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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121068
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】電動ブロワー及びブロワーユニット
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/08 20060101AFI20230823BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20230823BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
A47L9/08
A47L9/00 101
B08B5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024303
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 孝三
(72)【発明者】
【氏名】ショーン,ユー
(72)【発明者】
【氏名】ボニー,ツァオ
【テーマコード(参考)】
3B006
3B061
3B116
【Fターム(参考)】
3B006HA01
3B006HA12
3B061AH02
3B061AH04
3B116AA46
3B116AB52
3B116BB21
3B116BB88
(57)【要約】
【課題】クリーンな空気を吹き出す電動ブロワーを提供する。
【解決手段】電動機ユニット10と、電動機ユニットに着脱可能に連結されるブロワーユニット50とを含む電動ブロワー11である。ブロワーユニット50は、ケーシング11の吸気口12に接続されるブロワー固定ホール58と、ケーシングの側面に密接され、排気口15から排出される空気流を前方へと導くチャンバー68と、チャンバーで導かれる空気流を先端に形成された吹出口56から吐出する送風流路55と、空気取入口54から流入する空気をブロワー固定ホールへ導く空気導入路64と、が区画されたブロワーハウジング51を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機ユニットと、前記電動機ユニットに着脱可能に連結されるブロワーユニットとを含む電動ブロワーであって、
前記電動機ユニットは、
前面に吸気口が設けられ、側面に排気口が設けられたケーシングと、
前記ケーシング内に備えられたモータ、前記モータにより回転される吸引ファン、及び前記モータに電力を供給する電源とを含み、
前記ブロワーユニットは、
前記ケーシングの前記吸気口に接続されるブロワー固定ホールと、
前記ケーシングの側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前方へ導くチャンバーと、
前記チャンバーで導かれる空気流を先端に形成された吹出口から吐出する送風流路と、
空気取入口から流入する空気を前記ブロワー固定ホールへ導く空気導入路と、
が区画されたブロワーハウジングを有し、
前記ブロワーハウジングには、
前記チャンバーを、前記ケーシングの側面に密接した状態又は側面から離れた開放状態に変位させるチャンバー保持機構と、
取外しボタンと、
前記取外しボタンの押下に伴って、前記ブロワー固定ホールを前記ケーシングの前記吸気口から外せるように接続を解除し、かつ、前記チャンバー保持機構が前記チャンバーを前記開放状態に変位するリンク機構と、が備えられている、電動ブロワー。
【請求項2】
前記チャンバーは、
前記ケーシングの左側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前記ケーシングの前方へと導く左チャンバーと、
前記ケーシングの右側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前記ケーシングの前方へと導く右チャンバーとを含む、請求項1に記載の電動ブロワー。
【請求項3】
前記送風流路は、その根元部分に、前記左チャンバー及び右チャンバーで導かれる空気流を合流させる合流室を有する、請求項2に記載の電動ブロワー。
【請求項4】
