(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023121082
(43)【公開日】2023-08-30
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230823BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024327
(22)【出願日】2022-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保内 彩馨
(72)【発明者】
【氏名】李 桂壽
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】利用者に対して有益な情報を提供できる情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】情報提供装置と、利用者端末と、化粧情報データベースとが、通信可能に接続される情報処理システムにおいて、情報提供装置10は、利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得部13aと、取得した態様情報に基づいて、髪の態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出部13bと、算出した相性度に基づいて、髪の態様を選択した利用者に対して提供する提供情報を生成する生成部13cと、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性度を出力するように機械学習モデルの学習を行う学習部13eと、を備え、機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得部と、
前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出部と、
前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成部と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記算出部は、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、前記相性度を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記算出部は、髪の態様と化粧とを含む動画像により前記相性の度合を学習した前記機械学習モデルを用いて、前記相性度を算出する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記算出部は、化粧を施される対象者の属性ごとに前記相性の度合を学習した前記機械学習モデルを用いて、前記相性度を算出する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記算出部は、化粧を施される対象者の状況ごとに前記相性の度合を学習した前記機械学習モデルを用いて、前記相性度を算出する、
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記取得部は、対象者に施される化粧に関する化粧情報をさらに取得し、
前記生成部は、前記化粧情報が示す前記化粧のうち所定の閾値以上の相性度の前記化粧を特定し、前記提供情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記態様を提供する前記利用者に関する利用者情報をさらに取得し、
前記生成部は、前記利用者情報に基づいて前記化粧を特定し、前記提供情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、
利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得工程と、
前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出工程と、
前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得手順と、
前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出手順と、
前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コーディネートを支援する技術が知られている。例えば、ファッションの組合せに関するルールに基づいて、コーディネートを生成する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術は、顧客(適宜、「利用者」)に対して有益な情報を提供する上で改善の余地がある。例えば、従来技術では、利用者に対して利用者が提供可能な髪型に合わせたメイク用品を提案することが難しい。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して有益な情報を提供可能にする情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得部と、前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出部と、前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報提供方法は、情報提供装置によって実行される情報提供方法であって、利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得工程と、前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出工程と、前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報提供プログラムは、利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する取得手順と、前記態様情報に基づいて、前記態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する算出手順と、前記相性度に基づいて、前記利用者に対して提供する提供情報を生成する生成手