から第1シフト位置又は第5シフト位置への変更操作に節度感が作用される。
【0118】
また、上述の如く、ノブ18が第3シフト位置以外に配置される際には、ノブ18に回転抵抗力が作用される。このため、ノブ18が第3シフト位置以外に配置される際に、ノブ18への回転操作力の作用が解除された場合には、ノブ18が作用される回転抵抗力により第3シフト位置に回転(復帰)される。
【0119】
ここで、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0120】
特に、操作マグネット20と固定マグネット16及び復帰マグネット112とが上下方向(ノブ18及び操作マグネット20の回転軸方向)において対向される。このため、節度機構14を操作マグネット20の回転径方向において小型化できて、シフト装置110をノブ18の回転径方向において小型化できる。
【0121】
さらに、ノブ18が第1シフト位置及び第5シフト位置に回転される際には、操作マグネット20の上端中央が上方において復帰マグネット112の下端中央に対向される直前に、操作マグネット20がプレート12の規制板114に当接されて、ノブ18の回転が規制される。このため、操作マグネット20の上端中央が上方において復帰マグネット112の下端中央に対向されて操作マグネット20上端の復帰マグネット112下端との間の反発力による回転抵抗力(当該反発力のノブ18回転周方向成分)が小さくなることを抑制でき、ノブ18に作用される回転抵抗力が小さくなることを抑制できる。
【0122】
また、ノブ18に5個のシフト位置が設けられる場合において、節度機構14が操作マグネット20、固定マグネット16及び2個の復帰マグネット112の4個のマグネットによって構成されている。このため、マグネットの数を低減できて、コストを低減できる。
【0123】
なお、本実施形態では、プレート12における固定マグネット16のノブ18回転周方向両側に復帰マグネット112が配置される。しかしながら、ノブ18における操作マグネット20のノブ18回転周方向両側に復帰マグネット112が配置されてもよい。この場合、固定マグネット16の下端と復帰マグネット112の上端との間に磁力による反発力が作用される。
【0124】
さらに、本実施形態は、上記第1実施形態のプレート12及びノブ18に適用される。しかしながら、本実施形態は、上記第2実施形態のプレート12、第1ギア92A及び第2ギア92Bに適用されてもよい。
【0125】
また、上記第1実施形態(第1変形例~第6変形例を含む)、第2実施形態(第7変形例を含む)及び第3実施形態では、固定マグネット16(第1固定マグネット16A及び第2固定マグネット16Bを含む)と操作マグネット20(第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bを含む)とが操作マグネット20の回転軸方向において対向される。しかしながら、固定マグネット16(第1固定マグネット16A及び第2固定マグネット16Bを含む)と操作マグネット20(第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bを含む)とが操作マグネット20の回転径方向において離間されて操作マグネット20の回転軸方向において対向されなくてもよい。
【0126】
さらに、上記第1実施形態(第1変形例~第6変形例を含む)、第2実施形態(第7変形例を含む)及び第3実施形態では、検出基板22が上下方向に垂直に配置される。しかしながら、検出基板22が上下方向に垂直に配置されてもよく、例えば、検出基板22の複数のホールIC26(第1ホールIC26A及び第2ホールIC26Bを含む)が操作マグネット20(第1操作マグネット20A及び第2操作マグネット20Bを含む)の上下方向位置に配列されてもよい。
【0127】
また、上記第1実施形態(第1変形例~第6変形例を含む)、第2実施形態(第7変形例を含む)及び第3実施形態では、ノブ18(シフト体)が中心軸線周りに回転される。しかしながら、シフト体が回動(移動)されてもよく、例えば、ノブ18にレバーが一体にされてシフト体が構成されることで、シフト体(レバー)がノブ18を中心軸にされて回動されて、ノブ18が回転されてもよい。しかも、シフト体がスライド(移動)されてもよく、例えば、シフト体とノブ18とがラックアンドピニオン機構により連絡されることで、シフト体がスライドされて、ノブ18が回転されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
10・・・シフト装置、16・・・固定マグネット(第2マグネット)、16A・・・第1固定マグネット(第2マグネット)、16B・・・第2固定マグネット(第2マグネット)、18・・・ノブ(シフト体)、20・・・操作マグネット(第1マグネット)、20A・・・第1操作マグネット(第1マグネット)、20B・・・第2操作マグネット(第1マグネット)、22・・・検出基板(検出装置)、26・・・ホールIC(検出部)、26A・・・第1ホールIC(検出部)、26B・・・第2ホールIC(検出部)、30・・・シフト装置、32・・・反発マグネット(第3マグネット)、40・・・シフト装置、50・・・シフト装置、60・・・シフト装置、70・・・シフト装置、80・・・シフト装置、90・・・シフト装置、92A・・・第1ギア(回転体)、92B・・・第2ギア(回転体)、100・・・シフト装置、110・・・シフト装置、112・・・復帰マグネット(第4マグネット)、114・・・規制板(規制部)