前記チャンバー保持機構は、前記左チャンバー及び右チャンバーの各先端部を保持し、ヒンジを中心に左右両側へ回動変位して、前記左チャンバー及び右チャンバーを、前記ケーシングの側面に密接した状態と、前記ケーシングの側面から離れた開放状態とに変位させる、請求項2又は3に記載の電動ブロワー。
【請求項5】
前記電動機ユニットは、前記ブロワーユニットに替えて、前記ケーシング前面の吸気口に集塵ユニットを連結可能とされており、
前記集塵ユニットが連結されることにより、電機掃除機として機能し得る、請求項1~4のいずれか一項に記載の電動ブロワー。
【請求項6】
前面に吸気口が設けられ、側面に排気口が設けられた電動機ユニットに連結されて電動ブロワーを構成するブロワーユニットであって、
前記電動機ユニットの前記吸気口に接続されるブロワー固定ホールと、
前記電動機ユニットの側面に密着され、前記排気口から排出される空気流を前方へと導くチャンバーと、
前記チャンバーで導かれる空気流を先端に形成された吹出口から吐出する送風流路と、
空気取入口から流入する空気を前記ブロワー固定ホールへ導く空気導入路とが区画されたブロワーハウジングを有し、
前記ブロワーハウジングには、
前記チャンバーを、前記電動機ユニットの側面に密接した状態又は側面が離れた開放状態に変位させるチャンバー保持機構と、
取外しボタンと、
前記取外しボタンの押下に伴って、前記ブロワー固定ホールを前記電動機ユニットの前記吸気口から外せるように接続を解除し、かつ、前記チャンバー保持機構が前記チャンバーを前記開放状態に変位するリンク機構とが備えられている、ブロワーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブロワー及びブロワーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、電気掃除機の本体内に収容された電動送風機から吐出される空気を吹出す吹出口体を設け、電気掃除機を電動ブロワーとして利用できるようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-217020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気掃除機の排気を利用して、ブロワー(送風機)を構成した場合、電気掃除機の排気は、ゴミと一緒に吹い込まれてゴミが分離された後の空気であるから、極微小なゴミや匂いが含まれていることがあり、嫌われることがあった。
【0005】
係る背景の下になされたもので、本発明の1つの目的は、クリーンな空気を吹き出す電動ブロワーを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、電気掃除機の電動機ユニットを活用し、電動機ユニットにブロワーユニットを着脱可能に連結することによって、クリーンな空気を吹き出す電動ブロワーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電動機ユニットと、前記電動機ユニットに着脱可能に連結されるブロワーユニットとを含む電動ブロワーであって、前記電動機ユニットは、前面に吸気口が設けられ、側面に排気口が設けられたケーシングと、前記ケーシング内に備えられたモータ、前記モータにより回転される吸引ファン、及び前記モータに電力を供給する電源とを含み、前記ブロワーユニットは、前記ケーシングの前記吸気口に接続されるブロワー固定ホールと、前記ケーシングの側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前方へと導くチャンバーと、前記チャンバーで導かれる空気流を先端に形成された吹出口から吐出する送風流路と、空気取入口から流入する空気を前記ブロワー固定ホールへ導く空気導入路と、が区画されたブロワーハウジングを有し、前記ブロワーハウジングには、前記チャンバーを、前記ケーシングの側面に密接した状態又は側面から離れた開放状態に変位させるチャンバー保持機構と、取外しボタンと、前記取外しボタンの押下に伴って、前記ブロワー固定ホールを前記ケーシングの前記吸気口から外せるように接続を解除し、かつ、前記チャンバー保持機構が前記チャンバーを前記開放状態にするリンク機構と、が備えられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、電気掃除機として広く利用されている電動機ユニットにブロワーユニットを連結することにより、クリーンな空気を送風する電動ブロワーを提供することができる。また、電動機ユニットとブロワーユニットの着脱は、取外しボタンの押下により、ワンタッチで行うことができる。