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、利用者に対して有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る態様情報記憶部の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る化粧情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る相性度情報記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る提供情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報提供処理の具体例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、実施形態)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報提供システム100の構成、情報提供装置10の構成、情報提供処理の具体例、情報提供処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
【0013】
〔1.情報提供システム100の構成〕
図1を用いて、本実施形態に係る情報提供システム(適宜、本システム)100の処理を説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供システム100の構成例を示す図である。以下では、本システム100の構成例、本システム100の処理、本システム100で応用するセットマッチング技術、本システム100の効果の順に説明する。
【0014】
(1-1.情報提供システム100の構成例)
図1に示した情報提供システム100は、情報提供装置10と、利用者端末20と、化粧情報データベース30とを有する。ここで、情報提供装置10と、利用者端末20と、化粧情報データベース30とは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、本システム100には、複数台の情報提供装置10、複数台の利用者端末20、または複数台の化粧情報データベース30が含まれてもよい。
【0015】
(1-1-1.情報提供装置10)
情報提供装置10は、利用者端末20との間、化粧情報データベース30との間でデータの送受信を行う装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
図1の例では、情報提供装置10がサーバ装置により実現される場合を示す。
【0016】
(1-1-2.利用者端末20)
利用者端末20は、化粧(適宜、「メイク」)等に関するウェブページを閲覧したり、ウェブ上で化粧品(適宜、「コスメ」)等のインターネットショッピング等を行ったりする利用者Uによって使用されるデバイス(コンピュータ)である。利用者端末20は、利用者Uによる操作を受け付ける。なお、利用者端末20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
図1の例では、利用者端末20がスマートフォンにより実現される場合を示す。
【0017】
以下では、利用者端末20を利用者Uと表記する場合がある。すなわち、利用者Uを利用者端末20と読み替えることもできる。また、利用者Uを複数の顧客を表わすものとして使用することがある。
【0018】
(1-1-3.化粧情報データベース30)
化粧情報データベース30は、後述する化粧に関する化粧情報を記憶する記憶装置である。
【0019】
(1-2.情報提供システム100の処理)
以下に、情報提供システム100の処理として、ステップS1~S6の処理について説明する。なお、下記のステップS1~S6は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS1~S6のうち、省略される処理があってもよい。
【0020】
(1-2-1.ステップS1の処理)
本システム100において、第1に、情報提供装置10は、美容室のスタイリスト等である利用者Uの利用者端末20を介して、利用者Uが美容室で提供可能であるヘアスタイルに関する態様情報を取得する(ステップS1)。ここで、態様情報とは、髪型、髪色等のヘアスタイル全般を示す髪の態様に関する情報である。また、態様情報は、かつらやウィッグ等を用いた髪の態様に関する情報であってもよく、特に限定されない。また、
図1の例では、情報提供装置10は、利用者端末20から態様情報を取得しているが、図示しない端末装置・データベースから態様情報を取得してもよい。すなわち、利用者端末20に表示された複数の髪の態様を示す画像のうち、利用者Uが選択した画像に含まれる髪の態様に対応付けられた態様情報を取得することもできる。
【0021】
このとき、情報提供装置10は、利用者端末20から利用者Uの利用者情報を取得してもよい。ここで、利用者情報とは、利用者Uの性別、年齢、年代、職業、年収、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無、利用者Uの動画像、利用者Uが興味関心を有するカテゴリ等の利用者属性や、利用者Uのウェブサイト上での検索履歴・閲覧履歴、インターネットショッピングでの購買履歴、利用者Uの位置情報等の行動履歴を含む情報である。さらに、利用者情報は、利用者端末20の画面情報、利用者Uの生体情報等を含む情報であってもよく、特に限定されない。
【0022】
(1-2-2.ステップS2の処理)
本システム100において、第2に、情報提供装置10は、化粧情報データベース30を参照し、化粧情報を取得する(ステップS2)。ここで、化粧情報とは、化粧(メイク)に関する情報であって、ファンデーション・口紅・アイシャドウ等のコスメ、メイクに用いる器具や道具の他、メイクの手順等の情報であるが、特に限定されない。また、
図1の例では、情報提供装置10は、化粧情報データベース30から化粧情報を取得しているが、図示しない端末装置・データベースから化粧情報を取得してもよい。
【0023】
(1-2-3.ステップS3の処理)