【0009】
また、本発明は、前記チャンバーは、前記ケーシングの左側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前記ケーシングの前方へと導く左チャンバーと、前記ケーシングの右側面に密接され、前記排気口から排出される空気流を前記ケーシングの前方へと導く右チャンバーとを含んでいてもよい。
【0010】
本発明によれば、チャンバーを左右両側に設けた構成とした場合、電動機ユニットからの排気をより効率的に前方へフィードバックすることができ、風力の豊かな電動ブロワーとすることができる。
【0011】
また、本発明は、前記送風流路は、その根元部分に、前記左チャンバー及び右チャンバーで導かれる空気流を合流させる合流室を有するものでもよい。
【0012】
本発明によれば、合流室を設けることで、前方へ送風される空気流の流量を均等に安定させることができる。
【0013】
また、本発明は、前記チャンバー保持機構は、前記左チャンバー及び右チャンバーの各先端部を保持し、ヒンジを中心に左右両側へ回動変位して、前記左チャンバー及び右チャンバーを、前記ケーシングの側面に密接した状態と、前記ケーシングの側面から離れた開放状態とに変位させることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、チャンバーを開閉可能な保持構造とすることにより、例えば吹出口が塞がれた状態での使用によって空気圧が高まると、チャンバーが自動的に開くように設計することができる。これにより、安全性に配慮した製品とすることができる。
【0015】
また、本発明は、前記電動機ユニットは、前記ブロワーユニットに替えて、前記ケーシング前面の吸気口に集塵ユニットを連結可能とされており、前記集塵ユニットが連結されることにより、電気掃除機として機能し得るものでもよい。
【0016】
本発明によれば、上記構成により、電動ブロワーを電気掃除機としても利用することができる。
【0017】
また、本発明は、前面に吸気口が設けられ、側面に排気口が設けられた電動機ユニットに連結されて電動ブロワーを構成するブロワーユニットであって、前記電動機ユニットの前記吸気口に接続されるブロワー固定ホールと、前記電動機ユニットの側面に密着され、前記排気口から排出される空気流を前方へと導くチャンバーと、前記チャンバーで導かれる空気流を先端に形成された吹出口から吐出する送風流路と、空気取入口から流入する空気を前記ブロワー固定ホールへ導く空気導入路とが区画されたブロワーハウジングを有し、前記ブロワーハウジングには、前記チャンバーを、前記電動機ユニットの側面に密接した状態又は側面から離れた開放状態に変位させるチャンバー保持機構と、取外しボタンと、前記取外しボタンの押下に伴って、前記ブロワー固定ホールを前記電動機ユニットの前記吸気口から外せるように接続を解除し、かつ、前記チャンバー保持機構が前記チャンバーを前記開放状態にするリンク機構とが備えられている。
【0018】
本発明によれば、電気掃除機(の電動機ユニット)を利用して、クリーンな空気を吹き出す電動ブロワーとして活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】電動ブロワーの外観を示す斜視図である。
図2】電動ブロワーの右側面図である。
図3】電動ブロワーの中央縦断側面図である。
図4図2の線A-Aに沿う電動ブロワーの横断底面図である。
図5】ブロワーユニットの平面視の斜視図である。
図6】ブロワーユニットを右側上方から見た斜視図である。
図7】ブロワーユニットの右側面図である。
図8図7の線B-Bに沿うブロワーユニットの横断平面図である。
図9】ブロワーユニットの正面図である。
図10図9の線C-Cに沿うブロワーユニットの中央縦断側面図である。
図11図9の線D-Dに沿うブロワーユニットの縦断側面図である。
図12図7の線E-Eに沿うブロワーユニットの縦断背面図である。
図13】左右チャンバーを開いた状態のブロワーユニットの縦断背面図である。
図14】電動ブロワーを空気入れとして使用する状態を示す図である。
図15】ブロワーユニットを取り外し、替わりにダストカップを装着して電気掃除機として使用する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明をする。