本システム100において、第3に、情報提供装置10は、取得した態様情報および化粧情報から、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との相性の度合を示す相性度を算出する(ステップS3)。例えば、情報提供装置10は、機械学習モデルを用いて、髪の態様と化粧との組合せの相性の度合に応じて0~1の数値をとるように相性度を算出する。このとき、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能な髪の態様に関わる態様情報と化粧情報とを入力された際に、当該髪の態様と化粧との組合せごとの相性度を出力するように学習されたDNN(Deep Neural Network)等の機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。また、情報提供装置10は、ルールベースで相性度を算出してもよい。
【0024】
上述したステップS3について、具体的な例を用いて説明する。例えば、情報提供装置10は、以下に示すように利用者Uが化粧を施す対象者の属性ごとに学習した機械学習モデル、対象者の状況(シチュエーション)ごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出することができる。
【0025】
情報提供装置10は、対象者の趣味趣向等を含む属性ごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出することができる。例えば、情報提供装置10は、「XX(例:芸能人、年代、ドラマの種別(アクション等))」が好きな対象者用の機械学習モデルを複数生成し、それぞれの機械学習モデルについて正解データを生成する。具体的には、「XX」が好きな対象者が「いいね」をしている画像や、「XX」と合致する画像を正解データとして機械学習モデルを学習させる。その結果、情報提供装置10は、利用者Uが指定した対象者の属性とマッチする機械学習モデルを選択し、選択した機械学習モデルにより相性度が高いとされたメイクを提案することができる。
【0026】
また、情報提供装置10は、対象者のシチュエーションごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出することができる。例えば、情報提供装置10は、新卒、転職、中途採用等の企業採用のシチュエーションごとに、書類選考に通った対象者の就職活動時の画像を正解データとして、新卒、転職、中途採用のそれぞれについて機械学習モデルを生成する。そのため、情報提供装置10は、例えば、利用者Uが「転職」を選んだ場合は、転職時の書類選考に応じたメイクを提案することができる。
【0027】
(1-2-4.ステップS4の処理)
本システム100において、第4に、算出した相性度、取得した態様情報や利用者Uの利用者情報に基づいて、利用者Uに提供する提供情報を生成する(ステップS4)。ここで、提供情報とは、化粧情報が示す化粧から特定された化粧に関する情報であって、利用者Uが提供可能な髪の態様にマッチするメイク等の情報であるが、特に限定されない。このとき、情報提供装置10は、化粧情報が示す化粧のうち所定の閾値以上の相性度の化粧を特定し、提供情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能なヘアスタイルとの相性度が「0.7」以上のメイクの画像を特定し、当該画像および当該画像に示されるメイクに必要なコスメの情報を提供情報として生成する。
【0028】
上述したステップS4について、具体的な例を用いて説明する。例えば、情報提供装置10は、以下に示すように利用者Uの利用者情報をもとに提供情報を生成することができる。
【0029】
情報提供装置10は、利用者情報が示す利用者属性をもとに提供情報を生成することができる。例えば、情報提供装置10は、メイクの候補のうち、利用者Uが事前に登録した好みのメイクの特徴と類似するものを優先的に提案する。さらに、情報提供装置10は、ヘアメイク予約サイト等に対して利用者Uが提供したサンプル画像のメイクの特徴と比較的近しいメイクの画像を優先的に提案することもできる。そのため、情報提供装置10は、利用者属性等をもとに化粧情報から特定された候補の中から類似性が高いメイクを提案することができる。
【0030】
また、情報提供装置10は、利用者情報が示す行動履歴をもとに提供情報を生成することができる。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの購買履歴等の行動履歴をもとに利用者Uの購入済みのコスメが推定できる場合は、当該コスメをもとにメイクを提案する。
【0031】
(1-2-5.ステップS5の処理)
本システム100において、第5に、情報提供装置10は、生成した提供情報を利用者Uの利用者端末20に送信する(ステップS5)。例えば、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能なヘアメイクとの相性度が「0.7」以上のメイクの画像および当該メイクに必要なコスメや化粧道具の情報を含む提供情報を、利用者Uの利用者端末20に送信する。
【0032】
(1-2-6.ステップS6の処理)
本システム100において、第6に、情報提供装置10は、算出した相性度を学習する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、機械学習モデルを用いて、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との組合せの相性がよいことを示す情報が入力された場合には、当該髪の態様に対する化粧の相性度が「1」に近づく数値として出力するように、バックプロパゲーション等を用いて学習する。また、情報提供装置10は、機械学習モデルを用いて、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との組合せの相性が悪いことを示す情報が入力された場合には、当該髪の態様に対する化粧の相性度が「0」に近づく数値として出力するように、バックプロパゲーション等を用いて学習する。
【0033】
(1-3.情報提供システム100で応用するセットマッチング技術)