【0021】
図1は、一実施形態に係る電動ブロワー1の外観を示す斜視図である。図2は、電動ブロワー1の右側面図であり、図3は、電動ブロワー1の中央縦断側面図である。さらに、図4は、電動ブロワー1を図2の線A-Aに沿って切断した横断底面図である。
【0022】
図1~4を参照して、一実施形態に係る電動ブロワー1は、電動機ユニット10と、電動機ユニット10に着脱可能に連結されたブロワーユニット50とを備えている。
【0023】
電動機ユニット10は、一例として、略円筒状の前方側ケーシング11Fと、前方側ケーシング11Fの後方側に一体的に連設され、前方側ケーシング11Fよりも径が細く(小さく)された後方側ケーシング11Bとを含むケーシング11を有している。前方側ケーシング11Fの前面には吸気口12が設けられている。前方側ケーシング11F内には、吸気口12に臨むように吸引ファン14付きモータ13が収容されている。モータ13の前側(図3及び4において、右側)には、モータ13により回転される吸引ファン14が配置されている。前方側ケーシング11Fの左右両側壁には、排気口15が形成されている。排気口15は、前方側ケーシング11Fの側壁に前後方向に並列された複数のスリットであってもよい。吸引ファン14が回転されると、吸気口12から前方側ケーシング11F内に空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気はモータ13の周囲を通過してモータ13を冷却し、排気口15から前方側ケーシング11Fの外方へ排気される。
【0024】
後方側ケーシング11B内には、モータ13に電力を供給する電源電池16が収容されている。電源電池16は、例えば、リチウムイオン電池のような充電可能な二次電池であってもよい。
【0025】
なお、電源電池16を収容する構成に替え又は加えて、電源回路を設け、外部電源である商用電源から電気コードによって電源回路へ電力を取り込む、いわゆるコード式の構成であってもよい。
【0026】
前方側ケーシング11Fの上面には、電源電池16の電力をモータ13に与えるか否か、つまりモータ13のオン/オフを操作する電源ボタン17が設けられている。
【0027】
本実施形態では、電動ブロワー1はいわゆるコードレスハンディタイプの電動ブロワー1とされている。使用時には、使用者は、電動機ユニット10の後方側ケーシング11Bを把持し、電動機ユニット10の前方側に装着されたブロワーユニット50によりブロワー処理を行うものである。
【0028】
ブロワーユニット50は、ブロワーハウジング51によって外形が構成されている。ブロワーハウジング51は、先端に向かってテーパー状に径が細められた本体ハウジング52と、本体ハウジング52の左右側方から外方へ膨出し、後方へ向かって延びる左右一対のチャンバーハウジング53とを有している。本体ハウジング52には、チャンバーハウジング53の先端よりも前方寄りの左右側壁に、空気取入口54が形成されている。
【0029】
ブロワーユニット50は、電動機ユニット10の電源ボタン17によってモータ13が駆動されることにより、図4に白抜き矢印で示すように、空気取入口54から本体ハウジング52内へ空気を吹い込み、吹い込んだ空気流を本体ハウジング52内に区画された空気導入路で導いて電動機ユニット10の前面に設けられた吸気口12から前方側ケーシング11Fへと流入させる。前方側ケーシング11Fに吸い込まれた空気は、図4に黒太矢印で示すように、排気口15から排気され、チャンバーハウジング53内のチャンバー68を通って本体ハウジング52内で合流され、送風流路55を通り、本体ハウジング52の先端の吹出口56から吐出される。
【0030】
図5は、ブロワーユニット50の平面視の斜視図である。図6は、ブロワーユニット50を右側上方から見た斜視図である。図7は、ブロワーユニット50の右側面図であり、図8は、図7の線B-Bに沿うブロワーユニット50の横断平面図である。図9は、ブロワーユニット50の正面図であり、図10は、図9の線C-Cに沿うブロワーユニット50の中央縦断側面図であり、図11は、図9の線D-Dに沿うブロワーユニット50の縦断側面図である。図12は、図7の線E-Eに沿うブロワーユニット50の縦断背面図であり、図13は、図12に示すブロワーユニット50において、左右のチャンバーハウジング53を開いた状態を示すブロワーユニット50の縦断背面図である。