ここで、上述してきた情報提供システム100で応用するセットマッチング技術の詳細について説明する。画像等の特徴量を示す情報の集合に基づいて、集合同士の調和具合を示すスコア(以下、適宜、「マッチングスコア」とする。)を算出する技術の一例として、セットマッチング(Set Matching)と呼ばれる技術が知られている。セットマッチングは、例えば深層学習を用いた技術であり、マッチングスコアが高いほど、集合同士の相性が高いと推定する。このため、セットマッチングは、集合同士の相性を定量的に評価することができる。セットマッチングを用いたマッチングスコアの算出は、例えば、Y. Saito, T. Nakamura, H. Hachiya, K. Fukumizu "Exchangeable Deep Neural Networks for Set-to-Set Matching and Learning"に開示されている。なお、セットマッチングは一例であり、実施形態は、この技術を用いた場合に限られないものとする。
【0034】
情報提供装置10は、セットマッチングのような集合同士のマッチングスコアを算出する技術を応用して、髪の態様と化粧との組合せごとにマッチングスコア(相性度)を算出する。具体的には、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能な髪の態様ごとに化粧との相性度を算出する。このとき、情報提供装置10は、相性度が高いほど、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との相性が高いと推定することができるため、一の髪の態様に対して、最も相性度が高く算出された化粧を特定する。また、情報提供装置10は、一の髪の態様に対して、特定された化粧が化粧情報に含まれる化粧の中で相性が最も高い化粧と推定する。これにより、情報提供装置10は、髪の態様と化粧との相性を、外観等の利用者Uの感覚的な判断ではなく、定量的に判断することができる。
【0035】
また、情報提供装置10は、以下のように機械学習モデルの学習を行う。例えば、情報提供装置10は、SNSに投稿された画像のうち、当該SNSの閲覧者が好意的な評価を行った画像を特定する。次に、情報提供装置10は、特定した画像における髪の態様(髪型、髪色)と化粧(メイク)とを識別する。このとき、情報提供装置10は、各種の識別モデルを用いてもよく、クラウドソーシング等で識別結果を得てもよい。情報提供装置10は、上記の識別結果を正解データとして使用する。また、情報提供装置10は、利用者Uが投稿した画像から識別した結果を正解データとして使用もよい。そして、情報提供装置10は、正解データとなる髪の態様と化粧とを入力された際に、高いスコアを出力し、正解データにはない髪の態様と化粧とを入力された際に、低いスコアを出力するように機械学習モデルの学習を行う。このとき、情報提供装置10は、このような機械学習モデルを、利用者Uが化粧を施す対象者の属性ごとに生成してもよく、当該対象者の状況ごとに生成してもよい。また、情報提供装置10は、複数のモデルの出力値の操作を機械学習モデルの出力として採用することで、複数の切り口を考慮した相性の度合いを反映させてもよい。
【0036】
(1-4.情報提供システム100の効果)
上述してきたように情報提供システム100では、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得し、当該態様情報に基づいて、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出し、当該相性度に基づいて、利用者Uに対して提供する提供情報を生成する。このとき、情報提供装置10は、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このため、本システム100では、利用者Uが提供可能、または提供を希望するヘアメイクとマッチするメイクを推定し、利用者Uに対してコスメの提案をすることができる。すなわち、本システム100は、ヘアメイク予約サイト等においてヘアメイクの提案を行う美容師等の利用者Uに対して有益な情報を提供可能にする。
【0037】
また、本システム100では、情報提供装置10は、髪の態様を提供する利用者Uに関する利用者情報をさらに取得し、取得した利用者情報に基づいて化粧を特定し、提供情報を生成する。このため、本システム100では、利用者Uに対して、利用者Uが提供可能な髪型やヘアメイクであって、SNS等で評価が髪型や芸能人等の有名人が愛用しているヘアメイク等に親和性が高いメイクを提案することができる。すなわち、本システム100は、ヘアメイクの提案を行う利用者Uに対して、より具体的かつ有益な情報を提供可能にする。
【0038】
さらに、本システム100では、情報提供装置10は、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このとき、情報提供装置10は、髪の態様と化粧とを含む動画像により相性の度合を学習した機械学習モデルを用いたり、化粧を施される対象者の属性ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いたり、当該対象者の状況ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いたりして、相性度を算出する。このため、本システム100では、SNS、テレビ、映画等から収集した正解データを用いて学習した様々な機械学習モデルを生成し、化粧を施す利用者Uに対してより精度の高いメイクを提案することができる。すなわち、本システム100は、ヘアメイクの提案を行う利用者Uに対して、より具体的かつ有益な情報を高い精度で提供可能にする。
【0039】
〔2.情報提供装置10の構成〕
図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、情報提供装置10は、情報提供装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0040】
(2-1.通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定の通信網(ネットワーク)と有線または無線で接続され、各種装置との間で情報の送受信を行う。
【0041】
(2-2.記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、
図2に示すように、態様情報記憶部12a、化粧情報記憶部12b、相性度情報記憶部12cおよび提供情報記憶部12dを有する。そして、記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。
【0042】
(2-2-1.態様情報記憶部12a)
態様情報記憶部12aは、利用者Uが提供可能な髪の態様に関する各種の情報(態様情報)を記憶する。ここで、
図3を用いて、態様情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る態様情報記憶部12aの一例を示す図である。
図3の例において、態様情報記憶部12aは、「態様ID」、「態様情報」といった項目を有する。
【0043】
「態様ID」は、髪の態様を識別するための識別情報を示す。「態様情報」は、髪型、髪色等のヘアスタイル全般を示す髪の態様に関する情報や、かつらやウィッグ等を用いた髪の態様に関する情報である。
【0044】
すなわち、
図3では、態様ID「HID#1」によって識別される髪の態様の態様情報が「態様情報#1」、態様ID「HID#2」によって識別される髪の態様の態様情報が「態様情報#2」である例を示す。
【0045】
(2-2-2.化粧情報記憶部12b)
化粧情報記憶部12bは、化粧に関する各種の情報(化粧情報)を記憶する。ここで、
図4を用いて、化粧情報記憶部12bが記憶する情報の一例を説明する。
図4は、実施形態に係る化粧情報記憶部12bの一例を示す図である。
図4の例において、化粧情報記憶部12bは、「化粧ID」、「化粧情報」といった項目を有する。
【0046】
「化粧ID」は、化粧を識別するための識別情報を示す。「化粧情報」とは、化粧情報とは、化粧(メイク)に関する情報であって、ファンデーション・口紅・アイシャドウ等のコスメ、メイクに用いる器具や道具の他、メイクの手順等の情報である。
【0047】
すなわち、
図4では、化粧ID「DID#1」によって識別される化粧の化粧情報が「化粧情報#1」、化粧ID「DID#2」によって識別される化粧の化粧情報が「化粧情報#2」である例を示す。
【0048】
(2-2-3.相性度情報記憶部12c)
相性度情報記憶部12cは、制御部13の算出部13bによって算出された髪の態様に対する化粧ごとの相性度(相性度情報)を記憶する。ここで、
図5を用いて、相性度情報記憶部12cが記憶する情報の一例を説明する。
図5は、実施形態に係る相性度情報記憶部12cの一例を示す図である。
図5の例において、相性度情報記憶部12cは、「態様ID」、「化粧ID」、「相性度」といった項目を有する。
【0049】
「態様ID」は、髪の態様を識別するための識別情報を示す。「化粧ID」は、化粧を識別するための識別情報を示す。「相性度」は、髪の態様に対する化粧ごとの相性の度合を示す数値である。
【0050】
すなわち、
図5では、態様ID「HID#1」によって識別される髪の態様について、化粧情報「化粧情報#1」、相性度「相性度#1」であって、態様ID「HID#2」によって識別される髪の態様について、化粧情報「化粧情報#2」、相性度「相性度#2」である例を示す。
【0051】
(2-2-4.提供情報記憶部12d)
提供情報記憶部12dは、制御部13の生成部13cによって生成された提供情報を記憶する。ここで、
図6を用いて、提供情報記憶部12dが記憶する情報の一例を説明する。
図6は、実施形態に係る提供情報記憶部12dの一例を示す図である。
図6の例において、提供情報記憶部12dは、「態様ID」、「提供情報」といった項目を有する。
【0052】
「態様ID」は、髪の態様を識別するための識別情報を示す。「提供情報」は、利用者Uが提供可能な髪の態様に相性のよいメイク等に関する情報であって、利用者Uに提供するコスメ、メイク道具、メイクの手順等の情報である。
【0053】
すなわち、
図6では、態様ID「HID#1」によって識別される髪の態様についての提供情報が「提供情報#1」、態様ID「HID#2」によって識別される髪の態様についての提供情報が「提供情報#2」である例を示す。
【0054】
(2-3.制御部13)
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0055】
図2に示すように、制御部13は、取得部13a、算出部13b、生成部13c、送信部13dおよび学習部13eを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0056】
(2-3-1.取得部13a)
取得部13aは、利用者が提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する。例えば、取得部13aは、利用者端末20から、態様情報として、利用者Uが選択した画像に対応付けされた髪型、髪色等の髪の態様に関する情報を取得する。
【0057】
また、取得部13aは、化粧に関する化粧を取得する。例えば、取得部13aは、化粧情報データベース30から、化粧情報として、コスメ、メイク道具、メイクの手順等の化粧に関する情報を取得する。このとき、取得部13aは、化粧情報データベース30から、ヘアメイク予約サイトのサービス提供者によって関連付けされた化粧情報を取得してもよい。また、取得部13aは、事前に各髪の態様に対する相性度が高い化粧として登録された化粧を含む化粧情報を取得してもよい。
【0058】
また、取得部13aは、髪の態様を提供する利用者Uに関する利用者情報を取得する。
例えば、取得部13aは、利用者Uの利用者端末20から、利用者情報として、利用者Uの興味関心を有するカテゴリ等を含む利用者属性や、利用者Uの検索履歴・閲覧履歴・購買履歴・位置情報等の行動履歴を取得する。
【0059】
なお、取得部13aは、取得した態様情報を態様情報記憶部12aに格納する。また、取得部13aは、取得した化粧情報を化粧情報記憶部12bに格納する。さらに、取得部13aは、取得した利用者情報を記憶部12に格納することもできる。
【0060】
(2-3-2.算出部13b)
算出部13bは、態様情報に基づいて、髪の態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する。例えば、算出する手法について説明すると、算出部13bは、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。具体的な例としては、算出部13bは、利用者Uが選択した態様情報や化粧情報を入力された際に髪の態様に対する化粧ごとの相性度を出力するように学習されたDNN等の機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。また、算出部13bは、ルールベースで利用者Uが選択した髪の態様に対する化粧ごとの相性度を算出してもよい。