【0031】
図5図13を参照して、ブロワーユニット50の構成について詳しく説明する。
【0032】
ブロワーユニット50は、図5及び図6に示すように、先端に向かってテーパー状に径が細められた本体ハウジング52と、本体ハウジング52の左右側方から外方へ膨出し、後方へ向かって延びている左右一対のチャンバーハウジング53とを含んでいる。これら本体ハウジング52及び左右一対のチャンバーハウジング53によってブロワーハウジング51が構成されている。
【0033】
本体ハウジング52の先端には、ブロワーとして使用する場合の吹出口56が設けられている。本体ハウジング52の左右側壁には、それぞれ、空気取入口54が形成されている。空気取入口54は、チャンバーハウジング53の先端よりも前方寄りの位置に設けられている。本体ハウジング52の上面後方寄りに取外しボタン57が設けられている。取外しボタン57は、電動機ユニット10に連結されたブロワーユニット50を、電動機ユニット10から取り外す際に押下するボタンである。
【0034】
図8及び図10を主として参照して、ブロワーユニット50は、本体ハウジング52の後端部に、電動機ユニット10の前方側ケーシング11Fの先端部に外嵌されて接続されるブロワー固定ホール58を有している。ブロワー固定ホール58内の上部には、ブロワー固定ホール58内に電動機ユニット10の前方側ケーシング11Fの先端部を嵌め込んだ状態で、ブロワーユニット50を電動機ユニット10の前方側ケーシング11Fに固定するためのブロワー固定フック59が設けられている。ブロワー固定フック59は取外しボタン57と一体化されており、常時は、コイルばね60によって上向きに弾力付勢されている。取外しボタン57をコイルばね60の弾力付勢力に抗して押下すると、取外しボタン57と共にブロワー固定フック59が下方へ変位し、ブロワー固定フック59の先端の上向きのロック爪591が前方側ケーシング11Fの係合部18(図3を参照)との係合を解除する仕組みである。
【0035】
ブロワー固定ホール58の前方側に形成された隔壁61には、背面視で中央部に吸気窓62が設けられている。吸気窓62の前方には吸気フィルタ63が配置されている。
【0036】
空気取入口54から本体ハウジング52内へ吸い込まれた空気流は、本体ハウジング52内に区画された空気導入路64を流れ、吸気フィルタ63及び吸気窓62を通過して電動機ユニット10の前方側ケーシング11Fの吸気口12へと吸い込まれる。吸気窓62の窓枠部には、吸気窓62と吸気口12との間をシールするシール部材65が設けられていてもよい。
【0037】
左右一対のチャンバーハウジング53は、ブロワー固定ホール58から後方へ延び出ている。各チャンバーハウジング53の内面66には、前後方向に長手の排気取入口67が形成されている。排気取込口67は、電動機ユニット10の前方側ケーシング11Fの側壁に形成された排気口15を覆うように排気口15の周囲に密接される。そして、排気口15から外方へ排出される排気流を排気取込口67からチャンバーハウジング53内へ流入させる。
【0038】
チャンバーハウジング53内には、排気取込口67に連通し、チャンバーハウジング53内を前方に向かって延びるチャンバー68が区画されている。左右一対のチャンバーハウジング53内に区画された各チャンバー68へ流入した電動機ユニット10からの排気流は、チャンバー68内を導かれ、チャンバーハウジング53の前方内面に形成された導入口69から本体ハウジング52内に区画された合流室70へ流入する。そして合流室70へ入った排気流は、本体ハウジングは52内に前後方向に延びるように区画された送風流路55を通り、吹出口56から吐出される。
【0039】
図12及び図13を主として参照して、左右一対のチャンバーハウジング53の前端部分は、本体ハウジング52内に設けられたチャンバー保持機構71により保持されている。チャンバー保持機構71は、各チャンバーハウジング53の前端下方部分から上方へと延びる一対の支持部材72をヒンジ結合するヒンジピン73を含んでいる。支持部材72の先端には、係止凹部74が形成されている。そして、本体ハウジング52の上面左右両側に設けられた係止爪部材75が、係止凹部74に係合して、各チャンバーハウジング53の前端上方部分が本体ハウジング52に対して固定される。
【0040】