【0061】
また、算出する数値について説明すると、算出部13bは、化粧ごとの相性の度合に応じて0~1の数値をとるように相性度を算出する。また、算出部13bは、化粧ごとの相性の度合に応じて0~100%の数値をとるように相性度を算出してもよく、算出する数値の範囲や単位は特に限定されない。
【0062】
具体的な例を用いて説明すると、例えばヘアスタイルHとコスメM1との相性度が「0.9」であり、ヘアスタイルHとコスメM2との相性度が「0.8」であり、ヘアスタイルHとコスメM3との相性度が「0.7」である場合、算出部13bは、相性度が最も高いコスメM1が、ヘアスタイルHとの相性が高いと推定する。これにより、算出部13bは、服飾物品と髪の態様との組合せの最適化を適切に行うことができる。
【0063】
また、算出部13bが用いる機械学習モデルの学習データについて説明すると、算出部13bは、髪の態様と化粧とを含む動画像により相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。具体的な例としては、算出部13bは、ウェブサイト、SNS、テレビ、映画等から収集された髪の態様と施された化粧が同時に映っている動画、静止画等により相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。
【0064】
さらに、算出部13bは、化粧を施される対象者の属性ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。具体的な例としては、算出部13bは、対象者の年代、好きな芸能人やドラマの種類等の趣味趣向を含む利用者属性ごとに生成された複数の機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。
【0065】
また、算出部13bは、化粧を施される対象者の状況ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。具体的な例としては、情報提供装置10は、新卒、転職、中途採用等のシチュエーションごとに、書類選考に通った対象者の就職活動時の画像を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。
【0066】
なお、算出部13bは、利用者Uが選択した髪の態様に関する態様情報を態様情報記憶部12aから取得する。また、算出部13bは、化粧を示す化粧情報を化粧情報記憶部12bから取得する。一方、算出部13bは、算出した相性度を相性度情報記憶部12cに格納する。
【0067】
(2-3-3.生成部13c)
生成部13cは、算出された相性度に基づいて、利用者Uに対して提供する提供情報を生成する。例えば、生成部13cは、取得された化粧情報が示す化粧のうち所定の閾値以上の相性度の化粧を特定し、提供情報を生成する。具体的な例を用いて説明すると、生成部13cは、利用者Uが提供可能な髪の態様であるヘアスタイルHに対する化粧に必要なコスメであるコスメM1、M2、M3、・・・のうち、ヘアスタイルHとの相性度が「0.7」以上であるコスメM1、M2、M3を特定し、コスメM1、M2、M3の画像等を含んだ提供情報を生成する。
【0068】
また、生成部13cは、取得された利用者Uの利用者情報に基づいて化粧を特定し、提供情報を生成する。例えば、生成部13cは、所定の閾値以上の相性度の化粧のうち、利用者Uの好みとして登録された化粧を特定し、当該化粧を含む提供情報を生成する。
【0069】
なお、生成部13cは、相性度情報を相性度情報記憶部12cから取得する。また、生成部13cは、生成した提供情報を提供情報記憶部12dに格納する。
【0070】
(2-3-4.送信部13d)
送信部13dは、生成部13cによって生成された提供情報を利用者Uに送信する。例えば、送信部13dは、利用者Uの利用者端末20に、利用者Uが提供可能な髪の態様に対する相性度が所定の閾値以上の化粧を含む画像を送信する。このとき、送信部13dは、化粧を含む画像とともに、当該化粧に必要なコスメやメイクの手順の情報を送信してもよい。
【0071】
なお、送信部13dは、提供情報を提供情報記憶部12dから取得する。また、送信部13dは、提供情報を図示しないサーバ・事業者端末・データベースに送信してもよい。
【0072】
(2-3-5.学習部13e)
学習部13eは、利用者Uが選択した態様情報や化粧を入力された際に髪の態様に対する化粧ごとの相性度を出力するように、機械学習モデルの学習を行う。このとき、学習部13eは、バックプロパゲーション等により機械学習モデルの学習を行ってもよい。
【0073】
例えば、学習部13eは、利用者U、利用者Uの属性、利用者Uの状況ごとに、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との組合せの相性がよいことを示す情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該髪の態様に対する化粧の相性度が「1」に近づく数値として出力されるように、機械学習モデルの学習を行う。
【0074】
一方、学習部13eは、利用者U、利用者Uの属性、利用者Uの状況ごとに、利用者Uが提供可能な髪の態様と化粧との組合せの相性が悪いことを示す情報が機械学習モデルに入力された場合には、当該髪の態様に対する化粧の相性度が「0」に近づく数値として出力されるように、機械学習モデルの学習を行う。
【0075】
〔3.情報提供処理の具体例〕
続いて、実施形態に係る情報提供処理の具体例について説明する。以下では、機械学習モデルの学習処理、提供情報の生成処理について説明した上で、利用者Uの利用者端末20に送信される提供情報の具体例について説明する。
【0076】
(3-1.機械学習モデルの学習処理)
実施形態に係る機械学習モデルの学習処理について説明する。当該処理を実行することによって、情報提供装置10は、後述する提供情報の生成処理に用いられる学習済みの機械学習モデルを生成することが可能となる。以下では、正解データ収集処理、画像データ抽出処理、画像データ学習処理の順に説明する。
【0077】
(3-1-1.正解データ収集処理)
まず、情報提供装置10は、SNSから正解データを収集する。ここで、収集される正解データは、例えば髪型とメイクとが同時に撮影されている画像であって、評価が所定の条件を満たす画像である。より具体的には、収集される正解データは、所定の人物が投稿した画像、「いいね」の数が所定数を超える画像、コメントの数や好意的内容が所定数を超える画像等である。また、情報提供装置10は、同様にしてテレビコマーシャルや映画等の動画像から正解データを収集することもできる。
【0078】
(3-1-2.画像データ抽出処理)
次に、情報提供装置10は、収集した正解データの画像から、髪部分と、メイク部分(例:顔部分、手足部分)を抽出する。このとき、情報提供装置10は、メイク部分について、眉毛、目、鼻、口、爪等ごとに抽出を行ってもよい。
【0079】
(3-1-3.画像データ学習処理)
そして、情報提供装置10は、同一の画像から抽出した髪部分の画像と各メイク部分の画像との組合せ(つまり評価がよいと思われる組合せ)が入力された際に、相性が高い旨の情報(例えば、スコア1)を出力するように機械学習モデルを学習させる。また、情報提供装置10は、異なる画像から抽出した髪部分の画像とメイク部分の画像との組合せ(つまり、評価がよいかわからない組合せ)が入力された際に、相性が低い旨の情報(例えば、スコア0や、所定値(0.7)以下のランダム数値)を出力するように機械学習モデルを学習させる。上記のような処理によって、情報提供装置10は、上述したセットマッチングを学習した機械学習モデルを生成する。
【0080】
(3-2.提供情報の生成処理)
実施形態に係る提供情報の生成処理について説明する。当該処理を実行することによって、情報提供装置10は、例えば各スタイリストが投稿したメイクを提供したり、利用者Uがメイクを選択すると、選択されたスタイリストが所属するメイクサロンの予約サービス(スタイリストの予約サービス)を提供したりすることが可能となる。以下では、態様情報取得処理、候補情報生成処理、態様特定処理、提供情報送信処理の順に説明する。
【0081】
(3-2-1.態様情報取得処理)
まず、情報提供装置10は、例えばメイク等に関する情報を提供するサーバである。このとき、情報提供装置10は、利用者Uが登録や選択したヘアメイクの画像を取得する。すなわち、上記のような処理によって、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能な髪の態様の画像(態様情報)を取得する。
【0082】
(3-2-2.候補情報生成処理)
次に、情報提供装置10は、取得した画像から髪部分を切り出した画像を生成するとともに、各メイク部分と、髪部分から切り出した画像とを組み合わせた候補情報を生成する。このとき、情報提供装置10は、メイクの画像(化粧情報)を各利用者Uから受け付けてもよいし、メイク部分の画像を収集した化粧情報データベース30から取得してもよい。
【0083】
(3-2-3.態様特定処理)
続いて、情報提供装置10は、生成した候補情報をそれぞれ機械学習モデルに入力し、出力されたスコアが所定の閾値を超える候補情報に含まれるメイク等を特定する。すなわち、上記のような処理によって、情報提供装置10は、利用者Uが提供可能な髪の態様と相性度が高い化粧を特定する。
【0084】
(3-2-4.提供情報送信処理)
そして、情報提供装置10は、特定したメイク等の画像にコスメの購入サイト等へのリンクを付与して提供情報を生成し、生成した1つもしくは複数の提供情報を利用者端末20に送信する。この結果、情報提供装置10は、「このヘアスタイルに相性のよいメイクはこちらです。コスメを購入されますか?」といった情報を利用者Uに提供できる。また、情報提供装置10は、利用者Uが美容室等の情報を提供しているヘアメイク予約サイトのサーバを介して、上記の情報を利用者Uに提供することもできる。このとき、情報提供装置10は、利用者Uの利用者端末20に直接提供情報を送信することもできる。
【0085】
(3-3.提供情報の具体例)
図7を用いて、実施形態に係る提供情報の具体例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報提供処理の具体例を示す図である。以下では、利用者Uの利用者端末20に送信され、表示される提供情報の具体例について説明する。
【0086】
(3-3-1.表示画面W1)
まず、利用者Uの利用者端末20に表示される提供情報として、利用者Uが提供可能な髪型・髪色等の髪の態様に関する表示画面W1について説明する。表示画面W1では、利用者Uがヘアメイク予約サイトにアップロードした髪の態様であるヘアスタイルHの画像H1と、当該髪の態様の施術料金、施術内容等を含む画面H2とが表示されている。
【0087】
(3-3-2.表示画面W2)
また、利用者Uの利用者端末20に表示される提供情報として、利用者Uが提供可能な髪型・髪色等の髪の態様に対するメイク等に関する情報を含む表示画面W2について説明する。表示画面W2では、「このヘアに合うコスメ」として、コスメX、Y、Zの情報として画面M1、M2、M3が表示されている。このとき、利用者Uは、コスメX、Y、Zの情報である画面M1、M2、M3をクリックすることによって、各コスメの詳細や当該コスメを用いたメイクの画像を閲覧することもできる。また、利用者Uは、コスメX、Y、Zの情報である画面M1、M2、M3をクリックすることによって、各コスメの購入サイトへ遷移することもできる。
【0088】
〔4.情報提供処理の流れ〕
図8を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の情報処理の手順について説明する。
図8は、実施形態に係る情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、下記のステップS101~S106は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S106のうち、省略される処理があってもよい。
【0089】
(4-1.態様情報収集処理)
第1に、情報提供装置10の取得部13aは、態様情報取得処理を実行する(ステップS101)。例えば、取得部13aは、利用者端末20から利用者Uが提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得する。
【0090】
(4-2.化粧情報収集処理)
第2に、情報提供装置10の取得部13aは、化粧情報取得処理を実行する(ステップS102)。例えば、取得部13aは、化粧情報データベース30を参照し、化粧に関する化粧情報を取得する。
【0091】