取外しボタン57の下方部には、左右両側へ張り出したリンク片76が設けられている。取外しボタン57が押下されると、リンク片76が支持部材72の上端を下方へ押し下げる。支持部材72の上端が押し下げられると、係止凹部74が係止爪部材75から外れ、チャンバーハウジング53の前端上方部分はフリー状態となる。それに伴い、チャンバーハウジング53の前端下方部分は、ヒンジピン73を中心に支持部材72が回動する。これにより、図13に示すように、左右一対のチャンバーハウジング53が互いに離れる方向へ開く。よって、電動機ユニット10に連結されたブロワーユニット50を、取外しボタン57を押下するという1つの操作により、簡単に取り外すことができる。
【0041】
図8図10及び図11に示すチャンバー68の排気取込口67には、空気の漏れを防止するために、例えば柔軟なゴムシール77を取り付けてもよい。同様に、図10及び図11に示すチャンバー68の導入口69にも、空気の漏れを防止するのに適切なシール部材78を設けてもよい。
【0042】
図14は、一実施形態に係る電動ブロワー1を、空気入れ、すなわちエアポンプとして使用する態様を説明する図である。電動ブロワー1の吹出口56に必要に応じてブロワーパイプ81の一端を装着する。そしてブロワーパイプ81の他端には、ポンプアタッチメント82又はポンプアタッチメント83を取り付ける。そして、取り付けたポンプアタッチメント82又は83を用いて、ビーチボール、浮き輪、エアベッド、エアクッション等に空気を注入するための簡易空気入れ(簡易エアポンプ)として電動ブロワー1を用いることが可能である。
【0043】
本実施形態においては、吹出口56を閉塞した状態で動作をさせると、チャンバー68から本体ハウジング52内へ送られる空気流により、合流室70及び送風流路55内の空気圧が所定値以上に高まると、チャンバーハウジング53が空気圧で開くよう設計されている。これによって、電動機ユニット10内に冷却空気を循環させられるので、モータ13が高温になる等の不具合が防止され、製品の安全性が担保されている。
【0044】
図15は、一実施形態に係る電動ブロワー1において、電動機ユニット10からブロワーユニットを取り外し、替わりに電動機ユニット10の前面にダストボックス100を装着して、電気掃除機として用いる状態を示す図である。図15に示すように、本実施形態に係る電動ブロワー1は、電動機ユニット10を活用することによって、電気掃除機としても用いることができる。
【0045】
[変形例]
上述の実施形態では、チャンバーハウジング53は、左右に一対備えられていて、左チャンバー68及び右チャンバー68で電動機ユニット10から側方へ排気される空気流を前方へフィードバックする構成とした。
【0046】
しかし、電動機ユニット10から排気される空気流を前方へ送るチャンバーは、少なくとも1つあれば良く、1つのチャンバーを用いて電動機ユニット10からの排気を前方へ送り、前方の吹出口から空気を吐出する構成であってもよい。
【0047】
上述の実施形態において、前面、側面、上方等といった表現を用いているが、これら表現は、相対的な位置や方向を表すものであり、対象物を見る視点方向が変われば、それに合わせて変わるものであってよい。
【0048】
その他、本発明の構成は、上述した実施形態の説明に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 電動ブロワー
10 電動機ユニット
11 ケーシング
11F 前方側ケーシング
11B 後方側ケーシング
12 吸気口
13 モータ
14 吸引ファン
15 排気口
16 電源電池
17 電源ボタン
18 係合部
50 ブロワーユニット
51 ブロワーハウジング
52 本体ハウジング
53 チャンバーハウジング
54 空気取入口
55 送風流路
56 吹出口
57 取外しボタン
58 ブロワー固定ホール
59 ブロワー固定フック
60 コイルばね
61 隔壁
62 吸気窓
63 吸気フィルタ
64 空気導入路
65 シール部材
66 内面
67 排気取込口
68 チャンバー
69 導入口
70 合流室
71 チャンバー保持機構
72 支持部材
73 ヒンジピン
74 係止凹部
75 係止爪部材
76 リンク片
77 ゴムシール
78 シール部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15