(4-3.相性度算出処理)
第3に、情報提供装置10の算出部13bは、相性度算出処理を実行する(ステップS103)。例えば、算出部13bは、取得された態様情報および化粧情報から、利用者Uが提供可能な髪の態様に対する化粧ごとの相性度を算出する。
【0092】
(4-4.提供情報生成処理)
第4に、情報提供装置10の生成部13cは、提供情報生成処理を実行する(ステップS104)。例えば、生成部13cは、算出された相性度や利用者情報に基づいて、利用者Uに提供する提供情報を生成する。
【0093】
(4-5.提供情報送信処理)
第5に、情報提供装置10の送信部13dは、提供情報送信処理を実行する(ステップS105)。例えば、送信部13dは、生成された提供情報を利用者Uの利用者端末20に送信する。
【0094】
(4-6.相性度学習処理)
第6に、情報提供装置10の学習部13eは、相性度学習処理を実行する(ステップS106)。例えば、学習部13eは、算出された利用者Uが提供可能な髪の態様に対する化粧ごとの相性度を学習する。
【0095】
〔5.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~7について説明する。
【0096】
(5-1.効果1)
上述した実施形態に係る処理では、利用者Uが提供可能な髪の態様に関する態様情報を取得し、取得した物品情報に基づいて、髪の態様と化粧との組合せの相性の度合を示す相性度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに対して有益な情報を提供できる。
【0097】
(5-2.効果2)
上述した実施形態に係る処理では、髪の態様と当該態様の髪を有する対象者が施された化粧との組合せの相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに対して有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0098】
(5-3.効果3)
上述した実施形態に係る処理では、髪の態様と化粧とを含む動画像により相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに対して有益な情報を、より効果的にかつ高い精度で提供できる。
【0099】
(5-4.効果4)
上述した実施形態に係る処理では、化粧を施される対象者の属性ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに対して有益な情報を、対象者の属性ごとに高い精度で提供できる。
【0100】
(5-5.効果5)
上述した実施形態に係る処理では、化粧を施される対象者の状況ごとに相性の度合を学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出する。このため、本処理では、利用者Uに対して有益な情報を、対象者の状況ごとに高い精度で提供できる。
【0101】
(5-6.効果6)
上述した本実施形態に係る処理では、化粧に関する化粧情報をさらに取得し、化粧情報が示す化粧のうち所定の閾値以上の相性度の化粧を特定し、提供情報を生成する。このため、本処理では、化粧情報を用いることによって、利用者Uに対して有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0102】
(5-7.効果7)
上述した本実施形態に係る処理では、髪の態様を提供する利用者Uに関する利用者情報をさらに取得し、利用者情報に基づいて化粧を特定し、提供情報を生成する。このため、本処理では、利用者情報を用いることによって、利用者Uに対して有益な情報を、より効果的に提供できる。
【0103】
〔ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報提供装置10は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0104】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0105】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0106】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0107】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0108】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0109】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0110】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0111】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0112】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0113】
〔その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0114】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0115】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0116】
例えば、上述した情報提供装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0117】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0118】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0119】
10 情報提供装置
11 通信部
12 記憶部
12a 態様情報記憶部
12b 化粧情報記憶部
12c 相性度情報記憶部
12d 提供情報記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 算出部
13c 生成部
13d 送信部
13e 学習部
20 利用者端末
30 化粧情報データベース
100 情報提供システム